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特許7566003エッチング残留物を除去するための組成物、その使用の方法及びその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】エッチング残留物を除去するための組成物、その使用の方法及びその使用
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20241004BHJP
   C11D 7/32 20060101ALI20241004BHJP
   C11D 7/26 20060101ALI20241004BHJP
   C23F 11/12 20060101ALI20241004BHJP
   C23F 11/14 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H01L21/304 647A
C11D7/32
C11D7/26
C23F11/12 102
C23F11/14
C23F11/14 101
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022502569
(86)(22)【出願日】2020-07-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-22
(86)【国際出願番号】 US2020041881
(87)【国際公開番号】W WO2021011515
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2023-06-21
(31)【優先権主張番号】62/874,477
(32)【優先日】2019-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517114182
【氏名又は名称】バーサム マテリアルズ ユーエス,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 健治
(74)【代理人】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100202441
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 純
(72)【発明者】
【氏名】ライション スン
(72)【発明者】
【氏名】リーリー ワン
(72)【発明者】
【氏名】アイピン ウー
(72)【発明者】
【氏名】イー-チア リー
(72)【発明者】
【氏名】ティエンニョウ チェン
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-084464(JP,A)
【文献】特表2002-516476(JP,A)
【文献】特表2002-523546(JP,A)
【文献】特開2016-148834(JP,A)
【文献】米国特許第05563119(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
C11D 7/32
C11D 7/26
C23F 11/12
C23F 11/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)約5wt%~約50wt%の、2つ以上又は2つより多くのアルカノール基を有するアルカノールアミン;
(ii)25wt%~約70wt%の、1つのアルカノール基を有するアルカノールアミン;
(iii)以下の構造:
【化1】
を有する1つ又は1つより多くのアルファヒドロキシ酸;及び
(iv)水
を含み、フッ素含有化合物及び無機酸を含有しない、半導体基材のための洗浄組成物。
【請求項2】
(v)カテコールと(vi)没食子酸とのうち1つ又は両方をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
(vii)腐食抑制剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記2つ以上又は2つより多くのアルカノール基を有するアルカノールアミンが、トリエタノールアミンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記1つのアルカノール基を有するアルカノールアミンが、モノエタノールアミン、2-(2-アミノエトキシ)エタノール、N-メチルエタノールアミン及びモノイソプロピルアミンのうち1つ又は複数を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記1つのアルカノール基を有するアルカノールアミンが、モノエタノールアミンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記アルファヒドロキシ酸が、グリコール酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、グリセリン酸、マンデル酸、タルトロン酸、サッカリン酸、ジヒドロキシマロン酸及びそれらの混合物の群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記アルファヒドロキシ酸が、グルコン酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
約2.5wt%~約25wt%のアルファヒドロキシ酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
約10wt%のアルファヒドロキシ酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
約2.5wt%~約25wt%のグルコン酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
約10wt%のグルコン酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
約6wt%のカテコールを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
約3wt%の没食子酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
約5wt%~10wt%のカテコールと没食子酸との組み合わせを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
約10wt%のカテコールと没食子酸との組み合わせを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
(i)約20wt%のトリエタノールアミン;及び
(ii)約35wt%~約45wt%のモノエタノールアミン
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
(i)約20wt%のトリエタノールアミン;
(ii)約35wt%~約45wt%のモノエタノールアミン;及び
(iii)約10wt%のグルコン酸
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
(i)約20wt%のトリエタノールアミン;
(ii)約35wt%~約45wt%のモノエタノールアミン;
(iii)約10wt%のグルコン酸;及び
(iv)約9wt%のカテコールと没食子酸との組み合わせ
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
マイクロエレクトロニクス装置又は半導体基材から残留物を除去する方法であって、前記装置又は基材を、請求項1に記載の洗浄組成物と接触させる工程を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象は、マイクロエレクトロニクス製造における、ポストエッチング残留物の洗浄組成物及びその使用のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロエレクトロニクス構造体の製造には、多くの工程が含まれる。集積回路の製造スキームにおいて、ときには、半導体の異なる表面の選択的エッチングが必要となる。歴史的に、材料を選択的に除去するための、多くの異なる種類のエッチングプロセスが、上手く利用されてきた。さらに、マイクロエレクトロニクス構造体において、異なる層の選択的エッチングは、集積回路の製造プロセスにおいて重要な工程と考えられる。
【0003】
半導体及び半導体マイクロ回路の製造において、基材材料をポリマー性有機物質でコーティングすることが、しばしば必要とされる。幾つかの基材材料の例は、アルミニウム、チタン、銅、任意選択でアルミニウム、チタン又は銅などの金属元素を有する二酸化ケイ素コーティングをされたシリコンウエハを含む。典型的には、ポリマー性有機物質は、フォトレジスト材料である。これは、光に対する暴露の後に、現像に際してエッチングマスクを形成する材料である。続く処理工程において、フォトレジストの少なくとも一部が、基材の表面から除去される。基材からフォトレジストを除去する1つの一般的な方法は、湿式化学手段によるものである。湿式化学組成物は、任意の金属回路、無機基材及び基材自体と適合しつつ、基材からフォトレジストを除去するように配合される。フォトレジストを除去する別の方法は、プラズマアッシングによってフォトレジストが除去されるドライアッシング法によるものである。プラズマアッシングの後に基材上に残っている残留物は、フォトレジスト自体、又はフォトレジスト、下部の基材及び/若しくはエッチングガスの組み合わせである場合がある。しばしば、これらの残留物は、側壁ポリマー、ベール又はフェンスといわれる。
【0004】
さらに、反応性イオンエッチング(RIE)は、ビア、金属ライン及びトレンチの形成の際のパターン転写のための適したプロセスである。例えば、複雑な半導体装置は、ワイヤを相互接続する複数層の配線工程を必要とし、RIEを利用してビア、金属ライン及びトレンチ構造を製造する。中間誘電体層を通るビアを使用して、1つの階層のケイ素、ケイ化物又は金属ワイヤと、次の階層のワイヤとの間の接触を提供する。金属ラインは、装置の相互接続として使用される伝導性の構造である。トレンチ構造は、金属ライン構造の形成において使用される。典型的には、ビア、金属ライン及びトレンチの構造は、金属及び合金、例えばAl、AlとCuとの合金、Cu、Ti、TiN、Ta、TaN、W、TiW、ケイ素又はケイ化物、例えばタングステン、チタン若しくはコバルトのケイ化物、を露出している。典型的には、RIEプロセスは、リソグラフィでビア、金属ライン及び/又はトレンチの構造を画定するのに使用される、再スパッタされた酸化物材料、フォトレジストに起因する有機材料、及び/又は反射防止コーティング材料を含む場合がある、残留物又は複合混合物を残す。
【0005】
これらのプラズマエッチング残留物の除去は、基材を、配合された溶液にさらすことによって達成される。慣例的な洗浄配合物は、典型的にはヒドロキシルアミン、アルカノールアミン、水及び腐食抑制剤を含有する。例えば、プラズマエッチングによって残されたプラズマエッチング残留物を、水と、アルカノールアミンと、ヒドロキシルアミンとの洗浄溶液によって洗浄する1つの組成物が米国特許第5279771号明細書において開示されている。米国特許第5419779号明細書において開示される別の例は、水と、アルカノールアミンと、ヒドロキシルアミンと、カテコールとの、プラズマエッチング残留物の洗浄溶液である。
【0006】
