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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】結晶成長装置及び結晶成長方法
(51)【国際特許分類】
   C30B 35/00 20060101AFI20241008BHJP
   C30B 29/36 20060101ALI20241008BHJP
   C30B 23/06 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
C30B35/00
C30B29/36 A
C30B23/06
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019194268
(22)【出願日】2019-10-25
(65)【公開番号】P2021066638
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】株式会社レゾナック
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100163496
【弁理士】
【氏名又は名称】荒 則彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100137017
【弁理士】
【氏名又は名称】眞島 竜一郎
(72)【発明者】
【氏名】藤川 陽平
【審査官】宮崎 園子
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-256063(JP,A)
【文献】特開2012-036035(JP,A)
【文献】特開2008-266115(JP,A)
【文献】特開2012-254892(JP,A)
【文献】特開2015-040146(JP,A)
【文献】国際公開第2012/063853(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C30B 35/00
C30B 29/36
C30B 23/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶成長空間を画定する上壁と下壁と側壁とを有する坩堝と、
前記坩堝の外側にあり、前記側壁を囲むコイルと、を備え、
前記側壁は、内部に空間を備え、
前記空間は、径方向において前記側壁の第1部分と第2部分とに挟まれ
前記下壁から前記上壁へ向かう方向において、前記第1部分と前記第2部分と前記空間のそれぞれの径方向の幅が一定であり、
前記空間は、前記側壁の前記下壁から前記上壁へ向かう方向における一部に形成されている、結晶成長装置。
【請求項2】
結晶成長空間を画定する上壁と下壁と側壁とを有する坩堝と、
前記坩堝の外側にあり、前記側壁を囲むコイルと、を備え、
前記側壁は、内部に空間を備え、
前記側壁は、前記結晶成長空間と接する第2部分と、前記第2部分よりも前記坩堝の径方向外側に位置する第1部分と、を含み、
前記空間は、径方向において前記第1部分と前記第2部分によって画定されており、
前記空間の高さ中心は、前記坩堝の外面の高さ中心より前記下壁側にあ
前記下壁から前記上壁へ向かう方向において、前記第1部分と前記第2部分と前記空間のそれぞれの径方向の幅が一定である、結晶成長装置。
【請求項3】
前記空間の高さは、前記空間の径方向の幅より大きい、請求項1又は2に記載の結晶成長装置。
【請求項4】
前記空間の高さ中心は、前記坩堝の外面の高さ中心より前記下壁側にある、請求項1に記載の結晶成長装置。
【請求項5】
前記空間の上端の位置は、前記坩堝内に設置された原料の表面の位置よりも高い、請求項1~4のいずれか一項に記載の結晶成長装置。
【請求項6】
前記空間は、前記坩堝の径方向における大きさxに対する前記坩堝の軸方向における大きさzのアスペクト比z/xが1を超えて10以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の結晶成長装置。
【請求項7】
請求項1~のいずれか一項に記載の結晶成長装置を用いた結晶成長方法であって、
前記空間の位置によって、前記坩堝内の温度分布を設定する、結晶成長方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶成長装置及び結晶成長方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭化珪素(SiC)は、シリコン(Si)に比べて絶縁破壊電界が1桁大きく、バンドギャップが3倍大きい。また、炭化珪素(SiC)は、シリコン(Si)に比べて熱伝導率が3倍程度高い等の特性を有する。そのため炭化珪素(SiC)は、パワーデバイス、高周波デバイス、高温動作デバイス等への応用が期待されている。このため、近年、上記のような半導体デバイスにSiCエピタキシャルウェハが用いられるようになっている。
