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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】比較装置及びそれを含むイメージセンサ
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/78 20230101AFI20240930BHJP
   H03K 5/08 20060101ALI20240930BHJP
   H03M 1/08 20060101ALI20240930BHJP
   H03M 1/56 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
H04N25/78
H03K5/08 E
H03M1/08 A
H03M1/56
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020003368
(22)【出願日】2020-01-14
(65)【公開番号】P2020141399
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】10-2019-0024006
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒョン ジュン
【審査官】三沢 岳志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/009832(WO,A1)
【文献】特開2014-212423(JP,A)
【文献】米国特許第09967505(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0070974(US,A1)
【文献】特開2012-147339(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 25/78
H03K 5/08
H03M 1/08
H03M 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプ信号を受信する第1のトランジスタとピクセル信号を受信する第2のトランジスタとを備え、前記ランプ信号と前記ピクセル信号とを比較して比較信号を出力ノードに出力するための比較回路と、
前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタと連結され、前記第2のトランジスタを介して流れる電流の量を減少させるカレントパスを備える出力スイング制御回路と、
を備え、
記出力スイング制御回路は、前記出力スイング制御回路がない場合に比べて前記ピクセル信号でより大きい範囲の変化のために、前記第2のトランジスタを飽和領域で動作させる比較装置。
【請求項2】
前記カレントパスに流れる電流は、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとの端子間の電圧差に対応する値を有する請求項1に記載の比較装置。
【請求項3】
前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとの端子は、電流源(current source)と連結される請求項1に記載の比較装置。
【請求項4】
前記出力スイング制御回路は、前記出力ノードの電圧を予め設定された値以上に維持させる請求項1に記載の比較装置。
【請求項5】
前記ピクセル信号は、光電子変換素子を備えるピクセルアレイから受信され、前記光電子変換素子の各々は、前記ピクセルアレイに入射される光に対応して電気信号を生成する請求項1に記載の比較装置。
【請求項6】
前記出力スイング制御回路は、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタと連結された第3のトランジスタ及び前記第3のトランジスタと直列構成のために電気的に連結される第4のトランジスタを備える請求項1に記載の比較装置。
【請求項7】
前記第1のトランジスタまたは前記第2のトランジスタのドレイン端(drain terminal)と連結されるソース端(source terminal)及び電圧源(voltage source)と連結されるゲート端(gate terminal)を備える第5のトランジスタと、
前記第5のトランジスタのドレイン端(drain terminal)と連結されるドレイン端(drain terminal)及び前記電圧源と連結されるソース端(source terminal)を備える第6のトランジスタと、
をさらに備える請求項1に記載の比較装置。
【請求項8】
光電子変換素子を備えるピクセルアレイにおいてそれぞれの光電子変換素子は、前記ピクセルアレイに入射される光に対応してピクセル信号を出力し、ランプ信号を発生するためのランプ信号発生装置と、
前記ピクセル信号と前記ランプ信号とを受信するために、前記ピクセルアレイ及び前記ランプ信号発生装置と連結され、前記ピクセル信号と前記ランプ信号とを比較するための比較回路と、
前記比較回路と連結され、前記比較回路の出力電圧を予め設定された電圧以上に維持するための出力スイング制御回路と、
を備え、
記出力スイング制御回路は、前記出力スイング制御回路がない場合に比べて前記ピクセル信号でより大きい範囲の変化のために、前記比較回路内の前記ピクセル信号を受信するトランジスタを飽和領域で動作させるCMOSイメージセンサ。
【請求項9】
前記出力スイング制御回路は、
電流源(current source)と連結されるソース端(source terminal)を備える第1のトランジスタと、
前記第1のトランジスタのドレイン端(drain terminal)と連結されるドレイン端(drain terminal)及び電圧源(voltage source)と連結されたソース端(source terminal)を備える第2のトランジスタと、
を備える請求項8に記載のCMOSイメージセンサ。
【請求項10】
前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタの各々は、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタである請求項9に記載のCMOSイメージセンサ。