これらの配合された溶液は、プラズマエッチング残留物を効率的に洗浄することができるが、ヒドロキシルアミンの存在は、金属層、例えばチタン層、を攻撃する場合がある。配合された洗浄溶液中のヒドロキシルアミンの腐食効果を制御する1つの手法は、合計の溶液の約30wt%未満の低い水のレベルを維持し、高い濃度の溶媒を(すなわち、溶媒リッチの配合された溶液を)使用することである。多くの公表された特許において、カテコールが、アルミニウム及び/又はチタンエッチングのための腐食抑制剤として使用されてきた。しかし、幾つかの種類の腐食抑制剤はプラズマエッチング残留物の除去を妨げる場合があるため、プラズマエッチング残留物の除去と、金属層腐食の抑制とはトレードオフであるのが常である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、ヒドロキシルアミンを含有しないが、しかし、それにもかかわらず、金属層に対して有害な効果を引き起こさずに、基材からプラズマエッチング残留物を除去することができる配合物についての要求が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
概要
開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象は、アルファヒドロキシ酸を含有し、かつ基材からプラズマポストエッチング残留物を除去するために有用である洗浄組成物を目的とするものである。組成物は、
(i)2つ以上又は2つより多くのアルカノール基(R-OH、ここでRはアルキル基)を有するアルカノールアミン;
(ii)アルファヒドロキシ酸;及び
(iii)水
を含む。
【0009】
さらなる実施態様において、組成物は、
(iv)腐食抑制剤
を含む。
【0010】
さらなる実施態様において、組成物は、種々の濃度の、
(i)2つ以上又は2つより多くのアルカノール基(R-OH、ここでRはアルキル基)を有するアルカノールアミン;
(ii)アルファヒドロキシ酸;及び
(iii)水
から本質的になる。このような実施態様において、(i)、(ii)及び(iii)の組み合わせた量は100wt%に等しくなく、組成物の有効性を著しくは変化させない他の成分(例えば、さらなる溶媒、一般的な添加剤及び/又は不純物)を含んでよい。
【0011】
さらなる実施態様において、組成物は、種々の濃度の、
(i)2つ以上又は2つより多くのアルカノール基(R-OH、ここでRはアルキル基)を有するアルカノールアミン;
(ii)アルファヒドロキシ酸;
(iii)水;及び
(iv)腐食抑制剤
から本質的になる。このような実施態様において、(i)、(ii)及び(iii)の組み合わせた量は100wt%に等しくなく、組成物の有効性を著しくは変化させない他の成分(例えば、さらなる溶媒、一般的な添加剤及び/又は不純物)を含んでよい。
【0012】
さらなる実施態様において、組成物は、種々の濃度の、
(i)2つ以上又は2つより多くのアルカノール基(R-OH、ここでRはアルキル基)を有するアルカノールアミン;
(ii)アルファヒドロキシ酸;及び
(iii)水
からなる。このような実施態様において、(i)、(ii)及び(iii)の組み合わせた量は約100wt%に等しいが、組成物の有効性を著しくは変化させない、非常に少ない量で存在する、他の少量及び/又は微量の不純物を含んでよい。例えば、1つのこのような実施態様において、組成物は、2wt%以下の不純物を含有してよい。別の実施態様において、組成物は1wt%以下の不純物を含有してよい。さらなる実施態様において、組成物は、0.05wt%以下の不純物を含有してよい。
【0013】
さらなる実施態様において、組成物は、種々の濃度の、
(i)2つ以上又は2つより多くのアルカノール基(R-OH、ここでRはアルキル基)を有するアルカノールアミン;
(ii)アルファヒドロキシ酸;
(iii)水;及び
(iv)腐食抑制剤
から本質的になる。このような実施態様において、(i)、(ii)、(iii)及び(iv)の組み合わせた量は約100wt%に等しいが、組成物の有効性を著しくは変化させない、非常に少ない量で存在する、他の少量及び/又は微量の不純物を含んでよい。例えば、1つのこのような実施態様において、組成物は、2wt%以下の不純物を含有してよい。別の実施態様において、組成物は1wt%以下の不純物を含有してよい。さらなる実施態様において、組成物は、0.05wt%以下の不純物を含有してよい。
【0014】
別の実施態様において、組成物は、
(i)約5wt%~約50wt%の、2つ以上又は2つより多くのアルカノール基を有するアルカノールアミン;
(ii)25wt%~約70wt%の、1つのアルカノール基を有するアルカノールアミン;
(iii)アルファヒドロキシ酸;及び
(iv)水
を含む。さらなる態様において、組成物は、(v)カテコールを含む。さらなる態様において、組成物は、(vi)没食子酸を含む。さらなる態様において、組成物は、(v)カテコール及び(vi)没食子酸の両方を含む。さらなる態様において、組成物は、(vii)腐食抑制剤を含む。
【0015】
上記の組成物のさらなる態様において、2つ以上又は2つより多くのアルカノール基を有するアルカノールアミンは、トリエタノールアミンを含む。さらなる態様において、2つ以上又は2つより多くのアルカノール基を有するアルカノールアミンは、トリエタノールアミンから本質的になる。さらなる態様において、2つ以上又は2つより多くのアルカノール基を有するアルカノールアミンは、トリエタノールアミンからなる。さらなる態様において、組成物は、約10wt%~約40wt%のトリエタノールアミンを含む。さらなる態様において、組成物は、約20wt%~約30wt%のトリエタノールアミンを含む。さらなる態様において、組成物は、約20wt%のトリエタノールアミンを含む。
【0016】
上記の組成物のさらなる態様において、1つのアルカノール基を有するアルカノールアミンは、モノエタノールアミンを含む。さらなる態様において、1つのアルカノール基を有するアルカノールアミンは、モノエタノールアミンから本質的になる。さらなる態様において、1つのアルカノール基を有するアルカノールアミンは、モノエタノールアミンからなる。さらなる態様において、組成物は、約20wt%~約50wt%のモノエタノールアミンを含む。さらなる態様において、組成物は、約35wt%~約50wt%のモノエタノールアミンを含む。さらなる態様において、組成物は、約35wt%~約45wt%のモノエタノールアミンを含む。さらなる態様において、組成物は、約35wt%のモノエタノールアミンを含む。
【0017】
上記の組成物のさらなる態様において、1つのアルカノール基を有するアルカノールアミンは、2-(2-アミノエトキシ)エタノールを含む。さらなる態様において、1つのアルカノール基を有するアルカノールアミンは、2-(2-アミノエトキシ)エタノールから本質的になる。さらなる態様において、1つのアルカノール基を有するアルカノールアミンは、2-(2-アミノエトキシ)エタノールからなる。さらなる態様において、組成物は、約20wt%~約50wt%の2-(2-アミノエトキシ)エタノールを含む。さらなる態様において、組成物は、約35wt%~約50wt%の2-(2-アミノエトキシ)エタノールを含む。さらなる態様において、組成物は、約35wt%~約45wt%の2-(2-アミノエトキシ)エタノールを含む。さらなる態様において、組成物は、約35wt%の2-(2-アミノエトキシ)エタノールを含む。
【0018】
上記の組成物のさらなる態様において、1つのアルカノール基を有するアルカノールアミンは、N-メチルエタノールアミンを含む。さらなる態様において、1つのアルカノール基を有するアルカノールアミンは、N-メチルエタノールアミンから本質的になる。さらなる態様において、1つのアルカノール基を有するアルカノールアミンは、N-メチルエタノールアミンからなる。さらなる態様において、組成物は、約20wt%~約50wt%のN-メチルエタノールアミンを含む。さらなる態様において、組成物は、約35wt%~約50wt%のN-メチルエタノールアミンを含む。さらなる態様において、組成物は、約35wt%~約45wt%のN-メチルエタノールアミンを含む。さらなる態様において、組成物は、約35wt%のN-メチルエタノールアミンを含む。
【0019】
上記の組成物のさらなる態様において、1つのアルカノール基を有するアルカノールアミンは、モノイソプロピルアミンを含む。さらなる態様において、1つのアルカノール基を有するアルカノールアミンは、モノイソプロピルアミンから本質的になる。さらなる態様において、1つのアルカノール基を有するアルカノールアミンは、モノイソプロピルアミンからなる。さらなる態様において、組成物は、約20wt%~約50wt%のモノイソプロピルアミンを含む。さらなる態様において、組成物は、約35wt%~約50wt%のモノイソプロピルアミンを含む。さらなる態様において、組成物は、約35wt%~約45wt%のモノイソプロピルアミンを含む。さらなる態様において、組成物は、約35wt%のモノイソプロピルアミンを含む。
【0020】
上記の組成物のさらなる態様において、アルファヒドロキシ酸は、グリコール酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、グリセリン酸、マンデル酸、タルトロン酸、サッカリン酸、ジヒドロキシマロン酸及びそれらの混合物の群から選択される。さらなる態様において、アルファヒドロキシ酸は、グルコン酸からなる。さらなる態様において、組成物は、約2.5wt%~約25wt%のアルファヒドロキシ酸を含む。さらなる態様において、組成物は、約5wt%~約20wt%のアルファヒドロキシ酸を含む。さらなる態様において、組成物は、約10wt%~約15wt%のアルファヒドロキシ酸を含む。さらなる態様において、組成物は、約15wt%のアルファヒドロキシ酸を含む。さらなる態様において、組成物は、約10wt%のアルファヒドロキシ酸を含む。さらなる態様において、アルファヒドロキシ酸は、グルコン酸を含む。さらなる態様において、アルファヒドロキシ酸は、グルコン酸から本質的になる。さらなる態様において、組成物は、約2.5wt%~約25wt%のグルコン酸を含む。さらなる態様において、組成物は、約5wt%~約20wt%のグルコン酸を含む。さらなる態様において、組成物は、約10wt%~約15wt%のグルコン酸を含む。さらなる態様において、組成物は、約15wt%のグルコン酸を含む。さらなる態様において、組成物は、約10wt%のグルコン酸を含む。
【0021】
上記の組成物のさらなる態様において、組成物は、約10wt%~約40wt%の水を含む。さらなる態様において、組成物は、約12wt%~約35wt%の水を含む。さらなる態様において、組成物は、約13wt%~約30wt%の水を含む。
【0022】
上記の組成物のさらなる態様において、組成物は、約6wt%のカテコールを含む。さらなる態様において、組成物は、約2wt%の没食子酸を含む。さらなる態様において、組成物は、約3wt%の没食子酸を含む。さらなる態様において、組成物は、約5wt%~10wt%のカテコールと没食子酸との組み合わせを含む。さらなる態様において、組成物は、約5wt%のカテコールと没食子酸との組み合わせを含む。さらなる態様において、組成物は、約6wt%のカテコールと没食子酸との組み合わせを含む。さらなる態様において、組成物は、約7wt%のカテコールと没食子酸との組み合わせを含む。さらなる態様において、組成物は、約8wt%のカテコールと没食子酸との組み合わせを含む。さらなる態様において、組成物は、約9wt%のカテコールと没食子酸との組み合わせを含む。さらなる態様において、組成物は、約9wt%のカテコールと没食子酸との組み合わせを含む。
【0023】
別の実施態様において、組成物は、
(i)約20wt%のトリエタノールアミン;及び
