IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ラム リサーチ コーポレーションの特許一覧

特許7564088アーク発生を防止または抑制するための化学蒸着ツール
<>
  • 特許-アーク発生を防止または抑制するための化学蒸着ツール 図1
  • 特許-アーク発生を防止または抑制するための化学蒸着ツール 図2A
  • 特許-アーク発生を防止または抑制するための化学蒸着ツール 図2B
  • 特許-アーク発生を防止または抑制するための化学蒸着ツール 図3
  • 特許-アーク発生を防止または抑制するための化学蒸着ツール 図4
  • 特許-アーク発生を防止または抑制するための化学蒸着ツール 図5
  • 特許-アーク発生を防止または抑制するための化学蒸着ツール 図6
  • 特許-アーク発生を防止または抑制するための化学蒸着ツール 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】アーク発生を防止または抑制するための化学蒸着ツール
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/509 20060101AFI20241001BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20241001BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20241001BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20241001BHJP
   B23Q 3/15 20060101ALI20241001BHJP
   H02N 13/00 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
C23C16/509
H05H1/46 M
H01L21/68 R
H01L21/205
B23Q3/15 D
H02N13/00 D
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021506503
(86)(22)【出願日】2019-07-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 US2019042575
(87)【国際公開番号】W WO2020033122
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-07-13
(31)【優先権主張番号】16/057,383
(32)【優先日】2018-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サキヤマ・ユキノリ
(72)【発明者】
【氏名】リーサー・カール・フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】バークハート・ヴィンセント
【審査官】▲高▼橋 真由
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-533436(JP,A)
【文献】特開平10-223744(JP,A)
【文献】特表2002-507326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C
H05H
H01L
B23Q
H02N
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学蒸着(CVD)ツールであって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内で基板を支持するための基板台座であって、不均一な支持面を有し、前記支持面と前記基板との間に1以上のギャップが存在する基板台座と、
前記処理チャンバ内に設置されたガス分配要素であって、高周波(RF)電位に応えて前記処理チャンバ内でプラズマに変化するガスを分注するように配置され、前記プラズマはプラズマDCバイアス電圧を生成する、ガス分配要素と、
バイアス制御システムであって、DCバイアス電圧を調整して前記基板台座に適用して、前記処理チャンバ内で前記プラズマにより生成され且つ前記基板により想定された前記プラズマDCバイアス電圧と同じ、またはほぼ同じDCバイアス電圧に前記基板台座を維持するように配置されている、バイアス制御システムと、
を備え、
前記DCバイアス電圧は、前記プラズマと接地電極との間の電流経路に沿って測定した電流がゼロまたは所定値を維持するように調整され、前記電流経路は、前記基板と前記基板台座内に設けられた1以上の電極とを含み、
前記DCバイアス電圧は、前記基板と前記基板台座の不均一面との間の前記1以上のギャップを横切るアークを抑制するように、前記基板台座に適用され
前記基板台座は、静電チャック(ESC)型基板台座であり、前記1以上の電極は、対向クランプ電位に維持された第1の電極および第2の電極を有し、前記対向クランプ電位は、それぞれ前記基板台座に印加される前記DCバイアス電圧により調整され、
前記基板台座は、円形の平面視形状を有し、
前記基板台座は、前記処理チャンバ内の前記プラズマに前記RF電位を提供するためのRF電極を有し、
