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特許7567541樹脂付き金属箔の製造方法、積層板の製造方法、プリント配線板の製造方法及び半導体パッケージの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】樹脂付き金属箔の製造方法、積層板の製造方法、プリント配線板の製造方法及び半導体パッケージの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 38/18 20060101AFI20241008BHJP
   B32B 15/08 20060101ALI20241008BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
B32B38/18 B
B32B15/08 J
H05K1/03 630H
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021024449
(22)【出願日】2021-02-18
(65)【公開番号】P2022126403
(43)【公開日】2022-08-30
【審査請求日】2024-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】株式会社レゾナック
(74)【代理人】
【識別番号】110002620
【氏名又は名称】弁理士法人大谷特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】染川 淳生
(72)【発明者】
【氏名】中村 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】日▲高▼ 圭芸
(72)【発明者】
【氏名】坪井 貴広
【審査官】岩本 昌大
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-204030(JP,A)
【文献】特開昭60-189441(JP,A)
【文献】特開昭60-260336(JP,A)
【文献】特開2019-104126(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
H05K 1/03
B29B 7/00-11/14,13/00-15/06
B29C 31/00-31/10,37/00-37/04,
71/00-71/02
B65H 5/02,5/06,5/22,29/12-29/24,
29/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属箔と、該金属箔の一方の面側に熱硬化性樹脂組成物を用いて形成される樹脂層と、を有する樹脂付き金属箔の製造方法であって、
該樹脂付き金属箔の反りを低減させるための反り矯正処理を含み、
前記反り矯正処理が、
前記金属箔の一方の面側に前記樹脂層を形成してなる反り矯正処理前の樹脂付き金属箔を、対向する一対のロールの間隙に通すことによって加圧する処理であり、
前記一対のロールのうち、前記金属箔と接触する側のロールが樹脂ロールであり、前記樹脂層と接触する側のロールが金属ロールである、樹脂付き金属箔の製造方法。
【請求項2】
前記金属箔が、銅箔である、請求項1に記載の樹脂付き金属箔の製造方法。
【請求項3】
前記金属箔の厚さが、0.1~35μmである、請求項1又は2に記載の樹脂付き金属箔の製造方法。
【請求項4】
前記樹脂層の厚さが、5~70μmである、請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂付き金属箔の製造方法。
【請求項5】
前記反り矯正処理におけるロールの加重が、0.3~10tonである、請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂付き金属箔の製造方法。
【請求項6】
前記樹脂ロール及び前記金属ロールのロール径が、各々、100~500mmである、請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂付き金属箔の製造方法。
【請求項7】
