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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-03
(45)【発行日】2024-10-11
(54)【発明の名称】半導体ウエハを処理する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20241004BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20241004BHJP
   B23K 26/53 20140101ALI20241004BHJP
【FI】
H01L21/304 601Z
H01L21/304 631
H01L21/66 P
B23K26/53
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022578917
(86)(22)【出願日】2020-11-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-18
(86)【国際出願番号】 CN2020129954
(87)【国際公開番号】W WO2022104622
(87)【国際公開日】2022-05-27
【審査請求日】2022-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】519237948
【氏名又は名称】長江存儲科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Yangtze Memory Technologies Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Weilai 3rd Road,East Lake High-tech Development Zone,Wuhan,Hubei,China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リクアン・カイ
(72)【発明者】
【氏名】ペン・チェン
(72)【発明者】
【氏名】ウード・ジョウ
【審査官】内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-063883(JP,A)
【文献】特開2020-057709(JP,A)
【文献】特開2007-096115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/66
B23K 26/53
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハを処理する方法であって、
1つまたは複数のウエハ特性を測定するステップと、
1つまたは複数のウエハ特性に基づいて、ウエハのウエハ修正プロファイルを判定するステップと、
前記ウエハ修正プロファイルを使用して、前記ウエハの第1の表面からの前記ウエハの一部分を修正するステップであって、前記修正された部分が前記ウエハの厚さより小さい侵入深さを有する、ステップと、
前記ウエハの第2の表面上でウエハ薄化プロセスを実行するステップであって、前記第2の表面が前記ウエハの前記第1の表面とは反対側に位置する、ステップとを含
前記1つまたは複数のウエハ特性を測定する前記ステップが、前記ウエハの周囲領域内のエッジ欠陥の1つまたは複数の特質を判定するステップを含み、
前記エッジ欠陥の前記1つまたは複数の特質を判定する前記ステップが、前記エッジ欠陥の欠陥深さを測定するステップを含み、
前記ウエハ修正プロファイルを判定する前記ステップが、前記侵入深さを前記欠陥深さ以上に設定するステップを含み、
前記ウエハの前記一部分を修正する前記ステップが、デバイス領域と前記ウエハの円周に形成されたエッジ欠陥との間にウエハ修正領域を形成するステップを含む、
方法。
【請求項2】
前記ウエハ修正領域を形成する前記ステップが、前記ウエハと実質的に同心円状のリング状のトレンチを形成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リング状のトレンチを形成する前記ステップが、前記ウエハの前記厚さに部分的に侵入するダイシングプロセスを実行するステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記ウエハ修正領域を形成する前記ステップが、前記ウエハ上でステルスレーザダイシングプロセスを実行するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ウエハ薄化プロセスを実行する前記ステップが、前記ウエハの前記第2の表面上でバックグラインドプロセスを実行するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記バックグラインドプロセスを実行する前記ステップが、
前記ウエハの前記第2の表面にバックグラインダカップホイールを押し付けるステップと、
前記バックグラインダカップホイールがウエハエッジ欠陥に接触する前に前記修正された部分に接触するように、前記バックグラインダカップホイールを回転させて、前記ウエハから材料を除去するステップと、
前記修正された部分において、前記ウエハエッジ欠陥を含む前記ウエハの周囲部分からデバイス領域を機械的に分離するステップとを含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
ウエハを処理する方法であって、
前記ウエハの円周においてウエハエッジ欠陥を検出するステップであって、前記ウエハが前面および裏面を含み、前記前面上に半導体ダイのアレイを備える、ステップと、
前記ウエハエッジ欠陥の1つまたは複数の特性を測定するステップであって、前記1つまたは複数の特性が少なくとも欠陥深さを含む、ステップと、
前記ウエハのうち前記半導体ダイのアレイと前記ウエハエッジ欠陥との間にある部分を前記前面から修正するステップであって、前記修正された部分が、前記前面から測定される侵入深さを含み、前記侵入深さが前記欠陥深さより小さい、ステップと、
前記ウエハの前記裏面上でウエハ薄化プロセスを実行するステップとを含
前記ウエハの前記部分を前記前面から修正する前記ステップが、
前記ウエハと実質的に同心円状のリング状のトレンチを形成するステップを含み、前記ウエハに部分的に侵入するか、または
ステルスレーザダイシングを使用してリング状の修正された層を形成するステップを含み、前記リング状の修正された層が、前記ウエハと実質的に同心円状である、
方法。
【請求項8】
前記ウエハ薄化プロセスを実行する前記ステップが、前記ウエハの前記裏面上でバックグラインドプロセスを実行するステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記バックグラインドプロセスを実行する前記ステップが、
前記ウエハの前記裏面にバックグラインダカップホイールを押し付けるステップと、
前記バックグラインダカップホイールが前記ウエハエッジ欠陥に接触する前に前記修正された部分に接触するように、前記バックグラインダカップホイールを回転させて、前記ウエハから材料を除去するステップと、
前記修正された部分において、前記ウエハエッジ欠陥を含む前記ウエハの周囲部分から前記半導体ダイのアレイを機械的に分離するステップとを含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
ウエハの1つまたは複数の特性を判定するように構成された1つまたは複数の検出器であって、前記ウエハが、デバイス領域、および前記デバイス領域を取り囲む周囲領域を含む、1つまたは複数の検出器と、
ウエハ修正装置と、
処理システムとを備えるウエハ処理システムであって
前記ウエハが、前記ウエハの円周に形成されたエッジ欠陥を含み、前記1つまたは複数の特性が、少なくとも前記エッジ欠陥の欠陥深さを含み、
前記処理システムが、
前記1つまたは複数の特性を受け取り、
前記1つまたは複数のウエハ特性に基づいてウエハ修正プロファイルを判定し、前記ウエハ修正プロファイルの判定において侵入深さを前記欠陥深さ以上に設定し、