(ii)約35wt%~約45wt%のモノエタノールアミン
を含む。
【0024】
別の実施態様において、組成物は、
(i)約20wt%のトリエタノールアミン;
(ii)約35wt%~約45wt%のモノエタノールアミン;及び
(iii)約10wt%のグルコン酸
を含む。
【0025】
別の実施態様において、組成物は、
(i)約20wt%のトリエタノールアミン;
(ii)約35wt%~約45wt%のモノエタノールアミン;
(iii)約10wt%のグルコン酸;及び
(iv)約9wt%のカテコールと没食子酸との組み合わせ
を含む。
【0026】
別の実施態様において、上記の組成物は、約9以上のpH、例えば、9~14、10~12、又は9、10、11、12、13若しくは14の始点及び終点を有する範囲内の任意のpH、を有することができる。必要に応じて、任意選択で、さらなる塩基性構成成分を添加して、pHを調節することができる。1つの態様において、pHを調節するために添加することができる構成成分は、アミン、例えば第一級、第二級、第三級若しくは第四級アミン、又は第一級、第二級、第三級若しくは第四級アンモニウム化合物を含む。別の態様において、代わりに又は加えて、アンモニウム塩が組成物中に含まれてよい。別の態様において、添加することができる塩基は、アルキル基の全てが同一である第四級水酸化アンモニウム、例えばテトラメチル水酸化アンモニウム、テトラエチル水酸化アンモニウム及び/又はテトラブチル水酸化アンモニウムなど、を含む。さらに別の態様において、pHを調節するために添加される材料の量は、以下の数の群:0、0.1、0.2、0.3、0.5、0.8、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、17及び20、から選択される始点及び終点を有する重量パーセントの範囲で、添加することができる。組成物に添加される場合、塩基の範囲の例は、組成物の約0.1wt%~約15wt%、約0.5wt%~約10wt%、約1wt%~約20wt%、約1wt%~約8wt%、約0.5wt%~約5wt%、約1wt%~約7wt%又は約0.5wt%~約7wt%であってよい。
【0027】
別の実施態様において、組成物は、任意の組み合わせで、任意のさらなる第一級、第二級、第三級若しくは第四級アミン、又は第一級、第二級、第三級若しくは第四級水酸化アンモニウム、及び/又は任意のさらなるアンモニウム塩を含有しないか、あるいは実質的に含有しなくてよい。
【0028】
開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象は、マイクロエレクトロニクス装置又は半導体基材から残留物を除去する方法であって、残留物を含有する基材を、開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の洗浄組成物と接触させる工程を含む方法、をさらに含む。
【0029】
この概要のセクションは、開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の、全ての実施態様及び/又は付加的に新規の態様を特定してはいない。代わりに、この概要は、異なる実施態様の予備的な議論と、従来技術及び公知技術に対する新規性に対応する点とを単に提供するものである。開示される及び特許請求の範囲に記載される対象及び実施態様の、さらなる詳細及び/又はあり得る可能性については、読者は、下記でさらに議論される本開示の詳細な説明のセクションを参照せよ。
【0030】
本明細書において説明される異なる工程の議論の順序は、明確にする目的のために提供されている。一般に、本明細書において開示される工程は、任意の適した順序で行うことができる。加えて、本明細書において開示される異なる特徴、技術、構成などのそれぞれは、本開示の異なる箇所で議論される場合があり、その概念のそれぞれは、互いから独立して、又は適切に互いに組み合わせて実行することができることが意図される。従って、開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象は、多くの異なる手法で、具体化されて、見られることができる。
【0031】
本明細書において使用されるセクションの表題は、構成の目的のためのものであり、説明される対象を限定するものとは解釈されない。特許、特許出願、記事、書籍及び論文を含むが、それらに限定されない、本出願において引用される全ての文献又は文献の一部は、任意の目的のために、参照によって、それらの全体が本明細書に明示的に組み込まれる。組み込まれた文献及び同様の資料が、用語を、本出願におけるその用語の定義に矛盾する様式で定義している場合、本出願は、それを照合する。
【0032】
本明細書において引用される、公報、特許出願及び特許を含む全ての参照文献は、それぞれの参照文献が個別に、かつ具体的に参照によって組み込まれたかのように、及び本明細書においてその全体が規定されたかのように、同じ範囲の参照によって、本明細書に組み込まれる。
【0033】
定義
開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象を説明する文脈における(とりわけ以下の特許請求の範囲の文脈における)、用語「a」、「an」、「the」及び類似の指示語の使用は、本明細書において他に記載があるか、又は文脈によって明確に否定されない限り、単数及び複数の両方をカバーすると解釈される。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」及び「含有する(containing)」は、他に記載がない限り、オープンエンドの用語として(すなわち、「含む(including)が、それに限定されない」として)解釈されるが、部分的にクローズド又はクローズドである用語の「から本質的になる(consisting essentially of)」及び「からなる(consisting of)」をさらに含む。本明細書における値の範囲の記載は、本明細書において他に記載がない限り、単に、範囲内にあるそれぞれの個別の値を独立に参照する略記法として機能することが意図されていて、それぞれの個別の値は、それが本明細書において個別に記載されたのと同様に、本明細書に組み込まれる。本明細書において記載される全ての方法は、本明細書において他に記載がない限り、又は文脈によって他に明確に否定されない限り、任意の適した順序で行うことができる。本明細書において提供される、任意の若しくは全ての例、又は例示的な語(例えば「例えば(such as)」)は、他に記載がない限り、単に、開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象をよりよく例示することが意図されていて、開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の範囲についての限定をするものではない。本明細書中のいかなる語も、任意の記載されていない要素が、開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の実施に不可欠であることを示すと解釈されるべきではない。全てのパーセントは重量パーセントであり、全ての重量パーセントは、組成物の合計の重量(その任意選択の濃縮及び/又は希釈の前)に基づくものである。「1つ以上」の言及は、「2つ以上」及び「3つ以上」などを含む。
【0034】
開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の好ましい実施態様が、本明細書において説明される。それらの好ましい実施態様の変形は、先の説明を読むことによって当業者にとって明らかとなることができる。発明者らは、当業者が、このような変形を適切に用いることを期待していて、開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象が、本明細書において具体的に説明される以外でも実施されることを意図している。従って、開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象は、適用可能な法によって許されるとき、本明細書に添付される特許請求の範囲に記載される対象の全ての変更及び均等物を含む。さらに、上記の要素の全ての可能な変形において、上記の要素の任意の組み合わせが、本明細書において他に記載があるか、又は文脈によって他に明確に否定されない限り、開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象によって包含される。
【0035】
参照を容易にするために、「マイクロエレクトロニクス装置」は、マイクロエレクトロニクス、集積回路又はコンピュータチップの用途における使用のために製造された、ウエハ、フラットパネルディスプレイ、相変化メモリ装置、ソーラーパネル及びソーラー基材を備える他の製品、光電池、並びに微小電気機械システム(MEMS)、を含む半導体基材に対応する。ソーラー基材は、ケイ素、非晶質ケイ素、多結晶ケイ素、単結晶ケイ素、CdTe、セレン化銅インジウム、硫化銅インジウム、及びガリウム上のヒ化ガリウムを含むが、それらに限定されない。ソーラー基材は、ドープされているか、又はドープされていなくてもよい。用語「マイクロエレクトロニクス装置」は、いかなる手法によるかで限定されることを意味するものではなく、最終的にマイクロエレクトロニクス装置又はマイクロエレクトロニクス組立品となる任意の基材を含むと理解される。
【0036】
本明細書において規定されるとき、「低k誘電体材料」は、約3.5未満の誘電率を有する、積層マイクロエレクトロニクス装置において誘電体材料として使用される任意の材料に対応する。好ましくは、低k誘電体材料は、低極性材料、例えばケイ素含有有機ポリマー、ケイ素含有ハイブリッド有機/無機材料、有機シリケートガラス(OSG)、TEOS、フッ素化シリケートガラス(FSG)、二酸化ケイ素及び炭素ドープ酸化物(CDO)ガラスを含む。低k誘電体材料は、種々の密度及び種々のポロシティを有し得ることが認められている。
【0037】
本明細書において規定されるとき、用語「バリア材料」は、当分野において金属ライン、例えば銅相互接続、をシールして、その金属の、例えば銅の、誘電体材料への拡散を最小化するのに使用される任意の材料に対応する。好ましいバリア層材料は、タンタル、チタン、ルテニウム、ハフニウム及び他の耐熱性金属、並びにそれらの窒化物及びケイ化物を含む。
【0038】
本明細書において、「実質的に含有しない」は、0.1wt%未満、又は0.01wt%未満、最も好ましくは0.001wt%未満、0.0001wt%未満、又は1ppb未満と規定される。「実質的に含有しない」は、0.0000wt%及び0ppbをさらに含む。用語「含有しない」は、0.0000wt%又は0ppbを意味する。
【0039】
本明細書において使用されるとき、「約(about)」又は「約(approximately)」は、測定可能な数値変数において使用されるとき、記載される値の±5%に対応することが意図される。
【0040】
組成物の具体的な構成成分が0の下限を含むwt%の範囲に関して議論される全てのこのような組成物において、このような構成成分は、組成物の種々の具体的な実施態様において存在するか、又は存在しなくてもよく、例えばこのような構成成分が存在する場合には、それらは、これらの構成成分が用いられる組成物の合計の重量に対して0.001wt%ほどに低い濃度で存在してよいと理解される。
【0041】
詳細な説明
