(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】種結晶及びその製造方法並びに種結晶製造用の研削器具
(51)【国際特許分類】
C30B 15/36 20060101AFI20241001BHJP
C30B 15/32 20060101ALI20241001BHJP
C30B 29/30 20060101ALI20241001BHJP
B24B 9/00 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
C30B15/36
C30B15/32
C30B29/30 B
B24B9/00 601C
(21)【出願番号】P 2020138223
(22)【出願日】2020-08-18
【審査請求日】2023-07-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095223
【氏名又は名称】上田 章三
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【氏名又は名称】亀井 岳行
(72)【発明者】
【氏名】長岡 憲吾
【審査官】▲高▼橋 真由
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-001693(JP,A)
【文献】実開平04-089558(JP,U)
【文献】特開2018-065718(JP,A)
【文献】実開昭59-024769(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C30B 1/00-35/00
B24B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
引上げ軸の先端に
設けられた種結晶保持具に保持され、耐熱容器内に溶融する単結晶材料に接触させ、
前記引上げ軸を回転させながら徐々に引き上げることで単結晶を育成する元になる種結晶であって、
前記単結晶の結晶方位面と同じ方位面を持つ結晶からなり、横断面略矩形状の棒状体からなる角型種結晶本体と、
前記角型種結晶本体のうち、少なくとも
前記種結晶保持具の円筒状受部
に保持可能な領域に対応する各隅部を、前記円筒状受部に接触する横断面円弧状に形成した曲面部と、
を備えたことを特徴とする種結晶。
【請求項2】
請求項1に記載の種結晶において、
前記角型種結晶本体は、各隅部の前記曲面部間に平面部を有しており、前記平面部が占める横断面方向の幅寸法をw1、前記曲面部が占める横断面方向の幅寸法をw2とすると、w1>w2の関係を満たすことを特徴とする種結晶。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の種結晶において、
前記角型種結晶本体は、各隅部に形成された前記曲面部のうち対角方向を結ぶ対角線長を10mm以下にしたときに、交差する対角線長の差分が0.2mm以内であることを特徴とする種結晶。
【請求項4】
引上げ軸の先端に
設けられた種結晶保持具に保持され、耐熱容器内に溶融する単結晶材料に接触させ、
前記引上げ軸を徐々に引き上げることで単結晶を育成する元となる種結晶を製造するに際し、
略円柱状の塊状結晶を切り出すことで横断面略矩形状の棒状体からなる角型種結晶本体を形成する基本形状形成工程と、
前記基本形状形成工程にて形成された前記角型種結晶本体のうち、少なくとも
前記種結晶保持具の円筒状受部に保持可能な領域に対応する各隅部を横断面円弧状に研削する隅部研削工程と、
を備えたことを特徴とする種結晶の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の種結晶の製造方法において、
前記隅部研削工程は、円筒形状の器具本体の内面に研磨砥粒層が設けられた研削器具を用い、前記角型種結晶本体に対応する各隅部を円弧状に研削することを特徴とする種結晶の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の種結晶の製造方法において、
前記隅部研削工程は、前記角型種結晶本体の横断面中心軸を中心として前記研削器具を相対的に回転させることを特徴とする種結晶の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の種結晶の製造方法において、
前記隅部研削工程は、前記角型種結晶本体を固定台に固定し、前記角型種結晶本体の横断面中心軸を中心として前記研削器具を回転させることを特徴とする種結晶の製造方法。
【請求項8】
請求項6に記載の種結晶の製造方法において、
