IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電信電話株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-撮像素子及び撮像装置 図1
  • 特許-撮像素子及び撮像装置 図2
  • 特許-撮像素子及び撮像装置 図3
  • 特許-撮像素子及び撮像装置 図4
  • 特許-撮像素子及び撮像装置 図5
  • 特許-撮像素子及び撮像装置 図6
  • 特許-撮像素子及び撮像装置 図7
  • 特許-撮像素子及び撮像装置 図8
  • 特許-撮像素子及び撮像装置 図9
  • 特許-撮像素子及び撮像装置 図10
  • 特許-撮像素子及び撮像装置 図11
  • 特許-撮像素子及び撮像装置 図12
  • 特許-撮像素子及び撮像装置 図13
  • 特許-撮像素子及び撮像装置 図14
  • 特許-撮像素子及び撮像装置 図15
  • 特許-撮像素子及び撮像装置 図16
  • 特許-撮像素子及び撮像装置 図17
  • 特許-撮像素子及び撮像装置 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】撮像素子及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20241001BHJP
   H04N 25/70 20230101ALI20241001BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20241001BHJP
   G02B 1/118 20150101ALI20241001BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
H01L27/146 D
H04N25/70
G02B3/00 A
G02B1/118
G02B5/18
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022557229
(86)(22)【出願日】2020-10-12
(86)【国際出願番号】 JP2020038458
(87)【国際公開番号】W WO2022079756
(87)【国際公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮田 将司
(72)【発明者】
【氏名】根本 成
(72)【発明者】
【氏名】中島 光雅
(72)【発明者】
【氏名】橋本 俊和
【審査官】今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-184986(JP,A)
【文献】国際公開第2013/094178(WO,A1)
【文献】特開2009-157390(JP,A)
【文献】特開2010-232595(JP,A)
【文献】特開2007-335723(JP,A)
【文献】国際公開第2018/092632(WO,A1)
【文献】特開2014-033052(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0179178(US,A1)
【文献】特開2012-015424(JP,A)
【文献】特開2020-051868(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0365640(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0064448(US,A1)
【文献】特開2009-135236(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H04N 25/70
G02B 3/00
G02B 1/118
G02B 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が複数の光電変換素子を含み、2次元方向に配置された複数の光電変換素子群と、
前記複数の光電変換素子群に対向し、前記2次元方向を面方向として延在する透明層と、
前記透明層上又は前記透明層内において、前記複数の光電変換素子群に対応して前記透明層の面方向に配置された複数の構造体群と、
を備え、
前記複数の構造体群の各々は、同じパターンで配置された複数の構造体を含み、対応する前記光電変換素子群の光電変換素子それぞれに向けて入射光を分光するように配置され、
平面視したときに、対応する前記光電変換素子群と前記構造体群との相対位置が、2次元上の位置に応じて異なっていることを特徴とする、
撮像素子。
【請求項2】
前記2次元上の中心部分での前記相対位置を基準とした場合、前記2次元上の外周部分に向かうにつれて前記相対位置のずれが大きくなることを特徴とする、
請求項1に記載の撮像素子。
【請求項3】
前記複数の構造体は、前記複数の構造体どうしの間の部分の屈折率よりも高い屈折率を有する柱状構造体であり、
平面視したときに、前記複数の構造体のうちの少なくとも一部の構造体は、互いに異なる幅を有し、
側面視したときに、前記複数の構造体は、同じ高さを有することを特徴とする、
