(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】新規EGFR阻害剤
(51)【国際特許分類】
C07D 487/04 20060101AFI20240927BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240927BHJP
A61K 31/454 20060101ALI20240927BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240927BHJP
A61K 31/427 20060101ALI20240927BHJP
A61K 31/55 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
C07D487/04 138
C07D487/04 CSP
A61P35/00
A61K31/454
A61P43/00 111
A61K31/427
A61K31/55
(21)【出願番号】P 2021576026
(86)(22)【出願日】2020-06-19
(86)【国際出願番号】 EP2020067055
(87)【国際公開番号】W WO2020254546
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2023-06-15
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514099673
【氏名又は名称】エフ・ホフマン-ラ・ロシュ・アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ドレンテ, コジモ
(72)【発明者】
【氏名】ゴアグラー, アニック
(72)【発明者】
【氏名】ヘウィングス, デーヴィッド スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ジェスキー, ゲオルク
(72)【発明者】
【氏名】クーン, ベルント
(72)【発明者】
【氏名】ナーゲル, イヴォン アリス
(72)【発明者】
【氏名】ノルクロス, ロガー ダビト
(72)【発明者】
【氏名】オブスト-サンダー, クリスタ ウルリケ
(72)【発明者】
【氏名】リッチ, アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ルーハー, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】シュタイナー, サンドラ
【審査官】谷尾 忍
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/220149(WO,A1)
【文献】特表2018-522879(JP,A)
【文献】特許第7411588(JP,B2)
【文献】特表2022-537191(JP,A)
【文献】特表2022-537769(JP,A)
【文献】特表2022-538055(JP,A)
【文献】特表2022-538403(JP,A)
【文献】特表2022-537772(JP,A)
【文献】特表2022-537301(JP,A)
【文献】NATURE,2016年,534(7605),p.129-132
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 487/04
A61K 31/454
A61K 31/427
A61K 31/55
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-[6-[4-(1-エチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-[6-[2-[4-[[4-(ヒドロキシメチル)-1-ピペリジル]メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[4-(1-エチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[2-[4-[[4-(ヒドロキシメチル)-1-ピペリジル]メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[6-[2-[4-[[4-(ヒドロキシメチル)-1-ピペリジル]メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[4-(1-エチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[4-(ジフルオロメチル)-1-オキソ-6-[4-[rac-(3R,4R)-1-エチル-3-フルオロ-4-ピペリジル]フェニル]イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[6-[2-[4-[(6-ヒドロキシ-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[2-[4-[[4-(ヒドロキシメチル)-1-ピペリジル]メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;及び
2-[6-[2-[4-[(4-ヒドロキシアゼパン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
から選択される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-[6-[4-(1-エチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-[6-[2-[4-[[4-(ヒドロキシメチル)-1-ピペリジル]メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[4-(1-エチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[2-[4-[[4-(ヒドロキシメチル)-1-ピペリジル]メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[6-[2-[4-[[4-(ヒドロキシメチル)-1-ピペリジル]メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[4-(1-エチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[4-(ジフルオロメチル)-1-オキソ-6-[4-[rac-(3R,4R)-1-エチル-3-フルオロ-4-ピペリジル]フェニル]イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[6-[2-[4-[(6-ヒドロキシ-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[2-[4-[[4-(ヒドロキシメチル)-1-ピペリジル]メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;及び
2-[6-[2-[4-[(4-ヒドロキシアゼパン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項2に記載の化合物と、治療的に不活性な担体と、を含む、医薬組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項2に記載の化合物を含む、がんを処置又は予防するための医薬品。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項2に記載の化合物を含む、
非小細胞肺がんを処置又は予防するための医薬品。
【請求項6】
がんを処置又は予防するための医薬品を調製するための、請求項1に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項2に記載の化合物の使用。
【請求項7】
非小細胞肺がんを処置又は予防するための医薬品を調製するための、請求項1に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項2に記載の化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EGFR突然変異体を含むT790M/L858R、T790M/L858R/C797S、L858R、L858R/C797Sの選択的アロステリック阻害剤である化合物、それらの製造、それらを含有する医薬組成物、及び治療的に活性な物質としてのそれらの使用を提供する。
【0002】
本発明は、以下から選択される新規化合物を提供する。
2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-[6-[4-(1-エチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-[6-[2-[4-[[4-(ヒドロキシメチル)-1-ピペリジル]メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[4-(1-エチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[2-[4-[[4-(ヒドロキシメチル)-1-ピペリジル]メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[6-[2-[4-[[4-(ヒドロキシメチル)-1-ピペリジル]メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[4-(1-エチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[4-(ジフルオロメチル)-1-オキソ-6-[4-[rac-(3R,4R)-1-エチル-3-フルオロ-4-ピペリジル]フェニル]イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[6-[2-[4-[(6-ヒドロキシ-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[2-[4-[[4-(ヒドロキシメチル)-1-ピペリジル]メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[6-[2-[4-[(4-ヒドロキシアゼパン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
又は薬学的に許容される塩。
【背景技術】
【0003】
