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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】自動分析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
G01N35/00 F
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022565061
(86)(22)【出願日】2021-08-27
(86)【国際出願番号】 JP2021031524
(87)【国際公開番号】W WO2022113451
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-04-03
(31)【優先権主張番号】P 2020198163
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】中井 真理奈
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】大草 武徳
(72)【発明者】
【氏名】藤田 浩気
(72)【発明者】
【氏名】三島 弘之
【審査官】佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-151672(JP,A)
【文献】特開2001-083676(JP,A)
【文献】特開平05-293448(JP,A)
【文献】特開平05-264555(JP,A)
【文献】特開2003-294763(JP,A)
【文献】特開2015-129676(JP,A)
【文献】国際公開第2014/119399(WO,A1)
【文献】特開2011-117815(JP,A)
【文献】特開2003-083989(JP,A)
【文献】特開2016-186465(JP,A)
【文献】特開昭58-099759(JP,A)
【文献】中国実用新案第204938999(CN,U)
【文献】国際公開第2021/038918(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体の分析を行う分析部と、
前記検体の分析に係る処理により生じた廃液を収容する廃液収容部と、
前記廃液収容部に収容された廃液が予め定めた第1基準量に達したことを検知する第1検知部と、前記廃液収容部に収容された廃液が前記第1基準量よりも多い値として予め定めた第2基準量に達したことを検知する第2検知部とを有する廃液量検知部と、
前記廃液量検知部により前記廃液が前記第1基準量に達したことが検知されたときに、時間のカウントを開始するタイマ部と、
前記分析部の動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、オペレータによって分析開始指示がなされた際に、前記タイマ部によるカウント結果が予め定めた基準時間に達したか否かに基づいて、前記分析部による分析の開始を許容するか否かを判定し、前記タイマ部のカウント結果が前記基準時間未満の場合には前記分析部による分析の開始を許容し、前記カウント結果が前記基準時間以上の場合には前記分析部による分析を開始せず、前記廃液収容部に収容された廃液が前記第2基準量に達した際に、前記廃液が前記第2基準量に達したことをオペレータに報知するアラームを発報することを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
検体の分析を行う分析部と、
前記検体の分析に係る処理により生じた廃液であって、濃度が予め定めた基準濃度より高い廃液である濃廃液を収容する第1タンクと、濃度が前記基準濃度よりも低い廃液である淡廃液を収容する第2タンクとを有する廃液収容部と、
前記廃液収容部に収容された廃液が予め定めた第1基準量に達したことを検知する第1検知部と、前記廃液収容部に収容された廃液が前記第1基準量よりも多い値として予め定めた第2基準量に達したことを検知する第2検知部とを有する廃液量検知部と、
前記廃液量検知部により前記廃液が前記第1基準量に達したことが検知されたときに、時間のカウントを開始するタイマ部と、
前記分析部の動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、オペレータによって分析開始指示がなされた際に、前記タイマ部によるカウント結果が予め定めた基準時間に達したか否かと、前記第2タンクに収容された廃液が予め定めた前記第1基準量に達してからカウントされた時間が前記基準時間に達したか否かと、前記第1タンクに収容された廃液が予め定めた第3基準量に達したか否かとに基づいて、前記分析部による分析の開始を許容するか否かを判定するとともに、前記廃液収容部に収容された廃液が前記第2基準量に達した際に、前記廃液が前記第2基準量に達したことをオペレータに報知するアラームを発報することを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の自動分析装置において、
前記基準時間は、オペレータによって編集可能であることを特徴とする自動分析装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の自動分析装置において、
前記制御部は、前記廃液収容部に収容された廃液が前記第1基準量に達したことが検知されず、かつ、前記廃液が前記第1基準量よりも多い値として予め定めた前記第2基準量に達したことが検知された場合には、前記廃液量検知部の故障をオペレータに報知するアラームを発報することを特徴とする自動分析装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の自動分析装置において、
前記制御部は、自動分析装置の立ち上げの際に、前記廃液収容部に収容された廃液が前記第1基準量に達したことが検知された場合には、前記廃液収容部の廃液を破棄することをオペレータに促すアラームを発報することを特徴とする自動分析装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の自動分析装置において、
前記タイマ部は、前記廃液量検知部により前記廃液が前記第1基準量に達したことが検知されて時間のカウントを開始した後に、前記廃液量検知部により前記廃液が前記第1基準量に達したことが検知されなくなった場合には、時間のカウントをリセットすることを特徴とする自動分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置は、血液、尿、髄液等の生体試料に含まれる特定の成分の定性分析、或いは、定量分析を行う装置であり、例えば、病院や医療検査施設など、多くの患者検体を短時間で処理する必要のある施設では必須の装置となっている。
【0003】
このような自動分析装置には、分析処理等に伴って生じる廃液を排出するために、据え付け先の廃液処理施設や装置付属の廃液タンクなどが接続されている。自動分析装置から排出される廃液は生体由来の成分を含むため、バイオハザード物質として厳重に管理する必要がある。
【0004】
例えば、自動分析装置からの排出される廃液をタンクに貯める運用の場合には、タンクからの廃液漏れを必ず防止する必要がある。そこで、自動分析装置では、廃液タンクに液面検知センサを設置し、危険水位になると装置からの廃液の排出を速やかに停止する機能を有るものが知られている。しかしながら、センサのみによる運用では、顧客はタンク水位による測定停止のタイミングを予期しにくく、測定の予期せぬ停止による検体の損失や、測定結果の報告遅延などの原因となる。
【0005】
