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  • 特許-解析装置、解析方法、及びプログラム 図1
  • 特許-解析装置、解析方法、及びプログラム 図2A
  • 特許-解析装置、解析方法、及びプログラム 図2B
  • 特許-解析装置、解析方法、及びプログラム 図3A
  • 特許-解析装置、解析方法、及びプログラム 図3B
  • 特許-解析装置、解析方法、及びプログラム 図4
  • 特許-解析装置、解析方法、及びプログラム 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】解析装置、解析方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/245 20060101AFI20241009BHJP
【FI】
G01B11/245 H
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023525262
(86)(22)【出願日】2021-06-02
(86)【国際出願番号】 JP2021021084
(87)【国際公開番号】W WO2022254635
(87)【国際公開日】2022-12-08
【審査請求日】2023-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100164471
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 大和
(74)【代理人】
【識別番号】100176728
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】涌井 一清
(72)【発明者】
【氏名】松本 安弘
【審査官】山▲崎▼ 和子
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-203090(JP,A)
【文献】特開2012-242317(JP,A)
【文献】特開2020-054788(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110766798(CN,A)
【文献】金井仁志 (KANAI, Hitoshi),“トンネル計測点群評価機能の開発”(“Development of Inspection System for Tunnel Point Cloud”),UNISYS TECHNOLOGY REVIEW,2020年03月,Volume 39, Number 4 (Issue 143),Pages 23-34,インターネット, <URL:https://www.fnn.jp/articles/-/44819>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
G01C 1/00-1/14
5/00-15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物内部の画像から点群データを生成する解析装置であって
ステレオカメラを移動させて撮影した構造物内部の画像を入力する内部画像入力部と、
撮影ルート上の各内部画像により、構造物の内部構造の点群データを生成する3D点群データ生成部と、
前記点群データから、劣化予測対象以外の点群データを除去する第1解析部と、
前記第1解析部によって前記劣化予測対象以外の点群データが除去された後の点群データから、前記ステレオカメラのカメラ軌道から離隔距離以内の空間にある点群データを抽出する第2解析部と、
を備え
前記第2解析部は、カメラの基線長、画素数、画角、及びピクセル誤差を用いて、前記点群データの位置情報の誤差が閾値以下となる前記離隔距離を算出す解析装置。
【請求項2】
前記第2解析部は、前記カメラ軌道となる線分を推定し、前記カメラ軌道からの前記離隔距離以内の空間にある点群データを抽出する、請求項1に記載の解析装置。
【請求項3】
前記第2解析部は、前記離隔距離以内の空間を、前記カメラ軌道を中心軸とする円筒形で推定する、請求項1に記載の解析装置。
【請求項4】
構造物内部の画像から点群データを生成する解析方法であって、
解析装置により、
ステレオカメラを移動させて撮影した構造物内部の画像を入力するステップと、
撮影ルート上の各内部画像により、構造物の内部構造の点群データを生成するステップと、
前記点群データから、劣化予測対象以外の点群データを除去するステップと、
前記劣化予測対象以外の点群データが除去された後の点群データから、前記ステレオカメラのカメラ軌道から離隔距離以内の空間にある点群データを抽出するステップと、
を含み、