前記ウエハ修正プロファイルを使用して前記周囲領域内の前記ウエハのリング状部分を修正するように、前記ウエハ修正装置に指示するように構成されており、前記修正されたリング状部分が、前記ウエハの厚さより小さい前記侵入深さを有
前記ウエハの前記リング状部分が、前記ウエハと実質的に同心円状であり、前記エッジ欠陥と前記デバイス領域との間に形成されており、
前記ウエハの前記リング状部分を修正することが、機械的ダイシング技法またはステルスレーザダイシング技法を使用して、前記ウエハと実質的に同心円状の前記リング状部分に沿って、前記ウエハを部分的にダイシングすることを含む、
ウエハ処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に半導体技術の分野に関し、より詳細には、半導体ウエハ処理の収率を改善するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハは、集積回路(IC)製作設備における半導体ウエハ製作処理中に多数の処理動作を受ける。デバイス密度を増大させるために、半導体ウエハをともに結合することができ、多くの場合、ウエハの厚さを低減させるために、結合された半導体ウエハに対してウエハ薄化プロセスが実行される。現在のウエハ処理技法には、ウエハの薄化に起因するウエハの損傷など、対処する必要のある欠点がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の態様は、添付の図とともに読めば以下の詳細な説明から最もよく理解される。当業界における一般的な慣行に従って、様々な特徴は原寸に比例して描かれていないことに留意されたい。実際には、例示および議論を明確にするために、様々な特徴の寸法は意図的に拡大または縮小されていることがある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1A】本開示のいくつかの実施形態による半導体ウエハの図である。
図1B】本開示のいくつかの実施形態による半導体ウエハの図である。
図2A】本開示のいくつかの実施形態による半導体ウエハのエッジ部分の断面図である。
図2B】本開示のいくつかの実施形態による半導体ウエハのエッジ部分の断面図である。
図2C】本開示のいくつかの実施形態による半導体ウエハのエッジ部分の断面図である。
図2D】本開示のいくつかの実施形態による半導体ウエハのエッジ部分の断面図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態によるウエハ薄化装置内のウエハの断面図である。
図4A】本開示のいくつかの実施形態によるウエハ修正を組み込む半導体ウエハの図である。
図4B】本開示のいくつかの実施形態によるウエハ修正を組み込む半導体ウエハの図である。
図5】本開示のいくつかの実施形態によるウエハ薄化プロセス中のウエハ修正を組み込む半導体ウエハの断面図である。
図6】本開示のいくつかの実施形態によるウエハ薄化プロセス中のウエハ修正を組み込む半導体ウエハの断面図である。
図7】本開示のいくつかの実施形態による半導体ウエハ内にウエハ修正を形成するための例示的な装置を示す図である。
図8】本開示のいくつかの実施形態による半導体ウエハ内にウエハ修正を形成するための例示的な装置を示す図である。
図9】本開示のいくつかの実施形態による半導体ウエハ内にウエハ修正を形成するための例示的な製作プロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
特有の構成および配置について論じるが、これは例示のみを目的として行われることを理解されたい。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、他の構成および配置を使用することもできることが、当業者には理解されよう。本開示は様々な他の応用例でも用いることができることが、当業者には明らかである。
【0006】
本明細書における「一実施形態」、「実施形態」、「例示的な実施形態」、「いくつかの実施形態」などへの参照は、記載する実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含むことができるが、すべての実施形態が必ずしもその特定の特徴、構造、または特性を含むとは限らないことを示すことに留意されたい。さらに、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態を参照するものではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性について一実施形態に関連して説明するとき、明示的に記載されるか否かにかかわらず、そのような特徴、構造、または特性を他の実施形態に関連して実行することは、当業者の知識の範囲内である。
【0007】
概して術語は、少なくとも部分的に文脈中の使用から理解することができる。たとえば、本明細書において使用される「1つまたは複数」という用語は、少なくとも部分的に文脈に応じて、いずれかの特徴、構造、または特性について単数の意味で説明するために使用されても、特徴、構造、または特性の組合せについて複数の意味で説明するために使用されてもよい。同様に、「a」、「an」、または「the」などの用語は、この場合も、少なくとも部分的に文脈に応じて、単数の使用を伝えるためにまたは複数の使用を伝えるために理解することができる。
【0008】
本開示における「上(on)」、「上(above)」、および「上(over)」の意味は、最も広い意味で解釈されるべきであり、したがって「上(on)」は、何かの「すぐ上(directly on)」のみを意味するのではなく、中間の特徴または層が挟まれた状態での何かの「上(on)」の意味も含み、「上(above)」または「上(over)」は、何かの「上(above)」または「上(over)」のみを意味するのではなく、中間の特徴または層が挟まれていない状態で何かの「上(above)」または「上(over)」にある(すなわち、何かのすぐ上に位置する)という意味も含むことができることを容易に理解されたい。
【0009】
さらに、「下(beneath)」、「下(below)」、「下(lower)」、「上(above)」、「上(upper)」などの空間的に相対的な用語は、本明細書において、説明を容易にするために、図に示される1つの要素または特徴の別の要素または特徴に対する関係について説明するために使用することができる。空間的に相対的な用語は、図に描かれている向きに加えて、使用または動作中のデバイスの異なる向きを包含することが意図される。装置は、それ以外の形に向ける(90度または他の向きに回転させる)こともでき、本明細書に使用される空間的に相対的な記述語も同様に、それに応じて解釈することができる。
【0010】
本明細書において使用されるように、「基板」という用語は、後に材料層がその上に追加される材料を指す。基板は、上面および底面を含む。基板の上面は半導体デバイスが形成される場所であり、したがって半導体デバイスは基板の上側に形成される。底面は上面とは反対に位置し、したがって基板の底側は基板の上側とは反対に位置する。基板自体にパターニングすることもできる。基板の上に追加された材料にパターニングすることができ、またはパターニングされていないままにすることもできる。さらに、基板は、シリコン、ゲルマニウム、砒化ガリウム、リン化インジウムなどの幅広い半導体材料を含むことができる。別法として、基板は、ガラス、プラスチック、またはサファイアウエハなどの非導電性材料から作ることもできる。
【0011】
本明細書において使用されるように、「層」という用語は、厚さを有する領域を含む材料部分を指す。層は、下もしくは上にある構造の全体にわたって延びることができ、または下もしくは上にある構造の範囲より小さい範囲を有してもよい。さらに、層は、均質または不均質な連続構造のうち、連続構造の厚さより小さい厚さを有する一領域とすることができる。たとえば、層は、連続構造の上面と底面との間または上面および底面にある任意の1対の水平平面間に位置することができる。層は、水平に、垂直に、かつ/または先細りした表面に沿って延びることができる。基板は、1つの層とすることができ、1つもしくは複数の層を中に含むことができ、かつ/または1つもしくは複数の層をその上(thereupon)、その上(thereabove)、および/もしくはその下(therebelow)に有することができる。1つの層が複数の層を含むことができる。たとえば、相互接続層が、1つまたは複数の導体および接触層(接点、相互接続線、および/またはビアが形成される)ならびに1つまたは複数の誘電体層を含むことができる。
