(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】熱処理装置及び処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20241003BHJP
F26B 3/04 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H01L21/30 567
F26B3/04
(21)【出願番号】P 2023168441
(22)【出願日】2023-09-28
(62)【分割の表示】P 2019224598の分割
【原出願日】2019-12-12
【審査請求日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】P 2019134446
(32)【優先日】2019-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】佐野 要平
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-235469(JP,A)
【文献】特開2018-098229(JP,A)
【文献】特開2016-115919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
F26B 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レジストの被膜が形成された基板を熱処理する熱処理装置であって、
前記基板を支持して加熱する熱板と、
前記熱板上の処理空間を覆うチャンバと、
前記チャンバ内において、処理用ガスを前記処理空間に吐出するガス吐出部と、
前記チャンバ内において、前記基板の表面よりも下方から前記チャンバ内に気体を供給する気体供給部と、
前記処理空間の上方に設けられた排気孔から前記チャンバ内を排気する排気部と、
を有
し、
前記気体供給部は、
前記チャンバ内と接続された気体流路と、
前記気体流路の前記チャンバ側の端部において、流路面積を制御する整流部と、
を含む、熱処理装置。
【請求項2】
前記被膜は、メタル含有レジストによる被膜である、請求項1に記載の熱処理装置。
【請求項3】
前記排気孔は、前記ガス吐出部の周縁よりも内側に設けられる、請求項1または2に記載の熱処理装置。
【請求項4】
前記排気孔の少なくとも一部は前記基板よりも外周に設けられる、請求項1または2に記載の熱処理装置。
【請求項5】
前記気体供給部は、前記基板よりも外周から前記チャンバ内に気体を供給する、請求項1~4のいずれか一項に記載の熱処理装置。
【請求項6】
レジストの被膜が形成された基板について、熱板において支持して加熱することで熱処理する熱処理方法であって、
チャンバ内において、
処理用ガスを前記熱板上の処理空間に吐出することと、
前記基板の表面よりも下方から前記チャンバ内に気体を供給することと、
前記処理空間の上方に設けられた排気孔から前記チャンバ内を排気することと、
を実行しながら前記熱処理を行
い、
前記チャンバ内に気体を供給することは、
前記チャンバ内と接続された気体流路により前記チャンバ内に気体を供給することと、
前記気体流路の前記チャンバ側の端部において、清流部によって流路面積を制御することと、
を含む、熱処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱処理装置及び熱処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レジストパターンの微細化を実現するために、金属を含有するレジストであるメタル含有レジストを用いた基板について熱処理を行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、基板上の被膜からの昇華物の飛散を抑制する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様による熱処理装置は、レジストの被膜が形成された基板を熱処理する熱処理装置であって、前記基板を支持して加熱する熱板と、前記熱板上の処理空間を覆うチャンバと、前記チャンバ内において、処理用ガスを前記処理空間に吐出するガス吐出部と、前記チャンバ内において、前記基板の表面よりも下方から前記チャンバ内に気体を供給する気体供給部と、前記処理空間の上方に設けられた排気孔から前記チャンバ内を排気する排気部と、を有する、熱処理装置である。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、基板上の被膜からの昇華物の飛散を抑制する技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一つの例示的実施形態に係る基板処理システムの概略構成を例示する図である。
【
図2】基板処理装置の内部構成を例示する模式図である。
【
図3】基板処理方法の一例を示すフローチャートである。
【
図4】第1実施形態に係る熱処理ユニットの構成を例示する模式図である。
【
図5】熱処理ユニットのガス吐出部近傍の構成を例示する模式図である。
【
図6】制御装置のハードウェア構成を例示するブロック図である。
【
図7】熱処理ユニットにおける気体及び昇華物の移動に係るシミュレーション結果を例示する図である。
【
図8】熱処理ユニットにおける気体及び昇華物の移動に係るシミュレーション結果を例示する図である。
【
図9】第2実施形態に係る熱処理ユニットの構成を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、種々の例示的実施形態について説明する。
【0009】
一つの例示的実施形態に係る熱処理装置は、レジストの被膜が形成され、当該被膜に露光処理が施された基板を熱処理する熱処理装置であって、前記基板を支持して加熱する熱板と、前記熱板上の処理空間を覆うチャンバと、前記チャンバ内において、処理用ガスを前記熱板上の前記基板に向けて上方から吐出するガス吐出部と、前記チャンバ内において、前記基板の表面よりも下方から前記チャンバ内に気体を供給する気体供給部と、前記処理空間の上方に設けられた下方に開口する排気孔から前記チャンバ内を排気する排気部と、を有する。
【0010】
上記の熱処理装置によれば、ガス吐出部から処理用ガスが基板の表面に設けて吐出されることにより、基板の熱処理が促進される。一方、熱処理装置は、基板の表面よりも下方からチャンバ内に気体を供給する気体供給部と、処理空間の上方に設けられた下方に開口する排気孔からチャンバ内を排気する排気部とを有する。そのため、これらの間を流れる気体によって基板の周囲に上昇流が形成される。このため、熱処理時に基板から発生した昇華物の移動が上昇流によって遮られる。したがって、基板上の被膜からの昇華物の飛散を抑制することが可能となる。
【0011】
前記被膜は、メタル含有レジストによる被膜である態様とすることができる。
【0012】
メタル含有レジストを用いる場合、被膜からの昇華物が金属成分を含有するため、装置内の各部に付着することによる影響が大きくなり得る。これに対して、上記の構成とすることで、基板上の被膜からの金属成分を含有する昇華物の飛散を抑制することが可能となることから、装置への昇華物の付着による影響を効果的に小さくすることができる。
【0013】
前記排気孔は、前記ガス吐出部の周縁よりも内側に設けられる態様とすることができる。
