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  • 特許-酸化亜鉛鉱の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】酸化亜鉛鉱の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C22B 19/02 20060101AFI20241008BHJP
   C22B 1/02 20060101ALI20241008BHJP
   C22B 7/02 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
C22B19/02
C22B1/02
C22B7/02 B
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020218540
(22)【出願日】2020-12-28
(65)【公開番号】P2022103730
(43)【公開日】2022-07-08
【審査請求日】2023-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 亨紀
(72)【発明者】
【氏名】高谷 悟
(72)【発明者】
【氏名】高橋 武史
【審査官】池田 安希子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-162960(JP,A)
【文献】特開2020-097760(JP,A)
【文献】特開2015-124388(JP,A)
【文献】特開2015-124389(JP,A)
【文献】特開2015-120948(JP,A)
【文献】特開2014-062304(JP,A)
【文献】特開2021-085069(JP,A)
【文献】特表2023-540603(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2023/0332266(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22B 1/00 - 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フッ素を含有する原料鉱から酸化亜鉛鉱を製造する、酸化亜鉛鉱の製造方法であって、
フッ素品位の亜鉛品位に対する比であるフッ素含有量比が異なる複数種の原料鉱を混合して、前記フッ素含有量比が所定比に調整されている、還元焙焼工程用原料鉱を得る、原料鉱準備工程と、
前記還元焙焼工程用原料鉱に還元焙焼処理を施すことによって、粗酸化亜鉛ダストを得る、還元焙焼工程と、
前記粗酸化亜鉛ダストに、水溶性不純物を除去する湿式処理を施すことによって、粗酸化亜鉛ケーキを得る、湿式工程と、
前記粗酸化亜鉛ケーキに、乾燥加熱処理を施すことによって、前記酸化亜鉛鉱を得る、乾燥加熱工程と、
を含
前記原料鉱準備工程においては、前記還元焙焼工程用原料鉱の前記フッ素含有量比を0.005以下とし、
前記乾燥加熱工程においては、前記乾燥加熱処理の温度を1000℃以上1100℃以下とし、且つ、前記還元焙焼工程用原料鉱の前記フッ素含有量比に応じて乾燥加熱処理時間を110分以上130分以下とする
酸化亜鉛鉱の製造方法。
【請求項2】
前記原料鉱が鉄鋼ダストである、
請求項1に記載の酸化亜鉛鉱の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化亜鉛鉱の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、亜鉛製錬所における亜鉛地金の原料として、粗酸化亜鉛等の亜鉛含有鉱から不純物を分離除去して得た酸化亜鉛鉱が広く用いられている。
【0003】
粗酸化亜鉛は、例えば、鉄鋼業における高炉や電気炉等の製鋼炉から発生する鉄鋼ダストから還元焙焼処理等を経て得ることができる。資源リサイクルの促進の観点からは、鉄鋼ダストの亜鉛原料としての再利用は望ましいものである。しかし、その一方で、鉄鋼ダストには、鉄と亜鉛の他にフッ素等のハロゲンが不純物として含有されているという問題点がある。
【0004】
