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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】画像形成装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20241001BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
H04N1/00 350
H04M11/00 302
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020175620
(22)【出願日】2020-10-19
(65)【公開番号】P2022066983
(43)【公開日】2022-05-02
【審査請求日】2023-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 徹
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-129727(JP,A)
【文献】特開2012-070342(JP,A)
【文献】特開2013-110574(JP,A)
【文献】特開2012-023604(JP,A)
【文献】特開2018-025930(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
宛先情報を保持した複数のアドレス帳を利用する画像形成装置であって、
前記アドレス帳から1つ以上の宛先情報を選択して利用する送信アプリ手段と、
第1の前記アドレス帳を管理し、リモートからの更新処理を受け付ける本体アドレス帳管理手段と、
前記本体アドレス帳管理手段から第1の前記アドレス帳の変更の通知を受信した場合、前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報に、前記変更の通知を受信した第1の前記アドレス帳から選択した前記宛先情報が含まれていれば、前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報をリセットするように制御する全アドレス帳管理手段と、
を有し、
前記本体アドレス帳管理手段は、前記更新処理を受け付けた場合、第1の前記アドレス帳のアドレス帳種別と前記宛先情報の変更種別とを含む第1の前記アドレス帳の変更の通知を、前記全アドレス帳管理手段に送信すること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
宛先情報を保持した複数のアドレス帳を利用する画像形成装置であって、
前記アドレス帳から1つ以上の宛先情報を選択して利用する送信アプリ手段と、
第2の前記アドレス帳を管理し、リモートからの更新処理を受け付ける外部アドレス帳管理装置から、第2の前記アドレス帳のアドレス帳種別と前記宛先情報の変更種別とを含む第2の前記アドレス帳の変更の通知を受信した場合、前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報に、前記変更の通知を受信した第2の前記アドレス帳から選択した前記宛先情報が含まれていれば、前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報をリセットするように制御する全アドレス帳管理手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項3】
宛先情報を保持した複数のアドレス帳を利用する画像形成装置であって、
前記アドレス帳から1つ以上の宛先情報を選択して利用する送信アプリ手段と、
第1の前記アドレス帳を管理し、リモートからの更新処理を受け付ける本体アドレス帳管理手段と、
前記本体アドレス帳管理手段から第1の前記アドレス帳の変更の通知を受信した場合、前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報に、前記変更の通知を受信した第1の前記アドレス帳から選択した前記宛先情報が含まれていれば、前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報をリセットするように制御する全アドレス帳管理手段と、
を有し、
前記アドレス帳の変更の通知には、前記宛先情報の変更種別として、前記宛先情報の追加、更新、又は削除が示されており、
前記本体アドレス帳管理手段は、前記更新処理を受け付けた場合、第1の前記アドレス帳のアドレス帳種別と前記宛先情報の変更種別とを含む第1の前記アドレス帳の変更の通知を、前記全アドレス帳管理手段に送信すること、
を特徴とし、
前記全アドレス帳管理手段は、前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報に、前記変更の通知を受信した第1の前記アドレス帳から選択した前記宛先情報が含まれており、且つ前記宛先情報の変更種別として、前記更新及び削除の少なくとも一方が含まれていれば、前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報をリセットするように制御することと、
前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報に、前記変更の通知を受信した前記アドレス帳から選択した前記宛先情報が含まれていても、前記宛先情報の変更種別として、前記更新及び削除が含まれていなければ、前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報をリセットしないように制御することと、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