前記一対のロールの送り速度が、1.0~15.0m/分である、請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂付き金属箔の製造方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の樹脂付き金属箔の製造方法によって得られた樹脂付き金属箔を用いて絶縁層を形成する工程を有する、積層板の製造方法。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項に記載の樹脂付き金属箔の製造方法によって得られた樹脂付き金属箔を用いて絶縁層を形成する工程を有する、プリント配線板の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載のプリント配線板の製造方法によって得られるプリント配線板に半導体素子を搭載する、半導体パッケージの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、樹脂付き金属箔の製造方法、積層板の製造方法、プリント配線板の製造方法及び半導体パッケージの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器の小型化及び高性能化によって、プリント配線板には従来にも増して配線密度の高度化及び高集積化と共に、基板の薄型化が求められている。
これらの要求を満たすため、ガラスクロス等の繊維基材を使用せず、金属箔上に樹脂層を形成した樹脂付き金属箔がプリント配線板の製造に使用されている。樹脂付き金属箔は、繊維基材を含まないため薄型化が可能であると共に、絶縁層の平滑性及び微細配線性に優れるため、配線密度の高度化及び高集積化にも適している。さらには、ガラスクロスを含有しないために誘電特性に優れ、高周波化対応が必要なプリント配線板等に適用されている。
【0003】
樹脂付き金属箔は、通常、金属箔上に溶剤を含む熱硬化性樹脂組成物を塗布した後、溶剤を加熱乾燥することによって製造する。このとき、熱硬化性樹脂組成物は、溶剤の揮発及び熱硬化性樹脂がBステージ化することによって体積が収縮し、樹脂付き金属箔は樹脂層側に反る。このような反りの発生は、樹脂付き金属箔を用いてプリント配線板を製造する際の生産性を低下させる要因となるため、抑制されることが望ましい。
【0004】
特許文献1には、樹脂付き金属箔の端部の反りを抑制する方法として、金属箔の表面に熱硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥炉を通過させることによって加熱乾燥してBステージ化させる樹脂付き金属箔の製造方法において、乾燥炉内の入口近傍での加熱温度と比べて、乾燥炉の入口から出口までの全長に対する80%の距離の位置での加熱温度が100℃以上高くなり、且つこの位置から出口までの間において加熱温度が30℃以上低くなるようにすることを特徴とする樹脂付き金属箔の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-025624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術によると、端部の反りが低減した樹脂付き金属箔を製造することができるとされている。しかしながら、特許文献1の技術は、多段的な温度調整が可能な乾燥炉が必要となるため、設備投資が必要になる。また、特許文献1の製造方法における乾燥条件に適合する種類の材料のみしか使用できないという制約があるため、使用する材料選択の自由度に劣る。そのため、より生産性に優れる、反りが抑制された樹脂付き金属箔の製造方法が望まれている。
【0007】
本実施形態は、このような現状に鑑み、生産性に優れ、反りが抑制された樹脂付き金属箔の製造方法、並びに、該製造方法によって製造された樹脂付き金属箔を用いる積層板の製造方法、プリント配線板の製造方法及び半導体パッケージの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記の課題を解決すべく検討を進めた結果、樹脂付き金属箔の製造方法において、特定の条件で該樹脂付き金属箔を加圧する処理を施すことによって上記の課題を解決できることを見出した。
すなわち、本実施形態は、下記[1]~[10]に関する。
[1]金属箔と、該金属箔の一方の面側に熱硬化性樹脂組成物を用いて形成される樹脂層と、を有する樹脂付き金属箔の製造方法であって、
該樹脂付き金属箔の反りを低減させるための反り矯正処理を含み、
前記反り矯正処理が、
前記金属箔の一方の面側に前記樹脂層を形成してなる反り矯正処理前の樹脂付き金属箔を、対向する一対のロールの間隙に通すことによって加圧する処理であり、
前記一対のロールのうち、前記金属箔と接触する側のロールが樹脂ロールであり、前記樹脂層と接触する側のロールが金属ロールである、樹脂付き金属箔の製造方法。
[2]前記金属箔が、銅箔である、上記[1]に記載の樹脂付き金属箔の製造方法。
[3]前記金属箔の厚さが、0.1~35μmである、上記[1]又は[2]に記載の樹脂付き金属箔の製造方法。
[4]前記樹脂層の厚さが、5~70μmである、上記[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂付き金属箔の製造方法。
