(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】電力供給装置
(51)【国際特許分類】
H02M 3/155 20060101AFI20241007BHJP
H02M 3/28 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
H02M3/155 H
H02M3/28 H
(21)【出願番号】P 2020110789
(22)【出願日】2020-06-26
【審査請求日】2023-05-30
(73)【特許権者】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 哲平
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特開昭49-056119(JP,A)
【文献】特開2015-136248(JP,A)
【文献】特開2013-042571(JP,A)
【文献】特開2006-340587(JP,A)
【文献】実開昭51-091730(JP,U)
【文献】実開昭52-005214(JP,U)
【文献】特開2017-147787(JP,A)
【文献】米国特許第09325250(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00 - 3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧を昇圧して
出力端子から出力電圧を出力する電力供給装置であって、
前記入力電圧が入力され、発振信号を出力する発振回路と、
前記発振信号に基づいた電流を直流変換する整流回路と、
前記整流回路と前記出力端子との間に接続され、前記出力電圧が昇圧電圧となる昇圧コンデンサと、
前記昇圧電圧と閾値とを比較する第1ヒステリシスコンパレータと、
一端が基準電圧端子に接続され、他端が前記発振回路および前記昇圧コンデンサの間のノードに接続され、前記第1ヒステリシスコンパレータの比較結果に基づいて制御される第1スイッチと、
を備える
電力供給装置。
【請求項2】
前記第1スイッチは、
制御端子に前記第1ヒステリシスコンパレータの出力が入力される
請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項3】
前記第1スイッチは、
他端が、前記発振回路および前記整流回路の間に接続される
請求項1または2に記載の電力供給装置。
【請求項4】
一端が前記発振回路に接続され、他端が前記
整流回路に接続される第1コンデンサを備える
請求項1から3のいずれか一項に記載の電力供給装置。
【請求項5】
前記第1スイッチは、
他端が、前記
整流回路および前記第1コンデンサの間に接続される
請求項4に記載の電力供給装置。
【請求項6】
一端が前記発振回路および前記
昇圧コンデンサの間のノードに接続され、他端が前記第1スイッチに接続される第2コンデンサを備える
請求項1から5のいずれか一項に記載の電力供給装置。
【請求項7】
前記第1ヒステリシスコンパレータは、
前記昇圧電圧が第1閾値以上となったことを検出したことに応じて、前記第1スイッチをオンに制御し、前記昇圧電圧が第2閾値以下となったことを検出したことに応じて、前記第1スイッチをオフに制御する
請求項1から6のいずれか一項に記載の電力供給装置。
【請求項8】
前記昇圧電圧と閾値とを比較する第2ヒステリシスコンパレータと、
前記出力電圧を出力する出力端子に接続され、前記第2ヒステリシスコンパレータの比較結果に基づいて制御される第2スイッチとを更に備える
請求項1から7のいずれか一項に記載の電力供給装置。
【請求項9】
前記第2ヒステリシスコンパレータは、
前記昇圧電圧が第3閾値以上となったことを検出したことに応じて、前記第2スイッチをオンに制御して前記出力電圧の出力を開始し、前記昇圧電圧が第4閾値以下となったことを検出したことに応じて、前記第2スイッチをオフに制御して前記出力電圧の出力を停止する
請求項8に記載の電力供給装置。
【請求項10】
前記発振回路は、
一端が前記発振回路の入力端子と接続される第1コイルと、
一端が前記発振回路の出力端子に接続される第2コイルと、
前記第1コイルの他端と基準電圧端子との間に接続され、制御端子が前記発振回路の前記出力端子に接続される第3スイッチと、
一端が前記第1コイルの一端に接続され、他端が前記第2コイルの他端に接続される第1発振コンデンサと、
を備える請求項1から9のいずれか一項に記載の電力供給装置。
【請求項11】
前記発振回路は、
前記第3スイッチの制御端子と前記発振回路の前記出力端子との間のノードに一端が接続され、他端が基準電圧端子に接続された抵抗をさらに備える
を備える請求項10に記載の電力供給装置。
【請求項12】
前記発振回路は、
一端が前記発振回路の入力端子と接続される第1コイルと、
一端が前記発振回路の出力端子に接続される第2コイルと、
前記第1コイルの他端と基準電圧端子との間に接続され、制御端子が前記発振回路の前記出力端子に接続される第3スイッチと、
前記第3スイッチの制御端子と前記発振回路の前記出力端子との間のノードに一端が接続され、他端が基準電圧端子に接続される抵抗と、
一端が前記第1コイルの他端に接続され、他端が前記第2コイルの他端に接続される第1発振コンデンサと、
