(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】荷電粒子線装置の撮像画像に係る条件決定方法、装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H01J 37/22 20060101AFI20241004BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H01J37/22 502H
H01L21/66 J
(21)【出願番号】P 2021124636
(22)【出願日】2021-07-29
【審査請求日】2024-02-06
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西畑 貴博
(72)【発明者】
【氏名】高木 裕治
(72)【発明者】
【氏名】山本 琢磨
(72)【発明者】
【氏名】後藤 泰範
(72)【発明者】
【氏名】豊田 康隆
【審査官】後藤 慎平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/116634(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/130365(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 37/00-37/36
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子線装置の撮像画像に係る条件決定方法であって、
前記方法は、プロセッサが、複数の撮像画像を取得することを含み、
各前記撮像画像は、
‐ウェハ上に形成されたパターンに荷電粒子線を照射することと、
‐前記パターンから放出される電子を検出することと、
を介して生成された画像であり、
各前記撮像画像は、1つ以上の撮像条件のいずれかに従って撮像された画像であり、
前記方法は、さらに、
‐前記プロセッサが、各前記撮像画像について、教示情報を取得することと、
‐前記プロセッサが、1つ以上の特徴量決定条件を取得することと、
‐前記プロセッサが、各前記撮像画像について、各前記特徴量決定条件に基づいて特徴量を算出することと、
を含み、
前記撮像条件および前記特徴量決定条件のうち少なくとも一方は複数であり、
前記方法は、
‐前記プロセッサが、前記撮像条件および前記特徴量決定条件の組み合わせからなる条件セットのそれぞれについて、前記複数の撮像画像に基づき、前記特徴量と、前記教示情報との回帰曲線を取得することと、
‐前記プロセッサが、前記回帰曲線に基づいて、前記条件セットのうち1つ以上を選択することと、
を含
み、
前記特徴量決定条件は、複数の画像処理条件からなる組み合わせを含み、
前記プロセッサは、各前記撮像画像について、各前記画像処理条件に基づいて部分領域を抽出することを介して、前記特徴量を算出する、方法。
【請求項2】
荷電粒子線装置の撮像画像に係る条件決定方法であって、
前記方法は、プロセッサが、複数の撮像画像を取得することを含み、
各前記撮像画像は、
‐ウェハ上に形成されたパターンに荷電粒子線を照射することと、
‐前記パターンから放出される電子を検出することと、
を介して生成された画像であり、
各前記撮像画像は、1つ以上の撮像条件のいずれかに従って撮像された画像であり、
前記方法は、さらに、
‐前記プロセッサが、各前記撮像画像について、教示情報を取得することと、
‐前記プロセッサが、1つ以上の特徴量決定条件を取得することと、
‐前記プロセッサが、各前記撮像画像について、各前記特徴量決定条件に基づいて特徴量を算出することと、
を含み、
前記撮像条件および前記特徴量決定条件のうち少なくとも一方は複数であり、
前記方法は、
‐前記プロセッサが、前記撮像条件および前記特徴量決定条件の組み合わせからなる条件セットのそれぞれについて、前記複数の撮像画像に基づき、前記特徴量と、前記教示情報との回帰曲線を取得することと、
‐前記プロセッサが、前記回帰曲線に基づいて、前記条件セットのうち1つ以上を選択することと、
を含み、
前記教示情報は、半導体パターンのオーバーレイ誤差を含む、方法。
【請求項3】
荷電粒子線装置の撮像画像に係る条件決定方法であって、
前記方法は、プロセッサが、複数の撮像画像を取得することを含み、
各前記撮像画像は、
‐ウェハ上に形成されたパターンに荷電粒子線を照射することと、
‐前記パターンから放出される電子を検出することと、
を介して生成された画像であり、
各前記撮像画像は、1つ以上の撮像条件のいずれかに従って撮像された画像であり、
前記方法は、さらに、
‐前記プロセッサが、各前記撮像画像について、教示情報を取得することと、
‐前記プロセッサが、1つ以上の特徴量決定条件を取得することと、
‐前記プロセッサが、各前記撮像画像について、各前記特徴量決定条件に基づいて特徴量を算出することと、
を含み、
前記撮像条件および前記特徴量決定条件のうち少なくとも一方は複数であり、
前記方法は、
‐前記プロセッサが、前記撮像条件および前記特徴量決定条件の組み合わせからなる条件セットのそれぞれについて、前記複数の撮像画像に基づき、前記特徴量と、前記教示情報との回帰曲線を取得することと、
‐前記プロセッサが、前記回帰曲線に基づいて、前記条件セットのうち1つ以上を選択することと、
を含み、
前記教示情報は、荷電粒子線の照射角度を含む、方法。
【請求項4】
荷電粒子線装置の撮像画像に係る条件決定方法であって、
前記方法は、プロセッサが、複数の撮像画像を取得することを含み、
各前記撮像画像は、
‐ウェハ上に形成されたパターンに荷電粒子線を照射することと、
‐前記パターンから放出される電子を検出することと、
を介して生成された画像であり、
各前記撮像画像は、1つ以上の撮像条件のいずれかに従って撮像された画像であり、
前記方法は、さらに、
‐前記プロセッサが、各前記撮像画像について、教示情報を取得することと、
‐前記プロセッサが、1つ以上の特徴量決定条件を取得することと、
‐前記プロセッサが、各前記撮像画像について、各前記特徴量決定条件に基づいて特徴量を算出することと、
を含み、
前記撮像条件および前記特徴量決定条件のうち少なくとも一方は複数であり、
前記方法は、
‐前記プロセッサが、前記撮像条件および前記特徴量決定条件の組み合わせからなる条件セットのそれぞれについて、前記複数の撮像画像に基づき、前記特徴量と、前記教示情報との回帰曲線を取得することと、
‐前記プロセッサが、前記回帰曲線に基づいて、前記条件セットのうち1つ以上を選択することと、
を含み、
前記教示情報は、電気特性情報を含む、方法。
【請求項5】
荷電粒子線装置の撮像画像に係る条件決定方法であって、
前記方法は、プロセッサが、複数の撮像画像を取得することを含み、
各前記撮像画像は、
‐ウェハ上に形成されたパターンに荷電粒子線を照射することと、
‐前記パターンから放出される電子を検出することと、
を介して生成された画像であり、
各前記撮像画像は、1つ以上の撮像条件のいずれかに従って撮像された画像であり、
前記方法は、さらに、
‐前記プロセッサが、各前記撮像画像について、教示情報を取得することと、
‐前記プロセッサが、1つ以上の特徴量決定条件を取得することと、
