(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】上流プロセス制御のためのエッチングフィードバック
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20241007BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
H01L21/302 103
H01L21/302 101
H01L21/66 P
(21)【出願番号】P 2023530772
(86)(22)【出願日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 US2021059971
(87)【国際公開番号】W WO2022115313
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-07-21
(32)【優先日】2020-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パンダ, プリヤダルシ
(72)【発明者】
【氏名】リアン, レイ
(72)【発明者】
【氏名】テデスキ, レナード マイケル
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-064886(JP,A)
【文献】特開2020-136568(JP,A)
【文献】特表2003-534661(JP,A)
【文献】特開2003-083720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上でエッチングプロセスを実行するように構成されたエッチングチャンバであって、前記エッチングプロセス中又は前記エッチングプロセス後の少なくとも一方において、前記基板上の膜の1つ又は複数の光学測定値を生成するための光学センサを備える、エッチングチャンバと、
前記エッチングチャンバに動作可能に接続された計算装置であって、
前記膜の前記1つ又は複数の光学測定値を受信することと、
前記1つ又は複数の光学測定値の各光学測定値について、前記膜の膜厚を決定することと、
前記1つ又は複数の光学測定値の各光学測定値の決定された前記膜厚を使用して、前記1つ又は複数の光学測定値に基づいて前記膜のエッチング速度を決定することと、
前記エッチング速度に基づいて、前記基板上で実行された、以前に実行されたプロセスのための少なくとも1つのプロセスパラメータのプロセスパラメータ値を決定することと
を行う、計算装置と
を備える、基板処理システム。
【請求項2】
前記エッチング速度に基づいて、前記基板上で実行された、前記以前に実行されたプロセスのための前記少なくとも1つのプロセスパラメータの前記プロセスパラメータ値を決定するために、前記計算装置は、
前記エッチング速度に基づいて、前記膜のための膜品質値を決定することと、
前記膜品質値に基づいて、前記少なくとも1つのプロセスパラメータの前記プロセスパラメータ値を決定することと
を更に行う、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項3】
前記膜品質値は、前記膜の粒径、粒子配向、平均表面粗さのうちの少なくとも1つに関連する値である、請求項2に記載の基板処理システム。
【請求項4】
前記計算装置は、
決定された前記プロセスパラメータ値と、前記少なくとも1つのプロセスパラメータのターゲットプロセスパラメータ値との間の差を決定することと、
前記基板上で前記以前に実行されたプロセスを実行したプロセスチャンバを決定することと、
前記差に基づいて、前記プロセスチャンバによって処理される将来の基板についての前記少なくとも1つのプロセスパラメータへの調整を決定することと
を更に行う、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項5】
前記計算装置が前記少なくとも1つのプロセスパラメータの前記プロセスパラメータ値を決定するために、前記エッチング速度は、入力されたエッチング速度に基づいて、プロセスパラメータ値を出力するように訓練された訓練済みの機械学習モデルに入力され、前記訓練済みの機械学習モデルは、前記少なくとも1つのプロセスパラメータの前記プロセスパラメータ値を出力する、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項6】
前記光学センサは、反射計測を使用して前記膜厚を測定するように構成された分光計を備える、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項7】
前記膜の前記1つ又は複数の光学測定値は、前記膜の複数の光学測定値を含み、前記計算装置は、
前記複数の光学測定値のうちの2つ以上の光学測定値に関連付けられたタイムスタンプ及び膜厚値に基づいて、前記膜の領域のための瞬間エッチング速度を周期的に決定すること
を更に行う、請求項1記載の基板処理システム。
【請求項8】
前記以前に実行されたプロセスは堆積プロセスを含み、前記以前に実行されたプロセスのための前記少なくとも1つのプロセスパラメータは温度を含む、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項9】
前記以前に実行されたプロセスのための前記少なくとも1つのプロセスパラメータは、圧力又はプラズマ出力のうちの少なくとも1つを更に含む、請求項8に記載の基板処理システム。
【請求項10】
基板上の膜をエッチングするためのエッチングプロセスを実行することであって、前記膜は、堆積プロセスを使用して前記基板上に以前に形成されたものである、エッチングプロセスを実行することと、
前記エッチングプロセス中又は前記エッチングプロセス後の少なくとも一方において、前記基板上の前記膜の1つ又は複数の光学測定値を生成することと、
前記1つ又は複数の光学測定値の各光学測定値について、前記膜の膜厚を決定することと、
前記1つ又は複数の光学測定値の各光学測定値の決定された前記膜厚を使用して、前記1つ又は複数の光学測定値に基づいて前記膜のエッチング速度を決定することと、
前記エッチング速度に基づいて、前記基板上で実行された前記堆積プロセスのための少なくとも1つのプロセスパラメータのプロセスパラメータ値を決定することと
を含む、方法。
【請求項11】
前記エッチング速度に基づいて、前記基板上で実行された、前記
堆積プロセスのための前記少なくとも1つのプロセスパラメータの前記プロセスパラメータ値を決定することが、
前記エッチング速度に基づいて、前記膜の膜品質値を決定することと、
前記膜品質値に基づいて、前記少なくとも1つのプロセスパラメータの前記プロセスパラメータ値を決定することと
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記膜品質値が、前記膜の粒径、粒子配向、又は平均表面粗さのうちの少なくとも1つに関連する値である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
決定された前記プロセスパラメータ値と、前記少なくとも1つのプロセスパラメータのターゲットプロセスパラメータ値との間の差を決定することと、
前記基板上で前記
堆積プロセスを実行したプロセスチャンバを決定することと、
前記差に基づいて、前記プロセスチャンバによって処理される将来の基板についての前記少なくとも1つのプロセスパラメータへの調整を決定することと
を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのプロセスパラメータの前記プロセスパラメータ値を決定することは、入力されたエッチング速度に基づいてプロセスパラメータ値を出力するように訓練された訓練済みの機械学習モデルに前記エッチング速度を入力することを含み、前記訓練済みの機械学習モデルは、前記少なくとも1つのプロセスパラメータの前記プロセスパラメータ値を出力する、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記膜の前記1つ又は複数の光学測定値は、前記膜の複数の光学測定値を含み、前記方法は、
前記複数の光学測定値のうちの2つ以上の光学測定値に関連付けられたタイムスタンプ及び膜厚値に基づいて、前記膜の領域のための瞬間エッチング速度を周期的に決定すること
を更に含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項16】
前記
堆積プロセスのための前記少なくとも1つのプロセスパラメータは温度を含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項17】
前記
堆積プロセスのための前記少なくとも1つのプロセスパラメータは、圧力又はプラズマ出力のうちの少なくとも1つを更に含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、エッチングプロセス中に生成されたセンサ測定値に基づく上流プロセスのフィードバック制御に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]基板上に構成要素を形成するための製造プロセスシーケンスを開発するために、技術者は、1つ又は複数の実験計画(design of experiment:DoE)を実行し、製造プロセスシーケンスの各プロセスに使用するためのプロセスパラメータ値を決定することになる。DoEについては、一般に、各製造プロセスについて異なるプロセスパラメータ値を用いて基板を処理することによって、複数の異なるプロセスパラメータ値が試験される。これには、基板を破壊する基板の破壊的測定を実行することが含まれる。プロセスパラメータ値がいったん決定されると、基板は製造プロセスシーケンスに従って処理され、DoEの結果に基づいて決定された所定のプロセスパラメータ値が、製造プロセスシーケンスの各プロセスに使用される。技術者は、処理された基板が、DoE中に処理された基板に類似した特性を有していることを期待している。しかし、DoE中に決定された膜特性と、製品基板上の膜の膜特性との間には、ばらつきがあることが多い。更に、各プロセスチャンバは、他のプロセスチャンバとわずかに異なる場合があり、異なる膜特性を有する膜を生成することができる。また、プロセスチャンバは経年変化することがあるため、同じプロセスレシピ(recipe)を使用しても、それらのプロセスチャンバにより生成される膜も経年変化してしまうことがある。
【0003】
[0003]時には、非製品基板(ダミーウエハとも称される)が、プロセスのための所定のプロセスパラメータ値を使用して処理され、設計されたプロセスが予想通りに実行されているかどうかを判定するために、処理された基板は、DoE中に使用された同一の破壊的測定技法を使用して測定されうる。しかし、非製品基板の処理には時間がかかり、その間、プロセスチャンバは、製品基板を処理するために使用されていない。加えて、破壊的測定の実行にも、時間と人的資源がかかる。
【発明の概要】
【0004】
[0004]本明細書で説明する実施形態のいくつかは、エッチングチャンバと、エッチングチャンバに動作可能に接続された計算装置とを含む基板処理システムを対象としている。エッチングチャンバは、基板上でエッチングプロセスを実行するように構成され、エッチングプロセス中又はエッチングプロセス後の少なくとも一方において、基板上の膜の1つ又は複数の光学測定値を生成するための光学センサを備える。計算装置は、膜の1つ又は複数の光学測定値を受信する。計算装置は、1つ又は複数の光学測定値の各光学測定値について、膜の膜厚を決定する。計算装置は、1つ又は複数の光学測定値の各光学測定値の決定された膜厚を使用して、1つ又は複数の光学測定値に基づいて膜のエッチング速度を決定する。計算装置は、エッチング速度に基づいて、基板上で実行された、以前に実行されたプロセスのための少なくとも1つのプロセスパラメータのプロセスパラメータ値を決定する。少なくとも1つのプロセスパラメータの決定されたプロセスパラメータ値は、将来の基板のための少なくとも1つのプロセスパラメータを調整するために使用されうる。
【0005】
[0005]追加又は関連する実施形態では、方法は、基板上の膜をエッチングするためのエッチングプロセスを実行することであって、膜は、堆積プロセスを使用して基板上に以前に形成されたものである、エッチングプロセスを実行することと、エッチングプロセス中又はエッチングプロセス後の少なくとも一方において、基板上の膜の1つ又は複数の光学測定値を生成することと、1つ又は複数の光学測定値の各光学測定値について、膜の膜厚を決定することと、1つ又は複数の光学測定値の各光学測定値の決定された膜厚を使用して、1つ又は複数の光学測定値に基づいて膜のエッチング速度を決定することと、エッチング速度に基づいて、基板上で実行された堆積プロセスのための少なくとも1つのプロセスパラメータのプロセスパラメータ値を決定することとを含む。