先の一般的な説明と以下の詳細な説明との両方は、例示的な及び説明的なものであり、特許請求の範囲に記載される対象を限定するものではないと理解される。開示される対象の物体、特徴、利点及びアイデアは、本明細書において提供される説明から、当業者にとって明らかとなり、開示される対象は、本明細書に見られる説明に基づいて、当業者によって容易に実施可能なものとなる。任意の「好ましい実施態様」と、及び/又は開示される対象を実施するための好ましい様式を示す例との説明は、説明の目的のために含まれるものであり、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【0042】
本明細書において開示される開示される対象の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書において説明される態様に基づいて、どのように開示される対象が実施されるかについて種々の変更をすることができることもまた、当業者にとって明らかとなる。
【0043】
開示される及び特許請求の範囲に記載される対象は、選択的に残留物を、例えばアッシングされたフォトレジスト及び/又は処理残留物を、マイクロエレクトロニクス装置から除去するための、組成物と、その組成物の使用を含む方法とを提供する。物品、例えばマイクロエレクトロニクス装置のために有用な基材、を含む洗浄方法において、除去される典型的な汚染物質は、単独で、又は組み合わせて、以下の例:有機化合物、例えば露光された及びアッシングされたフォトレジスト材料、アッシングされたフォトレジスト残留物、UV又はX線硬化フォトレジスト、C-F含有ポリマー、低分子量及び高分子量ポリマー、並びに他の有機エッチング残留物;無機化合物、例えば金属酸化物、化学機械研磨(CMP)スラリーに起因するセラミック粒子、及び他の無機エッチング残留物;金属含有化合物、例えば有機金属残留物及び金属有機化合物;イオン性及び中性の、軽又は重無機(金属)種、水分、並びに平坦化及びエッチングプロセスなどの処理によって生成される粒子を含む不溶性材料、のうち1つ又は複数を含む場合がある。1つの特定の実施態様において、除去される残留物は、処理残留物、例えば反応性イオンエッチングによって作り出される処理残留物である。
【0044】
さらに、アッシングされたフォトレジスト及び/又は処理残留物は、典型的には、任意の組み合わせで、以下の材料:金属(例えば銅、アルミニウム)、ケイ素、シリケート及び/又は中間誘電体材料、例えば堆積された酸化ケイ素及び誘導体化された酸化ケイ素、例えばHSQ、MSQ、FOX、TEOS及びスピンオンガラス、並びに/又は高k材料、例えばハフニウムシリケート、酸化ハフニウム、バリウムストロンチウムチタン(BST)、Ta25及びTiO2、のうち1つ又は複数をさらに含む半導体基材(マイクロエレクトロニクス装置)上に存在し、フォトレジスト及び/又は残留物と、金属、ケイ素、ケイ化物、中間誘電体材料及び/又は高k材料との両方は、洗浄組成物と接触する。さらに、本明細書において開示される組成物は、特定の誘電体材料の、例えば酸化ケイ素の極小のエッチング速度示すことができる。本明細書において開示される組成物及び方法は、以下:金属、ケイ素、二酸化ケイ素、中間誘電体材料及び/又は高k材料のうち1つ又は複数を有意に攻撃することなく、残留物を選択的に除去することを、それぞれ提供する。1つの実施態様において、本明細書において開示される組成物は、感受性のある低k膜を含有する構造のために適したものであることができる。特定の実施態様において、基材は、1つ又は複数の金属を、以下に限定するものではないが、例えば銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、タングステン及びチタン/タングステンを含有してよく、それらのうち1つ又は複数は、洗浄組成物によって攻撃されない。
【0045】
開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の組成物は、少なくとも2つのR-OH基を有するアルカノールアミン、アルファヒドロキシ酸、水及び他の任意選択の構成成分を含む。
【0046】
I.アルカノールアミン
組成物は、少なくとも2つのR-OH基を有する少なくとも1つのアルカノールアミン、又は少なくとも2つのR-OH基を有する2つ以上のアルカノールアミンの混合物を含む。組成物が少なくとも2つのR-OH基を有する少なくとも1つのアルカノールアミンを含む限りにおいて、組成物は、1つのR-OH基を有する1つ又は複数のさらなるアルカノールアミンをさらに含んでよい。アルカノール基はR-OHと定義され、式中、Rは、任意の数の炭素、好ましくは1~20、1~15、1~10、1~7、1~5又は1~4個の炭素、を有する、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキルである。幾つかの実施態様において、開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の組成物において有用な、2つ以上のアルカノール基を有するアルカノールアミンは、3つ以上のアルカノール基を含む。
【0047】
開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の組成物において有用なアルカノールアミンは、好ましくは水において混和性である。
【0048】
開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象において有用な、1つより多くのアルカノール基を有するアルカノールアミンの例は、以下に限定するものではないが、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン(TEA)、第三級ブチルジエタノールアミン及びそれらの混合物を含む。1つより多くのアルカノール基を有する少なくとも1つのアルカノールアミンが、開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の組成物中に存在する。1つより多くのアルカノール基を有する2つ以上のアルカノールアミンの混合物を使用することができる。
【0049】
1つのアルカノール基を有するアルカノールアミンが、開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の組成物中に存在してよい。2つ以上のアルカノール基を有するアルカノールアミンと組み合わせて使用することができる1つのアルカノール基を有するアルカノールアミンの例は、モノエタノールアミン(MEA)、N-メチルエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、イソプロパノールアミン、2-アミノ-1-プロパノール、3-アミノ-1-プロパノール、2-アミノ-1-ブタノール、イソブタノールアミン、2-アミノ-2-エトキシプロパノール、2-アミノ-2-エトキシエタノールを含む。
【0050】
幾つかの実施態様において、アルカノールアミン(1つ、2つ又は3つ以上)の合計の量は、以下のリスト:5、10、20、30、40、45、48、50、55、57、59、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、85及び88のwt%の値から選択される始点及び終点を有する範囲の量を構成することができる。例えば、組成物は、組成物の約10wt%~約85wt%、約20wt%~約80wt%、約30wt%~約78wt%、約45wt%~約78wt%、約45wt%~約80wt%又は約50wt%~約85wt%の、1つ、2つ以上又は3つ以上のアルカノールアミンを含んでよい。
【0051】
2つ以上のアルカノールアミン(すなわち、1つより多くのアルカノール基を有する第一のアルカノールアミン、1つより多くのアルカノール基を有するか、又は有しない第二のアルカノールアミン及び/又は第三以上のアルカノールアミン)を含む幾つかの実施態様において、第一のアルカノールアミンは、第二のアルカノールアミン以上のwt%で存在するか、又は第一のアルカノールアミンは、第二のアルカノールアミン未満のwt%で存在してよい。代替の実施態様において、第一のアルカノールアミンは、組成物中のアルカノールアミンの合計の1/3未満であってよい。代替の実施態様において、第二のアルカノールアミンは、組成物中のアルカノールアミンの合計の1/3未満であってよい。第一の及び第二のアルカノールアミンのそれぞれは、以下のリスト:2、5、7、10、12、15、17、18、20、22、23、25、27、30、33、35、38、40、42、45、48、50、52、55、57、59、62、65、67及び70のwt%の値から選択される始点及び終点を有する独立に画定された1つ又は複数の範囲の量を構成してよい。例えば、第一のアルカノールアミン又は第二のアルカノールアミンは、両方の範囲が同じである場合を含む任意の組み合わせで、以下の範囲:組成物の約2wt%~約70wt%、約2wt%~約65wt%、約2wt%~約60wt%、約2wt%~約55wt%、約2wt%~約40wt%、約5wt%~約55wt%、約7wt%~約45wt%、約5wt%~約35wt%、約20wt%~約50wt%、約15wt%~約45wt%、約35wt%~約60wt%、約15wt%~約55wt%、約25wt%~約65wt%、約10wt%~約50wt%又は約7wt%~約52wt%から独立に選択される量で存在してよい。
【0052】
幾つかの実施態様において、任意選択の第三の及び/又は第四以上の(それらのそれぞれは、1つ又は複数のアルカノール基を有するか、又は有しなくてよい)アルカノールアミンが、この開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の組成物中に存在していてよい。組成物は、以下のリスト:0、0.5、1、1.5、2、5、7、10、12、15、17、18、20、22、23、25、27、30、33、35、38及び40のwt%の値から選択される始点及び終点を有する範囲の量の第三のアルカノールアミンを含んでよい。例えば、組成物は、組成物の約0wt%~約40wt%、約0.5wt%~約40wt%、約0.5wt%~約20wt%、約0.5wt%~約15wt%、約1wt%~約10wt%又は約1wt%~約7wt%の第三のアルカノールアミンを含んでよい。存在するならば、第四のアルカノールアミンは、以下のリスト:0、0.5、1、1.5、2、5、7、10、12、15、17、18、20、22、23、25、27、30、33、35、38及び40のwt%の値から選択される始点及び終点を有する範囲で存在してよい。例えば、組成物は、組成物の約0wt%~約40wt%、約0.5wt%~約40wt%、約0.5wt%~約20wt%、約0.5wt%~約15wt%、約1wt%~約10wt%又は約1wt%~約7wt%の第四のアルカノールアミンを含んでよい。
【0053】
2つ以上のアルカノールアミン(第一のアルカノールアミン以外)は、任意の組み合わせで、1つ又は複数のアルカノール基及び/又はエーテル基又は他の基を有するアルカノールアミンを含んでよい。幾つかの実施態様において、第二のアルカノールアミンは、1つのアルカノール基を有するアルカノールアミンを含んでよい。他の実施態様において、第一の及び第二のアルカノールアミンは1つより多くのアルカノール基を有するアルカノールアミンを含むか、又は第一のアルカノールアミンは2つより多くのアルカノール基を有し、かつ第二のアルカノールアミンは1つ又は複数のアルカノール基を含んでよい。第三のアルカノールアミンを含むさらに他の実施態様において、第三のアルカノールアミンは1つより多くのアルカノール基を有するアルカノールアミンを含むか、及び/又は第三のアルカノールアミンはエーテル基を有するアルカノールアミンを含んでよい。
【0054】