【0003】
SiCエピタキシャルウェハは、SiC単結晶基板上に化学的気相成長法(Chemical Vapor Deposition:CVD)によってSiC半導体デバイスの活性領域となるSiCエピタキシャル膜を成長させることによって製造される。
【0004】
SiC単結晶基板は、SiC単結晶を切り出して作製する。このSiC単結晶は、一般に昇華法によって得ることができる。昇華法は、黒鉛製の坩堝内に配置した台座にSiC単結晶からなる種結晶を配置し、坩堝を加熱することで坩堝内の原料粉末から昇華した昇華ガスを種結晶に供給し、種結晶をより大きなSiC単結晶へ成長させる方法である。
【0005】
近年、市場の要求に伴い、SiC単結晶の大口径化、長尺化の要望も高まっている。またSiC単結晶の大口径化、長尺化の要望と共に、SiC単結晶の高品質化及び生産効率の向上も求められている。
【0006】
特許文献1には、坩堝の周囲を囲むヒータが高さ方向に分離され、分離されたヒータの間に棒状部材又は中間断熱材があるSiC単結晶製造装置が記載されている。棒状部材又は中間断熱材によって、分離されたヒータ同士が熱的に分離される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2011-219294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
坩堝内の温度分布は、原料から昇華するガス量等に影響を及ぼし、欠陥の原因となるパーティクルの発生にも寄与する。特許文献1は、棒状部材又は中間断熱材によって坩堝内の温度分布を制御している。特許文献1に記載された方法に限らず、坩堝内の温度を制御できる方法が求められている。
【0009】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、坩堝内の温度分布を制御できる結晶成長装置及び結晶成長方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
【0011】
(1)第1の態様にかかる結晶成長装置は、結晶成長空間を囲む上壁と下壁と側壁とを有する坩堝と、前記坩堝の外側にあり、前記側壁を囲むコイルと、を備え、前記側壁は、内部に空間を備える。
【0012】
(2)上記態様にかかる結晶成長装置において、前記空間の高さは、前記空間の径方向の幅より大きくてもよい。
【0013】
(3)上記態様にかかる結晶成長装置において、前記空間の高さ中心は、前記坩堝の高さ中心より前記下壁側にあってもよい。
【0014】
(4)上記態様にかかる結晶成長装置において、前記空間の上端の位置は、前記坩堝内に設置された原料の表面の位置よりも高くてもよい。
【0015】
(5)第2の態様にかかる結晶成長方法は、上記態様にかかる結晶成長装置を用いた結晶成長方法であって、前記空間の位置によって、前記坩堝内の温度分布を設定する。
【発明の効果】
【0016】
上記態様にかかる結晶成長装置及び結晶成長方法によれば、坩堝内の温度分布を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態に係る結晶成長装置のxz断面図である。
図2】第1実施形態に係る結晶成長装置のxy断面図である。
図3】比較例に係る結晶成長装置のxz断面図である。
図4】第1変形例に係る結晶成長装置のxz断面図である。
図5】実施例1、実施例2、比較例1のシミュレーション結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本実施形態にかかる結晶成長装置および坩堝について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材質、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
【0019】
まず方向について定義する。後述する坩堝10の下壁12から上壁11へ向かう方向をz方向とし、z方向と直交する面の一方向をx方向とし、x方向と直交する方向をy方向とする。またz方向と直交する面における坩堝10の中心からコイル20へ向かう方向を径方向とする。
【0020】
(結晶成長装置)
図1は、第1実施形態にかかる結晶成長装置のxz断面図である。図1は、坩堝10の中心軸に沿うxz面で切断した断面図である。図2は、第1実施形態にかかる結晶成長装置のxy断面図である。図2は、図1のA-A面に沿って切断した切断面である。結晶成長装置100は、坩堝10とコイル20とを備える。図1では、理解を容易にするために、原料G、種結晶S、種結晶S上に結晶成長した単結晶Cを同時に図示している。
【0021】
