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特許7562081栽培方法、情報処理方法、制御方法、情報処理装置および制御装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】栽培方法、情報処理方法、制御方法、情報処理装置および制御装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/00 20060101AFI20240930BHJP
   A01G 22/15 20180101ALI20240930BHJP
【FI】
A01G7/00 601C
A01G7/00 603
A01G22/15
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020175548
(22)【出願日】2020-10-19
(65)【公開番号】P2022013560
(43)【公開日】2022-01-18
【審査請求日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】P 2020115733
(32)【優先日】2020-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】青木 薫
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 奈穂子
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-360067(JP,A)
【文献】特開2019-026638(JP,A)
【文献】特開2007-075073(JP,A)
【文献】特開2019-041694(JP,A)
【文献】特開2015-134756(JP,A)
【文献】国際公開第2017/209187(WO,A1)
【文献】特開2019-050739(JP,A)
【文献】特開2019-102806(JP,A)
【文献】特開2015-204801(JP,A)
【文献】国際公開第2018/056071(WO,A1)
【文献】特開平09-023774(JP,A)
【文献】特開2019-208459(JP,A)
【文献】特開平08-140478(JP,A)
【文献】特開2018-125237(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0223387(US,A1)
【文献】国際公開第2008/048080(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/183717(WO,A1)
【文献】米国特許第08847514(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 7/00
A01G 22/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
葉菜類を栽培する栽培方法であって、
葉菜類に照射する光の特性を示す光特性情報と、葉菜類の品質を定量化した定量化品質情報を対応付けた対応情報を準備する準備ステップと、
前記光特性情報を設定する設定ステップと、
前記葉菜類に光を照射する照射ステップと、
を備え
前記光特性情報は、光の積算光合成有効光量子束密度を含む栽培方法。
【請求項2】
前記準備ステップでは、複数の品質のそれぞれについて、前記対応情報を準備する請求項1記載の栽培方法。
【請求項3】
前記複数の品質は、前記葉菜類の重量、高さ、直径、占有密度、葉の硬さ、葉の色、食味、糖度Brix値、抗酸化成分含有量のうちの少なくとも2つの品質を含む請求項2記載の栽培方法。
【請求項4】
前記積算光合成有効光量子束密度は、波長域が600nmから700nmである赤色光の積算光合成有効光量子束密度である請求項1~3の何れか記載の栽培方法。
【請求項5】
前記積算光合成有効光量子束密度は、波長域が400nmから499nmである青色光の積算光合成有効光量子束密度である請求項1~4の何れか記載の栽培方法。
【請求項6】
前記照射ステップでは、積算光合成有効光量子束密度が500mol/m2以上となるように光を照射する請求項1~5の何れか記載の栽培方法。
【請求項7】
前記光特性情報は、波長域が異なる第1、第2の光の光合成有効光量子束密度の比率を含む請求項1~6の何れか記載の栽培方法。
【請求項8】
前記第1の光は、波長域が600nmから700nmである赤色光であり、前記第2の光は、波長域が400nmから499nmである青色光である請求項7記載の栽培方法。
【請求項9】
前記照射ステップでは、前記赤色光の光合成有効光量子束密度と、前記青色光の光合成有効光量子束密度の比率が7:1~1:1の範囲になるように、光を照射する請求項8記載の栽培方法。
【請求項10】
前記準備ステップでは、前記葉菜類の葉の硬さ、葉の厚み、葉の色、糖度Brix値、ビタミンC、抗酸化成分含有量のうちの少なくとも1つの品質について、前記対応情報を準備し、
前記積算光合成有効光量子束密度の大きさに関わらず、前記葉の硬さ、前記葉の厚み、前記葉の色、前記糖度Brix値、前記ビタミンC、または前記抗酸化成分含有量が一定になるように、前記赤色光の光合成有効光量子束密度と、前記青色光の光合成有効光量子束密度の比率、および前記積算光合成有効光量子束密度の範囲を設定した請求項8または9記載の栽培方法。
【請求項11】
前記準備ステップでは、前記葉菜類の重量、高さ、直径のうちの少なくとも1つの品質と、前記葉の硬さ、前記葉の厚み、前記葉の色、前記糖度Brix値、前記ビタミンC、前記抗酸化成分含有量のうちの少なくとも1つの品質と、を含む複数の品質のそれぞれについて、前記対応情報を準備し、
前記積算光合成有効光量子束密度を変化させることにより、前記葉の硬さ、前記葉の厚み、前記葉の色、前記糖度Brix値、前記ビタミンC、または前記抗酸化成分含有量を一定にして、前記重量、前記高さ、または前記直径の大きさを変化させる請求項10記載の栽培方法。
【請求項12】
前記照射ステップは、播種ステージと、前記播種ステージ後の栽培ステージを含み、
前記栽培ステージにおける前記葉菜類の株間隔を、前記播種ステージにおける前記株間隔よりも、9倍以下の比率の範囲で広げる請求項1~11の何れか記載の栽培方法。
【請求項13】
前記照射ステップは、播種ステージを含み、前記播種ステージにおける前記葉菜類の株間隔は30mm以下である請求項1~12の何れか記載の栽培方法。
【請求項14】
葉菜類に照射する光の特性を示す光特性情報と、葉菜類の品質を定量化した定量化品質情報を対応付けた対応情報を記憶する記憶ステップと、
前記定量化品質情報の入力を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップで受け付けた前記定量化品質情報と、前記対応情報に基づき、前記受付ステップで受け付けた前記定量化品質情報に対応する前記光特性情報を表示部に表示させる表示制御ステップと、を備え、
前記光特性情報は、光の積算光合成有効光量子束密度を含む情報処理方法
【請求項15】
葉菜類に照射する光の特性を示す光特性情報と、葉菜類の品質を定量化した定量化品質情報を対応付けた対応情報を記憶する記憶ステップと、
前記定量化品質情報の入力を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップで受け付けた前記定量化品質情報と、前記対応情報に基づき、前記葉菜類に光を照射する光源を制御する信号を出力する出力ステップと、を備え、
前記光特性情報は、光の積算光合成有効光量子束密度を含む制御方法
【請求項16】
葉菜類に照射する光の特性を示す光特性情報と、葉菜類の品質を定量化した定量化品質情報を対応付けた対応情報を記憶部に記憶させる記憶制御部と、
前記定量化品質情報の入力を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた前記定量化品質情報と、前記対応情報に基づき、前記受付部が受け付けた前記定量化品質情報に対応する前記光特性情報を表示部に表示させる表示制御部と、を備え、
前記光特性情報は、光の積算光合成有効光量子束密度を含む情報処理装置
【請求項17】
葉菜類に照射する光の特性を示す光特性情報と、葉菜類の品質を定量化した定量化品質情報を対応付けた対応情報を記憶部に記憶させる記憶制御部と、
前記定量化品質情報の入力を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた前記定量化品質情報と、前記対応情報に基づき、前記葉菜類に光を照射する光源を制御する信号を出力する出力部と、を備え、
前記光特性情報は、光の積算光合成有効光量子束密度を含む制御装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、栽培方法、情報処理方法、制御方法、情報処理装置および制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、赤色光照明光を植物に照射する赤色光照射ステップS1と、青色光照明光を植物に照射する青色光照射ステップS2と、を行う植物栽培方法において、各ステップの照射時間を3時間以上48時間未満とし、赤色光照射ステップと、青色光照射ステップと、からなる照射サイクルC1、C2を一定期間内に少なくとも2サイクル以上行い、かつ照射サイクルにおいて赤色光照射ステップ又は青色光照射ステップのいずれか一つのステップで手順を開始する、植物栽培方法を開示している。
【0003】
特許文献2では、完全制御型野菜工場内で完全人工光を用いて葉物野菜を栽培する方法であって、完全人工光の光源として、RGB型LED照明と、遠赤色光を含むRGB型LED照明とを用いるものであり、当該葉物野菜の播種を行った後、RGB型LED照明を用いた光を5日間~14日間照射する生育期間を設け、その後、遠赤色光を含むRGB型LED照明を用いた光を7日間~23日間照射する生育期間を設けたことを特徴とする葉物野菜の生育方法を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、葉菜類の品質に対応付けて葉菜類に照射する光を制御する栽培方法、情報処理方法、制御方法、情報処理装置および制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1は、葉菜類を栽培する栽培方法であって、葉菜類に照射する光の特性を示す光特性情報と、葉菜類の品質を定量化した定量化品質情報を対応付けた対応情報を準備する準備ステップと、前記光特性情報を設定する設定ステップと、前記葉菜類に光を照射する照射ステップと、を備え、前記光特性情報は、光の積算光合成有効光量子束密度を含む栽培方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、葉菜類の品質に対応付けて葉菜類に照射する光を制御する栽培方法、情報処理方法、制御方法、情報処理装置および制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る栽培方法を適用する栽培システムの一例の概略図である。
