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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】トップリングおよび基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 37/30 20120101AFI20241007BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
B24B37/30 A
B24B37/30 E
H01L21/304 622H
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020167306
(22)【出願日】2020-10-01
(65)【公開番号】P2022059509
(43)【公開日】2022-04-13
【審査請求日】2023-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【弁理士】
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】古澤 磨奈人
(72)【発明者】
【氏名】柏木 誠
【審査官】山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-050943(JP,A)
【文献】特開平11-042550(JP,A)
【文献】特開平09-038858(JP,A)
【文献】特開2006-324413(JP,A)
【文献】米国特許第06196905(US,B1)
【文献】特開2001-319905(JP,A)
【文献】特開2003-311607(JP,A)
【文献】特開2012-240160(JP,A)
【文献】特開2002-261056(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01236540(EP,A2)
【文献】特開平10-180626(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0048553(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 37/30
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持するためのトップリングであって、
回転シャフトに連結されたベース部材と、
基板を吸着するための基板吸着面および減圧手段と連通する減圧部を有する多孔質部材、前記多孔質部材の前記基板吸着面とは反対側の面および側面を遮蔽するように構成された遮蔽部材、および前記回転シャフトの軸方向における前記ベース部材の少なくとも一部の周囲を囲むように前記遮蔽部材に設けられた枠部材、を含む基板吸着部材と、
前記ベース部材の前記枠部材に囲まれた少なくとも一部と前記枠部材とを接続する弾性部材と、
を含
前記枠部材は、前記遮蔽部材の上面の周縁部に設けられた下部枠部材と、前記下部枠部材の上に設けられた上部枠部材と、を含み、
前記ベース部材は、前記回転シャフトに連結されたフランジと、前記フランジの下部に設けられ前記フランジよりも小さな平面サイズを有する上部ガイド部材と、前記上部ガイド部材の下部に設けられた枠状の下部ガイド部材と、を含み、
前記弾性部材は、前記上部ガイド部材と前記下部ガイド部材との間に挟持される内側端部と、前記下部枠部材と前記上部枠部材との間に挟持される外側端部と、を有する板状部材である、
トップリング。
【請求項2】
請求項1に記載にトップリングであって、
前記遮蔽部材は、前記多孔質部材と連通するように形成された吸引孔を含み、
前記減圧部は、前記吸引孔が形成された位置に設けられる、
トップリング。
【請求項3】
請求項2に記載にトップリングであって、
前記吸引孔は、前記多孔質部材の上面の周縁部または前記多孔質部材の側面に連通する
ように前記遮蔽部材に形成される、
トップリング。
【請求項4】
請求項に記載のトップリングであって、
前記上部枠部材または前記下部枠部材は、前記ベース部材の方向に突出する枠部材突起を含み、
前記上部ガイド部材または前記下部ガイド部材は、前記枠部材突起とは異なる高さ位置において前記上部枠部材または前記下部枠部材の方向に突出し、前記枠部材突起とオーバーラップするガイド部材突起を含む、
トップリング。
【請求項5】
請求項に記載のトップリングであって、
前記上部枠部材または前記下部枠部材は、前記上部枠部材または前記下部枠部材の異なる箇所を、枠内部を跨いでアーチ状に結ぶストッパを含み、
前記上部ガイド部材または前記下部ガイド部材は、前記ストッパとは異なる高さ位置において前記ストッパとオーバーラップするパッドを含む、
トップリング。
【請求項6】
請求項1からのいずれか一項に記載のトップリングであって、
前記ベース部材と前記基板吸着部材との間に基板を加圧するための複数の加圧室を形成するように構成された複数枚の弾性膜をさらに含む、
トップリング。
【請求項7】
請求項1からのいずれか一項に記載のトップリングであって、
前記ベース部材の前記枠部材に囲まれていない部分の外側側面と前記枠部材の外側側面とを接続するバンドをさらに含む、
トップリング。
【請求項8】
請求項1からのいずれか一項に記載のトップリングと、
研磨パッドを保持するように構成された研磨テーブルと、を有する、