【請求項11】
前記比較回路は、
前記電流源と連結されたソース端及び前記ランプ信号発生装置と連結されたゲート端を備える第3のトランジスタと、
前記電流源と連結されたソース端及びピクセルアレイと連結されたゲート端を備える第4のトランジスタと、
を備える請求項9に記載のCMOSイメージセンサ。
【請求項12】
前記第4のトランジスタは、飽和領域で動作する請求項11に記載のCMOSイメージセンサ。
【請求項13】
前記比較回路は、
電圧源と連結されるソース端及び前記第3のトランジスタと連結されるドレイン端を備える第5のトランジスタと、
前記電圧源と連結されるソース端、前記第4のトランジスタと連結されるドレイン端、及び前記第5のトランジスタのゲート端と連結されるゲート端を備える第6のトランジスタと、
をさらに備える請求項11に記載のCMOSイメージセンサ。
【請求項14】
前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタの各々は、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタである請求項13に記載のCMOSイメージセンサ。
【請求項15】
前記比較回路と連結され、前記比較回路の出力信号に基づいてクロック(clock)をカウントするカウント回路をさらに備える請求項8に記載のCMOSイメージセンサ。
【請求項16】
前記カウント回路と連結され、前記カウント回路のカウント情報を格納する請求項15に記載のCMOSイメージセンサ。
【請求項17】
前記出力スイング制御回路に流れる電流量は、前記ランプ信号と前記ピクセル信号との差に対応する請求項8に記載のCMOSイメージセンサ。
【請求項18】
前記出力スイング制御回路は、前記比較回路の出力電圧を制限するためのクランピング回路として動作する請求項8に記載のCMOSイメージセンサ。
【請求項19】
供給電圧と第2のミラー回路との間に連結された第1のミラー回路と、
ランプ信号及びピクセル信号を受信し、前記ランプ信号及び前記ピクセル信号を比較して、出力ノードに比較信号を出力する前記第2のミラー回路と、
前記第2のミラー回路と連結され、共通電圧に基づいて電流量を調整して前記第2のミラー回路の動作マージンを確保するためのシンク回路と、
を備え、
記シンク回路は、前記ピクセル信号で前記シンク回路がない場合に比べてより大きい範囲の変化のために、前記第2のミラー回路内の前記ピクセル信号を受信するトランジスタを飽和領域で動作させるCMOSイメージセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態等は、比較装置を含むCMOSイメージセンサ(CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)Image Sensor、CIS)に関する。
【背景技術】
【0002】
CMOSイメージセンサは、ピクセルアレイから出力されるアナログ形態の信号(ピクセル信号)をデジタル形態の信号に変換する動作を行う。このようなアナログ信号からデジタル信号への変換のために、CMOSイメージセンサは、内部に高解像度のアナログ-デジタル変換装置(Analog to Digital Converter、ADC)を使用する。CMOSイメージセンサは、シングルアナログ-デジタル変換装置(Single ADC)を使用する方式とコラムアナログ-デジタル変換装置(Column ADC)を使用する方式とを採択することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施形態等は、比較装置及び比較装置を含むイメージセンシング装置を提供する。一部の実現では、比較装置の出力電圧を制御してイメージの解像度を改善できる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態に係る比較装置は、ランプ信号とピクセル信号とを比較して比較信号を出力するための比較ブロックと、カレントパスを用いて前記比較ブロックの出力電圧が所定電圧以上に維持されるように出力スイングを制御するための出力スイング制御ブロックとを備えることができる。
【0005】
本発明の実施形態に係る比較装置は、ランプ信号を受信する第1のトランジスタとピクセル信号を受信する第2のトランジスタとを備え、前記ランプ信号と前記ピクセル信号とを比較して比較信号を出力ノードに出力するための比較回路と、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタと連結され、前記第2のトランジスタを介して流れる電流の量を減少させるカレントパスを備える出力スイング制御回路とを備えることができる。
【0006】
本発明の実施形態に係るCMOSイメージセンサは、光電子変換素子を備えるピクセルアレイにおいてそれぞれの光電子変換素子は、前記ピクセルアレイに入射される光に対応してピクセル信号を出力し、ランプ信号を発生するためのランプ信号発生装置と、前記ピクセル信号と前記ランプ信号とを受信するために、前記ピクセルアレイ及び前記ランプ信号発生装置と連結され、前記ピクセル信号と前記ランプ信号とを比較するための比較回路と、前記比較回路と連結され、前記比較回路の出力電圧を予め設定された電圧以上に維持するための出力スイング制御回路とを備えることができる。
【0007】
本発明の実施形態に係るCMOSイメージセンサは、供給電圧と第2のミラー回路との間に連結された第1のミラー回路と、ランプ信号及びピクセル信号を受信し、前記ランプ信号及び前記ピクセル信号を比較して、出力ノードに比較信号を出力する前記第2のミラー回路と、前記第2のミラー回路と連結され、共通電圧に基づいて電流量を調整して前記第2のミラー回路の動作マージンを確保するためのシンク回路とを備えることができる。
【発明の効果】
【0008】
開示された技術の様々な実施形態によれば、比較装置は、ピクセル信号を受信する入力トランジスタの動作領域の変化を引き起こさない予め設定された最小の値を有する範囲の出力電圧を有する。したがって、バンディングノイズが発生することを緩和させることができ、相互相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling、CDS)動作性能が影響を受けることを防止できるという効果がある。