図2図1に示した栽培システムに備えられた設置台の一例を示す平面図である。
図3図1に示した栽培システムに備えられた照射装置の一例を示す平面図である。
図4図3に示した照射装置に備えられた光源の構成の一例を示す図である。
図5図1に示した栽培システムに備えられた照射装置の他の例を示す平面図である。
図6】本実施形態に係る栽培方法の実施例1~6と比較例1~5における播種を示す図である。
図7】本実施形態に係る栽培方法の実施例1~6と比較例1~5における栽培ステージ1~3を示す図である。
図8】本実施形態に係る栽培方法の実施例1~6と比較例1~5における栽培日数等を示す図である。
図9】本実施形態に係る栽培方法の実施例1~6と比較例1~5における硬さ等を示す図である。
図10】本実施形態に係る栽培方法の実施例7~15と比較例6における播種を示す図である。
図11】本実施形態に係る栽培方法の実施例7~15と比較例6における栽培ステージ1を示す図である。
図12】本実施形態に係る栽培方法の実施例7~15と比較例6における栽培ステージ2を示す図である。
図13】本実施形態に係る栽培方法の実施例7~15と比較例6における栽培ステージ3を示す図である。
図14】本実施形態に係る栽培方法の実施例7~15と比較例6における栽培日数等を示す図である。
図15】本実施形態に係る栽培方法の実施例7~15と比較例6における硬さ等を示す図である。
図16】本実施形態に係る栽培方法の実施例16~24と比較例7における播種を示す図である。
図17】本実施形態に係る栽培方法の実施例16~24と比較例7における栽培ステージ1を示す図である。
図18】本実施形態に係る栽培方法の実施例16~24と比較例7における栽培ステージ2を示す図である。
図19】本実施形態に係る栽培方法の実施例16~24と比較例7における栽培ステージ3を示す図である。
図20】本実施形態に係る栽培方法の実施例16~24と比較例7における栽培日数等を示す図である。
図21】本実施形態に係る栽培方法の実施例16~24と比較例7における硬さ等を示す図である。
図22】本実施形態に係る栽培方法の実施例における光特性情報と重量情報を対応付けた対応情報を示す図である。
図23】本実施形態に係る栽培方法の実施例における光特性情報と高さ情報を対応付けた対応情報を示す図である。
図24】本実施形態に係る栽培方法の実施例における光特性情報と直径情報を対応付けた対応情報を示す図である。
図25】本実施形態に係る栽培方法の実施例における光特性情報と硬さ情報を対応付けた対応情報を示す図である。
図26】本実施形態に係る栽培方法の実施例における光特性情報と厚み情報を対応付けた対応情報を示す図である。
図27】本実施形態に係る栽培方法の実施例における光特性情報と甘さ情報を対応付けた対応情報を示す図である。
図28】本実施形態に係る栽培方法の実施例における光特性情報とえぐみ情報を対応付けた対応情報を示す図である。
図29】本実施形態に係る栽培方法の実施例における光特性情報とおいしさ情報を対応付けた対応情報を示す図である。
図30】本実施形態に係る栽培方法の実施例における光特性情報とBrix情報を対応付けた対応情報を示す図である。
図31】本実施形態に係る栽培方法の実施例における光特性情報と抗酸化力情報を対応付けた対応情報を示す図である。
図32】本実施形態に係る栽培方法の実施例7~15における光特性情報と重量情報、高さ情報、および直径情報を対応付けた対応情報を示す図である。
図33】本実施形態に係る栽培方法の実施例7~15における光特性情報と硬さ情報、厚み情報、色味情報等を対応付けた対応情報を示す図である。
図34】本実施形態に係る栽培方法の実施例16~24における光特性情報と重量情報、高さ情報、および直径情報を対応付けた対応情報を示す図である。
図35】本実施形態に係る栽培方法の実施例16~24における光特性情報と硬さ情報、厚み情報、色味情報等を対応付けた対応情報を示す図である。
図36】本実施形態に係る栽培方法のステップを示す図である。
図37】本実施形態に係る情報処理装置(制御装置)の一例を示す図である。
図38】本実施形態に係る光源制御情報管理テーブルの一例を示す概念図である。
図39】本実施形態に係る情報処理装置における処理(情報処理方法、制御方法)の一例を示すフローチャートである。
図40】本実施形態に係る情報処理装置に表示される表示画面の一例を示す図である。
図41】本実施形態に係る情報処理装置に表示される表示画面の一例を示す他の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の実施形態に係る栽培方法を適用する栽培システムの一例としての水耕栽培システム500の概略図である。図1に示すように、水耕栽培システム500は、上段に配置された栽培槽10と、栽培槽10の下段に配置された栽培槽20とを備えている。
【0009】
栽培槽10、20はサイフォン管30を介して接続された同容積の槽であり、それぞれ槽内下部に養液Lを貯留可能である。本実施形態では、養液Lとして、水を主成分として栄養分を含有させた液体を使用しているが、養液Lはこれに限られるものではなく、単なる水や水を主成分としない液体であってもよい。
【0010】
栽培槽10、20の上部には、それぞれ、養液Lによって生育する植物Sの設置台としての設置トレー200が配置されている。植物Sは葉Hと根Nを有する植物であり、本実施形態では、例えばレタスや小松菜などの葉野菜を想定している。図1では、設置トレー200には植物Sが1つ設置されているが、実際には複数の植物Sが設置されている。
【0011】
図2は、図1に示した栽培システムに備えられた設置台の一例を示す平面図である。図2に示すように、設置トレー200には、植物Sごとに植物Sの設置場所としての穴210が規定されている。すなわち、設置トレー200は、複数の植物Sのそれぞれに対応する複数の穴210を有している。植物Sは、根Nを穴210に挿入することによって栽培槽10、20に設置される。本実施形態では、設置トレー200に穴210が8つ設けられる例を示したが、穴210の数はこれに限らず、植物Sの成長段階や種類、栽培槽10、20の大きさ等によって適宜変更することが可能である。
【0012】
栽培槽20の下段には、サイフォン管40を介して栽培槽20と接続された溜めタンク50が設けられており、溜めタンク50には養液Lが溜められている。溜めタンク50は循環配管60を介して栽培槽10と接続されており、循環配管60の途中には養液ポンプ70とバブル発生器80とが設けられている。養液ポンプ70を作動することによって、溜めタンク50中の養液Lを循環配管60を通じて栽培槽10に供給することが可能である。
【0013】
バブル発生器80は、気体タンク90から気体の供給を受けて養液L中にバブルを発生させるものであり、養液ポンプ70の下流側に設けられる。バブル発生方式には、キャビテーション方式や加圧溶解方式などを利用することが可能である。栽培槽10、20の直上には、栽培槽10、20の上面全体に光を照射する照射装置としての植物用照射装置100が設けられている。
【0014】
サイフォン管30は、側面視で逆J字状に湾曲した管であり、その両端部に取水口と排水口とを有している。取水口は栽培槽10の底面近傍に設定した下限水位LWL、例えば根Nの下端に位置しており、排水口は栽培槽20の内部に配置されている。サイフォン管30の頂部は、植物Sの葉Hと根Nとの境界部の高さに設定した上限水位HWLに位置している。
【0015】
サイフォン管40も、サイフォン管30と同様の配置態様となっている。 すなわち、サイフォン管40の取水口は栽培槽20の底面近傍に設定した下限水位LWLに位置し、排水口は溜めタンク50の内部に配置される。サイフォン管40の頂部は、植物Sの葉Hと根Nとの境界部の高さに設定した上限水位HWLに位置している。
【0016】
水耕栽培システム500では、養液ポンプ70を所定のタイミングでオン・オフ操作することによって、サイフォン管30、40内を養液Lで交互に満たし、サイフォン動作による排水を交互に生じさせ、栽培槽10、20内の養液Lの水位WLを交互に上下させる。各栽培槽10、20で水位WLが上限水位HWL、下限水位LWL間で上下すると、植物Sの根Nが養液Lに浸される状態と、養液Lから露出する状態とが繰り返される。本実施形態においては、植物Sの根Nが養液Lから露出する時間を、養液Lに浸される時間よりも長く設定する。
【0017】
上述の動作手順について、より具体的に説明する。図1に示すように、栽培槽10内の養液Lの水位WLが下限水位LWLに達すると、栽培槽10から栽培槽20へのサイフォン管30からの自動排水が停止する。一方、栽培槽20内の養液Lの水位WLが上限水位HWLに達すると、サイフォン管40内には養液Lが満たされるので、サイフォン動作による自動排水を開始する。これにより、栽培槽20内の養液Lは、サイフォン管40を通じて溜めタンク50に排水される。
【0018】
ここで、サイフォン管30からの自動排水が停止した時点、またはそれ以後に、養液ポンプ70をオンにして作動させる。溜めタンク50から循環配管60を通じて栽培槽10に養液Lの供給を開始し、栽培槽10の水位WLが上昇する。養液Lには、バブル発生器80で発生させたバブル、すなわちマイクロバブルまたはウルトラファインバブルが混入している。一方、栽培槽20の水位WLは、サイフォン管40の自動排水により低下する。栽培槽20の水位WLが下限水位LWLに達すると、サイフォン動作が停止し、栽培槽20から溜めタンク50への自動排水が停止する。
【0019】
栽培槽10の水位WLが上限水位HWLに達すると、サイフォン管30内には養液Lが満たされるので、サイフォン動作による自動排水を開始する。これにより、栽培槽10内の養液Lは、サイフォン管30を通じて栽培槽20に排水される。
【0020】
ここで、サイフォン管30による自動排水を開始した時点、またはそれ以後に、養液ポンプ70をオフにして作動を停止させる。これにより、循環配管60から栽培槽10への養液Lの供給が停止する。
【0021】
