(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】電子レンジ調理用冷凍食品及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 3/365 20060101AFI20241002BHJP
A23L 7/109 20160101ALI20241002BHJP
A23L 7/113 20160101ALI20241002BHJP
【FI】
A23L3/365 A
A23L7/109 C
A23L7/113
(21)【出願番号】P 2022137644
(22)【出願日】2022-08-31
【審査請求日】2024-08-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000226976
【氏名又は名称】日清食品ホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】寺澤 まどか
(72)【発明者】
【氏名】河原 琢磨
【審査官】村松 宏紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-145571(JP,A)
【文献】特開2009-273392(JP,A)
【文献】特開2022-7265(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱調理された主食材と、油脂-澱粉混合液と、濃縮液体スープと、を含む電子レンジ調理用冷凍食品であって、
前記主食材の上面部または表面全体に前記油脂-澱粉混合液が被覆しており、
前記油脂-澱粉混合液が被覆した前記主食材の上面部に前記濃縮液体スープが積載され、
前記主食材と、前記油脂-澱粉混合液と、前記濃縮液体スープと、が一体化した状態凍結されており、
前記油脂-澱粉混合物の澱粉含有量が25重量%以下であり、
前記油脂-澱粉混合物の重量は、前記主食材の重量に対して3~20重量%であり、
前記濃縮液体スープの25℃における粘度が5Pa・s以上であり、
前記濃縮液体スープの重量は、前記主食材の重量に対して25~75重量%であり、
前記電子レンジ調理用冷凍食品は、電子レンジ調理された後に熱湯をかけることにより喫食可能状態となることを特徴とする電子レンジ調理用冷凍食品。
【請求項2】
前記油脂-澱粉混合液の油脂が25℃において非ニュートン性の流体であることを特徴とする請求項1記載の電子レンジ調理用冷凍食品。
【請求項3】
前記主食材が麺類であることを特徴とする請求項1または2記載の電子レンジ調理用冷凍食品。
【請求項4】
加熱調理された主食材を冷凍容器に充填する工程と、
前記冷凍容器に充填された主食材の上面から油脂-澱粉混合液を前記加熱調理された主食材の重量に対して3~20重量%充填する工程と、
前記油脂-澱粉混合液が充填された主食材の上面からの濃縮液体スープを前記加熱調理された主食材の重量に対して25~75重量%充填する工程と、
前記冷凍容器に充填された前記加熱調理された主食材、前記油脂-澱粉混合液及び前記濃縮液体スープを凍結し、冷凍食品を作製する工程と、
作製した前記冷凍食品を冷凍容器から取り出し、電子レンジ調理用の袋に密封する工程と、を含む電子レンジ調理用冷凍食品の製造方法であって、
前記油脂-澱粉混合液の澱粉含有量が25重量%以下であり、
前記濃縮液体スープの25℃における粘度が5Pa・s以上であり、
前記電子レンジ調理用冷凍食品は、電子レンジ調理された後に熱湯をかけることにより喫食可能状態となることを特徴とする電子レンジ調理用冷凍食品の製造方法。
【請求項5】
前記油脂-澱粉混合液の油脂が25℃において非ニュートン性の流体であることを特徴とする請求項4記載の電子レンジ調理用冷凍食品の製造方法。
【請求項6】
前記主食材が麺類であることを特徴とする請求項4または5記載の電子レンジ調理用冷凍食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子レンジ調理用冷凍食品及びその製造方法に関する。
【0002】
従来、さまざまな電子レンジ調理により簡便に喫食できる冷凍食品が上市されている。冷凍麺類や冷凍米飯類においても電子レンジ調理を利用した商品が多数開発されており、特に近年、冷凍麺類においては、パスタや焼きそばなどの電子レンジ加熱のみで喫食できるものだけでなく、ラーメンなどの電子レンジ調理された麺、具材を別途用意したスープに加えることで喫食できる汁ありタイプのものも開発されている。
【0003】