【0014】
排気孔がガス吐出部の周縁よりも内側に設けられる場合、排気孔へ向かう気体は、基板上の被膜からの昇華物を含む気体は、ガス吐出部の周縁よりも内側に向かう上昇流を形成する。そのため、基板上の被膜からの基板よりも外側への昇華物の飛散を抑制することが可能となる。
【0015】
前記排気孔の少なくとも一部は前記基板よりも外周に設けられる態様とすることができる。
【0016】
排気孔の少なくとも一部が基板よりも外周に設けられる場合、基板の周囲において気体が上方の排気孔へ向かう流れが形成されるため、この排気孔へ向かう気体の流れよりも外側への昇華物の移動が抑制される。したがって、基板上の被膜からの基板よりも外側への昇華物の飛散を抑制することが可能となる。
【0017】
前記気体供給部は、前記基板よりも外周から前記チャンバ内に気体を供給する態様とすることができる。
【0018】
前記基板よりも外周から前記チャンバ内に気体を供給することで、基板の周囲においてより気流が強化された上昇流を形成することができる。
【0019】
前記気体供給部は、前記チャンバ内と接続された気体流路と、前記気体流路の前記チャンバ側の端部において、流路面積を制御する整流部と、を含む態様とすることができる。
【0020】
整流部を有することで、気体流路のチャンバ側の端部における流路面積を制御することができる。この流路面積を制御する構成を有することで、例えば、昇華物の飛散をより抑制することが可能な上昇流を制御することも可能となる。また、基板上のレジストパターンの品質を考慮して上昇流を制御することも可能となる。
【0021】
前記チャンバ内には、前記整流部よりも上方且つ前記排気部よりも前記基板の径方向外側に、外側空間を有し、前記外側空間に接続されて前記チャンバ内に気体を供給する前記気体供給部とは異なる第2気体供給部を有し、前記第2気体供給部は、前記整流部側において前記外側空間に対して接続される態様とすることができる。
【0022】
上記のように排気部よりも基板の径方向外側に外側空間が設けられていて、外側空間に接続された第2気体供給部からも気体が供給される場合、第2気体供給部から供給された外側空間を移動する気体も排気孔へ向かって移動する。そのため、チャンバ内での上昇流の乱れを防ぐことができ、昇華物の飛散を抑制することができる。また、第2気体供給部は、整流部側において外側空間に対して接続される構成とされている。そのため、第2気体供給部からの気体が上昇流と同じく上方に移動しながら排気孔へ向かって移動することができるため、外側空間及びその近傍での気体の滞留等を防ぐことができる。
【0023】
前記気体供給部は、前記チャンバ内と接続された気体流路を有し、前記気体流路は、前記熱板からの熱を伝熱可能とされている態様とすることができる。
【0024】
上記の構成とすることで、気体流路を移動する気体が熱板からの熱によって加熱された状態でチャンバ内に供給されるため、気体の供給による温度変動等を抑制することができる。
【0025】
前記ガス吐出部は、前記熱板上の前記基板に対向する面に沿って点在する複数の吐出孔を含む態様とすることができる。
【0026】
上記の構成とすることで、ガス吐出部からの処理用ガスを基板の表面に設けてより均一に吐出することができるので、レジストパターンの品質を高めることができる。
【0027】
別の例示的実施形態に係る熱処理方法は、レジストの被膜が形成され、当該被膜に露光処理が施された基板について、熱板において支持して加熱することで熱処理する熱処理方法であって、チャンバ内において、前記基板の表面よりも下方から前記チャンバ内に気体を供給し、前記チャンバ内の処理空間の上方に設けられた下方に開口する排気孔から前記チャンバ内を排気することで、前記基板の周囲に上昇流を形成しながら前記熱処理を行う。
【0028】
上記の熱処理方法によれば、基板の表面よりも下方からチャンバ内に気体を供給し、処理空間の上方に設けられた下方に開口する排気孔からチャンバ内を排気することにより基板の周囲に上昇流を形成しながら熱処理が行われる。このため、熱処理時に基板から発生した昇華物の移動が上昇流によって遮られる。したがって、基板上の被膜からの昇華物の飛散を抑制することが可能となる。
【0029】
以下、図面を参照して種々の例示的実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0030】
<第1実施形態>
[基板処理システム]
図1~
図6を参照して第1実施形態に係る基板処理システムを説明する。基板処理システム1は、基板に対し、感光性被膜の形成、当該感光性被膜の露光、及び当該感光性被膜の現像を施すシステムである。処理対象の基板は、例えば半導体のウエハWである。感光性被膜は、例えばレジスト膜である。基板処理システム1は、塗布・現像装置2と露光装置3とを備える。露光装置3は、ウエハW(基板)上に形成されたレジスト膜(感光性被膜)を露光する装置である。具体的には、露光装置3は、液浸露光等の方法によりレジスト膜の露光対象部分にエネルギー線を照射する。塗布・現像装置2は、露光装置3による露光処理の前に、ウエハW(基板)の表面にレジスト(薬液)を塗布してレジスト膜を形成する処理を行い、露光処理後にレジスト膜の現像処理を行う。以下の例示的実施形態では、基板処理システム1は、金属を含有するレジスト(以下、「メタル含有レジスト」という。)を用いて、メタル含有レジストの被膜を形成する場合について説明する。例えば、基板処理システム1は、スズ(Sn)を含有するレジストを用いて上記被膜を形成してもよい。ただし、レジストの種類は上記に限定されない。
【0031】
[基板処理装置]
以下、基板処理装置の一例として、塗布・現像装置2の構成を説明する。
図1及び
図2に示されるように、塗布・現像装置2は、キャリアブロック4と、処理ブロック5と、インタフェースブロック6と、制御装置100とを備える。
【0032】
キャリアブロック4は、塗布・現像装置2内へのウエハWの導入及び塗布・現像装置2内からのウエハWの導出を行う。例えばキャリアブロック4は、ウエハW用の複数のキャリアCを支持可能であり、受け渡しアームを含む搬送装置A1を内蔵している。キャリアCは、例えば円形の複数枚のウエハWを収容する。搬送装置A1は、キャリアCからウエハWを取り出して処理ブロック5に渡し、処理ブロック5からウエハWを受け取ってキャリアC内に戻す。処理ブロック5は、複数の処理モジュール11,12,13,14を有する。
【0033】
処理モジュール11は、塗布ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、これらのユニットにウエハWを搬送する搬送装置A3とを内蔵している。処理モジュール11は、塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2によりウエハWの表面上に下層膜を形成する。塗布ユニットU1は、下層膜形成用の処理液をウエハW上に塗布する。熱処理ユニットU2は、下層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
【0034】
処理モジュール12は、メタル含有レジストの被膜を形成する成膜処理を行う。処理モジュール12は、塗布ユニットU3と、熱処理ユニットU4と、これらのユニットにウエハWを搬送する搬送装置A3とを内蔵している。処理モジュール12は、塗布ユニットU3及び熱処理ユニットU4により下層膜上にメタル含有レジストの被膜を形成する。塗布ユニットU3は、被膜形成用の処理液として、メタル含有レジストを下層膜の上に塗布する。熱処理ユニットU4は、被膜の形成に伴う各種熱処理を行う。これにより、ウエハWの表面にメタル含有レジストの被膜が形成される。