以降、上記の手順で養液ポンプ70のオン・オフ操作を繰り返すことによって、栽培槽10、20内の養液Lの水位WLを上限水位HWL、下限水位LWL間で交互に上下させる。以上、サイフォン式の栽培方式の例を説明したが、本実施形態の栽培方式は、サイフォン式に限らず、一般的な栽培方式のならばどの方式でも良い。
【0022】
図3は、図1に示した栽培システムに備えられた照射装置の一例を示す平面図である。図3に示すように、植物用照射装置100は、所定の方向、すなわちX方向に沿って延設された第1の光源列110と、X方向と交差する交差方向、すなわちY方向において第1の光源列110に並んで設けられた第2の光源列120とを有している。なお、X方向とY方向とは直交していることが望ましい。
【0023】
第1の光源列110は、第1色の光を発する複数の第1の光源として、発光体111を有している。第1の光源列110は、第1色とは異なる第2色の光を発する複数の第2の光源として、発光体112を有している。発光体111は、第1色として赤色の光を照射するLEDであり、発光体112は、第2色として青色の光を照射するLEDである。
【0024】
図4は、図3に示した照射装置に備えられた光源の構成の一例を示す図である。図4に示すように、発光体111と発光体112とは、LEDチップ113の発光面をドーム型の透明樹脂114で覆い、指向性を広くしたものである。
【0025】
植物Sの光合成にはクロロフィルすなわち葉緑素という色素が関わっており、クロロフィルは、660nm近辺をピークとする赤色の波長領域の光と、450nm近辺をピークとする青色の波長領域の光とを吸収する特性を有している。つまり、赤色の光と青色の光とが植物Sの生育に有効であり、その中でも赤色の光は、光合成に対する効果が最も大きく、植物Sの光合成に特に必要な光である。植物Sを頑丈にしたり、植物Sの栄養成分を増やしたりするためには、青色の光が必要であることが知られている。すなわち、青色の光は、植物Sの光形態形成に必要な光である。
【0026】
一般的な赤色及び青色のLEDの波長は、光合成のピークとほぼ同じであることから、本実施例でも、発光体111及び発光体112には一般的なLEDを使用している。
【0027】
上述したように、赤色の光と青色の光とのそれぞれに役割があるため、赤色の光と青色の光とをバランスよく植物Sに照射することが重要である。赤色と青色との光強度の最適な比率は、植物Sの種類や成長段階によって異なるが、植物Sの健全な生育という観点からは、赤色の光を青色の光よりも多く照射することが望ましい。
【0028】
図3に示すように、本実施例では、第1の光源列110において、発光体111の数が発光体112の数よりも多く配置される。言い換えると、発光体112の数は発光体111の数よりも少ない。また、発光体111と発光体112とが、X方向に規則性をもって、本実施例では3:1になるように配列される。
【0029】
第2の光源列120は、第1の光源列110と同様に、第1色の光を発する複数の第1の光源として、発光体121を有している。第2の光源列120は、第1色とは異なる第2色の光を発する複数の第2の光源として、発光体122を有している。発光体121は、第1色として赤色の光を照射するLEDであり、発光体122は、第2色として青色の光を照射するLEDである。発光体121及び発光体122の構成は、図4に示した発光体111及び発光体112の構成と同様である。
【0030】
第2の光源列120において、発光体121と発光体122とは、X方向に規則性をもって、本実施例では3:1になるように配列されるが、図3に示すように、第1の光源列110における発光体の配置と色がずれるように配置される。
【0031】
図5は、図1に示した栽培システムに備えられた照射装置の他の例を示す平面図である。図5に示すように、植物用照射装置100Wは、図3に示した植物用照射装置100と同様に、所定の方向、すなわちX方向に沿って延設された第1の光源列110と、X方向と交差する交差方向、すなわちY方向において第1の光源列110に並んで設けられた第2の光源列120とを有している。なお、X方向とY方向とは直交していることが望ましい。
【0032】
第1の光源列110および第2の光源列120は、第3色の光を発する複数の第3の光源として、発光体150を有している。発光体150は、第3色として白色の光を照射するLEDである。
【0033】
発光体150は、図4に示した発光体111および発光体112と同様に、LEDチップの発光面をドーム型の透明樹脂で覆い、指向性を広くしたものである。
【0034】
図6図21は、本実施形態に係る栽培方法の実施例と比較例を示す図である。重さは、根を除いた一株あたりの重さを示す。高さは、栽培ボード面から最長の高さを示す。直径は、株の直径を示す。占有密度は、1m3あたりの重量を示す。硬さは、葉の先端から30mmのところの破断強度を示す。色見は、葉色用カラースケール(水稲用)の色ランクを示す。Brixは、可食部のBrixメーターの測定値を示す。抗酸化力(抗酸化成分含有量)は、可食部の吸光光度法による測定値(DPPH法)を示す。甘さは、食味官能評価で得られた、甘さランク(甘い:ランク5)を示す。苦さは、食味官能評価で得られた、苦さランク(苦い:ランク5)を示す。えぐみは、食味官能評価で得られた、えぐみタンク(えぐい:ランク5)を示す。なお、本実施形態は、以上説明した品質計測方法に限定されない。
【0035】
本実施形態の栽培方法は、例えば図1に示す栽培システム500により実施され、葉菜類全般に適用可能であり、特にキク科のリーフレタス等、レタス類への適用が効果的である。図1に示した栽培システム500は、外部と隔離され、温度と湿度が適切に管理された空間にて葉菜類を栽培する施設が用いられる。植物Sとしての苗は、例えば播種発芽して生じたものである。
【0036】
植物用照射装置100は、例えば発光ダイオードからなる人工光源を用いて照射することが好ましいが、それに限定されるものではなく、発光ダイオード以外の発光体からなる人工光源、例えば有機EL素子等からなる人工光源としてもよい。植物用照射装置100からの照明光の強度や照明光の種類(光質)は、本実施形態の効果の範囲内で変動させても構わない。また、本実施形態の照明装置は、図3図5に示した照明装置100に限らず、本実施形態の効果を奏するものであれば、他の形態の照明装置でも良い。
【0037】
◆栽培実施例
実施例1.播種ステージでは白色LEDを用い光合成光量子束密度は150μmol/m2sで8日間の24時間の照射を行った。栽培1ステージ以降は波長域が600nmから700nmである赤色LEDと波長域が400nmから499nmである青色LEDを用いPPFDは150μmol/m2s~250μmol/m2sの範囲で8日間の24時間の照射を行った。栽培ステージが進むに従って、ステージ毎の積算光合成光量子束密度を大きくした。波長域が600nmから700nmである赤色光の光合成有効光量子束密度と、波長域が400nmから499nmである青色光の光合成有効光量子束密度の比率は2:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算光合成光量子束密度が518mol/m2で栽培を行い、栽培物占有密度は110.7kg/m3が得られた。
【0038】
以下、光合成光量子束密度は、PPFDと記載し、積算光合成光量子束密度は、積算PPFDと記載し、波長域が600nmから700nmである赤色光および赤色LEDは、単に赤色光および赤色LEDと記載し、波長域が400nmから499nmである青色光および青色LEDは、単に青色LEDと記載する。また、以下、赤色光の光合成有効光量子束密度と青色光の光合成有効光量子束密度の比率はRB比率と記載する。
【0039】
実施例2.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで8日間の24時間の照射を行い、栽培1ステージ以降は赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは150μmol/m2s~250μmol/m2sの範囲で8日間の24時間の照射を行った。栽培ステージが進むに従って、ステージ毎の積算PPFDを大きくした。RB比率は4:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが518mol/m2で栽培を行い、栽培物占有密度は137.6kg/m3が得られた。
【0040】
実施例3.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで8日間の24時間の照射を行い、栽培1ステージ以降は赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは150μmol/m2s~250μmol/m2sの範囲で8日間の24時間の照射を行った。栽培ステージが進むに従って、ステージ毎の積算PPFDを大きくした。RB比率は6:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが518mol/m2で栽培を行い、栽培物占有密度は144.1kg/m3が得られた。
【0041】
実施例4.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで8日間の24時間の照射を行い、栽培1ステージ以降でも白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2s~250μmol/m2sの範囲で8日間の24時間の照射を行った。栽培ステージが進むに従って、ステージ毎の積算PPFDを大きくした。RB比率は1:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが518mol/m2で栽培を行い、栽培物占有密度は64.21kg/m3が得られた。
【0042】
実施例5.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで8日間の24時間の照射を行い、栽培1ステージ以降でも白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2s~250μmol/m2sの範囲で8日間の24時間の照射を行った。栽培ステージが進むに従って、ステージ毎の積算PPFDを大きくした。RB比率は4:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが518mol/m2で栽培を行い、栽培物占有密度は48.71kg/m3が得られた。
【0043】