このような問題に対応する従来技術として、例えば、特許文献1には、検体の分析を開始する前に試薬、洗剤及び純水の残量の過不足と廃液タンクの空き容量の過不足を判定し、試薬、洗剤及び純水の量及び廃液タンクの空き容量の不足が検出されない場合にのみ、検体の分析を開始する自動分析装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-129676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来技術においては、予期しない測定停止は回避できるものの、測定停止までの時間がわかりにくいために顧客のワークフローの構築が困難である。
【0008】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、予期しない測定停止を回避しつつ、ワークフローを検討しやすい装置運用を行うことができる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、検体の分析を行う分析部と、前記検体の分析に係る処理により生じた廃液を収容する廃液収容部と、前記廃液収容部に収容された廃液が予め定めた基準量に達したことを検知する廃液量検知部と、前記廃液量検知部により前記廃液が前記基準量に達したことが検知されたときに、時間のカウントを開始するタイマ部と、前記分析部の動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、オペレータによって分析開始指示がなされた際に、前記タイマ部によるカウント結果が予め定めた基準時間に達したか否かに基づいて、前記分析部による分析の開始を許容するか否かを判定するものとする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、予期しない測定停止を回避しつつ、ワークフローを検討しやすい装置運用を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】自動分析装置の全体構成を概略的に示す平面図である。
図2】自動分析装置の状態遷移を示すフローチャートである。
図3】淡廃液タンクの構成を概略的に示す図である。
図4】廃液タンク接続方法とタイマの設定を行う設定画面204を示す図である。
図5】通常運転時の淡廃液タンク運用における処理内容を示すフローチャートである。
図6】淡廃液タンクタイマ起動アラーム画面を示す図である。
図7】淡廃液タンク時間切れアラーム画面を示す図である。
図8】淡廃液タンク液面緊急停止レベルアラーム画面を示す図である。
図9】淡廃液タンク故障アラーム画面を示す図である。
図10】濃廃液タンクの構成を概略的に示す図である。
図11】通常運転時の濃廃液タンク運用における処理内容を示すフローチャートである。
図12】濃廃液タンク液面停止アラーム画面を示す図である。
図13】濃廃液タンク液面緊急停止レベルアラーム画面を示す図である。
図14】濃廃液タンク故障アラーム画面を示す図である。
図15】装置立ち上げ時の淡廃液タンク運用における処理内容を示すフローチャートである。
図16】装置立ち上げ時の淡廃液タンク交換アラームを示す図である。
図17】装置立ち上げ時の濃廃液タンク運用における処理内容を示すフローチャートである。
図18】装置立ち上げ時の濃廃液タンク交換アラームを示す図である。
図19】常に新規検体受付可能な通常状態以外の状態の淡廃液タンク運用における処理内容を示すフローチャートである。
図20】常に新規検体受付可能な通常状態以外の状態の濃廃液タンク運用における処理内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。なお、本実施の形態では、生化学自動分析装置や免疫自動分析装置などに代表される自動分析装置を例示して説明するが、これに限られず、例えば、臨床検査に用いる質量分析装置や血液の凝固時間を測定する凝固分析装置などのように、サンプルと試薬を反応させて当該反応の結果に基づいてサンプルの分析を行う他の装置にも本発明の適用が可能である。また、これらの装置と生化学自動分析装置、或いは、免疫自動分析装置との複合システム、またはこれらを応用した自動分析システムにも本発明の適用が可能である。
【0013】
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態を図1図14を参照しつつ詳細に説明する。
【0014】
図1は、自動分析装置の全体構成を概略的に示す平面図である。
【0015】
図1において、自動分析装置100は、分析部101と制御装置130とを備えている。分析部101は、ラック102を搬送するラック搬送ライン103と、試薬保冷ユニット104と、インキュベータ(反応ディスク)105と、サンプル分注機構(試料分注機構)106と、試薬分注機構107と、試薬撹拌機構108と、消耗品搬送機構109と、B/F分離ユニット110と、検出部ユニット111とを備えている。
【0016】
ラック102は、血液や尿などの生体サンプル(サンプル)を収容する複数のサンプル容器(試料容器)が収納されるものであり、サンプル容器が収納された状態でラック102搬送ライン上を搬送される。
【0017】
試薬保冷ユニット104には、試薬容器保管部であってサンプル(試料)の分析に用いる種々の試薬が収容された複数の試薬容器112が収納・保冷されている。試薬保冷ユニット104の上面の少なくとも一部は試薬ディスクカバー113により覆われている。試薬ディスクカバー113の一部は開閉可能となっており、試薬容器112を出し入れ可能となっている。
【0018】
インキュベータ105は、サンプルと試薬を反応するための複数の反応容器114が配置される反応容器配置部115と、反応容器114の温度を所望の温度に調整する温度調整機構を有している。
【0019】
サンプル分注機構106は、回転駆動機構や上下駆動機構を有し、これらの駆動機構によりサンプル容器からインキュベータ105に収容された反応容器114にサンプルを分注することが可能である。
【0020】
試薬分注機構107もサンプル分注機構106と同様の構成を有している。すなわち、試薬分注機構107は、回転駆動機構や上下駆動機構を有し、これらの駆動機構により試薬容器112からインキュベータ105に収容された反応容器114に試薬を分注する。
【0021】
試薬撹拌機構108は回転駆動機構や上下駆動機構を有し、撹拌パドルを回転させることにより試薬容器112内の試薬の撹拌を行う。
【0022】
消耗品搬送機構109は未使用である複数の反応容器114や分注チップ116を反応容器分注チップ収納容器117からインキュベータ105やサンプル分注機構106がアクセスする分注チップ設置位置118へ搬送したり、反応液が入った反応容器114をインキュベータ105から撹拌機構119へ搬送したりする。
【0023】
B/F分離ユニット110は、磁性粒子を集磁する分離部120と反応液の吸引、緩衝液の吐出を行うB/F分離プローブ121と、B/F分離プローブ121を洗浄するB/F分離プローブ洗浄部122と、一旦集磁された磁性粒子を再分散させるためのB/F分離撹拌部123と、インキュベータ105に設置された反応容器114をB/F分離ユニット110や検出部ユニット111に搬送する搬送部124を備える。
【0024】
検出部ユニット111は、反応容器114内の反応液を吸引する反応液吸引ノズル125と、光電子増倍管や光源ランプ、分光器、フォトダイオードとを備え、それらの温度を調整する機能を持ち、反応液の分析を行う。
【0025】