【0035】
処理モジュール13は、塗布ユニットU5と、熱処理ユニットU6と、これらのユニットにウエハWを搬送する搬送装置A3とを内蔵している。処理モジュール13は、塗布ユニットU5及び熱処理ユニットU6によりレジスト膜上に上層膜を形成する。塗布ユニットU5は、上層膜形成用の液体をレジスト膜の上に塗布する。熱処理ユニットU6は、上層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
【0036】
処理モジュール14は、現像ユニットU7(現像処理ユニット)と、熱処理ユニットU8と、これらのユニットにウエハWを搬送する搬送装置A3とを内蔵している。処理モジュール14は、現像ユニットU7及び熱処理ユニットU8により、露光処理が施された被膜の現像処理及び現像処理に伴う熱処理を行う。これにより、ウエハWの表面にメタル含有レジストを用いたレジストパターンが形成される。具体的には、熱処理ユニットU8は、現像処理前の加熱処理(PEB:Post Exposure Bake)を行う。現像ユニットU7は、熱処理ユニットU8により加熱処理(PEB)が施されたウエハWを現像処理する。例えば、現像ユニットU7は、露光済みのウエハWの表面上に現像液を塗布した後、これをリンス液により洗い流すことで、メタル含有レジストの被膜の現像処理を行う。熱処理ユニットU8は、現像処理後の加熱処理(PB:Post Bake)を行ってもよい。以下、特に説明がない限り、熱処理ユニットU8での熱処理は、「現像処理前の加熱処理(PEB)」であるとして説明する。また、メタル含有レジストの被膜は、単に「被膜」として説明する。
【0037】
処理ブロック5内におけるキャリアブロック4側には棚ユニットU10が設けられている。棚ユニットU10は、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。棚ユニットU10の近傍には昇降アームを含む搬送装置A7が設けられている。搬送装置A7は、棚ユニットU10のセル同士の間でウエハWを昇降させる。
【0038】
処理ブロック5内におけるインタフェースブロック6側には棚ユニットU11が設けられている。棚ユニットU11は、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。
【0039】
インタフェースブロック6は、露光装置3との間でウエハWの受け渡しを行う。例えばインタフェースブロック6は、受け渡しアームを含む搬送装置A8を内蔵しており、露光装置3に接続される。搬送装置A8は、棚ユニットU11に配置されたウエハWを露光装置3に渡す。搬送装置A8は、露光装置3からウエハWを受け取って棚ユニットU11に戻す。
【0040】
図3には、塗布・現像処理を含む基板処理手順の一例が示されている。制御装置100は、例えば以下の手順で塗布・現像処理を実行するように塗布・現像装置2を制御する。まず制御装置100は、キャリアC内のウエハWを棚ユニットU10に搬送するように搬送装置A1を制御し、このウエハWを処理モジュール11用のセルに配置するように搬送装置A7を制御する。
【0041】
次に制御装置100は、棚ユニットU10のウエハWを処理モジュール11内の塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2に搬送するように搬送装置A3を制御する。また、制御装置100は、このウエハWの表面上に下層膜を形成するように塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する(ステップS01)。その後制御装置100は、下層膜が形成されたウエハWを棚ユニットU10に戻すように搬送装置A3を制御し、このウエハWを処理モジュール12用のセルに配置するように搬送装置A7を制御する。
【0042】
次に制御装置100は、棚ユニットU10のウエハWを処理モジュール12内の塗布ユニットU3及び熱処理ユニットU4に搬送するように搬送装置A3を制御する。また、制御装置100は、このウエハWの下層膜上にメタル含有レジストの被膜を形成するように塗布ユニットU3及び熱処理ユニットU4を制御する(ステップS02)。その後制御装置100は、ウエハWを棚ユニットU10に戻すように搬送装置A3を制御し、このウエハWを処理モジュール13用のセルに配置するように搬送装置A7を制御する。
【0043】
次に制御装置100は、棚ユニットU10のウエハWを処理モジュール13内の各ユニットに搬送するように搬送装置A3を制御する。また、制御装置100は、このウエハWの被膜上に上層膜を形成するように塗布ユニットU5及び熱処理ユニットU6を制御する(ステップS03)。その後制御装置100は、ウエハWを棚ユニットU11に搬送するように搬送装置A3を制御する。
【0044】
次に制御装置100は、棚ユニットU11に収容されたウエハWを露光装置3に送り出すように搬送装置A8を制御する。そして、露光装置3において、ウエハWに形成された被膜に露光処理が施される(ステップS04)。その後制御装置100は、露光処理が施されたウエハWを露光装置3から受け入れて、当該ウエハWを棚ユニットU11における処理モジュール14用のセルに配置するように搬送装置A8を制御する。
【0045】
次に制御装置100は、棚ユニットU11のウエハWを処理モジュール14内の熱処理ユニットU8に搬送するように搬送装置A3を制御する。そして、制御装置100は、ウエハWの被膜に現像前の熱処理を施すように熱処理ユニットU8を制御する(ステップS05)。次に、制御装置100は、熱処理ユニットU8により熱処理が施されたウエハWの被膜に現像処理、及び現像処理後の熱処理を施すように現像ユニットU7及び熱処理ユニットU8を制御する(ステップS06,S07)。その後制御装置100は、ウエハWを棚ユニットU10に戻すように搬送装置A3を制御し、このウエハWをキャリアC内に戻すように搬送装置A7及び搬送装置A1を制御する。以上で塗布・現像処理を含む基板処理が完了する。
【0046】
なお、基板処理装置の具体的な構成は、以上に例示した塗布・現像装置2の構成に限られない。基板処理装置は、メタル含有レジストの被膜を形成する成膜処理を行うユニット、露光処理後に被膜を熱処理する熱処理ユニット、被膜を現像処理する現像ユニット、及びこれらを制御可能な制御装置を備えていればどのようなものであってもよい。
【0047】
(熱処理ユニット)
続いて、処理モジュール14の熱処理ユニットU8の一例について、
図4及び
図5を参照して詳細に説明する。
図4に示されるように、熱処理ユニットU8は、加熱機構20と、ウエハ昇降機構30(昇降部)と、収容機構40と、ガス供給機構60(ガス供給部)と、排気機構70(排気部)と、を備える。なお、
図4では、一部の要素を除き断面であることを示すハッチングが省略されている。
【0048】
加熱機構20は、ウエハWを加熱するように構成されている。加熱機構20は、熱板21を備える。熱板21は、熱板ヒータ22を含む。熱板21は、熱処理対象のウエハWを支持し、支持している当該ウエハWを加熱する。熱板21は、一例として略円板状に形成されている。熱板21の直径は、ウエハWの直径よりも大きくてもよい。熱板21は載置面21aを有している。載置面21aの所定位置にウエハWが載置されることで、熱板21はウエハWを支持する。熱板21は、熱伝導率の高いアルミ、銀、又は銅等の金属によって構成されてもよい。