前記隅部研削工程は、前記角型種結晶本体及び前記研削器具の少なくともいずれか一方を前記角型種結晶本体の中心軸方向に沿って進退させることを特徴とする種結晶の製造方法。
【請求項9】
引上げ軸の先端に
設けられた種結晶保持具に保持され、耐熱容器内に溶融する単結晶材料に接触させ、
前記引上げ軸を回転させながら徐々に引き上げることで単結晶を育成する元になる種結晶を製造するに際し、
前記種結晶は、前記単結晶の結晶方位面と同じ方位面を持つ結晶からなり、横断面略矩形状の棒状体からなる角型種結晶本体と、前記角型種結晶本体のうち、少なくとも
前記種結晶保持具の円筒状受部
に保持可能な領域に対応する各隅部を、前記円筒状受部に接触する横断面円弧状に形成した曲面部と、を備え、
前記角型種結晶本体のうち、少なくとも
前記種結晶保持具の円筒状受部に保持可能な領域に対応する各隅部を横断面円弧状に研削する隅部研削工程を実施するときに用いられる研削器具であって、
前記曲面部の形成前の前記角型種結晶本体が挿入される円筒形状の器具本体と、
前記器具本体の内面に設けられる研磨砥粒層と、
前記角型種結晶本体の中心軸を中心として前記器具本体を回転駆動する回転駆動手段と、
前記器具本体を前記角型種結晶本体の中心軸方向に沿って進退させる進退手段と、
を備えたことを特徴とする種結晶製造用の研削器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶育成法としての回転引上げ法で用いられる種結晶に係り、特に、円筒型の種結晶保持具に保持する上で好適な種結晶及びその製造方法並びに種結晶製造用の研削器具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、チョクラルスキー法による単結晶育成では、原料の入った貴金属ルツボを1000℃以上の温度まで加熱することで原料融解を行い、引上げ軸に取り付けた種結晶を融液表面に接触させ、引上げ軸を徐々に引き上げることで結晶育成を行う手法が採用されている。
この種の単結晶育成で用いられる種結晶としては、例えば特許文献1に記載のものが既に知られている。
この特許文献1には、断面略矩形状の角型種結晶の一部の各隅部に切欠き部が形成された被保持部を具備させた態様や、断面円形状の円柱型種結晶の一部に凹状の切欠き部が形成された被保持部を具備させた態様が開示され、種結晶保持具には種結晶の被保持部に対応した断面形状の受部を具備させ、種結晶保持具に種結晶を保持させる構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-65718号公報(発明を実施するための形態,
図4,
図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、円筒状受部を備えた種結晶保持具に角型種結晶を保持させる場合を想定すると、角型種結晶の横断面における対角線の長さを種結晶保持具の円筒状受部の内径よりも小さく加工することが必要である。このとき、円柱状の塊状結晶から角型種結晶を切り出すに際し、角型種結晶の横断面の太さを細くするようにすれば何ら問題はないが、育成する結晶重量が大きいほど、育成中に角型種結晶が破断してしまうことを防ぐためには、角型種結晶の横断面形状としてある程度の太さを有している方が好ましい。一方、角型種結晶の横断面形状を太くするためには種結晶保持具の寸法を角型種結晶の寸法に合わせて大きくすればよいが、種結晶保持具として特に貴金属材料を用いる場合は、材料の価格が非常に高いためコストアップにつながってしまう。
【0005】
そこで、円筒状受部を備えた種結晶保持具に角型種結晶を保持するに当たって、角型種結晶の横断面形状の太さと種結晶保持具のサイズとを両立するために、角型種結晶の各隅部のみを研削し、角型種結晶の横断面形状の太さをできるだけ維持することが解決策として挙げられる。この場合、研削手法としては、やすりを用いた手研磨や固定式研磨器(例えばフェルト等の研磨パッドを貼り付けた円板状工具を上向きに配置し、高速で回転させる態様)に角型種結晶の各隅部を押し当てる方法などが採用される。
しかしながら、手研磨や固定式研磨器を用いる研削手法は、作業者の熟練度によってバラつきが生じやすく、加工にも時間を要する懸念がある。
そこで、角型種結晶の各隅部を研削するに当たって、研削精度を高めて加工後の仕上がりを均一化し、研削作業時間の短縮を達成したいという要望が強くなりつつある。