受容体チロシンキナーゼのHERファミリーは、細胞増殖、分化、及び生存のメディエータである。この受容体ファミリーには、4つの異なるメンバー、すなわち、上皮増殖因子受容体(EGFR、ErbBl、又はHER1)、HER2(ErbB2)、HER3(ErbB3)、及びHER4(ErbB4)が含まれる。リガンドが結合すると、受容体はホモ二量体及びヘテロ二量体を形成し、続く内因性チロシンキナーゼ活性の活性化は、受容体の自己リン酸化及び下流シグナル伝達分子の活性化をもたらす(Yarden,Y.,Sliwkowski,MX.Untangling the ErbB signalling network.Nature Review Mol Cell Biol.2001 Feb;2(2):127-37)。過剰発現又は突然変異によるEGFRの脱調節は、結腸直腸がん、膵臓がん、神経膠腫、頭頸部がん、及び肺がんを含む多くの種類のヒトがん、特に非小細胞肺がん(non-small cell lung cancer:NSCLC)に関係しており、いくつかのEGFR標的化剤が長年にわたって開発されている(Ciardiello,F.,and Tortora,G.(2008).EGFR antagonists in cancer treatment.The New England journal of medicine 358,1160-1174)。EGFRチロシンキナーゼの可逆的阻害剤であるエルロチニブ(タルセバ(登録商標))は、再発性NSCLCの治療薬として数多くの国で承認されている。
【0004】
腫瘍が体細胞キナーゼドメイン変異を有するNSCLC患者のサブセットでは、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤の顕著な単剤活性が観察されるが、野生型EGFR患者における臨床的有益性は大幅に低下する(Paez,J.et al.(2004).EGFR mutations in lung cancer:correlation with clinical response to gefitinib therapy.Science(New York,NY 304,1497-1500)。EGFRの最も一般的な体細胞変異は、デルタ746~750が最も一般的な変異であるエクソン19欠失であり、L858Rが最も高頻度の変異であるエクソン21アミノ酸置換である(Sharma SV,Bell DW,Settleman J,Haber DA.Epidermal growth factor receptor mutations in lung cancer.Nat Rev Cancer.2007 Mar;7(3):169-81)。
【0005】
治療抵抗性は高頻度で発生し、受容体のATP部位内の二次的T790M変異に起因することが多い。いくつかの開発された変異選択的不可逆性阻害剤はT790M変異体に対して高度に活性であるが、これらの有効性は、鍵となる共有結合をこれらが形成するシステイン残基であるC797Sの後天性変異によって損なわれる可能性がある(Thress,K.S.et al.Acquired EGFR C797S mutation mediates resistance to AZD9291 in non-small cell lung cancer harboring EGFR T790M.Nat.Med.21,560-562(2015))。C797S変異は、T790M標的化EGFR阻害剤に対する耐性の主要な機構であることがWangによって更に報告された(Wang et al.EGFR C797S mutation mediates resistance to third-generation inhibitors in T790M-positive non-small cell lung cancer,J Hematol Oncol.2016;9:59)。オシメルチニブに対する耐性を引き起こす更なる変異、例えばL718QがYangによって記載されている(Yang et al,Investigating Novel Resistance Mechanisms to Third-Generation EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Osimertinib in Non-Small Cell Lung Cancer Patients,Clinical Cancer Research,DOI:10.1158/1078-0432.CCR-17-2310)。Lu et al.(Targeting EGFRL858R/T790M and EGFRL858R/T790M/C797S resistance mutations in NSCLC:Current developments in medicinal chemistry,Med Res Rev 2018;1-32)は、NSCLC処置におけるEGFRL858R/T790M及びEGFRL858R/T790M/C797S耐性変異の標的化に関する総説論文において報告している。
【0006】
最も利用可能なEGFRチロシンキナーゼ阻害剤はキナーゼのATP部位を標的とするので、例えば薬剤耐性EGFR変異体を標的とすることによる、異なる働きをする新たな治療剤が必要である。
【0007】
最近の研究は、アロステリック部位を意図的に標的化することが変異体選択的阻害剤をもたらし得ることを示唆しているJia et al.Overcoming EGFR(T790M)and EGFR(C797S)resistance with mutant-selective allosteric inhibitoRS,June 2016,Nature 534,129-132)。
【0008】
癌の治療処置及び/又は予防処置に有用なEGFR変異体を含有するT790M/L858R、T790M/L858R/C797S、L858R、L858R/C797S、特にEGFR突然変異体を含有するT790M及びC797Sを特異的に阻害する選択的分子の生成が、まさに必要とされている。
【0009】
国際公開第2009158369号には、ある特定の複素環式抗菌剤が記載されている。国際公開第2016183534号には、EBNA1阻害剤として好適なある特定の複素環式化合物が記載されている。国際公開第2011128279号には、mGluR5修飾物質として好適なある特定の複素環式化合物が記載されている。
【発明の概要】
【0010】
「薬学的に許容される」との用語は、生物学的に又は別様に望ましくないものではない、遊離塩基又は遊離酸の生物学的有効性及び特性を保持する塩を指す。塩は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等、特に塩酸、並びに有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、N-アセチルシステイン等と共に形成される。また、これらの塩は、遊離酸に無機塩基や有機塩基を添加して調製してもよい。無機塩基に由来する塩には、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム及びマグネシウム塩等が含まれるがこれらに限定されない。有機塩基に由来する塩には、第一級、第二級及び第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環式アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リジン、アルギニン、N-エチルピペリジン、ピペリジン、ポリイミン樹脂等の塩が含まれるがこれらに限定されない。本発明の化合物の特に薬学的に許容される塩としては、塩酸塩、メタンスルホン酸塩、クエン酸塩等が挙げられる。
【0011】
略語のuMはマイクロモルを意味し、記号μMに相当する。
【0012】
略語のuLはマイクロリットルを意味し、記号μLに相当する。
【0013】
略語のugはマイクログラムを意味し、記号のμgに相当する。
【0014】
本発明の化合物は、数個の不斉中心を含むことができ、光学的に純粋なエナンチオマー、例えばラセミ体等のエナンチオマーの混合物、光学的に純粋なジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体ラセミ体又はジアステレオ異性体ラセミ体の混合物の形態で存在することができる。
【0015】
Cahn-Ingold-Prelog則によれば、不斉炭素原子は、「R」又は「S」立体配置のものであり得る。
【0016】
また、本発明の一実施形態は、本明細書に記載の化合物及びその薬学的に許容される塩、より具体的には本明細書に記載の化合物である。
【0017】
別の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、
2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-[6-[4-(1-エチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-[6-[2-[4-[[4-(ヒドロキシメチル)-1-ピペリジル]メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[4-(1-エチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[2-[4-[[4-(ヒドロキシメチル)-1-ピペリジル]メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[6-[2-[4-[[4-(ヒドロキシメチル)-1-ピペリジル]メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[4-(1-エチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[4-(ジフルオロメチル)-1-オキソ-6-[4-[rac-(3R,4R)-1-エチル-3-フルオロ-4-ピペリジル]フェニル]イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[6-[2-[4-[(6-ヒドロキシ-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[2-[4-[[4-(ヒドロキシメチル)-1-ピペリジル]メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
2-[6-[2-[4-[(4-ヒドロキシアゼパン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミドから選択される。
【0018】
本明細書に記載の本発明の化合物を製造するための工程も本発明の対象である。
【0019】
酸を伴う対応する薬学的に許容される塩は、当業者に公知の標準的方法、例えば、本発明の化合物を、例えばジオキサン又はテトラヒドロフラン等の好適な溶媒中に溶解し、適切な量の対応する酸を加えることによって得ることができる。生成物は通常、濾過又はクロマトグラフィーによって単離できる。本発明の化合物を薬学的に許容される塩へと塩基によって変換することは、そのような化合物をそのような塩基で処理することによって行うことができる。そのような塩を形成する1つの可能な方法は、例えば、1/n当量の例えばM(OH)nといった塩基性塩(M=金属又はアンモニウムカチオン、及びn=ヒドロキシドアニオン数)を適当な溶媒(例えば、エタノール、エタノール-水混合物、テトラヒドロフラン-水混合物)中の化合物の溶液に加え、蒸発又は凍結乾燥によって溶媒を除去することによる方法である。特定の塩は、塩酸塩、ギ酸塩、及びトリフルオロ酢酸塩である。
