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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】プローバの冷却システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20241010BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
H01L21/66 B
H01L21/68 N
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023124230
(22)【出願日】2023-07-31
(62)【分割の表示】P 2022022035の分割
【原出願日】2018-03-22
(65)【公開番号】P2023143954
(43)【公開日】2023-10-06
【審査請求日】2023-07-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000151494
【氏名又は名称】株式会社東京精密
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】高橋 武孝
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-180412(JP,A)
【文献】特開2008-267640(JP,A)
【文献】特開2012-199341(JP,A)
【文献】国際公開第2017/208393(WO,A1)
【文献】特開2013-205955(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
H01L 21/683
G01R 31/26
G01R 31/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハを保持するウェーハチャックと、
冷媒を冷却する冷凍機と、
前記冷凍機と前記ウェーハチャックとを接続する冷媒供給側管路と、
前記ウェーハチャックと前記冷凍機とを接続する冷媒回収側管路と、
前記冷凍機の処理能力内となるように前記冷媒供給側管路と前記冷媒回収側管路との間で熱交換を行う熱交換器と、
を有し、
前記冷媒回収側管路を流れる前記冷媒は周囲温度より高温である、
プローバの冷却システム。
【請求項2】
前記熱交換器は、前記冷媒回収側管路を流れ且つ前記冷凍機の処理能力を超える温度の前記冷媒を、前記冷媒供給側管路を流れる前記冷媒との間の熱交換により、前記冷凍機の処理能力以下の温度に冷却する、
請求項1に記載のプローバの冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハに形成された複数のチップの電気的な検査を行うプローバに関し、特にウェーハチャックを冷却する冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程では、半導体ウェーハに各種の処理を施して、デバイスを有する複数のチップを形成する。各チップは電気的特性が検査され、その後ダイサーで分断された後、リードフレーム等に固定されて組み立てられる。電気的特性の検査は、テスタを備えたプローバによって実施される。プローバは、ウェーハをウェーハチャック保持させて、各チップの電極パッドにプローブを接触させる。テスタは、プローブに接続される端子から電源及び各種の試験信号をチップに供給し、チップの電極に出力される信号を解析することにより正常に動作するかを確認する。
【0003】
製品化されたデバイスは広い用途に使用され、例えば-55°C以下の低温環境下、又は200°C以上の高温環境下で使用される場合がある。このため、プローバにはこのような高低温環境下での検査が行えることが要求される。そこで、チラー機構等の冷却システム、又はヒータ機構等の加熱システムをプローバに搭載し、これらの冷却システム又は加熱システムによってウェーハチャックを設定温度に冷却又は加熱することにより、上記の高低温環境下での検査を可能としている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-311483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年のプローバによるウェーハ検査では、測定時間の短縮及びテストコストを低減するため、同時測定するチップ数が増大している。その際、1個のチップでは発熱量の小さいDRAM(Dynamic Random Access Memory)又はフラッシュメモリ等のデバイスであっても、同時測定数が多くなることによってその発熱量が大きくなっている。この場合、ウェーハチャックは、ウェーハ検査時に生じるデバイスの発熱により加熱されて昇温する。
