(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】活性エネルギー線硬化型組成物、硬化型インク、組成物収容容器、像形成装置、像形成方法、硬化物、及び加飾体
(51)【国際特許分類】
C08F 20/58 20060101AFI20240930BHJP
C08F 2/50 20060101ALI20240930BHJP
C09D 11/38 20140101ALI20240930BHJP
B41M 5/00 20060101ALI20240930BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240930BHJP
B29C 64/112 20170101ALI20240930BHJP
B29C 64/264 20170101ALI20240930BHJP
B33Y 70/00 20200101ALI20240930BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20240930BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240930BHJP
【FI】
C08F20/58
C08F2/50
C09D11/38
B41M5/00 120
B41M5/00 100
B41J2/01 501
B29C64/112
B29C64/264
B33Y70/00
B33Y80/00
B33Y10/00
(21)【出願番号】P 2020123026
(22)【出願日】2020-07-17
【審査請求日】2023-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100116713
【氏名又は名称】酒井 正己
(72)【発明者】
【氏名】小林 雅秀
【審査官】赤澤 高之
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-023667(JP,A)
【文献】国際公開第2011/078267(WO,A1)
【文献】特開平07-070472(JP,A)
【文献】特開平05-331428(JP,A)
【文献】特開昭53-138486(JP,A)
【文献】特開2017-057249(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 20/58
C08F 2/50
C09D 11/38
B41M 5/00
B41J 2/01
B29C 64/112
B29C 64/264
B33Y 70/00
B33Y 80/00
B33Y 10/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される重合性化合物(A1)
もしくはN-アクリロイルピペリジンカルボン酸アルキルエステル、下記一般式(4)で表されるベンゾフェノン化合物(B1)および、アミン化合物(C)を含有し、
前記アミン化合物(C)の含有量が、前記ベンゾフェノン化合物(B1)の全量に対して、30質量%以上100質量%以下であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物。
【化1】
(一般式(1)中、R
1は炭素数1~6のアルキル基を表し、Xは炭素数1~6のアルキレン基を表し、Yは下記一般式(2)及び下記一般式(3)のいずれかを表す。)
【化2】
(一般式(2)中、R
2は炭素数1~10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。)
【化3】
(一般式(3)中、R
2は炭素数1~10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。)
【化4】
(一般式(4)中、Xは-CH
2-、-O-、-CH
2CH
2-、-CH=CH-、-CH
2O-、-CH
2CH
2CH
2-、及びOCH
2O-を表す。)
【請求項2】
前記アミン化合物(C)が下記一般式(5)又は下記一般式(6)で表されるアミン化合物である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【化5】
(一般式(5)中、R
3及びR
4はそれぞれ水素原子、又は炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R
5は炭素数1~10の直鎖又は分岐のアルキレン基を表す。)
【化6】
(一般式(6)中、R
6、R
7、R
8及びR
9はそれぞれ水素原子、又は炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R
10は炭素数1~10の直鎖又は分岐のアルキレン基を表す。)
【請求項3】
前記ベンゾフェノン化合物(B1)を表す一般式(4)におけるXが-CH
2CH
2-、-CH
2CH
2CH
2-、及びOCH
2O-から選択されるいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項4】
前記ベンゾフェノン化合物(B1)の含有量が、組成物の全量に対して、3質量%以上10質量%以下であり、前記アミン化合物(C)の含有量が、前記ベンゾフェノン化合物(B1)の全量に対して、50質量%以上100質量%以下であることを特徴とする請求項1~3に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項5】
有機溶剤を含まない請求項1~4のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型インク。
【請求項7】
インクジェット用である請求項6に記載に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物、又は、請求項6或いは7に記載の活性エネルギー線硬化型インクが容器中に収容されてなることを特徴とする組成物収容容器。
【請求項9】
請求項1~5のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物、又は、請求項6或いは7に記載の活性エネルギー線硬化型インクを容器中に収容する収容部と、活性エネルギー線を照射するための照射手段と、を有することを特徴とする2次元又は3次元の像形成装置。
【請求項10】
前記活性エネルギー線を照射する手段が、波長365~405nmにピークを有する紫外線を照射するUV-LEDである、請求項9に記載の像形成装置。
【請求項11】
請求項1~5のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物、又は、請求項6或いは7に記載の活性エネルギー線硬化型インクに活性エネルギー線を照射して2次元又は3次元の像を形成することを特徴とする2次元又は3次元の像形成方法。
【請求項12】
前記活性エネルギー線の照射を、波長365~405nmにピークを有する紫外線を発光するUV-LEDによって行う、請求項11に記載の像形成方法。
【請求項13】
請求項1~5のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物、又は、請求項6或いは7に記載の活性エネルギー線硬化型インクを用いて形成されることを特徴とする硬化物。
【請求項14】
基材上に請求項13に記載の硬化物からなる表面加飾が施されてなることを特徴とする加飾体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物、硬化型インク、組成物収容容器、像形成装置、像形成方法、硬化物、及び加飾体に関する。
【背景技術】
【0002】