実施例6.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで8日間の24時間の照射を行い、栽培1ステージ以降でも白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2s~250μmol/m2sの範囲で8日間の24時間の照射を行った。栽培ステージが進むに従って、ステージ毎の積算PPFDを大きくした。RB比率は7:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが518mol/m2で栽培を行い、栽培物占有密度は43.12kg/m3が得られた。
【0044】
比較例1.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで7日間の24時間の照射を行い、栽培1ステージ以降は赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは150μmol/m2s~250μmol/m2sの範囲で7日間の24時間の照射を行った。栽培ステージが進むに従って、ステージ毎の積算PPFDを大きくした。RB比率は2:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが453.6mol/m2で栽培を行い、栽培物占有密度は9.402kg/m3がしか得る事ができない。
【0045】
比較例2.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで8日間の24時間の照射を行い、栽培1ステージ以降は赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは150μmol/m2s~250μmol/m2sの範囲であるが、RB比率を14.6:1とし、8日間の24時間の照射を行った。栽培ステージが進むに従って、ステージ毎の積算PPFDを大きくした。栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが518mol/m2で栽培を行い、栽培物占有密度は18.34kg/m3がしか得る事ができない。また、硬さは0.22N、厚みは024mmと不十分となった。
【0046】
比較例3.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで8日間の24時間の照射を行い、栽培1ステージ以降は赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは150μmol/m2s~250μmol/m2sの範囲であるが、RB比率を0.32:1とし、8日間の24時間の照射を行った。栽培ステージが進むに従って、ステージ毎の積算PPFDを大きくした。栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが518mol/m2で栽培を行い、栽培物占有密度は21.84kg/m3がしか得る事ができない。
【0047】
比較例4.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで8日間の24時間の照射を行い、栽培1ステージ以降は赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは150μmol/m2s~250μmol/m2sの範囲であるが、RB比率を0.62:1とし、8日間の24時間の照射を行った。栽培ステージが進むに従って、ステージ毎の積算PPFDを大きくした。栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが518mol/m2で栽培を行い、栽培物占有密度は41.47kg/m3を得る事ができるが、生理障害であるチュップバーンが発生した。
【0048】
比較例5.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで8日間の24時間の照射を行い、栽培1ステージ以降は赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは150μmol/m2s~250μmol/m2sの範囲で8日間の24時間の照射を行った。株間隔を播種ステージでは40mm、栽培1ステージでは160mm、栽培2ステージでは180mm、栽培3のステージでは370mmとし、栽培ステージが進むに従って、ステージ毎の積算PPFDを大きくした。RB比率は2:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが518mol/m2で栽培を行い株直径が0.32mで栽培物占有密度は19.55kg/m3が得られたが、生理障害であるチュップバーンが発生した。
【0049】
実施例7.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培1ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培2ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培3ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで8日間の24時間の照射を行った。RB比率は4:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが527mol/m2で栽培を行った。
【0050】
実施例8.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培1ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培2ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培3ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで13日間の24時間の照射を行った。RB比率は4:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが613.4mol/m2で栽培を行った。
【0051】
実施例9.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培1ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培2ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培3ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで15日間の24時間の照射を行った。RB比率は4:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが648mol/m2で栽培を行った。
【0052】
実施例10.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培1ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培2ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培3ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは250μmol/m2sで6日間の24時間の照射を行った。RB比率は4:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが518.4mol/m2で栽培を行った。
【0053】
実施例11.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。。栽培1ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培2ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培3ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは250μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。RB比率は4:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが583.2mol/m2で栽培を行った。
【0054】
実施例12.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培1ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培2ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培3ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは250μmol/m2sで13日間の24時間の照射を行った。RB比率は4:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが669.6mol/m2で栽培を行った。
【0055】
実施例13.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培1ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培2ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培3ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは300μmol/m2sで6日間の24時間の照射を行った。RB比率は4:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが544.3mol/m2で栽培を行った。
【0056】
実施例14.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培1ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培2ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培3ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは300μmol/m2sで8日間の24時間の照射を行った。RB比率は4:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが596.2mol/m2で栽培を行った。