を備える請求項1から9のいずれか一項に記載の電力供給装置。
【請求項13】
前記発振回路は、
一端が前記発振回路の入力端子と接続される第1コイルと、
一端が前記発振回路の出力端子に接続され、他端が前記第1コイルの他端に接続される第2コイルと、
前記第1コイルの他端と基準電圧端子との間に接続される第3スイッチと、
一端が前記発振回路の前記出力端子に接続され、他端が前記第3スイッチの制御端子に接続される第2発振コンデンサと、
前記第3スイッチの制御端子と前記第2発振コンデンサの他端との間のノードに一端が接続され、他端が基準電圧端子に接続される抵抗と、
を備える請求項1から9のいずれか一項に記載の電力供給装置。
【請求項14】
前記発振回路は、
一端が前記発振回路の入力端子と接続される第1コイルと、
一端が前記発振回路の出力端子に接続され、他端が前記第1コイルの他端に接続される第2コイルと、
前記第1コイルの他端と基準電圧端子との間に接続され、制御端子が前記発振回路の前記出力端子に接続される第3スイッチと、
を備える請求項1から9のいずれか一項に記載の電力供給装置。
【請求項15】
前記発振回路は、
一端が前記発振回路の入力端子と接続される第1コイルと、
一端が前記発振回路の出力端子に接続され、他端が前記発振回路の入力端子に接続される第2コイルと、
前記第1コイルの他端と基準電圧端子との間に接続され、制御端子が前記発振回路の前記出力端子に接続される第3スイッチと、
を備える請求項1から9のいずれか一項に記載の電力供給装置。
【請求項16】
前記第3スイッチは、ディプレッション型NMOSトランジスタ、またはNative NMOSトランジスタである
請求項10から15のいずれか一項に記載の電力供給装置。
【請求項17】
前記入力電圧は、エナジーハーベストからの電圧である
請求項1から16のいずれか一項に記載の電力供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばエナジーハーベスティングシステムにおいて用いられる、温度差で発電する熱源発電は、出力電圧が数十mVと低いため、一般的な昇圧回路では昇圧できない。特許文献1は、N倍のトランスフォーマーを用いた発振器で発振した波形を整流することで100mV未満の低電圧電源の昇圧を行うことが記載されている。
特許文献1 米国特許 第9325250号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1のような回路では、出力電圧が所望の電圧に達しても発振動作は継続されるため、入力ソースのエネルギーは無駄に消費されてしまう。このような回路は、例えばエナジーハーベスティングにおいてはハーベスティング素子の摩耗に繋がるため、持続可能なシステムには適さない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、入力電圧を昇圧して出力電圧を出力する電力供給装置を提供する。電力供給装置は、入力電圧が入力され、発振信号を出力する発振回路を備えてよい。電力供給装置は、発振信号に基づいて昇圧電圧を出力する昇圧回路を備えてよい。電力供給装置は、昇圧電圧と閾値とを比較する第1ヒステリシスコンパレータおよび第2ヒステリシスコンパレータを備えてよい。電力供給装置は、発振回路および昇圧回路の間に接続され、第1ヒステリシスコンパレータの比較結果に基づいて制御される第1スイッチを備えてよい。電力供給装置は、出力電圧を出力する出力端子に接続され、第2ヒステリシスコンパレータの比較結果に基づいて制御される第2スイッチを備えてよい。
【0005】
第1スイッチは、一端が基準電圧端子に接続され、他端が発振回路および昇圧回路の間のノードに接続され、制御端子に第1ヒステリシスコンパレータの出力が入力されてよい。
【0006】
電力供給装置は、発振回路および昇圧回路の間に配置され、発振回路からの電流を昇圧回路へ流す整流回路を備える。第1スイッチは、発振回路および整流回路の間に接続されてよい。
【0007】
電力供給装置は、一端が発振回路に接続され、他端が昇圧回路に接続される第1コンデンサを備えてよい。
【0008】
第1スイッチは、昇圧回路および第1コンデンサの間に接続されてよい。
【0009】
電力供給装置は、一端が発振回路および昇圧回路の間のノードに接続され、他端が第1スイッチに接続される第2コンデンサを備えてよい。
【0010】
第1ヒステリシスコンパレータは、昇圧電圧が第1閾値以上となったことを検出したことに応じて、第1スイッチをオンに制御し、昇圧電圧が第2閾値以下となったことを検出したことに応じて、第1スイッチをオフに制御してよい。
【0011】
第2ヒステリシスコンパレータは、昇圧電圧が第3閾値以上となったことを検出したことに応じて、第2スイッチをオンに制御して出力電圧の出力を開始し、昇圧電圧が第4閾値以下となったことを検出したことに応じて、第2スイッチをオフに制御して出力電圧の出力を停止してよい。
【0012】
発振回路は、一端が発振回路の入力端子と接続される第1コイルを備えてよい。発振回路は、一端が発振回路の出力端子に接続される第2コイルを備えてよい。発振回路は、第1コイルの他端と基準電圧端子との間に接続され、制御端子が発振回路の出力端子に接続される第3スイッチを備えてよい。発振回路は、一端が第1コイルの一端に接続され、他端が第2コイルの他端に接続される第1発振コンデンサを備えてよい。
