(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】テープ貼着方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20240927BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20240927BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/304 622J
H01L21/78 M
(21)【出願番号】P 2019112538
(22)【出願日】2019-06-18
【審査請求日】2022-04-28
【審判番号】
【審判請求日】2023-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100172281
【氏名又は名称】岡本 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100206553
【氏名又は名称】笠原 崇廣
(74)【代理人】
【識別番号】100189773
【氏名又は名称】岡本 英哲
(74)【代理人】
【識別番号】100184055
【氏名又は名称】岡野 貴之
(72)【発明者】
【氏名】趙 金艶
(72)【発明者】
【氏名】原田 成規
【合議体】
【審判長】河本 充雄
【審判官】三浦 みちる
【審判官】緑川 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-008288(JP,A)
【文献】特表2012-511264(JP,A)
【文献】特開平11-195623(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/683
H01L21/301
H01L21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークにテープを貼着するテープ貼着方法であって、
基材と該基材上の接着層とを有した該テープの該接着層が該ワークの被貼着面に接触するように、該ワークを配置する配置ステップと、
該配置ステップを実施した後、ボールを該テープの該基材に接触させた状態で転動させて、該テープを該ワークに密着させる密着ステップと、を備えることを特徴とするテープ貼着方法。
【請求項2】
該密着ステップでは、該ボールを該ワークの中央部から外周縁側に向かって渦巻き状に転動させることを特徴とする請求項1に記載のテープ貼着方法。
【請求項3】
該テープの外周部は環状フレームに貼着されており、
該密着ステップでは、該環状フレームが支持され、且つ、該ワークが該テープ以外によって支持されていない状態で、該ボールを転動させることを特徴とする請求項1又は2に記載のテープ貼着方法。
【請求項4】
該ボールは、ゴムボール又は樹脂ボールであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のテープ貼着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークにテープを貼着するテープ貼着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デバイスチップの製造工程においては、分割予定ライン(ストリート)によって区画された複数の領域にそれぞれデバイスが形成されたウェーハが用いられる。このウェーハを分割予定ラインに沿って分割することにより、複数のデバイスチップが得られる。
【0003】
ウェーハに対しては、加工装置を用いた様々な加工が施される。例えば、研削装置でウェーハを研削して薄化する研削加工や、切削装置でウェーハを切削して分割する切削加工等が実施される。また、加工装置によってウェーハを加工する際には、ウェーハのハンドリング性の向上や、ウェーハに形成されたデバイスの保護等を目的として、ウェーハにテープが貼着される。
【0004】