【0006】
デバイスの低温域の検査温度(冷却システムによるウェーハチャックの設定温度)として、例えば-40℃が要求される冷却システムには、低温用として設計された冷凍機が使用される。しかしながら、ウェーハチャックによって例えば45℃以上に加熱された冷却液を冷凍機に戻すと、冷凍機油に悪影響(例えば、劣化)を与えたり、高温から低温までの温度差の大きいヒートサイクルによって冷凍機がダメージを受けたりする。このため、従来の冷却システムでは、冷却液がウェーハチャックによって例えば45℃以上に加熱される高温域では、冷却液を使用することができなかった。
【0007】
このような事情により、従来の冷却システムは、冷却液を使用することができない高温域では、ウェーハチャックの冷却能力が低下する。このため、特に発熱量の大きなデバイスを検査する場合、ウェーハチャックの温度が検査に要求される検査温度を超えてしまうという問題があった。
【0008】
一方、冷却液に代えて空気により、ウェーハチャックの温度を広範囲の温度域で制御することが考えられる。しかしながら、空気は熱容量が小さいため、冷却液を使用した冷却システムと比較して、低温域での冷却能力が劣るという欠点があった。
【0009】
つまり、従来のプローバには、低温域から高温域に至る広範囲の温度域において有効な冷却能力を有するものがなかった。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、低温域から高温域に至る広範囲の温度域において有効な冷却能力を有するプローバの冷却システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のプローバは、本発明の目的を達成するために、チップが形成されたウェーハを保持するウェーハチャックと、冷却液を冷却する冷凍機と、冷凍機に接続された冷却液タンクと、冷凍機とウェーハチャックとを接続する第1流路と、第1流路にウェーハチャックを介して連通されてウェーハチャックと冷却液タンクとを接続する第2流路と、第1流路及び第2流路に取り付けられ、第1流路を流れる冷却液と第2流路を流れる冷却液との間で熱交換を行う熱交換器と、第1流路に設けられ、熱交換器と冷凍機との間に配置されたヒータと、第1流路に設けられ、熱交換器と冷凍機との間に配置された流量調整バルブと、ウェーハチャックの温度を検出する温度検出部と、温度検出部にて検出された温度に基づき流量調整バルブの開度を調整して、冷凍機からウェーハチャックに供給される冷却液の流量を制御する制御部と、を備える。
【0012】
本発明の一形態は、流量調整バルブは、第1流路においてヒータよりも冷凍機側に配置され、流量調整バルブは、第1流路上で冷却液を冷却液タンクへ分岐する三方弁であることが好ましい。
【0013】
本発明の一形態は、ウェーハチャックにはチャックヒータが備えられ、制御部は、チャックヒータのヒータ出力と温度検出部にて検出された温度とに基づき流量調整バルブの開度を調整して、冷凍機からウェーハチャックに供給される冷却液の流量を制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、低温域から高温域に至る広範囲の温度域において有効な冷却能力を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態の冷却システムが適用されたプローバの構成を示すブロック図
図2】実施形態のチャックヒータ制御系の構成を示す機能ブロック図
図3】実施形態のチラー制御系の構成を示す機能ブロック図
図4】他の実施形態の冷却システムの構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面に従って本発明に係るプローバの冷却システムの好ましい実施形態について詳説する。
【0017】
図1は、実施形態の冷却システムが適用されたプローバ10の構成を示すブロック図である。
【0018】
まず、プローバ10について説明すると、このプローバ10は、検査するチップの電極に接触されるプローブ12を有するプローブカード14と、テスタ16と、を備えている。テスタ16は、テスタ本体18と、テスタ本体18の端子とプローブカード14の端子とを電気的に接続するインターフェイス20と、を有する。テスタ16は、プローブ12に接続される端子から電源及び各種の試験信号をチップに供給し、チップの電極に出力される信号を解析することによりチップが正常に動作するかを確認する。
【0019】