電子レンジ調理用の汁ありタイプの冷凍麺類の場合、通常スープは、別途包装されており、包装コストがかかるだけでなく、製造するまでは包装した状態で保管されているため、濃縮による包装コストの削減や保存性を保つような水分活性の調整、pH調整などが必要となり、風味の面で、飲食店で出されるスープと違いが生じていた。また、あんかけラーメンやこってりした豚骨ラーメン、鶏白湯ラーメンなどの粘度のあるスープにおいては、加工澱粉や増粘剤を使用してとろみ表現しており、とろみに対して、人工的な不自然さを感じていた。
【0004】
あんかけラーメンなどの粘性のあるスープを有する食品に関する技術については特許文献1及び2の技術が知られている。
【0005】
特許文献1は、デンプンがダマになることを抑制しかつスープに十分なとろみを付与するとろみスープ用ベースとして、油脂及び10~70質量%の糊化開始温度が60℃以下のデンプンを含有し、かつ水溶性の液体成分を含有しないA包と調味組成物を含有するB包を少なくとも含む、とろみスープ用ベースが記載されている。しかしながら、特許文献1に記載されたとろみスープ用ベースを湯または水を注加して溶解、混合したスープは、確かにダマはできにくく、スープに十分な粘度やとろみはあるものの、特に飲食店で出されるこってりした豚骨ラーメンや鶏白湯ラーメンなどのスープのような畜肉の肉や骨、野菜などの原料を炊き出すことにより生じる自然なとろみを表現することは困難であった。
【0006】
特許文献2は、スープに高い粘度を与えるために配合された澱粉が、加熱調理中や喫食中にダマになることを抑制し、短時間、かつ簡便な加熱調理での喫食を可能とする冷凍食品用澱粉組成物、及びそれを用いた冷凍食品に関する技術として、澱粉と油脂の質量比が、3:7乃至7:3である澱粉組成物の一部が、主食材と副食材との何れか又は双方の間隙に混入した状態で一体として凍結されている冷凍食品が記載されている。しかしながら、特許文献2の技術は、主に加熱しながら箸等で攪拌可能な煮炊き調理がメインであり、澱粉組成物は、主食材と澱粉組成物を一体で凍結するため、流動性を抑えるためにデ澱粉の配合量が多く、電子レンジ調理した場合、電子レンジ調理により澱粉組成物も加熱され、ダマが生じやすいといった課題があった。この傾向は高水分の麺や具材を有する場合で顕著であり、水分の多いものと接触した状態で電子レンジ調理することにより水分を吸収して澱粉が糊化することが原因と考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第6228755号公報
【文献】特許第5409700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、喫食時に粘度のあるスープを有する電子レンジ調理用冷凍食品において、飲食店で喫食するような自然なとろみの有るスープを有する電子レンジ調理用冷凍食品及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明者は、飲食店で豚骨や鶏骨などや野菜などを長時間に込んで抽出したこってりした豚骨ラーメンや鶏白湯ラーメンなどの粘度のあるスープを電子レンジ調理用の冷凍麺類で再現する方法を鋭意研究した結果、偶然にも本発明を見出し本発明に至った。
【0010】
すなわち、加熱調理された主食材と、油脂-澱粉混合液と、濃縮液体スープと、を含む電子レンジ調理用冷凍食品であって、前記主食材の上面部または表面全体に前記油脂-澱粉混合液が被覆しており、前記油脂-澱粉混合液が被覆した前記主食材の上面部に前記濃縮液体スープが積載され、前記主食材と、前記油脂-澱粉混合液と、前記濃縮液体スープと、が一体化した状態凍結されており、前記油脂-澱粉混合物の澱粉含有量が25重量%以下であり、前記油脂-澱粉混合物の重量は、前記主食材の重量に対して3~20重量%であり、前記濃縮液体スープの25℃における粘度が5Pa・s以上であり、前記濃縮液体スープの重量は、前記主食材の重量に対して25~75重量%であり、前記電子レンジ調理用冷凍食品は、電子レンジ調理された後に熱湯をかけることにより喫食可能状態となることを特徴とする電子レンジ調理用冷凍食品である。
【0011】