近年では、ウェーハへのテープの貼着を自動で行う手法が広く用いられている。例えば特許文献1には、ウェーハを保持する保持テーブルと、ウェーハにテープを貼着するための可動ローラーとを備えたテープ貼着装置が開示されている。このテープ貼着装置は、保持テーブルによって保持されたウェーハ上にテープが配置された状態で、可動ローラーをウェーハの一端側から他端側に向かって転がし、可動ローラーでテープをウェーハに向かって押圧する。これにより、テープがウェーハに自動で貼着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ウェーハには、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて構成されたデバイス(MEMSデバイス)等、微細で緻密なデバイスが形成されることがある。このようなデバイスが形成されたウェーハにテープを貼着する際に、前述のテープ貼着装置を用いると、可動ローラーの強い押圧によってデバイスが損傷してしまう恐れがある。そのため、ウェーハに形成されるデバイスの構造、性質等によっては、可能な限りウェーハに負荷がかからない方法でテープを貼着することが望まれる。
【0007】
そこで、平坦に支持されたテープ上にウェーハを配置することによって、ウェーハにテープを貼着する手法が用いられることがある。この手法では、ウェーハが過度に押圧されることがないため、ウェーハに形成されたデバイスの損傷等が生じにくい。
【0008】
しかしながら、テープ上にウェーハを配置する方法を用いると、ウェーハとテープとの間に気体が閉じ込められ、気泡が形成されることがある。この気泡の残留は、ウェーハとテープとの適切な密着を阻害し、ウェーハを加工する際における加工不良の発生の原因となる。例えば、気泡によってウェーハが平坦に保持されず、ウェーハに研削加工を施す際にウェーハの全体を均一に研削することが困難になる場合がある。また、ウェーハを切削して複数のデバイスチップに分割した際、デバイスチップとテープとの接着が気泡によって妨げられ、チップが飛散する恐れがある。
【0009】
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、デバイスが形成されたウェーハ等に代表されるワークとテープとの間における気泡の残存を抑制することが可能なテープ貼着方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、ワークにテープを貼着するテープ貼着方法であって、基材と該基材上の接着層とを有した該テープの該接着層が該ワークの被貼着面に接触するように、該ワークを配置する配置ステップと、該配置ステップを実施した後、ボールを該テープの該基材に接触させた状態で転動させて、該テープを該ワークに密着させる密着ステップと、を備えるテープ貼着方法が提供される。
【0011】
なお、好ましくは、該密着ステップでは、該ボールを該ワークの中央部から外周縁側に向かって渦巻き状に転動させる。また、好ましくは、該テープの外周部は環状フレームに貼着されており、該密着ステップでは、該環状フレームが支持され、且つ、該ワークが該テープ以外によって支持されていない状態で、該ボールを転動させる。さらに、好ましくは、該ボールは、ゴムボール又は樹脂ボールである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様に係るテープ貼着方法では、ワークをテープと接触するように配置した後、ボールをテープの基材に接触させた状態で転動させて、テープをワークに密着させる。これにより、ワークとテープとの間で形成されている気泡をボールの転動によって逃がしながらワークにテープを貼着でき、テープの貼着後にワークとテープとの間に気泡が残存することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】
図2(A)は配置ステップにおけるワークを示す斜視図であり、
図2(B)は配置ステップ後のワークの一部を拡大して示す断面図である。
【
図3】テープの下側でボールが転動する様子を示す断面図である。
【
図4】テープの上側でボールが転動する様子を示す断面図である。
【
図5】
図5(A)はボールが放射状に転動する様子を示す底面図であり、
図5(B)はボールが渦巻き状に転動する様子を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本実施形態を説明する。まず、本実施形態に係るテープ貼着方法によってテープが貼着されるワークの構成例について説明する。
図1は、ワーク11を示す斜視図である。ワーク11は、テープが貼着された状態で、加工、洗浄等の処理が施される部材(被加工物、被洗浄物)である。
【0015】
ワーク11は、例えば円盤状に形成されたシリコンウェーハであり、表面11a、裏面11b及び外周縁11cを備える。ワーク11は、互いに交差するように格子状に配列された複数の分割予定ライン(ストリート)13によって複数の領域に区画されており、この領域の表面11a側にはそれぞれ、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスによって構成されるデバイス15が形成されている。すなわち、ワーク11は複数のMEMSを備えるMEMSウェーハである。