[5]前記反り矯正処理におけるロールの加重が、0.3~10tonである、上記[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂付き金属箔の製造方法。
[6]前記樹脂ロール及び前記金属ロールのロール径が、各々、100~500mmである、上記[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂付き金属箔の製造方法。
[7]前記一対のロールの送り速度が、1.0~15.0m/分である、上記[1]~[6]のいずれかに記載の樹脂付き金属箔の製造方法。
[8]上記[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂付き金属箔の製造方法によって得られた樹脂付き金属箔を用いて絶縁層を形成する工程を有する、積層板の製造方法。
[9]上記[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂付き金属箔の製造方法によって得られた樹脂付き金属箔を用いて絶縁層を形成する工程を有する、プリント配線板の製造方法。
[10]上記[9]に記載のプリント配線板の製造方法によって得られるプリント配線板に半導体素子を搭載する、半導体パッケージの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本実施形態によれば、生産性に優れ、反りが抑制された樹脂付き金属箔の製造方法、並びに、該製造方法によって製造された樹脂付き金属箔を用いる積層板の製造方法、プリント配線板の製造方法及び半導体パッケージの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態の樹脂付き金属箔の一態様を示す模式図である。
図2】本実施形態の樹脂付き金属箔の別の一態様を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書中に記載されている「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前に記載される数値を最小値、「~」の後に記載される数値を最大値として含む数値範囲を示す。
例えば、数値範囲「X~Y」(X、Yは実数)という表記は、X以上であるY以下である数値範囲を意味する。そして、本明細書における「X以上」という記載は、X及びXを超える数値を意味し、数値が異なる場合もこれに準ずる。また、本明細書における「Y以下」という記載は、Y及びY未満の数値を意味する。
本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書に例示する各成分及び材料は、特に断らない限り、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本明細書において、樹脂組成物中の各成分の含有量は、樹脂組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、樹脂組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「樹脂組成物」とは、後述する各成分の混合物、当該混合物を半硬化させた(いわゆるBステージ状とした)物を含む。
本明細書における記載事項を任意に組み合わせた態様も本実施形態に含まれる。
本明細書に記載されている作用機序は推測であって、本実施形態に係る樹脂組成物の効果を奏する機序を限定するものではない。
【0012】
[樹脂付き金属箔の製造方法]
本実施形態の樹脂付き金属箔の製造方法は、
金属箔と、該金属箔の一方の面側に、熱硬化性樹脂組成物を用いて形成される樹脂層と、を有する樹脂付き金属箔の製造方法であって、
該樹脂付き金属箔の反りを低減させるための反り矯正処理を含み、
前記反り矯正処理が、
前記金属箔の一方の面側に前記樹脂層を形成してなる反り矯正処理前の樹脂付き金属箔を、対向する一対のロールの間隙に通すことにより加圧する処理であり、前記一対のロールのうち、前記金属箔と接触する側のロールが樹脂ロールであり、前記樹脂層と接触する側のロールが金属ロールである、樹脂付き金属箔の製造方法である。
【0013】
本実施形態の樹脂付き金属箔の製造方法によると、反りが抑制された樹脂付き金属箔を製造することができる。その理由については定かではないが、本実施形態の製造方法が含む、反り矯正処理が樹脂付き金属箔の反りの低減に寄与していると考えられる。
樹脂付き金属箔の反りを矯正するためには、金属箔との接触界面に近い樹脂層にせん断力を付加して、樹脂層を伸ばす方向に変位させることが必要となる。また、このとき樹脂層の変位量は金属箔の変位量よりも相対的に大きくなる必要がある。