【0006】
[0006]いくつかの実施形態では、方法は、複数のデータ項目を含む訓練データセットを受信又は生成することであって、複数のデータ項目の各データ項目は、基板上に膜を形成する製造プロセスに使用される少なくとも1つのプロセスパラメータのプロセスパラメータ値と、少なくとも1つのプロセスパラメータのプロセスパラメータ値を使用して実行される製造プロセスによって形成される膜の膜品質値と、膜をエッチングするために使用されるエッチングプロセスのエッチング速度とを含む、訓練データセットを受信又は生成することを含む。本方法は、訓練データセットに基づいて、エッチング速度を入力として取り入れ、エッチング速度に基づいて、予測膜品質値又は少なくとも1つのプロセスパラメータの予測プロセスパラメータ値の少なくとも1つを出力するためのモデルを訓練することを更に含む。
【0007】
[0007]多数の他の特徴が、本開示のこれらの態様及び他の態様に従って提供される。本開示の他の特徴及び態様は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、及び添付の図面からより完全に明らかになるだろう。
【0008】
[0008]本開示は、限定ではなく、例として、図解されており、添付図面の図では、類似の参照番号が類似の要素を示している。本開示における「ある(an)」又は「1つの(one)」実施形態への様々な言及は、必ずしも同じ実施形態への言及ではなく、かかる言及は少なくとも1つを意味することに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】[0009]実施形態による第1の例の製造システムの上面概略図である。
【
図1B】[0010]実施形態による第2の製造システムの上面概略図である。
【
図2】[0011]実施形態による、ポリプラグ、DRAMビット線スタック、及びハードマスク層を含む基板の一部の概略側面図を示す。
【
図3】[0012]実施形態による、エッチングチャンバと、エッチングプロセスに関連するインライン光学測定を実行する光学センサの簡略化された側面図である。
【
図4A】[0013]実施形態による、エッチングプロセス中及び/又はエッチングプロセスの後に生成された光学測定値に基づいて、上流プロセスのフィードバック制御を実行する方法のためのフローチャートである。
【
図4B】[0014]実施形態による、エッチングプロセス中及び/又はエッチングプロセスの後に生成された光学測定値に基づいて、上流プロセスの1つ又は複数のプロセスパラメータのプロセスパラメータ値を決定する方法のためのフローチャートである。
【
図5】[0015]実施形態による、基板上に膜を形成する製造プロセス、及び膜をエッチングする下流エッチングプロセスに関連する実験計画(design of experiment:DoE)を実行する方法のためのフローチャートである。
【
図6】[0016]実施形態による、エッチングプロセス中に測定された膜のエッチング速度に基づいて、膜の膜品質値及び/又は膜を形成した上流プロセスの1つ又は複数のプロセスパラメータのプロセスパラメータ値を決定するためにモデルを訓練する方法のためのフローチャートである。
【
図7】[0017]本明細書で議論される方法論のうちの任意の1つ以上をマシンに実行させるための命令セットが実行されうる、計算装置の例示的形態におけるマシンの図式的表現を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0018]本明細書に記載の実施形態は、膜の1つ又は複数の特性を決定するため、及び/又は膜を形成するために実行された上流製造プロセスの1つ又は複数のプロセスパラメータのプロセスパラメータ値を決定するために、エッチングプロセスから決定された膜のエッチング速度を使用する方法に関する。加えて、実施形態は、本明細書に記載の方法を実施する製造システムに関する。実施形態は更に、膜のエッチング速度を、膜の1つ又は複数の特性、及び/又は膜を形成するために実行される1つ又は複数の上流製造プロセスのプロセスパラメータ値に相関させるようにモデルを訓練する方法に関する。モデルは、例えば、機械学習モデル又は回帰モデルでありうる。訓練されうるモデルの例は、線形回帰モデル、ガウス回帰モデル、及び畳み込みニューラルネットワークなどのニューラルネットワークを含む。
【0011】
[0019]従来、製造プロセス(例えば、堆積プロセス)のプロセスパラメータのためのレシピ設定点を決定するために、1回限りのDoEが実行される。レシピ設定点がレシピのためにいったん設定されると、そのレシピを実行する各プロセスチャンバは、決定されたプロセスパラメータ設定点を使用し、DoE時に決定された膜品質が製造プロセスについて達成されていると仮定される。しかし、プロセスチャンバ間でばらつきがあったり、及び/又はプロセスチャンバのプロセスパラメータが経時的にドリフトしたりすることがよくある。このようなばらつき及び/又はドリフトによって、これらのプロセスチャンバは、プロセスレシピで実際に設定される値とは異なるプロセスパラメータ値を達成する。例えば、ある製造プロセスのプロセスレシピは、200℃までのターゲット温度を含むが、第1のプロセスチャンバは、200℃に設定されると、実際には205℃の実温度に到達しうる。加えて、第2のプロセスチャンバは、200℃に設定されると、実際には196℃の実温度に到達しうる。プロセスレシピの所定のプロセスパラメータ値からのこのようなずれ(deviation)は、製造プロセスを用いて堆積された膜の1つ又は複数の特性を、ターゲット特性から変化させる可能性がある。例えば、温度の上昇は膜の粒径を大きくし、温度の低下は膜の粒径を小さくしうる。膜は、最終的に形成されるデバイスの1つの層となりうる。このような膜の特性の変化は、最終的に形成されるデバイスに有害な影響を及ぼす可能性がある。
【0012】
[0020]膜の品質を示す膜の特性を測定するために使用できる、X線回折(XRD)、透過型電子顕微鏡(TEM)、原子間力顕微鏡(AFM)などの測定技法は、測定が実行される基板を破壊する破壊的測定技法である。更に、このような測定技法は、一般的に非常に時間がかかる。したがって、膜の品質に関する情報を提供する測定は、製品を含む基板(例えば、製品ウエハ)では実行されない。したがって、上述したように、プロセスレシピを用いて形成された膜は、ターゲット膜品質(例えば、ターゲット膜特性)を有すると一般的に仮定される。
【0013】
[0021]プロセスチャンバのばらつき及びドリフトの問題に対処するために使用されうる1つの技法は、プロセスチャンバ内のダミー基板又は非製品基板に対して、当該製造プロセスを定期的に実行することである。その後、膜がターゲット膜品質を有していることを確認するために、XRD、TEM、AFMなどの破壊的計測技法を使用して、膜を有する基板が試験される。しかし、プロセスチャンバによってダミー基板に対して製造プロセスが行われている間は、プロセスチャンバによって製品基板を処理することができない。加えて、製造プロセスを使用して基板を処理することと、計測測定の結果が得られるときとの間に、遅延が生じる。この遅延の間、製造業者は、プロセスチャンバ上で製品基板を稼働し続ける(品質の劣る膜を形成するリスクがある)ことを選択してもよく、又は計測測定の結果を待つ(製造ラインの更なる遅延を引き起こす)ことを選択してもよい。どちらのオプションも、製造コストを上昇させる。
【0014】
[0022]実施形態は、エッチングするプロセスチャンバの光学センサを使用して、膜の膜品質を監視するシステム及び方法を提供する。エッチングチャンバの光学センサを使用して、エッチングプロセス中及び/又は後に(例えば、インラインで)膜の光学測定値がとられる。光学測定値は、膜の膜品質及び/又は膜を形成するために使用される上流製造プロセスの1つ又は複数のプロセスパラメータのプロセスパラメータ値に相関する。測定は、エッチングされる各基板に対して行うことができ、基板×基板(例えば、ウエハ×ウエハ)レベルでの測定データを提供する。測定は、製品基板を損傷することなく、膜の品質を評価するために使用されてきた従来の測定よりもはるかに迅速に実行される。更に、デバイスの製造時間を増加させることも、製品基板を処理するためにプロセスチャンバを利用できる時間を短縮することもなく、膜品質の測定がエッチング中にインシトゥ(その場)で実行されうる。基板の膜内に問題が発見された場合、上流の製造プロセスを実行したプロセスチャンバは、問題の原因となった同じ条件下で処理される他の製品基板がほとんど又は全くない状態で、調整することができ、及び/又はメンテナンスを予定することができる。従って、エッチングチャンバは、実施形態において、上流の膜形成(例えば、堆積)プロセスのフィードバック制御を提供するためのインライン計測ツールとなる。
【0015】
[0023]実施例では、エッチングチャンバは、DRAMビット線堆積(例えば、ルテニウム(Ru)ビット線堆積)のフィードバック制御を提供するためのインライン計測ツールとして使用することができる。Ruのビット線抵抗は、粒径と平均表面粗さとの間のトレードオフに依存しうる。Ru堆積条件(例えば、結晶特性及び/又は粒子特性)を中心としたプロセスにより、電気抵抗における実行間変動を最小限に維持するために、実施形態では、粒径が監視及び制御されうる。粒径は、Ru堆積のための堆積温度に相関し、更にエッチング速度に相関しうる。これらの相関は、エッチング速度を入力として受け取り、膜品質値(例えば、粒径及び/又は電気抵抗の代表値)及び/又はRu堆積温度を出力する訓練済みモデルを生成するために行われうる。従って、測定されたRuエッチング速度は、Ru堆積温度を調整することによって粒径のフィードバック制御を実行するために使用されうる。
【0016】
[0024]1つの実施形態では、エッチングチャンバは、基板上でエッチングプロセスを実行するように構成され、エッチングプロセス中又はエッチングプロセス後の少なくとも一方において、基板上の膜の1つ又は複数の光学測定値を生成する光学センサを備える。計算装置は、膜の1つ又は複数の光学測定値を受信し、1つ又は複数の光学測定値の各光学測定値について、膜の膜厚を決定する。計算装置は、1つ又は複数の光学測定値の各光学測定値の決定された膜厚を使用して、1つ又は複数の光学測定値に基づいて膜のエッチング速度を決定する。計算装置は、エッチング速度に基づいて、膜の膜品質値、及び/又は、基板上で実行された、以前に実行されたプロセスの少なくとも1つのプロセスパラメータのプロセスパラメータ値を決定する。少なくとも1つのプロセスパラメータの決定されたプロセスパラメータ値は、将来の基板について少なくとも1つのプロセスパラメータを調整するために、及び/又はプロセスチャンバのメンテナンスを予定するために、使用されうる。
【0017】
[0025]ここで図を参照すると、
図1Aは、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、基板製造、例えば、ポストポリプラグ製造(post poly plug fabrication)のために構成されるクラスタツール100(システム又は製造システムとも称される)の図である。クラスタツール100は、1つ又は複数の真空移送チャンバ(VTM)101、102と、ファクトリインターフェース104と、複数の処理チャンバ/モジュール106、108、110、112、114、116、118と、プロセスコントローラ120(コントローラ)とを含む。サーバ計算装置145はまた、クラスタツール100に(例えば、クラスタツール100のコントローラ120に)接続されうる。
図1Aに示すような2つ以上のVTMを有する実施形態では、1つのVTMから別のVTMへの真空移送を容易にするために、1つ又は複数の通過チャンバ(ビアと称される)が設けられうる。
図1Aに示すものと一致する実施形態では、2つの通過チャンバを設けることができる(例えば、通過チャンバ140及び通過チャンバ142)。
【0018】
[0026]ファクトリインターフェース104は、クラスタツール100を使用して処理される、例えば前方開口型統一ポッド(FOUP)又は他の適切な基板含有ボックス又はキャリアから、1つ又は複数の基板を受け取るように構成されるローディングポート122を含む。ローディングポート122は、1つ又は複数のローディングエリア124a~124cを含むことができ、これらは、1つ又は複数の基板をローディングするために使用することができる。3つのローディングエリアが表示されている。ただし、より多い又はより少ないローディングエリアを使用することができる。
【0019】
