(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】マスク材料のプラズマエッチング
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20241002BHJP
G03F 1/24 20120101ALI20241002BHJP
G03F 1/80 20120101ALI20241002BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
H01L21/302 101C
G03F1/24
G03F1/80
(21)【出願番号】P 2023565492
(86)(22)【出願日】2022-04-07
(86)【国際出願番号】 US2022023782
(87)【国際公開番号】W WO2022231815
(87)【国際公開日】2022-11-03
【審査請求日】2023-12-20
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】レオン, トイ ユエ ベッキー
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラフッド, マダヴィ ラジャラム
(72)【発明者】
【氏名】ヤラマンチリ, マーダヴァ ラオ
【審査官】加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-72127(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0154615(US,A1)
【文献】国際公開第2012/105508(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0324364(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
G03F 1/24
G03F 1/80
H01L 21/027
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッチング方法であって、
プラズマ放出物を生成するためのフッ素含有前駆体のプラズマを形成することであって、前記プラズマを形成している間、第1のバイアス周波数が印加される、プラズマを形成することと、
半導体処理チャンバの処理領域に収容された基板を前記プラズマ放出物と接触させることであって、前記基板がフォトマスクを備える、基板を前記プラズマ放出物と接触させることと、
前記フォトマスクの第1の層をエッチングすることであって、前記フォトマスクの前記第1の層をエッチングすることにより、前記フォトマスクの第2の層が露出する、前記フォトマスクの第1の層をエッチングすることと、
前記フッ素含有前駆体の前記プラズマを維持している間、前記第1のバイアス周波数を第2のバイアス周波数に調整することと、
前記フォトマスクの前記第2の層をエッチングすることと
を含む、エッチング方法。
【請求項2】
前記フォトマスクが、
ミラー層と、
ミラー層を覆っている吸収体と、
前記吸収体と前記ミラー層との間に配置されたキャッピング層であって、金属を含むキャッピング層と
を備える、請求項1に記載のエッチング方法。
【請求項3】
前記フォトマスクが、
前記吸収体を覆っているハードマスクと、
前記ハードマスクと前記吸収体との間に配置された無反射コーティング層と
をさらに備え、
前記ハードマスクおよび前記無反射コーティング層のうちの少なくとも一方が酸化物材料または窒化物材料を含む、請求項2に記載のエッチング方法。
【請求項4】
前記フォトマスクが、
前記ハードマスクと前記無反射コーティング層との間に配置された材料の層
をさらに備え、材料の前記層が金属を含む、請求項3に記載のエッチング方法。
【請求項5】
前記フッ素含有前駆体が、
第1のフッ素含有前駆体と、
第2のハロゲン含有前駆体と
を含み、前記第1のフッ素含有前駆体が炭素を含み、前記第2のハロゲン含有前駆体が無炭素である、請求項1に記載のエッチング方法。
【請求項6】
前記第2のハロゲン含有前駆体に対する前記第1のフッ素含有前駆体の流量比が2:1よりも大きいか、または約2:1である、請求項5に記載のエッチング方法。
【請求項7】
前記フォトマスクの前記第1の層をエッチングすることに引き続いて、前記第1のフッ素含有前駆体および前記第2のハロゲン含有前駆体の流量比を調整すること
をさらに含む、請求項5に記載のエッチング方法。
【請求項8】
前記フッ素含有前駆体が、
炭素を含む第3の前駆体
をさらに含む、請求項5に記載のエッチング方法。
【請求項9】
前記フォトマスクの前記第1の層をエッチングすること、または前記フォトマスクの前記第2の層をエッチングすることのいずれか一方の間だけ前記第3の前駆体が利用される、請求項8に記載のエッチング方法。
【請求項10】
前記半導体処理チャンバ内のチャンバ圧が50mTorr未満または約50mTorrに維持される、請求項1に記載のエッチング方法。
【請求項11】
前記フォトマスクの前記第2の層をエッチングすることにより、前記フォトマスクの第3の層が露出し、前記方法が、
前記フッ素含有前駆体の前記プラズマを維持している間、前記第2のバイアス周波数を第3のバイアス周波数に調整すること
をさらに含む、請求項1に記載のエッチング方法。
【請求項12】
エッチング方法であって、
プラズマ放出物を生成するための第1のフッ素含有前駆体および第2のハロゲン含有前駆体のプラズマを形成することであって、前記プラズマを形成している間、第1のバイアス周波数が印加される、プラズマを形成することと、
半導体処理チャンバの処理領域に収容された基板を前記プラズマ放出物と接触させることであって、前記基板がフォトマスクを備え、前記フォトマスクが前記フォトマスクのハードマスクとミラー層との間に少なくとも3つの層を備える、基板を前記プラズマ放出物と接触させることと、
前記フォトマスクの第1の層をエッチングすることであって、前記フォトマスクの前記第1の層をエッチングすることにより、前記フォトマスクの第2の層が露出する、前記フォトマスクの第1の層をエッチングすることと、
調整することであって、
前記第1のバイアス周波数を第2のバイアス周波数に調整すること、
前記半導体処理チャンバ内の圧力を調整すること、
ソース電極および/またはバイアス電極の有効電力を調整すること、または
前記第1のフッ素含有前駆体と前記第2のハロゲン含有前駆体との間の流量比を調整すること
のうちの少なくとも1つである、調整することと、
前記フォトマスクの前記第2の層をエッチングすることと
を含む、エッチング方法。
【請求項13】
前記フォトマスクの前記第1の層をエッチングしている間、前記フォトマスクの前記第2の層の露出を検出すること
をさらに含む、請求項12に記載のエッチング方法。
【請求項14】
前記フォトマスクが、
ミラー層と、
ミラー層を覆っている吸収体と、
前記吸収体と前記ミラー層との間に配置されたキャッピング層であって、金属を含むキャッピング層と
を備える、請求項12に記載のエッチング方法。
【請求項15】
前記吸収体が材料の少なくとも2つの層を備える、請求項14に記載のエッチング方法。
【請求項16】
前記フォトマスクの前記第2の層をエッチングすることにより、前記フォトマスクの第3の層が露出し、前記方法が、
前記フォトマスクの前記第3の層をエッチングすることであって、バイアス周波数が、前記フォトマスクの前記第1の層および前記フォトマスクの前記第2の層のエッチング、または前記フォトマスクの前記第2の層のエッチングのいずれかと、前記フォトマスクの前記第3の層のエッチングとの間で維持される、前記第3の層をエッチングすること
をさらに含む、請求項12に記載のエッチング方法。
【請求項17】
前記3つの層のうちの少なくとも1つが第1の金属を含み、前記ハードマスクが、前記第1の金属の硬度未満の硬度を特徴とする第2の金属を含む、請求項12に記載のエッチング方法。
【請求項18】
前記プラズマが第3の前駆体でさらに形成され、前記第1のフッ素含有前駆体が炭素を含み、前記第2のハロゲン含有前駆体が無炭素であり、前記第3の前駆体が炭素を含む、請求項12に記載のエッチング方法。
【請求項19】
エッチング方法であって、
プラズマ放出物を生成するための少なくとも1つのフッ素含有前駆体のプラズマを形成することであって、前記プラズマを形成している間、第1のバイアス周波数が印加される、プラズマを形成することと、
半導体処理チャンバの処理領域に収容された基板を前記プラズマ放出物と接触させることであって、前記基板がフォトマスクを備え、前記フォトマスクが前記フォトマスクのハードマスクとミラー層との間に少なくとも2つの層を備える、基板を前記プラズマ放出物と接触させることと、
