(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】画像形成装置、制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G03G 21/20 20060101AFI20241008BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
G03G21/20
G03G21/00 398
G03G21/00 376
G03G21/00 386
(21)【出願番号】P 2020203639
(22)【出願日】2020-12-08
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】後藤 繁彰
(72)【発明者】
【氏名】新妻 健史郎
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-159662(JP,A)
【文献】特開2020-086130(JP,A)
【文献】特開2006-044221(JP,A)
【文献】特開2003-084629(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/36
G03G 21/00
G03G 21/02
G03G 21/14
G03G 21/20
B41J 29/00-29/70
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部環境の除湿を行うための除湿ヒータを備えた画像形成装置であって、
入力部への操作に従って、時期に応じて前記除湿ヒータの動作を切り替えるためのカレンダ機能の設定を行う設定部と、
前記設定部により設定された前記カレンダ機能に従って、前記除湿ヒータの加熱動作または加熱停止を切り替えるヒータ制御部と、
を備え
、
前記設定部は、
前記カレンダ機能として、月、日または時間ごとに、前記除湿ヒータの動作を規定する除湿ヒータ設定を行い、
前記除湿ヒータ設定として、前記画像形成装置の電源がオン状態かオフ状態か、該画像形成装置がいずれの動作モードかにかかわらず常に前記除湿ヒータを加熱動作状態にする第1設定、該画像形成装置の電源がオン状態かオフ状態か、該画像形成装置がいずれの動作モードかにかかわらず常に前記除湿ヒータを加熱停止状態にする第2設定、および、該画像形成装置の電源がオン状態、または動作モードが通常の印刷が可能な通常動作モードの場合、前記除湿ヒータをオフ状態とし、該画像形成装置の電源がオフ状態、または動作モードが省エネモードの場合、前記除湿ヒータをオン状態とする第3設定のうちいずれかの設定を行い、
前記ヒータ制御部は、前記カレンダ機能により、現在の月、日または時間に該当する前記除湿ヒータ設定に従って、前記除湿ヒータの加熱動作または加熱停止を切り替える画像形成装置。
【請求項2】
前記ヒータ制御部は、
前記画像形成装置の電源がオン状態となった場合、または前記省エネモードから前記通常動作モードへ復帰した場合に、
現在の月、日または時間に該当する前記除湿ヒータ設定が前記第1設定となっている場合、前記除湿ヒータに対して加熱動作を行わせ、
現在の月、日または時間に該当する前記除湿ヒータ設定が前記第2設定または前記第3設定となっている場合、前記除湿ヒータを加熱停止させる請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ヒータ制御部は、
前記画像形成装置の電源をオフ状態とする場合、または動作モードが前記省エネモードへ移行する場合に、
現在の月、日または時間に該当する前記除湿ヒータ設定が前記第1設定または前記第3設定となっている場合、前記除湿ヒータに対して加熱動作を行わせ、
現在の月、日または時間に該当する前記除湿ヒータ設定が前記第2設定となっている場合、前記除湿ヒータを加熱停止させる請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ヒータ制御部は、
前記設定部により前記除湿ヒータ設定が切り替えられた場合に、
現在の月、日または時間に該当する前記除湿ヒータ設定が前記第1設定となっている場合、前記除湿ヒータに対して加熱動作を行わせ、
現在の月、日または時間に該当する前記除湿ヒータ設定が前記第2設定または前記第3設定となっている場合、前記除湿ヒータを加熱停止させる請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記設定部は、前記入力部への操作に従って、前記カレンダ機能を有効にするか無効にするかを設定し、該カレンダ機能が無効の場合の前記除湿ヒータ設定を設定する請求項
1~
4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置内に設置された温湿度センサから温湿度情報を取得する取得部を、さらに備え、
前記ヒータ制御部は、前記取得部により取得された前記温湿度情報に基づいて、前記除湿ヒータを使用する環境であるか否かを判断し、
前記除湿ヒータを使用する環境であると判断された場合、該除湿ヒータを使用の要否の判断を請う旨の通知を表示装置に表示させる表示制御部を、さらに備え、
前記ヒータ制御部は、
前記入力部を介して前記除湿ヒータを使用すると選択操作された場合、前記除湿ヒータに対して加熱動作を行わせ、
前記入力部を介して前記除湿ヒータを使用しないと選択操作された場合、前記除湿ヒータを加熱停止させる請求項1~
5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
内部環境の除湿を行うための除湿ヒータを備えた画像形成装置の制御方法であって、
入力部への操作に従って、時期に応じて前記除湿ヒータの動作を切り替えるためのカレンダ機能の設定を行う設定ステップと、
設定した前記カレンダ機能に従って、前記除湿ヒータの加熱動作または加熱停止を切り替えるヒータ制御ステップと、