【0049】
熱板ヒータ22は、熱板21の温度を上昇させる。熱板ヒータ22は、熱板21の内部に設けられていてもよく、熱板21上に設けられていてもよい。熱板ヒータ22は、抵抗発熱体により構成されていてもよい。熱板ヒータ22に対して電流が流れることにより、熱板ヒータ22は発熱する。そして、熱板ヒータ22からの熱が伝熱して、熱板21の温度が上昇する。熱板ヒータ22には、制御装置100からの指示に応じた値の電流が流れてもよく、制御装置100からの指示に応じた値の電圧が印加され、当該電圧値に応じた電流が流れてもよい。
【0050】
ウエハ昇降機構30は、熱板21上においてウエハWを昇降させるように構成されている。具体的には、ウエハ昇降機構30は、熱板21の載置面21aにウエハWが載置される処理高さと、熱板21と離間した上方においてウエハWの受け渡しを行う受渡高さとの間でウエハWを昇降させる。ウエハ昇降機構30は、複数(例えば3本)の支持ピン31と、昇降駆動部32とを備える。
【0051】
支持ピン31は、ウエハWを下方から支持するピンである。例えば、支持ピン31は、熱板21を貫通するように上下方向に延びるように構成されていてもよい。複数の支持ピン31は、熱板21の中心周りの周方向において互いに等間隔に配置されていてもよい。昇降駆動部32は、制御装置100の指示に応じて支持ピン31を昇降させる。昇降駆動部32は、例えば昇降アクチュエータである。
【0052】
収容機構40は、熱処理の対象であるウエハWを収容するように構成されている。収容機構40は、チャンバ41と、チャンバ駆動部45とを備える。チャンバ41は、熱処理を行う処理空間Sを形成するように構成されている。換言すると、チャンバ41は熱板21上の処理空間Sを覆う。チャンバ41は、下チャンバ42と、上チャンバ43と、下チャンバ42と上チャンバ43との間に設けられたサポートリング44と、を有する。
【0053】
下チャンバ42は、熱板21の周囲に設けられる。下チャンバ42は、熱板21の周縁部を囲むように円筒状を呈していてもよい。下チャンバ42と、熱板21との間には、内部の処理空間Sと連通する空間が形成されていてもよい。この空間は、処理空間S内外を接続する気体流路81として機能する。気体流路81は、環状に形成されていてもよい。また、下チャンバ42が熱板21を保持する構成とされとしたうえで、下チャンバ42と熱板21との間に環状に並べて複数の気体流路81が形成されるように、複数の貫通孔が下チャンバ42に形成される構成であってもよい。下チャンバ42は、熱処理ユニットU8において所定の位置に固定されていてもよい。
【0054】
気体流路81が
図5に示す配置とされている場合、熱板21の熱が気体流路81に伝熱可能な構成とすることができる。このような構成とした場合、気体流路81内の気体が熱板21からの熱によって加熱され得る。
【0055】
サポートリング44は、下チャンバ42の上端42aに取り付けられた平板状且つ環状の部材であってもよい。サポートリング44は、その外周側端部44aが下チャンバ42の上端42aに対して固定されると共に、内周側が処理空間Sの中央側へ突出し、上面から見たときに内周側端部44bが熱板21と重なる位置とされる。また、サポートリング44の内周側端部44bは、上面から見たときに熱板21上のウエハWとは重ならない位置とされる。サポートリング44の下面44cと熱板21の載置面21aとの間は離間していて、この空間は処理空間Sに連通している気体流路81の一部となる。上記の気体流路81及びサポートリング44は、ウエハWの表面よりも下方からチャンバ41内に気体を供給する気体供給部として機能する。
【0056】
上チャンバ43は、下チャンバ42と共にチャンバ41内に処理空間Sを形成する蓋体である。上チャンバ43が下チャンバ42に当接することで、チャンバ41内に処理空間Sが形成される。上チャンバ43は、天板43aと、側壁43bと、有していてもよい。
【0057】
天板43aは、下チャンバ42及びサポートリング44と同程度の直径を有する円板状を呈している。天板43aは、熱板21の載置面21aと上下方向において対向するように配置されている。つまり、天板43aは熱板21の載置面21aを覆っている。天板43aの下面は、処理空間Sの上面を構成している。側壁43bは、天板43aの外縁から下方に延びるように構成されている。側壁43bは、熱板21の載置面21aを囲っている。側壁43bの内面は、処理空間Sの周面を構成している。
【0058】
チャンバ駆動部45は、上チャンバ43を昇降させる。例えば、チャンバ駆動部45は、昇降アクチュエータである。チャンバ駆動部45により上チャンバ43が上昇することで、チャンバ41は開状態となる。チャンバ駆動部45により上チャンバ43が下チャンバ42上のサポートリング44に当接するまで下降することで、チャンバ41は閉状態となる。チャンバ41が閉状態であるとき、チャンバ41内部には処理空間Sが形成される。また、チャンバ41が開状態であるとき、熱板21の上方の空間がチャンバ41外部の空間と接続されている。ただし、チャンバ41が閉状態で処理空間Sが形成された状態であっても、上チャンバ43とサポートリング44との間には小さな空間が形成されていてもよい。この空間は、気体流路82となり得る。また、チャンバ41が閉状態で処理空間Sが形成された状態であっても、熱板21と下チャンバ42及びサポートリング44とによって形成された気体流路81を介して、処理空間Sは外部の空間と接続されている。ただし、開状態と比較して処理空間S内外を通じる流路は限られているため、移動可能な気体の量は制限される。
【0059】
上チャンバ43は、ガス吐出部50を含んでいる。ガス吐出部50は、チャンバ41内において、熱板21上のウエハWに向けて上方からガスを吐出する。ガス吐出部50は、水分を含有したガスを熱板21上のウエハWに向けて吐出する。ガス吐出部50は、水分含有ガス以外のガスを吐出してもよい。例えばガス吐出部50は、不活性ガスを熱板21上のウエハWに向けて吐出してもよい。ガス吐出部50は、天板43aに設けられている。ガス吐出部50は、天板43a内の下側に設けられたバッファ空間と、天板43aの下面にバッファ空間と処理空間Sとの間を貫通する複数のガス吐出部50を有する。
【0060】
複数の吐出孔51は、天板43aの下面のうち熱板21上のウエハWに対向する部分(対向面50a)内に略均一な密度で点在している。例えば
図5に示されるように、複数の吐出孔51は、対向面50aのうちの熱板21上のウエハWと対向する領域(以下、「対向領域」という。)において、散らばって配置されている。対向領域とは、上下方向から見て、対向面50aのうちの熱板21上のウエハWと重なる領域である。ガス吐出部50が水分含有ガスを吐出する場合に、ウエハWの上面の空間において水分量(湿度)がウエハWの上面全域において略均一となるように、複数の吐出孔51が点在していてもよい(散らばって配置されていてもよい)。複数の吐出孔51は、対向領域において孔密度が均一となるように点在していてもよい。孔密度とは、対向領域内の単位面積当たりに吐出孔51の開口面積が占める割合である。なお、吐出孔51が設けられる領域は、上記の対向領域よりも外側を含まないように形成されている。すなわち、吐出孔51は平面視においてウエハWと重なる領域にのみ設けられていて、その外側には設けられないようにされる。