【0012】
本明細書において使用されるように、「公称/公称では」という用語は、製品またはプロセスの設計段階において設定される構成要素またはプロセス動作に対する特性またはパラメータの所望または標的の値を、所望の値の上および/または下の値の範囲とともに指す。値の範囲は、製造プロセスまたは公差のわずかな変動によるものとすることができる。本明細書において使用されるように、「約(about)」という用語は、対象の半導体デバイスに関連する特定の技術ノードに基づいて変動する可能性のある所与の数量の値を示す。特定の技術ノードに基づいて、「約(about)」という用語は、たとえば値の10~30%(たとえば、値の±10%、±20%、または±30%)の範囲内で変動する所与の数量の値を示すことができる。
【0013】
本明細書において使用されるように、「3D NANDメモリデバイス」(本明細書において「メモリデバイス」と呼ぶ)という用語は、縦向きの3D NANDメモリセルトランジスタのストリング(本明細書において、NANDストリングまたは3D NANDストリングなど、「メモリストリング」と呼ぶ)が横向きの基板上に位置し、したがってメモリストリングが基板に対して垂直方向に延びる半導体デバイスを指す。本明細書において使用されるように、「垂直/垂直に」という用語は、公称では、基板の横方向面に直交することを意味する。
【0014】
本開示において、「水平/水平に」という用語は、公称では、基板の横方向面に平行であることを意味する。
【0015】
半導体ウエハを積層して3次元の集積回路を形成することは、デバイス密度の増大を求める要求を満たすための方策のうちの1つである。概して、積層されたウエハは、モノリシックの集積回路と比較して、より小さいダイサイズ、より高いデバイス密度、および改善された性能などの利益を提供することができる。半導体ウエハを積層することは、接着剤の結合または塗布などの様々な方法を使用して、1つの半導体ウエハを別の半導体ウエハに取り付けることを含むことができ、デバイスの実装面積をさらに最小化させかつデバイスサイズを低減させるために、積層された半導体ウエハを薄くしてその全体的な厚さを低減させることができる。たとえば、周辺デバイスおよびバックエンドオブライン(BEOL)相互接続をアレイデバイスの上に積層し、積層されたウエハ構造に対してウエハ薄化プロセスを実行してその全体的な厚さを低減させることによって、3次元(「3D」)メモリデバイスのデバイス密度を増大させることができる。ウエハ薄化プロセスは、半導体ウエハが研削装置を使用した研削プロセスを受けるバックグラインドプロセスとすることができる。具体的には、接着剤および/または真空を介して半導体ウエハをチャック上に位置決めすることができ、研削ヘッドが半導体ウエハの表面に押し付けられ、研削ヘッドは、回転および横方向運動を実行して半導体ウエハから材料を均一に除去するように構成される。ウエハ薄化プロセスはまた、研磨パッドとともに化学スラリーを利用して公称ウエハ厚さが実現されるまでウエハから材料を除去する化学機械研磨(CMP)プロセスなどの研磨プロセスを含むことができる。CMPプロセス中、接着剤および/または真空を介してウエハがチャック上に位置決めされ、研磨ヘッドによって保持された研磨パッドが回転しているウエハの横方向面に押し付けられている間に、ウエハが事前設定された回転速度で回転させられる。研削またはCMPプロセス中にウエハが薄くなるにつれて、ウエハの欠陥がウエハに物理的な損傷を引き起こす可能性があり、それによりデバイス収率が低減し、製造コストが増大することがある。たとえば、ウエハ周囲領域は不規則な形状のエッジを含む可能性があり、研磨ヘッドによってウエハに力が加えられると、これがウエハに伝播してひびまたは亀裂をもたらす可能性がある。ひびまたは亀裂によってウエハの構造的な完全性が損なわれ、ウエハをさらなる処理に使用できなくなる可能性がある。
【0016】
上記の欠点に対処するために、本明細書に記載する実施形態は、ウエハ薄化プロセス中のウエハ処理収率を改善するためのシステムおよび方法を提供することを対象とする。より詳細には、本開示は、ウエハ薄化プロセスの前にウエハプロファイルを判定し、それに応じてウエハを修正し、したがって各ウエハがウエハプロファイルに従ってカスタマイズされるように構成されたウエハ処理システムを対象とする。たとえば、ウエハ処理システムは、ウエハの周囲領域に位置するウエハエッジ欠陥を識別し、周囲領域の部分を修正して、ウエハ薄化プロセス中に欠陥がウエハのデバイス領域内へ伝播することを防止する障壁を生じさせる。いくつかの実施形態において、周囲領域の部分を修正することは、周囲に沿ってウエハを部分的に切断し、周囲に沿ってトレンチを形成することを含むことができる。いくつかの実施形態において、周囲領域の部分を修正することは、ステルスレーザダイシングなどの非侵襲的な方法によって、ウエハの一部分の物理的特質を修正することを含むことができる。
【0017】
本開示に記載する様々な実施形態は、特に、改善されたウエハ処理収率、ウエハ薄化プロセス中に保持される真空の維持または改善、ウエハ薄化プロセス後の改善されたウエハエッジプロファイルなどの利益を提供することができる。次いで、改善されたウエハ処理収率は、半導体ウエハの性能および収率を確保および改善する。
【0018】
図1Aおよび図1Bは、いくつかの実施形態による例示的な半導体ウエハのそれぞれの断面図および平面図である。半導体ウエハ100は、基板102と、基板102上に形成された半導体ダイ104のアレイとを含む。半導体ウエハ100は、上面102Aおよび底面102Bを含むことができる。半導体ダイは、半導体ウエハ100の上面102Aにおいて、集積回路がまとめて配置された区域である。1つのタイプの半導体ウエハは円形の円周を有し、ウエハ平坦部と呼ばれる平坦なエッジによって切り取られている。図1Aおよび図1Bに示すように、半導体ウエハ100は、周囲領域108内に位置するウエハ平坦部113を含む。製作中、半導体ダイの位置はウエハ平坦部およびウエハ中心を基準に参照される。したがって、ウエハ平坦部113は、半導体ウエハ100に対する基準になることが多く、半導体ウエハ100を所望の位置に精密に配置するために機器によって使用される。いくつかの実施形態において、半導体ダイ104は、基板102の本体内へ延びる。いくつかの実施形態において、半導体ダイ104は、図1Aに示すように、基板102の上面に形成される。半導体ウエハ100は、ダイ104が位置決めされたデバイス領域106と、デバイス領域106を取り囲むリング状の周囲領域108とを含む。いくつかの実施形態において、周囲領域108は、いずれの半導体ダイも含まない。いくつかの実施形態において、周囲領域108は、処理の均一性を維持し、活動状態のデバイスを含まないように、ダミーダイを含むことができる。周囲領域108は、半導体ウエハ100の上面および底面を物理的に接続するウエハエッジ110を含むことができ、ウエハエッジ110は、実質的に垂直方向(たとえば、z方向)に延びる。いくつかの実施形態において、ウエハエッジ110は、ウエハ100の上面または底面に実質的に直交する平滑な平面とすることができる。いくつかの実施形態において、ウエハエッジ110の少なくとも一部分を湾曲した表面とすることができる。しかし、ウエハエッジ110は、ウエハ薄化プロセスなどの製作動作中に半導体ウエハの構造的な完全性を損ないうる様々な欠陥も含む可能性がある。
【0019】