本実施形態の樹脂付き金属箔の製造方法は、金属箔と接触する側のロールを樹脂ロール、樹脂層と接触する側のロールを金属ロールとすることによって、特に金属箔との界面に近い樹脂層の変位量を大きくすることができ、これによって樹脂層の塑性変形が起こるため、反りを効果的に低減できたものと推察される。
【0014】
以下、本実施形態の製造方法で製造する樹脂付き金属箔を構成する各部材について説明し、その後、反り矯正処理ついて詳述する。
【0015】
図1は、本実施形態の製造方法で得られる樹脂付き金属箔の一態様である樹脂付き金属箔10の模式図である。樹脂付き金属箔10は、金属箔1の一方の面上に樹脂層2が形成された構成を有する。
図2は、本実施形態の製造方法で得られる樹脂付き金属箔の別の一態様である樹脂付き金属箔20の模式図である。樹脂付き金属箔20は、金属箔1の一方の面上に樹脂層2が形成された構成を有する。さらに、金属箔1の樹脂層2とは反対側の面には、剥離層3とキャリア箔4とが、この順で積層された構成を有する。
本実施形態の製造方法で得られる樹脂付き金属箔は、金属箔1と樹脂層2とが直接積層していてもよく、金属箔1と樹脂層2との間に、他の層を有していてもよい。
【0016】
<金属箔>
金属箔としては、例えば、銅箔、錫箔、錫鉛合金箔、ニッケル箔等が挙げられる。これらの中でも、銅箔が好ましい。銅箔としては、銅の含有量が95質量%以上の銅箔であることが好ましい。
金属箔は、JIS規格(プリント配線板用電解銅箔:JIS C6512、プリント配線板用圧延銅箔:JIS C6513)又はIPC規格(IPC 4562規格Grade1,2,3)に準拠したものであることが、半導体パッケージに利用するという観点から好ましい。
【0017】
金属箔の樹脂層を形成する面は、密着性の観点から、粗化処理されていてもよい。
粗化処理は、金属箔の表面に粗化粒子を形成することによって施すことができる。
粗化粒子としては、例えば、銅、ニッケル、リン、タングステン、ヒ素、モリブデン、クロム、コバルト及び亜鉛から選択される単体からなる電着粒、又はこれらのうちのいずれか1種以上を含む合金からなる電着粒が好ましい。
粗化粒子は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0018】
金属箔は、上記の粗化処理に加え、例えば、ニッケル、コバルト、銅及び亜鉛から選択される単体、これらのうちのいずれか1種以上を含む合金等によって、二次粒子、三次粒子、防錆層、耐熱層等を形成したものであってもよい。
また、上記の各層に加えて、さらに表面に、クロメート処理、シランカップリング処理等の表面処理を施したものであってもよい。
【0019】
金属箔の厚さは、樹脂付き金属箔の用途等に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、好ましくは0.1~35μm、より好ましくは0.3~15μm、さらに好ましくは0.5~5μm、特に好ましくは1~2μmである。
金属箔の厚さが上記下限値以上であると、本実施形態の製造方法によって得られる樹脂付き金属箔の取り扱い性がより一層向上する傾向にある。一方、金属箔の厚さが上記下限値以上であると、本実施形態の製造方法によって得られる樹脂付き金属箔が、より基板の薄型化に適合したものとなる傾向にある。
【0020】
<キャリア箔>
キャリア箔は、金属箔の厚さが薄い場合に取り扱い性を向上させるために必要に応じて設けられる支持体に相当するものである。そのため、キャリア箔は、プリント配線板等の製造過程で取り除かれる。なお、本実施形態において、キャリア箔は樹脂付き金属箔を構成する金属箔には含めないものとする。
キャリア箔としては、例えば、銅箔、アルミニム箔、ニッケル箔等が挙げられる。これらの中でも、銅箔が好ましい。
【0021】
キャリア箔の厚さは、樹脂付き金属箔の取り扱い性を向上させる観点及び生産コストの観点から、好ましくは5~50μm、より好ましくは10~35μm、さらに好ましくは10~25μmである。
キャリア箔の厚さが上記下限値以上であると、本実施形態の製造方法によって得られる樹脂付き金属箔の取り扱い性がより一層向上する傾向にある。一方、キャリア箔の厚さが上記上限値以下であると、本実施形態の製造方法によって得られる樹脂付き金属箔のコストをより低減できる傾向にある。
【0022】
<剥離層>
剥離層は、キャリア箔を金属箔から剥離し易くするために金属箔とキャリア層との間に必要に応じて設けられる層である。なお、本実施形態において、剥離層は樹脂付き金属箔を構成する金属箔には含めないものとする。
剥離層としては、例えば、クロム、ニッケル、コバルト、鉄、モリブデン、チタン、タングステン、リン、銅及びアルミニウムから選択される1種以上の金属を含む層が挙げられる。これらの金属は、合金、水和物、酸化物等であってもよい。剥離層は、1層であってもよく、複数層であってもよい。