宛先情報を保持した複数のアドレス帳を利用する画像形成装置であって、
前記アドレス帳から1つ以上の宛先情報を選択して利用する送信アプリ手段と、
第2の前記アドレス帳を管理し、リモートからの更新処理を受け付ける外部アドレス帳管理装置から、第2の前記アドレス帳のアドレス帳種別と前記宛先情報の変更種別とを含む第2の前記アドレス帳の変更の通知を受信した場合、前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報に、前記変更の通知を受信した第2の前記アドレス帳から選択した前記宛先情報が含まれていれば、前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報をリセットするように制御する全アドレス帳管理手段と、
を有し、
前記アドレス帳の変更の通知には、前記宛先情報の変更種別として、前記宛先情報の追加、更新、又は削除が示されており、
前記全アドレス帳管理手段は、前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報に、前記変更の通知を受信した第1の前記アドレス帳から選択した前記宛先情報が含まれており、且つ前記宛先情報の変更種別として、前記更新及び削除の少なくとも一方が含まれていれば、前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報をリセットするように制御することと、
前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報に、前記変更の通知を受信した前記アドレス帳から選択した前記宛先情報が含まれていても、前記宛先情報の変更種別として、前記更新及び削除が含まれていなければ、前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報をリセットしないように制御することと、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
宛先情報を保持した複数のアドレス帳を利用する画像形成装置を、
前記アドレス帳から1つ以上の宛先情報を選択して利用する送信アプリ手段、
第1の前記アドレス帳を管理し、リモートからの更新処理を受け付ける本体アドレス帳管理手段、
前記本体アドレス帳管理手段から第1の前記アドレス帳の変更の通知を受信した場合、前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報に、前記変更の通知を受信した第1の前記アドレス帳から選択した前記宛先情報が含まれていれば、前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報をリセットするように制御する全アドレス帳管理手段、
として機能させ
前記本体アドレス帳管理手段は、前記更新処理を受け付けた場合、第1の前記アドレス帳のアドレス帳種別と前記宛先情報の変更種別とを含む第1の前記アドレス帳の変更の通知を、前記全アドレス帳管理手段に送信すること
を特徴とするプログラム。
【請求項6】
宛先情報を保持した複数のアドレス帳を利用する画像形成装置を、
前記アドレス帳から1つ以上の宛先情報を選択して利用する送信アプリ手段、
第1の前記アドレス帳を管理し、リモートからの更新処理を受け付ける本体アドレス帳管理手段、
前記本体アドレス帳管理手段から第1の前記アドレス帳の変更の通知を受信した場合、前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報に、前記変更の通知を受信した第1の前記アドレス帳から選択した前記宛先情報が含まれていれば、前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報をリセットするように制御する全アドレス帳管理手段、
として機能させ、
前記アドレス帳の変更の通知には、前記宛先情報の変更種別として、前記宛先情報の追加、更新、又は削除が示されており、
前記本体アドレス帳管理手段は、前記更新処理を受け付けた場合、第1の前記アドレス帳のアドレス帳種別と前記宛先情報の変更種別とを含む第1の前記アドレス帳の変更の通知を、前記全アドレス帳管理手段に送信すること、
を特徴とし、
前記全アドレス帳管理手段は、前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報に、前記変更の通知を受信した第1の前記アドレス帳から選択した前記宛先情報が含まれており、且つ前記宛先情報の変更種別として、前記更新及び削除の少なくとも一方が含まれていれば、前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報をリセットするように制御することと、
前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報に、前記変更の通知を受信した前記アドレス帳から選択した前記宛先情報が含まれていても、前記宛先情報の変更種別として、前記更新及び削除が含まれていなければ、前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報をリセットしないように制御することと、
を特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば装置に登録される宛先情報の数が増大しており、多数の宛先情報を装置内で管理するには大容量のメモリが必要である。外部の装置において宛先情報を管理させ、必要に応じて外部の装置から宛先情報を取得して使用する装置は従来から知られていた(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば送信処理の宛先として用いる宛先情報をアドレス帳として管理し、ユーザがFAX送信などの送信処理を指示する際に、アドレス帳から宛先情報を選択させる画像形成装置がある。例えば画像形成装置は、画像形成装置の内部で管理される本体アドレス帳及び画像形成装置の外部で管理される外部アドレス帳を使用する。また、本体アドレス帳及び外部アドレス帳は、管理する宛先情報がユーザ等により変更される場合があった。
