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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】化学機械研磨補正ツール
(51)【国際特許分類】
   B24D 5/06 20060101AFI20240927BHJP
   B24B 7/08 20060101ALI20240927BHJP
   B24B 37/00 20120101ALI20240927BHJP
【FI】
B24D5/06
B24B7/08
B24B37/00 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022511252
(86)(22)【出願日】2020-08-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-26
(86)【国際出願番号】 US2020047801
(87)【国際公開番号】W WO2021041413
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】62/892,334
(32)【優先日】2019-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】グルサミー, ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ズニガ, スティーブン エム.
【審査官】山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-054529(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0006768(US,A1)
【文献】特開平11-333677(JP,A)
【文献】特開2009-111024(JP,A)
【文献】米国特許第04892455(US,A)
【文献】特開2000-006002(JP,A)
【文献】特開2001-287142(JP,A)
【文献】特表2017-525582(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24D 5/06
B24B 7/08
B24B 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表側全体を研磨するバルク化学機械研磨後の研磨不足個所を局所研磨により修正する、化学機械研磨装置とは別のタッチアップツールであって、
前記基板の前記表側を支持するように構成されたペデスタルと、
アクチュエータによって前記基板に向かって径方向内向きに移動させられて前記基板のエッジを係合することにより、前記ペデスタル上で前記基板を中央配置するように構成された複数の顎部と、
前記ペデスタル上にある前記基板の裏側の、前記基板の中心と同心の環状領域のみに、前記基板の前記裏側に垂直な方向に圧力を加える荷重リングと、
前記基板の前記裏側の前記環状領域と位置合わせされた前記基板の前記表側の環状領域に、研磨材料を接触させる研磨リングと、
前記研磨リングを回転させて前記研磨リングと前記基板との間の相対運動をもたらす研磨リングアクチュエータと
を備える、タッチアップツール。
【請求項2】
前記複数の顎部が4から12個の顎部を含む、請求項1に記載のタッチアップツール。
【請求項3】
前記研磨リングの回転軸が前記荷重リングおよび前記基板と同軸である、請求項1に記載のタッチアップツール。
【請求項4】
前記荷重リングの幅が前記研磨リングの幅よりも幅広である、請求項1に記載のタッチアップツール。
【請求項5】
スラリチャネルおよびスラリディスペンサを更に備える、請求項1に記載のタッチアップツール。
【請求項6】
前記荷重リングが前記基板を保持するチャックを提供する、請求項1に記載のタッチアップツール。
【請求項7】
前記複数の顎部のうち1つまたは複数は、該顎部の一部分が前記研磨リング上の前記研磨材料と対向する位置に移動可能とされており、かつ、前記研磨リング上の前記研磨材料を研削する調整パッドを前記一部分に有する、請求項1に記載のタッチアップツール。
【請求項8】
基板の表側全体を研磨するバルク化学機械研磨後の研磨不足個所を局所研磨により修正する、化学機械研磨装置とは別のタッチアップツールであって、
前記基板の前記表側を支持するように構成されたペデスタルと、
前記ペデスタル上にある前記基板の裏側の、前記基板の中心と同心の環状領域における複数の角度位置に配設されたゾーンのみに、前記基板の前記裏側に垂直な方向に独立制御可能な圧力をそれぞれ加える、複数の独立して垂直方向に移動可能なセグメントを含む、非対称補正リングと、