を有
し、
前記設定ステップは、
前記カレンダ機能として、月、日または時間ごとに、前記除湿ヒータの動作を規定する除湿ヒータ設定を行い、
前記除湿ヒータ設定として、前記画像形成装置の電源がオン状態かオフ状態か、該画像形成装置がいずれの動作モードかにかかわらず常に前記除湿ヒータを加熱動作状態にする第1設定、該画像形成装置の電源がオン状態かオフ状態か、該画像形成装置がいずれの動作モードかにかかわらず常に前記除湿ヒータを加熱停止状態にする第2設定、および、該画像形成装置の電源がオン状態、または動作モードが通常の印刷が可能な通常動作モードの場合、前記除湿ヒータをオフ状態とし、該画像形成装置の電源がオフ状態、または動作モードが省エネモードの場合、前記除湿ヒータをオン状態とする第3設定のうちいずれかの設定を行い、
前記ヒータ制御ステップは、前記カレンダ機能により、現在の月、日または時間に該当する前記除湿ヒータ設定に従って、前記除湿ヒータの加熱動作または加熱停止を切り替える制御方法。
【請求項8】
コンピュータに、
入力部への操作に従って、画像形成装置の内部環境の除湿を行うための除湿ヒータの動作を、時期に応じて切り替えるためのカレンダ機能の設定を行う設定ステップと、
設定した前記カレンダ機能に従って、前記除湿ヒータの加熱動作または加熱停止を切り替えるヒータ制御ステップと、
を実行させ
、
前記設定ステップは、
前記カレンダ機能として、月、日または時間ごとに、前記除湿ヒータの動作を規定する除湿ヒータ設定を行い、
前記除湿ヒータ設定として、前記画像形成装置の電源がオン状態かオフ状態か、該画像形成装置がいずれの動作モードかにかかわらず常に前記除湿ヒータを加熱動作状態にする第1設定、該画像形成装置の電源がオン状態かオフ状態か、該画像形成装置がいずれの動作モードかにかかわらず常に前記除湿ヒータを加熱停止状態にする第2設定、および、該画像形成装置の電源がオン状態、または動作モードが通常の印刷が可能な通常動作モードの場合、前記除湿ヒータをオフ状態とし、該画像形成装置の電源がオフ状態、または動作モードが省エネモードの場合、前記除湿ヒータをオン状態とする第3設定のうちいずれかの設定を行い、
前記ヒータ制御ステップは、前記カレンダ機能により、現在の月、日または時間に該当する前記除湿ヒータ設定に従って、前記除湿ヒータの加熱動作または加熱停止を切り替えるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、設置環境により積載された記録媒体の湿気を取り除き、あるいは画像を読み取る際のスキャナガラスの結露を防止する等のために、複数の除湿ヒータが搭載され、それらをリレーにより駆動するという技術がある。
【0003】
しかし、従来の除湿ヒータの制御方法は、サービス従事者がユーザを訪問して除湿ヒータを駆動するか否かを決定していたが、温度または湿度により除湿ヒータが必要な時期が季節毎に変わるため、その度にサービス従事者がユーザを訪問しなければならずレイバーコストが増大するという問題があった。
【0004】
このような除湿ヒータの制御技術として、除湿ヒータ使用時の電力を削減するために、1回の通電でスイッチの状態を保持することができる除湿ヒータスイッチを用いて、省電力モード中でも除湿ヒータをオンオフすることができる構成が開示されている(例えば特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、管理者が季節毎に変わる除湿ヒータの必要な時期に応じて除湿ヒータを制御したい場合、サービス従事者が画像形成装置の管理者を訪問して除湿ヒータの設定を変更する必要があるためレイバーコストが増大するという問題が解消できていない。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザが意図した時期に応じて除湿ヒータを制御することによりユーザの利便性を向上することができる画像形成装置、制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、内部環境の除湿を行うための除湿ヒータを備えた画像形成装置であって、入力部への操作に従って、時期に応じて前記除湿ヒータの動作を切り替えるためのカレンダ機能の設定を行う設定部と、前記設定部により設定された前記カレンダ機能に従って、前記除湿ヒータの加熱動作または加熱停止を切り替えるヒータ制御部と、を備え、前記設定部は、前記カレンダ機能として、月、日または時間ごとに、前記除湿ヒータの動作を規定する除湿ヒータ設定を行い、前記除湿ヒータ設定として、前記画像形成装置の電源がオン状態かオフ状態か、該画像形成装置がいずれの動作モードかにかかわらず常に前記除湿ヒータを加熱動作状態にする第1設定、該画像形成装置の電源がオン状態かオフ状態か、該画像形成装置がいずれの動作モードかにかかわらず常に前記除湿ヒータを加熱停止状態にする第2設定、および、該画像形成装置の電源がオン状態、または動作モードが通常の印刷が可能な通常動作モードの場合、前記除湿ヒータをオフ状態とし、該画像形成装置の電源がオフ状態、または動作モードが省エネモードの場合、前記除湿ヒータをオン状態とする第3設定のうちいずれかの設定を行い、前記ヒータ制御部は、前記カレンダ機能により、現在の月、日または時間に該当する前記除湿ヒータ設定に従って、前記除湿ヒータの加熱動作または加熱停止を切り替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザが意図した時期に応じて除湿ヒータを制御することによりユーザの利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、除湿ヒータおよび温湿度センサの設置例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る画像形成装置のヒータ駆動システムの構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