【0004】
そこで、従来の画像形成装置は、本体アドレス帳又は外部アドレス帳が管理する宛先情報がユーザ等により変更されると、誤送信防止の目的で、アドレス帳から選択中の宛先情報をリセットしていた。しかしながら、複数のアドレス帳から宛先情報を選択させる画像形成装置では、宛先情報を選択中でないアドレス帳の変更であっても、選択中の宛先情報がリセットされるという問題があった。なお、特許文献1は、前記の問題について解決するものではない。
【0005】
本発明の一実施形態は、選択中の宛先情報の不必要なリセットを防止する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を達成するため、本発明の一実施形態は、宛先情報を保持した複数のアドレス帳を利用する画像形成装置であって、前記アドレス帳から1つ以上の宛先情報を選択して利用する送信アプリ手段と、第1の前記アドレス帳を管理し、リモートからの更新処理を受け付ける本体アドレス帳管理手段と、前記本体アドレス帳管理手段から第1の前記アドレス帳の変更の通知を受信した場合、前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報に、前記変更の通知を受信した第1の前記アドレス帳から選択した前記宛先情報が含まれていれば、前記送信アプリ手段が選択中の前記宛先情報をリセットするように制御する全アドレス帳管理手段と、を有し、前記本体アドレス帳管理手段は、前記更新処理を受け付けた場合、第1の前記アドレス帳のアドレス帳種別と前記宛先情報の変更種別とを含む第1の前記アドレス帳の変更の通知を、前記全アドレス帳管理手段に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、選択中の宛先情報の不必要なリセットを防止する画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
図2】本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
図3】本実施形態に係るMFPの一例のハードウェア構成図である。
図4】本実施形態に係る情報処理システムの一例の機能構成図である。
図5】本実施形態に係る本体アドレス帳データ管理テーブル及び外部アドレス帳データ管理テーブルの一例の構成図である。
図6】本実施形態に係る選択済み宛先管理テーブルの一例の構成図である。
図7】本実施形態に係る選択済み宛先管理テーブルを更新する処理の一例のシーケンス図である。
図8】本実施形態に係る本体アドレス帳データの変更イベントが通知された場合の処理の一例のシーケンス図である。
図9】本実施形態に係る外部アドレス帳データの変更イベントが通知された場合の処理の一例のシーケンス図である。
図10】本実施形態に係るリセット要否判断の処理の一例のフローチャートである。
図11】本実施形態に係るリセット要否判断の処理の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0010】
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。図1に示す情報処理システム1は、外部アドレス帳管理装置10、ユーザ端末12、及び画像形成装置14を有する。外部アドレス帳管理装置10、ユーザ端末12、及び画像形成装置14はネットワーク18を介して通信を行う。ネットワーク18は、電話網、インターネット、LAN(Local Area Network)等である。
【0011】
外部アドレス帳管理装置10は、一台以上の情報処理装置により実現される。外部アドレス帳管理装置10はクラウドを利用して実現するようにしてもよい。外部アドレス帳管理装置10は外部アドレス帳を管理する。外部アドレス帳は、画像形成装置14の外部で管理されるアドレス帳の一例である。外部アドレス帳は、送信処理の宛先として用いる宛先情報を保持する。また、外部アドレス帳管理装置10は、リモートからの外部アドレス帳の変更要求を受け付け、外部アドレス帳を変更する。
【0012】
画像形成装置14は、アドレス帳から1つ以上の宛先情報を選択し、FAX送信などの宛先情報を用いて送信処理を行う電子機器の一例である。画像形成装置14は、例えばFAX機器、スキャナ機器、及びMFP(Multifunction Peripheral/Product/Printer)などである。画像形成装置14は本体アドレス帳を管理する。本体アドレス帳は、画像形成装置14の内部で管理されるアドレス帳の一例である。本体アドレス帳は、送信処理の宛先として用いる宛先情報を保持する。また、画像形成装置14は、リモートからの本体アドレス帳の変更要求を受け付け、本体アドレス帳を変更する。画像形成装置14は、本体アドレス帳及び外部アドレス帳から選択した宛先情報を用いて、FAX送信などの送信処理を行う。
【0013】
なお、画像形成装置14は本体アドレス帳及び外部アドレス帳の少なくとも一方からアドレス帳の変更の通知を受信すると、後述のように選択中の宛先情報のリセット要否を判断する。選択中の宛先情報のリセットが必要と判断すると、画像形成装置14は選択中の宛先情報のリセット処理を行う。選択中の宛先情報のリセットが不要と判断すると、画像形成装置14は選択中の宛先情報のリセット処理を行わない。
【0014】