1つのアルカノール基を有するアルカノールアミンの例は、モノエタノールアミン(MEA)、メタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、イソプロパノールアミン、2-アミノ-1-プロパノール、3-アミノ-1-プロパノール、2-アミノ-1-ブタノール、イソブタノールアミン、2-アミノ-2-エトキシプロパノール及び2-アミノ-2-エトキシエタノールを含む。2-アミノ2-エトキシプロパノール及び2-アミノ-2-エトキシエタノールは、単一のアルカノール基を有し、かつエーテル基も有する。
【0055】
1つより多くのアルカノール基を有するアルカノールアミンの例は、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン(TEA)及び第三級ブチルジエタノールアミンを含む。
【0056】
2つより多くのアルカノール基を有するアルカノールアミンの例は、トリエタノールアミン(TEA)を含む。
【0057】
エーテルを含むアルカノールアミンの例は、アミノエトキシエタノール(AEE)、2-アミノ-2-エトキシプロパノール及び2-アミノ-2-エトキシエタノールを含む。
【0058】
II.α-ヒドロキシカルボン酸
開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の組成物は、1つ又は複数のα-ヒドロキシカルボン酸(アルファ-ヒドロキシカルボン酸及び/又はアルファ-ヒドロキシ酸としても知られる)を含む。α-ヒドロキシカルボン酸は、1つより多くの酸基(-COOH)を含んでよい。α-ヒドロキシカルボン酸は、以下の構造:
【化1】
(本明細書において「R1-R2C(OH)-COOH」と示される)を有してよく、式中、R1及びR2は、独立に、H、芳香族若しくは非芳香族及び/又は飽和若しくは不飽和の炭素環;あるいは直鎖、分岐鎖又は環状のアルキルであってよい。環はヘテロ環であるか、又はヘテロ原子を含有する基で置換されていてよく、アルキル基(例えばC1~C10)はヘテロ原子を含有する基を含有するか、又はヘテロ原子を含有する基で置換されていてよく;あるいはR1及び/又はR2の中に若しくは上にヘテロ原子がなくてもよい。ときには、R1は、置換された1つ又は複数のさらなる-OH基を有するアルキル基であり、かつR2はHである。R1及び/又はR2は、1つ又は複数のさらなる酸基であるか、又は1つ又は複数の酸基を含有してよく、1つより多くの酸基、例えばクエン酸、タルトロン酸、サッカリン酸、酒石酸及びジヒドロキシマロン酸、を有するα-ヒドロキシカルボン酸を表す。代替の実施態様において、R1及びR2は、結合して芳香族若しくは非芳香族及び/又は飽和若しくは不飽和の炭素環;あるいは直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基を形成してよい。
【0059】
開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の組成物において有用なα-ヒドロキシカルボン酸の例は、グリコール酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、グリセリン酸、マンデル酸、タルトロン酸、サッカリン酸、ジヒドロキシマロン酸及びそれらの組み合わせを含む。開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の組成物は、以下のリスト:0.5、1、2、3、4、5、7、10、12、14、15、17、18、20、22、25、27、30、33、35、38及び40のwt%の値から選択される始点及び終点を有する範囲の量で1つ又は複数のα-ヒドロキシカルボン酸を、例えば約0.5wt%~約40wt%、約1wt%~約35wt%、約2wt%~約30wt%、約3wt%~約27wt%、約4wt%~約25wt%又は約5wt%~約30wt%のα-ヒドロキシカルボン酸(無希釈)を、含んでよい。
【0060】
III.水
開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の洗浄組成物は、水ベースであり、従って水を含む。開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象において、水は、種々の様式で、例えば、残留物の1つ又は複数の構成成分を溶解するように、構成成分のキャリアとして、金属残留物の除去を補助するものとして、組成物の粘度調整剤として、及び希釈剤として、機能する。好ましくは、洗浄組成物において用いられる水は脱イオン(DI)水である。
【0061】
多くの用途について、水は、以下のリスト:5、10、13、15、17、18、20、22、25、27、30、33、35、38、40、42、45及び50のwt%の値から選択される始点及び終点を有する範囲の量を含むと、例えば約5wt%~約50wt%、約10wt%~約40wt%、約10wt%~約30wt%、約5wt%~約30wt%、約5wt%~約25wt%又は約10wt%~約25wt%の水であると考えられる。開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象のさらに他の好ましい実施態様は、ある量で水を含んで、所望のwt%の他の成分を達成することができる。
【0062】
IV.任意選択の腐食抑制剤
開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の組成物は、任意選択で、1つ又は複数の腐食抑制剤を含む。開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象において有用な腐食抑制剤は、フェノール、フェノールの誘導体又はそれらの混合物であってよい。開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象において有用な腐食抑制剤としてのフェノール誘導体は、カテコール、t-ブチルカテコール、レゾルシノール、ピロガロール、p-ベンゼンジオール、m-ベンゼンジオール、o-ベンゼンジオール、1,2,3-ベンゼントリオール、1,2,4-ベンゼントリオール及び1,3,5-ベンゼントリオール、没食子酸及び没食子酸の誘導体、クレゾール、キシレノール、サリチルアルコール、p-ヒドロキシベンジルアルコール、o-ヒドロキシベンジルアルコール、p-ヒドロキシフェネチルアルコール、p-アミノフェノール、m-アミノフェノール、ジアミノフェノール、p-ヒドロキシ安息香酸、o-ヒドロキシ安息香酸、2,4-ヒドロキシ安息香酸、2-5-ジヒドロキシ安息香酸、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及び3,5-ジヒドロキシ安息香酸又はそれらの混合物を含む。開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象において有用な1つ又は複数のフェノール誘導体化合物は、少なくとも2つのヒドロキシル基を有してよい。上記のように、開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象において有用な腐食抑制剤としてのフェノール誘導体は、没食子酸、没食子酸の誘導体及びそれらの混合物であってよい。没食子酸の誘導体は、没食子酸メチル、没食子酸フェニル、3,4,5-トリアセトキシ没食子酸、トリメチル没食子酸メチルエステル、没食子酸エチル、無水没食子酸及びそれらの混合物であってよい。
【0063】
腐食抑制剤は、単独の、又はフェノールの腐食抑制剤及びフェノールの誘導体の腐食抑制剤を含む他の腐食抑制剤と組み合わせた、トリアゾール化合物であってよい。例示的なトリアゾール化合物は、ベンゾトリアゾール、o-トリルトリアゾール、m-トリルトリアゾール、p-トリルトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、ニトロベンゾトリアゾール、ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール及びそれらの混合物を含む。幾つかの他の実施態様において、腐食抑制剤はトリアゾールであり、ベンゾトリアゾール、o-トリルトリアゾール、m-トリルトリアゾール、p-トリルトリアゾール及びそれらの混合物のうち少なくとも1つである。
【0064】
開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象において使用することができる代替の腐食抑制剤は、単独の、又は1つ若しくは複数の他の腐食抑制剤と組み合わせた、α-ヒドロキシ酸ではない少なくとも1つの多官能基有機酸を含む。本明細書において使用されるとき、「多官能基有機酸」は、1つより多くのカルボン酸基を有する酸又はマルチ酸をいい、(i)ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸等);芳香族部分を有するジカルボン酸(例えばフタル酸等)、メチルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸(NTA)及びそれらの組み合わせ;(ii)トリカルボン酸(例えばプロパン-1,2,3-トリカルボン酸等)、(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、芳香族部分を有するトリカルボン酸(例えばトリメリット酸等)及びそれらの組み合わせ;(iii)テトラカルボン酸、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ブチレンジアミン四酢酸、(1,2-シクロヘキシレンジニトリロ)四酢酸(CyDTA)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、N,N,N’,N’-エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン)酸(EDTMP)、1,3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン-N,N,N’,N’-四酢酸(DHPTA)、プロピレンジアミン四酢酸及びそれらの組み合わせ;並びに(iv)ジエチレントリアミン五酢酸(DETPA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)及びそれらの組み合わせ、を含むが、それらに限定されない。主に、多官能基有機酸構成成分は、金属腐食抑制剤及び/又はキレート剤として機能すると考えられる。
【0065】
好ましい多官能基有機酸は、例えば少なくとも3つのカルボン酸基を有する多官能基有機酸を含む。少なくとも3つのカルボン酸基を有する多官能基有機酸は、水に対して非常に混和性である。このような酸の例は、トリカルボン酸(例えば2-メチルプロパン-1,2,3-トリスカルボン酸、ベンゼン-1,2,3-トリカルボン酸[ヘミメリット酸]、プロパン-1,2,3-トリカルボン酸[トリカルバリル酸]、1,シス-2,3-プロペントリカルボン酸[アコニット酸]及び同様のもの)、テトラカルボン酸(例えばブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸、シクロペンタンテトラ-1,2,3,4-カルボン酸、ベンゼン-1,2,4,5-テトラカルボン酸[ピロメリット酸]及び同様のもの)、ペンタカルボン酸(例えばベンゼンペンタカルボン酸)及びヘキサカルボン酸(例えばベンゼンヘキサカルボン酸[メリット酸])、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)並びに同様のものを含む。
【0066】