活性エネルギー線硬化型のインクジェット記録方式に用いるインクとして、ラジカル重合性インクや、カチオン重合性インクが知られている。これらの中でも、インクの生産コスト及び保存安定性の点から、ラジカル重合性インクが広く用いられている。
【0003】
このような活性エネルギー線硬化型のラジカル重合性インクとしては、アクリル酸エステルなどの重合性モノマーと、活性エネルギー線の照射でラジカルを発生する重合開始剤と、を含有したインクが知られている。
【0004】
前記活性エネルギー線硬化型組成物では、生産性、並びに表面硬化性の向上、及び硬化物の取扱いの観点から、高硬度な硬化物が得られるものが求められている。
そこで、表面硬化性、及び硬度を向上させるために、例えば、基材にインクジェットなどにより活性エネルギー線硬化型組成物を吐出し硬化させる際に、表面の酸素阻害による硬化不良を防止するために水素引き抜き型の重合開始剤が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記水素引き抜き型の重合開始剤を用いた活性エネルギー線硬化型組成物は、硬化物の表面の硬化性は良好であるが、硬化物の表面以外の硬化性は従来の重合開始剤に劣り、十分に高硬度な硬化物が得られない。
本発明は、低粘度であり、かつ表面硬化性が高く、透明性が良好で、高硬度な硬化物が得られる組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段としての本発明に係る活性エネルギー線硬化型組成物は、下記(1)に記載するとおりのものである。
(1)下記一般式(1)で表される重合性化合物(A1)、下記一般式(4)で表されるベンゾフェノン化合物(B1)及び、アミン化合物(C)を含有し、
前記アミン化合物(C)の含有量が、前記ベンゾフェノン化合物(B1)の全量に対して、30質量%以上100質量%以下であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物。
【化1】
(一般式(1)中、R
1は炭素数1~6のアルキル基を表し、Xは炭素数1~6のアルキレン基を表し、Yは下記一般式(2)及び下記一般式(3)のいずれかを表す。)
【化2】
(一般式(2)中、R
2は炭素数1~10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。)
【化3】
(一般式(3)中、R
2は炭素数1~10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。)
【化4】
(一般式(4)中、Xは-CH
2-、-O-、-CH
2CH
2-、-CH=CH-、-CH
2O-、-CH
2CH
2CH
2-、及びOCH
2O-を表す。)
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、低粘度であり、かつ表面硬化性が高く、透明性が良好で、高硬度な硬化物が得られる組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、インクジェット吐出手段を備えた像形成装置の一例を示す概略図である。
【
図2】
図2は、別の像形成装置(3次元立体像の形成装置)の一例を示す概略図である
【
図3】
図3は、活性エネルギー線硬化型組成物を用いて立体造形を行う方法の一例について説明する概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(活性エネルギー線硬化型組成物)
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物(以下、「組成物」ともいう。)は、下記一般式(1)で表される重合性化合物(A1)、下記一般式(4)で表されるベンゾフェノン化合物(B1)及び、アミン化合物(C)を含有し、前記アミン化合物(C)の含有量が、前記ベンゾフェノン化合物(B1)の全量に対して、30質量%以上100質量%以下であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物であり、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
【化1】
(一般式(1)中、R
1は炭素数1~6のアルキル基を表し、Xは炭素数1~6のアルキレン基を表し、Yは下記一般式(2)及び下記一般式(3)のいずれかを表す。)
【化2】
(一般式(2)中、R
2は炭素数1~10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。)
【化3】
(一般式(3)中、R
2は炭素数1~10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。)
【化4】
(一般式(4)中、Xは-CH
2-、-O-、-CH
2CH
2-、-CH=CH-、-CH
2O-、-CH
2CH
2CH
2-、及びOCH
2O-を表す。)
【0010】
本発明の組成物は、従来技術では、水素引き抜き型の重合開始剤は表面以外の硬化性は従来の重合開始剤に大きく劣るという問題があるという知見に基づくものである。
【0011】
活性エネルギー線硬化型組成物をベンゾフェノンなどの化合物を重合開始剤として用いてLEDにより硬化膜を作製すると、表面硬化性及び硬度を両立できない。一方、従来の開裂型重合開始剤のみでは表面にタックが残り、十分な表面硬さが得られない。本発明の組成物は、上記課題を解決するものであり、前記一般式(1)で表される重合性化合物(A1)、前記一般式(4)で表されるベンゾフェノン化合物(B1)、アミン化合物(C)を含有し、前記アミン化合物(C)の含有量が、ベンゾフェノン化合物(B1)の全量に対して、30質量%以上100質量%以下であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物により、低粘度、高硬化性、及び高硬度の両立を実現するものである。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は熱によっても硬化することができる。
【0012】
<ベンゾフェノン化合物(B)>
ベンゾフェノン化合物(B)は、ベンゾフェノン骨格及び縮合環構造を有する。縮合環は6員環~8員環が好ましい。6員環の場合はベンゾフェノンのフェニルの動きが抑制されるため、より長波長の光を吸収させることができるので好ましい。7員環又は8員環の場合はフェニルの動きの自由度が向上するため、結晶化しにくく、相溶しやすくなるので好ましい。
【0013】
本発明におけるベンゾフェノン化合物(B1)としては、下記一般式(4)で表されるベンゾフェノン化合物(B1)を用いる。
【化4】
(一般式(4)中、Xは-CH
2-、-O-、-CH
2CH
2-、-CH=CH-、-CH
2O-、-CH
2CH
2CH
2-、及びOCH
2O-を表す。)
【0014】
一般式(4)で表される化合物としては、例えば、アントロン、ジベンゾスベロン、ジベンゾスベレノンなどが好適である。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0015】
<ベンゾフェノン化合物(B1)以外のその他の重合開始剤(B2)>
ベンゾフェノン化合物(B1)以外のその他の重合開始剤(B2)を含んでいてもよい。 その他の重合開始剤としては、熱重合開始剤と光重合開始剤とがある。
光重合開始剤としては、活性エネルギー線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物(モノマーやオリゴマー)の重合を開始させることが可能なものであればよい。光重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤、塩基発生剤等を、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができ、中でも、ラジカル重合開始剤が好ましい。