鉄鋼ダスト中の鉄と亜鉛を分離させる方法の一例として、ロータリーキルンを用いた還元培焼法がある。この方法では、亜鉛は、キルン炉内で還元され、次いで、金属亜鉛として揮発する。気体として一旦ガス側に分離された金属亜鉛は、速やかに周辺の酸素と反応して酸化亜鉛となって固形化した後、ハロゲン、キルンよりキャリーオーバーした鉄鋼ダスト、及び、亜鉛と同様な挙動の有価金属等と混合した粒子状の粗酸化亜鉛(粗酸化亜鉛ダスト)として電気集塵機等の集塵機で捕集される。
【0005】
ここで、最終製品である亜鉛における不純物の濃度は当然に極めて低いものであることが求められる。例えば、酸化亜鉛鉱をISP製錬法や電解製錬法を採用している亜鉛製錬の原料として用いるためには、それぞれの製錬法で許容される値にまで、酸化亜鉛鉱のハロゲン濃度を低減する必要がある。
【0006】
粗酸化亜鉛ダストからのハロゲンの分離除去処理としては、アルカリ洗浄する方法(湿式処理)、或いは、ロータリーキルン等の乾燥加熱炉で分解させる方法(乾燥加熱処理)がある。しかし、塩素とフッ素の精製原理が本質的に異なること、及び、粗酸化亜鉛ダスト中には未反応のままキャリーオーバーした鉄鋼ダストが含まれていること等の理由により、工業的にはこれらの方法、即ち、湿式処理と乾燥加熱処理とを組合せた形態によるハロゲンの分離除去処理が一般的に行われている。
【0007】
ここで、例えば、上記の各亜鉛精錬法のうち、電解製錬法の原材料として用いる酸化亜鉛鉱については、電解採取工程で使用されるアルミニウム製パーマネントカソードの腐食進行を抑制するために、酸化亜鉛鉱のフッ素濃度をISP製錬法の原材料として用いる酸化亜鉛鉱のフッ素濃度よりも、更に低減する必要がある。このような高精度のフッ素の分離除去を行うためには、上述の乾燥加熱処理における、加熱温度を1100℃程度以上の高温度とする必要があった(特許文献1参照)。
【0008】
ロータリーキルン等の乾燥加熱炉の炉内温度を、上記のように1100℃程度以上のこの高温度域にまで高めた場合には、エネルギーコストを悪化させ、加えて、高温操業による設備への熱負荷の上昇が、ロータリーキルン等の設備の寿命を縮める要因となる。しかしながら、電解製錬法の原材料として用いることができる高品位の酸化亜鉛鉱を得るためには、乾燥加熱炉の高温操業に伴う上記の不利益については、ある程度容認せざるをえないのが現状であり、酸化亜鉛鉱の生産プロセスにおいては、ハロゲン除去の方法について、更なる改善が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2014-62304公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、フッ素を含有する原料鉱から酸化亜鉛鉱を製造するプロセスにおいて、高温操業による乾燥加熱炉への熱負荷を抑制しながら、電解製錬法の原材料として用いることができる程度にまでフッ素濃度が十分に低減されている高品位の酸化亜鉛鉱を製造することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、鉄鋼ダスト等、フッ素を含有する原料鉱から酸化亜鉛鉱を製造するプロセスにおいて、フッ素含有量比が所定比に最適化された還元焙焼工程用原料鉱を得る、原料鉱準備工程を必須の工程とすることによって、乾燥加熱炉への熱負荷を抑制しながら、フッ素濃度が十分に低減された高品位の酸化亜鉛鉱を製造することに想到し、本発明を完成するに至った。より、具体的には、本発明は以下のものを提供する。
【0012】
(1) フッ素を含有する原料鉱から酸化亜鉛鉱を製造する、酸化亜鉛鉱の製造方法であって、フッ素品位の亜鉛品位に対する比であるフッ素含有量比が異なる複数種の原料鉱を混合するか、或いは、前記フッ素含有量比が所定比に調整されている一種の原料鉱を選択することにより、前記フッ素含有量比が所定比に調整されている、還元焙焼工程用原料鉱を得る、原料鉱準備工程と、前記還元焙焼工程用原料鉱に還元焙焼処理を施すことによって、粗酸化亜鉛ダストを得る、還元焙焼工程と、前記粗酸化亜鉛ダストに、水溶性不純物を除去する湿式処理を施すことによって、粗酸化亜鉛ケーキを得る、湿式工程と、前記粗酸化亜鉛ケーキに、乾燥加熱処理を施すことによって、前記酸化亜鉛鉱を得る、乾燥加熱工程と、を含んでなり、前記乾燥加熱工程においては、前記乾燥加熱処理を1000℃以上1100℃以下の加熱温度で行い、且つ、前記還元焙焼工程用原料鉱の前記フッ素含有量比に応じて、乾燥加熱処理時間を調整することによって、前記酸化亜鉛鉱のフッ素品位を、0.03%以下に維持する、酸化亜鉛鉱の製造方法。
