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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】浮遊物回収装置、ポンプ機場
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/40 20230101AFI20241004BHJP
   B63B 35/32 20060101ALI20241004BHJP
   E02B 15/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
C02F1/40 J
B63B35/32 C
E02B15/00 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020132131
(22)【出願日】2020-08-04
(65)【公開番号】P2022029032
(43)【公開日】2022-02-17
【審査請求日】2023-05-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】常田 友紀
(72)【発明者】
【氏名】能見 基彦
【審査官】石岡 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-195759(JP,A)
【文献】特開平10-095393(JP,A)
【文献】特開2001-017994(JP,A)
【文献】特開2016-022452(JP,A)
【文献】特開昭52-121863(JP,A)
【文献】特開2015-092080(JP,A)
【文献】特開2016-118082(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F1/40
B63B1/00-85/00
B63J1/00-99/00
E02B15/00-15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水面に浮遊する浮遊物を回収し、指定の場所に帰還する浮遊物回収装置であって、
前記浮遊物を回収する浮遊物回収部材と、
前記浮遊物回収部材を前記水面に沿って移動させる推進器と、
前記推進器の動作を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記推進器の動力一定制御をしている場合の前記浮遊物回収装置の速度低下、若しくは、前記推進器の速度一定制御をしている場合の前記推進器の動力増加に基づいて、前記指定の場所に帰還するタイミングを制御する、ことを特徴とする浮遊物回収装置。
【請求項2】
前記浮遊物回収部材は、籠状または袋状に形成された有機物である、請求項1に記載の浮遊物回収装置。
【請求項3】
前記浮遊物回収部材を前記水面に浮遊させるフロートを備え、
前記フロートは、中空体または椀状に形成された有機物である、請求項1または2に記載の浮遊物回収装置。
【請求項4】
前記推進器は、空中に配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の浮遊物回収装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の浮遊物回収装置を備える、ことを特徴とするポンプ機場。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浮遊物回収装置、ポンプ機場に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、海、湖、川等の水面上に浮遊するゴミ、油等の浮遊物を回収することができる浮遊物回収船が開示されている。この浮遊物回収船は、船体の左右一対に設けられた格子状のフロート保持用枠部と、フロート保持用枠部に保持されたフロート部と、左右一対のフロート保持用枠部間に架設され、フロート保持用枠部を連結する連結用枠部と、左右一対のフロート保持用枠部間に配設され、船体の進行方向に回収開口部を有する回収用バケットと、船体の後部に配設された船体推進用の船外機と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-335293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、都市排水等を担うポンプ機場においては、流入する水に多量の浮遊物が含まれている。ポンプに、浮遊物(プラスチックゴミ等)が流入すると、ゴミ詰まりの虞がある。現状では、ポンプの上流側に除塵機を設置してゴミを回収していたが、この除塵機により浮遊物を回収するためにはポンプを稼働する必要があった。また、除塵機では取り切れない小さい浮遊物は、人が掬って回収する必要があった。
【0005】
