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特許7564585基板位置検出装置、基板重ね合わせ装置、及び基板位置検出方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】基板位置検出装置、基板重ね合わせ装置、及び基板位置検出方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/68 20060101AFI20241002BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20241002BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
H01L21/68 F
H01L21/68 N
H01L21/02 B
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2023221464
(22)【出願日】2023-12-27
【審査請求日】2024-01-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】316011226
【氏名又は名称】AIメカテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉
(74)【代理人】
【識別番号】100211627
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 穂寿
(72)【発明者】
【氏名】池田 孝生
(72)【発明者】
【氏名】稲尾 吉浩
【審査官】宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-224735(JP,A)
【文献】特開2011-216789(JP,A)
【文献】特開2018-010925(JP,A)
【文献】国際公開第2017/155002(WO,A1)
【文献】特開2002-184847(JP,A)
【文献】特開2021-080563(JP,A)
【文献】特開2004-342642(JP,A)
【文献】特開2014-165331(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/68
H01L 21/677
H01L 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側基板を保持する保持部と、
前記上側基板の下方に所定間隔を空けて下側基板を支持する支持部と、
前記上側基板の上方かつ径方向外側に設けられ、撮像光軸を前記上側基板又は前記下側基板の外周縁を含む上下方向から所定角度傾けて配置し、前記撮像光軸を反射させずに前記上側基板の外周縁を含む一部、及び前記下側基板の外周縁を含む一部を同時に撮像可能な撮像部と、
前記撮像部で撮像した画像に基づいて、前記下側基板の水平方向位置を検出する処理部と、を備え、
前記所定間隔及び前記所定角度は、
前記所定角度をθ、前記所定間隔をZとした場合、
5mm≦Z≦25mmであって0.6/Z≦sinθを満たし、前記処理部において前記画像から前記上側基板の外周縁に関する情報と、前記下側基板の外周縁に関する情報とを分離可能に設定される、基板位置検出装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記画像から前記上側基板の外周縁に関する情報を除去して、前記下側基板の外周縁に関する情報に基づいて前記下側基板の水平方向位置を検出する、請求項1に記載の基板位置検出装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記下側基板の外周縁に関する情報から前記下側基板の中心位置を算出し、予め設定された基準位置に対するずれ量を算出する、請求項2に記載の基板位置検出装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記ずれ量が、予め設定された閾値の範囲内であるか否かを判定する、請求項3に記載の基板位置検出装置。
【請求項5】
前記撮像部は、前記上側基板を前記保持部で保持した際、又は前記保持部で保持する前に前記上側基板を前記支持部で支持した際に、前記上側基板の外周縁を含む一部を撮像し、
前記処理部は、前記撮像部で撮像した画像に基づいて前記上側基板の水平方向位置を検出する、請求項1に記載の基板位置検出装置。
【請求項6】
前記支持部は、前記下側基板を前記撮像部で撮像する際の高さと同じ高さに前記上側基板を支持し、
前記撮像部は、前記支持部に支持された前記上側基板の外周縁を含む一部を撮像する、請求項5に記載の基板位置検出装置。
【請求項7】
前記撮像部は、前記上側基板又は前記下側基板の中心を含む上下方向の軸周りに間隔を空けて複数設けられる、請求項1に記載の基板位置検出装置。
【請求項8】
前記処理部は、複数の前記撮像部で撮像した画像からそれぞれ取得した前記下側基板の外周縁に関する情報に基づいて、前記下側基板の径寸法を算出する、請求項7に記載の基板位置検出装置。
【請求項9】
前記保持部及び前記支持部を収容し、天板に開口部が形成されたチャンバを備え、
前記撮像部は、前記チャンバの外側に配置され、前記開口部を介して前記上側基板の径方向外側から前記上側基板の外周縁を含む一部、及び前記下側基板の外周縁を含む一部を同時に撮像する、請求項1に記載の基板位置検出装置。
【請求項10】
前記撮像部は、前記開口部を介して、前記上側基板の径方向外側から前記上側基板の外周縁を含む一部、及び前記下側基板の外周縁を含む一部を同時に撮像可能な範囲で、前記撮像光軸を前記所定角度に傾けて設定する、請求項9に記載の基板位置検出装置。
【請求項11】
前記撮像部は、前記下側基板の外周縁の一部とともに前記下側基板の外周縁に設けられたノッチを撮像し、
前記処理部は、前記撮像部が撮像した画像から前記ノッチに関する情報を取得して、前記下側基板の中心を含む上下方向の軸周り方向における前記下側基板の周方向位置を検出する、請求項1に記載の基板位置検出装置。
【請求項12】
上側基板を保持する保持部と、
前記上側基板の下方に所定間隔を空けて下側基板を支持する支持部と、
前記上側基板の上方かつ径方向外側に設けられ、撮像光軸を、前記上側基板又は前記下側基板の外周縁を含む上下方向から所定角度傾けて前記撮像光軸を反射させずに前記下側基板の外周縁に向けて配置し、前記下側基板の外周縁を含む一部を撮像可能な撮像部と、
前記撮像部で撮像した画像に基づいて、前記下側基板の水平方向位置を検出する処理部と、を備え
前記所定間隔及び前記所定角度は、
前記所定角度をθ、前記所定間隔をZとした場合、
5mm≦Z≦25mmであって0.6/Z≦sinθを満たすように設定される、基板位置検出装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の基板位置検出装置を備える、基板重ね合わせ装置。
【請求項14】
前記支持部は昇降可能に設けられ、
前記下側基板を前記支持部で支持した状態、又は前記支持部を下降させて前記下側基板をアライメント支持部で支持した状態で、前記下側基板を水平方向に挟み込むことにより前記下側基板の水平方向位置を調整するアライメント機構を備える、請求項13に記載の基板重ね合わせ装置。
【請求項15】
上側基板を保持する保持部と、
前記上側基板の下方に所定間隔を空けて下側基板を支持する支持部と、
前記上側基板の上方かつ径方向外側に設けられ、撮像光軸を、前記上側基板又は前記下側基板の外周縁を含む上下方向から所定角度傾けて前記撮像光軸を反射させずに前記下側基板の外周縁に向けて配置し、前記下側基板の外周縁を含む一部を撮像可能な撮像部と、
前記撮像部で撮像した画像に基づいて、前記下側基板の水平方向位置を検出する処理部と、を備え
前記所定間隔及び前記所定角度は、
前記所定角度をθ、前記所定間隔をZとした場合、
5mm≦Z≦25mmであって0.6/Z≦sinθを満たすように設定される、基板重ね合わせ装置。
【請求項16】
上側基板を保持することと、
前記上側基板の下方に所定間隔を空けて下側基板を支持することと、