前記フォトマスクの第1の層をエッチングすることであって、前記フォトマスクの前記第1の層をエッチングすることにより、前記フォトマスクの第2の層が露出する、第1の層をエッチングすることと、
前記第1のバイアス周波数を第2のバイアス周波数に調整することであって、前記第1のバイアス周波数が10MHzよりも高いか、または約10MHzであり、前記第2のバイアス周波数が10MHzよりも低いか、または約10MHzである、バイアス周波数を調整することと、
前記フォトマスクの前記第2の層をエッチングすることと
を含む、エッチング方法。
【請求項20】
前記フォトマスクが、
ミラー層と、
ミラー層を覆っている吸収体と、
前記吸収体と前記ミラー層との間に配置されたキャッピング層であって、金属を含むキャッピング層と
を備える、請求項19に記載のエッチング方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2021年4月28日に出願した、「PLASMA ETCHING OF MASK MATERIALS,」という名称の米国非仮出願第17/242,758号の利益および優先権を主張するものであり、この非仮出願の内容は、参照により、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれている。
【技術分野】
【0002】
本技術は、半導体プロセスおよび設備に関する。より詳細には、本技術は、マスク構造体を選択的にエッチングすることに関する。
【背景技術】
【0003】
集積回路は、複雑にパターン化された材料層を基板表面に製造するプロセスによって構築することができる。パターン化された材料を基板の上に製造するためには、露出した材料を除去するための制御された方法が必要である。化学エッチングは、フォトレジスト中のパターンを下層に転写すること、層を薄くすること、または既に表面に存在している特徴の横方向の寸法を小さくすることを含む様々な目的のために使用されている。例えばパターン転写プロセスを容易にするために、ある材料を別の材料よりも速くエッチングするエッチプロセスを有することが望ましいことがしばしばである。このようなエッチプロセスは、第1の材料に対して選択的である、と言われている。材料、回路およびプロセスの多種多様性のため、エッチプロセスは、様々な材料に対する選択性を使用して開発されている。
【0004】
エッチプロセスは、プロセスに使用される材料に基づいて、ウェットまたはドライと呼ぶことができる。例えばウェットエッチは、いくつかの酸化物誘電体を他の誘電体および材料に対して優先的に除去することができる。しかしながらウェットプロセスは、場合によってはいくつかの制約されたトレンチを貫通することが困難であり、また、場合によっては残りの材料を変形させることもあり得る。基板処理領域内で形成される局所プラズマ中で実施されるドライエッチは、より制約されたトレンチを貫通することができ、また、繊細な残りの構造体を変形させることも少ない。しかしながら局所プラズマは、局所プラズマが放電する際の電気アークの生成を介して基板を損傷させることがある。
【0005】
したがって品質が高いデバイスおよび構造体を製造するために使用することができる、改善されたシステムおよび方法が必要である。これらおよび他の必要性は本技術によって対処される。
【発明の概要】
【0006】
例示的エッチング方法は、プラズマ放出物を生成するためのフッ素含有前駆体のプラズマを形成することを含むことができる。プラズマを形成している間、第1のバイアス周波数を印加することができる。方法は、半導体処理チャンバの処理領域に収容された基板をプラズマ放出物と接触させることを含むことができる。基板はフォトマスクであってもよく、あるいはフォトマスクを含むことができる。方法は、フォトマスクの第1の層をエッチングすることを含むことができる。フォトマスクの第1の層をエッチングすることにより、フォトマスクの第2の層を露出させることができる。方法は、フッ素含有前駆体のプラズマを維持している間、第1のバイアス周波数を第2のバイアス周波数に調整することを含むことができる。方法は、フォトマスクの第2の層をエッチングすることを含むことができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、フォトマスクは、ミラー層、ミラー層を覆っている吸収体、および吸収体とミラー層との間に配置されたキャッピング層を含むことができる。キャッピング層は金属を含むことができる。フォトマスクは、吸収体を覆っているハードマスクを含むことができる。フォトマスクは、ハードマスクと吸収体との間に配置された無反射コーティング層を含むことができる。ハードマスクおよび無反射コーティング層のうちの少なくとも一方は酸化物材料または窒化物材料であってもよく、あるいは酸化物材料または窒化物材料を含むことができる。フォトマスクは、ハードマスクと無反射コーティング層との間に配置された材料の層を含むことができる。材料の層は金属であってもよく、あるいは金属を含むことができる。フッ素含有前駆体は第1のフッ素含有前駆体を含むことができる。フッ素含有前駆体は第2のハロゲン含有前駆体を含むことができる。第1のフッ素含有前駆体は炭素を含むことができ、また、第2のハロゲン含有前駆体は無炭素であってもよい。
【0008】
第2のハロゲン含有前駆体に対する第1のフッ素含有前駆体の流量比は2:1よりも大きくてもよく、あるいは約2:1であってもよい。方法は、フォトマスクの第1の層をエッチングすることに引き続いて、第1のフッ素含有前駆体および第2のハロゲン含有前駆体の流量比を調整することを含むことができる。フッ素含有前駆体は第3の前駆体を含むことができる。第3の前駆体は炭素を含むことができる。第3の前駆体は、フォトマスクの第1の層をエッチングすること、またはフォトマスクの第2の層をエッチングすることのいずれか一方の間だけ利用することができる。半導体処理チャンバ内のチャンバ圧は、50mTorr未満または約50mTorrに維持することができる。フォトマスクの第2の層をエッチングすることにより、フォトマスクの第3の層を露出させることができる。方法は、フッ素含有前駆体のプラズマを維持している間、第2のバイアス周波数を第3のバイアス周波数に調整することを含むことができる。印加される電力または有効電力は500W未満、または約500Wであってもよく、また、持続波、ソースパルス状、バイアスパルス状、またはソースパルス状およびバイアスパルス状の両方として提供することができる。
【0009】
本技術のいくつかの実施形態はエッチング方法を包含することができる。方法は、プラズマ放出物を生成するための第1のフッ素含有前駆体および第2のハロゲン含有前駆体のプラズマを形成することを含むことができる。プラズマを形成している間、第1のバイアス周波数を印加することができる。方法は、半導体処理チャンバの処理領域に収容された基板をプラズマ放出物と接触させることを含むことができる。基板はフォトマスクであってもよく、あるいはフォトマスクを含むことができる。フォトマスクは、フォトマスクのハードマスクとミラー層との間に少なくとも3つの層を含むことができる。方法は、フォトマスクの第1の層をエッチングすることを含むことができる。フォトマスクの第1の層をエッチングすることにより、フォトマスクの第2の層を露出させることができる。方法は、第1のバイアス周波数を第2のバイアス周波数に調整すること、半導体処理チャンバ内の圧力を調整すること、ソース電極またはバイアス電極のいずれか、または両方の電極の有効電力を調整すること、あるいは第1のフッ素含有前駆体と第2のハロゲン含有前駆体との間の流量比を調整すること、のうちの少なくとも1つを含むことができる。方法は、フォトマスクの第2の層をエッチングすることを含むことができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、方法は、フォトマスクの第1の層をエッチングしている間、フォトマスクの第2の層の露出を検出することを含むことができる。フォトマスクは、ミラー層、ミラー層を覆っている吸収体、および吸収体とミラー層との間に配置されたキャッピング層を含むことができる。キャッピング層は金属であってもよく、あるいは金属を含むことができる。吸収体は、材料の少なくとも2つの層であってもよく、あるいは材料の少なくとも2つの層を含むことができる。フォトマスクの第2の層をエッチングすることにより、フォトマスクの第3の層を露出させることができる。方法は、フォトマスクの第3の層をエッチングすることを含むことができる。バイアス周波数は、フォトマスクの第1の層およびフォトマスクの第2の層のエッチング、またはフォトマスクの第2の層のエッチングのいずれかと、フォトマスクの第3の層のエッチングとの間で維持することができる。3つの層のうちの少なくとも1つは第1の遷移金属を含むことができる。ハードマスクは、第1の遷移金属の硬度またはエッチ耐性未満の硬度またはエッチ耐性を特徴とする第2の金属を含むことができる。プラズマは、さらに、第3の前駆体で形成することも可能である。第1のフッ素含有前駆体は炭素を含むことができ、第2のハロゲン含有前駆体は無炭素であってもよく、また、第3の前駆体は炭素を含むことができる。