上記従来技術の浮遊物回収船は、遠隔操作受信機を備え、操作者によって操作させるジョイスティック等の操作装置からの信号を受信して、船外機のモータの駆動を制御する。これにより、浮遊物回収船を遠隔操作することができる。しかしながら、上述した都市排水等を担うポンプ機場においては、多量の浮遊物を含む水が随時流入してくるため、遠隔操作(手動)ではなく自動で浮遊物を回収する装置が求められている。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、水面に浮遊する多量の浮遊物を自動で回収することができる浮遊物回収装置、ポンプ機場の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る浮遊物回収装置は、水面に浮遊する浮遊物を回収し、指定の場所に帰還する浮遊物回収装置であって、前記浮遊物を回収する浮遊物回収部材と、前記浮遊物回収部材を前記水面に沿って移動させる推進器と、前記推進器の動作を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記浮遊物回収装置の速度、若しくは、前記推進器の動力の消費量に基づいて、前記指定の場所に帰還するタイミングを制御する。
【0008】
上記浮遊物回収装置においては、前記浮遊物回収部材は、籠状または袋状に形成された有機物であってもよい。
上記浮遊物回収装置においては、前記浮遊物回収部材を前記水面に浮遊させるフロートを備え、前記フロートは、中空体または椀状に形成された有機物であってもよい。
上記浮遊物回収装置においては、前記推進器は、空中に配置されていてもよい。
【0009】
本発明の一態様に係るポンプ機場は、先に記載の浮遊物回収装置を備える。
【発明の効果】
【0010】
上記本発明の一態様によれば、水面に浮遊する多量の浮遊物を自動で回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態における浮遊物回収装置を備えるポンプ機場の平面図である。
図2】一実施形態における浮遊物回収装置の正面図である。
図3】一実施形態における浮遊物回収装置のシステム構成図である。
図4】一実施形態における浮遊物回収装置を帰還させる制御装置の制御フローの一例である。
図5】一実施形態における浮遊物回収装置を帰還させる制御装置の制御フローの他の例である。
図6】一実施形態における浮遊物回収装置の変形例を示す右側面図である。
図7】一実施形態における浮遊物回収装置の他の変形例を示す正面図である。
図8】一実施形態における浮遊物回収部材から浮遊物を排出する方法を説明する説明図である。
図9】一実施形態における浮遊物回収部材から浮遊物を排出する他の方法を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、一実施形態における浮遊物回収装置10を備えるポンプ機場1の平面図である。
図1には、ポンプ機場1の吸込水槽2(貯水池)と、吸込水槽2上に設けられたポンプ建屋3の一部が図示されている。ポンプ建屋3内には、図示しないポンプが1または複数台設置されており、流入口3aからポンプ建屋3下に流入した液体は、ポンプに揚水され、図示しない吐出水槽に吐出される。
【0014】
ポンプが稼働していない期間であっても、特に、都市排水を担うポンプ機場1においては、吸込水槽2に多量の浮遊物Xを含む水が随時流入してくる。浮遊物Xとしては、空き缶やプラスチックゴミ(ペットボトル、ビニール袋、発泡スチロール等)を例示することができる。
【0015】
吸込水槽2には、浮遊物回収ステーション5が設けられている。浮遊物回収ステーション5には、浮遊物回収装置10が待機している。浮遊物回収装置10は、ポンプ建屋3に設置されて浮遊物Xを監視するカメラ4と無線通信を行い、浮遊物Xが基準値以上になると、浮遊物回収ステーション5から出動する。
【0016】
浮遊物回収装置10は、所定の回収経路100に沿って移動し、浮遊物Xを回収する。浮遊物Xを回収した浮遊物回収装置10は、浮遊物回収ステーション5に帰還する。浮遊物回収ステーション5では、図示しないクレーン等で浮遊物回収装置10を引き上げて、回収した浮遊物Xを地上に排出・集積した後、浮遊物回収装置10を再び水面Wに戻す。
【0017】
図2は、一実施形態における浮遊物回収装置10の正面図である。
浮遊物回収装置10は、図2に示すように、浮遊物回収部材20と、浮遊物回収部材20を装着した装置本体11と、を備えている。
【0018】
浮遊物回収部材20は、有底筒の籠状に形成され、進行方向前方の前端部20aが開口しており、進行方向後方の後端部20b及び側方が網目状に形成されている。この浮遊物回収部材20は、木材や竹材、または生分解性プラスチック等の、浮遊物Xと一緒に廃棄が可能な有機物から形成されているとよい。
【0019】
装置本体11は、推進器12及びフロート13が取り付けられた本体フレーム11aを備えている。本体フレーム11aは、浮遊物回収部材20を拘束するバンド11a1と、バンド11a1の一端を、本体フレーム11aに着脱可能に固定する固定具11a2と、を備えている。
【0020】