基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、トップリングおよび基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造に、基板の表面を平坦化するために化学機械研磨(CMP)装置が使用されている。半導体デバイスの製造に使用される基板は、多くの場合、円板形状である。また、半導体デバイスに限らず、CCL基板(Copper Clad Laminate基板)やPCB(Printed Circuit Board)基板、フォトマスク基板、ディスプレイパネルなどの四角形の基板の表面を平坦化する際の平坦度の要求も高まっている。また、PCB基板などの電子デバイスが配置されたパッケージ基板の表面を平坦化することへの要求も高まっている。
【0003】
化学機械研磨装置などの基板処理装置は、基板を保持するためのトップリングを含む。例えば特許文献1に記載されているように、トップリングは、回転軸と、回転軸に連結されたフランジと、フランジの下面中央に形成された開口に嵌合された多孔質の吸着板と、吸着板の上面に貼り付けられた遮蔽板とを含む。このトップリングは、真空吸引によって吸着板の微細孔を介して基板を吸着し、かつ、遮蔽板に圧力を加えることによって基板を研磨パッドに押圧するように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第3668529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されている技術は、基板を研磨パッドに均一に押圧することができ、かつコンパクトなトップリングを実現することに関して改善の余地がある。
【0006】
すなわち、基板処理装置は、各部品の製造公差に起因して、トップリングまたは研磨パッドが貼り付けられる定盤に傾きが生じる場合がある。これに対して、特許文献1に記載されているトップリングは、フランジの開口に吸着板が嵌合されている。したがって、トップリングまたは定盤に傾きが生じた場合には、トップリングが保持する基板の被研磨面と研磨パッドの研磨面とが平行に接触せず、その結果、基板を均一に研磨パッドに押圧できないおそれがある。
【0007】
この点に関して、吸着板をフランジの開口に嵌合するのではなく、開口を形成するフランジの枠状部材と吸着板とを弾性膜を介して接続することが考えられる。これによれば、トップリングまたは定盤に傾きが生じたとしても、弾性膜の弾性によって吸着板を研磨パッドの研磨面にならわせ、基板を均一に研磨パッドに押圧できると考えられる。
【0008】
しかしながら、吸着板から真空吸引するための吸引路をトップリングの枠状部材を通して引き回そうとすると、枠状部材のスペースの制約に起因してトップリングの平面サイズが大きくなり、トップリングのコンパクト化を妨げるおそれがある。
【0009】
そこで、本願は、基板を研磨パッドに均一に押圧することができ、かつコンパクトなトップリングを実現することを1つの目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態によれば、基板を保持するためのトップリングであって、回転シャフトに連結されたベース部材と、基板を吸着するための基板吸着面および減圧手段と連通する減圧部を有する多孔質部材、前記多孔質部材の前記基板吸着面とは反対側の面および側面を遮蔽するように構成された遮蔽部材、および前記ベース部材の少なくとも一部の周囲を囲むように前記遮蔽部材に設けられた枠部材、を含む基板吸着部材と、前記ベース部材の前記枠部材に囲まれた少なくとも一部と前記枠部材とを接続する弾性部材と、を含む、トップリングが開示される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態による、基板処理装置の全体構成を示す平面図である。
図2】一実施形態による、研磨ユニットの構成を概略的に示す斜視図である。
図3】一実施形態のトップリングを概略的に示す断面図である。
図4】一実施形態のトップリングを概略的に示す断面斜視図である。
図5】一実施形態のトップリングを概略的に示す断面図である。
図6】一実施形態のトップリングの一部を拡大して概略的に示す断面図である。
図7】一実施形態の基板のパターン領域および非パターン領域を概略的に示す平面図、および、一実施形態の基板吸着部材を概略的に示す平面図である。
図8】一実施形態の基板吸着部材を概略的に示す斜視図である。
図9図8におけるAA領域を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係るトップリングおよび基板処理装置の実施形態を添付図面とともに説明する。添付図面において、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素に関する重複する説明は省略することがある。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
【0013】