図2A図2Bは、図1のウエハエッジ領域112の拡大図であり、それぞれいくつかの実施形態によるウエハエッジ110の様々なウエハエッジプロファイルを示す。図2Aは、欠陥のない標準的なウエハエッジを示す。図2Aに示すように、ウエハエッジ110は、実質的に平滑な表面であり、ウエハ100の上面102Aおよび底面102Bを連続して接続する。いくつかの実施形態において、ウエハエッジ110は、垂直方向(たとえば、z方向)に沿って湾曲した輪郭を有することができる。いくつかの実施形態において、ウエハエッジ110は、垂直方向に沿って実質的にまっすぐな輪郭を有することができる(図2Aには図示せず)。図2B図2Dは、ウエハエッジ110上に、またはその付近に生じる可能性のある例示的なエッジ欠陥203を示す。図2B図2Dに示すエッジ欠陥203は、ウエハエッジ110の一部分の偶発的な除去(たとえば、チッピング)によって引き起こされる可能性がある。いくつかの実施形態において、エッジ欠陥203は、ウエハ製作プロセスに起因する可能性がある。図2Bおよび図2Cはそれぞれ、1段の階段状欠陥および多段の階段状欠陥などのエッジ欠陥203を示す。図2Dは、不規則な形状の輪郭を有するエッジ欠陥203を示す。図2B図2Dに示す各エッジ欠陥203は、ウエハ上面102Aから垂直方向に測定される欠陥深さtを有しうる。欠陥深さtは、エッジ欠陥203のタイプおよび重大度に基づいて変動する可能性がある。いくつかの実施形態において、基板厚さTに対する欠陥深さtの比Aは、約1%~約80%とすることができる。たとえば、t/Tの比Aは、約1%~約20%、約20%~約50%、約50%~約80%、または任意の好適な比とすることができる。いくつかの実施形態において、比Aは約1%より小さくまたは約80%より大きくすることができる。いくつかの実施形態において、エッジ欠陥203は、ウエハ裏面102B付近まで延びる可能性があるが、これは簡単にするために図2A図2Dには示されていない。
【0020】
図3は、いくつかの実施形態によるウエハ薄化プロセス中のウエハ薄化装置内に取り付けられた半導体ウエハを示す。いくつかの実施形態において、ウエハ薄化装置は、回転バックグラインダまたはCMPツールとすることができる。回転バックグラインダは、たとえば、チャック306と、チャック306内に埋め込まれた真空チャネル308とを含むことができる。チャック306は、事前設定された回転速度ωで軸307の周りを回転するように構成することができる。ウエハ300は、基板302と、ウエハ前面302A上に形成された半導体ダイ304とを含むことができる。ウエハ300はまた、基板302の周囲に近接して形成されたエッジ欠陥303を含む可能性がある。いくつかの実施形態において、基板302、エッジ欠陥303、および半導体ダイ304はそれぞれ、図1および図2A図2Dに示す基板102、エッジ欠陥203、および半導体ダイ104に類似しており、簡単にするために本明細書において詳細には説明しない。ウエハ300の前面302Aは、保護テープ314に取り付けることができ、保護テープ314は、真空チャネル308によって生成される陰圧を使用してチャック306上に取り付けられる。真空チャネル308は、1つまたは複数の真空源(たとえば、ラフポンプ)に結合することができるが、そのような真空源は簡単にするために示されていない。いくつかの実施形態において、保護テープ314は、バックグラインドプロセス中にウエハ表面を保護するために使用されるバックグラインド(BG)テープとすることができる。保護テープ314は、エッジ欠陥303の表面を含む前面302Aの輪郭に合わせることができる。基板302の裏面302Bに研削プロセス310を適用して、基板302の厚さを低減させることができる。研削プロセス中、バックグラインダカップホイール330が裏面302Bに押し付けられ、公称回転速度で回転させられる。バックグラインダカップホイール330とウエハ300との間の相対的な横方向の動き、ならびにバックグラインダカップホイール330からの下向きの圧力により、基板302から材料を均一に除去することができる。しかし、バックグラインダカップホイール330からの下向きの圧力はエッジ欠陥303を悪化させる可能性があり、その結果、基板302のバルク本体に延びるひび312が生じるおそれがある。ひび312は基板302の構造的な完全性を損なう可能性があり、それによりウエハの障害を招き、製作収率を下げる可能性がある。
【0021】
図4Aおよび図4Bは、ウエハ薄化プロセス前の部分的に修正された半導体ウエハを示す。図4Aおよび図4Bはそれぞれ、基板402、エッジ欠陥403、および半導体ダイ404を含む半導体ウエハの断面図および平面図である。半導体ウエハ400上に他の好適な構造を含むこともできるが、簡単にするために示されていない。半導体ウエハ400は、デバイス領域406と、デバイス領域406を取り囲むリング状の周囲領域408とを含むことができる。エッジ欠陥403は、ウエハ400のうち、ウエハエッジと半導体ダイ404との間に位置する周囲領域内に形成される。半導体ウエハ400の上述した構造はそれぞれ、図1A図1B図2A図2D、および図3に示したものに類似したものとすることができ、簡単にするために本明細書において詳細には説明しない。半導体ウエハ400はまた、周囲領域408内に形成されたウエハ修正領域420を含むことができる。ウエハ修正領域420は、周囲領域408において、エッジ欠陥403と半導体ダイ404との間に位置決めされる。ウエハ修正領域420は、エッジ欠陥403とデバイス領域406との間の機械的な分離を可能にすることができ、したがってエッジ欠陥403は、ウエハ薄化プロセス中にデバイス領域406内へ伝播しない。いくつかの実施形態において、ウエハ修正領域420は、基板402から材料の一部分を除去するなど、侵襲的な方法によって形成されたトレンチとすることができる。たとえば、トレンチは、機械的ダイシング技法(たとえば、ダイシングブレードによる)およびウエハ円周に沿ったウエハの部分的なダイシング(たとえば、ウエハの厚さ全体を貫通しない)によって形成することができる。いくつかの実施形態において、ウエハ修正領域420は、パターニングおよびエッチングプロセスによって形成することができる。いくつかの実施形態において、ウエハ修正領域420は、ウエハ内にレーザビームを集束させることによってウエハ内に修正された層を形成するステルスレーザダイシングなど、様々な非侵襲的な方法を介して材料特質を変化させることによって形成することもできる。ステルスレーザダイシングプロセス中、集束された赤外レーザビームは半導体ウエハの裏面に侵入して、非常に局所的な短時間の溶融を生じさせ、あるタイプの材料を別のタイプの材料に変換し、集中した応力および微小亀裂の領域でそれを取り囲む。たとえば、赤外レーザビームは、結晶シリコン材料をポリシリコン材料に局所的に変換することができる。赤外レーザは、基板の異なる深さにおいて順次集束させることができ、したがって積層された修正材料の垂直平面が形成される。これらの表面下の修正された層により、本質的にウエハ円周に沿って延びる弱い劈開平面が生じ、それにより垂直方向(たとえば、z方向)において機械的な分離が可能になる。ウエハ薄化プロセス中、半導体ウエハ400のうちエッジ欠陥403を含む部分は、トレンチを通って、または誘起されて制御されたひびをたどることによって、半導体ウエハ400のうち半導体ダイ404を含む別の部分から切断されることができる。
【0022】
ウエハ修正領域420は、ウエハ400の前面402Aから形成することができ、ウエハ前面402Aから測定される修正深さdを有する。いくつかの実施形態において、修正深さdは欠陥深さt以上であり、したがって半導体ウエハ400がウエハ裏面402Bから薄くされているとき、ウエハ薄化装置のバックグラインダカップホイールはウエハ修正領域420に接触してから、ウエハ欠陥403との接触を形成する。いくつかの実施形態において、基板厚さTに対する修正深さdの比Bは、約1%~約80%とすることができる。たとえば、d/Tの比Bは、約1%~約20%、約20%~約50%、約50%~約80%、または任意の好適な比とすることができる。いくつかの実施形態において、比Bは、約1%より小さくまたは約80%より大きくすることができる。比Bを下げることで、特に周囲領域408においてウエハ400の機械強度がより大きくなるという利益を提供することができる。いくつかの実施形態において、d/Tの比Bは、図2A図2Dを参照して上述したt/Tの比Aより大きくすることができる。いくつかの実施形態において、修正深さdは欠陥深さt以上である。たとえば、t/dの比C(すなわち、修正深さdに対する欠陥深さt)は、約50%~約100%とすることができる。いくつかの実施形態において、比Cは、約50%~約70%、約70%~約85%、約85%~約100%とすることができる。より低い比Cの値は、修正深さdが欠陥深さtを超過することを保証することができ、より高い比Cの値は、ウエハ修正領域420の侵入深さがより小さくなるという利益を提供することができ、それにより製作コストを低減させることができる。上記に論じたように、ウエハの位置を特定してウエハの向きを識別するために、ウエハ平坦部が様々な製作機器によって使用され、したがってウエハ平坦部を維持することがウエハ製作にとって不可欠である。したがって、基板402の一部分のみに侵入するウエハ修正領域420を有することで、ウエハ薄化プロセス前にウエハ平坦部413をそのまま維持するという利益を提供することができる。対照的に、基板402の厚さ全体に侵入するリング状のトレンチの場合、ウエハ平坦部413が除去される可能性があり、その結果、平坦部のないウエハに対応するために高価な機器修正が必要となる。ウエハ修正領域420は、エッジ欠陥403と活動領域406との間の離間距離以下の幅wを有することができる。いくつかの実施形態において、幅wは、修正深さdの約20%~約80%とすることができる。たとえば、修正深さdに対する幅wの比は、約20%~約40%、約40%~約60%、約60%~約80%、または任意の好適な比とすることができる。