分析部101の駆動部はそれぞれ制御装置130によって駆動が制御されている。また、分析部101では駆動や洗浄のため液体が排出される。排出される液体の種類に応じて分析部101は、淡廃液流路と濃廃液流路を備える。排出される液体の種類は排出される液体が感染性物質を含む可能性が高い液体は濃廃液として、感染性物質を含む可能性が低い液体は淡廃液と分類される。また、排出される廃液は濃廃液と淡廃液を混ぜて、排出してもよい。
【0026】
廃液が淡廃液の場合は、淡廃液流路から淡廃液排出口126へ排出される。また、濃廃液の場合は、濃廃液流路から濃廃液排出口127へ排出される。淡廃液排出口126、濃廃液排出口127は顧客廃液施設または分析部101付属の淡廃液タンク128、濃廃液タンク129に接続可能である。本実施の形態では、淡廃液排出口126および濃廃液排出口127に付属の淡廃液タンク128および濃廃液タンク129をそれぞれ接続する場合を例示している。なお、淡廃液排出口126および濃廃液排出口127共に顧客廃液施設に接続することも可能である。また、淡廃液排出口126と濃廃液排出口127の何れか一方一方を顧客廃液施設に接続し、他方を該当するタンクに接続させることも可能である。
【0027】
制御装置130は、制御装置130及び分析部101を含む自動分析装置100の各構成部位の処理および動作を制御する制御部131と、ユーザの作業要求を受け付ける入力部132と、ユーザへの操作指示を出力する表示部133と、分析部101の状態を監視するモニタ部134と、制御部131で行った処理を記憶する記憶部135と、制御部131が起動可能なタイマ部136とを有している。
【0028】
モニタ部134は、位置センサ情報などを利用して分析部101の状態を監視し、分析部101が検体を測定中であるか否かをモニタする。
【0029】
制御装置130の制御部131は、中央処理部(CPU)で構成可能である。制御装置130全体を、CPUからなる制御部131、キーボードやマウスなどの入力部132、液晶ディスプレイなどの表示部133、半導体メモリなどの記憶部135などを備えたパーソナルコンピュータ(PC)を使って構成することができる。その場合、位置センサ情報などを監視するモニタ部134は、制御部131であるCPUのプログラム実行で実現しても良い。
【0030】
図2は、自動分析装置の状態遷移を示すフローチャートである。
【0031】
図2において、自動分析装置100は、電源OFF状態から、電源を入れることで電源起動し、装置立ち上げ準備を実施した後、測定開始を待つ装置待機モードに遷移する。通常、この装置待機モードはメンテナンス及び試薬登録モードに常に遷移可能である。装置待機モードから、測定開始要求がある場合に測定開始モードに遷移し、検体測定を実施する測定モードに遷移する。測定未受付の検体がなくなると、依頼済全検体受付モードに遷移する。依頼済の検体を全て測定し終えると、測定待機モードに遷移するよう設定すれば、測定待機モードに遷移し、新規測定をいつでも受付可能な状態となる。また、測定待機モードに遷移する設定にしていなければ、全ての依頼済検体を測定完了させた場合は測定終了モードに移行する。測定終了モードで実施する測定終了動作を完了させると測定停止モードに移行し、装置待機モードに状態遷移する。電源OFFを除く全ての状態から緊急停止モードに移行可能である。自動分析装置100で緊急で動作を停止すべき異常を検知した場合、緊急停止モードに移行し、全ての動作を停止し、装置待機モードに強制的に遷移させることが可能である。また、装置待機モードからシャットダウンを実施することで電源OFF状態に遷移する。
【0032】
図3は、淡廃液タンクの構成を概略的に示す図である。
【0033】
図3において、淡廃液タンク128は、自動分析装置100の淡廃液排出口126から排出される廃液を収容する淡廃液収容部201と淡廃液収容部201に収容された廃液の高さを検知する緊急停止淡廃液高さセンサ202と注意喚起淡廃液高さセンサ203とを有している。
【0034】
緊急停止淡廃液高さセンサ202は淡廃液タンク128の満水位置とする高さの液面を検知できるように配置されている。このセンサが液面を検知すると淡廃液タンク128は満水であることがわかる。この場合、淡廃液タンク128に廃液を追加投入すると廃液が溢れて漏れることが予期されるため、自動分析装置100は廃液の排出を止める。一方で、緊急停止淡廃液高さセンサ202が液面を検知する場合は自動分析装置100を緊急停止させる都合、測定中の患者検体を測定しきれないような事態が想定され、基本的には避けるべきである。そのため、自動分析装置100は緊急停止淡廃液高さセンサ202に加えて、緊急停止淡廃液高さセンサ202より低い位置にある廃液高さを検知する注意喚起淡廃液高さセンサ203を備える。
【0035】
注意喚起淡廃液高さセンサ203は作業者への注意喚起及び装置の緊急停止の防止を目的として備える。緊急停止淡廃液高さセンサ202と注意喚起淡廃液高さセンサ203は自動分析装置100と接続され、それぞれの状態は常にモニタ部134にて監視することが可能である。淡廃液は濃廃液に比べて排出量が多く、連続運転を行うと速やかに満水に到達するため、注意喚起淡廃液高さセンサ203は十分に低い位置の液面を検知できるように配置されている。一方で、タンクを使用する施設は自動分析装置100の稼働量が低く、淡廃液の排出が緩やかである場合もある。この場合、あまりにも低い位置にある注意喚起淡廃液高さセンサ203は注意喚起の出力が早すぎ、十分に継続使用可能であるにも関わらず、作業者にタンク内廃液の廃棄を求めることとなる。
【0036】
そこで、本実施の形態において、淡廃液タンク128は2つの監視センサに加えてタイマ監視を行う。緊急停止淡廃液高さセンサ202と注意喚起淡廃液高さセンサ203は常時モニタ部134で監視される。注意喚起淡廃液高さセンサ203が液面を検知した場合、モニタ部134は制御部131にその旨通達し、制御部131はタイマ部136を起動させる。タイマ部136の時間は表示部133に表示してもよい。自動分析装置100はこのタイマ部の挙動と2つのセンサの状態を確認して、適切な廃液管理を行う。
【0037】
図4は、廃液タンク接続方法とタイマの設定を行う設定画面204を示す図である。
【0038】
図4において、設定画面204は、濃廃液設定205と淡廃液設定206で構成されており、表示部133に表示される。
【0039】
濃廃液設定205では入力部132より配管接続またはタンク接続を選択することが可能である。
【0040】
淡廃液設定206では入力部132より配管接続またはタンク接続を選択することが可能である。淡廃液設定206でタンク接続を選択するとタイマ時間設定207を入力部132より編集可能になる。
【0041】
タイマ時間設定207内は任意の数字を入力可能である。濃廃液設定205と淡廃液設定206を編集後、保存ボタン208を入力部132により選択することで、濃廃液設定205と淡廃液設定206で編集した内容が反映される。以下で説明する廃液タンクの振舞いはそれぞれ濃廃液設定205でタンク接続が選択されている場合、あるいは淡廃液設定206でタンク接続が選択されている場合のみである。尚、顧客廃液施設に接続された場合は廃液量を管理するようなセンサを持たず、自動分析装置100側で廃液量を管理しない。
【0042】
図5は、通常運転時の淡廃液タンク運用における処理内容を示すフローチャートである。
【0043】
ここで、通常運転時とは、測定モード、依頼済全検体受付モード、測定待機モードを意味する。通常運転時は、図5に示すフローチャートを一定間隔で常に実施している。

【0044】
図5において、まず、注意喚起淡廃液高さセンサ203が液面を検知したか否かを判定し(ステップS501)、判定結果がNOの場合には、緊急停止淡廃液高さセンサ202が液面を検知したか否かを判定する(ステップS502)。ステップS502での判定結果がNOの場合には、淡廃液タンク異常なし判定を行う(ステップS503)。