図1は、一実施形態による基板処理装置1000の全体構成を示す平面図である。図1に示される基板処理装置1000は、ロードユニット100、搬送ユニット200、研磨ユニット300、乾燥ユニット500、およびアンロードユニット600を有する。図示の実施形態において、搬送ユニット200は、2つの搬送ユニット200A、200Bを有し、研磨ユニット300は、2つの研磨ユニット300A、300Bを有する。一実施形態において、これらの各ユニットは、独立に形成することができる。これらのユニットを独立して形成することで、各ユニットの数を任意に組み合わせることで異なる構成の基板処理装置1000を簡易に形成することができる。また、基板処理装置1000は、制御装置900を備え、基板処理装置1000の各構成要素は制御装置900により制御される。一実施形態において、制御装置900は、入出力装置、演算装置、記憶装置などを備える一般的なコンピュータから構成することができる。
【0014】
<ロードユニット>
ロードユニット100は、研磨および洗浄などの処理が行われる前の基板WFを基板処理装置1000内へ導入するためのユニットである。一実施形態において、ロードユニット100は、SMEMA(Surface Mount Equipment Manufacturers Association)の機械装置インタフェース規格(IPC-SMEMA-9851)に準拠するように構成される。
【0015】
図示の実施形態において、ロードユニット100の搬送機構は、複数の搬送ローラ202と、搬送ローラ202が取り付けられる複数のローラシャフト204とを有する。図1に示される実施形態においては、各ローラシャフト204には3つの搬送ローラ202が取り付けられている。基板WFは、搬送ローラ202上に配置され、搬送ローラ202が
回転することで基板WFが搬送される。ローラシャフト204上の搬送ローラ202の取り付け位置は、基板WFを安定的に搬送することができる位置であれば任意とすることができる。ただし、搬送ローラ202は基板WFに接触するので、処理対象である基板WFに接触しても問題の無い領域に搬送ローラ202が接触するように配置すべきである。一実施形態において、ロードユニット100の搬送ローラ202は、導電性ポリマーから構成することができる。一実施形態において、搬送ローラ202は、ローラシャフト204などを介して電気的に接地される。これは、基板WFが帯電して基板WFを損傷することを防止するためである。また、一実施形態において、ロードユニット100に、基板WFの帯電を防止するためにイオナイザー(図示せず)を設けてもよい。
【0016】
<搬送ユニット>
図1に示される基板処理装置1000は、2つの搬送ユニット200A、200Bを備えている。2つの搬送ユニット200A、200Bは同一の構成とすることができるので、以下において、一括して搬送ユニット200として説明する。
【0017】
図示の搬送ユニット200は、基板WFを搬送するための複数の搬送ローラ202を備えている。搬送ローラ202を回転させることで、搬送ローラ202上の基板WFを所定の方向に搬送することができる。搬送ユニット200の搬送ローラ202は、導電性ポリマーから形成されても、導電性のないポリマーから形成されてもよい。搬送ローラ202は、図示していないモータにより駆動される。基板WFは、搬送ローラ202によって基板受け渡し位置まで搬送される。
【0018】
一実施形態において、搬送ユニット200は、洗浄ノズル284を有する。洗浄ノズル284は、図示しない洗浄液の供給源に接続される。洗浄ノズル284は、搬送ローラ202によって搬送される基板WFに洗浄液を供給するように構成される。
【0019】
<研磨ユニット>
図2は、一実施形態による研磨ユニット300の構成を概略的に示す斜視図である。図1に示される基板処理装置1000は、2つの研磨ユニット300A、300Bを備えている。2つの研磨ユニット300A、300Bは同一の構成とすることができるので、以下において、一括して研磨ユニット300として説明する。
【0020】
図2に示すように、研磨ユニット300は、研磨テーブル350と、研磨対象物である基板を保持して研磨テーブル350上の研磨面に押圧する研磨ヘッドを構成するトップリング302とを備えている。研磨テーブル350は、テーブルシャフト351を介してその下方に配置される研磨テーブル回転モータ(図示せず)に連結されており、テーブルシャフト351周りに回転可能になっている。研磨テーブル350の上面には研磨パッド352が貼付されており、研磨パッド352の表面352aが基板を研磨する研磨面を構成している。一実施形態において、研磨パッド352は、研磨テーブル350からの剥離を容易にするための層を介して貼り付けられてもよい。そのような層は、たとえばシリコーン層やフッ素系樹脂層などがあり、例えば特開2014-176950号公報などに記載されているものを使用してもよい。
【0021】
研磨テーブル350の上方には研磨液供給ノズル354が設置されており、この研磨液供給ノズル354によって研磨テーブル350上の研磨パッド352上に研磨液が供給されるようになっている。また、図2に示されるように、研磨テーブル350およびテーブルシャフト351には、研磨液を供給するための通路353が設けられている。通路353は、研磨テーブル350の表面の開口部355に連通している。研磨テーブル350の開口部355に対応する位置において研磨パッド352には貫通孔357が形成されており、通路353を通る研磨液は、研磨テーブル350の開口部355および研磨パッド3
52の貫通孔357から研磨パッド352の表面に供給される。なお、研磨テーブル350の開口部355および研磨パッド352の貫通孔357は、1つであっても複数でもよい。また、研磨テーブル350の開口部355および研磨パッド352の貫通孔357の位置は任意であるが、一実施形態においては研磨テーブル350の中心付近に配置される。