‐前記プロセッサが、各前記撮像画像について、各前記特徴量決定条件に基づいて特徴量を算出することと、
を含み、
前記撮像条件および前記特徴量決定条件のうち少なくとも一方は複数であり、
前記方法は、
‐前記プロセッサが、前記撮像条件および前記特徴量決定条件の組み合わせからなる条件セットのそれぞれについて、前記複数の撮像画像に基づき、前記特徴量と、前記教示情報との回帰曲線を取得することと、
‐前記プロセッサが、前記回帰曲線に基づいて、前記条件セットのうち1つ以上を選択することと、
を含み、
前記特徴量決定条件は、輝度に関する情報を含む、方法。
【請求項6】
請求項
1に記載の方法において、
前記特徴量は、
‐前記部分領域の面積、
‐前記部分領域の周の長さ、
‐前記部分領域の最大径、および
‐前記部分領域の最小径、
のうち少なくとも1つを含む、方法。
【請求項7】
請求項
1に記載の方法において、
前記画像処理条件は、第1画像処理条件および第2画像処理条件を含み、
前記プロセッサは、各前記撮像画像について、前記第1画像処理条件に基づいて第1部分領域を抽出し、
前記プロセッサは、各前記撮像画像について、前記第2画像処理条件に基づいて第2部分領域を抽出し、
前記特徴量は、
‐前記第1部分領域の中心位置と、前記第2部分領域の中心位置とのずれ量、
‐前記第1部分領域と前記第2部分領域とが重なっている部分の面積、
‐前記第1部分領域と前記第2部分領域とが重なっている部分の周の長さ、
‐前記第1部分領域と前記第2部分領域とが重なっている部分の最大径、および
‐前記第1部分領域と前記第2部分領域とが重なっている部分の最小径
のうち少なくとも1つを含む、方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の方法において、
前記撮像条件は、
‐前記荷電粒子線の照射エネルギ、および、
‐放出される前記電子を検出する際に用いられるエネルギのしきい値、
の少なくとも一方に関する情報を含む、方法。
【請求項9】
請求項1
~7のいずれか一項に記載の方法において、
前記回帰曲線は直線である、方法。
【請求項10】
請求項1
~7のいずれか一項に記載の方法において、
前記回帰曲線は、半導体パターンに係る寸法をパラメタに用いて表される、方法。
【請求項11】
請求項1
~7のいずれか一項に記載の方法において、
前記回帰曲線は、多項式曲線、双曲線、またはシグモイド曲線である、方法。
【請求項12】
請求項1
~7のいずれか一項に記載の方法において、
前記撮像画像は、複数の位置で撮像された画像を含む、方法。
【請求項13】
請求項1
~7のいずれか一項に記載の方法において、
前記方法は、前記プロセッサが、前記教示情報および前記特徴量決定条件を取得するためのグラフィカルユーザインタフェースを出力することを含む、方法。
【請求項14】
請求項
13に記載の方法において、
前記グラフィカルユーザインタフェースは、
‐前記撮像条件を選択するための選択ボックスと、
‐前記特徴量決定条件を選択するための選択ボックスと、
‐前記教示情報を選択するための選択ボックスと、
を表示する、方法。
【請求項15】
請求項
13に記載の方法において、
前記グラフィカルユーザインタフェースは、前記撮像条件に関連付けられた教示情報を表示する、方法。
【請求項16】
請求項1
~7のいずれか一項に記載の方法において、
前記方法は、前記プロセッサが前記撮像条件を取得することをさらに含み、
前記複数の撮像画像のそれぞれは、前記撮像条件のいずれかに関連して取得される、
方法。
【請求項17】
請求項1
~7のいずれか一項に記載の方法において、
前記方法は、前記ウェハを識別するためのウェハIDを前記プロセッサが取得することをさらに含み、
前記複数の撮像画像のそれぞれは、前記ウェハIDに関連して取得される、
方法。
【請求項18】
請求項1
~7のいずれか一項に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項19】
プロセッサと、
プログラムを記憶する記憶媒体と、
を有する計算機であって、
前記プログラムを実行することで、前記プロセッサは、複数の撮像画像を取得し、
各前記撮像画像は、
‐ウェハ上に形成されたパターンに荷電粒子線を照射することと、
‐前記パターンから放出される電子を検出することと、
を介して生成された画像であり、
各前記撮像画像は、1つ以上の撮像条件のいずれかに従って撮像された画像であり、
前記プログラムを実行することで、前記プロセッサは、さらに、
‐各前記撮像画像について、教示情報を取得し、
‐1つ以上の特徴量決定条件を取得し、
‐各前記撮像画像について、各前記特徴量決定条件に基づいて特徴量を算出し、
前記撮像条件および前記特徴量決定条件のうち少なくとも一方は複数であり、
前記プログラムを実行することで、前記プロセッサは、
‐前記撮像条件および前記特徴量決定条件の組み合わせからなる条件セットのそれぞれについて、前記複数の撮像画像に基づき、前記特徴量と、前記教示情報との回帰曲線を取得し、
‐前記回帰曲線に基づいて、前記条件セットのうち1つ以上を選択
し、
前記特徴量決定条件は、複数の画像処理条件からなる組み合わせを含み、
前記プロセッサは、各前記撮像画像について、各前記画像処理条件に基づいて部分領域を抽出することを介して、前記特徴量を算出する、
計算機。
【請求項20】
プロセッサと、
プログラムを記憶する記憶媒体と、
を有する計算機であって、
前記プログラムを実行することで、前記プロセッサは、複数の撮像画像を取得し、
各前記撮像画像は、
‐ウェハ上に形成されたパターンに荷電粒子線を照射することと、
‐前記パターンから放出される電子を検出することと、
を介して生成された画像であり、
各前記撮像画像は、1つ以上の撮像条件のいずれかに従って撮像された画像であり、
前記プログラムを実行することで、前記プロセッサは、さらに、
‐各前記撮像画像について、教示情報を取得し、
‐1つ以上の特徴量決定条件を取得し、
‐各前記撮像画像について、各前記特徴量決定条件に基づいて特徴量を算出し、
前記撮像条件および前記特徴量決定条件のうち少なくとも一方は複数であり、
前記プログラムを実行することで、前記プロセッサは、
‐前記撮像条件および前記特徴量決定条件の組み合わせからなる条件セットのそれぞれについて、前記複数の撮像画像に基づき、前記特徴量と、前記教示情報との回帰曲線を取得し、
‐前記回帰曲線に基づいて、前記条件セットのうち1つ以上を選択し、
前記教示情報は、半導体パターンのオーバーレイ誤差を含む、計算機。
【請求項21】
プロセッサと、
プログラムを記憶する記憶媒体と、
を有する計算機であって、
前記プログラムを実行することで、前記プロセッサは、複数の撮像画像を取得し、
各前記撮像画像は、
‐ウェハ上に形成されたパターンに荷電粒子線を照射することと、
‐前記パターンから放出される電子を検出することと、
を介して生成された画像であり、
各前記撮像画像は、1つ以上の撮像条件のいずれかに従って撮像された画像であり、
前記プログラムを実行することで、前記プロセッサは、さらに、
‐各前記撮像画像について、教示情報を取得し、
‐1つ以上の特徴量決定条件を取得し、
‐各前記撮像画像について、各前記特徴量決定条件に基づいて特徴量を算出し、
