(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】アノード持上げ装置
(51)【国際特許分類】
C25C 7/02 20060101AFI20241007BHJP
B65G 47/61 20060101ALI20241007BHJP
C25C 1/12 20060101ALN20241007BHJP
【FI】
C25C7/02 302C
B65G47/61 C
C25C1/12
(21)【出願番号】P 2020214356
(22)【出願日】2020-12-23
【審査請求日】2023-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134979
【氏名又は名称】中井 博
(74)【代理人】
【識別番号】100167427
【氏名又は名称】岡本 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】真鍋 和暉
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-149971(JP,U)
【文献】特開2003-064497(JP,A)
【文献】特開昭59-173284(JP,A)
【文献】米国特許第06821405(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25C 7/02
B65G 47/74
C25C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の肩部を有するアノードを搬送装置から持ち上げる装置であって、
長尺な一対のリフトアームと、
該一対のリフトアームの長手方向が鉛直になるように保持し、かつ、該一対のリフトアームの長手方向に沿った移動を案内する一対の案内機構と、
該一対のリフトアームを長手方向に沿って移動させる移動機構と、を備えて
おり、
該移動機構は、
前記一対のリフトアームにそれぞれ連結された一対のリンク部材と、
該一対のリンク部材に連結された連結軸と、
該連結軸を回転させる駆動部と、を備えており、
前記一対のリンク部材は、
前記連結軸の正転逆転に伴って前記一対のリフトアームを昇降させるものである
ことを特徴とするアノード持上げ装置。
【請求項2】
前記駆動部が、
シリンダと、先端が該シリンダのロッドに回転可能に連結され基端が前記連結軸に固定された第一連結部材と、を有しており、
各リンク部材は、
先端が前記リフトアームに連結された第一リンク部材と、先端が該第一リンク部材に回転可能に連結され基端が前記連結軸に固定された第二リンク部材と、を有している
ことを特徴とする
請求項1記載のアノード持上げ装置。
【請求項3】
前記一対のリフトアームは、
複数のアノードの肩部を載せることができる構造を有している
ことを特徴とする
請求項1または2記載のアノード持上げ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アノード持上げ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電解精錬による電気銅の製造に使用されるアノードは、アノードAを成形するアノードプレスから搬送設備によって順次搬送されて、電解槽に供給される。このアノードを搬送する搬送設備では、通常、アノードの上部に設けられた一対の肩部をコンベア等によって保持して搬送される。例えば、互いに平行かつ間隔を空けて水平に設けられた一対のチェーンを有するチェーンコンベアを搬送設備として採用した場合、一対のチェーンにアノードの一対の肩部をそれぞれ引っ掛けた状態で、アノードを懸垂したまま水平に搬送する。
【0003】
ここで、搬送設備に対してアノードを供給する側(前工程)に比べて搬送設備からアノードを受け取る側(次工程)が高い位置にある場合などには、搬送設備においてアノードをリフトすることが必要になる。
【0004】
例えば、特許文献1には、押上シリンダによって昇降する押上台を設け、この押上台によってチェーンコンベア上のアノードを上昇させて、上昇したアノードを移載爪によって整列コンベアに移動させる移載装置が開示されている。特許文献1の移載装置は、チェーンコンベアによって搬送されるアノードの下方に押し上げ台を設けており、この押し上げ台を昇降することによってアノードを上方に押し上げることができる。、
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の移載装置は、アノードの下端を押し上げてアノードを上昇させる構成であるので、アノードを安定して上昇させることが難しい。このため、アノードの持上げ不良やチェーンコンベアからのアノードの落下が発生する可能性がある。かかる問題が発生すれば、設備の復旧のために搬送設備を停止しなければならず、搬送設備を備えた設備全体の作業効率の低下が生じる可能性がある。また、アノードの落下が発生すれば、落下したアノードによって、周辺のセンサーなどの機器が破損する可能性もある。そして、電解精錬に使用するアノードは重量が重い(約0.5t)ので、搬送設備の復旧には重量物であるアノードを取り扱わなければならず、作業負荷が大きくなる。