【0022】
図2には示されていないが、一実施形態において、研磨ユニット300は、液体、または、液体と気体との混合流体、を研磨パッド352に向けて噴射するためのアトマイザ358を備える(図1参照)。アトマイザ358から噴射される液体は、例えば、純水であり、気体は、例えば、窒素ガスである。
【0023】
トップリング302は、トップリングシャフト18に接続されており、このトップリングシャフト18は、上下動機構319により揺動アーム360に対して上下動するようになっている。このトップリングシャフト18の上下動により、揺動アーム360に対してトップリング302の全体を上下動させ位置決めするようになっている。トップリングシャフト18は、図示しないトップリング回転モータの駆動により回転するようになっている。トップリングシャフト18の回転により、トップリング302がトップリングシャフト18を中心にして回転するようになっている。
【0024】
トップリング302は、その下面に四角形の基板を保持できるようになっている。揺動アーム360は支軸362を中心として旋回可能に構成されている。トップリング302は、揺動アーム360の旋回により、上述の搬送ユニット200の基板受け渡し位置と研磨テーブル350の上方との間で移動可能である。トップリングシャフト18を下降させることで、トップリング302を下降させて基板を研磨パッド352の表面(研磨面)352aに押圧することができる。このとき、トップリング302および研磨テーブル350をそれぞれ回転させ、研磨テーブル350の上方に設けられた研磨液供給ノズル354から、および/または、研磨テーブル350に設けられた開口部355から研磨パッド352上に研磨液を供給する。このように、基板WFを研磨パッド352の研磨面352aに押圧して基板の表面を研磨することができる。基板WFの研磨中に、トップリング302が研磨パッド352の中心を通過するように(研磨パッド352の貫通孔357を覆うように)、アーム360を固定あるいは揺動させてもよい。
【0025】
トップリングシャフト18およびトップリング302を上下動させる上下動機構319は、軸受321を介してトップリングシャフト18を回転可能に支持するブリッジ28と、ブリッジ28に取り付けられたボールねじ32と、支柱130により支持された支持台29と、支持台29上に設けられたACサーボモータ38とを備えている。サーボモータ38を支持する支持台29は、支柱130を介して揺動アーム360に固定されている。
【0026】
ボールねじ32は、サーボモータ38に連結されたねじ軸32aと、このねじ軸32aが螺合するナット32bとを備えている。トップリングシャフト18は、ブリッジ28と一体となって上下動するようになっている。したがって、サーボモータ38を駆動すると、ボールねじ32を介してブリッジ28が上下動し、これによりトップリングシャフト18およびトップリング302が上下動する。
【0027】
一実施形態による研磨ユニット300は、研磨パッド352の研磨面352aをドレッシングするドレッシングユニット356を備えている。このドレッシングユニット356は、研磨面352aに摺接されるドレッサ50と、ドレッサ50が連結されるドレッサシャフト51と、ドレッサシャフト51の上端に設けられたエアシリンダ53と、ドレッサシャフト51を回転自在に支持する揺動アーム55とを備えている。ドレッサ50の下部はドレッシング部材50aにより構成され、このドレッシング部材50aの下面には針状
のダイヤモンド粒子が付着している。エアシリンダ53は、支柱56により支持された支持台57上に配置されており、これらの支柱56は揺動アーム55に固定されている。
【0028】
揺動アーム55は図示しないモータに駆動されて、支軸58を中心として旋回するように構成されている。ドレッサシャフト51は、図示しないモータの駆動により回転し、このドレッサシャフト51の回転により、ドレッサ50がドレッサシャフト51周りに回転するようになっている。エアシリンダ53は、ドレッサシャフト51を介してドレッサ50を上下動させ、ドレッサ50を所定の押圧力で研磨パッド352の研磨面352aに押圧する。
【0029】
研磨パッド352の研磨面352aのドレッシングは次のようにして行われる。ドレッサ50はエアシリンダ53により研磨面352aに押圧され、これと同時に図示しない純水供給ノズルから純水が研磨面352aに供給される。この状態で、ドレッサ50がドレッサシャフト51周りに回転し、ドレッシング部材50aの下面(ダイヤモンド粒子)を研磨面352aに摺接させる。このようにして、ドレッサ50により研磨パッド352が削り取られ、研磨面352aがドレッシングされる。
【0030】
<乾燥ユニット>
乾燥ユニット500は、基板WFを乾燥させるための装置である。図1に示される基板処理装置1000においては、乾燥ユニット500は、研磨ユニット300で研磨された後に、搬送ユニット200の洗浄部で洗浄された基板WFを乾燥させる。図1に示されるように、乾燥ユニット500は、搬送ユニット200の下流に配置される。乾燥ユニット500は、搬送ローラ202上を搬送される基板WFに向けて気体を噴射するためのノズル530を有する。気体は、たとえば圧縮された空気または窒素とすることができる。搬送される基板WF上の水滴を乾燥ユニット500によって吹き飛ばすことで、基板WFを乾燥させることができる。