前記RF電極は、前記基板台座の外縁に沿った環状部分と、前記環状部分の中央を通り前記環状部分を二分して一対のD字形の領域を形成する直線状の部分と、を有し、
前記第1の電極および前記第2の電極は、一対のD字形の平面視形状を有し、前記一対のD字形の領域に配置されている、CVDツール。
【請求項2】
請求項1に記載のCVDツールであって、
前記電流経路に沿った抵抗値は、
(a)前記基板、
(b)前記基板上に形成されたあらゆる薄膜、
(c)前記基板台座上に設けられた前記1以上の電極、および
(d)前記基板台座に接続された電源、
のうちの1つまたは複数から算出される、CVDツール。
【請求項3】
請求項1に記載のCVDツールであって、
前記1以上の電極は、前記処理チャンバ内の前記プラズマに前記RF電位を提供するための前記RF電極を備える、CVDツール。
【請求項4】
請求項1に記載のCVDツールであって、
前記バイアス制御システムは、
前記基板と前記基板台座上に設けられた前記1以上の電極を通る、前記プラズマと前記接地電極との間の前記電流経路の電流を測定するための電流測定装置と、
前記電流測定装置に応えて前記基板台座に設けられた電極に印加された制御されたDCバイアス電圧を生成するための制御された電源であって、前記台座基板に適用される前記DCバイアス電圧は、前記基板と前記基板台座上に設けられた前記1以上の電極を通る、前記プラズマと前記接地電極との間の前記電流経路の測定された前記電流と釣り合う、制御電源と、
を備える、CVDツール。
【請求項5】
請求項に記載のCVDツールであって、
前記基板台座に設けられた前記第1の電極および前記第2の電極は、前記基板台座に前記基板を静電気的にクランプするために用いられる正電極および負電極である、CVDツール。
【請求項6】
請求項1に記載のCVDツールであって、
前記処理チャンバは、さらに2つ以上の基板台座を備える、CVDツール。
【請求項7】
請求項に記載のCVDツールであって、
前記バイアス制御システムは、さらに、前記2つ以上の基板台座を前記処理チャンバ内の前記プラズマと同じ、またはほぼ同じDCバイアス電圧に維持するように配置されている、CVDツール。
【請求項8】
請求項1に記載のCVDツールであって、
ほぼ同じとは、前記プラズマにより生成された前記DCバイアス電圧および前記基板台座が10.0ボルト以下の電圧差を有することを意味する、CVDツール。
【請求項9】
請求項1に記載のCVDツールであって、
ほぼ同じとは、前記プラズマにより生成された前記DCバイアス電圧および前記基板台座が0.1ボルト以下の電圧差を有することを意味する、CVDツール。
【請求項10】
化学蒸着(CVD)ツールであって、
CVDチャンバと、
前記CVDチャンバ内において基板を保持する基板台座の支持面と、
前記支持面と前記基板との間の1以上のギャップと、
前記基板台座の前記支持面を、前記CVDチャンバ内のプラズマにより生成され且つ前記基板により想定された直流(DC)バイアス電圧と同じ電圧、またはほぼ同じ電圧のDCバイアス電圧に維持するように配置されたバイアス制御システムを備え、
前記DCバイアス電圧は、前記CVDチャンバ内のプラズマと接地電極との間の電流経路に沿って測定した電流がゼロまたは所定値を維持するように調整され、前記CVDチャンバ内の前記プラズマと前記接地電極との間の前記電流経路は、前記基板と前記基板台座上に設けられた1以上の電極とを含み、
前記基板と前記支持面との間の前記同じ電圧は、前記支持面と前記基板との間の前記1以上のギャップを横切るアークを抑制し、
前記基板台座は、静電チャック(ESC)型基板台座を含み、前記1以上の電極は、前記基板台座の前記支持面に基板をクランプするための逆極性の第1電極および第2電極を含み、前記DCバイアス電圧は、前記ESC電極の前記第1電極および前記第2電極に印加され、
前記基板台座は、円形の平面視形状を有し、
前記基板台座は、前記処理チャンバ内の前記プラズマに高周波(RF)電位を提供するためのRF電極を有し、
前記RF電極は、前記基板台座の外縁に沿った環状部分と、前記環状部分の中央を通り前記環状部分を二分して一対のD字形の領域を形成する直線状の部分と、を有し、
前記第1の電極および前記第2の電極は、一対のD字形の平面視形状を有し、前記一対のD字形の領域に配置されている、CVDツール。
【請求項11】
請求項10に記載のCVDツールであって、
前記バイアス制御システムは、さらに、前記基板の処理の開始時における設定点として前記測定された電流を用い、前記基板の次の処理の間に前記基板台座の前記DCバイアス電圧を調節するように配置されている、CVDツール。
【請求項12】
請求項10に記載のCVDツールであって、
前記プラズマと前記電極との間の前記電流経路は、
(a)前記基板台座に支持された前記基板、
(b)前記基板上に形成されたあらゆる薄膜、
(c)前記基板台座上に設けられた前記1以上の電極、
(d)前記基板台座に接続された電源、および
(e)前記基板台座、
のうちの1つまたは複数を含む、CVDツール。
【請求項13】
請求項10に記載のCVDツールであって、
前記バイアス制御システムは、前記プラズマにより生成された前記DCバイアス電圧が前記CVDチャンバ内で変化するに伴って前記DCバイアス電圧を調節する、CVDツール。
【請求項14】