前記撮像条件および前記特徴量決定条件のうち少なくとも一方は複数であり、
前記プログラムを実行することで、前記プロセッサは、
‐前記撮像条件および前記特徴量決定条件の組み合わせからなる条件セットのそれぞれについて、前記複数の撮像画像に基づき、前記特徴量と、前記教示情報との回帰曲線を取得し、
‐前記回帰曲線に基づいて、前記条件セットのうち1つ以上を選択し、
前記教示情報は、荷電粒子線の照射角度を含む、計算機。
【請求項22】
プロセッサと、
プログラムを記憶する記憶媒体と、
を有する計算機であって、
前記プログラムを実行することで、前記プロセッサは、複数の撮像画像を取得し、
各前記撮像画像は、
‐ウェハ上に形成されたパターンに荷電粒子線を照射することと、
‐前記パターンから放出される電子を検出することと、
を介して生成された画像であり、
各前記撮像画像は、1つ以上の撮像条件のいずれかに従って撮像された画像であり、
前記プログラムを実行することで、前記プロセッサは、さらに、
‐各前記撮像画像について、教示情報を取得し、
‐1つ以上の特徴量決定条件を取得し、
‐各前記撮像画像について、各前記特徴量決定条件に基づいて特徴量を算出し、
前記撮像条件および前記特徴量決定条件のうち少なくとも一方は複数であり、
前記プログラムを実行することで、前記プロセッサは、
‐前記撮像条件および前記特徴量決定条件の組み合わせからなる条件セットのそれぞれについて、前記複数の撮像画像に基づき、前記特徴量と、前記教示情報との回帰曲線を取得し、
‐前記回帰曲線に基づいて、前記条件セットのうち1つ以上を選択し、
前記教示情報は、電気特性情報を含む、計算機。
【請求項23】
プロセッサと、
プログラムを記憶する記憶媒体と、
を有する計算機であって、
前記プログラムを実行することで、前記プロセッサは、複数の撮像画像を取得し、
各前記撮像画像は、
‐ウェハ上に形成されたパターンに荷電粒子線を照射することと、
‐前記パターンから放出される電子を検出することと、
を介して生成された画像であり、
各前記撮像画像は、1つ以上の撮像条件のいずれかに従って撮像された画像であり、
前記プログラムを実行することで、前記プロセッサは、さらに、
‐各前記撮像画像について、教示情報を取得し、
‐1つ以上の特徴量決定条件を取得し、
‐各前記撮像画像について、各前記特徴量決定条件に基づいて特徴量を算出し、
前記撮像条件および前記特徴量決定条件のうち少なくとも一方は複数であり、
前記プログラムを実行することで、前記プロセッサは、
‐前記撮像条件および前記特徴量決定条件の組み合わせからなる条件セットのそれぞれについて、前記複数の撮像画像に基づき、前記特徴量と、前記教示情報との回帰曲線を取得し、
‐前記回帰曲線に基づいて、前記条件セットのうち1つ以上を選択し、
前記特徴量決定条件は、輝度に関する情報を含む、計算機。
【請求項24】
請求項19に記載の計算機において、
前記特徴量は、
‐前記部分領域の面積、
‐前記部分領域の周の長さ、
‐前記部分領域の最大径、および
‐前記部分領域の最小径、
のうち少なくとも1つを含む、計算機。
【請求項25】
請求項19に記載の計算機において、
前記画像処理条件は、第1画像処理条件および第2画像処理条件を含み、
前記プロセッサは、各前記撮像画像について、前記第1画像処理条件に基づいて第1部分領域を抽出し、
前記プロセッサは、各前記撮像画像について、前記第2画像処理条件に基づいて第2部分領域を抽出し、
前記特徴量は、
‐前記第1部分領域の中心位置と、前記第2部分領域の中心位置とのずれ量、
‐前記第1部分領域と前記第2部分領域とが重なっている部分の面積、
‐前記第1部分領域と前記第2部分領域とが重なっている部分の周の長さ、
‐前記第1部分領域と前記第2部分領域とが重なっている部分の最大径、および
‐前記第1部分領域と前記第2部分領域とが重なっている部分の最小径
のうち少なくとも1つを含む、計算機。
【請求項26】
請求項19~25のいずれか一項に記載の計算機において、
前記撮像条件は、
‐前記荷電粒子線の照射エネルギ、および、
‐放出される前記電子を検出する際に用いられるエネルギのしきい値、
の少なくとも一方に関する情報を含む、計算機。
【請求項27】
請求項19~25のいずれか一項に記載の計算機において、
前記回帰曲線は直線である、計算機。
【請求項28】
請求項19~25のいずれか一項に記載の計算機において、
前記回帰曲線は、半導体パターンに係る寸法をパラメタに用いて表される、計算機。
【請求項29】
請求項19~25のいずれか一項に記載の計算機において、
前記回帰曲線は、多項式曲線、双曲線、またはシグモイド曲線である、計算機。
【請求項30】
請求項19~25のいずれか一項に記載の計算機において、
前記撮像画像は、複数の位置で撮像された画像を含む、計算機。
【請求項31】
請求項19~25のいずれか一項に記載の計算機において、
前記プロセッサが、前記教示情報および前記特徴量決定条件を取得するためのグラフィカルユーザインタフェースを出力する、計算機。
【請求項32】
請求項31に記載の計算機において、
前記グラフィカルユーザインタフェースは、
‐前記撮像条件を選択するための選択ボックスと、
‐前記特徴量決定条件を選択するための選択ボックスと、
‐前記教示情報を選択するための選択ボックスと、
を表示する、計算機。
【請求項33】
請求項31に記載の計算機において、
前記グラフィカルユーザインタフェースは、前記撮像条件に関連付けられた教示情報を表示する、計算機。
【請求項34】
請求項19~25のいずれか一項に記載の計算機において、
前記プロセッサは、さらに、前記撮像条件を取得し、
前記複数の撮像画像のそれぞれは、前記撮像条件のいずれかに関連して取得される、
計算機。
【請求項35】
請求項19~25のいずれか一項に記載の計算機において、
前記プロセッサは、さらに、前記ウェハを識別するためのウェハIDを取得し、
前記複数の撮像画像のそれぞれは、前記ウェハIDに関連して取得される、
計算機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷電粒子線装置の撮像画像に係る条件決定方法、装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体プロセスによって製造されるパターンは、微細化と多層構造化が進み、露光装置の複数層間にわたるパターンの寸法計測(たとえばオーバーレイ誤差の計測)の精度の向上が求められている。たとえば、15kV以上の高加速の電子ビームを試料に照射したときに得られる反射電子等を検出することによって、複数の高さに位置するパターンを計測することができる。
【0003】
複数のパターン間の重なりのバリエーションも増加しつつある。重なり具合が異なると、画像上の見え方が異なる。こうした課題に対し特許文献1は、領域の境界探索の起点となるテンプレートをあらかじめ作成しこれをパターン識別に用いることで、SEM画像上で所望のパターンのみを抽出する手法が説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2017/130365号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、半導体パターンを適切に認識するための条件決定が困難であるという課題があった。このような条件として、たとえば撮像条件と、画像からパターンの特徴量を決定するための条件とがある。