推進器12は、水中だと浮遊物Xを巻き込む虞があるため、エアボート等と同様に空中に配置されている。推進器12は、電動機またはエンジンによりプロペラを回転させる。推進器12は、装置本体11に2台設置されている。推進器12は、それぞれ水平旋回機能を有し、前後の動きだけでなく、左右の動きも制御する。なお、推進器12は1台で、図示しない方向舵またはサイドスラスターにより、左右の動きを制御しても構わない。
【0021】
フロート13は、本体フレーム11aの左右に一対で設けられている。フロート13は、中空体であり、浮遊物回収装置10全体が水面Wに浮く浮力を確保する。このフロート13は、浮遊物回収部材20と同様に、木材や竹材、または生分解性プラスチック等の、浮遊物Xと一緒に廃棄が可能な有機物から形成されているとよい。
【0022】
なお、フロート13は、浮力を確保できれば中空体ではなく椀状(例えば、紙コップ、ボウル、バケツ)であっても構わない。また、フロート13は、空気を入れて口を結んだビニール袋等であっても構わない。また、フロート13を除いても浮遊物回収装置10の浮力や安定性を確保できる場合、フロート13は無くても構わない。
【0023】
図3は、一実施形態における浮遊物回収装置10のシステム構成図である。
図3に示すように、浮遊物回収装置10は、推進器12の動作を制御する制御装置15と、浮遊物回収装置10の回収経路100(図1参照)を設定する回収経路設定部16と、を備えている。なお、制御装置15と回収経路設定部16は、機能(ソフト)は異なるが装置(ハード)としては一体であっても構わない。また、図示しないが、浮遊物回収装置10は、浮遊物回収装置10の速度、推進器12の動力の消費量等を計測する各種センサを備えている。
【0024】
回収経路設定部16は、カメラ4(図1参照)から得た撮像データを画像処理し、回収経路100を設定するとよい。浮遊物Xは、図1に示すように、ポンプ建屋3から上流側に向かって堆積していくため、浮遊物回収ステーション5から吸込水槽2の川幅方向に往復移動しつつ下流側(ポンプ建屋3側)に向かう九十九折り状に回収経路100を設定することが好ましい。
【0025】
制御装置15は、回収経路100に沿って浮遊物回収装置10が移動するように推進器12の動作を制御する。制御装置15は、例えば、カメラ4に映る浮遊物回収装置10(自身)から自己位置のフィードバックを得て、回収経路100に沿って移動する。また、制御装置15は、浮遊物回収装置10に搭載したGPS(Global Positioning System)から、自己位置のフィードバックを得ても構わない。
【0026】
制御装置15は、浮遊物Xを回収した浮遊物回収装置10が浮遊物回収ステーション5(指定の場所)に帰還するタイミングを制御する。具体的に、制御装置15は、浮遊物回収装置10の速度、若しくは、推進器12の動力の消費量に基づいて、浮遊物回収ステーション5に帰還するタイミングを制御する。
【0027】
図4は、一実施形態における浮遊物回収装置10を帰還させる制御装置15の制御フローの一例である。
図4に示す制御フローは、推進器12の動力の消費量に基づいて、浮遊物回収ステーション5に帰還するタイミングを制御している。
【0028】
先ず、制御装置15は、浮遊物回収装置10の速度が一定になるように推進器12を制御する(ステップS1)。浮遊物回収装置10の移動により、水面Wに浮遊する浮遊物Xが浮遊物回収部材20の中に回収されていくと、浮遊物回収部材20において流体抵抗が増加していく(ステップS2)。
【0029】
制御装置15は、推進器12の動力増加を検知する(ステップS3)。つまり、推進器12の速度一定制御をしている場合に、流体抵抗が増加すると推進器12の消費電力あるいは消費燃料が増加する。制御装置15は、推進器12の動力の消費量が所定の閾値以上になったら、浮遊物Xが十分に回収されたと判断し、そのタイミングで浮遊物回収装置10を浮遊物回収ステーション5に帰還させる(ステップS4)。
【0030】
図5は、一実施形態における浮遊物回収装置10を帰還させる制御装置15の制御フローの他の例である。
図5に示す制御フローは、浮遊物回収装置10の速度に基づいて、浮遊物回収ステーション5に帰還するタイミングを制御している。
【0031】
先ず、制御装置15は、推進器12の動力が一定になるように推進器12を制御する(ステップS11)。浮遊物回収装置10の移動により、水面Wに浮遊する浮遊物Xが浮遊物回収部材20の中に回収されていくと、浮遊物回収部材20において流体抵抗が増加していく(ステップS12)。
【0032】
制御装置15は、浮遊物回収装置10の速度低下を検知する(ステップS13)。つまり、推進器12の動力一定制御をしている場合に、流体抵抗が増加すると浮遊物回収装置10の速度が低下する。制御装置15は、浮遊物回収装置10の速度が所定の閾値以下になったら、浮遊物Xが十分に回収されたと判断し、そのタイミングで浮遊物回収装置10を浮遊物回収ステーション5に帰還させる(ステップS14)。
【0033】