【0013】
(2) 前記原料鉱準備工程においては、前記フッ素含有量比が異なる複数種の原料鉱を混合して、前記フッ素含有量比を前記所定比に調整する、前記還元焙焼工程用原料鉱を得る、(1)に記載の酸化亜鉛鉱の製造方法。
【0014】
(3) 前記原料鉱が鉄鋼ダストである、(1)又は(2)に記載の酸化亜鉛鉱の製造方法。
【0015】
(4) 前記原料鉱準備工程において前記還元焙焼工程用原料鉱の前記フッ素含有量比を0.015以下とすることによって、前記乾燥加熱工程における前記乾燥加熱処理時間を130分以上150分以下とする、(1)から(3)の何れかに記載の酸化亜鉛鉱の製造方法。
【0016】
(5) 前記原料鉱準備工程において前記還元焙焼工程用原料鉱の前記フッ素含有量比を0.005以下とすることによって、前記乾燥加熱工程における前記乾燥加熱処理時間を110分以上130分以下とする、(1)から(3)の何れかに記載の酸化亜鉛鉱の製造方法。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、フッ素を含有する原料鉱から酸化亜鉛鉱を製造するプロセスにおいて、高温操業による乾燥加熱炉への熱負荷を抑制しながら、フッ素濃度が十分に低減されている高品位の酸化亜鉛鉱を製造することができる。本発明の製造方法によって得られる酸化亜鉛鉱は、電解製錬法の原材料として用いることができるものであり、本発明の製造方法の工業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の酸化亜鉛鉱の製造方法の実施態様の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施態様について図面を参照しながら説明する。本発明は、原料鉱として、少なくとも亜鉛の他に、不純物としてフッ素を含有する原料鉱を用いて酸化亜鉛鉱を製造する場合に広く適用可能な製造方法である。不純物としてフッ素を含有する原料鉱は特定の原料鉱に限定はされないが、その代表的な具体例は上述した鉄鋼ダストである。
【0020】
<全体プロセス>
図1は、本発明の酸化亜鉛鉱の製造方法を適用することができる酸化亜鉛鉱製造の全体プロセスを示している。この全体プロセスは、図1に示すように、原料鉱中におけるフッ素品位の亜鉛品位に対する比である「フッ素含有量比」が最適化された「還元焙焼工程用原料鉱」を得る原料鉱準備工程S10、この「還元焙焼工程用原料鉱」を還元焙焼して、粗酸化亜鉛ダストを得る還元焙焼工程S20、還元焙焼工程S20で得た粗酸化亜鉛ダストからフッ素や塩素等のハロゲン族元素を処理液中に分離除去して、粗酸化亜鉛ケーキを得る湿式工程S30、湿式工程S30で得た粗酸化亜鉛ケーキを乾燥加熱して、酸化亜鉛鉱を得る乾燥加熱工程S40、乾燥加熱工程S40で発生した排ガスダストを洗浄して、洗浄後の排ガスダストケーキを得る排ガスダスト洗浄工程S50、及び、湿式工程S30から排出される排出液を無害化する排水処理工程S60を備える全体プロセスである。
【0021】
本発明の酸化亜鉛鉱の製造方法は、上記の酸化亜鉛鉱製造の全体プロセスにおける、各工程のうち、原料鉱準備工程S10、還元焙焼工程S20、湿式工程S30、乾燥加熱工程S40を最小限の必須の工程とする製造方法である。排ガスダスト洗浄工程S50、及び、排水処理工程S60については、必要に応じて必要な態様で従来方法に準じて行えばよい。
【0022】
本発明の酸化亜鉛鉱の製造方法は、フッ素を含有する原料鉱を用いる酸化亜鉛の製造において、酸化亜鉛鉱のフッ素品位を0.03重量%以下に維持しながら、尚且つ、乾燥加熱工程S40における乾燥加熱処理温度を、従来よりも低温度域である、1100℃以下の温度域まで低下させることを可能としたことを主たる特徴とする製造方法である。
【0023】
又、本発明の製造方法は、多段階に亘って複雑な化学変化が段階的に起こる酸化亜鉛鉱製造の全体プロセスの中で、還元焙焼工程S20に先行する最上流側の工程として、原料鉱準備工程S10を必須の工程とすることによって、最下流側の工程である乾燥加熱工程S40における操業条件の調整のみによって、最終製品である酸化亜鉛鉱の品質管理を高い精度で行えるようにした点を特徴とする製造方法でもある。
【0024】