【0045】
続いて、タイマ部が起動済みでカウントを開始しているか否かを判定し(ステップS504)、判定結果がYESの場合には、淡廃液タンクに係るカウントをリセットし(ステップS505)、淡廃液タンク継続使用可能判定を行って(ステップS506)、ステップS501の処理に戻る。また、ステップS504での判定結果がNOの場合には、ステップS506の処理に進み、続いてステップS501の処理に戻る。
【0046】
また、ステップS502での判定結果がYESの場合には、淡廃液タンク故障判定を行い(ステップS507)、淡廃液タンク故障検知アラームを発報し(ステップS508)、通常運転を禁止する(ステップS509)。
【0047】
また、ステップS501での判定結果がYESの場合には、緊急停止淡廃液高さセンサ202が液面を検知したか否かを判定する(ステップS510)。ステップS510での判定結果がNOの場合には、タイマ部が起動済みでカウントを開始しているか否かを判定する(ステップS511)。ステップS511での判定結果がNOの場合には、淡廃液タンク128に係るタイマ部136のカウントを開始し(ステップS512)、淡廃液タンクタイマ起動アラームを発報して(ステップS513)、ステップS506の処理に進む。
【0048】
また、ステップS511での判定結果がYESの場合には、タイマ部136のカウントが予め定めた設定時間内であるか否かを判定する(ステップS514)。ステップS514での判定結果がNOの場合には、淡廃液タンク時間切れ判定を行い(ステップS515)、淡廃液タンク時間切れアラームを発報し(ステップS516)、通常運転を禁止し(ステップS617)、淡廃液タンク継続使用不可判定を行い(ステップS518)、ステップS501の処理に戻る。また、ステップS514での判定結果がYESの場合には、淡廃液タンク異常なし判定を行い(ステップS519)、ステップS506の処理に進む。
【0049】
また、ステップS510での判定結果がYESの場合には、淡廃液タンク液面緊急停止レベル判定を行い(ステップ520)、淡廃液タンク緊急停止レベルアラームを発報し(ステップS521)、通常運転を禁止し(ステップS522)、ステップS518の処理に進む。
【0050】
通常は、自動分析装置100を立ち上げる前に淡廃液タンク128は作業者によってタンク内廃液を廃棄されるため、緊急停止淡廃液高さセンサ202と注意喚起淡廃液高さセンサ203は液面を検知しないはずである。従って、通常運転中に注意喚起淡廃液高さセンサ203の位置までは、ステップS501~S506を繰り返し続ける。このサイクルを繰り返すと、自動分析装置100の稼働に伴って廃液量が次第に増加し、注意喚起淡廃液高さセンサ203位置に液面が到達する。この場合、タイマ部136を起動してカウントを開始する。タイマ部136を起動させた際に作業者に注意喚起を行うため、制御部131は淡廃液タンクタイマ起動アラームを発報する。
【0051】
図6は、淡廃液タンクタイマ起動アラーム画面を示す図である。
【0052】
廃液の高さが注意喚起淡廃液高さセンサ203レベルであれば、通常運転は十分に継続可能であるため、自動分析装置100の停止は行わない。また、淡廃液タンク128は電源OFF状態あるいは、装置待機モードでのみ廃液の排出がないため、作業者による廃液の廃棄が可能である。従って、通常運転でかつ装置待機モードである場合は、作業者は淡廃液タンクタイマ起動アラームを確認して、淡廃液タンク128の廃液を廃棄する場合があり、注意喚起淡廃液高さセンサ203が検知なくなる。この場合、タイマ部136を起動させ続ける必要がなくなるため、ステップS504にてタイマ部136をリセットする処理を実施する。一方で、淡廃液タンクタイマ起動アラームを確認後も淡廃液タンク128の廃液廃棄なしに通常運転を継続する場合は、タイマ部136は継続してタイマを進める。ステップS514で制御部131はタイマ部136の時間と予め設定されたタイマ時間設定207の時間を比較し、タイマ時間設定207の時間以内であれば通常運転を継続可能である。しかし、タイマ時間設定207を過ぎた場合は、ステップS515で制御部131は淡廃液タンク時間切れ判定を行い、ステップS516で制御部131は淡廃液タンク時間切れアラームを発報する。

【0053】
図7は、淡廃液タンク時間切れアラーム画面を示す図である。
【0054】
制御部131は、図7に示す画面を表示部133に表示させ、使用者にタンクの廃液を空にするよう促す。その後、ステップS517で新規検体の分注受付を停止する。この場合、既にサンプル分注機構106でインキュベータ105に収容された反応容器114に検体を分注済のテストについては、測定を継続する。ステップS518で制御部131は淡廃液タンク継続使用不可判定をし、装置待機モードであれば、シャットダウン以外への遷移を禁止する。測定モード、依頼済全検体受付モード、測定待機モードであれば、前状態に復帰不可な依頼済全検体受付モードに遷移し、測定を完了させ、シャットダウン以外への遷移を禁止する装置待機モードに移行する。尚、この装置待機モードではセンサ状態の監視は継続して実施され、タイマ部136の時間がリセットされない限り、シャットダウン以外への遷移を禁止する装置待機モードは継続される。
【0055】
タイマ時間設定207の時間以内であっても、廃液の排出量が多く満水を示す緊急停止淡廃液高さセンサ202が液面検知すると、ステップS520で制御部131は淡廃液タンク128の液面は緊急停止レベルであると判定し、ステップS521で制御部131は淡廃液タンク液面緊急停止レベルアラームを発報する。
【0056】
図8は、淡廃液タンク液面緊急停止レベルアラーム画面を示す図である。
【0057】
制御部131は表示部133に図8の画面を表示し、ステップS522で自動分析装置100を緊急停止する。この場合、既にサンプル分注機構106で検体を分注済のテストであっても測定を停止させる。ステップS518で制御部131は淡廃液タンク継続使用不可判定をし、装置待機モードであれば、シャットダウン以外への遷移を禁止する。測定モード、依頼済全検体受付モード、測定待機モードであれば、緊急停止モードに遷移し、測定を強制終了させ、シャットダウン以外への遷移を禁止する装置待機モードに移行する。尚、この状態でもセンサ状態の監視は継続して実施され、両センサが液面を検知しなくなるまで、継続される。
【0058】
淡廃液タンク128の2つのセンサが故障した際の処理は次のようになる。すなわち、ステップS502で緊急停止淡廃液高さセンサ202が液面を検知した場合は、注意喚起淡廃液高さセンサ203より高い位置にある緊急停止淡廃液高さセンサ202が液面を検知したことになる。この場合は、制御部131はステップS507にてセンサが故障したと判定する。この場合は、ステップS508にて制御部131は淡廃液タンク故障検知アラーム発報を行い、表示部133に淡廃液タンク故障検知アラームを表示する。
【0059】
図9は、淡廃液タンク故障アラーム画面を示す図である。
【0060】
制御部131は図9画面を表示後、ステップS509にて自動分析装置100を緊急停止する。この場合、既にサンプル分注機構106で検体を分注済のテストであっても測定を停止させる。緊急停止淡廃液高さセンサ202と注意喚起淡廃液高さセンサ203が廃液を検知しなくなるまでは、自動分析装置100は新規検体の分注受付を停止し続ける。
【0061】
図10は、濃廃液タンクの構成を概略的に示す図である。
【0062】