また、本発明に係る電子レンジ調理用冷凍食品の油脂-澱粉混合液の油脂は、25℃において非ニュートン性の流体であることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る電子レンジ調理用冷凍食品の主食材が麺類であることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る電子レンジ調理用冷凍食品の製造方法としては、加熱調理された主食材を冷凍容器に充填する工程と、前記冷凍容器に充填された主食材の上面から油脂-澱粉混合液を前記加熱調理された主食材の重量に対して3~20重量%充填する工程と、前記油脂-澱粉混合液が充填された主食材の上面からの濃縮液体スープを前記加熱調理された主食材の重量に対して25~75重量%充填する工程と、前記冷凍容器に充填された前記加熱調理された主食材、前記油脂-澱粉混合液及び前記濃縮液体スープを凍結し、冷凍食品を作製する工程と、作製した前記冷凍食品を冷凍容器から取り出し、電子レンジ調理用の袋に密封する工程と、を含む電子レンジ調理用冷凍食品の製造方法であって、前記油脂-澱粉混合液の澱粉含有量が25重量%以下であり、前記濃縮液体スープの25℃における粘度が5Pa・s以上であり、前記電子レンジ調理用冷凍食品は、電子レンジ調理された後に熱湯をかけることにより喫食可能状態となることを特徴とする電子レンジ調理用冷凍食品の製造方法が挙げられる。
【0014】
また、本発明に係る電子レンジ調理用冷凍食品の製造方法の油脂-澱粉混合液の油脂は、25℃において非ニュートン性の流体であることが好ましい。
【0015】
また、本発明に係る本発明に係る電子レンジ調理用冷凍食品の主食材が麺類であることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、喫食時に粘度のあるスープを有する電子レンジ調理用冷凍食品において、飲食店で喫食するような自然なとろみの有るスープを有する電子レンジ調理用冷凍食品及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る電子レンジ調理用冷凍食品の説明図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る電子レンジ調理用冷凍食品の変形例の説明図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る油脂-澱粉混合液に使用した配合例1-1~配合例1-3の油脂のせん断速度と粘度の関係を示したグラフである。
【符号の説明】
【0018】
1 主食材
2 上面部
3 油脂-澱粉混合液
4 濃縮液体スープ
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載に限定されるものではない。
【0020】
1.主食材
本発明に係る主食材は、麺類や米飯類が挙げられる。麺類の種類は特に限定はなく、うどん、そば、中華麺、スパゲッティ、マカロニなどが挙げられ、これらの麺類の生麺や乾麺を予め、茹で、蒸し等の調理方法により加熱調理したものを主食材として用いる。また、米飯類の種類についても特に限定はなく、白米、玄米、雑穀米が挙げられ、これらを炊飯したものや、これらを炊飯したものを炒めた炒飯や、これらを炒めた後にスープと共に炊飯したピラフなど加熱調理したものを主食材として用いる。
【0021】
2.油脂-澱粉混合液
本発明に係る油脂-澱粉混合液は、油脂と澱粉が混合したものであり、水を含まない。また、本発明に係る油脂-澱粉混合液の油脂は食用であれば特に限定はなく、ラード、ヘット、鶏油、パーム油、コーン油、菜種油、ごま油、オリーブ油、米白絞油、大豆油、ベニバナ油などの油脂やこれらの硬化油が挙げられ、これらの油脂から一又は二以上を選択して使用することができる。
【0022】
特に、本発明に係る油脂-澱粉混合液の油脂は、25℃において非ニュートン性流体であることが好ましい。通常の25℃において液体の油であれば、ニュートン性流体であるが、ショートニングなどの油脂を混ぜることにより、油脂に粘性を持たせ、25℃において非ニュートン性流体の油脂とすることができる。粘度が低すぎると油脂-澱粉混合液において油脂中に澱粉が均質に分散せず、また、主食材に付着しにくくなるため、本発明に係る油脂-澱粉混合液の油脂は、25℃、せん断速度が10.2[1/s]において、少なくとも100mPa・s以上、より好ましくは、250mPa・s以上が好ましい。逆に粘度が高すぎると凍結後に冷凍容器から冷凍食品を取り出す際に冷凍食品が取り出しにくくなるため、25℃、せん断速度が10.2[1/s]において、少なくとも500mPa・s以下より好ましくは、450mPa・s以下が好ましい。粘度の測定については、コーンプレート型回転粘度計で測定すればよい。
【0023】