上記の各特徴を有する本発明の酸化亜鉛鉱の製造方法は、原料として、「フッ素含有量比」が異なる複数種類の鉄鋼ダストが順次搬入されてくる状況下にある酸化亜鉛鉱の製造プラントにおける実施を想定する製造方法である。そして、本発明の酸化亜鉛鉱の製造方法は、より詳細には、上記状況下にある酸化亜鉛鉱の製造プラントにおいて、順次搬入されてくる複数種類の鉄鋼ダストのうちから、実際に各操業期間毎において用いる複数種の鉄鋼ダストを順次選択し、原料として用いる酸化亜鉛鉱の製造プラントにおいて、好適に実施することができる製造方法である。尚、上記のような鉄鋼ダストの搬入状況は、鉄鋼ダストを原料として用いる酸化亜鉛鉱の製造においては、決して特殊な状況ではなく、極めて一般的な原料の供給態様でもある。よって、本発明の製造方法は十分な実用性と汎用性を有するものでもある。
【0025】
<原料鉱準備工程>
原料鉱準備工程S10は、フッ素含有量比が所定比に調整されている、還元焙焼工程用原料鉱を得る工程である。本明細書における「フッ素含有量比」とは、原料鉱中におけるフッ素品位の亜鉛品位に対する比のことを言う。
【0026】
原料鉱準備工程S10において、「フッ素含有量比」が所定比に調整されている、還元焙焼工程用原料鉱を得るには、例えば、上述したように「フッ素含有量比」が異なる複数種の原料鉱を用いる場合に、それらを最適比で混合することによって、上記の調整を行うことができる。或いは、「フッ素含有量比」が所定比と同一又は十分に近似する一種の原料鉱を選択することによって、選択された原料鉱を、還元焙焼工程用原料鉱とすることもできる。
【0027】
「フッ素含有量比」の所定比は、乾燥加熱工程S40における乾燥加熱処理を1100℃以下の加熱温度で行い、且つ、この加熱温度及び還元焙焼工程用原料鉱の「フッ素含有量比」に応じて、乾燥加熱処理時間を調整することによって、酸化亜鉛鉱のフッ素品位を、0.03%以下に維持することができる範囲において決定される。例えば、実施例として後段において開示している通り、乾燥加熱工程S40における上記の加熱温度を1100℃とした場合でも、従来プロセスとは異なり「フッ素含有量比」が所定比(例えば、0.005程度)に調整されているため、最小の乾燥加熱処理時間で、確実に、酸化亜鉛鉱のフッ素品位を、0.03%以下に維持することができる。
【0028】
原料鉱として鉄鉱ダストを用いる場合、「フッ素含有量比」の調整は、例えば、電炉メーカーから供給される複数の銘柄の鉄鋼ダストの「フッ素含有量比」を予め調査しておき、これらの銘柄の鉄鋼ダストを所望の割合で混合することによって行うことができる。電炉メーカーから供給される鉄鋼ダストの「フッ素含有量比」は銘柄毎に異なり、例えば、「フッ素含有量比」が0.002程度のフッ素品位が低い銘柄の鉄鋼ダストから、「フッ素含有量比」が0.07程度のフッ素品位が高い銘柄の鉄鋼ダストまで、様々なフッ素品位の鉄鋼ダストが存在する。本発明の製造方法においては、フッ素品位が異なる複数の銘柄の鉄鋼ダストを混合して用いるため、特定の1銘柄の鉄鋼ダストのみが消費されることはなく、これらの鉄鋼ダストを計画的に消費することができる。
【0029】
ここで、表1は、原料鉱準備工程S10を行わない従来の製造方法によって酸化亜鉛鉱の製造を行なった場合において、還元焙焼工程S20において回収された粗酸化亜鉛ダスト中のフッ素品位と鉄品位、電気集塵機で回収された粗酸化亜鉛ダスト中のフッ素品位と鉄品位を測定した結果の一例である。回収された粗酸化亜鉛ダスト中のフッ素品位と鉄品位が、回収された粗酸化亜鉛ダスト中のフッ素品位と鉄品位に対して高くなっており、相対的に粒径の大きな粗酸化亜鉛ダスト中にフッ素と鉄の多くが分配されていることが窺える。つまり、表1の結果は、還元反応に寄与せず未反応のままキャリーオーバーされた鉄鋼ダスト中の鉄が、排ガスとともに集塵設備に導入されて、その大部分が重力沈降式集塵機で回収されたことを示すものである。表1を参照すると、フッ素も鉄と同様な挙動を示していることから、鉄鋼ダスト中のフッ素も又、その一部がキャリーオーバーされた鉄と同伴して重力沈降式集塵機で回収されたものと判断することができる。
【0030】
【表1】
【0031】