前記上側基板の上方かつ径方向外側から、撮像光軸を前記上側基板又は前記下側基板の外周縁を含む上下方向から所定角度傾けて、前記撮像光軸を反射させずに前記上側基板の外周縁を含む一部、及び前記下側基板の外周縁を含む一部を同時に撮像することと、
撮像した画像に基づいて、前記下側基板の水平方向位置を検出することと、を含み、
前記所定間隔及び前記所定角度は、
前記所定角度をθ、前記所定間隔をZとした場合、
5mm≦Z≦25mmであって0.6/Z≦sinθを満たし、前記画像から前記上側基板の外周縁に関する情報と、前記下側基板の外周縁に関する情報とを分離可能に設定される、基板位置検出方法。
【請求項17】
前記下側基板を支持する前に、前記上側基板を、前記下側基板を支持する高さに支持した状態で前記上側基板の外周縁を含む一部を撮像することと、
撮像した画像に基づいて、前記上側基板の水平方向位置を検出することと、を含む、請求項16に記載の基板位置検出方法。
【請求項18】
前記下側基板の水平方向位置から、予め設定された基準位置に対するずれ量を算出することと、
前記ずれ量が、予め設定された閾値の範囲内であるか否かを判定することと、
前記ずれ量が前記閾値の範囲外と判定した場合に、前記下側基板の水平方向位置を調整することと、を含む、請求項17に記載の基板位置検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板位置検出装置、基板重ね合わせ装置、及び基板位置検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板と、上側基板を支持する下側基板とを重ね合わせる重ね合わせ装置において、重ね合わせ室内において、互いに近接させた上側基板及び下側基板の少なくとも一方の外周端部を映す反射板と、重ね合わせ室の外部から、反射板が映した外周端部を検知するカメラと、を有する位置検知部を備えた構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。このような構成において、位置検知部は、外周端部における少なくとも3つの部位の位置を検知し、検知された位置の、基準位置からのずれ量を特定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6670185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたような構成では、カメラは、反射板が映した上側基板及び下側基板の外周端部をカメラで検知する。このため、上側基板と下側基板との重ね合わせ方向において、反射板に近い側に配置された上側基板及び下側基板の一方の外形寸法が、反射板から離間する側に配置された上側基板及び下側基板の他方の外形寸法が大きい場合、上側基板及び下側基板の他方の外周縁を、カメラで検知することができない場合がある。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本発明は、上側基板、及び下側基板の双方の位置を確実に検知することが可能な基板位置検出装置、基板重ね合わせ装置、及び基板位置検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様では、上側基板を保持する保持部と、上側基板の下方に所定間隔を空けて下側基板を支持する支持部と、上側基板の上方かつ径方向外側に設けられ、撮像光軸を上側基板又は下側基板の外周縁を含む上下方向から所定角度傾けて配置し、撮像光軸を反射させずに上側基板の外周縁を含む一部、及び下側基板の外周縁を含む一部を同時に撮像可能な撮像部と、撮像部で撮像した画像に基づいて、下側基板の水平方向位置を検出する処理部と、を備え、所定間隔及び所定角度は、所定角度をθ、所定間隔をZとした場合、5mm≦Z≦25mmであって0.6/Z≦sinθを満たし、処理部において画像から上側基板の外周縁に関する情報と、下側基板の外周縁に関する情報とを分離可能に設定される、基板位置検出装置が提供される。
本発明の第1の態様では、上側基板を保持する保持部と、前記上側基板の下方に所定間隔を空けて下側基板を支持する支持部と、前記上側基板の上方かつ径方向外側に設けられ、撮像光軸を前記上側基板又は前記下側基板の外周縁を含む上下方向から所定角度傾けて配置し、前記上側基板の外周縁を含む一部、及び前記下側基板の外周縁を含む一部を同時に撮像可能な撮像部と、前記撮像部で撮像した画像に基づいて、前記下側基板の水平方向位置を検出する処理部と、を備え、前記所定間隔及び前記所定角度は、前記処理部において前記画像から前記上側基板の外周縁に関する情報と、前記下側基板の外周縁に関する情報とを分離可能に設定される、基板位置検出装置が提供される。
【0007】
本発明の態様では、上側基板を保持する保持部と、上側基板の下方に所定間隔を空けて下側基板を支持する支持部と、上側基板の上方かつ径方向外側に設けられ、撮像光軸を、上側基板又は下側基板の外周縁を含む上下方向から所定角度傾けて撮像光軸を反射させずに下側基板の外周縁に向けて配置し、下側基板の外周縁を含む一部を撮像可能な撮像部と、撮像部で撮像した画像に基づいて、下側基板の水平方向位置を検出する処理部と、を備え、所定間隔及び所定角度は、所定角度をθ、所定間隔をZとした場合、5mm≦Z≦25mmであって0.6/Z≦sinθを満たすように設定される、基板位置検出装置が提供される。
本発明の第2の態様では、上側基板を保持する保持部と、前記上側基板の下方に所定間隔を空けて下側基板を支持する支持部と、前記上側基板の上方かつ径方向外側に設けられ、撮像光軸を、前記上側基板又は前記下側基板の外周縁を含む上下方向から所定角度傾けて前記下側基板に向けて配置し、前記下側基板の外周縁を含む一部を撮像可能な撮像部と、前記撮像部で撮像した画像に基づいて、前記下側基板の水平方向位置を検出する処理部と、を備える、基板位置検出装置が提供される。
【0008】
本発明の第3態様では、上記した基板位置検出装置を備える、基板重ね合わせ装置が提供される。
【0009】
本発明の態様では、上側基板を保持する保持部と、上側基板の下方に所定間隔を空けて下側基板を支持する支持部と、上側基板の上方かつ径方向外側に設けられ、撮像光軸を、上側基板又は下側基板の外周縁を含む上下方向から所定角度傾けて撮像光軸を反射させずに下側基板の外周縁に向けて配置し、下側基板の外周縁を含む一部を撮像可能な撮像部と、撮像部で撮像した画像に基づいて、下側基板の水平方向位置を検出する処理部と、を備え、所定間隔及び所定角度は、所定角度をθ、所定間隔をZとした場合、5mm≦Z≦25mmであって0.6/Z≦sinθを満たすように設定される、基板重ね合わせ装置が提供される。
本発明の第4の態様では、上側基板を保持する保持部と、上側基板の下方に所定間隔を空けて下側基板を支持する支持部と、上側基板の上方かつ径方向外側に設けられ、撮像光軸を、上側基板又は下側基板の外周縁を含む上下方向から所定角度傾けて下側基板に向けて配置し、下側基板の外周縁を含む一部を撮像可能な撮像部と、撮像部で撮像した画像に基づいて、下側基板の水平方向位置を検出する処理部と、を備える、基板重ね合わせ装置が提供される。
【0010】
本発明の態様では、上側基板を保持することと、上側基板の下方に所定間隔を空けて下側基板を支持することと、上側基板の上方かつ径方向外側から、撮像光軸を上側基板又は下側基板の外周縁を含む上下方向から所定角度傾けて、撮像光軸を反射させずに上側基板の外周縁を含む一部、及び下側基板の外周縁を含む一部を同時に撮像することと、撮像した画像に基づいて、下側基板の水平方向位置を検出することと、を含み、所定間隔及び所定角度は、所定角度をθ、所定間隔をZとした場合、5mm≦Z≦25mmであって0.6/Z≦sinθを満たし、画像から上側基板の外周縁に関する情報と、下側基板の外周縁に関する情報とを分離可能に設定される、基板位置検出方法が提供される。