また、本発明に係る油脂-澱粉混合液の澱粉は、特に限定はなく、馬鈴薯デンプン、タピオカデンプン、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、サゴデンプン、緑豆デンプン、小麦デンプン、米デンプンなどのデンプン及びこれらにα化、エーテル化、エステル化、酸化処理などの処理を施した加工デンプンなどが例示され、これらデンプンから一又は二以上を選択して使用することができる。なお、本発明で使用するデンプンとして、好ましくは糊化開始温度が60℃以下のデンプン、最適にはヒドロキシプロピル化デンプン(エーテル化デンプン)が挙げられる。
【0024】
また、本発明に係る油脂-澱粉混合液中の澱粉の含有量は、油脂―澱粉混合液の総重量に対して25重量%以下が好ましい。澱粉量が多すぎると澱粉が均質に分散しにくく、電子レンジ調理により糊化し喫食時にダマになりやすい。下限については特に限定はないが、少なすぎるとスープの種類によっては必要な粘度を出すために油脂―澱粉混合液の添加量が多くなるため、10重量%以上が好ましい。
【0025】
また、本発明に係る油脂-澱粉混合液は、
図1または
図2で示すように、主食材の上面部や主食材の表面全体を被覆するように添加することが好ましい。そうすることで、後述する濃縮液体スープの水分が麺に移行するのを防ぐことができるだけでなく、電子レンジ調理による主食材同士の結着を防ぐことができる。均質な調理の面では、
図2で示すように、主食材の表面全体を被覆するように添加することが好ましい。
【0026】
また、本発明に係る油脂-澱粉混合液の添加量は、上記加熱調理済みの主食材の重量に対して3~20重量%が好ましい。3重量%未満であると主食材を冷凍容器に充填した時の上面部や主食材の表面全体を被覆することが難しい。逆に20重量%よりも多いと余った油脂-澱粉混合液が冷凍容器の底に溜まる量が多くなり、電子レンジ調理時に澱粉がダマになったり、凍結した冷凍食品を冷凍容器から取り出しにくくなる。より好ましくは、5~12重量%程度である。
【0027】
3.濃縮液体スープ
本発明に係る濃縮液体スープは、25℃における粘度が5Pa・s以上好ましい。粘度の測定はB型粘度計で測定すればよい。粘度が5Pa・s未満だと濃縮液体スープから主食材に水分が移行しやすくなるだけでなく、濃縮液体スープが主食材の上面部から下に垂れ落ちやすくなり、電子レンジ調理時に濃縮液体スープが焦げたり、主食材が結着たりしやすくなる。より好ましくは、8Pa・s以上である。上限については特に限定はないが、粘度が高すぎると濃縮液体スープを充填しづらくなるため、粘度の上限としては25Pa・s以下が好ましい。
【0028】
本発明に係る濃縮液体スープの食塩濃度は、7%(W/V)以下が好ましい。食塩濃度が7%よりも高くなると電子レンジ調理によって濃縮液体スープが焦げたり、主食材が結着しやすくなる。食塩濃度については、モール法によって測定すればよい。また、本発明に係る濃縮液体スープは、冷凍食品中に直接充填され凍結されるため、別添タイプの濃縮液体スープよりもスープの充填重量を多くでき、また、保存性のためのpH調整が不要なため、濃縮度合いを低くでき、風味を良くすることできる。下限については特に限定はないが、濃縮度が低すぎると液体スープの充填量が多くなり、電子レンジ調理による調理時間が長くなるだけでなく、保存中の主食材への水分移行により、主食材の食感が悪くなる。よって濃縮液体スープの塩濃度としては、3%以上となるように調整することが好ましい。
【0029】
また、本発明に係る濃縮液体スープの充填量としては、上記加熱調理済みの主食材の重量に対して75重量%以下が好ましい。充填量が多すぎると濃縮液体スープが主食材の上面部に載りきらず、下に垂れ落ちやすくなるだけでなく、電子レンジ調理時間が長くなり、電子レンジ調理によって濃縮液体スープが焦げたり、主食材が結着たりしやすくなる。下限については特に限定はないが、充填量が少なすぎても、濃縮液体スープの濃縮度合いが高くなり、電子レンジ調理によって濃縮液体スープが過加熱となり、焦げたり、主食材が結着たりしやすくなるため、主食材の重量に対して25重量%以上が好ましい。より好ましい範囲としては50~70重量%である。
【0030】
3.製造工程
加熱調理した主食材を用意する。具体的には、麺類の場合は、常法により、製麺した生麺、または乾麺を茹でまたは蒸しにより加熱調理し、必要により水洗冷却した麺を主食材とする。また、米飯の場合は、米類を炊飯したものや、これらを炊飯したものを炒めた炒飯や、これらを炒めた後にスープと共に炊飯したピラフなど加熱調理されたものを主食材とする。
【0031】