【0016】
ラジカル重合開始剤としては、例えば、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物などが挙げられる。
【0017】
具体的には、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1(商品名「イルガキュア369」)、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(商品名「イルガキュア819」)、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(商品名「イルガキュアTPO」)、ポリエチレングリコール200-ジ(β-4(4-(2-ジメチルアミノ-2-ベンジル)ブタノニルフェニル)ピペラジン)(IGM社製、「Omnipol 910」)、1,3-ジ({α-[1-クロロ-9-オキソ-9H-チオキサンテン-4-イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]}オキシ)-2,2-ビス({α-[1-クロロ-9-オキソ-9H-チオキサンテン-4-イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]}オキシメチル)プロパン(Lambson社製、「Speedcure7010」)などが挙げられる。
【0018】
一般式(4)で表されるベンゾフェノン化合物(B1)以外のその他の重合開始剤(B2)は、組成物の全量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、0.5質量%以上10質量%以下がより好ましい。
ベンゾフェノン化合物(B1)以外のその他の重合開始剤(B2)を併用することにより、使用目的に合わせて、組成物の硬化性や粘度などを容易に調整することができる。
【0019】
<アミン化合物(C)>
本発明の光重合性組成物は、ベンゾフェノン骨格を有する化合物(B1)により、以下に示す重合開始機構で重合が開始する。すなわち、ベンゾフェノン骨格などを有する化合物が光照射により励起状態となる。すると、該励起分子が近傍の化合物から水素を引き抜き、水素を引き抜かれた化合物上にラジカルが発生し、それがラジカル重合開始点となる。その結果、ベンゾフェノン骨格などを有する化合物は、光ラジカル重合開始剤としての働きを示す。すなわち、ベンゾフェノン骨格などを有する化合物とともに水素を引き抜かれうる化合物が存在していれば、上記重合開始機構により重合が開始する。よって、例えば、本発明で用いるラジカル重合性化合物から水素が引き抜かれれば、そこから重合が開始する可能性がある。
【0020】
一方で、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物には、さらに水素が引き抜かれやすい水素供与性化合物であるアミン化合物(C)を共存させることができる。その場合、光照射により励起したベンゾフェノン骨格などを有する化合物分子へ水素供与性化合物からの水素受け渡しがより円滑に行われ、重合がより効率的に進行しうる。
【0021】
本発明で用いるアミン化合物(C)は、光照射により励起したベンゾフェノン骨格などを有する化合物分子に対して水素を円滑に供与しうる化合物であれば良い。
アミン化合物(C)としては、下記一般式(5)又は(6)で表される化合物であることが好ましい。
【化5】
(一般式(5)中、R
3及びR
4はそれぞれ水素原子、又は炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R
5は炭素数1~10の直鎖又は分岐のアルキレン基を表す。)
【化4】
(一般式(6)中、R
6、R
7、R
8及びR
9はそれぞれ水素原子、又は炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R
10は炭素数1~10の直鎖又は分岐のアルキレン基を表す。)
【0022】
そのような化合物としては、例えば、ジエチルアミン、ジフェニルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N,N-ジエチルメチルアミン、ジプロピルアミン、N,N-ジメチルアニリン、p-ジエチルアミノ安息香酸エチル、p-ジメチルアミノ安息香酸エチル等のアミノ基を有する化合物、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、フェノール等の水酸基を有する化合物、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、トリオキサン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル結合を有する化合物等が好適に用いられる。
【0023】
水素の受け渡しのエネルギーが低いという点でアミノ基を有する化合物が特に好適に用いられ、中でも2-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸メチル、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸エチル、4-(N,N-ジエチルアミノ)安息香酸エチル、ビス-N,N-[4-ジメチルアミノベンゾイル)オキシエチレン-1-イル]ーメチルアミン(IGM社製、「Esacure A198」)、1,3-ジ({α-4-(ジメチルアミノ)ベンゾイルポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]}オキシ)-2,2-ビス({α-4-(ジメチルアミノ)ベンゾイルポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]}オキシメチル)プロパンと{α-4-(ジメチルアミノ)ベンゾイルポリ(オキシエチレン)-ポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]-ポリ(オキシエチレン)}4-(ジメチルアミノ)ベンゾエートの混合物(Lambson社製、「Speedcure7040」)、ポリエチレングリコール(200)ビス(4-ジメチルアミノ安息香酸メチル)(IGM社製、「Omnipоl ASA」)等がさらに好ましく用いられる。
【0024】
本発明におけるアミン化合物(C)を用いる場合の使用量は、通常本発明の光重合性組成物中のラジカル重合性化合物に対して1重量%以上100重量%以下の範囲、好ましくは30重量%以上70重量%以下になるよう用いられる。
【0025】
<重合性化合物(A)>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、前記一般式(1)で表される重合性化合物(A1)もしくはN-アクリロイルピペリジンカルボン酸アルキルエステルを含有する。また、重合性化合物(A1)やN-アクリロイルピペリジンカルボン酸アルキルエステル以外の重合性化合物(A2)を含んでいてもよい。 重合性化合物(A)としては、(メタ)アクリル酸エステル類に代表される公知の重合性モノマーを適用できる。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2-(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリラート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス-(2-(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、エトキシ変性エチレングリコールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、N,N’,N’’-トリ(メタ)アクリロイルジエチレントリアミン、N,N’-{[(2-アクリルアミド-2-[(3-アクリルアミドプロポキシ)メチル]プロパン-1,3-ジイル)ビス(オキシ)]ビス(プロパン-1,3-ジイル)}ジアクリルアミド、N,N’,N’’,N’’’-テトラ(メタ)アクリロイルトリエチレンテトラミンなどが挙げられるが、これらに限定されない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルをいい、(メタ)アクリレート等についても同様の意味である。