【0057】
実施例15.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培1ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培2ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培3ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは300μmol/m2sで10日間の24時間の照射を行った。RB比率は4:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが648mol/m2で栽培を行った。
【0058】
比較例6.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培1ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培2ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培3ステージは赤色LEDと青色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで6日間の24時間の照射を行った。RB比率は4:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが492mol/m2で栽培を行った。
【0059】
実施例16.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培1ステージは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培2ステージは白色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培3ステージは白色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで7日間の24時間の照射を行った。RB比率は4:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが509.8mol/m2で栽培を行った。
【0060】
実施例17.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培1ステージは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培2ステージは白色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培3ステージは白色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。。RB比率は4:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが544.3mol/m2で栽培を行った。
【0061】
実施例18.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培1ステージは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培2ステージは白色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培3ステージは白色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで12日間の24時間の照射を行った。RB比率は4:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが596.2mol/m2で栽培を行った。
【0062】
実施例19.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培1ステージは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培2ステージは白色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培3ステージは白色LEDを用いPPFDは250μmol/m2sで6日間の24時間の照射を行った。RB比率は4:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが518.4mol/m2で栽培を行った。
【0063】
実施例20.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培1ステージは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培2ステージは白色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培3ステージは白色LEDを用いPPFDは250μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。RB比率は4:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが583.2mol/m2で栽培を行った。
【0064】
実施例21.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培1ステージは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培2ステージは白色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培3ステージは白色LEDを用いPPFDは250μmol/m2sで13日間の24時間の照射を行った。RB比率は4:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが669.6mol/m2で栽培を行った。
【0065】
実施例22.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培1ステージは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培2ステージは白色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培3ステージは白色LEDを用いPPFDは300μmol/m2sで6日間の24時間の照射を行った。RB比率は4:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが544.3mol/m2で栽培を行った。
【0066】
実施例23.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培1ステージは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培2ステージは白色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培3ステージは白色LEDを用いPPFDは300μmol/m2sで8日間の24時間の照射を行った。RB比率は4:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが596.2mol/m2で栽培を行った。
【0067】
実施例24.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培1ステージは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培2ステージは白色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培3ステージは白色LEDを用いPPFDは300μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。RB比率は4:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが622.1mol/m2で栽培を行った。
【0068】
比較例7.播種ステージでは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培1ステージは白色LEDを用いPPFDは150μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培2ステージは白色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで9日間の24時間の照射を行った。栽培3ステージは白色LEDを用いPPFDは200μmol/m2sで6日間の24時間の照射を行った。RB比率は4:1で、栽培ボード面の苗中心部の積算PPFDが492mol/m2で栽培を行った。
【0069】
本実施形態は、以上説明した実施例の数値および数値範囲に限定されず、本実施形態の効果の範囲内で上記数値および数値範囲を変動させても構わない。
【0070】
図22図31は、本実施形態に係る栽培方法の実施例における光特性情報と品質情報を対応付けた対応情報を示す図である。ここで、光特性情報は、RB比率、赤色光積算PPFDおよび青色光積算PPFDを含み、品質情報は、葉菜類の品質を定量化した定量化品質情報を示す。葉菜類の品質は、葉菜類の重量、高さ、直径、占有密度、葉の硬さ、葉の色、食味、糖度Brix値、抗酸化成分含有量を含む。食味は、甘さ、苦さ、えぐみ等を含む。
【0071】
図22は、図6図9に示した実施例1~7におけるRB比率、赤色光積算PPFDおよび青色光積算PPFDと、重量情報を対応付けた対応情報を示す図である。重量は、根を除いた一株あたりの重量を示す。
【0072】
重量はRB比率および赤色光積算PPFD増加により、増加させる事ができる。また、白色LEDよりも赤色LED・青色LEDの方が、同じRB比率でも重量を大きく制御できる。
【0073】
赤色LED・青色LEDの場合、RB比率=2:1では262.9g/株、RB比率=4:1では307.9g/株、RB比率=6:1では316.6g/株となる、一方の白色LEDの場合、RB比率=1:1では169g/株、RB比率=4:1では227.2g/株、RB比率=7:1では228.2g/株となる。
