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特許7566908n型ドーパントによってドープされたシリコン単結晶を製造するための方法および装置
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  • 特許-n型ドーパントによってドープされたシリコン単結晶を製造するための方法および装置 図1
  • 特許-n型ドーパントによってドープされたシリコン単結晶を製造するための方法および装置 図2
  • 特許-n型ドーパントによってドープされたシリコン単結晶を製造するための方法および装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】n型ドーパントによってドープされたシリコン単結晶を製造するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   C30B 29/06 20060101AFI20241007BHJP
   C30B 15/04 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
C30B29/06 502H
C30B15/04
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022535729
(86)(22)【出願日】2020-12-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-13
(86)【国際出願番号】 EP2020084390
(87)【国際公開番号】W WO2021115904
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-08-02
(31)【優先権主張番号】19216068.7
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】599119503
【氏名又は名称】ジルトロニック アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Siltronic AG
【住所又は居所原語表記】Einsteinstrasse 172,81677 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュタオダッハー,ボルフガンク
(72)【発明者】
【氏名】ラミンク,ゲオルク
【審査官】宮崎 園子
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-266093(JP,A)
【文献】特開2009-242142(JP,A)
【文献】特開2018-070428(JP,A)
【文献】特開2011-132043(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C30B 29/06
C30B 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
CZ法に従って、坩堝に収容された融液からシリコン単結晶を引き上げることにより、
n型ドーパントによってドープされ、円筒部分の電気抵抗率が2mΩ・cm以下である前記単結晶を製造するための方法であって、
前記単結晶の前記円筒部分を引き上げる過程において、ガス状ドーパントを含むガス流を前記融液の表面に供給することを含み、前記ガス流は、引き上げチャンバの外側の昇華設備から、配管システム内で前記引き上げチャンバ内に案内され、成長中の単結晶を取り囲む熱シールドの内部を通ってまたは前記熱シールドの外面に沿って、前記熱シールドの下端に配置された環状チャネルまで延在する前記配管システムを介して案内され、ノズルを通って前記融液の前記表面に供給され、
計量セルによって、画像処理を備えるカメラによって、または引き上げチャンバの外側に位置する前記配管システムの一部に配置された流量計によって、または前記計量セルおよび前記画像処理を備える前記カメラによって、または前記計量セルおよび前記流量計によって、前記ドーパントの消費量が確認され、前記融液へのドーパントの供給が制御される、方法。
【請求項2】
前記ドーパントは、化合物の形態で、または前記ドーパントの元素の分子もしくは原子の形態で、前記融液の前記表面に案内され、