【0026】
単官能重合性の化合物(A)としては、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルにイソシアネート基を有する化合物を反応させたウレタン(メタ)アクリレート誘導体や、(メタ)アクリル酸にエポキシ基を有する化合物を反応させたエポキシ(メタ)アクリレート誘導体も例示できる。
また、(メタ)アクリル酸の誘導体以外にも、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド等のN-ビニル化合物類;スチレン、α-メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物類;ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等のビニルエーテル類;アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物類も用いることができる。
なお、上記のエステル構造を含まないアクリルアミド化合物についても、その他の重合性の化合物(A)として使用することができる。
【0027】
重合性化合物(A)は、組成物中に1.0質量%以上90.0質量%以下含まれることが好ましく、5.0質量%以上70.0質量%以下含まれることがより好ましい。また、重合性化合物(A)は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合性化合物(A)を併用することにより、使用目的に合わせて、組成物の硬化性や粘度、硬化物の硬度や密着性などを容易に調整することができる。
【0028】
<一般式(1)で表される重合性化合物(A1)>
一般式(1)で表される重合性化合物(A1)はアクリルアミド基及びエステル構造を有するアクリルアミド化合物(以下では「アクリルアミド化合物(A1)」ということがある)である。
アクリルアミド化合物(A1)の分子量は、150以上250以下であることが好ましく、150以上200以下がより好ましい。分子量が150以上の場合は、化合物の揮発による臭気を抑制することができ、インクジェット吐出の安定性を向上させることができるので好ましい。分子量が250以下の場合は、組成物の硬化性が優れ、硬化物の強度も向上し、更に、組成物の粘度も高くならないので好ましい。
【0029】
なお、本願明細書においては、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを意味する。(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
本発明においてはアクリルアミド化合物(A1)としては、下記一般式(1)で表される化合物を用いる。
【0030】
【化1】
(一般式(1)中、R
1は炭素数1~6のアルキル基を表し、Xは炭素数1~6のアルキレン基を表し、Yは下記一般式(2)及び下記一般式(3)のいずれかを表す。)
【化2】
(一般式(2)中、R
2は炭素数1~10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。)
【化3】
(一般式(3)中、R
2は炭素数1~10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。)
【0031】
前記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、N-アクリロイル-N-アルキルアミノ酸アルキルエステルなどが好適である。本段落でいうアルキル基は、炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基を意味するものであるが、特に好ましくは、炭素数1又は2のアルキル基(即ち、メチル基又はエチル基)が挙げられる。
【0032】
上記N-アクリロイル-N-アルキルアミノ酸アルキルエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステル、N-アクリロイル-N-メチルグリシンエチルエステル、N-アクリロイル-N-メチルグリシンプロピルエステル、N-アクリロイル-N-メチルグリシンブチルエステル、N-アクリロイル-N-エチルグリシンメチルエステル、N-アクリロイル-N-エチルグリシンエチルエステル、N-アクリロイル-N-エチルグリシンプロピルエステル、N-アクリロイル-N-プロピルグリシンメチルエステル、N-アクリロイル-N-プロピルグリシンエチルエステル、N-アクリロイル-N-ブチルグリシンメチルエステル、N-アクリロイル-N-メチルアラニンメチルエステル、N-アクリロイル-N-メチルアラニンエチルエステル、N-アクリロイル-N-メチルアラニンプロピルエステル、N-アクリロイル-N-エチルアラニンメチルエステル、N-アクリロイル-N-エチルアラニンエチルエステル、N-アクリロイル-N-プロピルアラニンメチルエステル、N-アクリロイル-N-メチル-β-アラニンメチルエステル、N-アクリロイル-N-メチル-β-アラニンエチルエステル、N-アクリロイル-N-エチル-β-アラニンメチルエステル、N-アクリロイル-N-エチル-β-アラニンエチルエステル、N-アクリロイル-N-メチルバリンメチルエステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0033】
上記N-アクリロイルピペリジンカルボン酸アルキルエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N-アクリロイルピペリジン-2-カルボン酸メチル、N-アクリロイルピペリジン-3-カルボン酸メチル、N-アクリロイルピペリジン-4-カルボン酸メチルなどが挙げられる。 これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本段落でいうアルキル基は、炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基を意味するものであるが、特に好ましくは、炭素数1又は2のアルキル基(即ち、メチル基又はエチル基)が挙げられる。
【0034】
インクジェット記録方式への適用のため、アクリルアミド化合物(A1)やN-アクリロイルピペリジンカルボン酸アルキルエステルは、常温(25℃)で低粘度(100mPa・s以下)の、無色透明ないし淡黄色透明の液体であることが好ましい。 また、使用者の安全のため、強い酸性や塩基性を示すものでなく、かつ不純物として有害なホルムアルデヒドを含有しないものが好ましい。
【0035】
アクリルアミド化合物(A1)やN-アクリロイルピペリジンカルボン酸アルキルエステルの含有量は、組成物の全量に対して、0.1質量%以上50.0質量%以下が好ましく、2.5質量%以上30.0質量%以下がより好ましく、5.0質量%以上20.0質量%以下が更に好ましい。
【0036】
