(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】基板搬送装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20241007BHJP
【FI】
H01L21/68 A
(21)【出願番号】P 2022544860
(86)(22)【出願日】2021-01-25
(86)【国際出願番号】 US2021014899
(87)【国際公開番号】W WO2021154640
(87)【国際公開日】2021-08-05
【審査請求日】2024-01-24
(32)【優先日】2020-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522041444
【氏名又は名称】ブルックス オートメーション ユーエス、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バブス、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ツァン、ヴィンセント ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】メイ、ロバート シー
【審査官】渡井 高広
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-532299(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0327138(US,A1)
【文献】特表2019-526171(JP,A)
【文献】特開平07-122620(JP,A)
【文献】米国特許第10155309(US,B1)
【文献】特開平01-240288(JP,A)
【文献】特開2014-124741(JP,A)
【文献】特開昭63-084887(JP,A)
【文献】特開昭63-084883(JP,A)
【文献】特開2008-223974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送チャンバ内の基板を移送するための基板搬送装置であって、
前記搬送チャンバ内に配置されたフレームであって、前記搬送チャンバが、チャンバ端部と、前記チャンバ端部の間に延びるチャンバ側面を有し、各チャンバ側面は、チャンバ側面を貫通する少なくとも4つの処理ステーション開口部を有する、フレームと、
前記フレームに接続された駆動セクションと、
前記フレームに対して枢動軸を中心に回転し、
前記チャンバ側面の各々の前記少なくとも4つの処理ステーション開口部の各々への、および前記チャンバ側面の各々の前記少なくとも4つの処理ステーション開口部の各々からの、前記基板の移送をもたらすために、前記枢動軸に対して伸長および収縮するように、前記駆動セクションに動作可能に接続された少なくとも1つの関節式アームリンクを有する関節式アームと、を備え、
前記関節式アームが、前記少なくとも1つの関節式アームリンクに枢動可能に取り付けられたエンドエフェクタを有して、前記エンドエフェクタと前記少なくとも1つの関節式アームリンクとの間に関節を形成し、アーム関節枢動軸が、前記エンドエフェクタが前記アーム関節枢動軸を中心に前記少なくとも1つの関節式アームリンクに対して回転するように配置され、前記関節式アームが、駆動プーリと前記エンドエフェクタに接続された従動プーリとを備えた駆動バンドトランスミッションを有し、少なくとも1つのバンドが、接続されたプーリのうちの少なくとも1つの周りに巻かれ、前記少なくとも1つのバンドが、それ自体に対して重ねられ、前記駆動バンドトランスミッションが、
前記チャンバ側面の各々の前記少なくとも4つの処理ステーション開口部の各々への、および前記チャンバ側面の各々の前記少なくとも4つの処理ステーション開口部の各々からの、前記基板の移送をもたらすために、前記チャンバ側面の各々の前記少なくとも4つの処理ステーション開口部の各々に前記エンドエフェクタを位置付けるように、いずれの方向でも十分に180°を超えて前記エンドエフェクタの回転を生成することができ、
前記エンドエフェクタが
、前記アーム関節枢動軸の片側に配置された1つまたは複数の基板保持位置を有する、基板搬送装置。
【請求項2】
最大伸長ストロークと最大収縮ストロークとの間の前記エンドエフェクタの回転が
、エンドエフェクタ中間ストロークの回転位置のいずれの方向でも少なくとも約
±300°である、請求項1記載の基板搬送装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのバンドが、それ自体に対して重ねられている、請求項1記載の基板搬送装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのバンドは、バンドラップがプーリ上でそれ自体の上に螺旋状になるように重ねられている、請求項3記載の基板
搬送装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのバンドは、バンドラップがそれ自体を包むように重ねられている、請求項3記載の基板
搬送装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのバンドは、バンドがプーリ軸に沿って並置されたコイルエッジを有して巻かれた状態で、バンドラップがそれ自体に沿って螺旋状になるように重ねられている、請求項3記載の基板
搬送装置。
【請求項7】
接続されたプーリの少なくとも1つのプーリがアイドラプーリであり、前記アイドラプーリが、前記アイドラプーリの回転によって前記アーム関節枢動軸を中心に前記エンドエフェクタが回転するように、前記エンドエフェクタに連結されている、請求項1記載の基板搬送装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのバンドが、前記アイドラプーリの周りにそれ自体に対して重ねられている、請求項7記載の基板搬送装置。
【請求項9】
前記アイドラプーリが非円形プーリである、請求項7記載の基板搬送装置。
【請求項10】
前記アイドラプーリは、前記バンドが前記アイドラプーリに巻き付けられ、前記アイドラプーリから送り出されるときに、前記少なくとも1つのバンドが着座する、非円形の半径方向周辺部を備えるバンド着座面を有する、請求項7記載の基板搬送装置。
【請求項11】
接続されたプーリの少なくとも1つのプーリの別のプーリが駆動プーリであり、前記駆動プーリが非円形プーリである、請求項7記載の基板搬送装置。
【請求項12】
前記アイドラプーリおよび前記駆動プーリが、前記エンドエフェクタの伸長および収縮ストロークの全体にわたって各々の回転方向で前記アイドラプーリと前記駆動プーリとの間の略一定の減速比を維持するように巻き付く、および巻き付き解除する、それぞれの対向するバンドに係合するプーリプロファイルを有する、請求項11記載の基板搬送装置。
【請求項13】
前記エンドエフェクタが、その上に基板保持ステーションを有する、請求項1記載の基板搬送装置。
【請求項14】
前記エンドエフェクタが2つ以上の基板保持ステーションを有し、前記2つ以上の基板保持ステーションの少なくとも2つが前記エンドエフェクタの対向する両端部上にある、請求項1記載の基板搬送装置。
【請求項15】
搬送チャンバ内の基板を移送するための基板搬送装置であって、
前記搬送チャンバ内に配置されたフレームであって、前記搬送チャンバが、チャンバ端部と、前記チャンバ端部の間に延びるチャンバ側面を有し、各チャンバ側面は、チャンバ側面を貫通する少なくとも4つの処理ステーション開口部を有する、フレームと、
前記フレームに接続された駆動セクションと、
前記フレームに対して枢動軸を中心に回転し、
前記チャンバ側面の各々の前記少なくとも4つの処理ステーション開口部の各々への、および前記チャンバ側面の各々の前記少なくとも4つの処理ステーション開口部の各々からの、前記基板の移送をもたらすために、前記枢動軸に対して伸長および収縮するように、前記駆動セクションに動作可能に接続された少なくとも1つの関節式アームリンクを有する関節式アームと、を備え、
前記関節式アームが、前記少なくとも1つの関節式アームリンクに枢動可能に取り付けられたエンドエフェクタを有して、前記エンドエフェクタと前記少なくとも1つの関節式アームリンクとの間に関節を形成し、アーム関節枢動軸が、前記エンドエフェクタが前記アーム関節枢動軸を中心に前記少なくとも1つの関節式アームリンクに対して回転するように配置され、前記関節式アームが、プーリと前記プーリを接続する二重の対向するバンドとを備える駆動バンドトランスミッションであって、前記関節式アームを伸長または収縮させ、対応するエンドエフェクタストロークを介して前記エンドエフェクタを移動させるアーム運動ストロークを介して前記関節式アームを伸長および収縮させる駆動バンドトランスミッションを有し、
前記二重の対向するバンドが、
前記チャンバ側面の各々の前記少なくとも4つの処理ステーション開口部の各々への、および前記チャンバ側面の各々の前記少なくとも4つの処理ステーション開口部の各々からの、前記基板の移送をもたらすために、前記チャンバ側面の各々の前記少なくとも4つの処理ステーション開口部の各々に前記エンドエフェクタを位置付けるように、前記エンドエフェクタストロークの端から端までの
360°を超えるエンドエフェクタの回転を提供する、前記アーム関節枢動軸を中心にした前記エンドエフェクタの回転を決定する、前記プーリのうちの少なくとも1つの上での巻き付き形状を有しており、
前記エンドエフェクタが
、前記アーム関節枢動軸の片側に配置された1つまたは複数の基板保持位置を有する、基板搬送装置。
【請求項16】
前記巻き付き形状が、前記エンドエフェクタストロークの中間ストロークからいずれかの端まで
180°を超えるエンドエフェクタの回転を提供する、請求項15記載の基板搬送装置。
【請求項17】
前記巻き付き形状が、前記プーリのうちの少なくとも1つの共通の回転のためのそれぞれの対向するバンドの非対称の巻き付き速度および巻き付き解除速度をもたらす、請求項15記載の基板搬送装置。
【請求項18】
前記対向するバンドによって互いに接続された前記プーリのうちの少なくとも1つの別のプーリが、前記エンドエフェクタストロークの全体にわたって前記対向するバンドの各バンドに対する略一定の張力を維持するように、前記それぞれの対向するバンドの非対称の巻き付きおよび巻き付き解除を補償するように配置されたコンペンセータを有して構成されている、請求項17記載の基板搬送装置。
【請求項19】
前記コンペンセータが、前記別のプーリの共通の回転のために、前記プーリのうちの少なくとも1つに対する前記それぞれの対向するバンドの非対称の巻き付き速度および巻き付き解除速度に相応する、前記別のプーリに対する前記それぞれの対向するバンドの非対称の巻き付き解除速度および巻き付き速度を生成する幾何学的形状を有している、請求項18記載の基板搬送装置。
【請求項20】
前記別のプーリが、前記それぞれの対向するバンドの各々のためのカムローブを備えたそれぞれの非円形プーリプロファイルを有し、前記それぞれの非円形
プーリプロファイルのそれぞれのカムローブが前記コンペンセータを形成する、請求項18記載の基板搬送装置。
【請求項21】
前記それぞれの非円形プーリプロファイルの前記それぞれのカムローブが、前記コンペンセータの幾何学的形状を画定する角度だけ位相外のプーリ周辺部に配置される、請求項20記載の基板搬送装置。
【請求項22】
前記プーリのうちの少なくとも1つがアイドラプーリであり、前記別のプーリが駆動プーリである、請求項18記載の基板搬送装置。
【請求項23】
前記アイドラプーリおよび前記駆動プーリが、前記エンドエフェクタストロークの全体にわたって各々の回転方向で前記アイドラプーリと前記駆動プーリとの間の略一定の減速比を維持するように巻き付く、および巻き付き解除する、それぞれの対向するバンドに係合するプーリプロファイルを有する、請求項22記載の基板搬送装置。
【請求項24】
前記アイドラプーリは、前記バンドが前記アイドラプーリに巻き付けられ、前記アイドラプーリから送り出されるときに、少なくとも1つのバンドが着座する、非円形の半径方向周辺部を備えるバンド着座面を有する、請求項22記載の基板搬送装置。
【請求項25】
接続されたプーリの少なくとも1つのプーリの別のプーリが駆動プーリであり、前記駆動プーリが非円形プーリである、請求項24記載の基板搬送装置。
【請求項26】
前記対向するバンドの各々が、それ自体に対して重ねられている、請求項15記載の基板搬送装置。
【請求項27】
前記対向するバンドの各々は、バンドラップが前記プーリ上でそれ自体の上に螺旋状になるように重ねられている、請求項26記載の基板
搬送装置。
【請求項28】
前記対向するバンドの各々は、バンドラップがそれ自体を包むように重ねられている、請求項26記載の基板
搬送装置。
【請求項29】
前記対向するバンドの各々は、前記バンドがプーリ軸に沿って並置されたコイルエッジを有して巻かれた状態で、バンドラップがそれ自体に沿って螺旋状になるように重ねられている、請求項26記載の基板
搬送装置。
【請求項30】
前記プーリのうちの少なくとも1つがアイドラプーリであり、前記アイドラプーリが、前記アイドラプーリの回転によって前記アーム関節枢動軸を中心に前記エンドエフェクタが回転するように、前記エンドエフェクタに連結されている、請求項15記載の基板搬送装置。
【請求項31】
前記対向するバンドの各々が、前記アイドラプーリの周りにそれ自体に対して重ねられている、請求項30記載の基板搬送装置。
【請求項32】
搬送チャンバ内の基板を移送するための基板搬送装置を提供する工程であって、
前記搬送チャンバが、チャンバ端部と、前記チャンバ端部の間に延びるチャンバ側面を有し、各チャンバ側面は、チャンバ側面を貫通する少なくとも4つの処理ステーション開口部を有し、前記基板搬送装置が、
フレームと、
前記フレームに接続された駆動セクションと、
前記フレームに対して枢動軸を中心に回転し、前記枢動軸に対して伸長および収縮するように、前記駆動セクションに動作可能に接続された少なくとも1つの関節式アームリンクを有する関節式アームと、
前記少なくとも1つの関節式アームリンクに枢動可能に取り付けられたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタと前記少なくとも1つの関節式アームリンクとの間に関節を形成し、アーム関節枢動軸が、前記エンドエフェクタが前記アーム関節枢動軸を中心に前記少なくとも1つの関節式アームリンクに対して回転するように配置されている、エンドエフェクタと、を備える、工程と、
前記関節式アームを伸長および収縮させ
て、前記チャンバ側面の各々の前記少なくとも4つの処理ステーション開口部の各々への、および前記チャンバ側面の各々の前記少なくとも4つの処理ステーション開口部の各々からの、前記基板の移送をもたらす、プーリと前記プーリを接続する少なくとも1つのバンドとを備える駆動バンドトランスミッションを用いて、それぞれ伸長ストロークおよび収縮ストロークを介して前記エンドエフェクタを移動させる工程と、を含み、
前記少なくとも1つのバンドが、接続されたプーリのうちの少なくとも1つの周りに巻かれ、前記少なくとも1つのバンドが、それ自体に対して重ねられ、前記駆動バンドトランスミッションが、
前記チャンバ側面の各々の前記少なくとも4つの処理ステーション開口部の各々への、および前記チャンバ側面の各々の前記少なくとも4つの処理ステーション開口部の各々からの、前記基板の移送をもたらすために、前記チャンバ側面の各々の前記少なくとも4つの処理ステーション開口部の各々に前記エンドエフェクタを位置付けるように、前記エンドエフェクタのエンドエフェクタ中間ストロークの回転位置から前記エンドエフェクタの最大ストロークの回転位置まで
180°超である、前記アーム関節枢動軸を中心にした、前記少なくとも1つの関節式アームリンクに対する、前記エンドエフェクタの回転を生成し、
前記エンドエフェクタが
、前記アーム関節枢動軸の片側に配置された1つまたは複数の基板保持位置を有する、方法。
【請求項33】
最大伸長ストロークと最大収縮ストロークとの間の前記エンドエフェクタの回転が
、前記エンドエフェクタ中間ストロークの回転位置のいずれの方向でも少なくとも約
±300°である、請求項32記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本出願は、2020年1月23日に出願された米国仮特許出願番号第62,964,817号の非仮出願であり、その利益を主張し、その開示全体が引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
例示的な実施形態は、概して、ロボット搬送装置、およびより具体的には、ロボット駆動伝達装置に関する。
【背景技術】
【0003】
概して、いくつかのロボットマニピュレータは、ロボットマニピュレータのさまざまな関節リンクの駆動回転のために金属バンドおよびプーリ駆動システムを利用している。金属バンドは、従来、プーリとバンドとの間でトルクを移送するために、ねじによってそれぞれのプーリに連結されている。プーリがバンドとプーリとの間の接触角を超えて回転させられる場合に、バンドが方向を逆にして、それ自体の上に折り畳まれ得るため、バンドとプーリとの間の従来のねじ式連結は、プーリに対する運動の範囲を制限し得る。このように、従来のバンドおよびプーリ駆動システムによって駆動されるロボットマニピュレータのための関節は、典型的に、約360°以下の回転(たとえば、約+/-180°の回転)に制限される。
【発明の概要】
【0004】
開示された実施形態の前述の態様および他の特徴は、添付の図面に関連して行われた以下の記載において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1A】開示された実施形態の態様による例示的な基板搬送装置を例示する。
【
図1B】開示された実施形態の態様による例示的な基板搬送装置を例示する。
【
図1C】開示された実施形態の態様による例示的な基板搬送装置を例示する。
【
図1D】開示された実施形態の態様による例示的な基板搬送装置を例示する。
【
図1E】開示された実施形態の態様による例示的な基板搬送装置を例示する。
【
図2A】開示された実施形態の態様による例示的な基板処理装置を例示する。
【
図2B】開示された実施形態の態様による例示的な基板処理装置を例示する。
【
図2C】開示された実施形態の態様による例示的な基板処理装置を例示する。
【
図2D】開示された実施形態の態様による例示的な基板処理装置を例示する。
【
図2E】開示された実施形態の態様による例示的な基板処理装置を例示する。
【
図3A】開示された実施形態の態様による
図1A~1Eの基板搬送装置の一部の概略図である。
【
図3B】開示された実施形態の態様による