【0020】
それらの調製が実施例に記載されていない限り、本発明の化合物及び全ての中間体生成物は、類似の方法又は本明細書に記載の方法に従って調製することができる。出発物質は市販されており、当技術分野で公知であるか、又は当技術分野で公知の方法によって、若しくはそれに類似する方法で調製することができる。
【0021】
本発明における本発明の化合物を官能基で誘導体化して、in vivoで親化合物に変換して戻すことができる誘導体を提供できることが、理解されるであろう。
【0022】
本発明のある特定の実施形態は、治療的に活性な物質として使用するための、本明細書に記載の本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩に関する。
【0023】
本発明のある特定の実施形態は、がん、特に非小細胞肺がんの治療及び/又は予防処置で使用するための、本明細書に記載の本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩に関する。
【0024】
本発明のある特定の実施形態は、非小細胞肺がんの治療及び/又は予防処置で使用するための、本明細書に記載の本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩に関する。
【0025】
本発明のある特定の実施形態は、がん、特に非小細胞肺がんの治療及び/又は予防処置のための医薬品を製造するための、本明細書に記載の本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩に関する。
【0026】
本発明のある特定の実施形態は、本明細書に記載の本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される補助物質を含む、医薬組成物に関する。
【0027】
本発明のある特定の実施形態は、本明細書に記載の本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩を患者に投与することによる、がん、特に非小細胞肺がんの治療及び/又は予防処置のための方法に関する。
【0028】
本発明のある特定の実施形態は、がん、特に非小細胞肺がんに罹患したEGFR活性化突然変異を有する患者の治療及び/又は予防処置において医薬品として使用するための、本明細書に記載の本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩に関し、該患者におけるEGFR活性化突然変異状態を決定し、次いで、本明細書に記載の本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩を該患者に投与することを含む。
【0029】
本発明のある特定の実施形態は、がん、特に非小細胞肺がんに罹患したEGFR突然変異T790M/L858R、T790M/L858R/C797S、L858R、及び/又はL858R/C797Sを有する患者の治療処置及び/又は予防処置において医薬品として使用するための、本明細書に記載の本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩に関し、該患者におけるEGFR活性化突然変異状態を決定し、次いで、本明細書に記載の本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩を該患者に投与することを含む。
【0030】
本発明のある特定の実施形態は、がん、特に非小細胞肺がんに罹患した、cobas(登録商標)EGFR変異検査キットv2で決定されたEGFR活性化突然変異を有する患者の治療処置及び/又は予防処置において医薬品として使用するための、本明細書に記載の本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩に関し、該患者におけるEGFR活性化突然変異状態を決定し、次いで、本明細書に記載の本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩を該患者に投与することを含む。
【0031】
さらに、本発明は、本発明の化合物の対応する重水素化形態の置換基を、適用可能な場合は全て含む。
【0032】
さらに、本発明は、本発明の化合物の全ての光学異性体、すなわち、ジアステレオ異性体、ジアステレオ異性混合物、ラセミ混合物、それらの全ての対応する鏡像異性体、及び/又は互変異性体、並びにそれらの溶媒和化合物を、適用可能な場合は含む。
【0033】
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を含むことができ、したがって、ラセミ体、ラセミ混合物、単一鏡像異性体、ジアステレオ異性混合物、及び個々のジアステレオマとして生じ得る。分子上の種々の置換基の性質に応じて、付加的な不斉中心が存在してもよい。このような不斉中心の各々は独立して2つの光学異性体を生成し、混合物及び純粋又は部分的に精製された化合物として可能性のある光学異性体及びジアステレオマの全てが、本発明に含まれることが意図される。本発明は、これらの化合物の全てのそのような異性体形態を包含することを意味する。これらのジアステレオマの独立した合成又はそれらのクロマトグラフィーによる分離は、本明細書で開示されている方法を適切に修正することで、当技術分野で公知のように達成することができる。それらの絶対立体化学は、結晶生成物又は結晶中間体のX線結晶学によって決定することができ、これらは、必要であれば、既知の絶対配置の不斉中心を含む試薬で誘導体化される。所望であれば、化合物のラセミ混合物を分離して、個々の鏡像異性体を単離することができる。分離は、化合物のラセミ混合物を鏡像異性的に純粋な化合物にカップリングさせてジアステレオ異性混合物を形成し、続いて、分別再結晶化又はクロマトグラフィーのような標準的方法によって個々のジアステレオマを分離するような、当該技術分野で公知の方法で行うことができる。
【0034】
一実施形態では、光学的に純粋な鏡像異性体が提供される場合、光学的に純粋な鏡像異性体とは、化合物が所望の異性体を90重量%超、具体的には所望の異性体を95重量%超、又はより具体的には所望の異性体を99重量%超含有することを意味し、該重量パーセントは、化合物の異性体の全重量を基準とする。キラル的に純粋な又はキラルに富化された化合物は、キラル選択的合成によって、又は鏡像異性体の分離によって調製することができる。鏡像異性体の分離は、最終生成物で、又は代替的に好適な中間体上で行うことができる。
【0035】
また、本発明の一実施形態は、記載されるいずれかのプロセスに従って製造された場合に、本明細書に記載される本発明の化合物である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
アッセイ手順
HTRFホスホEGFR TMLRCSアッセイ(細胞)
細胞株及び培地
BaF3-TMLRCS細胞株を、Crownbio(米国カリフォルニア州サンディエゴ)から得た。細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)(Gibco)を補充したRPMI ATCC(Gibco 31870)+2mMグルタミン+ピューロマイシン0.5μg/ml中にて、37℃、5%CO2で維持した。
【0037】
プロトコル
プレートが、12.5nlの試験される化合物(用量反応)のDMSO溶液又はDMSOのみで予め充填された後、12.5μlの増殖培地/ウェル中において、20000細胞/ウェルでGreiner Bio-Oneの第784-08号マイクロタイタープレートに上記のように細胞を移す。プレートを300×gで30秒間回転させた後、細胞を4時間、37℃、5%CO2、湿度95%でインキュベートした。細胞を、4μl/ウェルの補充された溶解緩衝液(Cis-bio、リン酸化EGFR HTRFキット、64EG1PEH)の化合物混合物に添加することによって溶解し、続いて、振盪しながら(400rpm)30分間室温でインキュベートした。次いで、プレートを凍結し、-80°Cで一晩保存した。翌日、プレートを解凍した後に、補充した検出緩衝液中で調製した抗リン酸化EGFRクリプテートと抗リン酸化EGFR-d2抗体溶液との混合物4μlを、各ウェルに加えた。次いで、蓋をしたプレートを4時間室温でインキュベートし、その後、Envisionリーダ(Perkin Elmer)を用いて616及び665nmでの蛍光発光を読み取った。データは、665対616のシグナルの正規化された比に10,000を乗じて、上記と同様の方法で分析した。
【0038】
【0039】
本発明の化合物及びその薬学的に許容される塩は、医薬品(例えば薬学的調製物の形態の)として使用することができる。本発明の医薬製剤は、経口投与(例えば、錠剤、被覆錠剤、ドラジェ、硬軟ゼラチンカプセル、溶液、乳剤又は懸濁液の形)、経鼻投与(例えば、鼻スプレーの形)、直腸投与(例えば、座薬の形)、又は眼局所投与(例えば、溶液、軟膏、ゲル又は水溶性高分子挿入剤の形)等の内服投与が可能である。しかしながら、投与は、筋肉内、静脈内、眼内等の非経口的に(例えば、滅菌注射液の形態で)行うこともできる。
【0040】
本発明の化合物及びその薬学的に許容される塩は、錠剤、被覆錠剤、ドラジェ、硬質ゼラチンカプセル、注射液又は外用剤の製造のための薬学的に不活性な、無機又は有機アジュバントで処理することができる。ラクトース、コーンスターチ又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩等は、例えば、錠剤、ドラジェ及び硬質ゼラチンカプセルのためのそのようなアジュバントとして使用することができる。
【0041】
軟質ゼラチンカプセルに適したアジュバントとしては、例として、植物油、ワックス、油脂、半固形物、液体ポリオール等が挙げられる。
【0042】
液剤及びシロップ剤の生産に適したアジュバントは、例えば、水、ポリオール、サッカロース、転化糖、グルコース等である。
【0043】
注射液に適したアジュバントは、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油等である。
【0044】
座剤に適したアジュバントは、例えば、天然又は硬化油、ワックス、脂肪、半固体又は液体ポリオール等である。
【0045】
眼部外用剤形のための適切なアジュバントは、例として、シクロデキストリン、マンニトール、又は当技術分野で知られている多くの他の担体及び賦形剤である。
【0046】
さらに、医薬製剤は、防腐剤、可溶化剤、粘度増加物質、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、着香剤、浸透圧を変化させるための塩、緩衝剤、マスキング剤、又は酸化防止剤を含むことができる。また、更に他の治療上有用な物質を含有することもできる。