【0007】
本発明は上記事情に鑑み、アノードを安定して持ち上げることができ、装置構造も簡素化できるアノード持上げ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明のアノード持上げ装置は、一対の肩部を有するアノードを搬送装置から持ち上げる装置であって、長尺な一対のリフトアームと、該一対のリフトアームの長手方向が鉛直になるように保持し、かつ、該一対のリフトアームの長手方向に沿った移動を案内する一対の案内機構と、該一対のリフトアームを長手方向に沿って移動させると、を備えており、該移動機構は、前記一対のリフトアームにそれぞれ連結された一対のリンク部材と、該一対のリンク部材に連結された連結軸と、該連結軸を回転させる駆動部と、を備えており、前記一対のリンク部材は、前記連結軸の正転逆転に伴って前記一対のリフトアームを昇降させるものであることを特徴とする。
第2発明のアノード持上げ装置は、第1発明において、前記駆動部が、シリンダと、先端が該シリンダのロッドに回転可能に連結され基端が前記連結軸に固定された第一連結部材と、を有しており、各リンク部材は、先端が前記リフトアームに連結された第一リンク部材と、先端が該第一リンク部材に回転可能に連結され基端が前記連結軸に固定された第二リンク部材と、を有していることを特徴とする。
第3発明のアノード持上げ装置は、第1または第2発明において、前記一対のリフトアームは、複数のアノードの肩部を載せることができる構造を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
第1、第2発明によれば、一対のリフトアームの移動を案内機構によって案内するので、移動機構によって一対のリフトアームを移動させたときに、鉛直方向に沿って一対のリフトアームを安定して移動させることができる。また、駆動部を一つにできるので、装置構造を簡素かできるし、一対の肩部を持ち上げるタイミングを確実に一致させることができる。
第3発明によれば、複数のアノードを同時に持ち上げることができるので、アノードを移載する作業を効率化できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態のアノード持上げ装置10を備えた搬送設備1の概略説明図であって、(A)は(B)のC-C線概略断面図であり、(B)は(A)のB-B線概略断面図である。
【
図2】本実施形態のアノード持上げ装置10の案内機構20の概略拡大図である。
【
図4】複数のアノードAの肩部ASを載せることができるリフトアーム11Bを設けたアノード持上げ装置10を備えた搬送設備1の概略説明図であって、(A)は(B)のC-C線概略断面図であり、(B)は(A)のB-B線概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態のアノード持上げ装置は、アノードを搬送する設備に使用される装置であって、段差のある搬送コンベア間等においてアノードを移動させる装置である。
【0012】
本実施形態のアノード持上げ装置が採用される設備はとくに限定さない。例えば、電解精錬による電気銅の製造に使用される設備において、アノードを成形するアノードプレスから供給されるアノードを次工程に搬送する設備や、アノードを鋳造工程から機械加工工程に搬送する設備等を挙げることができる。
【0013】
本実施形態のアノード持上げ装置によって持ち上げられるアノードもとくに限定されない。電解精錬による電気銅の製造に使用されるアノードや電気ニッケルの製造等に使用されるアノードを挙げることができる。
【0014】
<アノードA>
まず、本実施形態のアノード持上げ装置10が採用される搬送設備1によって搬送されるアノードAの概略を説明する。
【0015】
図1(B)に示すように、アノードAは、正面視で略四角形に形成された胴体部ABと、この胴体部ABの上端に設けられた一対の肩部AS,ASと、を備えている。一対の肩部AS,ASは、胴体部ABの幅方向の両端部にそれぞれ設けられており、その先端が胴体部ABの側端から突出している。
【0016】
このため、アノードAは、一対の肩部AS,ASを電解槽の電極(ブスバー)に引っ掛けて懸垂された状態とすることができ、その状態で胴体部ABを電解槽中の電解液に浸漬することができる。
【0017】
アノードAの大きさはとくに限定されない。例えば、銅電解精錬に使用するアノードAであれば、電解槽やカソードの大きさに合わせて、胴体部ABは、高さが1000~1100mm、横幅が約1000~1100mm、厚さが約20~60mmに形成される。また、各肩部ASは、アノードAを吊り下げたときに重量を支えることができる大きさであれば特に制限はない。例えば、各肩部ASの長さ、つまり、胴体部ABの幅方向と平行な方向の長さが約150~250mm、幅、つまり、胴体部ABの高さ方向と平行な方向の長さが約50~150mm、厚さが約20~60mmに形成される。