次いで加熱調理された主食材を冷凍容器に充填する。冷凍容器は冷凍耐性があれば特に限定はなく、可撓性のあるプラスチック性の冷凍容器や金属製の冷凍容器が挙げれる。容器の形状についても特に限定はなく、長方形や円形であてもよく、中央に凸部があってもよい。
【0032】
冷凍容器に主食材が充填された後に、
図1または
図2のように油脂-澱粉混合液を主食材の上面部または主食材の表面全体を被覆するように充填する。充填方法は特に限定はないが、
図1で示すように、主食材の上面部に充填する場合は、後述する濃縮液体スープが充填される上面部よりも広い範囲を被覆するように充填することが好ましい。また、
図2で示すように、主食材の表面全体を被覆する場合の方法としては、油脂―澱粉混合液を充填した後にエアを吹き付けることで主食材の表面に満遍なく油脂-澱粉液を被覆させる方法が挙げられる。主食材の表面全体を被覆する方が、主食材への水分移行が全体的に抑えられ、主食材のほぐれもよく、加熱も均質となり、主食材の食感やスープの自然な粘度発現の面でも好ましい。
【0033】
主食材に油脂-澱粉混合液を被覆した後に、
図1または
図2のように濃縮液体スープを主食材の上面部に充填する。充填方法は特に限定はないが、
図1で示すように油脂-澱粉混合液を主食材の上面部を被覆するように充填した場合は、油脂-澱粉混合液が被覆している範囲内に均質に充填する。
図2で示すように主食材の表面全体に油脂-澱粉混合液が被覆している場合は、主食材の上面部に均質に充填すればよい。
【0034】
濃縮液体スープを充填した後、冷凍容器を凍結庫に入れ、凍結する。凍結方法は特に限定はなく、従来技術を適用することができる。例えば、エアブラスト式のトンネルフリーザー、スパイラルフリーザー、ワゴンフリーザーや急速凍結庫、ブライン式のフレキシブルフリーザー等の商業用の凍結装置だけでなく、一般的な業務用、家庭用の冷凍庫も適用できる。特に好ましくは、-35℃以下の温度のトンネルフリーザーやスパイラルフリーザーにより急速凍結することが好ましい。
【0035】
次いで、凍結した冷凍食品を冷凍容器から取り出す。取り出し方法は、特に限定はなく、可撓性のある冷凍容器を変形させて冷凍食品を取り出したり、冷凍容器の底面に打撃を加えることで取り出してもよい。取り出した冷凍食品は、電子レンジ調理用の袋に入れて封をした後、必要により薬味やふりかけなどの別包と共に外包材で密封し、電子レンジ調理用冷凍食品として市販することができる。
【0036】
4.調理方法
通常の汁ありの冷凍食品の場合は、鍋炊き調理を行うか、冷凍された主食材を電子レンジ調理した後、予め別途別添スープを熱湯に溶かして用意したスープに主食材を移すことで調理が完成する。しかしながら、本発明に係る電子レンジ調理用冷凍食品は、電子レンジ調理した後、どんぶりなどの容器に移し、熱湯を注いでかき混ぜることで、調理が完成する。別途スープを用意しなくてもいいため、調理が簡便になるだけでなく、液体スープが直充填されているため、包材の削減にもなり、環境面でも適している。更には、油脂―澱粉混合物の状態で電子レンジ調理されるため、油脂中に含まれる澱粉が水分を吸収して熱湯を注ぐ前に僅かに糊化が進んだ状態となるためか、熱湯を注いだ際の粘度の発現が、特許文献1のような別添スープの油脂-澱粉混合液で粘度を発現した場合と比べ、人工的にスープの粘度を調整したような違和感がなく、飲食店で喫食するような自然なとろみが感じられるようになる。また、濃縮液体スープも同様に電子レンジ加熱されるため調理感が増し、主食材へのスープなじみもよく、全体として風味がまとまるなどの効果もある。
【0037】
以下に実施例を挙げて本実施形態をさらに詳細に説明する。
【実施例】
【0038】
<実験1>油脂-澱粉混合液の検討
(主食材)
小麦粉950gと澱粉50gを混合した原料粉に、食塩10gとかんすい製剤(炭酸ナトリウム50:炭酸カリウム45:重合リン酸塩5)10gを350mlの水に溶かした練り水を加え、ミキサーで15分間混練し麺生地を作製した。これをロールで圧延して厚さ1.5mmの麺帯とし、20番の切刃(角刃)で切出して生麺線とした。次に、得られた生麺線を、1食分25~30cmにカットし、沸騰水にて30秒間茹で、冷水で1分間水洗後、氷水に30秒間浸漬、冷却し、水切し、加熱調理済み中華麺(主食材)とした。
【0039】
(油脂-澱粉混合液)
下記表1に記載した配合例1-1~1-5の配合の菜種油及びショートニングを混合した後、デンプンを混合し、油脂-澱粉混合液を用意した。また、配合例1-1~1-3については、使用した油脂(菜種油及びショートニング)の粘度について測定した。測定方法は、英弘精機株式会社のデジタル粘度計(LVDVNeat)で測定し、コーンスピンドル(CPA-52Z)、アダプター(SC4-27)を用いて測定し、60秒ごとに回転速度を1rpmから80rpm(せん断速度を0.34~27.2)まで変化させ粘度を測定した。測定結果を表2及び