請求項10に記載のCVDツールであって、
前記バイアス制御システムは、
前記基板と前記基板台座上に設けられた前記1以上の電極を通る、前記CVDチャンバ内の前記プラズマと前記接地電極との間の前記電流を測定するための電流測定装置と、
前記基板台座に設けられた前記1以上の電極に前記DCバイアス電圧を印加するための電源であって、前記DCバイアス電圧は前記測定された電流と釣り合う、CVDツール。
【請求項15】
請求項10に記載のCVDツールであって、
前記電流経路は、前記基板上に形成されたあらゆる薄膜と、前記基板台座に接続された電源を含む、CVDツール。
【請求項16】
請求項10に記載のCVDツールであって、
前記プラズマと前記電極との間の抵抗値は、
(a)基板、
(b)前記基板上に形成されたあらゆる薄膜、
(c)前記基板台座上に設けられた前記1以上の電極、および
(d)前記基板台座に接続された電源、
のうちの1つまたは複数の抵抗から算出される、CVDツール。
【請求項17】
請求項10に記載のCVDツールであって、
ほぼ同じとは、前記プラズマにより生成された前記DCバイアス電圧および前記基板台座が10.0ボルト以下の電圧差を有することを意味する、CVDツール。
【請求項18】
請求項10に記載のCVDツールであって、
ほぼ同じとは、前記プラズマにより生成された前記DCバイアス電圧および前記基板台座が0.1ボルト以下の電圧差を有することを意味する、CVDツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、全ての目的のために参照として本明細書に援用される、2018年8月7日出願の米国出願第16/057,383号の優先権の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ励起化学蒸着(PECVD)ツールは、基板上に薄膜を形成するために用いられる。CVDツールは通常、処理チャンバ、処理チャンバ内で基板を支持するための基板台座、およびシャワーヘッドを備える。動作中にシャワーヘッドは、処理される基板の表面上方に反応ガスを分配する。プラズマを生成するために、通常シャワーヘッドおよび/または基板台座に設けられる2つの電極の間に高周波(RF)電位が印加される。通電された電子はプラズマから反応ガスを分離または解離(例えば、「分裂」)させ、化学反応性ラジカルを生成する。これらのラジカルは、反応するにつれて基板上に堆積し、薄膜を形成する。
【0003】
アーキングは、異なる電位の2つの表面の間の隙間に提供される通常では非導電性ガスの絶縁破壊により生じる、広く知られた電気現象である。アーキングが発生すると、非導電性ガスは絶縁破壊し、強電流または放電が短時間に2つの表面の間の隙間を飛び越える。
【0004】
PECVDツールにとって、アーキングは大きな問題となる。通常、基板と台座との間には電気抵抗材料(例えば、誘電膜)が設けられる。ツールの動作中に、処理チャンバ内のプラズマおよび基板は本質的に、RF電位が印加されたときに直流(DC)バイアス電圧を生成する。その結果、抵抗材料により基板と基板台座との間には非ゼロのDC電圧が存在する。
【0005】
DC電圧の差が特定の閾値を超えた場合は、基板と基板台座との間のガスで絶縁破壊が起こる可能性がある。基板上に薄膜が形成されるにつれて、DCバイアス電圧の大きさは大きくなる傾向がある。その結果、絶縁破壊の可能性が大幅に高まる。特定の種類の基板(半導体ウエハなど)では、放電またはアーキングの突然のバーストは繊細な電気回路を破壊しうる。半導体ウエハ上の電気回路の破壊は歩留まりを減少させ、大幅な製造ロスおよびコストの増加をもたらす可能性がある。
【0006】
よって、基板と基板台座との間のアーク発生を抑制または完全に排除するCVDツールが必要である。
【発明の概要】
【0007】
基板台座と基板との間のアーク発生を抑制または完全に排除する化学蒸着(CVD)ツールが開示される。このツールは、処理チャンバ、処理チャンバ内で基板を支持するための基板台座、および処理チャンバ内に設置されたシャワーヘッドを備える。シャワーヘッドは、高周波(RF)電位に応えてDCバイアス電圧を生成するプラズマに変化するガスを分注するように配置されている。このツールは、プラズマによって生成されたDCバイアス電圧と同じ、またはほぼ同じDCバイアス電圧に基板台座を維持するように配置された直流(DC)バイアス制御システムも備える。
【0008】
非排他的な実施形態では、DCバイアス制御システムは、プラズマと基板台座との間のDC電流を測定し、アースと基板との間の抵抗が一定に保たれるときにDC電流を一定に維持することで基板台座のDCバイアス電圧を調節する。
【0009】
別の非排他的な実施形態では、DCバイアス制御システムはさらに、基板処理の開始時点のDC電流を測定し、次にDCバイアス電圧を調節して、抵抗のドリフトを補償するために残りの基板処理について測定されたDC電流を維持するように配置されている。
【0010】
様々な非排他的な実施形態では、プラズマと電極との間の電流路は、(a)基板台座に支持された基板、(b)基板上で形成された薄膜、(c)基板台座、および(d)基板台座に接続された電源、のうちの1または複数を含む。抵抗は、(f)基板、(g)基板上に形成された薄膜、(h)基板台座、および(i)基板台座に接続された電源システムの抵抗成分、のうちの1または複数で構成される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本願およびその利点は、添付の図面と共に記載された以下の説明を参照して十分に理解されるだろう。