又、上記の粗酸化亜鉛ダスト中には、キャリーオーバーされた鉄に同伴したフッ素の他に、例えば、塩化フッ化鉛(PbFCl)等の揮発性化合物の形態のフッ素が含まれる。このように、従来の製造方法では、その最上流側の工程であった還元焙焼工程S20において、粗酸化亜鉛ダスト中へのフッ素の分配を無くすことは極めて困難であった。
【0032】
本発明の製造方法は、粗酸化亜鉛ダストの回収が重力沈降式集塵機、及び電気集塵機を用いて行われる点で従来の製造方法と一致している。このため、フッ素の粗酸化亜鉛ダスト中への分配を無くすことは、従来の製造方法と同様に困難であるが、本発明の製造方法は、還元焙焼ロータリーキルン(RRK)への鉄鋼ダストの装入に際して、RRK内へインプットされる鉄鋼ダストの「フッ素含有量比」が予め最適な所定比に調整されるため、湿式工程S30における操業条件を特段に調整することなく、比較的調整が容易な最下流側の工程である乾燥加熱工程S40における操業条件の調整のみで、最終製品である酸化亜鉛鉱の品質を高い品位に維持することが可能となっている。
【0033】
<還元焙焼工程>
鉄鋼ダスト等から粗酸化亜鉛を回収する還元焙焼工程S20を行う具体的な方法としては、還元焙焼ロータリーキルン(RRK)による還元焙焼法が広く採用されている。以下、還元焙焼工程S20について、粗酸化亜鉛原料として鉄鋼ダストを用い、これを還元焙焼ロータリーキルンによって還元焙焼する場合について、その詳細を説明する。この場合において、鉄鋼ダストは必要に応じて予め大きさ5~10mm程度のペレットに成形されており、石炭、コークス等の炭素質還元剤との石灰石(CaO)等とともに還元焙焼ロータリーキルンに連続的に装入される。
【0034】
還元焙焼工程S20の実施時に、還元焙焼ロータリーキルンの炉内は、重油の燃焼と装入した炭素質還元剤の燃焼により、被処理物の最高温度が1000℃以上1400℃以下程度に制御されている。この炉内で鉄鋼ダストは還元焙焼され、揮発した金属亜鉛は炉内で再酸化されて粒子状の粗酸化亜鉛(粗酸化亜鉛ダスト)となる。
【0035】
鉄鋼ダスト中に少量含まれる鉛についても、同様に還元焙焼され、揮発した金属鉛は炉内で再酸化されて粉状の酸化鉛となる。そして、鉄鋼ダスト中にハロゲンが多量に存在する場合は、一部の金属亜鉛及び鉛は、ハロゲン化合物として揮発する。
【0036】
この還元焙焼工程S20において、揮発せずに還元焙焼ロータリーキルンの炉内に残った還元焙焼残渣は、還元された鉄分が多く含有されるため、還元鉄ペレットと称する製品としてキルン排出端より回収され、鉄鋼メーカーに鉄原料として払いだされる。
【0037】
上述の粉状の酸化亜鉛、及び酸化鉛は還元焙焼ロータリーキルンからの排出ガスとともに複数の集塵機が連接されてなる集塵設備に導入されて粗酸化亜鉛ダストとして段階的に回収される。集塵設備は排ガスの処理経路の最上流に配置される重力沈降式集塵機と、この重力沈降式集塵機の下流に連接される電気集塵機と、この電気集塵機の下流に更に連接されるバグフィルターから構成されており、先ず、相対的に粒径の大きな粗酸化亜鉛ダストが重力沈降式集塵機で回収され、重力沈降式集塵機で回収されなかった相対的に粒径の小さな粗酸化亜鉛ダストが電気集塵機やバグフィルターで回収される。上述の重力沈降式集塵機とは、排ガスの急激な流速低下と内壁への衝突効果により、排ガスに含まれる粗酸化亜鉛ダストを沈降させて回収する集塵機であり、電気集塵機とは、コロナ放電によって荷電された粗酸化亜鉛ダストを電界に導き、集塵電極に回収する集塵機である。そして、バグフィルターとは、ろ布によって粒子をろ過することによって回収する集塵機である。
【0038】
<湿式工程>
湿式工程S30は、粗酸化亜鉛ダストに含有される水溶性不純物を処理液中に分離抽出し、更に固液分離処理によって、粗酸化亜鉛から不純物を水洗浄法により除去して粗酸化亜鉛ケーキを得る湿式処理を行う工程である。湿式処理は、フッ素等の不純物が処理液中に除去された状態において、固液分離により、不純物が分配された処理液をスラリーから除去する従来公知の方法によって行うことができる。これにより、粗酸化亜鉛スラリーが高濃度の粗酸化亜鉛ケーキとなる。固液分離のための脱水処理については、シックナー等の重力沈降式スラリー濃縮装置や真空脱水機等の水分強制脱水装置を用いることができる。
【0039】