【0074】
図23は、図6図9に示した実施例1~7におけるRB比率、赤色光積算PPFDおよび青色光積算PPFDと、高さ情報を対応付けた対応情報を示す図である。高さは、栽培ボード面から最長の高さを示す。
【0075】
高さはRB比率および赤色光積算PPFD増加により、増加させる事ができ4る。また、赤色LED・青色LEDよりも白色LEDの方が、同じRB比率でも高さを大きく制御できる。
【0076】

赤色LED・青色LEDの場合、RB比率=2:1では13.5cm、RB比率=4:1では14.9cm、RB比率=6:1では15.5cmとなる、一方の白色LEDの場合、RB比率=1:1では17.2cm、RB比率=4:1では14.9cm、RB比率=7:1では24.3cmとなる。
【0077】
図24は、図6図9に示した実施例1~7におけるRB比率、赤色光積算PPFDおよび青色光積算PPFDと、直径情報を対応付けた対応情報を示す図である。直径は、株の直径を示す。
【0078】
直径はRB比率および赤色光積算PPFD増加により、増加させる事ができる。また、赤色LED・青色LED及び白色LEDでは直径の制御範囲に違いはない。
【0079】
赤色LED・青色LEDの場合、RB比率=2:1では22.4cm、RB比率=4:1では22.7cm、RB比率=6:1では22.9cmとなる、一方の白色LEDの場合、RB比率=1:1では21.8cm、RB比率=4:1では23.6cm、RB比率=7:1では23.9cmとなる。
【0080】
図25は、図6図9に示した実施例1~7におけるRB比率、赤1色光積算PPFDおよび青色光積算PPFDと、硬さ情報を対応付けた対応情報を示す図である。硬さは、葉の先端から30mmのところの破断強度を示す。
【0081】
硬さはRB比率の減少および青色光積算PPFDの増加により、増加させる事ができる。また、白色LEDよりも赤色LED・青色LEDの方が、同じRB比率でも硬さを大きく制御できる。
【0082】
赤色LED・青色LEDの場合、RB比率=2:1では1.02N、RB比率=4:1では0.65N、RB比率=6:1では0.61Nとなる、一方の白色LEDの場合、RB比率=1:1では0.49N、RB比率=4:1では0.44N、RB比率=7:1では0.41Nとなる。
【0083】
図26は、図6図9に示した実施例1~7におけるRB比率、赤色光積算PPFDおよび青色光積算PPFDと、厚み情報を対応付けた対応情報を示す図である。
【0084】
厚みはRB比率の減少および青色光積算PPFDの増加により、増加させる事ができる。また、白色LEDよりも赤色LED・青色LEDの方が、同じRB比率でも厚さを大きく制御できる。
【0085】
赤色LED・青色LEDの場合、RB比率=2:1では1.08mm、RB比率=4:1では1.02mm、RB比率=6:1では0.87mmとなる、一方の白色LEDの場合、RB比率=1:1では0.84mm、RB比率=4:1では0.73mm、RB比率=7:1では0.63mmとなる。
【0086】
図27は、図6図9に示した実施例1~7におけるRB比率、赤色光積算PPFDおよび青色光積算PPFDと、甘さ情報を対応付けた対応情報を示す図である。甘さは、食味官能評価で得られた、甘さランク(甘い:ランク5)を示す。
【0087】
甘さはRB比率および青色光積算PPFDの増加により、増加させる事ができる。また、赤色LED・青色LEDよりも白色LEDの方が、同じRB比率でも甘さを大きく制御できる。
【0088】
赤色LED・青色LEDの場合、RB比率=2:1では2.68、RB比率=4:1では2.78、RB比率=6:1では2.85となる、一方の白色LEDの場合、RB比率=1:1では2.75、RB比率=4:1では3.05、RB比率=7:1では3.31となる。
【0089】
図28は、図6図9に示した実施例1~7におけるRB比率、赤色光積算PPFDおよび青色光積算PPFDと、えぐみ情報を対応付けた対応情報を示す図である。えぐみは、食味官能評価で得られた、えぐみランク(えぐい:ランク5)を示す。
【0090】
えぐみはRB比率および青色光積算PPFDの増加により、増加させる事ができる。また、赤色LED・青色LEDよりも白色LEDの方が、同じRB比率でもえぐみを大きく制御できる。
【0091】
赤色LED・青色LEDの場合、RB比率=2:1では2.80、RB比率=4:1では2.89、RB比率=6:1では2.86となる、一方の白色LEDの場1合、RB比率=1:1では3.00、RB比率=4:1では3.22、RB比率=7:1では3.31となる。
【0092】
図29は、図6図9に示した実施例1~7におけるRB比率、赤色光積算PPFDおよび青色光積算PPFDと、おいしさ情報を対応付けた対応情報を示す図である。
【0093】
おいしさはRB比率および青色光積算PPFDの増加により、増加させる事ができる。また、赤色LED・青色LEDよりも白色LEDの方が、同じRB比率でもおいしさを大きく制御できる。
【0094】
赤色LED・青色LEDの場合、RB比率=2:1では3.09、RB比率=4:1では3.19、RB比率=6:1では2.23となる、一方の白色LEDの場合、RB比率=1:1では3.47、RB比率=4:1では3.61、RB比率=7:1では3.63となる。
【0095】
図30は、図6図9に示した実施例1~7におけるRB比率、赤色光積算PPFDおよび青色光積算PPFDと、Brix糖度情報を対応付けた対応情報を示す図である。Brix糖度は、可食部のBrixメーターの測定値を示す。
【0096】
Brix糖度はRB比率および赤色光積算PPFDの増加により、増加させる事ができる。また、白色LEDよりも赤色LED・青色LEDの方が、同じRB比率でもBrix糖度を大きく制御できる。
【0097】
赤色LED・青色LEDの場合、RB比率=2:1では3.1%、RB比率=4:1では3.3%、RB比率=6:1では3.2%となる、一方の白色LEDの場合、RB比率=1:1では2.6%、RB比率=4:1では2.3%、RB比率=7:1では2.8%となる。
【0098】
図31は、図6図9に示した実施例1~7におけるRB比率、赤色光積算PPFDおよび青色光積算PPFDと、抗酸化力情報を対応付けた対応情報を示す図である。抗酸化力(抗酸化成分含有量)は、可食部の吸光光度法による測定値(DPPH法)を示す。
【0099】
抗酸化力はRB比率減少および青色光積算PPFDの増加により、増加させる事ができる。また、白色LEDよりも赤色LED・青色LEDの方が、同じRB比率でも抗酸化力を大きく制御できる。
【0100】
赤色LED・青色LEDの場合、RB比率=2:1では10.6mg/100g、RB比率=4:1では8.2mg/100g、RB比率=6:1では7.9mg/100gとなる、一方の白色LEDの場合、RB比率=1:1では6.4mg/100g、RB比率=4:1では4.6mg/100g、RB比率=7:1では5.6mg/100gなる。
【0101】
図32は、本実施形態に係る栽培方法の実施例7~15における光特性情報と重量情報、高さ情報、および直径情報を対応付けた対応情報を示す図である。
【0102】
図33は、本実施形態に係る栽培方法の実施例7~15における光特性情報と硬さ情報、厚み情報、色味情報等を対応付けた対応情報を示す図である。
【0103】
光特性情報は、積算PPFDを含み、品質情報は、葉菜類の品質を定量化した定量化品質情報を示す。葉菜類の品質は、葉菜類の重量、高さ、直径、葉の硬さ、葉の厚み、葉の色、糖度Brix値、ビタミンC、抗酸化成分含有量を含む。
【0104】
図32(a)~(c)は、実施例7~15および比較例6において、積算PPFDの大きさに応じて、重量、高さ、および直径の大きさが変化することを示す。
【0105】
図32(a)~(f)は、実施例7~15において、積算PPFDの大きさに応じて、葉の硬さ、葉の厚み、葉の色、糖度Brix値、ビタミンC、および抗酸化成分含有量の大きさが一定であるが、比較例6において、積算PPFDの大きさに応じて、葉の硬さ、葉の厚み、葉の色、糖度Brix値、ビタミンC、および抗酸化成分含有量の大きさが変化することを示す。
【0106】
ここで、実施例7~15および比較例6のRB比率は、それぞれ4:1であり、実施例7~15の積算PPFDは、それぞれ500mol/m2以上であるが、比較例6の積算PPFDは、500mol/m2未満である。
【0107】
すなわち、実施例7~15は、積算PPFDの大きさに関わらず、葉の硬さ、葉の厚み、葉の色、糖度Brix値、ビタミンC、または抗酸化成分含有量が一定になるように、RB比率および積算PPFDの範囲を設定している。
【0108】
さらに、実施例7~15は、積算PPFDを変化させることにより、葉の硬さ、葉の厚み、葉の色、糖度Brix値、ビタミンC、または抗酸化成分含有量を一定にして、重量、高さ、または直径の大きさを変化させている。
【0109】
一方、比較例6は、実施例7~15に対して、積算PPFDの大きさに関わらず、葉の硬さ、葉の厚み、葉の色、糖度Brix値、ビタミンC、または抗酸化成分含有量が一定になるように、RB比率および積算PPFDの範囲を設定していない。すなわち、比較例6は、積算PPFDが、500mol/m2未満であるため、実施例7~15に対して、積算PPFDの大きさに関わらず、葉の硬さ、葉の厚み、葉の色、糖度Brix値、ビタミンC、または抗酸化成分含有量を一定に保てない。
【0110】
図34は、本実施形態に係る栽培方法の実施例16~24における光特性情報と重量情報、高さ情報、および直径情報を対応付けた対応情報を示す図である。
【0111】
図35は、本実施形態に係る栽培方法の実施例16~24における光特性情報と硬さ情報、厚み情報、色味情報等を対応付けた対応情報を示す図である。
【0112】
光特性情報は、積算PPFDを含み、品質情報は、葉菜類の品質を定量化した定量化品質情報を示す。葉菜類の品質は、葉菜類の重量、高さ、直径、葉の硬さ、葉の厚み、葉の色、糖度Brix値、ビタミンC、抗酸化成分含有量を含む。
【0113】
図34(a)~(c)は、実施例16~24および比較例7において、積算PPFDの大きさに応じて、重量、高さ、および直径の大きさが変化することを示す。
【0114】
図35(a)~(f)は、実施例16~24において、積算PPFDの大きさに応じて、葉の硬さ、葉の厚み、葉の色、糖度Brix値、ビタミンC、および抗酸化成分含有量の大きさが一定であるが、比較例7において、積算PPFDの大きさに応じて、葉の硬さ、葉の厚み、葉の色、糖度Brix値、ビタミンC、および抗酸化成分含有量の大きさが変化することを示す。
