(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】イメージセンシング装置
(51)【国際特許分類】
H04N 25/70 20230101AFI20241011BHJP
H04N 25/78 20230101ALI20241011BHJP
【FI】
H04N25/70
H04N25/78
(21)【出願番号】P 2020095975
(22)【出願日】2020-06-02
【審査請求日】2023-05-08
(31)【優先権主張番号】10-2019-0114099
(32)【優先日】2019-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リュ チュンシク
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/066055(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0374303(US,A1)
【文献】特開2016-136658(JP,A)
【文献】米国特許第06696687(US,B1)
【文献】特開2005-353616(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 25/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
行(row)方向と列(column)方向とに配列された複数のピクセルを含み、
前記複数のピクセルから生成される複数のピクセル信号を
複数のコラムラインを介して出力するためのピクセルアレイと、
前記
複数のコラムラインに接続され、
前記複数のピクセル信号を複数の読み出しラインに読み出し、前記複数のピクセル信号を読み出すとき、
前記複数の読み出しラインに各々予め設定された抵抗値を反映することにより、前記複数のピクセル信号間の読み出し偏差を補償するための複数の読み出し回路と、
を備えるイメージセンシング装置。
【請求項2】
前記複数の読み出し回路は
、前記複数のピクセル信号間の前記読み出し偏差を正補償または逆補償する請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項3】
前記複数の読み出し回路は、前記複数のピクセル信号間の前記読み出し偏差を補償するとき、前記複数のピクセル信号間の前記読み出し偏差を減少させる請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項4】
前記複数の読み出し回路は、前記複数のピクセル信号間の前記読み出し偏差を補償するとき、前記複数のピクセル信号間の読み出し偏差を増加させる請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項5】
行(row)方向と列(column)方向とに配列された複数のピクセルを含み、複数のピクセル信号を複数のコラムラインに出力するためのピクセルアレイと、
前記複数のコラムラインに接続され、前記複数のピクセル信号のそれぞれの電圧レベルに対応する複数の検出信号を複数の読み出しラインに出力するための複数の検出器と、
前記複数の読み出しラインに接続され、前記複数の検出信号を各々カウントするための複数のカウンタと、
前記複数の読み出しラインに接続され、前記複数の読み出しラインにそれぞれの予め設定された抵抗値を反映し、前記複数の読み出しラインのうち、少なくとも2個の読み出しラインに互いに異なる抵抗値を反映するための複数の補償器(compensator)と、
を備えるイメージセンシング装置。
【請求項6】
前記それぞれの予め設定された抵抗値は、前記複数のピクセル信号間の読み出し偏差によって設定される請求項5に記載のイメージセンシング装置。
【請求項7】
前記それぞれの予め設定された抵抗値は、前記複数のピクセル信号間の読み出し偏差が減少されるように設定される請求項5に記載のイメージセンシング装置。
【請求項8】
前記それぞれの予め設定された抵抗値は、前記複数のピクセル信号間の読み出し偏差が増加されるように設定される請求項5に記載のイメージセンシング装置。
【請求項9】
前記複数の補償器は、各々負荷(load)を備え、
前記それぞれの負荷は、非サリサイドポリ抵抗器(non-salicide poly resistor)を備える請求項5に記載のイメージセンシング装置。