る画像形成装置のコントローラの機能ブロックの構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、主電源オン時および省エネ復帰時の除湿ヒータの制御動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、主電源オフ時および省エネ移行時の除湿ヒータの制御動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、除湿ヒータ設定切替時の除湿ヒータの制御動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、温度および湿度に基づく除湿ヒータの制御動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照しながら、本発明に係る画像形成装置、制御方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。また、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、およびいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下の実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
【0011】
(画像形成装置の構成)
図1は、実施形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す図である。
図2は、除湿ヒータおよび温湿度センサの設置例を示す図である。
図1および
図2を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置1の構成について説明する。本実施形態に係る画像形成装置1は、MFP(Multifunction Peripheral)であるものとして説明する。ここで、MFPとは、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、およびファックス機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機である。なお、画像形成装置1は、MFPであることに限定されるものではなく、除湿機能が必要とされる画像形成装置であれば、インクジェットプリンタ、電子写真プリンタ、または商業用印刷機等の他の画像形成装置であってもよい。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、コントローラ500と、操作表示部510と、FCU(Facsimile Control Unit)520と、プロッタ531(印刷装置)と、スキャナ532と、ヒータ駆動システム10とがPCI(Peripheral Component Interface)バスで接続された構成となっている。
【0013】
コントローラ500は、画像形成装置1全体の制御、描画、通信および操作表示部510からの入力を制御する装置である。
【0014】
操作表示部510は、例えば、タッチパネル等であり、コントローラ500に対する入力を受け付ける(入力機能)と共に、画像形成装置1の状態および設定情報等を表示(表示機能)する装置であり、後述するASIC(Application Specific Integrated Circuit)506に直接接続されている。
【0015】
FCU520は、ファックス機能を実現する装置であり、例えば、PCIバスによってASIC506に接続されている。
【0016】
プロッタ531は、印刷機能を実現する装置であり、例えば、PCIバスによってASIC506に接続されている。スキャナ532は、スキャナ機能を実現する機能であり、例えば、PCIバスによってASIC506に接続されている。
【0017】
ヒータ駆動システム10は、
図2に示すように、画像形成装置1の内部に設置された除湿ヒータである第1ヒータ207、第2ヒータ208および第3ヒータ209の加熱動作を駆動する電気回路である。ヒータ駆動システム10の具体的な構成については、
図3で後述する。
【0018】
コントローラ500は、CPU(Central Processing Unit)501と、システムメモリ(MEM-P)502と、ノースブリッジ(NB)503と、サウスブリッジ(SB)504aと、ネットワークI/F504bと、USB(Universal Serial Bus) I/F504cと、セントロニクスI/F504dと、センサI/F504eと、ASIC506と、ローカルメモリ(MEM-C)507と、補助記憶装置508と、を有している。
【0019】
CPU501は、画像形成装置1の全体制御を行う演算装置であり、システムメモリ502、ノースブリッジ503およびサウスブリッジ504aからなるチップセットに接続され、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0020】
システムメモリ502は、プログラムおよびデータの格納用メモリ、プログラムおよびデータの展開用メモリ、ならびにプリンタの描画用メモリ等として用いるメモリであり、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とを有している。このうち、ROMは、プログラムおよびデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAMは、プログラムおよびデータの展開用メモリ、ならびにプリンタの描画用メモリ等として用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0021】