【0012】
図1】本発明の非排他的な実施形態による化学蒸着(CVD)チャンバのブロック図。
【0013】
図2A】本発明の非排他的な実施形態による基板台座の上面図。
図2B】本発明の非排他的な実施形態による基板台座の断面図。
【0014】
図3】本発明の非排他的な実施形態によりアーク発生がどのように抑制または防止されるかを表す図。
【0015】
図4】ツールにおいてプラズマにより生成されたDCバイアス電圧の予測不可能性を経時的に表すプロット。
【0016】
図5】本発明による基板台座のためのアクティブなDCバイアス制御システムを表すブロック図。
【0017】
図6】本発明の非排他的な実施形態による複数の基板台座を有するCVDチャンバの図。
【0018】
図7】本発明の非排他的な実施形態によるCVDツールを制御するために用いられるシステムコントローラのブロック図。
【0019】
図面では、類似の構造要素を示すために類似の参照番号が用いられることがある。図中の描写は図形的表示であり、必ずしも一定の比率で縮小されていないことも理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで本願は、添付の図面に表されたいくつかの非排他的な実施形態を参照して詳細に説明される。以下の説明では、本開示の十分な理解を提供するために多くの特定の詳細が記載される。しかし、本開示がこれらの特定の詳細の一部または全てなしで実施されてよいことは当業者には明らかだろう。他の例では、本開示を必要以上に分かりにくくしないように、周知のプロセス工程および/または構造は詳細には説明されていない。
【0021】
図1を参照すると、化学蒸着(CVD)ツール10のブロック図が示されている。ツール10は、処理チャンバ12、シャワーヘッド14、処理される基板18を位置決めするための基板台座16、高周波(RF)源発生器20、ガス源22、システムコントローラ24、ならびに、基板台座16および直流(DC)バイアス制御システム28に接続されたESC電源26を備える。様々な実施形態では、CVDツールは、プラズマ励起化学蒸着(PECVD)ツール、プラズマ励起原子層堆積(PEALD)ツール、またはプラズマを用いる他の種類のCVDツールであってよい。
【0022】
動作中に反応ガスは、ガス源22からシャワーヘッド14を通って処理チャンバ12に供給される。ガスは、シャワーヘッド14内部で1または複数のプレナム(図示せず)を介して、チャンバ12内部の基板18の表面上方の領域に分配される。RF発生器20によって生成されたRF電位は、基板台座16の上の1または複数の電極(非表示)に印加される。RF電位はガスをイオン化し、処理チャンバ12の内部でプラズマを発生させる。プラズマ内で通電された電子は反応ガスから解離(すなわち、「分裂」)し、化学反応性ラジカルを生成する。それらのラジカルは反応するにつれて基板18上に堆積し、薄膜を形成する。
【0023】
様々な実施形態では、RF発生器20は、高周波、中周波、および/もしくは、低周波を生成できる単一のRF発生器または複数のRF発生器であってよい。例えば高周波の場合では、RF発生器20は2~100MHzの範囲の周波数を生成してよく、好ましくは13.56MHzまたは27MHzの周波数を生成してよい。低周波が生成されるときは、この範囲は50KHzから2MHzであり、350KHzから600KHzであることが好ましい。別の実施形態では、RF源は、基板台座16ではなくシャワーヘッド14に、またはシャワーヘッド14および基板台座16の両方に設けられたRF電極に接続されてよい。
【0024】
システムコントローラ24は、一般にCVDツール10の動作全般を制御し、堆積中、堆積後、および/または、他の処理動作のプロセス条件を管理するのに用いられる。
【0025】
非排他的な実施形態では、基板台座16は静電チャック(ESC)型基板台座である。ESC電源26は、基板18をクランプするのに必要な静電力を生成するのに十分な大きさの対向電圧を、基板台座16のクランプ面に埋め込まれた電極(図1には図示せず)に供給するために設けられている。
【0026】
反応ガスと共にRF電位が処理チャンバ12に印加されると、プラズマが発生する。RF電位に応えて、プラズマは通常0から-100ボルトの範囲のDCバイアスを生成する。基板18がプラズマに暴露されると、基板はプラズマと同じまたはほぼ同じDCバイアス電圧を生成する。通常、基板台座16は異なる電圧で維持されることが多い。基板台座16と基板18との間の電圧差は、アーク発生の影響を受けやすい。
【0027】
DCバイアス制御システム28は、プラズマおよび基板18によって生成されたものと同じまたはほぼ同じDCバイアス電圧に基板台座16を維持するように設けられている。よって、基板台座16と基板18との間の電圧差はゼロまたはゼロに近い。その結果、基板台座16と基板18との間のアーク発生は抑制される、または完全に排除される。
【0028】