【請求項10】
前記複数の補償器は、各々負荷(load)を備え、
前記それぞれの負荷は、メタル抵抗器(metal resistor)を備える請求項5に記載のイメージセンシング装置。
【請求項11】
行(row)方向と列(column)方向とに配列された複数のピクセルを含み、複数のピクセル信号を複数のコラムラインに出力するためのピクセルアレイと、
前記複数のコラムラインに接続され、前記複数のピクセル信号のそれぞれの電圧レベルに対応する複数の検出信号を複数の読み出しラインに出力するための複数の検出器と、
前記複数の読み出しラインに接続され、前記複数の検出信号を各々カウントするための複数のカウンタと、
前記複数の読み出しラインに接続され、2つ以上の共通制御信号に基づいて、前記複数の読み出しラインの各々に2つ以上の抵抗値のうち、いずれか1つを選択的に反映するための複数の補償器(compensator)と、
を備えるイメージセンシング装置。
【請求項12】
前記複数の補償器は、前記複数の読み出しラインのうち、少なくとも2個の読み出しラインに互いに異なる抵抗値を反映する請求項11に記載のイメージセンシング装置。
【請求項13】
前記2つ以上の抵抗値は、第1及び第2抵抗値を含み、
前記第1抵抗値は、前記複数のピクセル信号間の読み出し偏差が減少されるように設定され、
前記第2抵抗値は、前記複数のピクセル信号間の読み出し偏差が増加されるように設定される請求項11に記載のイメージセンシング装置。
【請求項14】
前記複数の補償器の各々は、
第1負荷と、
第2負荷と、
前記共通制御信号のうち、第1共通制御信号に基づいて、前記第1負荷とそれぞれの読み出しラインを選択的に接続するための第1スイッチと、
前記共通制御信号のうち、第2共通制御信号に基づいて、前記第2負荷とそれぞれの読み出しラインを選択的に接続するための第2スイッチと、
を備える請求項11に記載のイメージセンシング装置。
【請求項15】
前記第1及び第2負荷は、各々非サリサイドポリ抵抗器(non-salicide poly resistor)を備える請求項14に記載のイメージセンシング装置。
【請求項16】
前記第1及び第2負荷は、各々メタル抵抗器(metal resistor)を備える請求項14に記載のイメージセンシング装置。
【請求項17】
前記複数の補償器の各々は、
複数の負荷と、
前記共通制御信号に基づいて、前記複数の負荷のうち、少なくとも1つとそれぞれの読み出しラインを選択的に接続するための複数のスイッチと、
を備える請求項11に記載のイメージセンシング装置。
【請求項18】
前記複数の負荷は、同じ抵抗値を有する請求項17に記載のイメージセンシング装置。
【請求項19】
前記複数の負荷は、各々非サリサイドポリ抵抗器(non-salicide poly resistor)を備える請求項17に記載のイメージセンシング装置。
【請求項20】
前記複数の負荷は、各々メタル抵抗器(metal resistor)を備える請求項17に記載のイメージセンシング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体設計技術に関し、より詳細には、イメージセンシング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンシング装置は、光に反応する半導体の性質を利用してイメージをキャプチャ(capture)する素子である。イメージセンシング装置は、大別して、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンシング装置と、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンシング装置とに区分されることができる。アナログ及びデジタル制御回路を1つの集積回路(IC)上に直接実現できるので、CMOSイメージセンシング装置が業界(industry)で多く利用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施形態は、ピクセル信号を読み出す(read out)ときに発生する特性低下を減少させることができるイメージセンシング装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一側面によれば、イメージセンシング装置は、行(row)方向と列(column)方向とに配列された複数のピクセルを含み、複数のピクセル信号を出力するためのピクセルアレイと、前記ピクセルアレイに接続され、前記複数のピクセル信号を読み出すとき、前記複数のピクセル信号間の読み出し偏差を補償するための複数の読み出し回路とを備えることができる。