【0018】
<アノード搬送設備1>
つぎに、本実施形態のアノード持上げ装置10が採用される搬送設備1について簡単に説明する。
【0019】
<上流側搬送コンベア2>
図1において、符号2は、搬送設備1において、アノードAを搬送する上流側搬送コンベアを示している。具体的には、搬送コンベア2は、アノードAの一対の肩部AS,ASを保持した状態(つまりアノードAを懸垂した状態)で水平方向に搬送するコンベアである。例えば、搬送コンベア2は、互いに平行かつ間隔を空けて水平に設けられた一対のチェーン2c,2cを有しており(
図4(B))、一対のチェーン2c,2cの上面にそれぞれアノードAの一対の肩部AS,ASを引っ掛けた状態でアノードAを懸垂したまま水平に搬送できるようになっている。
【0020】
なお、上流側搬送コンベア2は、アノードAを懸垂した状態で水平方向に搬送できるものであればよく、その構造はとくに限定されない。ここでいう水平方向には、水平の状態と、水平に対して若干傾斜している状態の両方を含んでいる。
【0021】
<アノード持上げ装置10>
図1に示すように、上流側搬送コンベア2の搬送方向の下流側には、本実施形態のアノード持上げ装置10が設けられている。このアノード持上げ装置10は、アノードAの一対の肩部AS,ASを保持して上方に押し上げる装置である。このアノード持上げ装置10は、一対のリフトアーム11,11によってアノードAの一対の肩部AS,ASを上流側搬送コンベア2の上面(一対のチェーンを有する場合には、チェーンの上面)から浮いた状態まで鉛直に持ち上げるものであるが、詳細は後述する。
【0022】
<下流側搬送コンベア3>
図1に示すように、上流側搬送コンベア2の上方には下流側搬送コンベア3が設けられている。下流側搬送コンベア3は、一対のフック3f,3fからなるフックセットfs(
図1(B)参照)を複数備えており、このフックセットfsの一対のフック3f,3fにアノードAの一対の肩部AS,ASをそれぞれ引っ掛けて保持した状態(つまりアノードAを懸垂した状態)で搬送するコンベアである。例えば、下流側搬送コンベア3は、互いに平行かつ間隔を空けて設けられた一対のチェーンを有しており、この一対のチェーンにフックセットfsの一対のフック3f,3fがそれぞれ保持されている。そして、フックセットfsが、下流側搬送コンベア3がアノードAを搬送する方向(
図1(A)では右方向)において所定の間隔となるように一対のチェーンに配設されている。
【0023】
なお、一対のフック3f,3fの形状はとくに限定されず、アノード持上げ装置10で持ち上げられているアノードAの一対の肩部AS,ASを保持することができるようになっていればよい。例えば、
図1(A)に示すように、一対のフック3f,3fを、その先端(下端)にアノードAを搬送する方向に突出し上面が平坦面となった突起部を有する構造としてもよい。この場合、フックセットfsの一対のフック3f,3fをアノードAの一対の肩部AS,ASに向かって移動させるだけで、フックセットfsの一対のフック3f,3fによってアノードAの一対の肩部AS,ASを引っ掛けて保持できる。
【0024】
以上のような搬送設備1の場合、以下のようにしてアノードAを前工程から次工程に搬送することができる。
【0025】
まず、上流側搬送コンベア2にアノードAが載せられると、上流側搬送コンベア2によってアノードAが下流側へ向かって搬送される。そして、上流側搬送コンベア2は、所定の位置、つまり、アノード持上げ装置10の位置まで到達すると、一旦アノードAの搬送を停止する。
【0026】
なお、複数枚のアノードAを搬送方向に複数枚並べた状態で搬送する場合には、最前方に位置するアノードA(言い換えれば最も下流側に位置するアノードA)がアノード持上げ装置10の位置まで到達すると、一旦アノードAの搬送を停止する。
【0027】
アノードAの搬送が停止すると、アノード持上げ装置10の一対のリフトアーム11,11が上昇し、一対のリフトアーム11,11によってアノードAは鉛直に持ち上げられる。そして、アノードAの一対の肩部AS,ASが下流側搬送コンベア3のフックセットfsの一対のフック3f,3fの先端の高さまで到達すると、一対のリフトアーム11,11の上昇が停止する。
【0028】
すると、下流側搬送コンベア3によってフックセットfsの一対のフック3f,3fがアノードAの位置まで移動され、フックセットfsの一対のフック3f,3fの先端部にアノードAの一対の肩部AS,ASが引っ掛かると、下流側搬送コンベア3は一旦停止する。
【0029】
下流側搬送コンベア3が停止すると、アノード持上げ装置10の一対のリフトアーム11,11は下降し、フックセットfsの一対のフック3f,3fだけでアノードAが保持された状態となる。そして、一対のリフトアーム11,11が元の状態まで戻ると、一対のリフトアーム11,11の下降が停止し、上流側搬送コンベア2によるアノードAの搬送が再開する。そして、下流側搬送コンベア3によってアノードAは次工程まで搬送される。
