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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-26
(45)【発行日】2024-10-04
(54)【発明の名称】高温マイクロゾーン静電チャック
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20240927BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20240927BHJP
   H02N 13/00 20060101ALI20240927BHJP
   H05B 3/20 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
H01L21/302 101L
H02N13/00 D
H05B3/20 338
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022558399
(86)(22)【出願日】2021-02-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-18
(86)【国際出願番号】 US2021017438
(87)【国際公開番号】W WO2021201989
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】16/836,754
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パーケ, ヴィジェイ ディー.
【審査官】境 周一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-194495(JP,A)
【文献】特開2016-100473(JP,A)
【文献】特開2017-228361(JP,A)
【文献】特開2016-189425(JP,A)
【文献】特表2020-506508(JP,A)
【文献】特表2019-505092(JP,A)
【文献】特表2017-530542(JP,A)
【文献】特表2017-512385(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/3065
H02N 13/00
H05B 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピース支持面及び下面を有する第1のセラミックプレートであって、複数のマイクロゾーンをそれぞれ形成する複数の二次ヒータを有する、第1のセラミックプレート、
上面及び下面を有する第2のセラミックプレート、
前記第1のセラミックプレートの前記下面と前記第2のセラミックプレートの前記上面との間に配置された第1の金属接合層、
上部分及び下部分を有する第3のセラミックプレートであって、一次ヒータを有する第3のセラミックプレート、並びに
前記第2のセラミックプレートの前記下面と前記第3のセラミックプレートの前記上部分との間に配置された第2の金属接合層を備える、基板支持アセンブリ。
【請求項2】
前記一次ヒータは、4つの個別に制御されるゾーンを有する、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項3】
前記第2のセラミックプレートは、
内部に配置されたインサートを有するキャビティを更に備え、前記インサートは、ファスナを受け入れるように構成されている、請求項2に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項4】
上側部分を有する冷却ベースであって、前記冷却ベースの前記上側部分が前記第3のセラミックプレートの下方に配置されている、冷却ベース、及び
前記第3のセラミックプレートと前記冷却ベースとの間に配置された界面ガスケットを更に備え、前記界面ガスケットは、前記第3のセラミックプレートに湾曲又は亀裂を生じさせることなしに、前記第3のセラミックプレートと前記冷却ベースとの間で最大摂氏300度までの温度差を許容する、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項5】
前記基板支持アセンブリは、前記第3のセラミックプレートと前記冷却ベースとの間で最大約300℃までの温度差を有するように構成されている、請求項4に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項6】
前記冷却ベースは、RF電極である、請求項4に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項7】
前記界面ガスケットは、グラファイトシート、ポリイミド、金属、シリコーン、又はフルロポリマーのうちの1以上で作製されている、請求項4に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項8】
前記界面ガスケットは、約0.1mmから約2mmの間の範囲の厚さを有する、請求項4に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項9】
前記第1の金属接合層がRF電極であり、前記第1の金属接合層がRF電源に結合されている、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項10】
前記第1の金属接合層は、約0.025mmから約2mmの間の範囲の厚さを有する、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項11】
前記第1の金属接合層と前記第2の金属接合層とは、各々、約0.1mmと約0.6mmとの間の厚さを有する、請求項9に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項12】
少なくとも150個の個別の二次ヒータが存在し、前記二次ヒータは、前記第1のセラミックプレートの外縁から最大約2mmのところまである、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項13】
前記第1のセラミックプレート内の前記二次ヒータは、前記ワークピース支持面から約3mm未満のところにある、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項14】