【0023】
図5は、いくつかの実施形態によるウエハ薄化プロセスの初めにウエハ薄化装置内に取り付けられた修正された半導体ウエハの断面図である。ウエハ500は、基板502、エッジ欠陥503、半導体ダイ504、およびウエハ修正領域520を含む。ウエハ500の上述した構造はそれぞれ、図4A図4Bに示すウエハ400の構造に類似したものとすることができる。図5に示すウエハ修正領域520は、基板502から材料のリング状部分を除去することによって形成されたトレンチとすることができる。いくつかの実施形態において、除去される部分は、リング状構造の変形とすることもできる。たとえば、除去される部分は、リング形状の円周に沿って部分的にリング状とすることができる(たとえば、リング状の除去される部分の湾曲に沿ってウエハの領域が除去されない)。いくつかの実施形態において、ウエハ平坦部に近接して、1つまたは複数の破断が位置する可能性がある。いくつかの実施形態において、除去される部分は、楕円形の構造とすることもできる。いくつかの実施形態において、ウエハ修正領域520はまた、ウエハ薄化プロセス中のエッジ欠陥503と半導体ダイ504との間の物理的な分離を可能にする障壁を提供することができる任意の好適な修正とすることができる。ウエハ500は逆さまにひっくり返され、その前面502Aが保護テープ514上に取り付けられる。次いでウエハ500は、真空チャネル508によって提供される陰圧を使用して、チャック506上に位置決めされる。裏面502Bに研削プロセス510を適用して、ウエハ500の厚さを低減させることができる。研削プロセス510中、バックグラインダカップホイール530が基板502に押し付けられ、公称回転速度で回転させられる。図3に示す研削プロセスと同様に、バックグラインダカップホイール530とウエハ500との間の相対的な横方向の動き、ならびにバックグラインダカップホイール530からの下向きの圧力により、基板502から材料を除去することができる。
【0024】
図6は、いくつかの実施形態によるウエハ薄化プロセス中のウエハ薄化装置内に取り付けられた修正された半導体ウエハの断面図である。図5の研削プロセス510が進行し、バックグラインダカップホイール530がさらに下へ(たとえば、z方向に)動くにつれて、基板502の厚さが低減され、ウエハ修正領域520が露出される。ウエハ修正領域520は、研削プロセス510中にウエハ修正領域520が露出されたとき、エッジ欠陥503と半導体ダイ504との間の物理的な分離を可能にするように構成される。たとえば、ウエハ修正領域520が露出されると、半導体ダイ504を含むウエハ部分503Aが、エッジ欠陥503を含むウエハ部分503Bから物理的に分離される。したがって、エッジ欠陥503によって研削プロセス510中にひび612が生じた可能性のある場合でも、半導体ダイ504が形成される基板502の大部分へひび612が伝播するおそれはない。
【0025】
ウエハ修正は、複数の利益を提供する。第1に、欠陥の伝播を制限することで、ウエハの製作収率が改善される。研削中にエッジ欠陥によって生成される欠陥がバルク基板内へ伝播するおそれがないため、ウエハ活動領域の構造的な完全性を維持することができる。第2に、ウエハ研削プロセス中に破片の量を低減させることができる。研削プロセスの前にウエハ部分503Bがウエハ部分503Aに取外し可能に取り付けられ、ウエハ修正領域520を介して制御された形でウエハ部分503Aから分離されるため、半導体ウエハ300が薄くされている図3の研削プロセス310中に生成されうる破片またはウエハチッピングと比較して、最小量の破片のみが生成される。第3に、研削プロセス中のウエハ500の円周における真空品質を改善することができる。たとえば、エッジ欠陥503の形状が不規則であるため、ウエハ部分503Bに付着させた保護テープ514が、研削プロセス510の前に真空チャネル508に接触する必要はなく、ウエハ部分503Bがウエハ部分503Aから分離された後に真空チャネル508に接触することができる。
【0026】
図7および図8は、いくつかの実施形態による例示的なウエハ修正システムを示す。図9は、いくつかの実施形態による半導体ウエハを処理する例示的な方法を示す方法900の流れ図である。限定ではなく例として、方法900のウエハ修正プロセスは、それぞれ図7および図8に示すウエハ修正ステーション700およびウエハ修正システム800内で実行することができる。本開示は、この動作説明に限定されるものではない。逆に、他の動作も本開示の精神および範囲内である。追加の動作を実行することもできることを理解されたい。さらに、本明細書に提供する開示を実行するために、すべての動作が必要とされるわけではない。さらに、動作のいくつかは同時に実行することができ、または図9に示すものとは異なる順序で実行することができる。いくつかの実装形態では、本明細書に記載する動作に加えて、またはその代わりに、1つまたは複数の他の動作を実行することもできる。例示の目的で、方法900について、図1図8の実施形態を参照して説明する。しかし、方法900はこれらの実施形態に限定されるものではない。例示の目的で、方法900について、単一のウエハ向けのウエハ修正ステーションに関して説明する。本明細書の開示に基づいて、方法900は、複数のウエハを1度に処理することができるバッチウエハ修正ステーションにも等しく適用することができる。単一ウエハステーションおよびバッチステーションの構成はどちらも、本開示の精神および範囲内である。
【0027】
方法900は、いくつかの実施形態による動作910から始まり、ウエハ修正ステーション700のウエハ修正チャンバへウエハが移送される。たとえば、ロボットアーム(図示せず)を有する移送モジュールを介して、ウエハ710をウエハ修正チャンバ702へ移送することができる。ウエハ修正チャンバ702は、ウエハ処理クラスタツール内のモジュールとすることができ、その動作に適当な追加のウエハ処理ステーション、モジュール、および機器をさらに含むことができる。
【0028】
ウエハ修正ステーション700は、処理クラスタツール(簡単にするために図7には図示せず)の構成要素とすることができる。処理クラスタツールは、モジュール(たとえば、移送モジュールおよびダイシングステーション)、ロボットアーム、ポンプ、排気ライン、加熱要素、ガスおよび化学物質送達ライン、コントローラ、バルブ、ならびにクラスタツールの他の構成要素(たとえば、コンピュータユニット、化学分析器、モータコントローラ、質量流量コントローラ、圧力コントローラ、バルブ、およびポンプ)への外部および内部の電気接続など、追加の構成要素を含むことができる。そのような追加の構成要素は、図7に描かれていないが、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、それらの示されている構成要素と組み合わせることができる。
【0029】