【0030】
以上の動作を順次繰り返すことによって、搬送設備1は、アノードAを前工程から次工程まで搬送でき、前工程からアノードAが供給される高さと、次工程にアノードAを供給する高さに差があっても、安定してアノードAを前工程から次工程に搬送することができる。
【0031】
<アノード持上げ装置10の詳細>
以下では、アノード持上げ装置10の構造を詳細に説明する。
【0032】
図1に示すように、アノード持上げ装置10は、一対のリフトアーム11,11と、一対のリフトアーム11,11を移動させる移動機構15と、一対のリフトアーム11,11の移動を案内する一対の案内機構20,20と、を備えている。
【0033】
各リフトアーム11は、搬送設備1の上流側搬送コンベア2においてアノードAの各肩部ASをそれぞれ保持する各チェーン2cの下方にそれぞれ設けられている。また、各リフトアーム11の移動を案内する案内機構20も、それぞれ上流側搬送コンベア2の各チェーンの下方(下方に収まりきらない場合は外方に張り出す場合もある)にそれぞれ設けられている。そして、一対のリフトアーム11,11を移動させる移動機構15も、上流側搬送コンベア2の各チェーンの下方にそれぞれ設けられている。
【0034】
なお、移動機構15は全体が上流側搬送コンベア2の各チェーンの下方に収まりきらない場合は外方に張り出すように配置される場合もある。
【0035】
以下では、一対のリフトアーム11,11および一対の案内機構20,20は実質的に同じ構造を有しているので、一対のリフトアーム11,11および一対の案内機構20,20については、
図1(A)に基づいて、
図1(B)の右側に位置するリフトアーム11および案内機構20を代表として説明する。
【0036】
<リフトアーム11>
図1~
図3に示すように、リフトアーム11は長尺な棒状(または板状)の部材である。このリフトアーム11は断面が長方形に形成されており、その長辺側の一方の面11aが上流側搬送コンベア2のフレーム2fの側面に向いた状態となるように、案内機構20によって保持されている。
【0037】
このリフトアーム11の短辺側の面11b,11bには、その長手方向に沿って延びる一対のガイド溝11g,11gが設けられている。この一対のガイド溝11g,11gは、実質的に同じ形状に形成されており、後述するように、案内機構20のローラ22のローラ22の外周部が収容される大きさに形成されている。具体的には、一対のガイド溝11g,11gは面11b,11bから凹んだ溝であり、その内底面bが面11b,11bの表面と平行な平坦面となるように形成されている。言い換えれば、一対のガイド溝11g,11gは、その内底面bがリフトアーム11の長手方向と平行な平坦面になるように形成されている。また、一対のガイド溝11g,11gは、その内底面bを挟む一対の側面s,sが内底面bと直交する互いに平行な面となるように形成されている(
図3参照)。
【0038】
また、リフトアーム11の先端には、上流側搬送コンベア2によるアノードAの搬送方向の下流側に突起状のストッパー部11sが設けられている。このストッパー部11sは、リフトアーム11によってアノードAを持ち上げた際に、アノードAが落下することを防止するために設けられている。また、リフトアーム11が下降した状態でも、このストッパー部11sの先端が上流側搬送コンベア2のチェーンの上面から突出した状態になるようにしておけば、上流側搬送コンベア2によって搬送されるアノードAの移動を停止させるストッパーとしてストッパー部11sを機能させることもできる。
【0039】
<移動機構15>
図1(B)に示すように、上流側搬送コンベア2の下部には、移動機構15が設けられている。この移動機構15は、上流側搬送コンベア2によって搬送されているアノードAの下端よりも下方に位置する連結軸17を備えている。この連結軸17は、上流側搬送コンベア2のフレーム2fや搬送設備1の機枠等に保持されている。具体的には、連結軸17は、その中心軸まわりに回転可能となるように、上流側搬送コンベア2のフレーム2fや搬送設備1の機枠等に保持されている。
【0040】
連結軸17には、一対のリンク部材16,16を介して、一対のリフトアーム11,11が連結されている。各リンク部材16は、先端がリフトアーム11に連結された第一リンク部材16aと、この第一リンク部材16aと連結軸17とを連結する第二リンク部材16bと、を有している(
図1(A)参照)。第一リンク部材16aは、棒状や板状の部材で形成されており、その先端が軸などを介してリフトアーム11に回転可能に連結されている。第二リンク部材16bは、基端が連結軸17に固定されており、軸などを介して先端が第一リンク部材16aの基端に回転可能に連結されている。かかる構造であるので、連結軸17が正逆回転すれば、一対のリンク部材16,16の第二リンク部材16bは連結軸17の中心軸を揺動軸として先端が揺動する。すると、一対のリンク部材16,16の第二リンク部材16bの先端の揺動に合せて、一対のリンク部材16,16の第一リンク部材16aを上下に移動させることができる。したがって、連結軸17を正逆回転させれば、一対のリンク部材16,16によって、一対のリフトアーム11,11を昇降させることができる。