【0006】
撮像条件の決定には、撮像対象の構造および荷電粒子線装置の光学系および検出系の特性に対する理解が必要である。例えば、高加速の電子ビームは、対象構造に合わせた適切な加速条件を設定しないと、注目したい層のパターンを強調できなかったり、逆に注目したい層以外のパターンを強調してしまう。
【0007】
画像からパターンの特徴量を決定するための条件は、画像処理条件またはその組み合わせを含む。画像処理条件の調整には高度化する画像処理アルゴリズムに対する理解が必要である。例えば、多層のパターンが映り込む撮像画像について、特定層のパターンを強調させ、不要な層の強調を抑えるための適切な画像処理条件を決定するのは困難である。
【0008】
このため、たとえば撮像条件や特徴量を決定するための条件の決定難易度が増加し、調整時間が長くなり、新しく計測工程を立ち上げる際に問題となっている。
【0009】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、半導体パターンを適切に認識するための条件をより適切に決定する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る方法の一例は、
荷電粒子線装置の撮像画像に係る条件決定方法であって、
前記方法は、プロセッサが、複数の撮像画像を取得することを含み、
各前記撮像画像は、
‐ウェハ上に形成されたパターンに荷電粒子線を照射することと、
‐前記パターンから放出される電子を検出することと、
を介して生成された画像であり、
各前記撮像画像は、1つ以上の撮像条件のいずれかに従って撮像された画像であり、
前記方法は、さらに、
‐前記プロセッサが、各前記撮像画像について、教示情報を取得することと、
‐前記プロセッサが、1つ以上の特徴量決定条件を取得することと、
‐前記プロセッサが、各前記撮像画像について、各前記特徴量決定条件に基づいて特徴量を算出することと、
を含み、
前記撮像条件および前記特徴量決定条件のうち少なくとも一方は複数であり、
前記方法は、
‐前記プロセッサが、前記撮像条件および前記特徴量決定条件の組み合わせからなる条件セットのそれぞれについて、前記複数の撮像画像に基づき、前記特徴量と、前記教示情報との回帰曲線を取得することと、
‐前記プロセッサが、前記回帰曲線に基づいて、前記条件セットのうち1つ以上を選択することと、
を含む。
【0011】
本発明に係る装置の一例は、上述の方法を実行する。
【0012】
本発明に係るプログラムの一例は、上述の方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る方法、装置およびプログラムによれば、半導体パターンを適切に認識するための条件をより適切に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】撮像条件および画像処理条件の選択工程を示すフローチャート。
【
図2】撮像条件および画像処理条件の選択機能を備えたパターン寸法およびオーバーレイ誤差の計測装置の概要を示すブロック図。
【
図3】撮像条件および画像処理条件の自動選択機能を設定するGUI画面の一例を示す図。
【
図4】多層構造を有する半導体デバイスの一部と、そのSEM画像の一例を示す図。下層パターンと上層パターンの両方が透けて見える例。
【
図5】多層構造を有する半導体デバイスの一部と、そのSEM画像の一例を示す図。下層パターンの一部が上層パターンに隠れて見えない例。
【
図6】
図4Aのパターンを不適当な撮像条件で撮像したSEM画像の例を示す図。
【
図7】
図5Aのパターンを不適当な撮像条件で撮像したSEM画像の例を示す図。
【
図8】
図4のパターンを対象に一つ以上の画像処理条件で部分領域を抽出した例を示す図。
【
図9】
図5のパターンを対象に一つ以上の画像処理条件で部分領域を抽出した例を示す図。
【
図10】一つ以上の特徴量決定条件で得られた部分領域の特徴量と教示情報との回帰曲線の例を示す図。
【
図12】
図5のような下層パターンが一部隠れて見えない例において、パターンの深さなどの寸法から隠れ具合を考慮してモデルした回帰曲線の例を示す図。
【
図13】実施例2において、電子ビームを傾けて
図4のパターンを撮像することで、オーバーレイ誤差を疑似的に発生させたSEM画像の例を示す図。
【
図14】実施例2において、電子ビームを傾けて
図5のパターンを撮像することで、オーバーレイ誤差を疑似的に発生させたSEM画像の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0016】
[実施例1]
実施例1では、オーバーレイが既知である実験用ウェハを活用する。
<本実施例の対象となる半導体パターン例>
以下、半導体パターンを単にパターンと呼ぶ場合がある。パターンはたとえば2次元形状によって表される。半導体ウェハを撮像するSEMの電子ビームの加速電圧を上げると電子ビームが透過し、下層のパターンについてたとえば
図4のSEM画像404、407および
図5のSEM画像505、506のような像が得られる。
【0017】
【0018】
図4Aに例示する半導体試料には、以下のパターンが含まれている。
‐互いの間に複数のトレンチ(溝状パターン)を形成する複数の上層パターン401
‐トレンチの底部を構成するパターン402
‐パターン401の下層に位置し、パターン401の長手方向に直交する方向に延びるよう形成された下層パターン403
【0019】
SEM画像404には、パターン401~403が表示されている。低加速の電子ビームでは、試料表面に露出していないパターン403まで到達することができず、パターン403は表示されないが、高加速の電子ビームを照射すると、電子ビームがパターン401、402を突き抜け、パターン403まで到達するため、パターン403が表示される。
【0020】
一方、パターン403の一部である部位405の上層には、パターン401が位置し、パターン403の一部である部位406の上層には、パターン402が位置する。電子ビームが透過する層の有無、厚さ、材質、等により、放出される電子量すなわち画像の明るさが異なる。このため、一つのパターン(パターン403)が複数の画像濃淡度で描出されることになる。
【0021】
図4Bに、上層パターン401と、トレンチの底部に位置するパターン402と、下層パターン403との間でオーバーレイ誤差が生じた場合のSEM画像407およびその断面図を示す。SEM画像407の各部位の明るさはSEM画像404と変わらないが、SEM画像407では部位406がオーバーレイ誤差に応じてずれた状態で映る。
【0022】
図4に示す例では、パターン403の両端が、部位406に示す通りトレンチの底部に位置するパターン402に均等に延びていることが望ましいので、パターン間の関係がそのようになっているかどうかを確認できると好適である。従って、