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、引上げ軸の先端部に設けられた種結晶保持具の円筒状受部に対し保持可能で、壊れにくく横断面積の大きい角型の種結晶及びその製造方法並びに種結晶製造用の研削器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の技術的特徴は、引上げ軸の先端に設けられた種結晶保持具に保持され、耐熱容器内に溶融する単結晶材料に接触させ、前記引上げ軸を回転させながら徐々に引き上げることで単結晶を育成する元になる種結晶であって、前記単結晶の結晶方位面と同じ方位面を持つ結晶からなり、横断面略矩形状の棒状体からなる角型種結晶本体と、前記角型種結晶本体のうち、少なくとも前記種結晶保持具の円筒状受部に保持可能な領域に対応する各隅部を、前記円筒状受部に接触する横断面円弧状に形成した曲面部と、を備えたことを特徴とする種結晶である。
【0008】
本発明の第2の技術的特徴は、第1の技術的特徴を備えた種結晶において、前記角型種結晶本体は、各隅部の前記曲面部間に平面部を有しており、前記平面部が占める横断面方向の幅寸法をw1、前記曲面部が占める横断面方向の幅寸法をw2とすると、w1>w2の関係を満たすことを特徴とする種結晶である。
本発明の第3の技術的特徴は、第1又は第2の技術的特徴を備えた種結晶において、前記角型種結晶本体は、各隅部に形成された前記曲面部のうち対角方向を結ぶ対角線長を10mm以下にしたときに、交差する対角線長の差分が0.2mm以内であることを特徴とする種結晶である。
【0009】
本発明の第4の技術的特徴は、引上げ軸の先端に設けられた種結晶保持具に保持され、耐熱容器内に溶融する単結晶材料に接触させ、前記引上げ軸を徐々に引き上げることで単結晶を育成する元となる種結晶を製造するに際し、略円柱状の塊状結晶を切り出すことで横断面略矩形状の棒状体からなる角型種結晶本体を形成する基本形状形成工程と、前記基本形状形成工程にて形成された前記角型種結晶本体のうち、少なくとも前記種結晶保持具の円筒状受部に保持可能な領域に対応する各隅部を横断面円弧状に研削する隅部研削工程と、を備えたことを特徴とする種結晶の製造方法である。
【0010】
本発明の第5の技術的特徴は、第4の技術的特徴を備えた種結晶の製造方法において、前記隅部研削工程は、円筒形状の器具本体の内面に研磨砥粒層が設けられた研削器具を用い、前記角型種結晶本体に対応する各隅部を円弧状に研削することを特徴とする種結晶の製造方法である。
本発明の第6の技術的特徴は、第5の技術的特徴を備えた種結晶の製造方法において、前記隅部研削工程は、前記角型種結晶本体の横断面中心軸を中心として前記研削器具を相対的に回転させることを特徴とする種結晶の製造方法である。
本発明の第7の技術的特徴は、第6の技術的特徴を備えた種結晶の製造方法において、前記隅部研削工程は、前記角型種結晶本体を固定台に固定し、前記角型種結晶本体の横断面中心軸を中心として前記研削器具を回転させることを特徴とする種結晶の製造方法である。
本発明の第8の技術的特徴は、第6の技術的特徴を備えた種結晶の製造方法において、前記隅部研削工程は、前記角型種結晶本体及び前記研削器具の少なくともいずれか一方を前記角型種結晶本体の中心軸方向に沿って進退させることを特徴とする種結晶の製造方法である。
【0011】
本発明の第9の技術的特徴は、引上げ軸の先端に設けられた種結晶保持具に保持され、耐熱容器内に溶融する単結晶材料に接触させ、前記引上げ軸を回転させながら徐々に引き上げることで単結晶を育成する元になる種結晶を製造するに際し、前記種結晶は、前記単結晶の結晶方位面と同じ方位面を持つ結晶からなり、横断面略矩形状の棒状体からなる角型種結晶本体と、前記角型種結晶本体のうち、少なくとも前記種結晶保持具の円筒状受部に保持可能な領域に対応する各隅部を、前記円筒状受部に接触する横断面円弧状に形成した曲面部と、を備え、前記角型種結晶本体のうち、少なくとも前記種結晶保持具の円筒状受部に保持可能な領域に対応する各隅部を横断面円弧状に研削する隅部研削工程を実施するときに用いられる研削器具であって、前記曲面部の形成前の前記角型種結晶本体が挿入される円筒形状の器具本体と、前記器具本体の内面に設けられる研磨砥粒層と、前記角型種結晶本体の中心軸を中心として前記器具本体を回転駆動する回転駆動手段と、前記器具本体を前記角型種結晶本体の中心軸方向に沿って進退させる進退手段と、を備えたことを特徴とする種結晶製造用の研削器具である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1の技術的特徴によれば、引上げ軸の先端部に設けられた種結晶保持具の円筒状受部に対し保持可能で、壊れにくく横断面積の大きい角型種結晶を提供することができる。
本発明の第2の技術的特徴によれば、本構成を有しない態様に比べて、種結晶保持具の円筒状受部に保持可能な種結晶の被保持部の横断面積を大きくすることができる。