【0009】
また、バッファを有するCMOSイメージセンサCISと比較すると、バッファを使用しないので、CMOSイメージセンサCISのために必要とする面積及びパワー消費を減少させることができる。また、提案されたCMOSイメージセンサCISは、バッファを必要としないので、入力スイングがバッファのゲインエラーによって減少されない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に対する理解を助けるためのCMOSイメージセンサの一例示図である。
図2図1に示された比較装置の一例示図である。
図3】本発明の実施形態に対する理解を助けるためのCMOSイメージセンサの他の例示図である。
図4A】本発明の実施形態に係るCMOSイメージセンサの構成図である。
図4B図1において説明したCMOSイメージセンサのアナログ-デジタル変換に対するタイミング図である。
図5】本発明の実施形態に係る比較装置の構成図である。
図6】本発明の他の実施形態に係る比較装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を説明するにあたって、本発明と関連した公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合に、その詳細な説明を省略する。以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施できる程度に詳細に説明するために、本発明の最も好ましい実施形態を添付図面を参照して説明する。
【0012】
そして、明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているとするとき、これは、「直接的に連結」されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで「電気的に連結」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」または「備える」とするとき、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含むか、備えることができることを意味する。また、明細書全体の記載において一部の構成要素を単数型で記載したとして、本発明がそれに限定されるものではなく、当該構成要素が複数個からなり得るということが分かるであろう。
【0013】
明細書は、様々な電子応用に有用でありうる比較装置及び比較装置を含むイメージセンシング装置の実現及び例を提供する。開示された技術の様々な実現は、アナログ/デジタル(A/D)変換を行うための比較装置を提供する。比較装置は、入力トランジスタの動作領域(例、飽和(saturation)領域)が他の領域(例えば、トライオード(triode)領域または線形(linear)領域)への変更なしに維持できるように設計される。
【0014】
イメージセンシング装置は、マシンビジョン、ロボット工学、誘導及びナビゲーション、自動車応用製品、及び消費者製品を含む様々な応用分野に適用される。イメージセンシング装置は、入射される光に応答して光電荷を発生させるように構成された1つ以上の光電子変換素子を備えるイメージ感知領域(例えば、ピクセルアレイ)を備える。イメージ感知領域は、複数の行と複数の列とを含む要素等のアレイとして配列されることができ、例えば、1回に1つの列が読み取られることができる。読み取られるとき、それぞれの列が駆動され、ピクセルアレイ10から読み取られたアナログ信号は、イメージの後続処理を容易にするためにデジタル信号に変換される。
【0015】
イメージセンシング装置は、様々な方式でアナログ-デジタル変換ADCを行うことができる。アナログ-デジタル変換装置のうち1つの例として、シングルアナログ-デジタル変換装置は、高速で動作する1つのアナログ-デジタル変換装置を使用する。シングルアナログ-デジタル変換装置は、所定の決められた時間内にピクセルアレイの全てのコラムから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。シングルアナログ-デジタル変換装置は、CMOSイメージセンサのチップ面積を減らすことができるという長所があるが、アナログ-デジタル変換装置が高速で動作しなければならないので、電力消費が大きいという短所がある。
【0016】
アナログ-デジタル変換装置のうち、他の例として、複数のアナログ-デジタル変換装置を使用するコラムアナログ-デジタル変換方式は、簡単な構造のアナログ-デジタル変換装置(一例として、シングル-スロープアナログ-デジタル変換装置)をピクセルアレイの各コラム毎に配置して実現する方式である。コラムアナログ-デジタル変換装置は、シングルアナログ-デジタル変換装置に比べてCMOSイメージセンサのチップ面積が増加されるという短所があるが、各アナログ-デジタル変換装置がシングルアナログ-デジタル変換装置のように高速で動作する必要がないので、電力消費が少ないという長所がある。
【0017】
コラムアナログ-デジタル変換装置を有するCMOSイメージセンサは、相互相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling、CDS)ブロックを備える。CMOSイメージセンサ内のピクセルアレイは、光を電気信号(例、アナログ出力電圧)に変換し、相互相関二重サンプリングブロックは、アナログ出力電圧をサンプリングする。CMOSイメージセンサは、サンプリングされた電圧を格納し、相互相関二重サンプリング動作中に格納された電圧とランプ信号発生装置で生成された予め設定されたランプ信号とを比較して、ピクセルアレイから出力されたアナログ出力電圧に対応するデジタルコード生成のために使用される比較信号を提供する。
【0018】
例えば、シングル-スロープ(Single-Slope)アナログ-デジタル変換装置を含むコラム平行CMOSイメージセンサ(column parallel CIS)を図1を参照して説明する。図1は、CMOSイメージセンサCISの例を説明する。
【0019】