本発明の第5態様では、上側基板を保持することと、前記上側基板の下方に所定間隔を空けて下側基板を支持することと、前記上側基板の上方かつ径方向外側から、撮像光軸を前記上側基板又は前記下側基板の外周縁を含む上下方向から所定角度傾けて、前記上側基板の外周縁を含む一部、及び前記下側基板の外周縁を含む一部を同時に撮像することと、撮像した画像に基づいて、前記下側基板の水平方向位置を検出することと、を含み、前記所定間隔及び前記所定角度は、前記画像から前記上側基板の外周縁に関する情報と、前記下側基板の外周縁に関する情報とを分離可能に設定される、基板位置検出方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、上側基板、及び下側基板の双方の位置を確実に検知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る基板重ね合わせ装置の一例を示す図である。
図2】実施形態に係る基板重ね合わせ装置に設けられた撮像部を示す図である。
図3】撮像部の配置例を示す平面図である。
図4】撮像部で撮像した画像の一例を示す図である。
図5】本実施形態に係る基板位置検出方法の一例を示すフローチャートである。
図6図5に続いて、本実施形態に係る基板位置検出方法の一例を示すフローチャートである。
図7図6に続いて、本実施形態に係る基板位置検出方法の一例を示すフローチャートである。
図8】基板重ね合わせ装置の動作の一例を示し、上側の基板をチャンバ内に搬入し、リフトピンで支持した図である。
図9】基板重ね合わせ装置の動作の一例を示し、上側の基板を支持プレート上に載置した図である。
図10】基板重ね合わせ装置の動作の一例を示し、上側の基板に対してアライメント動作を行った図である。
図11】基板重ね合わせ装置の動作の一例を示し、上側の基板をスペーサの下方位置まで上昇させた図である。
図12】基板重ね合わせ装置の動作の一例を示し、上側の基板の外周縁を撮像部で撮像した図である。
図13】基板重ね合わせ装置の動作の一例を示し、上側の基板を保持部のスペーサで保持させた図である。
図14】他の実施形態に係る基板重ね合わせ装置の動作の一例を示し、上側の基板を保持部の吸着パッドで保持させた図である。
図15】基板重ね合わせ装置の動作の一例を示し、下側の基板をチャンバ内に搬入し、リフトピンで支持した図である。
図16】基板重ね合わせ装置の動作の一例を示し、下側の基板を支持プレート上に載置した図である。
図17】基板重ね合わせ装置の動作の一例を示し、下側の基板に対してアライメント動作を行った図である。
図18】基板重ね合わせ装置の動作の一例を示し、下側の基板を上側の基板に対して所定間隔を空けて下方に位置させた図である。
図19】基板重ね合わせ装置の動作の一例を示し、下側の基板の外周縁を撮像部で撮像した図である。
図20】他の実施形態に係る基板重ね合わせ装置の動作の一例を示し、下側の基板の外周縁を撮像部で撮像した図である。
図21】基板重ね合わせ装置の動作の一例を示し、リフトピンを上昇させて上側の基板と下側の基板とを貼り合わせた図である。
図22】基板重ね合わせ装置の動作の一例を示し、リフトピンを上昇させ、重ね合わせた基板を受け取った図である。
図23】基板重ね合わせ装置の動作の一例を示し、重ね合わせた基板をリフトピンからアームに渡した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下の説明に限定されない。また、図面においては実施形態をわかり易く説明するため、一部分を省略して表現している部分がある。さらに、一部分を大きく又は強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現しており、実際の製品とは大きさ、形状が異なっている場合がある。以下の各図において、XYZ直交座標系を用いて図中の方向を説明する。このXYZ直交座標系においては、水平面に平行な平面をXY平面とする。このXY平面において基板301と基板302との搬送方向に平行な方向をX方向とし、X方向に直交する方向をY方向とする。また、XY平面に垂直な方向をZ方向(高さ方向)と表記する。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の指す方向が+方向であり、矢印の指す方向とは反対の方向が-方向であるとして説明する。
【0014】
<基板重ね合わせ装置>
実施形態に係る基板重ね合わせ装置100について説明する。図1は、実施形態に係る基板重ね合わせ装置100の一例を示す図である。基板重ね合わせ装置100は、接着層Fを形成した基板301と、接着層Fを形成した基板302とを、互いの接着層Fを当接させて貼り付ける。なお、接着層Fは、基板301及び基板302の双方に形成されることに限定されず、いずれか一方の基板301又は基板302に形成される形態であってもよい。接着層Fは、基板重ね合わせ装置100に搬入される前に、例えば塗布装置等により基板301、基板302に塗布、乾燥されることで形成される。なお、この塗布装置は、基板重ね合わせ装置100に備える形態であってもよい。また、基板301及び基板302のいずれか一方に接着層Fが形成され、いずれか他方に例えば反応層が形成される場合がある。
【0015】
本実施形態では、貼り付けられる2枚の基板のうち、上側基板を基板301と称し、下側基板を基板302と称する。基板301及び基板302は、例えばガラス基板、半導体基板、樹脂性基板などである。本実施形態では、例えば、上側の基板301がガラス基板、下側の基板302がシリコン基板である。また、基板301と基板302とを貼り付けた形態を基板300(図23参照)と称する。基板301及び基板302は、いずれも平面視において(Z方向から見て)円形状の円形基板が使用されるが、円形基板に限定されず、平面視において矩形状(正方形状、長方形状)の角形基板、楕円形状、長円形状等の基板であってもよい。
【0016】
図1に示すように、基板重ね合わせ装置100は、チャンバ10と、支持部20と、保持部30と、昇降機構50と、アライメント機構60と、撮像機構70と、制御部200と、を備える。
【0017】
基板重ね合わせ装置100において、基板301、302を貼り合わせるには、まず、基板301をチャンバ10内に搬入し、アライメント機構60で位置合わせした後、支持部20で基板301を上昇させ、基板301の水平方向位置を検出する。水平方向位置の検出後、基板301を上昇させ、保持部30で保持させる。その後、基板302をチャンバ10内に搬入し、アライメント機構60で位置合わせした後、支持部20で基板302を上昇させ、基板302の水平方向位置を検出する。水平方向位置の検出後、基板302を支持部20で上昇させ、保持部30に保持された基板301と重ね合わせる。
【0018】
チャンバ10は、基板重ね合わせ装置100の基台15上に配置されている。チャンバ10は、基台15の外周部から上方に立ち上がる側壁10aと、側壁10aの上方を覆う天板10bとを有した箱状に形成されている。チャンバ10には、支持部20と、保持部30と、昇降機構50の一部と、アライメント機構60とが収容されている。チャンバ10は、箱状に形成されており、側壁10aの一部に側面開口11を有している。側面開口11は、チャンバ10の-X側の面に形成され、チャンバ10の内部と外部と、を連通させる。側面開口11は、搬送装置90に保持された基板301、302、さらに両者を貼り付けた基板300が通過可能な寸法に形成されている。
【0019】
基板301、302は、搬送装置90のアーム91によって側面開口11を介してチャンバ10にそれぞれ搬入される。また、基板300は、側面開口11を介してチャンバ10内から搬出される。本実施形態では、搬送装置90は、平板状の2本のアーム91を備えており、チャンバ10に基板301を搬入する際は、基板301の上側から吸着して基板301を保持する。搬送装置90は、基板302を搬入する際、及び基板300をチャンバ10から搬出する際は、基板302、Sの下側から吸着して基板302、Sを保持する。なお、アーム91は、基板302、Sを搬送する際、基板302、Sを吸着せずにアーム91の上面側に載置して保持する形態であってもよい。なお、アーム91は2本とは限らず、3本以上であってもよい。
【0020】
チャンバ10は、側面開口11を開閉するゲートバルブ12を備えている。ゲートバルブ12は、チャンバ10の-X側の側面における外側に配置され、図示しない駆動部によって、例えば、上下方向(Z方向)にスライド可能である。ゲートバルブ12は、スライドすることにより側面開口11を開閉する。