剥離層は、例えば、電気めっき、無電解めっき、浸漬めっき等の湿式めっき;スパッタリング、化学的蒸着法(CVD;Chemical Vapor Deposition)、物理的蒸着法(PDV;Physical Vapor Deposition)等の乾式めっきなどによって形成することができる。
【0023】
<樹脂層>
樹脂層は、金属箔の一方の面側に、熱硬化性樹脂組成物を用いて形成される層である。樹脂層は、通常、プリント配線板等の用途における絶縁層として使用される。
樹脂層の厚さは、樹脂付き金属箔の用途等に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、好ましくは5~70μm、より好ましくは10~50μm、さらに好ましくは15~30μmである。
樹脂層の厚さが上記下限値以上であると、本実施形態の製造方法によって得られる樹脂付き金属箔から形成される絶縁層の絶縁性がより一層向上する傾向にある。一方、樹脂層の厚さが上記上限値以下であると、本実施形態の製造方法によって得られる樹脂付き金属箔が、より一層基板の薄型化に適合したものとなる傾向にある。
【0024】
樹脂層の形成に使用する熱硬化性樹脂組成物の組成は、樹脂付き金属箔の用途等に応じて、適宜決定すればよい。
熱硬化性樹脂組成物が含有する熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和イミド樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、オキセタン樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、シリコーン樹脂、トリアジン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、エポキシ樹脂、不飽和イミド樹脂が好ましく、不飽和イミド樹脂がより好ましく、マレイミド樹脂がさらに好ましい。マレイミド樹脂は、マレイミド化合物とジアミン化合物とをマイケル付加させてなるプレポリマーであってもよい。
熱硬化性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】
熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂以外にも、例えば、無機充填材、硬化剤、硬化促進剤、熱可塑性樹脂、エラストマー、難燃剤、その他の添加剤等を含有していてもよい。これらは、各々について、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ珪酸ガラス等が挙げられる。
硬化剤としては、例えば、フェノール化合物、アミン化合物、酸無水物等が挙げられる。硬化剤は、熱硬化性樹脂の種類に応じて、適宜選択することが好ましい。
硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール類及びその誘導体;有機リン系化合物;第二級アミン類、第三級アミン類、及び第四級アンモニウム塩などが挙げられる。
熱可塑性樹脂及びエラストマーとしては、例えば、ポリフェニレンエーテル及びその誘導体、ポリブタジエン及びその誘導体、スチレン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、リン系難燃剤、金属水和物、ハロゲン系難燃剤等が挙げられる。
その他の添加剤としては、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤;ヒンダードフェノール系酸化防止剤、スチレン化フェノール酸化防止剤等の酸化防止剤;、ベンゾフェノン類、ベンジルケタール類、チオキサントン系等の光重合開始剤;スチルベン誘導体等の蛍光増白剤、尿素化合物、シランカップリング剤等の密着性向上剤などが挙げられる。
【0026】
熱硬化性樹脂組成物中における熱硬化性樹脂の含有量は、熱硬化性樹脂組成物中の樹脂成分の総和100質量部に対して、好ましくは30~95質量部、より好ましくは50~90質量部、さらに好ましくは70~85質量部である。
熱硬化性樹脂組成物中における熱可塑性樹脂の含有量は、熱硬化性樹脂組成物中の樹脂成分の総和100質量部に対して、好ましくは1~30質量部、より好ましくは3~20質量部、さらに好ましくは5~15質量部である。
熱硬化性樹脂組成物中におけるエラストマーの含有量は、熱硬化性樹脂組成物中の樹脂成分の総和100質量部に対して、好ましくは1~30質量部、より好ましくは3~20質量部、さらに好ましくは5~15質量部である。
熱硬化性樹脂組成物中における硬化促進剤の含有量は、熱硬化性樹脂組成物中の樹脂成分の総和100質量部に対して、好ましくは0.01~5質量部、より好ましくは0.1~2質量部、さらに好ましくは0.3~1質量部である。