【0061】
複数の吐出孔51の開口面積は、互いに略同一であってもよい。上下方向から見て、吐出孔51の形状は円状であってもよい。横方向において吐出孔51同士の間隔は均一であってもよく、縦方向において吐出孔51同士の間隔は均一であってもよい。横方向及び縦方向の双方において吐出孔51同士の間隔が均一であってもよい。
【0062】
図4に戻り、ガス供給機構60は、ガス吐出部50にウエハWの熱処理に用いられるガスとしての処理用ガスを供給するように構成されている。ガス供給機構60は、水分含有ガスまたは不活性ガスをガス吐出部50に供給してもよい。例えばガス供給機構60は、ガス供給路61と、ガス供給源62と、を備える。なお、供給するガスの種類等に応じて、複数のガス供給源を設けてもよい。また、必要に応じてガス切替部等を設けてもよい。
【0063】
ガス供給路61は、ガス吐出部50にガスを供給するための流路である。ガス供給路61の一端は、ガス吐出部50に接続されている。ガス供給路61の他端はガス供給源62に接続される。また、ガス供給路61上には、ガス吐出部50に供給するガスのガス量を制御するためのバルブ等が設けられていてもよい。バルブは、制御装置100からの指示に基づいて開閉を切り替える構成であってもよい。
【0064】
ガス供給源62は、ガス供給路61を介してガスをガス吐出部50に供給する。ガス供給源62は、例えば、水分濃度が調節された水分含有ガスをガス吐出部50に向けて供給してもよい。また、ガス供給源62は、不活性ガスをガス吐出部50に向けて供給してもよい。不活性ガスとは、ウエハWが加熱される際に被膜から生じる金属昇華物と反応しにくいガスである。ガス供給源62は、不活性ガスとして、水分含有ガスと比較して酸素濃度が低いガスを供給していてもよく、湿度が低いガスを供給していてもよい。例えばガス供給源65は、酸素濃度が低いガスとして窒素(N2)ガスを供給していてもよく、湿度が低いガスとしてドライエアを供給していてもよい。
【0065】
排気機構70(排気部)は、チャンバ41内の気体をチャンバ41の外部に排出するように構成されている。排気機構70は、ガス吐出部50の外側に設けられた排気孔を介して処理空間Sの外周からチャンバ内を排気する。排気機構70は、複数の排気孔71と、排気装置72とを備える。複数の排気孔71は、
図5に例示するように、ガス吐出部50のウエハWに対応した対向面50aの外周部に設けられる。複数の排気孔71は、上チャンバ43の天板43a内に設けられ、天板43aの内面の外周部(すなわち処理空間Sの上面の外周部)にそれぞれ開口している。天板43a内での排気孔71の形状は特に限定されない。排気装置72は、複数の排気孔71を介して処理空間S内の気体をチャンバ41外に排出する。排気装置72は、例えば排気ポンプである。なお、排気孔71がガス吐出部50の外側に環状に形成されていてもよい。なお、排気孔71は、上方から見たときに、ウエハWの外周よりも外側に排気孔71の少なくとも一部が設けられている構成とすることができる。すなわち、排気孔71は、上面から見たときにその一部がウエハWと重なる位置に設けられていてもよい。
【0066】
処理空間Sでは、ウエハWの周囲の外周側に気体流路81の端部81a(処理空間S側の端部)が設けられる。この端部81aは、ウエハWの外周よりも外側(ウエハWの径方向外側)に設けられる。また、端部81aの位置は、ウエハWの上面よりも下側とすることができる。気体流路81の端部81aの位置は、サポートリング44の内周側端部44bの位置または形状によって制御することができる。すなわち、サポートリング44は、気体流路81を移動する気体の移動経路を規制し、流路面積を制御する整流部としても機能する。
【0067】
また、処理空間S内で中央に向けて突出するサポートリング44の上方には、上チャンバ43の天板43aとの間に気体流路82となり得る隙間から連続する外側空間S1が形成される。外側空間S1は、排気機構70の排気孔71よりも熱処理ユニットU8の径方向外周側に設けられる。また、外側空間S1は気体流路82よりも上下方向で見たときの断面積が大きくなっている。したがって、気体流路82から外側空間S1に導入される気体は、外側空間S1においてその流速が小さくなる。気体流路82は、処理空間S内の外側空間S1に対して気体を供給する第2気体供給部として機能する。
【0068】
なお、気体流路81及び気体流路82から供給される気体の種類は特に限定されず、例えば、大気であってもよい。また、処理用ガスが供給されるように気体流路81及び気体流路82に対してガス供給源を接続する構成であってもよい。
【0069】
(制御装置)
図1に示されるように、制御装置100は、機能上の構成として、記憶部101と制御部102とを備える。記憶部101は、熱処理ユニットU8を含む塗布・現像装置2の各部を動作させるためのプログラムを記憶している。記憶部101は、各種のデータ(例えば、熱処理ユニットU8を動作させるための指示信号に係る情報)や、各部に設けられたセンサ等からの情報をも記憶している。記憶部101は、例えば半導体メモリ、光記録ディスク、磁気記録ディスク、光磁気記録ディスクである。当該プログラムは、記憶部101とは別体の外部記憶装置や、伝播信号などの無形の媒体にも含まれ得る。これらの他の媒体から記憶部101に当該プログラムをインストールして、記憶部101に当該プログラムを記憶させてもよい。制御部102、記憶部101から読み出したプログラムに基づいて、塗布・現像装置2の各部の動作を制御する。
【0070】
制御装置100は、一つ又は複数の制御用コンピュータにより構成される。例えば制御装置100は、
図6に示される回路120を有する。回路120は、一つ又は複数のプロセッサ121と、メモリ122と、ストレージ123と、タイマー124と、入出力ポート125とを有する。ストレージ123は、例えばハードディスク等、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を有する。記憶媒体は、後述の基板処理手順を制御装置100に実行させるためのプログラムを記憶している。記憶媒体は、不揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク及び光ディスク等の取り出し可能な媒体であってもよい。メモリ122は、ストレージ123の記憶媒体からロードしたプログラム及びプロセッサ121による演算結果を一時的に記憶する。プロセッサ121は、メモリ122と協働して上記プログラムを実行することで、上述した各機能モジュールを構成する。タイマー124は、例えば一定周期の基準パルスをカウントすることで経過時間を計測する。入出力ポート125は、プロセッサ121からの指令に従って、熱処理ユニットU8との間で電気信号の入出力を行う。
【0071】
なお、制御装置100のハードウェア構成は、必ずしもプログラムにより各機能モジュールを構成するものに限られない。例えば制御装置100の各機能モジュールは、専用の論理回路又はこれを集積したASIC(Application Specific Integrated Circuit)により構成されていてもよい。
【0072】
[熱処理ユニットでの動作について]