【0011】
本技術のいくつかの実施形態はエッチング方法を包含することができる。方法は、プラズマ放出物を生成するための少なくとも1つのフッ素含有前駆体のプラズマを形成することを含むことができる。プラズマを形成している間、第1のバイアス周波数を印加することができる。方法は、半導体処理チャンバの処理領域に収容された基板をプラズマ放出物と接触させることを含むことができる。基板はフォトマスクであってもよく、あるいはフォトマスクを含むことができる。また、フォトマスクは、フォトマスクのハードマスクとミラー層との間に少なくとも2つの層を含むことができる。方法は、フォトマスクの第1の層をエッチングすることを含むことができる。フォトマスクの第1の層をエッチングすることにより、フォトマスクの第2の層を露出させることができる。方法は、第1のバイアス周波数を第2のバイアス周波数に調整することを含むことができる。第1のバイアス周波数は10MHzよりも高くし、あるいは約10MHzにすることができ、また、第2のバイアス周波数は10MHzよりも低くし、あるいは約10MHzにすることができる。また、いずれか一方または両方のバイアス周波数は、複数の周波数の組合せであってもよい。方法は、フォトマスクの第2の層をエッチングすることを含むことができる。いくつかの実施形態では、フォトマスクは、ミラー層、ミラー層を覆っている吸収体、および吸収体とミラー層との間に配置された金属含有キャッピング層を含むことができる。
【0012】
このような技術は、従来のシステムおよび技法に優る多くの利点を提供することができる。例えばプロセスは、正確に制御されたドライエッチの実施を可能にすることができ、これは、基板上の様々な材料を保護することができる。さらに、プロセスは、インシトゥ(その場)で選択的に調整し、スタック中の後続する材料をエッチングして、構造体の複数の層を通って展開する特徴を生成することができる。これらおよび他の実施形態は、それらの多くの利点および特徴と共に、以下の説明および添付の図に関連してより詳細に説明される。
【0013】
開示される技術の性質および利点についてのさらなる理解は、本明細書の残りの部分および図面を参照することによって実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本技術のいくつかの実施形態による例示的処理チャンバの略横断面図である。
【
図2】本技術のいくつかの実施形態による方法における例示的な処理を示す図である。
【
図3A-B】本技術のいくつかの実施形態による、エッチングされた材料の略横断面図である。
【
図3C-D】本技術のいくつかの実施形態による、エッチングされた材料の略横断面図である。
【
図3E】本技術のいくつかの実施形態による、エッチングされた材料の略横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図のうちのいくつかは略図として含まれている。図は例証を目的としたものであり、スケール通りであることが明記されていない限り、スケール通りであると見なしてはならないことを理解されたい。さらに、略図として、図は理解を促進するために提供されており、実際的な表現と比較すると、場合によってはすべての態様または情報を含んでいないことがあり、また、場合によっては例証目的のために追加材料あるいは誇張された材料を含んでいる。
【0016】
添付の図では、同様の構成要素および/または特徴は同じ参照ラベルを有することができる。さらに、同じタイプの様々な構成要素は、参照ラベルの後に続く、同様の構成要素間を区別する文字によって区別することができる。第1の参照ラベルのみが明細書の中に使用されている場合、その記述は、文字には無関係に、その同じ第1の参照ラベルを有する同様の構成要素のうちの任意の構成要素に適用することができる。
【0017】
7nmノードなどのより小さい技術ノードに移行する場合、およびより小さい半導体製造においては、極端紫外線(「EUV」)リソグラフィなどのパターニングのための改善された技法を使用することができる。EUVリソグラフィは、特定の集積回路設計を使用してパターン化されたフォトマスク構造体を利用している。フォトマスクは、次にリソグラフィスキャナに組み込まれ、基板の上に画像をパターン化するために使用される。EUVリソグラフィは、ミラー構造体および吸収体を含む複数の層を有する複合マスク構造体を利用している。EUV技術は、マスク3D効果を含むいくつかの課題によって特徴づけられることができる。マスク3D効果は、ミラー構造体からの吸収体の突出を含み、これは、処理中、基板上のシャドーイング効果または結像ずれをもたらし得る。これらの効果は、配置のずれや一次元特徴と二次元特徴との間の焦点の問題をもたらし得る。
【0018】
マスク3D効果を解決するための試行において、より新しい材料が利用され、また、特徴サイズが調整されているが、これらの変化は、パターニングに関して新しい問題をもたらしている。例えば多くの従来の技術は、イオン-ビームエッチングを利用して吸収体材料をパターン化している。イオン-ビームエッチングは、本質的に、アルゴンまたは他の不活性材料からなどのイオンを使用した衝撃プロセスを介して、材料のスパッタ除去をもたらす。しかしながらフォトマスクに組み込むために探し求められている材料の範囲が広くなると、異なる硬度値を特徴とする材料をマスク構造体の1つまたは複数の層に使用することができる。したがって、エッチングされる下地にある材料のエッチ耐性が増大するため、パターニングに使用されるハードマスクは、衝撃に耐えること困難になる可能性がある。実際には、下地にある材料をエッチングするために必要な電力の増加をより分厚いハードマスクによって補償することはできず、また、限界寸法の開きが生じ得る。これは、吸収体側壁が傾斜する原因になることがあり、傾斜した側壁は、処理中における限界寸法損失をもたらすことがあり、マスク操作を改善するためには真っ直ぐな側壁が探求される。
【0019】
本技術は、インシトゥ(その場)で適合させて、構造体の層間のエッチング操作を調整することができる選択的エッチプロセスを実施することによってこれらの限界を克服する。化学的および複数の物理的ボンバードメントスキーム内で調整することにより、本技術は選択的除去を改善することができ、また、吸収体構造体の側壁角を同じく改善することができる。残りの開示は、開示される技術を利用する特定の材料および半導体構造体をルーチン的に識別しているが、システム、方法および材料は、本技術の態様から恩恵を受けることができる多くの他の構造体にも等しく適用することができることは容易に理解されよう。したがって本技術は、何らかの特定のプロセスまたは材料とのみの使用に限定されるものとして解釈してはならない。さらに、本技術の基礎を提供するために例示的チャンバが説明されているが、本技術は、事実上、説明されている操作を許容することができる任意の半導体処理チャンバに適用することができることを理解されたい。
【0020】
図1は、本技術のいくつかの実施形態による例示的処理チャンバ100の略横断面図を示したものである。処理チャンバ100は、通常、基板支持体124すなわちペデスタルを有する処理チャンバ本体102、およびコントローラ146を含むことができる。チャンバ本体102は、実質的に平らな誘電体天井108を支持することができる導電性壁104を有することができる。処理チャンバ100の他の実施形態は、ドーム形天井または傾斜した天井などの他のタイプの天井を有することができる。アンテナ110は天井108の上方に配置することができる。アンテナ110は、選択的に制御することができる同軸要素110aおよび110bなどの1つまたは複数の誘導コイル要素を含むことができる。アンテナ110は、第1の整合回路網114を介してプラズマ電源112と結合することができる。プラズマ電源112は、約50kHzから約13.56MHzの範囲の同調可能周波数で最大約3000Wを生成することができてもよい。
【0021】