熱硬化性樹脂組成物中における無機充填材の含有量は、熱硬化性樹脂組成物中の樹脂成分の総和100質量部に対して、好ましくは50~300質量部、より好ましくは100~250質量部、さらに好ましくは150~200質量部である。
熱硬化性樹脂組成物中における難燃剤の含有量は、熱硬化性樹脂組成物中の樹脂成分の総和100質量部に対して、好ましくは10~80質量部、より好ましくは20~60質量部、さらに好ましくは30~50質量部である。
ここで、本明細書において、「樹脂成分」とは、樹脂及び硬化反応によって樹脂を形成する化合物を意味し、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、エラストマー等が樹脂成分に相当する。
また、熱硬化性樹脂組成物が、任意成分として、上記成分以外に樹脂又は硬化反応によって樹脂を形成する化合物を含有する場合、これらの任意成分も樹脂成分に含まれる。
一方、硬化促進剤、無機充填材及び難燃剤は、樹脂成分には含めないものとする。
【0027】
熱硬化性樹脂組成物は、層形成を容易にするために有機溶剤を含有していてもよい。なお、有機溶剤を含有する熱硬化性樹脂組成物を、以下で「樹脂ワニス」と称する場合がある。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル系溶剤;セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド系溶剤などが挙げられる。有機溶剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶解性の観点から、トルエン、メチルイソブチルケトンが好ましい。
【0028】
熱硬化性樹脂組成物が有機溶剤を含有する場合、その固形分含有量は、特に限定されないが、塗工性及び樹脂層の厚さ制御を容易にするという観点から、好ましくは30~80質量%、より好ましくは40~75質量%、さらに好ましくは45~70質量%である。
なお、本実施形態における固形分とは、不揮発性の樹脂成分を意味し、25℃付近の室温で液状、水飴状又はワックス状のものも含み、必ずしも固体であることを意味するものではない。
【0029】
熱硬化性樹脂組成物は、上記各成分を、必要に応じて有機溶媒と配合し、公知の撹拌機等を用いて混合する方法によって、製造することができる。混合する際には、各成分は撹拌しながら溶解又は分散させてもよい。また、原料を混合する順序、混合温度、混合時間等の条件は、特に限定されず、原料の種類等に応じて任意に設定すればよい。
次に、本実施形態の製造方法について説明する。
【0030】
<反り矯正処理前の樹脂付き金属箔の準備>
本実施形態の製造方法における反り矯正処理は、金属箔の一方の面側に前記樹脂層を形成してなる反り矯正処理前の樹脂付き金属箔を、対向する一対のロールの間隙に通すことにより加圧する処理である。
【0031】
反り矯正処理前の樹脂付き金属箔は、例えば、金属箔上に樹脂ワニスを塗布した後、加熱乾燥することによって得られる。なお、ここでの加熱乾燥によって、樹脂ワニスに含有される有機溶剤を除去すると共に、熱硬化性樹脂をB-ステージ化することが好ましい。
加熱乾燥における加熱温度は、生産性及び熱硬化性樹脂を適度にB-ステージ化するという観点から、好ましくは80~200℃、より好ましくは90~170℃、さらに好ましくは100~150℃である。
加熱乾燥における加熱時間は、生産性及び熱硬化性樹脂を適度にB-ステージ化するという観点から、好ましくは0.5~30分間、より好ましくは1~10分間、さらに好ましくは2~5分間である。
但し、加熱乾燥における加熱温度及び加熱時間は、樹脂層に使用する材料の種類、有機溶剤の含有量、得られる樹脂付き金属箔の用途等に応じて調整される条件であるため、上記の範囲に限定されるものではない。
なお、金属箔、熱硬化性樹脂組成物及び樹脂層の好適な態様は上記した通りである。
【0032】
<反り矯正処理>
次に、上記で準備した反り矯正処理前の樹脂付き金属箔を、対向する一対のロールの間隙に通すことによって加圧する処理である反り矯正処理を実施する。
該一対のロールのうち、金属箔と接触する側のロールは樹脂ロールであり、樹脂層と接触する側のロールが金属ロールである。
【0033】
樹脂ロール及び金属ロールの形状としては、回転可能な形状であれば特に制限はなく、例えば、円筒体、円柱体等が挙げられる。これらの中でも、得られる樹脂付き金属箔の均質性の観点から、断面が真円である円筒体が好ましい。
樹脂ロールとしては、例えば、フッ素樹脂ロール、ポリイミド樹脂ロール、ポリウレタン樹脂ロール、ポリオレフィン樹脂ロール等が挙げられる。これらの中でも、ポリウレタン樹脂ロールが好ましい。
金属ロールとしては、例えば、ステンレス鋼ロール、クロムモリブデン鋼ロール等が挙げられる。これらの中でも、機械強度、耐摩耗性、取り扱い性等の観点から、ステンレス鋼ロールが好ましい。