[0027]ファクトリインターフェース104は、ローディングポート122にロードされた基板を移送するために使用される大気圧移送モジュール(ATM)126を含む。より詳細には、ATM126は、ATM126をローディングポート122に接続するドア135(点線で示され、スリットバルブとも称される)を通して、ローディングエリア124a~124cからATM126に基板を移送するように構成される1つ又は複数のロボットアーム128(点線で示される)を含む。各ローディングポート(124a~124c)には、それぞれのローディングポートからATM126への基板移送を可能にするために、通常、1つのドアがある。ロボットアーム128はまた、ATM126をエアロック130a,130bに接続するドア132(点線で示され、各ロードロックに対してそれぞれ1つずつ)を通して、ATM126からロードロック130a,130bに基板を移送するように構成される。ロードロックの数は2つより多くても少なくてもよいが、単に説明目的のために、2つのロードロック(130a及び130b)が示されており、各ロードロックはATM126に接続するためのドアを有している。ロードロック130a~bは、バッチ式ロードロックであってもよく、そうでなくてもよい。
【0020】
[0028]ロードロック130a、130bは、コントローラ120の制御の下、大気圧環境又は真空圧環境のいずれかに維持することができ、VTM101、102に/VTM101、102から移送されている基板の中間的又は一時的保持空間として機能する。VTM101は、真空を破壊せずに、すなわち、VTM102及び複数の処理チャンバ106、108及び通過チャンバ140、142内部の真空圧環境を維持しながら、ロードロック130a、130bから、複数の処理チャンバ106、108(プロセスチャンバとも称される)のうちの1つ以上に、又は1つ又は複数の通過チャンバ140、142(ビアとも称される)に、基板を移送するように構成されるロボットアーム138(点線で示される)を含む。VTM102は、真空を破壊せずに、すなわち、VTM102及び複数の処理チャンバ106、108、110、112、114、116及び118内部の真空圧環境を維持しながら、エアロック130a、130bから、複数の処理チャンバ106、108、110、112、114、116及び118のうちの1つ以上に、基板を移送するように構成されるロボットアーム138(点線)を含む。
【0021】
[0029]ドア134、例えば、スリットバルブドアは、それぞれのロードロック130a、130bをVTM101に各々接続する。同様に、ドア136、例えば、スリットバルブドアは、それぞれの処理モジュールが結合されているVTM(例えば、VTM101又はVTM102のいずれか)に、各処理モジュールを接続する。複数の処理チャンバ106、108、110、112、114、116、及び118は、1つ又は複数のプロセスを実行するように構成される。処理チャンバ106、108、110、112、114、116、及び118のうちの1つ以上によって実行されうるプロセスの例は、洗浄プロセス(例えば、基板から表面酸化物を除去する前洗浄プロセス)、アニールプロセス、堆積プロセス(例えば、キャップ層、ハードマスク層、バリア層、ビット線金属層、バリア金属層などの堆積のための)、エッチングプロセスなどを含む。プロセスチャンバの1つ以上によって実行されうる堆積プロセスの例は、物理的気相堆積(PVD)、化学気相堆積(CVD)、原子層堆積(ALD)などを含む。プロセスチャンバの1つ以上によって実行されうるエッチングプロセスの例は、プラズマエッチプロセスを含む。1つの例示的な実施形態では、プロセスチャンバ106、108、110、112、114、116、及び118は、通常、ポストポリプラグ製造シーケンス及び/又はダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)ビット線スタック製造シーケンスに関連するプロセスを実行するように構成される。
【0022】
[0030]コントローラ120(例えば、ツール及び機器コントローラ)は、クラスタツール100の様々な態様、例えば、処理チャンバ内のガス圧力、個々のガス流、空間流量比、種々のプロセスチャンバ内のプラズマ出力、種々のチャンバ部品の温度、処理チャンバの高周波(RF)又は電気状態など、を制御しうる。コントローラ120は、ロボットアーム128、138、プロセスチャンバ106、108、110、112、114、116、及び118、ロードロック130a~b、スリットバルブドア、1つ又は複数のセンサ、及び/又はクラスタツール100の他の処理構成要素のようなクラスタツール100の他の処理構成要素といった、クラスタツール100の構成要素のうちのいずれかから信号を受信して、そのいずれかにコマンドを送信しうる。このようにコントローラ120は、処理の開始及び停止を制御し、堆積速度、堆積組成物の種類又は混合、エッチング速度などを調整しうる。コントローラ120は、更に、様々なセンサ(例えば、光学センサ)から測定データ(例えば、光学測定データ)を受信して処理しうる。
【0023】
[0031]様々な実施形態では、コントローラ120は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、プラグラム可能な論理制御装置(PLC)、マイクロコントローラなどの計算装置でありうる及び/又はこれを含みうる。コントローラ120は、1つ又は複数の処理装置を含み(又は、1つ又は複数の処理装置であり)、マイクロプロセッサ、中央処理装置などの汎用処理装置でありうる。より詳細には、処理装置は、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、又は他の命令セットを実装するプロセッサ、又は命令セットの組み合わせを実装するプロセッサでありうる。また、処理装置は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなどの1つ又は複数の特殊用途処理装置であってもよい。コントローラ120は、データ記憶装置(例えば、1つ又は複数のディスクドライブ及び/又はソリッドステートドライブ)、メインメモリ、スタティックメモリ、ネットワークインターフェース、及び/又は他の構成要素を含みうる。コントローラ120の処理装置は、本明細書に記載された方法論及び/又は実施形態のいずれか1つ以上を実行するための命令を実行しうる。命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、メインメモリ、スタティックメモリ、二次記憶及び/又は処理装置(命令の実行中)を含みうる。
【0024】
[0032]1つの実施形態では、コントローラ120は、フィードバックエンジン121を含む。フィードバックエンジンは、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせで実装されうる。フィードバックエンジン121は、オプションで、分光計などの光学センサによって実行される反射計測の結果を含む、光学測定データを受信及び処理するように構成される。フィードバックエンジン121は、基板の1つ又は複数の厚さ値を決定するために、基板のエッチング中に光学測定データ(例えば、反射計測信号)を計算しうる。フィードバックエンジン121は、更に、光学測定がいつ行われたかのタイムスタンプ、及びそれらの光学測定の間の厚さの変化に基づいて、エッチング速度を決定しうる。
【0025】
[0033]1つの実施形態では、フィードバックエンジン121は、エッチング速度を膜品質値に相関させる相関モデル123を含む。膜品質値は、膜の1つ又は複数の特性に関連する値でありうる。エッチング速度と相関しうる特性の例は、粒径(例えば、Z方向プロファイルにおける粒径)、粒子配向、結晶構造、厚さ、及び平均表面粗さ(Ra)である。DoE中に、最適な膜特性が決定され、膜特性値の特定の組み合わせに最高の膜品質値が割り当てられうる。膜品質値の他の組み合わせには、追加の低い膜品質値が割り当てられている可能性がある。代替的には、最高品質膜を示す膜特性値の特定の組み合わせに、中間的な膜品質値が割り当てられてもよい。膜品質が劣る膜特性の他の組み合わせについて、中間的な膜品質値を上回る及び下回る膜品質値が割り当てられてもよい。相関モデル123は、追加的又は代替的に、エッチング速度及び/又は膜品質値を、エッチングプロセス中にエッチングされる膜を形成するために使用される先行する上流の製造プロセス中に使用されたプロセスパラメータのプロセスパラメータ値(複数のプロセスパラメータのプロセスパラメータ値)に相関させてもよい。
【0026】
[0034]フィードバックエンジン121は、決定されたエッチング速度を相関モデル123に入力し、出力として、エッチングされる膜の膜品質値及び/又はエッチング下で膜を形成するために使用される先行する上流の製造プロセスの1つ又は複数のプロセスパラメータの1つ又は複数のプロセスパラメータ値を受信しうる。フィードバックエンジン121は、1つ又は複数の決定されたプロセスパラメータ値を、膜を形成するために使用される製造プロセスのプロセスレシピに関連付けられた1つ又は複数のターゲットプロセスパラメータ値と比較しうる。1つ又は複数の決定されたプロセスパラメータ値と1つ又は複数のターゲットプロセスパラメータ値との間に差が識別された場合、フィードバックエンジンは、膜を形成するために基板を処理した当該プロセスチャンバについて、プロセスパラメータ値オフセットを生成しうる。その後、プロセスチャンバは、プロセスレシピの製造プロセスを処理される後続の基板に実行する際に、プロセスレシピのターゲットプロセスパラメータ値にプロセスパラメータオフセットを適用することになる。これにより、プロセスレシピを使用して形成された膜の特性の正確さ及び/又は精密さが向上する。追加的に又は代替的には、フィードバックエンジン121は、差が差の閾値を超えるとの決定に応答して、プロセスチャンバのメンテナンスを予定しうる。
【0027】
[0035]1つの例では、プロセスチャンバ106、108、110、112、114、116、及び118のうちの第1のチャンバは、堆積チャンバであり、プロセスチャンバ106、108、110、112、114、116、及び118のうちの第2のチャンバは、エッチングチャンバでありうる。堆積チャンバは、基板上に膜を堆積させるためのプロセスレシピを実行しうる。これは、堆積プロセス中に、温度、圧力、プラズマ出力などの1つ又は複数のプロセスパラメータのターゲットプロセスパラメータ値を使用することを含みうる。エッチングチャンバは、次いで、堆積チャンバによって基板上に膜が堆積された後に、膜を有する基板を処理しうる。エッチングチャンバは、膜をエッチングし、エッチングプロセスの間、並びに/又はエッチングプロセスの開始及び終了時に、膜の光学測定値を生成しうる。コントローラ120は、光学測定値を受信しうる。フィードバックエンジン121は、膜の1つ又は複数の深さ/厚さにおけるエッチング速度を計算し、及び/又は膜の全体的なエッチング速度を計算しうる。フィードバックエンジン121は、エッチング速度がターゲットエッチング速度(最も高い可能な膜品質値に相関するエッチング速度である)よりも高い又は低いことを決定し、決定されたエッチング速度に相関するプロセスパラメータの1つ又は組み合わせのプロセスパラメータ値を決定しうる。次いで、コントローラ120は、堆積チャンバの設定を調整しうる(例えば、堆積チャンバについての1つ又は複数のプロセスパラメータオフセットの生成を介して)。堆積チャンバが、将来の基板上に膜を堆積させるために、プロセスレシピを使用して将来の基板を処理するときに、決定された調整又はオフセットが、プロセスレシピ内に設定された1つ又は複数のプロセスパラメータ値に適用される。次いで、得られた膜は、理想的な膜特性によりよく似た膜特性を有している(例えば、膜はより高い膜品質値又は理想的な膜品質値に近い膜品質値を有している)。
【0028】
[0036]コントローラ120は、サーバ145に動作可能に接続されうる。サーバ145は、製作施設内のいくつかのツール又はすべてのツールとインターフェース接続するファクトリフロアサーバとして動作する計算装置であってもよく、これを含んでもよい。サーバ145は、クラスタツール100などの1つ又は複数のクラスタツールのコントローラに指示を送信しうる。例えば、サーバ145は、クラスタツール100のコントローラ120から信号を受信し、コマンドを送信しうる。
【0029】