本発明の第3の技術的特徴によれば、本構成を有しない態様に比べて、種結晶保持具の円筒状受部に保持可能な種結晶の被保持部の横断面積を線対称性を維持した状態で大きくすることができる。
本発明の第4の技術的特徴によれば、引上げ軸の先端部に設けられた種結晶保持具の円筒状受部に対し保持可能で、壊れにくく横断面積の大きい角型種結晶を製造することができる。
本発明の第5の技術的特徴によれば、専用の研削器具を用いない場合に比べて、角型種結晶本体の各隅部を円弧状曲面部として容易に研削することができる。
本発明の第6の技術的特徴によれば、角型種結晶本体と研削器具とを相対回転させ、角型種結晶本体の各隅部を円弧状曲面部として容易に研削することができる。
本発明の第7の技術的特徴によれば、角型種結晶本体を固定配置した状態で、角型種結晶本体の各隅部を円弧状曲面部として容易に研削することができる。
本発明の第8の技術的特徴によれば、角型種結晶本体の横断面中心軸方向に沿って、角型種結晶本体の各隅部を円弧状曲面部として容易に研削することができる。
本発明の第9の技術的特徴によれば、固定台に固定された角型種結晶本体の予め決められた領域の各隅部を、対称形状を維持しながら横断面円弧状に研削することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】(a)は本発明が適用された種結晶の実施の形態の概要を示す説明図、(b)は(a)中B-B線断面説明図、(c)は(a)中C-C線断面説明図である。
【
図2】(a)は本発明が適用された種結晶の製造方法の実施の形態の概要を示す説明図、(b)は(a)中B-B線断面説明図、(c)は研削器具による種結晶の研磨作用を示す説明図である。
【
図3】(a)は実施の形態1に係る単結晶育成装置の全体構成の要部を示す説明図、(b)は(a)に示す単結晶育成装置で用いられる種結晶の保持構造を示す説明図である。
【
図4】(a)は実施の形態1で用いられる種結晶の構成例を示す説明図、(b)は(a)中B-B線断面説明図、(c)は(a)中C-C線断面説明図である。
【
図5】(a)は種結晶の基本形状形成工程の一例を示す説明図、(b)は種結晶の隅部研削工程の一例を示す説明図、(c)は(b)中C部の拡大説明図である。
【
図6】(a)は実施例1に係る種結晶のうち隅部研削工程を経た横断面形状の寸法測定箇所を示す説明図、(b)は比較例1に係る種結晶のうち従前の研磨器により種結晶の各隅部を研磨した後の横断面形状の寸法測定箇所を示す説明図、(c)は従前の研磨器により種結晶の各隅部を研磨する手法の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
◎実施の形態の概要
図1(a)は本発明が適用された種結晶の実施の形態の概要を示す。
同図において、種結晶1は、引上げ軸15の先端に
設けられた種結晶保持具10に保持され、耐熱容器(図示せず)内に溶融する単結晶材料に接触させ、引上げ軸15を回転させながら徐々に引き上げることで単結晶を育成する元になる種結晶であって、単結晶の結晶方位面と同じ方位面を持つ結晶からなり、横断面略矩形状の棒状体からなる角型種結晶本体2と、角型種結晶本体2のうち、少なくとも
種結晶保持具10の円筒状受部11
に保持可能な領域に対応する各隅部を、円筒状受部11に接触する横断面円弧状に形成した曲面部3と、を備えたものである。
尚、本例では、種結晶保持具10には円筒状受部11に連通する挿通孔12が設けられ、また、種結晶1のうち前述した挿通孔12に対応した箇所には貫通孔4が設けられ、種結晶保持具10の円筒状受部11に種結晶1の被保持部を保持させ、挿通孔12及び貫通孔4に固定ピン13を挿通させることで種結晶1を固定する手法が採用される。
【0015】
このような技術的手段において、種結晶1の基本形態は、角型種結晶本体2と曲面部3とを備えた態様である。
ここで、角型種結晶本体2は、育成する単結晶と同じ結晶方位面をもち、かつ、横断面略矩形状であればよく、横断面の隣接する二辺の長さが異なっていてもよいが、好ましくは、
図1(b)に示すように、横断面の一辺がw0である正方形状である態様がよい。
また、曲面部3の形成範囲については特に制限はなく、角型種結晶本体2の各隅部全てでもよいが、少なくとも種結晶保持具10の円筒状受部11の領域に対応する各隅部に形成すればよく、種結晶保持具10に対して安定的に保持される。
【0016】
更に、種結晶1の好ましい態様としては、