図1A~1Eの基板搬送装置の一部の概略図である。
【
図3C】開示された実施形態の態様による
図1A~1Eの基板搬送装置の一部の概略図である。
【
図3D】開示された実施形態の態様による基板処理装置の一部の概略図である。
【
図4A】開示された実施形態の態様による
図1A~1Eの基板搬送装置の例示的なトランスミッションを例示する。
【
図4B】開示された実施形態の態様による
図1A~1Eの基板搬送装置の例示的なトランスミッションを例示する。
【
図4C】開示された実施形態の態様による
図1A~1Eの基板搬送装置の例示的なトランスミッションを例示する。
【
図5A】開示された実施形態の態様による
図1A~1Eの基板搬送装置の例示的なトランスミッションの一部を例示する。
【
図5B】開示された実施形態の態様による
図5Aの例示的なトランスミッションの一部の断面図を例示する。
【
図6】開示された実施形態の態様による
図1A~1Eの基板搬送装置の例示的なトランスミッションの一部を例示する。
【
図7】開示された実施形態の態様による
図1A~1Eの基板搬送装置の例示的なトランスミッションの一部を例示する。
【
図8A】開示された実施形態の態様による
図1A~1Eの基板搬送装置の例示的なトランスミッションの一部を例示する。
【
図8B】開示された実施形態の態様による
図1A~1Eの基板搬送装置の例示的なトランスミッションの一部を例示する。
【
図8C】開示された実施形態の態様による
図1A~1Eの基板搬送装置の例示的なトランスミッションの一部を例示する。
【
図9A】開示された実施形態の態様による
図1A~1Eの基板搬送装置の例示的なトランスミッションの一部を例示する。
【
図9B】開示された実施形態の態様による
図1A~1Eの基板搬送装置の例示的なトランスミッションの一部を例示する。
【
図10A】開示された実施形態の態様による
図1A~1Eの基板搬送装置の例示的なトランスミッションの一部を例示する。
【
図10B】開示された実施形態の態様による
図1A~1Eの基板搬送装置の例示的なトランスミッションの一部を例示する。
【
図11】開示された実施形態の態様による
図9A、9B、10A、および10Bの例示的なトランスミッションの一部の断面図を例示する。
【
図12A】開示された実施形態の態様による
図1A~1Eの基板搬送装置の例示的なトランスミッションの一部を例示する。
【
図12B】開示された実施形態の態様による
図1A~1Eの基板搬送装置の例示的なトランスミッションの一部を例示する。
【
図12C】開示された実施形態の態様による
図1A~1Eの基板搬送装置の例示的なトランスミッションの一部を例示する。
【
図13A】開示された実施形態の態様による
図1A~1Eの基板搬送装置の例示的なトランスミッションの上部プーリ部分および下部プーリ部分の対向するバンドラップ(band wrap)を概略的に例示する。
【
図13B】開示された実施形態の態様による
図1A~1Eの基板搬送装置の例示的なトランスミッションの上部プーリ部分および下部プーリ部分の対向するバンドラップを概略的に例示する。
【
図14】開示された実施形態による、非円形プーリの所与の回転角に対する非円形プーリの周りに巻かれたバンドの長さの違いを例示する、所与の非円形プーリの例示的なグラフを例示する。
【
図15】開示された実施形態の態様による、駆動プーリ角度に対する
図1A~1Eの搬送装置のトランスミッションにおける振動周波数の例示的なグラフを例示する。
【
図16】開示された実施形態の態様による
図1A~1Eの搬送装置のトランスミッションの例示的なバンド構成の概略図である。
【
図17A】開示された実施形態の態様による
図1A~1Eの搬送装置のトランスミッションの例示的なバンド構成の概略図である。
【
図18A】開示された実施形態の態様による
図1A~1Eの搬送装置のトランスミッションの例示的なバンド構成の概略図である。
【
図18B】開示された実施形態の態様による、
図18Aのトランスミッションの例示的なバンド構成を含む、
図1A~1Eの搬送装置のアームリンクの概略図である。
【
図19A】開示された実施形態の態様による例示的なバンド設置固定具を例示する。
【
図19B】開示された実施形態の態様による例示的なバンド設置固定具を例示する。
【
図20】開示された実施形態の態様による例示的な方法である。
【
図21】開示された実施形態の態様による例示的な方法である。
【
図22】開示された実施形態の態様による例示的な方法である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1A~2Eを参照すると、本明細書でさらに開示されるように、開示された実施形態の態様を組み込んだ基板処理装置またはツールの概略図が示されている。開示された実施形態の態様は、図面を参照して説明されるが、開示された実施形態の態様が、多くの形態で具体化され得ることが理解されるべきである。さらに、任意の適切なサイズ、形状、またはタイプの要素または材料が使用され得る。
【0007】
本明細書に記載される開示された実施形態の態様は、ロボットマニピュレータ用のバンドおよびプーリのトルクトランスミッション駆動構成を提供する。概して、半導体処理装置におけるプロセスモジュールの数の増加が半導体処理業界において望まれている(すなわち、これらの処理装置は高密度プロセスモジュールツールと呼ばれ得る)。増加した数のツールへ/から基板を搬送するために、基板搬送装置は、増加した到達要件を満たす必要がある。本明細書で提供される開示された実施形態の態様は、高密度プロセスモジュールツールのプロセスモジュールのいずれかへの基板搬送を促進するアーム運動を提供するように、(上記の従来の搬送アームと比較した)関節角度の回転の増加をもたらす。増加した関節角度の回転は、たとえば、開示された実施形態の態様のバンドおよびプーリのトルクトランスミッション駆動構成によってもたらされ、それにより、入力(たとえば、駆動)プーリと出力(たとえば、従動)プーリとの間の駆動(または減速)比(ここで、駆動比は、駆動プーリの直径と従動プーリの直径との比率である)によって画定される回転角RRによる駆動プーリおよび/または従動プーリの回転が提供される。開示された実施形態の一態様では、駆動プーリの回転は約320°(たとえば、本明細書に記載される中間ストローク位置から約+/-160°)の回転であり得る。駆動プーリの回転が約320°であり、駆動プーリと従動プーリとの比率が2:1であることで、従動プーリは最大約640°(たとえば、中間ストロークから約+/-320°)まで回転し得る。駆動プーリと従動プーリとの間で3:1の比率が利用される場合、従動プーリは最大約960°(たとえば、中間ストロークから約+/-480°)まで回転し得る。従動プーリの約360°を超える回転によって、たとえば、ロボットマニピュレータの関節リンクにおけるストロークの増加が原因で、ロボットマニピュレータの運動の範囲が増大される。
【0008】
図1A~1Eを参照すると、例示的な基板搬送装置100~104が例示され、以下でより詳細に説明される。基板搬送装置100~104の各々は、概して、フレーム110Fと、フレーム110Fに接続された駆動セクション110と、関節式アームであって、関節式アームが、フレーム110Fに対して枢動軸(たとえば、本明細書に記載されるショルダ軸SX)を中心に回転し、枢動軸(たとえば、ショルダ軸SX)に対して伸長および収縮するように、駆動セクション110に動作可能に接続された少なくとも1つの関節式アームリンク(たとえば、アッパーアームリンク130、またはアッパーアームリンク130およびフォアアームリンク131)を有する関節式アーム(たとえば、搬送アーム120~124などの搬送アームとも呼ばれる)と、を含む。本明細書でより詳細に説明されるように、搬送アームは、少なくとも1つの関節式アームリンクに枢動可能に取り付けられたエンドエフェクタ140、140A、140B、141、142を有して、エンドエフェクタ140、140A、140B、141、142と少なくとも1つの関節式アームリンクとの間に関節(たとえば、リスト関節336(
図3Aを参照))を形成し、エンドエフェクタ140、140A、140B、141、142がリスト軸WXを中心に少なくとも1つの関節式アームリンクに対して回転するように、アーム関節枢動軸(たとえば、リスト関節WX)が配置されている。
【0009】
搬送アーム120~124は、本明細書ではスカラアーム構成を有するものとして説明されているが、他の態様では、搬送アームは任意の適切な構成を有し得る。
図1Aを参照すると、基板搬送装置100は、搬送アーム120および駆動セクション110を含む。搬送アーム120は、(本明細書に記載されるように)駆動セクション110の出力部に連結され、回転のショルダ軸SXで駆動セクション130に回転可能に連結されたアッパーアームリンク130と、回転のエルボ軸EXでアッパーアームリンク130に回転可能に連結されたフォアアームリンク131と、回転のリスト軸WXでフォアアームリンク131に回転可能に連結された少なくとも1つの単一端エンドエフェクタ(たとえば、基板ホルダ)140と、を含む。ここで、エンドエフェクタ140は、リスト軸WXの片側に配置された単一の基板保持位置140Hを含む。他の態様では、エンドエフェクタ140は、リスト軸WXの片側に、略同じ平面に並んで配置された、または上下に積み重ねられた、2つ以上の基板保持位置を含んでもよい。一態様では、エンドエフェクタ140の回転は、たとえば、エンドエフェクタ140が搬送装置100の伸長および収縮の軸と整列されたままであるように、アッパーアームリンク130に従属させられ得る。他の態様では、エンドエフェクタ140は、リスト軸WXを中心にしたエンドエフェクタ140の回転が、アッパーアームリンク130およびフォアアームリンク131の移動から独立する(しかし回転は調整され得る)ように、駆動セクション110のそれぞれの駆動モータに連結されてもよい。
【0010】
ここで
図1Bを参照すると、基板搬送装置101は搬送装置100に略類似している。しかし、本態様では、搬送アーム101は、少なくとも2つの対向する基板保持位置140H1、140H2(たとえば、デュアルパン)を有する少なくとも1つのデュアルパンエンドエフェクタ141を含む。たとえば、エンドエフェクタ141は、エンドエフェクタ141の各々の対向する端部141E1、141E2が、少なくとも1つのそれぞれの基板保持位置140H1、140H2を有するように、リスト軸WXの対向する両側に伸長する(たとえば、基板保持位置140H1、140H2はリスト軸WXを挟んで正反対に対向させられている)。本例では、エンドエフェクタ141は、端部141E1、141E2間で非関節式である実質的に剛性のエンドエフェクタとして例示されている(ここで、リスト軸WXは端部141E1、141E2間に配置されている)。単一の基板保持ステーション140H1、140H2が、説明目的のみで各端部141E1、141E2上に例示されているが、他の態様では、端部141E1、141E2の1つまたは複数が、上下に積み重ねられて配置された、または略同じ平面に並んで配置された2つ以上の基板保持ステーションを有してもよいことも留意される。一態様では、エンドエフェクタ141の回転は、たとえば、エンドエフェクタ141が搬送装置100の伸長および収縮の軸と整列されたままであるように、アッパーアームリンク130に従属させられ得る。他の態様では、エンドエフェクタ141は、リスト軸WXを中心にしたエンドエフェクタ141の回転が、アッパーアームリンク130およびフォアアームリンク131の移動から独立する(しかし回転は調整され得る)ように、駆動セクション110のそれぞれの駆動モータに連結されてもよい。
【0011】
図1Cを参照すると、基板搬送装置101は搬送装置100に略類似している。しかし、本態様では、搬送アーム102は2つの単一端エンドエフェクタ140A、140Bを含む。ここで、単一端エンドエフェクタ140A、140Bの各々は上記のエンドエフェクタ140に略類似している。他の態様では、搬送アーム102は2つのデュアルパンエンドエフェクタを含んでもよく、ここで、デュアルパンエンドエフェクタの各々は上記のデュアルパンエンドエフェクタ141に略類似している。一態様では、エンドエフェクタ140A、140Bの各々は、他方のエンドエフェクタ140A、140Bに対してリスト軸WXを中心に独立して回転可能であり、ここで、各エンドエフェクタは、駆動セクション110のそれぞれの駆動モータに連結されている。他の態様では、エンドエフェクタ140A、140Bは、一方のエンドエフェクタ140A、140Bが回転すると、他方のエンドエフェクタ140A、140Bが同じ回転速度でリスト軸WXを中心に対向する方向に回転するように、任意の適切な方法で駆動セクションの共通の駆動モータに差動的に連結されてもよい。
【0012】
図1Dを参照すると、本態様では、搬送アーム123は、駆動セクション110に回転可能に連結されたアッパーアームリンク130と、介在するアームリンクなしでアッパーアームリンク130に回転可能に連結された少なくとも1つのエンドエフェクタ140A、140Bとを含む(すなわち、少なくとも1つのエンドエフェクタ140A、140Bはアッパーアームリンク130に直接連結されている)。本例では、アッパーアームリンク130は、ショルダ軸SXとリスト軸WXとの間の実質的に非関節式のリンクである。少なくとも1つのエンドエフェクタ140A、140Bの各々は上記のエンドエフェクタ140、140A、140Bに略類似し得る。2つの単一端エンドエフェクタ140A、140Bは例示目的のみで例示されているが、他の態様では、搬送アーム123は1つのみの単一端エンドエフェクタ140を有し得る。さらに他の態様では、基板搬送アーム123は、上記のデュアルパンエンドエフェクタ141に略類似した1つまたは複数のデュアルパンエンドエフェクタを含んでもよい。ここで、エンドエフェクタの各々は、(駆動セクションのそれぞれの駆動モータなどによって)アッパーアームリンク130に対して独立して回転可能であり得る。
【0013】
図1Eを参照すると、基板搬送装置104は搬送アーム120に略類似した搬送アーム124を含むが、本態様では、搬送アーム120は少なくとも1つの並置パンエンドエフェクタ142を含む。本例では、並置パンエンドエフェクタ142は2つの並んだ(たとえば、デュアルパン)基板保持位置140S1、140S2を含むが、他の態様では、2つを超える並んだ基板保持位置が存在し得る。並んだ基板保持位置は、上述したように、略同じ平面に配置される。並んだ基板保持位置140S1、140S1により、本明細書に記載されるように、並んだ基板保持ステーションへ/から基板を略同時にピッキングおよび配置する。
【0014】
図1A~2Eを参照すると、たとえば半導体ツールステーション200~203などの処理装置が、開示された実施形態の態様に従って示されている。半導体ツールステーションが図面に示されているが、本明細書に記載される開示された実施形態の態様は、任意のツールステーションまたはロボットマニピュレータを利用するアプリケーションに適用することができる。示される例では、ツールステーション200、202、203はクラスタツールとして示されているが、開示された実施形態の態様は、たとえば、開示全体が引用により本明細書に組み込まれる、2013年3月19日に発行された「Linearly Distributed Semiconductor Workpiece Processing Tool」と題された米国特許第8,398,355号明細書、および2011年3月8日に発行された「Apparatus and Methods for Transporting and Processing Substrates」と題された米国特許第7,901,539号明細書に記載されるものなどの、線形ツールステーションなどの、任意の適切なツールステーションに適用され得る。ツールステーション200~203は、概して、大気フロントエンド211、真空ロードロック212、および真空バックエンド213を含む。他の態様では、ツールステーションは任意の適切な構成を有し得る。フロントエンド211、ロードロック212、およびバックエンド213の各々の構成要素は、たとえば、クラスタ化アーキテクチャ制御などの任意の適切な制御アーキテクチャの一部であり得るコントローラ299に接続され得る。制御システムは、開示全体が引用により本明細書に組み込まれる、2011年3月8日に発行された「Scalable Motion Control System」と題される米国特許第7,904,182号明細書に開示されるものなどの、マスタコントローラ、クラスタコントローラ、および自律リモートコントローラを有する閉ループコントローラであり得る。他の態様では、任意の適切なコントローラおよび/または制御システムが利用されてもよい。
【0015】
図2Aを参照すると、一態様では、フロントエンド211は、概して、ロードポートモジュール220、およびたとえば、機器用フロントエンドモジュール(EFEM)などの、ミニエンバイロメント221を含む。ロードポートモジュール220は、300mmのロードポートのためのSEMI規格E15.1、E47.1、E62、E19.5またはE1.9、450mmのロードポート、前面開口部または底面開口のボックス/ポッドおよびカセットのためのSEMI規格に準拠するボックスオープナ/ローダーとツール間のスタンダード(BOLTS)インターフェースであり得る。他の態様では、ロードポートモジュール220は、200mm、300mm、および/または450mmの基板もしくはウエハのインターフェース、または、たとえば、より大きいもしくはより小さい基板またはフラットパネルディスプレイ用のフラットパネルなどの任意の他の適切な基板インターフェースとして構成されてもよい。
図2Aには3つのロードポートモジュールが示されているが、他の態様では、任意の適切な数のロードポートモジュールが、フロントエンド211に組み込まれてもよい。ロードポートモジュール220は、オーバーヘッド搬送システム、無人搬送車、有人搬送車、有軌道式無人搬送車から、または任意の他の適切な搬送方法から、基板キャリアまたはカセット250を受けるように構成され得る。ロードポートモジュール220は、ロードポート240を介してミニエンバイロメント221とインターフェース接続し得る。ロードポート240によって、基板カセット250とミニエンバイロメント221との間の基板の通行が可能になり得る。ミニエンバイロメント221は、概して、本明細書に記載される開示された実施形態の1つまたは複数の態様を組み込み得る任意の適切な大気移送ロボット222を含む。一態様では、ロボット222は、たとえば、開示全体が引用により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,002,840号明細書に記載されるものなどの軌道搭載型ロボットであり得る。ミニエンバイロメント221は、複数のロードポートモジュール間の基板転送のための制御された清浄な区域を提供し得る。