濃廃液タンク129は自動分析装置100の濃廃液排出口127から排出される廃液を収容する濃廃液収容部211と濃廃液収容部211に収容された廃液の高さを検知する緊急停止濃廃液高さセンサ212と注意喚起濃廃液高さセンサ213を有す。緊急停止濃廃液高さセンサ212は濃廃液タンク129の満水位置とする高さの液面を検知できるように配置されている。このセンサが液面を検知すると濃廃液タンク129は満水であることがわかる。この場合、濃廃液タンク129に廃液を追加投入すると廃液が溢れて漏れることが予期されるため、自動分析装置100は廃液の排出を止める。一方で、緊急停止濃廃液高さセンサ212が液面を検知する場合は自動分析装置100を緊急停止させる都合、測定中の患者検体を測定しきれないことが想定され、基本的には避けるべきである。そのため、自動分析装置100は緊急停止濃廃液高さセンサ212に加えて、緊急停止濃廃液高さセンサ212より低い位置にある廃液高さを検知する注意喚起濃廃液高さセンサ213を備える。
【0063】
注意喚起濃廃液高さセンサ213は作業者への注意喚起及び装置の緊急停止の防止を目的として備える。緊急停止濃廃液高さセンサ212と注意喚起濃廃液高さセンサ213は自動分析装置100と接続され、それぞれの状態は常にモニタ部134にて監視することが可能である。濃廃液は淡廃液に比べて排出量が少ない。そのため、注意喚起濃廃液高さセンサ213は新規検体受付を停止すれば、インキュベータ105上の分注済患者検体を全て測定しても満水にならない位置に設置する。この高さは、淡廃液タンク128の注意喚起淡廃液高さセンサ203よりも高い位置にあり、かつ濃廃液の排出量では1日で濃廃液タンク129が満水になることは少ないため、作業者は2つのセンサによる運用で濃廃液タンク129を十分に使用できる。従って、淡廃液タンク128と異なり、濃廃液タンク129はタイマ運用を行わず、2つのセンサの状態を確認して、適切な廃液管理を行う。
【0064】
図11は、通常運転時の濃廃液タンク運用における処理内容を示すフローチャートである。
【0065】
ここで、通常運転時とは、測定待機モードと測定モード、依頼済全検体受付モード、測定待機モードを意味する。通常運転時は、図11に示すフローチャートを一定間隔で常に実施している。
【0066】
図11において、まず、注意喚起濃廃液高さセンサ213が液面を検知したか否かを判定し(ステップS601)、判定結果がNOの場合には、緊急停止濃廃液高さセンサ212が液面を検知したか否かを判定する(ステップS602)。ステップS602での判定結果がNOの場合には、濃廃液タンク異常なし判定を行い(ステップS603)、濃廃液タンク継続使用可能判定を行って(ステップS604)、ステップS601の処理に戻る。
【0067】
また、ステップS602での判定結果がYESの場合には、濃廃液タンク故障判定を行い(ステップS605)、濃廃液タンク故障検知アラームを発報し(ステップS606)、通常運転を禁止する(ステップS607)。
【0068】
また、ステップS601での判定結果がYESの場合には、緊急停止濃廃液高さセンサ212が液面を検知したか否かを判定する(ステップS608)。ステップS608での判定結果がNOの場合には、濃廃液タンク液面注意喚起レベル判定を行い(ステップS609)、濃廃液タンク液面注意喚起アラームを発報し(ステップS610)、通常運転を禁止し(ステップS611)、濃廃液タンク継続使用不可判定を行い(ステップS612)、ステップS601の処理に戻る。
【0069】
また、ステップS608での判定結果がYESの場合には、濃廃液タンク液面緊急停止レベル判定を行い(ステップS613)、濃廃液タンク液面緊急停止レベルアラームを発報し(ステップS614)、通常運転を禁止し(ステップS615)、ステップS612の処理に進む。
【0070】
通常は、自動分析装置100を立ち上げる前に濃廃液タンク129は作業者によってタンク内廃液を廃棄されるため、緊急停止濃廃液高さセンサ212と注意喚起濃廃液高さセンサ213は液面を検知しないはずである。従って、通常運転中に注意喚起濃廃液高さセンサ213の位置までは、ステップS601~S604を繰り返し続ける。このサイクルを繰り返すと次第に自動分析装置100が稼働することにより、廃液が排出され注意喚起濃廃液高さセンサ213位置に液面が到達する。すると、ステップS601の分岐でステップS608に遷移し、廃液の高さが注意喚起濃廃液高さセンサ213レベルであれば、ステップS609で制御部131は濃廃液タンク液面注意喚起レベル判定を行い、ステップS610で制御部131は濃廃液タンク液面注意喚起アラームを発報する。
【0071】
図12は、濃廃液タンク液面停止アラーム画面を示す図である。
【0072】
制御部131は図12に示す画面を表示部133に表示させ、使用者にタンクの廃液を空にするよう促す。その後、ステップS611で新規検体の分注受付を停止する。この場合、既にサンプル分注機構106でインキュベータ105に収容された反応容器114に検体を分注済のテストについては、測定を継続する。ステップS612で制御部131は濃廃液タンク継続使用不可判定をし、装置待機モードであれば、シャットダウン以外への遷移を禁止する。測定モード、依頼済全検体受付モード、測定待機モードであれば、前状態に復帰不可な依頼済全検体受付モードに遷移し、測定を完了させ、シャットダウン以外への遷移を禁止する装置待機モードに移行する。尚、シャットダウン以外への遷移を禁止する装置待機モードでもセンサ状態の監視は継続して実施され、両センサが液面を検知しなくなるまで、継続される。
【0073】
濃廃液タンク129が満水になった場合、自動分析装置100は緊急停止レベルであると判定し、ステップS613で制御部131は濃廃液タンク液面緊急停止レベルアラームを発報する。
【0074】
図13は、濃廃液タンク液面緊急停止レベルアラーム画面を示す図である。
【0075】
制御部131は表示部133に図13の画面を表示し、ステップS615で自動分析装置100を緊急停止する。この場合、既にサンプル分注機構106で検体を分注済のテストであっても測定を停止させる。ステップS612で制御部131は濃廃液タンク継続使用不可判定をし、装置待機モードであれば、シャットダウン以外への遷移を禁止する。測定モード、依頼済全検体受付モード、測定待機モードであれば、緊急停止モードに遷移し、測定を強制終了させ、シャットダウン以外への遷移を禁止する装置待機モードに移行する。尚、この状態でもセンサ状態の監視は継続して実施され、両センサが液面を検知しなくなるまで、継続される。
【0076】
濃廃液タンク129の2つのセンサが故障した際の処理は以下のようになる。すなわち、ステップS602で緊急停止濃廃液高さセンサ212が液面を検知した場合は、注意喚起濃廃液高さセンサ213より高い位置にある緊急停止濃廃液高さセンサ212が液面を検知したことになる。この場合は、制御部131はステップS605にてセンサが故障したと判定する。この場合は、ステップS606にて制御部131は濃廃液タンク故障検知アラーム発報を行い、表示部133に濃廃液タンク故障検知アラームを表示する。
【0077】
図14は、濃廃液タンク故障アラーム画面を示す図である。
【0078】
制御部131は図14画面を表示後、ステップS607にて自動分析装置100を緊急停止する。この場合、既にサンプル分注機構106で検体を分注済のテストであっても測定を停止させる。緊急停止濃廃液高さセンサ212と注意喚起濃廃液高さセンサ213が廃液を検知しなくなるまでは、自動分析装置100は新規検体の分注受付を停止し続ける。
【0079】