湿式工程S30では、前工程の還元焙焼工程で得た粗酸化亜鉛ダストを、工業用水等でレパルプする。又、このレパルプについては、アルカリ溶液を使用することは必須ではない。スラリーとなった粗酸化亜鉛はpH調整及び凝集処理を行い、その後、1次脱水を行う。この場合、pHは6~7程度の弱酸性溶液に調整してカドミウムを溶離、凝集は凝集剤等を利用して沈降性を高める。この1次脱水後、工業用水で希釈し、更に2次脱水を行う。この2度の洗浄脱水により、粗酸化亜鉛ケーキのハロゲン濃度は、フッ素濃度について0.6重量%未満、塩素濃度については、1.0重量%未満にまで低減することが好ましい。
【0040】
或いは、この湿式処理を、淡水又は製造工程ライン内の適切な循環水に、炭酸ナトリウム又は水酸化ナトリウムを溶解したレパルプ水を用いてレパルプした粗酸化亜鉛スラリーを、pH6.5程度の低pH処理液に調整し、粗酸化亜鉛から主にカドミウムを除去する第1の湿式処理と、前記の第1の湿式処理により得た粗酸化亜鉛スラリーにpH調整剤を添加して、pH8.5程度の高pH処理液に調整し、粗酸化亜鉛から主にフッ素化合物を除去する第2の湿式処理とに分けて、段階的に行うことにより元素毎の除去率を高めることもできる。この場合、前記の第2の湿式処理に用いるpH調整剤は、後述する排水処理工程で発生する中和処理液を採用することができる。
【0041】
<乾燥加熱工程>
乾燥加熱工程S40は、前工程の湿式工程S30で得た粗酸化亜鉛ケーキを、乾燥加熱ロータリーキルン(DRK)等の加熱炉に装入して焼成・造粒する工程である。本工程を経ることにより、フッ素濃度を更に低減させて、高品位の酸化亜鉛鉱を造粒することができる。本発明の製造方法において、乾燥加熱工程S40における乾燥加熱処理の加熱温度は1000℃以上1100℃以下となる温度域に維持される。尚、通常、上記の乾燥加熱ロータリーキルン(DRK)における加熱温度の調整は、100℃単位程度の調整が可能であり、100℃程度の温度幅の中に炉内の加熱温度の変動が収まるように調整される。
【0042】
ここで、粗酸化亜鉛ケーキ中に尚残留するフッ素の形態は、揮発性(例えば塩化フッ化鉛(PbFCl))と不揮発性(例えば2フッ化カルシウム(CaF))の形態がある。このうち揮発性物質(PbFCl)は焼鉱の温度を上記温度範囲内に維持することによりほぼ全量が揮発され、揮発性の塩素とフッ素は、ほぼ全量が排ガスダスト洗浄工程S50内の排ガス処理設備に排出される。一方、不揮発性物質(CaF)は極めて安定な化合物であるため、乾燥加熱ロータリーキルン内で分解揮発することはなく酸化亜鉛鉱に固定される。
【0043】
本発明の製造方法は、上述の通り、乾燥加熱処理の加熱温度を1000℃以上1100℃以下の温度域に維持することを必須の要件としている。このように、加熱温度が従来よりも低温度の範囲に維持されていることを前提として、DRKに装入される粗酸化亜鉛ケーキの乾燥加熱処理時間については、そのような温度条件の下で、従来の高温操業時と同等以上の高品位、具体的には、酸化亜鉛鉱のフッ素品位が0.03重量%以下の高品位の酸化亜鉛鉱を得ることが可能となる範囲に、上記加熱時間が調整される。
【0044】
本発明の製造方法においては、最上流側の工程である原料鉱準備工程S10において、鉄鋼ダスト等の原料鉱の「フッ素含有量比」(F/Zn比)が所定比に調整されることにより、DRK内にインプットされる不揮発性の形態のフッ素を効果的に抑制することができる。そして、粗酸化亜鉛ケーキの乾燥加熱処理時間が、上記の「フッ素含有量比」(F/Zn比)に基づいて、併せて、最適に調整されることにより、DRK内にインプットされた揮発性の形態のフッ素を効果的に揮発させて除去することができる。
【0045】
例えば、高品位の酸化亜鉛鉱を得るために、RRK内に装入される鉄鋼ダストの「フッ素含有量比」(F/Zn比)を0.015に調整した場合、乾燥加熱工程S40における加熱温度を、1000℃以上1100℃以下となる温度域にまで低下させても、DRK内に装入される粗酸化亜鉛ケーキの乾燥加熱処理時間を130分に調整することによって、酸化亜鉛鉱のフッ素品位が0.03重量%以下の高品位の酸化亜鉛鉱を得ることが可能である。鉄鋼ダストの「フッ素含有量比」(F/Zn比)、及び粗酸化亜鉛ケーキの乾燥加熱処理時間の好適な組合せは、予め試験等によって求めておくことが好ましい。
【0046】
尚、乾燥加熱炉にロータリーキルンを採用した場合において、乾燥加熱処理時間は炉内に滞留する滞留時間と等しく、以下に示す公知の計算式により求めればよい。