図1に示されたように、本発明の実施形態に対する理解を助けるためのCMOSイメージセンサは、ピクセルアレイ10、ローデコーダ20、ランプ信号発生装置30、比較部40、カウント部50、メモリ部60、コラム読み出し回路70、及び制御部80を備えることができる。ピクセルアレイ10は、入射光に対応するピクセル信号を出力できる。ローデコーダ20は、制御部80(例えば、タイミングジェネレータ)の制御によってピクセルアレイ10内のピクセルをローライン別に選択して、選択されたピクセルの動作を制御できる。制御部80の制御によって、ランプ信号発生装置30は、ランプ信号を生成できる。シングル-スロープ(Single-Slope)アナログ-デジタル変換装置は、5個以上のトランジスタを使用する演算トランスコンダクタンス増幅器(Operational Transconductance Amplifier、OTA)或いは2個以上のトランジスタを使用するインバータ形態の比較装置を使用することができる。一実施形態では、シングル-スロープ(Single-Slope)アナログ-デジタル変換装置は、第1の段から第3の段の3個の比較装置まで使用することができる。
【0020】
比較部40は、複数の比較装置を含むことができ、カウント部50は、複数のカウンタを備えることができ、メモリ部60は、複数のメモリを備えることができる。したがって、複数の比較装置、複数のカウンタ、及び複数のメモリは、各コラム毎に配置されることができる。各ピクセルのオフセット値を除去するために、比較部40は、光がピクセルアレイ10に入射される前及び後にピクセルアレイ10から出力されるピクセル信号を比較して入射光により生成されたピクセル信号だけを測定することができる。このような技法を相互相関二重サンプリングCDSという。このような相互相関二重サンプリング動作は、図2を参照して説明される。
【0021】
図2は、CMOSイメージセンサCISの比較装置に含まれた比較装置の一例を説明する。図2に示されたように、比較装置は、PMOSトランジスタPM11、PMOSトランジスタPM12、キャパシタC11、NMOSトランジスタNM11、NMOSトランジスタNM12、スイッチSW11、及びスイッチSW12を備える。PMOSトランジスタPM11は、ソース端子が第1の供給電圧VDDに連結され、ゲート端子とドレイン端子とが連結されたダイオードコネクション(Diode-Connection)構造を有する。PMOSトランジスタPM12は、第1の供給電圧VDDに連結されるソース端子、PMOSトランジスタPM11のゲート端子に連結されるゲート端子、及び出力ノードVoutpに連結されるドレイン端子を備える。キャパシタC11は、一側端子にランプ信号Vramp(すなわち、ランプ電圧)を受信し、他側端子がNMOSトランジスタNM11のゲート端子に連結される。キャパシタC12の一側端子にピクセル信号Vpixel(すなわち、ピクセル電圧)を受信し、他側端子がNMOSトランジスタNM12のゲート端子に連結される。NMOSトランジスタNM11は、PMOSトランジスタPM11のドレイン端子に連結されたドレイン端子、キャパシタC11の他側端子に連結されたゲート端子、及び電流源ITailを介して第2の供給電圧VGNGに連結されたソース端子を備える。NMOSトランジスタNM12は、出力ノードVoutpに連結されたドレイン端子、キャパシタC12の他側端子に連結されたゲート端子、及び電流源ITailを介して第2の供給電圧VGNGに連結されたソース端子を備える。スイッチSW11は、NMOSトランジスタNM11のドレイン端子とゲート端子との間に連結される。スイッチSW12は、NMOSトランジスタNM12のドレイン端子とゲート端子との間に連結される。
【0022】
ピクセルアレイから出力されるピクセル信号Vpixelは、リセット電圧Vreset及びシグナル電圧Vsignalを備える。ピクセル信号Vpixelに対して相互相関二重サンプリングCDSを行うために、スイッチSW11とスイッチSW12とは、リセット電圧Vreset及びシグナル電圧Vsignalをサンプリングするためにターンオン(Turned on)される。リセット電圧Vreset及びシグナル電圧Vsignalのレベルをサンプリングすることにより、ピクセルアレイから様々な形態のノイズを減らすことができる。
【0023】
スイッチSW11とスイッチSW12とがターンオンされれば、NMOSトランジスタNM11とNMOSトランジスタNM12とのゲート端子とドレイン端子との電圧レベルが同一になり、PMOSトランジスタPM11とPMOSトランジスタPM12とのドレイン電圧が同一になる。
【0024】
図2に示された比較装置(Comparator)では、ランプ信号Vrampのコモン電圧がキャパシタC11にサンプリングされ、また、オフセット信号を基準にピクセル信号のうち、リセット電圧がキャパシタC12にサンプリングされる。比較装置の動作と構造により、オフセット信号は、ランプ信号Vramp及びピクセル信号Vpixelに存在することができる。この場合、オフセット信号を考慮してランプ信号Vramp及びピクセル信号Vpixelのサンプリングが行われることができる。
【0025】
比較装置に入力されるランプ信号Vrampのコモン電圧とピクセル信号Vpixelのうち、リセット電圧をNMOSトランジスタNM11とNMOSトランジスタNM12とのゲート端子に保持し、ランプ信号Vrampやピクセル信号Vpixelの変化量をキャパシタC11とキャパシタC12とを介しての交流-カップリング(AC-Coupling)形態で感知することができる。
【0026】
ピクセル信号Vpixelのうち、シグナル電圧Vsignalをサンプリングするために、スイッチSW11とスイッチSW12とは、オフ(OFF)されることができる。このとき、スイッチングによるスイッチングノイズ信号がキャパシタC11とキャパシタC12とに格納される。理想的な回路では、NMOSトランジスタNM11とNMOSトランジスタNM12とがディファレンシャル(Differential)構造であるから、スイッチSW11とスイッチSW12とのオフの際、オフセット信号と見なされる各スイッチの両端の信号値が相対的に相殺されることができる。しかし、実際回路では、スイッチングノイズ信号が「0」の値ではなく、スイッチングノイズ信号は、イメージの解像度低下を誘発する。イメージ解像度の減少を解決するために、リセット電圧がサンプリングされた後のコード値と信号電圧以後のコード値との間の差を介してスイッチング雑音信号を相殺するデジタル二重サンプリング(Digital Double Sampling、DDS)動作が使用され得る。