単独で、又は他の腐食抑制剤のうち1つ若しくは複数に加えて、開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の組成物において使用することができる腐食抑制剤の別の種類は、アミノ酸を含む。開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の組成物において有用なアミノ酸の例は、グリシン、ヒスチジン、リシン、アラニン、ロイシン、トレオニン、セリン、バリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニンを含む。開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の組成物において使用することができるさらに他のアミノ酸は、システイン、アスパラギン、グルタミン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、トリプトファン及びチロシンを含む。幾つかの好ましいアミノ酸は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジンを含む。アミノ酸の混合物もまた使用することができる。
【0067】
開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の洗浄組成物中の1つ又は複数の腐食抑制剤の合計の量は、以下のリスト:0、0.1、0.2、0.5、1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、10、12、15、20のwt%の値から選択される始点及び終点を有する範囲であってよく、例えば組成物の約0.1wt%~約15wt%、約0.1wt%~約10wt%、約0.1wt%~約8wt%、約0.5wt%~約15wt%、約0.5wt%~約10wt%、約1wt%~約12wt%、約1wt%~約10wt%又は約1wt%~約8wt%であってよいと考えられる。
【0068】
幾つかの実施態様において、開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の組成物は、任意の組み合わせで組成物に添加される、上で記載されるさらなる種類の腐食抑制剤のうち任意のもの若しくは全て、又は別個の腐食抑制剤のうち任意の1つ若しくは複数を含有しないか、又は実質的に含有しない。
【0069】
V.他の任意選択の成分
A.さらなる有機酸
開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の組成物は、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシペンタン酸、ギ酸、シュウ酸、マロン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸及びサリチル酸を含む(上で記載される種類のα-ヒドロキシカルボン酸とは異なる)さらなる有機酸を含んでよい。代わりに、開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の組成物は、任意の組み合わせの上で記載される任意の若しくは全てのさらなる有機酸を実質的に含有しないか、若しくは含有しなくてよく、又は全てのさらなる有機酸を実質的に含有しないか、若しくは含有しなくてよい。例えば、開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の組成物は、ギ酸若しくはマロン酸を実質的に含有しないか、若しくは含有しなくてよく、又は開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の組成物は、ギ酸、グルタル酸及びマロン酸を実質的に含有しないか、若しくは含有しなくてよい。存在する場合、さらなる有機酸は、約0.1~約10wt%で存在してよい。
【0070】
B.水混和性溶媒
開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象のエッチング組成物は、水混和性溶媒を含んでよい。用いることができる水混和性有機溶媒の例は、N-メチルピロリドン(NMP)、1-メトキシ-2-プロピルアセテート(PGMEA)、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチルジグリコール、1,4-ブタンジオール、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、(例えばDowanol DB(登録商標)の取引名称の下で商業的に入手可能である)ジエチレングリコールn-ブチルエーテル、ヘキシルオキシプロピルアミン、ポリ(オキシエチレン)ジアミン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフルフリルアルコール、グリセロール、アルコール、スルホキシド又はそれらの混合物である。好ましい溶媒は、アルコール、ジオール又はそれらの混合物である。
【0071】
開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の幾つかの実施態様において、水混和性有機溶媒は、グリコールエーテルを含んでよい。グリコールエーテルの例は、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、モノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレンモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、1-メトキシ-2-ブタノール、2-メトキシ-1-ブタノール、2-メトキシ-2-メチルブタノール、1,1-ジメトキシエタン及び2-(2-ブトキシエトキシ)エタノールを含む。
【0072】
多くの用途について、組成物における水混和性有機溶媒の量は、以下のリスト:0、0.1、0.5、1、5、7、12、15、20、25、30、50、65及び70のwt%の値から選択される始点及び終点を有する範囲であってよいと考えられる。溶媒のこのような範囲の例は、組成物の約0.5wt%~約80wt%、約0.5wt%~約65wt%、約1wt%~約50wt%、約0.1wt%~約30wt%、0.5wt%~約25wt%、約0.5wt%~約15wt%、約1wt%~約7wt%又は約0.1wt%~約12wt%を含む。
【0073】
存在する場合には、溶媒は、洗浄作用を補助し、ウエハ表面を保護することができる。
【0074】
幾つかの実施態様において、開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の組成物は、任意の組み合わせの、上で記載される水混和性有機溶媒のうち任意のもの若しくは複数、又は組成物に添加される全ての水混和性有機溶媒を含有しないか、又は実質的に含有しない。
【0075】
C.他の任意選択の成分
他の実施態様において、組成物は、ヒドロキシルアミン、酸化剤、界面活性剤、化学修飾剤、染料、殺生物剤、キレート剤、腐食抑制剤、さらなる酸及び/又はさらなる塩基のうち任意のもの又は全てを、含むか、実質的に含有しないか、又は含有しなくてよい。
【0076】
幾つかの実施態様は、ヒドロキシキノリンを含むか、又はヒドロキシキノリンを含有しない、若しくは実質的に含有しなくてよい。
【0077】
幾つかの実施態様において、開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の組成物は、以下:硫黄含有化合物、臭素含有化合物、塩素含有化合物、ヨウ素含有化合物、フッ素含有化合物、ハロゲン含有化合物、リン含有化合物、金属含有化合物、ヒドロキシルアミン、又はN,N-ジエチルヒドロキシルアミン(DEHA)、イソプロピルヒドロキシルアミンを含むヒドロキシルアミンの誘導体、又は例えばヒドロキシルアンモニウムクロリド、ヒドロキシルアンモニウムスルフェートなどのヒドロキシルアミンの塩、ナトリウム含有化合物、カルシウム含有化合物、アルキルチオール、有機シラン、ハライド含有化合物、酸化剤、過酸化物、バッファー種、ポリマー、無機酸、アミド、金属水酸化物、水酸化アンモニウム、第四級水酸化アンモニウム及び強塩基、のうち、任意の組み合わせの少なくとも1つ若しくは1つより多く、又は全てを含有しないか、又は実質的に含有しなくてよく、あるいは組成物中に既に存在する場合には任意のさらなるそれらを含有しなくてよい。
【0078】
組成物のpH
開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の組成物は、約9以上、例えば9~14若しくは10~12、又は9、10、11、12、13若しくは14の始点及び終点を有する範囲の任意のpHを有してよい。必要な場合には、任意選択で、さらなる塩基性構成成分を添加してpHを調節することができる。pHを調節するために添加することができる構成成分の例は、例えば第一級、第二級、第三級若しくは第四級アミン、又は第一級、第二級、第三級若しくは第四級アンモニウム化合物を含む。代わりに、又は加えて、アンモニウム塩が組成物中に含まれてよい。
【0079】
添加することができる塩基の例は、アルキル基のうち全てが同じである第四級水酸化アンモニウム、例えばテトラメチル水酸化アンモニウム、テトラエチル水酸化アンモニウム及び/又はテトラブチル水酸化アンモニウムなどを含む。
【0080】
塩基が添加される場合、塩基は、所望のpHをもたらすような量で添加されると考えられる。添加される量は、以下の数字の群:0、0.1、0.2、0.3、0.5、0.8、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、17及び20から選択される始点及び終点を有する重量パーセントの範囲であってよい。開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の組成物に添加される場合には、塩基の範囲の例は、組成物の約0.1wt%~約15wt%、約0.5wt%~約10wt%、約1wt%~約20wt%、約1wt%~約8wt%、約0.5wt%~約5wt%、約1wt%~約7wt%又は約0.5wt%~約7wt%であってよい。
【0081】
代替の実施態様において、組成物は、第一級、第二級、第三級若しくは第四級アミン、第一級、第二級、第三級若しくは第四級水酸化アンモニウム、及び/又は任意の組み合わせの任意のさらなるアンモニウム塩を含有しないか、又は実質的に含有しなくてよい。
【0082】
使用の方法
本明細書において説明される方法は、膜又は残留物として存在する有機若しくは金属有機ポリマー、無機塩、酸化物、水酸化物若しくは錯体、又はそれらの組み合わせを有する基材を、説明された組成物にさらすか、又はそうでなければ接触させる(例えば、一度に1つを、又は複数の基材を受け入れるようなサイズにされた浴に複数の基材を浸漬又は噴霧する)ことによって行うことができる。実際の条件、例えば温度、時間などは、除去される材料の性質及び厚さに依存する。
【0083】
一般に、基材は、開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の洗浄組成物を含有する容器に、約20℃~約90℃、約20℃~約80℃、約40℃~約80℃の温度で、接触又は浸漬される。組成物に基材をさらす典型的な期間は、例えば0.1~90分、1~60分又は1~30分であってよい。組成物との接触の後、基材をすすいで、次いで乾燥させてよい。典型的には、乾燥は不活性雰囲気の下で行われ、回転させることを含んでよい。特定の実施態様において、脱イオン水でのすすぎ、又は他の添加剤とともに脱イオン水を含有するすすぎを、基材を本明細書において説明される組成物と接触させる前、間及び/又は後に採用することができる。