【0005】
前記複数の読み出し回路は、前記複数のピクセル信号が読み出される複数の読み出しラインに各々予め設定された抵抗値を反映することにより、前記複数のピクセル信号間の前記読み出し偏差を正補償または逆補償することができる。
【0006】
前記複数の読み出し回路は、前記複数のピクセル信号間の前記読み出し偏差を補償するとき、前記複数のピクセル信号間の前記読み出し偏差を減少させることができる。
【0007】
前記複数の読み出し回路は、前記複数のピクセル信号間の前記読み出し偏差を補償するとき、前記複数のピクセル信号間の読み出し偏差を増加させることができる。
【0008】
本発明の他の側面によれば、イメージセンシング装置は、行(row)方向と列(column)方向とに配列された複数のピクセルを含み、複数のピクセル信号を複数のコラムラインに出力するためのピクセルアレイと、前記複数のコラムラインに接続され、前記複数のピクセル信号のそれぞれの電圧レベルに対応する複数の検出信号を複数の読み出しラインに出力するための複数の検出器と、前記複数の読み出しラインに接続され、前記複数の検出信号を各々カウントするための複数のカウンタと、前記複数の読み出しラインに接続され、前記複数の読み出しラインにそれぞれの予め設定された抵抗値を反映し、前記複数の読み出しラインのうち、少なくとも2個の読み出しラインに互いに異なる抵抗値を反映するための複数の補償器(compensator)とを備えることができる。
【0009】
前記それぞれの予め設定された抵抗値は、前記複数のピクセル信号間の読み出し偏差によって設定されることができる。
【0010】
前記それぞれの予め設定された抵抗値は、前記複数のピクセル信号間の読み出し偏差が減少されるように設定されることができる。
【0011】
前記それぞれの予め設定された抵抗値は、前記複数のピクセル信号間の読み出し偏差が増加されるように設定されることができる。
【0012】
前記複数の補償器は、各々負荷(load)を備えることができ、前記それぞれの負荷は、非サリサイドポリ抵抗器(non-salicide poly resistor)を備えることができる。
【0013】
前記複数の補償器は、各々負荷(load)を備えることができ、前記それぞれの負荷は、メタル抵抗器(metal resistor)を備えることができる。
【0014】
本発明のさらに他の側面によれば、イメージセンシング装置は、行(row)方向と列(column)方向とに配列された複数のピクセルを含み、複数のピクセル信号を複数のコラムラインに出力するためのピクセルアレイと、前記複数のコラムラインに接続され、前記複数のピクセル信号のそれぞれの電圧レベルに対応する複数の検出信号を複数の読み出しラインに出力するための複数の検出器と、前記複数の読み出しラインに接続され、前記複数の検出信号を各々カウントするための複数のカウンタと、前記複数の読み出しラインに接続され、2つ以上の共通制御信号に基づいて、前記複数の読み出しラインの各々に2つ以上の抵抗値のうち、いずれか1つを選択的に反映するための複数の補償器(compensator)とを備えることができる。
【0015】
前記複数の補償器は、前記複数の読み出しラインのうち、少なくとも2個の読み出しラインに互いに異なる抵抗値を反映できる。
【0016】
前記2つ以上の抵抗値は、第1及び第2抵抗値を含むことができ、前記第1抵抗値は、前記複数のピクセル信号間の読み出し偏差が減少されるように設定されることができ、前記第2抵抗値は、前記複数のピクセル信号間の読み出し偏差が増加されるように設定されることができる。
【0017】
前記複数の補償器の各々は、第1負荷と、第2負荷と、前記共通制御信号のうち、第1共通制御信号に基づいて、前記第1負荷とそれぞれの読み出しラインを選択的に接続するための第1スイッチと、前記共通制御信号のうち、第2共通制御信号に基づいて、前記第2負荷とそれぞれの読み出しラインを選択的に接続するための第2スイッチとを備えることができる。
【0018】
前記第1及び第2負荷は、各々非サリサイドポリ抵抗器(non-salicide poly resistor)を備えることができる。