坩堝10は、内部に単結晶Cを結晶成長させる結晶成長空間Kを有する柱状体である。坩堝10は、例えば、円柱状である。坩堝10は、上壁11と下壁12と側壁13とを有する。坩堝10は、例えば、上壁11と側壁13との間で、分離可能である。坩堝10内の結晶成長空間Kには、原料Gと種結晶Sを設置できる。昇華法によって単結晶Cを結晶成長させる際は、坩堝10の底部の下壁12上に原料Gが設置され、原料Gと対向する坩堝10の上壁11には結晶設置部14が設置される。結晶設置部14は、原料Gと対向する。昇華法によって単結晶Cを結晶成長させる際は、結晶設置部14に種結晶Sが設置される。原料Gから昇華した原料ガスが、種結晶Sの表面で再結晶化することで、単結晶Cが結晶成長する。
【0022】
坩堝10は、単結晶Cを成長する際の高温に耐えることができる材料からなる。坩堝10は、例えば、黒鉛である。黒鉛は昇華温度が3550℃と極めて高く、成長時の高温にも耐えることができる。
【0023】
坩堝10の側壁13は、内部に空間Spを有する。空間Spは、例えば、円環状である。空間Spのz方向の高さは、例えば、空間Spの径方向の幅より大きい。
【0024】
空間Spの高さ中心は、例えば、坩堝10の高さ中心より下壁12側にある。原料Gは、坩堝10のz方向の高さ中心より下方に設置される場合が多い。SiCの昇華法において原料G内の温度差は小さいことが好ましい。空間Spは、坩堝10内に設置された原料Gの高さ位置と重なる部分に設けることで、原料Gが均熱になる。原料Gの高さ位置とは、原料Gの表面から原料Gが設置される坩堝の内底面までの高さの範囲を意味する。また、空間Spの上端の位置は、原料Gの表面の位置よりも高いことが好ましい。すなわち、空間Spの上端は、原料Gの表面より上方にあることが好ましい。
【0025】
空間Spは、径方向に側壁13の第1部分13aと第2部分13bとに挟まれる。第1部分13aは、側壁13の空間Spより径方向の外側の部分である。第2部分13bは、側壁13の空間Spより径方向の内側の部分である。
【0026】
第1部分13aの径方向の幅w13aは、例えば、周方向のいずれの位置でも略一定である。第1部分13aからの輻射量が周方向のいずれの位置でも略一定となり、第2部分13bの加熱が周方向で均熱化される。第2部分13bの径方向の幅w13bは、例えば、周方向のいずれの位置でも略一定である。第2部分13bの熱容量が周方向のいずれの位置でも略一定となり、原料Gが均熱に加熱される。
【0027】
第1部分13aの径方向の幅 13a は、第2部分13bの径方向の幅 13b より大きいことが好ましい。また第1部分13aの径方向の幅w13a 、第2部分13bの径方向の幅w13bはいずれも、空間Spの径方向の幅wSpより小さいことが好ましい。すなわち幅wSp>幅w13a>幅w13bを満たすことが好ましい。
【0028】
第1部分13aの径方向の幅w13aは、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上とするがよい。幅w13aが当該範囲を満たせば、第1部分13aはコイル20により十分誘導加熱される。
【0029】
空間Spは、輻射で熱伝達するため、熱伝導での熱伝達と比較して空間Sp内に均熱な環境を作ることができる。しかし、空間Spのアスペクト比z/xが大きすぎると空間Sp内の均熱性が損なわれてしまう。アスペクト比z/xは好ましくは10以下、より好ましくは4以下とするのがよい。
【0030】
第2部分13bの径方向の幅w13bは、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下とするがよい。第2部分13bは、空間Spで均熱化させた熱を、均熱性を維持したまま外壁から内壁へ伝達させる。そのため、第2部分13bに厚みがあると上下方向の熱伝導によって均熱性が低下するおそれがあるため、できるだけ薄くすることが好ましい。
【0031】
空間Spは、例えば、坩堝10の側壁13に、側面又は下面から凹部を形成し、その凹部の表面部分を埋めることで形成できる。また坩堝10の側壁に凹部を有する部材を貼り付けることで、空間Spを形成することもできる。
【0032】
コイル20は、坩堝10の外側に配置される。コイル20は、側壁13を囲む。コイル20は、例えば、坩堝10の周囲を巻回している。コイル20に電流を流すと、コイル20の内側に磁界が発生する。発生した磁界により坩堝10内に誘導電流が生じ、坩堝10が発熱する。コイル20は、例えば、シングルコイルであり、連続する一つの配線からなる。
【0033】
第1実施形態にかかる結晶成長装置100は、空間Spがある部分の近傍におけるz方向の温度差を緩和できる。
【0034】
図3は、比較例にかかる結晶成長装置100’のxz断面図である。比較例にかかる結晶成長装置100’は、坩堝10’の側壁13’の内部に空間Spを有さない点が、第1実施形態にかかる結晶成長装置100と異なる。その他の構成は、図1に示す例と同様である。
【0035】