【0027】
上記のように、スイッチSW11とスイッチSW12とがオフされ、ピクセルからのシグナル電圧VsignalがキャパシタC12を介して交流-カップリングされてNMOSトランジスタNM12のゲート端子に印加されれば、NMOSトランジスタNM12のゲート端子には、「リセット電圧Vreset-シグナル電圧Vsignal」の電圧レベルがサンプリングされることができる。
【0028】
ランプ信号VrampがキャパシタC11を介して交流-カップリングされてNMOSトランジスタNM11のゲート端子に印加されることができる。ランプ信号Vrampの電圧レベルが下降または上昇することにより、NMOSトランジスタNM11とNMOSトランジスタNM12とのゲート電圧値が一致する地点が生じるようになる。
【0029】
このように、ランプ信号が印加されるNMOSトランジスタNM11のゲート電圧がピクセル信号の相互相関二重サンプリングCDS値(リセット電圧-シグナル電圧)が印加されたNMOSトランジスタNM12のゲート電圧をクロシングするようになると、出力ノードの出力電圧値Voutpが「NMOSトランジスタNM11とNMOSトランジスタNM12との電圧差×ゲイン(gain)」の分だけ下降または上昇するようになる。エラー(例、キック-バック(Kick-Back)エラー)が発生してイメージの解像度低下を誘発できる。キック-バック(Kick-Back)エラーは、出力電圧の変化量のサイズがNMOSトランジスタNM12のゲート端子に発生するようになる寄生キャパシタに影響を与えることができる。
【0030】
また、図2に示された比較装置は、イメージ解像度の減少を引き起こすバンディングノイズ(banding noise)を引き起こす。図2に示されたように、比較装置の入力トランジスタNM11、NM12において、ゲート-ソース寄生キャパシタCgs及びドレイン-ソース寄生キャパシタCDSのサイズは、比較装置の動作領域によって変わる。ランプ信号発生装置30は、比較装置を含む数千ないし数万の単一スロープADCを負荷(loads)として考慮し、各比較装置は、寄生キャパシタCgs及びCを有する入力端子を有する。
【0031】
ランプ信号発生装置30は、動作する間、1段階ずつ駆動される。動作する間、ランプ信号Vrampを受信するように構成された入力トランジスタNM11のゲート電圧は、1段階ずつ下降することができる。下降ゲート電圧(ランプ信号)がピクセル信号Vpixelを受信するように構成された入力トランジスタNM12のゲート電圧(ピクセル信号)と同一になると、比較装置は、比較信号を出力し、カウンタ51は、カウントを行い、メモリ61は、カウント値を格納する。比較装置41が比較信号を出力する間、ランプ信号Vrampが予め設定された範囲に到達するまで1段階ずつ下降するランプ信号Vrampが入力されるので、ランプ信号Vrampを受信するように構成された入力トランジスタNM11のゲート電圧は、連続的に下降する。
【0032】
ピクセル信号Vpixelを受信するように構成された入力トランジスタNM12の出力ノードの電圧は、連続的に下降する。したがって、ピクセル信号Vpixelを受信するように構成された入力トランジスタNM12の動作領域は、飽和領域からトライオード(triode)領域または線形領域に変更される。すなわち、入力トランジスタNM12の出力ノードの電圧は、入力トランジスタNM12のドレイン-ソース電圧Vdsの減少を引き起こす。この場合、画素信号Vpixelを受信する入力トランジスタNM12は、抵抗のように動作することができる。
【0033】
これにより、ランプ信号Vrampを受信するように構成された入力トランジスタNM11及びピクセル信号Vpixelを受信するように構成された入力トランジスタNM12の共通電圧Vcmが大きく変化される。したがって、ランプ信号Vrampを受信するように構成された入力トランジスタNM12のゲートとソースとの間の寄生キャパシタCgsは大きく変化される。
【0034】
ランプ信号発生装置30の負荷は、それぞれの比較装置41の動作領域によって変わるので、各比較装置41の動作領域は、他の比較装置41の動作に影響を及ぼす。例えば、バンディングノイズ(banding noise)とも呼ばれる非線形現象は、比較装置41の動作領域の変化のために発生することができる。また、それぞれの比較装置41の動作中に既存の動作地点(operation point)が変更されれば、二重相関サンプリングCDS動作の性能も影響を受ける可能性がある。
【0035】
このようなバンディングノイズを減少させるために、CMOSイメージセンサCISにバッファリング部90を備えることが提案された。図3は、ランプ信号発生装置の出力端と比較装置の入力端との間にバンディングノイズを減らすために提供されるバッファを備えるCMOSイメージセンサを説明する。図3に示されたように、CMOSイメージセンサは、ランプ信号発生装置30から印加されるランプ信号をバッファリングするためのバッファリング部90をさらに備えることができ、ランプ信号は、対応するバッファ91などを介してそれぞれの比較装置41に入力されることができる。
【0036】
バンディングノイズが発生することを緩和させるためにバッファを追加するとき、CMOSイメージセンサCISは、バッファ91を備えるために必要とする面積が増加し、CMOSイメージセンサCISを動作するためのより多くのパワーが必要であり、入力スイングがバッファのゲインエラーのために減少されることができる。
【0037】
従来のCMOSイメージセンサCISに存在する上記の問題点を認識するにあたって、開示された技術は、入力トランジスタの動作領域での変化を避けるために比較装置を含むCMOSイメージセンサCISを提供することによってバンディングノイズを減少させ、イメージの解像度を改善させる。一部の実現において、提案された比較装置は、比較装置に流れる追加電流経路を提供することによって範囲内で維持された出力電圧を有する。一部の実現において、提案された比較装置を有するCMOSイメージセンサCISは、イメージの解像度の減少を引き起こすキックバックエラーの発生を防止できる。一部の実現において、提案された比較装置は、NMOSトランジスタNM12のゲート端に形成された寄生キャパシタに対する比較装置の出力電圧変化の影響を最小化できる。