請求項1又は2に記載の撮像素子。
【請求項4】
前記複数の構造体は、前記複数の構造体どうしの間の部分の屈折率よりも高い屈折率を有する柱状構造体であり、
前記複数の構造体のうちの少なくとも一部の構造体は、互いに異なる屈折率を有し、
側面視したときに、前記複数の構造体は、同じ高さを有することを特徴とする、
請求項1又は2に記載の撮像素子。
【請求項5】
各々が前記複数の構造体群それぞれに対応して設けられた複数のレンズを備え、
平面視したときに、対応する前記構造体群と前記レンズとの相対位置が、2次元上の位置に応じて異なっていることを特徴とする、
請求項1~4のいずれか1項に記載の撮像素子。
【請求項6】
各々が前記複数の構造体群それぞれに対応して設けられ、前記2次元上の位置に応じた形状を有する複数のレンズを備えることを特徴とする、
請求項1~4のいずれか1項に記載の撮像素子。
【請求項7】
前記複数の光電変換素子群の少なくとも一部を覆うように周期的に設けられ、前記複数の光電変換素子群の屈折率とは異なる大きさの有効屈折率を有する複数の回折格子を備えることを特徴とする、
請求項1~6のいずれか1項に記載の撮像素子。
【請求項8】
前記複数の回折格子は、前記複数の光電変換素子群の各々に含まれる複数の光電変換素子のうちの特定の光電変換素子を覆うことなく露出させ、
前記撮像素子は、前記露出している光電変換素子を隙間なく覆うように設けられ、前記複数の光電変換素子群の屈折率とは異なる大きさの屈折率を有する膜を備えることを特徴とする、
請求項7に記載の撮像素子。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の撮像素子と、
前記撮像素子から得られた電気信号に基づいて画像信号を生成する信号処理部と、
を備えることを特徴とする、
撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像素子及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置において、撮像素子の中心部分と外周部分とで光の入射角度が異なることが知られている(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2006-528424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
入射角度がずれると、変換素子に効率よく光を導くことができず、受光効率が低下するという問題がある。
【0005】
本開示の一側面は、受光効率を向上させることを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る撮像素子は、各々が複数の光電変換素子を含み、2次元方向に配置された複数の光電変換素子群と、複数の光電変換素子群に対向し、2次元方向を面方向として延在する透明層と、透明層上又は透明層内において、複数の光電変換素子群に対応して透明層の面方向に配置された複数の構造体群と、を備え、複数の構造体群の各々は、同じパターンで配置された複数の構造体を含み、対応する光電変換素子群の光電変換素子それぞれに向けて入射光を分光するように配置され、平面視したときに、対応する光電変換素子群と構造体群との相対位置が、2次元上の位置に応じて異なっていることを特徴とする。
【0007】
本開示の一側面に係る撮像装置は、上記の撮像素子と、撮像素子から得られた電気信号に基づいて画像信号を生成する信号処理部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、受光効率を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る撮像素子及び撮像装置の概略構成の例を示す図である。
図2図2は、撮像素子の概略構成の例を示す図である。
図3図3は、中心部分における撮像素子の概略構成の例を示す図である。
図4図4は、中心部分における撮像素子の概略構成の例を示す図である。
図5図5は、構造体の概略構成の例を示す図である。
図6図6は、構造体の概略構成の例を示す図である。
図7図7は、外周部分における撮像素子の概略構成の例を示す図である。
図8図8は、外周部分における撮像素子の概略構成の例を示す図である。
図9図9は、比較例を示す図である。
図10図10は、中間部分における撮像素子の概略構成の例を示す図である。
図11図11は、中間部分における撮像素子の概略構成の例を示す図である。
図12図12は、中心部分における撮像素子の概略構成の例を示す図である。
図13図13は、外周部分における撮像素子の概略構成の例を示す図である。
図14図14は、中間部分における撮像素子の概略構成の例を示す図である。
図15図15は、外周部分における撮像素子の概略構成の例を示す図である。
図16図16は、中間部分における撮像素子の概略構成の例を示す図である。
図17図17は、撮像素子の概略構成の例を示す図である。