【0031】
<アンロードユニット>
アンロードユニット600は、研磨および洗浄などの処理が行われた後の基板WFを基板処理装置1000の外へ搬出するためのユニットである。図1に示される基板処理装置1000においては、アンロードユニット600は、乾燥ユニット500で乾燥された後の基板を受け入れる。図1に示されるように、アンロードユニット600は、乾燥ユニット500の下流に配置される。一実施形態において、アンロードユニット600は、SMEMA(Surface Mount Equipment Manufacturers Association)の機械装置インタフェース規格(IPC-SMEMA-9851)に準拠するように構成される。
【0032】
<トップリング>
次に、一実施形態による研磨ユニット300におけるトップリング302について説明する。図3は、一実施形態のトップリング302を概略的に示す断面図である。図3に示すように、トップリング302は、トップリングシャフト(回転シャフト)18に連結されたベース部材301を含む。ベース部材301は、具体的には、トップリングシャフト18に連結されたフランジ303と、フランジ303の下部に設けられた上部ガイド部材305と、上部ガイド部材305の下部に設けられた下部ガイド部材306と、を含む。上部ガイド部材305は、フランジ303の平面サイズよりも小さな平面サイズを有し、フランジ303の下面から下方に突出している。下部ガイド部材306は、上部ガイド部材305の下面の周縁部に枠状に設けられている。なお、上部ガイド部材305またはフランジ303の平面サイズとは、上部ガイド部材305またはフランジ303を平面視した(トップリングシャフト18に沿った方向から見た)ときの上部ガイド部材305またはフランジ303の大きさのことである。
【0033】
また、トップリング302は、被研磨面を下方に向けた状態の基板WFの裏面を吸着するための基板吸着部材330を含む。基板吸着部材330は、ベース部材301の下方に配置される。基板吸着部材330は、多孔質部材334を含む。多孔質部材334は、減圧手段(真空源)31を用いた真空引きによって基板WFを真空吸着することができる部材であればよく、例えばPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、またはPVC(ポリ塩化ビニル)などの樹脂に多数の細孔が形成された樹脂ポーラス材で構成することができる。多孔質部材334は、本実施形態では板状に形成されており、基板WFを吸着するための基板吸着面334aおよび減圧手段(真空源)31と連通する減圧部334bを有する。
【0034】
また、基板吸着部材330は、遮蔽部材332を含む。遮蔽部材332は、気体の流れを遮蔽することができる気密な部材であればよく、例えば比較的軟質なPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、またはPVC(ポリ塩化ビニル)などの樹脂板で形成することができる。遮蔽部材332は、本実施形態では、多孔質部材334の基板吸着面334aとは反対側の面334cおよび側面334dを遮蔽するように形成される。遮蔽部材332は、多孔質部材334と連通するように形成された吸引孔336を含む。減圧部334bは、吸引孔336が形成された位置に設けられる。本実施形態では、吸引孔336は、多孔質部材334の側面334dに連通するように遮蔽部材332に形成されており、減圧部334bは側面334dに設けられている。吸引孔336の一方の端部は多孔質部材334の側面334dに接続され、他方の端部は吸引路312を介して減圧手段31に接続される。
【0035】
遮蔽部材332を設けることによって、減圧手段(真空源)31によって多孔質部材334を真空引きした場合に、負圧を基板吸着面334aに効率よく形成することができる。これにより、基板WFを基板吸着部材330に確実に吸着することができるので、基板WFの周囲にリテーナ部材を設けることなく、研磨中に基板WFが外側に飛び出す(スリップアウトする)のを防止することができる。特に、近年の基板WFの薄型化に伴い、リテーナ部材を設けた場合であっても、基板WFが研磨中にスリップアウトするおそれがある。また、基板WFの形状が角型である場合には、研磨中に基板WFの角部がリテーナ部材と接触して、基板WFまたはトップリングに破損が生じるおそれもある。これに対して、本実施形態によれば、基板吸着部材330によって基板WFを真空吸着しながら研磨パッド352に押圧することができるので、研磨中の基板WFのスリップアウトを防止するとともに、研磨中に基板WFまたはトップリングが破損するのを防止することができる。
【0036】
さらに、本実施形態では、多孔質部材334の側面334dに減圧部334bが設けられているので、基板WFの研磨プロファイルを均一にすることができる。すなわち、減圧部334bが設けられている場所は、減圧手段31によって真空引きされるので局所的に負圧となる。ここで、減圧部334bが、多孔質部材334の基板吸着面334aとは反対側の面334cに設けられている場合には、その場所が局所的に負圧となるので他の場所と比べて基板WFへの押圧力が作用し難くなり、その結果、研磨プロファイルが不均一になるおそれがある。これに対して、本実施形態では、多孔質部材334の側面334dに減圧部334bが設けられているので、多孔質部材334の基板吸着面334aとは反対側の面334cには局所的な負圧が生じ難いので、基板WFの研磨プロファイルを均一にすることができる。