図1(c)に示すように、角型種結晶本体2は、各隅部の曲面部3間に平面部5を有しており、平面部5が占める横断面方向の幅寸法をw1、曲面部3が占める横断面方向の幅寸法をw2(本例では平面部5の両側に位置する両方の曲面部3の合算値を意味する)とすると、w1>w2の関係を満たす態様が挙げられる。本例は、各隅部に横断面円弧状の曲面部3を形成するに当たり、横断面積を大きく確保する上で有効な態様であり、角型種結晶本体2の各面について平面部5の方が曲面部3よりも多く占有するようにしたものである。
また、種結晶1の別の好ましい態様としては、角型種結晶本体2は、各隅部に形成された曲面部3のうち対角方向を結ぶ対角線長を10mm以下にしたときに、交差する対角線長の差分が0.2mm以内である態様が挙げられる。本例は、各隅部に横断面円弧状の曲面部3を形成するに当たり、線対称性を維持しながら、横断面積を大きく確保する上で有効な態様である。
【0017】
また、種結晶の製造方法としては、
図1(a)及び
図2(a)に示すように、引上げ軸15の先端に
設けられた種結晶保持具10に保持され、耐熱容器内に溶融する単結晶材料に接触させ、引上げ軸15を徐々に引き上げることで単結晶を育成する元となる種結晶1を製造するに際し、略円柱状の塊状結晶16を切り出すことで横断面略矩形状の棒状体からなる角型種結晶本体2を形成する基本形状形成工程と、基本形状形成工程にて形成された角型種結晶本体2のうち、少なくとも
種結晶保持具10の円筒状受部11に保持可能な領域に対応する各隅部を横断面円弧状に研削する隅部研削工程と、を備えた態様が挙げられる。ここでいう隅部研削工程としては、隅部を横断面円弧状に研削するものであれば広く含む。
【0018】
次に、この種の種結晶1の製造方法の代表的態様又は好ましい態様について説明する。
先ず、種結晶1の製造方法の代表的態様としては、隅部研削工程は、
図2(b)に示すように、円筒形状の器具本体7の内面に研磨砥粒層8が設けられた研削器具6を用い、角型種結晶本体2に対応する各隅部を円弧状に研削する態様が挙げられる。本例は、種結晶研削用に改善した研削器具6を用いたものであり、本例では、研削器具6は、
図2(c)に示すように、研磨砥粒層8の内面を研磨面8aとして角型種結晶本体2の各隅部を円弧状の曲面部3として研削する。
また、研削器具6の代表的な使用態様としては、角型種結晶本体2の横断面中心軸を中心として研削器具6を相対的に回転させる態様が挙げられる。本例は、研削器具6を使用するに当たって、角型種結晶本体2と研削器具6とを相対回転させる態様である。このため、本例では、角型種結晶本体2及び研削器具6の少なくとも一方を回転させる態様を広く含むが、特に、研削器具6の好ましい使用態様としては、角型種結晶本体2を固定台に固定し、角型種結晶本体2の横断面中心軸を中心として研削器具6を回転させる態様が挙げられる。
更に、研削器具6の別の好ましい使用態様としては、角型種結晶本体2及び研削器具6の少なくともいずれか一方を角型種結晶本体2の中心軸方向に沿って進退させ、角型種結晶本体2の各隅部のうち必要な領域を研削する態様が挙げられる。
【0019】
このような種結晶1の製造方法で用いられる種結晶製造用の研削器具6の好ましい態様としては、引上げ軸15の先端に
設けられた種結晶保持具10に保持され、耐熱容器内に溶融する単結晶材料に接触させ、引上げ軸15を回転させながら徐々に引き上げることで単結晶を育成する元になる種結晶1を製造するに際し、種結晶1は、単結晶の結晶方位面と同じ方位面を持つ結晶からなり、横断面略矩形状の棒状体からなる角型種結晶本体2と、角型種結晶本体2のうち、少なくとも
種結晶保持具10の円筒状受部11
に保持可能な領域に対応する各隅部を、円筒状受部11に接触する横断面円弧状に形成した曲面部3と、を備え、角型種結晶本体2のうち、少なくとも
種結晶保持具10の円筒状受部11に保持可能な領域に対応する各隅部を横断面円弧状に研削する隅部研削工程を実施するときに用いられる研削器具6であって、
図2(a)~(c)に示すように、曲面部3の形成前の角型種結晶本体2が挿入される円筒形状の器具本体7と、器具本体7の内面に設けられる研磨砥粒層8と、角型種結晶本体2の中心軸を中心として器具本体7を回転駆動する回転駆動手段17と、器具本体7を角型種結晶本体2の中心軸方向に沿って進退させる進退手段18と、を備えた態様が挙げられる。
【0020】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
図3(a)は実施の形態1に係る単結晶育成装置の全体構成を示す。
-単結晶育成装置の全体構成-