ユーザ端末12は、ユーザからの本体アドレス帳又は外部アドレス帳の変更操作を受け付ける。ユーザ端末12は、ユーザから受け付けた本体アドレス帳又は外部アドレス帳の変更操作に基づき、本体アドレス帳又は外部アドレス帳の変更要求を行う。なお、画像形成装置14は、操作パネルからユーザによる本体アドレス帳の変更操作を受け付けるようにしてもよい。
【0015】
ユーザ端末12は例えばPC(Personal Computer)である。ユーザ端末12は携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)等であってもよい。
【0016】
図1に示す情報処理システム1の構成は一例である。例えば画像形成装置14の機能の少なくとも一部は、画像形成装置14以外のサーバなどの装置で実現する構成であってもよい。また、情報処理システム1は複数台の外部アドレス帳管理装置10を有し、後述のアドレス帳種別により識別可能な複数の外部アドレス帳を扱うようにしてもよい。
【0017】
<ハードウェア構成>
《コンピュータ》
図1に示した外部アドレス帳管理装置10は、例えば図2に示すようなハードウェア構成のコンピュータ500により実現される。また、図1に示したユーザ端末12は例えば図2に示すようなハードウェア構成のコンピュータ500により実現してもよい。図2は本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【0018】
コンピュータ500は、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、データバス510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0019】
これらのうち、CPU501は、プログラムに従ってコンピュータ500全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0020】
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウインドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ等である。ネットワークI/F509はネットワーク18を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。データバス510は、CPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0021】
キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0022】
《MFP》
図1に示した画像形成装置14は、例えば図3に示すようなハードウェア構成のMFP900により実現される。図3は本実施形態に係るMFPの一例のハードウェア構成図である。
【0023】
図3のMFP900は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、記憶部であるHD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0024】
CPU901は、MFP900の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジである。また、NB903は、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0025】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902aと、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとを有する。RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0026】
SB904はNB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908、及びMEM-C907を、それぞれ接続するブリッジの役割を有する。
【0027】
ASIC906は、PCIターゲット及びAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットを有する。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインタフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインタフェースを接続するようにしてもよい。
【0028】
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0029】
また、近距離通信回路920には、近距離通信回路920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。
【0030】
更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931及びプリンタ部932によって構成されている。また、操作パネル940は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル940bを備えている。
【0031】
コントローラ910は、MFP900全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931又はプリンタ部932には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
【0032】
なお、MFP900は、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、及びファクス機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時には、ドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクス機能の選択時にはファクスモードとなる。