【0016】
ただし、ワーク11の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。例えばワーク11は、シリコン以外の半導体(GaAs、InP、GaN、SiC等)、ガラス、セラミックス、樹脂、金属等の材料によって形成されていてもよい。また、デバイス15の種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はない。例えば、デバイス15はIC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)等によって構成されていてもよい。また、ワーク11にはデバイス15が形成されていなくてもよい。
【0017】
ワーク11を分割予定ライン13に沿って分割すると、デバイス15をそれぞれ備える複数のデバイスチップが得られる。なお、ワーク11の分割には、ワーク11を環状の切削ブレードで切削する切削装置や、レーザービームの照射によってワーク11を加工するレーザー加工装置等が用いられる。また、デバイスチップの薄型化を目的として、分割前のワーク11が薄化される場合がある。ワーク11の薄化には、ワーク11を研削砥石で研削する研削装置や、ワーク11を研磨パッドで研磨する研磨装置等が用いられる。
【0018】
上記のような各種の加工装置を用いてワーク11を加工する際には、ワーク11のハンドリング性の向上や、ワーク11に形成されたデバイス15の保護等を目的として、ワーク11にテープが貼着される。例えば、ワーク11の搬送及び保持を容易にするため、ワーク11はテープを介して環状フレームによって支持されることがある。
【0019】
本実施形態に係るテープ貼着方法では、まず、ワーク11をテープと接触するように配置する(配置ステップ)。
図2(A)は、配置ステップにおけるワーク11を示す斜視図である。なお、以下では一例として、ワーク11の裏面11bが、テープ17が貼着される面(被貼着面)である場合について説明する。ただし、被貼着面はワーク11の表面11aであってもよい。
【0020】
配置ステップでは、まず、ワーク11と、ワーク11に貼着されるテープ17とを準備する。例えばテープ17は、気体が透過可能な高分子フィルム等でなり、ワーク11よりも直径の大きい円形に形成される。このテープ17は、例えばワーク11を切削装置に装着された切削ブレードで切断する際に用いられるダイシングテープに対応する。
【0021】
テープ17は、円形のフィルム状の基材17aと、基材17a上に形成された接着層(糊層)17bとを備える(
図2(B)参照)。基材17aは、例えばポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラート等の樹脂でなる。また、接着層17bは、例えば紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型の樹脂でなる。なお、基材17aと接着層17bとはそれぞれ、空気が透過可能な材質でなる。
【0022】
テープ17の外周部は、中央部にワーク11よりも直径の大きい円形の開口19aを備える環状フレーム19に貼付される。これにより、テープ17は、開口19aの内側で接着層17bが露出した状態となる。
【0023】
次に、ワーク11を、裏面11b(被貼着面)とテープ17の接着層17bとが接触するように、テープ17上に配置する。これによりワーク11は、開口19aの内側でテープ17を介して環状フレーム19によって支持される。
図2(B)は、配置ステップ後のワーク11の一部を拡大して示す断面図である。
【0024】
なお、ワーク11がテープ17上に配置された段階では、テープ17はワーク11に完全には貼着されていない。すなわち、ワーク11は、単にテープ17上に配置されたのみでテープ17に接着はしていない状態、又は、テープ17に部分的に接着した状態となっており、ワーク11とテープ17とは互いに密着はしていない。
【0025】
ワーク11をテープ17上に配置すると、ワーク11とテープ17との間に気体が入り込み、気泡が形成されることがある。例えば、ワーク11の配置を大気中で実施すると、ワーク11とテープ17との間に空気が入り込み、ワーク11の配置後、ワーク11とテープ17との間には空気を含む気泡が残留することがある。この気泡の残留は、ワーク11とテープ17との適切な密着を阻害し、ワーク11を加工する際における加工不良の発生の原因となる。