同図において、単結晶育成装置20は、その外側が保温材21により覆われ内部に単結晶用原料22が投入される耐熱容器としての坩堝23と、保温材21の外側に配置され且つ図示外の高周波電源に接続されると共に坩堝23を高周波誘導加熱する高周波加熱コイル25と、坩堝23の上方側に回転可能で且つ昇降可能に設けられる引上げ軸15と、引上げ軸15の先端部に取り付けられた種結晶1とで主要部が構成されている。
本例に係る単結晶育成装置20では、坩堝23内に単結晶用原料22を投入して充填した後、高周波加熱コイル25に通電して坩堝23を加熱し、坩堝23内の単結晶用原料22を加熱して融解させ、かつ、引上げ軸15を降下させて融解した原料融液の中心部に種結晶1を接触させ、更に、高周波加熱コイル25に通電する高周波電力を調整して原料融液を徐々に固化させると共に、引上げ軸15を回転させながら上昇させるという操作を連続的に行う。これにより、種結晶1の結晶方位面と同じ方位面をもつ結晶が析出し、一本の円柱棒形状のエピタキシャル単結晶26が育成される。
ここでいう単結晶26には、タンタル酸リチウム(LiTaO:以下「LT」と略記する)、ニオブ酸リチウム(LiNbO:以下「LN」と略記する)等が代表的であるが、これに限られるものではなく、広く含まれる。
【0021】
-種結晶及び種結晶保持具-
本例では、種結晶1は、
図3(b)に示すように、種結晶保持具10を介して引上げ軸15の先端部に取り付けられている。
<種結晶>
本例において、種結晶1は、育成する単結晶26と同じ結晶方位面を持つものであればよく、例えばLT(又はLN)の単結晶についてはLT(又はLN)を選定すればよい。
また、種結晶1の形状としては横断面円形状、横断面略矩形状(正方形状、長方形状)など各種形状のものがあるが、本例では横断面略矩形状のものが採用されている。
より具体的には、本例の種結晶1は、
図3(b)及び
図4(a)に示すように、横断面略矩形状(本例では正方形状)の棒状体(長さ寸法h)からなる角型種結晶本体2を有している。この角型種結晶本体2は、種結晶保持具10側に形成されて種結晶保持具10に保持可能な被保持部2aと、種結晶保持具10から突出するように形成される突出部2bを有し、被保持部2aの周囲を取り囲む四側面のうち相対向する二側面間を貫通する貫通孔4を開設したものである。
【0022】
本例において、角型種結晶本体2は、
図4(a)に示すように、長さ寸法h1の被保持部2aと、長さ寸法h2の突出部2bとを含む棒状体からなっている。ここで、h1は角型種結晶本体2が種結晶保持具10に安定的に保持される上で充分な長さ寸法を踏まえて選定され、また、h2は原料融液に接触し且つ育成する単結晶26を引き上げる上で充分な長さ寸法を踏まえて適宜選定される。本例では、角型種結晶本体2の長さ寸法hの約1/4~1/3程度をh1とし、残りをh2とするように選定したものが示されている。
更に、被保持部2aと突出部2bとは同じ横断面形状であってもよいが、本例では、異なる横断面形状を備えている。
具体的には、突出部2bは、
図4(a)(b)に示すように、横断面形状一辺が長さ寸法w0の正方形形状であり、被保持部2aは、
図4(a)(c)に示すように、突出部2bの横断面形状の各隅部を横断面円弧状の曲面部3として形成したものである。そして、本例では、被保持部2aの一側面は曲面部3間に平面部5を有しており、平面部5が占める横断面方向の幅寸法をw1、曲面部3が占める横断面方向の幅寸法をw2とすると、w1>w2の関係を満たすように選定されている。更に、被保持部2aの各隅部に形成された曲面部3のうち対角方向を結ぶ対角線長d1、d2は略等しくなるように形成されている。具体的には、d1、d2を10mm以下の目標値で選定したときにその差分Δd(本例では|d1-d2|に相当)は2mm以下になるように形成されている。
尚、本例では、被保持部2aと突出部2bとは異なる横断面形状を有しているが、例えば突出部2bのうち被保持部2aに隣接した領域、あるいは、突出部2bの全域を被保持部2aと同じ横断面形状にしてもよい。
【0023】
<種結晶保持具>
本例において、種結晶保持具10は、
図3(a)(b)に示すように、耐熱性や強度の面からイリジウム(Ir)、白金(Pt)等の貴金属製又はセラミックス製のものを使用し、引上げ軸15に図示外の軸継手を介して連結される棒状体からなり、その先端側には種結晶1の被保持部2aが挿入可能な円筒状受部11を有し、この円筒状受部11の周壁のうち種結晶1の被保持部2aに形成された貫通孔4に連通する挿通孔12を形成したものである。ここで、
図4(c)に示すように、円筒状受部11の内径をdとすると、内径dは種結晶1の被保持部2aの対角線長d1、d2よりも僅かに大きくなるように選定されている。
<種結晶の保持構造>
そして、種結晶保持具10に種結晶1を保持する場合には、