処理チャンバであって、
内部処理領域を画定する壁及び蓋を有する本体と、
前記内部処理領域内に配置された基板支持アセンブリとを備え、前記基板支持アセンブリは、
ワークピース支持面及び下面を有する第1のセラミックプレートであって、複数のマイクロゾーンをそれぞれ形成する複数の二次ヒータを有する、第1のセラミックプレート、
上面及び下面を有する第2のセラミックプレート、
前記第1のセラミックプレートの前記下面と前記第2のセラミックプレートの前記上面との間に配置された第1の金属接合層、
上部分及び下部分を有する第3のセラミックプレートであって、一次ヒータを有する第3のセラミックプレート、並びに
前記第2のセラミックプレートの前記下面と前記第3のセラミックプレートの前記上部分との間に配置された第2の金属接合層を備える、処理チャンバ。
【請求項15】
前記一次ヒータは、4つの個別に制御されるゾーンを有する、請求項14に記載の処理チャンバ。
【請求項16】
上側部分を有する冷却ベースであって、前記冷却ベースの前記上側部分が前記第3のセラミックプレートの下方に配置されている、冷却ベース、及び
前記第3のセラミックプレートと前記冷却ベースとの間に配置された界面ガスケットを更に備え、前記界面ガスケットは、前記第3のセラミックプレートに湾曲又は亀裂を生じさせることなしに、前記第3のセラミックプレートと前記冷却ベースとの間で最大摂氏300度までの温度差を許容する、請求項14に記載の処理チャンバ。
【請求項17】
前記基板支持アセンブリは、前記第3のセラミックプレートと前記冷却ベースとの間で最大約300℃までの温度差を有するように構成されている、請求項16に記載の処理チャンバ。
【請求項18】
前記第1のセラミックプレート内の前記二次ヒータは、前記ワークピース支持面から約3mm未満のところにある、請求項16に記載の処理チャンバ。
【請求項19】
前記第1のセラミックプレート内の前記二次ヒータは、前記第1のセラミックプレートの外縁から約2mm未満のところまである、請求項16に記載の処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本明細書で説明される実施態様は、広くは、半導体製造に関し、特に、複数のマイクロゾーンヒータを有する高温基板支持アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] ナノメートル以下の特徴(features)を高い信頼度で製造することは、半導体デバイスの次世代の大規模集積(VLSI)及び超大規模集積(ULSI)における重要な技術課題の1つとなっている。しかし、回路技術の限界が更新されるたびに、VLSI及びULSIの配線技術の微細化には、処理能力の更なる向上が求められてきた。基板上にゲート構造を信頼性高く形成することは、VLSI及びULSIの成功にとって、また、個々の基板やダイの回路密度や品質を高める継続的な取り組みにとって重要なことである。
【0003】
[0003] 製造コストを引き下げるために、集積チップ(IC)の製造は、処理される全てのシリコン基板に、より高いスループットとより優れたデバイス歩留まり及び性能とを要求する。現在開発中の次世代デバイスのために探索されている幾つかの製造技法は、基板上の膜を処理する間に、摂氏300度を超える温度及び高バイアス電力での処理を必要とする。高バイアス電力は、基板上の膜粗さ及び形態を改善する。しかし、高バイアス電力はまた、管理されない場合には、材料の選択又は基板を処理する間に実行され得るプロセスの選択を、望ましくないほど制限することがある熱エネルギーも生成する。
【0004】
[0004] これらの高温及び高電力製造技法の幾つかは、チャンバ内で処理されている基板を固定するために静電チャックを利用する処理チャンバ内で実行される。従来の静電チャック(ESC)は、ESCの表面にわたって処理の均一性を確保するための複数の加熱ゾーンを含む、基板支持アセンブリの部分である。しかし、隣接する加熱ゾーン間の熱スミア(thermal smear)、すなわち外向きの熱放散は、しばしば、計画外の態様で隣接する領域間を横方向に移動する熱のために、望ましくない熱プロファイルをもたらす。その結果、所望のESCの熱プロファイル及び処理結果を得ることは困難である。
【0005】
[0005] したがって、複数のヒータを有する改善された基板支持アセンブリが必要とされる。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本明細書で説明される実施態様は、基板支持アセンブリを提供する。基板支持アセンブリは、ワークピース支持面及び下面を有する第1のセラミックプレートを有する。第1のセラミックプレートは、複数のマイクロゾーンをそれぞれ形成する複数の二次ヒータを有する。基板支持アセンブリは、上面及び下面を有する第2のセラミックプレートを有する。第1の金属接合層が、第1のセラミックプレートの下面と第2のセラミックプレートの上面との間に配置される。第3のセラミックプレートが、上部分及び下部分を有する。第3のセラミックプレートは、一次ヒータを有する。第2の金属接合層が、第2のセラミックプレートの下面と第3のセラミックプレートの上部分との間に配置される。
【0007】
[0007] 本発明の上述の特徴を詳細に理解し得るように、上記で簡単に要約されている本発明のより詳細な説明が、実施形態を参照することによって得られ、一部の実施形態は付随する図面に示されている。しかし、本発明は他の等しく有効な実行形態も許容し得ることから、付随する図面はこの発明の典型的な実行形態のみを示しており、したがって、本発明の範囲を限定すると見なすべきではないことに、留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】[0008] 基板支持アセンブリの一実施形態を有する処理チャンバの断面概略側面図である。
図1A】[0009] 複数の二次ヒータを示す、基板支持アセンブリの静電チャックの概略断面図である。
図2】[0010] 一実施例による基板支持アセンブリの概略部分側面図である。
図3】[0011] 別の一実施例による基板支持アセンブリの概略部分側面図である。
図4】[0012] 更に別の一実施例による基板支持アセンブリの概略部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0013] 理解を容易にするために、可能な場合には、図面に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号が使用された。1つの実施形態で開示された要素は、具体的な記述がなくても、他の実施形態で有益に使用できることが想定される。