<色材>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、色材を含有していてもよい。色材としては、本発明における組成物の目的や要求特性に応じて、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、金や銀等の光沢色、などを付与する種々の顔料や染料を用いることができる。
色材の含有量は、所望の色濃度や組成物中における分散性等を考慮して適宜決定すればよく、特に限定されないが、組成物の全量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましい。なお、本発明の組成物は、色材を含まず無色透明であってもよく、その場合には、例えば、画像を保護するためのオーバーコート層として好適である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンを使用することができる。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(例えば、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料が挙げられる。
また、顔料の分散性をより良好なものとするため、分散剤を更に含んでもよい。分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0037】
<有機溶媒>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、有機溶媒を含んでもよいが、可能であれば含まない方が好ましい。有機溶媒、特に揮発性の有機溶媒を含まない(VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)組成物であれば、当該組成物を扱う場所の安全性がより高まり、環境汚染防止を図ることも可能となる。なお、「有機溶媒」とは、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエンなどの一般的な非反応性の有機溶媒を意味するものであり、反応性モノマーとは区別すべきものである。また、有機溶媒を「含まない」とは、実質的に含まないことを意味し、0.1質量%未満であることが好ましい。
【0038】
<その他の成分>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、必要に応じてその他の公知の成分を含んでもよい。その他の成分としては、特に制限されないが、例えば、従来公知の、界面活性剤、重合禁止剤、レベリング剤、消泡剤、蛍光増白剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、粘度安定化剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤などが挙げられる。
【0039】
<活性エネルギー線硬化型組成物の調製>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、重合性モノマー、顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて顔料分散液を調製し、当該顔料分散液に更に重合性モノマー、開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調製することができる。
【0040】
<粘度>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、当該組成物をノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、望ましくは25℃における粘度が60mPa・s以下であり、3mPa・s以上40mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上30mPa・s以下がより好ましく、5mPa・s以上15mPa・s以下が更に好ましく、6mPa・s以上12mPa・s以下が特に好ましい。また、当該粘度範囲を、上記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。なお、上記粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE-22Lにより、コーンロータ(1°34’×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃~65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATER VM-150IIIを用いることができる。
【0041】
<硬化手段>
本発明の硬化型組成物を硬化させる硬化手段としては、加熱硬化又は活性エネルギー線による硬化が挙げられ、これらの中でも活性エネルギー線による硬化が好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させるために用いる活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されない。特に高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、紫外線発光ダイオード(UV-LED)及び紫外線レーザダイオード(UV-LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
【0042】
これらの中でも、省エネルギー化や装置小型化の観点から、紫外線発光ダイオード(以下、UV-LEDともいう)から照射される波長285nm~405nm(好ましくは、波長365~405nm)にピークを有する紫外線が好ましい。なお、重合開始剤の光吸収スペクトルは一般にブロードであって、狭小な特定波長域を照射するUV-LEDを用いることは、組成物の硬化性向上を困難にする。そのため、UV-LEDを用いたとしても硬化性に優れる本発明の組成物を用いることが好ましい。
【0043】
<用途>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の用途は、一般に活性エネルギー線硬化型材料が用いられている分野であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、成形用樹脂、塗料、接着剤、絶縁材、離型剤、コーティング材、シーリング材、各種レジスト、各種光学材料などが挙げられる。
更に、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、インクとして用いて2次元の文字や画像、各種基材への意匠塗膜を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。この立体造形用材料は、例えば、粉体層の硬化と積層を繰り返して立体造形を行う粉体積層法において用いる粉体粒子同士のバインダーとして用いてもよく、また、
図2や
図3に示すような積層造形法(光造形法)において用いる立体構成材料(モデル材)や支持部材(サポート材)として用いてもよい。なお、
図2は、本発明の組成物を所定領域に吐出し、活性エネルギー線を照射して硬化させたものを順次積層して立体造形を行う方法であり(詳細後述)、
図3は、本発明の組成物5の貯留プール(収容部)1に活性エネルギー線4を照射して所定形状の硬化層6を可動ステージ3上に形成し、これを順次積層して立体造形を行う方法である。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を用いて立体造形物を造形するための立体造形装置としては、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、該組成物の収容手段、供給手段、吐出手段や活性エネルギー線照射手段等を備えるものが挙げられる。