【0115】
ここで、実施例16~24および比較例7のRB比率は、それぞれ4:1であり、実施例7~15の積算PPFDは、それぞれ500mol/m2以上であるが、比較例6の積算PPFDは、500mol/m2未満である。
【0116】
すなわち、実施例16~24は、積算PPFDの大きさに関わらず、葉の硬さ、葉の厚み、葉の色、糖度Brix値、ビタミンC、または抗酸化成分含有量が一定になるように、RB比率および積算PPFDの範囲を設定している。
【0117】
さらに、実施例16~24は、積算PPFDを変化させることにより、葉の硬さ、葉の厚み、葉の色、糖度Brix値、ビタミンC、または抗酸化成分含有量を一定にして、重量、高さ、または直径の大きさを変化させている。
【0118】
一方、比較例7は、実施例16~24に対して、積算PPFDの大きさに関わらず、葉の硬さ、葉の厚み、葉の色、糖度Brix値、ビタミンC、または抗酸化成分含有量が一定になるように、RB比率および積算PPFDの範囲を設定していない。すなわち、比較例7は、積算PPFDが、500mol/m2未満であるため、実施例7~15に対して、積算PPFDの大きさに関わらず、葉の硬さ、葉の厚み、葉の色、糖度Brix値、ビタミンC、または抗酸化成分含有量を一定に保てない。
【0119】
本実施形態は、図22図35で説明した対応情報の数値および数値範囲に限定されず、本実施形態の効果の範囲内で上記対応情報の数値および数値範囲を変動させても構わない。
【0120】
図36は、本実施形態に係る栽培方法のステップを示す図である。
【0121】
本実施形態に係る栽培方法は、図22図35で説明したように、複数の品質それぞれについて、光特性情報と定量化品質情報を対応付けた対応情報を準備する準備ステップを備える(ステップS1)。複数の品質は、前記葉菜類の重量、高さ、直径、占有密度、葉の硬さ、葉の色、食味、糖度Brix値、抗酸化成分含有量のうちの少なくとも2つの品質を含む。食味は、甘さ、苦さ、えぐみ等を含む。
【0122】
そして、本実施形態に係る栽培方法は、定量化品質情報の目標値と、ステップS1で準備した対応情報に基づき、光特性情報を設定する設定ステップを備える(ステップS2)。
【0123】
さらに、本実施形態に係る栽培方法は、ステップS2で設定した光特性情報に基づき、葉菜類に光を照射する照射ステップと、を備える(ステップS3)。
【0124】
これにより、本実施形態に係る栽培方法は、定量化品質情報の目標値と、光特性情報と定量化品質情報を対応付けた対応情報と、に基づき、定量化品質情報の目標値を得るために必要な光特性情報を設定することができる。
【0125】
そして、本実施形態に係る栽培方法は、設定された光特性情報に基づき、葉菜類に光を照射することにより、定量化品質情報の目標値を満たす葉菜類を得ることができる。
【0126】
さらに、本実施形態に係る栽培方法は、複数の品質のそれぞれについて、定量化品質情報の目標値を満たす葉菜類を得ることができる。
【0127】
図37は、本実施形態に係る情報処理装置(制御装置)の一例を示す図である。
【0128】
図37に示す情報処理装置300は、表示部の一例としてのディスプレイ400を備え、照射装置100、100Wを制御する。情報処理装置300は、照射装置100の第1の光源111、121および第2の光源112、122、および照射装置100Wの第3の光源150を制御する制御装置の一例でもある。また、ディスプレイ400は、タッチパネルを備えており、入力部の一例でもある。
【0129】
情報処理装置300は、コンピュータによって構築されており、情報処理装置300によって実現される機能は、受付部310と、表示制御部320と、記憶部330と、記憶読出部340と、選択部350と、出力部360と、を含む。
【0130】
受付部310は、ディスプレイ400のタッチパネル等の入力部に対するユーザ入力を受け付ける機能である。表示制御部320は、ディスプレイ400に各種画面を表示させる機能である。記憶部330には、光源制御情報管理DB335が構築されている。
【0131】
記憶読出部340は、記憶制御部の一例であり、記憶部330に各種データを記憶させ、または記憶部330から各種データを読み出す機能である。
【0132】
選択部350は、ユーザが入力した光源情報および品質情報に基づいて、品質情報に対応する光源制御情報を選択する機能である。
【0133】
出力部360は、選択部350が選択した光源制御情報に基づいて、照射装置100および照射装置100Wを制御する機能である。
【0134】
図38は、本実施形態に係る光源制御情報管理テーブルの一例を示す概念図である。図37に示した光源制御情報管理DB335は、図38に示すような光源制御情報管理テーブルによって構成されている。
【0135】
光源制御情報管理テーブルは、図22図35に示したような、葉菜類に照射する光の特性を示す光特性情報と、葉菜類の品質を定量化した定量化品質情報を対応付けた対応情報を記憶して管理する(記憶ステップの一例)。
【0136】
光源制御情報管理テーブルは、具体的には、RB光源か白色光源かの光源情報毎に、重量、高さ等の複数の品質情報のそれぞれについて、RB比率、赤色光積算PPFDおよび青色光積算PPFDと、重量、高さ等の品質情報を対応付けた対応情報を記憶して管理する。
【0137】
光源制御情報管理テーブルは、例えば、RB光源の重量について、重量262.9とRB比率2、重量307.9とRB比率4、および重量316.6とRB比率6等をそれぞれ対応付けた対応情報を記憶して管理する。
【0138】
図39は、本実施形態に係る情報処理装置における処理の一例を示すフローチャートである。また、図39は、本実施形態に係る情報処理方法および制御方法の一例を示すフローチャートでもある。
【0139】
情報処理装置300の表示制御部320は、ディスプレイ400に品質情報選択画面410を表示させる(ステップS11)。
【0140】
情報処理装置300の受付部310は、ディスプレイ400のタッチパネルから入力された光源情報および品質情報を受け付ける(ステップS12)。ステップS12は、定量化品質情報の入力を受け付ける受付ステップの一例である。
【0141】
情報処理装置300の選択部350は、受付部310が受け付けた光源情報および品質情報に対応する光特性情報を光源制御情報として選択する(ステップS13)。ステップS13は、選択ステップの一例である。
【0142】
具体的には、まず、情報処理装置300の記憶読出部19が、光源制御情報管理DB335から光源制御情報管理テーブルを読み出す。そして、選択部350は、図38に示した光源制御情報管理テーブルに記憶されたデータのうち、受付部310が受け付けた光源情報および品質情報に対応する光特性情報を光源制御情報として選択する。
【0143】
表示制御部320は、選択部350が選択した光源制御情報を品質情報選択画面410に表示させる(ステップS14)。ステップS14は、受付ステップで受け付けた定量化品質情報と、対応情報に基づき、受付ステップで受け付けた定量化品質情報に対応する光特性情報を表示部に表示させる表示制御ステップの一例である。
【0144】
情報処理装置300の出力部360は、選択部350が選択した光源制御情報を照射装置100または照射装置100Wに対して出力する(ステップS15)。ステップS15は、受付ステップで受け付けた定量化品質情報と、対応情報に基づき、葉菜類に光を照射する光源を制御する信号を出力する出力ステップの一例である。
【0145】
そして、照射装置100は、出力部360から出力された光源制御情報に基づき、第1の光源111、121および第2の光源112、122を制御する。また、照射装置100Wは、出力部360から出力された光源制御情報に基づき、第3の光源150を制御する。
【0146】
図40は、本実施形態に係る情報処理装置に表示される表示画面の一例を示す図である。
【0147】
図40に示す品質情報選択画面410は、図39に示したステップS11で表示されたものであり、光源種類入力領域411と、品質種類入力領域412と、品質目標値入力領域413と、入力確定ボタン414と、を含む。
【0148】
図40の例は、ユーザが、光源の種類としてRB光源を入力し、品質の種類として重量を入力し、品質目標値として300と入力した例を示している。この状態で、ユーザが入力確定ボタン414を押すと、図39に示したステップS12において、受付部310は、光源情報としてRB光源を受け付け、品質情報として重量および目標値300を受け付ける。
【0149】
図41は、本実施形態に係る情報処理装置に表示される表示画面の一例を示す他の図である。
【0150】
図41に示す品質情報選択画面410は、図39に示したステップS14で表示制御部320が表示したものであり、図40と同様に、光源種類入力領域411と、品質種類入力領域412と、品質目標値入力領域413を含み、図40に示した入力確定ボタン414に代えて、光源制御情報表示領域415を含む。
【0151】
図41の例は、光源情報としてのRB光源、品質情報としての重量および目標値300に対応して、光源制御情報としてRB比率設定値4が表示されている。
【0152】
●まとめ●
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る葉菜類を栽培する栽培方法は、葉菜類に照射する光の特性を示す光特性情報と、葉菜類の品質を定量化した定量化品質情報を対応付けた対応情報を準備する準備ステップと、光特性情報を設定する設定ステップと、葉菜類に光を照射する照射ステップと、を備える。
【0153】
これにより、定量化品質情報の目標値と、光特性情報と定量化品質情報を対応付けた対応情報と、に基づき、定量化品質情報の目標値を得るために必要な光特性情報を設定することができる。そして、設定された光特性情報に基づき、葉菜類に光を照射することにより、定量化品質情報の目標値を満たす葉菜類を得ることができる。
【0154】
準備ステップでは、複数の品質のそれぞれについて、対応情報を準備する。これにより、複数の品質のそれぞれについて、定量化品質情報の目標値を満たす葉菜類を得ることができる。
【0155】
複数の品質は、葉菜類の重量、高さ、直径、占有密度、葉の硬さ、葉の色、食味、糖度Brix値、抗酸化成分含有量のうちの少なくとも2つの品質を含む。これにより、葉菜類の重量、高さ、直径、占有密度、葉の硬さ、葉の色、食味、糖度Brix値、抗酸化成分含有量のうちの少なくとも2つの品質のそれぞれについて、定量化品質情報の目標値を満たす葉菜類を得ることができる。食味は、甘さ、苦さ、えぐみ等を含む。
【0156】