ウエハ修正ステーション700は、処理チャンバ702、ウエハホルダ719、スピンベース725、修正器730、アーム735、およびモータ740を含むことができる。修正器730は、半導体ウエハの選択領域の物理的または化学的特質を修正することができる任意の好適なウエハ修正装置とすることができる。ウエハ修正ステーション700は、ウエハエッジ欠陥の特質などのウエハ特性を検出するように処理チャンバ702の周りに位置決めされた検出器780a~780cをさらに含むことができる。処理システム790は、通信チャネル792を介して検出されたウエハ特性を受け取り、ウエハプロファイルを生成することができる。いくつかの実施形態において、ウエハプロファイルは、ウエハの計測データを含むことができる。たとえば、ウエハプロファイルは、寸法、材料組成、欠陥のタイプおよび場所、ならびに個々の各ウエハ向けにカスタマイズされた任意の他の好適な情報を含むことができる。いくつかの実施形態において、ウエハプロファイルは、個々のウエハの特性に基づいて、ウエハプロファイルのデータベースから選択することができる。
【0030】
図9を参照すると、方法900は、いくつかの実施形態による動作910から始まり、動作910は、ウエハ修正ステーションのウエハ修正チャンバへウエハを移送するステップを含む。図7に示すように、ウエハ710が処理チャンバ702内に位置決めされる。ウエハ710は、クランプ、真空チャック、接着テープなどを使用して、ウエハホルダ719上へ固定することができる。いくつかの実施形態において、ウエハ710は、ウエハ710の前面上に形成された半導体ダイ704を含むことができる。ウエハホルダ719は、ウエハ修正ステーション700のスピンベース725にさらに取り付けられる。いくつかの実施形態において、ウエハホルダ719は、ウエハ修正プロセス中に、スピンベース725を介して半導体ウエハ710を異なる回転速度で回転させることができる。いくつかの実施形態において、半導体ウエハ710は、任意の好適な回転速度で回転させることができる。たとえば、半導体ウエハ710は、約300rpm、500rpm、1000rpm、2000rpm、または任意の好適な回転速度で回転させることができる。
【0031】
方法900は、いくつかの実施形態による動作920へ進み、動作920は、1つまたは複数の検出器を使用してウエハ特性を測定するステップを含む。図7を参照すると、1つまたは複数の検出器780a~780cをウエハ修正チャンバ702の周りに位置決めして、ウエハエッジ欠陥の特質などのウエハ特性を検出および測定することができる。たとえば、検出器780a~780cは、半導体ウエハ710の円周にウエハエッジ欠陥が存在するかどうかを検出するように構成することができる。ウエハエッジ欠陥の検出に応答して、検出器780a~780cは、ウエハエッジ欠陥の場所、欠陥深さ、幅、およびタイプなどのウエハエッジ欠陥の様々な特性を測定することへ進む。ウエハエッジ欠陥の例としては、それぞれ図2A図2Dおよび図3図5に示すウエハエッジ欠陥203、303、403、および503を挙げることができる。いくつかの実施形態において、検出器780a~780cは、ウエハ修正チャンバ702の側壁および/または上壁/底壁の周りに位置決めされる。検出されたウエハエッジ欠陥の特性を表すデータは、処理システム790へ伝送することができ、処理システム790は、ウエハエッジ欠陥が変動閾値を下回るかどうか、たとえば検出されたウエハエッジ欠陥が過度である(たとえば、半導体ダイ704内へ延びる)かどうかを判定することができる。ウエハエッジ欠陥が過度ではないことに応答して、処理システム790は、半導体ウエハ710内にウエハ修正領域を形成するためのウエハ修正プロファイルを作成することへ進む。ウエハエッジ欠陥が過度であることに応答して、処理システム790は、使用者に警告することまたは犠牲にするダイを選択することへ進むことができる。検出器780a~780cはまた、判定することができる。たとえば、3つの検出器をウエハ修正チャンバ702の周りに位置決めし、検出器をウエハ修正チャンバ702の側壁および上壁に対向させることができる。いくつかの実施形態において、ウエハ修正チャンバ702の側壁および上壁にビューポートを設置することができ、ウエハ修正チャンバ702の内部がそれぞれの検出器に見えるように、それぞれの検出器と位置合わせすることができる。いくつかの実施形態において、検出器780a~780cは、ウエハ修正チャンバ702内に位置することができる。いくつかの実施形態において、検出器780a~780cは、たとえば半導体ウエハ710上のウエハエッジ欠陥の厚さ、幅、およびタイプなど、半導体ウエハ710のウエハ特性を検出するように構成することができる。いくつかの実施形態において、検出器780a~780cは、半導体ウエハ710がウエハ修正チャンバ702内へ輸送される前にウエハ特性を検出するように構成された検出器チャンバ内に設置することができる。いくつかの実施形態において、検出器780a~780cは、レーザ厚さセンサ、光学プロファイラ、ステッププロファイラ、多波長エリプソメータ、イオンビーム分析器、および/もしくは任意の他の好適な検出器、またはこれらの組合せとすることができる。いくつかの実施形態において、検出器780a~780cは各々、電荷結合デバイス(CCD)カメラとすることができ、これはCCDに基づく画像検出システムの構成要素である。いくつかの実施形態において、フォトセル、またはフォトセルに提示される区域の画像を検出する他のそのような自動化された検出装置を使用することもできる。いくつかの実施形態において、検出器780a~780cは、プロセスの検査に応じて、少なくとも1つのCCDモノクロムまたはカラーカメラを含むことができる。したがって、検出器780a~780cは各々、ウエハの1つまたは複数の高分解能画像を作成し、その高分解能画像を使用者または処理システムへ提供するように構成することができる。
【0032】
図9を参照すると、方法900は、いくつかの実施形態による動作930へ進み、動作930は、測定されたウエハ特性に基づいてウエハプロファイルを判定するステップを含む。図7および図8に示すように、処理システム790は、通信チャネル792を介して検出器780a~780cおよびウエハ修正チャンバ702に電気接続することができる。処理システム790は、回路およびソフトウェアを処理して、検出器780a~780cによって作成された信号を分析し、それらの信号を使用してウエハプロファイルを生成することを含むことができる。通信チャネル792は、信号を伝送するための任意の好適な配線、光ファイバ、または無線技術とすることができる。生成されたウエハプロファイルは、使用者が見るのに好適なものとすることができる。たとえば、結果として得られるウエハプロファイルは、たとえばオペレータワークステーションに位置するコンピュータモニタなど、処理システム790または表示デバイスに表示することができる。生成されたウエハプロファイルは、半導体ウエハの周囲領域内にあるウエハエッジ欠陥の場所、深さ、幅、およびタイプなどの情報を含むことができる。
【0033】
ウエハプロファイルに基づいて、処理システム790は、そのウエハに好適なウエハ修正レシピまたは処理条件を判定することができる。たとえば、ウエハ修正レシピは、ウエハエッジ欠陥の欠陥深さに依存することができる。具体的には、処理システム790は、ウエハ修正の深さをエッジ欠陥深さ以上に設定することができる。欠陥深さおよび修正深さの例としては、図2A図2Dおよび図3図5に示す欠陥深さtおよび修正深さdを挙げることができる。ウエハ修正レシピはまた、ウエハ修正の位置に関係する情報を含むことができる。たとえば、ウエハ修正は、ウエハの円周に沿って周囲領域内に位置決めすることができる。検出器は、ウエハ特性の1度だけの測定を行うように処理システム790によって動作させることができ、またはウエハ処理中にウエハ特性を所定の間隔で連続して測定するように動作させることができる。したがって、検出器は、ウエハ処理の連続監視を提供し、検出された結果を処理システム790へ伝送することができ、したがって処理システム790は、ウエハ修正プロセス中に処理レシピまたは条件を実時間で調整することができる。
【0034】
いくつかの実施形態において、処理システム790は、極めて大きいデータセット(たとえば、ビッグデータ)を受け取り、それをコンピュータで分析して、ウエハエッジ欠陥および結果として得られる処理済みのウエハに関するパターン、トレンド、および関連付けを明らかにするように構成することができる。具体的には、処理システム790は、ウエハのウエハエッジの形状、厚さ、組成、粗さ、および任意の他の好適な特性を表す収集されたデータセットを検出器から受け取り、ウエハ修正プロセスを参照してデータセットを分析することができる。データセットは、ウエハ修正プロセスを連続して改善することができるように、処理システム790がウエハ修正レシピを実時間または処理後に微調整するためのフィードバックとして使用することができ、その結果、ウエハ処理の均一性およびデバイス収率が改善される。