【0010】
[0014] 本明細書で説明される実施態様は、マイクロゾーン効果を生成する複数のヒータを有する静電チャック(ESC)の高温動作を可能にする基板支持アセンブリを提供する。ここで、マイクロゾーンは、ESCの離散的に温度制御可能な領域を指し、以下に開示される実施例では、ESC上に50から150以上のマイクロゾーンが存在してよい。高温とは、摂氏約150度を超える温度、例えば、摂氏約300度を超える温度を指すものとする。以下で提供される基板支持アセンブリの実施例は、接合層及び熱界面層によって分離された冷却プレート及び静電チャックを含む。熱界面層は、約150℃から約260℃の間の熱界面にわたる温度勾配を生成することができるガラスから形成される。静電チャックと冷却ベースとの間の熱界面の配置は、静電チャック内のマイクロゾーン間の温度ドレイン及び熱スミアリング(thermal smearing)を低減させる。
【0011】
[0015] 基板支持アセンブリが、エッチング処理チャンバにおいて以下で説明されるが、基板支持アセンブリは、とりわけ、物理的気相堆積チャンバ、化学気相堆積チャンバ、イオン注入チャンバなどの、他の種類のプラズマ処理チャンバ、及び高温(すなわち、摂氏150度を超える温度)処理が行われる他のシステムにおいて利用されてもよい。
【0012】
[0016] 図1は、基板支持アセンブリ126を有する、エッチングチャンバとして構成されるように示されている、例示的なプラズマ処理チャンバ100の概略断面図である。基板支持アセンブリ126は、他の種類の処理プラズマチャンバ、例えば、とりわけ、プラズマ処理チャンバ、アニーリングチャンバ、物理的気相堆積チャンバ、化学気相堆積チャンバ、及びイオン注入チャンバ、ならびに基板などのワークピースの表面の処理均一性を制御する能力が所望される他のシステムにおいて利用されてもよい。高温範囲における基板支持アセンブリ126の誘電特性tan(δ)、すなわち誘電損失、又はρ、すなわち体積抵抗率の制御は、処理中に基板支持アセンブリ126上に配置された基板124の方位角処理制御、すなわち処理均一性を有益に可能にする。
【0013】
[0017] プラズマ処理チャンバ100は、側壁104を有するチャンバ本体102、及び内部処理領域110を囲む下部と蓋108とを含む。注入装置112が、チャンバ本体102の側壁104及び/又は蓋108に結合される。ガスパネル114が、注入装置112に結合されて、プロセスガスが処理領域110の中に提供されることを可能にする。注入装置112は、1以上のノズル若しくは入口ポート、又は代替的にシャワーヘッドであってもよい。処理ガスは、任意の処理副生成物と共に、チャンバ本体102の側壁104又は下部106内に形成された排気口128を通して、処理領域110から除去される。排気口128は、ポンピングシステム132に結合される。ポンピングシステム132は、処理領域110内の減圧レベルを制御するために利用される、スロットルバルブ及びポンプを含む。
【0014】
[0018] 処理ガスは、処理領域110内にプラズマを生成するためにエネルギー供給されてもよい。処理ガスは、処理ガスへRF電力を容量結合又は誘導結合することによって、エネルギー供給されてよい。図1で描かれている一実施形態では、複数のコイル116が、プラズマ処理チャンバ100の蓋108の上方に配置され、整合回路118を介してRF電源120に結合される。複数のコイル116に印加された電力は、電力を処理ガスに誘導結合して、処理領域110内にプラズマを生成する。
【0015】
[0019] 基板支持アセンブリ126は、注入装置112の下方の処理領域110内に配置される。基板支持アセンブリ126は、静電チャック(ESC)174及び冷却ベース130を含む。冷却ベース130は、任意選択的に、ベースプレート176によって支持されてもよい。ベースプレート176は、処理チャンバ100の側壁104又は下部106のうちの1つによって支持される。加えて、基板支持アセンブリ126は、基板支持アセンブリ126との電気、冷却、及びガス接続を容易にするために、冷却ベース130とベースプレート176との間に配置された設備プレート145及び/又は絶縁体プレート(図示せず)を含んでもよい。
【0016】
[0020] 冷却ベース130は、金属材料又は他の適切な材料から形成される。例えば、冷却ベース130は、アルミニウム(Al)から形成されてもよい。冷却ベース130は、内部に形成された冷却チャネル190を含む。冷却チャネル190は、伝達流体導管192によって、熱伝達流体源122に接続される。熱伝達流体源122は、冷却ベース130内の冷却チャネル190を通して循環される、液体、気体、又はそれらの組み合わせなどの熱伝達流体を提供する。一実施形態では、冷却ベース130の冷却チャネル190を通って循環する熱伝達流体が、冷却ベース130を、摂氏約30度と摂氏約120度との間の温度、又は摂氏90度未満の温度に維持する。
【0017】
[0021] ESC174は、誘電体175内に配置された1以上のチャック電極186を含む。誘電体175は、ワークピース支持面137、及びワークピース支持面137の反対側の下面133を有する。ESC174の誘電体175は、アルミナ(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、又は他の適切な材料などの、セラミック材料から製造される。代替的に、誘電体175は、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリールエーテルケトンなどといった、ポリマーから製造されてもよい。
【0018】