このように、上述した本実施形態によれば、水面Wに浮遊する浮遊物Xを回収し、浮遊物回収ステーション5に帰還する浮遊物回収装置10であって、浮遊物Xを回収する浮遊物回収部材20と、浮遊物回収部材20を水面Wに沿って移動させる推進器12と、推進器12の動作を制御する制御装置15と、を備え、制御装置15は、浮遊物回収装置10の速度、若しくは、推進器12の動力の消費量に基づいて、浮遊物回収ステーション5に帰還するタイミングを制御する、という構成を採用することによって、水面Wに浮遊する多量の浮遊物Xを自動で回収することができる。また、この浮遊物回収装置10によれば、ポンプが稼働していないときでも自動で浮遊物Xを回収できる。また、図示しない除塵機では取り切れない、小さな浮遊物Xも回収できる。
【0034】
また、本実施形態においては、浮遊物回収部材20は、籠状または袋状に形成された有機物であるため、浮遊物Xと一緒に廃棄することが可能となる。これにより、浮遊物回収部材20からの浮遊物Xの排出や浮遊物回収部材20の洗浄等が不要になる。これにより、浮遊物回収装置10の回収サイクル(浮遊物回収ステーション5に帰還から出動まで)を短くすることができる。
【0035】
また、本実施形態においては、浮遊物回収部材20を水面Wに浮遊させるフロート13を備え、フロート13は、中空体または椀状に形成された有機物であるため、浮遊物回収部材20と同様に容易に廃棄することが可能となる。また、フロート13に浮遊物Xが絡まっていたとしても、浮遊物Xの除去や洗浄等が不要になる。
【0036】
また、本実施形態においては、推進器12は、空中に配置されているため、浮遊物Xを巻き込まなくて済む。
【0037】
以上、本発明の好ましい実施形態を記載し説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、特許請求の範囲によって制限されている。
【0038】
例えば、後述する図6図8に示す構成であっても構わない。なお、以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0039】
図6は、一実施形態における浮遊物回収装置10の変形例を示す右側面図である。
図6に示す浮遊物回収装置10は、袋状の浮遊物回収部材20を備えている。浮遊物回収部材20は、例えば、ビニール袋等であって、前端部20aが開口し、後端部20bに水抜き用の穴20b1が形成されている。
【0040】
浮遊物回収部材20の前端部20aの開口縁20a1は、装置本体11に固定されている。装置本体11は、前後に配置された一対のリング部材11b1,11b2と、一対のリング部材11b1,11b2の間を接続する複数の柱部材11cと、を備えている。前方に配置されたリング部材11b1には、浮遊物回収部材20の開口縁20a1を挟持するリング押さえ11dが固定具11eを介して固定されている。
【0041】
上記構成の浮遊物回収装置10によれば、推進器12によって浮遊物回収部材20を水面Wに沿って移動させることで、浮遊物Xを回収することができる。また、回収した浮遊物Xを浮遊物回収部材20(ビニール袋)と共に容易に廃棄することができる。
【0042】
図7は、一実施形態における浮遊物回収装置10の他の変形例を示す正面図である。
図7に示す浮遊物回収装置10は、無人航空機(いわゆるドローン)である。浮遊物回収装置10は、上述した本体フレーム11aを牽引するロープ30を備えている。ロープ30は、本体フレーム11aの上部に取り付けられた吊具31(アイナット等)に固縛されている。上記構成の浮遊物回収装置10によれば、空中に浮遊しているので、水面Wに浮遊する浮遊物Xが、推進器12に巻き込まれることがない。
【0043】
図8は、一実施形態における浮遊物回収部材20から浮遊物Xを排出する方法を説明する説明図である。図9は、一実施形態における浮遊物回収部材20から浮遊物Xを排出する他の方法を説明する説明図である。なお、図8及び図9では、図7に示す浮遊物回収装置10を例示しているが、図2に示す浮遊物回収装置10であっても、クレーンで浮遊物回収部材20を吊り上げれば、同じように浮遊物Xを排出できる。
図8は、浮遊物回収部材20の前端部20aを後端部20bよりも下げて、浮遊物Xを排出している。また、図9は、浮遊物回収部材20にヒンジ25が設けられており、ヒンジ25を介して浮遊物回収部材20を二つに割って、浮遊物Xを排出しても構わない。
【符号の説明】
【0044】
1 ポンプ機場
2 吸込水槽
3 ポンプ建屋
3a 流入口
4 カメラ
5 浮遊物回収ステーション(指定の場所)
10 浮遊物回収装置
11 装置本体
11a 本体フレーム
11a1 バンド
11a2 固定具
11b1 リング部材
11b2 リング部材
11c 柱部材
11e 固定具
12 推進器
13 フロート
15 制御装置
16 回収経路設定部
20 浮遊物回収部材
20a 前端部
20a1 開口縁
20b 後端部
20b1 穴
25 ヒンジ
30 ロープ
31 吊具
100 回収経路
W 水面
X 浮遊物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9