[0037]様々な実施形態において、サーバ145は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、プラグラム可能な論理制御装置(PLC)、マイクロコントローラなどの計算装置でありうる及び/又はこれを含みうる。サーバ145は、1つ又は複数の処理装置を含んでいても(であっても)よく、その処理装置は、マイクロプロセッサ、中央処理装置などの汎用処理装置でありうる。より詳細には、処理装置は、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、又は他の命令セットを実装するプロセッサ、又は命令セットの組み合わせを実装するプロセッサでありうる。また、処理装置は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなどの1つ又は複数の特殊用途処理装置であってもよい。サーバ145は、データ記憶装置(例えば、1つ又は複数のディスクドライブ及び/又はソリッドステートドライブ)、メインメモリ、スタティックメモリ、ネットワークインターフェース、及び/又は他の構成要素を含みうる。サーバ145の処理装置は、本明細書に記載された方法論及び/又は実施形態のいずれか1つ以上を実行するための命令を実行しうる。命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、メインメモリ、スタティックメモリ、二次記憶及び/又は処理装置(命令の実行中)を含みうる。
【0030】
[0038]いくつかの実施形態では、サーバ145は、フィードバックエンジン121及び相関モデル123を含む。サーバ145は、フィードバックエンジン121及び相関モデル123を含むコントローラ120に加えて又はその代わりに、フィードバックエンジン121及び相関モデル123を含みうる。いくつかの実施形態では、コントローラ120及び/又はサーバ145は、
図7の計算装置700に対応する。
【0031】
[0039]いくつかの実施例では、基板上に1つ又は複数の膜を形成するために、1つ又は複数のプロセスが第1のクラスタツール(例えば、クラスタツール100)において基板上で実行され、1つ又は複数のエッチングプロセスが別のクラスタツールにおいて(例えば、オプションで、基板上にリソグラフィプロセスを実行した後に)基板上で実行されうる。このような例では、第2のクラスタツールのプロセスチャンバのエッチングプロセスについて実行される光学測定は、将来の堆積プロセスのために第1のクラスタツールのプロセスチャンバによって使用される1つ又は複数のプロセスパラメータのためのパラメータ値を調整するために使用されうる。このような実施形態では、サーバ145は、第2のクラスタツールで実行された測定に基づいて、第1のクラスタツールのプロセスチャンバのエッチングするフィードバック制御を調整するために、両方のクラスタツールのコントローラと通信しうる。
【0032】
[0040]
図1Bは、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、基板製造、例えばポストポリプラグ製造のために構成されるクラスタツール150の図である。クラスタツール150は、真空移送チャンバ(VTM)160、ファクトリインターフェース164、複数の処理チャンバ/モジュール152、154、156、及びコントローラ170を含む。サーバ計算装置145はまた、クラスタツール150に(例えば、クラスタツール150のコントローラ170に)接続されうる。
【0033】
[0041]ファクトリインターフェース164は、クラスタツール150を使用して処理される、例えば前方開口型統一ポッド(FOUP)166a、166b又は他の適切な基板含有ボックス又はキャリアから、1つ又は複数の基板を受け取るように構成される1つ又は複数のローディングポートを含む。
【0034】
[0042]ファクトリインターフェース164は、ローディングポートにロードされた基板を移送するために使用される大気圧移送モジュール(ATM)を含む。より詳細には、ATMは、ローディングエリアからATMに基板を移送するように構成される1つ又は複数のロボットアームを含み、それを通してATMをローディングポートに接続する。また、ロボットアームは、ATMをロードロック158a~bに接続するドアを通して、ATMからロードロック158a~bに基板を移送するように構成される。ロードロック158a~bは、コントローラ170の制御の下、大気圧環境又は真空圧環境のいずれかに維持することができ、VTM160に/から移送されている基板のための中間又は一時保持空間として機能する。VTM160は、真空を破壊することなく、すなわち、VTM160及び複数の処理チャンバ152、154、156内部の真空圧環境を維持しながら、ロードロック158a~bから複数の処理チャンバ152、154、156のうちの1つ以上に基板を移送するように構成されるロボットアーム162を含む。
【0035】
[0043]コントローラ170(例えば、ツール及び機器コントローラ)は、クラスタツール150の様々な態様、例えば、処理チャンバ内のガス圧力、個々のガス流、空間流量比、様々なチャンバ部品の温度、処理チャンバの高周波(RF)又は電気状態などを制御しうる。コントローラ170は、ロボットアーム162、プロセスチャンバ152、154、156、ロードロック158a~b、スリットバルブドア、1つ又は複数のセンサ、及び/又はクラスタツール150の他の処理構成要素といった、クラスタツール150の構成要素のいずれかから信号を受信して、そのいずれかにコマンドを送信しうる。このように制御装置170は、処理の開始及び停止を制御し、堆積速度、堆積組成物の種類又は混合、エッチング速度などを調整しうる。コントローラ170は、様々なセンサ(例えば、プロセスチャンバ152及び/又はプロセスチャンバ154に対応しうるエッチングするプロセスチャンバの光学センサ)から、測定データ(例えば、光学測定データ)を更に受信し処理しうる。コントローラ170は、
図1Aのコントローラ120と実質的に類似していてもよく、フィードバックエンジン121(例えば、相関モデル123を含みうる)を含んでもよい。
【0036】
[0044]コントローラ170は、サーバ145に動作可能に接続され、このサーバはまた、
図1Aのコントローラ120に動作可能に接続されうる。
【0037】
[0045]1つの例では、基板上に1つ又は複数の膜を形成するために、クラスタツール100の様々なプロセスチャンバ106、116、118、114、110、112、108によって、基板上で1つ又は複数のプロセスが実行される。その後、基板はクラスタツール100から取り出され、リソグラフィツール内に配置されて、基板上のマスク層をパターニングする。その後、基板はクラスタツール150内に配置されうる。その後、1つ又は複数の膜をエッチングするために、クラスタツール150のプロセスチャンバ152、154、156の1つ以上によって、基板上で1つ又は複数のエッチングプロセスが実行される。コントローラ170及び/又はサーバ145のフィードバックエンジン121は、1つ又は複数のエッチングプロセスの前、間及び/又は後に、光学測定データを受信しうる。そして、膜の膜品質値を決定し、及び/又は膜を形成するためにクラスタツール100のプロセスチャンバの1つによって実行される製造プロセスのプロセスパラメータのプロセスパラメータ値(又は複数のプロセスパラメータのプロセスパラメータ値)を決定するために、相関モデル123を使用しうる。フィードバックエンジン121は、先の製造プロセスを実行したプロセスチャンバに適用するためのオフセット又は調整を決定しうる。サーバ145は、オフセット又は調整をコントローラ120に送信しうる。コントローラ120は、プロセスチャンバのオフセット又は調整を記憶し、膜を形成するために使用されるプロセスの将来の実行のためにオフセット又は調整を、プロセスチャンバに使用させうる。
【0038】
[0046]1つの実施形態では、クラスタツール100のプロセスチャンバは、1つ又は複数のDRAMビット線スタックプロセス(例えば、ポストポリプラグ製造のための)を実行するように構成される。代替的には、クラスタツール100は、他のプロセスを実行するように構成されうる。加えて、1つの実施形態では、クラスタツール150のプロセスチャンバは、クラスタツール100のプロセスチャンバ内に形成されたDRAMビット線スタックの1つ又は複数の膜をエッチングするために、1つ又は複数のエッチングプロセスを実行するように構成される。1つの実施形態では、1つ又は複数のエッチングプロセスを実行する前に、DRAMビット線スタックの上に堆積されたハードマスク層をパターニングするためにリソグラフィプロセスが実行される。
【0039】
[0047]例示目的で、
図2は、ポリプラグ202、DRAMビット線スタック201(バリア金属204、バリア層206、及びビット線金属層208を含む)、及びハードマスク層210を含む基板200の一部の概略側面図を示す。ポリプラグ202は、クラスタツール100の外部によって形成された可能性がある。DRAMビット線スタック201は、DRAMビット線スタック201の種々の層の堆積の間に真空を破壊することなく、クラスタツール100の内部に形成された可能性がある。ハードマスク層210の選択的な部分は、リソグラフィツールによってリソグラフィプロセスを用いて硬化された可能性がある。
【0040】
[0048]1つの例では、処理チャンバ106は、1つ又は複数の前洗浄プロセスを実行して、基板200上に存在しうる汚染物質、例えば、基板200上に存在しうる自然酸化、を除去するために使用された可能性がある。処理チャンバ108は、基板200上にバリア金属堆積プロセスを実行した可能性がある(例えば、洗浄された基板200及びポリプラグ202の上にバリア金属204を堆積させるために)。バリア金属は、例えば、チタン(Ti)、タンタル(Ta)のうちの1つでありうる。処理チャンバ110は、基板200上にバリア層堆積プロセスを実行した可能性がある(例えば、バリア金属204の上にバリア層206を堆積させるために)。バリア層206は、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、又は窒化タングステン(WN)のうちの1つでありうる。処理チャンバ112は、基板200上にビット線金属堆積プロセスを実行した可能性がある(例えば、バリア層206の上にビット線金属層208を堆積させるために)。ビット線金属は、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、又はロジウム(Rh)の1つでありうる。処理チャンバ114は、基板200上にハードマスク堆積プロセスを実行した可能性がある(例えば、ビット線金属層208の上にハードマスク層210を堆積させるために)。ハードマスクは、例えば、窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素(SiO)、炭化ケイ素(SiC)のうちの1つでありうる。いくつかの実施形態では、バリア層206の堆積後に、かつバリア層206の上にビット線金属層208を堆積させる前に、基板200の上にアニーリングプロセスが実行されうる。アニーリングプロセスは、急速熱処理(RTP)アニールなどの任意の適切なアニーリングプロセスでありうる。代替的には又は組み合わせて、ビット線金属層208の堆積後に、かつビット線金属層208の上にハードマスク層210を堆積させる前に、基板200上にアニーリングプロセスが実行された可能性がある。アニーリングプロセスは、上述したように、その上に堆積されたビット線金属層208を有する基板200上で実行されうる。アニーリングプロセスが実行されるいくつかの実施形態では、別の処理チャンバは、ハードマスク層210の形成前に、ビット線金属層208上に堆積されたオプションのキャッピング層209を堆積させた可能性がある。いくつかの実施形態では、ビット線金属は、粒成長材料であるルテニウム(Ru)などの金属である。
【0041】
[0049]1つの実施形態では、クラスタツール100により、有利には、ユーザは、DRAMビット線プロセス全体を通して真空圧力環境を維持するように構成されている単一のマシン(例えば、単一のクラスタツール100)を使用して、ポリプラグ上で複数のDRAMビット線プロセスを実行することができるようになる。従って、ポスト基板200の製造中に基板上で酸化が発生する可能性は、排除されないまでも低減される。加えて、実施形態では、DRAMビット線形成プロセス全体を通して真空圧力環境が維持されるため、ビット線金属材料の選択は、金属の粒成長特性によって制限されない。
【0042】
[0050]DRAMビット線スタック201及びハードマスク層210が形成された後に、クラスタツール150は、DRAMビット線スタック201の1つ又は複数の層をエッチングするために、1つ又は複数のエッチングプロセスを実行しうる。エッチングプロセスの1つ以上の間、エッチングされる1つ又は複数の層の瞬間的な厚さを決定するために、光学測定値が生成されうる。例えば、ビット線金属層208のエッチング中に、時間T0、T1、T2からTNにおいて光学測定値が生成されうる。時間T0ではZ0の厚さが測定され、時間T1ではZ1の厚さが測定され、時間T2ではZ2の厚さが測定され、エッチングプロセスが完了するまで繰り返されうる。
【0043】