前記基板の前記裏側の前記環状領域と位置合わせされた前記基板の前記表側の環状領域に、研磨材料を接触させる研磨リングと、
前記研磨リングを回転させて前記研磨リングと前記基板との間の相対運動をもたらす研磨リングアクチュエータと
を備える、タッチアップツール。
【請求項9】
前記非対称補正リングが、4から12個の独立して垂直方向に移動可能なセグメントを含む、請求項8に記載のタッチアップツール。
【請求項10】
前記非対称補正リングが、前記複数の独立して垂直方向に移動可能なセグメントに対応する、複数の独立して加圧可能なゾーンチャンバを含む、請求項8に記載のタッチアップツール。
【請求項11】
前記研磨リングがセグメント化された研磨リングである、請求項8に記載のタッチアップツール。
【請求項12】
前記研磨リングの回転軸が前記非対称補正リングおよび前記基板と同軸である、請求項8に記載のタッチアップツール。
【請求項13】
前記非対称補正リングが前記基板を保持するチャックを提供する、請求項8に記載のタッチアップツール。
【請求項14】
請求項8から13のいずれか一項に記載のタッチアップツールを用いて、前記バルク化学機械研磨後の基板の研磨不足個所を局所研磨により修正する方法であって、
前記基板の前記表側を前記ペデスタル上で支持することと、
前記基板の前記表側を前記研磨リングと係合させることと、
前記基板の前記裏側を前記非対称補正リングと係合させることと、
前記基板の前記裏側を前記非対称補正リングに対して保持することと、
前記基板の前記表側を前記研磨リングで研磨することと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、化学機械研磨(CMP)で使用する研磨ツールに関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、一般的に、導電層、半導電層、または絶縁層を半導体ウエハ上に逐次堆積させることによって、基板上に形成される。様々な製造プロセスでは、基板上の層を平坦化する必要がある。例えば、ある製造ステップは、充填層を非平坦面の上に堆積させ、充填層を平坦化することを伴う。特定の用途の場合、充填層は、パターニングされた層の上面が露出するまで平坦化される。例えば、金属層をパターニングされた絶縁層上に堆積させて、絶縁層のトレンチおよび孔を埋めることができる。平坦化後、パターニングされた層のトレンチおよび孔内にある金属の残りの部分は、基板上の薄膜回路間に導電路を提供するビア、プラグ、およびラインを形成する。別の例として、誘電層をパターニングされた導電層の上に堆積させ、次に平坦化して、後続のフォトリソグラフィステップを可能にすることができる。
【0003】
化学機械研磨(CMP)は、1つの許容された平坦化方法である。この平坦化方法は、一般的に、基板をキャリアヘッド上に載置する必要がある。基板の露出面は、一般的に、回転する研磨パッドに接して配置される。キャリアヘッドは、制御可能な負荷を基板に与えて基板を研磨パッドに押し付ける。研削粒子を含む研磨スラリが、一般的に、研磨パッドの表面に供給される。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、化学機械研磨タッチアップツールは、基板を支持するように構成されたペデスタルと、ペデスタル上で基板を中央配置するように構成された複数の顎部と、ペデスタル上にある基板の裏側の環状領域に圧力を加える荷重リングと、基板の裏側の環状領域と位置合わせされた基板の表側の環状領域に研磨材料を接触させる研磨リングと、研磨リングを回転させて研磨リングと基板との間の相対運動をもたらす研磨リングアクチュエータと、を含む。
【0005】
別の態様では、化学機械研磨タッチアップツールは、基板を支持するように構成されたペデスタルと、ペデスタル上にある基板の裏側の環状領域における複数の角度位置に配設されたゾーンに独立制御可能な圧力を加える、複数の独立して垂直方向に移動可能なセグメントを含む非対称補正リングと、基板の裏側の環状領域と位置合わせされた基板の表側の環状領域に研磨材料を接触させる研磨リングと、研磨リングを回転させて研磨リングと基板との間の相対運動をもたらす研磨リングアクチュエータと、を含む。
【0006】
別の態様では、化学機械研磨タッチアップの方法は、基板をペデスタル上で支持することと、基板の表側を研磨リングと係合させることと、基板の裏側を非対称補正リングと係合させることと、基板の裏側を非対称補正リングに対して保持することと、基板の表側を研磨リングで研磨することと、を含む。
【0007】