図3に示す。なお、配合例1-1については、せん断速度が10.2未満では、粘度測定できなかった。また、同じく配合例1-1~1-3については油脂-澱粉混合液を混合したものを1分間放置し、デンプンの分散性を目視で確認した。澱粉が多く沈殿しているものを×、澱粉の沈殿が少なく概ね分散を維持しているものを〇とした。
【0040】
【0041】
【0042】
(濃縮液体スープ)
次いで、下記表3の配合例2-1の資材を混合し加熱溶解した濃縮液体スープ(鶏白湯)を準備した。なお、配合例2-1、配合例2-2及び配合例2-3については、B型粘度計(東機産業社製 VISCOMETER TVB-15M ローターNo.3)にて25℃の粘度を測定した。
【0043】
【0044】
(試験例1-1)
冷凍用容器(容器口径:150mm,容器底面径:140mm,容器高さ:54mm,容器凸部口径:108mm,容器凸部底面径:96.5mm,容器凸部高さ:8mm)に主食材として調理済み中華麺を170g充填した後、中華麺の上から配合例1-1の油脂-澱粉混合液を12g添加し、容器上方から圧縮空気を吹き付けることで麺の表面全体に油脂-澱粉混合液を付着させた。
【0045】
次いで油脂-澱粉混合液が付着した中華麺の上から配合例2-1の濃縮液体スープを115g、
図2で示すように中華麺の上面部に冷凍容器の淵から下に垂れないように均質に充填した。
【0046】
濃縮液体スープを充填した後、冷凍容器ごと-35℃のエアブラスト式急速凍結機に入れ45分間、冷凍処理し、冷凍容器から冷凍食品(中華麺)を取り出し、電子レンジ調理用のプラスチック製の袋に入れ、電子レンジ調理用冷凍食品(冷凍中華麺)を作製した。
【0047】
(試験例1-2)
油脂-澱粉混合液を配合例1-2とする以外は、試験例1-1の方法で電子レンジ調理用冷凍食品を作製した。
【0048】
(試験例1-3)
油脂-澱粉混合液を配合例1-3とする以外は、試験例1-1の方法で電子レンジ調理用冷凍食品を作製した。
【0049】
(試験例1-4)
油脂-澱粉混合液を配合例1-4とする以外は、試験例1-1の方法で電子レンジ調理用冷凍食品を作製した。
【0050】
(試験例1-5)
油脂-澱粉混合液を配合例1-5とする以外は、試験例1-1の方法で電子レンジ調理用冷凍食品を作製した。
【0051】
(試験例1-6)
油脂-澱粉混合液の添加量を5gとする以外は、試験例1-2の方法で電子レンジ調理用冷凍食品を作製した。
【0052】
(試験例1-7)
油脂-澱粉混合液の添加量を34gとする以外は、試験例1-2の方法で電子レンジ調理用冷凍食品を作製した。
【0053】
(試験例1-8)
配合例1-2の油脂-澱粉混合液12gを別包材に充填し、配合例2-4の濃縮液体スープ92gを別包材に充填し、油脂-澱粉混合液と濃縮液体スープを添加せずに主食材である調理済み中華麺を試験例1-1の方法に従って凍結し、電子レンジ調理用の袋に入れ、電子レンジ調理用冷凍食品を作製した。
【0054】
試験例1-2及び試験例1-8について、電子レンジ調理を行い、喫食し、官能評価を行った。試験例1-2については、冷凍食品を600W、4分間調理した後、容器に移し、熱湯を200ml入れ、攪拌しながら濃縮液体スープを溶かし、喫食し評価した。試験例1-8については、冷凍食品を600W、4分間加熱調理した後、予め容器に配合例1-2の油脂-澱粉混合液と配合例2-4の濃縮液体スープを入れ、そこに熱湯を220ml入れて溶解したスープに入れ、喫食し評価した。評価については、飲食店の濃厚鶏白湯スープ(天下一品)のとろみを基準として評価し、飲食店とほぼ同等の自然なとろみを有するものを◎、自然なとろみを有し概ね良好なものを〇、人工的なとろみを有し劣るものを△、人工的なとろみを強く感じ非常に劣るものを×とした。
【0055】
また、試験例1-1~1-7については、油脂-澱粉混合液の麺線への付着度合い、油脂の垂れ落ち、凍結後の冷凍食品の取り出しなどの製造適正を、試験例1-1~1-8については、電子レンジ調理を行った際の、麺線のほぐれ、スープのダマの発生などの調理適正の評価を行った。なお、試験例1-1~1-7については、試験例1-2と同様の方法で調理した。
【0056】
評価結果を表4に示す。
【0057】
【0058】