ノースブリッジ503は、CPU501と、システムメモリ502、サウスブリッジ504aおよびAGP(Accelerated Graphics Port)バス505とを接続するためのブリッジであり、システムメモリ502に対する読み書き等を制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0022】
サウスブリッジ504aは、ノースブリッジ503と、PCIデバイスおよび周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。サウスブリッジ504aは、PCIバスを介してノースブリッジ503と接続されており、PCIバスには、ネットワークI/F504b、USB I/F504c、セントロニクスI/F504dおよびセンサI/F504e等が接続されている。
【0023】
ネットワークI/F504bは、ネットワークNを利用して情報処理装置20等の外部装置とデータを通信するためのインターフェースである。ネットワークI/F504bは、例えば、イーサネット(登録商標)に対応し、TCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)等に準拠した通信が可能である。
【0024】
USB I/F504cは、USB規格に準拠した装置と通信が可能なインターフェースである。
【0025】
セントロニクスI/F504dは、複数ビットの送信が可能なパラレルポートの仕様を有するインターフェースである。
【0026】
センサI/F504eは、
図2に示すように画像形成装置1の内部に配置された温度および湿度を検出する温湿度センサ220から温湿度情報を受信するためのインターフェースである。
【0027】
AGPバス505は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインターフェースである。AGPバス505は、システムメモリ502に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にするバスである。
【0028】
ASIC506は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス505、PCIバス、補助記憶装置508およびローカルメモリ507をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。ASIC506は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC506の中核をなすアービタ(ARB)と、ローカルメモリ507を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジック等により画像データの回転等を行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、プロッタ531およびスキャナ232との間でPCIバスを介したデータ転送を行うPCIユニットとから構成される。ASIC506には、例えば、PCIバスを介してFCU520、プロッタ531、スキャナ532およびヒータ駆動システム10が接続される。また、ASIC506は、図示しないホストPC(Personal Computer)およびネットワーク等にも接続されている。
【0029】
ローカルメモリ507は、コピー用画像バッファおよび符号バッファとして用いるメモリである。
【0030】
補助記憶装置508は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、SD(Secure Digital)カードまたはフラッシュメモリ等の記憶装置であり、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積、および各種の設定情報の記憶等を行うためのストレージである。
【0031】
なお、上述の画像形成装置1のプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルによって、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(補助記憶装置508等)に記録されて流通されるようにしてもよい。
【0032】
また、
図1に示す画像形成装置1のハードウェア構成は、一例であり、すべての構成機器を備えている必要はなく、また、他の構成機器を備えているものとしてもよい。
【0033】
(ヒータ駆動システムの構成)
図3は、実施形態に係る画像形成装置のヒータ駆動システムの構成の一例を示す図である。
図3参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置1のヒータ駆動システム10の構成を説明する。
【0034】
図3に示すように、ヒータ駆動システム10は、商用交流電源であるAC電源200から交流電力が供給され、第1ヒータ207、第2ヒータ208および第3ヒータ209を駆動するための電気回路システムである。ヒータ駆動システム10は、
図3に示すように、ヒューズ201と、バリスタ202と、コモンモードコイル203と、リレー駆動回路204と、リレー駆動回路205と、ラッチングリレー206と、を備えている。
【0035】
ヒューズ201は、過電流からヒータ駆動システム10を保護するための電気部品である。バリスタ202は、他の電子部品を高電圧から保護するためのバイパスとなる電子部品である。コモンモードコイル203は、AC電源200のノイズについての除去フィルタの役割を果たす電子部品である。
【0036】
リレー駆動回路204は、コントローラ500からの制御信号に従って、後述するラッチングリレー206のSETコイル206bにパルス電圧により通電させて励磁状態にする駆動回路である。リレー駆動回路205は、コントローラ500からの制御信号に従って、後述するラッチングリレー206のRESETコイル206cにパルス電圧により通電させて励磁状態にする駆動回路である。以下、SETコイル206bおよびRESETコイル206cに通電させて励磁状態にすることを「駆動する」と称する場合がある。