【0016】
真空ロードロック212は、ミニエンバイロメント221とバックエンド213との間に配置され、それらに接続され得る。なお、本明細書で使用されるような真空という用語が、基板が処理される10-5Torr以下などの高真空を意味し得る。ロードロック212は、概して、大気および真空のスロットバルブを含む。スロットバルブは、大気フロントエンドから基板を積載した後にロードロックを排気するために、および窒素などの不活性ガスを用いてロードロックを通気するときに搬送チャンバ内を真空に維持するために利用される環境分離を提供し得る。ロードロック11010(またはミニエンバイロメント221)はまた、処理のための所望の位置に基準の基板を整列させるためのアライナを含み得る。他の態様では、真空ロードロックは、処理装置の任意の適切な場所に配置され、任意の適切な構成を有してもよい。
【0017】
真空バックエンド213は、概して、搬送チャンバ214、1つまたは複数のタンデム処理ステーション230(たとえば、共通のハウジング内に配置された少なくとも2つの基板保持ステーションを備えた処理ステーション)、および本明細書に記載される開示された実施形態の1つまたは複数の態様を含み得る任意の適切な真空移送ロボット280を含む。移送ロボット280は、ロードロック212とさまざまな処理ステーション230との間で基板を搬送するために移送チャンバ214内に配置され得る。処理ステーション230は、さまざまな沈着、エッチング、または他のタイプのプロセスを介して基板上で動作して、基板上に電気回路または他の所望の構造を形成し得る。典型的なプロセスは、限定されないが、プラズマエッチングまたは他のエッチングプロセスなどの真空を使用する薄膜プロセス、化学蒸着(CVD)、プラズマ蒸着(PVD)、イオン注入などの注入、計測、ラピッドサーマルプロセス(RTP)、ドライストリップ原子層蒸着(ALD)、酸化/拡散、窒化物の形成、真空リソグラフィー、エピタキシー(EPI)、ワイヤボンダおよび蒸発、または真空圧を使用する他の薄膜プロセスを含む。処理ステーション230は、基板を、搬送チャンバ214から処理ステーション230に、またはその逆に通過させることを可能にするために、搬送チャンバ214に接続される。本態様では、処理ステーション230は各々、2つの並んだ基板保持ステーションを有するものとして例示されているが、
図2Bに例示されるものなどの他の態様では、処理ステーション230Aは単一の基板保持ステーションを有し得、ここで、処理ステーション230Aは並んで配置されている。
【0018】
依然として
図2Aを参照すると、上記のように、搬送チャンバ214は、対向する処理ステーション230の2つの列を形成するように、各側面に沿って配置された(他の態様では、3つより多いまたは少ない処理ステーションが側面の各々に配置され得る)処理ステーション230のうちの3つを備えた長手方向に伸長された長方形構成を有する。なお、基板搬送装置100が、例示目的のみで、少なくとも部分的に
図2Aの搬送チャンバ214内に例示され(たとえば、駆動ハウジング322の一部が、搬送チャンバ214の密閉された雰囲気の外側に配置され得る)、搬送チャンバ214が、搬送装置100~104のいずれか1つを含み得る。一例として、
図2Eは、搬送装置104が少なくとも部分的に中に配置された搬送チャンバ214を例示している。
【0019】
図2Bに例示されるものなどの他の態様では、(搬送チャンバ214に略類似している)搬送チャンバ214Aは、搬送チャンバの各ファセットに(ロードロック212を含む)2つの基板保持ステーションが連結された多面的な6面構成を有する。上述したように、および
図2Bに例示されるように、処理ステーション230は各々、その中に単一の基板保持ステーションを有し、搬送チャンバ214の異なるファセット上に対で配置されている。他の態様では、2つの基板保持ステーションを有する(
図2Aに示されるものなどの)処理ステーション230は、
図2Bにおいて搬送チャンバ214の異なるファセット上に配置されてもよい。なお、基板搬送装置101が、例示目的で、少なくとも部分的に
図2Bの搬送チャンバ214A内に例示され、搬送チャンバが、搬送装置100~104のいずれか1つを含み得る。
【0020】
図2Cを参照すると、
図2Aの搬送チャンバ214に類似した搬送チャンバ214Bが例示されている。しかし、搬送チャンバ214Bは、(1つまたは複数の)ロードロック212の反対側の搬送チャンバ214Bの長手方向端部に処理ステーション230を含む。理解され得るように、タンデム単一処理ステーション230のいずれか1つは、
図2Bの処理ステーション230Aのうちの2つと置き換えられ得る。なお、基板搬送装置102が、例示目的で、少なくとも部分的に
図2Cの搬送チャンバ214B内に例示され、搬送チャンバ214Bが、搬送装置100~104のいずれか1つを含み得る。
【0021】
図2Dを参照すると、
図2Aの搬送チャンバ214に略類似した搬送チャンバ214Cが例示されているが、搬送チャンバ214Cは、2つの基板保持ステーションを搬送チャンバ214Cの4つの側面の各々に連結することができる、実質的に正方形の構成を有する。
図2Dに示される例では、処理ステーション230および処理ステーション230Aの両方が、搬送チャンバ214Cのそれぞれの側面に連結されている。ここで、処理ステーションが(1つまたは複数の)ロードロック212の反対側の搬送チャンバ214Cの側面に連結されるよりもむしろ、搬送チャンバ214Cが、搬送チャンバ214、214A、214B、214Cのいずれか1つに略類似し得る別の搬送チャンバ214Xに連通可能に連結されるように、(1つまたは複数の)他のロードロック212Aが搬送チャンバ214Cに連結され得る。このようにして、基板処理ツール203は、任意の適切な数の搬送チャンバおよび処理ステーションを含むように線形に伸長され得る。なお、基板搬送装置103が、例示目的で、少なくとも部分的に
図2Dの搬送チャンバ214C内に例示され、搬送チャンバが、搬送装置100~104のいずれか1つを含み得る。
【0022】
図3Aおよび3Bを参照すると、基板搬送装置320が例示されている。基板搬送装置320は、概して、上記の基板搬送装置100~104(および搬送装置222)の各々を例示するものである。理解され得るように、上記のロボット搬送装置100~104、222の各々は、少なくとも1つのトルクトランスミッションバンドによって駆動される少なくとも1つのアームリンクを含み得る。たとえば、搬送アーム120~124は、所定の減速比を有する駆動プーリ342およびアイドラプーリ344と、駆動プーリ342およびアイドラプーリ344を接続する少なくとも1つのバンド350、351とを備える駆動バンドトランスミッション390であって、それぞれ伸長399または収縮398のエンドエフェクタストロークを介してエンドエフェクタ140、140A、140B、141、142を移動させる搬送アーム120~124を伸長および収縮させる駆動バンドトランスミッション390を有する。伸長ストローク399および収縮ストローク389の各々は、搬送アーム120~124を伸長または収縮させ、(たとえば、
図2Aに例示される)対応するエンドエフェクタストロークを介してエンドエフェクタ140、140A、140B、141、142を移動させるアーム運動ストロークとして言及され得る。以下でより詳細に説明されるように、少なくとも1つのバンド350、351は、(少なくとも1つのバンド350、351が接続されている)プーリ342、344(すなわち、接続されたプーリ)のうちの少なくとも1つの周りに巻かれ、そして、少なくとも1つのバンド350、351は、それ自体に対して(またはその上に)重ねられ(たとえば、
図4B、4C、7、9B、10B、13、16を参照)、そして、トランスミッションは、エンドエフェクタのエンドエフェクタ中間ストロークの回転位置MID(
図2A)からエンドエフェクタの最大ストロークの回転位置MAX(
図2A)までの約+/-180°を超える、リスト軸WXを中心にした、少なくとも1つの関節式アームリンク(たとえば、アッパーアームリンク326またはフォアアームリンク328)に対する、エンドエフェクタ140、140A、140B、141、142の回転RRを生成する。一態様では、最大伸長ストローク(最大ストロークの回転位置MAX(
図2A)など)と最大収縮ストロークMAXR(
図2A)との間の140、140A、140B、141、142からのエンドエフェクタの回転RRは、少なくとも約+/-300°である(およびいくつかの態様では約+/-360°を超える)。
【0023】
図3Aおよび3Bに例示されるように、本明細書に記載されるものなどのロボット搬送装置における使用のための例示的なトルクトランスミッションバンド構成が、本明細書に記載される搬送装置のいずれか1つの典型であるロボット搬送装置320に関する開示された実施形態の態様に従って例示されている。
図3Aおよび3Bで見られるように、ロボット搬送装置320は、一態様では駆動ハウジング322を形成する、任意の適切なフレーム110Fに取り付けられた搬送アーム324を含むが、他の態様では、駆動ハウジング322は任意の適切な方法でフレーム110Fに連結される。一態様では、搬送アーム324は、スカラアームであり得、近位端および遠位端を有するアッパーアーム326と、近位端および遠位端を有するフォアアーム328と、1つまたは複数の基板を上に保持するように構成された少なくとも1つの基板支持体またはエンドエフェクタ330を含み得る。アッパーアーム326の近位端は、ショルダ関節332でベース322に回転可能に接続されている。フォアアーム328の近位端は、エルボ関節334でアッパーアーム326の遠位端に回転可能に接続されている。1つまたは複数の基板支持体330は、リスト関節336でフォアアーム328の遠位端に回転可能に接続され得る。本明細書に例示されるスカラアームに加えて、開示された実施形態の態様で利用され得るアーム構成の他の例としては、限定されないが、開示全体が引用により本明細書に組み込まれる、2008年5月8日に出願された「Substrate Transport Apparatus with Multiple Movable Arms Utilizing a Mechanical Switch Mechanism」と題される米国特許出願番号第12/117,415号、および2013年2月11日に出願された「Substrate Processing Apparatus」と題される国際特許出願番号PCT/US2013/025513に記載されるアーム構成の他に、2019年12月2日に出願され、「Substrate Processing Apparatus」と題された、米国仮特許出願番号第62/942,544号に記載される「デュアルヨー」移送アーム、またはベルトおよび/またはバンドが、駆動セクション内に配置されているかどうか(たとえば、シャフト配置を駆動させる並んだモータの場合と同様)および/またはアームリンク内に配置されているかどうかにかかわらず、搬送アームの操作のためにトルクを1つのプーリから別のプーリに伝達するためのベルトおよび/またはバンドを使用する、任意の他の適切な搬送アームが挙げられる。開示された実施形態の態様が適用され得るトルクトランスミッションバンドの適切な例としては、開示全体が引用により本明細書に組み込まれる、2014年8月26日に出願され、「Substrate Transport Apparatus」と題された、米国特許出願番号第14/469,260号、1998年7月14日に発行され、「Robotic Joint Using Metallic Bands」と題された、米国特許第5,778,730号明細書、および1997年11月4日に発行され、「Robotic Joint Using Metal Bands」と題された、米国特許第5,682,795号明細書に記載されるものが挙げられ得る。
【0024】
駆動ハウジング322は、それぞれの駆動シャフトを駆動させるように構成された1つまたは複数のサーボまたはモータ370M、371Mを含み得る。搬送駆動ハウジング322は、上記のものなどの任意の適切な大気または真空ロボット搬送に利用され得る。駆動セクション110は、少なくとも1つの駆動シャフト339、340が少なくとも部分的に中に配置された駆動ハウジング322を含み得る。理解され得るように、2つまたは3つ以上の駆動シャフトが存在する場合、駆動シャフトは、同軸または並んだ配置などの任意の適切な配置を有し得る。2つの駆動シャフト339、340が
図3Aに例示されているが、他の態様では、駆動セクション110は任意の適切な数の駆動シャフトを含み得る。駆動シャフト339、340は、開示全体が引用により本明細書に組み込まれる、2012年10月9日に発行された「Robot Drive with Magnetic Spindle Bearings」と題された米国特許第8,283,813号明細書および2011年8月30日に発行された「Substrate Processing Apparatus with Motors Integral to Chamber Walls」と題された米国特許第8,008,884号明細書に記載される方法などの任意の適切な方法で、駆動ハウジング322内に機械的に支持され得るか、または(たとえば、実質的に非接触で)磁気的に懸架され得る。駆動セクション110の各駆動シャフト339、340は、それぞれのモータ370M、371Mによって駆動され得、ここで、各モータはステータSTATおよびロータROTを含む。本明細書に記載される駆動モータが、永久磁石モータ、可変リラクタンスモータ(対応するコイルユニットを備えた少なくとも1つの突極および透磁性材料の少なくとも1つの突極を有する少なくとも1つのそれぞれのロータを有する)、または任意の他の適切な駆動モータであり得ることが留意される。(1つまたは複数の)ステータは、少なくとも部分的に駆動ハウジング322内に固定され得、(1つまたは複数の)ロータは、任意の適切な方法で、それぞれの駆動シャフト339、340に固定され得る。一態様では、(1つまたは複数の)ステータSTATは、(1つまたは複数の)搬送アーム324が任意の適切な隔離壁またはバリアの利用を介して動作する雰囲気から密閉されている「外部」または「非密閉」環境((1つまたは複数の)搬送アームが動作する雰囲気が、本明細書では、真空または任意の他の適切な環境であり得る「密閉」環境と呼ばれる)に配置され得、一方で、(1つまたは複数の)ロータROTは密閉環境内に配置される。本明細書で使用されるような「隔離壁」という用語が、ロボットドライブおよび/または(ドライブに関連づけられた)センサの可動部品とロボットドライブおよび/またはセンサの対応する固定部品との間に配置され得る、任意の適切な非強磁性材料から作られた壁を指し得ることが留意される。ここで、第1の駆動シャフト339は、ショルダ関節332を中心にしたアッパーアーム326の回転を駆動させるために、モータ370M、371Mの1つに駆動的に接続され得る。(本態様では第1の駆動シャフトと同心である)第2の駆動シャフト340は、エルボ関節334を中心にしたフォアアーム328の回転を駆動させるために、モータ370M、371Mのもう1つに駆動的に接続され得る。アームリンクの各々(たとえば、アッパーアーム、フォアアーム、および/またはエンドエフェクタ)を駆動させるためのモータ370M、371Mが、任意の適切な方法で、ロボット搬送装置320の基板ピッキングおよび基板配置の操作を制御するためのコントローラ11091などの任意の適切なコントローラに接続され得ることが留意される。
【0025】
図3Aおよび3Bで見られるように、第1のプーリ342が、たとえば、ショルダ関節332で駆動シャフト340に接続され、それにより、駆動シャフト340が回転すると、第1のプーリ342は駆動シャフト340と共に回転する。第2のプーリ344が、たとえば、エルボ関節334で(たとえば、任意の適切なベアリングB1を使用して)シャフトS1に回転可能に取り付けられ、(アッパーアーム326に固定され得る)シャフト354などによって、任意の適切な方法でフォアアーム328に接続され、それにより、第2のプーリ344が回転すると、フォアアーム328は第2のプーリ344と共に回転する。理解され得るように、第1のプーリおよび第2のプーリは、一態様で、プーリが同じ直径または異なる直径を有し得る(たとえば、駆動プーリが従動プーリより小さいか、またはその逆である)ように、互いに対して任意の適切な直径(たとえば駆動比)を有し得る。また理解され得るように、第1のプーリ342および第2のプーリ344は、それぞれ、駆動プーリおよび従動プーリであり得る。第2のプーリ342は、1つまたは複数のトルクトランスミッションバンド350(2つのトルクトランスミッションバンド350、351が
図3Aおよび3Bに例示されている)などによって、任意の適切な方法で第1のプーリ342に連結され得る。トルクトランスミッションバンドは、トルクを第1のプーリ342から第2のプーリ344に伝達することができる任意の適切な材料で構成され得る。一態様では、トルクトランスミッションバンドは、任意の適切な金属で構成された金属バンドであり得る。
【0026】
上記のように、トルクトランスミッションバンド350、351は、二重の対向するバンドを形成し、ここで、各トルクトランスミッションバンドの少なくとも一端は、それ自体に対して重ねられて、たとえば、上記のものなどの従来の搬送アームと比較して、より大きな関節角度の回転をもたらす。
図4A~4Cは、
図3Aの駆動または第1のプーリ342および従動または第2のプーリ344に関する例示的なバンドおよびプーリの構成を例示しているが、
図4A~4Cに例示されているバンドおよびプーリの配置が、本明細書に記載される搬送装置の任意のバンドおよびプーリの配置の典型であり得ることが留意される。
図4Aで見られるように、プーリ442、444の各々は、略円形の構成を有するが、他の態様では、以下でより詳細に説明されるように、プーリはカム付き円周プロファイルを有してもよい。また理解され得るように、プーリ442、444は、実質的に1:1の駆動比を有するものとして例示されているが、他の態様では、本明細書で留意されるように任意の適切な駆動比が提供され得る。各プーリ442、444は、プーリ対を備え得、上部プーリ部分442T、444Tおよび下部プーリ部分442B、444Bを含み得る。いくつかの態様では、上部プーリ部分442T、444Tは、それぞれの下部プーリ部分442B、444Bとは別個で異なり、ここで、上部プーリ部分442Tは下部プーリ部分442Bの上に積み重ねられて、プーリ442を形成し、上部プーリ部分444Tは下部プーリ部分444Bの上に積み重ねられて、プーリ444を形成する。別個で異なる上部プーリ部分および下部プーリ部分を有することで、単一のモノリシックプーリの周りのそれぞれの対向するバンドの両方の巻き付けと比較して、それぞれのプーリ部分の周りの対向するバンドの巻き付けが容易になり得る。理解され得るように、積み重ねられた上部プーリ部分442T、444Tおよびそれぞれの下部プーリ部分442B、444Bは、上部プーリ部分442T、444Tおよびそれぞれの下部プーリ部分442B、444Bの両方が、それぞれの回転軸を中心に互いにユニットとし回転し、単一のモノリシックプーリとして作用するように互いに連結され得る。積み重ねられた上部プーリ部分442T、444Tおよびそれぞれの下部プーリ部分442B、444Bではまた、たとえば、プーリの各レベルで実質的に反対のカムプロファイルを有する二重レベルの単一のモノリシックプーリの製造コストと比較して、非円形プーリなどに伴う製造コストが削減され得る。