試験例1-2及び試験例1-8の官能評価の結果から、本発明に係る電子レンジ調理用冷凍食品(冷凍中華麺)は、特許文献1に記載された液体スープと油脂-澱粉混合液を別包材に分けたものと比較して、澱粉で作ったような人工的な粘度が和らぎ、飲食店で出されるようなドロッとしているが切れの良い自然な感じの粘度に近づいていた。これは電子レンジ調理時に直充填された濃縮液体スープの水分や麺からの水分を油脂-澱粉混合液の澱粉が吸収しつつ加熱されることにより部分的に澱粉の糊化が進んでおり、そこに熱湯が注がれて最終的に糊化されることにより、熱湯のみで糊化を完成する試験例1-8よりも澱粉で作製した人工的な粘度感が抑えられているものと推測する。また、試験例1-2のサンプルは、濃縮液体スープを直充填されており、電子レンジにより麺と共に濃縮液体スープが加熱されるため、試験例1-8に比べてスープ自体の調理感が増し、麺とスープのなじみもよく、全体として風味がまとまっていた。
【0059】
配合例1-1~配合例1-3の油脂について、25℃におけるせん断速度と粘度の関係を測定した結果、表2及び
図3で示すように、配合例1-1の油脂は、せん断速度が変化してもほとんど粘度に変化がないことから、ニュートン流体であり、配合例1-2及び配合例1-3の油脂は、せん断速度が増加するにつれて粘度が低下していくことから非ニュートン流体であることがわかる。
【0060】
試験例1-1~試験例1-3の油脂-澱粉混合液の評価結果より、配合例1-1の油脂よりも配合例1-2、配合例1-3の油脂のようにショートニングを加えることによって、非ニュートン流体とすることにより麺に油脂-澱粉混合液を付着させた後の容器底への油脂―澱粉混合液の垂れ落ちを少なくすることができる。非ニュートン流体の粘度とニュートン流体の粘度を比較することは難しいが、
図3や表2で示すように25℃のせん断速度10.2において100mPa・sよりも大きければ非ニュートン流体と言え、さらに言えば、配合例1-2のように250mPa・s以上であれば油脂-澱粉混合液の垂れ落ちを防ぐことが出きる。
【0061】
逆に試験例1-3で示すように、油脂-澱粉混合液にショートニングを加えていくことにより、油脂の非ニュートン流体の粘度を高くしていくと、油脂-澱粉混合液を充填しにくく、また、充填後に麺線表面全体に拡散しにくくなり、さらには、凍結した際に容器から冷凍食品が取り出しにくくなるため、油脂の粘度としては、配合例1-3で示すように、25℃のせん断速度10.2において500mPa・s以下、より好ましくは450mPa・s以下が好ましい。但し、
図1で示すように、油脂-澱粉混合液を冷凍食品の上面部を被覆する場合、油脂-澱粉混合液の充填に関しては、充填機の能力を上げたり、可撓性のないプラスチック容器や金属容器を用いて強制的に取り出す工程を採用すれば、非ニュートン性流体の粘度をさらに上げることも可能である。
【0062】
試験例1-4、試験例1-5の油脂-澱粉混合液の評価結果より、油脂-澱粉混合液の澱粉の配合量は、少ない分には問題ないが、試験例1-5で示すように調理時に麺のほぐれややや悪くなり始め、スープにダマもやや発生し始めることから、油脂-澱粉混合液中の澱粉量は25重量%以下が好ましい。ただし、澱粉量が少なすぎるとスープの種類によっては、粘度を発現させるために油脂-澱粉混合液を多く添加する必要があるため、油脂-澱粉混合液中の澱粉量は10重量%以上が好ましいと考える。
【0063】
試験例1-6、試験例1-7で示すように油脂-澱粉混合液の主食材に対する充填量が少なすぎると、主食材表面全体に油脂-澱粉混合液を被覆させることが難しく、逆に多すぎると余りが容器の底に溜まり、冷凍食品が冷凍容器から取り出しにくくなり、冷凍容器の底に溜まった油脂-澱粉混合液が、一か所に固まるとスープにダマが発生しやすくなったり、加熱されることにより麺のほぐれが悪くなる。よって、油脂-澱粉混合液の添加量としては、加熱調理された主食材の重量に対して3~20重量%の範囲が好ましい。
【0064】
<実験2>濃縮液体スープの検討
(試験例2-1)
表2に記載した下記表2の配合例2-2の資材を混合し加熱溶解した濃縮液体スープを準備した。濃縮液体スープを準備した配合例2-2のスープとする以外は、試験例1-2の方法に従って、冷凍電子レンジ調理用冷凍食品(冷凍中華麺)を作製した。
【0065】
(試験例2-2)
表2に記載した下記表2の配合例2-3の資材を混合し加熱溶解した濃縮液体スープを準備した。準備した配合例2-3の濃縮液体スープを127g充填する以外は、試験例1-2の方法に従って、冷凍電子レンジ調理用冷凍食品(冷凍中華麺)を作製した。