前記抽出するステップは、カメラの基線長、画素数、画角、及びピクセル誤差を用いて、前記点群データの位置情報の誤差が閾値以下となる前記離隔距離を算出する、解析方法。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1からのいずれか一項に記載の解析装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、点群データの精度を向上させる解析装置、解析方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、とう道(通信ケーブルなどの専用管路トンネルのうち、特に敷設・撤去・保守作業用に人が立ち入れる管径のものをいう)内部の劣化の予測には、3次元座標値を有する点群データが活用される。点群データとは、X、Y、Zの基本的位置情報、色などの情報を有するコンピュータで扱う点の集合のデータをいう。従来、点群データの位置座標の取得では、下記の3種の手法などが行われている。
【0003】
第1の手法は、レーザースキャナが、取得したデータを、色付き点群データとして出力し、該点群データをSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)により自動的に位置補正する手法である。点群データは,レーザースキャナから照射されたレーザー光が物体にあたり反射された情報を読み取ることにより取得される。例えば、非特許文献1には、土木構造物の計測点群データから維持管理に用いる3次元ポリゴンモデルの自動生成手法が記載されている。
【0004】
第2の手法は、ステレオカメラを用いて撮影した画像からSFM(Structure from Motion)技術を利用して位置座標を生成する手法である。高密度な点群データを生成するために、SFM技術の一概念である「MVS(Multi-View Stereo)多眼ステレオ」技術を使用してもよい。
【0005】
第3の手法は、とう道の平面図及び内部構造図を組み合わせることにより、とう道内部の絶対位置座標を取得する手法である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】日高 菜緒、「土木構造物の計測点群データから維持管理に用いる3次元ポリゴンモデルの自動生成手法に関する研究」、[online]、[2021年5月13日検索]、インターネット<URL: https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/69597/29788_Dissertation.pdf>、pp.1~12
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、とう道の平面図、縦断図、内部構造図の相互の位置情報には不一致な箇所があり、また、とう道の平面図、縦断図、内部構造図には現地構造と一致しない箇所があるため、内部構造について図面位置情報を用いて構造評価することが困難である。
【0008】
また、とう道内部の画像から生成した点群データは、カメラからの撮影距離、カメラ画素数などにより、位置情報の精度が低下する。
【0009】
更に、とう道内部の画像は、カメラの死角になり撮影できない箇所(ケーブル・金物などの裏側にあるコンクリート壁面部)があり、とう道コンクリート壁面の点群データがとれない箇所が発生する。
【0010】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、構造物の内部画像及び点群データの解析において、劣化予測のための点群データの精度を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、一実施形態に係る解析装置は、構造物内部の画像から点群データを生成する解析装置であって、ステレオカメラを移動させて撮影した構造物内部の画像を入力する内部画像入力部と、撮影ルート上の各内部画像により、構造物の内部構造の点群データを生成する3D点群データ生成部と、前記点群データから、劣化予測対象以外の点群データを除去する第1解析部と、前記第1解析部により除去された点群データから、前記ステレオカメラのカメラ軌道から一定距離以内の空間にある点群データを抽出する第2解析部と、を備える。
【0012】
上記課題を解決するため、一実施形態に係る解析方法は、構造物内部の画像から点群データを生成する解析装置であって、解析装置により、ステレオカメラを移動させて撮影した構造物内部の画像を入力するステップと、撮影ルート上の各内部画像により、構造物の内部構造の点群データを生成するステップと、前記点群データから、劣化予測対象以外の点群データを除去するステップと、前記除去された点群データから、前記ステレオカメラのカメラ軌道から一定距離以内の空間にある点群データを抽出するステップと、を含む。
【0013】
上記課題を解決するため、一実施形態に係るプログラムは、コンピュータを、上記解析装置として機能させる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、劣化事象の定量化に適した位置精度の高い点群データを抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態に係る解析装置の構成例を示すブロック図である。