【0019】
前記第1及び第2負荷は、各々メタル抵抗器(metal resistor)を備えることができる。
【0020】
前記複数の補償器の各々は、複数の負荷と、前記共通制御信号に基づいて、前記複数の負荷のうち、少なくとも1つとそれぞれの読み出しラインを選択的に接続するための複数のスイッチとを備えることができる。
【0021】
前記複数の負荷は、同じ抵抗値を有することができる。
【0022】
前記複数の負荷は、各々非サリサイドポリ抵抗器(non-salicide poly resistor)を備えることができる。
【0023】
前記複数の負荷は、各々メタル抵抗器(metal resistor)を備えることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施形態は、複数のピクセル信号を読み出すときに発生する特性低下を補償することにより、動作信頼性を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るイメージセンシング装置のブロック構成図である。
【
図2】
図1に示された複数の読み出し回路のブロック構成図である。
【
図3A】
図2に示された第1補償器の一例を示した図である。
【
図3B】
図2に示された第1補償器の一例を示した図である。
【
図4】
図1に示されたイメージセンシング装置の動作のうち、正補償と関連した動作を説明するためのグラフ図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係るイメージセンシング装置のブロック構成図である。
【
図7】
図6に示された複数の読み出し回路のブロック構成図である。
【
図8A】
図7に示された第1補償器の一例を示した図である。
【
図8B】
図7に示された第1補償器の一例を示した図である。
【
図9】
図6に示されたイメージセンシング装置の動作のうち、逆補償と関連した動作を説明するためのグラフ図である。
【
図11】本発明の第3実施形態に係るイメージセンシング装置のブロック構成図である。
【
図12】
図11に示された複数の読み出し回路のブロック構成図である。
【
図15】
図11に示されたイメージセンシング装置の動作のうち、正補償と関連した動作を説明するためのグラフ図である。
【
図16】
図11に示されたイメージセンシング装置の動作のうち、逆補償と関連した動作を説明するためのグラフ図である。
【
図17】本発明の第4実施形態に係るイメージセンシング装置のブロック構成図である。
【
図18】
図17に示された複数の読み出し回路のブロック構成図である。
【
図20A】
図19に示された第1及び第2負荷(load)の一例を示した図である。
【
図20B】
図19に示された第1及び第2負荷(load)の一例を示した図である。
【
図21】
図17に示されたイメージセンシング装置の動作のうち、正補償と関連した動作を説明するためのグラフ図である。
【
図22】
図17に示されたイメージセンシング装置の動作のうち、逆補償と関連した動作を説明するためのグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施できる程度に詳細に説明するために、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
【0027】
そして、明細書の全体において、ある部分が他の部分と「接続」されているとするとき、これは、「直接的に接続」されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで「電気的に接続」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」または「備える」とするとき、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含むか、備えることができることを意味する。また、明細書全体の記載において一部構成要素を単数型で記載したとして、本発明がそれに限定されるものではなく、当該構成要素が複数個からなり得ることが分かるであろう。
【0028】
図1には、本発明の第1実施形態に係るイメージセンシング装置100がブロック構成図で図示されている。
【0029】
図1に示すように、イメージセンシング装置100は、ピクセル領域110、読み出し領域120、及び電源供給領域130、140を備えることができる。