図18図18は、特定のPDの部分における撮像素子の概略構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図面に示される形状、大きさ及び位置関係等は概略的なものに過ぎず、それによって本発明が限定されることはない。同一部分には同一の符号を付して示し、重複する説明は省略する。
【0011】
図1は、実施形態に係る撮像素子及び撮像装置の概略構成の例を示す図である。撮像装置10は、物体1(被写体)からの光を入射光として、物体1を撮像する。この例では、物体1は、白抜き矢印として図示される。入射光は、レンズ光学系11を介して、撮像素子12に入射する。信号処理部13は、撮像素子12からの電気信号を処理して画像信号を生成する。図1に示されるように、撮像素子12に入射する光の方向(撮像素子12への入射角度)は、撮像素子12の位置によって異なる。
【0012】
図2は、撮像素子の概略構成の例を示す図である。図において、XYZ座標系が示されるとともに、入射光の進行方向が矢印によって模式的に示される。Z軸方向は、後述するPD層4及び透明層5の積層方向に相当する。XY平面方向は、それらの層の面方向に相当する。以下、「平面視」は、Z軸方向に(例えばZ軸負方向に)視ることを示し、「側面視」は、X軸方向又はY軸方向(例えばY軸正方向に)視ることを示す。図2は、側面視したときの撮像素子12の概略構成の例を示す断面図である。
【0013】
撮像素子12は、配線層3と、PD(フォトダイオード)層4と、透明層5とを含む。
【0014】
配線層3及びPD層4のうちのPD層4から述べると、PD層4は、層の面方向に並んで設けられる(2次元方向(2次元状に)配置されたともいえる)複数のPD群40を含む。各PD群40は、層の面方向に並んで設けられた複数のPDを含む。複数のPDは、半導体基板100に形成される。各PDで発生した電荷は、図示しないトランジスタ等によって画素信号の基礎となる電気信号に変換され、配線層3を介して画素2の外部に出力される。各PDに対応するいくつかの配線が配線30として図示される。
【0015】
透明層5は、複数のPD群40の光電変換素子それぞれに向けて入射光を分光する光学素子である。光学素子の例はメタサーフェスであり、以下では、透明層5がメタサーフェスである場合について説明する。メタサーフェスは光の波長以下の幅を持った複数の微細構造体からなる素子で、2次元構造でもよいし、3次元構造であってもよい。光学素子にメタサーフェスを用いることで、微細構造体のパラメータを変えるだけで、光の特性(波長・偏波・入射角)に応じて位相と光強度を制御することが出来るというような効果があり、3次元構造にする場合には上記の設計自由度が上がるという効果がある。透明層5は、PD層4に対向して設けられ、この例ではPD層4の上面(Z軸正方向側の面)上に設けられる。透明層5は、PD層4の面方向を層の面方向として延在する。透明層5は、層の面方向に配置された複数の構造体群50を含む。図2に示される例では、複数の構造体群50は、透明層5内に設けられる。ただし、複数の構造体群50は、透明層5上に設けられてもよい。複数の構造体群50は、透明基板の下面に設けられてもよく、その場合、透明層5は、空気層である。複数の構造体群50を構成する構造体は、入射光の波長(ナノオーダー)と同程度もしくは入射光の波長よりも小さい寸法を有する微細構造体である。
【0016】
透明層5において構造体が設けられていない部分は、構造体の屈折率よりも低い屈折率を有してよい。そのような透明層5の材料の例は、SiO等である。透明層5は空隙であってもよく、その場合、透明層5の屈折率は空気の屈折率である。
【0017】
先に図1を参照しても説明したように、入射光の撮像素子12への入射光の角度は、撮像素子12上の位置によって異なる。図2に示される例では、透明層5への光の入射角度が、2次元上の(XY平面上の)位置によって異なる。撮像素子12において、2次元上の中心部分(以下、単に「中心部分」という場合もある)における入射角度は、この例では0°であり、したがって、光は透明層5に垂直に入射する。撮像素子12において、2次元上の外周部分(以下、単位「外周部分」という場合もある。)における入射角度は、中心部分における入射角度からずれる。入射角度のずれは、中心部分から外周部分に向かうにつれて大きくなる。
【0018】
図3及び図4は、中心部分における撮像素子の概略構成の例を示す図である。図3は、側面視したときの撮像素子12の概略構成の例を示す断面図である。図4は、平面視したときの撮像素子12の概略構成の例を示す図である。なお、PD群40は、構造体群50の下側(Z軸負方向側)に位置しているので、図4では破線で示される。
【0019】
PD群40に含まれる複数のダイオードとして、PD41、PD42及びPD43が例示される。PD41、PD42及びPD43は、PD層4の面方向(この例ではX軸方向)に順に設けられる。PD41、PD42及びPD43は、対応する色に応じた波長帯域の光が入射することが想定されている。例えば、PD41、PD42及びPD43は、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)に対応する。
【0020】