基板ペデスタル124は、いくつかの実施形態ではカソードとして動作することができ、また、第2の整合回路網142を介してバイアス化電源140と結合することができる。バイアス化電源140は、同調可能持続波、ならびに約100Hzないし約10kHzの範囲のパルス周波数で最大約600Wを提供することができる。バイアス化電源140はパルスRF電力出力を生成することができ、あるいはバイアス化源140はパルスDC電力出力を生成することができる。既に言及したように、電源140は、一定のDCおよび/またはRF電力出力を提供することも可能である。基板支持体124は静電チャック160を含むことができる。静電チャック160は少なくとも1つのクランプ電極132を含むことができ、また、チャック電源166によって制御することができる。いくつかの実施形態では、基板支持体124は、サセプタクランプリング、真空チャック、機械式チャック、または処理あるいはエッチング操作の間、基板を所定の位置に維持するための任意の他の機械式構成または他の構成などの追加基板保持機構を含むことができる。
【0022】
ガスパネル120は、プロセスガスおよび/または他のガスを処理チャンバ本体102の内部に提供するために処理チャンバ100と結合することができる。例証されているいくつかの実施形態では、ガスパネル120は、チャンバ本体102の導電性壁104中のチャネル118の中に形成された1つまたは複数の入口116と結合することができる。1つまたは複数の入口116は、例えば処理チャンバの天井108などの他の場所に提供することも可能である。処理チャンバ100の圧力は、スロットルバルブ162および真空ポンプ164を使用して制御することができる。真空ポンプ164およびスロットルバルブ162は、処理操作の間、約1mTorrないし約50mTorrの範囲のチャンバ圧を維持することができてもよい。壁104の温度は、任意の数の連続パターン、またはセグメント化されたパターンで、壁104を通って走らせることができる液体含有コンジットを使用して制御することができる。壁温度は、通常、室温、室温よりも高い温度または室温よりも低い温度に維持することができる。いくつかの実施形態では、チャンバ壁104は、アルミニウム、ステンレス鋼、または半導体処理チャンバに使用される他の金属などの金属、またはそれらを含む金属から形成することができ、また、チャンバ壁104は電気接地106と結合することができる。また、処理チャンバ100は、プロセス制御、内部診断、終点検出、または半導体処理を容易にすることができる他の操作のための多くの追加システムを含むことも可能であり、これらのシステムの各々は、サポートシステム154として集合的に示されている。
【0023】
レチクルアダプタ182を使用して、レチクルまたは他の基板122などの基板を基板支持体124の上に固着することができる。レチクルアダプタ182は、通常、例えば静電チャック160などの基板支持体124の上部表面を覆うために機械処理された下部部分184、および基板122を保持するようにサイズ化し、かつ、形状化された開口188を有する頂部部分186を含むことができる。開口188は、、基板支持体124に対しておおむね、または実質的に中心に位置していてもよい。アダプタ182は、通常、ポリイミドセラミックまたは石英などのエッチ耐性、高温耐性の材料の単一片から形成することができる。エッジリング126は、示されているように、アダプタ182を覆い、および/またはアダプタ182をペデスタル124に固着することができる。持上げ機構138を使用してアダプタ182を下に下ろし、または上に上げることができ、したがって基板122を基板支持体124の上に置き、または基板支持体124から取り除くことができる。通常、持上げ機構138は、示されているリフトピン130などの複数のリフトピンであってもよく、あるいはそれらを含むことができ、これらのリフトピン130は、それぞれの案内孔136を通って移動することができる。
【0024】
処理中、基板支持体124の温度を安定させることによって基板122の温度を制御することができる。いくつかの実施形態では、基板支持体124は、ヒータ144および/または任意選択のヒートシンク128を含むことができる。ヒータ144は、温度を維持するためにチャネルを介して伝熱流体を受け取り、かつ、導くように構成された1つまたは複数の流体コンジットであってもよい。さらに、ヒータ144は、ヒータ電源168によって調整することができる少なくとも1つの発熱体134であってもよく、あるいはそのような発熱体134を含むことができる。ガス源156からの、ヘリウムまたは任意の他のガスなどの裏側ガスを、ガスコンジット158を介して、基板122の下方のペデスタル表面に形成することができるチャネルに提供することができる。裏側ガスを使用して、基板支持体124と基板122との間の熱伝達を容易にすることができる。処理中、埋設ヒータ144によって基板支持体124を定常状態温度に加熱することができ、これは、ヘリウム裏側ガスと相俟って、基板122の一様な加熱を容易にすることができる。
【0025】
コントローラ146は、中央処理装置(「CPU」)150、CPU150のためのメモリ148およびサポート回路152を含むことができ、これらは、処理チャンバ100の構成要素の制御を容易にすることができ、また、以下でさらに詳細に考察されるプロセスまたは操作などのエッチプロセスの制御を容易にすることができる。コントローラ146は、様々なチャンバを制御するための産業設定で使用することができる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサおよびサブ-プロセッサのうちの1つであってもよい。CPU150のメモリ148は、ランダム-アクセスメモリ、リード-オンリメモリ、フロッピーディスク、ハードディスクまたは任意の他の形態のデジタルストレージ、局所または遠隔メモリなどの容易に入手することができるメモリのうちの1つまたは複数であってもよい。サポート回路152は、当業者には容易に理解される任意の数の方法でプロセッサをサポートするためにCPU150と結合することができる。サポート回路は、キャッシュ、電源、クロック回路、入力/出力回路機構およびサブシステム、ならびに任意の他の演算構成要素を含むことができる。プロセスまたは操作は、通常、ソフトウェアルーチンとしてCPU150にアクセスすることができるメモリ148または他のコンピュータ可読媒体に記憶することができる。別法としては、ソフトウェアルーチンを同じく記憶することができ、および/またはCPU150によって制御されているハードウェアから遠隔に配置されている第2のCPUによって実行することも可能である。
【0026】
既に考察したチャンバを使用して、エッチング方法を含む例示的方法を実施することができる。
図2を参照すると、本技術の実施形態による方法200における例示的処理が示されている。方法200は、方法の開始に先立って、フロントエンド処理、堆積、エッチング、研磨、洗浄、または説明される処理に先だって実施することができる任意の他の処理を含む、1つまたは複数の処理を含むことができる。方法は、本技術の実施形態による方法のいくつかの実施形態と特に関連付けることができ、あるいは関連付けることができなくてもよい多くの任意選択の処理を含むことができる。例えば操作の多くは、実施されるプロセスのより広い範囲を提供するために説明されているが、それは本技術にとっては何ら重要ではなく、あるいは以下でさらに考察されるように代替方法によって実施することができる。方法200は、
図3A~
図3Eに概略的に示されている処理を説明することができ、
図3A~
図3Eの図解は、方法200の処理に関連して説明されることになる。図は、単に部分概略図を図解したものにすぎず、基板は、図に例証されているように様々な特性および態様を有する任意の数の追加材料および特徴を含むことができることを理解されたい。
【0027】
方法200は、半導体構造体を特定の製造処理に展開するための任意選択の処理を含んでいても、あるいは含んでいなくてもよい。方法200は、
図3Aに図解されているように、フォトマスク300を含む任意の数の半導体構造体に対して実施することができ、フォトマスク300は、例証されているようにフォトリソグラフィレチクルすなわちフォトマスクであってもよいことを理解されたい。例えば例示的フォトマスク構造体は、利用することができる、すなわちパターン化することができる1つまたは複数の層を含むことができる。エッチプロセス中の任意の時間における露出した材料は、金属材料、1つまたは複数の誘電体材料、合金層、ハードマスク材料、またはフォトマスクあるいは他の基板に使用することができる任意の他の材料であってもよく、あるいはそれらを含むことができる。本技術によって任意の数のフォトマスクまたは他の半導体構造体を包含することができるが、いくつかの実施形態では、フォトマスク300は、本技術のいくつかの実施形態によってパターン化することができるEUVフォトマスクであってもよい。