次に、プローバ10の冷却システムについて説明する。実施形態の冷却システムは、ウェーハWを保持するウェーハチャック22と、冷却液を冷却する冷凍機24と、冷凍機24にポンプ26を介して接続された冷却液タンク28と、を有している。また、冷却システムは、第1流路30と第2流路32とを有している。第1流路30は、冷凍機24とウェーハチャック22とを接続する流路であり、第2流路32は、ウェーハチャック22と冷却液タンク28とを接続する流路である。第1流路30と第2流路32とは、ウェーハチャック22に設けられた冷媒流路23を介して互いに連通されている。このように構成された実施形態の冷却システムによれば、冷凍機24からの冷却液を第1流路30、冷媒流路23、第2流路32及び冷却液タンク28を介して冷凍機24に循環させる循環流路を有している。また、ウェーハチャック22には、温度センサによって構成される温度検出部48が取り付けられている。更に、ウェーハチャック22には、チャックヒータ50が内蔵されている。
【0020】
また、実施形態の冷却システムは、熱交換器34を有している。熱交換器34は、第1流路30及び第2流路32に取り付けられており、第1流路30を流れる冷却液と第2流路32を流れる冷却液との間で熱交換を行う。熱交換器34としては、第1流路30と第2流路32とを所定長さにおいて接触させ、その接触部分を、断熱材を介してケーシングで保持した構造を例示することができる。このように構成された熱交換器34によれば、例えば、第1流路30を流れる低温の冷却液を、第2流路を流れる高温の冷却液によって加熱してウェーハチャック22に供給することが可能になるとともに、第2流路32を流れる高温の冷却液を、第1流路を流れる低温の冷却液によって冷却して冷却液タンク28に戻すことが可能になる。
【0021】
更に、実施形態の冷却システムは、三方弁36とヒータ38とを備えている。三方弁36は、第1流路30に設けられるとともに、冷凍機24と熱交換器34との間に配置されている。ヒータ38も同様に、第1流路30に設けられるとともに、冷凍機24と熱交換器34との間に配置されている。
【0022】
図1に示した冷却システムでは、三方弁36がヒータ38よりも冷凍機24側に配置されている。すなわち、三方弁36の第1ポート36Aが冷凍機24側に接続され、三方弁36の第2ポート36Bがヒータ38側に接続されている。更に、三方弁36の第3ポート36Cは、第3流路40を介して冷却液タンク28に接続されている。この三方弁36は、本発明の流量調整バルブの好ましい一例であり、この三方弁36によって、第1流路30上で冷却液を冷却液タンク28へ分岐することができる。
【0023】
図2は、ウェーハチャック22を加熱するチャックヒータ制御系42の機能ブロック図である。
【0024】
図2に示すチャックヒータ制御系42は、不図示のCPU(central processing unit)を含む各演算処理回路、及びROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等のメモリによって構成されており、メモリに記憶されたプログラムがCPUによって実行されることにより、チャックヒータ制御系42の各部の機能が実現される。図2に示すように、チャックヒータ制御系42は、温度設定部44と、ヒータ制御部46と、メモリ部52として機能する。
【0025】
温度設定部44は、キーボード等の入力装置を介して入力された情報に従って、ウェーハチャック22の設定温度T(℃)を設定する。この設定温度T(℃)は、温度設定部44からヒータ制御部46に対して出力される。
【0026】
ヒータ制御部46は、ウェーハチャック22の温度(℃)をウェーハチャック22の設定温度T(℃)に基づいて制御する。具体的には、温度検出部48によって検出されるウェーハチャック22の温度(℃)が、ウェーハチャック22の設定温度T(℃)となるようにチャックヒータ50のヒータ出力H(W)を制御する。
【0027】
メモリ部52には、ウェーハチャック22の設定温度T(℃)に応じた、ヒータ出力H(W)をフィードバック制御するための、制御定数マップが記憶されている。この制御定数マップは、例えば、あらかじめ実験等により、設定温度T(℃)毎に制御定数を求めて作成されたものである。
【0028】
このように構成されたチャックヒータ制御系42によれば、温度設定部44からヒータ制御部46にウェーハチャック22の設定温度T(℃)が与えられると、ヒータ制御部46は、メモリ部52の制御定数マップから、対応する制御定数を読み出し、その値を用いてチャックヒータ50のフィードバック制御を行う。そして、ヒータ制御部46は、温度検出部48にて検出されたウェーハチャック22の温度(℃)が設定温度T(℃)となるように、チャックヒータ50のヒータ出力H(W)をフィードバック制御する。これにより、実施形態のチャックヒータ制御系42によれば、ウェーハチャック22の温度(℃)を設定温度T(℃)に制御することができる。