【0026】
例えば、気泡によってワーク11が平坦に保持されず、ワーク11に研削加工を施す際にワーク11の全体を均一に研削することが困難になる場合がある。また、ワーク11を切削して複数のデバイスチップに分割した際、デバイスチップとテープ17との接着が気泡によって妨げられ、チップが飛散する恐れがある。そのため、ワーク11とテープ17との間における気泡の残留は、極力抑制されることが望まれる。
【0027】
そこで、本実施形態では、配置ステップを実施した後、ボールをテープ17の基材17aに接触させた状態で転動させて、テープ17をワーク11に密着させる(密着ステップ)。これにより、ワーク11とテープ17との間における気泡の残留を抑制しつつ、ワーク11にテープ17を確実に貼着することができる。
【0028】
図3は、テープ17の下側でボール2が転動する様子を示す断面図である。密着ステップでは、まず、ワーク11が水平に配置されるように、環状フレーム19を支持する。
図3では、ワーク11がテープ17の上側に配置されるように環状フレーム19が支持された状態を示している。なお、環状フレーム19を支持する方法に制限はない。例えば、環状フレーム19を環状の支持部材上に配置してもよいし(
図4参照)、環状フレーム19を把持して固定する複数のクランプ等を用いてもよい。
【0029】
次に、テープ17の下側にボール2を配置する。ボール2は、ゴムや樹脂等の弾性体でなる球状の部材である。例えば、ボール2としてゴムボールや樹脂ボールを用いることができる。そして、ボール2をテープ17側に移動させ、テープ17の基材17a(
図2(B)参照)に接触させる。
【0030】
ボール2をテープ17に接触させると、テープ17がワーク11側に僅かに押し付けられる。
図3では、ボール2の押圧によってテープ17が伸び、ワーク11が上方に押し上げられた状態を示している。これにより、テープ17のボール2と接触する領域がワーク11に密着する。なお、ボール2の移動量(上昇量)は、ボール2によるテープ17の押し上げによってワーク11がテープ17から剥離されない範囲内で適宜調整される。
【0031】
なお、ボール2がテープ17に押し当てられる際、ワーク11の表面11a側は支持されておらず、ワーク11は鉛直方向(上下方向)に移動可能な状態となっている。そのため、ボール2をテープ17に押し当ててもワーク11に過度の圧力が付与されることはない。これにより、ワーク11の損傷(デバイス15の損傷等)が防止される。
【0032】
前述の配置ステップの実施後、ワーク11とテープ17の間には気泡が残存していることがある。この場合、ボール2をテープ17に接触させてテープ17を押し上げると、テープ17のボール2と接触した領域とワーク11とによって気泡が挟まれ、気泡はボール2とテープ17とが接触していない領域に向かって押し出される。または、気泡はテープ17に押し込まれ、テープ17を透過して外部に放出される。これにより、ワーク11とテープ17との密着領域において気泡が除去される。
【0033】
次に、ボール2をテープ17の基材17aに接触させた状態で転動させる。これにより、テープ17のうちボール2が転動した領域がワーク11側に僅かに押し上げられ、ワーク11に密着する。そして、テープ17のワーク11と重なる領域全体に渡ってボール2を転動させると、テープ17がワーク11の被貼着面(裏面11b)の全体に密着し、ワーク11にテープ17が貼着される。
【0034】
上記の密着ステップでは、ワーク11とテープ17との間で形成されている気泡をボール2の転動によって逃がしながら、ワーク11にテープ17を貼着できる。これにより、テープ17の貼着後にワーク11とテープ17との間に気泡が残存することを抑制できる。
【0035】
なお、ボール2の転動は、ワーク11がテープ17の下側に配置された状態で実施することもできる。
図4は、テープ17の上側でボール2が転動する様子を示す断面図である。
図4では、ワーク11がテープ17の下側に配置されるように、環状フレーム19が支持されている。
【0036】
具体的には、環状フレーム19を支持する環状の支持部材4が設置され、環状フレーム19は、テープ17が貼着されていない面が支持部材4の上面に接するように、支持部材4上に配置される。これにより、環状フレーム19が支持部材4によって支持される。なお、このときワーク11は、テープ17に完全には密着していないものの、落下しない程度にテープ17に部分的に接着している。
【0037】
この状態で、ボール2をテープ17上に配置して転動させる。これにより、ボール2がテープ17の基材17a(