【0041】
また、連結軸17には、連結軸17を正逆回転させる駆動部18が連結されている。この駆動部18は、シリンダ18aと、第一連結部材18bと、を有している。まず、シリンダ18aは、そのシリンダボディが上流側搬送コンベア2のフレーム2fや搬送設備1の機枠等に連結されている。具体的には、シリンダ18aは、そのシリンダボディが、ほぼ水平方向に沿って伸縮し、かつ、その基端を支点として上下方向に揺動可能になるように上流側搬送コンベア2のフレーム2fや搬送設備1の機枠等に連結されている。このシリンダ18aのロッドは、第一連結部材18bを介して、連結軸17に連結されている。この第一連結部材18bは、先端が軸などを介してシリンダ18aのロッドに回転可能に連結されており、その基端が連結軸17に固定されている。したがって、シリンダ18aが伸縮すれば、第一連結部材18bは連結軸17の中心軸を揺動軸として先端が揺動するので、連結軸17を正逆回転させることができる。
【0042】
移動機構15が以上のような構造であるので、駆動部18のシリンダ18aを伸縮させれば、第一連結部材18bを介して連結軸17が正逆回転し、この連結軸17の正逆回転に伴って、一対のリンク部材16,16を介して、一対のリフトアーム11,11を昇降させることができる。
【0043】
なお、一対のリンク部材16,16の構造は、上記のような構造に限定されず、連結軸17の正転逆転に伴って一対のリフトアーム11,11を昇降させることができるような構造になっていればよい。
【0044】
また、駆動部18のシリンダ18aの伸縮方向は水平方向でなくてもよく、シリンダ18aの伸縮方向をリフトアーム11の昇降方向(つまり鉛直方向)と平行になるようにしてもよい。しかし、上記のようにシリンダ18aの伸縮方向を水平方向とすれば、本実施形態のアノード持上げ装置10の高さを低くできるという利点が得られる。
【0045】
また、駆動部18は、必ずしもシリンダ18aによって連結軸17を正逆回転させるものでなくてもよい。例えば、連結軸17を、直接または減速機を介してモーターの主軸に連結して、モーターによって連結軸17を回転させるようにしてもよい。
【0046】
<案内機構20>
図1~
図3に示すように、リフトアーム11は、その長手方向が鉛直方向を向いた状態で、かつ、長手方向に沿って(言い換えれば鉛直方向に沿って)移動可能に案内機構20によって保持されている。
【0047】
案内機構20は、リフトアーム11をその側方から挟むように設けられた、一対のガイド部21,21を有している。具体的には、リフトアーム11の断面における短辺側からリフトアーム11を挟むように、一対のガイド部21,21が設けられている(
図2、
図3参照)。
【0048】
図2に示すように、一対のガイド部21,21は、リフトアーム11の長手方向(言い換えれば鉛直方向)に沿って外周面が回転するように配設されたローラ22をそれぞれ3個有している。各ガイド部21の3個のローラ22は、その回転軸が互いに平行かつ鉛直方向に沿って、一直線上に並ぶように配設されている。一対のガイド部21,21に設けられるローラ22はいずれも同じ形状に形成されている。
【0049】
例えば、ローラ22は、ベアリングによって形成されている。このローラ22の外径はとくに限定されないが、68.0~68.5mm程度が好ましい。また、ローラ22の幅RWは、ガイド溝11gの一対の側面s,s間の距離RGとほぼ同じか若干短く(例えば0.8~1.0mm程度短く)なるように形成されている。
【0050】
また、一対のガイド部21,21のローラ22は、一方のガイド部21のローラ22と他方のガイド部21のローラ22の互いに対応するローラ22の外周面同士が互いに対向するように配設されている。より具体的には、一対のガイド部21,21のローラ22は、対応するローラ22同士の回転軸が平行かつ鉛直方向の高さが同じ高さになるように設置されている。
【0051】
そして、一対のガイド部21,21のローラ22は、その外周面がリフトアーム11の一対のガイド溝11g,11gにそれぞれ収容された状態となるように、対応するローラ22同士の間隔が調整されている(
図2、
図3参照)。具体的には、対応するローラ22の外周面間の距離LD1がリフトアーム11の一対のガイド溝11g,11gの内底面b間の距離LD2とほぼ同じか若干長く(例えば2.0~2.5mm程度長く)なるように、一対のガイド部21,21の3個のローラ22は配設されている。
【0052】
アノード持上げ装置10は、一対のリフトアーム11,11、移動機構15および一対のリフトアーム案内機構20,20が以上のような構成を有している。したがって、移動機構15のシリンダ18を作動させれば、一対のリフトアーム11,11を一対の案内機構20,20に案内されて鉛直方向に沿って昇降させることができる。