式: 滞留時間[min]=0.19L/(NDtanθs)
L:炉長[m]
N:回転数[rpm]
D:炉内径[m]
θs:炉の傾斜角[deg]
【0047】
ところで、酸化亜鉛鉱中のフッ素品位は低くなればなるほど高品位となる。つまり、フッ素品位が0である酸化亜鉛鉱が最も高品位となる。しかし、こうした高品位の酸化亜鉛鉱を得るためには、鉄鋼ダストの「フッ素含有量比」(F/Zn比)を更に低く、粗酸化亜鉛ケーキの乾燥加熱処理時間を更に長く調整することが必要であり、こうした調整を行うのは実操業では困難な場合が多い。このため、本発明の製造方法においては、鉄鋼ダストの「フッ素含有量比」(F/Zn比)の下限値を、0.002とし、乾燥加熱処理時間の上限値を150分以下、好ましくは130分以下、より好ましくは120分以下という条件を満たす範囲内において、両者を最適な組合せに調整することが好ましい。上記の「フッ素含有量比」(F/Zn比)の下限値は、実際に供給される鉄鋼ダストの銘柄のうち、フッ素品位が最も低い銘柄のフッ素品位である。又、乾燥加熱処理時間については、酸化亜鉛鉱のフッ素品位が0.03重量%以下に維持できる範囲で短く調整されるほど、DRKに対する熱負荷が軽減され、乾燥加熱処理に用いるエネルギーを抑制することができるのでより有利である。尚、乾燥加熱処理時間が150分を超えると、加熱炉に対して熱負荷の上昇を招く懸念があるほか、操業も非効率となる。
【0048】
「フッ素含有量比」(F/Zn比)と乾燥加熱処理時間との上記の最適な組合せについて、より具体的には、例えば、原料鉱準備工程S10において還元焙焼工程用原料鉱の「フッ素含有量比」(F/Zn比)を0.015以下とすることによって、乾燥加熱工程S40における乾燥加熱処理時間を130分以上150分以下の範囲内で調整する組合せを挙げることができる。或いは、原料鉱準備工程S10において還元焙焼工程用原料鉱の「フッ素含有量比」(F/Zn比)を、更に低く、0.005以下とすることによって、乾燥加熱工程S40における乾燥加熱処理時間を110分以上130分以下の範囲内で調整する組合せとすることもできる。
【0049】
<排ガスダスト洗浄工程>
排ガスダスト洗浄工程S50は、乾燥加熱工程S40で発生した排ガスダストを洗浄して洗浄後の排ガスダストケーキを得る工程である。排ガスダスト洗浄工程S50を行うための洗浄設備としては、洗浄塔、湿式電気集塵機の組合せが一般的である。又、これらの設備で回収された洗浄後の排ガスダストケーキを、乾燥加熱工程S40の乾燥加熱ロータリーキルン等の上流工程に繰り返して循環投入することにより、金属資源の有効利用を図る処理が行われている。
【0050】
<排水処理工程>
排水処理工程S60は、湿式工程S30において粗酸化亜鉛から分離されたフッ素やカドミウムを高濃度で含有する廃液から、フッ素及びカドミウムを除去し、更に、廃液中に微量含まれる重金属を中和処理により抽出し、最終的にpHを調整して無害の排水とする工程である。
【0051】
湿式工程S30において分離された廃液中には粗酸化亜鉛から極微量溶出した亜鉛及び/又は鉛成分も含有している。この重金属成分の回収のために上述の通り中和処理を行う。この中和処理は一般に消石灰を添加することにより行う。この消石灰の添加方法は、固体状の消石灰を直接湿式処理液に添加する方法や、消石灰を液体状に溶解した溶解液を湿式処理液に添加する方法等が使用できる。又、消石灰の添加量は、添加後の中和処理液のpHを測定することで調整することもできる。
【0052】
尚、この中和処理により回収された亜鉛化合物或いは鉛化合物を含有する中和処理澱物は、湿式処理工程に繰り返して用いられ、還元焙焼工程から得られる酸化亜鉛スラリーとともに湿式処理され、乾燥加熱ロータリーキルンにて焼成及び造粒を行い、酸化亜鉛鉱に固定させる方法が一般的に行われている。
【0053】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。又、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。
【実施例
【0054】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0055】
[実施例1]
本発明の製造方法によって酸化亜鉛鉱の製造を試験的に行った。具体的に、以下の各工程を以下に示す条件で順次行い、得られた酸化亜鉛鉱のフッ素品位を測定した。結果は表2に記す通りであった。