[0022] 誘電体175は、内部に埋め込まれた1以上の一次抵抗ヒータ188を含む。一次抵抗ヒータ188は、代替的に、基板支持アセンブリ126の別の一部分に位置付けられてもよい。一次抵抗ヒータ188は、基板支持アセンブリ126の温度を、基板支持アセンブリ126のワークピース支持面137上に配置された基板124を処理するのに適切な温度まで上昇させるために利用される。一次抵抗ヒータ188は、設備プレート145を通してヒータ電源189に結合される。ヒータ電源189は、一次抵抗ヒータ188に電力を提供する。コントローラを利用して、ヒータ電源189の動作を制御し、ヒータ電源189は、概して基板124を所定の温度に加熱するように設定される。一実施形態では、一次抵抗ヒータ188が、複数の横方向に分離された加熱ゾーン内に配置され、コントローラは、一次抵抗ヒータ188の少なくとも1つのゾーンが、他のゾーンのうちの1以上内に位置付けられている一次抵抗ヒータ188に対して優先的に加熱されることを可能にする。例えば、一次抵抗ヒータ188は、複数の半径方向に分離された一次ヒータゾーン(アイテム181として図1Aで示されている)に、同心円状に配置されてもよい。一実施例では、一次抵抗ヒータ188が、4つの同心一次ヒータゾーン181、すなわち、第1の一次ヒータゾーン181、第2の一次ヒータゾーン181、第3の一次ヒータゾーン181、及び第4の一次ヒータゾーン181内に配置される。一次抵抗ヒータ188は、処理に適した温度、例えば、摂氏約180度から摂氏約500度の間、例えば、摂氏約250度より上、例えば、摂氏約250と摂氏約350度との間、又はそれ以上の温度に基板124を維持してよい。
【0019】
[0023] ESC174は、複数の二次ヒータ140を更に含む。二次ヒータ140の数は、一次抵抗ヒータ188の数よりも一桁大きくてよい。二次ヒータ140は、摂氏プラス又はマイナス5度のようなミクロレベルでESC174の温度を制御するように働き、一方で、一次抵抗ヒータ188は、マクロレベルでESC174の温度を制御する。ESC174はまた、二次ヒータ140によって温度制御される複数のマイクロゾーン、例えば、50から150以上のマイクロゾーンを有する。二次ヒータ140は、小さな離散位置、すなわちESC174上のマイクロゾーン内で温度制御を生成する。
【0020】
[0024] 簡単に図1Aを参照すると、図1Aは、複数の二次ヒータ140を示す基板支持アセンブリ126のESC174の概略断面図である。ESC174は、複数の二次ヒータ140の一実施形態を示している。二次ヒータ140は、基板支持アセンブリ126の表面に沿って熱プロファイルを効率的に生成するように、パターン状に構成されてよい。パターンは、リフトピン又は他の機械的、流体的、若しくは電気的接続のための孔128の内部及び周囲にクリアランスを提供しながら、中点の周りで対称であってよい。二次ヒータ140は、複数のセル、すなわちマイクロゾーン199内に配置される。各二次ヒータ140は、それぞれの単一のマイクロゾーン199を占有すると考えられる。サーマルチョーク(thermal choke)118が、各隣接するマイクロゾーン199の間に配置される。加えて、サーマルチョーク118は、ESC174の外周に沿って配置されてもよい。サーマルチョーク118は、隣接するマイクロゾーンからの熱伝達を制限して、それぞれの二次ヒータ140による各マイクロゾーン199の熱スミアリング及び真の熱制御(true thermal control)を防止する。
【0021】
[0025] 図示されているマイクロゾーン199の数は、例示目的のみであり、マイクロゾーン199の数は、150以上などの、50を超えるゾーンであり得ることが企図される。したがって、基板支持アセンブリ126の全体にわたり位置付けられる二次ヒータ140の数は、容易に数百を超えてよい。二次ヒータ140の各マイクロゾーン199は、一次ヒータゾーン181のうちの単一のものを占有する。マイクロゾーン199の境界又はサーマルチョーク118は、マイクロゾーン199が、第1の一次ヒータゾーン181内のみに完全に含まれ、第2の一次ヒータゾーン181の中には延在しないように、それぞれの一次ヒータゾーン181、例えば、第1の一次ヒータゾーン181の境界182と一致する。
【0022】
[0026] 各二次ヒータ140は、端子で終わる抵抗器191を有する。電流が、一方の端子に入り、他方の端子を出ると、電流が抵抗器のワイヤーを端子から端子まで進み、熱を生成する。抵抗器191によって放出される熱量は、そこを通過する電流の二乗に比例する。電力設計密度は、約1ワット/セルから約100ワット/セルの間、例えば、10ワット/セルであってよい。
【0023】
[0027] 抵抗器191は、電流が抵抗器191に沿って通過したときに効率的に熱を提供するように構成された膜厚及びワイヤー厚を有してよい。抵抗器191のワイヤー厚の増加は、抵抗器191の抵抗Rの減少をもたらしてよい。ワイヤー厚は、タングステンワイヤーで約0.05mmから約0.5mmの範囲にあってよく、ニクロムワイヤーで約0.5mmから約1mmの範囲にあってよい。式R=ρ・l/Aを思い出してみると、抵抗器191について、材料、ワイヤー長、及びワイヤー厚を選択して、各二次ヒータ140によって生成される費用、電力消費、及び熱を制御してよいことが分かる。一実施形態では、抵抗器191が、約0.08mmのワイヤー厚、及び10ワットの電力で約90オームの抵抗を有する、タングステンから構成される。
【0024】
[0028] 図1に戻って参照すると、各二次ヒータ140は、コントローラ142によって制御されてよい。コントローラ142は、単一の二次ヒータ140をオンにするか、又は共に群化された複数の二次ヒータをオンにしてよい。このやり方で、温度は、ESC174内に形成されたマイクロゾーン199に沿った独立した位置で正確に制御され得る。このような独立した位置は、当該技術分野で知られているような同心リングに限定されない。図示されているパターンは、より小さいユニットから構成されているが、そのパターンは、代替的に、より大きい及び/若しくはより小さいユニットを有するか、縁部まで延在するか、又は150以上の離散したマイクロゾーン199を形成するための他の形態を有してよい。
【0025】
[0029] ESC174は、一般的に、誘電体175内に埋め込まれたチャック電極186を含む。チャック電極186は、単極性若しくは双極性の電極、又は他の適切な配置として構成されてよい。チャック電極186は、RFフィルタを介してチャック電源187に結合され、このチャック電源187は、基板124をESC174のワークピース支持面137に静電的に固定するためのDC電力を提供する。RFフィルタは、プラズマ処理チャンバ100内のプラズマ(図示せず)を生成するために利用されるRF電力が、電気装備に損傷を与えること又はチャンバの外側の電気障害をもたらすことを防止する。
【0026】
[0030] ESC174のワークピース支持面137は、基板124とESC174のワークピース支持面137との間で画定された間隙スペースに、裏側熱伝達ガスを提供するためのガス通路(図示せず)を含む。ESC174はまた、基板124をESC174のワークピース支持面137の上方に昇降させるためのリフトピン(図示せず)を受け入れるためのリフトピン孔を含み、プラズマ処理チャンバ100へのロボットによる出し入れ移送を容易にする。