構造体群50に含まれる複数の構造体として、構造体51、構造体52及び構造体53が例示される。構造体51、構造体52及び構造体53は、各々が同じパターンで配置された複数の構造体である。同じパターンとは、例えば、透明層5の面方向における各構造体の大きさ(幅)及び間隔が同じであることを意味する。積層方向における各構造体の大きさ(高さ)が同じであってもよい。構造体51、構造体52及び構造体53は、対応するPD群40のPD41、PD42及びPD43それぞれに向けて入射光を分光するように配置される。より具体的に、構造体51、構造体52及び構造体53は、入射光を、PD41、PD42及びPD43それぞれの中心に向けて分光するように配置される。入射光は、例えば上述したようなRGBの各色に応じた波長帯域の光に分光され、各色に対応するPD41、PD42及び43に到達する。なお、図3及び図4に示される例では、構造体群50の中心が、PD群40の中心上(この例ではPD42上)に位置している。
【0021】
構造体51、構造体52及び構造体53による分光原理について、図5及び図6を参照して説明する。以下では、構造体51を例に挙げて説明する。構造体52及び構造体53についても同様の説明が可能である。
【0022】
図5及び図6は、構造体の概略構成の例を示す図である。図5には、構造体51の平面図(上面図)の例が示される。図6には、構造体51の側面図の例が示される。
【0023】
この例では、構造体51は、微細な柱状構造体である。構造体51は、透明層5の他の部分の屈折率n0よりも高い屈折率n1を有するSiN等の材料から形成されており、構造の厚さh(Z軸方向の長さ)は一定である。
【0024】
構造体51の底面および上面は、正方形である。構造体51は、上述の屈折率の差から、光を構造内に閉じ込めて伝搬させる光導波路として機能する。したがって、上面側から光が入射すると、光は構造体51内に強く閉じ込められながら伝搬し、光導波路の実効的な屈折率neffにより決定される光位相遅延効果を受けて、底面側から出射する。具体的に、透明層5の厚さ分の長さを伝搬した光の位相を基準とした際、構造体51による光位相遅延量φは、光の真空中での波長をλとおくと、φ=(neff-n0)×2πh/λで表わされる。この光位相遅延量は、波長λによって異なるため、同一の構造体51に入射した光に対して波長帯域(色)に応じて異なる光位相遅延量を与える。構造体51の底面および上面が正方形であるため、偏光方向を変化させた場合においても、光位相遅延効果を含む光学特性に変化はない。neffは構造寸法の関数であることが知られており、n0<neff<n1の値をとる。したがって、構造体51の幅Wを変化させることで、任意の光位相遅延量を設定することができる。構造体51の屈折率を変化させることでも、任意の光位相遅延量を設定することができる。屈折率の異なる構造体51は、屈折率の異なる材料を用いて作られてよい。構造体52及び構造体53についても同様である。
【0025】
図3及び図4も参照し、構造体51、構造体52及び構造体53は、構造体群50を透過した光に対して、波長領域毎に異なる光位相遅延分布を与えて光波面を変化させるように、異なる幅を有する。光の出射方向(伝搬方向)が光波面によって決定されるので、構造体群50を透過した光が、PD41、PD42及びPD43の対応する色(波長帯域)に応じて空間的に分離される。このようにして、PD41、PD42及びPD43それぞれに向けて入射光が分光される。
【0026】
複数の構造体群50ではいずれも構造体51、構造体52及び構造体53が同じパターンで配置されるので、各構造体群50における光の入射角度と出射角度との関係も同じである。入射角度が異なると、出射角度も異なる。先にも述べたように外周部分における入射角度が中心部分における入射角度からずれるので、透明層5からPD層4に向かって出射する光の出射角度もずれる。出射角度がずれると、対応するPD群40のPD41、PD42及びPD43に効率よく光を導くことができなくなる。そこで、撮像素子12では、入射角度のずれ(これに起因する出射角度ともいえる)に対応して、PD群40と構造体群50との相対位置が定められる。
【0027】
図7及び図8は、外周部分における撮像素子の概略構成の例を示す図である。図7は、側面視したときの撮像素子12の概略構成の例を示す断面図である。図8は、平面視したときの撮像素子12の概略構成の例を示す図である。
【0028】
外周部分において、構造体群50に入射する光の入射角度は、中心部分における入射角度(図3)からずれている。入射角度のずれに起因して、構造体群50からPD群40に向かって出射する光の出射角度もずれている。ただし、PD群40と構造体群50との相対位置も、中心部分における相対位置(図3及び図4)からずれている。この例では、PD群40に対する構造体群50の位置が、PD群40のPD41側にずれており、具体的に、構造体群50の中心位置が、PD群40のPD41側部分の上(この例ではPD41上)に位置している。PD群40と構造体群50との相対位置がずれた分、構造体群50からPD群40をみた方向(角度)もずれている。この構造体群50からPD群40をみた方向(角度)のずれが上述の出射角度のずれを打ち消すように、PD群40と構造体群50との相対位置が定められる。その結果、外周部分においても、構造体群50は、入射する光を、PD41、PD42及びPD43それぞれの中心に向けて分光する。