図2Aおよび図2Bを参照すると、基板台座16の非排他的な実施形態の上面図および断面図が示されている。この特定の実施形態では、基板台座16の本体部29は、窒化アルミニウムなどの非導電性セラミック材料で作られている。基板18をクランプするための静電チャック(ESC)面30は、基板台座16に埋め込まれている。
【0029】
図2Aに詳しく示されているように、電極30は基板台座16に埋め込まれ、1対の「D字形」ESCクランプ電極32Aおよび電極32Bを備える。クランプ中に、2つの電極32Aおよび電極32Bにはそれぞれ逆極性の電圧(例えば、+/-500ボルト)が提供される。結果として生じた静電力は、基板台座16のクランプ面30に基板18をクランプする。
【0030】
基板台座16は、上面30に埋め込まれた、その周囲およびその中央を通って設けられたRF電極34も備える。電極32A、電極32B、および電極34はRF源20に接続され、処理チャンバ12に供給された反応ガスをイオン化するのに必要なRF電位を提供し、プラズマを生成するように配置されている。図2Bに詳しく示されているように、断面はESCクランプ電極32Aおよび電極32Bを示し、RF電極32A、RF電極32B、およびRF電極34は基板台座16の本体部29に埋め込まれている。
【0031】
アーク発生を抑制または防止するために、DCバイアス制御システム28は、左右の電極32Aおよび電極32Bにバイアス電圧を提供する。例えば、+/-500ボルトのESCクランプ電圧が電極32Aおよび電極32Bにそれぞれ印加されたとする。処理チャンバ12内部のプラズマが-10ボルトのバイアスを生成した場合、同じまたは類似の大きさのバイアス電圧VDCが電極32Aおよび電極32Bに印加される。つまり、電極32Aは490ボルト(500-10)に維持され、電極32Bは-510ボルト(-500-10)に維持される。別の非排他的な実施形態では、同じバイアス電圧VDC(例えば、-10V)が電極34にも印加されうる。
【0032】
2つの電極32Aと電極32Bとの間の電圧差が同じままであるため、バイアス電圧VDCはESCクランプ力に影響しない。しかし、基板台座16と基板18との間の電圧差はゼロまたは極めてゼロ近くまで減少し、アーク発生を抑制または完全に排除する。
【0033】
図3を参照すると、アーク発生がどのように防止または抑制されるかを示す図が示されている。シャワーヘッド14は、処理チャンバ12に1または複数の反応ガスを導入する。基板台座16に埋め込まれた電極34によって提供されるRF電位は、反応ガスのイオン化をもたらし、プラズマを生成する。
【0034】
この特定の例では、金属層または導電性炭素層などの導電性薄膜36が誘電層38の上に堆積される。堆積時に、層または膜36および38は、基板18の上面および基板台座16の周囲部分の両方の上に形成される。導電性層36が形成されるにつれて、文字「e」で示された負の表面電荷が基板18の表面に堆積する。
【0035】
プラズマによって生成されたDCバイアス電圧と同じDCバイアス電圧「VDC」は、基板台座16の電極32Aおよび電極32B(図示せず)に印加される。基板18と基板台座16との間の電圧差は同じまたはほぼ同じであるため、基板18上の表面電荷「e」は基板台座16に吸着されない。その結果、特にアーク発生に最も影響を受けやすい場所になる傾向がある楕円40で示された領域において、アーク発生が抑制されるまたは完全に排除される。
【0036】
処理チャンバ12における基板18の処理の間に、プラズマによって生成されたDCバイアス電圧は時間とともに予想外に変化する傾向がある。例えば、半導体ウエハ上への導電性(例えば、炭素)層の堆積中に、プラズマは導電性層を電極と「みなす」。長期間の堆積にわたって、時間とともにウエハおよび基板台座16の周囲上面の両方の上に層がより広くより厚く成長する傾向がある。この成長の結果、プラズマは広がる傾向があり、プラズマによって生成されたDCバイアス電圧を変化させる。しかし、プラズマによって生成されたDCバイアス電圧は通常、直線的ではない。結果的に、プラズマの生成DCバイアス電圧が経時的にどのように変化するかを予測することは非常に難しい。
【0037】
図4は、堆積中にCVDツールにおいてプラズマにより生成されたDCバイアス電圧の予測不可能性を表す例示的プロットである。プロットは、DCバイアス電圧が時間とともに減少(例えば、約-5.0ボルトから約-20.0ボルト)する傾向があることを示す。しかし、この減少は直線的ではない。よってプロットは、固定バイアス電圧VDCが電極32A、電極32B、および/または電極34に印加された場合は、プラズマのDCバイアス電圧が変化するにつれて基板18と基板台座16との間に時には電圧差が存在してよいことを示す。電圧差が存在するときは必ず、基板18はアーク発生の影響を受けやすい。図のプロットは単に例示のためであり、DCバイアス電圧減の非直線性を示すために提供されている。実際の実施形態ではプロットは大きく変化するが、通常はDCバイアス電圧の減少を示すことを理解されたい。
【0038】
非ゼロの電圧差が存在するときは、プラズマと接地電極との間の有限抵抗のためDC電流はその間で流れる。プラズマと電極との間の電流路は、(a)基板台座16に支持された基板18、(b)基板18に形成された薄膜、(c)基板台座16に設けられた電極32A、電極32B、および電極34、(d)基板台座16に接続された電源26、ならびに(e)基板台座16、のうちの1つまたは複数を含む。