【0027】
依然として
図4A~4Cを参照すると、トルクトランスミッションバンド350、351は、プーリ342、344の周りに連続的な円形ベルトを形成しなくてもよい。むしろ、トルクトランスミッションバンド350の一端は、第1のプーリ342の周りに少なくとも部分的に(たとえば、時計回り方向に)巻かれ、取り付けられ得、一方で、トルクトランスミッションバンド350の他端は、第2のプーリ344の周りに少なくとも部分的に(たとえば、反時計回り方向に)巻かれ、取り付けられ得る。トルクトランスミッションバンド350の端部は、本明細書でより詳細に説明されるように、ピンまたは任意の他の適切な取り外し可能または取り外し不可能な化学的または機械的な留め具などを用いて、任意の適切な方法でそれぞれのプーリ342、344に取り付けられ得る。トルクトランスミッションバンド350に略類似した第2のトルクトランスミッションバンド351は、トルクトランスミッションバンド350に関して上記した方法に略類似した方法で、その端部がプーリ342、342に取り付けられ得るが、トルクトランスミッションバンド351がプーリ342、344の周りに巻かれる方向は、逆にされ得る(たとえば、トルクトランスミッションバンド351の一端はプーリ342の周りに反時計回り方向に巻かれ、トルクトランスミッションバンド351の他端はプーリ344の周りに時計回り方向に巻かれる)。このデュアルトルクトランスミッションバンド構成では、どちらのトルクトランスミッションバンドも緩むことがないように、両方のトルクトランスミッションバンド350、351を一定の張力下に置く。
【0028】
上述したように、各トルクトランスミッションバンド350、351の少なくとも一端は、それ自体に対して重ねられるため、トランスミッションは、エンドエフェクタ(または他の関節式アームリンク)の中間ストロークの回転位置MID(
図2A)からエンドエフェクタ(または他の関節式アームリンク)の最大ストロークの回転位置MAX(
図2A)までの約180°を超えるそれぞれの関節枢動軸を中心にした、別の関節式アームリンクに対する、エンドエフェクタ(またはバンド/プーリのトランスミッションによって回転駆動される他の関節式アームリンク)の回転を生成する。プーリ342などのプーリ上に重ねられているバンド351などのバンドは、
図4Bおよび4Cにおいて、重なりを明確にするために強調されたバンドピッチと共に例示されている。
図4Bおよび4Cで見られるように、開示された実施形態のいくつかの態様では、少なくとも1つのバンド350、351は、バンドラップ(band wrap)がそれぞれのプーリ上でそれ自体の上に螺旋状になるように重ねられる。それぞれのプーリへのバンド351(または本明細書に記載される他のバンド)の重なりを促進するために、バンド351とプーリ342との間の連結は、(本明細書でより詳細に説明されるように)プーリ342の外周バンド着座面PSS(
図4C)からプーリの内部に移動させられ得、ここで、
図4Cで見られるように、バンド351の端部351Eが、バンド通路BPを通ってプーリ342の内部に入る。
【0029】
再び
図3Aおよび3Bを参照すると、理解され得るように、基板支持体330は、たとえば、本明細書に記載されるトルクトランスミッションバンドおよびプーリトランスミッションなどの任意の適切なトランスミッションを使用して従属させられ得、それにより、基板支持体330の長手方向軸330Xが、ロボットアーム324の伸長および収縮の軸と整列させられたままになる。たとえば、
図3Bを参照すると、第1のプーリ342’は、シャフトS1に固定され、少なくとも部分的にフォアアーム328内に伸長し得る。第2のプーリ344’は、任意の適切なベアリングB2を使用して、(フォアアーム328に固定され得る)シャフトS2などのリスト関節336に回転可能に取り付けられ得る。第2のプーリ344’は、第2のプーリ344’が回転するとエンドエフェクタ330が第2のプーリ344’と共に回転するように、シャフト354’などを用いて任意の適切な方法でエンドエフェクタ330に接続され得る。フォアアーム328とアッパーアーム326との間の相対運動が第2のプーリ344’の回転を引き起こし、それによって順に、アッパーアームおよびフォアアームに対してエンドエフェクタ330を回転させ、それにより、エンドエフェクタの長手方向軸330Xが伸長および収縮の軸と整列したままになるように、トルクトランスミッションバンド350、351に略類似したトルクトランスミッションバンド350’、351’によって第1のプーリ342’を第2のプーリ344’に連結し得る。他の態様では、フォアアームに関して本明細書に記載された方法に略類似した方法で、リスト関節336を中心にした基板支持体330の回転を駆動させるために、第3のモータおよび駆動シャフトがロボット搬送装置320に追加されてもよい。
【0030】
理解され得るように、再び
図3Aを参照すると、基板ホルダ330は、両側エンドエフェクタ(たとえば、エンドエフェクタの回転軸またはリスト関節の対向する両側に1つまたは複数の基板を保持することができるエンドエフェクタ)として例示されているが、他の態様では、本明細書に記載される搬送アームの基板ホルダは、たとえば、片側エンドエフェクタ、バッチエンドエフェクタ(たとえば、積み重ねられてまたは並んで2つ以上の基板を保持することができるエンドエフェクタ)またはそれらの組み合わせなどの任意の適切な構成を有し得る。また理解され得るように、搬送アーム324のアッパーアーム326およびフォアアーム328のリンクは、バンドおよびプーリによって生成された粒子がアームリンクの外側に移送されないように搬送アームが動作する環境から、アームリンクの内部を密閉またはそうでなければ隔離するための任意の適切なカバーC1、C2を有し得る。
【0031】
ここで
図3Cを参照すると、理解され得るように、本明細書に記載されるロボット搬送装置の任意の適切なアームリンクは、本明細書に記載されるものなどのトルクトランスミッションバンドによって従属および駆動され得る。たとえば、再び本明細書に記載される搬送装置のいずれか1つを例示し、表し得る、
図3Cに例示されるロボット搬送装置は、第1またはアッパーアームリンク1721と第1のアームリンク1721に回転可能に取り付けられた第2またはフォアアームリンク1722とを有するアーム1720を含む。アームリンクは、上記の駆動セクション110に略類似し得る任意の適切な駆動セクション1700によって駆動され得る。本態様では、駆動セクション1700は、各々がそれぞれの駆動モータ(図示されないが、各モータは
図3Aおよび3Bに関して上記したものに略類似し得る)によって駆動される内側駆動シャフト1262、中間駆動シャフト1261、および外側駆動シャフト1260を有する同軸駆動シャフト構成を含む。外側駆動シャフト1260は、外側駆動シャフト1260が回転すると第1のアームリンク1721も共に回転するように、(ショルダ軸SXと同軸であり得る)駆動回転軸Xを中心に第1のアームリンク1721に連結され得る。第2のアームリンク1722は、たとえば、ベースアーム1720が伸長および収縮させられる(たとえば、単一の駆動モータがアーム1720の伸長および収縮を引き起こす)と、第2のアームリンク1722のショルダ軸SXが略直線経路に沿って移動するように制約されるように、駆動セクション1700(または任意の他の適切な位置)のハウジング1701に従属され得る。たとえば、第1のプーリ1780は、駆動回転軸Xと略同心円状に取り付けられ得、たとえば、第1のプーリ1780が第1のアームリンク1721に対して回転可能に固定されるように、任意の適切な方法で駆動セクション1700(または搬送装置の任意の他の適切な部分)のハウジング1701に接地され得る。他の態様では、第1のプーリ1780は、任意の適切な方法で回転可能に固定されてもよい。従属されたまたは第2のプーリ1783が、任意の適切なベアリングEXBなどによって、任意の適切な方法でアーム1720のエルボ軸EXに回転可能に取り付けられ得る。第2のプーリ1783は、たとえば、第2のプーリ1783が回転すると第2のアームリンク1722も共に回転するように、シャフト1763によって第2のアームリンク1722に連結され得る。プーリ1780、1783は、本明細書に記載されるものなどのトルクトランスミッションバンド1791などによって、任意の適切な方法で互いに連結され得る。一態様では、プーリ1780、1783は、プーリのいずれかの端部で終端された少なくとも2つのトルクトランスミッションバンドで互いに連結され得、その後、上記のように緩みおよびバックラッシュを実質的に排除するために互いに対して張力をかけられ得る。他の態様では、プーリ780、783を連結するために、任意の適切なトランスミッション部材が使用されてもよい。
【0032】
本態様では、外側シャフト1271および内側シャフト1270を有する同軸スピンドル(駆動シャフト構成)が、第2のアームリンク1722のショルダ軸SXに配置され得る。外側シャフト1271は、たとえば、任意の適切な方法で中間駆動シャフト1261によって駆動され得る。たとえば、プーリ1781は、駆動シャフト1261が回転するとプーリ1781も共に回転するように、中間駆動シャフト1261に連結され得る。アイドラプーリ1784が、エルボ軸EXを中心にした回転のために第1のアームリンク1721内に配置され得る。アイドラプーリ1784は、アイドラプーリ1784が回転するとシャフト1765も共に回転するように、シャフト1765に連結され得る。シャフト1765およびプーリ1784は、任意の適切なベアリングEXBなどを用いて任意の適切な方法で支持され得る。アイドラプーリ1784は、本明細書に記載されるものに略類似した任意の適切なトランスミッション1790などを介して任意の適切な方法でプーリ1781に連結され得る。第2のアイドラプーリ1787も、プーリ1784と1787とが一斉に回転するように、第2のアームリンク1722内のシャフト1765に連結され得る。ショルダプーリ1789が、シャフト1271とショルダプーリ1789とが一斉に回転するように、シャフト1271に連結され得る。第2のアイドラプーリ1787は、本明細書に記載されるものに略類似した任意の適切なトランスミッション1794などを介して、任意の適切な方法でショルダプーリ1789に連結され得る(たとえば、ここで、アイドラプーリ1787はショルダプーリ1789に関する駆動プーリと呼ばれ、ショルダプーリ1789はプーリ1787に関するアイドラプーリと呼ばれ得る)。一態様では、トランスミッション1794の少なくとも1つのバンドは、プーリ1789の周りにそれ自体に対して重ねられる。
【0033】
同軸スピンドルの内側シャフト1270は、たとえば、任意の適切な方法で内側駆動シャフト1262によって駆動され得る。たとえば、プーリ1782は、駆動シャフト1262が回転するとプーリ1782も共に回転するように、内側駆動シャフト1262に連結され得る。アイドラプーリ1785が、エルボ軸EXを中心にした回転のために第1のアームリンク1721内に配置され得る。アイドラプーリ1785は、アイドラプーリ1785が回転するとシャフト1764も共に回転するように、シャフト1764に連結され得る。シャフト1764およびプーリ1785は、任意の適切なベアリングEXBなどを用いて任意の適切な方法で支持され得る。アイドラプーリ1785は、本明細書に記載されるものに略類似した任意の適切なトランスミッション1792などを介して任意の適切な方法でプーリ1782に連結され得る。第2のアイドラプーリ1786も、プーリ1785と1786とが一斉に回転するように、第2のアームリンク1722内のシャフト1764に連結され得る。ショルダプーリ1788は、シャフト1270とショルダプーリ1788とが一斉に回転するように、内側シャフト1270に連結され得る。第2のアイドラプーリ1786は、本明細書に記載されるものに略類似した任意の適切なトランスミッション1793などを介して、任意の適切な方法でショルダプーリ1788に連結され得る(たとえば、ここで、アイドラプーリ1786はショルダプーリ1788に関する駆動プーリと呼ばれ、ショルダプーリ1788はプーリ1786に関するアイドラプーリと呼ばれ得る)。一態様では、トランスミッション1793の少なくとも1つのバンドは、プーリ1788の周りにそれ自体に対して重ねられる。
【0034】
プーリ1780~1789の1つまたは複数が、本明細書に記載されるものに略類似し得ることが留意される。たとえば、いくつかの態様では、プーリ1780~1789の1つまたは複数は、円形または非円形の形状を有し得る。いくつかの態様では、プーリ1780~1789の1つまたは複数は、一緒に連結されて積み重ねられたまたは対になったプーリを形成する、上部プーリ部分および下部プーリ部分を有し得る。理解され得るように、トランスミッション1790~1794のバンドは、本明細書に記載される方法でそれ自体に対して重ねられるように、それぞれの連結されたプーリの1つまたは複数の周りに巻かれ得る。
【0035】
理解され得るように、一態様では、(本明細書に記載されるものなどの)任意の適切な(1つまたは複数の)エンドエフェクタEE1、EE2は、プーリ1788、1789の回転により、(1つまたは複数の)エンドエフェクタEE1、EE2が関節枢動軸(たとえば、リスト軸WX)を中心に回転するように、任意の適切な方法でシャフト1270、1270に取り付けられ得る。ここで、エンドエフェクタの各々は、互いに対する関節枢動軸(たとえば、リスト軸WX)を中心にした独立した回転のために、それぞれのプーリ1788、1789に別々に接続される。
【0036】
別の態様では、アーム1720が、開示全体が引用により前に本明細書に組み込まれた、「Substrate Processing Apparatus」と題され、2013年2月11日に出願された、国際特許出願番号PCT/US2013/025513に記載されるように、移送アーム1214を、たとえば、細長い搬送チャンバに通して搬送するための「ブーム」または「ベース」タイプのアームとして構成されるように、任意の適切な移送アーム1214(たとえば、任意の適切な数のアームリンクおよびエンドエフェクタを有する、本明細書に記載されるものなど)がシャフト1270、1270に取り付けられ得る。たとえば、
図3Dを参照すると、自動化モジュールまたは移送モジュール2030が、開示された実施形態の態様に従って例示され、ここで、基板が、基板のシングルタッチで自動化モジュール2030を介して処理ツールモジュール2025、2026、2040間で移送される。処理ツールモジュールは、自動化モジュール2030のポート2030P1~2030P6などを介して任意の適切な方法で(たとえば、並んで、上下に積み重ねられて、および/または他の任意の適切な配置で)自動化モジュール2030に連結され得る。自動化モジュール2030は移送ロボット2080を含む。一態様では、移送ロボット2080は、上記のものに略類似し得る駆動セクション2081を含み得る。ブームまたはベースアーム2082Bが駆動セクション2081に回転可能に取り付けられ得、1つまたは複数のそれぞれの基板ホルダ2083を有する1つまたは複数のマルチリンクアーム2082が、ショルダ軸SXでベースアーム2082Bに回転可能に取り付けられ得る。駆動セクション2081は、(1つまたは複数の)アーム2082が、矢印の方向2400に(たとえば、自動化モジュール2030および/または真空トンネルの長手方向軸に沿って)、また基板を自動化モジュール2030の両側面に移送するための矢印の方向2401に基板を移送することができるように、(1つまたは複数の)アーム2082および(1つまたは複数の)エンドエフェクタ2083をユニットとしてショルダ軸SXを中心に回転させるように構成され得る。理解され得るように、ベースアーム2082Bは、1つまたは複数のマルチリンクアーム2082およびそれらのエンドエフェクタを自動化モジュール2030の長さに沿って方向2400に搬送するために軸BXを中心に回転させることができる。
【0037】
再び
図3Cを参照すると、本明細書に記載される搬送装置のいずれか1つまたは複数は、任意の適切なZ軸駆動部1203を含み得る。Z軸駆動部1203は、移送アームを、搬送アームの伸長/収縮の軸に略垂直な方向1799に移動させるように構成され得る。
【0038】
再び
図4A~4Cを参照すると、開示された実施形態の態様は、バンドが接続されているプーリの少なくとも1つの周りを、1回転を超えて巻くための各バンドを提供する。バンド351がそれ自体に対して重ねられるようにプーリ342の周りに1回転を超えて巻かれたバンド351の例が、
図4Bおよび4Cに概略的に例示されており、本明細書に記載される他のバンドが、
図4A~4Cに関して記載される方法に略類似した方法で、それぞれのプーリの周りを巻き得る。また上述のように、プーリ342、344(プーリが2個のプーリである場合には上部および下部342T、342B、344T、344Bを含む)は、略円形の構成を有するものとして例示されているが、他の態様では、プーリは、プーリの回転角度に基づくカム付き円周プロファイル(たとえば、非円形プーリを形成する可変直径)を有し得、それにより、運動出力(たとえば、プーリの周りからのバンドの解放/展開)および運動入力(たとえば、プーリの周りのバンドの取り入れ/巻き)が、(たとえば、プーリの周りのバンドラップによって形成され得る階段状のプーリ表面上のバンドの移動によって引き起こされる振動の誘発を実質的に最小限に抑えるように)スムーズになる。一態様では、プーリのカム付き円周プロファイルは、対向するバンドにおける定常状態または略一定の張力およびプーリ間の定常状態または(たとえば、約1%未満の変動を有する)略一定の駆動比を維持する(本明細書でより詳細に記載されるような)コンペンセータを形成し得る。たとえばプーリ342、344(プーリが2個のプーリである場合には上部および下部342T、342B、344T、344Bを含む)などのプーリの1つまたは複数が非円形プーリである場合、プーリ342、344間の駆動比は可変駆動比であり得る。必要に応じて、駆動比の任意の変動性はコントローラ299によって解決され得、ここで、可変駆動比は、コントローラ299によってモデル化され、補償され得る(たとえば、解消され得る)(たとえば、コントローラは、駆動比レゾルバを形成するか、またはそうでなければ含む)。たとえば、非円形プーリまたはスプロケットは、開示全体が引用により本明細書に組み込まれる、「Noncircular Drive」と題された、1989年9月12日に発行された、米国特許第4,865,577号明細書に記載されている。ロボットハンドリング装置の当業者は、米国特許第4,865,577号明細書に基づいて、本明細書に記載される搬送アームおよびロボットのモーションコントロールに関して当業者に知られているものの可変駆動比をモデル化し、対応するモーションコントロールを生成する方法を理解するであろうから、モデル化およびモーションコントロールの生成についてのさらなる議論が本明細書から省略される。理解され得るように、共通のバンドに連結されている本明細書に記載されるプーリはいずれも、本明細書に記載されるような可変駆動比を有し得る一方で、他の態様では、略一定の駆動比を有し得る。