実現例は次のもののうち1つまたは複数を含んでもよい。
【0008】
セグメント化された研磨リングは4~12個のセグメントを有してもよい。基板の裏側は非対称補正リングに吸着されてもよい。基板は動かないようにされてもよい。スラリは基板の表側上に分配されてもよい。研磨リングは、ペデスタル上で基板を中央配置するのに使用される顎部上の調整パッドを使用して調整されてもよい。
【0009】
上記の利点としては、以下の1つまたは複数を含み得るがそれらに限定されない。バルク研磨後の基板の1つまたは複数の領域の研磨不足を補正することができる。非対称の研磨も補正することができる。結論として、ウエハ内の均一性およびウエハ同士の均一性を改善することができる。
【0010】
1つまたは複数の実現例の詳細を、添付図面および以下の説明に示す。他の態様、特徴、および利点は、説明および図面から、また特許請求の範囲から明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】研磨システムの概略断面図である。
図2】研磨タッチアップツールの概略断面図である。
図3】研磨タッチアップツールの概略断面図である。
図4】研磨タッチアップツールの概略断面図である。
図5】研磨タッチアップツールの概略断面図である。
図6】研磨タッチアップツールの概略断面図である。
図7】研磨タッチアップツールの概略断面図である。
図8】非対称補正リングの概略下面図である。
図9】非対称補正リングの概略斜視図である。
図10】研磨タッチアップ動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
一部の研磨プロセスは、基板の表面にわたる厚さの不均一性をもたらす。例えば、バルク研磨プロセスは、基板上の研磨不足の領域をもたらす場合がある。この問題に対処するため、バルク研磨後、基板の研磨が不足していた部分に集中する「タッチアップ」研磨プロセスを実施することが可能である。
【0013】
バルク研磨プロセスでは、研磨は、潜在的には表面の異なる領域では異なる速度であるが、基板の表面全体にわたって行われる。バルク研磨プロセスの所与の瞬間には、基板の表面全体が研磨されているのではないことがある。例えば、研磨パッドに溝があることにより、基板表面のある部分が研磨パッドと接触していないことがある。いずれにしても、バルク研磨プロセスの過程にわたって、研磨パッドと基板との間の相対運動により、この部分は局所化されないので、基板の表面全体がある程度は研磨される。
【0014】
対照的に、「タッチアップ」研磨プロセスでは、研磨パッドは基板の表面全体に満たない部分に接触することができる。加えて、基板に対する研磨パッドの移動範囲は、タッチアップ研磨プロセスの過程にわたって、研磨パッドが基板の局所化された領域のみに接触し、基板の表面のかなりの部分(例えば、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも90%)は研磨パッドに決して接触せず、したがって全く研磨されないような、移動範囲である。
【0015】
上述したように、一部のバルク研磨プロセスは不均一な研磨をもたらす。特に、一部のバルク研磨プロセスは、研磨が不足している局所化された非同心かつ不均一なスポットをもたらす。仮定として、研磨「タッチアップ」は、研磨不足の領域に亘って移動される非常に小さいパッドを使用して実施することができる。しかしながら、これはスループットが低いため、非実用的であり得る。
【0016】
局所的な不均一性に対処する1つの解決策は、基板の局所化された環状領域に圧力を加えることができる荷重リングを含む、別個の研磨「タッチアップ」ツールを使用するというものである。荷重リングの接触面積が大きいほど、より大きい研磨不足領域を同時に研磨することができ、スループットがより高くなる。特に、かかるリングは、環状の研磨不足領域が基板のエッジ付近にあるという共通の問題に対処することができる。
【0017】
局所的な非対称性に対処するため、荷重リングをセグメント化して、異なる圧力をリングの異なるセグメントに加えることができる。基板をペデスタル上で中央配置することができ、セグメント化された非対称補正リングは、基板の裏面に、角度的に非対称に圧力を加えることができる。加えて、研磨リングは、基板の表面に圧力を加え、表面に接して回転させて、基板を研磨することができる。研磨速度は非対称補正リングからの圧力に比例するので、不均一性を低減することができ、非対称性を補正することができる。
【0018】