【0021】
なお、ゲートバルブ12で側面開口11を閉じることによりチャンバ10内を密閉状態にして、チャンバ10内を真空雰囲気としてもよい。側面開口11を閉じても、チャンバ10内を、大気圧雰囲気下としてもよい。また、チャンバ10の天板10bには、後述する軸部51が貫通する貫通部10hが設けられている。貫通部10hには、軸部51が挿入されている。
【0022】
また、チャンバ10内は、図示しないガス供給装置に接続されてもよい。このガス供給装置からチャンバ10内に所定のガスを供給することで、チャンバ10内の雰囲気を、所定のガス雰囲気に置換することができる。所定のガスとしては、例えば、窒素ガスなどの基板301、302に形成されている薄膜等に対して不活性なガス、又はドライエアなどが用いられる。チャンバ10内を真空雰囲気とする場合には、チャンバ10内は、図示しない吸引装置に接続される。この吸引装置によりチャンバ10内を吸引(排気)することにより、チャンバ10内を真空雰囲気にすることができる。さらに、チャンバ10は、内部の真空雰囲気を開放するために外部に対して開放可能なバルブを備えていてもよい。
【0023】
支持部20は、チャンバ10内に搬入される基板301、302を下方から支持する。支持部20は、リフトピン21と、リフトピン21の下端に連結されてZ方向に昇降する移動部22と、移動部22を昇降させるリフトピン駆動部23と、支持プレート(アライメント支持部)25と、を有している。
【0024】
リフトピン21は、支持部20の中央部に配置されている。リフトピン21は、基板301、302に下方から突き当たることで、基板301、302を支持する。リフトピン21は、例えば複数本設けられている。複数本のリフトピン21は、上下方向から見た際、基板301、302の中心部に対して径方向外側に、周方向に間隔をあけて同心状に配置されている。なお、リフトピン21は、基板301、302の中心部に1本のみを配置してもよい。リフトピン21は、例えば、非導電性を有する材質(例えば樹脂、金属、セラミックスなど)で形成されてもよい。
【0025】
移動部22は、リフトピン駆動部23を駆動させることにより昇降する。リフトピン駆動部23は、例えば電動の回転モータ、リニアモータ、エアーシリンダ装置、油圧シリンダ装置などが用いられ、図示しない伝達機構により駆動力が移動部22に伝達される。
【0026】
また、支持部20は、リフトピン21が下降した際に、基板301、302を支持する。本実施形態において、支持部20は例えばステンレスで形成されており、上面側に例えばセラミック製の支持プレート25が設けられている。板状の支持プレート25を備えるようにしてもよい。支持プレート25は、複数本の支柱26を介して、基台15の上方に設けられている。この場合、支持プレート25は、リフトピン21が貫通する貫通孔25hを有している。リフトピン21は、貫通孔25hを通して、支持プレート25から上方に出没可能に構成される。支持プレート25は、基板301、302を加熱するためのヒータを内蔵していてもよい。
【0027】
支持部20は、リフトピン21により支持した基板301、302、300を昇降させる。このため、リフトピン21は、例えば、チャンバ10内に搬入された基板301、302のそれぞれを受け取る第1位置P1(図8図15参照)と、アライメント機構60で位置合わせするための第2位置P2(図10参照)と、基板301、302の位置検出を行うための第3位置P3(図12図18参照)と、基板301を保持部30で保持するための第4位置P4(図13図19参照)と、基板302を基板301に重ね合わせるための第5位置P5(図21参照)との間で、基板301、302を昇降可能である。支持部20のリフトピン21は、保持部30で保持した基板301の下方に、所定間隔を空けて基板302を支持する。
【0028】
保持部30は、支持部20の上方に離間して設けられている。本実施形態では、保持部30としてスペーサ31が用いられる。スペーサ31は、上側の基板301を保持する。スペーサ31は、基板301を、基板302との重ね合わせを行うまでの間、保持しておく部材である。スペーサ31は、基板301の径方向外側に、基板301の周方向に間隔をあけて複数設けられている。
【0029】
複数のスペーサ31は、例えばチャンバ10の天板10bから下方に延びる支持部材(図示無し)により支持されている。複数のスペーサ31は、基板301の周縁部の一部を下側から支持する。複数のスペーサ31のそれぞれは、図示しない駆動機構により、基板301を下側から支持する位置と、基板301の径方向外側に退避する位置との間で、水平方向に移動可能である。スペーサ31は、リフトピン21により上昇した基板301の下方に進入することで、基板301をリフトピン21から受け取る。
【0030】
昇降機構50は、後述する上側プレート52を下降させ、基板301と基板302とを貼り合わせる際に、基板301を基板302側(支持部20側)に向かって押圧する。昇降機構50は、軸部51と、軸部51を駆動させる駆動部(図示無し)と、上側プレート52と、押圧ピン53とを備える。軸部51は、上方から見て上側プレート52の中央部に配置され、上側プレート52の中央部に荷重(押圧力)を付加する。軸部51は、貫通部10hを介してチャンバ10内に挿入されている。軸部51は、円形断面の棒状体であり、付与される荷重によって変形しない、又は変形が押さえられた外径及び材質(例えば金属、樹脂、セラミックス等)により形成される。駆動部は、軸部51を駆動する。駆動部は、例えば、エアーシリンダ装置、油圧シリンダ装置、電動回転モータを用いたボールネジ機構等が用いられる。
【0031】
上側プレート52は、軸部51の下端に固定される。上側プレート52は、上方から見て円形の板状体である。ただし、上側プレート52は、円形状であることに限定されず、例えば、矩形状(正方形状、長方形状)、楕円形状、長円形状等であってもよい。また、上側プレート52は、例えば、金属、樹脂、セラミックス等により形成される。上側プレート52は、基板301を基板302に押し付けた際に容易に変形しない剛性が付与されている。上側プレート52は、は、基板301と基板302とを貼り付ける際に、上側の基板301を下側の基板302に向かって押し付ける。
【0032】
上側プレート52は、上方から見て、少なくともリフトピン21と重なる位置に配置されている。この構成により、基板301、302を重ね合わせる際に、基板301,S2を、上側プレート52とリフトピン21とで上下から挟み込み、基板301、302を確実に重ね合わせることができる。上側プレート52は、基板301、302を加熱するためのヒータ(加熱部)を備える形態であってもよい。また、上側プレート52がヒータを備える形態に代えて、チャンバ10内を加熱するヒータが設けられる形態であってもよい。
【0033】
押圧ピン53は、上側プレート52の下面から突出した状態で複数設けられる。複数の押圧ピン53のそれぞれは、コイルスプリング等の弾性部材により支持されており、上側プレート52の下面に対して没入可能に設けられている。押圧ピン53は、基板301と基板302とを貼り付ける際に上側プレート52の下面から没入しつつ、上側の基板301を下側の基板302に向かって押し付ける。また、押圧ピン53は、基板301と基板302とを貼り付けた後、弾性部材によって上側プレート52の下面から突出する力によって、基板301に対する上側プレート52の剥離性を高めることができる。
【0034】
アライメント機構60は、支持部20に対して、基板301、302の位置決めを行う。アライメント機構60は、複数のアライメント駆動部61と、複数のアライメントブロック62と、を備える。アライメントブロック62は、基板301、302を径方向から挟み込むことで、基板301、302をアライメント(位置決め)するために用いられる。複数のアライメントブロック62は、支持プレート25の外周部に、支持プレート25の中心軸Ax周りの周方向に間隔を開けて配置されている。
【0035】