【0037】
ラッチングリレー206は、接点206aと、SETコイル206bと、RESETコイル206cとを有し、接点206aの開閉状態を、SETコイル206bおよびRESETコイル206cにより保持するリレー部品である。具体的には、リレー駆動回路204からパルス電圧がSETコイル206bに印加されると、接点206aは閉状態となり、当該閉状態が保持される。すると、第1ヒータ207、第2ヒータ208および第3ヒータ209に対するAC電源200による電力供給の回路が閉じた状態となり、各ヒータに交流電力が供給され、加熱動作が開始される。接点206aが閉状態となった後は、SETコイル206bへの通電が停止しても、当該閉状態が保持される。一方、リレー駆動回路205からパルス電圧がRESETコイル206cに印加されると、接点206aは開状態となり、当該開状態が保持される。すると、第1ヒータ207、第2ヒータ208および第3ヒータ209に対するAC電源200による電力供給の回路が開いた状態となり、各ヒータに対する交流電力の供給が遮断され、加熱動作が停止する。接点206aが開状態となった後は、RESETコイル206cへの通電が停止しても、当該開状態が保持される。
【0038】
一般的な回路では、AC電源の供給回路の開閉にはメカニカルリレーを用いるが、メカニカルリレーの場合、コイルの励磁状態を維持するには、コントローラからパルス電圧を印加し続けなければならない。そのため、システムダウンが起こると、メカニカルリレーの状態が初期状態に戻ってしまうという欠点がある。また、画像形成装置の状態によって除湿ヒータの駆動方法を変える場合には、制御プログラムを構築したり、またはメカニカルスイッチによりユーザが任意に操作するという方式で対応せざるを得ず、開発コストまたは部品コストが増加するという欠点もある。さらに、システムダウンによりメカニカルリレーの状態が変わることにより除湿ヒータの本来の機能である除湿および結露防止の機能が失われる機能が長くなるという欠点もある。
【0039】
一方、上述のラッチングリレー206は、SETコイル206bへの1回のパルス電圧の印加により接点206aの閉状態を保持することができるため、システムの状態には左右されず、システムダウン等が発生しても除湿および結露防止の機能を有効にさせておくがことができるという利点がある。
【0040】
第1ヒータ207、第2ヒータ208および第3ヒータ209は、画像形成装置1の内部に設置され、画像形成装置1内での除湿および結露の発生を防止するための除湿ヒータである。第1ヒータ207、第2ヒータ208および第3ヒータ209は、画像形成装置1の設置環境により要否が決定されるため、画像形成装置1内部の定着装置、または当該各除湿ヒータによる昇温の影響を受けない場所に設置されるのが一般的である。なお、上述の
図1~
図3では、除湿ヒータとして第1ヒータ207、第2ヒータ208および第3ヒータ209の3台のヒータが設置された例を示したが、除湿ヒータの台数はこれに限定されるものではない。また、以下、第1ヒータ207、第2ヒータ208および第3ヒータ209を総称する場合、またはこれらのうち任意のヒータを示す場合、単に「除湿ヒータ」と称する場合がある。
【0041】
コントローラ500は、
図1に示した構成を有する制御装置であり、
図3においてはリレー駆動回路204、205の動作を制御するための制御信号を送信する。また、コントローラ500には、
図1で上述したように、温湿度センサ220が接続されている。この温湿度センサ220により検出された温湿度情報(温度情報、湿度情報)は、コントローラ500へ送信され、コントローラ500は、受信した温湿度情報に基づいて、ヒータ駆動システム10を介して第1ヒータ207、第2ヒータ208および第3ヒータ209の動作を制御する。例えば、コントローラ500は、温湿度情報が示す相対温度および相対湿度を、補助記憶装置508に記憶された温度テーブルに当てはめ、画像形成装置1の設置された環境が高温高湿(高温多湿)、常温常湿、または低温低湿等のうちどのような状態にあるのか判断する。なお、上述の
図1~
図3では、1台の温湿度センサ220が設置された例を示したが、温湿度センサの台数はこれに限定されるものではない。
【0042】
(コントローラの機能ブロックの構成および動作)
図4は、実施形態に係る画像形成装置のコントローラの機能ブロックの構成の一例を示す図である。
図4を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置1のコントローラ500の機能ブロックの構成および動作について説明する。
【0043】
図4に示すように、画像形成装置1のコントローラ500は、設定部101と、ヒータ制御部102と、取得部103と、入力部104と、表示制御部105と、記憶部106と、を有する。
【0044】
設定部101は、入力部104への操作入力に従って、各種の設定情報を設定する機能部である。設定部101により設定される設定情報としては、カレンダ機能の内容の設定、当該カレンダ機能の有効または無効の設定、および当該カレンダ機能が無効である場合の除湿ヒータ設定等がある。
【0045】