図4に示すSEM画像でオーバーレイ誤差を計測するには、上層パターン401と、トレンチの底部に位置するパターン402と、下層パターン403と、の各々の領域を抽出すると好適である。
【0023】
また、
図5Aに例示する半導体試料には、以下のパターンが含まれている。
‐深い(たとえばミクロンオーダ以上の)穴パターンの上層を形成するパターン501
‐穴パターンの下層を構成するパターン502
‐穴底に表れるパターン503
【0024】
SEM画像505には、パターン501~503および、穴パターンの側壁部のパターン504が表示されている。低加速の電子ビームでは、穴底に表れるパターン503から放出される電子が上面から脱出できず(たとえば側壁に吸収され)、パターン503は表示されない。一方、高加速の電子ビームを照射すると、パターン503から放出される電子がパターン501を突き抜け、上面から脱出できるため、パターン503が表示される。
【0025】
図5Bに上層パターン501と下層パターン503との間でオーバーレイ誤差が生じた場合のSEM画像505と断面図の例を示す。
図4と異なり、穴が深いために、穴底に表れるパターン503のうち上層パターン501が重なっている部位は、高加速ビームでも上層パターン501を往復で突き抜けることができない。このため、SEM画像上ではパターン503の形状が完全には表れず、パターン501と側壁部位のパターン504の明るさで上書きされている。
【0026】
図5に示す例では、下層パターン503が穴底の中心に位置していることが望ましいので、パターン間の関係がそうなっているかどうかを確認できると好適である。従って、
図5に示す画像でオーバーレイ誤差を計測するには、穴底に表れるパターン502と、パターン503との各々の領域を抽出すると好適である。
【0027】
図4と
図5に示すSEM画像例はいずれも断面図に示す上層パターンと下層パターンがSEM画像上で確認できるケースである。しかし、このように画像上でパターンを強調させるには、加速電圧や検出器のエネルギ弁別条件などの撮像条件を適切に決定する必要がある。
【0028】
撮像条件は、たとえば、以下の少なくとも一方に関する情報を含む。
‐荷電粒子線の照射エネルギ
‐放出される電子を検出する際に用いられるエネルギのしきい値
【0029】
このような撮像条件を用いると、撮像条件を適切に調節することにより良好な画像を取得できる可能性が高まる。
【0030】
図4と
図5の半導体パターンにおいて、撮像条件が不適切な場合のSEM画像の例を
図6と
図7に各々示す。
図6Aでは、加速電圧が低すぎたために下層パターン403を強調できていないSEM画像605を示す。
図6Bでは、逆に加速電圧が高すぎたために、上層パターン401と、トレンチの底部に位置するパターン402との明るさのコントラストが消えているSEM画像606を示す。同様に、
図7Aでは、加速電圧が低すぎたために穴底に表れるパターン503を強調できていないSEM画像705を示し、
図7Bでは、逆に加速電圧が高すぎたために穴底と側壁の明るさのコントラストが消えているSEM画像706を示す。
【0031】
パターン寸法やオーバーレイ誤差の計測工程の立ち上げ時には、
図6や
図7に示す不適切なSEM画像とならないように、作業員がマニュアルで撮像条件を調整する場合がある。しかし、これには前記の通り、撮像対象の構造と、荷電粒子線装置の光学系および検出系の特性とに対する理解が必要である。また、
図4や
図5に示すSEM画像が得られたとして、領域特徴量として所望のパターン寸法やオーバーレイ誤差を決定するための特徴量決定条件も、作業員がマニュアルで調整する場合がある。しかし、これも前記の通り、パターン寸法やオーバーレイ誤差計測の画像処理アルゴリズムに対する理解が必要である。このため、撮像条件と特徴量決定条件の調整は作業員への負荷が大きく、調整に時間を要することが課題となっている。
【0032】
<実施例1に係る荷電粒子線装置>
図11は、実施例1において利用可能な荷電粒子線装置の一種である走査電子顕微鏡(ScanningElectronMicroscope:SEM)1100の概要を示す図である。電子源1101から引出電極1102によって引き出され、図示しない加速電極によって加速された電子ビーム1103は、集束レンズの一形態であるコンデンサレンズ1104によって、絞られた後に、走査偏向器1105により、試料1109上を一次元的、或いは二次元的に走査される。電子ビーム1103は試料台1108に内蔵された電極に印加された負電圧により減速されると共に、対物レンズ1106のレンズ作用によって集束されて試料1109上に照射される。
【0033】
電子ビーム1103が試料1109に照射されると、当該照射個所から二次電子、及び後方散乱電子等の電子1110が放出される。放出された電子1110は、試料に印加される負電圧に基づく加速作用によって、電子源方向に加速され、変換電極1112に衝突し、二次電子1111を生じさせる。変換電極1112から放出された二次電子1111は、検出器1113によって捕捉され、捕捉された二次電子量によって、検出器1113の出力が変化する。この出力に応じて図示しない表示装置の輝度が変化する。例えば二次元像を形成する場合には、走査偏向器1105への偏向信号と、検出器1113の出力との同期をとることで、走査領域の画像を形成する。
【0034】
なお、
図11に例示する走査電子顕微鏡は、図示しない加速電極に高電圧(例えば15kV以上)の印加が可能な装置であり、高加速で電子ビームを照射することによって、試料表面には露出されていない埋設パターン等に、電子ビームを到達させることができる。
【0035】
なお、
図11の例では試料から放出された電子を変換電極にて一端変換して検出する例について説明しているが、無論このような構成に限られることはなく、例えば加速された電子の軌道上に、電子倍像管や検出器の検出面を配置するような構成とすることも可能である。また、変換電極1112および検出器1113はそれぞれ一つである必要はなく、光軸に対して方位角方向や仰角方向に分割された複数の検出面と各検出面に対応する検出器を持つ構成としても良い。この構成では、一度の撮像で検出器の数の撮像画像を同時に取得することができる。
【0036】
制御装置1120は、たとえば以下の機能を備える。
‐走査電子顕微鏡の各構成要素を制御する機能
‐検出された電子に基づいて画像を形成する機能
‐試料上に形成されたパターンのパターン幅を計測する機能(たとえば、ラインプロファイルと呼ばれる検出電子の強度分布に基づいて計測する)
【0037】
また、制御装置1120内には、主にSEMの光学条件を制御するSEM制御装置と、検出器1113によって得られた検出信号の信号処理を行う信号処理装置が含まれている。制御装置1120は、ビームの走査条件(方向や速度等)を制御するための走査制御装置を含む。また、制御装置1120内には図示しない記憶媒体が備えられており、後述するような画像処理や演算をコンピューター(プロセッサを含む)に実行させるプログラムが記憶されていてもよい。コンピューターは計算機であってもよい。
【0038】
<実施例1の処理フロー>
図1は実施例1に係る撮像条件および特徴量決定条件の選択工程を示すフローチャートである。このフローチャートは、荷電粒子線装置の撮像画像に係る条件決定方法を表す。制御装置1120は、
