(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】PC鋼棒の突出防止方法
(51)【国際特許分類】
E01D 21/00 20060101AFI20240930BHJP
E01D 1/00 20060101ALI20240930BHJP
E04C 5/07 20060101ALI20240930BHJP
E04G 21/12 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
E01D21/00 Z
E01D1/00 G
E04C5/07
E04G21/12 104F
E01D1/00 D
(21)【出願番号】P 2023183552
(22)【出願日】2023-10-25
【審査請求日】2023-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】505389695
【氏名又は名称】首都高速道路株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591216473
【氏名又は名称】一般財団法人首都高速道路技術センター
(73)【特許権者】
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】AGC株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003322
【氏名又は名称】大日本塗料株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591037960
【氏名又は名称】シーカ・ジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003296
【氏名又は名称】デンカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】蔵治 賢太郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 大介
(72)【発明者】
【氏名】井田 達郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】村上 裕真
(72)【発明者】
【氏名】岩井 渉
(72)【発明者】
【氏名】作 周平
(72)【発明者】
【氏名】関 智行
(72)【発明者】
【氏名】堀江 一志
(72)【発明者】
【氏名】山上 大智
(72)【発明者】
【氏名】高橋 良輔
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-022196(JP,A)
【文献】特開2020-143506(JP,A)
【文献】実開平05-047048(JP,U)
【文献】特開平09-235827(JP,A)
【文献】特開2001-146846(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 21/00
E01D 1/00
E04C 5/07
E04G 21/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
PC鋼棒が緊張された状態で埋設されることに基づいてプレストレスが付与されるコンクリート構造物からのPC鋼棒の突出防止方法であって、
コンクリート構造物の表面において、埋設されたPC鋼棒の先端部近傍を含む第1の領域に飛散防止用の透明な表面保護材を塗布又は貼付させ、
前記透明な表面保護材の上から、埋設された前記PC鋼棒の先端部近傍を含む第2の領域を覆うように透明なポリカーボネート板を配置し、
前記ポリカーボネート板を複数個所でアンカーにより前記コンクリート構造物の表面に固定する、
工程を有
し、
前記第1の領域は、前記第2の領域より広い、ことを特徴とするPC鋼棒の突出防止方法。
【請求項2】
前記ポリカーボネート板の厚さは、12mm以上、且つ、15mm以下である、請求項
1に記載のPC鋼棒の突出防止方法。
【請求項3】
前記表面保護材は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、ポリエステルシート、及び、ガラス繊維シートの内の1つ又は複数から選択される、請求項
1に記載のPC鋼棒の突出防止方法。
【請求項4】
前記アンカーは、埋設された前記PC鋼棒の先端部近傍を囲うように配置される、請求項
1に記載のPC鋼棒の突出防止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PC鋼棒の突出防止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路等では、軽量で強靭であるという特徴を有するプレストレストコンクリート(PC)橋梁が用いられている場合がある。PC橋梁はPCにより建設された橋梁であって、PC鋼棒を用いてコンクリートに予め圧縮応力を与えることにより、荷重によってコンクリートに生じる引張応力を打ち消している。PC鋼棒は、鉛直方向、及び、水平方向(橋軸方向、橋軸直角方向)に配置されている。