複数のアライメントブロック62は、中心軸Ax周りの周方向に間隔を開けて、例えば3個配置されている。アライメントブロック62の数は、4個以上であってもよい。複数のアライメントブロック62のそれぞれは、図示しないガイドによって、支持プレート25の上面に沿った水平方向に移動可能である。アライメントブロック62は、基板301、302が帯電するのを防止するため、導電性を有する材料で形成されるのが好ましい。
【0036】
アライメント駆動部61は、複数のアライメントブロック62のそれぞれを、支持プレート25の径方向に移動させる。アライメント駆動部61は、例えば、シリンダ装置又は電動モータの駆動源と、駆動源で生じた駆動力をアライメントブロック62のそれぞれに伝達する伝達機構とを有する。
【0037】
アライメント機構60は、アライメント駆動部61を駆動することで複数のアライメントブロック62を支持プレート25の径方向に進出させ、支持プレート25に載置した基板301、302の外周縁301s、302sを、支持プレート25の上面に平行な方向に押すことで、基板301、302を挟み込む。アライメント機構60は、アライメント駆動部61を駆動することでアライメントブロック62を基板301、302の径方向に進退させることで、基板301、302を支持部20の中心軸Axに対して位置合わせする。
【0038】
アライメント機構60の動作は、制御部200によって制御される。アライメントブロック62が用いられる場合、制御部200は、例えば、図示しない他のユニットで取得した基板301、302の形状を読み込み、基板301、302に対してそれぞれのアライメント位置を決めてから、アライメントブロック62を動作させる。なお、アライメント機構60は、所要の機能を果たすことができるのであれば、その具体的な構成を何ら限定するものではなく、適宜他の構成に変更可能である。
【0039】
図2は、実施形態に係る基板重ね合わせ装置100に設けられた撮像部71を示す図である。図3は、撮像部71の配置例を示す平面図である。
【0040】
図1図3に示すように、撮像機構70は、撮像部71と、照明72と、を備えている。撮像部71は、基板301、302の外周縁301s、302sを含む一部を撮像可能である。撮像部71は、基板301、302の各々の水平位置を検出する際、基板301、302をリフトピン21により、所定の高さに設定された第3位置P3(図12図19参照)に保持した状態で、基板301、302の各々の外周縁301s、302sを含む一部を撮像する。基板301の水平位置を検出する際、撮像部71は、リフトピン21で、基板301を、スペーサ31の下方の所定位置に位置させた状態で、基板301の外周縁301sを含む一部を撮像する。
【0041】
基板302の水平位置を検出する際、図2に示すように、撮像部71は、基板301をスペーサ31で支持し、リフトピン21で、基板302をスペーサ31の下方に所定間隔を空けて位置させた状態で、基板302の外周縁302sを含む一部を撮像する。ここで、撮像部71で基板301の撮像を行う際の基板301と、撮像部71で基板302の撮像を行う際の基板302は、同一の高さの第3位置P3に配置される。
【0042】
撮像部71は、例えば、CCDカメラである。撮像部71は、基板301がスペーサ31に支持された状態において、基板301の上方に位置するように設けられている。本実施形態では、撮像部71は、チャンバ10の外側に配置されている。撮像部71は、チャンバ10の天板10b上に、図示しないブラケットを介して支持されている。天板10bには、天板10bを上下に貫通する開口部10sが形成されている。開口部10sは、ガラス等からなる透明な窓材17が設けられている。撮像部71は、窓材17を通して、チャンバ10の外側から、基板301、302の外周縁301s、302sの一部を撮像する。
【0043】
図3に示すように、撮像部71は、上下方向から見た際、基板301、302の径方向外側に設けられている。本実施形態において、撮像部71は、基板301、302の周方向に間隔をあけて、複数設けられている。撮像部71は、周方向に等間隔をあけて、例えば3つ設けられている。3つの撮像部71は、スペーサ31と周方向の位置が重ならないよう、スペーサ31とは周方向の位置を異ならせて配置されている。
【0044】
図4は、撮像部71で撮像した画像の一例を示す図である。
図2に示すように、各撮像部71は、撮像光軸71cを、基板301又は基板302の外周縁302sを含む上下方向から所定角度(傾斜角度θ)傾けて配置されている。各撮像部71は、スペーサ31に支持された基板301の下方に所定間隔Zを空けて、リフトピン21により支持された基板302を位置させた状態で、基板302の外周縁302sの一部を撮像可能となるように、上下方向から傾けて配置されている。
【0045】
より具体的に、基板301の外形寸法の許容誤差範囲内で、上方に位置する基板301の外形寸法が、下方に位置する基板302の外形寸法よりも大きい場合であっても、撮像部71で、下方に位置する基板302の外周縁302sを撮像可能となるように、撮像部71が設けられている。上記の間隔Z及び傾斜角度θは、後述の処理部201において、撮像部71で撮像された画像から、基板301の外周縁301sに関する情報と、基板302の外周縁302sに関する情報とを分離可能に設定される。
【0046】
撮像部71は、基板302の位置検出を行う際、スペーサ31に支持された基板301の下方に、リフトピン21により支持された基板302を位置させた状態で、図4に示すように、基板301の外周縁301sの一部と、基板302の外周縁302sの一部との双方を同時に撮像可能となるように、上下方向から傾けて配置されている。
【0047】
図2に示すように、各撮像部71は、撮像光軸71cを、基板301の外周縁301s、又は基板302の外周縁302sを含む上下方向から所定の傾斜角度θだけ傾けて配置されている。この傾斜角度θは、例えば、
5°≦θ≦20°
とするのが好ましい。傾斜角度θの、より好ましい範囲は、8°≦θ≦12°である。
【0048】
傾斜角度θが、上記範囲の下限を下回ると、撮像部71で撮像された画像において、基板301の外周縁301sと基板302の外周縁302sとが重なってしまうことがある。傾斜角度θが、上記範囲の上限を上回ると、撮像部71を、径方向外側に大きく張り出した位置に配置しなければならず、基板重ね合わせ装置100の大型化に繋がってしまう。
【0049】
また、スペーサ31に支持された基板301の下方に、リフトピン21により支持された基板302を位置させた状態で、撮像部71で、基板302の外周縁302sの一部を撮像する場合、基板301と基板302との上下方向の間隔Zは、例えば、
5mm≦Z≦25mm
となるようにするのが好ましい。この間隔Zの、より好ましい範囲は、例えば、
10mm≦Z≦15mm
である。
【0050】
撮像部71の撮像光軸71cの傾斜角度θは、スペーサ31に支持された基板301の下方に、リフトピン21により支持された基板302を位置させた状態で、基板302の外周縁302sの撮像を行う際、
0.6/Z≦sinθ
を満たすように、撮像部71を設けるのが好ましい。さらに、撮像部71の撮像視野径をDとした場合、撮像部71は、基板301、302の外周縁301s、302sが撮像部71の撮像視野径の範囲内に入るように、
0.6/Z≦sinθ≦0.5D/Z
を満たすように設けるのが好ましい。撮像部71は、特に、
1.5/Z≦sinθ≦2.0/Z
を満たすように設けるのが好ましい。本実施形態では、撮像部71を、
sinθ=1.75/Z
となるように設けている。より具体的に、本実施形態では、基板301と基板302との上下方向の間隔Zを10mmとし、撮像部71の傾斜角度θを10°としている。
ここで、本実施形態では、撮像部71の撮像視野径Dは直径16mmを採用しているが、8mmから20mmの範囲としてもよい。また、撮像部71は、視野画角(縦×横)が8mm×8mmから20mm×20mmの画角としてもよい。撮像部71は、視野画角(縦×横)を16mm×16mmの画角としてもよい。
【0051】