【0030】
ピクセル領域110は、ピクセルアレイを備えることができる。前記ピクセルアレイは、行(row)と列(column)に沿って配列された複数のピクセルPX00~PXxyを含むことができる(ただし、x、yは、自然数である)。例えば、複数のピクセルPX00~PXxyは、第1ないし第x+1行ROW0~ROWx及び第1ないし第y+1列COL0~COLyに配列されることができる。前記ピクセルアレイは、複数のピクセル信号PS0~PSyを複数のコラムラインCL0~CLyに出力することができる。例えば、第1行ROW0に配列された第1ないし第y+1ピクセルPX00~PX0yは、第1単位行時間(single row time)の間、第1ないし第y+1ピクセル信号PS0~PSyを第1ないし第y+1コラムラインCL0~CLyに出力することができ、第x+1行ROWxに配列された第1ないし第y+1ピクセルPXx0~PXxyは、第x+1単位行時間の間、第1ないし第y+1ピクセル信号PS0~PSyを第1ないし第y+1コラムラインCL0~CLyに出力することができる。
【0031】
読み出し領域120は、複数の読み出し回路RD0~RDyを備えることができる。複数の読み出し回路RD0~RDyは、複数のコラムラインCL0~CLyを媒介としてピクセルアレイPAに接続されることができ、複数のピクセル信号PS0~PSyを読み出すことができる。例えば、第1ないし第y+1読み出し回路RD0~RDyは、第1ないし第y+1コラムラインCL0~CLyに接続されることができ、第1ないし第y+1コラムラインCL0~CLyを介して出力される第1ないし第y+1ピクセル信号PS0~PSyを第1ないし第y+1カウント信号CNT0~CNTyとして読み出すことができる。
【0032】
複数の第1ないし第y+1ピクセル信号PS0~PSyは、複数の読み出し回路RD0~RDyにより読み出されるとき、時間遅延を経ることができる(以下、「読み出し時間遅延」と称する)。複数の読み出し回路RD0~RDyにより引き起こされた前記読み出し時間遅延は、複数のピクセル信号PS0~PSyの各々に対して異なることができる。以下において、読み出し偏差は、前記読み出し時間遅延間の差を表す用語として利用されるであろう。本発明の実施形態において、複数の読み出し回路RD0~RDyは、複数のピクセル信号PS0~PSyを読み出すとき、複数のピクセル信号PS0~PSy間の読み出し偏差を補償できる。例えば、複数の読み出し回路RD0~RDyは、複数のピクセル信号PS0~PSyが各々読み出される経路にそれぞれの予め設定された抵抗値を反映することにより、前記複数のピクセル信号PS0~PSy間の読み出し偏差を正補償できる。前記正補償とは、複数のピクセル信号PS0~PSy間の読み出し偏差を減少させることをいう。このために、前記経路に各々反映される前記抵抗値は、複数のピクセル信号PS0~PSy間の読み出し偏差が減少されるように設定されることができる。
【0033】
電源供給領域130、140は、電源供給回路130、140を備えることができる。電源供給回路130、140は、読み出し領域120に必要な電源を生成し、前記電源を読み出し領域120に供給することができる。例えば、電源供給回路130、140は、読み出し領域120に備えられた複数の読み出し回路RD0~RDyに共通に前記電源を供給できる。電源供給回路130、140のうち1つの電源供給回路130は、複数の読み出し回路RD0~RDyのうち、第1読み出し回路RD0に最も隣接して配置されることができ、電源供給回路130、140のうち、他の電源供給回路140は、複数の読み出し回路RD0~RDyのうち、第y+1読み出し回路RDyに最も隣接して配置されることができる。
【0034】
図2には、
図1に示された複数の読み出し回路RD0~RDyがブロック構成図で図示されている。
【0035】
図2に示すように、第1読み出し回路RD0は、第1検出器121_0、第1補償器123_0、及び第1カウンタ125_0を備えることができる。
【0036】
第1検出器121_0は、第1コラムラインCL0に接続されることができる。第1検出器121_0は、第1コラムラインCL0を介して第1ピクセル信号PS0を受信し、第1ピクセル信号PS0の電圧レベルに対応する第1検出信号DS0を第1読み出しライン(以下、「第1初期読み出しライン」と称する)RL0に出力することができる。
【0037】