図4に戻り、熱処理ユニットU8における熱処理時の動作について説明する。熱処理時には、制御装置100の制御部102は、まずチャンバ駆動部45を駆動することにより上チャンバ43を上昇させる。これにより、チャンバ41内の空間は、チャンバ41の外側の空間と接続される。次に、制御装置100の制御部102は、ウエハWをチャンバ41内に搬入するように搬送装置A3及びウエハ昇降機構30を制御する。例えば、ウエハ昇降制御部112が昇降駆動部32を駆動して支持ピン31を上昇させた状態で、制御装置100は支持ピン31上にウエハWを配置するように搬送装置A3を制御する。
【0073】
次に、制御装置100の制御部102は、チャンバ駆動部45を駆動することにより上チャンバ43を下降させる。制御部102の制御により、ウエハ昇降制御部112が昇降駆動部32を駆動することにより支持ピン31を下降させ、支持ピン31に支持されているウエハWを熱板21に載置させる。このようにチャンバ41内において処理空間Sが形成され、ウエハWが載置面21aに載置されることで、処理対象のウエハWの熱処理が開始される。
【0074】
ウエハWの熱処理を行っている間は、制御装置100の制御部102は、ガス供給機構60及び排気機構70を動作させて、処理空間S内のガスの流れを制御する。具体的には、制御装置100の制御により、ガス供給機構60からガス吐出部50を経て処理空間S内に所定流量L1でガスを供給する。また、制御装置100の制御により、排気機構70によって処理空間S内のガスを所定流量L2で排気孔71から処理空間S外へ排出する。このとき、熱処理ユニットU8では、L1<L2となるようにガス供給機構60によるガス供給量と排気機構70によるガス排出量とが制御される。したがって、その差分(L2-L1)に対応する気体が、気体流路81及び気体流路82から処理空間S内に供給される。気体流路81及び気体流路82は処理空間S外と接続されているため、所定量(L2-L1)の気体が外部から供給されることになる。なお、気体流路82は閉状態とされている(上チャンバ43とサポートリング44とが当接して閉じている)か、または、気体流路81と比較して流路断面積が非常に小さい状態とされる。そのため、気体流路81を経て処理空間S内に供給される気体の量は、気体流路82を経て処理空間S内に供給される気体の量と比べて十分に大きくなる。また、気体流路81から供給される気体の流量L3は、ガス吐出部50から供給されるガスの流量L1よりも大きくなるように、すなわち、L3>L1の関係を満たすように制御される。
【0075】
上述のように、処理空間S内では、ガス吐出部50からウエハWの表面へ向けてほぼ均等に流量L1でガスが供給される。一方、排気孔71から排気される気体の流量L2は、流量L1よりも大きくなるため、差分に相当する気体が気体流路81(及び気体流路82)を経て外部から処理空間S内に供給される。ガス吐出部50からウエハWの表面に供給されたガス及び気体流路81(及び気体流路82)を経て外部から供給された気体は、いずれも排気機構70により排気孔71から外部へ排出される。そのため、ウエハW表面では、ウエハW中央から外周へ向かう径方向にガスが移動する。また、ウエハWの周囲では、気体流路81から処理空間S内に供給される気体が排気孔71へ移動するので、上昇流が形成される。ウエハWに沿って径方向に移動したガスも上記の上昇流に含まれる形で、上方へ移動し、排気孔71から排出される。なお、「上昇流」とは上方向へ向かう気体の流れをいう。
【0076】
ここで、熱処理ユニットU8において処理を行うウエハWの表面に形成されている被膜がメタル含有レジストの被膜である場合、熱処理中にウエハW表面から金属成分を含む昇華物が発生する。この昇華物は熱板21よりも低温の周辺部材(例えばチャンバ41)に付着しやすい傾向がある。また、この昇華物は金属成分を含むことから熱処理ユニットU8の壁面、底面、天面等に付着すると装置の汚染を引き起こし得る。また、昇華物の付着により装置の性能低下が発生する可能性も考えられる。なお、この昇華物は、ウエハW表面近傍のガスと移動し得る。したがって、処理空間S内での昇華物の飛散を抑制するためには、ウエハW表面上の昇華物を含み得る気体が処理空間S内で分散しないように機体の移動を制御することが求められる。
【0077】
一方、ウエハW表面におけるガスの分布はウエハW上のレジストパターンの品質、特に線幅(CD)の均一性に影響する。メタル含有レジストを用いたレジストパターンの寸法は、熱処理中のチャンバ41内の水分量に影響を受ける。1つのウエハW上での水分量の分布に偏りが生じると被膜内で反応する水分量(反応水分量)も偏る。したがって、ウエハW表面ではガス吐出部50に対して供給されるガスが均質となり、且つ熱処理中においてウエハWの中心領域と外周領域とでの反応水分量の差を小さくすること求められる。ウエハW表面のレジストパターンの線幅の均一性は、ウエハWから得られる半導体製品等の品質とも関係する。したがって、レジストパターンの線幅の均一性が向上するようにウエハW上でのガスの移動を制御することが求められる。
【0078】
上記の点に関して、熱処理ユニットU8では、ウエハWの外周に排気孔71を設け、且つ、ウエハW表面へ向けてガスが供給されるガス吐出部50のほかにウエハWの外周においても気体流路81を設けている。これにより、ウエハWの外周端部近傍から排気孔71へ向かう上昇流が形成される。このとき、ガス吐出部50からウエハWの表面に供給されてウエハW表面に沿って移動する昇華物を含み得る気体も、上昇流と共に排気孔71へ移動する。したがって、上昇流よりも外周側の周辺部材等への昇華物の付着を防ぐことができる。なお、排気孔71は、上方から見たときにウエハWに近い位置で且つウエハWの周縁よりも外側に配置された領域を含んでいる構成とした場合のほうが、昇華物の飛散を抑制することができる。上方から見たときに排気孔71がウエハWの外周に設けられている場合であっても、排気孔71がチャンバの側壁(上チャンバ43の側壁43b)に近い位置にあると、上昇流がチャンバの側壁近傍に形成されることになる。このような場合は、昇華物の飛散可能性が高まると考えられる。すなわち、排気孔71は、上方から見たときにウエハWと近接する位置に設ける構成とすることで、昇華物の飛散をさらに抑制できる。
【0079】
なお、ウエハWの外周での上昇流がある程度整った状態で流れている場合、ウエハW表面上のガスがウエハWの外周付近において排気孔71へスムーズに流れやすくなると考えられる。そのためには、気体流路81の端部81aにおける気体の流速をある程度大きくし、気体流路81からの気体が処理空間S内に導入された際の上昇流の流速をある程度大きくすることが考えられる。熱処理ユニットU8では、上記の状態を実現するためにサポートリング44が整流部として機能している。
【0080】
サポートリング44の配置による気体流路81の端部81aの形状と処理空間S内での気体及び昇華物の移動の状態について、
図7及び
図8を参照しながら説明する。
【0081】
図7(a)は、処理空間S内のウエハWの外側での気体の移動をシミュレーションした結果を示したものである。また、
図7(b)は、ウエハWからの昇華物の移動についてシミュレーションした結果を示したものである。また、
図7(c)は
図7(b)のうちウエハWの外側を拡大したものである。なお、
図7(b)では、ウエハWの中心に対応する位置に中心線Xを示している。
【0082】