このように、撮像部71は、開口部10sを介して、基板301の径方向外側から基板301の外周縁301sを含む一部、及び基板302の外周縁302sを含む一部を同時に撮像可能な範囲で、撮像光軸71cを所定角度に傾けて設定している。また、図4に示すように、基板301、302の外周縁301s、302sに、ノッチ305が設けられている場合、撮像部71は、基板301、302の外周縁301s、302sを撮像する際、ノッチ305を同時に撮像する。
【0052】
図2図3に示すように、照明72は、各撮像部71の近傍に配置されている。各照明72は、開口部10sを介してチャンバ10内を照明する。照明72は、チャンバ10の天板10b上に設けられている。照明72は、例えば、基板301、302の外周縁301s、302sを含む上下方向と重なる位置に設けられている。
【0053】
図1に示す制御部200は、基板重ね合わせ装置100における各部の動作を統括して制御する。制御部200は、各撮像部71で撮像した画像に基づいて、基板301、302の水平方向位置を検出する処理部201を備えている。処理部201は、基板301、302の外周縁301s、302sに関する情報から基板301、302の中心位置を算出し、予め設定された基準位置に対するずれ量を算出する。
【0054】
処理部201は、各撮像部71で撮影された基板301、302の外周縁301s、302sの位置に基づき、基板301、302の中心位置を算出する。また、処理部201は、各撮像部71で撮影された、基板301、302の外周縁301s、302sのノッチ305に位置から、基板301、302の周方向への位置ずれを算出する。処理部201は、基板301、302の水平方向位置、周方向位置のずれ量が、予め設定された閾値の範囲内であるか否かを判定する。
【0055】
また、処理部201は、複数の撮像部71で撮像した画像からそれぞれ取得した基板301、302の外周縁301s、302sに関する情報に基づいて、基板301、302の径寸法を算出するようにしてもよい。また、処理部201は、処理部201は、複数の撮像部71で撮像した画像からそれぞれ取得した基板301、302の外周縁301s、302sに形成されたノッチ305に関する情報を取得し、基板301、302の中心を含む上下方向の軸周り方向における、基板301、302の周方向位置を検出するようにしてもよい。
【0056】
上記したような基板重ね合わせ装置100のうち、保持部30と、支持部20と、撮像部71と、処理部201とにより、基板301、302の水平方向位置を検出する基板位置検出装置110が構成されている。
【0057】
<基板位置検出方法>
次に、本実施形態に係る基板位置検出方法について説明する。図5は、本実施形態に係る基板位置検出方法の一例を示すフローチャートである。図6は、図5に続いて、本実施形態に係る基板位置検出方法の一例を示すフローチャートである。図7は、図6に続いて、本実施形態に係る基板位置検出方法の一例を示すフローチャートである。この基板位置検出方法は、例えば、制御部200からの指示により実行される。図8から図23は、基板重ね合わせ装置100の動作の一例を示す工程図である。なお、これらの工程図では、各部の動きが分かり易くなるように、記載を簡略化している。以下、図5図7のフローチャートに沿って説明する。
【0058】
まず、チャンバ10のゲートバルブ12を開き、上側の基板301を搬入する(ステップS01)。図8に示すように、制御部200は、図示しない駆動部を駆動させてゲートバルブ12を上昇させ、側面開口11を開放させる。続いて、基板301(上側基板)をチャンバ10内に搬入する。このとき、制御部200は、リフトピン21を基板301の受け渡し高さである第1位置P1まで、上昇させておく。
【0059】
搬送装置90のアーム91は、下面側に基板301を保持した状態で側面開口11からチャンバ10の内部に進入し、基板301をリフトピン21の上方に配置させる。アーム91は、下面に設けられた図示しない吸着パッド等により基板301を吸着保持している。その後、制御部200は、アーム91を下降させて、基板301をアーム91からリフトピン21に渡す(ステップS02)。リフトピン21は、基板301に下方から突き当たる。その後、アーム91は、チャンバ10から退出する。
【0060】
続いて、基板301を、支持プレート25上に載置する(ステップS03)。図9に示すように、制御部200は、基板301を支持しているリフトピン21を下降させ、基板301を第2位置P2に移動させて支持部20の支持プレート25上に載置する。このとき、リフトピン21は、支持プレート25(すなわち基板301の下面)よりも下方位置まで下降させ、基板301を支持プレート25で支持させる。また、支持プレート25に内蔵するヒータ(図示無し)により基板301を加熱してもよい。
【0061】
続いて、基板301に対してアライメント動作を行う(ステップS04)。図10に示すように、制御部200は、アライメント駆動部61を駆動して各アライメントブロック62を径方向内側に向かって進出させ、支持プレート25上で、複数のアライメントブロック62で基板301を挟むことにより基板301を位置決めする。アライメント動作の後、制御部200は、各アライメントブロック62を径方向外側に退避させる。
【0062】
続いて、基板301を、スペーサ31の下方の所定高さの第3位置P3まで上昇させる(ステップS05)。図11に示すように、制御部200は、リフトピン21を上昇させ、支持プレート25から基板301を受けとる。制御部200は、リフトピン21をさらに上昇させて基板301を上昇させ、予め設定した、所定の高さの第3位置P3まで上昇させる。
【0063】
続いて、基板301の外周縁301sの撮像を行う(ステップS06)。図12に示すように、制御部200は、複数の照明72の各々で、開口部10sを通して基板301の外周縁301sに照明光を当てる。制御部200は、複数の撮像部71の各々で、基板301の外周縁301sを撮像する。各撮像部71は、撮像した画像のデータを、制御部200に出力する。
【0064】
続いて、基板301の水平方向位置を検出する(ステップS07)。制御部200の処理部201は、複数の撮像部71で撮像した基板301の画像に基づき、基板301の周方向複数の位置における外周縁301sの位置から、基板301の中心位置を算出する。さらに、処理部201は、算出された基板301の中心位置の、予め設定された基準位置に対するずれ量を算出する。また、処理部201は、各撮像部71で撮影された、基板301の外周縁301sのノッチ305の位置から、基板301の周方向への位置ずれを算出する。
【0065】
続いて、基板301の基準位置に対するずれ量が、閾値の範囲内であるか否かを判定する(ステップS08)。処理部201は、算出された基板301の中心位置の基準位置に対する水平方向、及び周方向のずれ量が、予め設定された閾値の範囲内であるか否かを判定する。
【0066】
その結果、基板301のずれ量が、閾値の範囲内である場合、ステップS11に進む。一方、基板301のずれ量が、閾値の範囲外であった場合、制御部200は、ステップS04に戻り、基板301のアライメント動作を再度実施させる。制御部200は、ステップS04における、基板301のアライメント動作を再度実施した後、ステップS05~S08を繰り返す。アライメント動作の再度の実施により、基板301のずれ量が、閾値の範囲内となった場合、ステップS11に進む。
【0067】
なお、ステップS08からステップS04に戻る際には、ステップS04に戻って基板301のアライメント動作の繰り返し回数が、予め設定された所定回数に到達したか否かを確認する(ステップS09)。その結果、ステップS04における、基板301のアライメント動作を、予め設定された所定回数繰り返して実施した後においても、基板301のずれ量が、閾値の範囲外であった場合、制御部200は、基板重ね合わせ装置100のオペレータに、異常の発生を示すためのアラームを、アラーム音の出力、アラーム光の発光、アラームメッセージの表示等により出力する(ステップS10)。
【0068】