【0027】
[0031] 接合層150が、ESC174の下方に配置され、ESC174を冷却ベース130に固定する。他の実施形態では、接合層150が、ESC174と、ESC174と冷却ベース130との間に配置される下側プレートと、の間に配置される。接合層150は、ガラス材料を含んでもよく、又はガラスプレートから形成されてもよい。例えば、接合層150は、ニッケルガリウム酸化物(NGO)、酸化ケイ素、ポリイミド、シリコン、又は他の適切な材料を含んでよい。接合層150は、ESC174と冷却ベース130との間に断熱層を提供し、マイクロゾーン199から冷却ベース130への熱損失を低減させることによって、高温マイクロゾーン効果を改善する。接合層150は、約0.1W/mKと約5W/mkとの間の熱伝導率を有してよい。接合層150の組成は、ESC174と、例えば冷却ベース130などの基板支持アセンブリ126の下層にある部分と、の間の熱膨張の差を補償するように選択される。接合層150は、高温用途、例えば摂氏300度を超える基板処理のために、シリコーンの代わりにポリマーから形成されてもよい。接合層150は、ESC174と冷却ベース130との間の不整合又は温度勾配による湾曲を抑制するために、同じ熱膨張及び熱伝導率を有するガラス材料から形成される。
【0028】
[0032] 図2は、一実施例による基板支持アセンブリ200の概略部分側面図である。基板支持アセンブリ200は、基板支持アセンブリ126の代わりに、上述された処理チャンバ100内で利用されてもよい。基板支持アセンブリ200は、セラミックESC210、金属ボンド220、セラミックプレート230、熱界面層240、及び冷却ベース250を含む、層の積み重ねから形成される。冷却ベース250は、図1で示されている冷却ベース130と実質的に同様であってよい。セラミックESC210は、摂氏300度までの及びそれを超える温度で動作するように構成されている。基板支持アセンブリ200は、熱界面層240を利用して、ESC210と冷却ベース250との間の熱伝達を低減させる一方で、基板支持アセンブリ200を形成する層の積み重ねにおける反り、湾曲、又は他の望ましくない熱誘起移動を防止する。熱界面層240は、更に、冷却ベース250がESC210内の離散したの温度マイクロゾーン199をスミアリングすること(smearing)を抑制する。例えば、熱界面層240は、ワークピース支持面137に沿ったマイクロゾーン199の代わりに、二次ヒータ140から冷却ベース250への熱伝達を抑制する。
【0029】
[0033] セラミックESC210は、基板支持面212及び下面214を有する。セラミックESC210は、アルミナなどのセラミック材料又は他の適切な材料から形成された本体を有する。セラミックESC210は、第1の熱膨張係数を有する。セラミックESC210は、本体内に配置された1以上の電極202及び複数のヒータ204を有する。電極202は、基板を基板支持面212にチャックするように構成されている。複数のヒータ204は、基板支持面212を離散的に加熱し、したがって、基板支持面212上で支持された基板を離散的に加熱するための、複数のマイクロゾーン199を生成するための二次ヒータを含む。
【0030】
[0034] 金属ボンド220は、上面222及び下面224を有する。上面222は、ESC210の下面214と接触して配置される。下面224は、セラミックプレート230と接触して配置される。金属ボンド220はまた、電極202を補足又は置換するRF電極として作用してもよい。金属ボンド220は、シート状であってもよい。金属ボンド220は、内部に形成された1以上の孔225を有してもよい。金属ボンド220の材料は、孔225を形成することから、1以上のフラップ221内に延在してもよい。例えば、金属ボンド220は、円形パターンで1以上の小さな開口部を有してよい。それによって、フラップ221が金属ボンド220のシートから例えば直交するように平面から押し出されたときに、開口部が、孔225を取り囲んでいるフラップ221を形成する。金属ボンド220がRF電極として作用することを可能にする接続については、後述する。
【0031】
[0035] セラミックプレート230は、上面232及び下面234を有する。上面232は、金属ボンド220の下面224と接触している。下面234は、熱界面層240と接触している。側壁231を有するキャビティ235が、上面232を通って、セラミックプレート230の中に形成されている。孔238が、キャビティ235の下部から延在し、セラミックプレート230の下面224を出る。金属ボンド220のフラップ221は、キャビティ235の側壁231の下まで延在する。セラミックプレート230は、アルミナ又は他の適切な材料から形成されてよい。セラミックプレート230は、第2の熱膨張係数、すなわちセラミックプレート230の厚さに沿ってより大きな膨張係数を有する。セラミックプレート230の第2の熱膨張係数は、ESC210の第1の熱膨張係数以上である。
【0032】
[0036] 代替的に又は加えて、熱膨張係数は、ESC210からセラミックプレート230まで増加する。第1の熱膨張係数よりも高い第2の熱膨張係数は、基板支持アセンブリ200が加熱されているときに湾曲するのを防止する。幾つかの実施例では、二次ヒータ140が、ESC210の代わりにセラミックプレート230内に配置されてもよい。別の一実施例では、二次ヒータ140が、ESC210内に配置され、一次抵抗ヒータ188Bが、セラミックプレート230内に位置付けられる。更に別の一実施例では、セラミックプレート230が、第1のセラミックプレート230A及び第2のセラミックプレート230Bから形成される。第1のセラミックプレート230A及び第2のセラミックプレート230Bは、AlOやAl2O3などのセラミックプレート230と同じ材料選択から形成される。しかし、第1のセラミックプレート230Aと第2セラミックプレート230Bとは、同じ材料から形成される必要がないことを理解されたい。一実施例では、第1のセラミックプレート230A及び第2のセラミックプレート230Bは、約5mmと約7mmとの間の厚さを有する。第1のセラミックプレート230Aと第2のセラミックプレート230Bとは、同じ厚さを有する必要がない。例えば、第1セラミックプレート230Aは、約6mmの厚さを有してよく、第2のセラミックプレート230Bは、約6.5mmの厚さを有してよい。第2の金属ボンド220Bが、第1のセラミックプレート230Aと第2のセラミックプレート230Bとを結合させる。第2の金属ボンド220Bは、金属ボンド220と同様であると考えられる。しかし、第2の金属ボンド220Bは、Al、又は金属ボンド220とは独立し且つ異なった他の材料を有してよい。一次抵抗ヒータ188Bは、4つのゾーンを有してよく、第1のセラミックプレート230A又は第2のセラミックプレート230B内に配置されてよい。一実施例では、一次抵抗ヒータ188Bが、第2のセラミックプレート230B内に配置される。このような一実施例では、二次ヒータが、ESC210内に配置され、ガス分配が、第1のセラミックプレート230A内に配置され、4つのゾーンの一次ヒータ188が、第2のセラミックプレート230B内に配置される。