【0029】
なお、仮に外周部分におけるPD群40と構造体群50との相対位置が、中心部分における相対位置と同じである場合には、構造体群50によって分光された光が、PD41、PD42及びPD43の中心に向かわなくなる。これについて、図9を参照して説明する。
【0030】
図9は、比較例を示す図である。例示される撮像素子12Eでは、PD群40と構造体群50Eとの相対位置が、中央部分における相対位置と同じである。構造体51E、構造体52E及び構造体53Eによって分光された光は、入射角度のずれに起因して出射角度がずれた分だけ、PD41、PD42及びPD43の中心から離れた位置に到達する。この問題が実施形態に係る撮像素子12によって低減又は解消されることは、先に図7及び図8を参照して説明したとおりである。
【0031】
図10及び図11は、中間部分における撮像素子の概略構成の例を示す図である。中間部分は、中心部分と外周部分との間の部分である。図10は、側面視したときの撮像素子12の概略構成の例を示す断面図である。図11は、平面視したときの撮像素子12の概略構成の例を示す図である。
【0032】
中間部分において、入射角度のずれは、外周部分における入射角度のずれ(図7)よりは小さい。入射角度のずれに起因する出射角度のずれも、外周部における出射角度のずれよりは小さい。したがって、PD群40と構造体群50との相対位置のずれも、外周部分における相対位置のずれよりは小さい。中間部分においても、構造体群50は、入射する光を、PD41、PD42及びPD43それぞれの中心に向けて分光する。
【0033】
例えば以上のように、撮像素子12では、対応するPD群40と構造体群50との相対位置が、2次元上の(XY平面状の)位置に応じて異なっている。より具体的には、中心部分でのPD群40と構造体群50との相対位置を基準とした場合、外周部分に向かうにつれて相対位置のずれが大きくなる。仮に相対位置がいずれの位置でも同じであるとすると、先に図9を参照して説明したように、構造体群50によって分光された光が、PD41、PD42及びPD43の中心から離れた位置に到達する。その結果、PD41、PD42及びPD43に効率よく光が入射せず、例えば受光感度が劣化するといった問題が生じる。これに対し、撮像素子12では、対応するPD群40と構造体群50との相対位置をずらすことにより、構造体群50による分光方向を、PD41、PD42及びPD43の中心に近づけることができる。したがって、受光効率を向上させることができる。
【0034】
再び図1を参照し、撮像装置10の信号処理部13について説明する。信号処理部13は、撮像素子12から得られた電気信号に基づいて画素信号を生成する。電気信号を得るために、信号処理部13は、撮像素子12の制御も行う。撮像素子12の制御は、撮像素子12の画素2の露光、PD層4に蓄積された電荷の電気信号への変換、電気信号の読出し等を含む。
【0035】
以上、本開示の一実施形態について説明したが、実施形態に係る撮像素子及び撮像装置は、実施形態の趣旨を逸脱しない範囲において、さまざまな変形が可能である。いくつかの変形例について述べる。
【0036】
上記実施形態では、入射光のずれに起因する問題に対して、PD群40と構造体群50との相対位置で対処する手法について説明した。この手法とともに或いはこの手法に代えて、他のさまざまな手法が用いられてよい。
【0037】
例えば、外周部分及び中間部分において透明層5に入射する光の入射角度自体を、中心部分における入射角度に近づけるようにしてもよい。これについて、図12図16を参照して説明する。
【0038】
図12は、中心部分における撮像素子の概略構成の例を示す図である。例示される撮像素子12Aは、撮像素子12(図3等)と比較して、透明層5に代えて透明層5Aを含む点、及び、複数のレンズ61をさらに含む点において相違する。透明層5Aは、複数の構造体群50Aを含む。
【0039】
複数のレンズ61の各々は、複数の構造体群50Aそれぞれに対して設けられるマイクロレンズである。レンズ61は、2次元上の位置に応じた形状を有する。この例では、レンズ61は、入射光の方向を変更しない。構造体群50Aの構造体51A、構造体52A及び構造体53Aは、レンズ61からの光を、PD41、PD42及びPD43それぞれの中心に向けて分光するように配置される。
【0040】
外周部分及び中間部分において構造体群50Aに入射する光の入射角度は、中心部分における入射角度(図12)からずれている。このずれを低減する手法の例として、2つの手法について述べる。第1の手法は、これまで説明したPD群に対する構造体群の位置をずらす原理を、複数のレンズ61にも適用したものである。第1の手法について、図13及び図14を参照して説明する。
【0041】