【0033】
また、ネットワークI/F950は、ネットワーク18を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0034】
なお、MFP900はICカードによる認証を利用する場合、ICカードリーダが内蔵又は外付けされる。MFP900はICカードに埋め込まれたRFタグからICカードに固有の識別情報を無線通信で読み取る。ICカードはスマートフォンなどのスマートデバイスが内蔵するものでもよい。また、MFP900はICカードリーダ以外を利用してもよく、生体認証装置(指紋、掌紋、虹彩、顔など)やバーコード読み取り装置等を利用してもよい。
【0035】
<機能構成>
本実施形態に係る情報処理システム1は例えば図4に示すような機能構成により実現される。図4は本実施形態に係る情報処理システムの一例の機能構成図である。図4の機能構成は、本実施形態の説明に不要な構成について適宜省略している。
【0036】
図4の外部アドレス帳管理装置10は、記憶部20、外部アドレス帳管理部22、及びデータ送受信部24を有する。記憶部20は外部アドレス帳を記憶する。記憶部20は例えば図2に示したCPU501からの命令、HDDコントローラ505、及びHD504等により実現される。
【0037】
外部アドレス帳管理部22は外部アドレス帳に保持する宛先情報を管理する。外部アドレス帳管理部22は例えば図2に示したCPU501がRAM503をワークエリアとしてプログラムに従った処理を実行することによって実現される。
【0038】
データ送受信部24はネットワーク18を介してユーザ端末12及び画像形成装置14と外部アドレス帳に保持する宛先情報を送受信する。データ送受信部24は例えば図2に示したCPU501からの命令、及びネットワークI/F509等により実現される。
【0039】
図4のユーザ端末12は、アドレス帳変更操作受付部30及びアドレス帳変更要求部32を有する。アドレス帳変更操作受付部30は外部アドレス帳又は本体アドレス帳に対する変更操作をユーザから受け付ける。アドレス帳変更操作受付部30は例えば図2に示したCPU501からの命令、ディスプレイ506、キーボード511、及びポインティングデバイス512等により実現される。
【0040】
アドレス帳変更要求部32は受け付けた外部アドレス帳又は本体アドレス帳に対する変更要求を外部アドレス帳管理装置10又は画像形成装置14に対して行う。アドレス帳変更要求部32は例えば図2に示したCPU501からの命令、及びネットワークI/F509等により実現される。
【0041】
また、図4の画像形成装置14は送信アプリ部40、記憶部42、全アドレス帳管理部44、操作部46、データ送受信部48、及び本体アドレス帳管理部50を有する。送信アプリ部40は、スキャナ又はファクスなどの送信機能に対応したアプリケーションプログラムの処理を行う。送信アプリ部40は、例えば図3に示したCPU901がRAM902bをワークエリアとしてプログラムに従った処理を実行することで実現される。
【0042】
記憶部42は本体アドレス帳、及び選択済み宛先情報を記憶する。また、記憶部42はジョブ実行のためのデータ、又は機器情報等を記憶する。記憶部42は例えば図3に示したCPU901からの命令、HDDコントローラ908、及びHD909等により実現される。
【0043】
全アドレス帳管理部44は本体アドレス帳、外部アドレス帳、及び選択済み宛先情報を管理する。全アドレス帳管理部44は、アドレス帳の変更の通知(アドレス帳変更イベント通知)を受け付け、選択済み宛先情報のリセット要否判断を行う。全アドレス帳管理部44は、例えば図3に示したCPU901がRAM902bをワークエリアとしてプログラムに従った処理を実行することで実現される。
【0044】
操作部46は、画像形成装置14に対するユーザからの操作を受け付け、及び画像形成装置14の処理状態を表示する。例えば操作部46はユーザが外部アドレス帳又は本体アドレス帳から宛先情報を選択する操作を受け付ける。操作部46は例えば図3に示したCPU901からの命令、操作パネル940等により実現される。
【0045】
データ送受信部48はネットワーク18を介して外部アドレス帳管理装置10と外部アドレス帳に保持する宛先情報を送受信する。また、データ送受信部48はネットワーク18を介してユーザ端末12と本体アドレス帳に保持する宛先情報を送受信する。データ送受信部48は例えば図3に示したCPU901からの命令、及びネットワークI/F950等により実現される。
【0046】
本体アドレス帳管理部50は本体アドレス帳に保持する宛先情報を管理する。本体アドレス帳管理部50は、例えば図3に示したCPU901がRAM902bをワークエリアとしてプログラムに従った処理を実行することで実現される。
【0047】
本実施形態では、ユーザが画像形成装置14を操作して、本体アドレス帳又は外部アドレス帳に保持されている宛先情報から、送信アプリ部40が使用する宛先情報を、選択済み宛先情報として選択する。選択済み宛先情報は、短縮キーなどに設定されている情報であってもよいし、送信機能を使用する前に個別に設定される情報であってもよい。
【0048】
図5は本実施形態に係る本体アドレス帳データ管理テーブル及び外部アドレス帳データ管理テーブルの一例の構成図である。図5(a)は本体アドレス帳データ管理テーブルの一例である。図5(b)は外部アドレス帳データ管理テーブルの一例である。本体アドレス帳の宛先情報は図5(a)の本体アドレス帳データ管理テーブルに保持されている。外部アドレス帳の宛先情報は図5(b)の外部アドレス帳データ管理テーブルに保持されている。