【0013】
発振回路は、第3スイッチの制御端子と発振回路の出力端子との間のノードに一端が接続され、他端が基準電圧端子に接続された抵抗をさらに備えてよい。
【0014】
発振回路は、一端が発振回路の入力端子と接続される第1コイルを備えてよい。発振回路は、一端が発振回路の出力端子に接続される第2コイルを備えてよい。発振回路は、第1コイルの他端と基準電圧端子との間に接続され、制御端子が発振回路の出力端子に接続される第3スイッチを備えてよい。発振回路は、第3スイッチの制御端子と発振回路の出力端子との間のノードに一端が接続され、他端が基準電圧端子に接続される抵抗を備えてよい。発振回路は、一端が第1コイルの他端に接続され、他端が第2コイルの他端に接続される第1発振コンデンサを備えてよい。
【0015】
発振回路は、一端が発振回路の入力端子と接続される第1コイルを備えてよい。発振回路は、一端が発振回路の出力端子に接続され、他端が第1コイルの他端に接続される第2コイルを備えてよい。発振回路は、第1コイルの他端と基準電圧端子との間に接続される第3スイッチを備えてよい。発振回路は、一端が発振回路の出力端子に接続され、他端が第3スイッチの制御端子に接続される第2発振コンデンサを備えてよい。発振回路は、第3スイッチの制御端子と第2発振コンデンサの他端との間のノードに一端が接続され、他端が基準電圧端子に接続される抵抗を備えてよい。
【0016】
発振回路は、一端が発振回路の入力端子と接続される第1コイルを備えてよい。発振回路は、一端が発振回路の出力端子に接続され、他端が第1コイルの他端に接続される第2コイルを備えてよい。発振回路は、第1コイルの他端と基準電圧端子との間に接続され、制御端子が発振回路の出力端子に接続される第3スイッチを備えてよい。
【0017】
発振回路は、一端が発振回路の入力端子と接続される第1コイルを備えてよい。発振回路は、一端が発振回路の出力端子に接続され、他端が発振回路の入力端子に接続される第2コイルを備えてよい。発振回路は、第1コイルの他端と基準電圧端子との間に接続され、制御端子が発振回路の出力端子に接続される第3スイッチを備えてよい。
【0018】
入力電圧は、エナジーハーベストからの電圧であってよい。
【0019】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施形態の電力供給装置10の構成例を示す。
【
図2】電力供給装置10の各位置における電圧の推移を示す。
【
図3】電力供給装置10の各位置における電圧の推移を示す。
【
図4】本実施形態の電力供給装置10の一例のヒステリシスコンパレータ400の概略図を示す。
【
図5】ディプレッション型NMOSトランジスタの概略図を示す。
【
図6】エンハンスメント型NMOSトランジスタの概略図を示す。
【
図7】本実施形態の電力供給装置10に用いられる発振回路100の第1変形例を示す。
【
図8】本実施形態の電力供給装置10に用いられる発振回路100の第2変形例を示す。
【
図9】本実施形態の電力供給装置10に用いられる発振回路100の第3変形例を示す。
【
図10】本実施形態の電力供給装置10に用いられる発振回路100の第4変形例を示す。
【
図11】本実施形態の電力供給装置10に用いられる発振回路100の第5変形例を示す。
【
図12】本実施形態の電力供給装置10の第1変形例を示す。
【
図13】本実施形態の電力供給装置10の第2変形例を示す。
【
図14】本実施形態の電力供給装置10の第3変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0022】
図1は、本実施形態の電力供給装置10の構成例を示す。電力供給装置10は、例えば、エナジーハーベスト等の外部の入力ソースから供給される入力電圧V
inを昇圧して出力電圧を出力する昇圧型DCDCコンバータであってよい。ここで、エナジーハーベストは、例えば、太陽光、白熱灯、蛍光灯、LED等の光エネルギーをエネルギー源とする光発電、機械の発する熱や環境温度等の熱エネルギーをエネルギー源とする熱源発電、機械、橋、道路等の振動をエネルギー源とする振動発電、電磁波、電波等をエネルギーとする電磁波発電、微生物燃料電池に代表される生物の活動量をエネルギーに変換する生物発電、または、ガルバニ電池等の化学エネルギーを電気エネルギーに変換する化学発電装置等である。
【0023】
電力供給装置10は、発振回路100と、第1コンデンサ110と、整流回路120と、昇圧回路130と、第1スイッチ140と、第2スイッチ150と、制御部160とを備える。電力供給装置10は、発振回路100において直流の入力電圧Vinに応じた発振信号を出力し、整流回路120を介して流れる発振信号を昇圧回路130において昇圧して直流の出力電圧を出力する。電力供給装置10は、制御部160が第1スイッチ140および第2スイッチ150を昇圧電圧に基づいて制御することで、適切な昇圧動作を行う。電力供給装置10は、外部の入力ソースから供給された電圧Vsourceが電力供給装置10の内部抵抗Rinと電流Iinによって降圧され、入力部170からは入力電圧Vinが入力される。
【0024】