図2A】劣化予測対象以外の除去する点群データ領域を特定する概略図である。
図2B】劣化予測対象以外の除去する点群データ面を特定するための基準を示す概略図である。
図3A】カメラ軌道からの離隔距離を算出する方法を説明するための概略図である。
図3B】計測誤差が生じる状態を模式的に表した図である。
図4】一実施形態に係る解析装置が実行する解析方法の一例を示すフローチャートである。
図5】解析装置として機能するコンピュータの概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、一実施形態に係る解析装置を、詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0017】
図1に示すように、一実施形態に係る解析装置1は、内部画像入力部11と、3D点群データ生成部12と、第1解析部13と、第2解析部14と、を備える。解析装置1は、構造物内部の画像から点群データを生成する解析装置である。
【0018】
解析装置1を動作させる前に、事前準備として、構造物の内部構造における、劣化予測を行う箇所(劣化予測対象)の選定が行われる。
【0019】
内部画像入力部11は、ステレオカメラ15を移動させて撮影した構造物内部の画像を入力し、該構造物の内部画像を3D点群データ生成部12へ出力する。
【0020】
3D点群データ生成部12は、撮影ルート上の各内部画像により、構造物の内部構造の点群データ(3D点群データ)を生成する。該3D点群データはSFM技術を用いて生成される。SFM技術とは、ある対象を撮影した複数枚の写真から、対象の形状を復元する技術の総称を指し、SFMソフトウェアを使えば、複数の写真を入力することで、3Dモデルを容易に作成し得る。3D点群データ生成部12は、生成した3D点群データを第1解析部13へ出力する。点群データは、位置情報を有する。
【0021】
第1解析部13は、3D点群データ生成部12が生成した構造物の内部構造の点群データを入力し、該点群データから、劣化予測対象以外の点群データを除去する。また、第1解析部13は、3D点群データより劣化予測対象以外の点群データを除去した点群データを第2解析部へ出力する。以下に、図2A及び図2Bを参照し、劣化予測対象以外の点群データを除去する方法を詳細に説明する。以下、劣化予測対象は、トンネル内部の構造として説明されるが、劣化予測対象はトンネル内部の構造に限られるものではない。
【0022】
第1解析部13は、劣化予測対象以外の点群データを除去するにあたり、劣化予測対象以外のトンネル内部に設置された付属物を特定し、該付属物の点群データを除去する。劣化予測対象がトンネル内部構造である場合、付属物とは、トンネル内部に設置された金物、ケーブルなどである。
【0023】
例えば、第1解析部13は、構造物の内部構造の2D内部断面と点群データ面間の法線の長さが一定の長さ以上である点群データ面を特定し、該特定した点群データ面を構造物の進行方向に伸長した領域を除去する。この処理を図2A及び図2Bを参照して説明する。図中では、構造物の内部構造をトンネルの内部構造として以下に説明するが、劣化予測対象はこれに限られるものではない。
【0024】
図2Aは、劣化予測対象以外の除去する点群データ領域を特定する概略図である。図2A中、実線はトンネルの2D内部断面21及び内部断面21をトンネル進行方向に伸長した領域21′を、点線はトンネル内部の画像から生成された2Dの点群データ面22及び点群データ面22をトンネル進行方向に伸長した領域22′を、一点鎖線は2Dの除去する点群データ面23及び除去する点群データ面23をトンネル進行方向に伸長した除去する点群データ領域23′を、黒丸及び三角形は付属物(黒丸はケーブル、三角形は金物)を示す。
【0025】
図2Bは、劣化予測対象以外の除去する点群データ面を特定するための基準を示す概略図である。具体的には、第1解析部13は、図2Bに示すように、トンネル内部の画像から生成された点群データ面22から直角に、トンネル内部の画像上の2D内部断面21へ伸ばした法線Lの長さが一定の長さ以上であるか否かを判断する。法線Lの長さが一定の長さ以上である場合、第1解析部13は、2D内部断面21及び点群データ面22が大きく乖離していると判断すると共に、図2Aに示すように、2D内部断面21において、除去する点群データ面23を特定し、点群データ面23をトンネル進行方向に伸長した領域23′を特定する。
【0026】
また、第1解析部13は、3D点群データの断面線形から、トンネル内部に設置された付属物(図2Bに示すケーブル・金物20など)で隠れている劣化予測対象の断面線形を推定して、該推定した断面線形を構造物の進行方向に伸長した領域の点群データを、構造評価対象物以外の点群データである、として除去してもよい。
【0027】
第2解析部14は、第1解析部13により除去された点群データから、ステレオカメラ15のカメラ軌道25から一定距離以内の空間にある点群データを抽出する。位置精度が高い点群データの抽出方法は以下に記述される。