第1補償器123_0は、第1初期読み出しラインRL0に接続されることができる。第1補償器123_0は、第1初期読み出しラインRL0に予め設定された抵抗値を反映できる。例えば、第1初期読み出しラインRL0を介して伝達される第1検出信号DS0は、第1検出器121_0により検出されるときに対応する読み出し時間遅延を有する。第1検出信号DS0の読み出し時間遅延の量(amount)は、第2ないし第y+1読み出しラインRL1~RLyを介して伝達される第2ないし第y+1検出信号DS1~DSy+1の各々に対する読み出し時間遅延の量と異なることができる。本発明の実施形態に係る正補償の場合、第1補償器123_0は、第1検出信号DS0の読み出し時間遅延と第2ないし第y+1検出信号DS1~DSyの読み出し時間遅延の間の差が減少されるように第1検出信号DS0の読み出し時間遅延を調整できる。このとき、第1補償器123_0は、前記予め設定された抵抗値を有する負荷(load、図示せず)を用いて第1初期読み出しラインRL0に前記予め設定された抵抗値を反映することにより、第1検出信号DS0の読み出し時間遅延を調整できる(
図3~
図5参照)。第1補償器123_0は、前記正補償された第1検出信号DS0として遅延された第1検出信号DS0´を第1読み出しライン(以下、「第1後期読み出しライン」と称する)RL0´に出力することができる。
【0038】
第1カウンタ125_0は、第1後期読み出しラインRL0´に接続されることができる。第1カウンタ125_0は、遅延された第1検出信号DS0´をカウントすることによって第1カウント信号CNT0を出力できる。
【0039】
第2ないし第y+1読み出し回路RD1~RDyは、第1読み出し回路RD0と同様に構成されることができるので、それについての説明は省略する。ただし、第2ないし第y+1補償器123_1~123_yのうち、少なくとも1つに設定された抵抗値は、第1補償器123_0に設定された抵抗値と異なることができる。言い換えれば、複数の読み出し回路RD0~RDyに備えられた複数の補償器123_0~123_yは、複数の読み出しラインRL0~RLyのうち、少なくとも2個の読み出しラインに互いに異なる抵抗値を反映できる。
【0040】
図3A及び
図3Bには、
図2に示された第1補償器123_0の一例を示した図面が図示されている。
【0041】
まず、
図3Aに示すように、第1補償器123_0は、第1負荷loadを備えることができる。前記第1負荷は、非サリサイドポリ抵抗器(non-salicide poly resistor)でありうる。前記非サリサイドポリ抵抗器は、サリサイド領域(salicide region)A、及び非サリサイド領域(non-salicicde region)Bを備えることができる。サリサイド領域Aは、相対的に小さい抵抗値を有することができ、非サリサイド領域Bは、相対的に大きい抵抗値を有することができる。サリサイド領域Aのサイズと非サリサイド領域Bのサイズとを調整することにより、前記非サリサイドポリ抵抗器の抵抗値を設定できる。例えば、非サリサイド領域Bのサイズが大きいほど、前記非サリサイドポリ抵抗器の抵抗値は増加することができ、非サリサイド領域Bのサイズが小さいほど、前記非サリサイドポリ抵抗器の抵抗値は減少することができる。
【0042】
第2ないし第y+1補償器123_1~123_yは、各々第1補償器123_0と同様に、前記非サリサイドポリ抵抗器を備えることができる。ただし、第2ないし第y+1補償器123_1~123_yのうち、少なくとも1つに備えられた非サリサイド領域のサイズは、第1補償器123_0に備えられた非サリサイド領域Bのサイズと異なることができる。
【0043】
次に、
図3Bに示すように、第1補償器123_0は、第2負荷を備えることができる。前記第2負荷は、メタル抵抗器(metal resistor)でありうる。前記メタル抵抗器は、メタルラインを備えることができる。前記メタルラインの長さを調整することにより、前記メタル抵抗器の抵抗値を設定できる。例えば、前記メタルラインの長さが長いほど、前記メタル抵抗器の抵抗値は増加することができ、前記メタルラインの長さが短いほど、前記メタル抵抗器の抵抗値は減少することができる。
【0044】
第2ないし第y+1補償器123_1~123_yは、各々第1補償器123_0と同様に、前記メタル抵抗器を備えることができる。ただし、第2ないし第y+1補償器123_1~123_yのうち、少なくとも1つに備えられたメタルラインの長さは、第1補償器123_0に備えられたメタルラインの長さと異なることができる。