【0037】
図3に示すように、基板吸着部材330は、ベース部材301の少なくとも一部(具体的には、上部ガイド部材305および下部ガイド部材306)の周囲を囲むように遮蔽部材332に設けられた枠部材344を含む。枠部材344は、遮蔽部材332の上面の周縁部に枠状に設けられた下部枠部材343と、下部枠部材343の上に設けられた枠状の上部枠部材342と、を含む。下部枠部材343と遮蔽部材332は、シール材341を
介して連結されている。なお、本実施形態では、シール材341は、基板吸着部材330の上面を覆う膜状に形成されるが、これに限らず、下部枠部材343と遮蔽部材332とをシールするための周縁部のみを有する枠形状であってもよい。
【0038】
上部枠部材342は、ベース部材301(具体的には上部ガイド部材305)の方向に突出する枠部材突起342aを含む。また、上部ガイド部材305は、枠部材突起342aとは異なる高さ位置において上部枠部材342の方向に突出するガイド部材突起305aを含む。枠部材突起342aとガイド部材突起305aは、トップリング302を平面視したときに所定の領域において相互にオーバーラップしている。したがって、枠部材突起342aとガイド部材突起305aとの接触によって基板吸着部材330の高さ方向の動きを規制することができる。
【0039】
基板吸着部材330は、ベース部材301の枠部材344に囲まれた少なくとも一部と枠部材344とを接続する弾性部材340を含む。具体的には、弾性部材340は、上部ガイド部材305と下部ガイド部材306との間に挟持される内側端部340aと、下部枠部材343と上部枠部材342との間に挟持される外側端部340bと、を有する枠状の板部材である。弾性部材340は、シリコンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、FKM(フッ素ゴム)などのゴム材料で形成することができるが、これに限られない。
【0040】
図3に示すように、トップリング302は、ベース部材301と基板吸着部材330との間に基板WFを加圧するための複数の加圧室を形成するように構成された弾性膜320を含む。具体的には、弾性膜320は、面積が異なり積層する複数枚の弾性膜320-1、320-2、320-3を含んでいる。弾性膜320-1、320-2、320-3はそれぞれ、遮蔽部材332の上面に接触する中央部と、中央部から延びて上部ガイド部材305の下面の異なる位置に固定される端部と、を含む。複数の弾性膜320-1、320-2、320-3によって、ベース部材301と複数枚の弾性膜320-1、320-2、320-3との間に、基板WFを加圧するための同心状の複数の加圧室が形成される。複数の加圧室はそれぞれ、加圧路313を介して圧力調整部30と連通している。圧力調整部30は、各加圧室に供給する圧力流体の圧力を調整する圧力調整機能を有している。複数の加圧室を形成することによって、基板吸着部材330を介して研磨パッド352に対する基板WFの押圧力をエリアごとにコントロールすることができる。本実施形態によれば、減圧手段31を用いて多孔質部材334を負圧にすることによって基板吸着面334aに基板WFを吸着するとともに、圧力調整部30によって加圧室を加圧することによって基板吸着部材330を介して基板WFを研磨パッド352に押圧することができる。
【0041】
また、図3に示すように、トップリング302は、ベース部材301の枠部材344に囲まれていない部分(具体的にはフランジ303)の外側側面と枠部材344の外側側面とを接続するバンド345をさらに含む。バンド345は、フランジ303の外側側面から上部枠部材342の外側側面に渡って取り付けられている。バンド345は、基板吸着部材330のベース部材301に対する変位を許容するとともに、基板吸着部材330とベース部材301との間の空間に研磨液などが浸入するのを防止する。
【0042】
本実施形態によれば、基板処理装置1000を構成する各部品の製造公差などに起因して、トップリング302または研磨パッド352が貼り付けられる研磨テーブル350などに傾きが生じる場合であっても、基板WFを均一に研磨パッド352に押圧することができる。すなわち、本実施形態によれば、基板吸着部材330は、ベース部材301に固定されるのではなく、弾性部材340によって保持されている。このため、仮にトップリング302または研磨テーブル350に傾きが生じて基板WFが研磨パッド352に片当たりしたとしても、弾性部材340の弾性によって基板吸着部材330を研磨パッド35
2の研磨面にならわせ、その結果、基板WFを研磨パッド352に平行に接触させることができる。したがって、本実施形態によれば、基板WFを均一に研磨パッド352に押圧することができる。
【0043】
これに加えて、本実施形態によれば、コンパクトなトップリングを実現することができる。すなわち、弾性部材を介して基板吸着部材をベース部材に支持する場合には、例えばベース部材の下面の中央に開口を設け、開口に基板吸着部材を設置し、開口を形成する周縁部の枠状部材と基板吸着部材とを弾性部材で接続することが考えられる。しかしながら、このような構成では、多孔質部材から真空吸引するための吸引路をトップリングの枠状部材を通して引き回そうとすると、枠状部材のスペースの制約に起因してトップリングの平面サイズが大きくなり、トップリングのコンパクト化を妨げるおそれがある。