図3(b)に示すように、円筒状受部11に被保持部2aを挿入し、円筒状受部11の挿通孔12と被保持部2aの貫通孔4とを位置合せした後、固定ピン13を挿通させて抜け止めすることで両者を固定するようにすればよい。
このとき、種結晶1の被保持部2aにおける各隅部は横断面円筒状の曲面部3として形成され、種結晶保持具10の円筒状受部11の内面に沿って接触配置される。このため、種結晶1の被保持部2aが種結晶保持具10の円筒状受部11内で不必要に擦れて壊れるという懸念はない。
尚、本例では、種結晶保持具10は、引上げ軸15と別体のものが用いられているが、引上げ軸15の先端部に予め一体的に設けるようにしてもよい。また、種結晶保持具10に対する種結晶1の保持構造についても、固定ピン13を用いる手法に限定されるものではなく、円筒状受部11に対して回り止めした状態で種結晶1の被保持部2aを保持するものであれば適宜選定して差し支えない。
【0024】
-種結晶の製造方法-
次に、本実施の形態における種結晶の製造方法について説明する。
本例では、種結晶1は、基本形状形成工程(
図5(a)参照)と、隅部研削工程(
図5(b)(c)参照)とを経て製造される。
<基本形状形成工程>
先ず、基本形状形成工程は、
図5(a)に示すように、略円柱状の塊状結晶16をワイヤやブレードで切り出すことで横断面略矩形状の棒状体からなる角型種結晶本体2を形成する工程である。このとき、略円柱状の塊状結晶16(例えば単結晶育成装置20で育成された単結晶26を使用)からできるだけ多くの種結晶1を取得するには、塊状結晶16を結晶育成軸と平行に略矩形状(本例では正方形状)に切り出すことが最も効率がよく、本例では、横断面形状が正方形状の角型種結晶本体2が切り出される。
【0025】
<隅部研削工程>
次いで、隅部研削工程は、基本形状形成工程にて形成された角型種結晶本体2のうち、引上げ軸15の先端に設けられた種結晶保持具10の円筒状受部11に保持可能な領域に対応する各隅部を横断面円弧状に研削して被保持部2aを形成する工程である。
本例では、隅部研削工程は、
図5(b)(c)に示すように、固定ホルダ30に角型種結晶本体2を鉛直方向に沿う立ち姿勢状態で固定し、鉛直方向に延びる回転軸を中心に回転可能な研削器具6を用い、固定された角型種結晶本体2の被保持部2aの各隅部を横断面円弧状に研削するようにしたものである。
本例において、固定ホルダ30は、例えば固定台31に角型種結晶本体2の一端側端部が嵌合可能な凹所32を有し、この凹所32に角型種結晶本体2の一端側端部を嵌合させ、凹所32の周囲に設けられた開閉可能なホルダアーム33で角型種結晶本体2を立ち姿勢状態で抱き込み固定するものである。
【0026】
また、研削器具6は、固定ホルダ30側が開口する有底の円筒状の器具本体7を有し、器具本体7の円筒状内周面には研磨砥粒層8を付着形成したものである。ここで、研削器具6の内径d0は目的とする種結晶1の太さに合わせて選定するようにすればよい。また、研磨砥粒層8で使用される研磨砥粒の材質に制限はなく、加工を実施しようとする種結晶1を容易に研削可能な材質が好ましい。更に、器具本体7のうち研磨砥粒層8が形成される領域の長さ寸法mは角型種結晶本体2の被保持部2aの形成領域に対応して選定するようにすればよい。
【0027】
更に、研削器具6は、器具本体7を回転駆動手段17としての駆動モータ40に接続し、鉛直方向に沿う回転軸を中心に器具本体7を回転させる。
更にまた、駆動モータ40は鉛直方向に進退する進退手段18としての昇降機構50に搭載されている。本例において、昇降機構50は例えば昇降レール51に沿って昇降する昇降アーム52を有し、この昇降アーム52に駆動モータ40を固定的に設置したものである。尚、昇降アーム52についてはレバー操作に連動して昇降動作させるようにしてもよいし、昇降アーム52を昇降させる昇降モータ(図示せず)を回転制御することで昇降動作させるようにしてもよい。
【0028】
本例においては、加工対象となる角型種結晶本体2は、昇降機構50の昇降方向(本例では鉛直方向に相当)に沿って固定され、角型種結晶本体2の軸方向中心が研削器具6の回転中心軸と一致するように配置される。
この状態において、研削器具6は、駆動モータ40によって回転駆動され、昇降機構50により、初期位置から固定された角型種結晶本体2側に降下され、角型種結晶本体2の上部に押し当てられる。この結果、角型種結晶本体2の被保持部2aに対応した領域(本例では図中mの領域)の各隅部が研削器具6の研磨砥粒層8によって横断面円弧状に研削され、角型種結晶本体2に被保持部2aが形成される。