前記ドーパントは、元素P、As、およびSbのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ドーパントは、少なくとも2つのノズルを通って、前記融液の前記表面に供給される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ガス流は、前記ノズルによって、前記融液の前記表面に垂直な方向に沿って、または前記単結晶の中央を通る軸から離れる方向に沿って前記融液の前記表面に向かって、または前記単結晶の中央を通る前記軸に向かう方向に沿って前記融液の前記表面に向かって案内される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ガス流は、前記融液の前記表面に垂直な配置、前記単結晶に向かう傾斜配置、および前記単結晶から離れる傾斜配置の交互配置の隣接するノズルによって、それぞれ異なる方向に沿って前記融液の前記表面に案内される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記配管システムは、前記引き上げチャンバの外側の領域において、外側から局所的にまたは完全に加熱される、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
n型ドーパントによってドープされ、円筒部分の電気抵抗率が2mΩ・cm以下であるシリコン単結晶を製造するための装置であって、
CZ法に従って、前記単結晶を引き上げるための引き上げチャンバと、
シリコンの融液を収容するための坩堝と、
成長中の単結晶を遮蔽するための熱シールドと、
固体ドーパントをガス状ドーパントに変換するための昇華設備と、
前記ガス状ドーパントを含むガス流を前記融液の表面に供給するための配管システムとを備え、
前記昇華設備は、前記引き上げチャンバの外側に配置され、
前記熱シールドの内部を通ってまたは前記熱シールドの外面に沿って延在する前記配管システムは、前記熱シールドの下端に配置された環状チャネルに開口し、
前記環状チャネルは、前記ガス流を前記融液の前記表面に案内するためのノズルを含み、
計量セルによって、画像処理を備えるカメラによって、または引き上げチャンバの外側に位置する配管システムの一部に配置された流量計によって、または前記計量セルおよび前記画像処理を備える前記カメラによって、または前記計量セルおよび前記流量計によって特徴付けられる、装置。
【請求項8】
前記ノズルは、少なくとも2つである、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ノズルは、前記環状チャネルにわたって均一な間隔で配置される、請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
隣接するノズルは、前記ガス流をそれぞれ異なる方向に沿って前記融液の前記表面に案内するように、前記融液の前記表面に垂直な配置、前記単結晶に向かう傾斜配置、および前記単結晶から離れる傾斜配置の交互配置で配置される、請求項7から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
配管ヒータを備え、
前記配管ヒータは、前記引き上げチャンバの外側の領域において外側から前記配管システムを局部的にまたは完全に加熱する、請求項7から10のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、CZ法に従って、坩堝に収容された融液からシリコン単結晶を引き上げることにより、n型ドーパントによってドープされ、円筒部分の電気抵抗率が2mΩ・cm以下である前記単結晶を製造するための方法である。本発明のさらなる主題は、この方法を実施するための装置である。
【背景技術】
【0002】
先行技術/課題
比較的高濃度のn型ドーパントを含むシリコン単結晶の製造は、特に困難である。ドーパントは、揮発性であり、転位を引き起こす可能性のある堆積物を形成することができる。成長中の単結晶の円筒部分を引き上げる段階中に、1回目のドーパントまたはさらなるドーパントを融液に供給することが有利であることは、証明されている。
【0003】
US2010/0294999A1は、チューブを介して、元素ドーパントを含むガス流を融液の表面に吹き付けることを考案した方法を記載している。これを行うために、引き上げチャンバ内で固体ドーパントを昇華させ、キャリアガスと混合した後、融液の表面に吹き付ける。類似の手順を採用した方法は、JP2013-129551Aに記載されている。