発振回路100は、電力供給装置10の入力部170と第1コンデンサ110との間に接続される。発振回路100は、入力電圧Vinが入力され、入力電圧Vinを用いて発振信号を生成して、第1コンデンサ110を介して昇圧回路130に出力する。発振回路100は、入力電圧Vinのm倍(m>0)の振幅の発振信号を生成してよい。発振回路100は、第1コイル102と、第2コイル104と、第1発振コンデンサ106と、第3スイッチ108とを有する。
【0025】
第1コイル102は、一端が発振回路100の入力端子OSCINに接続され、他端が第3スイッチ108に接続される。第2コイル104は、一端が発振回路100の出力端子OSCOUTに接続され、他端が第1発振コンデンサ106に接続される。第1コイル102と第2コイル104との巻数比は1:N(N>1)であってよい。第1発振コンデンサ106は、一端が第2コイル104に接続され、他端が第1コイル102および入力部170の間のノードに接続される。第3スイッチ108は、一端(例えばドレイン)が第1コイル102に接続され、他端(例えばソース)が基準電圧端子VSSに接続され、制御端子(例えばゲート)が発振回路100の出力端子OSCOUTに接続される。第3スイッチ108は、ディプレッション型NMOSトランジスタ、またはNative NMOSトランジスタであってよい。発振回路100は、このような構成で、入力電圧Vinを所定の比率で変圧した振幅の発振信号を生成して出力してよい。なお、基準電圧端子VSSは、グランド端子であってよい。
【0026】
第1コンデンサ110は、一端が発振回路100に接続され、他端が昇圧回路130に接続される。第1コンデンサ110は、一端が発振回路100の第2コイル104に接続され、他端が整流回路120を介して昇圧回路130に接続されてよい。
【0027】
整流回路120は、発振回路100および昇圧回路130の間に配置され、発振回路100からの電流を昇圧回路130へ流すダイオードであってよい。整流回路120は、例えば、発振回路100からの発振信号を直流電流に変換してよい。
【0028】
昇圧回路130は、整流回路120と出力端子OUTとの間に接続され、発振信号に基づいて昇圧電圧VSTRGを出力する。昇圧回路130は、一端が整流回路120と出力端子OUTとの間のノードに接続され、他端が基準電圧端子VSSに接続された昇圧コンデンサ132を有する。昇圧回路130は、整流回路120からの電流によって昇圧コンデンサ132が充電されることで昇圧された昇圧電圧VSTRGを出力してよい。
【0029】
第1スイッチ140は、発振回路100および昇圧回路130の間に接続され、第1ヒステリシスコンパレータの比較結果に基づいて制御される。第1スイッチ140は、一端(例えばソース)が基準電圧端子VSSに接続され、他端(例えばドレイン)が発振回路100および昇圧回路130の間のノードに接続され、制御端子(例えばゲート)に第1ヒステリシスコンパレータ180の出力が入力されてよい。本実施形態では、第1スイッチ140は、第1コンデンサ110および昇圧回路130の間に接続され、具体的には、他端が、第1コンデンサ110と整流回路120との間のノードに接続されてよい。第1スイッチ140は、NMOSトランジスタであってよい。
【0030】
第2スイッチ150は、出力電圧VOUTを出力する出力端子OUTに接続され、第2ヒステリシスコンパレータの比較結果に基づいて制御される。第2スイッチ150は、一端(例えばソース)が昇圧回路130に接続され、他端(例えばドレイン)が出力端子OUTに接続され、制御端子(例えばゲート)に第2ヒステリシスコンパレータ190の出力が入力されてよい。第2スイッチ150は、PMOSトランジスタであってよい。
【0031】
制御部160は、出力電圧VOUTが所望の範囲内となるように、昇圧電圧VSTRGに基づいて、第1スイッチ140および第2スイッチ150をそれぞれ制御する。制御部160は、第1ヒステリシスコンパレータ180と、第2ヒステリシスコンパレータ190とを有する。
【0032】
第1ヒステリシスコンパレータ180は、昇圧回路130から出力される昇圧電圧VSTRGと、第1閾値および第2閾値の一方とを比較して比較結果に応じた信号を第1スイッチ140に出力する。第1ヒステリシスコンパレータ180は、昇圧電圧VSTRGが第1閾値以上となったことを検出したことに応じて、第1スイッチ140をオンに制御し、昇圧電圧VSTRGが第2閾値以下となったことを検出したことに応じて、第1スイッチ140をオフに制御してよい。第1閾値は、第2閾値より大きい値であってよい。第1閾値および第2閾値は、ユーザ等により予め設定されたものであってよい。第1ヒステリシスコンパレータ180は、第1比較器182と、第1閾値設定部184と、インバータ186とを有する。
【0033】
第1比較器182は、一方の入力が、昇圧回路130と出力端子OUTとの間のノードに接続され、他方の入力が、第1閾値設定部184に接続され、出力がインバータ186を介して第1スイッチ140に接続される。第1比較器182は、入力された昇圧電圧VSTRGと第1閾値または第2閾値とを比較して、比較結果に応じた信号を出力してよい。
【0034】
第1閾値設定部184は、第1比較器182の出力に接続され、第1比較器182の出力に応じて第1閾値と第2閾値のいずれかを第1比較器182に出力する。第1閾値設定部184は、第1閾値と第2閾値を切り替えるためのスイッチを含んでよい。