【0035】
処理システム790は、任意の好適な信号の分析、統計処理、タスクスケジューリング、警報信号の生成、さらなる制御信号の生成など、様々な追加または代替の分析タスクを実行するように構成することができる。たとえば、過度なウエハエッジ欠陥を検出したとき、処理システム790は、警報信号を生成して使用者に警告するように構成することができる。処理システム790は、ウエハエッジ欠陥を低減させるために、一連のスケジューリングされたタスクをウエハ修正チャンバ内で実行するようにさらに構成することができる。いくつかの実施形態において、過度なウエハエッジ欠陥の例には、ウエハの活動デバイス領域内へ広がるウエハエッジ欠陥を含むことができる。過度なウエハエッジ欠陥の検出に応答して、処理システム790は、ウエハエッジ欠陥によって影響されうる半導体ダイの識別、およびそれに応じたウエハ修正の経路の調整など、適当な次のステップを判定することができる。他の様々なウエハ修正パラメータには、たとえば、修正器730の移動速度、位置、角度、半導体ウエハ710の回転速度、これらの組合せ、および任意の他の好適な処理パラメータを含むことができる。処理システム790は、ウエハ修正チャンバ702に隣接して配置することができ、したがってたとえば操作者は、処理システム790およびウエハ修正チャンバ702の両方に容易にアクセスして、ウエハエッジ欠陥およびウエハ修正プロセスを判定し、生じうるあらゆる問題を補正することができる。別法として、いくつかの実施形態において、処理システム790は、様々な処理ステーションまたはウェットベンチからの様々な画像を合わせて監視することができるプロセスコマンドセンタなど、遠隔の場所に配置することもできる。
【0036】
図9を参照すると、方法900は、いくつかの実施形態による動作940へ進み、動作940は、測定されたウエハ特性に基づいて、半導体ウエハ上でウエハ修正プロセスを実行するステップを含む。図7に示すように、1つまたは複数のウエハ修正レシピに従って、ウエハ710上にウエハ修正720を形成することができる。
【0037】
ウエハ修正ステーション700は、アーム735に取り付けられた修正器730を含む。処理システム790は、ウエハ修正プロファイルに基づいてウエハ修正プロセスを実行するように修正器730に指示することができる。いくつかの実施形態において、修正器730は、ウエハの厚さ全体を貫通するのではなく、ウエハ710から材料の一部分を除去するなど、部分的なダイシングプロセスを実行するように構成されたダイシングブレードとすることができる。たとえば、ダイシングブレードは、ウエハ厚さより小さい事前設定された深さ(たとえば、図4Aおよび図4Bに示す修正深さd)までウエハ710内へ侵入し、ウエハ710のリング状の周囲領域と実質的に同心円状のリング状のトレンチを形成することができる。いくつかの実施形態において、トレンチはウエハ710内へ延びるが、ウエハの厚さ全体を完全には貫通しない。いくつかの実施形態において、修正器730は、ウエハ710のバルク基板内の焦点に赤外レーザビームを集束させる1組のレーザ集束レンズとすることができる。ウエハ710の厚さ全体ではなく一部分に侵入するなど、部分的なステルスレーザダイシングプロセスが実行されるように、修正器730の様々なパラメータを調整することができる。たとえば、ウエハ710を形成する材料の物理的および化学的特質に基づいて、出力、周波数、焦点深度、通過数、移動距離、および任意の好適なパラメータを調整することができる。レーザ周波数を増大させると、より平滑な劈開平面が得られるという利益を提供することができる。加えて、レーザ出力を増大させると、より多くの微小亀裂が形成されるという利益を提供することができる。いくつかの実施形態において、修正器730は、その基板が単結晶シリコンを使用して形成されるとき、半導体ウエハ710内に修正層を形成するために、約85Wの出力および約60kHzの周波数を有する赤外レーザを提供することができる。修正器730は、アーム735を介してモータ740によってx方向に沿って(たとえば、方向732に沿って)横方向に動くことができ、したがって修正器730は、半導体ウエハ710上の任意の好適な領域のすぐ上に位置することができる。たとえば、修正器730は、ウエハ710の周囲領域の上に位置決めすることができる。ウエハ周囲領域の一例としては、図4Aおよび図4Bに示す周囲領域408を挙げることができる。いくつかの実施形態において、修正器730は、所望の領域内を2回以上通過することができる。修正器730はまた、y方向に(たとえば、方向734に沿って)垂直に動くことができ、したがってウエハ修正プロセスの前、途中、または後に、半導体ウエハ710と修正器730との間の高さを調整することができる。たとえば、修正器730を垂直方向に動かすことによって、修正器730のレーザ焦点またはブレード切断深さを調整することができる。いくつかの実施形態において、修正器730はまた、ウエハ710の垂直軸711の周りを回転することができ、したがって修正器730は、ウエハ710と実質的に同心円状のリング状の修正された部分を形成することができる。たとえば、修正器730は、90°、180°、360°、または任意の好適な範囲だけ回転するように構成することができる。いくつかの実施形態において、修正器730は、ウエハ710の円周の輪郭に合わせることができる。いくつかの実施形態において、検出されたウエハプロファイルおよび処理条件に基づいて、プロセスの持続時間にわたって、修正器730の他の好適なパラメータを調整することもできる。いくつかの実施形態において、調整可能なパラメータには、それだけに限定されるものではないが、修正器730と半導体ウエハ710との間の高さ、半導体ウエハ710の上面に対する修正器730の向き、修正器730の移動速度、修正器730の移動経路、任意の好適なパラメータ、および/またはこれらの組合せが含まれる。
【0038】
図8は、いくつかの実施形態によるウエハ修正システム800の図である。ウエハ修正システム800は、他の構成要素の中でも、処理システム790、修正器コントローラ850、アームコントローラ860、およびチャンバコントローラ870を含むことができる。ウエハ修正システム800は、追加の検出器、センサ、ポンプ、バルブなどの他の好適な構成要素をさらに含むことができるが、簡単にするためにこれらの構造は図8に示されていない。いくつかの実施形態において、修正器コントローラ850、アームコントローラ860、およびチャンバコントローラ870は、バルブ、モータ、またはウエハ段などの任意の好適なコンピュータ制御モジュールを含むことができる。いくつかの実施形態において、上述したコントローラは、生成されたウエハプロファイルおよびウエハ修正プロセスの監視に基づいて、様々な処理パラメータを制御することができる。いくつかの実施形態において、修正器730は、ステルスダイシングのための赤外レーザを提供するように、修正器コントローラ850によって制御することができる。いくつかの実施形態において、修正器730は、回転ダイシングブレードを使用してウエハ710内にトレンチを形成するように、修正器コントローラ850によって制御することができる。いくつかの実施形態において、修正器コントローラ850は、半導体ウエハ710の上面に対する修正器730の向き、ダイシングブレードの回転速度、レーザ出力および周波数、ならびに任意の好適なパラメータを制御することができる。いくつかの実施形態において、アームコントローラ860は、ウエハ710の異なる領域の上に位置決めされるように修正器730を動かすように動作させることができる。いくつかの実施形態において、アームコントローラ860はまた、他のパラメータの中でも、修正器730と半導体ウエハ710との間の高さ、修正器730の横方向の移動速度、修正器730の移動経路を制御することができる。チャンバコントローラ870は、チャンバ圧力、温度、および/または任意の好適なパラメータなど、ウエハ修正チャンバ702の様々なパラメータを制御するために使用することができる。