【0049】
本体アドレス帳データ管理テーブル及び外部アドレス帳データ管理テーブルは、アドレス帳の宛先情報の項目の一例として、管理番号、名前、よみがな、電話番号、メールアドレス、及びファクス番号を有する。図5に示したアドレス帳データの宛先情報の項目は一例であって、図5に示した宛先情報の項目と一致していなくてもよい。例えばアドレス帳データの宛先情報に含まれるファクス番号は無くてもよい。また、本体アドレス帳データ管理テーブル及び外部アドレス帳データ管理テーブルの宛先情報の項目は一致していなくてもよい。例えば本実施形態に係る情報処理システム1は、宛先情報の項目にファクス番号がある本体アドレス帳データと、宛先情報の項目にファクス番号がない外部アドレス帳データと、を使用してもよい。
【0050】
図6は本実施形態に係る選択済み宛先管理テーブルの一例の構成図である。図6は選択済み宛先管理テーブルの一例である。選択済み宛先情報は、図6に示す選択済み宛先管理テーブルに保持されている。
【0051】
選択済み宛先管理テーブルは、選択済み宛先情報の項目の一例として、選択番号、管理場所、管理番号、名前、及び宛先を有する。ユーザは送信アプリ部40を利用し、送信する宛先の宛先情報を選択する。全アドレス帳管理部44はユーザにより選択された選択済み宛先情報を管理するために図6の選択済み宛先管理テーブルを利用する。
【0052】
選択番号はユーザが選択した宛先情報を特定する識別情報である。管理場所はユーザが選択した宛先情報が、どのアドレス帳で管理されているか、を示す情報である。例えば図6では選択番号「1」及び「4」の宛先情報が本体アドレス帳で管理されている。選択番号「2」及び「3」の宛先情報は「外部A」という外部アドレス帳で管理されている。
【0053】
管理番号は管理場所のアドレス帳で管理しているアドレス帳データ管理テーブルの管理番号である。図6の選択済み宛先管理テーブルにより、全アドレス帳管理部44は選択済み宛先情報が、どのアドレス帳(どのアドレス帳データ管理テーブル)で管理されているかを判断できる。
【0054】
<処理>
宛先情報の選択時に選択済み宛先管理テーブルを更新する処理は、例えば図7のシーケンス図に示す手順で実行される。図7は本実施形態に係る選択済み宛先管理テーブルを更新する処理の一例のシーケンス図である。
【0055】
ステップS10において、ユーザは操作部46に表示されている送信アプリ部40の宛先情報一覧から、送信したい宛先を選択する。送信アプリ部40は図5の本体アドレス帳及び外部アドレス帳の宛先情報を利用して、宛先情報一覧を表示する。
【0056】
ステップS12において、操作部46はステップS10の宛先選択のタッチキーイベントを送信アプリ部40に通知する。なお、ステップS12の通知は、ハードキーの操作であってもよい。
【0057】
ステップS14において、送信アプリ部40はタッチキーイベントの通知を受け、選択された宛先情報を識別し、全アドレス帳管理部44に対して選択済み宛先情報の追加を要求する。送信アプリ部40はステップS14の選択済み宛先情報の追加の要求においてアドレス帳種別と管理番号とを指定する。
【0058】
例えば本体アドレス帳の管理番号「1」に登録されている宛先情報を選択した場合はアドレス帳種別「本体」及び管理番号「1」を指定する。外部アドレス帳「外部A」の管理番号「3」に登録されている宛先情報を選択した場合はアドレス帳種別「外部A」及び管理番号「3」を指定する。
【0059】
ステップS16において、全アドレス帳管理部44は記憶部42から図6のような選択済み宛先管理テーブルを取得する。ステップS18において、全アドレス帳管理部44はステップS14で追加の要求があった選択済み宛先情報を選択済み宛先管理テーブルに追加する更新を行う。
【0060】
ステップS20において、全アドレス帳管理部44はステップS18で更新を行った選択済み宛先管理テーブルを記憶部42に保存(記憶)する。図7に示すように、選択済み宛先管理テーブルに保持されている選択済み宛先情報は、ユーザが操作部46に対する宛先の選択又は解除の操作を繰り返すことで、更新できる。なお、図7のシーケンス図では図6の選択済み宛先管理テーブルの項目「名前」及び「宛先」を全アドレス帳管理部44が取得する処理を省略しているが、例えば全アドレス帳管理部44が必要に応じて取得してもよいし、ステップS14で指定してもよい。
【0061】
図8は本実施形態に係る本体アドレス帳データの変更イベントが通知された場合の処理の一例のシーケンス図である。ステップS30において、本体アドレス帳管理部50は例えばリモートからの本体アドレス帳の変更要求を受け付け、例えば図5(a)の本体アドレス帳データ管理テーブルを変更する。本体アドレス帳管理部50は全アドレス帳管理部44に対してアドレス帳変更イベントを通知する。本体アドレス帳管理部50はステップS30のアドレス帳変更イベントにおいてアドレス帳種別と変更種別とを指定する。
【0062】
例えば本体アドレス帳データ管理テーブルに新規の宛先情報が追加された場合、本体アドレス帳管理部50はアドレス帳種別「本体」と変更種別「追加」とを指定する。本体アドレス帳データ管理テーブルに既に登録されている宛先情報が更新された場合、本体アドレス帳管理部50はアドレス帳種別「本体」と変更種別「更新」とを指定する。本体アドレス帳データ管理テーブルに既に登録されている宛先情報が削除された場合、本体アドレス帳管理部50はアドレス帳種別「本体」と変更種別「削除」とを指定する。
【0063】
ステップS32において、全アドレス帳管理部44は記憶部42から図6のような選択済み宛先管理テーブルを取得する。ステップS34において、全アドレス帳管理部44はステップS32で取得した選択済み宛先管理テーブルのリセット要否を判断するリセット要否判断を行う。なお、ステップS34のリセット要否判断の処理の詳細は図10及び図11を用いて後述する。