図2(B)参照)と接触した状態で転がり、テープ17がワーク11側に僅かに押し下げられる。これにより、ワーク11の被貼着面(裏面11b)とテープ17の接着層17bとが密着し、ワーク11にテープ17が貼着される。
【0038】
なお、
図3及び
図4では、環状フレーム19が支持され、且つ、ワーク11がテープ17以外によっては支持されていない状態で、ボール2を転動させる例について説明した。しかしながら、テープ17をワーク11にある程度強く押し付ける必要がある場合には、ワーク11を他の部材によって支持し、ワーク11の移動を制限した状態でボール2を転動させてもよい。
【0039】
例えば、
図3においては、ワーク11の表面11a側を上側から所定の支持部材で支持し、ワーク11の上側への移動を制限した状態で、ボール2をテープ17に押し付けて転動させてもよい。これにより、テープ17がワーク11に強く押し付けられ、ワーク11とテープ17とが確実に密着する。同様に、
図4においては、ワーク11の表面11a側を下側から所定の支持部材で支持し、ワーク11の下側への移動を制限した状態で、ボール2をテープ17上で転動させ、テープ17をワーク11に押し付けてもよい。
【0040】
ただし、ワーク11の表面11a側にはデバイス15が形成されており、デバイス15が形成された領域を支持した状態でテープ17をボール2で押圧すると、デバイス15が損傷する恐れがある。そのため、ワーク11の表面11a側を支持する際は、ワーク11のデバイス15が形成されていない外周領域(外周余剰領域)のみを支持してもよい。
【0041】
なお、密着ステップでは、ボール2として柔軟な弾性体でなるゴムボールや樹脂ボールを用いることが好ましい。この場合、ボール2がテープ17に接触した際に変形し、ボール2とテープ17との接触面積が増大する。これにより、テープ17をワーク11に効率的に密着させることができる。また、ボール2が柔軟で変形可能であると、ボール2がテープ17に接触した際にテープ17が傷つきにくくなる。
【0042】
また、密着ステップでは、ボール2をワーク11の中央部から外周縁11c側に向かって転動させることが好ましい。
図5(A)は、ボール2がワーク11の中央部から外周縁11c側に向かって放射状に転動する様子を示す底面図である。この場合には、ボール2をワーク11の中央(中心)又はその近傍から外周縁11cに向かって直線状に転動させる作業を繰り返す。また、
図5(B)は、ボール2がワーク11の中央部から外周縁11c側に向かって渦巻き状に転動する様子を示す底面図である。この場合には、ボール2をワーク11の中央(中心)又はその近傍に配置した後、ワーク11の中央から徐々に遠ざかるように旋回させる。
【0043】
上記のように、ボール2をワーク11の中央部から外周縁11c側に向かって転動させると、テープ17がワーク11の中央部から外周縁11c側に向かって順に密着する。そのため、配置ステップの実施後にワーク11とテープ17との間に気泡が残存していても、密着ステップで気泡をワーク11の外周縁11c側に逃がしながらワーク11にテープ17を貼着できる。これにより、ワーク11とテープ17との間における気泡の残留が効果的に抑制される。
【0044】
以上の通り、本実施形態に係るテープ貼着方法では、ワーク11をテープ17と接触するように配置した後、弾性体でなるボール2をテープ17の基材17aに接触させた状態で転動させて、テープ17をワーク11に密着させる。これにより、ワーク11とテープ17との間で形成されている気泡をボールの転動によって逃がしながらワーク11にテープ17を貼着でき、テープ17の貼着後にワーク11とテープ17との間に気泡が残存することを抑制できる。
【0045】
なお、本実施形態では、直径がワーク11よりも大きいテープ17がワーク11に貼着される例について説明したが、テープ17の形状や種類(機能)に制限はない。例えば、ワーク11の裏面11b側に、ワーク11と概ね同径のテープ17を貼着してもよい。この場合、テープ17は環状フレーム19に貼着されない。また、例えばテープ17は、ワーク11の表面11a側に貼着され、複数のデバイス15を覆って保護する保護テープであってもよい。
【0046】
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
【符号の説明】
【0047】
11 ワーク
11a 表面
11b 裏面
11c 外周縁
13 分割予定ライン(ストリート)
15 デバイス
17 テープ
17a 基材
17b 接着層(糊層)
19 環状フレーム
19a 開口
2 ボール
4 支持部材