【0029】
図3は、チラー制御系54の機能ブロック図である。
【0030】
図3に示すチラー制御系54は、不図示のCPU(central processing unit)を含む各演算処理回路、及びROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等のメモリによって構成されており、メモリに記憶されたプログラムがCPUによって実行されることにより、三方弁制御部56と、メモリ部58として機能する。
【0031】
三方弁制御部56は、チャックヒータ制御系42のヒータ制御部46から与えられるウェーハチャック22の温度(℃)及びヒータ出力H(W)に基づいて三方弁36の開度V(%)を調整し、ウェーハチャック22に対する冷却液の供給量を制御する。
【0032】
メモリ部58には、ウェーハチャック22の温度(℃)とヒータ出力H(W)とに応じた三方弁36の開度V(%)のデータが温度(℃)及びヒータ出力H(W)毎に予め記憶されている。すなわち、メモリ部58は、温度(℃)及びヒータ出力H(W)と開度V(%)との関係が対応づけられた換算マップを有している。この換算マップは、例えば、あらかじめ実験等により温度(℃)及びヒータ出力H(W)と開度V(%)との関係を求めて作成されたものである。
【0033】
このように構成されたチラー制御系54によれば、チャックヒータ制御系42のヒータ制御部46から三方弁制御部56に、ウェーハチャック22の温度(℃)と、そのときのヒータ出力H(W)とが与えられると、三方弁制御部56は、メモリ部58の換算マップから対応する開度V(%)を読み出して、三方弁36の開度V(%)を調整する。これにより、実施形態の冷却システムによれば、ウェーハチャック22に供給される冷却液の流量を、ウェーハチャック22の温度(℃)及びヒータ出力H(W)に応じた流量に制御することができる。
【0034】
したがって、実施形態の冷却システムによれば、ウェーハチャック22を設定温度T(℃)に制御するウェーハチャック22の温度(℃)及びヒータ出力H(W)に基づいて、チラー制御系54が三方弁36の開度V(%)を調整するので、ウェーハチャック22の設定温度T(℃)に応じた流量の冷却液をウェーハチャック22に供給することが可能となる。
【0035】
ところで、実施形態の冷却システムは、高温域での運転時において、ウェーハチャック22から第2流路32に流れた高温の冷却液は、熱交換器34の通過中に、第1流路30に流れる低温の冷却液との間で熱交換が行われて冷却され、その後、第2流路32を介して冷却液タンク28に戻される。これにより、冷却液タンク28に戻された冷却液は、熱交換器34を介さずに冷却液タンク28に戻された冷却液と比較して低温化されているので、ウェーハチャック22から冷却液タンク28に戻された冷却液を、冷凍機24に安定供給することができる。
【0036】
したがって、実施形態の冷却システムによれば、上記の熱交換器34を備えることにより、高温域での運転時においても冷却液を使用することができるので、高温域での冷却能力を得ることができる。
【0037】
また、実施形態の冷却システムによれば、上記の熱交換器34を備えることにより、第1流路30を流れる低温の冷却液を、熱交換器34によってウェーハチャック22に要求される温度近傍まで昇温させることができるので、ヒータ38のヒータ出力を低減することができる。
【0038】
このように実施形態の冷却システムによれば、ウェーハチャック22と冷凍機24と冷却液タンク28との間で冷却液を循環させる循環流路(第1流路30及び第2流路32)に熱交換器34と、ヒータ38と、流量調整バルブ(三方弁36)とを設け、温度検出部48によって検出されたウェーハチャック22の温度に応じて、流量調整バルブ(三方弁36)の開度を調整して、冷凍機24からウェーハチャック22に供給される冷却液の流量を制御する構成としたので、空気では十分な冷却能力を得ることが困難な低温域の設定温度であっても、また、冷凍機を使用することが困難であった高温域の設定温度であっても、ウェーハチャック22を良好に冷却することができる。
【0039】
また、このように構成された実施形態の冷却システムによれば、例えば-50℃程度で流動性を有し、かつ沸点が160℃以上の冷却液を適用することが可能であり、ウェーハチャック22の設定温度が-40℃以上150℃以下の広い温度域であっても、十分な冷却能力を発揮することができる。
【0040】
したがって、実施形態の冷却システムによれば、低温域から高温域に至る広範囲の温度域において有効な冷却能力を有する。
【0041】