【0064】
ステップS34において、選択済み宛先管理テーブルのリセットが必要と判断された場合は、ステップS36~S42の処理を行う。ステップS36において、全アドレス帳管理部44は送信アプリ部40に対してリセットイベントを通知する。全アドレス帳管理部44はステップS36のリセットイベントにおいてリセット要因(宛先変更など)を指定する。
【0065】
ステップS38において、送信アプリ部40は選択中の宛先情報をリセットするために選択済み宛先管理テーブルのリセット処理を行う。また、ステップS40において送信アプリ部40は宛先変更により、選択中の宛先情報のリセットが発生したことをユーザに通知するためのリセット通知画面を構築する。ステップS42において、送信アプリ部40は操作部46に対して画面更新をすることで、リセット通知画面を表示させる。
【0066】
このように、図8のシーケンス図の処理によれば、本体アドレス帳の変更が生じた場合に選択済み宛先管理テーブルのリセット要否を判断し、選択中の宛先情報のリセットが必要と判断すると、選択中の宛先情報のリセット処理を行うことができる。
【0067】
図9は本実施形態に係る外部アドレス帳データの変更イベントが通知された場合の処理の一例のシーケンス図である。外部アドレス帳管理装置10の外部アドレス帳管理部22は例えばリモートからの外部アドレス帳の変更要求を受け付け、例えば図5(b)の外部アドレス帳データ管理テーブルを変更する。ステップS60~S64において外部アドレス帳管理部22は画像形成装置14の全アドレス帳管理部44に対してアドレス帳変更イベントを通知する。外部アドレス帳管理部22はステップS60のアドレス帳変更イベントにおいてアドレス帳種別と変更種別とを指定する。
【0068】
例えば外部アドレス帳データ管理テーブルに新規の宛先情報が追加された場合、外部アドレス帳管理部22はアドレス帳種別「外部A」と変更種別「追加」とを指定する。外部アドレス帳データ管理テーブルに既に登録されている宛先情報が更新された場合、外部アドレス帳管理部22はアドレス帳種別「外部A」と変更種別「更新」とを指定する。外部アドレス帳データ管理テーブルに既に登録されている宛先情報が削除された場合、外部アドレス帳管理部22はアドレス帳種別「外部A」と変更種別「削除」とを指定する。
【0069】
ステップS66において、全アドレス帳管理部44は記憶部42から図6のような選択済み宛先管理テーブルを取得する。ステップS68において、全アドレス帳管理部44はステップS66で取得した選択済み宛先管理テーブルのリセット要否を判断するリセット要否判断を行う。なお、ステップS68のリセット要否判断の処理の詳細は図10及び図11を用いて後述する。
【0070】
ステップS68において、選択済み宛先管理テーブルのリセットが必要と判断された場合は、ステップS70~S76の処理を行う。ステップS70において、全アドレス帳管理部44は送信アプリ部40に対してリセットイベントを通知する。全アドレス帳管理部44はステップS70のリセットイベントにおいてリセット要因(宛先変更など)を指定する。
【0071】
ステップS72において、送信アプリ部40は選択中の宛先情報をリセットするために選択済み宛先管理テーブルのリセット処理を行う。また、ステップS74において送信アプリ部40は宛先変更により、選択中の宛先情報のリセットが発生したことをユーザに通知するためのリセット通知画面を構築する。ステップS76において、送信アプリ部40は操作部46に対して画面更新をすることで、リセット通知画面を表示させる。
【0072】
このように、図9のシーケンス図の処理によれば、外部アドレス帳の変更が生じた場合に選択済み宛先管理テーブルのリセット要否を判断し、選択中の宛先情報のリセットが必要と判断すると、選択中の宛先情報のリセット処理を行うことができる。
【0073】
なお、図9のシーケンス図では例えば図5(b)の外部アドレス帳データ管理テーブルを変更した場合に、外部アドレス帳管理装置10側から画像形成装置14の全アドレス帳管理部44に対してアドレス帳変更イベントを通知していた。外部アドレス帳管理装置10側から画像形成装置14の全アドレス帳管理部44に対して行うアドレス帳変更イベントの通知は、例えば画像形成装置14から外部アドレス帳管理装置10への定期的な問い合わせ(ポーリング)に対する回答として通知するようにしてもよい。
【0074】
図10は本実施形態に係るリセット要否判断の処理の一例のフローチャートである。ステップS100において、全アドレス帳管理部44は本体アドレス帳管理部50又は外部アドレス帳管理装置10の外部アドレス帳管理部22からアドレス帳変更イベントを受信する。ステップS102において、全アドレス帳管理部44は記憶部42から図6のような選択済み宛先管理テーブルを取得する。
【0075】
ステップS104において、全アドレス帳管理部44は選択済み宛先管理テーブルが保持している選択済み宛先情報の項目「管理場所」に、ステップS100でアドレス帳変更イベントを通知した管理場所が含まれているか否かを判定する。
【0076】
例えばステップS104において、全アドレス帳管理部44はステップS100のアドレス帳変更イベントが本体アドレス帳管理部50から通知されていれば、選択済み宛先情報の項目「管理場所」が「本体」の選択済み宛先情報が含まれているか判定する。
【0077】
また、例えばステップS104において、全アドレス帳管理部44はステップS100のアドレス帳変更イベントが外部アドレス帳管理装置10の外部アドレス帳管理部22から通知されていれば、選択済み宛先情報の項目「管理場所」が「外部A」の選択済み宛先情報が含まれているか判定する。
【0078】