図1に示す方法を実行することにより、荷電粒子線装置の撮像画像に係る条件を決定する装置として機能する。
【0039】
図1に示す方法は、たとえば公知のハードウェア構成を有するコンピュータによって実行可能である。コンピュータはたとえば演算手段および記憶手段を備える。演算手段はたとえばプロセッサを含み、記憶手段はたとえば半導体メモリ装置および磁気ディスク装置等の記憶媒体を含む。記憶媒体の一部または全部が、過渡的でない(non-transitory)記憶媒体であってもよい。
【0040】
また、コンピュータは入出力手段を備えてもよい。入出力手段は、たとえばキーボードおよびマウス等の入力装置と、ディスプレイおよびプリンタ等の出力装置と、ネットワークインタフェース等の通信装置とを含む。
【0041】
記憶手段はプログラムを記憶してもよい。プロセッサがこのプログラムを実行することにより、コンピュータは本実施形態において説明される機能を実行してもよい。
【0042】
図2に、このようなコンピュータを含む具体例を示す。
図2は、撮像条件と特徴量決定条件を自動選択する機能を有する装置200の一例を示す図である。装置200は、たとえばパターン寸法およびオーバーレイ誤差を計測する装置である。
【0043】
装置200は、コンピュータとしての構成を有し、荷電粒子線装置の撮像画像に係る条件決定方法(たとえば
図1に示すもの)を実行することにより、荷電粒子線装置の撮像画像に係る条件決定装置として機能する。
【0044】
装置200は、以下の構成要素を備える。
‐
図11に例示する走査電子顕微鏡のような画像生成装置から、画像情報を入力し、計測結果等を出力する入出力部205
‐GUI画像上で必要な情報の入力を受け付ける操作部204
‐以下の情報を記憶する記憶部206
*自動選択に用いる撮像画像
*撮像条件
*教示情報(たとえばパターンから直接的または間接的に測定できる情報)
*特徴量決定条件
*装置200の動作に係るプログラム
‐演算部202を備える制御部201。演算部202は、入出力部205から入力された画像情報と、操作部204や記憶部206から入力された各条件情報と等に基づいて、撮像条件と特徴量決定条件の自動選択や計測に要する演算処理を実行する
‐以下の情報を表示する表示部203
*走査電子顕微鏡によって得られた画像
*画像に基づいて得られた計測結果
*GUI画像
【0045】
図1の処理において、まず操作部204は、自動選択に用いるウェハのIDを取得する(ステップ101)。ウェハIDは、ウェハを識別するための識別情報である。
【0046】
入力された当該ウェハIDに基づいて、記憶部206は当該ウェハに関する情報(撮像画像、撮像条件、教示情報)のデータを検索し、表示部203に表示する(ステップ102)。このように、複数の撮像画像のそれぞれは、ウェハIDに関連して取得される。ここで、ウェハIDに関連する撮像画像をすべて取得してもよいが、取得される撮像画像は、さらに他の情報(後述の撮像位置等)に基づいて限定されてもよく、その場合には、より後の時点で撮像画像を取得してもよい。このようにすると、適切な撮像画像のみが取得され、効率的である。
【0047】
なお、ウェハIDに関連付いている撮像画像、撮像条件、教示情報、等のデータは、自動選択処理に先んじて予め取得して記憶部206に格納しておくことができる。このデータセットの一例としては、一般的な半導体検査用SEM装置に備わっている自動撮像機能の設定データファイル(以降、「撮像レシピ」と表記)に対して、撮像画像ごとに教示情報を関連付けたデータファイルなどが考えられる。撮像レシピには、一般にユーザが設定した撮像条件と撮像対象のウェハID、そしてウェハ内の撮像位置が記録されている。
【0048】
データ構造の具体例は次のようなものである。
‐各ウェハIDに、複数の撮像位置が関連付けられる。
‐各撮像位置について、その位置で撮像された1つ以上の撮像画像が関連付けられる。すなわち、撮像画像は、複数の位置で撮像された画像を含む。このようにすることにより、様々な位置の撮像画像に基づいて効果的な学習を行うことができる。
‐各撮像画像について、1つ以上の撮像条件のいずれかが関連付けられる。すなわち、各撮像画像は、1つ以上の撮像条件のいずれかに従って撮像された画像である。
‐各撮像画像について、1つ以上の教示情報が関連付けられる。
【0049】
教示情報は、たとえばパターンのオーバーレイ誤差を含む。このような教示情報を用いることにより、半導体製造において有用な評価基準を用いることができる。
【0050】
各撮像画像は、
‐ウェハ上に形成されたパターンに荷電粒子線を照射することと、
‐パターンから放出される電子を検出することと、
を介して生成された画像である。このような画像は、たとえば走査電子顕微鏡1100によって撮像された画像とすることができる。
【0051】
次に、操作部204は、使用者の操作に応じて撮像条件の候補リスト(候補として選択された撮像条件を1以上含む)を選択し、演算部202は、記憶部206から、選択された撮像条件に関連付いている撮像画像およびその教示情報を読み込んで取得する(ステップ103)。このように、複数の撮像画像のそれぞれは、撮像条件のいずれかに関連して取得されるので、使用者は撮像画像を個別に指定する必要がなく、効率的である。
【0052】
選択可能な撮像条件を増やすには、例えば、撮像条件だけを変えた撮像レシピを用いて自動撮像すれば良い。
【0053】
次に、操作部204は、使用者の操作に応じて、画像処理条件の候補リスト(候補として選択された画像処理条件を1以上含む)を選択し、演算部202は記憶部206からこの画像処理条件候補を読み込む(ステップ104)。
【0054】
ここで、画像処理条件とは、たとえば画像から部分領域を抽出するための条件であり、例えば、画像処理アルゴリズムが単純な画像の明るさに基づくしきい値処理である場合は、画像処理条件は輝度に関する情報(たとえば輝度のしきい値)を含む。輝度に基づく画像処理は多数の方式が公知であり、多様なアルゴリズムを用いることができる。
【0055】
あるいは、特許文献1に述べられているようなテンプレートを起点としたGraphcut法を用いる場合には、画像処理条件は、Graphcut法で用いる重みパラメタを含んでもよい。あるいは、深層学習などに基づく手法を用いる場合は、画像処理条件は、ネットワークのハイパーパラメータを含んでもよい。
【0056】
選択可能な画像処理条件は、ユーザが任意に設定して増やしても良いし、各画像処理条件をある範囲内で均等あるいはランダムに変えて増やしても良い。
【0057】
次に、操作部204は、自動選択処理に用いる特徴量と教示情報を、使用者の操作に応じて選択し、演算部202はこれを読み込んで取得する(ステップ105)。
【0058】
ここで特徴量とは、たとえば撮像画像から抽出された部分領域に基づいて決定される領域特徴量である。例として、計測対象がパターンの寸法である場合は、領域特徴量は例として以下のうち少なくとも1つを含む。
‐部分領域の面積
‐部分領域の周の長さ
‐部分領域の最大径
‐部分領域の最小径
【0059】
このような領域特徴量を用いることにより、部分領域の特定の寸法を適切に評価することができる。
【0060】