【0035】
第2ヒステリシスコンパレータ190は、昇圧回路130から出力される昇圧電圧VSTRGと、第3閾値および第4閾値の一方とを比較して比較結果に応じた信号を第2スイッチ150に出力する。第2ヒステリシスコンパレータ190は、昇圧電圧VSTRGが第3閾値以上となったことを検出したことに応じて、第2スイッチ150をオンに制御して出力電圧VOUTの出力を開始し、昇圧電圧VSTRGが第4閾値以下となったことを検出したことに応じて、第2スイッチ150をオフに制御して出力電圧VOUTの出力を停止してよい。第3閾値は、第4閾値より大きい値であってよく、また、第3閾値および第4閾値は、第1閾値および第2閾値より小さい値であってよい。第3閾値および第4閾値は、ユーザ等により予め設定されたものであってよい。第2ヒステリシスコンパレータ190は、第2比較器192と、第2閾値設定部194ととを有する。第2比較器192は、一方の入力が、昇圧回路130と出力端子OUTとの間のノードに接続され、他方の入力が、第2閾値設定部194に接続され、出力が第2スイッチ150に接続される。第2比較器192は、入力された昇圧電圧VSTRGと第3閾値または第4閾値とを比較して、比較結果に応じた信号を出力してよい。
【0036】
第2閾値設定部194は、第2比較器192の出力に接続され、第2比較器192の出力に応じて第3閾値と第4閾値のいずれかを第2比較器192に出力する。第2閾値設定部194は、第3閾値と第4閾値を切り替えるためのスイッチを含んでよい。次に、本実施形態の電力供給装置10における電圧制御動作について説明する。
【0037】
図2は、電力供給装置10の各位置における電圧の推移を示す。各グラフにおいて、縦軸は電圧を示し、横軸は時間経過を示す。入力電圧V
inは、発振回路100に入力される入力電圧V
inであり、発振信号V
OSCは、発振回路100が出力する発振信号であり、昇圧電圧V
STRGは、昇圧回路130で昇圧された昇圧電圧であり、出力電圧V
OUTは、電力供給装置10の出力端子OUTから出力される出力電圧であり、制御電圧V
Gは、第1スイッチ140の制御端子に入力される制御電圧である。
図2は、昇圧回路130から出力される電流I
STRG、第1比較器182で消費される電流I
VDD1、第2比較器192で消費される電流I
VDD1、および出力端子OUTから出力される電流I
OUTの関係が、I
STRG>I
OUT+I
VDD1+I
VDD2である場合の電圧の推移を示す。
【0038】
発振回路100は、入力電圧Vinが所定の電圧に達すると発振信号VOSCを生成して出力する。昇圧回路130の昇圧コンデンサ132は、初期電荷がゼロとし、発振信号VOSCに応じて昇圧動作を開始し、昇圧コンデンサ132に電荷が蓄えられ、昇圧電圧VSTRGが上昇する。次に、制御部160は、昇圧電圧VSTRGに応じて第1スイッチ140および第2スイッチ150の少なくとも一方を制御する。
【0039】
第2スイッチ150は、第2ヒステリシスコンパレータ190が昇圧電圧VSTRGが第3閾値(VDETH2)以上となったことを検出したことに応じて、オンに制御されて出力電圧VOUTの出力を開始する。具体的には、第2ヒステリシスコンパレータ190の第2比較器192は、昇圧電圧VSTRGと第2閾値設定部194により設定された第3閾値とを比較し、昇圧電圧VSTRGが第3閾値以上である場合は、電流IVDD2を出力して、第2スイッチ150の制御端子に電圧を印加し第2スイッチ150をオンにする。
【0040】
その後も昇圧回路130における昇圧動作は継続され、第1スイッチ140は、第1ヒステリシスコンパレータ180が昇圧電圧VSTRGが第1閾値(VDETH1)以上となったことを検出したことに応じて、オンに制御される。具体的には、第1ヒステリシスコンパレータ180の第1比較器182は、昇圧電圧VSTRGと第1閾値設定部184により設定された第1閾値とを比較し、昇圧電圧VSTRGが第1閾値以上である場合は、第1スイッチ140の制御端子に電圧を印加し第1スイッチ140をオンにする。第1スイッチ140をオンにすることで、整流回路120の手前が基準電圧にフォースされ、第1コンデンサ110が発振回路100の二次側の負荷容量となり、発振周波数を大幅に低減または発振条件を崩すことができ、発振動作を停止できる。また、第1コンデンサ110と整流回路120の間のノードが基準電圧(例えばグランド)になり昇圧動作が停止して、VSTRGまたはVOUTの過電圧を防ぐことができる。
【0041】
昇圧が停止した後に、昇圧電圧VSTRGは、蓄電素子である昇圧コンデンサ132のリーク電流や出力端子に接続されたシステムの消費電流等により徐々に降下する。第1スイッチ140は、第1ヒステリシスコンパレータ180が昇圧電圧VSTRGが第2閾値(VDETL1)以下となったことを検出したことに応じて、オフに制御される。具体的には、第1ヒステリシスコンパレータ180の第1比較器182は、昇圧電圧VSTRGと第1閾値設定部184により設定された第2閾値とを比較し、昇圧電圧VSTRGが第2閾値以下である場合は、第1スイッチ140の制御端子に信号を出力して第1スイッチ140をオフにする。これにより、第1スイッチ140による昇圧停止制御が解除され、昇圧が再開する。このような制御によって、本実施形態の電力供給装置10の出力端子に接続された外部のシステムは、第3閾値(VDETH2)以上第1閾値(VDETH1)以下の範囲の出力電圧VOUTで動作可能となる。