ここで、除湿ヒータ設定とは、画像形成装置1の主電源がオン状態かオフ状態か、省エネモード(動作モードの一例)か通常動作モード(動作モードの一例)かにかかわらず常に除湿ヒータをオン状態(加熱動作状態)とする常時ヒータオン設定(第1設定)と、主電源がオン状態かオフ状態か、省エネモードか通常動作モードかにかかわらず常に除湿ヒータをオフ状態(加熱停止状態)とする常時ヒータオフ設定(第2設定)と、主電源がオン状態または通常動作モードの場合、除湿ヒータをオフ状態とし、主電源がオフ状態または省エネモードの場合、除湿ヒータをオン状態とするヒータオン/オフ切替設定(第3設定)と、がある。ここで、通常動作モードとは、省エネモードではない画像形成装置1の印刷動作が通常に実行できる状態の動作モードを示す。また、カレンダ機能の内容の設定とは、1月~12月の月ごと(または日・時間ごと)にどの除湿ヒータ設定にするかの設定である。また、カレンダ機能の有効または無効の設定とは、上述のカレンダ機能の内容の設定を有効にするか無効にするかの設定であり、有効の場合、カレンダ機能の内容の設定に従って除湿ヒータの動作が制御される。また、カレンダ機能が無効である場合の除湿ヒータ設定とは、上述のカレンダ機能が無効に設定されている場合にどの除湿ヒータ設定にするかの設定である。これらの設定情報は、例えば操作表示部510に表示され、ユーザは、入力部104の操作によって任意に編集することができる。
【0046】
設定部101により設定された設定情報は、記憶部106に記憶される。設定部101は、例えば
図1に示すCPU501によってプログラムが実行されることによって実現される。
【0047】
ヒータ制御部102は、リレー駆動回路204、205に対する制御信号によってラッチングリレー206のSETコイル206bおよびRESETコイル206cの励磁状態を切り替え、第1ヒータ207、第2ヒータ208および第3ヒータ209の動作を制御する機能部である。ヒータ制御部102は、例えば
図1に示すCPU501によってプログラムが実行されることによって実現される。
【0048】
取得部103は、温湿度センサ220により取得された温湿度情報(温度情報、湿度情報)をセンサI/F504eを介して取得する機能部である。取得部103は、例えば
図1に示すCPU501によってプログラムが実行されることによって実現される。
【0049】
入力部104は、ユーザの操作入力を受け付ける機能部である。入力部104は、
図1に示す操作表示部510の入力機能によって実現される。
【0050】
表示制御部105は、操作表示部510に対して各種画面(例えば、上述の設定情報を設定するための画面等)および情報の表示制御を行う機能部である。表示制御部105は、例えば
図1に示すCPU501によってプログラムが実行されることによって実現される。
【0051】
記憶部106は、各種データ、設定情報およびプログラム等を記憶する機能部である。記憶部106は、
図1に示す補助記憶装置508によって実現される。
【0052】
なお、
図4に示すコントローラ500の各機能部のうちソフトウェア(プログラム)で実現される機能部は、少なくともその一部が、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC等のハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0053】
また、
図4に示すコントローラ500の各機能部は、機能を概念的に示したものであって、このような構成に限定されるものではない。例えば、
図4に示すコントローラ500で独立した機能部として図示した複数の機能部を、1つの機能部として構成してもよい。一方、
図4に示すコントローラ500で1つの機能部が有する機能を複数に分割し、複数の機能部として構成するものとしてもよい。
【0054】
(カレンダ機能に基づく除湿ヒータの制御動作の流れ)
次に、
図5~
図7を参照しながら、上述のように設定部101により設定された除湿ヒータに関する設定(カレンダ機能の内容の設定、カレンダ機能の有効または無効の設定、カレンダ機能が無効である場合の除湿ヒータ設定)に基づいた、除湿ヒータの制御動作について説明する。
【0055】
図5は、主電源オン時および省エネ復帰時の除湿ヒータの制御動作の流れの一例を示すフローチャートである。まず、
図5を参照しながら、画像形成装置1の主電源をオン状態にしたとき、または画像形成装置1が省エネモードから通常動作モードに復帰したときの除湿ヒータの制御動作について説明する。
【0056】
<ステップS11>
画像形成装置1の主電源をオン状態にしたとき、または画像形成装置1が省エネモードから通常動作モードに復帰したとき、ヒータ制御部102は、記憶部106等を参照して、機器情報を取得する。ここで、機器情報とは、例えば月日情報等を含む。そして、ヒータ制御部102は、記憶部106に記憶されている設定情報を参照し、カレンダ機能の有効または無効の設定を確認する。そして、ステップS12へ移行する。
【0057】
<ステップS12>
カレンダ機能が無効となっている場合(ステップS12:No)、ステップS15へ移行し、カレンダ機能が有効となっている場合(ステップS12:Yes)、ステップS13へ移行する。
【0058】
<ステップS13>
ヒータ制御部102は、取得した機器情報から月日情報を取得し、現在の月日を把握する。そして、ステップS14へ移行する。
【0059】
<ステップS14>
ヒータ制御部102は、記憶部106に記憶されている設定情報のカレンダ機能の内容の設定を参照し、現在の月日に該当する除湿ヒータ設定を確認する。そして、ステップS15へ移行する。
【0060】
<ステップS15>
除湿ヒータ設定(カレンダ機能が有効になっている場合には、現在の月日に該当する除湿ヒータ設定、カレンダ機能が無効になっている場合には、カレンダ機能が無効である場合の除湿ヒータ設定)が、常時ヒータオン設定になっていない場合(ステップS15:No)、ステップS16へ移行し、常時ヒータオン設定になっている場合(ステップS15:Yes)、ステップS17へ移行する。
【0061】
<ステップS16>
ヒータ制御部102は、ラッチングリレー206のRESETコイル206cに通電するための制御信号をリレー駆動回路205へ送信する。リレー駆動回路205は、当該制御信号に従って、RESETコイル206cにパルス電圧を印加し、接点206aを開状態にし、第1ヒータ207、第2ヒータ208および第3ヒータ209の加熱動作を停止する。そして、除湿ヒータの制御動作を終了する。
【0062】
<ステップS17>