図1は、バルク研磨装置104を含む研磨システム100の一例を示している。研磨する基板10は、バルク研磨用のバルク研磨装置104と、研磨の不均一性を補正する、例えばエッジを修正する、研磨タッチアップツール200(図2図7を参照)との間で移送することができる。例えば、基板は、研磨装置104における基板10のバルク研磨と同時に、またはその後に研磨タッチアップツール200に搬送することができる。基板10の移送は、メカニズムを、例えば装填/取出しアセンブリまたはロボットアームを使用して、ステーション102と装置104との間で行うことができる。いくつかの実現例では、修正ステーション102はスタンドアロン型システムである。この場合、修正ステーション102は、バルク研磨装置104の近傍に、例えば同じ処理室内に配置することができる。
【0019】
研磨装置104は、1つまたは複数のキャリアヘッド140(1つのみ図示)を含む。各キャリアヘッド140は、研磨パッド110に接してウエハなどの基板10を保持するように動作可能である。各キャリアヘッド140は、それぞれの基板と関連付けられた研磨パラメータ、例えば圧力の、独立制御を有することができる。各キャリアヘッド140は、研磨パッド110上であって可撓性膜144の下方の位置で基板10を保持する保定リング142を含む。
【0020】
各キャリアヘッド140は、任意に、可撓性膜144上の、したがって基板10上の関連するゾーンに独立制御可能な圧力を加えることができる、膜によって画成された複数の独立制御可能である加圧可能なチャンバを、例えば、3つのチャンバ146a~146cを含むことができる。
【0021】
各キャリアヘッド140は、支持構造150、例えばカルーセルまたはトラックから懸架され、キャリアヘッドが軸線155を中心にして回転できるように、駆動軸152によってキャリアヘッド回転モータ154に接続される。任意に、各キャリアヘッド140は、例えば、カルーセル150のスライダ上で、カルーセル自体の回転振動によって、またはキャリアヘッド140を支持するキャリッジのトラックに沿った移動によって、横方向に振動することができる。
【0022】
研磨装置104に含まれるプラテン120は、研磨パッド110が上に載置される、回転可能なディスク形状のプラテンである。プラテンは、軸線125を中心にして回転するように動作可能である。例えば、モータ121が駆動軸124を旋回させて、プラテン120を回転させることができる。研磨パッド110は、外側の研磨層112とより柔らかいバッキング層114とを有する、二層の研磨パッドであることができる。
【0023】
研磨装置104は、スラリなどの研磨液132を研磨パッド110上に分配するポート130を含むことができる。研磨装置はまた、研磨パッド110を研削して研磨パッド110を一貫した研削状態で維持する、研磨パッドコンディショナを含むことができる。
【0024】
動作の際、プラテンはその中心軸125を中心にして回転させられ、各キャリアヘッドは、その中心軸155を中心にして回転させられ、研磨パッドの上面を横切って横方向に並進させられる。
【0025】
1つのキャリアヘッド140のみが示されているが、研磨パッド110の表面積を効率的に使用することができるように、更なる基板を保持するのにより多数のキャリアヘッドを提供することができる。したがって、同時研磨プロセスのために基板を保持するように適合されたキャリアヘッドアセンブリの数は、少なくとも部分的に、研磨パッド110の表面積に基づくことができる。
【0026】
いくつかの実現例では、研磨装置は現場モニタリングシステム160を含む。現場モニタリングシステムは、研磨されている基板からの反射光のスペクトルを測定するのに使用することができる、光学モニタリングシステム、例えば分光モニタリングシステムであることができる。研磨パッドを通した光アクセスは、アパーチャ(即ち、パッドを貫通する孔)またはソリッドウィンドウ(solid window)118を含むことによって提供される。現場モニタリングシステムは、別の方法としてまたは加えて、渦電流モニタリングシステムを含むことができる。
【0027】
いくつかの実現例では、光学モニタリングシステム160は、2つの研磨装置の間に、または研磨装置と移送ステーションとの間に位置付けられたプローブ(図示なし)を有する、順次光学モニタリングシステムである。モニタリングシステム160は、研磨中、基板のゾーンの1つまたは複数の特徴を、継続的または周期的にモニタリングすることができる。例えば、1つの特徴は基板の各ゾーンの厚さである。
【0028】
現場または順次どちらかの実施形態では、光学モニタリングシステム160は、光源162と、光検出器164と、リモートコントローラ190、例えばコンピュータと光源162および光検出器164との間で信号を送信および受信する回路166と、を含むことができる。1つまたは複数の光ファイバー170を使用して、光源162からの光を研磨パッド内の光アクセスに伝達し、基板10から反射した光を検出器164に伝達することができる。