【0028】
例えば
図3Aは、フォトリソグラフィのためのレチクルを製造するためにパターン化することができるフォトマスク構造体を例証することができる。残りの開示は、例証されているEUVマスク構造体を参照することになるが、材料は、本技術の実施形態によって説明されるように任意の数の代替を含むことができ、また、説明されるプロセスは、任意の数の材料から形成することができる構造体の1つまたは複数の層のエッチングを含むことができることを理解されたい。言及されている構造体には制限することは意図されておらず、代替フォトマスク構造体を含む様々な他の半導体構造体のうちの任意の半導体構造体、ならびに説明されている材料を組み込んだ任意の数の半導体層が同様に包含されていることを理解されたい。
【0029】
本技術は、EUVフォトマスク構造体の吸収体を含む1つまたは複数の層をエッチングするための処理を含むことができる。例証されているように、フォトマスク構造体は、構造体を製造するために連続して形成された多くの層を含むことができ、それらの層のうちのいくつかをエッチングしてフォトマスクを製造することができる。示されているように、フォトマスク構造体であってもよいフォトマスク300は、上を覆う構造体のためのベースを形成することができる石英または低熱膨張材料基板305を含むことができる。基板305は、基板の裏側に形成された導電性裏側コーティング307を含むことができ、導電性裏側コーティング307は、クロム、タンタルまたはいくつかの他の材料などの1つまたは複数の遷移金属含有材料であってもよく、あるいはそれらを含むことができ、また、導電性裏側コーティング307は、これらの材料の酸化物または窒化物を含むことができる。基板305はミラー層310で覆うことができ、ミラー層310は、Braggリフレクタを製造するための一組の交番材料の層であってもよい。本技術の実施形態では、ミラー層は、フォトマスクに典型的に使用される任意の数の材料であってもよく、あるいはそれらを含むことができ、一非制限例では、ミラー層は、モリブデンとケイ素の交番層を、同じく非制限例として40対などの任意の数の対で含むことができる。
【0030】
ミラー層はキャッピング層312で覆うことができ、キャッピング層312は、処理中、エッチング液による接点からミラー層を保護することができる。キャッピング層は、一例としてルテニウムなどの任意の遷移金属を含む任意の金属であってもよく、あるいはそのような任意の金属を含むことができ、いずれにせよ、いくつかの実施形態では、金属層および金属層を覆う緩衝層の両方を含むことができる。キャッピング層312を覆う吸収体層315を配置することができ、本技術の実施形態の間、エッチングすることができる。吸収体は、マスク3D効果を制限するために薄い厚さによって特性化することができ、いくつかの実施形態では、吸収体は、50nm未満または約50nm、40nm未満または約40nm、30nm未満または約30nm、あるいはそれ未満の厚さによって特性化することができる。いくつかの実施形態では、吸収体層は、示されているようにハッチが施された線によって図解され、描かれているように、第2の層317を含む2つ以上の層の材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、吸収体は、特定の遷移金属などの無矛盾金属を個々の層に有することができ、また、1つまたは複数の非金属材料を有することができるが、複数の層を有する吸収体を含むいくつかの実施形態では、層は、異なる遷移金属を含む異なる金属を含むことができる。
【0031】
吸収体層を覆う無反射コーティング層320を形成することができ、いくつかの実施形態では、任意選択で、無反射コーティング層320を覆う追加金属層325を形成することができる。マスクの頂部に、レジスト335が後続するハードマスク330を形成することができ、レジスト335は、先行するフォトリソグラフィ操作によってパターン化することができる。方法200は、いくつかの実施形態では任意選択の操作205でフォトレジストを利用して、ハードマスクを任意選択でパターニングすることを含むことができ、このパターニングにより、
図3Bに図解されているように、フォトマスク構造体を覆うパターン化されたハードマスク330を製造することができる。
【0032】
既に説明したように、従来のイオン-ビームエッチングは、特徴限界寸法を維持しつつ、ハードマスク330とキャッピング層312との間のフォトマスク層を介してパターニングすることは困難なことがある。さらに、将来のノードの要求事項に合致するために、多くのマスク層材料は多くの追加金属、金属酸化物、金属窒化物または他の金属含有材料を含むことがある。イオン-ビームエッチングによれば、特徴またはピッチ幅を数十ナノメートル以上の特徴サイズに維持しつつ、1つまたは2つのタンタル層を介してエッチングすることが可能であるが、イオン-ビームエッチングは、ピッチ幅が過度に広くなることなく、あるいは1つまたは複数の層を損傷させることなく、進歩した吸収体およびフォトマスク材料を介してエッチングすることは不可能であることが分かっている。例えばより新しい材料は、よりエッチング耐性の材料と、それほどにはエッチ耐性ではない材料との組合せを層のスタック全体を通して含むことができ、層のスタックは、図解されているように2つ、3つ、4つまたはそれ以上の層の材料を含むことができる。よりエッチング耐性である、あるいはそれほどにはエッチ耐性ではない、とは、より大きい硬度を有することなどによる、エッチングに対して物理的により耐性であることと、ならびにエッチプロセスに対して化学的により耐性であることの両方を意味し得る。イオン-ビームエッチングは高エネルギースパッタリングエッチプロセスに限定されるため、それほどにはエッチ耐性ではない材料は、プロセスがより多くのエッチ耐性の材料を貫通しようとする際に、実質的にオーバーエッチされることになり得る。これは、異方性エッチのプロファイル維持の広範囲にわたる損失をもたらすことがあり、この損失は吸収体性能に影響を及ぼす原因になり、そうでないとしてもデバイス歩留まり損失の原因になる。さらに、材料層の数が増加すると、場合によってはイオン-ビームエッチングはハードマスク層の損失を選択的に制御することができなくなり、マスクの厚さを分厚くする必要があり、これは将来のノードと両立し得ない。
【0033】
寸法的安定性を維持しつつ複数の層を選択的にエッチングできない問題を克服するために、本技術は、インシトゥ(その場)で選択的に適合させて特定のスタック層を調整することができるプラズマエッチを実施することができる。上で言及したように、処理チャンバ内の終点検出を利用することにより、スタックの後続する層を識別すると、必要に応じてエッチングの修正を実施してエッチプロセスを維持することができる。実施される方法に関連して多くの例が考察されることになるが、本技術は、多くの異なる材料、ならびに処理されるスタックの材料間の関係に適応するために、多くの変形形態を使用して実施することができることを理解されたい。したがって言及されている例には、本技術を制限することは意図されておらず、本技術は、以下でさらに説明されるように複数の材料組合せを包含していることを理解すべきである。
【0034】
ハードマスクとキャッピング層の間でエッチングされる材料は、多くの層および材料を含むことができる。例えば層は、金属層325、無反射コーティング層320のうちの1つまたは複数を含むことができ、また、本技術の実施形態による吸収体315のための材料の1つまたは複数の層を含むことができる。例示的材料は、様々なグループのうちの任意のグループからの1つまたは複数の遷移金属を含むことができる。例えば材料の複数の層のうちの任意の層は、合金などを含む1つまたは複数の金属、ならびに1つまたは複数の非金属を含むことができる。層は、本技術の実施形態では、金属および/または非金属の任意の組合せを含むことができる。複数の層のうちの1つまたは複数の層、例えば吸収体層に、いずれもタンタル系合金としてタンタルを含めることができ、また、酸化物、窒化物、炭化物、ホウ化物、または酸素窒化物などのこれらのうちの任意の組合せとして含めることができる。
【0035】
さらに、本技術は、追加遷移金属材料ならびに非金属を含むことができる進歩した吸収体材料に適用することができる。例えば吸収体315、無反射コーティング層320および金属層325のうちの任意の層は、非制限例として、タンタル、ルテニウム、コバルト、ニッケル、ニオブ、イリジウム、アルミニウム、クロム、モリブデン、タングステン、ハフニウム、レニウム、オスミウム、バナジウム、チタン、白金、スズ、銀、亜鉛、金、アンチモン、鉄、ケイ素および銅のうちの1つまたは複数を含むことができる。材料は、ニッケル-アルミニウム、ルテニウム-タングステン、クロム-ニッケル、多くの金属のうちの他の任意の他の金属-金属組合せなどの合金として含めることができる。また、材料は、テルル化亜鉛、酸化ケイ素、窒化ケイ素、タンタル酸素窒化物、タンタル酸化物、タンタル窒化物、クロム酸素窒化物、タンタルボラート、スズ酸化物などの1つまたは複数の非金属、および任意の他の金属と非金属の組合せ、ならびに非金属と非金属の組合せを含むことも可能である。