【0042】
図3は、電力供給装置10の各位置における電圧の推移を示す。各グラフにおいて、縦軸は電圧を示し、横軸は時間経過を示す。入力電圧V
inは、発振回路100に入力される入力電圧であり、発振信号V
OSCは、発振回路100が出力する発振信号であり、昇圧電圧V
STRGは、昇圧回路130で昇圧された昇圧電圧であり、出力電圧V
OUTは、電力供給装置10の出力端子OUTから出力される出力電圧であり、制御電圧V
Gは、第1スイッチ140の制御端子に入力される制御電圧である。
図3は、昇圧回路130から出力される電流I
STRG、第1比較器182で消費される電流I
VDD1、第2比較器192で消費される電流I
VDD1、および出力端子OUTから出力される電流I
OUTの関係が、I
STRG<I
OUT+I
VDD1+I
VDD2である場合の電圧の推移を示す。
【0043】
発振回路100は、入力電圧Vinが所定の電圧に達すると発振信号VOSCを生成して出力する。昇圧回路130の昇圧コンデンサ132は、初期電荷がゼロとし、発振信号VOSCに応じて昇圧動作を開始し、昇圧コンデンサ132に電荷が蓄えられ、昇圧電圧VSTRGが上昇する。次に、制御部160は、昇圧電圧VSTRGに応じて第1スイッチ140および第2スイッチ150の少なくとも一方を制御する。
【0044】
図2の場合と同様に、第2スイッチ150は、第2ヒステリシスコンパレータ190が昇圧電圧V
STRGが第3閾値(VDETH2)以上となったことを検出したことに応じて、オンに制御されて出力電圧V
OUTの出力を開始する。その後、上記の電流の関係では、昇圧電圧V
STRGの値が下がっていく。第2スイッチ150は、第2ヒステリシスコンパレータ190が昇圧電圧V
STRGが第4閾値(VDETL2)以下となったことを検出したことに応じて、オフに制御されて出力電圧V
OUTの出力を停止する。具体的には、第2ヒステリシスコンパレータ190の第2比較器192は、昇圧電圧V
STRGと第2閾値設定部194により設定された第4閾値とを比較し、昇圧電圧V
STRGが第4閾値以下である場合は、第2スイッチ150の制御端子に信号を出力して第2スイッチ150をオフにする。これにより、昇圧回路130と出力端子OUTとの間の接続を遮断して、一方昇圧回路130の昇圧動作は継続するため、昇圧電圧V
STRGは上昇する。
【0045】
その後、第2スイッチ150は、第2ヒステリシスコンパレータ190が昇圧電圧V
STRGが第3閾値(VDETH2)以上となったことを検出したことに応じて、オンに制御されて出力電圧V
OUTの出力を再開する。
図3における電流条件では、第1スイッチ140は、オフの状態を維持される。このような制御によって、本実施形態の電力供給装置10の出力端子OUTに接続された外部のシステムは、第4閾値(VDETL2)以上第3閾値(VDETH2)以下の範囲の出力電圧V
OUTで動作可能となる。
【0046】
このような本実施形態の電力供給装置10は、発振回路100および昇圧回路130の動作を停止することなく、出力電圧VOUTを制御することができ、エナジーハーベストからの電力を無駄にしない。また、第1スイッチ140は、オフの場合にはドレイン-バルク間の寄生ダイオードによって昇圧動作をアシストすることができる。また、第1スイッチ140が第1コンデンサ110を介して第3スイッチ108の制御端子に接続されているため、出力される発振信号のマイナス振幅を制限せずに昇圧動作を阻害することなく、過電圧を検知した場合に昇圧動作を停止し、発振周波数を低減させることができる。
【0047】
図4は、本実施形態の電力供給装置10の一例のヒステリシスコンパレータ400の概略図を示す。
図4に示すヒステリシスコンパレータ400は、第1ヒステリシスコンパレータ180の一例であってよく、また、第2ヒステリシスコンパレータ190の一例であってもよい。電圧VDDは、例えば、
図1において第1ヒステリシスコンパレータ180または第2ヒステリシスコンパレータ190に昇圧回路130から入力される電流I
VDD1またはI
VDD2による電圧である。
【0048】
ヒステリシスコンパレータ400は、第1参照電圧回路402と、第2参照電圧回路410と、第3参照電圧回路420と、閾値設定部425と、複数のPMOSトランジスタ430と、複数のNMOSトランジスタ440と、複数のインバータ450と、ロジック460とを有する。
【0049】
第1参照電圧回路402は、閾値設定部425に接続され、第1参照電圧VREFHを出力する。第1参照電圧回路402は、ディプレッション型NMOSトランジスタ404とエンハンスメント型NMOSトランジスタ406とを有する。ディプレッション型NMOSトランジスタ404は、一端が電圧VDDに接続され、他端がエンハンスメント型NMOSトランジスタ406に接続され、制御端子が基準電圧端子に接続される。エンハンスメント型NMOSトランジスタ406は、一端がディプレッション型NMOSトランジスタ404に接続され、他端が基準電圧端子VSSに接続され、制御端子がディプレッション型NMOSトランジスタ404とエンハンスメント型NMOSトランジスタ406との間のノードおよび閾値設定部425に接続される。