【0033】
[0037] 金属ボンド220は、セラミックプレート230又はセラミックESC210の全長に延在しない。第1の間隙270が、金属ボンド220の外縁とセラミックESC210及びセラミックプレート230の外周との間に延在する。第1の間隙270は、シール292、又はOリングなどを受け入れるサイズである。シール292は、セラミックESC210とセラミックプレート230との間で密封を形成する。シール292は、処理チャンバ環境内に存在するプラズマ及び化学物質への曝露から金属ボンド220を保護し、それによって、金属ボンド220の寿命を延ばす。
【0034】
[0038] 一実施例では、熱界面層240が、SiO2、NGO、又は他の適切な材料から形成されてよい。熱界面層240は、金属ボンド層220と同様であってもよく、界面ガスケット245を含んでもよい。界面ガスケット245は、GRAFOIL(商標)などの可撓性グラファイトシート、ポリイミド、若しくは金属、若しくはシリコーン、又はフルロポリマーのうちの1以上で作製される。界面ガスケット245は、約0.1mmから約2mmの間の範囲の厚さを有する。界面ガスケット245は、セラミックプレート230内で湾曲又は亀裂を生じることなく、セラミックプレート230と冷却ベース250との間で最大摂氏300度の温度差を許容する。
【0035】
[0039] 熱界面層240は、上面242及び下面244を有する。上面242は、セラミックプレート230の下面234と接触している。下面244は、界面ガスケット245を含んでよく、冷却ベース250と同様にサイズ決定され、冷却ベース250上に配置される。熱界面層240は、約0.2W/mKから約4W/mKの熱伝導率を有する。したがって、熱界面層240にわたる温度差は、摂氏100度と摂氏300度との間、例えば、摂氏200度であってもよい。熱界面層240は、マイクロゾーン199から冷却ベース250への熱損失を絶縁することによって、セラミックESC210内のヒータのマイクロゾーン効果のスミアリングを防止する。熱界面層240は、摂氏300度以上のような高温用のガラス又は絶縁層を含む。熱界面層240は、約1/4mmから約2・1/2mmの間の範囲の厚さを有してよい。
【0036】
[0040] 冷却ベース250は、動作中に冷却流体がそこを通して循環される複数の冷却チャネルを有する。冷却ベース250は、熱界面層240の下面244に接触する上面252を有する。冷却ベース250及び熱界面層240は、外径255を有する。外径255は、ESC210の外周201よりも、距離271だけ短い。冷却ベース250は、対流冷却キャビティ950を有する。冷却ベース250は、冷却ベース250の温度を調節するために冷却流体が流れる複数の冷却チャネルを有する。冷却ベース250は、冷却流体で熱を除去することによって冷却ベース250の温度を維持するために、内部に冷却剤を流すことによって、基板支持アセンブリ200の温度を調節する。対流冷却キャビティ950は、冷却ベース250を通って流れる冷却剤によって、約60℃などと同様の温度に維持される。加えて、冷却ベース250は、セラミックESC210内のヒータ204から生成される高温が、基板支持アセンブリ200の設備プレート及び下側構成要素に熱損傷をもたらすことを防止する。
【0037】
[0041] 冷却ベース250の下方には、設備プレート260が配置される。設備プレート260は、上側上面263、下側上面265、及び下面283を有する。突出部277が、上側上面263まで延在する。上側上面263は、セラミックプレート230と接触して配置される。設備プレート260は、上側上面263内に配置されたシール溝269を有する。代替的に、シール溝269は、セラミックプレート230の下面234に形成されてもよい。ガスケット294が、セラミックプレート230と設備プレート260との間で気密密封を行うために、シール溝269内に配置されている。突出部277は、内径261を有する。内径261は、下側上面265から上側上面263まで延在する。冷却ベース250は、下側上面265上に配置され、設備プレート260の内径261まで延在する外径261を有する。
【0038】
[0042] 設備プレート260は、アルミニウム、アルミニウム合金、又は他の適切な材料から形成される。電極、ヒータ、及び基板支持アセンブリ200の様々な構成要素に電力を供給する電気接続が、施設プレート260を通って延在している。設備プレート260は、そこを通って延在する貫通孔268を有する。貫通孔268は、セラミックプレート230の孔238と整列する。凹部267が、設備プレート260の下面283に形成され、貫通孔268と位置合わせされる。
【0039】
[0043] インサート284が、セラミックプレート230のキャビティ235内に設けられる。ファスナ281が、ヘッド282を有する。ファスナ281は、貫通孔268を通ってキャビティ235内のインサート284まで延在するように構成されている。ファスナ281のヘッド282は、設備プレート260の凹部267内に嵌合し、貫通孔268に隣接し、貫通孔268内には延在しない。インサート284は、セラミックプレート230を設備プレート260に固定するためのファスナ281を受け入れるように構成されている。インサート284は、モリブデン、ステンレス鋼、アルミニウム、又は他の適切な材料のような導電性材料から形成されてよい。インサート284は、金属ボンド220のフラップ221と接触している。このように、導電性材料から形成されたファスナ281は、金属ボンド220が電極として作用するときに、金属ボンド220へのRF接続を提供してよい。他の実施形態では、セラミックプレート230が、コーティング又は他の技法によって金属化される。金属化されたセラミックプレート230は、セラミックプレート230に電力を供給するためのRF接続を形成するファスナ281を伴って電極として作用し得る。