【0039】
また
図4Dを参照すると、いくつかの態様では、プーリ(プーリ342など)の外周バンド着座面PSSおよびバンド(バンド351など)は湾曲され得る(たとえば、
図4Dで凹状の湾曲が例示されているが、他の態様において、湾曲は凸状であってもよい)。外周バンド着座面PSSおよびバンドにおけるこの湾曲は、プーリの軸方向477におけるバンドの軸方向滑りを実質的に防止するように、プーリに対するバンドの自己追跡/位置合わせを容易にし得る。
【0040】
図4A、4C、5A、5B、6、および7を参照して、プーリへのバンドの1つの例示的な連結が、開示された実施形態の態様に従って説明される。なお、バンド351と上部プーリ部分342Tとの間の接続が例示目的のみで記載され、本明細書に記載される接続が、本明細書に記載されるプーリ/プーリ部分およびバンドのいずれに対しても利用され得ることが留意される。プーリが非円形である場合などのいくつかの態様では、各下部プーリ部分が、プーリの周りの対向するバンドラップの長さの変化を考慮するために、本明細書に記載されるそれぞれの上部プーリ部分に略類似しているが、逆手であり得ることも留意される。
図4A、4C、5A、および7に見られるように、上部プーリ部分342Tは、外周バンド着座面PSSから上部プーリ部分342Tの(たとえば、外周バンドの内部に位置する)内部の開口510まで伸長するバンド通路BPを含む。バンド通路BPは、内壁BPW1(たとえば、プーリの中心に最も近いバンド通路BPの側)および外壁BPW2(たとえば、外周バンド着座面PSSに最も近いバンド通路BPの側)を有するように、上部プーリ部分342Tに形成される。バンド通路BPは、外周バンド着座面PSSに開口しており、それにより、内壁BPW1は、外周バンド着座面PSSからバンド通路BPへのバンド351のスムーズな移行を提供するように、外周バンド着座面PSSに実質的に接している。バンド通路BPは、円弧状経路に沿って開口510に伸長し、ここで、バンド通路BPと外周バンド着座面PSSとの間の距離は、円弧状経路に沿って開口510に向かって増加する。
【0041】
図5Aに見られるように、バンド通路BPは、開口510に開口しており、それにより、バンド351の端部351E1は、少なくとも部分的に開口510内に伸長する。バンド351の端部351Eはリテーナ開口600を含む。プーリ542は、バンド351のリテーナ開口600を通って伸長するようにバンド通路BPおよび開口510の1つまたは複数の少なくとも一部を横切って交差する方向に伸長する、リテーナ部材530(
図5B、6および7)を受容するように構成された、交差開口501を含む(
図5B、6、および7を参照)。バンド端部351Eが少なくとも部分的に開口510に挿入され、リテーナ部材530が交差開口501およびリテーナ開口600の両方を通って伸長すると、バンド351は、リテーナ部材530がバンド351の端部351Eを上部プーリ部分342Tに固定するため、バンド通路から引き抜かれることが実質的に防止される。リテーナ部材530は、バンド351が本明細書に記載されるように対向するバンド350に対して張力がかけられている場合などに、少なくともバンド351によってリテーナ部材530に加えられる張力によって所定の位置に保持され得る。リテーナ部材530は、ピン、クリップ、ボルトなどの任意の適切なリテーナであり得る。
【0042】
図7に見られるように、バンド351が、プーリ342の外周バンド着座面PSSに着座されている状態からそれ自体に着座される状態に移行する(すなわち、バンドラップがそれ自体を包み、包まれた(内側)バンドラップは、内側バンドラップに着座された(プーリ軸に対して半径方向の)外側バンドラップを有する)、バンド通路BPの出口750において、バンドラップ層の間に形成されるステップが実質的にないように、バンド通路BPは、バンド351の幅620(
図6も参照)よりもわずかに大きい内壁BPW1と外壁BPW2との間の幅700を有している。バンド通路BPの出口750でのこの実質的にステップのない移行によって、バンド351を支持し、上部プーリ部分342Tからのバンド351の巻き付きおよび巻き付き解除によって生成され得る振動のレベルを、本明細書に記載されるように実質的に一定のレベルで実質的に維持する。本態様では、バンド通路BPおよび/または開口510は、放電加工(EDM)などの任意の適切な方法で形成され得る。いくつかの態様では、開口510は省略され得る。外周バンド着座面PSSが、任意の適切な円形または非円形のプロファイルを有するように、研削、フライス加工などによって形成され得ることが留意される。
【0043】
図8A、8B、および8Cを参照して、プーリへのバンドの別の例示的な連結が、開示された実施形態の態様に従って説明される。バンド351と上部プーリ部分342Tとの間の接続が例示目的のみで記載され、本明細書に記載される接続が本明細書に記載されるプーリ/プーリ部分およびバンドのいずれかと共に利用され得ることが留意される。プーリが非円形である場合などのいくつかの態様では、各下部プーリ部分が、プーリの周りの対向するバンドラップの長さの変化を考慮するために、本明細書に記載されるそれぞれの上部プーリ部分に略類似しているが、逆手であり得ることも留意される。本態様では、上部プーリ部分342Tは、本体800と、外周バンド着座面PSSを形成するように任意の適切な方法で本体800に連結されているクランプ部分810とを含む。一態様では、本体800はクランプ連結面850を含み、クランプ部分810は、本体800およびクランプ部分810が互いに連結されたときにクランプ連結面850と実質的に接触する嵌合本体連結面851を含む。たとえば、クランプ部分810は、任意の適切な留め具820(たとえば、ボルト、ねじなど)およびアライメント特徴部821(たとえば、ピン、溝など)を使用して本体800に連結され、それにより、クランプ部分810は、繰り返し可能な方法で(たとえば、クランプ部分810が本体800に連結されるたびに略同じ空間的関係で)本体800から連結解除および連結され得る。本体800は開口830を含み得、外周バンド着座面PSSに留め具用の穴/突起がないままであるように、開口830を通って留め具820がアクセスされ得る。
【0044】
本態様では、バンド通路BPは、本体800とクランプ部分810との間に形成され、少なくとも部分的にクランプ連結面850および嵌合本体連結面851の1つまたは複数に沿って伸長する。
図8Aに示される例では、バンド通路BPは嵌合本体連結面851に形成されるが、他の態様では、バンド通路は、クランプ連結面850に形成されるか、またはクランプ連結面850および嵌合本体連結面851の両方に形成され得る。本態様では、バンド351の端部351Eは、留め具用のクリアランス開口890およびリテーナ開口600を含み得る。本態様では、アライメント特徴部821の1つまたは複数は、リテーナ開口600を通って、バンド351の端部351Eを上部プーリ部分342Tに固定するが、留め具820は、留め具用のクリアランス開口890に実質的に接触しない。他の態様では、バンド351は、クランプ部分810と本体800との間の圧縮(たとえば、摩擦)によって上部プーリ部分342Tに固定され得る。他の態様では、バンド351は、任意の適切な方法で上部プーリ部分342Tに固定され得る。
【0045】
上記の方法に類似した方法で、バンド通路BPは、バンド351の幅620(
図6も参照)よりもわずかに大きいかまたは略等しい、内壁BPW1と外壁BPW2(内壁BPW1は本体800によって形成され、外壁BPW2はクランプ部分810によって形成されている)との間の幅700を有し、それにより、バンド351が、(たとえば、
図7に示す方法に類似した方法で)プーリ342の外周バンド着座面PSSに着座されている状態からそれ自体に着座される状態に移行する、バンド通路BPの出口750において、バンドラップ層の間に形成されるステップが実質的にない。バンド通路BPの出口750でのこの実質的にステップのない移行によって、バンド351を支持し、上部プーリ部分342Tからのバンド351の巻き付きおよび巻き付き解除によって生成され得る振動のレベルを、本明細書に記載されるように実質的に一定のレベルで実質的に維持する。本態様では、バンド通路BPおよび外周バンド着座面PSSは、たとえば、クランプ部分810が本体800に連結されて、任意の適切な方法で形成され得る。一態様では、バンド通路BP、開口830、および/または外周バンド着座面PSSは、放電加工によって形成され得る。他の態様では、外周バンド着座面PSSは、任意の適切な円形または非円形のプロファイルを有するように、研削、フライス加工などによって形成され得る。
【0046】
図9A、9B、および11を参照して、プーリへのバンドの別の例示的な連結が、開示された実施形態の態様に従って説明される。バンド351と上部プーリ部分342Tとの間の接続が例示目的のみで記載され、本明細書に記載される接続が本明細書に記載されるプーリ/プーリ部分およびバンドのいずれかと共に利用され得ることが留意される。プーリが非円形である場合などのいくつかの態様では、各下部プーリ部分が、プーリの周りの対向するバンドラップの長さの変化を考慮するために、本明細書に記載されるそれぞれの上部プーリ部分に略類似しているが、逆手であり得ることも留意される。本態様では、プーリ342(および上部プーリ部分342T)は、
図4A~7に関して上記したものに略類似し得るが、本態様では、プーリは、上部プーリ部分342Tの内部に、バンド通路BPに沿って方向920に移動可能であるバンドテンショナ900を含む(下部プーリ部分342Bは同様の方法でバンドテンショナを含む)。本態様では、バンドテンショナ900は、少なくとも部分的にバンド通路BPが開口する開口910内に配置されている。ここで、(バンド351の端部351Eにおいてリテーナ開口600を通って伸長する)リテーナ部材530は、バンドテンショナ900と共に方向920に移動するようにバンドテンショナ900における凹部930内に伸長する。理解され得るように、リテーナ部材530はバンド351の端部351Eを通って伸長するため、バンド351の端部351Eもまた、バンド351における張力を締めたり緩めたりするようにベルトテンショナ900と共に方向920に移動する。
【0047】
バンドテンショナ900は、任意の適切な方法で方向920に移動させられ得る。たとえば、ウェッジまたは他の適切なスペーサ(
図12Bおよび12Cのウェッジ1086に略類似している)は、バンドテンショナ900の側面940と開口910の対向する壁941との間で駆動させられて、バンドテンショナ900を方向920に移動させ、バンド351における張力を増加させ得る。他の態様では、バンドテンショナ900は、ねじジャッキ機構1210と連結させられ得る(
図12Aを参照-下部プーリ部分が同様のねじジャッキ機構を含み得ることが留意される)。ここで、ねじジャッキ機構1210は、上部プーリ部分342Tに(対して移動しないように)固定されているベース1212を含む。ベース1212は、ねじジャッキ1211が挿入されるねじ山付き開口を含む。ねじジャッキは、バンドテンショナ900およびバンド350の端部351Eを方向920に引っ張ってバンド351における張力を増加させる(または他の態様では、バンドテンショナ900およびバンド350の端部351Eを押圧するようにバンドテンショナ900の側面940に対して締め付けられる)ように、(ねじジャッキとバンドテンショナとの間の軸方向の移動を制限しながら、バンドテンショナ900に対するねじジャッキの回転を可能にするクリップなどを用いて)バンドテンショナ900に固定され得る。
【0048】
図10A、10B、および11を参照して、プーリへのバンドの別の例示的な連結が、開示された実施形態の態様に従って説明される。バンド351と上部プーリ部分342Tとの間の接続が例示目的のみで記載され、本明細書に記載される接続が本明細書に記載されるプーリ/プーリ部分およびバンドのいずれかと共に利用され得ることが留意される。プーリが非円形である場合などのいくつかの態様では、各下部プーリ部分が、プーリの周りの対向するバンドラップの長さの変化を考慮するために、本明細書に記載されるそれぞれの上部プーリ部分に略類似しているが、逆手であり得ることも留意される。本態様では、プーリ342(および上部プーリ部分342T)は、
図4A~7に関して上記したものに略類似し得るが、本態様では、上部プーリ部分342Tは、バンド通路BPよりもむしろ、バンド侵入開口BAを含む。バンド侵入開口BAは、放電加工と比較して、鋳造、鍛造、フライス加工などの従来の機械加工プロセスによって形成され得る(しかし、侵入開口BAを形成するために放電加工が使用されてもよい)。
図10Aおよび10Bに見られるように、侵入開口は、バンド351の幅620よりも実質的に大きい。侵入開口BAは、バンド連結支持面1010と共に形成され得、バンド連結支持面1010は、外周バンド着座面PSSとバンド連結支持面1010との間のスムーズな(たとえば、接線方向の)移行を形成するように、外周バンド着座面PSSから接線方向に離れる。本態様では、上部プーリ部分342Tは、上部プーリ部分342Tの内部にバンドテンショナ900を含む(下部プーリ部分342Bは、同様の方法でバンドテンショナを含む)。バンドテンショナ900は、上記のものに略類似しており、バンド351の端部351Eが開口910内で方向920に移動して、上記のようにバンド351の張力を増加または減少させるように、上記の方法に類似した方法で方向920に移動させられ得る。バンドがプーリ上(本明細書に記載されるまたは本明細書に記載される
図16~18Aに例示される態様での非円形またはカム付きの駆動プーリ上など)でそれ自体に重ならない場合などの一態様では、バンドテンショナは、
図12Bおよび12Cに示されるように(または示されるものに類似した)バンドアンカーポイント1200に組み込まれ得る。本態様では、各バンドアンカーポイント1200は、ピン1062が取り付けられているベース1084を含む。それぞれのバンドの端部は孔(たとえば、リテーナ開口600)を含み、孔を通ってピン1062のスポーク1080が突出する。バンドをスポーク1080に固定するために、保持ばねクリップ1082、または他の適切なリテーナが、スポーク1080に取り付けられている(保持ばねクリップ構成がまた上記のリテーナ530に関して利用され得、ここで、クリップが、バンドと開口510、910の壁との間で開口510、910を介してリテーナ530に設置されることが留意される)。スポーク1080はベース1084から突出しており、バンドの取り付け位置を提供する。他の態様では、スポーク1080は、プーリ/プーリ部分の円周方向の縁または側面から直接突出し得る。一態様では、バンドセグメントにおける孔は、スポーク1080よりもわずかに大きく、保持ばねクリップ1082は、バンドをしっかりと保持しないため、バンドは自由にスポーク1080を中心に枢動する。一態様では、ベース1084は、ピン1062の位置調整を提供し、それによって、バンドの張力を調整するための調整可能なベースである。たとえば、ねじ1086は、プーリ/プーリ部分における閾値開口部に入り、プーリ/プーリ部分に隣接する締め付けウェッジ1088を保持する。締め付けウェッジ1088の一方の面は、ベース1084の対角面1090と係合する。バンドにおける張力を増大させるために、ねじ1086が締められ、締め付けウェッジ1088を矢印Aの方向に押し下げる。これにより、ウェッジ1088を対角面1090に押し付け、それによって、ベース1084を矢印Bの方向に摺動させる。逆に、バンドにおける張力を低下させるために、ねじ1086は緩められる。他の態様では、バンドは、任意の適切な方法で、本明細書に記載される搬送アームのプーリ/プーリ部分および他のプーリに連結されてもよい。バンドアンカーポイントの適切な例は、開示全体が引用により本明細書に組み込まれる、1998年7月14日に発行された米国特許第5,778,730号明細書に見られ得る。
【0049】
図3C、13A、13B、14、および15を参照すると、一態様では、開示された実施形態は、螺旋状のプーリトランスミッションのペアのセットを含み、そのプロファイル(たとえば、従動側および駆動側)は、駆動比およびバンド張力の変化が、重ねられたバンドのマルチラッピング効果の結果として最小化されるように、一意に決定することができる。入力トランスミッションの設計変数には、(限定されないが)バンドの厚さ、公称駆動比、プーリ間の距離、およびバンドの曲げ半径が含まれる。たとえば、トルクトランスミッション(たとえば、トランスミッション1794などであり、これらは上記のトルクトランスミッションのいずれかに略類似し得る)は、(上記のものに略類似した)二重の対向するバンド1300、1301を含み、バンド1300、1301は、所定の減速比で、エンドエフェクタストロークの端から端まで(
図2Aの位置MAXRとMAXとの間など)の約360°を超えるエンドエフェクタの回転の(関節式アームリンク1722に対する)関節枢動軸またはリスト軸WXを中心にした(上記のエンドエフェクタ140、140A、140B、141、142に類似し得る)エンドエフェクタEE1、EE2の回転を提供する、プーリ1787、1789のうちの少なくとも1つの上での巻き付き形状を有する。トランスミッション1794およびプーリ1787、1789が例示目的で使用される一方で、本明細書に記載される他のトランスミッションおよびそれぞれのプーリがいずれも、トランスミッション1794およびプーリ1787、1789と同様に構成され得ることが留意される。
【0050】