【0003】
PC鋼棒が発錆又は腐食後に破断し、導入緊張力が急激に開放されて橋桁の側面や下部から突出し、PC鋼棒本体やコンクリート片が落下してしまうことを防止するために、コンクリート構造物の表面に補強構造を設けることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の補強構造は、ステンレス製メッシュシート等の受け部材を繊維補強シートでコンクリート表面に張り付けるので、補強構造施行後は、コンクリート面の点検ができない。
【0006】
本発明は、補強構造を透明化することで、補強した部分を点検可能としたPC鋼棒の突出防止方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係るPC鋼棒が緊張された状態で埋設されることに基づいてプレストレスが付与されるコンクリート構造物からのPC鋼棒の突出防止方法では、コンクリート構造物の表面において埋設されたPC鋼棒の先端部近傍を含む第1の領域に飛散防止用の透明な表面保護材を塗布又は貼付し、透明な表面保護材の上から埋設されたPC鋼棒の先端部近傍を含む第2の領域を覆うように透明なポリカーボネート板を配置し、ポリカーボネート板を複数個所でアンカーによりコンクリート構造物の表面に固定する、工程を有することを特徴とする。
【0008】
本発明の一側面に係るPC鋼棒の突出防止方法では、第1の領域は第2の領域より広いことが好ましい。
【0009】
本発明の一側面にPC鋼棒の突出防止方法では、ポリカーボネート板の厚さは、12mm以上、且つ、15mm以下である、ことが好ましい。
【0010】
本発明の一側面に係るPC鋼棒の突出防止方法では、表面保護材は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、ポリエステルシート、及び、ガラス繊維シートの内の1つ又は複数から選択される、ことが好ましい。
【0011】
本発明の一側面に係るPC鋼棒の突出防止方法では、アンカーは、埋設されたPC鋼棒の先端部近傍を囲うように配置される、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るPC鋼棒の突出防止方法では、簡易な構成で、PC鋼棒自体の落下やコンクリート片の飛散を防止することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】プレストレスが付与されるコンクリート構造物に、PC鋼棒の突出防止方法を施した状態を示す模式図である。
【
図2】(a)は突出防止機構の断面図であり、(b)は突出防止機構の平面図である。
【
図3】(a)は他のアンカーの配置方法を示し、(b)を更に他のアンカーの配置方法を示している。
【
図4】評価試験を行うための試験装置の概要を示す図である。
【
図6】(a)に実施例1の場合の評価試験後の画像を示し、(b)に実施例2の場合の評価試験後の画像を示す。
【
図7】(a)に実施例3の場合の評価試験後の画像を示し、(b)に実施例4の場合の評価試験後の画像を示す。
【
図9】(a)に比較例1の場合の評価試験後の画像を示し、(b)に比較例2の場合の評価試験後の画像を示す。
【
図10】(a)に比較例3の場合の評価試験後の画像を示し、(b)に比較例4の場合の評価試験後の画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の様々な実施形態について説明する。本発明の技術的範囲はこれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明及びその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0015】
図1は、プレストレスが付与されるコンクリート構造物に、PC鋼棒の突出防止方法を施した状態を示す模式図である。
【0016】
図1では、プレストレスが付与されるコンクリート構造物として、PC橋10の断面を記載している。PC橋10が高速道路等に利用される場合には、PC橋10の上面11を車両が走行することとなる。また、
図1において、PC橋10の一つの桁には、PC鋼棒20が鉛直方向に配置されている。なお、
図1では1本のPC鋼棒のみを記載しているが、実際には複数本のPC鋼棒が配置されていても良い。
【0017】
図1に示すように、上面11に対してほぼ垂直方向に配置されたPC鋼棒20を鉛直PC鋼棒といい、上面11と並行な方向に配置されたPC鋼棒を横締PC鋼棒というものとする。
【0018】
PC鋼棒20の先端部近傍で、PC橋10の下面12側には、突出防止機構1が配置されている。
図1では明記されていないが、PC橋10は他の橋脚等によって他の道路等の上部に固定されている場合が多い。そこで、突出防止機構1は、PC鋼棒20が発錆又は腐食後に破断し、導入緊張力が急激に開放されてPC橋10の下面12から突出し、鉛直PC鋼棒20自体やコンクリート片が落下するのを防止している。
【0019】
図2(a)は突出防止機構1の断面図であり、
図1において破線で囲ったAの箇所の拡大図に相当する。