【0044】
これに対して本実施形態のトップリング302では、基板吸着部材330が、ベース部材301の少なくとも一部を囲む枠部材344を含み、枠部材344とベース部材301とを弾性部材340で接続している。したがって、本実施形態のように減圧部334bが多孔質部材334の側面334dに設けられており、吸引路312をトップリング302の外周部を通して引き回す場合であっても、枠部材344の平面サイズを大きくする必要はなく、その結果、トップリング302をコンパクトに製造することができる。なお、トップリング302または枠部材344の平面サイズとは、トップリング302または枠部材344を平面視した(トップリングシャフト18に沿った方向から見た)ときのトップリング302または枠部材344の大きさのことである。
【0045】
次に、本実施形態のトップリング302の別の態様を説明する。図4は、一実施形態のトップリングを概略的に示す断面斜視図である。図5は、一実施形態のトップリングを概略的に示す断面図である。図6は、一実施形態のトップリングの一部を拡大して概略的に示す断面図である。図4から図6に示す実施形態においては、図3の実施形態と重複する構成について説明を省略する。
【0046】
図4および図5に示すように、ベース部材301は、トップリングシャフト18に連結されたフランジ303と、フランジ303の下面に取り付けられたスペーサ304と、スペーサ304の下面に取り付けられた上部ガイド部材305と、上部ガイド部材305の下面に取り付けられた枠状の下部ガイド部材306と、を含んで構成される。フランジ303と、スペーサ304と、上部ガイド部材305は、ボルト307によって固定される。上部ガイド部材305と下部ガイド部材306は、弾性部材340を挟んでボルト326によって固定される(図では固定形態を模式的に簡略化している)。遮蔽部材332、上部枠部材342、および下部枠部材343は、ボルト308によって固定される。弾性膜320-1、320-2、320-3の端部はそれぞれ、上部ガイド部材305の下面の異なる位置に各々のホルダーを介してボルト325によって固定される(図では固定形態を模式的に簡略化している)。
【0047】
図6に示すように、遮蔽部材332は、多孔質部材334の側面334dの周囲を囲む枠状の下部遮蔽部材332-1と、下部遮蔽部材332-1および多孔質部材334の上面(基板吸着面334aとは反対側の面334c)を覆う上部遮蔽部材332-2と、を含む。また、本実施形態においては、多孔質部材334の減圧部334bは、多孔質部材334の上面の周縁部に設けられる。吸引孔336は、一方の端部が減圧部334bに接続され、下部遮蔽部材332-1と上部遮蔽部材332-2との間を外周方向に延び、下部枠部材343および上部枠部材342を貫通して上方向に延び、他方の端部が上部枠部材342上に設けられた吸引ポート314に接続される。
【0048】
図7は、一実施形態の基板のパターン領域および非パターン領域を概略的に示す平面図
、および、一実施形態の基板吸着部材を概略的に示す平面図である。図7(A)は、一実施形態の基板のパターン領域および非パターン領域を概略的に示している。図7(A)に示すように、本実施形態の基板WFは、配線または機能性チップなどが設けられるパターン領域10と、配線または機能性チップなどが設けられない非パターン領域20と、を有する。図7(A)に示すように、非パターン領域20は、基板WFの周縁部に設けられるとともに、周縁部を除く領域を上下に2分割するように直線状に設けられる。パターン領域10は非パターン領域20に囲まれた領域に設けられる。図7(B)に示すように、多孔質部材334の減圧部334bは、基板WFの非パターン領域20に対応して設けられる。減圧部334bは、本実施形態においては、4箇所設けられた吸引孔336に接続される。本実施形態では、減圧部334bが基板WFの非パターン領域20に対応して設けられるので、減圧部334bが設けられている場所が局所的に負圧となり基板WFへの押圧力が作用し難くなったとしても、基板WFのパターン領域10における研磨プロファイルには影響を及ぼさない。
【0049】
図8は、一実施形態の基板吸着部材を概略的に示す斜視図である。図9は、図8におけるAA領域を拡大した図である。図8に示すように、本実施形態においては、吸引孔336に対応する4箇所に吸引ポート314が設けられている。各吸引ポート314は吸引路312および吸引コネクタ311を介して図示していない減圧手段31に接続される。
【0050】
図8および図9に示すように、上部枠部材342は、上部枠部材342の四隅にそれぞれ設けられたストッパ346を含む。ストッパ346は、上部枠部材342の異なる箇所を、枠内部を跨いでアーチ状に結ぶように構成され、本実施形態では、上部枠部材342の隅を形成する2辺をアーチ状に接続するように構成される。一方、上部ガイド部材305は、上部ガイド部材305の四隅のそれぞれに設けられたパッド309を含む。パッド309は、ストッパ346に対応する位置に設けられる。パッド309は、ストッパ346とは異なる高さ位置において上部枠部材342の隅に円板状に形成される。ストッパ346とパッド309は、トップリング302を平面視したときに所定の領域において相互にオーバーラップしている。したがって、ストッパ346とパッド309との接触によって基板吸着部材330の高さ方向の動きを規制することができる。