【0039】
抵抗は、上述の電流路に設けられた(a)基板18、(b)基板18に形成された薄膜、(c)基板台座16に設けられた電極32A、電極32B、および電極34、ならびに、(d)基板台座16に接続された電源26、のうちの1つまたは複数で構成される。
【0040】
処理チャンバ12内部の状態が変化するにつれて、プラズマのDCバイアス電圧は上記のように変化する。抵抗が固定されたときは、測定された電流の変化はプラズマのDCバイアス電圧の変化を示すだろう。その結果、ΔVDCの値の変化は、プラズマによって生成されたDCバイアス電圧の経時的な変化に比例する。継続的にΔVDCを測定し、電極32A、電極32B、および/または電極34に印加することにより、基板台座のDCバイアス電圧は、処理条件の変化に伴うプラズマおよび基板によって生成されたDCバイアスを実質的に追跡することができる。つまり、基板台座16と基板18との間の電圧差は、処理チャンバ12の状態が変化しながらゼロまたはゼロ近くに留まる。
【0041】
図5を参照すると、DCバイアス制御システム28のブロック図が示されている。システム28は、電流測定装置50およびESC電源26を備える。電流測定装置50は、プラズマと接地電極との間の電流のサンプルを測定する。DC電源52は、一定の電流を維持するためにESC電源26を介して電極32A、電極32B、および/または電極34に印加されたバイアス電圧を調節する。一定の電流を維持することにより、基板18と基板台座との間の電圧差はゼロまたはゼロ近くに留まる。
【0042】
様々な実施形態では、電流サンプルを測定するための所定のサンプリングレートは大きく異なってよい。例えば、サンプリングレートは1マイクロ秒から10秒までのいずれかの範囲でありうる。一般に、サンプリングレートが高いほど、プラズマによって生成された実際のDCバイアスの変化を追跡するためにより正確にバイアス電圧が調節されうる。その結果、より高レベルのアーク発生抑制が実現される可能性が高い。
【0043】
上記に基づいて、アーク発生を抑制または完全に防止するいくつかの方法がある。例えば、
・基板18と基板台座16との間の電圧を一定(ゼロボルトまたはゼロボルト近く)に維持することで、アーク発生は排除されうるまたは大幅に制限されうる。しかし、時間とともにプラズマのDCバイアス電圧は変化するため、台座と基板との間の電圧差は増加する可能性がある。その結果、アーク発生の可能性も増加するだろう。
・フィードバックループを用いてサンプル電流を測定し、ESC電源26を介して電極32A、電極32B、および/または電極34に印加されるバイアス電圧を調節するようにDCバイアス供給部52を制御することで、測定された電流は事前定義された一定の値に維持されうる。この方法はプラズマのDCバイアス電圧が時間とともに変化しても有効的であるが、抵抗が変化する場合は影響を受けやすい。例えば、抵抗が基板ごとに、または基板に層が追加されるにつれて変化する場合は、アーク発生の可能性が増加するだろう。
・電流を1回測定し、それを各基板の設定点として用いる。その後、上述のフィードバックループが用いられて、電極32A、電極32B、および/または電極34に印加されたバイアス電圧が調節される。次の基板については設定点が再び測定され、それに応じてバイアス電圧が調節される。システムにおけるドリフトを補償するために、各基板の電流を測定することで設定点が更新される。この手法により、時間とともにプラズマのDCバイアスが変化しても、および/または、チャンバ12の状態が変化しても、アーク発生の可能性は大幅に抑制される。
【0044】
DC電流を測定し、基板台座16の電極32A、電極32B、および/または電極34へのDCバイアス電圧を調節して印加する能力は、多くの利点をもたらす。第1に、基板台座16と基板18との間の電圧差は、基板18がチャンバ12で処理される間、ゼロまたはゼロ近くに留まる。第2に、1つの基板18が処理のために別の基板に交換されたときに、電流が測定され、処理チャンバ12内部の電流条件と一致するようにDCバイアス電圧が調節される。第3に、DCバイアス制御システム28は、ツール10および/または処理チャンバ12に関係なくDCバイアス電圧を調節する能力を有する。従ってDCバイアス制御システム28は、1つのツールから次のツールにどれだけ条件が変化しようともDCバイアス電圧を調節する能力を有するため、1つのCVDツール10から次のCVDツール、または1つの処理チャンバ12から次の処理チャンバへの変更は問題ではない。
【0045】
図6を参照すると、複数の基板台座16を有するCVDチャンバ12の図が示されている。この特定の実施形態では、CVDツール10は、処理チャンバ12に基板台座16A~16Dの4つの基板台座を有するため「クワッド」ツールと呼ばれる。よって、DCバイアス制御システム28はA~Dの4つのバイアス電圧ΔVDC(+/-)を提供し、各々は上述のように4つの基板台座16A~16Dについてそれぞれ計算される。図のクワッドツール10は単なる例示であり、限定的と解釈されるべきでないことを理解されたい。アーク発生を抑制または排除するためのシステムは、任意の数の基板台座を有するCVDツールで用いられてよい。
【0046】