【0036】
進歩した吸収体材料、ならびにハードマスク、およびハードマスクと吸収体との間の層にばらつきがあるため、多くのスタック組合せは、エッチングに影響を及ぼし得る、異なる硬度の質を特徴とする層が交互に存在する可能性がある。一非制限例として、いくつかの実施形態は一組の層を含むことができ、1つまたは複数の層は、ハードマスク層よりも大きいエッチ耐性を特徴とする金属を含む。これらの構造体のエッチングに適応するために、本技術は、エッチングパラメータのインシトゥ(その場)修正を提供することができ、これは、層間を調整している間、エッチプロファイルの維持を容易にすることができる。さらに、本技術は物理エッチングと化学エッチングの組合せを実施することができ、これをさらに適合させて、進歩したフォトマスクの様々な積重ねに適応することができる。
【0037】
本技術は、材料の積重ねに無関係にプラズマエッチを実施することができ、1つまたは複数のパラメータを使用してこれをさらに適合させて、異なる層特性に適応することができる。例えばいくつかの実施形態では、方法200は、操作210で、ハロゲン含有前駆体のプラズマを形成することを含むことができ、このプラズマはプラズマ放出物をもたらすことができる。いくつかの実施形態では、プラズマは、第1のソース電力、第1のバイアス電力および第1のバイアス周波数によって特性化することができる。処理215で、既に説明した半導体処理チャンバの処理領域などの中で、プラズマ放出物を基板またはフォトマスクに接触させることができる。処理220で、プラズマ放出物は、マスク材料を介してマスクの第1の層をエッチングすることができる。エッチングは、ハードマスク中のパターンが第1のマスク層を介して転写されるまで維持することができ、それによりフォトマスクの第2の層を露出させることができる。既に説明した終点検出を使用して、マスクの第1の層が完全にエッチングされたこと、および/またはマスクの第2の層が露出したことを識別することができる。識別は、第1の層をエッチングしている間、ならびに以下で説明される何らかの後続する層をエッチングしている間に、処理チャンバの中で生じ得る。
図3Cに図解されているように、第1の層を介してハードマスクパターンを加えることができ、いくつかの実施形態では、転写すなわちエッチングプロセスの間、実質的にハードマスクを維持することができる。図解されているように第1の層は金属層325であってもよいが、いくつかの実施形態では第1の層は層320などの無反射コーティング層であってもよく、あるいは第1の層は、本技術のいくつかの実施形態による吸収体材料の複数の層のうちの1つであってもよいことを理解されたい。
【0038】
処理225で、基板を処理チャンバの中に維持することができる間、プラズマエッチングの1つまたは複数のパラメータを実施することができる。いくつかの実施形態では、プラズマが維持されている間、パラメータを調整してエッチプロセスにおける調整を提供することができるが、いくつかの実施形態では、プラズマを停止し、次に、調整に引き続いて点火することも可能である。以下でさらに説明されるように、この調整は、第1のバイアス周波数を第2のバイアス周波数に調整すること、処理チャンバ内の圧力を調整すること、および/またはエッチプロセスに使用される1つまたは複数の前駆体の流量比を調整することを含む1つまたは複数の処理を含むことができる。調整に引き続いてエッチングプロセスを継続することができ、また、処理230でフォトマスクの第2の層をエッチングすることができる。
図3Dに示されているように、同じチャンバの中でエッチングを継続することができ、また、無反射コーティング層320をエッチングすることができるが、上で言及したように、第2の層は、いくつかの実施形態では吸収体の層であってもよい。
【0039】
方法200は、プラズマまたは処理パラメータの1つまたは複数の調整を含むことができ、また、任意選択の処理235で、第3の層のエッチングを継続することができる。プラズマまたは処理条件は、第2の層をエッチングしている間、同じであっても、あるいは異なっていてもよく、また、既に説明した複数の調整を含むことができる。さらに、方法200は、キャッピング層が露出するまで層のスタックを介した続行を継続するために、追加層をエッチングすることを含むことができる。
図3Eに図解されているように、プロセスは、キャッピング層またはキャッピング層を覆っている緩衝層が露出するまで、複数の吸収体層を含む任意の数の層を介して継続することができる。したがっていくつかの実施形態では、ハードマスクとキャッピング層との間の個々の層がエッチングされるまで、エッチプロセスが材料のスタックを介して進行する際に、インシトゥ(その場)で、かつ、層毎にエッチパラメータを修正することができる。
図3Eは残存しているハードマスクを図解したものであるが、いくつかの実施形態では、ハードマスクは部分的に残存させることも、あるいはエッチプロセス中に除去することも可能である。イオン-ビームエッチングプロセスの場合とは異なり、本技術によれば、層間の材料特性の相違にもかかわらず、プロファイルを実質的に、または本質的に層毎に維持することができる。
【0040】
エッチプロセスは、個々のエッチ操作の間、露出した材料の層の保護を容易にする前駆体およびプロセスパラメータを利用することにより、言及されているエッチ利点をもたらすことができ、また、個々の層における材料特性に適応することができる。例えばハードマスク材料が、例えばオスミウム、ルテニウム、タングステン、イリジウムまたはハフニウムなどのより硬い、すなわちよりエッチ耐性の金属を含んでいる場合、また、下層が、より小さい硬度を特徴とする、クロム、チタンまたはニオブなどを含む、それほどにはエッチ耐性ではない金属を含んでいる場合、ハードマスクを維持しつつ個々の層を貫通する、より反応性の衝撃エッチを実施することができる。さらに、異なる層が異なる材料特性を含んでいる場合、多くのパラメータを調整することができる。本質的に物理的除去に限定され得るイオン-ビームエッチングの場合とは異なり、本技術は物理エッチングおよび化学エッチングの両方を利用することができ、物理エッチング特性および化学エッチング特性の両方をインシトゥ(その場)で、かつ、材料層間で調整することができる。したがって材料の相違に適応して、プロファイルが維持されること、また、プロセスの間に材料が十分にエッチングされることを保証することができる。
【0041】
一非制限例として、キャッピング層312および金属層325が含まれる場合、それらの各々は、ルテニウムまたはルテニウム含有材料を含むことができ、それらは、それほどにはエッチ耐性ではない材料金属と比較するとエッチングがより困難であり得る、物理的により硬い材料であってもよい。しかしながら無反射コーティング層、および複数の吸収体層のうちの1つまたは複数は、例えばタンタルなどのそれほどにはエッチ耐性ではない金属であってもよく、あるいはそのような金属を含むことができ、あるいはイリジウムなどのよりエッチ耐性の金属を含むことができる。したがって個々の層をエッチングするために使用されるプラズマ特性を修正して膜に適応することができる。同じく非制限例として、無反射コーティング層がタンタル酸素窒化物、タンタルホウ素酸化物または何らかの他の材料などのタンタルを含み、一方、吸収体がイリジウム、イリジウム合金、またはケイ素ドープイリジウムなどのドープされたイリジウムを含んでいる場合、プラズマパラメータが一定に保たれていれば、エッチング中に課題が生じ得る。例えばより高いエネルギーエッチングがスタック全体にわたって実施される場合、よりエッチ耐性のイリジウム含有層によってより遅いエッチングが得られ、一方、タンタル含有層はより容易にエッチングすることができる。無反射コーティング層の少なくとも一部は、吸収体をエッチングしている間に露出させることができるため、プラズマ特性が維持されると、場合によっては限界寸法利得が無反射コーティング層に生じ、傾斜した側壁を吸収体の上にもたらすか、あるいはオーバーエッチなどによって誤った寸法をもたらすことになる。本技術は、物理エッチングおよび/または化学エッチングのうちの1つまたは複数の態様を調整することにより、下を覆っている膜が上を覆っている膜よりも硬い、および下を覆っている膜が上を覆っている膜よりも軟らかいという両方の条件、または下を覆っている膜が上を覆っている膜よりもエッチ耐性である、および下を覆っている膜が上を覆っている膜よりもそれほどにはエッチ耐性ではないという両方の条件に適応することができる。