[0051]2つ以上の厚さ測定値がいったん生成されると、2つの厚さの間の膜の一部のエッチング速度を計算するために、それらの厚さ測定値が形成された時間と測定された厚さとが使用されうる。厚さ値間の厚さデルタが決定され、時間値間の時間デルタが決定されうる。次にエッチング速度は、厚さデルタを時間デルタで除算したものでありうる。例えば、Z0とZ1との間のビット線金属層208の一部についての第1のエッチング速度が計算され、Z1とZ2との間のビット線金属層208の一部についての第2のエッチング速度が計算されうる、などである。ビット線金属層208の領域に関連する瞬間エッチング速度の各々は、ビット線金属層208のその領域に関連する膜品質値、並びにビット線金属層208の形成中に使用される1つ又は複数のプロセスパラメータの1つ又は複数のプロセスパラメータ値を決定するために、フィードバックエンジンの相関モデルに入力されうる。例えば、フィードバックエンジンは、ビット線金属層208の堆積開始中の基板200の温度が高すぎ、ビット線金属層208の堆積終了付近の基板の温度が低すぎたと決定しうる。この情報は、将来のプロセス実行のためにプロセスレシピに対して行う1つ又は複数の調整を自動的に決定するために使用されうる。例えば、ビット線金属層の堆積開始のためにプロセスレシピ内で指定されたターゲット温度よりも温度を下げるための第1の温度オフセット、及び堆積終了のためにプロセスレシピ内で指定されたターゲット温度よりも温度を上げるための第2の温度オフセットが生成され、後の適用のために記憶されうる。
【0044】
[0052]ビット線金属層208の形成中に使用されるプロセスパラメータの膜品質及び/又はプロセスパラメータ値を検出するために光学測定値及びフィードバックエンジンを使用することに加えて又はその代わりに、他のタイプの層の形成中に使用されるプロセスパラメータの膜品質及び/又はプロセスパラメータ値を検出するために光学測定値及びフィードバックエンジンが使用されうる。他の種類の層の例は、バリア層、バリア金属などを含みうる。1つの実施形態では、フィードバックエンジンは、膜品質がエッチング速度に相関するあらゆる膜について、膜品質を決定することができる。同様に、1つの実施形態では、フィードバックエンジンは、プロセスパラメータ値がエッチング速度に相関する堆積プロセス中に使用されるプロセスパラメータのプロセスパラメータ値を決定することができる。ビット線金属層(例えば、Ru層など)は、膜の1つの例であり、堆積中に使用されるその膜品質及びプロセスパラメータ値は、エッチング速度と相関する。
【0045】
[0053]
図3は、本開示の1つの態様による、エッチング処理チャンバ303を監視するためのシステム300の簡略化された側面図を示す。システム300は、例えば、エッチング処理チャンバ303を含みうる。処理チャンバ303は、壁、リッド、シャワーヘッド、ノズル、ドア、及び/又は窓320を含む他の構成要素を含みうる。窓320は、例えば、透明な結晶でありうる。透明な結晶は、透明なセラミック材料で作られてもよく、又はサファイア、ダイヤモンド、石英、炭化ケイ素、又はこれらの組み合わせなどの耐久性のある透明な材料で作られてもよい。
【0046】
[0054]実施形態では、システム300は、光源301(例えば、広帯域光源又は他の電磁放射源)、光結合装置304(例えば、コリメータ又はミラー)、分光計325、コントローラ170、及びオプションでサーバ145を更に含む。光源301及び分光計325は、1つ又は複数の光ファイバのケーブル332を通して、光結合装置304に光学結合されうる。
【0047】
[0055]様々な実施形態において、光結合装置304は、光路に沿った2方向の光をコリメートするか、又は他の方法で伝送するように適合されうる。第1の方向は、コリメートされ、窓320を通して処理チャンバ303内に透過されることになる光源301からの光を含みうる。第2の方向は、基板304から反射され、窓320を再び通過し、光結合装置304内に戻る反射光でありうる。反射光は、光ファイバのケーブル332内に集光され、その結果、光路に沿った第2の方向で分光計325に方向付けられうる。更に、光ファイバのケーブル332は、光源301から、透明な結晶120へ、そして分光計325に戻るまでの光の効率的な伝達のために、分光計325と光源301との間に結合されうる。
【0048】
[0056]実施形態では、光源は約200~800nmのスペクトルで光を放出し、分光計325も200~800nmの波長域を有する。分光計325は、光結合装置304から受け取った反射光、例えば、チャンバ303内の基板から反射して窓320を通って戻り、光結合装置304によって光ファイバのケーブル332内に集光された光、のスペクトルを検出するように適合されうる。
【0049】
[0057]コントローラ170は、光源301、分光計325と、処理チャンバ303の両方に結合されうる。
【0050】
[0058]1つの実施形態では、コントローラ170は、光源301に、点滅した後に、分光計325から光スペクトルを受け取るよう指示しうる。また、コントローラ170は、光源301がオフのときに、光源をオフのままにして、分光計325から第2のスペクトルを受け取りうる。処理デバイス130は、ある瞬間の反射計測信号(reflectometry signal)を決定するために、第1のスペクトルから第2のスペクトルを減算しうる。次いで、コントローラ170は、測定される薄膜の1つ又は複数の光学薄膜特性を決定するために、反射計測信号を1つ又は複数の薄膜モデルに数学的に適合させうる。
【0051】
[0059]いくつかの実施形態では、1つ又は複数の光学薄膜特性は、膜の厚さ、屈折率(n)、及び/又は消光係数(k)値を含む。屈折率とは、真空中の光の速度対膜中の光の速度の比である。消光係数は、膜内に光がどれだけ吸収されるかを示す尺度である。コントローラ170は、n値及びk値を用いて、膜の組成を決定しうる。コントローラ170は、膜の1つ又は複数の特性のデータを分析するように更に構成されうる。次いで、コントローラ170は、フィードバックエンジンを使用して、本明細書で上述したように、膜品質値及び/又はプロセスパラメータ値を決定しうる。代替的には、サーバ145は、フィードバックエンジンを使用して、本明細書で上述したように、膜品質値及び/又はプロセスパラメータ値を決定しうる。
【0052】
[0060]
図4Aは、実施形態による、エッチングプロセス中及び/又はエッチングプロセスの後に生成された光学測定値に基づいて、上流プロセスのフィードバック制御を実行する方法400のためのフローチャートである。方法400は、明らかになるように、
図1A~3を参照して説明した構成要素を用いて実行されうる。例えば、方法400は、実施形態において、コントローラ120、コントローラ170及び/又はサーバ145によって実行されうる。方法400の少なくともいくつかの工程は、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジック、プログラマブルロジック、マイクロコードなど)、ソフトウェア(例えば、ハードウェアシミュレーションを実行するために処理装置上で実行される命令)、又はこれらの組み合わせを含みうる処理論理によって実行されうる。特定のシーケンス又は順序で表示されているが、特に指定がない限り、処理の順序は変更可能である。したがって、図示された実施形態は例としてのみ理解されるべきであり、図示されたプロセスは異なる順序で実行することができ、いくつかのプロセスは並行して実行することができる。加えて、様々な実施形態において、1つ又は複数のプロセスは省略することができる。したがって、すべての実施形態において、すべてのプロセスが実行されるわけではない。その他のプロセスフローも可能である。
【0053】
[0061]方法400の工程410において、処理チャンバは、基板上に膜を形成するために、基板上で製造プロセスを実行する。処理チャンバは、コントローラ(例えば、
図1Aのコントローラ120)によって制御され、このコントローラは、処理チャンバに製造プロセスを実行させうる。基板は、基板上に1つ又は複数の膜がすでに形成されていてもいなくてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、工程410で形成される膜は、基板上の1つ又は複数の他の膜の上に形成される。
【0054】
[0062]いくつかの実施形態では、処理チャンバは堆積チャンバであり、製造プロセスは、CVDプロセス、PVDプロセス、ALDプロセスなどの堆積プロセスである。製造プロセスは、代替的には、エピタキシャル成長プロセス、酸化物成長(すなわち酸化)プロセス、又は膜を形成する他のタイプのプロセスであってもよい。製造プロセスは、プロセスレシピに従って、1つ又は複数のプロセスパラメータのターゲットプロセスパラメータ値を使用して、実行される。プロセスレシピは、製造プロセスに異なる時間オフセットで異なるターゲットプロセスパラメータ値を含みうる。例えば、プロセスレシピは、プロセスの開始時に第1の温度、第1の圧力及び第1のプラズマ出力を含み、プロセスの中間時に第2の温度、第2の圧力及び/又は第2のプラズマ出力を含み、プロセスの終了付近に第3の温度、第3の圧力及び/又は第3のプラズマ出力を含みうる。いくつかのターゲットプロセスパラメータ値は、製造プロセスの間、変化しないが、他のターゲットプロセスパラメータ値は、製造プロセス全体を通して周期的に変化しうる。場合によっては、一部又はすべてのプロセスパラメータ値は、製造プロセス全体を通して一定である。
【0055】
[0063]製造プロセスは、最適なプロセスパラメータ値を決定し、ターゲット特性を有する膜を達成するために実行されたDoEに基づいて設計された能性がある。DoEは、プロセスレシピのプロセスパラメータの各々について複数の異なるプロセスパラメータ値を試験し、その試験結果に基づいて、レシピのプロセスパラメータのプロセスパラメータ値の特定の組み合わせでプロセスレシピを生成した可能性がある。
【0056】
[0064]方法410が実行された後に、基板は、処理チャンバから移動されうる(例えば、移送チャンバロボットによって)。基板は、順次、1つ又は複数の更なるプロセスチャンバ内に移動させられうる(例えば移送チャンバロボットによって)。追加のプロセスチャンバは、工程410を実行した処理チャンバと同じ移送チャンバ又はクラスタツールに接続されうる。代替的に、又は追加的に、1つ又は複数の追加のプロセスチャンバは、工程410を実行したプロセスチャンバとして移送チャンバ及び/又はクラスタツールに接続されていなくてもよい。場合によっては、1つ又は複数の追加製造プロセス(例えば、1つ以上の堆積プロセス)が基板上で実行される。例えば、基板上に1つ又は複数の追加の膜(例えば、マスク層など)を形成するために、1つ又は複数の堆積プロセスが基板上で実行されうる。したがって、膜の複数の層を含む膜スタックが形成されうる。このような膜スタックの1つの例は、
図2に示すDRAMのビット線スタックである。しかし、他の実施形態では、異なる膜スタックが形成されてもよく、単一の膜が形成されてもよい。
【0057】
[0065]いくつかの実施形態では、基板はリソグラフィツールに移送され、リソグラフィツールは基板をパターンに露出させうる。基板は、工程410で形成された膜の上にマスク層(例えば、ハードマスク層)を含みうる。リソグラフィツールは、フォトレジスト層を硬化させることにより(例えば、フォトレジスト層の一部を紫外線又は他の光に曝露することにより)、マスク層にパターンを転写しうる。
【0058】
[0066]工程415で、基板がエッチングチャンバに移送される。エッチングチャンバは、工程410を実行したプロセスチャンバと同じ移送チャンバ及び/又はクラスタツールに接続されうる。代替的には、エッチングチャンバは、工程410を実行したプロセスチャンバが接続されている移送チャンバ及び/又はクラスタツールに接続されていなくてもよい。例えば、エッチングチャンバは、工程410を実行したプロセスチャンバとは異なるクラスタツール及び/又は異なる移送チャンバに接続されうる。工程415では、基板上の膜をエッチングするために、エッチングチャンバがエッチングプロセスを実行する。エッチング工程は、追加的に、膜上(及びオプションで1つ又は複数の他の膜上)のマスク層など、基板上の1つ又は複数の追加の膜及び/又は層をエッチングしうる。エッチングチャンバは、コントローラ(例えば、
図1Bのコントローラ170)によって制御され、コントローラは、エッチングチャンバにエッチングプロセスを実行させうる。
【0059】
[0067]工程420において、エッチングチャンバの1つ又は複数の光学センサは、基板上の膜の1つ又は複数の光学測定値を生成する。光学測定値は、例えば、分光測定値及び/又は反射計測測定値であってもよく、膜の深さ又は厚さを決定するために使用可能な情報を提供しうる。光学測定値は、例えば、いくつかの実施形態では、