また、本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させて得られた硬化物や当該硬化物が基材上に形成された構造体を加工してなる成形加工品も含む。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された硬化物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形することが必要な用途に好適に使用される。
上記基材としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、又はこれらの複合材料などが挙げられ、加工性の観点からはプラスチック基材が好ましい。
【0044】
<組成物収容容器>
本発明の組成物収容容器は、活性エネルギー線硬化型組成物が収容された状態の容器を意味し、上記のような用途に供する際に好適である。例えば、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物がインク用途である場合において、当該インクが収容された容器は、インクカートリッジやインクボトルとして使用することができ、これにより、インク搬送やインク交換等の作業において、インクに直接触れる必要がなくなり、手指や着衣の汚れを防ぐことができる。また、インクへのごみ等の異物の混入を防止することができる。また、容器それ自体の形状や大きさ、材質等は、用途や使い方に適したものとすればよく、特に限定されないが、その材質は光を透過しない遮光性材料であるか、又は容器が遮光性シート等で覆われていることが望ましい。
【0045】
<像の形成方法、形成装置>
本発明の像の形成方法は、活性エネルギー線を用いてもよいし、加熱なども挙げられる。本発明の硬化型組成物を活性エネルギー線で硬化させるためには、活性エネルギー線を照射する照射工程を有し、本発明の像の形成装置は、活性エネルギー線を照射するための照射手段と、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を収容するための収容部と、を備え、該収容部には前記容器を収容してもよい。更に、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を吐出する吐出工程、吐出手段を有していてもよい。吐出させる方法は特に限定されないが、連続噴射型、オンデマンド型等が挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。
図1は、インクジェット吐出手段を備えた像形成装置の一例である。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色活性エネルギー線硬化型インクのインクカートリッジと吐出ヘッドを備える各色印刷ユニット23a、23b、23c、23dにより、供給ロール21から供給された被記録媒体22にインクが吐出される。その後、インクを硬化させるための光源24a、24b、24c、24dから、活性エネルギー線を照射して硬化させ、カラー画像を形成する。その後、被記録媒体22は、加工ユニット25、印刷物巻取りロール26へと搬送される。各色印刷ユニット23a、23b、23c、23dには、インク吐出部でインクが液状化するように、加温機構を設けてもよい。また必要に応じて、接触又は非接触により記録媒体を室温程度まで冷却する機構を設けてもよい。また、インクジェット記録方式としては、吐出ヘッド幅に応じて間欠的に移動する記録媒体に対し、ヘッドを移動させて記録媒体上にインクを吐出するシリアル方式や、連続的に記録媒体を移動させ、一定の位置に保持されたヘッドから記録媒体上にインクを吐出するライン方式のいずれであっても適用することができる。
被記録媒体22は、特に限定されないが、紙、フィルム、セラミックスやガラス、金属、これらの複合材料等が挙げられ、シート状であってもよい。また片面印刷のみを可能とする構成であっても、両面印刷も可能とする構成であってもよい。一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、ダンボール、壁紙や床材等の建材、コンクリート、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革等を適宜使用する ことができる。
更に、光源24a、24b、24cからの活性エネルギー線照射を微弱にするか又は省略し、複数色を印刷した後に、光源24dから活性エネルギー線を照射してもよい。これにより、省エネ、低コスト化を図ることができる。
本発明のインクにより記録される記録物としては、通常の紙や樹脂フィルムなどの平滑面に印刷されたものだけでなく、凹凸を有する被印刷面に印刷されたものや、金属やセラミックなどの種々の材料からなる被印刷面に印刷されたものも含む。また、2次元の画像を積層することで、一部に立体感のある画像(2次元と3次元からなる像)や立体物を形成することもできる。
図2は、本発明に係る別の像形成装置(3次元立体像の形成装置)の一例を示す概略図である。
図2の像形成装置39は、インクジェットヘッドを配列したヘッドユニット(AB方向に可動)を用いて、造形物用吐出ヘッドユニット30から第一の活性エネルギー線硬化型組成物を、支持体用吐出ヘッドユニット31、32から第一の活性エネルギー線硬化型組成物とは組成が異なる第二の活性エネルギー線硬化型組成物を吐出し、隣接した紫外線照射手段33、34でこれら各組成物を硬化しながら積層するものである。より具体的には、例えば、造形物支持基板37上に、第二の活性エネルギー線硬化型組成物を支持体用吐出ヘッドユニット31、32から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて溜部を有する第一の支持体層を形成した後、当該溜部に第一の活性エネルギー線硬化型組成物を造形物用吐出ヘッドユニット30から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて第一の造形物層を形成する工程を、積層回数に合わせて、上下方向に可動なステージ38を下げながら複数回繰り返すことで、支持体層と造形物層を積層して立体造形物35を製作する。その後、必要に応じて支持体積層部36は除去される。なお、
図2では、造形物用吐出ヘッドユニット30は1つしか設けていないが、2つ以上設けることもできる。
【実施例】
【0046】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0047】
<組成物の構成成分>
組成物の調製に用いた原材料の略号、化合物名、メーカー名及び製品名を表1-1~表1-3に示した。
市販されていない原材料であるアクリルアミド化合物は、合成例1~7に示す方法で合成した。合成した化合物の同定は核磁気共鳴分光法(使用装置:日本電子株式会社製、「JNM-ECX500」)で実施し、純度の測定はガスクロマトグラフ法(使用装置:株式会社島津製作所製、「GCMS-QP2010 Plus」)で実施した。これらの化学分析は定法により実施した。
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
(合成例1)
<N-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステル(A1-1)の合成>