【0084】
本明細書において説明される組成物を用いて除去される材料は、当分野において側壁ポリマー、ベール、フェンスエッチング残留物、アッシング残留物などの名前で知られている処理残留物及びアッシングされたフォトレジストを含む。特定の好ましい実施態様において、フォトレジストは、本明細書において説明される組成物と接触する前に、暴露、成長、エッチング及びアッシングされる。典型的には、本明細書において開示される組成物は、低k膜と、例えばHSQ(FOx)、MSQ、SiLKなどと両立可能である。配合物は、ポジティブ及びネガティブフォトレジスト、並びに有機残留物、有機金属残留物、無機残留物、金属残留物などのプラズマエッチング残留物、又はフォトレジスト錯体を、タングステン、アルミニウム、銅、チタン含有基材がわずかに腐食する低い温度で剥離させるのに有効である場合がある。さらに、組成物は、種々の高誘電率材料とも両立可能である。多くの記載される材料、例えばアルミニウム、銅又はアルミニウム、及び銅合金、又はタングステンなどについて、開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の組成物及び方法によってもたらされるエッチング速度は、約5Å/分、未満、約4Å/分未満、約3Å/分未満、約2Å/分未満、約1.5Å/分未満、又は約1Å/分未満であることができ、それらを、90℃未満の処理温度でもたらすことができる。
【実施例
【0085】
ここから、本開示のより具体的な実施態様、及びこのような実施態様をサポートする実験結果の参照がされる。例が下で与えられて、開示される対象をより十分に例示するが、いかようにも、開示される対象を限定するとは解釈されるべきではない。
【0086】
開示される対象の趣旨又は範囲から逸脱することなく、本明細書において提供される具体的な例及び開示される対象において、種々の変更及び変形をすることができることは、当業者にとって明らかである。従って、以下の例によって提供される説明を含む開示される対象は、任意の請求項及びそれらの均等物の範囲内にある開示される対象の変更及び変形をカバーすることが意図される。
【0087】
全ての表において、全ての量は、重量パーセントで与えられ、100wt%まで加えられる。本明細書において開示される組成物を、全ての固形分が溶解するまで、室温で、容器中で、構成成分を一緒に混合することによって調製した。
【0088】
材料及び方法
説明される種々の配合物において使用される材料は、商業的に入手可能である成分を含み、他に記載がない限り、さらに精製することなく使用した。
【0089】
エッチング速度「ER」測定を、70℃又は75℃における20分の暴露で行った。アルミニウム(2%のCuを含有)及びチタンエッチング速度の決定において、ウエハは、その上に堆積された公知の厚さのブランケット層を有していた。ウエハの初期厚さを、CDE ResMap 273四点プローブを使用して決定した。初期厚さを決定した後、試験ウエハを、例示的な組成物に浸漬した。20分の後、試験ウエハを試験溶液から取り出し、まずN-メチル-2-ピロリドン溶媒ですすぎ、次いで脱イオン水で3分すすぎ、窒素の下で完全に乾燥した。それぞれのウエハの厚さを測定し、必要な場合には、試験ウエハに対して手順を繰り返した。次いで、厚さの変化/処理時間から、エッチング速度を得た。
【0090】
パターニングしたウエハに対して、洗浄試験を行った。3種類のパターニングしたウエハ:(i)SiONに伴う400nmのAlCu金属ライン、(ii)4μmのAlCu金属ライン、及び(iii)Ti含有ビアに対して、異なる溶液の洗浄性能を評価するために、幾つかの洗浄試験を行った。全ての基材について、400rpmの撹拌をしつつ、60℃で、20分、基材を溶液に浸漬した。2種類のパターニングしたウエハ:(i)400nmのAlCu金属ライン、(ii)4μmの金属パッドに対して、幾つかの洗浄試験を行った。400nmのAlCu金属ラインについては10分及び4μmのAlCu金属パッドについては30分、400rpmの撹拌をしつつ、75℃で、基材を溶液に浸漬した。例示的な組成物への暴露の後に、ウエハを脱イオン水ですすぎ、窒素ガスを用いて乾燥した。ウエハを割ってエッジを提供し、次いでそのエッジを、Hitachi Su-8010走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して、種々の所定の一に対して、ウエハに対して調査して、結果を視覚的に判断した。
【0091】
表1はトリエタノールアミンを含有するアルカノールアミンへのグルコン酸の添加が、AlCuエッチング速度の減少をもたらし、それらの配合物は、AlCu金属基材をエッチングすることなく、パターンウエハ上のポストエッチング残留物を洗浄することができたことを示している。
【表1】
表1:AlCuエッチング速度及び洗浄性能に対するグルコン酸の効果
【0092】
表2は、MEA以外の異なるアルカノールアミンが、AlCuエッチング速度に対して効果を有していたことを示している。配合物におけるカテコール及び没食子酸の添加は、AlCuエッチング速度を増加させた。カテコールの添加は没食子酸よりも高い効果を有していて、パターンウエハに対する増加したAlCuエッチングを示した。
【表2】
表2:AlCuエッチング速度及び洗浄性能に対する異なるアルカノールアミンの効果
【0093】
表3は、AlCuエッチング速度及び洗浄性能に対する、配合物にクエン酸を添加する効果を示している。示されるように、クエン酸の添加は、洗浄性能に対する影響を伴わずに、AlCuエッチング速度を低下させることができた。
【表3】
表3:AlCuエッチング速度及び洗浄性能に対するクエン酸の添加の効果
【0094】
表4は、乳酸を含有する配合物が、グルコン酸を含有する配合物よりも高いAlCuエッチング速度を有していたことを示している。クエン酸の添加は、これらの配合物におけるAlCuエッチング速度を減少させた。これらの配合物は、パターニングしたウエハ上のポストエッチング残留物を洗浄することができた。
【表4】
表4:乳酸を含有する配合物の洗浄性能
【0095】
表5は、トリエタノールアミン及びモノエタノールアミンを含む配合物へのグルコン酸の添加が、Tiエッチング速度を増加させることを示している。さらに、配合物へのクエン酸トリアンモニウムの添加が、Tiエッチング速度を減少させたことを示している。
【表5】
表5:70℃におけるAlCu及びTiエッチング速度
【0096】
表6は、グルコン酸を含有する配合物への没食子酸又はカテコールの添加が、Tiエッチング速度を減少させたことを示している。クエン酸トリアンモニウム及びグルコン酸の濃度の変化もまた、AlCuエッチング速度に対して効果を有することが示されている。
【表6】
表6:例のAlCu及びTiエッチング速度
【0097】
表7は、異なる基材に対して、60℃で、20分行った洗浄試験の要約を提供している。表7に示すように、全ての配合物は、Ti含有残留物が側壁に堆積しているTi含有ビアに対する良好な洗浄性を有していた。加えた、配合物によって、AlCu金属ライン基材を、AlCuの腐食を伴わずに洗浄することができた。
【表7】
表7:60℃におけるパターニングしたウエハに対する洗浄性能
【0098】
開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象が、ある程度の具体性を伴って説明及び例示してきたが、開示は、例示のためにのみされたものであり、開示される対象及び特許請求の範囲に記載される対象の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者は、工程の条件及び順序における多くの変更をすることができることが理解される。
本発明の実施形態としては、以下の実施形態を挙げることができる。
(付記1)
(i)2つ以上又は2つより多くのアルカノール基を有するアルカノールアミン;
(ii)アルファヒドロキシ酸;及び
(iii)水
を含む、半導体基材のための洗浄組成物。
(付記2)
2つ以上のアルカノールアミンを含み、前記アルカノールアミンのうち2つが、2つ以上のアルカノール基を有する、付記1に記載の洗浄組成物。
(付記3)
2つ以上のアルカノールアミンを含み、前記アルカノールアミンのうち第一のアルカノールアミンが、2つ以上又は2つより多くのアルカノール基を有していて、かつ前記アルカノールアミンのうち第二のアルカノールアミンが、1つのアルカノール基を有する、付記1に記載の洗浄組成物。
(付記4)
3つのアルカノールアミンを有する、付記2又は3に記載の洗浄組成物。
(付記5)
前記2つ以上のアルカノール基を有するアルカノールアミンが、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン(TEA)、第三級ブチルジエタノールアミン及びそれらの混合物から選択される、付記1~4のいずれか1項に記載の洗浄組成物。
(付記6)
前記1つのアルカノール基を有するアルカノールアミンが、モノエタノールアミン(MEA)、N-メチルエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、イソプロパノールアミン、2-アミノ-1-プロパノール、3-アミノ-1-プロパノール、2-アミノ-1-ブタノール、イソブタノールアミン、2-アミノ-2-エトキシプロパノール、2-アミノ-2-エトキシエタノール及びそれらの混合物から選択される、付記3に記載の洗浄組成物。
(付記7)
前記α-ヒドロキシカルボン酸が、1つ又は複数の酸基(-COOH)を含む、付記1~6のいずれか1項に記載の洗浄組成物。
(付記8)
前記α-ヒドロキシカルボン酸が、以下の構造:
【化2】
を有し、式中、R 1 及びR 2 が、独立に、H、芳香族若しくは非芳香族及び/又は飽和若しくは不飽和の炭素環、あるいは直鎖、分岐鎖又は環状のアルキルであることができる、付記1~7のいずれか1項に記載の洗浄組成物。
(付記9)
前記α-ヒドロキシカルボン酸が、クエン酸、タルトロン酸、サッカリン酸、酒石酸、ジヒドロキシマロン酸及びそれらの混合物から選択される、付記1~8のいずれか1項に記載の洗浄組成物。
(付記10)
前記α-ヒドロキシカルボン酸が、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、グルコン酸、グリセリン酸、マンデル酸及びそれらの混合物から選択される、付記1~9のいずれか1項に記載の洗浄組成物。
(付記11)
腐食抑制剤をさらに含む、付記1~10のいずれか1項に記載の洗浄組成物。
(付記12)
前記腐食抑制剤が、フェノール若しくはフェノールの誘導体、トリアゾール若しくはトリアゾールの誘導体、多官能基有機酸、アミノ酸又はそれらの混合物から選択される、付記11に記載の洗浄組成物。
(付記13)
(i)2つ以上又は2つより多くのアルカノール基を有するアルカノールアミン;
(ii)アルファヒドロキシ酸;及び
(iii)水
から本質的になる、半導体基材のための洗浄組成物。
(付記14)
前記2つ以上のアルカノール基を有するアルカノールアミンが、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン(TEA)、第三級ブチルジエタノールアミン及びそれらの混合物から選択される、付記13に記載の洗浄組成物。
(付記15)
前記α-ヒドロキシカルボン酸が、1つ又は複数の酸基(-COOH)を含む、付記13又は14に記載の洗浄組成物。
(付記16)
前記α-ヒドロキシカルボン酸が、以下の構造:
【化3】
を有し、式中、R 1 及びR 2 が、独立に、H、芳香族若しくは非芳香族及び/又は飽和若しくは不飽和の炭素環、あるいは直鎖、分岐鎖又は環状のアルキルであることができる、付記13又は14に記載の洗浄組成物。