以上のように、本実施の形態においては、検体の分析を行う分析部と、検体の分析に係る処理により生じた廃液を収容する廃液収容部と、廃液収容部に収容された廃液が予め定めた基準量に達したことを検知する廃液量検知部と、廃液量検知部により廃液が基準量に達したことが検知されたときに、時間のカウントを開始するタイマ部と、分析部の動作を制御する制御部とを備え、制御部は、オペレータによって分析開始指示がなされた際に、タイマ部によるカウント結果が予め定めた基準時間に達したか否かに基づいて、分析部による分析の開始を許容するか否かを判定するように構成したので、予期しない測定停止を回避しつつ、ワークフローを検討しやすい装置運用を行うことができる。すなわち、従来のセンサ運用にタイマ機能を加えることでより顧客ワークフローに柔軟に対応し、かつ廃液のオーバーフロー防止や検体の損失を防ぐ運用を可能が可能である。
【0080】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態を図15図18を参照しつつ説明する。図中、第1の実施の形態と同様の部材には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0081】
第1の実施の形態においては、自動分析装置100に電源が供給され続けモニタ部134が常に緊急停止淡廃液高さセンサ202、注意喚起淡廃液高さセンサ203、緊急停止濃廃液高さセンサ212、注意喚起濃廃液高さセンサ213の状態を監視し、状態に合わせて制御部131に状況を報告していた。本実施の形態は、ワークフロー内に自動分析装置100の電源供給を停止した場合の振舞いについて示すものである。

【0082】
図15は、装置立ち上げ時の淡廃液タンク運用における処理内容を示すフローチャートである。
【0083】
ここで、装置立ち上げ時とは、自動分析装置100を電源OFF状態から、電源起動をすることを意味する。
【0084】
図15において、まず、注意喚起淡廃液高さセンサ203が液面を検知したか否かを判定し(ステップS701)、判定結果がNOの場合には、緊急停止淡廃液高さセンサ202が液面を検知したか否かを判定する(ステップS702)。ステップS702での判定結果がNOの場合には、淡廃液タンク異常なし判定を行い(ステップS703)、通常運転を許可する(ステップS704)。
【0085】
また、ステップS702での判定結果がYESの場合には、淡廃液タンク故障判定を行い(ステップS705)、淡廃液タンク故障検知アラームを発報し(ステップS706)、通常運転を禁止する(ステップS707)。
【0086】
また、ステップS701での判定結果がYESの場合には、緊急停止淡廃液高さセンサ202が液面を検知したか否かを判定する(ステップS708)。ステップS708での判定結果がNOの場合には、淡廃液タンク液面注意喚起レベル判定を行い(ステップS709)、淡廃液タンク液面注意喚起レベルアラームを発報し(ステップS710)、通常運転を禁止し(ステップS711)、ステップS701の処理に戻る。
【0087】
また、ステップS708での判定結果がYESの場合には、淡廃液タンク液面緊急停止レベル判定を行い(ステップ712)、淡廃液タンク緊急停止レベルアラームを発報し(ステップS713)、通常運転を禁止し(ステップS714)、ステップS701の処理に進む。
【0088】
装置立ち上げ後、制御部131はタイマ部136の時間をリセットし、起動させない。その後、ステップS701で注意喚起淡廃液高さセンサ203の状態を確認する。作業者は毎日淡廃液タンク128を空にすることを求められているため、通常は装置立ち上げ時に淡廃液タンク128は空であり注意喚起淡廃液高さセンサ203と緊急停止淡廃液高さセンサ202は液面を検知しないはずである。従って、2つのセンサが液面検知しない場合のみステップS703で制御部131は淡廃液タンク異常なし判定を行い、ステップS704で制御部131は淡廃液タンク運用許可判定を行う。
【0089】
ステップS701にて注意喚起淡廃液高さセンサ203が液面を検知した場合、ステップS708にて緊急停止淡廃液高さセンサ202の状態を確認する。緊急停止淡廃液高さセンサ202が液面を検知しなければ、ステップS709で制御部131は淡廃液タンクの液面が注意喚起レベルに到達したと判定する。作業者が淡廃液タンク128を空にしていれば、検知されないはずであるため、ステップS710で制御部131は淡廃液タンク液面注意喚起アラームを発報する。
【0090】
図16は、装置立ち上げ時の淡廃液タンク交換アラームを示す図である。
【0091】
制御部131は図16に示す画面を表示部133に表示させ、使用者にタンクの廃液を空にするよう促す。ステップS711で制御部131は通常運転は許可せず、淡廃液タンク継続使用不可と判定し、両センサが液面を検知しなくなるまでこのフローを継続して実施する。
【0092】
ステップS708で緊急停止淡廃液高さセンサ202が液面を検知した場合は、ステップS712で制御部131は淡廃液タンク128の液面は緊急停止レベルであると判定し、作業者が淡廃液タンク128を空にしていれば、検知されないはずであるため、ステップS713で制御部131は濃廃液タンク液面緊急停止レベルアラームを発報する。制御部131は図16に示す画面を表示部133に表示させ、使用者にタンクの廃液を空にするよう促す。ステップS714で制御部131は通常運転は許可せず、濃廃液タンク継続使用不可と判定し、両センサが液面を検知しなくなるまでこのフローを継続して実施する。
【0093】
ステップS702で緊急停止淡廃液高さセンサ202が液面を検知した場合は、注意喚起淡廃液高さセンサ203より高い位置にある緊急停止淡廃液高さセンサ202が液面を検知したことになる。この場合は、制御部131はステップS705にてセンサが故障したと判定する。この場合は、ステップS706にて制御部131は淡廃液タンク故障検知アラーム発報を行い、表示部133に淡廃液タンク故障検知アラームを表示する。制御部131は図9画面を表示後、ステップS607にて自動分析装置100を緊急停止する。緊急停止淡廃液高さセンサ202と注意喚起淡廃液高さセンサ203が廃液を検知しなくなるまでは、自動分析装置100の通常運転を停止し続ける。
【0094】
図17は、装置立ち上げ時の濃廃液タンク運用における処理内容を示すフローチャートである。
【0095】
ここで、以降に記す装置立ち上げ時とは、自動分析装置100を電源OFF状態から、電源起動をすることを意味する。
【0096】
図17において、まず、注意喚起濃廃液高さセンサ213が液面を検知したか否かを判定し(ステップS751)、判定結果がNOの場合には、緊急停止濃廃液高さセンサ212が液面を検知したか否かを判定する(ステップS752)。ステップS602での判定結果がNOの場合には、濃廃液タンク異常なし判定を行い(ステップS753)、通常運転を許可する(ステップS754)。
【0097】
また、ステップS752での判定結果がYESの場合には、濃廃液タンク故障判定を行い(ステップS755)、濃廃液タンク故障検知アラームを発報し(ステップS756)、通常運転を禁止する(ステップS757)。
【0098】
また、ステップS751での判定結果がYESの場合には、緊急停止濃廃液高さセンサ212が液面を検知したか否かを判定する(ステップS758)。ステップS758での判定結果がNOの場合には、濃廃液タンク液面注意喚起レベル判定を行い(ステップS759)、濃廃液タンク液面注意喚起アラームを発報し(ステップS760)、通常運転を禁止し(ステップS761)、ステップS751の処理に戻る。
【0099】
また、ステップS758での判定結果がYESの場合には、濃廃液タンク液面緊急停止レベル判定を行い(ステップS762)、濃廃液タンク液面緊急停止レベルアラームを発報し(ステップS763)、通常運転を禁止し(ステップS764)、ステップS751の処理に進む。
【0100】