二重の対向するバンド1300、1301の巻き付き形状は、バンドに接続されたプーリ1787、1789のうちの少なくとも1つの共通の回転のための、それぞれの対向するバンド1030、1301の非対称の巻き付きおよび巻き付き解除の速度をもたらす(本例では、プーリ1787、1789の両方が非対称の巻き付きおよび巻き付き解除の速度を示す)。バンドの非対称の巻き付きおよび巻き付き解除を補償するために、対向するバンド1300、1301によって互いに接続されたプーリ1787、1789の少なくとも1つの別のプーリ1787、1789が、エンドエフェクタストロークの全体にわたって、対向するバンド1300、1301の各バンド1300、1301に対する略一定の張力を維持するように、それぞれの対向するバンド1300、1301の非対称の巻き付きおよび巻き付き解除を補償するように配置されたコンペンセータにより構成されている。本明細書に記載されるように、コンペンセータは、別のプーリ1787、1789の共通の回転のために、プーリ1787、1789のうちの少なくとも1つに対するそれぞれの対向するバンド1300、1301の非対称の巻き付き速度および巻き付き解除速度に相応する、別のプーリ1787、1789に対するそれぞれの対向するバンド1300、1301の非対称の巻き付き解除速度および巻き付き速度を生成する幾何学的形状を有している。
【0051】
本態様では、プーリ1787は、上記のプーリ部分342T、342Bに略類似し得る上部プーリ部分1787Tおよび下部プーリ部分1787Bを含む。上部プーリ部分1787Tおよび下部プーリ部分1787Bの各々は、それぞれの対向するバンド1300、1301の各々のためのカムローブ1370、1371を備えた非円形プーリプロファイルを有し、ここで、それぞれの非円形プロファイルのそれぞれのカムローブ1370、1371は、プーリ1789の非対称の巻き付き速度および巻き付き解除速度のためのコンペンセータを形成する。それぞれの非円形プーリプロファイルのそれぞれのカムローブ1370、1371は、コンペンセータの幾何学的形状を画定する角度(
図13Aおよび13Bを参照)だけ位相外のプーリ周辺部に配置されている(たとえば、上部プーリ部分1787Tのカムローブ1371の開始/終了は、たとえば、軸EXに対する下部プーリ部分1787Bのカムローブ1370の開始/停止に対して異なる回転角にある)。ここで、カムローブ1370、1371の各々は、以下でより詳細に説明されるように、それぞれのカム付き外周バンド着座面PSS1T、PSS1Bを含む。
【0052】
同様に、プーリ1789は、上記のプーリ部分342T、342Bに略類似し得る上部プーリ部分1789Tおよび下部プーリ部分1789Bを含む。本態様では、上部プーリ部分1789Tおよび下部プーリ部分1789Bの各々は、それぞれの対向するバンド1300、1301の各々のためのカムローブ1372、1373を備えた非円形プーリプロファイルを有し、ここで、それぞれの非円形プロファイルのそれぞれのカムローブ1372、1373は、プーリ1787の非対称の巻き付き速度および巻き付き解除速度のためのコンペンセータを形成する。それぞれの非円形プーリプロファイルのそれぞれのカムローブ1372、1373は、コンペンセータの幾何学的形状を画定する角度(
図13Aおよび13Bを参照)だけ位相外のプーリ周辺部に配置されている(たとえば、上部プーリ部分1789Tのカムローブ1372の開始/終了は、たとえば、軸EXに対する下部プーリ部分1789Bのカムローブ1373の開始/停止に対して異なる回転角にある)。ここで、カムローブ1372、1373の各々は、以下でより詳細に説明されるように、それぞれのカム付き外周バンド着座面PSS2T、PSS2Bを含む。
【0053】
カム付き外周バンド着座面PSS1T、PSS1B、PSS2B、PSS2Bは、少なくとも部分的に、それらのそれぞれのプーリの周りの二重の対向するバンド1300、1301の巻き付き形状を画定する。一態様では、巻き付き形状は、中間ストローク(たとえば、
図2Aの位置MIDなど)からエンドエフェクタストローク(たとえば、少なくとも360°の回転RRに対する
図2Aにおける位置MAX、MAXRなど)のいずれかの端までの略180°を超えるエンドエフェクタEE1、EE2の回転RRを提供し、いくつかの態様では、回転RRは、中間ストロークから約+/-300°を超えるか、または約+/-360°を超える。一態様では、カム付き外周バンド着座面PSS1T、PSS1B、PSS2B、PSS2Bは、(プーリが、鋳造、鍛造、機械加工されるときなどに)それぞれのプーリと一体的に形成され得る。他の態様では、カム付き外周バンド着座面PSS1T、PSS1B、PSS2B、PSS2Bは、少なくともトランスミッションの従動側の「犠牲バンドラップ」などで、それぞれのプーリ上に形成されてもよい。犠牲バンドラップは、バンド張力の変動を低減し、摩耗を低減し、および/または粒子生成を低減し得る。
【0054】
本例では、プーリ1789はアイドラまたは従動プーリ(そこにエンドエフェクタEE1またはEE2が接続されている)と呼ばれ得、プーリ1787は駆動プーリと呼ばれ得る。上述のように、アイドラプーリ1789は非円形プーリである。アイドラプーリ1789は、バンド1300、1301がアイドラプーリ1789に巻き付けられ、アイドラプーリ1789から送り出される際に、少なくとも1つのバンド1300、1301が着座する、非円形の半径方向周辺部(
図13Aおよび13Bを参照)を備えたバンド着座面(たとえば、上部プーリ部分1789Tおよび下部プーリ部分1789Bのそれぞれのカム付き外周バンド着座面PSS2T、PSS2B)を有する。駆動プーリ1787もまた、バンド1300、1301が駆動プーリ1787に巻き付けられ、駆動プーリ1787から送り出される際に、少なくとも1つのバンド1300、1301が着座する、非円形の半径方向周辺部(
図13Aおよび13Bを参照)を備えたバンド着座面(たとえば、上部プーリ部分1787Tおよび下部プーリ部分1787Bのそれぞれのカム付き外周バンド着座面PSS1T、PSS1B)を有する非円形プーリである。提供された例では、アイドラプーリおよび駆動プーリの両方は非円形であるが、他の態様では、アイドラプーリは円形であり、駆動プーリは非円形であり得るか、またはその逆であり得る。アイドラプーリ1789および駆動プーリ1787のプーリプロファイル(たとえば、それぞれの上部プーリ部分1787T、1789Tおよび下部プーリ部分1787B、1789Bのそれぞれのカム付き外周バンド着座面PSS1T、PSS1B、PSS2T、PSS2B)は、エンドエフェクタの伸長および収縮のストロークの全体にわたって各々の回転方向でアイドラプーリ1789と駆動プーリ1787との間の略一定の減速比を維持するように巻き付く、および巻き付き解除する、それぞれの対向するバンド1300、1301に係合する。
【0055】
図3C、13Aに見られるように、プーリ1787の上部プーリ部分1787Tおよび下部プーリ部分1787Bは、上下に積み重ねられ、軸EXを中心に一斉に回転するように互いに連結される。上部プーリ部分1787Tおよび下部プーリ部分1787Bのカム付き外周バンド着座面PSS1T、PSS1Bのプロファイルは、上部バンド1300および下部バンド1301がそれぞれの上部プーリ部分1787Tおよび下部プーリ部分1787Bによって送り出されるまたは巻き取られる速度の差を補償するように、互いに対して配置されている。同様に、プーリ1789の上部プーリ部分1789Tおよび下部プーリ部分1789Bは、上下に積み重ねられ、軸WXを中心に一斉に回転するように互いに連結される。
【0056】
上部プーリ部分1789Tおよび下部プーリ部分1789Bのカム付き外周バンド着座面PSS2T、PSS2Bのプロファイルは、上部バンド1300および下部バンド1301がそれぞれの上部プーリ部分1789Tおよび下部プーリ部分1789Bによって送り出されるまたは巻き取られる速度の差を補償するように、互いに対して配置されている。たとえば、積み重ねられたプーリ部分1787T、1787Bは、カム付き外周バンド着座面PSS1T、PSS1Bが逆手になるように、互いに対して配置され得る。たとえば、プーリ部分1787Tが、カム付き外周バンド着座面PSS1Tのより小さな半径部分からバンド1030を送り出す/巻き付き解除する(または巻き取る/巻き付ける)とき、プーリ部分1787Bは、
図13Aおよび13Bに示されるように、カム付き外周バンド着座面PSS1Bのより大きな半径部分からバンド1301を送り出す/巻き付き解除する(または巻き取る/巻き付ける)。同様に、積み重ねられたプーリ部分1788T、1789Bは、カム付き外周バンド着座面PSS2T、PSS2Bが逆手になるように、互いに対して配置され得る。たとえば、プーリ部分1789Tが、カム付き外周バンド着座面PSS2Tのより小さな半径部分からバンド1030を送り出す/巻き付き解除する(または巻き取る/巻き付ける)とき、プーリ部分1789Bは、
図13Aおよび13Bに示されるように、カム付き外周バンド着座面PSS2Bのより大きな半径部分からバンド1301を送り出す/巻き付き解除する(または巻き取る/巻き付ける)。
図13Aにおいて、バンド1300が、プーリ部分1787Tの周りに巻き付けられ、プーリ部分1789Tから巻き付きを解除され、一方で、バンド1301が、プーリ部分1789Bの周りに巻き付けられ、プーリ部分1787Bから巻き付きを解除されるように例示されていること、および
図13Aにおいて、バンド1300が、プーリ部分1787Tから巻き付きを解除され、プーリ部分1789Tに巻き付けられ、一方で、バンド1301が、プーリ部分1789Bから巻き付きを解除され、プーリ部分1787Bに巻き付けられるように例示されていることが留意される。
【0057】
カム付き外周バンド着座面PSS1T、PSS1B、PSS2T、PSS2Bのプロファイルは、上部プーリ部分1787T、1789Tおよび下部プーリ部分1787B、1789Bのそれぞれの1つに巻かれた上部バンドおよび下部バンドのそれぞれの長さを決定するように、以下の式を使用して決定され得る。
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
上記の式[1]~[3]において、Lはそれぞれのプーリ部分の周りに巻かれたバンドの長さであり、D
0はカム付き外周バンド着座面PSS1の最小直径であり、D
1はカム付き外周バンド着座面PSS1の最大直径であり、φ
0はカムプロファイルが開始する(所定の基準位置からの)角度であり、φ
1はカムプロファイルが終了する(所定の基準位置からの)角度であり、hはバンドの厚さである。
図14が、非円形プーリの所与の回転角に対して非円形プーリの周りに巻かれた対向するバンドのバンド1300、1301のうちの1つの長さの差を例示する、所与の非円形プーリ(プーリ1787など)の例示的なグラフを例示していることが留意される。上述のように、この長さの差は、
図13Aおよび13Bに例示されるように、対向するバンドに連結された他のプーリ(プーリ1789など)のコンペンセータによって、非円形プーリ(プーリ1787など)からのバンド1300、1301の巻き付きおよび巻き付き解除中に「吸収される(absorbed)」または補償される。
【0062】
また
図15を参照すると、グラフが、駆動プーリ1787の角度に対するトランスミッション(
図13Aおよび13Bに例示されているトランスミッションなど)の振動周波数を例示している。グラフは、時計回り(CW)および反時計回り(CCW)の両方の回転方向における駆動プーリ(プーリ1787など)での(たとえば、バンド張力に対応する)振動周波数を例示し、(エンドエフェクタストロークの中間ストロークに一致し得る)回転の中間ストロークを特定している。
図15において、グラフは、
図10Aおよび10Bに示されるようなバンドアンカーを備えた丸型プーリ(たとえば、バンドアンカーは従来の製造技術で機械加工されている)(すなわち、グラフ上で「丸型機械加工」として特定されている);
図9Aおよび9Bに示されるようなバンドアンカーを備えた丸型プーリ(たとえば、バンドアンカーはEDMによって形成されている)(すなわち、グラフ上で「丸型EDM」として特定されている);
図10Aおよび10Bに示されるようなバンドアンカーを備えた非円形プーリ(たとえば、バンドアンカーは従来の製造技術で機械加工されている)(すなわち、グラフ上で「螺旋型機械加工」として特定されている);および
図9Aおよび9Bに示されるようなバンドアンカーを備えた非円形プーリ(たとえば、バンドアンカーはEDMによって形成されている)(すなわち、グラフ上で「螺旋型EDM」として特定されている)についてのプロットを例示している。本例では、バンドに対する張力は中間ストロークで約39Hzに設定されている。
図15に見られるように、張力はストローク全体にわたって駆動プーリで実質的に安定している。また、非円形駆動プーリおよび非円形アイドラプーリのペアが、他のプーリの組み合わせ(たとえば、丸型アイドラプーリを備えた丸型駆動プーリ、丸型アイドラプーリを備えた非円形駆動プーリ、または非円形アイドラプーリを備えた丸型駆動プーリ)と比較して、最も安定したバンド張力を提供することが留意される。
【0063】
図16を参照すると、本明細書に記載される駆動プーリおよびアイドラプーリのペアのいずれかに略類似し得る駆動プーリ1600およびアイドラ/従動プーリ1601を含む例示的なトランスミッションが例示されている。駆動プーリ1600およびアイドラプーリ1601は、本明細書に記載される対向するバンドに略類似している対向するバンド1610、1610によって互いに接続されている。例示目的のみで、駆動プーリ1600とアイドラプーリ1601との間の駆動比は約2:1であるが、任意の適切な駆動比が利用され得る。
図16に例示されるプーリおよびバンドの構成は、アイドラプーリ1601の少なくとも+/-約320°の回転をもたらすが、駆動プーリ1600は、バンド1610、1611を重ねること(たとえば、それらのラッピング)なしで回転する。ここで、アイドラプーリ1601の約+/-320°の回転は、約2:1の公称(非円形プーリのわずかに可変の駆動比に対する公称)駆動比に基づいてもたらされる。しかし、開示された実施形態の本態様が、駆動プーリ1600上のバンドラップを実質的に回避しながら、アイドラプーリの所望の角度ストロークに応じてさまざまな駆動比に拡張され得ることが留意される。
【0064】
図17Aおよび17Bを参照すると、開示された実施形態の一態様において、バンド1710、1711は、プーリの円周に沿ってバンドが重なる(すなわち、バンドがそれ自体に着座する)ことなく、それぞれのプーリ1700、1701の周りを複数回巻き付くように構成されている。本例では、プーリ1700、1701は円形プーリであり得るが、他の態様では、プーリは上記のプーリのいずれかに略類似し得る。対向するバンド1710、1711もまた上記のものに略類似しているが、本例では、バンド1710、1711の末端は、バンドの重なりなしでプーリ1700、1700の周りにバンド1710、1711を複数回巻き付けるためのタイン構成を有する。開示された実施形態の本態様は、プーリ1700、1701間の略一定の駆動比を提供し得る。
【0065】
たとえば、バンド1711は中央バンドセクション1720を含む。第1のバンドスパナセクション1721E1Bが、中央バンドセクション1720の第1の端部と一体的に形成される(または任意の適切な方法で連結される)。バンドタイン1722、1723が、第1のバンドスパナセクション1721E1Bと一体的に形成され(または任意の適切な方法で連結され)、第1のバンドスパナセクション1721E1Bから中央バンドセクション1720と反対の方向に伸長し、ここで、バンドタイン1722、1723の各々は、本明細書に記載される方法に類似した方法でプーリ1701に連結される。第2のバンドスパナセクション1721E2Bが、中央バンドセクション1720の第2の端部と一体的に形成される(または、任意の適切な方法で連結される)(すなわち、第1のバンドスパナセクション1721E1Bの反対側になる)。バンドタイン1724、1725が、第2のバンドスパナセクション1721E2Bと一体的に形成され(または任意の適切な方法で連結され)、第2のバンドスパナセクション1721E2Bから中央バンドセクション1720と反対の方向に伸長し、ここで、バンドタイン1724、1725の各々は、本明細書に記載される方法に類似した方法でプーリ1700に連結される。
【0066】
同様に、バンド1710は中央バンドセクション1740を含む。第1のバンドスパナセクション1741E1Bが、中央バンドセクション1740の第1の端部と一体的に形成される(または任意の適切な方法で連結される)。バンドタイン1742、1743が、第1のバンドスパナセクション1741E1Bと一体的に形成され(または任意の適切な方法で連結され)、第1のバンドスパナセクション1741E1Bから中央バンドセクション1740と反対の方向に伸長し、ここで、バンドタイン1742、1743の各々は、本明細書に記載される方法に類似した方法でプーリ1701に連結される。第2のバンドスパナセクション1741E2Bが、中央バンドセクション1740の第2の端部と一体的に形成される(または、任意の適切な方法で連結される)(すなわち、第1のバンドスパナセクション1741E1Bの反対側になる)。バンドタイン1744、1745が、第2のバンドスパナセクション1741E2Bと一体的に形成され(または任意の適切な方法で連結され)、第2のバンドスパナセクション1741E2Bから中央バンドセクション1740と反対の方向に伸長し、ここで、バンドタイン1744、1745の各々は、本明細書に記載される方法に類似した方法でプーリ1700に連結される。
【0067】
バンド1710のタイン1742およびタイン1743は、プーリ1701の軸方向高さに対して組み合わされたバンド端部高さ1732を形成するように、中央バンドセクション1740の高さ1733よりも高い、プーリ1701の軸方向高さに沿った距離1731だけ互いに分離されている。タイン1742、1743間の距離1731は、タイン1742、1743上の中央バンドセクション1740、1720の重なりのない、プーリ1701の周りのバンド1711の中央バンドセクション1740ならびに中央バンドセクション1720の巻き付けを提供する。同様に、バンド1710のタイン1744およびタイン1745は、プーリ1700の軸方向高さに対して組み合わされたバンド端部高さ1732を形成するように、中央バンドセクション1740の高さ1733よりも高い、プーリ1700の軸方向高さに沿った距離1731だけ互いに分離されている。タイン1744、1745間の距離1731は、タイン1744、1745上の中央バンドセクション1740、1720の重なりのない、プーリ1700の周りのバンド1710の中央バンドセクション1740ならびにバンド1711の中央バンドセクション1720の巻き付けを提供する。
【0068】