【0038】
一部の実現において、比較装置の出力電圧は、所定電圧になるように制御される。比較装置の出力電圧範囲の制御を介してバンディングノイズの発生を減らすことができ、相互相関二重サンプリングCDS動作性能におけるバンディングノイズの影響を防止できる。CMOSイメージセンサCISのために提案された設計は、バッファを備えないので、バッファを備えるCMOSイメージセンサCISと比較するとき、CMOSイメージセンサCISのために要求される面積の増加を防止し、電力消費を減少させることができる。また、入力スイングがバッファのゲインエラーによって減少されることを防止できる。提案された構成の例を、図4A図6を参照して詳細に説明する。
【0039】
図4Aは、本発明の実施形態に係るCMOSイメージセンサを説明する構成図の例である。
【0040】
図4Aに示されたように、本発明の実施形態に係るCMOSイメージセンサは、ピクセルアレイ10、ローデコーダ20、ランプ信号発生装置30、比較部40、カウント部50、メモリ部60、コラム読み出し回路70、及び制御部80を備えることができる。ピクセルアレイ10は、入射光に対応するピクセル信号を出力できる。ローデコーダ20は、制御部80の制御によってピクセルアレイ10内のピクセルをローライン別に各々選択し、選択されたピクセルの動作を制御することができる。ランプ信号発生装置30は、制御部80の制御によってランプ信号を生成できる。比較部40は、ランプ信号発生装置30から印加されるランプ信号の値とピクセルアレイ10から出力される各ピクセル信号の値とを制御部80の制御によって比較することができる。カウント部50は、比較部40からの各出力信号に応じて制御部80から印加されたクロックをカウントすることができる。メモリ部60は、制御部80の制御によってカウント部50からのカウント情報を格納することができる。制御部80は、ローデコーダ20、ランプ信号発生装置30、比較部40、カウント部50、メモリ部60、及びコラム読み出し回路70の動作を制御できる。コラム読み出し回路70は、制御部80の制御によってメモリ部60のデータをピクセルデータ(PXDATA)に順次出力することができる。ここで、比較部40は、各コラム別に本発明の実施形態に係る比較装置42を備えることができる。本発明の実施形態は、トランジスタとNMOSトランジスタとを互いに変更して実現した形態の比較装置にも適用されることができる。
【0041】
比較部40は、複数の比較装置42を含む。比較装置42は、比較装置42の1つの端子でピクセルアレイ10の対応する列から出力されたピクセル信号を受信し、比較装置42の他の端子でランプ信号発生装置30から印加されたランプ信号を受信することができる。比較装置42は、制御部80からの制御信号に基づいて、受信されたピクセル信号と受信されたランプ信号とを比較して比較結果として得られた比較信号を出力できる。
【0042】
ランプ信号Vrampは、リセット動作が始まった後、時間が経過するにつれて予め設定されたサイズに増加または減少する電圧レベルを有するので、それぞれの比較装置に入力された2つの信号の値は、特定時点で互いに一致することができる。2つの信号の値が互いに一致した後、それぞれの比較装置から出力された比較信号の値が反転されることができる。
【0043】
比較装置42に連結されたカウンタ51は、ランプ信号が下降するときから比較装置41から出力された比較信号が反転されるまで制御部80から印加されたクロックをカウントし、カウント情報を出力として提供することができる。カウンタ51の各々は、制御部80からのリセット制御信号に応じてリセットされることができる。図4Bは、CMOSイメージセンサCISで行われたカウント動作の例を説明する。図4Bに示されたように、CMOSイメージセンサCISは、リセット信号(リセット電圧)に対する1次カウントを行い、イメージ信号(信号電圧)に対する2次カウントを行うことができる。
【0044】
カウンタ51に連結されたメモリ61は、カウンタ51からカウント情報を受信し、受信されたカウント情報を格納することができる。メモリ61は、制御部80からの負荷制御信号に応じてカウント情報をコラム読み出し回路70に出力することができる。
【0045】
実施形態によって、比較部40は、相互相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling、CDS)構造を含むシングル-スロープアナログ-デジタル変換装置(Single-Slope Analog to Digital Converter)で実現されることができる。ピクセルアレイ10は、例えば、光ダイオード、光トランジスタ、光ゲート、または光をピクセル信号(例えば、電荷、電圧、または電流)に変換することができる他の光感知回路を備える受信された光に応答して電気信号を生成する光電子変換素子を備えることができる。ピクセルアレイ10は、光学イメージ情報を電気イメージ信号に変換し、当該列ラインを介して相関二重サンプリングCDS構造を有する比較部40に電気イメージ信号を送信することができる。一部の実現例において、ソースフォロワ(source follower)の不一致(mismatch)とリセット雑音(reset noise)を補償するための相関二重サンプリングCDS構造を実現することができる。相関二重サンプリングCDSは、アナログ領域またはデジタル領域で行われることができる。実施形態によって、ピクセル信号に対してアナログ領域で1次相関二重サンプリングCDSが行われた後、アナログ-デジタル変換装置ADCを経て変換されたデジタル信号に対してデジタル領域で2次相関二重サンプリングCDSが行われることもできる。
【0046】
アナログ領域における相関二重サンプリングCDSを行う方法では、大別して2つの方法がありうる。1つは、相関二重サンプリングCDSを行うための別の減算回路を使用することであり、他の1つは、比較装置とともに相関二重サンプリングCDSを実現することである。
【0047】