光特性情報は、光の積算光合成有効光量子束密度を含む。これにより、定量化品質情報の目標値を得るために必要な光の積算光合成有効光量子束密度を設定することができる。そして、設定された光の積算光合成有効光量子束密度に基づき、葉菜類に光を照射することにより、定量化品質情報の目標値を満たす葉菜類を得ることができる。
【0157】
積算光合成有効光量子束密度は、波長域が600nmから700nmである赤色光の積算光合成有効光量子束密度である。これにより、定量化品質情報の目標値を得るために必要な赤色光の積算光合成有効光量子束密度を設定することができる。そして、設定された赤色光の積算光合成有効光量子束密度に基づき、葉菜類に光を照射することにより、定量化品質情報の目標値を満たす葉菜類を得ることができる。
【0158】
赤色光の光合成有効光量子束密度は、特に限定されないが、40μmol/m2s以上、214μmol/m2s以下であることが好ましい。
【0159】
積算光合成有効光量子束密度は、波長域が400nmから499nmである青色光の積算光合成有効光量子束密度である。これにより、定量化品質情報の目標値を得るために必要な青色光の積算光合成有効光量子束密度を設定することができる。そして、設定された青色光の積算光合成有効光量子束密度に基づき、葉菜類に光を照射することにより、定量化品質情報の目標値を満たす葉菜類を得ることができる。
【0160】
青色光の光合成有効光量子束密度は、特に限定されないが、12μmol/m2s以上、120μmol/m2s以下であることが好ましい。
【0161】
赤色光及び青色光以外の光の光合成有効光量子束密度は、特に限定されないが、65μmol/m2s以下であることが好ましい。
【0162】
照射ステップでは、積算光合成有効光量子束密度が500mol/m2以上、好ましくは518mol/m2以上となるように光を照射する。これにより、栽培ステージ毎に栽培専有面積を最適化できるため、生産効率の高い品質制御栽培が可能となる。
【0163】
光特性情報は、波長域が異なる第1、第2の光の光合成有効光量子束密度の比率を含む。これにより、定量化品質情報の目標値を得るために必要な第1、第2の光の光合成有効光量子束密度の比率を設定することができる。そして、設定された第1、第2の光の光合成有効光量子束密度の比率に基づき、葉菜類に光を照射することにより、定量化品質情報の目標値を満たす葉菜類を得ることができる。
【0164】
第1の光は、波長域が600nmから700nmである赤色光であり、第2の光は、波長域が400nmから499nmである青色光である。これにより、定量化品質情報の目標値を得るために必要な赤色光、青色光の光合成有効光量子束密度の比率を設定することができる。そして、設定された赤色光、青色光の光合成有効光量子束密度の比率に基づき、葉菜類に光を照射することにより、定量化品質情報の目標値を満たす葉菜類を得ることができる。
【0165】
照射ステップでは、赤色光の光合成有効光量子束密度と、青色光の光合成有効光量子束密度の比率は、特に限定されないが7:1~1:1の範囲になるように、光を照射することが好ましい。
【0166】
準備ステップでは、葉菜類の葉の硬さ、葉の厚み、葉の色、糖度Brix値、ビタミンC、抗酸化成分含有量のうちの少なくとも1つの品質について、対応情報を準備し、照射ステップでは、積算光合成有効光量子束密度の大きさに関わらず、葉の硬さ、葉の厚み、葉の色、糖度Brix値、ビタミンC、または抗酸化成分含有量が一定になるように、赤色光の光合成有効光量子束密度と、青色光の光合成有効光量子束密度の比率、および積算光合成有効光量子束密度の範囲を設定する。
【0167】
これにより、積算光合成有効光量子束密度の大きさが変化することにより、葉の硬さ、葉の厚み、葉の色、糖度Brix値、ビタミンC、または抗酸化成分含有量が変化することを防止することができる。
【0168】
準備ステップでは、葉菜類の重量、高さ、直径のうちの少なくとも1つの品質と、葉の硬さ、葉の厚み、葉の色、糖度Brix値、ビタミンC、抗酸化成分含有量のうちの少なくとも1つの品質と、を含む複数の品質のそれぞれについて、対応情報を準備し、照射ステップでは、積算光合成有効光量子束密度を変化させることにより、葉の硬さ、葉の厚み、葉の色、糖度Brix値、ビタミンC、または抗酸化成分含有量を一定にして、重量、高さ、または直径の大きさを変化させる。
【0169】
これにより、葉の硬さ、葉の厚み、葉の色、糖度Brix値、ビタミンC、または抗酸化成分含有量を一定にして、重量、高さ、または直径の大きさを変化させることができる。
【0170】
照射ステップは、播種ステージと、播種ステージ後の栽培ステージを含み、栽培ステージにおける葉菜類の株間隔を、播種ステージにおける株間隔よりも、9倍以下の比率の範囲で広げる。これにより生産性を高くすることができる。
【0171】
照射ステップは、播種ステージを含み、播種ステージにおける葉菜類の株間隔は30mm以下である。これにより生産性を高くすることができる。
【0172】
本発明の一実施形態に係る情報処理方法は、葉菜類に照射する光の特性を示す光特性情報と、葉菜類の品質を定量化した定量化品質情報を対応付けた対応情報を記憶する記憶ステップと、定量化品質情報の入力を受け付ける受付ステップと、受付ステップで受け付けた定量化品質情報と、対応情報に基づき、受付ステップで受け付けた定量化品質情報に対応する光特性情報を表示部に表示させる表示制御ステップと、を備える。
【0173】
これにより、入力された定量化品質情報と、光特性情報と定量化品質情報を対応付けた対応情報と、に基づき、入力された定量化品質情報を得るために必要な光特性情報を表示することができる。そして、表示された光特性情報に基づき、葉菜類に光を照射することにより、入力された定量化品質情報を満たす葉菜類を得ることができる。
【0174】
記憶ステップでは、複数の品質のそれぞれについて、対応情報を記憶する。これにより、複数の品質のそれぞれについて、入力された定量化品質情報を満たす葉菜類を得ることができる。
【0175】
本発明の一実施形態に係る制御方法は、葉菜類に照射する光の特性を示す光特性情報と、葉菜類の品質を定量化した定量化品質情報を対応付けた対応情報を記憶する記憶ステップと、定量化品質情報の入力を受け付ける受付ステップと、受付ステップで受け付けた定量化品質情報と、対応情報に基づき、葉菜類に光を照射する光源を制御する信号を出力する出力ステップと、を備える。
【0176】
これにより、入力された定量化品質情報と、光特性情報と定量化品質情報を対応付けた対応情報と、に基づき、葉菜類に光を照射する光源を制御することにより、入力された定量化品質情報を満たす葉菜類を得ることができる。
【0177】
記憶ステップでは、複数の品質のそれぞれについて、対応情報を記憶する。これにより、複数の品質のそれぞれについて、入力された定量化品質情報を満たす葉菜類を得ることができる。
【0178】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置300は、葉菜類に照射する光の特性を示す光特性情報と、葉菜類の品質を定量化した定量化品質情報を対応付けた対応情報を記憶部330に記憶させる記憶読出部340と、定量化品質情報の入力を受け付ける受付部310と、受付部310が受け付けた定量化品質情報と、対応情報に基づき、受付部310が受け付けた定量化品質情報に対応する光特性情報を表示部の一例であるディスプレイ400に表示させる表示制御部320と、を備える。
【0179】
これにより、入力された定量化品質情報と、光特性情報と定量化品質情報を対応付けた対応情報と、に基づき、入力された定量化品質情報を得るために必要な光特性情報を表示することができる。そして、表示された光特性情報に基づき、葉菜類に光を照射することにより、入力された定量化品質情報を満たす葉菜類を得ることができる。
【0180】
記憶読出部340は、複数の品質のそれぞれについて、対応情報を記憶部330に記憶させる。これにより、複数の品質のそれぞれについて、入力された定量化品質情報を満たす葉菜類を得ることができる。
【0181】
本発明の一実施形態に係る制御装置の一例としての情報処理装置300は、葉菜類に照射する光の特性を示す光特性情報と、葉菜類の品質を定量化した定量化品質情報を対応付けた対応情報を記憶部330に記憶させる記憶読出部340と、定量化品質情報の入力を受け付ける受付部310と、受付部310が受け付けた定量化品質情報と、対応情報に基づき、葉菜類に光を照射する光源を制御する信号を出力する出力部360と、を備える。
【0182】
これにより、入力された定量化品質情報と、光特性情報と定量化品質情報を対応付けた対応情報と、に基づき、葉菜類に光を照射する光源を制御することにより、入力された定量化品質情報を満たす葉菜類を得ることができる。
【0183】
記憶読出部340は、複数の品質のそれぞれについて、対応情報を記憶部330に記憶させる。これにより、複数の品質のそれぞれについて、入力された定量化品質情報を満たす葉菜類を得ることができる。
【0184】
なお、本実施形態では、記憶部330は、光特性情報と定量化品質情報を対応付けた対応情報を、光源制御情報管理テーブルにより構成される光源制御情報管理DB335に記憶したが、他の形態として、記憶部330は、光特性情報と定量化品質情報を対応付けた対応情報として、光特性情報と定量化品質情報の関係式を記憶しても良い。
【符号の説明】
【0185】
10、20 栽培槽
30、40 サイフォン管
50 溜めタンク
60 循環配管
70 養液ポンプ
80 バブル発生器
90 気体タンク
100、100W 照射装置、植物用照射装置
110 第1の光源列
111 第1の光源、発光体
112 第2の光源、発光体
120 第2の光源列
121 第1の光源、発光体
122 第2の光源、発光体
150 第3の光源、発光体
200 設置台、設置トレー
210 設置場所、穴
300 情報処理装置(制御装置)
310 受付部
320 表示制御部
330 記憶部
335 光源制御情報管理DB
340 記憶読出部(記憶制御部の一例)
350 選択部
360 出力部
400 ディスプレイ(表示部、入力部)
410 品質情報選択画面
411 光源種類入力領域
412 品質種類入力領域
413 品質目標値入力領域
414 入力確定ボタン
415 光源制御情報表示領域
500 栽培システム、水耕栽培システム
H 葉
L 養液
N 根
S 照射対象物、植物、野菜
【先行技術文献】
【特許文献】
【0186】
【文献】特開2015‐142585号公報
【文献】特開2015‐112082号公報
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