N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩(シグマアルドリッチジャパン合同会社製、試薬)0.30モル、炭酸カリウム(関東化学株式会社製、試薬)0.45モル、及び水400mLを0~10℃で撹拌混合し、その温度を保ったままアクリル酸クロリド(和光純薬工業株式会社製、試薬)0.33モルをゆっくり滴下した。滴下終了後、酢酸エチル(関東化学株式会社製、試薬)400mLで3回抽出し、酢酸エチル層を合わせて水400mLで1回洗浄した。酢酸エチルを減圧下、40℃で留去して、目的のN-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステル(A1-1)0.20モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.3質量%であった。
なお、N-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステル(A1-1)の分子量は157.2であり、公知の化合物である(CAS登録番号72065-23-7)。
【0052】
(合成例2)
<N-アクリロイル-N-イソプロピルグリシンイソプロピルエステル(A1-2)の合成>
合成例1において、N-イソプロピルグリシンイソプロピルエステル塩酸塩をN-メチルグリシンエチルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイル-N-イソプロピルグリシンイソプロピルエステル(A1-2)0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
なお、N-アクリロイル-N-イソプロピルグリシンイソプロピルエステル(A1-2)の分子量は213.3であった。
【0053】
(合成例3)
<N-アクリロイル-N-イソプロピルグリシンメチルエステル(A1-3)の合成>
合成例1において、N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をN-メチルグリシンイソプロピルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイル-N-イソプロピルグリシンイソプロピルエステル(A1-3)0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
なお、N-アクリロイル-N-イソプロピルグリシンメチルエステル(A1-3)の分子量は185.2であった。
【0054】
(合成例4)
<N-アクリロイル-N-メチルアラニンメチルエステル(A1-4)の合成>
合成例1において、N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をN-メチルアラニンメチルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイル-N-メチルアラニンメチルエステル(A1-4)0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
なお、N-アクリロイル-N-メチルアラニンメチルエステル(A1-4)の分子量は171.2であった。
【0055】
(合成例5)
<N-アクリロイル-N-メチルグリシンイソプロピルエステル(A1-5)の合成>
合成例1において、N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をN-メチルグリシンイソプロピルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイル-N-メチルアラニンメチルエステル(A1-5)0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
なお、N-アクリロイル-N-メチルアラニンメチルエステル(A1-5)の分子量は185.2であった。
【0056】
(合成例6)
<N-アクリロイル-N-メチルアラニンイソプロピルエステル(A1-6)の合成>
合成例1において、N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をN-メチルアラニンイソプロピルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイル-N-メチルアラニンメチルエステル(A1-6)0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
なお、N-アクリロイル-N-メチルアラニンメチルエステル(A1-6)の分子量は199.3であった。
【0057】
(合成例7)
<N-アクリロイルピペリジン-4-カルボン酸エチル(A1-7)の合成>
合成例1において、N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をピペリジン-4-カルボン酸エチル(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイルピペリジン-4-カルボン酸エチル(A1-7)0.27モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は99.2質量%であった。
なお、N-アクリロイルピペリジン-4-カルボン酸エチル(A1-7)の分子量は211.3であり、公知の化合物である(CAS登録番号845907-79-1)。
【0058】
(実施例1)
<組成物の作製>
A2-1:20.0質量%、A2-2:20.0質量%、A2-3:20.0質量%、A2-4:9.8質量%、A2-6:10.0質量%、A2-13:5.0質量%、B1-1:10.0質量%、C-1:5.0質量%、重合禁止剤:0.1質量%、界面活性剤:0.1質量%を順に添加して2時間撹拌し、目視にて溶解残りがないことを確認した後、メンブランフィルターでろ過して粗大粒子を除去し、実施例1の組成物を作製した。
【0059】
(実施例2~30及び比較例1~10)
実施例1において、下記表2-1~表2-4の組成及び含有量(質量%)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2~30及び比較例1~10の組成物をそれぞれ作製した。
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
次に、得られた各組成物に及び硬化物について、粘度、硬化性、鉛筆硬度、及び透明性ついて評価した。評価結果を表3-1~表3-4に示した。
【0065】
<粘度>
得られた各組成物について、以下のようにして、25℃での粘度を測定した。
東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE-22Lを用い、コーンロータ(1°34’×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を25℃に調整して測定した。循環水の温度調整にはVISCOMATER VM-150IIIを用いた。
【0066】
<インクジェットによる印刷画像の形成>
各組成物をそれぞれプラスチック製の組成物収容容器に充填し、吐出手段としてのインクジェットヘッド(株式会社リコー製、「MH5440」)、活性エネルギー線照射手段としてのUV-LED(インテグレーションテクノロジージャパン社製「LED ZERO」、波長395nm、照射面における照度1.0W/cm2)、吐出を制御するコントローラー、及び組成物収容容器からインクジェットヘッドへの供給経路を備えた像形成装置に組み込んだ。
組成物の粘度が10mPa・s~12mPa・sとなるように適宜インクジェットヘッドの温調を行い、汎用的なフィルム材料である市販のPETフィルム(東洋紡株式会社製、「コスモシャインA4100」、厚み188μm)上に組成物を膜厚10μmでインクジェット吐出し、UV-LEDで紫外線照射を行って、印刷画像を作製した。
<硬化性>