全アドレス帳管理部44は選択済み宛先情報の項目「管理場所」に、ステップS100でアドレス帳変更イベントを通知した管理場所が含まれていれば、ステップS106の処理を行う。ステップS106において全アドレス帳管理部44は選択済み宛先管理テーブルのリセットが行われるように制御を行う。
【0079】
全アドレス帳管理部44は選択済み宛先情報の項目「管理場所」に、ステップS100でアドレス帳変更イベントを通知した管理場所が含まれていなければ、ステップS106の処理をスキップし、選択済み宛先管理テーブルのリセットが行われるように制御を行わない。
【0080】
本実施形態に係る情報処理システム1では、選択中の宛先情報ごとに、どこのアドレス帳に登録されている宛先かを示すアドレス帳種別の情報を保持している。アドレス帳変更イベントを受信すると、画像形成装置14は選択中の宛先情報の中に、変更されたアドレス帳から選択された宛先情報が含まれていればリセット処理を行う。一方、アドレス帳変更イベントを受信しても、画像形成装置14は選択中の宛先情報の中に、変更されたアドレス帳から選択された宛先情報が含まれていなければリセット処理を行わない。
【0081】
このため、本実施形態に係る情報処理システム1では、本体アドレス帳の宛先情報を選択していない場合、本体アドレス帳に変更があっても不必要なリセット処理を行わないように制御できる。また、本実施形態に係る情報処理システム1では、外部Aの外部アドレス帳の宛先情報を選択していない場合、外部Aの外部アドレス帳に変更があっても不必要なリセット処理を行わないように制御できる。
【0082】
図10のフローチャートの処理はアドレス帳変更イベントで指定されたアドレス帳種別をリセット要否の判断に利用している。例えばリセット要否の判断は図11に示すようにアドレス帳変更イベントで指定されたアドレス帳種別及び変更種別を利用してもよい。
【0083】
図11は本実施形態に係るリセット要否判断の処理の一例のフローチャートである。ステップS150において、全アドレス帳管理部44は本体アドレス帳管理部50又は外部アドレス帳管理装置10の外部アドレス帳管理部22からアドレス帳変更イベントを受信する。ステップS152において、全アドレス帳管理部44は記憶部42から図6のような選択済み宛先管理テーブルを取得する。
【0084】
ステップS154において、全アドレス帳管理部44は選択済み宛先管理テーブルが保持している選択済み宛先情報の項目「管理場所」に、ステップS100でアドレス帳変更イベントを通知した管理場所が含まれているか否かを判定する。
【0085】
全アドレス帳管理部44は選択済み宛先情報の項目「管理場所」に、ステップS100でアドレス帳変更イベントを通知した管理場所が含まれていれば、ステップS156の処理を行う。ステップS156において、全アドレス帳管理部44はステップS150のアドレス帳変更イベントで指定された変更種別に更新又は削除が含まれているか否かを判定する。
【0086】
ステップS150のアドレス帳変更イベントで指定された変更種別に更新又は削除が含まれていれば、全アドレス帳管理部44はステップS158の処理を行う。ステップS158において、全アドレス帳管理部44は選択済み宛先管理テーブルのリセットが行われるように制御を行う。
【0087】
全アドレス帳管理部44は選択済み宛先情報の項目「管理場所」に、ステップS150でアドレス帳変更イベントを通知した管理場所が含まれていなければ、ステップS158の処理をスキップし、選択済み宛先管理テーブルのリセットが行われるように制御を行わない。また、全アドレス帳管理部44は、ステップS150のアドレス帳変更イベントで指定された変更種別に更新又は削除が含まれていなければ、ステップS158の処理をスキップし、選択済み宛先管理テーブルのリセットが行われるように制御を行わない。
【0088】
本実施形態に係る情報処理システム1では、図10の処理に加えてアドレス帳変更イベントで指定された変更種別が更新又は削除が含まれているか否かを判定し、リセット要否を判断している。変更種別が更新又は削除であれば、選択中の宛先情報が変更されている可能性があるため、画像形成装置14は選択中の宛先情報のリセット処理を行う。変更種別が更新又は削除でなく追加であれば、選択中の宛先情報が変更されている可能性がないため、画像形成装置14は選択中の宛先情報のリセット処理を行わない。
【0089】
このため、本実施形態に係る情報処理システム1では、本体アドレス帳の宛先情報を選択している場合、本体アドレス帳に宛先情報の追加があっても不必要なリセット処理を行わないように制御できる。また、本実施形態に係る情報処理システム1では、外部Aの外部アドレス帳の宛先情報を選択している場合、外部Aの外部アドレス帳に宛先情報の追加があっても不必要なリセット処理を行わないように制御できる。
【0090】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0091】
実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。本体アドレス帳は特許請求の範囲に記載した第1のアドレス帳の一例である。外部アドレス帳は第2のアドレス帳の一例である。
【符号の説明】
【0092】
1 情報処理システム
10 外部アドレス帳管理装置
12 ユーザ端末
14 画像形成装置
18 ネットワーク
20 記憶部
22 外部アドレス帳管理部
24 データ送受信部
30 アドレス帳変更操作受付部
32 アドレス帳変更要求部
40 送信アプリ部
42 記憶部
44 全アドレス帳管理部
46 操作部
48 データ送受信部
50 本体アドレス帳管理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0093】
【文献】特開2006-60868号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11