【0004】
CN1600905AおよびDE112017004790T5は、ガス状ドーパントを融液の表面に吹き付けるための複数の開口を設けることを提案している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの提案の欠点は、ドーパントを昇華させる空間を作るために、成長中の単結晶を直接に取り囲むゾーン(ホットゾーン)を変更する必要があること、およびドーパントを吹き出して導入するための複数の開口を設けているにもかかわらず、ドーパントの分布が均一性を欠くことである。
【0006】
本発明の目的は、ホットゾーンに対する変更を最小限に抑え、融液中のドーパントのより均一な分布を保証することである。より詳細には、本発明の目的は、(存在する場合、成長中の単結晶に転位を引き起こすリスクを増加させる)ドーパント濃度の局所的なスパイクを回避することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、CZ法に従って、坩堝に収容された融液からシリコン単結晶を引き上げることにより、n型ドーパントによってドープされ、円筒部分の電気抵抗率が2mΩ・cm以下である単結晶を製造するための方法によって達成される。
【0008】
この方法は、単結晶の円筒部分を引き上げる過程において、ガス状ドーパントを含むガス流を融液の表面に供給することを含み、ガス流は、配管システム内で引き上げチャンバに案内され、成長中の単結晶を取り囲む熱シールドを通ってまたは熱シールドの外面に沿って、熱シールドの下端に配置された環状チャネルに案内され、ノズルを通って融液の表面に供給される。
【0009】
単結晶の円筒部分は、部分的にまたは好ましくは完全に2mΩ・cm以下の電気抵抗率を有する。ドーパントがリンである場合、単結晶の円筒部分の電気抵抗率は、好ましくは1.2mΩ・cm以下であり、より好ましくは1mΩ・cm以下である。
【0010】
ホットゾーンに対する特定の変更は、特に、固体ドーパントをガス状に昇華させる部位を引き上げチャンバの外側に配置することによって回避される。さらに、ガス状ドーパントの経路は、熱シールドの内部を通るまたは熱シールドの外面に沿う配管システムにおいて、熱シールドの下端に配置された環状チャネルまで延在し、ノズルを介して融液の表面に達する。
【0011】
熱シールドの外面とは、坩堝(坩堝ヒータ)の周囲に配置された加熱設備の熱輻射が最初に当たる熱シールドの側面領域である。
【0012】
ドーパントは、引き上げチャンバの外側で昇華させられ、キャリアガスと共に配管システムを通って環状チャネルに流し込まれ、ノズルを介して融液の表面に案内される。
【0013】
少なくとも2つ、好ましくは4~100個のノズルが設けられる。キャリアガスおよびドーパントガスからなるガス流を吹き出すノズルの先端は、好ましくは、融液の表面から20mm以下の距離を有する。
【0014】
このようにノズルを配置することによって、ガス流は、所定の方法で融液の表面に案内される。
【0015】
ノズルは、融液の表面に垂直な方向に沿って、または単結晶の中央を通る軸に向かう方向に沿って融液の表面に向かって、または単結晶の中央を通る軸から離れる方向に沿って融液の表面に向かって、ガス流を案内するように配置されてもよい。
【0016】
ノズルは、好ましくは、隣接するノズルのガス流がそれぞれ異なる方向に沿って、例えば、上記で指定した3つの方向のうち、2つまたは3つの方向に交互に沿って、すなわち、例えば、融液の表面に垂直な方向および単結晶の中央を通る軸に向かう方向に交互に沿って、または単結晶の中央を通る軸に向かう方向および単結晶の中央を通る軸から離れる方向に交互に沿って案内されるように配置される。
【0017】
特に好ましくは、円筒部分を引き上げる時にノズルが所望の配置を取るように、ノズルを旋回可能に配置し、熱シールドの設置前にノズルの出口を配向することである。
【0018】
単結晶の円筒部分を引き上げる時に融液の表面へのガス流の案内は、継続的または断続的に行うことができる。単結晶の円筒部分の引き上げの開始時に融液がドーパントを比較的少量しか含まない場合または全く含まない場合、ガス流を融液の表面に案内してもよい。ガス流の体積速度は、一定に保たれてもよく、変化してもよい。例えば、ガス流の体積速度は、分離による融液中のドーパントの蓄積を補償するために、単結晶の結晶化の増加と共に減少てもよい。
【0019】