図2(b)は突出防止機構1をPC橋10の下面12側から見た平面図である。
【0020】
図2(a)に示すように、突出防止機構1は、PC橋10の下面12上に塗布又は貼付される表面保護材2、表面保護材2の上面を覆うように配置される透明なポリカーボネート板3、ポリカーボネート板3をPC橋10の下面12に固定する複数のアンカー4から構成される。
【0021】
表面保護材2は、PC鋼棒20の先端がPC橋10の下面12から突出した場合に、コンクリート片が飛散することを防止するために、PC橋10の下面12上に塗布又は貼付される。表面保護材2としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、ポリエステルシート、及び、ガラス繊維シートの内の1つ又は複数を選択することが可能である。いずれの樹脂も、表面保護材を塗布又は貼付した後に、コンクリート構造物の表面状態が視認可能である透明なものとする。
【0022】
図2(a)に示すように、PC橋10内に配置されるPC鋼棒20の先端からPC橋10の下面12までの深さBは「かぶり」と言い、15~30mmに設定されている。透明なポリカーボネート板3の厚さCは、12~15mmに設定されている。ポリカーボネート板3が透明なことによって、PC橋10の下面の検査時に、PC鋼棒が突出しようとしているかを容易に発見することが可能となる。
【0023】
図2(b)に示すように、PC鋼棒20の先端位置が対角線の交点に位置するようにポリカーボネート板3が6本のアンカー4によってPC橋10の下面12に固定されている。表面保護材2の塗布又は貼付面積S1(第1の領域)は、ポリカーボネート板3の表面積S2(第2の領域)より大きくなるように設定されている。一例では、S1は740×600mmに、S2は500×500mmに設定されているが、これらに限定されない。S1>S2とすることにより、よりコンクリート片の飛散を防止できる。
【0024】
図3(a)は他のアンカー4の配置方法を示し、
図3(b)を更に他のアンカー4の配置方法を示している。
【0025】
図2(b)、
図3(a)及び
図3(b)に示すように、ポリカーボネート板3を固定するアンカー4は、PC鋼棒20の先端位置の周囲に配置されていればよく、6本以上で固定することが好ましいが、8本で固定してもそれ以上の本数で固定しても良い。
【0026】
図4は、評価試験を行うための試験装置の概要を示す図である。
【0027】
試験装置30は、厚さDのコンクリートブロック31に固定された試験用突出防止機構1´を所定の床上等に固定するための固定台33、重錘34、重錘34を試験用突出防止機構1´の中心部に正確に落下させるための落下経路構造35等から構成される。
【0028】
重錘34は、不図示の落下制御機構により、コンクリートブロック31の試験用突出防止機構1´が固定された側とは反対側の所定の高さから矢印Eの方向に自然落下される。重錘34は、所定の高さから自然落下された場合に発生する衝撃が、ちょうど、導入緊張力が急激に開放されて橋桁から突出したPC鋼棒20がPC橋10の下面12に与える衝撃と同様になるように設定されている。具体的には、200kgの重錘34を2mの高さから落下させて、3920(J)の衝撃が加わるように設定した。
【0029】
コンクリートブロック31の中央部分には、試験用突出防止機構1´が固定された側とは反対側から直径50mmのコア32が削孔されている。直径50mmのコア32の先の部分Fを15mm残すことによって、15mmのかぶりを再現している。実際のPC橋10では、かぶりは15mm~30mmであるが、15mmの方の衝撃が大きいので、評価試験では、直径50mmのコア32の先の部分Fを15mmとした。
【0030】
評価試験では、1000×740×150mm(厚さD=150mm)のコンクリートブロック31(材料:普通ポルトランドセメント、強度:40N/mm2、スランプ:12±2.5cm、空気圧:4.5±1.5%、粗骨材料最大寸法:20mm以下)に様々な形式の試験用突出防止機構1´を固定して実験を行った。
【0031】
また、ポリカーボネート板は厚さにかかわらず、透明な500×500mmのものを利用し、表面保護材は740×600mmの範囲内に塗布又は貼付した。また、重錘34の落下位置を、ポリカーボネート板の対角線のほぼ中心、且つ、表面保護材の塗布又は貼付領域の対角線のほぼ中心とした。
【0032】
なお、
図4に示す評価装置は、鉛直方向、及び、水平方向(橋軸方向、橋軸直角方向)に配置されているPC鋼棒に対応する試験装置であると言える。
【0033】
図5は、
図4に示す評価装置を用いた評価試験の結果を示す表である。
【0034】
実施例1~実施例3の試験用突出防止機構1´では、厚さ15mmの透明なポリカーボネート板を用い、
図2(b)に示すように6本のアンカー4によってコンクリートブロック31に固定し、表面保護材料として、いずれも透明なA材料、B材料及びC材料をそれぞれ使用した。A材料は、ポリエステルシートを水性エポキシ樹脂でコンクリートブロック31の表面に貼付させたものであり、B材料はウレタン樹脂を塗布したものであり、C材料はガラス繊維シートをメタアクリル樹脂でコンクリートブロック31の表面に貼付させたものである。