【0047】
投与量は広範に変化させることができ、当然、各特定の症例における個々の要件に適合させる。一般に、経口投与の場合、体重1kgあたり約0.1mg~20mg、好ましくは体重1kgあたり約0.5mg~4mg(例えば、1人あたり約300mg)を1日量として、好ましくは1~3回に分けて個別に投与され、これは、適切であれば、例えば、同量で構成することができる。局所投与の場合、製剤は、0.001%~15重量%の医薬品を含むことができ、0.1~25mgの間であり得る必要量は、1日あたりの単回投与でも、1週間あたりの単回投与でも、1日あたりの複数回の投与(2~4回)でも、1週間あたりの複数回の投与でもよいが、これが示されている場合は、ここに記載されている上限又は下限を超える可能性があることは明らかである。
【0048】
本発明の化合物を含む医薬組成物の調製:
以下の組成の錠剤を通常の様式で製造する:
【0049】
製造手順
1.成分1、2、3及び4を混合し、精製水で造粒する。
2.顆粒を50℃で乾燥させる。
3.顆粒を適切な粉砕装置に通す。
4.成分5を添加して3分間混合し、適切なプレス機で圧縮する。
【0050】
【0051】
製造手順
1.成分1、2及び3を適切なミキサーで30分間混合する。
2.成分4及び5を添加し、3分間混合する。
3.適切なカプセルに充填する。
【0052】
本発明の化合物、乳糖及びコーンスターチを、まずミキサーで混合し、次いで粉砕機で混合する。混合物をミキサーに戻し、そこにタルクを加えて十分に混合する。この混合物を、機械によって適当なカプセル、例えば硬質ゼラチンカプセルに充填する。
【0053】
【0054】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0055】
調製例がエナンチオマーの混合物として得られる場合、純粋なエナンチオマーは、本明細書に記載されている方法、又は当技術分野の当業者に知られている方法、例えばキラルクロマトグラフィー又は結晶化によって得ることができる。
【実施例】
【0056】
実験部分
参照化合物1を用いた一般的な合成
(2RS)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-[6-[2-[4-[(4-(ヒドロキシ)-1-ピペリジル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
【0057】
工程1:エチル2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-オキソ-アセテート
200mlの1,4-ジオキサン中に溶解したエチル2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート(20.0g、102.97mmol)の溶液に、二酸化セレン(22.85g、205.94mmol、2当量を加えた。反応混合物を80℃で5時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮して残渣を得た。粗生成物を、石油エーテル:酢酸エチル2:1~酢酸エチル:エタノール10:1の勾配で溶出するシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望のエチル2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-オキソ-アセテート(定量収率)を淡褐色油状物として得た(MS:m/e=209.1(M+H
+))。
【0058】
工程2:エチル2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-ヒドロキシイミノ-アセテート
145mlのエタノール中に溶解したエチル2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-オキソ-アセテート(参照化合物1、工程1)(17.5g、84.05mmol)の溶液に、塩酸ヒドロキシルアミン(6.42g、92.45mmol、1.1当量)及び酢酸ナトリウム(13.79g、168.1mmol、2当量)を室温で加えた。反応混合物を80℃で3.5時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、水で抽出し、エタノール/THF/酢酸エチル1:1:8の混合物で5回抽出した。有機層を濃縮乾固した。所望のエチル2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-ヒドロキシイミノ-アセテート(15g、収率80%)を、黄色固体として得て(MS:m/e=224.1(M+H
+))、これを次の工程で直接使用した。
【0059】
工程3:エチル(2RS)-2-アミノ-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート
225mlのエタノール及び120mlのTHF中に溶解したエチル2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-ヒドロキシイミノ-アセテート(参照化合物1、工程2)(15.0g、67.2mmol)の溶液に、Pd/C(30.0g、67.2mmol、1当量、10%)を室温で加えた。混合物をH
2により24時間45℃にて水素付加した。反応混合物をフィルタにかけ、濾液を真空下で濃縮した。所望のエチル(2RS)-2-アミノ-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート(定量収率)を、褐色油状物として得て(MS:m/e=210.1(M+H
+))、これを次の工程で直接使用した。
【0060】
工程4:エチル(2RS)-2-アミノ-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート塩酸塩
エチル(2RS)-2-アミノ-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート(参照化合物1、工程3)(15.0g、82.79mmol)のHCl/EtOH(300ml、1200mmol、14.5当量、2.5mol/L)中溶液を、25℃で36時間撹拌した。反応混合物を25℃未満で減圧濃縮して、残渣を褐色油状物として得た。150mlのアセトニトリルを残渣に加え、沈殿した黄色固体を回収し、25℃未満の真空下で乾燥して、所望のエチル(2RS)-2-アミノ-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート塩酸塩(定量収率)を黄色固体として得た(MS:m/e=210.1(M+H
+))。
【0061】
工程5:5-ヨード-2-メチル-3-(トリフルオロメチル)安息香酸
2-メチル-3-(トリフルオロメチル)安息香酸(3.4g、16.9mmol)を硫酸20mlに溶解した。1,3-ジヨード-5,5-ジメチルイミダゾリジン-2,4-ジオン(3.35g、8.82mmol、0.52当量)を室温で添加した。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ入れ、得られた沈殿を濾別した。固体を乾燥させると、淡黄色固体として所望の生成物(5.6g、定量収率)が得られた(MS:m/e=329.1(M-H+))。
【0062】
工程6:メチル5-ヨード-2-メチル-3-(トリフルオロメチル)ベンゾエート
5-ヨード-2-メチル-3-(トリフルオロメチル)安息香酸(5.6g、16.6mmol)をDMF40mlに溶解した。炭酸カリウム(4.6g、33.3mmol、2当量)及びヨードメタン(1.09ml、2.48g、17.5mmol、1.05当量)を室温で添加した。混合物を2.5時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル及び飽和NaHCO3溶液で抽出した。水層を酢酸エチルで逆抽出した。有機層を水で洗浄した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけ、濃縮乾固した。粗生成物を、酢酸エチル:ヘプタン0:100~50:50勾配で溶出するシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。所望の生成物(4.5g、収率71%)を白色固体として得た。
【0063】
工程7:メチル2-(ブロモメチル)-5-ヨード-3-(トリフルオロメチル)ベンゾエート
メチル5-ヨード-2-メチル-3-(トリフルオロメチル)ベンゾエート(参照化合物1、工程6)(4.8g、11.8mmol)をトリフルオロトルエン60mlに溶解し、N-ブロモスクシンイミド(2.34g、13.1mmol、1当量)及びAIBN(200mg、1.2mmol、0.1当量)を室温で添加した。混合物を110℃で3時間撹拌した。反応混合物を冷却し、水で抽出し、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮乾固した。粗生成物を、酢酸エチル:ヘプタン0:100~30:70の勾配で溶出するシリカゲルカラムでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製すると、所望の生成物(4.94g、純度75%、収率75%)が無色油として得られた。
【0064】
工程8:エチル(2RS)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-[6-ヨード-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]アセテート
エチル(2RS)-2-アミノ-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート塩酸塩(参照化合物1、工程4)(930mg、3.78mmol、1当量)を、1.5mlのDMF中に溶解した。メチル2-(ブロモメチル)-5-ヨード-3-(トリフルオロメチル)ベンゾエート(参照化合物1、工程7)(1.6g、3.78mmol)及びトリエチルアミン(1.6ml、11.3mmol、3当量)を室温で添加した。混合物を室温で30分間撹拌し、100℃で1時間間撹拌した。反応混合物を水で抽出し、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を塩水で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮乾固した。粗生成物を、ジクロロメタン:メタノール100:0~90:10の勾配で溶出するシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(1.13g、収率56%)を暗褐色油状物として得た(MS:m/e=520.0(M+H
+))。
【0065】