検出器780および処理システム790は、ウエハ修正チャンバ702内へ輸送されるウエハに対するウエハプロファイルを判定することができる。検出器780は、ウエハの様々な特性を測定する図7の検出器780a~780cとすることができる。たとえば、検出器780は、ウエハエッジの特質を判定し、ウエハエッジ欠陥の存在を検出することができる。ウエハエッジ欠陥が検出された場合、検出器780は、ウエハエッジ欠陥の位置、深さ、幅、タイプ、または任意の好適な特質をさらに検出し、ウエハ修正プロファイルの作成などのさらなる処理のために、そのデータを処理システム790へ伝送することができる。処理システム790は、ウエハの測定された特性を受け取ってウエハプロファイルを判定し、そのウエハプロファイルを使用して、それに応じてウエハを修正することができる。具体的には、処理システム790は、ウエハプロファイルに基づいてウエハ修正領域を形成するレシピを作成することができる。たとえば、処理システム790は、図2B図2Dに示すウエハエッジ欠陥の断面図および測定値を作成するように構成することができる。その結果、処理システム790は、ウエハ710内にウエハ修正領域720を形成するように、アームコントローラ850によって修正器730を制御することができる。
【0039】
図9を参照すると、方法900は、いくつかの実施形態による動作950へ進み、動作950は、測定されたウエハ特性に基づいて、修正された半導体ウエハ上でウエハ薄化プロセスを実行するステップを含む。ウエハ薄化プロセスを実行する一例としては、図5および図6に示すウエハ500上で実行される研削プロセス510を挙げることができるが、簡単にするために本明細書において詳細には説明しない。
【0040】
本明細書に記載する様々な実施形態は、ウエハ薄化プロセス中のウエハ処理収率を改善するためのシステムおよび方法を対象とする。より詳細には、本開示は、ウエハ薄化プロセスの前にウエハプロファイルを判定し、それに応じてウエハを修正し、したがって各ウエハがウエハプロファイルに従ってカスタマイズされるように構成されたウエハ処理システムを対象とする。たとえば、ウエハ処理システムは、ウエハの周囲領域に位置する欠陥を識別し、周囲領域の部分を修正して、ウエハ薄化プロセス中に欠陥がウエハのデバイス領域内へ伝播することを防止する障壁を生じさせる。いくつかの実施形態において、周囲領域の部分を修正することは、周囲に沿ってウエハを部分的に切断し、周囲に沿ってトレンチを形成することを含むことができる。いくつかの実施形態において、周囲領域の部分を修正することは、ステルスレーザダイシングなどの非侵襲的な方法によって、ウエハの一部分の物理的特質を修正することを含むことができる。
【0041】
いくつかの実施形態において、ウエハを処理する方法は、複数の検出器を使用してウエハの1つまたは複数のウエハ特性を測定するステップを含む。ウエハは、デバイス領域および周囲領域を含む。この方法はまた、測定された1つまたは複数のウエハ特性に基づいて、ウエハのウエハ修正プロファイルを判定するステップを含む。この方法は、ウエハ修正プロファイルを使用して、周囲領域内のウエハのリング状部分を修正するステップをさらに含む。修正されたリング状部分は、ウエハの厚さより小さい侵入深さを有する。この方法は、ウエハ上でウエハ薄化プロセスを実行するステップをさらに含む。
【0042】
いくつかの実施形態において、ウエハを処理する方法は、ウエハの円周においてウエハエッジ欠陥を検出するステップを含む。ウエハは、前面および裏面を有し、前面上に半導体ダイのアレイを有する。この方法はまた、ウエハエッジ欠陥の1つまたは複数の特性を測定するステップを含み、1つまたは複数の特性は少なくとも欠陥深さを含む。この方法はまた、ウエハのうち半導体ダイのアレイとウエハエッジ欠陥との間にある部分を前面から修正するステップを含む。修正された部分は、前面から測定される侵入深さを有し、侵入深さは欠陥深さより小さい。この方法は、ウエハの裏面上でウエハ薄化プロセスを実行するステップをさらに含む。
【0043】
いくつかの実施形態において、ウエハ処理システムは、ウエハの1つまたは複数の特性を判定するように構成された1つまたは複数の検出器を含む。ウエハは、デバイス領域と、デバイス領域を取り囲む周囲領域とを有する。ウエハ処理システムは、ウエハ修正装置および処理システムをさらに含む。処理システムは、1つまたは複数の特性を受け取り、1つまたは複数のウエハ特性に基づいてウエハ修正プロファイルを判定するように構成される。処理システムは、ウエハ修正プロファイルを使用して、周囲領域内のウエハのリング状部分を修正するようにさらに構成される。修正されたリング状部分は、ウエハの厚さより小さい侵入深さを有する。
【0044】
したがって、特有の実施形態の上記の説明は、本開示の一般的な性質を完全に明らかにし、本開示は、本開示の一般概念から逸脱することなく、当技術分野の範囲内の知識を適用することによって、他の人でも過度の実験なしにそのような特有の実施形態を様々な応用例に容易に修正および/または適合することができる。したがって、そのような適合および修正は、本明細書に提示する教示および指示に基づいて、開示する実施形態の均等物の意味および範囲内であることが意図される。本明細書における用語または術語は、限定ではなく説明を目的とし、したがって本明細書の術語または用語は、当業者によって教示および指示に照らして解釈されるべきであることを理解されたい。
【0045】
本開示の実施形態について、指定の機能およびその関係の実装例を示す機能的な構築ブロックの助けを借りて上述してきた。これらの機能的構築ブロックの境界は、説明の便宜上、本明細書に任意に画定されている。指定の機能およびその関係が適当に実行される限り、代替の境界を画定することもできる。
【0046】
概要および要約のセクションは、本発明者によって企図される本開示のすべてではなく1つまたは複数の例示的な実施形態を記載するものであり、したがって、本開示および添付の特許請求の範囲を何ら限定することを意図したものではない。
【0047】
本開示の幅および範囲は、上述した例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびその均等物のみに従って画定されるべきである。
【符号の説明】
【0048】
100 半導体ウエハ
102 基板
102A 上面
102B 底面、ウエハ裏面
104 半導体ダイ
106 デバイス領域
108 周囲領域
110 ウエハエッジ
112 ウエハエッジ領域
113 ウエハ平坦部
203 エッジ欠陥
300 ウエハ
302 基板
302A 前面
302B 裏面
303 エッジ欠陥
304 半導体ダイ
306 チャック
307 軸
308 真空チャネル
310 研削プロセス
312 ひび
314 保護テープ
330 バックグラインダカップホイール
400 半導体ウエハ
402 基板
402A ウエハ前面
402B ウエハ裏面
403 エッジ欠陥
404 半導体ダイ
406 デバイス領域
408 周囲領域
413 ウエハ平坦部
420 ウエハ修正領域
500 ウエハ
502 基板
502A 前面
502B 裏面
503 エッジ欠陥
503A 半導体ダイ504を含むウエハ部分
503B エッジ欠陥503を含むウエハ部分
504 半導体ダイ
506 チャック
508 真空チャネル
510 研削プロセス
514 保護テープ
520 ウエハ修正領域
530 バックグラインダカップホイール
612 ひび
700 ウエハ修正ステーション
702 ウエハ修正チャンバ、処理チャンバ
704 半導体ダイ
710 ウエハ
711 垂直軸
719 ウエハホルダ
720 ウエハ修正、ウエハ修正領域
725 スピンベース
730 修正器
732 方向
734 方向
735 アーム
740 モータ
780a 検出器
780b 検出器
780c 検出器
790 処理システム
792 通信チャネル
800 ウエハ修正システム
850 修正器コントローラ
860 アームコントローラ
870 チャンバコントローラ
A 基板厚さTに対する欠陥深さtの比
B 基板厚さTに対する修正深さdの比
C t/dの比
d 修正深さ
T 基板厚さ
t 欠陥深さ
w 幅
ω 回転速度
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9