図5は、比較部40に含まれた相関二重サンプリングCDS構造を有する比較装置の例を説明する。図5に示すように、比較装置は、相関二重サンプリングCDSを実現するために使用され、比較部40には、追加的な減算回路が含まれないことができる。
【0048】
図5に示すように、ピクセル信号VPIXとランプ電圧VRAMPとがキャパシタC、Cの一端に印加され、キャパシタC、Cの他端は、比較装置に連結されることができる。比較装置の入力電圧VIN1、VIN2と出力電圧(1stCOMP、VOUTP)とは、スイッチφOZ、φOZを備えるフィードバックラインを介して連結されることができる。ここで、スイッチφOZ、φOZの制御は、ピクセル信号VPIXのリセット信号及びイメージ信号のサンプリング時点に対応してなされることができる。ピクセル信号VPIXとランプ電圧VRAMPとが各々1つの経路によって伝達されるので、信号の不一致による性能低下を予防することができる。
【0049】
図6は、CMOSイメージセンサCISの比較部で使用される比較装置の他の例を説明する図である。図6において説明された比較装置は、シングル-スロープアナログ-デジタル変換装置ADCの性能低下を防止できる。図6は、本発明の実施形態に係る比較装置を説明する構成図の例である。例えば、図6において説明する比較装置は、図4及び図5において説明した比較装置に対応することができる。
【0050】
図6に示されたように、本発明の実施形態に係る比較装置は、比較回路410及び出力スイング制御回路420を備えることができる。比較回路410は、ランプ信号とピクセル信号とを比較して比較信号を出力でき、出力スイング制御回路420は、比較回路410の出力電圧が少なくとも所定電圧になるように制御することができる。
【0051】
図6に説明された比較回路410は、PMOSトランジスタPM11、PMOSトランジスタPM12、キャパシタC11、キャパシタC12、NMOSトランジスタNM11、NMOSトランジスタNM12、スイッチSW11、スイッチSW12、NMOSトランジスタNM13、及びNMOSトランジスタNM14を備えることができる。図2において説明した構造と比較して、図6の比較回路410は、キックバックエラーまたはキックバック雑音の発生を最小化するために、NMOSトランジスタNM13及びNMOSトランジスタNM14をさらに備えることができる。スイッチSW11、SW12のそれぞれの一端は、NMOSトランジスタNM13、NM14のドレイン端に連結される。図2に説明したような比較装置を含む構成要素の構造及び動作は、図2と関連した説明に基づいて理解されることができる。
【0052】
NMOSトランジスタNM13、NM14の各々は、ゲート端子が第1の供給電圧VDDに連結される自己バイアス(self-biasing)構造を有することができる。NMOSトランジスタNM13は、PMOSトランジスタPM11のドレイン端に連結されたドレイン端、第1の供給電圧VDDに連結されたゲート端、及びNMOSトランジスタNM11のドレイン端に連結されたソース端を備えることができる。NMOSトランジスタNM14は、出力ノードVoutpに連結されたドレイン端、第1の供給電圧VDDに連結されたゲート端、及びNMOSトランジスタNM12に連結されたソース端を備えることができる。
【0053】
図6では、NMOSトランジスタNM13とNMOSトランジスタNM14とは、ゲート端子によって第1の供給電圧VDDを受信するように実現されることができる。他の実現例において、NMOSトランジスタNM13とNMOSトランジスタNM14とは、ゲート端子によって外部の電圧供給部(図示せず)から第3の供給電圧Vを受信するように実現することもできる。
【0054】
NMOSトランジスタNM11のゲート電圧がNMOSトランジスタNM12のゲート電圧を交差した後にも、ランプ信号は、一段階ずつ下降したり上昇しながら予め設定された最大電圧レベル(Maximum voltage level)に上昇するか、最小電圧レベル(Minimum voltage level)に下降することができる。したがって、NMOSトランジスタNM11のゲート電圧は、持続的に下降したり上昇することができる。この場合、出力ノードの出力電圧値Voutpは、「NMOSトランジスタNM11、NM12間の電圧差×ゲイン(gain)」により下降したり上昇することができ、NMOSトランジスタNM12の動作領域が飽和領域からトライオード領域または線形領域に変更されることができる。したがって、NMOSトランジスタNM11、NM12の共通電圧が大きく変わることができ、NMOSトランジスタNM11、NM12のゲート-ソース寄生キャパシタCgsが大きく変わることができる。
【0055】
出力スイング制御回路420は、出力ノードVoutpで出力電圧を制御するために提供されることができる。一部の実現例において、出力スイング制御回路420は、電流をクランピング(Clamping)するためのクランピング回路として実現されることができる。
【0056】
出力スイング制御回路420は、ソース端子が第1の供給電圧VDDに連結され、ゲート端子が比較ブロック410に連結(すなわち、ロードトランジスタPM111及びPM112のゲート端子に連結)されたPMOSトランジスタPM41、及びドレイン端子がPMOSトランジスタPM41のドレイン端子に連結され、ゲート端子によってコモン電圧Vcmを受信し、ソース端子が電流源ITailを介して第2の供給電圧VGNGに連結されたNMOSトランジスタNM41を備える。一部の実現例において、コモン電圧Vcmは、外部の電圧供給部(図示せず)から供給を受けることができる。コモン電圧Vcmがグランド電圧(VGND)に固定される場合、出力スイング制御回路420に流れる電流を調整するのが困難でありうる。コモン電圧Vcmを用いて出力スイング制御回路420に流れる電流を調整すれば、比較ブロック410の動作マージンを確保できる。
【0057】
前述したように、ピクセル信号Vpixelを受信する入力トランジスタNM12の動作領域(例えば、飽和領域からトライオード領域または線形領域へ)の変化は、バンディングノイズを誘発できる。したがって、相互相関二重サンプリングCDS動作の際に発生されるバンディングノイズを減少させるためには、ピクセル信号Vpixelを受信するNMOSトランジスタNM12の動作領域(例、飽和領域)が他の動作領域(例、線形領域或いはトライオード領域)への変化なしに維持される必要がある。また、ロードトランジスタで動作するPMOSトランジスタPM12の動作領域がバンディングノイズの誘発に影響を与えることができ、したがって、バンディングノイズなしにイメージを改善するために確保される必要がある。