【0035】
実施例1~実施例3では、重錘34を落下させた場合でも、ポリカーボネート板に膨れは見られたが、割れることはなく、さらにコンクリートブロック31の破片が飛散することもなく、評価結果は合格であった。
図6(a)に実施例1の場合の重錘34を落下させた後のポリカーボネート板の表面の画像を示し、
図6(b)に実施例2の場合の重錘34を落下させた後のポリカーボネート板の表面の画像を示し、
図7(a)に実施例3の場合の重錘34を落下させた後のポリカーボネート板の表面の画像を示す。
【0036】
実施例4~実施例6の試験用突出防止機構1´では、厚さ12mmの透明なポリカーボネート板を用い、
図2(b)に示すように6本のアンカー4によってコンクリートブロック31に固定し、表面保護材料としていずれも透明なA材料、B材料及びC材料をそれぞれ使用した。
【0037】
実施例4~実施例6では、重錘34を落下させた場合でも、ポリカーボネート板に膨れは見られたが、割れることはなく、さらにコンクリートブロック31の破片が飛散することもなく、評価結果は合格であった。
図7(b)に実施例4の場合の重錘34を落下させた後のポリカーボネート板の表面の画像を示し、
図8に実施例5の場合の重錘34を落下させた後のポリカーボネート板の表面の画像を示す。
【0038】
比較例1の試験用突出防止機構1´では、厚さ15mmの透明なポリカーボネート板を用い、
図2(b)に示すように6本のアンカー4によってコンクリートブロック31に固定したが、表面保護材料を使用しなかった。重錘34を落下させた場合でも、ポリカーボネート板に膨れは見られたが、割れることはなかった。しかしながら、コンクリートブロック31の破片が飛散しており、結果は不合格であった。
図9(a)に比較例1の場合の重錘34を落下させた後のポリカーボネート板の表面の画像を示す。
図9(a)に示す様に、コンクリートブロック31の破片が飛している。
【0039】
比較例2の試験用突出防止機構1´では、厚さ15mmの透明なポリカーボネート板を用い、
図3(b)に示すように8本のアンカー4によってコンクリートブロック31に固定したが、表面保護材料を使用しなかった。重錘34を落下させた場合でも、ポリカーボネート板に膨れは見られたが、割れることはなかった。しかしながら、コンクリートブロック31の破片が飛散しており、結果は不合格であった。
図9(b)に比較例2の場合の重錘34を落下させた後のポリカーボネート板の表面の画像を示す。
図9(b)に示す様に、コンクリートブロック31の破片が飛している。
【0040】
比較例3の試験用突出防止機構1´では、厚さ15mmの透明なポリカーボネート板を用い、
図2(b)に示すように6本のアンカー4によってコンクリートブロック31に固定した。また、表面保護材料として透明なA材料を使用したが、コンクリートブロック31の表面に塗布せずに、ポリカーボネート板をコンクリートブロック31に固定した後に、ポリカーボネート板の上から透明なA材料を塗布した。重錘34を落下させた場合、ポリカーボネート板が貫通され、コンクリートブロック31の破片が飛散し、結果は不合格であった。
図10(a)に比較例3の場合の重錘34を落下させた後のポリカーボネート板の表面の画像を示す。
図10(a)に示す様に、ポリカーボネート板が貫通されている。
【0041】
比較例4の試験用突出防止機構1´では、ポリカーボネート板を用いずに、代わりにガラス繊維シートを用いた。また、表面保護材料は使用しなかった。重錘34を落下させた場合で、ガラス繊維シートが貫通され、コンクリートブロック31の破片が飛散し、結果は不合格であった。
図10(b)に比較例4の場合の重錘34を落下させた後のガラス繊維シートの表面の画像を示す。
図10(b)に示す様に、ガラス繊維シートは、剥がれてしまっている。
【0042】
図5に示す評価試験より、表面保護材をコンクリート表面に塗布又は貼付させ、その上から厚さ12~15mmの透明なポリカーボネート板をアンカーによりコンクリート表面に固定することによって、(鉛直方向、及び、水平方向に配置された)PC鋼棒自体の突出及びコンクリート片の飛散を効果的に防止することが判明した。
【0043】
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0044】
1 突出防止機構
2 表面保護材
3 ポリカーボネート板
4 アンカー
20 鉛直PC鋼棒
【要約】
【課題】本発明は、補強構造を透明化することで、補強した部分を点検可能としたPC鋼棒の突出防止方法を提供する。
【解決手段】コンクリート構造物の表面(12)において埋設されたPC鋼棒(20)の先端部近傍を含む第1の領域(S2)に飛散防止用の表面保護材(2)を塗布又は貼付し、表面保護材の上から埋設されたPC鋼棒の先端部近傍を含む第2の領域(S1)を覆うように透明なポリカーボネート板(3)を配置し、ポリカーボネート板を複数個所でアンカー(4)によりコンクリート構造物の表面に固定する、工程を有することを特徴とするPC鋼棒の突出防止方法。
【選択図】
図2