この場合では、1つの画像処理条件により、1つの画像から1つの特徴量が決定される。すなわち、1つの特徴量決定条件は1つの画像処理条件を含む。
【0061】
また、計測対象に応じて、特徴量決定条件として、複数の画像処理条件からなる組み合わせが用いられる。計測対象がオーバーレイ誤差である場合はその例である。たとえば、特徴量決定条件は、第1画像処理条件および第2画像処理条件を含む。演算部202は、各撮像画像について、第1画像処理条件に基づいて第1部分領域を抽出し、同様に、その撮像画像について、第2画像処理条件に基づいて第2部分領域を抽出する。この場合には、領域特徴量は、例として以下のうち少なくとも1つを含む。
‐第1部分領域の中心位置と、第2部分領域の中心位置とのずれ量
‐第1部分領域と第2部分領域とが重なっている部分の面積
‐第1部分領域と第2部分領域とが重なっている部分の周の長さ
‐第1部分領域と第2部分領域とが重なっている部分の最大径
‐第1部分領域と第2部分領域とが重なっている部分の最小径
【0062】
このような領域特徴量を用いることにより、部分領域間の特定の重複部分の寸法を適切に評価することができる。
【0063】
なお、1つの特徴量決定条件に含まれる画像処理条件の数を決定する方法は適宜設計可能であるが、たとえば各教示情報に関連付けて事前に決定しておき、選択された教示情報に基づいて演算部202が決定することができる。たとえば、教示情報が最大径である場合には、1つの特徴量決定条件は画像処理条件を1つだけ含み、教示情報がオーバーレイ誤差である場合には、1つの特徴量決定条件は2つの画像処理条件の組み合わせを含む。
【0064】
演算部202は、ステップ101~105で読み込んだ撮像画像、撮像条件、教示情報、および特徴量決定条件に基づいて、各撮像条件候補における各撮像画像を各画像処理条件候補で処理し、各々の部分領域画像を得て、各部分領域画像に基づき、領域特徴量を計算する(ステップ106~110)。
【0065】
たとえば、演算部202は、ステップ106において、1つの撮像条件に従って撮像された撮像画像を取得する。
【0066】
次に、演算部202は、ステップ107において、各撮像画像について、候補リストに含まれる画像処理条件を1つ取得する。上述のように、画像処理条件は、領域特徴量を決定するための条件であるので、特徴量決定条件とも呼ぶことができる。
【0067】
次に、演算部202は、その画像処理条件に基づいて画像を処理し部分領域を抽出する。
【0068】
次に、演算部202は、ステップ108において、1つ以上の部分領域に基づいて領域特徴量を算出する。領域特徴量を算出するために複数の部分領域が必要な場合には、1回のステップ108の実行に対してステップ106および107をそれぞれ複数回実行してもよい。
【0069】
このように、演算部202は、各撮像画像について、特徴量決定条件(単一の画像処理条件を含むか、または複数の画像処理条件からなる組み合わせを含む)に基づいて領域特徴量を算出する。
【0070】
このような処理によれば、1つの部分領域から単一の領域特徴量を算出する場合であっても、複数の部分画像から単一の領域特徴量を算出する場合(オーバーレイ誤差計測等)であっても、本実施例で扱うことが可能となる。
【0071】
次に、演算部202は、ステップ109において、未処理の画像処理条件がある場合にはステップ107に戻り、すべての画像処理条件について処理を行う。
【0072】
次に、演算部202は、ステップ110において、未処理の撮像条件がある場合にはステップ106に戻り、すべての撮像条件について処理を行う。
【0073】
図8に、
図4のパターンを対象に一つ以上の画像処理条件で部分領域を抽出した例を示す。
図9に、
図5のパターンを対象に一つ以上の画像処理条件で部分領域を抽出した例を示す。
【0074】
撮像条件1が適切な撮像条件であり、撮像条件2は不適切な撮像条件を示す。撮像位置1はパターンが正しく形成されている位置に対応し、撮像位置2はパターンが正しく形成されていない位置に対応する。部分領域画像は、各々異なる層のパターンを抽出している様子を示す。本実施例では、この撮像条件と画像処理条件の組合せ条件から、後述の処理により、適当な組合せ条件が導出される。
【0075】
なお、前記の通り複数の検出器によって一度の撮像で撮像画像を得てもよい。また、
図8および
図9では、各部分領域は白と黒の2値画像によって表されるが、画像処理アルゴリズムに応じて、3値以上の画像によって表されてもよい。
【0076】
演算部202は、撮像条件および特徴量決定条件の組み合わせからなる条件セットのそれぞれについて、複数の撮像画像に基づき、領域特徴量と、教示情報との回帰曲線を取得する(ステップ111)。
【0077】
たとえば、撮像条件の候補リストが撮像条件A1およびA2を含み、特徴量決定条件が単一の画像処理条件からなり、画像処理条件の候補リストが画像処理条件B1およびB2を含む場合には、条件セットは次のように4通りとなり、合計で4つの回帰曲線が取得される。
‐条件セットX1:撮像条件A1&画像処理条件B1
‐条件セットX2:撮像条件A1&画像処理条件B2
‐条件セットX3:撮像条件A2&画像処理条件B1
‐条件セットX4:撮像条件A2&画像処理条件B2
【0078】
また、たとえば、撮像条件の候補リストが撮像条件A1およびA2を含み、特徴量決定条件が2つの画像処理条件からなり、画像処理条件の候補リストが画像処理条件B1、B2およびB3を含む場合には、特徴量決定条件は次のように3つとなる。
‐特徴量決定条件C1:画像処理条件B1+B2
‐特徴量決定条件C2:画像処理条件B1+B3
‐特徴量決定条件C3:画像処理条件B2+B3
条件セットは次のように6通りとなり、合計で6つの回帰曲線が取得される。
‐条件セットY1:撮像条件A1&特徴量決定条件C1
‐条件セットY2:撮像条件A1&特徴量決定条件C2
‐条件セットY3:撮像条件A1&特徴量決定条件C3
‐条件セットY4:撮像条件A2&特徴量決定条件C1
‐条件セットY5:撮像条件A2&特徴量決定条件C2
‐条件セットY6:撮像条件A2&特徴量決定条件C3
【0079】
なお、ここで、条件セットは複数である。すなわち、撮像条件および特徴量決定条件のうち少なくとも一方は複数である。
【0080】
図10に、教示情報としてオーバーレイ誤差を用い、領域特徴量に異なる部分領域間の中心ずれ量を用いた場合の、回帰曲線の例を示す。一例では回帰曲線に単純な直線を用いる。たとえば、領域特徴量をXとし、教示情報であるオーバーレイ誤差をYとした場合に、Y=aX+b(ただしa,bは定数)となる直線を用いる。なお、
図10に示す回帰曲線は参考例を表し、実施例1とは必ずしも整合しない。
【0081】
回帰曲線を直線とすることによって、計算量を低減することができる。
【0082】
また、回帰曲線は、半導体パターンに係る寸法(たとえば高さ、径、オーバーレイ誤差、等)をパラメタに用いて表すと好適である。このようにすると、半導体パターンを適切に評価することができる。
【0083】
回帰曲線には直線ではなく曲線を用いても良い。特に