図3に示される光学センサを用いて、生成されうる。光学測定値は、エッチングプロセスの前、間及び/又は後に周期的に生成されうる。例えば、膜の初期厚さを決定するために、エッチングプロセスの開始時に光学測定値が生成され、その後、エッチングプロセスが完了するまで周期的に(例えば、5秒ごと、10秒ごと、15秒ごと、又は他の間隔で)生成されうる。エッチングプロセスが完了すると、膜はターゲット最終厚さを有しうる。このターゲット最終厚さは、場合によっては、0nmの厚さでありうる(例えば、膜は、基板の1つ又は複数の領域で完全にエッチング除去される(completely etched away)ことがある)。
【0060】
[0068]工程425において、処理ロジックは、膜の深さ又は厚さを決定するために、(例えば、反射計測測定値及び/又は分光測定値を使用して)光学測定値を処理しうる。各光学測定値について、異なる膜厚が決定されうる。
【0061】
[0069]工程430において、処理ロジックは、膜についての1つ又は複数のエッチング速度(膜内への特定の深さに関連するエッチング速度)を決定しうる。1つの実施形態では、エッチング速度は、開始の厚さ、終了の厚さ、開始時間及び終了時間に基づいて、エッチングプロセス全体について決定される。1つの実施形態では、膜について、1つ又は複数の瞬間エッチング速度が決定される。各瞬間エッチング速度は、2つ以上の厚さ測定値、及び2つ以上の厚さ測定値が生成された関連時間を用いて決定されうる。したがって、膜の異なる領域又は深さについて、異なるエッチング速度が決定されうる。
【0062】
[0070]工程435において、処理ロジックは、少なくとも1つの決定されたエッチング速度に基づいて、膜を形成するために使用された製造プロセスのための少なくとも1つのプロセスパラメータのプロセスパラメータ値を決定する。1つの実施形態では、処理ロジックは、膜の品質に最も密接に相関する単一のプロセスパラメータのプロセスパラメータ値を決定する。例えば、プロセスパラメータ値は温度値でありうる。1つの実施形態では、処理ロジックは、膜品質に相関する2つ以上のプロセスパラメータについて、プロセスパラメータ値の組み合わせを決定する。例えば、プロセスパラメータ値は、温度値、圧力値及び/又はプラズマ出力値を含みうる。1つ又は複数のプロセスパラメータ値は、エッチング速度を入力として受け取り、1つ又は複数のプロセスパラメータ値を出力するように訓練された訓練済みモデルに、決定されたエッチング速度を入力することによって決定されうる。モデルは、例えば、訓練された回帰モデル又は訓練されたニューラルネットワークでありうる。決定されたエッチング速度の各々は、膜を形成するために実行された製造プロセスのための1つ又は複数のプロセスパラメータ値を決定するために、モデルに入力されうる。例えば、膜の堆積中の、膜が10nmの厚さであった場合、膜が20nmの厚さであった場合、膜が30nmの厚さであった場合などの、基板/膜の温度が、決定されうる。
【0063】
[0071]工程440において、処理ロジックは、決定された1つ又は複数のプロセスパラメータ値を、少なくとも1つのプロセスパラメータの1つ又は複数のターゲットプロセスパラメータ値と比較する。その比較に基づいて、処理ロジックは、決定されたプロセスパラメータ値がプロセスパラメータ値から外れているかどうかを決定し、決定されたプロセスパラメータ値とターゲットプロセスパラメータ値との間の任意の差のデルタ又は量を決定しうる。ターゲットプロセスパラメータ値は、膜を形成するために使用されたプロセスレシピのプロセスパラメータ設定点でありうる。例えば、プロセスレシピは、ターゲット温度、ターゲット圧力及び/又はターゲットプラズマ出力を有しうる。加えて、ターゲット温度、ターゲット圧力及び/又はターゲットプラズマ出力(及び/又は他のプロセスパラメータ値)は、レシピ内の異なる点で(例えば、レシピ内の異なる時間オフセットで)変化しうる。多くの場合、プロセスレシピの実行中にプロセスチャンバによって実際に達成されるプロセスパラメータ値は、プロセスレシピのプロセスパラメータ設定点に正確には対応しない。しかし、これまでは、このことが事実かどうかを判断するための商業的に実行可能な方法は存在しなかった。実施形態は、膜形成プロセス(例えば、堆積プロセス)のためのプロセスパラメータ値がプロセスレシピの値から外れているかどうか(及び、決定されたプロセスパラメータ値がターゲットプロセスパラメータ値からどの程度外れているか)を、下流エッチングプロセス内で測定されたエッチング速度に基づいて、迅速に判定するための技法を提供する。決定されたプロセスパラメータ値は、(プロセスレシピに記載されるように)達成すべきだったプロセスパラメータ値とは対照的に、膜形成プロセス中に達成された真のプロセスパラメータ値を表しうる。従って、工程440において、処理ロジックは、例えば、温度が高すぎたのか低すぎたのか、圧力が高すぎたのか低すぎたのか、及び/又はプラズマ出力が高すぎたのか低すぎたのかを判定しうる。
【0064】
[0072]工程445において、処理ロジックは、決定されたプロセスパラメータ値がターゲットプロセスパラメータ値と異なるかどうかを判定する。ターゲットプロセスパラメータ値と決定されたプロセスパラメータ値が異ならない場合、方法は工程455に続き、処理ロジックは、プロセスチャンバによって実行されるときの製造プロセスのためのプロセスパラメータへの調整が行われないと決定する。ターゲットプロセスパラメータ値と決定されたプロセスパラメータ値が異なる場合、方法は工程450に続く。
【0065】
[0073]工程450において、処理ロジックは、1つ又は複数の決定されたプロセスパラメータ値と、1つ又は複数のターゲットプロセスパラメータ値との間の決定された差が、差の閾値を満たすか超えるかを判定する。差が差の閾値を満たすか超える場合、方法は工程460に続く。差が差閾値未満である場合、方法は工程455に進み、処理ロジックは、プロセスチャンバによって実行されるときの製造プロセスのためのプロセスパラメータへの調整を行わないこと、及び/又はプロセスチャンバについてメンテナンスが予定されないことを決定する。
【0066】
[0074]工程460において、処理ロジックは、少なくとも1つのプロセスパラメータへの調整を決定しうる。この調整は、製造プロセスと、エッチングされエッチング速度が決定された基板上に膜を形成するための製造プロセスを実行するプロセスチャンバと関連している。工程465において、処理ロジックは、決定された調整に従って、プロセスチャンバ/プロセスプロセスレシピの組み合わせのための(例えば、プロセスレシピを実行するときのプロセスチャンバのための)少なくとも1つのプロセスパラメータを調整しうる。
【0067】
[0075]調整は、プロセスレシピ及びプロセスチャンバに関連付けられうるオフセットの形態で実施されうる。プロセスレシピのターゲットプロセスパラメータ値は、実施形態において、変更されない場合がある。むしろ、1つの実施形態では、処理ロジックがプロセスパラメータ値オフセットを生成する。プロセスパラメータ値のオフセットは記憶され、プロセスレシピがプロセスチャンバによって実行されるときに、プロセスレシピに適用されうる。プロセスパラメータオフセットは、工程440で決定されたデルタ又は差に等しい補正オフセットでありうる。例えば、ターゲット温度が600℃で、決定された温度が612℃であった場合、決定されたオフセットは-12℃でありうる。したがって、プロセスチャンバが次にプロセスレシピを実行して新しい基板上に膜を形成する際には、600-12=588℃の温度を使用することになる。このことから、実際の温度は600℃になるだろう。これは、プロセスチャンバが高温で動作し、600℃に設定されると、612℃の温度を出力することが示されたからである。
【0068】
[0076]単一のプロセスレシピ/プロセスチャンバの組み合わせについて、複数のプロセスパラメータオフセットが生成されうることに留意されたい。例えば、+2℃の温度オフセットがプロセスレシピの1~20秒の間に生成され、+1℃の温度オフセットがプロセスレシピの21~100秒の間に生成され、プロセスレシピの残りの間には温度オフセットが生成されないことがある。例えば、プロセスレシピ設計時に予想されたよりも加熱が遅いプロセスチャンバについて、このオフセットの組み合わせが生成されうる。別の例では、+5℃の温度オフセット、-1mTorrの圧力オフセット、及び+10mWattのプラズマ出力オフセットが決定されうる。
【0069】
[0077]いくつかの実施形態では、工程450で差が差のしきい値を超えた場合、プロセスチャンバのメンテナンスが予定される。
【0070】
[0078]
図4Bは、実施形態による、エッチングプロセス中及び/又はエッチングプロセスの後に生成された光学測定値に基づいて、上流プロセスの1つ又は複数のプロセスパラメータのプロセスパラメータ値を決定する方法470のためのフローチャートである。方法470は、明らかになるように、
図1A~3を参照して説明した構成要素を用いて実行されうる。例えば、方法400は、実施形態において、コントローラ120、コントローラ170及び/又はサーバ145によって実行されうる。1つの実施形態では、方法470は方法400の工程435で実行される。特定のシーケンス又は順序で表示されているが、特に指定がない限り、処理の順序は変更可能である。したがって、図示された実施形態は例としてのみ理解されるべきであり、図示されたプロセスは異なる順序で実行することができ、いくつかのプロセスは並行して実行することができる。加えて、様々な実施形態において、1つ又は複数のプロセスは省略することができる。したがって、すべての実施形態において、すべてのプロセスが実行されるわけではない。その他のプロセスフローも可能である。
【0071】
[0079]方法470の工程472において、処理ロジックは膜の光学測定値を受信する。光学測定値は、第1の時間(例えば、時間0)において、エッチングプロセス中に生成された可能性がある。工程474において、処理ロジックは、光学測定値に基づいて(例えば、反射計測を用いて)、第1の時間における膜の膜厚を決定する。工程476において、処理ロジックは、エッチングプロセス中の基板上の膜の追加の光学測定値を後の時間(例えば、時間10秒などの第2の時間)に生成する。工程478において、処理ロジックは、追加の光学測定値に基づいて、後の時間における膜の追加の膜厚を決定する。
【0072】
[0080]工程480において、処理ロジックは、2つの時点で決定された厚さに基づいて膜のエッチング速度を決定する。例えば、処理ロジックは、初期の膜厚から追加膜厚を減算することによって厚さの変化を決定してもよく、第1の時間から後の時間を減算することによって時間差を決定してもよい。処理ロジックは、初期の厚さと追加厚さとの間の膜の瞬間エッチング速度を決定するために、厚さの変化を時間差で除算しうる。
【0073】
[0081]工程482において、処理ロジックは、決定されたエッチング速度に基づいて、当該厚さ/深さにおける膜の膜品質値を決定する。1つの実施形態では、処理ロジックはエッチング速度を訓練済みモデルに入力し、訓練済みモデルは膜品質値を出力する。膜品質値は、最終製品の成功及び/又は失敗に関連する1つ又は複数の膜特性と相関する値でありうる。膜品質値と相関のある膜特性のいくつかの例は、粒径(例えば、Z方向又は垂直方向のプロファイルにおける粒径)、粒配向、及び平均表面粗さである。膜品質値は、膜を最終製品(例えば、DRAMメモリユニット)の1つの層として含むことになる最終製品の品質を推定するために使用されうる。
【0074】
[0082]工程484において、処理ロジックは、膜品質値及び/又はエッチング速度に基づいて、膜を形成するために実行された製造プロセスのための少なくとも1つのプロセスパラメータのプロセスパラメータ値を決定する。1つの実施形態では、膜品質値は、1つ又は複数のプロセスパラメータ値を出力する別のモデルに入力される。1つの実施形態では、エッチング速度が入力される訓練済みモデルは、膜品質値と1つ又は複数のプロセスパラメータ値の両方を出力する。1つ又は複数のプロセスパラメータ値は、膜品質値及びエッチング速度の両方に相関しうる。決定された膜品質値及び1つ又は複数の決定されたプロセスパラメータ値は、工程474で決定された膜厚と、工程478で決定された膜厚と、の間の膜の特定の領域又は膜の厚さ範囲に関連付けられる。
【0075】