【0050】
第2参照電圧回路410は、第2参照電圧VREFLを出力する。第2参照電圧回路410は、ディプレッション型NMOSトランジスタ412とエンハンスメント型NMOSトランジスタ414とを有し、第1参照電圧回路402と同様の構成を有してよい。
【0051】
第3参照電圧回路420は、第3参照電圧VREFBを出力する。第3参照電圧回路420は、ディプレッション型NMOSトランジスタ422とエンハンスメント型NMOSトランジスタ424とを有し、第1参照電圧回路402と同様の構成を有してよい。
【0052】
閾値設定部425は、第1閾値設定部184または第2閾値設定部194の一例である。閾値設定部425は、ヒステリシスコンパレータ400の出力に応じて第2参照電圧VREFLおよび第1参照電圧VREFHの何れか一方をPMOSトランジスタ430-1の制御端子に出力するスイッチであってよい。
【0053】
ヒステリシスコンパレータ400は、電圧VSTRGと基準電圧端子との間に直列に接続されたPMOSトランジスタ430とNMOSトランジスタ440が複数段形成される。初段では、PMOSトランジスタ430-1の制御端子は閾値設定部425の出力に接続され、NMOSトランジスタ440-1の制御端子は第3参照電圧回路420に接続される。2段目以降では、PMOSトランジスタ430およびNMOSトランジスタ440の制御端子は、前の段のPMOSトランジスタ430とNMOSトランジスタ440の間のノードに接続される。
【0054】
複数のインバータは、互いに直列に接続され、初段のインバータ450-1の入力は、最終段のPMOSトランジスタ430-4とNMOSトランジスタ440-4の間のノードに接続される。最後のインバータ450-nの出力は、ロジック460に接続される。ロジック460は、閾値と昇圧電圧との間の比較結果を示す信号を出力する。
【0055】
このような構成により、ヒステリシスコンパレータ400は、閾値(VDETH/L=VREFH/L+(PMOS430-1のVth))を生成して、比較を実行することができる。
【0056】
図5は、ディプレッション型NMOSトランジスタの概略図を示す。
図5のディプレッション型NMOSトランジスタは、第1参照電圧回路402、第2参照電圧回路410、および第3参照電圧回路420の少なくとも1つに用いられるものであってよい。ディプレッション型NMOSトランジスタは、ソース、ドレイン、およびチャネルが形成された基板上に、フローティングゲートおよびコントロールゲートを有する。ドレインは、電圧VDDに接続され、コントロールゲートは、基準電圧端子VSSに接続され、ソースは、参照電圧VREFを出力する。
【0057】
図6は、エンハンスメント型NMOSトランジスタの概略図を示す。
図6のエンハンスメント型NMOSトランジスタは、第1参照電圧回路402、第2参照電圧回路410、および第3参照電圧回路420の少なくとも1つに用いられるものであってよい。エンハンスメント型NMOSトランジスタは、ソース、ドレイン、およびチャネルが形成された基板上に、フローティングゲートおよびコントロールゲートを有する。ソースは、基準電圧端子VSSに接続され、ドレインおよびコントロールゲートは、参照電圧VREFを出力する。
【0058】
図5および
図6におけるNMOSトランジスタは、フローティングゲートから電荷を流出入することで、コントロールゲートからみた閾値を自由に調整することができ、結果として安定した参照電圧VREFを自由に調整することが可能となる。これにより、抵抗タップなどで電圧を生成する必要がなく、部品点数の削減による回路の省面積化を実現できる。電力供給装置10におけるヒステリシスコンパレータ400の閾値を自由に決めることができる。
【0059】
図7は、本実施形態の電力供給装置10に用いられる発振回路100の第1変形例を示す。第1変形例の発振回路100は、
図1の発振回路100と同様の構成および機能を有し、ただし抵抗710をさらに有する。抵抗710は、第3スイッチ108の制御端子と発振回路100の出力端子OSCOUTとの間のノードに一端が接続され、他端が基準電圧端子VSSに接続される。
【0060】
図8は、本実施形態の電力供給装置10に用いられる発振回路100の第2変形例を示す。第2変形例の発振回路100は、
図7の第1変形例の発振回路100と同様の構成および機能を有し、ただし、第1発振コンデンサ106は、一端が第1コイル102の他端に接続され、他端が第2コイル104の他端に接続される。
【0061】
図9は、本実施形態の電力供給装置10に用いられる発振回路100の第3変形例を示す。第3変形例の発振回路100は、
図7の第1変形例の発振回路100と同様の構成および機能を有し、ただし、第1発振コンデンサ106を有さず、第2発振コンデンサ700を有する。第2発振コンデンサ700は、一端が発振回路100の出力端子OSCOUTに接続され、他端が第3スイッチ108の制御端子に接続される。抵抗710は、第3スイッチ108の制御端子と第2発振コンデンサ700の他端との間のノードに一端が接続され、他端が基準電圧端子VSSに接続される。第2コイル104の一端は、第1コイル102および第3スイッチ108の間のノードに接続される。