【0053】
そして、移動機構15は、駆動部18の一つのシリンダ18aを作動させるだけで、一対のリフトアーム11,11を同時に同じタイミングで昇降させることができる。つまり、ノードAの肩部AS,ASを同じタイミングで同じ量だけ上昇させることができる。したがって、アノードAを安定した状態で上流側搬送用コンベア2から持ち上げることができる。しかも、シリンダ18aを一つだけ設ければよいので、アノード持上げ装置10の構造を簡素かできるし、制御が容易になる。
【0054】
また、一対のリフトアーム11,11は、一対のガイド溝11g,11gに一対の案内機構20,20のローラ22の外周面が挿入された状態で案内されるので、安定した状態で鉛直方向に沿って昇降できる。しかも、一対のリフトアーム11,11の長手方向に沿って回転するローラ22が一対のリフトアーム11,11の移動を案内している。すると、一対のリフトアーム11,11が移動する際に、一対のリフトアーム11,11と一対の案内機構20,20との間に発生する抵抗を小さくできるから、一対のリフトアーム11,11や一対の案内機構20,20の摩耗などによる損傷を低減することができる。したがって、アノード持上げ装置10によってアノードAを長期間安定してリフトすることができるので、アノード持上げ装置10のメンテナンス回数などを低減することができる。
【0055】
<リフトアーム11について>
リフトアーム11の断面形状はとくに限定されず、上述したような長方形に限られず、正方形でもよいし、円形でもよい。長手方向に沿って延びる一対のガイド溝11g,11gが側面に形成されていればよい。
【0056】
リフトアーム11の先端部の形状もとくに限定されず、アノードAの肩部Asを安定して保持できる形状であればよい。例えば、ある程度先端面の面積が広ければ、上述したようなストッパー部11sを設けなくてもよい。また、一つのリフトアーム11に一対のストッパー部11s,11sを設けて、その間にアノードAの肩部Asが配置されるようにしてもよい。
【0057】
<ローラ22の設置方法>
ローラ22は回転可能に設置されていればよく、その設置方法もとくに限定されない。例えば、搬送設備1の上流側搬送コンベア2のフレーム2fに直接ローラ22を設置してもよい。また、後述するようにベース部材23を設けて、このベース部材23にローラ22を設置して、ベース部材23を上流側搬送コンベア2のフレーム2fに取り付けるようにしてもよい。
【0058】
ベース部材23にローラ22を設置する場合には、以下のような構成とすれば、ローラ22の交換が容易になるので、本実施形態のアノード持上げ装置10や案内機構20のメンテナンスを簡単に行うことができる。
【0059】
図3に示すように、板状のベース部材23の表面には、断面円形の軸部24が立設されている。つまり、軸部24の軸方向がベース部材23の表面と直交するように軸部24が設置されている。この軸部24は、その外径がローラ22のベアリング部の内径22bよりも小さくなるように形成されている。
【0060】
この軸部24には、位置決め部25のスペーサ26と、ローラ22とが、この順で挿入されている。つまり、ローラ22とベース部材23との間に、両者に挟まれるようにスペーサ26が設けられている。このスペーサ26は、その内径が軸部24の外径よりもわずかに大きくなるように形成されたものである。また、スペーサ26の外径は、ローラ22の内輪の外径よりも若干小さくなるように形成されている。これば、スペーサ26がローラ22の作動の抵抗となることを防止するためである。また、スペーサ26の高さHは、リフトアーム11のガイド溝11gにローラ22の外周が配置された状態において、リフトアーム11がベース部材23の表面に接触しない程度の長さに形成されている。
【0061】
軸部24の軸方向においてローラ22の外方、つまり、軸部24の軸端には、抜け防止部材27が取り付けられている。つまり、抜け防止部材27は、スペーサ26との間にローラ22を挟むように軸部24に取り付けられている。この抜け防止部材27も、スペーサ26と同様に、ローラ22の作動の抵抗となることを防止するような構造を有している。つまり、抜け防止部材27の外径も、ローラ22の内輪の外径よりも若干小さくなるように形成されている。そして、抜け防止部材27は、軸部24に取り付けられると、ローラ22が軸部24の軸方向に移動しないような構造を有している。例えば、抜け防止部材27に押さえ部を設け、抜け防止部材27を軸部24に取り付けると、押さえ部とスペーサ26の端面との距離がローラ22の幅RWと同じ長さになるように形成されている。しかも、抜け防止部材27は、軸部24の軸端に着脱可能に取り付けられている。例えば、ボルト等によって抜け防止部材27は軸部24の軸端に取り付けられている。
【0062】
以上のような構造とすれば、ローラ22に損傷が生じた場合に、抜け防止部材27を軸部24の軸端から取り外せば、ローラ22を軸部24から取り外して簡単に交換することができる。したがって、本実施形態のアノード持上げ装置10や案内機構20のメンテナンスを簡単に行うことができる。