図12に示すような、オーバーレイ誤差が大きくなるにつれて穴底に表れる下層パターンが徐々に上層パターンに隠れていくケースにおいては、下層パターンが穴底内でしか抽出されないため、中心のずれ量は穴底の半径が上限となる。そのような場合には、直線でなく、穴の径や深さといった寸法を用いてモデル化した関数を用いるほうが良い場合がある。たとえば、回帰曲線は、多項式曲線、双曲線、またはシグモイド曲線であってもよい。すなわち、Y=f(X)として、f(X)にこれらの曲線を表す関数を用いてもよい。
【0084】
このような回帰曲線を用いることにより、条件セットのより柔軟な評価が可能になる。また、たとえば、領域特徴量と教示情報とが単純に一致しない場合や、領域特徴量の次元と教示情報の次元とが異なる場合であっても、適切に条件セットを評価することができる。
【0085】
ステップ111の後、演算部202は、これらの回帰曲線のうち回帰誤差が最小となるものを選択し、これに対応する条件セットを取得する(ステップ112)。すなわち、演算部202は、回帰曲線に基づいて、条件セットを1つ選択する。なお、変形例として、複数の条件セット(たとえば上位所定範囲)を選択してもよい。
【0086】
最後に、記憶部206は、選択された条件セット(すなわち、撮像条件と特徴量決定条件との組み合わせ。なお上述のように特徴量決定条件は1つ以上の画像処理条件を含む)を、ウェハIDに関連付けて記憶する。
【0087】
図1の処理は、すべてのウェハIDについて実行することができる。その後、あるウェハを対象としてオーバーレイ計測誤差を計測する場合には、操作部204がそのウェハのウェハIDを取得し、演算部202は、記憶部206からそのウェハIDについて選択された条件セットを読み込み、その条件セットを用いて撮像および画像処理を行うことができる。この条件セットを用いると、パターン寸法やオーバーレイ誤差を適切に計測することが可能になる。
【0088】
本実施例では、ステップ102で述べた教示情報として、オーバーレイ誤差が既知な実験用ウェハを用いる。実験用ウェハは、例えば露光機でパターンをウェハ上に転写する際に、意図的に露光位置をずらすなどにより作成する。これにより、パターンの露光範囲ごとに、オーバーレイ誤差の異なる実験用ウェハを作成出来る。この実験用ウェハ上のどの位置で露光範囲をどれだけずらしたかという情報と、撮像レシピを関連付けることで、ステップ102で必要なデータセットを作成可能である。
【0089】
[実施例2]
実施例2では、傾斜ビームが活用される。本実施例は、実施例1において、教示情報が、オーバーレイ誤差に代えて、またはこれに加えて、荷電粒子線の照射角度を含むよう変更したものである。
【0090】
本実施例における装置構成は、実施例1で説明した
図11に示す走査電子顕微鏡の構成と同じとすることができる。
【0091】
図4A、
図5Aに示すパターンに対し、各々直上方向の電子ビーム1301、1401を照射し走査した場合のSEM画像1303,1403を
図13A、
図14Aに示す。また、各々傾斜させた電子ビーム1302、1402を照射し走査した場合のSEM画像1304,1404を
図13B、
図14Bに示す。
【0092】
図13の例では、電子ビームを傾斜させることにより、
図4BのSEM画像407に示すオーバーレイ誤差のある画像に類似した画像を生成することができる。つまり、この電子ビームの照射角度を教示情報とし、領域特徴量を異なる部分領域間の中心ずれ量とすれば、上層と下層のオーバーレイ誤差計測に適した撮像条件および画像処理条件を自動で選択できる。
【0093】
また、
図14の例では、電子ビームを傾斜させることにより、穴パターンの上面の開口部と穴底のオーバーレイ誤差を模擬した画像を生成できる。つまり、この電子ビームの照射角度を教示情報とし、領域特徴量を異なる部分領域間の中心ずれ量とすれば、このオーバーレイ誤差の計測に適した撮像条件および画像処理条件を自動で選択できる。
【0094】
このオーバーレイ誤差は深穴の傾き具合を示し、
図5で述べた下層パターンの中心からのずれとは異なる指標であるが、深穴工程における有用な管理指標の一つである。
【0095】
本実施例によれば、特殊な実験用サンプルを用意する必要なく、走査電子顕微鏡装置だけで教示情報の取得および撮像条件と画像処理条件の自動選択を行うことができる。
【0096】
[実施例3]
実施例3では、電気特性値が活用される。
本実施例は、実施例1において、教示情報が、オーバーレイ誤差に代えて、またはこれに加えて、電気特性情報を含むよう変更したものである。本実施例における装置構成は、実施例1で説明した
図2に示すブロック図および
図11に示す走査電子顕微鏡の構成と同じとすることができる。
【0097】
一般に、半導体デバイスは配線工程後に、その電気性能的な良否を確認する目的で電気特性検査が行われる。従って、この電気特性の良否を表す教示情報(たとえば、静電容量、電気抵抗、等)を用いることで、撮像条件および画像処理条件の最適化が行える場合がある。
【0098】
本実施例によれば、電気性能という半導体デバイスの最終性能に基づく撮像条件および画像処理条件の最適化が行える。
【0099】
なお、実施例1~3では撮像条件と画像処理条件の両方を同時に自動選択する方法について述べたが、片方の条件を固定し、もう片方だけを自動選択するような運用とすることも可能である。
【0100】
[実施例4]
実施例4では、GUI(グラフィカルユーザインタフェース)が使用される。
本実施例は、実施例1~3のいずれかにおいて、さらに特定のGUIを用いるよう変更したものである。
図3に示す撮像条件と画像処理条件の自動選択機能ボックス300は、以下の構成要素を画面上に表示する。
‐ウェハIDの入力ボックス304
‐撮像条件候補の選択ボックス301(撮像条件を選択するための選択ボックス。ステップ101~103)
‐画像処理条件候補の選択ボックス302(特徴量決定条件を選択するための選択ボックス。ステップ104)
‐領域特徴量および教示情報の選択ボックス303(教示情報を選択するための選択ボックス。ステップ105)
【0101】
実施例4によれば、操作部204が、教示情報および特徴量決定条件を取得するためのGUIを出力するので、使用者は必要な項目を容易に入力することができる。
【0102】
図3に示すように、GUIは、撮像条件に関連付けられた教示情報を表示してもよい。このようにすると、使用者は利用可能な教示情報を容易に把握することができる。
【符号の説明】
【0103】
200…装置
201…制御部(プロセッサ)
202…演算部
203…表示部
204…操作部
205…入出力部
206…記憶部
300…自動選択機能ボックス
301~303…選択ボックス
304…入力ボックス
401~403…パターン
404…SEM画像
405…部位
406…部位
407…SEM画像
501~504…パターン
505…SEM画像
605…SEM画像
606…SEM画像
705…SEM画像
706…SEM画像
1100…走査電子顕微鏡
1101…電子源
1102…引出電極
1103…電子ビーム
1104…コンデンサレンズ
1105…走査偏向器
1106…対物レンズ
1108…試料台
1109…試料
1110…電子
1111…二次電子
1112…変換電極
1113…検出器
1120…制御装置
1301、1302…電子ビーム
1303、1304…SEM画像