【0040】
[0044] マイクロゾーンコネクタ910が、ESC210内の二次ヒータ140に結合される。マイクロゾーンコネクタ910は、各マイクロゾーン199での熱出力を制御するために、各個別の二次ヒータ140に対する電力及び制御を提供する。マイクロゾーンコネクタ910は、第1の端部911において二次ヒータ140から、マイクロゾーンコネクタ910の第2の端部912において対流冷却キャビティ950まで延在する。対流冷却キャビティ950の温度は、内部に配置された構成要素に冷却を提供するために、約60℃に維持されてよい。マイクロゾーンコネクタ910の第1の端部911の温度は、300℃以上であってよい。マイクロゾーンコネクタ910の第2の端部912の温度は、約60℃であってよい。したがって、マイクロゾーンコネクタ910は、マイクロゾーンコネクタ910の第1の端部911から第2の端部912まで200℃を超える温度降下、温度差を経験してよい。
【0041】
[0045] 図3は、別の一実施例による基板支持アセンブリ300の概略部分側面図である。基板支持アセンブリ300は、基板支持アセンブリ126の代わりに、上述された処理チャンバ100内で利用されてもよい。基板支持アセンブリ300は、セラミックESC310、絶縁ボンド320、接合層340、及び冷却ベース350を含む、層の積み重ねから形成される。ここで図3では、基板支持アセンブリ300が、分解されて示されているが、すなわち、絶縁ボンド320は、接合層340から分離されて示されているが、絶縁ボンド320と接合層340とは、実際には互いに接触していることを理解されたい。図3の実施形態は、高温で動作可能な単純な積み重ね設計を提供する。
【0042】
[0046] セラミックESC310は、最大摂氏300度まで及びそれを超える温度で動作するように構成されている。基板支持アセンブリ300は、絶縁ボンド320を利用して、セラミックESC310と冷却ベース350との間の温度プロファイルを低減させながら、基板支持アセンブリ300を形成する層の積み重ねにおける反り、湾曲、又は他の望ましくない熱誘起移動を防止する。
【0043】
[0047] セラミックESC310は、基板支持面312及び下面314を有する。セラミックESC310は、アルミナなどのセラミック材料又は他の適切な材料から形成された本体を有する。セラミックESC310は、1以上の電極302、及び本体内に配置された複数のヒータ304を有する。電極302は、基板を基板支持面312にチャックするように構成されている。複数のヒータ304は、基板支持面312、したがって基板支持面312上に支持された基板を、離散的に加熱するための複数のゾーンを生成するための一次及び二次ヒータを含んでよい。
【0044】
[0048] 絶縁ボンド320は、上面322及び下面324を有する。上面322は、ESC310の下面314と接触して配置される。下面324は、接合層340と接触して配置される。絶縁ボンド320は、約0.2W/mKから約4W/mKの熱伝導率を有する金属を上部又は下部に含んでよい。したがって、絶縁ボンド320にわたる温度差は、摂氏約150度と摂氏約260度との間、例えば、摂氏約200度であってよい。絶縁ボンド420は、摂氏300度以上のような高温用のガラス又は絶縁層を含む。絶縁ボンド320は、SiO2、NGO、又は他の適切な材料から形成されてよい。絶縁ボンド320は、約1/4mmから約2・1/2mmの間の範囲の厚さを有してよい。
【0045】
[0049] 接合層340は、上面342及び下面344を有する。上面342は、絶縁ボンド320の下面324と接触している。下面344は、冷却ベース350上に配置される。接合層340は、摂氏約200度の温度での動作に適したシリコーン又は他の適切な材料から形成されてよい。接合層340は、約0.2W/mKから約1.5W/mK、例えば、約0.9W/mKの熱伝導率を有する。接合層340は、上面342から下面344までの温度降下が摂氏約200度であってよい。接合層340は、約0.1mmと約1.0mmとの間、例えば、約0.3mmの厚さを有する低温ボンドである。接合層340は、例えば、セラミックESC310内のヒータのマイクロゾーン効果のスミアリングを防止する助けとなるように、二次ヒータ140を冷却ベース350から追加的に絶縁する。
【0046】
[0050] 冷却ベース350は、冷却流体が流れる複数の冷却チャネルを有する。冷却ベース350は、アルミニウム又は他の適切な金属若しくは金属合金から形成される。冷却ベース350は、上面352及び下面を有する。冷却ベース350の上面352は、接合層340と接触している。冷却ベース350は、基板支持アセンブリ300の温度を調節するために設けられる。加えて、冷却ベース350は、セラミックESC310内のヒータ304から生成される高温が、基板支持アセンブリ300の設備プレート及び下側構成要素に熱損傷をもたらすことを防止する。加えて、幾つかの実施例では、冷却ベース350が、RF電極として働き、RF電極にエネルギー供給するための電源に結合されてよい。
【0047】
[0051] 絶縁ボンド320は、冷却ベース350の全長にわたって延在しない。第1の間隙370が、絶縁ボンド320の外縁とセラミックESC310の外周との間で延在する。同様に、接合層340は、冷却ベース350の全長にわたって延在しない。第2の間隙372が、接合層340の外縁と冷却ベース350の外周との間で延在する。第1の間隙370及び第2の間隙372は、接合層340及び絶縁ボンド320が、基板支持アセンブリ300を形成することにおいて共に配置されるときに、Oリングなどのシール392が内部に嵌合し得るように、サイズが実質的に同様であってよい。セラミックESC310と冷却ベース350との間に配置されたシール392は、接合層340及び絶縁ボンド320を、処理チャンバ環境内に存在するプラズマ及び化学物質への曝露から保護し、したがって、接合層340及び絶縁ボンド320の寿命を延ばす。
【0048】