被保持部2aの加工が終了すると、研削器具6は、角型種結晶本体2から離れるように上昇して初期位置に戻り、駆動モータ40による回転が停止される。
【0029】
本実施の形態では、昇降機構50は昇降レール51に沿って昇降する昇降アーム52を用いた態様であるが、これに限られるものではなく、図示外の昇降ベルトやカム機構を利用して昇降アーム52を昇降させる等適宜選定して差し支えない。また、本例では、研削器具6を回転駆動させ、かつ、昇降機構50にて昇降させる態様が開示されているが、これに限られるものではなく、研削器具6を所定位置で回転駆動させ、角型種結晶本体2を昇降機構50にて昇降させるようにする、あるいは、研削器具6を所定位置に固定配置し、角型種結晶本体2を回転駆動させながら昇降機構にて昇降させるようにする等適宜選定して差し支えない。
【実施例】
【0030】
◎実施例1
8mm角に切断した長さ70mmのタンタル酸リチウムの角型種結晶本体2を、内径φ9.5mmのダイヤモンド砥粒を電着した研削器具6を用いて研削し、各隅部を円弧状の曲面部3に形成した。駆動モータ40としてのスピンドルモータの回転速度は1500rpmとし、狙いの寸法は加工後の種結晶1の横断面対角線上の長さにおいて10mm以下とした。
◎比較例1
図6(c)に示すように、固定式研磨器100として例えば粗さ♯600のやすり102を貼り付け円板状工具101を上向きに配置し、回転数を500rpmで高速回転させ、実施例1と同じサイズのタンタル酸リチウムの角型種結晶本体2の各隅部を研削した。
【0031】
実施例1において、5本の角型種結晶本体2の被保持部2aについて各隅部を研削し、
図6(a)に示すように、加工後の種結晶1の被保持部2aにおける横断面形状の対角線長A,Bを測定したところ、以下の表1のような結果が得られた。
表1によれば、対角線長A,Bのばらつきは非常に小さかった。また、加工時間は1本あたり10秒程度であった。ここで、種結晶1の被保持部2aの対角線長A,Bのばらつきが小さいと、種結晶保持具10の円筒状受部11に対して種結晶1の被保持部2aを保持させたときに、種結晶1ががたつき難く、壊れ難いという利点がある。
【0032】
【0033】
これに対し、比較例1において、5本の角型種結晶本体2の被保持部2aについて各隅部を研削し、加工後の種結晶1の被保持部2aにおける横断面形状の対角線長A’,B’を測定したところ、以下の表2のような結果が得られた。
表2によれば、対角線長A’,B’のばらつきが大きかった。加工時間は1本あたり60秒程度であった。ここで、種結晶1の被保持部2aの対角線長A’,B’のばらつきが大きいと、種結晶保持具10の円筒状受部11に対して種結晶1の被保持部2aを保持させたときに、種結晶1ががたつき易くなることから、擦れて壊れ易いという懸念がある。
【0034】
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係る種結晶によれば、角型種結晶の被保持部における各隅部の構造を横断面円弧状にすることで、種結晶保持具の円筒状受部に対して横断面積の大きい角型種結晶を壊れにくい状態で保持することができる。また、角型種結晶を製造するに当たって、角型種結晶本体の少なくとも被保持部の各隅部を円弧状に研削する隅部研削工程を付加するだけで済むため、角型種結晶の隅部加工を例えば研削器具を利用して短時間で簡単に実現することが可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 種結晶
2 角型種結晶本体
2a 被保持部
2b 突出部
3 曲面部
4 貫通孔
5 平面部
6 研削器具
7 器具本体
8 研磨砥粒層
8a 研磨面
10 種結晶保持具
11 円筒状受部
12 挿通孔
13 固定ピン
15 引上げ軸
16 塊状結晶
17 回転駆動手段
18 進退手段
20 単結晶育成装置
21 保温材
22 単結晶用原料
23 坩堝
25 高周波加熱コイル
26 単結晶
30 固定ホルダ
31 固定台
32 凹所
33 ホルダアーム
40 駆動モータ
50 昇降機構
51 昇降レール
52 昇降アーム
100 固定式研磨器
101 円板状工具
102 やすり
w0 角型種結晶本体の横断面形状一辺の長さ寸法
w1 角型種結晶本体の横断面形状一辺のうち平面部が占める横断面方向の幅寸法
w2 角型種結晶本体の横断面形状における一辺のうち曲面部が占める横断面方向の幅寸法
d 円筒状受部の内径
d0 研削器具の内径
d1 対角線長
d2 対角線長
h 角型種結晶本体の長さ寸法
h1 被保持部の長さ寸法
h2 被保持部以外の長さ寸法
m 研磨砥粒層が形成される領域の長さ寸法
A 対角線長
B 対角線長
A’ 対角線長
B’ 対角線長