ドーパントは、好ましくは、リン、ヒ素およびアンチモンのうち、1つ以上の元素からなる。これらの元素は、ドーパントを気体状態に昇華させるための設備(昇華設備)において混合される。しかしながら、これらの元素の1つ以上の化合物のガス状ドーパントを使用してもよい。一例として、これらの元素と水素との化合物が挙げられる。この場合、昇華設備は、ドーパントガスとキャリアガスとを混合するためにのみ使用される。
【0020】
また、本発明の主題は、n型ドーパントによってドープされ、円筒部分の電気抵抗率が2mΩ・cm以下であるシリコン単結晶を製造するための装置である。この装置は、
CZ法に従って、単結晶を引き上げるための引き上げチャンバと、
シリコンの融液を収容するための坩堝と、
成長中の単結晶を遮蔽するための熱シールドと、
固体ドーパントをガス状ドーパントに変換するための昇華設備と、
ガス状ドーパントを含むガス流を融液の表面に供給するための配管システムとを備え、
昇華設備は、引き上げチャンバの外側に配置され、
熱シールドの内部を通ってまたは熱シールドの外面に沿って延在する配管システムは、熱シールドの下端に配置された環状チャネルに開口し、
環状チャネルは、ガス流を融液の表面に案内するためのノズルを含む。
【0021】
環状チャネルおよびノズルは、好ましくは、配管システムの少なくとも一部と同様に、例えばモリブデンなどの特に耐腐食性の材料からなる。配管システムは、融液の表面から200mm以下の距離に配置される。
【0022】
昇華設備は、引き上げチャンバの外側に配置され、ドーパント容器と、それを取り囲む容器ヒータとを備える。容器ヒータは、複数の別々に制御可能な加熱ゾーンを有してもよい。これによって、ドーパント昇華量の制御を改善する。単結晶を引き上げる時に容器内容物の重量の変化を検出するための計量セルも設けられる。この情報から、ドーパント消費量を確認し、所定の方法で融液へのドーパントのさらなる供給を制御することが可能である。計量セルの代わりにまたは計量セルに加えて、ドーパント消費量を決定するために使用される画像処理を有するカメラ、または同じ目的のために、引き上げチャンバの外側に位置する配管システムの一部に流量計を設けることが可能である。
【0023】
入口側では、昇華設備は、流量調整器に接続される。流量調整器は、昇華設備内でキャリアガスとドーパントガスとを混合し、混合物を引き上げチャンバ内に案内するために使用される。出口側では、配管システムの一部は、昇華設備を引き上げチャンバの外壁のフランジに接続する。そこから、配管システムはさらに、成長中の単結晶を取り囲む熱シールドの下端に配置された環状チャネルまで延在する。熱シールドは、融液の表面に対して固定位置に取り付けられる。
【0024】
昇華したドーパントが配管システム内で固体として凝結することを防ぐための措置を講じるべきである。したがって、好ましくは、昇華設備と引き上げチャンバとの間に配置されている配管システムの一部および引き上げチャンバの外壁のフランジ領域は、断熱されるか、または局所的にもしくは完全に配管ヒータを設け、このヒータによって外部から加熱される。
【0025】
流量調整器、計量セルおよび容器ヒータは、単結晶引き上げ装置用の調整装置に接続されることが好ましい。調整装置は、これらの構成要素からのデータを処理し、容器ヒータの加熱電力および流量調整器を通るキャリアガスの送達を調整して、制御回路によって予め決定されたまたは計算された融液へのドーパントの供給量を保証する。
【0026】
本発明の第1の実施形態によれば、配管システムは、熱シールドの内部を通って環状チャネルまで延在する。本発明の第2の実施形態によれば、配管システムは、熱シールドの外面に沿って環状チャネルまで延在する。
【0027】
ノズルは、環状チャネルの下側に均一に配置され、融液の表面に向ける。ノズル数は、好ましくは、4~100個である。ノズルは、所定の方法で配置される。1つの可能な配置では、全てのノズルは、ガス流が実質的に直角で融液の表面に当たるように、融液の表面に対して垂直に整列される。別の構成では、ノズルは、径方向に沿って単結晶に向かう配向、言い換えれば、成長中の単結晶の中央を通る方向成分または軸を有する傾斜配向を有する。さらなる構成では、ノズルは、径方向に沿って単結晶から離れる傾斜配向、言い換えれば、成長中の単結晶の中央を通る軸から離れる方向成分を有する配向を有する。
【0028】
特に好ましい配置は、隣接するノズルの向きが異なる配置、例えば、ノズルの向きが、表面に垂直な配置と、単結晶に向かう傾斜配置と、単結晶から離れる傾斜配置との間で交互になる配置である。