【0045】
以下、上記のような構成を有する本発明の第1実施形態に係るイメージセンシング装置の動作を
図4~
図5Bを参照して説明する。
【0046】
図4には、
図1に示されたイメージセンシング装置100の動作を説明するためのグラフが図示されている。
【0047】
図4に示すように、複数のピクセル信号PS0~PSy間には、読み出し偏差Tが発生しうる。より正確には、複数の検出信号DS0~DSy間に読み出し偏差Tが発生しうる。読み出し偏差Tを表すグラフ曲線がコラムの中央部分で膨らんで図示された理由は、複数の読み出し回路RD0~RDyに共通に前記電源を供給するための電源供給回路130、140が第1読み出し回路RD0及び第y+1読み出し回路RDyに隣接して配置された場合を例に挙げたためである。これにより、複数の検出信号DS0~DSyは、それぞれの読み出し回路と電源供給回路との距離によって互いに異なる読み出し時間遅延を有して出力されることにより、複数の検出信号DS0~DSy間には、読み出し偏差Tが発生しうるものである。前記電源供給回路と前記読み出し回路との間の距離は、前記電源を前記電源供給回路から前記読み出し回路まで供給するための経路の物理的な長さまたは供給する時間を表すことができる。
【0048】
複数の補償器123_0~123_yには、読み出し偏差Tによって前記正補償を達成するのに適したそれぞれの抵抗値が予め設定されることができる。例えば、複数の補償器123_0~123_yには、前記それぞれの読み出し回路と前記電源供給回路との距離が近いほど、相対的に大きい抵抗値が設定され得るし、前記それぞれの読み出し回路と前記電源供給回路との距離が遠いほど、相対的に小さい抵抗値が設定され得る。複数の補償器123_0~123_yは、複数の読み出しラインRL0~RLyに前記それぞれの抵抗値を反映することにより、複数の検出信号DS0~DSy間の読み出し偏差Tを正補償することができる。例えば、複数の補償器123_0~123_yは、前記正補償するとき、複数の検出信号DS0~DSy間の読み出し偏差Tを減少させることができる。これにより、複数の補償器123_0~123_yから出力される複数の遅延された検出信号DS0´~DSy´は、同じ読み出し時間遅延を有することができる。
【0049】
複数のカウンタ125_0~125_yは、複数の遅延された検出信号DS0´~DSy´に対応する複数のカウント信号CNT0~CNTyを出力できる。
【0050】
図5A及び
図5Bには、
図3A及び
図3Bを敷衍説明するための複数の補償器123_0~123_yの一例を示した図面が図示されている。
図5A及び
図5Bには、説明の都合上、複数の補償器123_0~123_yが第1ないし第8補償器(すなわち、y=7)として図示されていることに留意する。
【0051】
図5A及び
図5Bに示すように、前記第1ないし第8補償器のうち、中央に配置された第4及び第5補償器は、相対的に最も小さい抵抗値を有するように設定されることができ、前記第1ないし第8補償器のうち、第1ないし第3補償器及び第6ないし第8補償器は、両端へ行くほど、相対的に大きい抵抗値を有するように設定されることができる。
【0052】
このような本発明の第1実施形態によれば、複数のピクセル信号間の読み出し偏差を正補償することにより、前記複数のピクセル信号間の読み出し偏差を緩和できるという利点がある。
【0053】
図6には、本発明の第2実施形態に係るイメージセンシング装置200がブロック構成図で図示されている。
【0054】
図6に示すように、イメージセンシング装置200は、ピクセル領域210、読み出し領域220、及び電源供給領域230、250を備えることができる。
【0055】
ピクセル領域210は、ピクセルアレイを備えることができる。前記ピクセルアレイは、行(row)と列(column)に沿って配列された複数のピクセルPX00~PXxyを含むことができる(ただし、x、yは、自然数である)。例えば、複数のピクセルPX00~PXxyは、第1ないし第x+1行ROW0~ROWx及び第1ないし第y+1列COL0~COLyに配列されることができる。前記ピクセルアレイは、複数のピクセル信号PS0~PSyを複数のコラムラインCL0~CLyに出力することができる。例えば、第1行ROW0に配列された第1ないし第y+1ピクセルPX00~PX0yは、第1単位行時間(single row time)の間、第1ないし第y+1ピクセル信号PS0~PSyを第1ないし第y+1コラムラインCL0~CLyに出力することができ、第x+1行ROWxに配列された第1ないし第y+1ピクセルPXx0~PXxyは、第x+1単位行時間の間、第1ないし第y+1ピクセル信号PS0~PSyを第1ないし第y+1コラムラインCL0~CLyに出力することができる。