図13は、外周部分における撮像素子の概略構成の例を示す図である。中心部分(図12)と比較して、複数のレンズ61と構造体群50との相対位置が、中心部分における相対位置からずれている。この例では、構造体群50Aに対する複数のレンズ61の位置が、PD群40のPD41側にずれている。レンズ61は、構造体群50Aに向かう光の入射角度を、中心部分における入射角度に近づけるように配置される。構造体群50Aの構造体51A、構造体52A及び構造体53Aは、レンズ62からの光を、PD41、PD42及びPD43それぞれの中心に向けて分光するように配置される。
【0042】
図14は、中間部分における撮像素子の概略構成の例を示す図である。中心部分(図12)と比較して、複数のレンズ61と構造体群50との相対位置が、中心部分における相対位置からずれている。このずれは、外周部分(図13)におけるずれよりは小さい。レンズ61は、構造体群50Aに向かう光の入射角度を、中心部分における入射角度に近づけるように配置される。構造体群50Aの構造体51A、構造体52A及び構造体53Aは、レンズ62からの光を、PD41、PD42及びPD43それぞれの中心に向けて分光するように配置される。
【0043】
第2手法は、2次元上の位置に応じた形状を有するレンズを設ける手法である。これについて、図15及び図16を参照して説明する。
【0044】
図15は、外周部分における撮像素子の概略構成の例を示す図である。中心部分(図12)と比較して、撮像素子12Aは、複数のレンズ61に代えて複数のレンズ62を備える。複数のレンズ62の各々は、複数の構造体群50Aそれぞれに対して設けられるマイクロレンズである。レンズ62は、構造体群50に向かう光の入射角度を、中心部分における入射角度に近づけるように構成される。レンズ62は、2次元上の位置に応じた形状を有し、レンズ61(図12)の形状から変形された形状を有する。構造体群50Aの構造体51A、構造体52A及び構造体53Aは、レンズ62からの光を、PD41、PD42及びPD43それぞれの中心に向けて分光するように配置される。
【0045】
図16は、中間部分における撮像素子の概略構成の例を示す図である。中心部分(図12)と比較して、撮像素子12Aは、複数のレンズ61に代えて複数のレンズ63を備える。複数のレンズ63の各々は、複数の構造体群50Aそれぞれに対して設けられるマイクロレンズである。レンズ63は、構造体群50に向かう光の入射角度を、中心部分における入射角度に近づけるように構成される。レンズ63は、2次元上の位置に応じた形状を有し、レンズ61(図12)の形状から変形された形状を有する。この変形の程度は、レンズ62(図15)の変形の程度よりは小さい。構造体群50Aの構造体51A、構造体52A及び構造体53Aは、レンズ63からの光を、PD41、PD42及びPD43それぞれの中心に向けて分光するように配置される。
【0046】
以上、図12図16に示されるように、対応する複数のレンズ61と構造体群50との相対位置が2次元上の位置に応じて異なるようにしたり、2次元上の位置に応じた形状を有するレンズ61、レンズ62及びレンズ63を設けたりすることで、外周部分及び中間部分において透明層5に入射する光の入射角度を、中心部分における入射角度に近づけることができる。これにより、例えば、複数の構造体群50Aだけを用いる場合よりも、PD群40のPD41、PD42及びPD43の中心に向かって光を分光しやすくなる。なお、例えばレンズ61等だけで外周部分及び中間部分における入射角度を中心部分における入射角度に十分に近づけることができるのであれば、対応する構造体群50AとPD群40との相対位置がずれていなくてもよい。各構造体群50Aが、PD41、PD42及びPD43それぞれの中心に向かって光を分光するからである。
【0047】
例えば、PDへの入射光の反射を抑制するために、反射抑制層が設けられてもよい。これについて、図17及び図18を参照して説明する。
【0048】
図17は、撮像素子の概略構成の例を示す図である。例示される撮像素子12Bは、撮像素子12(図2)と比較して、反射抑制層7をさらに備える点において相違する。
【0049】
反射抑制層7は、PD層4を覆うように設けられ、PD層4に入射する光の反射を抑制する。この例では、反射抑制層7は、PD層4と透明層5との間に設けられる。
【0050】
図17に示される例では、反射抑制層7は、複数の回折格子70を含む。複数の回折格子70は、反射抑制層7の面方向に周期的に配置される。複数の回折格子70は、PD層4の屈折率とは異なる大きさの有効屈折率を有する。有効屈折率とは、回折格子が仮想的な屈折率を与えると仮定した場合のその屈折率の値であり、反射抑制層7は、有効屈折率を有する部分(材料、部材等ともいえる)として機能する。周期的に配置された複数の回折格子によって所望の有効屈折率を実現する手法は公知であるので、ここでは端的に説明する。有効屈折率は、格子周期(XY平面方向における回折格子70の配置間隔)、格子高さ(Z軸方向における回折格子70の長さ)等によって決定される。格子周期は、入射光の波長以下に設定されてよい。回折格子70の材料の例は、プラスチック等の樹脂、ガラス等である。
【0051】