【0051】
図4から図9に示した実施形態によれば、図3に示した実施形態と同様に、基板吸着部材330は、ベース部材301に固定されるのではなく、弾性部材340によって保持されている。このため、仮にトップリング302または研磨テーブル350に傾きが生じて基板WFが研磨パッド352に片当たりしたとしても、弾性部材340の弾性によって基板吸着部材330を研磨パッド352の研磨面にならわせ、その結果、基板WFを均一に研磨パッド352に押圧することができる。これに加えて、図4から図9に示した実施形態によれば、図3に示した実施形態と同様に、基板吸着部材330は、ベース部材301の少なくとも一部を囲む枠部材344を含み、枠部材344とベース部材301とを弾性部材340で接続している。したがって、吸引路312をトップリング302の外周部を通して引き回す場合であっても、枠部材344の平面サイズを大きくする必要はなく、その結果、トップリング302をコンパクトに製造することができる。
【0052】
以上、いくつかの本発明の実施形態について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
【0053】
本願は、一実施形態として、基板を保持するためのトップリングであって、回転シャフトに連結されたベース部材と、基板を吸着するための基板吸着面および減圧手段と連通する減圧部を有する多孔質部材、前記多孔質部材の前記基板吸着面とは反対側の面および側
面を遮蔽するように構成された遮蔽部材、および前記ベース部材の少なくとも一部の周囲を囲むように前記遮蔽部材に設けられた枠部材、を含む基板吸着部材と、前記ベース部材の前記枠部材に囲まれた少なくとも一部と前記枠部材とを接続する弾性部材と、を含む、トップリングを開示する。
【0054】
さらに、本願は、一実施形態として、前記遮蔽部材は、前記多孔質部材と連通するように形成された吸引孔を含み、前記減圧部は、前記吸引孔が形成された位置に設けられる、トップリングを開示する。
【0055】
さらに、本願は、一実施形態として、前記吸引孔は、前記多孔質部材の上面の周縁部または前記多孔質部材の側面に連通するように前記遮蔽部材に形成される、トップリングを開示する。
【0056】
さらに、本願は、一実施形態として、前記枠部材は、前記遮蔽部材の上面の周縁部に設けられた下部枠部材と、前記下部枠部材の上に設けられた上部枠部材と、を含み、前記ベース部材は、前記回転シャフトに連結されたフランジと、前記フランジの下部に設けられ前記フランジよりも小さな平面サイズを有する上部ガイド部材と、前記上部ガイド部材の下部に設けられた枠状の下部ガイド部材と、を含み、前記弾性部材は、前記上部ガイド部材と前記下部ガイド部材との間に挟持される内側端部と、前記下部枠部材と前記上部枠部材との間に挟持される外側端部と、を有する板状部材である、トップリングを開示する。
【0057】
さらに、本願は、一実施形態として、前記上部枠部材または前記下部枠部材は、前記ベース部材の方向に突出する枠部材突起を含み、前記上部ガイド部材または前記下部ガイド部材は、前記枠部材突起とは異なる高さ位置において前記上部枠部材または前記下部枠部材の方向に突出し、前記枠部材突起とオーバーラップするガイド部材突起を含む、トップリングを開示する。
【0058】
さらに、本願は、一実施形態として、前記上部枠部材または前記下部枠部材は、前記上部枠部材または前記下部枠部材の異なる箇所を、枠内部を跨いでアーチ状に結ぶストッパを含み、前記上部ガイド部材または前記下部ガイド部材は、前記ストッパとは異なる高さ位置において前記ストッパとオーバーラップするパッドを含む、トップリングを開示する。
【0059】
さらに、本願は、一実施形態として、前記ベース部材と前記基板吸着部材との間に基板を加圧するための複数の加圧室を形成するように構成された複数枚の弾性膜をさらに含む、トップリングを開示する。
【0060】
さらに、本願は、一実施形態として、前記ベース部材の前記枠部材に囲まれていない部分の外側側面と前記枠部材の外側側面とを接続するバンドをさらに含む、トップリングを開示する。
【0061】
さらに、本願は、一実施形態として、上記のいずれかに記載のトップリングと、研磨パッドを保持するように構成された研磨テーブルと、を有する、基板処理装置を開示する。
【符号の説明】
【0062】
18 トップリングシャフト(回転シャフト)
31 減圧手段(真空源)
301 ベース部材
302 トップリング
303 フランジ
305 上部ガイド部材
305a ガイド部材突起
306 下部ガイド部材
309 パッド
312 吸引路
314 吸引ポート
320 弾性膜
330 基板吸着部材
332 遮蔽部材
332-1 下部遮蔽部材
332-2 上部遮蔽部材
334 多孔質部材
334a 基板吸着面
334b 減圧部
334c 基板吸着面334aとは反対側の面
334d 側面
336 吸引孔
340 弾性部材
340a 内側端部
340b 外側端部
342 上部枠部材
342a 枠部材突起
343 下部枠部材
344 枠部材
345 バンド
346 ストッパ
1000 基板処理装置
WF 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9