【0042】
例えば既に説明した処理チャンバ100などの処理チャンバは、2つ以上のバイアス周波数の間でエッチングしている間、ならびにどちらか一方の電極に多重周波数操作を利用している間、切換え可能なバイアス周波数を提供することができる。例えば第1のバイアス周波数または第1の組合せ周波数で1つまたは複数のエッチング操作を実施することができ、一方、第2のバイアス周波数または第2の組合せ周波数で1つまたは複数の追加エッチング操作を実施することができる。組合せ周波数は、一非制限例の場合、第1の周波数の25%および第2の周波数の75%などの2つの周波数の間の比率を含むことも可能であるが、これらの2つの周波数は任意の2つの百分率であってもよいことを理解されたい。第1のバイアス周波数は、10MHzよりも高い周波数、または約10MHzなどのより高い周波数を含むことができ、また、13.56MHzよりも高い周波数、または約13.56MHz、27MHzよりも高い周波数、または約27MHz、40MHzよりも高い周波数、または約40MHz、あるいはそれ以上であってもよい。第2のバイアス周波数は、10MHz未満または約10MHzなどのより低い周波数を含むことができ、また、7MHz未満または約7MHz、5MHz未満または約5MHz、2MHz未満または約2MHz、1MHz未満または約1MHz、500kHz未満または約500kHz、400kHz未満または約400kHz、あるいはそれ以下であってもよい。組合せ周波数は任意の第2の周波数を含むことも同じく可能である。第1の層は、より高い周波数またはより低い周波数のいずれかでエッチングすることができ、一方、下層は他の周波数でエッチングすることができ、あるいはその逆についても同様である。したがって第1の周波数は、バイアス周波数が調整される後続する層をエッチングしている間、第2の周波数よりも高い周波数または低い周波数のいずれかであってもよい。同様に、第3の層などの後続する層がエッチングされる際に、追加調整を実施することができ、また、第3のバイアス周波数を使用することができる。第3のバイアス周波数は、維持された第2のバイアス周波数であってもよく、第3のバイアス周波数は第1のバイアス周波数への復帰であってもよく、あるいはいくつかの実施形態では、第1のバイアス周波数または第2のバイアス周波数とは異なる第3のバイアス周波数を印加することができる。
【0043】
バイアス周波数または組合せ比率をインシトゥ(その場)で変更することにより、イオンおよび中性子の濃度を修正することができ、これは、実施される物理エッチングの量に影響を及ぼすことができる。例えば13.56MHzのバイアス周波数では、プラズマはより小さいイオンエネルギーによって特性化することができ、これは化学エッチングを増すことができ、あるいは材料層のスパッタリング構成要素を制御することができる。例えば2MHzなどのより低いバイアス周波数では、プラズマは大きいイオンエネルギーによって特性化することができ、これはボンバードメントを強化することができ、また、よりエッチ耐性の膜のエッチングを容易にすることができる。より低い周波数は、大きいイオンエネルギーに基づいてエッチング速度を速くすることができるが、強化したボンバードメントは、上を覆っている膜をさらに薄くし得る。例えばハードマスク層が酸化物、酸素窒化物または窒化物を含んでいる場合、あるいはチタン、クロムまたはニオブなどのそれほどにはエッチ耐性ではない材料を含み、一方、吸収体層がルテニウムまたはイリジウムを含んでいる場合、下を覆っているよりエッチ耐性の膜のエッチングを容易にするために周波数を低くすると、ハードマスク材料の除去を増すことができる。したがってこのような実例および他の同様の材料不一致では、プロセス処理を維持している間、追加処理態様を調整することができる。
【0044】
前駆体は、個々の処理の間、第1のフッ素含有前駆体を含むことができ、また、いくつかの実施形態では第2のハロゲン含有前駆体を含むことができ、また、ハロゲン含有前駆体であっても、なくてもよい第3の前駆体を含むことができる。いくつかの実施形態では、塩素含有前駆体、臭素含有前駆体、ヨウ素含有前駆体または他のハロゲン含有前駆体を第2のハロゲン含有前駆体ならびに別のフッ素含有前駆体または前駆体の組合せとして使用することができる。例示的ハロゲン含有前駆体は、いくつかの実施形態ではフッ素または塩素のうちの1つまたは複数、ならびに任意の他のハロゲンを含むことができる。フッ素含有前駆体として利用することができるいくつかの例示的前駆体は、フッ化水素、三フッ化窒素、または四フッ化炭素あるいは他のフッ化炭素などの任意の有機フッ素、ならびにフルオロメタン、ジフルオロメタンまたはトリフルオロメタンなどのハイドロフルオロカーボンを含むハロゲン化物を含むことができる。前駆体は、二原子フッ素、三フッ化臭素、三フッ化塩素、六フッ化硫黄、二フッ化キセノン、三塩化ホウ素、五塩化タングステン、六塩化タングステン、二原子塩素または任意の他の塩素含有前駆体あるいはフッ素含有前駆体を含むことができる。前駆体は、様々な組合せならびに流量比で一緒に流すことも可能である。前駆体は、二原子水素または水素含有前駆体、窒素、アルゴン、ヘリウムを含む任意の数の追加前駆体またはキャリアガス、あるいは任意の数の追加材料と共に流すことも可能であるが、いくつかの実施形態では、前駆体は、副反応や、選択性に影響を及ぼし得る他の側面を制御するために制限されるかもしれない。
【0045】
いくつかの実施形態では、複数のフッ素含有前駆体を使用することができ、また、1つまたは複数の重合化前駆体ならびに1つまたは複数の非重合化前駆体を含むことができ、これらは例えばハロゲンを含んでいても、いなくてもよい。例えば前駆体が炭素を含んでいるか、または炭素と水素を含んでいる場合、製造されている特徴の側壁に沿って副産物が形成し得る。例示的前駆体は、四フッ化炭素などのハロゲンを含むことができ、あるいは四フッ化炭素を含むことができない場合、硫化カルボニルまたは任意の他の炭素含有前駆体あるいは炭素および水素含有前駆体などのハロゲンを含むことができる。これは、エッチングされた材料をより容易に保護することができ、その一方でよりエッチ耐性の材料が大きいイオンエネルギーでエッチングされる。非制限例として、無反射コーティング層が吸収体よりもより容易にエッチングすることができる材料を含んでいる場合、層エッチング間でバイアス周波数が単純に低くされると、場合によってはコーティング層、さらにはハードマスクがさらに開かれ、これは、エッチプロセスの寸法的安定性に影響を及ぼし得る。しかしながら量が多い重合化前駆体が利用されると、よりエッチ耐性の下層をより物理的なエッチングを使用して除去することができるため、上を覆っている層の露出した側壁を保護することができる。
【0046】
重合化を促進するために、いくつかの実施形態では、調整されるパラメータは、炭素または炭素と水素を含むことができる第1のフッ素含有前駆体と、例えば炭素および水素の両方がなくてもよい第2のハロゲン含有前駆体との間の流量比であってもよい。流量比は1:1よりも大きくてもよく、あるいは約1:1であってもよく、また、2:1よりも大きくてもよく、あるいは約2:1であってもよく、3:1よりも大きくてもよく、あるいは約3:1であってもよく、4:1よりも大きくてもよく、あるいは約4:1であってもよく、5:1よりも大きくてもよく、あるいは約5:1であってもよく、6:1よりも大きくてもよく、あるいは約6:1であってもよく、7:1よりも大きくてもよく、あるいは約7:1であってもよく、8:1よりも大きくてもよく、あるいは約8:1であってもよく、9:1よりも大きくてもよく、あるいは約9:1であってもよく、10:1よりも大きくてもよく、あるいは約10:1であってもよく、あるいはそれ以上であってもよい。さらに、第3の前駆体を組み込むことも可能であり、これは、より一層高い重合化の可能性を有することができる。例えば第1のフッ素含有前駆体は炭素を含むことができ、また、第3の前駆体は炭素および/または水素を含むことができる。第3の前駆体は、第1のフッ素含有前駆体または第2のハロゲン含有前駆体のいずれかに対して、上で言及した比率のうちの任意の比率で含めることができ、任意の前駆体はもっと高い比率であってもよい。同様に、連続する層を上を覆っている層に対してより容易にエッチングすることができる場合、第2のハロゲン含有前駆体の比率を第1のフッ素含有前駆体に対して、上で言及した比率の任意の比率まで高くすることができ、および/または第3の前駆体のデリバリを停止することができ、これは重合化を制限することができる。これは、層を介したエッチング速度を速くすることができ、それにより層間の除去の選択性をさらに強化することができる。流量比は、任意の2つの層の間で修正することができ、これは、本技術の実施形態におけるエッチング速度およびエッチングの選択性に影響を及ぼすことができる。