回折格子70は、PD層4の屈折率と、回折格子70を挟んでPD層4とは反対側の部分の屈折率との間の大きさの有効屈折率を有する。PD層4の屈折率は、PD層4が半導体基板100に形成されるので、半導体基板100と同じ屈折率でありうる。反対側の部分の屈折率は、この例では透明層5の屈折率である。それらの屈折率の間の大きさの有効屈折率を回折格子70が有することで、反射抑制層7は、PD層4の屈折率と透明層5の屈折率との不連続を低減し、PD層4に入射する光の反射を抑制する。
【0052】
図17に示されるように反射抑制層7を設けることで、光の反射を抑制し、PD41、PD42及びPD43に効率よく光を入射させることができる。
【0053】
なお、上記では、反射抑制層7が、複数の構造体群50を含む透明層5と併用される例について説明したが、反射抑制層7のみによってある程度効率よく光を入射させることができるのであれば、複数の構造体群50が無くてもよい。その場合、構造体群50に代えて、種々の公知の分光素子が用いられてよい。
【0054】
上述の撮像素子12Bにおいて、特定のPDが回折格子70で覆われていなくてよい。特定のPDの例は、構造体群50の直下に位置するとともに、構造体群50からの光が垂直に入射するPDである。そのような特定のPDは、回折格子70の代わりに反射抑制膜で覆われていてよい。これについて、図18を参照して説明する。
【0055】
図18は、特定のPDの部分における撮像素子の概略構成の例を示す図である。例示される撮像素子12B-2は、撮像素子12B(図17)と比較して、反射抑制層7に代えて反射抑制層7Aを備える点において相違する。
【0056】
反射抑制層7Aは、複数の回折格子70Aに加えて、反射抑制膜71を含む。複数の回折格子70Aは、PD41及びPD43を覆う一方で、PD42は覆わずに露出させる。回折格子70Aの構成は、回折格子70と同様であるので説明は繰り返さない。反射抑制膜71は、露出しているPD42を隙間なく覆うように設けられる。反射抑制膜71は、PD群40の屈折率とは異なる屈折率を有する。PD42は、例えば緑色(G)に対応する光電変換素子である。反射抑制膜71の材料の例は、プラスチック等の樹脂、ガラス等である。
【0057】
図18に示されるように、複数の回折格子70及び反射抑制膜71という2種類の反射抑制部材を備える反射抑制層7Aを用いることで、例えば、PD41、PD42及びPD43ごとに反射抑制量を調節することができる。
【0058】
以上、本開示の一実施形態について説明したが、実施形態に係る撮像素子及び撮像装置は、実施形態の趣旨を逸脱しない範囲において、さまざまな変形が可能である。
【0059】
上記実施形態では、複数の構造体群50が透明層5内に設けられる例について説明した。ただし、複数の構造体群50は、透明層5上(例えばZ軸正方向側の面上)に設けられてもよい。
【0060】
上記実施形態では、構造体51等の材料としてSiN及びTiOを挙げたが、これらに限定されない。例えば、波長が380nm~1000nmの光(可視光~近赤外光)の光に対しては、SiN、SiC、TiO、GaN等が構造体51等の材料として用いられてよい。屈折率が高く、吸収損失が少ないため適している。波長が800~1000nmの光(近赤外光)で用いる場合は、Si、SiC、SiN、TiO、GaAs、GaN等が構造体51等の材料として用いられてよい。低損失であるため適している。長波長帯の近赤外領域(通信波長である1.3μmや1.55μm等)の光に対しては、上述の材料に加えて、InP等を構造体51等の材料として用いることができる。
【0061】
構造体51等が、貼り付け、塗布等によって形成される場合、フッ素化ポリイミド等のポリイミド、BCB(ベンゾシクロブテン)、光硬化性樹脂、UVエポキシ樹脂、PMMA等のアクリル樹脂、レジスト全般などのポリマー等が材料として挙げられる。
【0062】
上記実施形態では、透明層5の材料としてSiO及び空気層を想定した例を示したが、これらに限定されない。一般的なガラス材料等も含め、構造体51等の材料の屈折率より小さい屈折率を有し、入射光の波長に対して低損失なものであればよい。透明層5は、複数の材料からなる積層構造を有する透明層であってもよい。また透明層60は、対応するPDに到達すべき波長に対して十分に低損失であればよいため、カラーフィルタと同様の材質であってもよく、例えば樹脂などの有機材料であってもよい。
【0063】
上記実施形態では、PD41、PD42及びPD43が対応する色として、RGBの3原色を例に挙げて説明したが、3原色以外の波長の光(例えば、赤外光や紫外光)に対応していてもよい。
【0064】
上記実施形態では、一つのPD群40がPD41、PD42及びPD43の3つのPDを含む例について説明したが、一つのPD群が2つ又は4つ以上のPDを含んでもよい。それらのPDは、1次元方向に(例えばX軸方向又はY軸方向に)配置されてもよいし、2次元方向に(例えばX軸方向及びY軸方向に)配置されてもよい。
【0065】
以上、本発明を具体的な実施の形態に基づいて説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0066】