金属ロールは、表面の傷及び摩耗を抑制する観点から、表面処理を施されたものであってもよい。金属ロールの表面処理方法としては、例えば、ニッケルメッキ、無電解ニッケルメッキ、ニッケル-ホウ素メッキ、硬質クロムメッキ、パーカーメッキ等が挙げられる。これらの中でも、硬質クロムメッキを施したものが好ましい。
樹脂ロール及び金属ロールは、いずれも表面が平滑であるものが、得られる樹脂付き金属箔の均質性の観点から好ましい。
【0034】
樹脂ロール及び金属ロールのロール径は、特に限定されないが、クラックの発生を防止しつつ反りを低減するという観点から、各々、好ましくは100~500mm、より好ましくは200~400mm、さらに好ましくは250~300mmである。
【0035】
樹脂ロール及び金属ロールによる樹脂付き金属箔の送り速度は、特に限定されないが、生産性及び反り矯正効果の観点から、好ましくは1.0~15.0m/分、より好ましくは2.0~10.0m/分、さらに好ましくは3.0~7.0m/分である。
【0036】
反り矯正処理におけるロールの加重は、特に限定されないが、好ましくは0.3~10ton、より好ましくは1~8ton、さらに好ましくは3~7tonである。
反り矯正処理におけるロールの加重が上記下限値以上であると、より一層優れた反り矯正効果が得られる傾向にある。一方、反り矯正処理におけるロールの加重が上記上限値以下であると、加重による樹脂付き金属箔の意図しない変形を抑制することができる傾向にある。
【0037】
樹脂ロール及び金属ロールは、ロール内部に熱源を有し、ロール表面を加熱できる機構を有するものであってもよい。その場合、樹脂ロール及び金属ロールは加熱してもよいが、樹脂付き金属箔の変質を抑制するという観点からは、加熱しないことが好ましい。
樹脂ロール及び金属ロールのロール表面温度は、特に限定されないが、生産性及び反り矯正効果の観点、並びに樹脂付き金属箔の変質を抑制するという観点から、各々、好ましくは10~40℃、より好ましくは15~35℃、さらに好ましくは20~30℃である。
【0038】
反り矯正処理は、反り矯正処理前の樹脂付き金属箔を、上記対向する一対のロールの間隙に1回のみ通す処理であってもよく、2回以上通す処理であってもよい。樹脂付き金属箔を上記対向する一対のロールの間隙に2回以上通す場合は、同一のロールに通してもよく、別のロールに通してもよい。
【0039】
[積層板の製造方法]
本実施形態の積層板の製造方法は、本実施形態の樹脂付き金属箔の製造方法によって得られた樹脂付き金属箔を用いて絶縁層を形成する工程を有する、積層板の製造方法である。
本実施形態の積層板の製造方法は、例えば、プリプレグ等のコア材に、本実施形態の樹脂付き金属箔を、樹脂層がコア材側になる状態で積層し、加熱加圧成形する方法である。これによって、樹脂層が硬化して絶縁層が形成される。
加熱加圧成形する際の加熱温度は、好ましくは150~250℃、より好ましくは160~220℃、さらに好ましくは160~200℃である。
加熱加圧成形する際の圧力は、好ましくは2~5MPa、より好ましくは3~5MPa、さらに好ましくは3~4MPaである。加圧方式に特に制限はなく、多段加圧方式であってもよい。また、加熱加圧が終了したら、脱圧冷却してもよい。
その後、必要に応じて、金属箔に対して回路加工、エッチング処理等を施してもよく、さらに、別の樹脂付き金属箔を積層及び加熱加圧成形する工程を繰り返すことによって、多層化してもよい。
【0040】
[プリント配線板の製造方法]
本実施形態のプリント配線板の製造方法は、本実施形態の樹脂付き金属箔の製造方法によって得られた樹脂付き金属箔を用いて絶縁層を形成する工程を有する、プリント配線板の製造方法である。
本実施形態のプリント配線板の製造方法は、例えば、上記した本実施形態の積層板の製造方法によって得られた積層板に配線パターンを形成する方法である。
配線パターンの形成方法としては、サブトラクティブ法、フルアディティブ法、セミアディティブ法(SAP:Semi Additive Process)、モディファイドセミアディティブ法(m-SAP:modified Semi Additive Process)等の公知の方法が挙げられる。
【0041】
[半導体パッケージの製造方法]
本実施形態の半導体パッケージの製造方法は、本実施形態の製造方法によって得られたプリント配線板に半導体素子を搭載する、半導体パッケージの製造方法である。
具体的には、例えば、本実施形態の製造方法によって得られたプリント配線板の所定の位置に、公知の方法によって半導体チップ、メモリ等の半導体素子を搭載し、封止樹脂等によって半導体素子を封止する方法が挙げられる。
【実施例
【0042】
以下、実施例を挙げて、本実施形態を具体的に説明する。ただし、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。