基板301の水平方向位置の検出後、基板301をスペーサ31の位置まで上昇させる(ステップS11)。ステップS11では、リフトピン21を上昇させて基板301をスペーサ31よりも上方の第4位置P4まで上昇させる。続いて、基板301を保持部30スペーサ31で保持させる(ステップS12)。図13に示すように、制御部200は、リフトピン21を上昇させて基板301をスペーサ31よりも上方の第4位置P4まで上昇させ、保持部30のスペーサ31で基板301を下方から支持させる。このとき、スペーサ31は、基板301の上昇中に基板301と干渉しないよう、径方向外側に退避させておく。基板301を第4位置P4まで上昇させた後、スペーサ31を径方向内側の元の位置に復帰させる。続いて、リフトピン21を下降させることにより、基板301がスペーサ31により保持され、リフトピン21は、基板301から下方に離れた状態となる。
【0069】
図14は、他の実施形態に係る基板重ね合わせ装置100Aの動作の一例を示し、上側の基板301を保持部30Aの吸着パッド33で保持させた図である。なお、図14において、上記した実施形態と同様の部材については同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。図14に示すように、基板重ね合わせ装置100Aは、上記した保持部30に代えて保持部30Aを備えている。保持部30Aは、上側プレート52の下面側に吸着パッド33を備える。吸着パッド33は、基板301の上面を吸着する。吸着パッド33は、リフトピン21で支持する基板301の上面を吸着して基板301をリフトピン21から受け取る。吸着パッド33は、いわゆる真空吸着パッドである。吸着パッド33は、上側プレート52の下面側に複数設けられてもよい。なお、吸着パッド33は、真空吸着パッドに限らず、静電吸着パッドもしくは粘着パッドであってもよい。粘着パッドを使用する場合、基板301を粘着パッドから離すために用いる粘着剥離機構(図示無し)を具備する。
【0070】
この基板重ね合わせ装置100Aでは、上記したステップS12において、基板301を吸着パッド33に接触させるまでリフトピン21により上昇させる。このとき、リフトピン21を上昇させつつ、吸着パッド33を下降させてもよい。続いて、上記したステップS12において吸着パッド33内を吸引することで、基板301が吸着パッド33に吸着される。すなわち、上記したステップS12を示す図13と同様に、基板301は、吸着パッド33(保持部30A)に保持された状態となる。
【0071】
図13に続いて、基板302(下側基板)を、チャンバ10内に搬入する(ステップS13)。図15に示すように、制御部200は、リフトピン21を基板302の受け渡し高さまで下降させる。その後、アーム91によって基板302をチャンバ10内に搬入してリフトピン21の上方の第1位置P1に配置させる。アーム91は、下面側に基板302を吸着して保持している。
【0072】
続いて、制御部200は、リフトピン21を上昇させて、基板302をアーム91からリフトピン21に渡す(ステップS14)。その後、アーム91は、チャンバ10から退出する。その後、ゲートバルブ12を閉じて、図示しない吸引装置によりチャンバ10内を排気する。
【0073】
続いて、図16に示すように、リフトピン21を下降させて基板302を第2位置P2まで移動させ、支持部20に載置させる。リフトピン21は、支持プレート25よりも下方位置まで下降させ、基板302を支持プレート25のみで支持させる(ステップS15)。この構成により、基板302は、リフトピン21と非接触となり、支持プレート25によって支持された状態となる。その後、支持プレート25に内蔵されたヒータにより基板302を加熱してもよい。
【0074】
続いて、基板302に対してアライメント動作を行う(ステップS16)。図17に示すように、制御部200は、アライメント駆動部61を駆動して各アライメントブロック62を径方向内側に向かって進出させ、複数のアライメントブロック62で基板302を挟むことにより基板302を位置決めする。アライメント動作の後、制御部200は、各アライメントブロック62を径方向外側に退避させる。ステップS08のアライメント動作は、ステップS04のアライメント動作と同様である。したがって、基板301と基板302とは、平面視でほぼ同じ位置に位置決めされる。
【0075】
続いて、基板302を、スペーサ31の下方の所定高さの第3位置P3まで上昇させる(ステップS17)。図18に示すように、制御部200は、リフトピン21を上昇させ、支持プレート25から基板302を受けとる。制御部200は、リフトピン21をさらに上昇させ、基板302を、予め設定した所定の高さの第3位置P3まで上昇させる。ここで、基板302を上昇させた第3位置P3は、ステップS05で基板301を上昇させた第3位置P3と同一の高さである。
【0076】
続いて、基板302の外周縁302sの撮像を行う(ステップS18)。図19に示すように、制御部200は、複数の照明72の各々で、開口部10sを通して基板302の外周縁302sに照明光を当てる。制御部200は、複数の撮像部71の各々で、基板302の外周縁302sを撮像する。このとき、図4に示すように、各撮像部71では、基板302の外周縁302sと、基板302の上方に位置している基板301の外周縁301sとを、同時に撮像する。各撮像部71は、撮像した画像のデータを、制御部200に出力する。
【0077】
なお、図14に示す基板重ね合わせ装置100Aにおいても、上記と同様にステップS18で基板302の外周縁302sの撮像を行う。図20は、他の実施形態に係る基板重ね合わせ装置100Aの動作の一例を示し、下側の基板302の外周縁302sを撮像部71で撮像した図である。図20に示すように、上側の基板301を保持部30Aの吸着パッド33で保持し、下側の基板302を第3位置P3まで上昇させた状態で、撮像部71で基板302の外周縁302sを撮像する。
【0078】
続いて、基板302の水平方向位置を検出する(ステップS19)。制御部200の処理部201は、複数の撮像部71で撮像した基板302の画像に基づき、基板302の周方向複数の位置における外周縁302sの位置から、基板302の中心位置を算出する。このとき、処理部201は、複数の撮像部71で撮像した画像から、基板301の外周縁301sに関する情報と、基板302の外周縁302sに関する情報とを分離する。
【0079】
処理部201は、図4に示されるような、撮像部71で撮像した画像から、基板301の外周縁301sに関する情報を除去して、基板302の外周縁302sに関する情報のみを抽出する。これには、具体的に、処理部201は、画像中の基板301の外周縁301sの上縁301s1、下縁301s2、及び基板302の外周縁302sの上縁302s1、下縁302s2のうち、最も下方に位置する外周縁302sの下縁302s2を、基板302の外周縁302sとして特定する。
【0080】
処理部201は、特定された基板302の外周縁302sに関する情報のみを基に、基板302の水平方向位置として、基板302の中心位置を算出し、算出された基板302の中心位置の、予め設定された基準位置に対するずれ量を算出する。また、処理部201は、各撮像部71で撮影された、基板302の外周縁302sのノッチ305の位置から、基板302の周方向への位置ずれを算出する。
【0081】
続いて、基板302の基準位置に対するずれ量が、閾値の範囲内であるか否かを判定する(ステップS20)。処理部201は、算出された基板302の中心位置の基準位置に対する、水平方向、及び周方向へのずれ量が、予め設定された閾値の範囲内であるか否かを判定する。
【0082】
その結果、基板302のずれ量が、閾値の範囲内である場合、ステップS23に進む。一方、基板302のずれ量が、閾値の範囲外であった場合、制御部200は、ステップS16に戻り、基板302のアライメント動作を再度実施させる。制御部200は、ステップS16における、基板302のアライメント動作を再度実施した後、ステップS17~S20を繰り返す。アライメント動作の再度の実施により、基板302のずれ量が、閾値の範囲内になった場合、ステップS23に進む。
【0083】