[0083]工程486において、処理ロジックは、エッチングプロセスが完了したかどうかを判定する。エッチングプロセスが完全していない場合、方法はブロック476に戻り、追加の光学測定値が生成される。この追加の光学測定値は、別の厚さを決定するために使用され、この厚さは、膜の新しい厚さ範囲について新しいエッチング速度を決定するために、最後に決定される厚さと共に使用されうる。その後、新たな膜品質値及び/又は1つ又は複数の新たなプロセスパラメータ値が、新たな厚さ範囲について決定されうる。このプロセスを繰り返し、エッチングプロセスが完了するまで、各膜の厚さ範囲又は領域について、新たな膜品質値/プロセスパラメータ値が決定されうる。膜の特性に応じて、より多くの膜がエッチングされる(例えば、方向性若しくは異方性エッチングを使用して、又は等方性エッチングを使用して)につれて、及び膜のより深い領域が露出されるにつれて、エッチング速度は変化する可能性がある。例えば、膜のある深さ/厚さでは粒径が大きく、膜の他の深さ/厚さでは粒径が小さいことがある。堆積プロセス中に温度が上昇することによって、粒径が大きくなり、密度がより低くなり、エッチングがより迅速に進行しうる。また、堆積プロセス中に温度が下降することによって、粒径が小さくなり、密度がより高くなり、エッチングが迅速に進行しなくなることがある。したがって、膜の異なる深さの測定が実行されると、膜は異なる特性を有し、異なる瞬間エッチング速度が決定されうる。これは、異なる膜品質値及び/又はプロセスパラメータ値(例えば、温度)に対応しうる。
【0076】
[0084]工程488において、処理ロジックは、オプションで、膜の全体的な膜品質値を決定する。全体的な膜品質値は、例えば、膜の異なる厚さ範囲で決定された膜品質値の平均値又は中央値でありうる。全体的な膜品質値は、最終製品が試験に不合格となる確率を決定するために使用されうる。
【0077】
[0085]
図5は、実施形態による、基板上に膜を形成する製造プロセス、及び膜をエッチングする下流エッチングプロセスに関連する実験計画(DoE)を実行する方法500のためのフローチャートである。特定のシーケンス又は順序で表示されているが、特に指定がない限り、処理の順序は変更可能である。したがって、図示された実施形態は例としてのみ理解されるべきであり、図示されたプロセスは異なる順序で実行することができ、いくつかのプロセスは並行して実行することができる。加えて、様々な実施形態において、1つ又は複数のプロセスは省略することができる。したがって、すべての実施形態において、すべてのプロセスが実行されるわけではない。その他のプロセスフローも可能である。
【0078】
[0086]方法500の工程505において、製造プロセス(例えば、堆積プロセス)の複数のバージョンが実行される。製造プロセスの各バージョンは、プロセスパラメータ値の異なる組み合わせを使用し、異なる膜特性を有する膜をもたらす。1つの実施形態では、製造プロセスの各バージョンは、異なる温度を使用し、他のプロセスパラメータは、製造プロセスの異なるバージョンについて固定されたままである。1つの実施形態では、製造プロセスの異なるバージョンは、温度、圧力、及び/又はプラズマ出力(例えば、プラズマPVD又はプラズマCVDなどの堆積中に使用されるプラズマの)について異なる設定を有している。いくつかの実施態様では、プロセスパラメータの最適値が先験的に知られている場合があり、その最適値、並びに最適値の上下にあるプロセスパラメータの1つ又は複数の追加の値が、試験されうる。例えば、既知の最適温度が450℃である製造プロセスについて、以下の温度を使用する製造プロセスのバージョンが試験されうる:435℃、438℃、441℃、444℃、447℃、450℃、453℃、456℃、459℃、462℃及び465℃。1つの例では、約220の基板が様々な温度で(at a range of temperatures)処理される。例えば、既知の最適温度が450℃である製造プロセスについて、上記温度の各々で、20のウエハが各々処理されうる。
【0079】
[0087]工程510において、製造プロセスのバージョンの1つが選択される。工程515では、製造プロセスの選択されたバージョンを用いて製造された代表的な基板上に、1つ又は複数の破壊的計測測定が実行され、代表的な基板上の膜の1つ又は複数の膜特性を決定する。実行されうる破壊的計測測定の例は、電子後方散乱回折(EBSD)及びXRDを含む。破壊的測定は、結晶特性及び/又は粒子特性、例えば粒径、粒子配向及び/又は平均表面粗さ(Ra)など、を決定するために実行されうる。1つの実施形態では、EBSD及び/又はXRD測定が実行され、膜のZ方向(垂直方向)の粒径プロファイルを決定する。
【0080】
[0088]工程520において、破壊的計測測定値に基づいて、膜についての膜品質評価値(film quality rating value)が決定される。1つの実施形態では、最適な結晶特性及び/又は粒子特性が知られていることがある。最適な結晶特性及び/又は粒子特性を有する膜には、特定の膜品質値(例えば、膜品質値0又は膜品質値100)が割り当てられうる。膜には、膜の最適な結晶特性及び/又は粒径特性と、測定された結晶特性及び/又は粒径特性との間のずれの量に基づいて、膜品質値が割り当てられうる。1つの実施形態では、最適な結晶特性及び/又は粒子特性を有する膜は、最も高い膜品質値を有する。例えば、膜の粒径が最適粒径よりも大きいか小さい場合、最適粒径と膜の粒径との間の差の量に基づいて、膜には、最大値よりも低い値が割り当てられうる。1つの実施形態では、最適な結晶特性及び/又は粒子特性を有する膜は、中間の膜品質値と関連している。例えば、0が最適な膜品質値でありうる。Z方向の粒径の例では、最適な粒径よりも大きい粒径を有する膜には、正の膜品質値が割り当てられうる。ここで、値が大きいほど、最適な条件からのずれが大きくなる。同様に、最適な粒径よりも小さい粒径を有する膜には、負の膜品質値が割り当てられうる。ここで、負の値が大きいほど、最適条件からのずれが大きくなる。
【0081】
[0089]工程525では、製造プロセスの選択されたバージョンを使用して製造された代表的な基板上で、エッチングプロセスが実行される。工程530において、エッチングプロセスについて、エッチング速度が決定される(例えば、光学センサからの光学測定値に基づいて、光学測定値はエッチングプロセスの前、間及び/又は後に実行される)。1つの実施形態では、エッチング速度は、上述のように決定される。1つの実施形態では、エッチング速度は、以下の式に従って計算される。
ER(n)=(Zn-1-Zn)*周波数
ここで、ERはエッチング速度であり、Znは特定の厚さ測定値であり、Zn-1は以前の厚さ測定値であり、周波数は厚さ測定値が生成される周波数である。
【0082】
[0090]工程535で、製造プロセスの選択されたバージョンについて、データ項目が生成される。データ項目は、プロセスパラメータ値又は製造プロセスの値(例えば、製造プロセスに使用される温度)、決定された膜品質評価、及び決定されたエッチング速度を含む訓練データ項目でありうる。
【0083】
[0091]工程540において、まだ試験されていない(及びデータ項目がまだ生成されていない)製造プロセスの残りのバージョンがあるかどうかについての判定が行われる。製造プロセスの未試験のバージョンがまだ残っている場合、方法は工程510に戻り、製造プロセスの新しいバージョンが選択され試験される。製造プロセスのバージョンのすべてが試験された場合、本方法は工程545に続く。
【0084】
[0092]工程545において、訓練データセットが生成される。訓練データセットは、製造プロセスのバージョンの各々について生成されたデータ項目を含む。場合によっては、破壊的計測後の製造プロセスのそれぞれのバージョン(及び膜の関連するそれぞれのバージョン)についての膜品質評価が、膜のすべてのバージョンに対して実行されている。これにより、膜品質値を割り当てる前に、膜の各バージョンの膜特性間の差を比較することができる。
【0085】
[0093]
図6は、実施形態による、エッチングプロセス中に測定された膜のエッチング速度に基づいて、膜の膜品質値及び/又は膜を形成した上流プロセスの1つ又は複数のプロセスパラメータのプロセスパラメータ値を決定するためにモデルを訓練する方法600のためのフローチャートである。方法600は、明らかになるように、
図1A~3を参照して説明した構成要素を用いて実行されうる。例えば、方法600は、実施形態において、コントローラ120、コントローラ170及び/又はサーバ145によって実行されうる。方法400の少なくともいくつかの工程は、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジック、プログラマブルロジック、マイクロコードなど)、ソフトウェア(例えば、ハードウェアシミュレーションを実行するために処理装置上で実行される命令)、又はこれらの組み合わせを含みうる処理論理によって実行されうる。特定のシーケンス又は順序で表示されているが、特に指定がない限り、処理の順序は変更可能である。したがって、図示された実施形態は例としてのみ理解されるべきであり、図示されたプロセスは異なる順序で実行することができ、いくつかのプロセスは並行して実行することができる。加えて、様々な実施形態において、1つ又は複数のプロセスは省略することができる。したがって、すべての実施形態において、すべてのプロセスが実行されるわけではない。その他のプロセスフローも可能である。
【0086】
[0094]方法600の工程605において、処理ロジックは、訓練データセット(例えば、方法500に従って生成された可能性がある)を受信する。訓練データセットは、複数のデータ項目を含み、各データ項目は、製造プロセスのバージョンの1つ又は複数のプロセスパラメータ値、膜品質評価、及びエッチング速度を含む。
【0087】
[0095]工程610において、処理ロジックは、エッチング速度を入力として受け取り、予測された膜品質値又はプロセスパラメータの予測されたプロセスパラメータ値(又は複数のプロセスパラメータの予測されたプロセスパラメータ値の組み合わせ)のうちの少なくとも1つを出力するようにモデルを訓練する。
【0088】
[0096]1つの実施形態では、モデルは、回帰を用いて訓練された回帰モデルなどの機械学習モデルである。回帰モデルの例は、線形回帰やガウス回帰を用いて学習させた回帰モデルである。1つの実施形態では、工程615において、処理ロジックは、モデルを訓練するために訓練データセットを用いて線形回帰又はガウス回帰を実行する。回帰モデルは、X変数の既知の値を考慮してYの値を予測する。回帰モデルは、内挿及び/又は外挿を含みうる回帰分析を用いて訓練されうる。1つの実施形態では、回帰モデルのパラメータは、最小二乗法を用いて推定される。代替的には、ベイズ線形回帰、パーセンテージ回帰、リーズ絶対偏差(leas absolute deviation)、ノンパラメトリック回帰、シナリオ最適化及び/又は距離メトリック学習が、回帰モデルを訓練するために実行されうる。
【0089】
[0097]1つの実施形態では、モデルは、人工ニューラルネットワーク(単にニューラルネットワークとも称される)のような機械学習モデルである。人工ニューラルネットワークは、例えば畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network:CNN)でありうる。1つの実施形態では、工程620で、処理ロジックは、ニューラルネットワークを訓練するために教師あり機械学習を実行する。
【0090】
[0098]人工ニューラルネットワークは、概して、特徴をターゲット出力空間にマッピングする分類器又は回帰層を有する特徴表現構成要素を含む。例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)は、複数の層の畳み込みフィルタを備える(host)。下層ではプーリングが実行され、非線形性への対処が行われうる。その下層の上部には、一般的には多層パーセプトロンが追加され、畳み込み層によって抽出される上層の特徴を決定(例えば、分類出力)にマッピングする。ニューラルネットワークは、複数の隠れ層を有する深いネットワークであってもよく、ゼロ又は少数(例えば、1~2)の隠れ層を有する浅いネットワークであってもよい。ディープラーニングは、特徴抽出及び変換のために非線形処理ユニットの多層のカスケードを使用する機械学習アルゴリズムのクラスである。連続する各層は、前の層からの出力を入力として使用する。ニューラルネットワークは、教師あり(例えば、分類)及び/又は教師なし(例えば、パターン分析)の方法で学習しうる。いくつかのニューラルネットワーク(例えば、ディープニューラルネットワークなど)は、層の階層を含み、異なる層は、異なる抽象レベルに対応する異なるレベルの表現を学習する。ディープラーニングでは、各レベルがその入力データをもう少し抽象的で複合的な表現に変換することを学習する。
【0091】
[0099]ニューラルネットワークを訓練することは、ネットワークを通してラベル付けされた入力からなる訓練データセットを供給することと、その出力を観察することと、(出力とラベル付けされた値との間の差を測定することによって)誤差を定義することと、誤差が最小化されるようにそのすべての層及びノードにわたってネットワークの重みを調整するために、深い勾配降下(deep gradient descent)及び逆行性伝播(backpropagation)などの技術を使用することとを含む、教師あり学習方法で達成されうる。多くのアプリケーションでは、このプロセスを訓練データセット内の多くのラベル付き入力にわたって繰り返すことで、訓練データセットに含まれる入力とは異なる入力が提示さると、正しい出力を生成可能なネットワークが得られる。大きな画像のような高次元の設定では、十分に大きく多様な訓練データセットが利用可能になると、この一般化が実現される。