【0047】
他の処理条件は本技術の実施形態によるエッチングに影響を及ぼし、本技術の実施形態によるエッチングを容易にすることができる。例えば処理が実施される温度は、反応が生じ得る範囲に影響を及ぼすことができる。温度を高くすると、それほどにはエッチ耐性ではない材料などのいくつかの材料のエッチングを増すことができ、温度を制御してこれらの材料のエッチングを制限し、あるいは増すことができる。一非制限例として、いくつかの実施形態では、ハードマスク材料は、クロムまたはケイ素を含むなど、温度により敏感な材料であってもよく、あるいはそのような材料を含むことができ、これらの材料は、温度が高いほど、より容易に除去することができる。したがってエッチプロセスは、エッチプロセス全体を通して、例えば約100℃未満の温度で実施することができ、それによりオーバーエッチングからハードマスクを保護することができる。さらに、マスク材料がそれほどには除去される可能性が高くなく、下を覆っている膜をより高い温度でより容易にエッチングすることができる場合、温度を高くすることができる。したがって実施形態では、処理温度は、処理中、約20℃またはそれ以下と、約150℃またはそれ以上の間で維持することができる。温度は、いくつかの実施形態では処理間で調整することも可能であり、また、温度は、これらの範囲内、これらの範囲によって包含されるより狭い範囲内、あるいは任意のこれらの範囲の間の任意の温度に同じく維持することができる。
【0048】
チャンバ内の圧力も実施される処理に同じく影響を及ぼし得る。よりエッチ耐性が高い材料を特徴とする膜をエッチングしている間などの1つまたは複数のエッチング処理の間、より低い圧力を維持することにより、基板表面における相互作用を容易に強化することができる。より低い圧力は、原子間の平均自由経路を長くすることができ、それによりエネルギーを大きくし、かつ、膜表面における相互作用を強化することができる。同様に、より容易にスパッタすることができる膜を露出させることができる場合などのいくつかの処理の間、より高い圧力を利用することにより、エッチング速度を遅くすることができ、その一方で、エッチング液と除去される材料との間の化学的相互作用を強化することができる。したがっていくつかの実施形態では、圧力は、方法の間、任意の処理に対して約0.5mTorrと約50mTorrとの間の任意の圧力に維持することができる。圧力は、いくつかの実施形態では処理間で調整することも可能であり、また、圧力は、これらの範囲内、これらの範囲によって包含されるより狭い範囲内、あるいは任意のこれらの範囲の間の任意の圧力に同じく維持することができる。
【0049】
ソースおよび/またはバイアスの電力は制御が可能であり、それによりエッチング処理の深度全体に対する制御を強化することができ、また、エッチング処理の間、露出される層に影響を及ぼすことができる。したがって任意の処理の間、ソースおよびバイアスのいずれかまたは両方におけるプラズマ出力を約500W未満に維持することができる。より低いプラズマ出力を維持することにより、スパッタリングを制御することができ、また、相互作用を表面化学反応に制限することができ、それにより材料を介したエッチングの範囲をより良好に制限することができる。したがっていくつかの実施形態では、ソースおよびバイアスのいずれかまたは両方に対するプラズマ出力は、450W未満または約450W、400W未満または約400W、350W未満または約350W、300W未満または約300W、250W未満または約250W、200W未満または約200W、150W未満または約150W、100W未満または約100W、あるいはそれ未満に維持することができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、ソースおよび/またはバイアス電力は、既に言及した周波数のうちの任意の周波数でパルス化することができ、それにより処理の特定の態様の一定の長さの「オフ」時間を許容することができる。これは、化学的相互作用の維持を許容することができ、あるいは重合体副産物が堆積するための時間を許容することができ、それにより維持されるべき材料を保護することができる。したがって本技術の実施形態による方法の間の任意の処理中にバイアス電力をパルス化することができる。パルス状にする場合、上で言及した電力値のいずれの電力値よりも高いレベルで電力を印加することができるが、パルス状を介して500Wまたはそれ未満で有効電力を維持することができる。エッチング処理中にプラズマおよび/または処理パラメータを調整することにより、本技術を使用して、休止時間が長くなることなく、あるいはチャンバ間の基板移送を必要とすることなく、材料の複数の層を介して逐次エッチングすることができる。さらに、処理は、エッチング中のプロファイル制御を強化することができ、したがって、既に言及した材料のうちの任意の材料を特徴とする吸収体を、測定公差内で、80°よりも大きいか、または約80°の側壁角によって特性化することができ、また、82°よりも大きいか、または約82°の側壁角、84°よりも大きいか、または約84°の側壁角、85°よりも大きいか、または約85°の側壁角、86°よりも大きいか、または約86°の側壁角、87°よりも大きいか、または約87°の側壁角、88°よりも大きいか、または約88°の側壁角、88.5°よりも大きいか、または約88.5°の側壁角、89°よりも大きいか、または約89°の側壁角、89.5°よりも大きいか、または約89.5°の側壁角、あるいは実質的に、または本質的に90°の側壁角によって特性化することができ、それによりフォトマスク吸収体としての処理を改善することができる。
【0051】
説明を目的とした以上の説明では、本技術の様々な実施形態についての理解を提供するために多くの詳細が示されている。しかしながらこれらの詳細のうちのいくつかがなくても、あるいは追加詳細を使用して特定の実施形態を実践することができることは当業者には明らかであろう。
【0052】
いくつかの実施形態を開示したが、実施形態の精神から逸脱することなく、様々な修正、代替の構造体、および等価物を使用することができることは当業者には認識されよう。さらに、多くのよく知られているプロセスおよび要素は、本技術を不必要に曖昧にすることを回避するために説明されていない。したがって以上の説明を本技術の範囲を制限するものとして捉えてはならない。さらに、方法またはプロセスは、場合によっては連続したものとして、あるいはステップで説明されているが、処理は同時に、あるいは列挙されている順序とは異なる順序で実施することも可能であることを理解されたい。
【0053】
値の範囲が提供されている場合、文脈がそうではないことを明確に示していない限り、下限のユニットの最小断片まで、その範囲の上限と下限との間に介在する個々の値が同じく明確に開示されていることを理解されたい。言及されている範囲の中の任意の言及されている値または言及されていない介在する値と、その言及されている範囲の中の任意の他の言及されている値または介在する値との間のあらゆるより狭い範囲が包含されている。これらのより小さい範囲の上限および下限は、その範囲の中に独立して含まれていても、あるいはその範囲から除外されていてもよく、また、より小さい範囲にいずれかの限界が含まれ、いずれの限界も含まれていない、あるいは両方の限界が含まれている個々の範囲も同じく本技術内に包含されており、言及されている範囲において何らかの特別に除外される限界の対象である。言及されている範囲が限界のうちの一方または両方を含んでいる場合、これらの含まれている限界のいずれか一方または両方を除外している範囲も同じく含まれる。
【0054】
本明細書および添付の特許請求の範囲に使用されているように、単数形の表現「a」、「an」、および「the」は、文脈がそうではないことを明確に示していない限り、複数形の参照を含む。したがって例えば「前駆体」の参照は複数のこのような前駆体を含み、また、「層」の参照は、当業者に知られている1つまたは複数の層およびそれらの等価物の参照、等々を含む。
【0055】
また、「備える」、「備えている」、「含有する」、「含有している」、「含む」および「含んでいる」という語は、本明細書および以下の特許請求の範囲に使用されている場合、言及されている特徴、完全体、構成要素または処理の存在を明記することが意図されているが、それらは、1つまたは複数の他の特徴、整数、構成要素、処理、行為またはグループの存在または追加を妨げるものではない。