工程9:(2RS)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-[6-ヨード-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセテトアミド
エチル(2RS)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-[6-インドール-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]アセテート(参照化合物1、工程8)(550mg、1.06mmol)をメタノール20ml及び20mlのTHFに溶解した。LiOH(水中1M)(1.27ml、1.27mmol、1.2当量)を、室温で加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を20mlのDMFに溶解した。チアゾール-2-アミン(138mg、1.38mmol、1.3当量)、ヒューニッヒ塩基(0.92ml、5.3mmol、5当量)及びHATU(480mg、1.27mmol、1.2当量)を室温で添加した。混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物を水で抽出し、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を水で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮乾固した。粗生成物を、ジクロロメタン:メタノール100:0~90:10の勾配で溶出するシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(420mg、収率68%)を橙色半固体として得た(MS:m/e=574.0(M+H
+))。
【0066】
工程10:1-[(4-エチニルフェニル)メチル]ピペリジン-4-オール
4-エチニルベンズアルデヒド(2.8g、21.5mmol)をジクロロメタン85mlに溶解した。ピペリジン-4-オール(2.1g、21.5mmol、1.0当量)及びナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(7.75g、36.6mmol、1.7当量)を室温で添加した。混合物を室温で5時間撹拌した。反応混合物を水で抽出し、ジクロロメタンで2回抽出した。有機層を塩水で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮乾固した。粗生成物を、ジクロロメタン:メタノール100:0~80:20の勾配で溶出するシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(3.06g、収率66%)を淡黄色油状物として得た(MS:m/e=216.3(M+H
+))。
【0067】
工程11:(2RS)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-[6-[2-[4-[(4-(ヒドロキシ)-1-ピペリジル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
(2RS)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-[6-ヨード-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(参照化合物1、工程9)(210mg、0.37mmol)及び1-[(4-エチニルフェニル)メチル]ピペリジン-4-オール(参照化合物1、工程10)(118mg、0.55mmol、1.5当量)を4mlのDMFに溶解した。トリエチルアミン(111mg、0.15ml、1.1mmol、3当量)、ビス-(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(II)ジクロリド(13mg、0.018mmol、0.05当量)、トリフェニルホスフィン(10mg、0.04mmol、0.1当量)及びヨウ化銅(I)(3mg、0.018mmol、0.05当量)を添加し、混合物を80℃で2時間撹拌した。反応混合物を水で抽出し、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を塩水で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮乾固した。粗生成物を、ジクロロメタン:メタノール100:0~90:10の勾配で溶出するシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(144mg、収率59%)を白色固体として得た(MS:m/e=661.4(M+H
+))。
【0068】
実施例2
(2RS)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-[6-[4-(1-エチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:4-(4-ブロモフェニル)-1-シクロプロピル-ピペリジン
4-(4-ブロモフェニル)ピペリジン(5g、20.8mmol)を25mlのDMFに溶解した。ヨウ化エチル(3.57g、1.85ml、22.9mmol、1.1当量)及びヒューニッヒ塩基(5.38g、7.3ml、41.6mmol、2当量)を室温で添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、次いで酢酸エチル及び水で抽出した。水層を酢酸エチルで逆抽出した。有機層を塩水で洗浄した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけ、濃縮乾固した。粗生成物を、ヘプタン:酢酸エチル100:0~80:20の勾配で溶出するシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(4.6g、収率78%)を淡黄色固体として得た(MS:m/e=268.1/270.1(M+H
+))。
【0069】
工程2:1-エチル-4-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]ピペリジン
4-(4-ブロモフェニル)ピペリジン(実施例2、工程1)(4.6g、15.4mmol、1.0当量)及びビス(ピナコラト)ジボロン(4.31g、17mmol、1.1当量)をジオキサン10mlに溶解した。酢酸カリウム(4.54g、46.3mmol、3.0当量)及びジクロロ1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロロメタン付加物(630mg、0.77mmol、0.05当量)を加え、反応混合物を90℃で20時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、濃縮乾固した。粗生成物を、ジクロロメタン:メタノール100:0~80:20の勾配で溶出するシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(5.6g、収率92%)を暗褐色油状物として得た、MS:m/e=316.2(M+H
+)。
【0070】
工程3:エチル(2RS)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-[6-[4-(1-エチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)-イソインドリン-2-イル]-アセトアミド
エチル(2RS)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-[6-ヨード-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]アセテート(参照化合物1、工程8)(150mg、0.29mmol)及び1-エチル-4-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]ピペリジン(実施例2、工程2)(118mg、0.37mmol、1.3当量)を1.5mlのTHF及び0.25mlの水に溶解した。炭酸セシウム(280mg、0.87mmol、3.0当量)及びPdCl2(DPPF)-CH2Cl2付加物(24mg、0.029mmol、0.1当量)を加え、反応混合物を、60℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、次いで酢酸エチル及び飽和NaHCO
3溶液で抽出した。水層を酢酸エチルで逆抽出した。有機層を水及び塩水で洗浄した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけ、濃縮乾固した。粗生成物を、ジクロロメタン:メタノール100:0~90:10の勾配で溶出するシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。所望の生成物(75mg、収率45%)を黄色油状物として得た(MS:m/e=581.5(M+H
+))。
【0071】
工程4:(2RS)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-[6-[4-(1-エチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
エチル(2RS)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-[6-[4-(1-エチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]アセテート(実施例2、工程3)及びチアゾール-2-アミンから出発して、参照化合物1、工程9に記載されるものと同様の化学を用いて、淡褐色固体として標題化合物(MS:m/e=635.6(M+H
+))を得た。
【0072】
実施例3
(2RS)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-[6-[2-[4-[[4-(ヒドロキシメチル)-1-ピペリジル]メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:[1-[(4-エチニルフェニル)メチル]-4-ピペリジル]メタノール
4-エチニルベンズアルデヒド及びピペリジン-4-メタノールから出発して、参照化合物1、工程10に記載されるものと同様の化学を用いて、橙色油状物として標題化合物(MS:m/e=230.2(M+H
+))を得た。
【0073】
工程2:(2RS)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-[6-[2-[4-[[4-(ヒドロキシメチル)-1-ピペリジル]メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-[6-ヨード-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(参照化合物1、工程9)及び[1-[(4-エチニルフェニル)メチル]-4-ピペリジル]メタノール(実施例3、工程1)から出発して、参照化合物1、工程11に記載されるものと同様の化学を用いて、白色固体として標題化合物(MS:m/e=675.4(M+H