また、実施形態の冷却システムによれば、高温域での運転時において、第1流路30の途中に設けられた三方弁36によって、冷凍機24にて冷却された冷却液の少なくとも一部を、ヒータ38にて加熱することなく、第3流路40を介して冷却液タンク28に戻すことが可能となっている。これにより、熱交換器34から第2流路32を介して冷却液タンク28に戻された冷却液を、前述の一部の冷却液によってより一層冷却することが可能となるので、より効果的に冷却液を循環させることが可能となる。
【0042】
図4は、2台のウェーハチャック22A、22Bを備えた2系統の冷却システムに、本発明の冷却システムを適用した構成を示すブロック図である。なお、図4において、図1と共通する構成要素については同一の符号を付してその説明は省略する。
【0043】
図4に示す冷却システムは、冷凍機24と、ポンプ26と、冷却液タンク28と、ヒータ38とを使用して、2台のウェーハチャック22A、22Bに対して冷却液を循環させることを可能とした2系統の冷却システムである。
【0044】
図4に示す冷却システムによれば、第1流路30は、分岐部Pを分岐点として2つの分岐流路30A、30Bに分岐されている。ヒータ38は、第1流路30において分岐部Pよりも冷凍機24側に配置されている。
【0045】
一方の分岐流路30Aは、分岐部Pとウェーハチャック22Aとを接続する流路であり、この分岐流路30Aには、ウェーハチャック22Aの冷媒流路23Aを介して第2流路32Aが接続されている。この第2流路32Aは、ウェーハチャック22Aと冷却液タンク28とを接続する流路である。また、分岐流路30Aと第2流路32Aには、熱交換器34Aが取り付けられており、この熱交換器34Aは分岐流路30Aを流れる冷却液と第2流路32Aを流れる冷却液との間で熱交換を行う。また、分岐流路30Aにおいて、熱交換器34Aと分岐部Pとの間に三方弁36Aが取り付けられている。この三方弁36Aは、分岐流路30A上で冷却液を、第3流路40Aを介して冷却液タンク28へ分岐することができる。
【0046】
他方の分岐流路30Bは、分岐部Pとウェーハチャック22Bとを接続する流路であり、この分岐流路30Bには、ウェーハチャック22Bの冷媒流路23Bを介して第2流路32Bが接続されている。この第2流路32Bは、ウェーハチャック22Bと冷却液タンク28とを接続する流路である。また、分岐流路30Bと第2流路32Bには、熱交換器34Bが取り付けられており、この熱交換器34Bは分岐流路30Bを流れる冷却液と第2流路32Bを流れる冷却液との間で熱交換を行う。また、分岐流路30Bにおいて、熱交換器34Bと分岐部Pとの間に三方弁36Bが取り付けられている。この三方弁36Bは、分岐流路30B上で冷却液を、第3流路40Bを介して冷却液タンク28へ分岐することができる。
【0047】
三方弁36A、36Bの開度V(%)の調整は、チャックヒータ制御系42(図2参照)とチラー制御系54(図3)とに基づいて実行される三方弁36の開度V(%)の調整と同様なので、ここでは説明を省略する。したがって、このような2系統の冷却システムであっても、ウェーハチャック22A、22Bの温度を低温域から高温域に至る広範囲な温度域で良好な冷却能力を有する。
【0048】
なお、図4では、2系統の冷却システムを例示したが、これに限定されるものではなく、冷凍機24と、ポンプ26と、冷却液タンク28と、ヒータ38とを使用した3系統以上の冷却システムであっても本発明の冷却システムを適用することができる。
【0049】
以上説明した実施形態の冷却システムでは、ウェーハチャック22の温度(℃)及びヒータ出力H(W)に基づいて三方弁制御部56が三方弁36の開度V(%)を調整する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、ウェーハチャック22の温度(℃)に基づいて三方弁制御部56が三方弁36の開度V(%)を調整する構成としてもよい。
【0050】
また、実施形態の冷却システムでは、本発明の流量調整バルブとして三方弁36を例示したが、これに限定されず、ウェーハチャック22に供給される冷却液の流量を調整可能なバルブであれば適用することができる。
【符号の説明】
【0051】
10…プローバ、12…プローブ、14…プローブカード、16…テスタ、18…テスタ本体、20…インターフェイス、22…ウェーハチャック、23…冷媒流路、24…冷
凍機、26…ポンプ、28…冷却液タンク、30…第1流路、30A、30B…分岐流路、32、32A、32B…第2流路、34、34A、34B…熱交換器、36、36A、36B…三方弁、36…ヒータ、40、40A、40B…第3流路、42…チャックヒータ制御系、44…温度設定部、46…ヒータ制御部、48…温度検出部、50…チャックヒータ、52…メモリ部、54…チラー制御系、56…三方弁制御部、58…メモリ部
図1
図2
図3
図4