図7は、システムコントローラ24を示す高レベルブロック図である。コンピュータシステム24は、集積回路からプリント回路基板、小型ハンドヘルドデバイス、パーソナルコンピュータ、サーバ、スーパーコンピュータに至る多くの物理的形態を有してよく、それらのいずれも1または複数のプロセッサを有してよい。コンピュータシステム24はさらに、電子表示装置804(画像、文章、および他のデータの表示用)、非一時的メインメモリ806(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、記憶装置808(例えば、ハードディスクドライブ)、リムーバブル記憶装置810(例えば、光ディスクドライブ)、ユーザインタフェース装置812(例えば、キーボード、タッチ画面、キーパッド、マウス、または他のポインティング装置)、ならびに、通信インタフェース814(例えば、無線ネットワークインタフェース)を含みうる。通信インタフェース814は、リンクを介してシステムコントローラ24と外部装置との間でソフトウェアおよびデータが転送されることを可能にする。システムコントローラ24は、前述の装置/モジュールが接続される通信インフラ816(例えば、通信バス、クロスオーバーバー、またはネットワーク)を含んでもよい。
【0047】
「非一時的コンピュータ可読媒体」との用語は、一般にメインメモリ、二次メモリ、リムーバブルメモリ、ならびに記憶装置(ハードディスク、フラッシュメモリ、ディスクドライブメモリ、CD-ROM、および他の形態の永続メモリ)を指すのに用いられ、搬送波またはキャリア信号などの一時的対象を含むと解釈されるべきではない。
【0048】
特定の実施形態では、システムソフトウェアまたはシステムコードを作動させるまたは実行するシステムコントローラ24は、ツール10の全てまたは少なくともほとんどの動作(例えば、処理動作のタイミング、RF発生器20の動作の周波数および電力、処理チャンバ12内部の圧力、処理チャンバ12へのガスの流量、濃度、および温度、それらの相対的混合、基板ホルダ16に支持される基板18の温度、を制御する動作)を制御する。
【0049】
通信インタフェース814を介して転送される情報は、電子、電磁気、光などの形態の信号、または、信号を伝送する通信リンクを介して通信インタフェース814に受信されうる他の信号であってよく、配線もしくはケーブル、光ファイバ、電話線、携帯電話リンク、無線周波数リンク、および/または、他の通信回路を用いて実施されてよい。かかる通信インタフェースを用いて、1または複数のプロセッサ802がネットワークから情報を受信する、または、ネットワークに情報を出力することが予期される。さらに方法の実施形態は、処理の一部を共有するリモートプロセッサと協働して、プロセッサのみに実行されてよい、または、インターネットなどのネットワークを通じて実行されてよい。
【0050】
本明細書に記載の実施形態は単なる例示であり、いずれにも限定的と解釈されるべきでないことを理解されたい。一般に本願は、2つの螺旋状パターンを規定する少なくとも2セットの穴、および、その2つのパターンのための2つのプレナムを有するシャワーヘッドを含むことを意図している。
【0051】
いくつかの実施形態のみが詳細に説明されたが、本願は本明細書に記載の開示の精神または範囲を逸脱することなく多くの他の形態で実施されてよいことを理解されたい。例えば、基板は、半導体ウエハ、ディスクリート半導体デバイス、フラットパネルディスプレイ、または他の種類のワークピースでありうる。
【0052】
よって、本実施形態は例示のためであり制限的と見なされるべきでなく、本明細書に記載の詳細に限定されるべきではないが、添付の特許請求の範囲およびその同等物の範囲内で変更されてよい。本開示は、以下の形態によって実現されてもよい。
[形態1]
化学蒸着(CVD)ツールであって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内で基板を支持するための基板台座と、
前記処理チャンバ内に設置されたシャワーヘッドであって、高周波(RF)電位に応えて前記処理チャンバ内でプラズマに変化するガスを分注するように配置され、前記プラズマはDCバイアス電圧を生成する、シャワーヘッドと、
直流(DC)バイアス制御システムであって、前記処理チャンバ内で前記プラズマにより生成された前記DCバイアス電圧と同じ、またはほぼ同じDCバイアス電圧に前記基板台座を維持するように配置されている、DCバイアス制御システムと、
を備える、CVDツール。
[形態2]
形態1に記載のCVDツールであって、
前記DCバイアス制御システムは、さらに、前記プラズマにより生成された前記DCバイアス電圧が変化するに伴って、前記基板台座の前記DCバイアス電圧を調節するように配置されている、CVDツール。
[形態3]
形態2に記載のCVDツールであって、
前記DCバイアス制御システムは、
前記プラズマと接地電極との間の電流路に沿って電流を測定することと、
前記測定された電流をゼロまたは一定の所定値に維持することで前記基板台座の前記DCバイアス電圧を調節することと、
により前記基板台座の前記DCバイアス電圧を調節する、CVDツール。
[形態4]
形態3に記載のCVDツールであって、
前記DCバイアス制御システムは、さらに、前記基板の処理の開始時における設定点として前記測定された電流を用い、前記基板の次の処理の間に前記基板台座の前記DCバイアス電圧を調節するように配置されている、CVDツール。