装置立ち上げ時は、ステップS751で注意喚起濃廃液高さセンサ213の状態を確認する。作業者は毎日濃廃液タンク129を空にすることを求められているため、通常は装置立ち上げ時に濃廃液タンク129は空であり注意喚起濃廃液高さセンサ213と緊急停止濃廃液高さセンサ212は液面を検知しないはずである。従って、2つのセンサが液面検知しない場合のみステップS753で制御部131は濃廃液タンク異常なし判定を行い、ステップS754で制御部131は濃廃液タンク運用許可判定を行う。
【0101】
ステップS751にて注意喚起濃廃液高さセンサ213が液面を検知した場合、ステップS758にて緊急停止濃廃液高さセンサ212の状態を確認する。緊急停止濃廃液高さセンサ212が液面を検知しなければ、ステップS759で制御部131は濃廃液タンクの液面が注意喚起レベルに到達したと判定する。作業者が濃廃液タンク129を空にしていれば、検知されないはずであるため、ステップS760で制御部131は濃廃液タンク液面注意喚起アラームを発報する。
【0102】
図18は、装置立ち上げ時の濃廃液タンク交換アラームを示す図である。
【0103】
制御部131は図18に示す画面を表示部133に表示させ、使用者にタンクの廃液を空にするよう促す。ステップS761で制御部131は通常運転は許可せず、濃廃液タンク継続使用不可と判定し、両センサが液面を検知しなくなるまでこのフローを継続して実施する。
【0104】
ステップS758で緊急停止濃廃液高さセンサ212が液面を検知した場合は、ステップS762で制御部131は濃廃液タンク129の液面は緊急停止レベルであると判定する。作業者が濃廃液タンク129を空にしていれば、検知されないはずであるため、ステップS763で制御部131は濃廃液タンク液面緊急停止レベルアラームを発報する。制御部131は図18に示す画面を表示部133に表示させ、使用者にタンクの廃液を空にするよう促す。ステップS764で制御部131は通常運転は許可せず、濃廃液タンク継続使用不可と判定し、両センサが液面を検知しなくなるまでこのフローを継続して実施する。
【0105】
ステップS752で緊急停止濃廃液高さセンサ212が液面を検知した場合は、注意喚起濃廃液高さセンサ213より高い位置にある緊急停止濃廃液高さセンサ212が液面を検知したことになる。この場合は、制御部131はステップS755にてセンサが故障したと判定する。この場合は、ステップS756にて制御部131は濃廃液タンク故障検知アラーム発報を行い、表示部133に濃廃液タンク故障検知アラームを表示する。制御部131は図14画面を表示後、ステップS657にて自動分析装置100を緊急停止する。緊急停止濃廃液高さセンサ212と注意喚起濃廃液高さセンサ213が廃液を検知しなくなるまでは、自動分析装置100の通常運転を停止し続ける。
【0106】
その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0107】
以上のように構成した本実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0108】
また、タイマ部136が停止する電源供給停止状態後でも顧客ワークフローに沿って、顧客が適切な操作を実施できるようにすることができる。
【0109】
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態を図19及び図20を参照しつつ説明する。図中、第1の実施の形態と同様の部材には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0110】
本実施の形態は、ワークフロー内の常に新規検体受付可能な通常状態以外の状態(メンテナンスモード、試薬登録モード、測定開始モード、測定終了モード)の廃液監視機能について示すものである。
【0111】
図19は、常に新規検体受付可能な通常状態以外の状態の淡廃液タンク運用における処理内容を示すフローチャートである。
【0112】
新規検体受付可能な通常状態以外の状態では、図19に示すフローを一定間隔で常に実施している。
【0113】
図19において、まず、注意喚起淡廃液高さセンサ203が液面を検知したか否かを判定し(ステップS801)、判定結果がNOの場合には、緊急停止淡廃液高さセンサ202が液面を検知したか否かを判定する(ステップS802)。ステップS802での判定結果がNOの場合には、淡廃液タンク異常なし判定を行い(ステップS803)、廃液タンク継続使用可能判定を行い(ステップS804)、ステップS801の処理に戻る。
【0114】
また、ステップS802での判定結果がYESの場合には、淡廃液タンク故障判定を行い(ステップS805)、淡廃液タンク故障検知アラームを発報し(ステップS806)、継続運転を禁止する(ステップS807)。
【0115】
また、ステップS801での判定結果がYESの場合には、緊急停止淡廃液高さセンサ202が液面を検知したか否かを判定する(ステップS808)。ステップS808での判定結果がNOの場合には、タイマ部が起動済みでカウントを開始しているか否かを判定する(ステップS809)。ステップS809での判定結果がNOの場合には、淡廃液タンク128に係るタイマ部136のカウントを開始し(ステップS810)、淡廃液タンクタイマ起動アラームを発報して(ステップS811)、ステップS804の処理に進む。
【0116】
また、ステップS809での判定結果がYESの場合には、タイマ部136のカウントが予め定めた設定時間内であるか否かを判定する(ステップS812)。ステップS812での判定結果がNOの場合には、淡廃液タンク時間切れ判定を行い(ステップS813)、淡廃液タンク時間切れアラームを発報し(ステップS814)、継続運転を禁止する(ステップS815)。また、ステップS812での判定結果がYESの場合には、淡廃液タンク以上なし判定を行い(ステップS816)、ステップS804の処理に進む。
【0117】
また、ステップS808での判定結果がYESの場合には、淡廃液タンク液面緊急停止レベル判定を行い(ステップ817)、淡廃液タンク緊急停止レベルアラームを発報し(ステップS818)、継続運転を禁止する(ステップS819)。
【0118】
新規検体受付可能な通常状態以外の状態では、通常運転中と同様に注意喚起淡廃液高さセンサ203の位置までは、ステップS801~S804を繰り返し続ける。このサイクルを繰り返すと次第に自動分析装置100が稼働することにより、廃液が排出され注意喚起淡廃液高さセンサ203位置に液面が到達する。すると、ステップS801の分岐でステップS808に遷移し、前述のタイマ部136を起動させる。タイマ部136を起動させた際に作業者に注意喚起を行うため、制御部131は図6の淡廃液タンクタイマ起動アラームを発報する。廃液の高さが注意喚起淡廃液高さセンサ203レベルであれば、運転の継続は十分に継続可能であるため、自動分析装置100の停止は行わない。淡廃液タンクタイマ起動アラームを確認後も淡廃液タンク128の廃液廃棄なしに通常運転を継続する場合は、タイマ部136は継続してタイマを進める。ステップS812で制御部131はタイマ部136の時間と予め設定されたタイマ時間設定207の時間を比較し、タイマ時間設定207の時間以内であれば運転を継続可能である。しかし、タイマ時間設定207の時間を過ぎた場合は、ステップS813で制御部131は淡廃液タンク時間切れ判定を行い、ステップS814で制御部131は淡廃液タンク時間切れアラームを発報する。制御部131は図7に示す画面を表示部133に表示させ、使用者にタンクの廃液を空にするよう促す。その後、メンテナンスモード、試薬登録モード、測定開始モード、測定終了モードのいずれであっても自動分析装置100を緊急停止させ、装置待機モードに遷移させる。

【0119】