(付記17)
前記α-ヒドロキシカルボン酸が、クエン酸、タルトロン酸、サッカリン酸、酒石酸、ジヒドロキシマロン酸及びそれらの混合物から選択される、付記13又は14に記載の洗浄組成物。
(付記18)
前記α-ヒドロキシカルボン酸が、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、グルコン酸、グリセリン酸、マンデル酸及びそれらの混合物から選択される、付記13又は14に記載の洗浄組成物。
(付記19)
(i)2つ以上又は2つより多くのアルカノール基を有するアルカノールアミン;
(ii)アルファヒドロキシ酸;及び
(iii)水
からなる、半導体基材のための洗浄組成物。
(付記20)
前記2つ以上のアルカノール基を有するアルカノールアミンが、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン(TEA)、第三級ブチルジエタノールアミン及びそれらの混合物から選択される、付記19に記載の洗浄組成物。
(付記21)
前記α-ヒドロキシカルボン酸が、1つ又は複数の酸基(-COOH)を含む、付記19又は20に記載の洗浄組成物。
(付記22)
前記α-ヒドロキシカルボン酸が、以下の構造:
【化4】
を有し、式中、R 1 及びR 2 が、独立に、H、芳香族若しくは非芳香族及び/又は飽和若しくは不飽和の炭素環、あるいは直鎖、分岐鎖又は環状のアルキルであることができる、付記19又は20に記載の洗浄組成物。
(付記23)
前記α-ヒドロキシカルボン酸が、クエン酸、タルトロン酸、サッカリン酸、酒石酸、ジヒドロキシマロン酸及びそれらの混合物から選択される、付記19又は20に記載の洗浄組成物。
(付記24)
前記α-ヒドロキシカルボン酸が、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、グルコン酸、グリセリン酸、マンデル酸及びそれらの混合物から選択される、付記19又は20に記載の洗浄組成物。
(付記25)
前記アルファヒドロキシ酸が、グルコン酸を含む、付記19又は20に記載の組成物。
(付記26)
(i)2つ以上又は2つより多くのアルカノール基を有するアルカノールアミン;
(ii)アルファヒドロキシ酸;
(iii)水;及び
(iv)腐食抑制剤
から本質的になる、半導体基材のための洗浄組成物。
(付記27)
前記2つ以上のアルカノール基を有するアルカノールアミンが、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン(TEA)、第三級ブチルジエタノールアミン及びそれらの混合物から選択される、付記26に記載の洗浄組成物。
(付記28)
前記α-ヒドロキシカルボン酸が、1つ又は複数の酸基(-COOH)を含む、付記26又は27に記載の洗浄組成物。
(付記29)
前記α-ヒドロキシカルボン酸が、以下の構造:
【化5】
を有し、式中、R 1 及びR 2 が、独立に、H、芳香族若しくは非芳香族及び/又は飽和若しくは不飽和の炭素環、あるいは直鎖、分岐鎖又は環状のアルキルであることができる、付記26又は27に記載の洗浄組成物。
(付記30)
前記α-ヒドロキシカルボン酸が、クエン酸、タルトロン酸、サッカリン酸、酒石酸、ジヒドロキシマロン酸及びそれらの混合物から選択される、付記26又は27に記載の洗浄組成物。
(付記31)
前記α-ヒドロキシカルボン酸が、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、グルコン酸、グリセリン酸、マンデル酸及びそれらの混合物から選択される、付記26又は27に記載の洗浄組成物。
(付記32)
前記腐食抑制剤が、フェノール若しくはフェノールの誘導体、トリアゾール若しくはトリアゾールの誘導体、多官能基有機酸、アミノ酸又はそれらの混合物から選択される、付記26又は27に記載の洗浄組成物。
(付記33)
(i)2つ以上又は2つより多くのアルカノール基を有するアルカノールアミン;
(ii)アルファヒドロキシ酸;
(iii)水;及び
(iv)腐食抑制剤
から本質的になる、半導体基材のための洗浄組成物。
(付記34)
前記2つ以上のアルカノール基を有するアルカノールアミンが、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン(TEA)、第三級ブチルジエタノールアミン及びそれらの混合物から選択される、付記33に記載の洗浄組成物。
(付記35)
前記α-ヒドロキシカルボン酸が、1つ又は複数の酸基(-COOH)を含む、付記33又は34に記載の洗浄組成物。
(付記36)
前記α-ヒドロキシカルボン酸が、以下の構造:
【化6】
を有し、式中、R 1 及びR 2 が、独立に、H、芳香族若しくは非芳香族及び/又は飽和若しくは不飽和の炭素環、あるいは直鎖、分岐鎖又は環状のアルキルであることができる、付記33又は34に記載の洗浄組成物。
(付記37)
前記α-ヒドロキシカルボン酸が、クエン酸、タルトロン酸、サッカリン酸、酒石酸、ジヒドロキシマロン酸及びそれらの混合物から選択される、付記33又は34に記載の洗浄組成物。
(付記38)
前記α-ヒドロキシカルボン酸が、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、グルコン酸、グリセリン酸、マンデル酸及びそれらの混合物から選択される、付記33又は34に記載の洗浄組成物。
(付記39)
前記腐食抑制剤が、フェノール若しくはフェノールの誘導体、トリアゾール若しくはトリアゾールの誘導体、多官能基有機酸、アミノ酸又はそれらの混合物から選択される、付記33又は34に記載の洗浄組成物。
(付記40)
(i)約5wt%~約50wt%の、2つ以上又は2つより多くのアルカノール基を有するアルカノールアミン;
(ii)25wt%~約70wt%の、1つのアルカノール基を有するアルカノールアミン;
(iii)アルファヒドロキシ酸;及び
(iv)水
を含む、半導体基材のための洗浄組成物。
(付記41)
(v)カテコールをさらに含む、付記40に記載の組成物。
(付記42)
(vi)没食子酸をさらに含む、付記40に記載の組成物。
(付記43)
(v)カテコールと(vi)没食子酸との両方をさらに含む、付記40に記載の組成物。
(付記44)
(vii)腐食抑制剤をさらに含む、付記40に記載の組成物。
(付記45)
前記2つ以上又は2つより多くのアルカノール基を有するアルカノールアミンが、トリエタノールアミンを含む、付記40に記載の組成物。
(付記46)
前記2つ以上又は2つより多くのアルカノール基を有するアルカノールアミンが、トリエタノールアミンから本質的になる、付記40に記載の組成物。
(付記47)
前記2つ以上又は2つより多くのアルカノール基を有するアルカノールアミンが、トリエタノールアミンからなる、付記40に記載の組成物。
(付記48)
前記1つのアルカノール基を有するアルカノールアミンが、モノエタノールアミン、2-(2-アミノエトキシ)エタノール、N-メチルエタノールアミン及びモノイソプロピルアミンのうち1つ又は複数を含む、付記40に記載の組成物。
(付記49)
前記1つのアルカノール基を有するアルカノールアミンが、モノエタノールアミンを含む、付記40に記載の組成物。
(付記50)
前記1つのアルカノール基を有するアルカノールアミンが、モノエタノールアミンから本質的になる、付記40に記載の組成物。
(付記51)
前記1つのアルカノール基を有するアルカノールアミンが、モノエタノールアミンからなる、付記40に記載の組成物。
(付記52)
前記アルファヒドロキシ酸が、グリコール酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、グリセリン酸、マンデル酸、タルトロン酸、サッカリン酸、ジヒドロキシマロン酸及びそれらの混合物の群から選択される、付記40に記載の組成物。
(付記53)
前記アルファヒドロキシ酸が、グルコン酸を含む、付記40に記載の組成物。
(付記54)
前記アルファヒドロキシ酸が、グルコン酸から本質的になる、付記40に記載の組成物。
(付記55)
前記アルファヒドロキシ酸が、グルコン酸からなる、付記40に記載の組成物。
(付記56)
約10wt%~約40wt%のトリエタノールアミンを含む、付記40に記載の組成物。
(付記57)
約20wt%~約30wt%のトリエタノールアミンを含む、付記40に記載の組成物。
(付記58)
約20wt%のトリエタノールアミンを含む、付記40に記載の組成物。
(付記59)
約20wt%~約50wt%のモノエタノールアミンを含む、付記40に記載の組成物。
(付記60)
約35wt%~約50wt%のモノエタノールアミンを含む、付記40に記載の組成物。
(付記61)
約35wt%~約45wt%のモノエタノールアミンを含む、付記40に記載の組成物。
(付記62)
約35wt%のモノエタノールアミンを含む、付記40に記載の組成物。
(付記63)
約2.5wt%~約25wt%のアルファヒドロキシ酸を含む、付記40に記載の組成物。
(付記64)
約5wt%~約20wt%のアルファヒドロキシ酸を含む、付記40に記載の組成物。
(付記65)
約10wt%~約15wt%のアルファヒドロキシ酸を含む、付記40に記載の組成物。
(付記66)
約15wt%のアルファヒドロキシ酸を含む、付記40に記載の組成物。
(付記67)
約10wt%のアルファヒドロキシ酸を含む、付記40に記載の組成物。
(付記68)
約2.5wt%~約25wt%のグルコン酸を含む、付記40に記載の組成物。
(付記69)
約5wt%~約20wt%のグルコン酸を含む、付記40に記載の組成物。
(付記70)
約10wt%~約15wt%のグルコン酸を含む、付記40に記載の組成物。
(付記71)
約15wt%のグルコン酸を含む、付記40に記載の組成物。
(付記72)
約10wt%のグルコン酸を含む、付記40に記載の組成物。
(付記73)
約6wt%のカテコールを含む、付記40に記載の組成物。
(付記74)
約2wt%の没食子酸を含む、付記40に記載の組成物。
(付記75)
約3wt%の没食子酸を含む、付記40に記載の組成物。
(付記76)
約5wt%~約10wt%のカテコールと没食子酸との組み合わせを含む、付記40に記載の組成物。
(付記77)
約5wt%のカテコールと没食子酸との組み合わせを含む、付記40に記載の組成物。
(付記78)
約6wt%のカテコールと没食子酸との組み合わせを含む、付記40に記載の組成物。
(付記79)
約7wt%のカテコールと没食子酸との組み合わせを含む、付記40に記載の組成物。
(付記80)
約8wt%のカテコールと没食子酸との組み合わせを含む、付記40に記載の組成物。
(付記81)
約9wt%のカテコールと没食子酸との組み合わせを含む、付記40に記載の組成物。
(付記82)
約10wt%のカテコールと没食子酸との組み合わせを含む、付記40に記載の組成物。
(付記83)
(i)約20wt%のトリエタノールアミン;及び
(ii)約35wt%~約45wt%のモノエタノールアミン
を含む、付記40に記載の組成物。
(付記84)
(i)約20wt%のトリエタノールアミン;
(ii)約35wt%~約45wt%のモノエタノールアミン;及び
(iii)約10wt%のグルコン酸
を含む、付記40に記載の組成物。
(付記85)
(i)約20wt%のトリエタノールアミン;
(ii)約35wt%~約45wt%のモノエタノールアミン;
(iii)約10wt%のグルコン酸;及び
(iv)約9wt%のカテコールと没食子酸との組み合わせ
を含む、付記40に記載の組成物。
(付記86)
マイクロエレクトロニクス装置又は半導体基材から残留物を除去する方法であって、装置又は基材を、付記1~85のいずれか1項に記載の洗浄組成物と接触させる工程を含む、方法。