バンド1711のタイン1722およびタイン1723は、タイン1742、1743の組み合わされた高さ1732よりも高い(たとえば、各タインの高さよりも高い、およびタイン1742、1743間のスペース1731よりも大きい)距離1730だけプーリ1701の軸方向長さに沿って互いに分離されている。タイン1722、1723を距離1730だけ分離することによって、プーリ1701の周りのバンド1710のタイン1742、1743の巻き付け、ならびにプーリ1701の周りのバンド1710、1711の中央バンドセクション1720、1740の巻き付けが提供される。バンド1710上の第1のバンドスパナセクション1721E1B(そこからタイン1722、1723が伸長する)のラッピングを回避するために、第1のバンドスパナセクション1721E1Bは、タイン1742、1743が通過するチャネル1790、1791を含む。チャネル1790、1791は、チャネル1790、1791の壁が、バンド1710上のバンド1711のラッピングを実質的に防止するべく、タイン1742、1743のそれぞれ1つに実質的に接触しないように成形およびサイズ合わせされる。
【0069】
バンド1711のタイン1724およびタイン1725もまた、タイン1744、1745の組み合わされた高さ1732よりも高い(たとえば、各タインの高さよりも高い、およびタイン1744、1745間のスペース1731よりも大きい)距離1730だけプーリ1700の軸方向長さに沿って互いに分離されている。タイン1724、1725を距離1730だけ分離することによって、プーリ1700の周りのバンド1710のタイン1744、1745の巻き付け、ならびにプーリ1700の周りのバンド1710、1711の中央バンドセクション1720、1740の巻き付けが提供される。バンド1710上の第2のバンドスパナセクション1721E2B(そこからタイン1724、1725が伸長する)のラッピングを回避するために、第2のバンドスパナセクション1721E2Bもまた、タイン1744、1745が通過するチャネル1790、1791を含む。チャネル1790、1791は、チャネル1790、1791の壁が、バンド1710上のバンド1711のラッピングを実質的に防止するように、タイン1744、1745のそれぞれ1つに実質的に接触しないように成形およびサイズ合わせされる。
【0070】
図18Aおよび18Bを参照すると、開示された実施形態の態様に従って、対向するバンドおよびプーリの構成が例示されている。本態様では、バンド1800、1801は、両方のプーリ1820、1821が、実質的に互いにそれら自体の上のバンド1800、1801のラッピングなしで、バンド1800、1801の複数の回転を収容するように、プーリ1820、1821の周りに巻き付けられる。開示された実施形態の本態様はまた、プーリ1820、1821間の略一定の駆動比を提供し得る。ここで、プーリ1820、1821の少なくとも1つの軸方向長さは、プーリ間の距離1899に依存している。たとえば、バンド1800は、(リスト軸WXまたは本明細書に記載される搬送アームの任意の他の適切な軸と一致し得る)プーリ軸1821AXに沿って並置されたコイルエッジ1805、1806を有して巻かれて、バンドラップがそれ自体に並んで螺旋状になるように、少なくともプーリ1821上に重ねられる。同様に、バンド1801は、プーリ軸1821AXに沿って並置されたコイルエッジ1807、1808を有して巻かれて、バンドラップがそれ自体に並んで螺旋状になるように、少なくともプーリ1821上に重ねられる。バンド1800、1801は、プーリ1820の角ストローク全体にわたってそれら自体に重ならないように、(駆動プーリと呼ばれ得る)プーリ1820に巻かれる。他の態様では、バンド1800、1801は、プーリ1821に関する方法に類似した方法でプーリ1820の周りに巻かれてもよい。
【0071】
図18Bに見られるように、開示された実施形態の本態様は、プーリ1820を駆動させる、アームリンク1850内に別のトランスミッション1860を提供することによって、さまざまなアームリンク1850の長さに対してスケーリングされ得る。別のトランスミッション1860は、上記のトランスミッションのいずれかに略類似し得るか、または別のトランスミッション1860は、従来のシングル回転のバンドプーリトランスミッションに略類似し得る(ここで、バンドは、バンドの重なり/ラッピングなしで、シングル回転以下で、それぞれのプーリの周りに巻かれる)。ここで、別のトランスミッション1860のプーリ1822とプーリ1820との間の距離1881は、プーリ1820、1821間の距離1899を同じに保ちながら、アームリンク1850の全長に応じて増加または減少され得る。
【0072】
図19Aおよび19Bを参照すると、例示的なバンド設置固定具1900が例示されている。バンド設置固定具1900は、バンドがそれぞれのプーリの少なくとも1つの周りに複数回巻かれるようにそれぞれのプーリの周りにバンドを巻くために、それぞれのプーリの少なくとも1つに隣接するアームリンク内に提供され得るか、または他の方法で設置され得る(
図20、ブロック2000)。バンド設置固定具1900は、一対のガイドホイール1911、1912が枢動可能に取り付けられているバンドテンショナ1910を含む。ガイドホイール1911、1912は、バンドテンショナ1910によって(たとえば、任意の適切な方法で)(本明細書に記載されるプーリのいずれかに略類似し得る)プーリ1944に対して付勢される。ガイドホイール1911、1912は、巻かれているバンドの高さに対応するさまざまな高さに配置される。たとえば、ガイドホイール1911は、下部プーリ部分1944Bの周りにバンド350を巻くための高さに配置され、一方で、ガイドプーリ1912は、上部プーリ部分1944Tの周りにバンド351を巻くための高さに配置される。一態様では、ガイドホイール1911、1912の高さは、2つまたは3つ以上の積み重ねられたプーリ(
図3Cに示されるものなど)の周りにバンドを巻くように調整可能である。ガイドホイール1911、1912の各々は、それぞれのガイドホイール1911、1912を回転させるのに必要な力を増加および/または減少させる調整可能な摩擦ブレーキであり得る張力部材1911T、1912Tを含み、ここで、ガイドホイールは、実質的にガイドホイールとバンドとの間の滑りなしにそれぞれのバンド350、351と摩擦係合するように構成されている。バンド設置固定具1900はまた、プーリ1944上のそれぞれの高さにバンドを整列させる少なくとも1つのバンド高さゲージ1915を含む(
図19Aおよび19Bにおいて、バンド高さゲージ1915は、バンド351を設置するための位置に示されているが、バンド350を設置するために、別のバンド高さゲージが提供され得るか、またはバンド高さゲージ1915が、バンド350の設置のための位置1916へとプーリ1944の反対側に移動させられ得る)。バンド高さゲージ1915は、プーリとのバンドの高さの位置合わせを有効にする溝または他のアライメント特徴部を含み得る。
【0073】
たとえば、バンド351を上部プーリ部分1944Tに設置するために、バンド351は、(本明細書に記載されるバンドアンカーのいずれかに略類似し得る)バンドアンカー1966において上記の方法で上部プーリ部分1944Tに固定され得る(
図20、ブロック2010)。バンドアンカー1966は、ガイドホイール1911に隣接して配置され得る。バンド351は、上部プーリ部分1944Tとガイドホイール1911との間でバンドアンカー1966から伸長し、バンド高さゲージ1915によって所定の高さに位置合わせされる。上部プーリ部分1944Tは、任意の適切な駆動モータなどを用いて、またはたとえば、上部プーリ部分1944Tに連結されたノブ1940を使用して手動で、任意の適切な方法で(本明細書に記載されるプーリ軸のいずれか1つであり得る)軸AXを中心に巻き付き方向(方向1999など)に駆動または回転させられ得る(
図20、ブロック2020)。上部プーリ部分1944Tが巻き付き方向1999に回転させられると、ガイドホイール1911は、プーリ1944に対してバンドに張力をかける(
図20、ブロック2030)ためにバンド351に移動抵抗を提供する。所望の数のバンドラップが上部プーリ部分1944Tに提供された後、ガイドホイール1911は、上部プーリ部分1944T上のバンドラップの張力を維持する(
図20、ブロック2040)。
【0074】
たとえば、バンド350を下部プーリ部分1944Bに設置するために、バンド350は、バンドアンカー1966に関して上記した方法に略類似した方法で、任意の適切なバンドアンカーにおいて上記の方法で下部プーリ部分1944Bに固定され得る(
図20、ブロック2010)。下部プーリ部分1944Bのバンドアンカーは、ガイドホイール1912に隣接して配置され得る。バンド350は、下部プーリ部分1944Bとガイドホイール1912との間でバンドアンカーから伸長し、バンド高さゲージ1915によって所定の高さに位置合わせされる。下部プーリ部分1944Bは、任意の適切な駆動モータなどを用いて、またはたとえば、下部プーリ部分1944Bに連結された(ノブ1940に類似した)ノブを使用して手動で、任意の適切な方法で(本明細書に記載されるプーリ軸のいずれか1つであり得る)軸AXを中心に巻き付き方向(方向1998など)に駆動または回転させられ得る(
図20、ブロック2020)。下部プーリ部分1944Bが巻き付き方向1998に回転させられると、ガイドホイール1912は、下部プーリ部分1944Bに対してバンドに張力をかけるためにバンド350に移動抵抗を提供する(
図20、ブロック2030)。所望の数のバンドラップが下部プーリ部分1944Bに提供された後、ガイドホイール1912は、下部プーリ部分1944B上のバンドラップの張力を維持する(
図20、ブロック2040)。
【0075】
理解され得るように、
図19Aに示されるようにプーリ部分が上下に積み重ねられる場合、下部プーリ部分1944Bは、たとえば、ノブ1940によって回転駆動され得るように、上部プーリ部分1944Tに先行して巻き付かれ得る。ここで、上部プーリ部分および下部プーリ部分は、対向する巻き付き方向1998、1999へのバンド350、351の巻き付きを促進するために軸AXを中心に独立して回転可能である。バンド350、351が、それぞれの上部プーリ部分1944Tおよび下部プーリ部分1944Bの周りに巻かれた後、およびそれぞれのガイドホイール1911、1912によってバンドラップに張力が維持されている状態で、上部プーリ部分1944Tおよび下部プーリ部分1944Bは、軸AXを中心にユニットとして回転するように、任意の適切な方法で共にロックされ得る(
図20、ブロック2050)。
【0076】
バンド350、351の自由端は、ガイドホイール1911、1912によってバンドラップに張力が維持されている状態で、バンド350、351が上記のように互いに張力がかけられるように、任意の適切な方法でトランスミッションにおける別のプーリに固定され得る(
図20、ブロック2060)。バンド350、351は、反対側のラップで別のプーリの周りに複数の回転で巻かれる場合、バンドラップにおける張力が、反対側の巻き付きの間にプーリ1944のバンド設置固定具1910によって維持されながら、プーリ1944に関して上記した方法に略類似した方法で巻かれ得る。
【0077】
開示された実施形態の一態様によれば、例示的な方法が、
図1A-2Eおよび21に関して説明される。当該方法に従って、基板搬送装置100、101、102、103、104が提供される(
図21、ブロック2100)。エンドエフェクタ140、140A、140B、141、142は、それぞれ、関節式アーム120~124を伸長および収縮する、所定の減速比を有する駆動プーリおよびアイドラプーリと、(上記のような)駆動プーリおよびアイドラプーリを接続する少なくとも1つのバンドとを備えた(上記のような)駆動バンドトランスミッションを用いて、伸長399または収縮389のエンドエフェクタストロークを介して移動させられ(
図21、ブロック2110)、ここで、少なくとも1つのバンドは、駆動プーリおよびアイドラプーリの少なくとも1つの周りに巻かれ、そして、少なくとも1つのバンドは、それ自体に対して重ねられ、そして、所定の減速比を有するトランスミッションによって、エンドエフェクタは、エンドエフェクタのエンドエフェクタ中間ストロークの回転位置からエンドエフェクタの最大ストロークの回転位置まで(たとえば、回転RRは少なくとも約360°である)略180°を超えて関節枢動軸を中心に、少なくとも1つの関節式アームリンクに対して回転するが、他の態様では、中間ストロークからのエンドエフェクタの回転は、約+/-300°超または約+/-360°超であり得る。
【0078】
開示された実施形態の一態様によれば、例示的な方法が、
図1A~2Eおよび22に関して説明される。当該方法に従って、基板搬送装置100、101、102、103、104が提供される(
図22、ブロック2200)。エンドエフェクタ140、140A、140B、141、142は、対応するエンドエフェクタストロークを介して移動させられ(
図22、ブロック2210)、ここで、関節式アーム120~124は、関節式アーム120~124を伸長または収縮させるアーム運動ストロークを介して関節式アーム120~124を伸長および収縮させる、所定の減速比を有する駆動プーリおよびアイドラプーリと、(上記のような)プーリを接続する二重の対向するバンドとを備えた駆動バンドトランスミッションを有し、ここで、(上記のような)二重の対向するバンドは、所定の減速比で、エンドエフェクタストロークの端から端までの約360°を超えるエンドエフェクタの回転の関節枢動軸(たとえば、リスト軸WX)を中心にしたエンドエフェクタ140、140A、140B、141、142の回転を提供する、(上記のような)プーリのうちの少なくとも1つの上での巻き付き形状を有している。
【0079】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、基板搬送装置は、
フレームと、
フレームに接続された駆動セクションと、
フレームに対して枢動軸を中心に回転し、枢動軸に対して伸長および収縮するように、駆動セクションに動作可能に接続された少なくとも1つの関節式アームリンクを有する関節式アームと、を備え、
関節式アームは、少なくとも1つの関節式アームリンクに枢動可能に取り付けられたエンドエフェクタを有して、エンドエフェクタと少なくとも1つの関節式アームリンクとの間に関節を形成し、アーム関節枢動軸が、エンドエフェクタがアーム関節枢動軸を中心に少なくとも1つの関節式アームリンクに対して回転するように配置され、関節式アームは、所定の減速比を有する駆動プーリおよびアイドラプーリと、駆動プーリとアイドラプーリとを接続する少なくとも1つのバンドとを備える駆動バンドトランスミッションであって、それぞれ伸長または収縮のエンドエフェクタストロークを介してエンドエフェクタを移動させる関節式アームを伸長および収縮させる駆動バンドトランスミッションを有し、
少なくとも1つのバンドは、駆動プーリおよびアイドラプーリの少なくとも1つの周りに巻かれ、少なくとも1つのバンドは、それ自体に対して重ねられ、所定の減速比を有するトランスミッションによって、エンドエフェクタは、エンドエフェクタ中間ストロークの回転位置からエンドエフェクタストロークの最大ストロークの回転位置まで略180°を超えて関節枢動軸を中心に、少なくとも1つの関節式アームリンクに対して回転する。
【0080】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、エンドエフェクタの回転は、エンドエフェクタストロークの端から端まで約360°を超える。
【0081】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのバンドは、それ自体に対して重ねられる。
【0082】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのバンドは、バンドラップがプーリ上でそれ自体の上に螺旋状になるように重ねられる。
【0083】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのバンドは、バンドラップがそれ自体を包むように重ねられる。
【0084】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのバンドは、バンドがプーリ軸に沿って並置されたコイルエッジを有して巻かれた状態で、バンドラップがそれ自体に沿って螺旋状になるように重ねられる。
【0085】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、アイドラプーリは、アイドラプーリの回転によって関節枢動軸を中心にエンドエフェクタが回転するように、エンドエフェクタに連結される。
【0086】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのバンドは、アイドラプーリの周りにそれ自体に対して重ねられる。
【0087】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、アイドラプーリは非円形プーリである。
【0088】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、アイドラプーリは、バンドがアイドラプーリに巻き付けられ、アイドラプーリから送り出されるときに、少なくとも1つのバンドが着座する、非円形の半径方向周辺部を備えるバンド着座面を有する。
【0089】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、駆動プーリは非円形プーリである。
【0090】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、アイドラプーリおよび駆動プーリは、伸長または収縮のエンドエフェクタストロークの全体にわたって各々の回転方向でアイドラプーリと駆動プーリとの間の略一定の減速比を維持するように巻き付く、および巻き付き解除する、それぞれの対向するバンドに係合するプーリプロファイルを有する。
【0091】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、エンドエフェクタは、その上に基板保持ステーションを有する。
【0092】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、エンドエフェクタは2つ以上の基板保持ステーションを有し、2つ以上の基板保持ステーションの少なくとも2つはエンドエフェクタの対向する両端部上にある。