【0028】
第2解析部14は、カメラ軌道25となる線分を推定し、カメラ軌道25からの所定の離隔距離以内の空間にある点群データを抽出する。
【0029】
まず、カメラ軌道25となる線分の推定は、360度画像から互いに異なる時刻に撮影された複数のパノラマ画像を作成し、次に、各パノラマ画像に写っている同一静止物の見え方の違いを画像解析し、カメラの位置を求めることにより行う。
【0030】
次に第2解析部14は、該離隔距離以内の空間を、カメラ軌道25を中心軸とする円筒形で推定する。すなわち、図3Aに示すように、第2解析部14は、カメラ軌道25からの特定の離隔距離26を円筒形24で推定し、離隔距離26以内の点群データを抽出する。
【0031】
あるいは、カメラ軌道25からの離隔距離26を、下記の式(1)によって算出してもよい。第2解析部14は、ステレオカメラ15の基線長、画素数、画角、ピクセル誤差(画角/画素数をいう)を用いて、点群データの位置情報の誤差(計測誤差)が閾値以下となる離隔距離を算出する。図3Bに、カメラの基線長、画素数、画角、ピクセル誤差などの関係を図示する。カメラ軌道25は、図3Bにおいては紙面に垂直な方向である。図3B中、ステレオカメラ15における左右のレンズ27間の距離である基線長をlaと、レンズから対象物までのカメラ距離をlbと、離隔距離をlcと、計測誤差を考慮した離隔距離をldと、カメラ角度をθと、ピクセル誤差をEaと、計測誤差をEbと、記号で表記する。ステレオカメラのレンズ27は、対象物への角度のずれであるピクセル誤差Eaを有するため、離隔距離lcにも計測誤差Ebが生じ、該対象物の位置がずれて見えることがある。点群データの位置情報の誤差(計測誤差)は、担保したい精度を決めると、他の変数は撮影したカメラにより決まるため、カメラ軌道からの離隔距離が算出できる。そして、式(1)から算出した離隔距離以内の空間にある点群データを抽出する。
【数1】
【0032】
ステレオ画像での計測精度は、画像中の1画素が実際にどのくらいの長さに対応するかで決まる。つまり、計測精度は、レンズ・カメラの解像度・撮影距離・基線長(カメラ間距離)によって変わる。また、カメラ撮像板中のステレオ対応点画素は大きさを持っているため、実際の空間中では計測対象点はある範囲内ということでしか特定できず、その範囲が計測誤差となる。図3Bは、以上のような計測誤差が生じる状態を模式的に表した図である。
【0033】
図4は、一実施形態に係る解析装置1が実行する解析方法の一例を示すフローチャートである。
【0034】
解析装置1が解析方法を実行する前に、事前準備として、劣化予測を行うトンネル箇所(劣化予測対象)の選定を行う。
【0035】
ステップS101では、内部画像入力部11が、ステレオカメラ15を移動させて撮影したトンネル内部の画像を入力する。
【0036】
ステップS102では、3D点群データ生成部12が、撮影ルート上の各内部画像により、トンネル内部構造の点群データを生成する。
【0037】
ステップS103では、第1解析部13が、点群データから、劣化予測対象以外の点群データを除去する。
【0038】
ステップS104では、第2解析部14が、除去された点群データから、ステレオカメラ15のカメラ軌道から一定距離以内の空間にある点群データを抽出する。
【0039】
解析装置1によれば、ステレオカメラ15のカメラ軌道から一定距離以内の空間にある点群データを抽出するため、劣化事象の定量化に適した位置精度の高い点群データを抽出することができる。
【0040】
上記の解析装置1における内部画像入力部11、3D点群データ生成部12、第1解析部13、及び第2解析部14は、制御装置(コントローラ)の一部を構成する。該制御装置は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの専用のハードウェアによって構成されてもよいし、プロセッサによって構成されてもよいし、双方を含んで構成されてもよい。
【0041】
また、上記の解析装置1を機能させるために、プログラム命令を実行可能なコンピュータを用いることも可能である。図5は、解析装置1として機能するコンピュータの概略構成を示すブロック図である。ここで、コンピュータ100は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、ワークステーション、PC(Personal Computer)、電子ノートパッドなどであってもよい。プログラム命令は、必要なタスクを実行するためのプログラムコード、コードセグメントなどであってもよい。
【0042】
図5に示すように、コンピュータ100は、プロセッサ110と、記憶部としてROM(Read Only Memory)120、RAM(Random Access Memory)130、及びストレージ140と、入力部150と、出力部160と、通信インターフェース(I/F)170と、を備える。各構成は、バス180を介して相互に通信可能に接続されている。上記の解析装置1における内部画像入力部11は入力部150として構築されてもよい。