【0062】
図10は、本実施形態の電力供給装置10に用いられる発振回路100の第4変形例を示す。第4変形例の発振回路100は、
図1の発振回路100と同様の構成および機能を有し、ただし第1発振コンデンサ106を有さず、第2コイル104は、一端が発振回路100の出力端子OSCOUTに接続され、他端が第1コイル102の他端に接続される。
【0063】
図11は、本実施形態の電力供給装置10に用いられる発振回路100の第5変形例を示す。第5変形例の発振回路100は、
図1の発振回路100と同様の構成および機能を有し、ただし第1発振コンデンサ106を有さず、第2コイル104は、一端が発振回路100の出力端子OSCOUTに接続され、他端が発振回路100の入力端子OSCINに接続される。
【0064】
以上のいずれの変形例の発振回路100も、正帰還のループで発振を促し、入力電圧Vinに応じた発振信号VOSCを出力することができる。
【0065】
図12は、本実施形態の電力供給装置10の第1変形例を示す。第1変形例の電力供給装置10は、
図1の電力供給装置10と同様の構成および機能を有し、ただし第1コンデンサ110を有さず、第2コンデンサ1200を有する。
【0066】
第2コンデンサ1200は、一端が発振回路100および昇圧回路130の間のノードに接続され、他端が第1スイッチ140に接続される。
図12においては、第2コンデンサ1200は、一端が発振回路100および整流回路120の間のノードに接続される。
【0067】
第1変形例の電力供給装置10は、
図1の電力供給装置10と同様に電圧制御を行い、電力供給することができる。第1変形例の電力供給装置10は、第2コンデンサ1200と第1スイッチ140のオフ容量によって、昇圧に必要な消費電流を抑えることができ、発振周波数を変えること無く、消費電流および発振スピードを調整することができる。
【0068】
図13は、本実施形態の電力供給装置10の第2変形例を示す。第2変形例の電力供給装置10は、
図1の電力供給装置10と同様の構成および機能を有し、ただし第2コンデンサ1200をさらに有する。第2コンデンサ1200は、一端が発振回路100および昇圧回路130の間のノードに接続され、他端が第1スイッチ140に接続される。
図12においては、第2コンデンサ1200は、一端が第1コンデンサ110および整流回路120の間のノードに接続される。
【0069】
第2変形例の電力供給装置10は、
図1の電力供給装置10と同様に電圧制御を行い、電力供給することができる。第2変形例の電力供給装置10は、第1コンデンサ110、第2コンデンサ1200、および第1スイッチ140のオフ容量によって、昇圧に必要な消費電流を抑えることができ、発振周波数を変えること無く、消費電流および発振スピードを調整することができる。
【0070】
図14は、本実施形態の電力供給装置10の第3変形例を示す。第3変形例の電力供給装置10は、
図1の電力供給装置10と同様の構成および機能を有し、ただし第1スイッチ140は、一端が整流回路120と昇圧回路130との間に接続され、他端が基準電圧端子VSSに接続される。
【0071】
第3変形例の電力供給装置10は、
図1の電力供給装置10と同様に電圧制御を行い、電力供給することができる。第3変形例の電力供給装置10は、第1スイッチ140がオンされると、昇圧コンデンサ132から電荷が引き抜かれ、昇圧電圧を下げることができる。これにより、出力端子OUTに接続された外部のシステムがアイドル状態で電流を引かない状態でも、V
STRGまたはV
OUTが過電圧直前のVDETH1の状態から直ちに脱することができる。
【0072】
なお、第1コンデンサ110、第2コンデンサ1200、昇圧コンデンサ132、第1発振コンデンサ106、および第2発振コンデンサ700は、互いに異なっても同様のものであってもよく、また、第1スイッチ140、第2スイッチ150、第3スイッチ108についても、互いに異なっても同様のものであってもよい。また、電力供給装置10の複数の構成における基準電圧端子VSSは、同じ電圧の端子(例えばグランド端子)であっても、互いに異なる電圧の端子であってもよい。
【0073】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0074】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0075】
10 電力供給装置
100 発振回路
102 第1コイル
104 第2コイル
106 第1発振コンデンサ
108 第3スイッチ
110 第1コンデンサ
120 整流回路
130 昇圧回路
140 第1スイッチ
150 第2スイッチ
160 制御部
170 入力部
180 第1ヒステリシスコンパレータ
182 第1比較器
184 第1閾値設定部
186 インバータ
190 第2ヒステリシスコンパレータ
192 第2比較器
194 第2閾値設定部
400 ヒステリシスコンパレータ
402 第1参照電圧回路
410 第2参照電圧回路
420 第3参照電圧回路
425 閾値設定部
430 PMOSトランジスタ
440 NMOSトランジスタ
450 インバータ
460 ロジック
700 第2発振コンデンサ
710 抵抗
1200 第2コンデンサ