図7(a)に示すように、ウエハWの外側では、気体流路81から供給される気体が、気体流路81の端部81a付近から進路方向を変更し、上方へ移動する上昇流F1が形成される。この上昇流F1は、排気孔71からの排気量が大きいために形成されるものである。一方、ウエハWの表面に沿って径方向に沿って外周方向へ移動する気体は、上昇流F1と合流して上方へ移動する。なお、気体流路82が開口している場合(気体流路82からの気体の供給が生じ得る場合)は、
図7(a)に示すように、気体流路82から供給された気体は、外側空間S1を移動して排気孔71へ到達する。したがって、気体流路82から気体が導入される場合は、外側空間S1を流れる気体は上昇流F1を妨げない程度の流れを形成して排気孔71へ移動する。
【0083】
また、
図7(b)に示すように、ウエハWの上方ではウエハW表面からの昇華物が飛散をしているが、特に
図7(c)に示すように、昇華物は、ウエハWの外周への飛散が抑制されている。このように、処理空間S内では、上昇流F1が形成されていることにより、ウエハW上方を移動するガスが上昇流F1よりも外側へ移動することが抑制されるため、昇華物の外側への飛散を抑制することができる。
【0084】
図8では、サポートリング44の内周側端部44bを、
図7に示す状態よりもウエハW側へ近付けた状態でのシミュレーションの結果を示している。
図8(a)は、
図7(a)に対応するシミュレーション結果を示したものであり、
図8(b)は、
図7(c)に対応するシミュレーション結果を示したものである。
【0085】
図8(a)においても、
図7(a)と同様に、ウエハWの外側において、気体流路81から供給される気体が、気体流路81の端部81a付近から進路方向を変更し、上方へ移動する上昇流F2が形成されていることがわかる。ただし、
図7(a)に示す例と比較して、上昇流F2がウエハWの外周端部近傍で曲がっていてその曲率が鋭くなっている。これは、気体流路81の端部81aが
図7(a)に示す例よりもウエハWに近くなっているため、排気孔71との位置関係から気体の進路が鋭く変化することに由来していると考えられる。また、端部81aとウエハWとの距離が近くなっていることにより、
図8(b)に示すようにウエハWの側面とサポートリング44とによって形成される流路の幅W2が、
図7(c)に示す幅W1よりも小さくなっている。この結果、
図8(b)に示す例では
図7(c)に示す例と比較して、この領域を気体が移動する際に気体が拡がることが抑制される、より幅狭の上昇流F2が形成されると考えられる。この幅W1,W2は、当該位置における流路面積に相当する。
【0086】
このように上昇流F2がウエハWの端部近くで形成されている結果、
図8に示す例では、ウエハWの表面近くでの昇華物の飛散がさらに抑制される。このことは、
図8(b)と
図7(c)との比較から確認することができる。また、
図8(b)に示す例では、
図7(c)と比較してウエハWの端縁からウエハWの外周壁に沿って下側に移動する昇華物が低減していることが確認される。このように、ウエハWの端部近くである程度強い上昇流F2を形成することで、ウエハWの端縁からの昇華物の落下等も防ぐことができる。
【0087】
このように、気体流路81からどの程度の気体を供給して上昇流を形成するかによって、上昇流による昇華物の飛散を抑制する効果を変化させることができる。
【0088】
一方、上述したようにウエハW表面におけるガスの分布はウエハW上のレジストパターンの品質に影響する。したがって、ウエハW表面でのガスの流れの偏りによってレジストパターンの線幅の均一性が低下しないように、ウエハW上でのガスの移動を制御することが求められる。これに対して、熱板21上のウエハWに対向する面に沿って点在する複数の吐出孔51を有するガス吐出部50を用いることで、ウエハW表面に向けたガスの供給に係るばらつきを低減することができる。ただし、排気孔71へ向かう気体の流量が大きくなりすぎると、ウエハW上に供給されたガスの移動が早くなりすぎてレジストパターンの品質に影響を与える可能性がある。したがって、レジストパターンの線幅の均一性が保たれる範囲で、ウエハW上でのガスの移動を制御する態様とすることができる。
【0089】
また、ガス吐出部50から供給するガスの量と、気体流路81及び気体流路82から導入する気体の量(2つの流路からの導入量の和)との比は、例えば、1:6~1:2の範囲とすることができる。また、気体流路81及び気体流路82から導入する気体の量(2つの流路からの導入量の和)に対して、気体流路82から導入する気体の量の割合は、例えば、30%以下とすることができる。上記の範囲となるように各部からの気体の移動を制御することで、上昇流を形成することによって昇華物の飛散を抑制しながら、ウエハWにおけるレジストパターンの線幅の均一性を高めることができる。
【0090】
[作用]
以上のように、上記の熱処理装置(熱処理ユニットU8)及び熱処理方法によれば、ガス吐出部50から処理用ガスがウエハWの表面に設けて吐出されることにより、ウエハWの熱処理が促進される。一方、熱処理ユニットU8では、気体流路81と、排気孔71からチャンバ内を排気する排気機構70と、によって、これらの間を流れる気体によって基板の周囲に上昇流が形成される。このため、熱処理時にウエハWから発生した昇華物の移動が上昇流によって遮られる。したがって、基板上の被膜からの昇華物の飛散を抑制することが可能となる。
【0091】
また、上記で説明したように、メタル含有レジストを用いる場合、被膜からの昇華物が金属成分を含有するため、装置内の各部に付着することによる影響が大きくなり得る。このような場合に上記の構成を採用することで、基板上の被膜からの金属成分を含有する昇華物の飛散を抑制することが可能となる。したがって、装置への昇華物の付着による影響を効果的に小さくすることができる。
【0092】
また、上記で説明したようにウエハWよりも外周から前記チャンバ内に気体を供給することで、ウエハWの周囲においてより気流が強化された上昇流を形成することができる。
【0093】
気体供給部は、チャンバ内と接続された気体流路81と、気体流路81のチャンバ41側の端部81aにおいて、流路面積を制御する整流部としてのサポートリング44と、を含む場合、これらによって流路面積を制御することができる。したがって、例えば、昇華物の飛散をより抑制することが可能な上昇流を制御することも可能となる。また、ウエハW上のレジストパターンの品質を考慮して上昇流を制御することも可能となる。
【0094】
また、上記のように排気部としての排気機構70の排気孔71よりもウエハWの径方向外側に外側空間S1が設けられていて、外側空間S1に接続された第2気体供給部としての気体流路82からも気体が供給される構成とすることができる。この場合、気体流路82から供給された外側空間S1を移動する気体も排気孔71へ向かって移動するため、上昇流の乱れを防ぐことができ、昇華物の飛散を抑制することができる。このとき、気体流路82が、サポートリング44側、すなわち、下方で外側空間S1に対して接続されていると、外側空間及びその近傍での気体の滞留等を防ぐことができる。
【0095】
また、上記で説明したように、気体流路81が熱板21からの熱を伝熱可能とされている場合、気体流路81を移動する気体が熱板からの熱によって加熱された状態でチャンバ内に供給することができる。したがって、気体流路81からの気体の供給によるチャンバ41内の温度変動等を抑制することができる。
【0096】