ヒータ制御部102は、ラッチングリレー206のSETコイル206bに通電するための制御信号をリレー駆動回路204へ送信する。リレー駆動回路204は、当該制御信号に従って、SETコイル206bにパルス電圧を印加し、接点206aを閉状態にし、第1ヒータ207、第2ヒータ208および第3ヒータ209の加熱動作を開始する。そして、除湿ヒータの制御動作を終了する。
【0063】
図6は、主電源オフ時および省エネ移行時の除湿ヒータの制御動作の流れの一例を示すフローチャートである。次に、
図6を参照しながら、画像形成装置1の主電源をオフ状態にしたとき、または画像形成装置1が省エネモードへ移行したときの除湿ヒータの制御動作について説明する。
【0064】
<ステップS21>
画像形成装置1の主電源をオフ状態にしたとき、または画像形成装置1が省エネモードに移行したとき、ヒータ制御部102は、記憶部106に記憶されている設定情報を参照し、カレンダ機能の有効または無効の設定を確認する。カレンダ機能が無効となっている場合(ステップS21:No)、ステップS24へ移行し、カレンダ機能が有効となっている場合(ステップS21:Yes)、ステップS22へ移行する。
【0065】
<ステップS22>
ヒータ制御部102は、記憶部106等を参照して得られる機器情報から月日情報を取得し、現在の月日を把握する。そして、ステップS23へ移行する。
【0066】
<ステップS23>
ヒータ制御部102は、記憶部106に記憶されている設定情報のカレンダ機能の内容の設定を参照し、現在の月日に該当する除湿ヒータ設定を確認する。そして、ステップS24へ移行する。
【0067】
<ステップS24>
除湿ヒータ設定(カレンダ機能が有効になっている場合には、現在の月日に該当する除湿ヒータ設定、カレンダ機能が無効になっている場合には、カレンダ機能が無効である場合の除湿ヒータ設定)が、常時ヒータオフ設定になっている場合(ステップS24:常時ヒータオフ設定)、ステップS25へ移行し、ヒータオン/オフ切替設定または常時ヒータオン設定になっている場合(ステップS24:ヒータオン/オフ切替設定または常時ヒータオン設定)、ステップS26へ移行する。
【0068】
<ステップS25>
ヒータ制御部102は、ラッチングリレー206のRESETコイル206cに通電するための制御信号をリレー駆動回路205へ送信する。リレー駆動回路205は、当該制御信号に従って、RESETコイル206cにパルス電圧を印加し、接点206aを開状態にし、第1ヒータ207、第2ヒータ208および第3ヒータ209の加熱動作を停止する。そして、除湿ヒータの制御動作を終了する。
【0069】
<ステップS26>
ヒータ制御部102は、ラッチングリレー206のSETコイル206bに通電するための制御信号をリレー駆動回路204へ送信する。リレー駆動回路204は、当該制御信号に従って、SETコイル206bにパルス電圧を印加し、接点206aを閉状態にし、第1ヒータ207、第2ヒータ208および第3ヒータ209の加熱動作を開始する。そして、除湿ヒータの制御動作を終了する。
【0070】
図7は、除湿ヒータ設定切替時の除湿ヒータの制御動作の流れの一例を示すフローチャートである。次に、
図7を参照しながら、画像形成装置1において除湿ヒータ設定を切り替えた場合の除湿ヒータの制御動作について説明する。
【0071】
<ステップS31>
設定部101により除湿ヒータ設定が切り替えられたとき、ヒータ制御部102は、記憶部106に記憶されている設定情報を参照し、カレンダ機能の有効または無効の設定を確認する。カレンダ機能が無効となっている場合(ステップS31:No)、ステップS33へ移行し、カレンダ機能が有効となっている場合(ステップS31:Yes)、ステップS32へ移行する。
【0072】
<ステップS32>
ヒータ制御部102は、記憶部106に記憶されている設定情報のカレンダ機能の内容の設定を参照し、現在の月日に該当する除湿ヒータ設定を確認する。そして、ステップS33へ移行する。
【0073】
<ステップS33>
除湿ヒータ設定(カレンダ機能が有効になっている場合には、現在の月日に該当する除湿ヒータ設定、カレンダ機能が無効になっている場合には、カレンダ機能が無効である場合の除湿ヒータ設定)が、常時ヒータオフ設定またはヒータオン/オフ切替設定になっている場合(ステップS33:常時ヒータオフ設定またはヒータオン/オフ切替設定)、ステップS34へ移行し、常時ヒータオン設定になっている場合(ステップS33:常時ヒータオン設定)、ステップS35へ移行する。
【0074】
<ステップS34>
ヒータ制御部102は、ラッチングリレー206のRESETコイル206cに通電するための制御信号をリレー駆動回路205へ送信する。リレー駆動回路205は、当該制御信号に従って、RESETコイル206cにパルス電圧を印加し、接点206aを開状態にし、第1ヒータ207、第2ヒータ208および第3ヒータ209の加熱動作を停止する。そして、除湿ヒータの制御動作を終了する。
【0075】
<ステップS35>
ヒータ制御部102は、ラッチングリレー206のSETコイル206bに通電するための制御信号をリレー駆動回路204へ送信する。リレー駆動回路204は、当該制御信号に従って、SETコイル206bにパルス電圧を印加し、接点206aを閉状態にし、第1ヒータ207、第2ヒータ208および第3ヒータ209の加熱動作を開始する。そして、除湿ヒータの制御動作を終了する。
【0076】
以上の
図5~
図7に示した除湿ヒータの制御動作のように、主電源のオン・オフ時、省エネモードへの移行時、または通常動作モードへの復帰時に、設定されているカレンダ機能の該当する月日の除湿ヒータ設定に応じて、除湿ヒータによる加熱動作および加熱停止を切り替えるものとしている。これによって、ユーザが意図した時期に応じて除湿ヒータを制御することができ、ユーザの利便性を向上することができる。
【0077】