タイマ時間設定207の時間以内であっても、廃液の排出量が多く満水を示す緊急停止淡廃液高さセンサ202が液面検知すると、ステップS817で制御部131は淡廃液タンク128の液面は緊急停止レベルであると判定し、ステップS818で制御部131は淡廃液タンク液面緊急停止レベルアラームを発報する。制御部131は表示部133に図8の画面を表示し、ステップS819で自動分析装置100を緊急停止する。メンテナンスモード、試薬登録モード、測定開始モード、測定終了モードのいずれであっても自動分析装置100を緊急停止させ、装置待機モードに遷移させる。
【0120】
淡廃液タンク128の2つのセンサが故障した際の処理は次のようになる。すなわち、ステップS802で緊急停止淡廃液高さセンサ202が液面を検知した場合は、注意喚起淡廃液高さセンサ203より高い位置にある緊急停止淡廃液高さセンサ202が液面を検知したことになる。この場合は、制御部131はステップS805にてセンサが故障したと判定する。この場合は、ステップS806にて制御部131は淡廃液タンク故障検知アラーム発報を行い、表示部133に淡廃液タンク故障検知アラームを表示する。制御部131は図9画面を表示後、ステップS807にて自動分析装置100を緊急停止する。この場合、既にサンプル分注機構106で検体を分注済のテストであっても測定を停止させる。緊急停止淡廃液高さセンサ202と注意喚起淡廃液高さセンサ203が廃液を検知しなくなるまでは、自動分析装置100は新規検体の分注受付を停止し続ける。
【0121】
図20は、常に新規検体受付可能な通常状態以外の状態の濃廃液タンク運用における処理内容を示すフローチャートである。
【0122】
新規検体受付可能な通常状態以外の状態では、図20に示すフローを一定間隔で常に実施している。
【0123】
図20において、まず、注意喚起濃廃液高さセンサ213が液面を検知したか否かを判定し(ステップS851)、判定結果がNOの場合には、緊急停止濃廃液高さセンサ212が液面を検知したか否かを判定する(ステップS852)。ステップS602での判定結果がNOの場合には、濃廃液タンク異常なし判定を行い(ステップS853)、通常運転を許可し(ステップS854)、ステップS851の処理に戻る。
【0124】
また、ステップS852での判定結果がYESの場合には、濃廃液タンク故障判定を行い(ステップS855)、濃廃液タンク故障検知アラームを発報し(ステップS856)、継続運転を禁止する(ステップS857)。
【0125】
また、ステップS851での判定結果がYESの場合には、緊急停止濃廃液高さセンサ212が液面を検知したか否かを判定する(ステップS858)。ステップS858での判定結果がNOの場合には、濃廃液タンク液面注意喚起レベル判定を行い(ステップS859)、濃廃液タンク液面注意喚起アラームを発報し(ステップS860)、通常運転を禁止する(ステップS861)。
【0126】
また、ステップS858での判定結果がYESの場合には、濃廃液タンク液面緊急停止レベル判定を行い(ステップS862)、濃廃液タンク液面緊急停止レベルアラームを発報し(ステップS863)、継続運転を禁止する(ステップS864)。
【0127】
常に新規検体受付可能な通常状態以外の状態では、通常運転中と同様に注意喚起濃廃液高さセンサ213の位置までは、ステップS851~S854を繰り返し続ける。このサイクルを繰り返すと次第に自動分析装置100が稼働することにより、廃液が排出され注意喚起濃廃液高さセンサ213位置に液面が到達する。
【0128】
ステップS851にて注意喚起濃廃液高さセンサ213が液面を検知した場合、ステップS858にて緊急停止濃廃液高さセンサ212の状態を確認する。緊急停止濃廃液高さセンサ212が液面を検知しなければ、ステップS859で制御部131は濃廃液タンクの液面が注意喚起レベルに到達したと判定する。制御部131は図12に示す画面を表示部133に表示させ、使用者にタンクの廃液を空にするよう促す。その後、メンテナンスモード、試薬登録モード、測定開始モード、測定終了モードのいずれであっても自動分析装置100を緊急停止させ、装置待機モードに遷移させる。
【0129】
ステップS858で緊急停止濃廃液高さセンサ212が液面を検知した場合は、ステップS862で制御部131は濃廃液タンク129の液面は緊急停止レベルであると判定する。制御部131は図13に示す画面を表示部133に表示させ、使用者にタンクの廃液を空にするよう促す。その後、メンテナンスモード、試薬登録モード、測定開始モード、測定終了モードのいずれであっても自動分析装置100を緊急停止させ、装置待機モードに遷移させる。
【0130】
ステップS852で緊急停止濃廃液高さセンサ212が液面を検知した場合は、注意喚起濃廃液高さセンサ213より高い位置にある緊急停止濃廃液高さセンサ212が液面を検知したことになる。この場合は、制御部131はステップS855にてセンサが故障したと判定する。この場合は、ステップS856にて制御部131は濃廃液タンク故障検知アラーム発報を行い、表示部133に濃廃液タンク故障検知アラームを表示する。制御部131は図14画面を表示後、ステップS857にて自動分析装置100を緊急停止する。緊急停止濃廃液高さセンサ212と注意喚起濃廃液高さセンサ213が廃液を検知しなくなるまでは、自動分析装置100の通常運転を停止し続ける。
【0131】
その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0132】
以上のように構成した本実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0133】
また、通常運転とは異なる常に新規検体受付可能な通常状態以外の状態でも顧客ワークフローに沿って、顧客が適切な操作を実施できるようにすることができる。
【0134】
<付記>
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内の様々な変形例や組み合わせが含まれる。また、本発明は、上記の実施の形態で説明した全ての構成を備えるものに限定されず、その構成の一部を削除したものも含まれる。また、上記の各構成、機能等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
【符号の説明】
【0135】
100…自動分析装置、101…分析部、102…ラック、103…ラック搬送ライン、104…試薬保冷ユニット、105…インキュベータ(反応ディスク)、106…サンプル分注機構(試料分注機構)、107…試薬分注機構、108…試薬撹拌機構、109…消耗品搬送機構、110…B/F分離ユニット、111…検出部ユニット、112…試薬容器、113…試薬ディスクカバー、114…反応容器、115…反応容器配置部、116…分注チップ、117…反応容器分注チップ収納容器、118…分注チップ設置位置、119…撹拌機構、120…分離部、121…B/F分離プローブ、122…B/F分離プローブ洗浄部、123…B/F分離撹拌部、124…搬送部、125…反応液吸引ノズル、126…淡廃液排出口、127…濃廃液排出口、128…淡廃液タンク、129…濃廃液タンク、130…制御装置、131…制御部、132…入力部、133…表示部、134…モニタ部、135…記憶部、136…タイマ部、201…淡廃液収容部、202…緊急停止淡廃液高さセンサ、203…注意喚起淡廃液高さセンサ、204…設定画面、205…濃廃液設定、206…淡廃液設定、207…タイマ時間設定、208…保存ボタン、211…濃廃液収容部、212…緊急停止廃液高さセンサ、213…注意喚起淡廃液高さセンサ

図1
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