[形態5]
形態4に記載のCVDツールであって、
前記プラズマと前記電極との間の前記電流路は、
(a)前記基板台座に支持された前記基板、
(b)前記基板上に形成されたあらゆる薄膜、
(c)前記基板台座上に設けられた電極、
(d)前記基板台座に接続された電源、および
(e)前記基板台座、
のうちの1つまたは複数を含む、CVDツール。
[形態6]
形態4に記載のCVDツールであって、
前記抵抗値は、
(a)前記基板、
(b)前記基板上に形成されたあらゆる薄膜、
(c)前記基板台座上に設けられた電極、および
(d)前記基板台座に接続された電源、
のうちの1つまたは複数の抵抗から算出される、CVDツール。
[形態7]
形態1に記載のCVDツールであって、
前記基板台座は、対向クランプ電位に維持された第1の電極および第2の電極を備える静電チャック(ESC)型基板台座であって、前記対向クランプ電位は、前記処理チャンバ内で前記プラズマにより生成されたものと同じ、またはほぼ同じDCバイアス電圧で調節される、CVDツール。
[形態8]
形態1に記載のCVDツールであって、
前記基板台座は、前記処理チャンバ内の前記プラズマに前記RF電位を提供するためのRF電極を備える、CVDツール。
[形態9]
形態8に記載のCVDツールであって、
前記RF電極は、前記処理チャンバ内で前記プラズマにより生成されたものと同じ、またはほぼ同じDCバイアス電圧で調節される、CVDツール。
[形態10]
形態1に記載のCVDツールであって、
前記DCバイアス制御システムは、
前記プラズマと電極との間の電流を測定するための電流測定装置と、
前記電流測定装置に応えて前記基板台座に設けられた電極へのDCバイアス電圧を制御するための制御電源と、
を備える、CVDツール。
[形態11]
形態7に記載のCVDツールであって、
前記基板台座に設けられた前記電極は、前記基板台座に前記基板を静電気的にクランプするために用いられる正電極および負電極である、CVDツール。
[形態12]
形態1に記載のCVDツールであって、
前記処理チャンバは、さらに2つ以上の基板台座を備える、CVDツール。
[形態13]
形態14に記載のCVDツールであって、
前記DCバイアス制御システムは、さらに、前記2つ以上の基板台座を前記処理チャンバ内の前記プラズマと同じ、またはほぼ同じDCバイアス電圧に維持するように配置されている、CVDツール。
[形態14]
形態1に記載のCVDツールであって、
ほぼ同じとは、前記プラズマにより生成された前記DCバイアス電圧および前記基板台座が10.0ボルト以下の電圧差を有することを意味する、CVDツール。
[形態15]
形態1に記載のCVDツールであって、
ほぼ同じとは、前記プラズマにより生成された前記DCバイアス電圧および前記基板台座が0.1ボルト以下の電圧差を有することを意味する、CVDツール。
[形態16]
化学蒸着(CVD)ツールであって、
処理チャンバに設けられた基板台座を、前記処理チャンバ内のプラズマにより生成されたものと同じまたはほぼ同じ直流(DC)バイアス電圧に維持するように配置されたDCバイアス制御システムを備える、CVDツール。
[形態17]
形態16に記載のCVDツールであって、
前記基板台座は、前記基板台座に基板をクランプするための逆極性の静電クランプ(ESC)電極を備え、前記DCバイアス電圧は、逆極性の前記ESC電極に印加される、CVDツール。
[形態18]
形態16に記載のCVDツールであって、
前記DCバイアス制御システムは、前記プラズマにより生成された前記DCバイアス電圧が前記処理チャンバ内で変化するに伴って前記DCバイアス電圧を調節する、CVDツール。
[形態19]
形態16に記載のCVDツールであって、
前記DCバイアス制御システムは、
前記プラズマと電極との間の電流を測定するための電流測定装置と、
前記基板台座に設けられた電極にDCバイアスオフセットを印加するためのESC電源であって、前記DCバイアスオフセットは前記測定された電流と釣り合う、CVDツール。
[形態20]
形態19に記載のCVDツールであって、
前記プラズマと前記電極との間の前記電流の電流路は、
(a)前記基板台座に支持された基板、
(b)前記基板上に形成されたあらゆる薄膜、
(c)前記基板台座上に設けられた電極、
(d)前記基板台座に接続された電源、および
(e)前記基板台座、
のうちの1つまたは複数を含む、CVDツール。
[形態21]
形態19に記載のCVDツールであって、
前記抵抗値は、
(a)基板、
(b)前記基板上に形成されたあらゆる薄膜、
(c)前記基板台座上に設けられた電極、および
(d)前記基板台座に接続された電源、
のうちの1つまたは複数の抵抗から算出される、CVDツール。
[形態22]
形態21に記載のCVDツールであって、
ほぼ同じとは、前記プラズマにより生成された前記DCバイアス電圧および前記基板台座が10.0ボルト以下の電圧差を有することを意味する、CVDツール。
[形態23]
形態21に記載のCVDツールであって、
ほぼ同じとは、前記プラズマにより生成された前記DCバイアス電圧および前記基板台座が0.1ボルト以下の電圧差を有することを意味する、CVDツール。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7