【0043】
[クラックの発生有無]
各例で作製した反り矯正処理後の樹脂付き金属箔の樹脂層を目視で観察し、樹脂の欠落が確認された場合をクラック「有り」、樹脂の欠落が確認されなかった場合をクラック「無し」と判断した。
【0044】
[反り量の測定]
各例で作製した反り矯正処理後の樹脂付き金属箔を、515mm×415mmの大きさに切り出し、平坦な机上へ置き、4隅の反り上がっている高さを定規で測定し、それらのうちの最大値を反り量(mm)として評価した。
【0045】
[熱硬化性樹脂組成物の製造]
製造例1
表1に示す配合割合で各成分を混合し、有機溶媒としてトルエンとメチルイソブチルケトンを用いて固形分濃度56質量%の熱硬化性樹脂組成物を作製した。
なお、表1に示す配合組成の数値は、括弧内の数値を除き固形分の質量部であり、溶液(有機溶剤を除く)又は分散液の場合は固形分換算量である。難燃剤における括弧内の数値は、無機充填材を除く樹脂組成物の固形分中における難燃剤由来のリン原子の含有量(単位;質量%)を示す。
【0046】
【表1】
【0047】
[樹脂付き金属箔の製造]
実施例1~6、比較例1~3
製造例1で得た熱硬化性樹脂組成物を、ロール状のキャリア箔付き銅箔(三井金属鉱業株式会社製、商品名「MT18FL-1.5」、幅:540mm、銅箔厚さ:1.5μm、キャリア箔厚さ:18μm)の銅箔上に塗布し、130℃で3分間、加熱乾燥することによって、銅箔の一方の面側に厚さ20μmの樹脂層を形成した。この樹脂層が設けられた銅箔は、反り矯正処理前の樹脂付き金属箔に相当するものであり、樹脂層側に反り上がった状態を呈していた。
上記で得られた反り矯正処理前の樹脂付き金属箔を、表2に示す一対のロールの間隙を通して加圧することによって、反り矯正処理後の樹脂付き金属箔A~Iを得た。
なお、表2に記載のロール及び加圧条件の詳細は以下の通りである。
樹脂ロール:ロール径が300mmのポリウレタン樹脂ロール
金属ロール:ロール径が300mmのステンレス鋼ロール(硬質クロムメッキ)
送り速度:5.0m/分
【0048】
比較例4
実施例1と同様にして、反り矯正処理前の樹脂付き金属箔を得た。該反り矯正処理前の樹脂付き金属箔を、樹脂層が外側になる状態で直径76.2mmの心材に巻き取り、この状態で25℃にて5日間保管したものを、樹脂付き金属箔Jとした。
【0049】
比較例5
実施例1と同様にして得た反り矯正処理前の樹脂付き金属箔を、515mm×415mmの大きさに切り出し、樹脂層が上側になるようにして10枚重ね、アルミパックで真空梱包した。該樹脂付き金属箔が梱包されたアルミパックの上に、樹脂付き金属箔の面積よりも大きい平坦面を有する30kgの重りを、平坦面内に樹脂付き金属箔が収まる位置に載置した。この状態で25℃にて5日間保管したものを、樹脂付き金属箔Kとした。
【0050】
比較例6
実施例1と同様にして得た反り矯正処理前の樹脂付き金属箔を、直径7.0mmのステンレス製の丸棒に沿って100~170°屈曲させた。このとき、樹脂付き金属箔は、金属箔が丸棒と接触する側に状態で屈曲させた。次に、樹脂付き金属箔が100~170°屈曲した状態を保ちながら、樹脂付き金属箔の位置を、回転しないように固定した丸棒の円周方向にゆっくりスライドさせ、樹脂付き金属箔全面を少なくとも1回は丸棒によって屈曲させた。これを樹脂付き金属箔Lとした。
【0051】
比較例7
実施例1と同様にして得た反り矯正処理前の樹脂付き金属箔を、樹脂付き金属箔Mとした。
【0052】
上記で得られた各樹脂付き金属箔のクラックの発生有無及び反り量を上記の方法で評価した結果を表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】
表2に示す結果から明らかな通り、本実施形態の製造方法である実施例1~6の方法で得られた樹脂付き金属箔は、クラックの発生が無く、反り矯正処理を行っていない比較例7の樹脂付き金属箔よりも、反り量が低減されていた。
一方、比較例1~5の方法で得られた樹脂付き金属箔は、反り量の低減が不十分であった。また、比較例6の方法で得られた樹脂付き金属箔はクラックが発生していた。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本実施形態の製造方法は、生産性に優れ、反りが抑制された樹脂付き金属箔を製造することができる。本実施形態の製造方法で得られた樹脂付き金属箔は、取り扱い性に優れるため、半導体パッケージの製造に好適であり、大量のデータを高速で処理するコンピュータ、情報機器端末等に用いられる電子機器の半導体パッケージなどに好適である。
【符号の説明】
【0056】
1 金属箔
2 樹脂層
3 剥離層
4 キャリア箔
10、20 樹脂付き金属箔
図1
図2