【0029】
図2を参照すると、研磨タッチアップ、即ち研磨補正動作を実施するように構成された研磨タッチアップツール200は、基部212上に載置されたペデスタル210を含む。ペデスタル210は、基板10の表側11を支持するように構成される。基板10は、キャリアヘッド、例えばキャリアヘッド140を使用して、研磨タッチアップツール200に装填することができる。基部212は、1つまたは複数のスラリディスペンサ216を備えた1つまたは複数のスラリチャネル214を含むことができる。
【0030】
研磨タッチアップツール200はまた、基板10に向かって径方向内向きに閉じるように構成された、複数(例えば、3つ以上)の顎部220を含む。これは、基板10の中心を基準軸250と位置合わせするように作用する。各顎部220は別個の顎部アクチュエータ222によって駆動することができ、または共通のアクチュエータが全ての顎部222を駆動することができる。顎部アクチュエータ222は、例えば、モータ、油圧チャンバ、空気圧チャンバ、ねじ式ドライブ(screw thread drive)、または他の類似のアクチュエータであることができる。調整パッド224を顎部220に接続することができる。
【0031】
研磨タッチアップツール200はまた、軸線250と同軸である研磨リング230を含む。研磨リング230は、複数の弧状セグメントを有する環状研磨リングであることができる。例えば、研磨リング230は、4~12個のセグメントで構成することができる。研磨リングアクチュエータ232は、研磨リング230を移動させて基板10の表側11を係合するように構成することができる。
【0032】
研磨タッチアップツール200はまた、荷重リング240を含む(図8も参照)。荷重リング240は、研磨リング230によって研磨される基板10の表側11の環状部分に対応する、基板10の裏側12の環状部分に接触するように構成された、環状リングであることができる。荷重リング240の幅は、研磨リング230の幅よりも幅広であることができる。荷重リング230も軸線250と同軸であることができる。
【0033】
荷重リング240は、基板10の裏側12を係合し掴むように構成されたチャック242を含むことができる。例えば、多数の真空チャネル246が、真空源260、例えばポンプ、制御弁を有する設備の真空ラインなどから、荷重リング240を通して、チャック242まで及ぶことができる。これにより、チャック242が基板10を荷重リング240上で保持する(例えば、吸引マウント)することができる。
【0034】
いくつかの実現例では、荷重リング240は、基板10の非対称性に対処するように構成された非対称補正リングである。図8図9を参照すると、荷重リング240は、複数の弧状セグメント244を有するセグメント化された環状リングであることができる。各セグメント244に対する下向きの圧力を制御して、基板10の表側11の非対称性(例えば、その前の研磨動作によってもたらされる基板の非対称性)を補正することができる。4~12個のセグメント244があり得る。荷重リング240の各セグメント244は、対応する個々に加圧可能なチャンバ248を有することができる。独立して加圧可能なゾーンチャンバ248は、チャネル252を使用して圧力源260に接続し、圧力源260を使用して加圧することができる。これにより、非対称補正リングを、基板10上の複数の弧状ゾーンに異なる圧力を加えるように構成することができる。
【0035】
図3を参照すると、基板10がペデスタル210上にロードされた後、複数の顎部220が基板10のエッジを係合することができる。顎部220は、基板10をペデスタル210上で中央配置するのに使用することができる。特に、顎部220は、径方向内向きに閉じて、基板10が軸線250と同軸になる位置まで基板10を押しやることができる。
【0036】
顎部アクチュエータ222は、顎部220が基板10を係合することによる何らかの抵抗を受けるまで、顎部220を基板10に対して内向きに閉じさせることができる。顎部アクチュエータ222は次に、顎部220を基板10から係脱させ、例えば開かせて、顎部220と基板10との間にある程度の遊びがあるようにすることができる。例えば、顎部アクチュエータ222は、顎部220が、顎部220と基板10との間に、例えば0.1~3mmの小さい遊びを残すようにすることができる。
【0037】