【0043】
ROM120は、各種プログラム及び各種データを保存する。RAM130は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ140は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム及び各種データを保存する。本開示では、ROM120又はストレージ140に、本開示に係るプログラムが保存されている。
【0044】
プロセッサ110は、具体的にはCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、SoC(System on a Chip)などであり、同種又は異種の複数のプロセッサにより構成されてもよい。プロセッサ110は、ROM120又はストレージ140からプログラムを読み出し、RAM130を作業領域としてプログラムを実行することで、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。なお、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェアで実現することとしてもよい。
【0045】
プログラムは、コンピュータ100が読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。このような記録媒体を用いれば、プログラムをコンピュータ100にインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録された記録媒体は、非一過性(non-transitory)の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROM、DVD-ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリなどであってもよい。また、このプログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0046】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0047】
(付記項1)
構造物内部の画像から点群データを生成する解析装置であって、
ステレオカメラを移動させて撮影した構造物内部の画像を入力し、撮影ルート上の各内部画像により、構造物の内部構造の点群データを生成し、前記点群データから、劣化予測対象以外の点群データを除去し、前記除去された点群データから、前記ステレオカメラのカメラ軌道から一定距離以内の空間にある点群データを抽出する制御部
を備える解析装置。
(付記項2)
前記制御部は、
前記カメラ軌道となる線分を推定し、前記カメラ軌道からの所定の離隔距離以内の空間にある点群データを抽出する、付記項1に記載の解析装置。
(付記項3)
前記制御部は、
前記離隔距離以内の空間を、前記カメラ軌道を中心軸とする円筒形で推定する、付記項1に記載の解析装置。
(付記項4)
前記制御部は、
カメラの基線長、画素数、画角、及びピクセル誤差を用いて、前記点群データの位置情報の誤差が閾値以下となる前記離隔距離を算出する、付記項2に記載の解析装置。
(付記項5)
構造物内部の画像から点群データを生成する解析方法であって、
解析装置により、
ステレオカメラを移動させて撮影した構造物内部の画像を入力するステップと、撮影ルート上の各内部画像により、構造物の内部構造の点群データを生成するステップと、前記点群データから、劣化予測対象以外の点群データを除去するステップと、前記除去された点群データから、前記ステレオカメラのカメラ軌道から一定距離以内の空間にある点群データを抽出するステップと、を含む解析方法。
(付記項6)
コンピュータによって実行可能なプログラムを記憶した非一時的記憶媒体であって、前記コンピュータを付記項1から4のいずれか一項に記載の解析装置として機能させるプログラムを記憶した非一時的記憶媒体。
【0048】
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本開示の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形又は変更が可能である。たとえば、実施形態の構成図に記載の複数の構成ブロックを1つに組み合わせたり、あるいは1つの構成ブロックを分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 解析装置
11 内部画像入力部
12 3D点群データ生成部
13 第1解析部
14 第2解析部
100 コンピュータ
110 プロセッサ
120 ROM
130 RAM
140 ストレージ
150 入力部
160 出力部
170 通信インターフェース(I/F)
180 バス
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5