【0093】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、エンドエフェクタは2つ以上のエンドエフェクタを有し、その各々は、互いに対する関節枢動軸を中心にした独立した回転のために、それぞれのアイドラプーリに別々に接続されている。
【0094】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、基板搬送装置は、
フレームと、
フレームに接続された駆動セクションと、
フレームに対して枢動軸を中心に回転し、枢動軸に対して伸長および収縮するように、駆動セクションに動作可能に接続された少なくとも1つの関節式アームリンクを有する関節式アームと、を備え、
関節式アームは、少なくとも1つの関節式アームリンクに枢動可能に取り付けられたエンドエフェクタを有して、エンドエフェクタと少なくとも1つの関節式アームリンクとの間に関節を形成し、アーム関節枢動軸が、エンドエフェクタがアーム関節枢動軸を中心に少なくとも1つの関節式アームリンクに対して回転するように配置され、関節式アームは、所定の減速比を有する駆動プーリおよびアイドラプーリと、駆動プーリとアイドラプーリとを接続する二重の対向するバンドとを備える駆動バンドトランスミッションであって、関節式アームを伸長または収縮させ、対応するエンドエフェクタストロークを介してエンドエフェクタを移動させるアーム運動ストロークを介して関節式アームを伸長および収縮させる駆動バンドトランスミッションを有し、
二重の対向するバンドは、所定の減速比で、エンドエフェクタストロークの端から端までの約360°を超えるエンドエフェクタの回転の関節枢動軸を中心にしたエンドエフェクタの回転を提供する、プーリのうちの少なくとも1つの上での巻き付き形状を有している。
【0095】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、巻き付き形状は、エンドエフェクタストロークの中間ストロークからいずれかの端までの略180°を超えるエンドエフェクタの回転を提供する。
【0096】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、巻き付き形状は、プーリのうちの少なくとも1つの共通の回転のためのそれぞれの対向するバンドの非対称の巻き付き速度および巻き付き解除速度をもたらす。
【0097】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、対向するバンドによって互いに接続されたプーリのうちの少なくとも1つの別のプーリが、エンドエフェクタストロークの全体にわたって対向するバンドの各バンドに対する略一定の張力を維持するように、それぞれの対向するバンドの非対称の巻き付きおよび巻き付き解除を補償するように配置されたコンペンセータにより構成されている。
【0098】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、コンペンセータは、別のプーリの共通の回転のために、プーリのうちの少なくとも1つに対するそれぞれの対向するバンドの非対称の巻き付き速度および巻き付き解除速度に相応する、別のプーリに対するそれぞれの対向するバンドの非対称の巻き付き解除速度および巻き付き速度を生成する幾何学的形状を有している。
【0099】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、別のプーリは、それぞれの対向するバンドの各々のためのカムローブを備えたそれぞれの非円形プーリプロファイルを有し、それぞれの非円形プロファイルのそれぞれのカムローブはコンペンセータを形成する。
【0100】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、それぞれの非円形プーリプロファイルのそれぞれのカムローブは、コンペンセータの幾何学的形状を画定する角度だけ位相外のプーリ周辺部に配置される。
【0101】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、プーリのうちの少なくとも1つはアイドラプーリであり、別のプーリは駆動プーリである。
【0102】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、アイドラプーリおよび駆動プーリは、エンドエフェクタストロークの全体にわたって各々の回転方向でアイドラプーリと駆動プーリとの間の略一定の減速比を維持するように巻き付く、および巻き付き解除する、それぞれの対向するバンドに係合するプーリプロファイルを有する。
【0103】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、アイドラプーリは、バンドがアイドラプーリに巻き付けられ、アイドラプーリから送り出されるときに、少なくとも1つのバンドが着座する、非円形の半径方向周辺部を備えるバンド着座面を有する。
【0104】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、駆動プーリは非円形プーリである。
【0105】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、対向するバンドの各々は、それ自体に対して重ねられる。
【0106】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、対向するバンドの各々は、バンドラップがプーリ上でそれ自体の上に螺旋状になるように重ねられる。
【0107】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、対向するバンドの各々は、バンドラップがそれ自体を包むように重ねられる。
【0108】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、対向するバンドの各々は、バンドがプーリ軸に沿って並置されたコイルエッジを有して巻かれた状態で、バンドラップがそれ自体に沿って螺旋状になるように重ねられる。
【0109】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、プーリのうちの少なくとも1つはアイドラプーリであり、アイドラプーリは、アイドラプーリの回転によって関節枢動軸を中心にエンドエフェクタが回転するように、エンドエフェクタに連結されている。
【0110】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、対向するバンドの各々は、アイドラプーリの周りにそれ自体に対して重ねられる。
【0111】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、方法は、
基板搬送装置を提供する工程であって、基板搬送装置が、
フレームと、
フレームに接続された駆動セクションと、
フレームに対して枢動軸を中心に回転し、枢動軸に対して伸長および収縮するように、駆動セクションに動作可能に接続された少なくとも1つの関節式アームリンクを有する関節式アームと、
少なくとも1つの関節式アームリンクに枢動可能に取り付けられたエンドエフェクタであって、エンドエフェクタと少なくとも1つの関節式アームリンクとの間に関節を形成し、アーム関節枢動軸が、エンドエフェクタがアーム関節枢動軸を中心に少なくとも1つの関節式アームリンクに対して回転するように配置されている、エンドエフェクタと、を備える、工程と、
所定の減速比を有する駆動プーリおよびアイドラプーリと、駆動プーリおよびアイドラプーリを接続する少なくとも1つのバンドとを備え、関節式アームを伸長および収縮させる駆動バンドトランスミッションを用いて、それぞれ伸長または収縮のエンドエフェクタストロークを介してエンドエフェクタを移動させる工程と、を含み、
少なくとも1つのバンドは、駆動プーリおよびアイドラプーリの少なくとも1つの周りに巻かれ、少なくとも1つのバンドは、それ自体に対して重ねられ、所定の減速比を有するトランスミッションによって、エンドエフェクタは、エンドエフェクタ中間ストロークの回転位置からエンドエフェクタストロークの最大ストロークの回転位置まで略180°を超えて関節枢動軸を中心に、少なくとも1つの関節式アームリンクに対して回転する。
【0112】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、エンドエフェクタの回転は、エンドエフェクタストロークの端から端まで約360°を超える。
【0113】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのバンドは、それ自体に対して重ねられる。
【0114】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのバンドは、バンドラップがプーリ上でそれ自体の上に螺旋状になるように重ねられる。
【0115】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのバンドは、バンドラップがそれ自体を包むように重ねられる。
【0116】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのバンドは、バンドがプーリ軸に沿って並置されたコイルエッジを有して巻かれた状態で、バンドラップがそれ自体に沿って螺旋状になるように重ねられる。
【0117】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、アイドラプーリは、アイドラプーリの回転によって関節枢動軸を中心にエンドエフェクタが回転するように、エンドエフェクタに連結される。
【0118】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのバンドは、アイドラプーリの周りにそれ自体に対して重ねられる。
【0119】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、アイドラプーリは非円形プーリである。
【0120】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、アイドラプーリは、バンドがアイドラプーリに巻き付けられ、アイドラプーリから送り出されるときに、少なくとも1つのバンドが着座する、非円形の半径方向周辺部を備えるバンド着座面を有する。
【0121】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、駆動プーリは非円形プーリである。
【0122】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、アイドラプーリおよび駆動プーリは、伸長または収縮のエンドエフェクタストロークの全体にわたって各々の回転方向でアイドラプーリと駆動プーリとの間の略一定の減速比を維持するように巻き付く、および巻き付き解除する、それぞれの対向するバンドに係合するプーリプロファイルを有する。
【0123】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、エンドエフェクタは、その上に基板保持ステーションを有する。
【0124】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、エンドエフェクタは2つ以上の基板保持ステーションを有し、2つ以上の基板保持ステーションの少なくとも2つはエンドエフェクタの対向する両端部上にある。
【0125】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、エンドエフェクタは2つ以上のエンドエフェクタを有し、その各々は、互いに対する関節枢動軸を中心にした独立した回転のために、それぞれのアイドラプーリに別々に接続されている。
【0126】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、方法は、
基板搬送装置を提供する工程であって、基板搬送装置が、
フレームと、
フレームに接続された駆動セクションと、
フレームに対して枢動軸を中心に回転し、枢動軸に対して伸長および収縮するように、駆動セクションに動作可能に接続された少なくとも1つの関節式アームリンクを有する関節式アームと、
少なくとも1つの関節式アームリンクに枢動可能に取り付けられたエンドエフェクタであって、エンドエフェクタと少なくとも1つの関節式アームリンクとの間に関節を形成し、アーム関節枢動軸が、エンドエフェクタがアーム関節枢動軸を中心に少なくとも1つの関節式アームリンクに対して回転するように配置された、エンドエフェクタと、を備える、工程と、
対応するエンドエフェクタストロークを介してエンドエフェクタを移動させる工程であって、関節式アームが、所定の減速比を有する駆動プーリおよびアイドラプーリと、駆動プーリおよびアイドラプーリを接続する二重の対向するバンドとを備える駆動バンドトランスミッションであって、関節式アームを伸長または収縮させるアーム運動ストロークを介して関節式アームを伸長および収縮させる駆動バンドトランスミッションを有する、工程とを含み、
二重の対向するバンドは、所定の減速比で、エンドエフェクタストロークの端から端までの約360°を超えるエンドエフェクタの回転の関節枢動軸を中心にしたエンドエフェクタの回転を提供する、プーリのうちの少なくとも1つの上での巻き付き形状を有している。
【0127】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、巻き付き形状は、エンドエフェクタストロークの中間ストロークからいずれかの端までの略180°を超えるエンドエフェクタの回転を提供する。
【0128】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、巻き付き形状は、プーリのうちの少なくとも1つの共通の回転のためのそれぞれの対向するバンドの非対称の巻き付き速度および巻き付き解除速度をもたらす。
【0129】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、当該方法は、コンペンセータまたは別のプーリを用いて、エンドエフェクタストロークの全体にわたって対向するバンドの各バンドに対する略一定の張力を維持するように、それぞれの対向するバンドの非対称の巻き付きおよび巻き付き解除を補償する工程をさらに含む。
【0130】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、当該方法は、コンペンセータの幾何学的形状を用いて、別のプーリの共通の回転のために、プーリのうちの少なくとも1つに対するそれぞれの対向するバンドの非対称の巻き付き速度および巻き付き解除速度に相応する、別のプーリに対するそれぞれの対向するバンドの非対称の巻き付き解除速度および巻き付き速度を生成する工程をさらに含む。
【0131】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、別のプーリは、それぞれの対向するバンドの各々のためのカムローブを備えたそれぞれの非円形プーリプロファイルを有し、それぞれの非円形プロファイルのそれぞれのカムローブはコンペンセータを形成する。
【0132】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、それぞれの非円形プーリプロファイルのそれぞれのカムローブは、コンペンセータの幾何学的形状を画定する角度だけ位相外のプーリ周辺部に配置される。
【0133】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、プーリの少なくとも1つはアイドラプーリであり、別のプーリは駆動プーリである。
【0134】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、アイドラプーリおよび駆動プーリは、エンドエフェクタストロークの全体にわたって各々の回転方向でアイドラプーリと駆動プーリとの間の略一定の減速比を維持するように巻き付く、および巻き付き解除する、それぞれの対向するバンドに係合するプーリプロファイルを有する。
【0135】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、アイドラプーリは、バンドがアイドラプーリに巻き付けられ、アイドラプーリから送り出されるときに、少なくとも1つのバンドが着座する、非円形の半径方向周辺部を備えるバンド着座面を有する。
【0136】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、駆動プーリは非円形プーリである。
【0137】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、対向するバンドの各々は、それ自体に対して重ねられる。
【0138】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、対向するバンドの各々は、バンドラップがプーリ上でそれ自体の上に螺旋状になるように重ねられる。
【0139】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、対向するバンドの各々は、バンドラップがそれ自体を包むように重ねられる。
【0140】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、対向するバンドの各々は、バンドがプーリ軸に沿って並置されたコイルエッジを有して巻かれた状態で、バンドラップがそれ自体に沿って螺旋状になるように重ねられる。
【0141】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、プーリのうちの少なくとも1つはアイドラプーリであり、アイドラプーリは、アイドラプーリの回転によって関節枢動軸を中心にエンドエフェクタが回転するように、エンドエフェクタに連結されている。
【0142】
開示された実施形態の1つまたは複数の態様によれば、対向するバンドの各々は、アイドラプーリの周りにそれ自体に対して重ねられる。
【0143】
前述の説明が、開示された実施形態の態様の例示にすぎないことを理解されたい。開示された実施形態の態様から逸脱することなく、当業者によってさまざまな代替および修正が企図され得る。したがって、開示された実施形態の態様は、本明細書に添付された任意の請求項の範囲内にあるすべてのそのような代替、修正、および変形を包含することを意図している。さらに、異なる特徴が相互に異なる従属請求項または独立請求項に記載されているという単なる事実は、これらの特徴の組み合わせが利点を有して使用することができず、そのような組み合わせが開示された実施形態の態様の範囲内にとどまることを示すものではない。