図4を参照すると、基板10がペデスタル上で中央配置されると、基板10の表側11の環状領域を係合するように、研磨リング230が移動される。研磨リングアクチュエータ232は、研磨リング230の複数の弧状セグメント244を径方向で移動させ、研磨リング230に基板10の表側11の異なる部分を研磨させることができる(矢印A)。このように、研磨リング230は、基板10の表側11の異なる部分を、例えば、エッジとエッジから5mmの間の環状ゾーン、または基板のエッジから20~50mmの間の環状ゾーンを、研磨することができる。
【0038】
研磨リングアクチュエータ232は、垂直方向で基板10に向かってまたはそこから離れるように研磨リング230を移動させ、基板10を上下させることができる。任意に、研磨リングアクチュエータ232は、研磨リング230のセグメントを内向きおよび外向きに移動させて、例えば、基板10の異なる半径を研磨することができる。研磨リング230は、基板10を係合し、次に基板10をペデスタル210から持ち上げることができる。
【0039】
図5を参照すると、荷重リング240は、基板10の裏側12の環状領域を係合することができる。いくつかの実現例では、基板10は、荷重リング240によって係合されたままペデスタル210上に載ることができる。いくつかの実現例では、基板10を荷重リング240で掴ませ、荷重リング210の垂直移動によってペデスタル210から持ち上げることができる。いくつかの実現例では、基板10を研磨リング230の垂直移動によってペデスタル210から持ち上げ、次に荷重リング240に係合させる(例えば、掴ませる)ことができる。
【0040】
荷重リングが基板10を係合した後(例えば、チャック242が基板10を荷重リング240に掴ませた後)、研磨リングアクチュエータ232は、研磨リング230を回転させ、基板10の表側11の一部分、例えばエッジを研磨させることができる。研磨リング230が回転する間、荷重リング240は静止しており、基板10を静止したままにすることができる。スラリチャネル214(上述)は、このエッジ制御動作の間、スラリディスペンサ216を使用して、スラリを基板10の表側11に送達することができる。
【0041】
荷重リング240が非対称補正リングであると仮定して、荷重リング240の異なるセグメント244が、基板10の裏側12の環状領域における複数の角度位置に配設されたゾーンに異なる圧力を加えるように、チャンバ248を異なる圧力まで独立して加圧することができる。荷重リング240によって基板10に加えられる圧力により、基板10の表側11の異なるゾーンを異なる速度で研磨させることができ、それによって研磨タッチアップツール200が基板の非対称性を補正することができる。
【0042】
図6を参照すると、タッチアップ動作(例えば、補正またはエッジ制御動作)が実施された後、荷重リング240が基板10から係脱して(例えば、基板10の吸着を停止して)、基板10が研磨リング230上に載る。顎部220も基板10から離れることができる。研磨リング230上に載った基板10を次に、例えばキャリアヘッド140を使用して、研磨タッチアップツール200から持ち上げることができる。
【0043】
図7を参照すると、基板10が研磨タッチアップツール200から除去されると、顎部アクチュエータ222は、顎部220を研磨リング230の上方に位置付けることができる。具体的には、顎部220上に位置する調整パッド224を研磨リング230の上に位置付けることができる。研磨リングアクチュエータ232は、研磨リング230を調整パッド224に接触させることができ、その際、調整パッド224は、研磨リング230を研削して研磨リング230を一貫した研削状態で維持することができる。研磨リング230は、中心軸250を中心にして回転して、調整パッド224に研磨リング230を研削させることができる。
【0044】
図2図7を参照すると、研磨タッチアップツール200は、装置の様々な構成要素に、例えば、圧力源260、顎部アクチュエータ222、研磨リングアクチュエータ232、および荷重リング240の独立して加圧可能なゾーンチャンバに結合された、コントローラ190を含む。センサ295は、基板10の表側11における非対称性を検出するのに使用することができる。例えば、センサ295は、表側11の異なる部分を測定する光学センサであることができる。センサ295は、測定値をコントローラ190に送信することができ、コントローラが次に、荷重リング240の独立して加圧可能なゾーンチャンバを加圧して、エッジ制御動作中に各ゾーン244が基板10の裏側12に加える圧力を調節することができる。
図1
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