一方、ステップS20からステップS16に戻る際には、ステップS16の基板301のアライメント動作の繰り返し回数が、予め設定された所定回数に到達したか否かを確認する(ステップS21)。その結果、ステップS16における、基板302のアライメント動作を、予め設定された所定回数繰り返して実施した後においても、基板302のずれ量が、閾値の範囲外である場合、制御部200は、基板重ね合わせ装置100のオペレータに、異常の発生を示すためのアラームを、アラーム音の出力、アラーム光の発光、アラームメッセージの表示等により出力する(ステップS22)。
【0084】
基板302の位置合わせ後、制御部200は、図21に示すように、リフトピン21を上昇させることで基板302を第5位置P5まで上昇させ、基板301と基板302とを重ね合わせる(ステップS23)。このとき、リフトピン21により基板302を上昇させて基板301に下方から重ね合わされることで、基板301と基板302とが重ね合わされる。この状態では、基板301と基板302とが一部で当接した状態となっている。続いて、スペーサ31を基板301の径方向外側まで退避させる(ステップS24)ステップS24により、基板301の接着層Fと基板302の接着層Fとが当接することで、基板301と基板302とが貼り合わされ、基板300が形成される。
【0085】
なお、基板301と基板302とを重ね合わせる際には、保持部30の上側プレート52を下降させ、押圧ピン53で基板301の上面側を押さえる。基板301と基板302とが貼り合わされる力は、押圧ピン53が上側プレート52に没入する際に収縮した弾性部材の弾発力が利用される。なお、リフトピン21の上昇に代えて、上側プレート52を下降させてもよいし、リフトピン21を上昇させかつ上側プレート52を下降させてもよい。
【0086】
また、図14に示す基板重ね合わせ装置100Aでは、ステップS23において、吸着パッド33に保持された上側の基板301に向けて、リフトピン21を上昇させ、下側の基板302を基板301に押し付けることで、基板301と基板302とを貼り合わせる。基板301と基板302とが貼り合わされる力は、リフトピン21が上昇する力によって制御される。また、リフトピン21の上昇に代えて、上側プレート52を下降させてもよいし、リフトピン21を上昇させかつ上側プレート52を下降させてもよい。
【0087】
続いて、重ね合わせた基板300を下降させる(ステップS25)。制御部200は、基板301と基板302とを貼り合わせた後、図22に示すように、リフトピン21を下降させて、貼り付けが終了した基板300を搬出用の高さに配置させる。このとき、スペーサ31は、基板300と干渉しないよう、径方向外側に退避させておく。この工程により、基板300は、支持部20及び保持部30の双方から離れた状態とする。
【0088】
続いて、ゲートバルブ12を開いて基板300をチャンバ10から搬出する(ステップS26)。図23に示すように、ゲートバルブ12を上昇させて側面開口11を開放した後、搬送装置90のアーム91を側面開口11からチャンバ10の内部に進入させ、リフトピン21で支持する基板300の下方にアーム91を配置させる。その後、制御部200は、アーム91を上昇させて、アーム91の上面に基板300を吸着保持させることにより、基板300をリフトピン21からアーム91に渡す。
【0089】
なお、アーム91は、基板300を吸着保持せず、アーム91の上面に基板300を載置させて保持する形態であってもよい。その後、アーム91がチャンバ10から退出することで、基板300がチャンバ10の外部に搬出される。その後、制御部200は、ゲートバルブ12を閉じて、一連の処理を終了させる。
【0090】
以上のように、本実施形態に係る基板重ね合わせ装置100は、基板301の下方に所定間隔を空けて支持された基板302の外周縁302sを、基板301の上方かつ径方向外側に設けられ、撮像光軸を基板301又は基板302の外周縁302sを含む上下方向から所定角度傾けて配置した撮像部71により撮像する。この構成により、基板301の外周縁301sを含む一部、及び基板302の外周縁302sを含む一部が同時に撮像され、撮造された画像から基板301の外周縁301sに関する情報と、基板302の外周縁302sに関する情報とを分離可能となる。したがって、基板301、及び基板302の双方の位置を確実に検知することが可能となる。
【0091】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術範囲は、上記した実施形態等で説明した態様に限定されない。上記した実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることは当業者において明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。上記した実施形態で説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上記した実施形態で説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、実施形態において示した各動作の実行順序は、前の動作の結果を後の動作で用いない限り、任意の順序で実現可能である。また、上記した実施形態における動作に関して、便宜上「先ず」、「次に」、「続いて」等を用いて説明したとしても、この順序で実施することが必須ではない。
【0092】
上記した実施形態では、2枚の基板301と基板302とを貼り付ける形態を例に挙げて説明しているがこの形態に限定されない。例えば、基板301と基板302とを貼り付けた基板300に、さらに他の基板を貼り付ける形態であってもよい。
【0093】
また、上記した実施形態では、基板301、302をアライメントブロック62で位置決めする際、基板301、302を支持プレート25で支持するようにしたが、基板301、302は、リフトピン21に支持された状態のまま、アライメントブロック62で挟んで位置決めしてもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、基板301、302の重ね合わせの際に、リフトピン21を上昇させることで、基板301、302を保持部30に押し付けてもよいし、リフトピン21の上昇位置を保持したまま、保持部30、30Aを下降させて、基板301、302を貼り合わせしてもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、基板301、302の重ね合わせの際に、基板301、302の位置を検出するようにしたが、予め重ね合わせた基板301、302を貼り付ける際に、基板301、302の位置を検出するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0096】
10…チャンバ
10b…天板
10s…開口部
20…支持部
30、30A…保持部
60…アライメント機構
71…撮像部
71c…撮像光軸
100、100A…基板重ね合わせ装置
110…基板位置検出装置
201…処理部
301…基板(上側基板)
301s…外周縁
302…基板(下側基板)
302s…外周縁
305…ノッチ
Z…所定間隔
θ…傾斜角度(所定角度)
【要約】
【課題】上側基板、及び下側基板の双方の位置を確実に検知する。
【解決手段】基板位置検出装置110は、基板301を保持する保持部30と、基板301の下方に所定間隔を空けて基板302を支持する支持部20と、基板301の上方かつ径方向外側に設けられ、撮像光軸71cを基板301又は基板302の外周縁301s、302sを含む上下方向から所定角度θ傾けて配置し、基板301の外周縁301sを含む一部、及び基板302の外周縁302sを含む一部を同時に撮像可能な撮像部71と、撮像部71で撮像した画像に基づいて、基板302の水平方向位置を検出する処理部と、を備え、所定間隔Z及び所定角度θは、処理部において画像から基板301の外周縁301sに関する情報と、基板302の外周縁302sに関する情報とを分離可能に設定される。
【選択図】図2

図1
図2
図3
図4
図5
図6
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