【0066】
(試験例2-3)
下記表5の配合例3の資材を混合し加熱溶解した濃縮液体スープ(あんかけラーメン)を準備した。
【0067】
【0068】
次いで、冷凍用容器(容器口径:150mm,容器底面径:140mm,容器高さ:54mm,容器凸部口径:108mm,容器凸部底面径:96.5mm,容器凸部高さ:8mm)に主食材として実験1で作製した調理済み中華麺を180g充填した後、中華麺の上から配合例1-2の油脂-澱粉混合液を12.5g添加し、容器上方から圧縮空気を吹き付けることで麺の表面全体に油脂-澱粉混合液を付着させた。
【0069】
次いで油脂-澱粉混合液が付着した中華麺の上から配合例3の濃縮液体スープを85g、
図2で示すように中華麺の上面部に容器の淵から下に垂れないように均質に充填した。
【0070】
濃縮液体スープを充填した後、冷凍容器ごと-35℃のエアブラスト式急速凍結機に入れ45分間、冷凍処理し、冷凍容器から冷凍食品(中華麺)を取り出し、電子レンジ調理用のプラスチック製の袋に入れ、電子レンジ調理用冷凍食品(冷凍中華麺)を作製した。
【0071】
(試験例2-4)
下記表6の配合例4の資材を混合し加熱溶解した濃縮液体スープ(ゴマ担々麺)を準備した。
【0072】
【0073】
次いで、冷凍用容器(容器口径:150mm,容器底面径:140mm,容器高さ:54mm,容器凸部口径:108mm,容器凸部底面径:96.5mm,容器凸部高さ:8mm)に主食材として実験1-1で作製した調理済み中華麺を200g充填した後、中華麺の上から配合例1-2の油脂-澱粉混合液を6g添加し、容器上方から圧縮空気を吹き付けることで麺の表面全体に油脂-澱粉混合液を付着させた。
【0074】
次いで油脂-澱粉混合液が付着した中華麺の上から配合例4の濃縮液体スープを105g、
図2で示すように中華麺の上面部に容器の淵から下に垂れないように均質に充填した。
【0075】
濃縮液体スープを充填した後、冷凍容器ごと-35℃のエアブラスト式急速凍結機に入れ45分間、冷凍処理し、冷凍容器から冷凍食品(中華麺)を取り出し、電子レンジ調理用のプラスチック製の袋に入れ、電子レンジ調理用冷凍食品(冷凍中華麺)を作製した。
【0076】
試験例2-1~2-4について電子レンジ調理を行い、喫食し、官能評価を行った。試験例2-1及び2-2については、冷凍食品を600W、4分間調理した後、容器に移し、熱湯を200ml入れ、攪拌しながら濃縮液体スープを溶かし、喫食し評価した。試験例2-3については、冷凍食品を600W、4分間調理した後、容器に移し、熱湯を200ml入れ、攪拌しながら濃縮液体スープを溶かし、喫食し評価した。試験例2-4については、冷凍食品を600W、4分30秒間調理した後、容器に移し、熱湯を220ml入れ、攪拌しながら濃縮液体スープを溶かし、喫食し評価した。
【0077】
また、試験例2-1~2-4については、液体スープの充填性や主食材上面からの垂れ落ち、冷凍食品の取り出しなどの製造適正や、調理を行った際のスープの焦げ、麺線のほぐれ、スープのダマの発生などの調理適正の評価を行った。評価結果を下記表7に記載する。
【0078】
【0079】
実験2において、表7に示すように濃縮液体スープの配合例2-2(配合例2-1のスープ粘度を下げたもの)、配合例2-3(配合例2-1を希釈したもの)、配合例3(あんかけスープ)、配合例4(ごま担々スープ)などの異なるスープを用いた場合における製造適正や調理適正を調べた結果、試験例2-1で示すように、濃縮液体スープの25℃における粘度が5Pa・s程度であれば若干の濃縮液体スープの垂れ落ちが認められるが、製造適正や調理適正についても概ね許容できるレベルであった。また、試験例2-2で示すように濃縮液体スープの充填量として、主食材に対して75重量%程度までであれば、主食材の上面部に充填できた。
【0080】
また、試験例2-3で示すように、食塩濃度が高いスープであると電子レンジ加熱によって、若干スープが焦げまで行かないが過加熱気味となった。その結果、部分的に若干ほぐれが悪くなった。よって、食塩濃度としては7%以下が好ましいと考える。
【0081】
また、試験例2-4で示すように、スープの粘度が高くなると充填性が悪くなるので、スープの粘度としては、25℃において25Pa・s以下が好ましいと考える。
【0082】
また、データでは示さないが、各サンプルの官能評価の結果、何れの試験例においても、適正に粘度が発現し、別添スープで粘度を発現させるよりも、主食材とスープとのなじみがよく、スープの粘度についても飲食店で出されるような自然な粘度を有していた。