+))を得た。
【0074】
実施例4
(2RS)2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[4-(1-エチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:メチル5-ブロモ-3-ホルミル-2-メチル-ベンゾエート
メチル3-ホルミル-2-メチル-ベンゾエート(CAS 1460037-59-5)及びNBSから出発して、参照化合物1、工程6に記載されるものと同様の化学を用いて、白色固体として標題化合物を得た。
【0075】
工程2:メチル5-ブロモ-3-(ジフルオロメチル)-2-メチル-ベンゾエート
メチル5-ブロモ-3-ホルミル-2-メチル-ベンゾエート(実施例4、工程1)(4.5g、17.5mmol)をジクロロメタン180mlに溶解した。DAST(14.1g、87.52mmol、5.0当量)を室温0~5℃で添加した。混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮して残渣を得た。粗生成物を、石油エーテル:酢酸エチル20:1~3:1の勾配で溶出するシリカゲルカラムでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。所望の生成物(3.7g、収率76%)を白色固体として得た。
【0076】
工程3:メチル5-ブロモ-2-(ブロモメチル)-3-(ジフルオロメチル)ベンゾエート
メチル5-ブロモ-3-(ジフルオロメチル)-2-メチル-ベンゾアート(実施例4、工程2)から出発して、参照化合物1、工程7に記載されるものと同様の化学を用いて無色の油状物として表題化合物を得た。
【0077】
工程4:エチル(2RS)-2-(6-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート
エチル(2RS)-2-アミノ-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート塩酸塩(参照化合物1、工程4)及びメチル5-ブロモ-2-(ブロモメチル)-3-(ジフルオロメチル)ベンゾエート(実施例4、工程3)から出発して、参照化合物1、工程8に記載されるものと同様の化学を用いて、紫色固体として標題化合物(MS:m/e=456.0(M+H
+))を得た。
【0078】
工程5:(2RS)2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[4-(1-エチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-[6-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート(実施例4、工程4)及び1-エチル-4-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ピペリジン(実施例2、工程2)から出発して、実施例2、工程3及び参照化合物1、工程9に記載されるものと同様の化学を用いて、紫色固体として標題化合物(MS:m/e=456.0(M+H
+))を得た。
【0079】
実施例5
(2RS)-2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[2-[4-[[4-(ヒドロキシメチル)-1-ピペリジル]メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:(2RS)-2-[6-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-[6-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート(実施例4、工程4)及びチアゾール-2-アミンから出発して、参照化合物1、工程9に記載されるものと同様の化学を用いて、黄色固体として標題化合物(MS:m/e=510.1(M+H
+))を得た。
【0080】
工程2:(2RS)-2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[2-[4-[[4-(ヒドロキシメチル)-1-ピペリジル]メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-[6-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例5、工程1)及び[1-[(4-エチニルフェニル)メチル]-4-ピペリジル]メタノール(実施例3、工程1)から出発して、参照化合物1、工程11に記載されるものと同様の化学を用いて、白色固体として標題化合物(MS:m/e=657.4(M+H
+))を得た。
【0081】
実施例6
(2RS)-2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-2-[6-[2-[4-[[4-(ヒドロキシメチル)-1-ピペリジル]メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:tert-ブチル(2RS,4R)-2-(2,2-ジメチル-4,6-ジオキソ-1,3-ジオキサン-5-カルボニル)-4-フルオロ-ピロリジン-1-カルボキシレート
ジクロロメタン(3.00L)中の(2S,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-フルオロ-ピロリジン-2-カルボン酸(450.0g、1.93mol、1.00当量)及び2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオン(278.0g、1.93mol、1.00当量)の溶液に、DMAP(471.4g、3.86mol、2.00当量)を加え、混合物を0℃まで冷却した。DCC(398.0g、1.93mol、390.3mL、1.00当量)を数回に分けて加え、反応混合物を25℃で12時間撹拌した。反応混合物をフィルタにかけ、
その後濾液を1M HCl(2.00L)で洗浄し、次いで有機層を真空中で濃縮して、所望の生成物(1.20kg、3.34mol、収率86.5%)を黄色固体として得て、これを次の工程で直接使用した。
【0082】
工程2:tert-ブチル(2RS,4R)-2-(3-エトキシ-3-オキソ-プロパノイル)-4-フルオロ-ピロリジン-1-カルボキシレート
EtOH(2.00L)中のtert-ブチル(2RS,4R)-2-(2,2-ジメチル-4,6-ジオキソ-1,3-ジオキサン-5-カルボニル)-4-フルオロ-ピロリジン-1-カルボキシレート(実施例6、工程1)(650.0g、1.81mol、1.00当量)の混合物を、95℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、所望の生成物を淡黄色油状物(1.00kg、3.30mol、収率91.1%)として得た。これは次の工程で直接使用した。
【0083】
工程3:エチル3-[(2RS,4R)-4-フルオロピロリジン-2-イル]-3-オキソ-プロパノエート塩酸塩
tert-ブチル(2RS,4R)-2-(3-エトキシ-3-オキソ-プロパノイル)-4-フルオロ-ピロリジン-1-カルボキシレート(320.0g、1.05mol、1.00当量)及びHCl/EtOAc(4.00M、800.0mL、3.03当量)の混合物を、25℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、所望の生成物(603.0g、2.97mol、収率93.8%)を赤色油状物として得て、これを更に精製することなく次の反応で直接使用した。
【0084】
工程4:エチル2-[(6R)-6-フルオロ-3-チオキソ-2,5,6,7-テトラヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]アセテート
EtOH(1.20L)中のエチル3-[(2RS,4R)-4-フルオロピロリジン-2-イル]-3-オキソ-プロパノエート塩酸塩(200.0g、834.5mmol、1.00当量、HCl)の溶液に、KSCN(89.20g、917.9mmol、89.2mL、1.10当量)を加え、混合物を90℃に加熱し、12時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮して、粗生成物の固体を得た。粗生成物の固体をEtOAc
(5.00L)及びH2O(3.00L)で洗浄し、真空中で濃縮して、化合物5(555.0g、2.27mol、収率90.7%)を白色固体として得た。
【0085】
工程5:エチル2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]アセテート
AcOH(1.14L)中のエチル2-[(6R)-6-フルオロ-3-チオキソ-2,5,6,7-テトラヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]アセテート(285.0g、1.17mol、1.00当量)の混合物に、H2O2(529.1g、4.67mol、448.4mL、純度30%、4.00当量)を0~25℃で滴加した。反応混合物を25℃で30分間撹拌した。反応混合物を水(4.00L)で希釈し、次いで固体のNaHCO3を0℃で加えることで、pH=9に調節した。混合物をDCM(各1.00L)で6回抽出した。合わせた有機層を飽和NaCl溶液(3.00L)で洗浄し、合わせた有機層を、飽和Na2S2O3溶液(各2.00L)で3回洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、フィルタにかけ、減圧下で濃縮して、所望の生成物(156.0g、粗生成物)を褐色油状物として得た。
【0086】
工程6:エチル2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-2-オキソ-アセテート
ジオキサン(450.0mL)中のエチル2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]アセテート(42.3g、199.3mmol、1.00当量)の溶液に、SeO2(44.2g、398.6mmol、43.3mL、2.00当量)を加え、混合物を80℃に加熱し、2時間撹拌した。混合物にシリカゲルを加え、濃縮して、残渣を得て、これをシリカゲルクロマトグラフィーに純粋なEtOAc(silica gel chromatography pure EtOAc)で精製し、黒褐色油状物として所望の生成物(54.0g、238.7mmol、収率59.8%)を得た。
【0087】