【0058】
開示された技術の一実現例に係る比較装置は、出力が入力トランジスタ(例、NMOSトランジスタNM12)の動作領域の変化を引き起こす程度に非常に深刻に下降することを防止するために、比較回路410の出力電圧Voutpを制限するために、PMOSトランジスタPM41とNMOSトランジスタNM41とを用いた追加的なカレントパスを形成できる。したがって、一部の実現例において、比較回路410の出力電圧Voutpの最小値は、予め設定されることができる。したがって、比較装置は、比較回路410の出力電圧が所定電圧未満に下降しないように出力スイングを有することができる。
【0059】
図6に示すように、出力スイング制御回路420は、例えば、出力スイング制御回路420を有さない比較装置に比べて出力電圧が大きく下降しないように出力電圧Voutpを制御するために動作する。例えば、NMOSトランジスタNM11及びNM12のゲート端での電圧が、NMOSトランジスタNM12及びNM14の動作領域が飽和領域からトライオード領域または線形領域への変更を引き起こすように十分に変わると仮定する。NMOSトランジスタNM11及びNM12のゲート端での電圧変化は、NMOSトランジスタNM11及びNM12のソース端での電圧変化を引き起こす。NMOSトランジスタNM41のソース端は、NMOSトランジスタNM11及びNM12のソース端に連結されるので、NMOSトランジスタNM11及びNM12のソース端でのこのような電圧変化は、出力スイング制御回路420のNMOSトランジスタNM41に影響を与えることができる。例えば、「共通電圧Vcm-NMOSトランジスタNM11及びNM12のソース端での電圧」として得られるゲート-ソース電圧Vgsが大きくなるにつれて、NMOSトランジスタNM41を介して流れる電流が増加する。このような方式にて、NMOSトランジスタNM11及びNM12のゲート端の電圧差に対応する電流が出力スイング制御回路420内のトランジスタNM41及びPM41を介して流れることができる。
【0060】
したがって、出力スイング制御回路420のPMOSトランジスタPM41とNMOSトランジスタNM41とが形成したカレントパスは、比較回路410の出力電圧がピクセル信号を受信する入力トランジスタNM12の動作領域の変更を引き起こさない値(或いは、値の範囲)に維持されるように比較回路410の出力電圧が制御されることができる。比較回路410は、6個のトランジスタを備えることに対し、比較回路410の動作マージンを確保するための出力スイング制御回路420には、2個のトランジスタであるPMOSトランジスタPM41及びNMOSトランジスタNM41が含まれ得る。このようなトランジスタの個数或いはサイズの差による出力スイング制御回路420の性能差は大きくない場合がある。PMOSトランジスタPM41及びNMOSトランジスタNM41のドレインノードがハイインピーダンス(high impedance)を有するので、出力スイング制御回路420を介して流れる電流の量が実質的に大きくない場合がある。これは、電流源ITailの電流を比較回路410内の電流パスと出力スイング制御回路420内の電流パスとに含まれたそれぞれのトランジスタでどれくらい使用するかによって変わることができる。しかし、出力スイング制御回路420に含まれたPMOSトランジスタPM41及びNMOSトランジスタNM41のサイズは、比較回路410の設計条件と使用環境によって決定して、出力スイング制御回路420による性能をより向上させることができる。
【0061】
これを通じてNMOSトランジスタNM12とPMOSトランジスタPM12との動作領域を互いに異なる動作区間の間の変化なしに維持することができる。したがって、比較装置の動作領域の変化(例、飽和領域からトライオード領域或いは線形領域に)によって引き起こされることができるバンディングノイズを緩和させることができる。また、出力ノードの出力電圧値Voutpの変化量がNMOSトランジスタNM12のゲート端子に発生される寄生キャパシタに影響を及ぼすことを最小化でき、キック-バックエラー(キック-バックノイズ)の発生を緩和させることができる。また、提案された構造は、ランプ信号発生装置と比較装置との間にバッファを要求しないので、既存のバッファを介してランプ信号を印加する場合と比較して、面積やパワーを節約することができる。
【0062】
一実施例において、比較回路410は、第1のミラー回路及び第2のミラー回路を備えることができる。PMOSトランジスタPM11及びPMOSトランジスタPM12を備える第1のミラー回路は、供給電圧VDDと第2のミラー回路との間に連結される。第2のミラー回路は、ランプ信号とピクセル信号とを受信し、ランプ信号とピクセル信号とを比較して、出力ノードに比較信号を出力するように構成される。第2のミラー回路は、NMOSトランジスタNM13及びNMOSトランジスタNM14を備えることができる。比較回路410は、NMOSトランジスタNM41を備えるシンク回路に連結される。シンク回路は、第2のミラー回路の動作マージンを確保するために、共通電圧に基づいて電流量を調整するために、第2のミラー回路に結合されることができる。
【0063】
以上のように、本発明は、例え、限定された実施形態と図面により説明されたが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、このような記載から本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形、及び変更が可能である。したがって、本発明の範囲は、説明された実施形態に限定されて決められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等なものなどにより決められなければならない。
【符号の説明】
【0064】
410 比較回路
420 出力スイング制御回路
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6