【0029】
以下、図面を参照して、本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の第1の実施形態に係る装置を示す図である。
図2】本発明の第2の実施形態に係る装置を示す図である。
図3】環状チャネルから融液の表面に向けられたノズルの可能な配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1に記載の装置は、引き上げチャンバ2を備え、引き上げチャンバ2は、坩堝シャフト13を介して回転、上昇および下降することができる内側坩堝9を収容する。内側坩堝9は、外側坩堝8によって支持されている。坩堝シャフト13は、坩堝シャフト駆動部12によって駆動され、坩堝シャフト駆動部12は、単結晶を引き上げるための装置の調整装置19に接続される。断熱材3は、坩堝8および9の周囲に配置された坩堝ヒータ6によって伝達される熱放射から、引き上げチャンバの内壁を遮蔽する。引き上げチャンバ2は、単結晶を引き上げる時にアルゴンなどの処理ガスまたはアルゴンと水素などの処理ガス混合物を導くためのガス入口4およびガス出口5をさらに備える。固定位置に取り付けられる熱シールド10は、装置の動作中に成長中の単結晶1を取り囲む。単結晶1は、種結晶保持部16によって保持された種結晶17上に成長し、引き上げ機構、例えば、引き上げシャフト14および引き上げシャフト駆動部15によってシリコン融液の表面20から上方に引き上げられ、引き上げられている間に単結晶の中央を通る軸28に沿って回転される。引き上げチャンバ2は、例えば、水平磁場またはCUSP磁場などの磁場を生成するための設備18によって囲まれている。
【0032】
本発明によれば、引き上げチャンバ2の外側に、ドーパントを供給するための設備(昇華設備)21を配置し、当該設備を配管システム11に接続する。配管システム11は、昇華設備21内でガス状に変換されたドーパントを、ガス状ドーパントおよびキャリアガス27を含むガス流の形態で環状チャネル7に案内し、ノズル22を介して融液の表面20に供給する。環状チャネルは、熱シールド10の下端に配置されている。昇華設備21は、ドーパント容器23と、容器ヒータ24と、計量セル25とを備える。容器ヒータ24と、計量セル25と、キャリアガスをガス状ドーパントに供給するための流量調整器26とは、調整装置19に接続されている。好ましくは、配管システム11の周囲であって、引き上げチャンバ2の外側の領域において、配管ヒータ29が、局所的にまたは完全に配置され、配管システム11を加熱する。
【0033】
図1に示す実施形態によれば、配管システム11は、熱シールド10の内部を通って延在し、環状チャネル7に開口する。
【0034】
図2に示す実施形態によれば、配管システム11は、熱シールド10の外面に沿って延在し、環状チャネル7に開口する。
【0035】
ノズル22は、好ましくは、融液の表面の反対側の環状チャネル7の側面にわたって均一な距離で配置され、成長中の単結晶の中央を通る軸28に平行な方向成分のみで、またはこの軸に向かう追加の方向成分で、またはこの軸から離れる追加の方向成分で、融液の表面20に向けられる。図3は、このようなノズルの配置の例を示す。特に好ましくは、ノズルは、これらの3つの可能性のうち、2つまたは3つの可能性で交互に配置される。
【0036】
上記で説明した例示的な実施形態は、例示として理解されるべきである。本開示は、当業者が本発明および関連する利点を理解することを可能にすると共に、記載された構造および方法の変更および修正を含むことが当業者にとって明らかである。したがって、そのような変更および修正並びにその均等物は、特許請求の範囲によって保護される。
【符号の説明】
【0037】
1 成長中の単結晶、2 引き上げチャンバ、3 断熱材、4 ガス入口、5 ガス出口、6 坩堝ヒータ、7 環状チャネル、8 外側坩堝、9 内側坩堝、10 熱シールド、11 配管システム、12 坩堝シャフト駆動部、13 坩堝シャフト、14 引き上げシャフト、15 引き上げシャフト駆動部、16 種結晶保持部、17 種結晶、18 磁場を生成するための設備、19 調節装置、20 融液の表面、21 ドーパントを昇華させるための設備、22 ノズル、23 ドーパント容器、24 容器ヒータ、25 秤量セル、26 流量調整器、27 キャリアガス、28 成長中の単結晶の中央を通る軸、29 配管ヒータ。
図1
図2
図3