【0063】
また、スペーサ26を変更すれば、リフトアーム11とベース部材23の表面との間に形成される隙間も簡単に調整できる。すると、アノードAの荷重を一対のリフトアーム11,11で適度に分配したり、一対のリンク部材16,16に対する一対のリフトアーム11,11の移動方向を微調整したりすることが可能になるので好ましい。
【0064】
さらに、軸部24から抜け防止部材27までを一つのボルト等で締結するようにすれば、軸部24が損傷した場合でも簡単に交換ができるようになる。例えば、
図3に示すように、軸部24の中心に軸部24を貫通する貫通孔24hを設け、かつ、抜け防止部材27にも貫通孔24hと対応する位置に貫通孔27hを設ける。すると、軸部24の貫通孔24hおよび抜け防止部材27の貫通孔27hにボルトBT等を挿通すれば、軸部24を含めた全体をベース部材23に対して着脱可能に固定することができる。
【0065】
なお、軸部24をベース部材23に対して着脱可能とする場合には、ローラ22の内輪を軸部24に固定しておいてもよい。すると、軸部24におけるローラ22の設置位置を適切な位置にしておけば、上述した位置決め部25を設けなくてもよくなる。
【0066】
また、上流側搬送コンベア2のフレーム2fに直接ローラ22を設置する場合でも、上述したような構成でローラ22をフレーム2fに設置してもよい。つまり、上述したベース部材23をフレーム2fに置き換えた構造としてローラ22をフレーム2fに設置してもよい。
【0067】
<ローラ22について>
ローラ22は、上述したようにベアリングだけで構成してもよいし、ベアリング部とローラ部とを設けてもよい。ベアリング部とローラ部とでローラ22を形成する場合、ベアリング部の外輪にローラ部を設置すればよい。なお、ベアリングだけでローラ22を構成した場合には、ローラ22が軽量になるのでリフトアーム11の作動に対するローラ22の抵抗を軽減できるという利点が得られる。一方、ベアリング部とローラ部を有するようにすれば、ローラ部を安価な素材で形成したり、ローラ部の表面を耐摩耗性の素材で形成したりすることによって、維持費用を低減できる。
【0068】
また、ローラ22は、軸部24の軸周りに回転できるのであれば、単なる筒状の部材で形成してもよい。つまり、ローラ22は必ずしもベアリングを有していなくてもよい。例えば、ローラ22の内面に摺動抵抗の少ない素材によって形成された層を設けてもよい。この場合には、ローラ22において、スペーサ26や抜け防止部材27と接触する面にも摺動抵抗の少ない素材によって形成された層を設けることが望ましい。そして、ローラ22自体を摺動抵抗の少ない素材によって形成してもよい。
なお、かかる構成を採用した場合には、スペーサ26の外径や抜け防止部材27の外径の制限は少なくなり、スペーサ26や抜け防止部材27はリフトアーム11と接触しない程度の大きさであればよくなる。
【0069】
<ローラ22の設置数>
上述したように、ガイド部21は複数のローラ22を有しているので、長手方向に沿った複数個所でリフトアーム11を保持できる。すると、リフトアーム11が昇降する際にリフトアーム11を安定して移動させることできる。ローラ22を設ける数はとくに限定されない。上記例では、各ガイド部21にローラ22を3個ずつ設けた場合を説明したが、ローラ22は各ガイド部21に2個でもよいし、4個以上設けてもよい。また、各ガイド部21にローラ22を1個しか設けなくてもよい。ローラ22を設ける数は、搬送するアノードAの重量や大きさ、リフトアーム11の大きさ、リフト量(持ち上げ距離)等に合わせて適切な数を設ければよい。
【0070】
<他のアノード持上げ装置10B>
上述したアノード持上げ装置10では、一対のリフトアーム11,11によって一つのアノードAを持ち上げる場合を説明した。しかし、一対のリフトアーム11,11によって、複数のアノードAを同時に持ち上げることができれば、複数のアノードAを上流側搬送コンベア2から下流側搬送コンベア3に同時に移動することができる。すると、上流側搬送コンベア2から下流側搬送コンベア3にアノードAを移動する作業を効率化できる。
【0071】
この場合、複数のアノードAを同時に持ち上げる一対のリフトアーム11B,11Bは、以下のような構成とすることができる。なお、一対のリフトアーム11B,11Bは実質的に同じ構造を有しているので、一対のリフトアーム11B,11Bについては、
図4(A)に基づいて、
図4(B)の右側に位置するリフトアーム11Bを代表として説明する。
【0072】
図4(A)に示すように、リフトアーム11Bは、上述したリフトアーム11、つまり、アノードAを一つだけ持ち上げるリフトアーム11に比べて広い幅を有している。具体的には、下流側搬送コンベア3において、フック3fが移動する方向におけるフック3f間の間隔よりも広い幅を有している。例えば、2つのアノードAを同時に持ち上げる場合には、リフトアーム11Bは、その幅が隣接する2つのフック3f間の間隔Lfよりも広くなるように設けられる。また、3つのアノードAを同時に持ち上げる場合には、リフトアーム11Bは、その幅が、連続する3つのフック3fにおける最上流側と最下流側に位置するフック3f間の距離よりも広くなるように設けられる。