(温度および湿度に基づく除湿ヒータの制御動作の流れ)
図8は、温度および湿度に基づく除湿ヒータの制御動作の流れの一例を示すフローチャートである。
図8を参照しながら、温度および湿度に基づく除湿ヒータの制御動作の流れを説明する。
【0078】
<ステップS41>
取得部103は、温湿度センサ220により取得された温湿度情報(温度情報、湿度情報)をセンサI/F504eを介して取得する。そして、ステップS42へ移行する。
【0079】
<ステップS42>
ヒータ制御部102は、取得部103により取得された温湿度情報に基づいて、除湿ヒータ(第1ヒータ207、第2ヒータ208および第3ヒータ209)を使用する環境であるか否かを判断する。除湿ヒータを使用する環境であると判断された場合(ステップS42:Yes)、ステップS43へ移行し、除湿ヒータを使用する環境でないと判断された場合(ステップS42:No)、何もせずに除湿ヒータの制御動作を終了する。
【0080】
<ステップS43>
表示制御部105は、除湿ヒータを使用する環境であり、当該除湿ヒータを使用の要否の判断を請う旨の通知(除湿ヒータ使用要否判断通知)を、操作表示部510に表示させる。そして、ステップS44へ移行する。
【0081】
<ステップS44>
ユーザ(管理者)は、操作表示部510に表示された除湿ヒータ使用要否判断通知を確認すると、入力部104を介して除湿ヒータを使用するか否かを選択操作する。除湿ヒータを使用しないと選択された場合(ステップS44:No)、ステップS45へ移行し、除湿ヒータを使用すると選択された場合(ステップS44:Yes)、ステップS46へ移行する。
【0082】
<ステップS45>
ヒータ制御部102は、ラッチングリレー206のRESETコイル206cに通電するための制御信号をリレー駆動回路205へ送信する。リレー駆動回路205は、当該制御信号に従って、RESETコイル206cにパルス電圧を印加し、接点206aを開状態にし、第1ヒータ207、第2ヒータ208および第3ヒータ209の加熱動作を停止する。そして、除湿ヒータの制御動作を終了する。
【0083】
<ステップS46>
ヒータ制御部102は、ラッチングリレー206のSETコイル206bに通電するための制御信号をリレー駆動回路204へ送信する。リレー駆動回路204は、当該制御信号に従って、SETコイル206bにパルス電圧を印加し、接点206aを閉状態にし、第1ヒータ207、第2ヒータ208および第3ヒータ209の加熱動作を開始する。そして、除湿ヒータの制御動作を終了する。
【0084】
以上のように、温度および湿度環境に応じて除湿ヒータの使用が必要であるか否かが判断されるので、サービス事業者等のメンテナンス訪問によるレイバーコストを低減することができる。
【0085】
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置1では、設定部101は、入力部104への操作に従って、時期に応じて除湿ヒータの動作を切り替えるためのカレンダ機能の設定を行い、ヒータ制御部102は、設定部101により設定されたカレンダ機能に従って、除湿ヒータの加熱動作または加熱停止を切り替えるものとしている。これによって、ユーザが意図した時期に応じて除湿ヒータを制御することによりユーザの利便性を向上することができる。
【0086】
なお、上述の各実施形態において、画像形成装置1の各機能部の少なくともいずれかがプログラムの実行によって実現される場合、そのプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。また、上述の各実施形態において、画像形成装置1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD-R(Compact Disk-Recordable)、またはDVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上述の各実施形態において、画像形成装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の各実施形態において、画像形成装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、上述の各実施形態において、画像形成装置1で実行されるプログラムは、上述した各機能部のうち少なくともいずれかを含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU501が上述の記憶装置(例えばシステムメモリ502、補助記憶装置508)からプログラムを読み出して実行することにより、上述の各機能部が主記憶装置上にロードされて生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0087】
1 画像形成装置
10 ヒータ駆動システム
101 設定部
102 ヒータ制御部
103 取得部
104 入力部
105 表示制御部
106 記憶部
200 AC電源
201 ヒューズ
202 バリスタ
203 コモンモードコイル
204、205 リレー駆動回路
206 ラッチングリレー
206a 接点
206b SETコイル
206c RESETコイル
207 第1ヒータ
208 第2ヒータ
209 第3ヒータ
220 温湿度センサ
500 コントローラ
501 CPU
502 システムメモリ(MEM-P)
503 ノースブリッジ(NB)
504a サウスブリッジ(SB)
504b ネットワークI/F
504c USB I/F
504d セントロニクスI/F
504e センサI/F
505 AGP
506 ASIC
507 ローカルメモリ(MEM-C)
508 補助記憶装置
510 操作表示部
520 FCU
531 プロッタ
532 スキャナ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0088】