また、ガス吐出部50のようには、熱板21上のウエハWに対向する面に沿って点在する複数の吐出孔51を含む場合、処理用ガスをウエハWの表面に設けてより均一に吐出することができるので、レジストパターンの品質を高めることができる。
【0097】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る熱処理装置(熱処理ユニットU8A)について説明する。
図9は、第2実施形態に係る熱処理ユニットU8Aの一例を示す図である。
図9に示されるように、熱処理ユニットU8Aは、加熱機構20と、ウエハ昇降機構30(昇降部)と、収容機構40と、ガス供給機構60(ガス供給部)と、排気機構70(排気部)と、を備える。この点は、第1実施形態に係る熱処理ユニットU8と同様である。また、気体流路81,82の構成についても熱処理ユニットU8と同様である。熱処理ユニットU8Aが熱処理ユニットU8と異なる点は、排気機構70の配置である。
【0098】
熱処理ユニットU8Aでは、排気機構70(排気部)の排気孔71がガス吐出部50のウエハWとの対向面50aの周縁よりも内側に設けられる。
図9に示す例では、排気孔71は、対向面50aの中央付近に設けられている。
図9では排気孔71が複数(2個)示されているが、排気孔71は中央に1個設けられる構成であってもよい。排気孔71が複数設けられている場合は、排気孔71の中央側に吐出孔51が設けられてもよい。そのときの吐出孔51は、排気孔71よりも外側部分のものと同様のサイズや分布密度で設けられていてもよい。さらに、
図9に示す例では、排気孔71とガス供給機構60のガス供給路61とが二重構造になっているが、この部分の構造は特に限定されない。
【0099】
熱処理ユニットU8Aにおいても、制御装置100の制御部102によるガスの流れの制御は、熱処理ユニットU8と同様にされる。すなわち、ウエハWの熱処理を行っている間は、制御部102によりガス供給機構60及び排気機構70を動作させて、ガス供給機構60からガス吐出部50を経て処理空間S内に所定流量L1でガスを供給する。また、制御装置100の制御により、排気機構70によって処理空間S内のガスを所定流量L2で排気孔71から処理空間S外へ排出する。このときの流量の関係はL1<L2となるようにガス供給機構60によるガス供給量と排気機構70によるガス排出量とが制御される。したがって、その差分(L2-L1)に対応する気体が、気体流路81及び気体流路82から処理空間S内に供給される。また、気体流路82は閉状態とされている(上チャンバ43とサポートリング44とが当接して閉じている)か、または、気体流路81と比較して流路断面積が非常に小さい状態とされる。そのため、気体流路81を経て処理空間S内に供給される気体の量は、気体流路82を経て処理空間S内に供給される気体の量と比べて十分に大きくなる。また、気体流路81から供給される気体の流量L3は、ガス吐出部50から供給されるガスの流量L1よりも大きくなるように、すなわち、L3>L1の関係を満たすように制御される。
【0100】
上記のように気体の流量を制御した場合、気体流路81から供給される気体が、気体流路81の端部81a付近から進路方向を変更し、ウエハWの中央方向(排気孔71が設けられている方向)へ移動しながら上方へ移動する上昇流F3が形成される。この上昇流F3は、排気孔71からの排気量が大きいために形成されるものである。ただし、上昇流F3は、第1実施形態で説明した上昇流F1,F2と比べて、ウエハWの内周側へ向かう気体の流れとなる。
【0101】
排気孔71がガス吐出部50のウエハWとの対向面50aの周縁よりも内側に設けられる場合、気体流路81の端部81aから流入する気体は、ウエハWの外周よりも内側に設けられた排気孔71へ向けて移動する。したがって、熱処理時にウエハWから発生した昇華物は上昇流F3と共に排気孔71へ向けて移動することになる。
【0102】
このように、熱処理装置(熱処理ユニットU8A)においても、ガス吐出部50から処理用ガスがウエハWの表面に設けて吐出されることにより、ウエハWの熱処理が促進される。一方、熱処理ユニットU8では、気体流路81と、排気孔71からチャンバ内を排気する排気機構70と、によって、これらの間を流れる気体によって基板の周囲に上昇流が形成される。このため、熱処理時にウエハWから発生した昇華物の移動が上昇流によって遮られる。したがって、基板上の被膜からの昇華物の飛散を抑制することが可能となる。
【0103】
また、
図9に示すように、排気孔71がガス吐出部50(の対向面50a)の周縁よりも内側に設けられる場合、上昇流F3がウエハWの内側に向かうように形成される。この場合、特にウエハWの周縁よりも外側であって、処理空間S内の下方(例えば、熱板21の表面、サポートリング44の内周側端部44b)における昇華物の付着を防ぐことができる。これは上昇流F3がウエハWの内側へ向かう構成とすることによって、第1実施形態で示した構成例と比べてウエハWの周縁よりも外側へ移動する気体の流れをさらに抑制することができるためであると考えられる。したがって、特に処理空間S内の下方における昇華物の付着を防ぐという点では、排気孔71をガス吐出部50(の対向面50a)の周縁よりも内側に配置する構成が有利であるといえる。
【0104】
なお、ガス吐出部50(の対向面50a)の周縁よりも内側での排気孔71の配置は特に限定されない。ただし、ウエハWの全周にわたってその周縁よりも外側へ向かう気体の流れを略均等に抑制するためには、ガス吐出部50(の対向面50a)の中央付近に排気孔71を配置することが考えられる。ウエハWの外周に設けられる気体流路81,82と排気孔71との距離に大きなばらつきが出ないように排気孔71を配置することによって、ウエハWの全周においてその周辺への昇華物の飛散を抑制することができる。
【0105】
[その他]
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
【0106】
例えば熱処理ユニットU8に対して気体を供給する気体流路81,82の構成は上記の実施形態に限定されない。例えば、気体流路81は、チャンバ41側の出口がウエハWの表面よりも下方に配置されている範囲で、その流路を適宜変更することができる。上記では、気体流路81は熱板21の表面に沿って水平方向に延びた領域を有しているが、例えば、熱板21を貫通するように気体流路81を設けてもよい。
【0107】
また、上記では、外側空間S1が設けられている場合について説明したが、外側空間S1は設けられていなくてもよい。その場合、上チャンバ43の形状を外側空間S1が存在しないような形状に変更し、且つ、サポートリング44の整流部としての機能も上チャンバ43が有するような構成としてもよい。
【0108】
以上の説明から、本開示の種々の実施形態は、説明の目的で本明細書で説明されており、本開示の範囲及び主旨から逸脱することなく種々の変更をなし得ることが、理解されるであろう。したがって、本明細書に開示した種々の実施形態は限定することを意図しておらず、真の範囲と主旨は、添付の特許請求の範囲によって示される。
【符号の説明】
【0109】
1…基板処理システム、2…塗布・現像装置、20…加熱機構、21…熱板、21a…載置面、22…熱板ヒータ、30…ウエハ昇降機構、40…収容機構、41…チャンバ、42…下チャンバ、43…上チャンバ、44…サポートリング、45…チャンバ駆動部、50…ガス吐出部、51…吐出孔、60…ガス供給機構、70…排気機構、71…排気孔、72…排気装置、81,82…気体流路。