【0073】
このリフトアーム11Bの上端部には、ストッパー部11sが複数設けられている。この複数のストッパー部11sは、リフトアーム11Bの幅方向、つまり、上流側搬送コンベア2によって複数のアノードAを搬送する方向に沿って間隔を空けて設けられている。具体的には、隣接するストッパー部11s間の距離LPが下流側搬送コンベア3のフック3f間の距離Lfとほぼ同じ長さになるように、複数のストッパー部11sが設けられている。なお、隣接するストッパー部11s間の距離LPとは、隣接するストッパー部11sにおいてアノードAを搬送する方向の下流側の面間の距離を意味している。リフトアーム11Bの上端部にストッパー部11sを設ける数は、同時に持ち上げるアノードAの数よりも多ければよいが、通常は、同時に持ち上げるアノードAの数と同じ数のストッパー部11sを設ける。
【0074】
上記のごときリフトアーム11Bを有する本実施形態のアノード持上げ装置10を備えた搬送設備1は、以下のようにしてアノードAを前工程から次工程に搬送することができる。
【0075】
まず、上流側搬送コンベア2に複数のアノードAが載せられると、上流側搬送コンベア2によって複数のアノードAが下流側へ向かって搬送される。そして、上流側搬送コンベア2は、所定の位置、つまり、アノード持上げ装置10の位置まで到達すると、一旦複数のアノードAの搬送を停止する。なお、複数のアノードAは、下流側搬送コンベア3のフック3f間の距離Lfとほぼ同じ長さになるように並べて上流側搬送コンベア2上に配置される。
【0076】
ついで、下流側搬送コンベア3によって複数のフックセットfsの一対のフック3f,3fが移動され、各フックセットfsがそれぞれ上流側搬送コンベア2における複数のアノードAと対応する位置まで移動されると、下流側搬送コンベア3の移動を停止する。なお、複数のアノードAと対応する位置とは、複数のアノードAが一対のリフトアーム11B,11Bによって上昇した際に、複数のアノードAの移動の障害とならない位置で、複数のアノードAよりも複数のフックセットfsの移動方向の若干下流側の位置になる。
【0077】
下流側搬送コンベア3のフックセットfsの一対のフック3f,3fの移動が停止すると、アノード持上げ装置10の一対のリフトアーム11B,11Bが上昇し、一対のリフトアーム11B,11Bによって複数のアノードAは鉛直に持ち上げられる。そして、アノードAの一対の肩部AS,ASが下流側搬送コンベア3のフックセットfsの一対のフック3f,3fの先端の高さまで到達すると、一対のリフトアーム11B,11Bの上昇が停止する。
【0078】
すると、下流側搬送コンベア3によって複数のフックセットfsの一対のフック3f,3fがアノードAの位置まで移動される。そして、複数のフックセットfsの一対のフック3f,3fの先端部に複数のアノードAの一対の肩部AS,ASがそれぞれ引っ掛かると、下流側搬送コンベア3は一旦停止する。
【0079】
下流側搬送コンベア3が停止すると、アノード持上げ装置10の一対のリフトアーム11B,11Bは下降し、複数のフックセットfsの一対のフック3f,3fだけで複数のアノードAが保持された状態となる。そして、一対のリフトアーム11B,11Bが元の状態まで戻ると、一対のリフトアーム11B,11Bの下降が停止し、上流側搬送コンベア2によるアノードAの搬送が再開する。そして、上流側搬送コンベア2によって複数のアノードAは次工程まで搬送される。
【0080】
以上の動作を順次繰り返すことによって、搬送設備1は、アノードAを前工程から次工程まで搬送でき、前工程からアノードAが供給される高さと、次工程にアノードAを供給する高さに差があっても、安定してアノードAを前工程から次工程に搬送することができる。そして、複数のアノードAを同時に上流側搬送コンベア2から下流側搬送コンベア3に供給できるので、上流側搬送コンベア2から下流側搬送コンベア3に複数のアノードAを移動する作業を効率化できる。
【0081】
なお、一対のリフトアーム11B,11BでアノードAを持ち上げた際に、所定の間隔を維持した状態にできるのであれば、必ずしも一対のリフトアーム11B,11Bに複数のストッパー部11sは設けなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明のアノード持上げ装置は、高さの異なる搬送装置間でアノードを移載する設備に適している。
【符号の説明】
【0083】
1 搬送設備
2 上流側搬送コンベア
3 下流側搬送コンベア
3f フック
10 アノード持上げ装置
11 リフトアーム
11g ガイド溝
15 移動機構
20 案内機構
21 ガイド部
22 ローラ
23 ベース部材
24 軸部
25 位置決め部
26 スペーサ
27 抜け防止部材
A アノード
AS 肩部
AB 胴体部