[0052] 図4は、更に別の一実施例による、基板支持アセンブリ400の概略部分側面図である。基板支持アセンブリ400は、基板支持アセンブリ126の代わりに、上述された処理チャンバ100内で利用されてもよい。基板支持アセンブリ400は、セラミックESC210、金属ボンド220、セラミックプレート230、熱界面層440、冷却ベース450、及び設備プレート460を含む、層の積み重ねから形成される。セラミックESC210、金属ボンド220、セラミックプレート230は、図2に関して上述されたものと実質的に同様であってよい。加えて、セラミックプレート230が、第1のセラミックプレート230A及び第2のセラミックプレート230Bに分割された一実施例におけるヒータ構成が、追加的に考慮される。熱界面層440は、熱界面層240に関して上述された界面ガスケット245を含んでよい。基板支持アセンブリ400は、熱界面層440を利用して、ESC210と冷却ベース450との間の熱伝達を低減させながら、基板支持アセンブリ400を形成する層の積み重ねにおける反り、湾曲、又は他の望ましくない熱誘起移動を防止する。熱界面層440は、冷却ベース450がESC210内の離散的な温度マイクロゾーン199をスミアリングすることを更に抑制する。
【0049】
[0053] 熱界面層440は、上面442及び下面444を有する。上面442は、セラミックプレート230の下面234と接触している。下面444は、冷却ベース450と同様にサイズ決定され、冷却ベース450上に配置される。熱界面層440は、ポリイミドなどの高温ポリマー又は他の適切な材料から形成されてよい。熱界面層440は、マイクロゾーン199から冷却ベース450への熱損失を絶縁することによって、セラミックESC210内のヒータのマイクロゾーン効果のスミアリングを防止する。熱界面層440は、約1/4mmから約2・1/2mmの間の範囲の厚さを有してよい。
【0050】
[0054] 熱界面層440は、セラミックプレート230又は冷却ベース450の全長にわたって延在しない。熱界面層440の外縁は、間隙270と同様に、セラミックプレート230及び冷却ベース450の外周から離隔している。間隙470は、ガスケット494、又はOリングのようなものを受け入れるサイズである。シール494は、セラミックプレート230と冷却ベース450との間に気密密封を形成する。ガスケット494は、処理チャンバ環境内に存在するプラズマ及び化学物質への曝露から熱界面層440を保護する。
【0051】
[0055] 冷却ベース450は、動作中に冷却流体がそこを通して循環される複数の冷却チャネルを有する。冷却ベース450は、熱界面層440の下面444と接触する上面452を有する。冷却ベース450は、冷却ベース450の温度を調節するために、冷却流体が流れる複数の冷却チャネルを有する。冷却ベース450は、冷却流体で熱を除去することによって冷却ベース450の温度を維持するために、内部に冷却剤を流すことによって、基板支持アセンブリ400の温度を調節する。更に、冷却ベース450は、セラミックESC210内のヒータ204から生成される高温が、基板支持アセンブリ400の設備プレート460及び下側構成要素に熱損傷をもたらすことを防止する。
【0052】
[0056] 冷却ベース450は、孔458及び第1の貫通孔451を有する。孔458は、内部に配置された、ねじ付き止まり穴、ナットなどのファスナを有する他の種類の孔であってよい。貫通孔451は、セラミックプレート230の孔238と整列する。ファスナ498は、第1の貫通孔451を貫通して、セラミックプレート230のキャビティ235内のインサート284まで延在するように構成されている。ファスナ498は、セラミックプレート230を冷却ベース450に固定する。インサート284は、モリブデン、アルミニウム、又は他の適切な材料などの導電性材料から形成され、金属ボンド220のフラップ221と接触している。ファスナ498は、金属ボンド220が電極であるときに、設備プレート460を通して配置された電力リード479から金属ボンド220への導電性RF接続を提供する。
【0053】
[0057] 冷却ベース450は、冷却ベース250に関して上述した対流冷却キャビティ956を更に有する。ESC210内の二次ヒータ140に結合されたマイクロゾーンコネクタ910は、上述されたのと同じようにして、対流冷却キャビティ956まで延在し、第1の端部から第2の端部まで約200℃の温度降下を有する。
【0054】
[0058] 冷却ベース450の下方には、設備プレート460が配置される。設備プレート460は、上面462及び下面464を有する。上面462は、冷却ベース450と接触して配置される。設備プレート460は、上面462内に配置されたシール溝469を有する。代替的に、シール溝469は、冷却ベース450の下面454に形成されてもよい。ガスケット496が、冷却ベース450と設備プレート460との間で気密密封を行うために、シール溝469内に配置されている。設備プレート460は、アルミニウム、アルミニウム合金、又は他の適切な材料から形成される。電極、ヒータ、及び基板支持アセンブリ400の様々な構成要素に電力を供給する電気接続が、設備プレート460を通って延在している。
【0055】
[0059] 設備プレート460は、そこを通って延在する貫通孔468を有する。貫通孔468は、冷却ベース450内の孔458と整列する。凹部467が、設備プレート460の下面464に形成され、貫通孔468と位置合わせされる。ファスナ496は、ヘッド482を有する。ファスナ496のヘッド482は、設備プレート460内に嵌合し、それに当接する。冷却ベース450の孔458は、ファスナ496を受け入れるように構成されている。例えば、孔458は、ねじ切りされてもよい。ファスナ496は、冷却ベース450を設備プレート460に固定する。
【0056】
[0060] 上述された様々な実施形態では、基板支持アセンブリが、150以上の加熱ゾーン(マイクロゾーン)を有する静電チャックを有する。ESCは、冷却ベース上に配置され、それらの間に1以上の層を設けることで、ESCが撓むことなく冷却ベースと強固に接合されることを防止する。1以上の層は、ESCから冷却ベースへの熱放出を防止する絶縁層を含む。加えて、絶縁層は、摂氏約300度を超える温度のような高温動作を可能にする。絶縁層は、ESC上の150以上のマイクロゾーンのような複数のヒータマイクロゾーンが、マイクロゾーン間でスミアリングすることを防止し、したがって、各マイクロゾーンでの温度の離散的な制御を可能にする。
【0057】
[0061]上記は本発明の実装形態を対象としているが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、本発明の他の更なる実施態様を考案することもでき、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図1A
図2
図3
図4