工程7:エチル2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-2-ヒドロキシイミノ-アセテート
EtOH(90.0mL)中のエチル2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-2-オキソ-アセテート(18.6g、82.2mmol、1.00当量)の溶液に、NaOAc(13.5g、164.5mmol、2.00当量)及びNH2OHHCl(6.30g、90.5mmol、1.10当量)を加えた。反応混合物を80℃で2時間撹拌した。混合物を25℃に冷却し、フィルタにかけ、次いで濃縮して残渣を得て、EtOH(20:1)(300.0mL)で希釈し、水(200.0mL)及び飽和NaCl溶液(200.0mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥して、黒褐色油状物として所望の生成物(18.0g、74.6mmol、収率90.8%)を得、これを更に精製することなく直接使用した。
【0088】
工程8:エチル(2RS)-2-アミノ-2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]アセテート
THF(90.0mL)及びEtOH(180.0mL)中のエチル2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-2-ヒドロキシイミノ-アセテート(18.0g、70.9mmol、1.00当量)及びPd/C(36.0g、純度10%)の溶液を、50℃で16時間H2下(15.0Psi)において撹拌した。混合物をフィルタにかけ、フィルタケーキをEtOAcで洗浄した。濾液を濃縮して、所望の生成物(11.0g、43.3mmol、収率61.1%、純度89.5%)を緑色油状物として得た。
【0089】
工程9:エチル(2RS)-2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-2-[6-ヨード-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]アセテート
エチル(2RS)-2-アミノ-2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]アセテート(実施例6、工程8)及びメチル2-(ブロモメチル)-5-ヨード-3-(トリフルオロメチル)ベンゾエート(参照化合物1、工程7)から出発して、参照化合物1、工程8に記載されるものと同様の化学を用いて、淡褐色固体として標題化合物(MS:m/e=538.1(M+H
+))を得た。
【0090】
工程10:(2RS)-2-[6-ヨード-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
エチル(2RS)-2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-2-[6-ヨード-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]アセテート(実施例6、工程9)及びチアゾール-2-アミンから出発して、参照化合物1、工程9に記載されるものと同様の化学を用いて、黄色固体として標題化合物(MS:m/e=592.1(M+H
+))を得た。
【0091】
工程11:(2RS)-2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-2-[6-[2-[4-[[4-(ヒドロキシメチル)-1-ピペリジル]メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-[6-ヨード-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例6、工程10)及び[1-[(4-エチニルフェニル)メチル]-4-ピペリジル]メタノール(実施例3、工程1)から出発して、参照化合物1、工程11に記載されるものと同様の化学を用いて、白色固体として標題化合物(MS:m/e=693.4(M+H
+))を得た。
【0092】
実施例7
(2RS)-2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[4-(1-エチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
工程1:エチル(2RS)-2-(6-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]アセテート
エチル(2RS)-2-アミノ-2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]アセテート(実施例6、工程8)及びメチル5-ブロモ-2-(ブロモメチル)-3-(ジフルオロメチル)ベンゾエート(実施例4、工程3)から出発して、参照化合物1、工程8に記載されるものと同様の化学を用いて、橙色固体として標題化合物(MS:m/e=473.9(M+H
+))を得た。
【0093】
工程2:(2RS)-2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[4-(1-エチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
(2RS)-2-[6-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]アセテート(実施例7、工程1)及び1-エチル-4-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ピペリジン(実施例2、工程2)から出発して、実施例2工程3及び参照化合物1、工程9に記載されるものと同様の化学を用いて、淡褐色固体として標題化合物(MS:m/e=635.4(M+H
+))を得た。
【0094】
実施例8
(2RS)-2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[4-[(3R,4R)-1-エチル-3-フルオロ-4-ピペリジル]フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド及び(2RS)-2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[4-[(3S,4S)-1-エチル-3-フルオロ-4-ピペリジル]フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:tert-ブチル(3R,4R)-4-(4-ブロモフェニル)-3-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート及びtert-ブチル(3S,4S)-4-(4-ブロモフェニル)-3-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート
tert-ブチル4-(4-ブロモフェニル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(CAS273727-44-9)(1.060g、3.13mmol)を24mlのTHFに溶解し、0℃に冷却した。ボランテトラヒドロフラン錯体のTHF中1.0M溶液(CAS14044-65-6)(6.6ml、6.6mmol、2.11当量)を0℃で滴加した。添加が完了した後、氷浴を除去し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却した。水酸化ナトリウム(水中6M)(1.7ml、10.2mmol、3.25当量)を加え、反応混合物を0℃で10分間撹拌した。過酸化水素の水中35重量%溶液(977mg、0.88ml、10.1mmol、3.21当量)を加え、反応混合物を50℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、過剰な過酸化物をNa
2S
2O
3溶液(水中10%)の添加によってクエンチした。混合物を酢酸エチル及び飽和NaHCO
3溶液で抽出した。水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけ、isolute(登録商標)で濃縮して乾燥させた。粗生成物を、酢酸エチル:ヘプタン0:100~30:70勾配で溶出するシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。所望の生成物(894mg、収率76%、純度=95%)を灰白色固体として得た(MS:m/e=300.0/302.0(M-tBu+H
+))。
【0095】
工程2:tert-ブチル(3R,4R)-4-(4-ブロモフェニル)-3-フルオロ-ピペリジン-1-カルボキシレート及びtert-ブチル(3S,4S)-4-(4-ブロモフェニル)-3-フルオロ-ピペリジン-1-カルボキシレート
tert-ブチル(3R,4R)-4-(4-ブロモフェニル)-3-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート及びtert-ブチル(3S,4S)-4-(4-ブロモフェニル)-3-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例8、工程1)(0.492g、1.31mmol、1当量、純度=95%)の混合物を、13mlのジクロロメタンに溶解し、-76℃に冷却した。ビス(2-メトキシエチル)アミノサルファートリフルオリド(CAS202289-38-1)(312mg、0.26ml、1.41mmol、1.07当量)を-76℃で滴加した。反応混合物を室温までゆっくりと温め、16時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO
3溶液でクエンチし、ジクロロメタンで3回抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけ、isolute(登録商標)で濃縮して乾燥させた。粗生成物を、酢酸エチル:ヘプタン0:100~20:80勾配で溶出するシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。所望の生成物(300mg、収率61%、純度=95%)を無色油状物として得た(MS:m/e=302.0/304.0(M-tBu+H
+))。
【0096】
工程3:tert-ブチル(3R,4R)-3-フルオロ-4-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]ピペリジン-1-カルボキシレート及びtert-ブチル(3S,4S)-3-フルオロ-4-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]ピペリジン-1-カルボキシレート