以上説明した撮像素子は、例えば次のように特定される。図1図11等を参照して説明したように、撮像素子12は、複数のPD群40と、透明層5と、複数の構造体群50とを備える。複数のPD群40の各々は、PD41、PD42及びPD43を含み、2次元方向(XY平面方向)に配置される。透明層5は、複数のPD群40に対向し、2次元方向を面方向として延在する。複数の構造体群50は、透明層5上又は透明層5内において、複数のPD群40に対応して透明層5の面方向に配置される。複数の構造体群50の各々は、同じパターンで配置された構造体51、構造体52及び構造体53を含み、対応するPD群40のPD41、PD42及びPD43それぞれに向けて入射光を分光するように配置される。平面視したときに、対応するPD群40と構造体群50との相対位置が、2次元上の(XY平面上の)位置に応じて異なっている。
【0067】
上記の撮像素子12では、対応するPD群40と構造体群50との相対位置が、2次元上の位置に応じて異なっている。仮に相対位置が2次元上のいずれの位置でも同じであるとすると、先に図9を参照して説明したように、構造体群50によって分光された光が、PD41、PD42及びPD43の中心から離れた位置に到達する。その結果、PD41、PD42及びPD43に効率よく光が入射せず、例えば受光感度が劣化するといった問題が生じる。これに対し、撮像素子12では、対応するPD群40と構造体群50との相対位置をずらすことにより、構造体群50による分光方向を、PD41、PD42及びPD43の中心に近づけることができる。したがって、受光感度を向上させることができる。
【0068】
撮像素子12における2次元上の中心部分での相対位置を基準とした場合、2次元上の外周部分に向かうにつれて相対位置のずれが大きくなってよい。これにより、外周部に向かうにつれて大きくなる入射角度のずれに対応した相対位置を定めることができる。
【0069】
図5及び図6等を参照して説明したように、構造体51、構造体52及び構造体53は、それらの間の部分の屈折率よりも高い屈折率を有する柱状構造体であり、平面視したときに、構造体51、構造体52及び構造体53のうちの少なくとも一部の構造体は、互いに異なる幅を有し、側面視したときに、構造体51、構造体52及び構造体53は、同じ高さを有してよい。構造体51、構造体52及び構造体53のうちの少なくとも一部の構造体は、互いに異なる屈折率を有してもよい。例えばこのような構造体51、構造体52及び構造体53を配置することで構造体群50に(透明層5に)分光機能を持たせ、PD41、PD42及びPD43それぞれに向けて入射光を分光することができる。また、例えば高さの異なる複数の構造体を設ける場合よりも、容易に製造することができる。
【0070】
図12図14等を参照して説明したように、撮像素子12Aは、各々が複数の構造体群50Aそれぞれに対応して設けられた複数のレンズ61を備え、平面視したときに、対応する構造体群50Aとレンズ61との相対位置が、2次元上の位置に応じて異なっていてよい。あるいは、図12図15及び図16等を参照して説明したように、撮像素子12Aは、各々が複数の構造体群50Aそれぞれに対して設けられ、2次元上の位置に応じた形状を有するレンズ61、レンズ62及びレンズ63を備えてよい。これにより、外周部分及び中間部分において透明層5Aに入射する光の入射角度を、中心部分における入射角度に近づけることができる。例えば、複数の構造体群50だけを用いる場合よりも、PD群40のPD41、PD42及びPD43の中心に向かって光を分光しやすくなる。
【0071】
図17等を参照して説明したように、撮像素子12Bは、複数のPD群40の少なくとも一部を覆うように周期的に設けられ、複数のPD群40の屈折率とは異なる大きさの有効屈折率を有する複数の回折格子70を備えてよい。これにより、光の反射を抑制し、PD41、PD42及びPD43に効率よく光を入射させることができる。
【0072】
図18等を参照して説明したように、複数の回折格子70は、複数のPD群40の各々に含まれるPD41、PD42及びPD43のうちのPD42を覆うことなく露出させ、撮像素子12は、露出しているPD42を隙間なく覆うように設けられ、複数のPD群40の屈折率とは異なる大きさの屈折率を有する反射抑制膜71を備えてよい。例えばこのような複数の回折格子70及び反射抑制膜71という2種類の反射抑制部材を備える反射抑制層7Aを用いることで、PD41、PD42及びPD43ごとに反射抑制量を調節することができる。
【0073】
図1等を参照して説明した撮像装置10も、本開示の一態様である。すなわち、撮像装置10は、撮像素子12と、撮像素子12から得られた電気信号に基づいて画像信号を生成する信号処理部13とを備える。これにより、受光効率を向上させることができる撮像装置10が得られる。
【符号の説明】
【0074】
3 配線層
4 PD層
5 透明層
7 反射抑制層
10 撮像装置
12 撮像素子
13 信号処理部
40 PD群
41 PD
42 PD
43 PD
50 構造体群
51 構造体
52 構造体
53 構造体
61 レンズ
62 レンズ
63 レンズ
70 回折格子
71 反射抑制膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18