【0092】
[00100]実施形態において、入力は、エッチング速度を含む特徴ベクトルであり、ラベルは、1つ又は複数のプロセスパラメータ値及び/又は膜品質値である。1つの実施形態では、ニューラルネットワークは、入力としてエッチング速度を受け取り、膜品質値及びプロセスパラメータ値(又は2つ以上のプロセスパラメータ値のセット)の両方を出力するように訓練される。1つの実施形態では、ニューラルネットワークは、エッチング速度を入力として受け取り、膜品質値を出力するように訓練される。膜品質値は、その後、別の訓練済みモデル(例えば、別の訓練済み機械学習モデル)に入力され、このモデルは、プロセスパラメータのプロセスパラメータ値又は複数のプロセスパラメータのプロセスパラメータ値を出力しうる。1つの実施形態では、ニューラルネットワークは、エッチング速度を入力として受け取り、プロセスパラメータのプロセスパラメータ値又は複数のプロセスパラメータのプロセスパラメータ値を出力するように訓練される。
【0093】
[00101]工程625において、訓練されたモデルが展開される。訓練されたモデルは、例えば、1つ又は複数のプロセスチャンバ及び/又はクラスタツールのコントローラに展開されうる。追加的に又は代替的には、訓練済みモデルは、1つ又は複数のコントローラ(例えば、1つ又は複数のプロセスチャンバのコントローラ及び/又は1つ又は複数のクラスタツールのコントローラ)に接続されたサーバに展開されうる。訓練されたモデルを展開することは、コントローラ及び/又はサーバのフィードバックエンジン内に訓練されたモデルを保存することを含みうる。訓練済みモデルがいったん展開されると、コントローラ及び/又はサーバは、膜のエッチング中に測定された測定エッチング速度に基づいて、膜を形成するために実行される1つ又は複数の製造プロセスのフィードバック制御を実行するために、訓練済みモデルを使用しうる。
【0094】
[00102]
図7は、本明細書で議論される方法論のいずれか1つ以上をマシンに実行させるための命令のセットが実行されうる、計算装置700の例示的形態におけるマシンの図式的表現を示す。代替的な実施形態では、マシンは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネットにおいて他のマシンに接続(例えば、ネットワーク化)されることがある。マシンは、クライアントサーバネットワーク環境においてサーバ又はクライアントマシンとして動作し、又はピアツーピア(又は分散)ネットワーク環境においてピアマシンとして動作しうる。マシンは、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットコンピュータ、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ若しくはブリッジ、又はそのマシンが取るべき行動を指定する(連続した若しくは連続していない)命令のセットを実行可能な任意のマシンでありうる。更に、単一のマシンのみが図示されているが、「マシン」という用語はまた、本明細書で議論される方法論のいずれか1つ以上を実行するための命令の1つのセット(又は複数のセット)を個別に又は連携して実行するマシン(例えば、コンピュータ)の任意のコレクションを含むとも解釈されよう。
【0095】
[00103]例の計算装置700は、バス730を介して互いに通信する、処理装置702、主メモリ704(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)(同期DRAM(SDRAM)又はラムバスDRAM(RDRAM)など)、スタティックメモリ706(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)など)、及び二次メモリ(例えば、データ記憶装置718など)を含む。
【0096】
[00104]処理装置702は、マイクロプロセッサ、中央処理装置などの1つ又は複数の汎用プロセッサを表す。より詳細には、処理装置702は、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、他の命令セットを実装するプロセッサ、又は命令セットの組み合わせを実装するプロセッサでありうる。処理装置702はまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなどといった、1つ又は複数の特殊用途処理装置でありうる。処理装置702は、本明細書で議論される工程及びステップを実行するための処理ロジック(命令722)を実行するように構成される。
【0097】
[00105]計算装置700は、ネットワークインターフェース装置708を更に含みうる。また、計算装置700は、ビデオディスプレイユニット710(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)又は陰極線管(CRT))、英数字入力装置712(例えば、キーボード)、カーソル制御装置714(例えば、マウス)、及び信号生成装置716(例えば、スピーカ)を含みうる。
【0098】
[00106]データ記憶装置718は、本明細書に記載の方法論又は機能のいずれか1つ以上を具現化する1つ又は複数の命令セット722が記憶されるマシン可読記憶媒体(又はより具体的にはコンピュータ可読記憶媒体)728を含みうる。命令722はまた、コンピュータシステム700によるその実行中に、完全に又は少なくとも部分的に、メインメモリ704内及び/又は処理装置702内に存在しうる。メインメモリ704及び処理装置702はまた、コンピュータ可読記憶媒体を構成する。
【0099】
[00107]コンピュータ可読記憶媒体728はまた、フィードバックエンジン121、及び/又はフィードバックエンジン121を呼び出す方法を含むソフトウェアライブラリを記憶するためにも使用されうる。コンピュータ可読記憶媒体728は、例示的な実施形態では、単一の媒体であるように示されているが、「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、1つ又は複数の命令セットを記憶する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中データベース若しくは分散データベース、及び/又は関連キャッシュ及びサーバ)を含むと解釈されるべきである。「コンピュータ可読記憶媒体」という用語はまた、マシンによる実行のための命令のセットを記憶又は符号化することができ、本明細書に記載の方法論のいずれか1つ以上をマシンに実行させる任意の媒体をも含むものと解釈されよう。したがって、「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、ソリッドステートメモリ、光学媒体及び磁気媒体などの非一時的コンピュータ可読媒体を含むが、これらに限定されないものと解釈されよう。
【0100】
[00108]本明細書(例えば、
図1A~3に関連して)で説明したモジュール、構成要素、及び他の特徴は、ディスクリートハードウェア構成要素として実装することも、ASICS、FPGA、DSP又は類似の装置などのハードウェア構成要素の機能性に統合することもできる。加えて、モジュールは、ハードウェア装置内のファームウェア又は機能回路として実装可能である。更に、モジュールは、ハードウェア装置とソフトウェア構成要素との任意の組み合わせで実装することも、ソフトウェアのみで実装することも可能である。
【0101】
[00109]詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに対する動作のアルゴリズム及び記号的表現の観点から提示されてきた。これらのアルゴリズムの記述及び表現は、本発明の内容を他の当業者に最も効果的に伝えるために、データ処理技術分野の当業者によって使用される手段である。アルゴリズムとは、ここでは、一般に、ターゲット結果を導く自己矛盾のない一連のステップと考えられる。これらのステップは、物理量の物理的操作を必要とするものである。通常、必ずしもそうではないが、これらの量は、記憶、転送、結合、比較、その他の操作が可能な電気信号又は磁気信号の形態をとる。これらの信号は、ビット、値、要素、記号、文字、用語、数字等で表されることが、主に共通使用の理由で便利であることが証明されている。
【0102】
[00110]しかしながら、これらの用語及び類似の用語のすべては、適切な物理量に関連付けられるべきであり、こうした物理量に適用される便宜上の標識にすぎないことに留意するべきである。以下の説明から明らかなように、特に別段の記載がない限り、本明細書を通して、「受信する、受け取る(receiving)」、「識別する(identifying)」、「決定する(determining)」、「選択する(selecting)」、「提供する(providing)」、「記憶する(storing)」などといった用語を利用する議論は、コンピュータシステム又は類似の電子計算装置の動作及びプロセスを指すと理解されたい。このコンピュータシステム又は類似の電子計算装置は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理量(電子量)として表されるデータを操作し、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ、又はかかる情報の他の記憶装置、送信装置、若しくは表示装置内で物理量として同様に表される他のデータへと変換する。
【0103】
[00111]本発明の実施形態はまた、本明細書の工程を実行するための装置に関する。この装置は、議論された目的のために特別に構築されてもよく、又はコンピュータシステムに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的にプログラムされる汎用コンピュータシステムを備えてもよい。かかるコンピュータプログラムは、限定されないが、フロッピーディスク、光ディスク、CD-ROM、及び光磁気ディスクを含む任意のタイプのディスク、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリ装置、他のタイプのマシンアクセス可能記憶媒体、又はコンピュータシステムバスに各々が結合された電子命令の記憶に適した任意のタイプの媒体などのコンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶されうる。
【0104】
[00112]前述の説明は、本開示のいくつかの実施形態の良好な理解を提供するために、特定のシステム、構成要素、方法などの例などの多数の特定の詳細を明記している。しかしながら、本開示の少なくともいくつかの実施形態は、これらの特定の詳細なしに実施されうることが、当業者には明らかであろう。他の例では、本開示を不必要に曖昧にすることを回避するために、周知の構成要素又は方法は、詳細に説明されないか、又は単純なブロック図形式で提示される。したがって、記載された特定の詳細は、単に例示的なものである。特定の実施態様は、これらの例示的な詳細とは異なり、なおも本開示の範囲内にあると考えられうる。
【0105】
[00113]本明細書全体を通して、「1つの実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な場所における「1つの実施形態では」又は「実施形態では」という語句が現れても、必ずしもすべてが同じ実施形態を参照しているわけではない。加えて、「又は」という用語は、排他的な「又は」ではなく、包括的な「又は」を意味することを意図している。「約(about)」又は「ほぼ(approximately)」という用語が本明細書で使用される場合、これは、提示される公称値が±10%以内で正確であることを意味することが意図される。
【0106】
[00114]本明細書の方法の工程は特定の順序で図示され説明されるが、特定の工程が逆の順序で実行され、特定の工程が他の工程と同時に少なくとも部分的に実行されるように、各方法の工程の順序が変更されてもよい。別の実施形態では、別個の工程の命令又はサブ工程は、断続的及び/又は交互でありうる。
【0107】
[00115]上記の説明は、例示を意図したものであり、限定を意図したものではないと理解すべきである。上記の説明を読み理解すれば、多くの他の実施形態が当業者に明らかになるだろう。したがって、開示の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照し、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲と共に決定されるべきである。