比較例に係る結晶成長装置100’の坩堝10’は、コイル20で発生した磁界を受けて発熱する。坩堝10’の側壁13’から原料Gに、熱は熱伝導によって伝わり、原料G内に温度分布が生じる。
【0036】
これに対し、第1実施形態にかかる結晶成長装置100の坩堝10は、側壁13の内部に空間Spを有する。空間Spの近傍では、コイル20で発生した磁界を受けて、まず第1部分13aが発熱する。第1部分13aと第2部分13bとの間には空間Spがあるため、第2部分13bは第1部分13aからの輻射を受けて加熱される。第2部分13bは、第1部分13aの第2部分13b側の面からの輻射を受ける。すなわち、第2部分13bは、第1部分13aを介して、コイル20により間接的に加熱される。第2部分13bの加熱が輻射による間接加熱になることで、第2部分13b内のz方向の温度分布が小さくなる。その結果、第2部分13bから原料Gに伝わる熱がz方向に均一になり、原料G内のy方向とz方向の双方の温度分布が低減する。
【0037】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0038】
図4は、第1変形例にかかる結晶成長装置の断面模式図である。第1変形例にかかる結晶成長装置101は、空間Sp2の形状が図1に示す結晶成長装置100と異なる。図4において、図1と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省く。
【0039】
空間Sp2は、坩堝10の側壁13から下壁12に亘って形成されている。空間Sp2の一部は、坩堝10の底面に露出し、空間Sp2は開口している。
【0040】
第1変形例にかかる結晶成長装置101においても、空間Sp2は第1部分13aと第2部分13bとに挟まれている。第2部分13bは、第1部分13aにより間接的に加熱されるため、第1実施形態にかかる結晶成長装置100と同様に、原料G内の温度分布を低減できる。
【0041】
(結晶成長方法)
第2実施形態にかかる結晶成長方法は、第1実施形態にかかる結晶成長装置100、101を用いた結晶成長方法である。坩堝10の側壁13の内部には空間Spが形成されている。第2実施形態にかかる結晶成長方法は、側壁13の空間Spの位置によって、坩堝10内の温度分布を設定する。
【0042】
上述のように、側壁13内に空間Spを設けると、輻射により加熱される部分が生じる。輻射により加熱される部分は、間接的に加熱されるため、均熱化する。第1実施形態では、原料Gの近傍を均熱化する例を提示したが、坩堝10内の原料G以外の部分を均熱化したい場合もある。第2実施形態にかかる結晶成長方法は、均熱化したい部分の近傍の坩堝10の壁面に空間Spを形成する。空間Spを設ける場所を設計することで、坩堝10内の温度分布を適切に制御できる。
【実施例
【0043】
(実施例1)
坩堝をコイルで加熱した状態をシミュレーションで再現し、内部の温度分布を求めた。シミュレーションには、STR社製のVirtual Reactorを用いた。を用いた。当該シミュレーションは、炉内の温度分布のシミュレーションに広く用いられているものであり、実際の実験結果と高い相関を有することが確認されている。
【0044】
シミュレーションは、二次元軸対象のモデルで計算させた。また坩堝は、計算負荷の低減のため、一定媒体としてシミュレーションを行った。一定媒体の坩堝の周囲は断熱材Iで覆った。坩堝10のサイズは、半径190mm、高さ390mmとした。また、空間Spは、外側面から20mm、下面から55mm、高さ190mm、径方向の幅45mmとした。
【0045】
(実施例2)
実施例2は、空間Spの位置を下面から15mmとした点が実施例1と異なる。その他の条件は、実施例1と同様にして、シミュレーションを行った。
【0046】
(比較例1)
比較例1は、空間Spを設けなかった点が実施例1と異なる。その他の条件は、実施例1と同様にして、シミュレーションを行った。
【0047】
実施例1、実施例2、比較例1の結果を図5に示す。図5に示すように、坩堝内において、高さ位置h1から離れるほど、温度は低温になっている。図5に示すように、実施例1及び実施例2は、比較例1と比較して、空間Sp近傍においてz方向の温度差と共にy方向の温度差が小さくなった。すなわち、空間Spによりy方向とz方向の温度分布を小さくすることができた。
【0048】
また、実施例1と実施例2では坩堝における高温領域の位置が異なり、空洞をより下部に持たせた実施例2の方が下部を温められていることがわかる。すなわち、空洞の位置を変える事により、温度分布を調整することができている。
【符号の説明】
【0049】
10 坩堝、11 上壁、12 下壁、13 側壁、13a 第1部分、13b 第2部分、14 結晶設置部、20 ヒータ、100,101 結晶成長装置、C 単結晶、G 原料、I 断熱材、K 成膜結晶成長空間、S 種結晶、Sp,Sp2 空間
図1
図2
図3
図4
図5