tert-ブチル(3R,4R)-4-(4-ブロモフェニル)-3-フルオロ-ピペリジン-1-カルボキシレート及びtert-ブチル(3S,4S)-4-(4-ブロモフェニル)-3-フルオロ-ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例8工程2)から出発して、実施例2工程2に記載されるものと同様の化学を用いて、トランス混合物として及び灰白色泡状物として標題化合物(MS:m/e=350.0(M-tBu+H
+)を得た。
【0097】
工程4:tert-ブチル(3R,4R)-4-[4-[7-(ジフルオロメチル)-2-[(1RS)-1-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-エトキシ-2-オキソ-エチル]-3-オキソ-イソインドリン-5-イル]フェニル]-3-フルオロ-ピペリジン-1-カルボキシレート及びtert-ブチル(3S,4S)-4-[4-[7-(ジフルオロメチル)-2-[(1RS)-1-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-エトキシ-2-オキソ-エチル]-3-オキソ-イソインドリン-5-イル]フェニル]-3-フルオロ-ピペリジン-1-カルボキシレート
エチル(2RS)-2-[6-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート(実施例4、工程4)及びtert-ブチル(3R,4R)-3-フルオロ-4-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]ピペリジン-1-カルボキシレート及びtert-ブチル(3S,4S)-3-フルオロ-4-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例8工程3)から出発して、実施例2工程3に記載されるものと同様の化学を用いて、混合物及び褐色泡状物として標題化合物(MS:m/e=653.4(M+H
+))を得た。
【0098】
工程5:tert-ブチル(3R,4R)-4-[4-[7-(ジフルオロメチル)-2-[(1RS)-1-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]-3-オキソ-イソインドリン-5-イル]フェニル]-3-フルオロ-ピペリジン-1-カルボキシレート及びtert-ブチル(3S,4S)-4-[4-[7-(ジフルオロメチル)-2-[(1RS)-1-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]-3-オキソ-イソインドリン-5-イル]フェニル]-3-フルオロ-ピペリジン-1-カルボキシレート
tert-ブチル(3R,4R)-4-[4-[7-(ジフルオロメチル)-2-[(1RS)-1-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-エトキシ-2-オキソ-エチル]-3-オキソ-イソインドリン-5-イル]フェニル]-3-フルオロ-ピペリジン-1-カルボキシレート及びtert-ブチル(3S,4S)-4-[4-[7-(ジフルオロメチル)-2-[(1RS)-1-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-エトキシ-2-オキソ-エチル]-3-オキソ-イソインドリン-5-イル]フェニル]-3-フルオロ-ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例8、工程4)及びチアゾール-2-アミンの混合物から出発して、参照化合物1、工程9に記載されるものと同様の化学を用いて、混合物及び茶色泡状物として標題化合物(MS:m/e=707.4(M+H
+))を得た。
【0099】
工程6:(2RS)-2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[4-[(3R,4R)-3-フルオロ-4-ピペリジル]フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド及び(2RS)-2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[4-[(3S,4S)-3-フルオロ-4-ピペリジル]フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
tert-ブチル(3R,4R)-4-[4-[7-(ジフルオロメチル)-2-[(1RS)-1-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]-3-オキソ-イソインドリン-5-イル]フェニル]-3-フルオロ-ピペリジン-1-カルボキシレート及びtert-ブチル(3S,4S)-4-[4-[7-(ジフルオロメチル)-2-[(1RS)-1-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]-3-オキソ-イソインドリン-5-イル]フェニル]-3-フルオロ-ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例8、工程5)の混合物から出発して、実施例6、工程3に記載されるものと同様の化学を用いて、混合物及び褐色油状物として標題化合物(MS:m/e=607.3(M+H
+))を得た。
【0100】
工程7:(2RS)-2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[4-[(3R,4R)-1-エチル-3-フルオロ-4-ピペリジル]フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド及び(2RS)-2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[4-[(3S,4S)-1-エチル-3-フルオロ-4-ピペリジル]フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[4-[(3R,4R)-3-フルオロ-4-ピペリジル]フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミドと、(2RS)-2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[4-[(3S,4S)-3-フルオロ-4-ピペリジル]フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例8、工程6)と、ヨウ化エチルとの混合物から出発して、実施例2、工程1に記載されるものと同様の化学を用いて、混合物及び灰白色泡状物として標題化合物(MS:m/e=635.3(M+H
+))を得た。
【0101】
実施例9
(2RS)-2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-2-[6-[2-[4-[(6-ヒドロキシ-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:(2RS)-2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-2-[6-[2-(4-ホルミルフェニル)エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-[6-ヨード-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例6、工程10)及び4-エチニルベンズアルデヒドから出発し、参照化合物1、工程11に記載されるものと同様の化学を用いて、淡褐色固体として標題化合物(MS:m/e=594.2(M+H
+))を得た。
【0102】
工程2:(2RS)-2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-2-[6-[2-[4-[(6-ヒドロキシ-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-2-[6-[2-(4-ホルミルフェニル)エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例9、工程1)及び2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-オール塩酸塩から出発し、参照化合物1、工程10に記載されるものと同様の化学を用いて、黄色固体として標題化合物(MS:m/e=691.3(M+H
+))を得た。
【0103】
実施例10
(2RS)-2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[2-[4-[[4-(ヒドロキシメチル)-1-ピペリジル]メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:(2RS)-2-[6-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-[6-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート(実施例7、工程1)及びチアゾール-2-アミンから出発して、参照化合物1、工程9に記載されるものと同様の化学を用いて、黄色固体として標題化合物(MS:m/e=528.1(M+H
+))を得た。
【0104】
工程2:(2RS)-2-[4-(ジフルオロメチル)-6-[2-[4-[[4-(ヒドロキシメチル)-1-ピペリジル]メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド;
(2RS)-2-[6-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例10、工程1)及び[1-[(4-エチニルフェニル)メチル]-4-ピペリジル]メタノール(実施例3、工程1)から出発して、参照化合物1、工程11に記載されるものと同様の化学を用いて、淡褐色固体として標題化合物(MS:m/e=675.4(M+H
+))を得た。
【0105】
実施例11
(2RS)-2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-2-[6-[2-[4-[[(4RS)-4-ヒドロキシアゼパン-1-イル]メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-[(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-2-[6-[2-(4-ホルミルフェニル)エチニル]-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例9、工程1)及びアゼパン-4-オールから出発し、参照化合物1、工程10に記載されるものと同様の化学を用いて、白色固体として標題化合物(MS:m/e=693.3(M+H
+))を得た。