(原料鉱準備工程)
粗酸化亜鉛の原料鉱として、フッ素品位が異なる複数の銘柄の鉄鋼ダストを混合して、「フッ素含有量比」(F/Zn比)が0.005となるように調整した鉄鋼ダストを、フッ素含有量比が所定比に調整されている、「還元焙焼工程用原料鉱」とした。
(還元焙焼工程)
この「還元焙焼工程用原料鉱」を、石炭、コークス等の炭素質還元剤、石灰石等とともに還元焙焼ロータリーキルン(RRK)に装入し、被処理物の最高温度が1000℃以上1400℃以下となるように還元焙焼ロータリーキルンの温度を制御しながら、還元焙焼処理を行った。その際に発生した粗酸化亜鉛ダストを、重力沈降式集塵機と、その下流側に連接される電気集塵機及びバグフィルターとで回収することによって粗酸化亜鉛ダストを得た。
(湿式工程)
重力沈降式集塵機で回収した粗酸化亜鉛ダストの全量を系外に抜き出し、残りの粗酸化亜鉛ダストを、炭酸ナトリウムを溶解したレパルプ水でレパルプし、pHが6.5に調整された低pH処理液を得た。そして、前記の低pH処理液に対して、5~10質量ppm程度の高分子系凝集剤を添加し、シックナーにて固液分離を行い、塩素、フッ素が低減された粗酸化亜鉛スラリーを得た。上記処理により得られた粗酸化亜鉛スラリーは、真空脱水とプレスロールを用いた脱水を施し、水分含有率が20~30重量%程度の粗酸化亜鉛ケーキを得た。
(乾燥加熱工程)
この粗酸化亜鉛ケーキを乾燥加熱ロータリーキルン(DRK)に装入して、被処理物の最高温度が1000℃以上1100℃以下、乾燥加熱処理時間が130分となるように乾燥加熱ロータリーキルン(DRK)の温度と滞留時間を制御しながら、乾燥加熱処理を行った。
【0056】
[その他の実施例、及び、比較例]
実施例2~5、及び、比較例1~5においては、原料鉱準備工程において、「還元焙焼工程用原料鉱」の「フッ素含有量比」(F/Zn比)、乾燥加熱工程における乾燥加熱処理時間の何れか、或いは、それら両方の条件を、各実施例・比較例毎に、下記表2に記す通りのそれぞれ異なる条件で制御したことの他は、何れも実施例1と同様の条件で酸化亜鉛鉱の製造を行い、同様に得られた酸化亜鉛鉱のフッ素品位を測定した。結果は表2に記す通りであった。
【0057】
[評価]
表2は、実施例及び比較例の各試験操業の実施態様と、各条件下で得られた酸化亜鉛鉱のフッ素品位(F品位)を示した表である。各実施例及び比較例について、下記の評価1及び評価2の観点で評価し、両方の評価において「○(良い)」との評価を得られた場合に総合評価を「○(良い)」とした。
【0058】
(評価1)
乾燥加熱工程において、高温操業による乾燥加熱炉への熱負荷を抑制しているか否かを評価した。評価基準は以下の通りである。
加熱温度が1100℃以下:○(良い)
加熱温度が1100℃超え:×(悪い)
【0059】
(評価2)
乾燥加熱工程において、高品位の酸化亜鉛鉱として要求される酸化亜鉛鉱のフッ素品位を維持できているか否かを評価した。評価基準は以下の通りである。
酸化亜鉛鉱中のF品位[重量%]が0.030重量%以下:○(良い)
酸化亜鉛鉱中のF品位[重量%]が0.030重量%以下:×(悪い)
て大きい。
【表2】
【0060】
表2に示す通り、実施例1の条件では、酸化亜鉛鉱のフッ素品位が最小となり、極めて高品位の酸化亜鉛鉱を得ることができた。実施例2~5の条件では、酸化亜鉛鉱のフッ素品位が実施例1と比較して若干上昇したが、実施例1に次ぐ高品位の酸化亜鉛鉱を得ることができた。一方、比較例1~3の条件では、酸化亜鉛鉱のフッ素品位が更に上昇して、0.030重量%を超えてしまった。又、比較例4~5の条件では、酸化亜鉛鉱のフッ素品位が0.030重量%以下となったが、乾燥加熱ロータリーキルン(DRK)への熱負荷が増大してしまった。
【0061】
以上の試験・評価結果より、本発明の酸化亜鉛鉱の製造方法によって、フッ素を含有する原料鉱から酸化亜鉛鉱を製造するプロセスにおいて、高温操業による乾燥加熱炉への熱負荷を抑制しながら、フッ素濃度が十分に低減された高品位の酸化亜鉛鉱を製造することが可能であることが確認された。
【符号の説明】
【0062】
S10 原料鉱準備工程
S20 還元焙焼工程
S30 湿式工程
S40 乾燥加熱工程
S50 排ガスダスト洗浄工程
S60 排水処理工程
図1