塗膜を指触して粘着感のない状態に達したものを硬化した状態と判定し、硬化に必要な照射積算光量を求めて硬化性を評価した。硬化に要する照射積算光量が1.0J/cm2以下であった場合を実用可能であるとした。
【0067】
<鉛筆硬度>
得られた硬化物について、JIS K5600-5-4 引っかき硬度(鉛筆法)に準拠して鉛筆硬度を測定し、下記評価基準に基づいて、「硬度」を評価した。なお、鉛筆硬度がHB以上であった場合を実用可能であるとした。
【0068】
-装置及び器具-
・装置:COTEC株式会社製のひっかき鉛筆硬度 TQC WWテスター(荷重750g専用)
・鉛筆:次の硬度の木製製図用鉛筆セット(三菱鉛筆株式会社製)
6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6H
・鉛筆けずり器:鉛筆の円筒状の芯をそのままに残して木部だけをけずり取る、特殊なけずり器とする。
なお、硬化性が低いインクに関しては前記光量で硬化させた場合十分に固まらないため、硬度も低くなる。
【0069】
<透明性>
上記印刷画像の形成に記載の方法で得られた印画物サンプルを5cm四方にカットし、グレタグ測定器(X-rite社製Ci6x)によりグレタグ測定を実施した。
透明ポリカーボネートを普通紙10枚の上に載せたものについてb*を測定してこれを基準とし、硬化膜のb*から基準のb*を差し引くことで(Δb)を求めた。
b*の値による下記の評価が、評価C以上が実用可能である。
[評価基準]
A:b*の値が1以下
B:b*の値が1より大きく2以下
C:b*の値が2より大きく4以下
D:b*の値が4より大きい
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【表3-4】
*:表3-4中の「
*1」は、照射積算光量が100J/cm
2となった際に硬化していなかったことを示す。
*:表3-4中の比較例1の鉛筆硬度「-」は測定不能であることを意味する。
【0074】
本発明は下記(1)の活性エネルギー線硬化型組成物に係るものであるが、下記(2)~(14)を実施形態として含む。
(1)下記一般式(1)で表される重合性化合物(A1)、下記一般式(4)で表されるベンゾフェノン化合物(B1)および、アミン化合物(C)を含有し、
前記アミン化合物(C)の含有量が、前記ベンゾフェノン化合物(B1)の全量に対して、30質量%以上100質量%以下であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物。
【化1】
(一般式(1)中、R
1は炭素数1~6のアルキル基を表し、Xは炭素数1~6のアルキレン基を表し、Yは下記一般式(2)及び下記一般式(3)のいずれかを表す。)
【化2】
(一般式(2)中、R
2は炭素数1~10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。)
【化3】
(一般式(3)中、R
2は炭素数1~10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。)
【化4】
(一般式(4)中、Xは-CH
2-、-O-、-CH
2CH
2-、-CH=CH-、-CH
2O-、-CH
2CH
2CH
2-、及びOCH
2O-を表す。)
(2)前記アミン化合物(C)が下記一般式(5)又は下記一般式(6)で表されるアミン化合物である、上記(1)に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【化5】
(一般式(5)中、R
3及びR
4はそれぞれ水素原子、又は炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R
5は炭素数1~10の直鎖又は分岐のアルキレン基を表す。)
【化6】
(一般式(6)中、R
6、R
7、R
8及びR
9はそれぞれ水素原子、又は炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R
10は炭素数1~10の直鎖又は分岐のアルキレン基を表す。)
(3)前記ベンゾフェノン化合物(B1)を表す一般式(4)におけるXが-CH
2CH
2-、-CH
2CH
2CH
2-、及びOCH
2O-から選択されるいずれかであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
(4)前記ベンゾフェノン化合物(B1)の含有量が、組成物の全量に対して、3質量%以上10質量%以下であり、前記アミン化合物(C)の含有量が、前記ベンゾフェノン化合物(B1)の全量に対して、50質量%以上100質量%以下であることを特徴とする上記(1)~(3)のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
(5)有機溶剤を含まない上記(1)~(4)のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
(6)上記(1)~(5)のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型インク。
(7)インクジェット用である上記(6)に記載に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
(8)上記(1)~(5)のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物、又は、上記(6)或いは(7)に記載の活性エネルギー線硬化型インクが容器中に収容されてなることを特徴とする組成物収容容器。
(9)上記(1)~(5)のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物、又は、上記(6)或いは(7)に記載の活性エネルギー線硬化型インクを容器中に収容する収容部と、活性エネルギー線を照射するための照射手段と、を有することを特徴とする2次元又は3次元の像形成装置。
(10)前記活性エネルギー線を照射する手段が、波長365~405nmにピークを有する紫外線を照射するUV-LEDである、上記(9)に記載の像形成装置。
(11)上記(1)~(5)のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物、又は、上記(6)或いは(7)に記載の活性エネルギー線硬化型インクに活性エネルギー線を照射して2次元又は3次元の像を形成することを特徴とする2次元又は3次元の像形成方法。
(12)前記活性エネルギー線の照射を、波長365~405nmにピークを有する紫外線を発光するUV-LEDによって行う、上記(11)に記載の像形成方法。
(13)上記(1)~(5)のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物、又は、上記(6)或いは(7)に記載の活性エネルギー線硬化型インクを用いて形成されることを特徴とする硬化物。
(14)基材上に上記(13)に記載の硬化物からなる表面加飾が施されてなることを特徴とする加飾体。
【符号の説明】
【0075】
1 貯留プール(収容部)
3 可動ステージ
4 活性エネルギー線
5 組成物
6 硬化層
21 供給ロール
22 被記録媒体
23a、23b、23c、23d 印刷ユニット
24a、24b、24c、24d 光源
25 加工ユニット
26 印刷物巻取りロール
30 造形物用吐出ヘッドユニット
31、32 支持体用吐出ヘッドユニット
33、34 紫外線照射手段
35 立体造形物
36 支持体積層部
37 造形物支持基板
38 ステージ
39 像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0076】
【文献】特開2017-057249号公報
【文献】特開2011-068783号公報