【0056】
読み出し領域220は、複数の読み出し回路RD0~RDyを備えることができる。複数の読み出し回路RD0~RDyは、複数のコラムラインCL0~CLyを媒介としてピクセルアレイPAに接続されることができ、複数のピクセル信号PS0~PSyを読み出すことができる。例えば、第1ないし第y+1読み出し回路RD0~RDyは、第1ないし第y+1コラムラインCL0~CLyに接続されることができ、第1ないし第y+1コラムラインCL0~CLyを介して出力される第1ないし第y+1ピクセル信号PS0~PSyを第1ないし第y+1カウント信号CNT0~CNTyとして読み出すことができる。
【0057】
複数の読み出し回路RD0~RDyは、複数のピクセル信号PS0~PSyを読み出すとき、複数のピクセル信号PS0~PSy間の読み出し偏差を補償できる。例えば、複数の読み出し回路RD0~RDyは、複数のピクセル信号PS0~PSyが各々読み出される経路にそれぞれの予め設定された抵抗値を反映することにより、前記複数のピクセル信号間の読み出し偏差を逆補償できる。前記逆補償とは、複数のピクセル信号PS0~PSy間の読み出し偏差を増加させることをいう。このために、前記経路に各々反映される前記抵抗値は、複数のピクセル信号PS0~PSy間の読み出し偏差が増加されるように設定されることができる。
【0058】
電源供給領域230、250は、電源供給回路230、250を備えることができる。電源供給回路230、250は、読み出し領域220に必要な電源を生成し、前記電源を読み出し領域220に供給することができる。例えば、電源供給回路230、250は、読み出し領域220に備えられた複数の読み出し回路RD0~RDyに共通に前記電源を供給できる。電源供給回路230、250のうち1つの電源供給回路230は、複数の読み出し回路RD0~RDyのうち、第1読み出し回路RD0に最も隣接して配置されることができ、電源供給回路230、250のうち、他の電源供給回路250は、複数の読み出し回路RD0~RDyのうち、第y+1読み出し回路RDyに最も隣接して配置されることができる。
【0059】
図7には、
図6に示された複数の読み出し回路RD0~RDyがブロック構成図で図示されている。
【0060】
図7に示すように、第1読み出し回路RD0は、第1検出器221_0、第1補償器223_0、及び第1カウンタ225_0を備えることができる。
【0061】
第1検出器221_0は、第1コラムラインCL0に接続されることができる。第1検出器221_0は、第1コラムラインCL0を介して第1ピクセル信号PS0を受信し、第1ピクセル信号PS0の電圧レベルに対応する第1検出信号DS0を第1読み出しライン(以下、「第1初期読み出しライン」と称する)RL0に出力することができる。
【0062】
第1補償器223_0は、第1初期読み出しラインRL0に接続されることができる。第1補償器223_0は、第1初期読み出しラインRL0に予め設定された抵抗値を反映できる。例えば、第1初期読み出しラインRL0を介して伝達される第1検出信号DS0は、第1検出器221_0により検出されるとき、対応する読み出し時間遅延を有する。第1検出信号DS0の読み出し時間遅延の量(amount)は、第2ないし第y+1読み出しラインRL1~RLyを介して伝達される第2ないし第y+1検出信号DS1~DSy+1の各々に対する読み出し時間遅延の量と異なることができる。本発明の実施形態に係る逆補償の場合、第1補償器223_0は、第1検出信号DS0の読み出し時間遅延と第2ないし第y+1検出信号DS1~DSyの読み出し時間遅延の間の差が増加されるように第1検出信号DS0の読み出し時間遅延を調整できる。このとき、第1補償器223_0は、前記予め設定された抵抗値を有する負荷(load、図示せず)を用いて第1初期読み出しラインRL0に前記予め設定された抵抗値を反映することにより、第1検出信号DS0の読み出し時間遅延を調整できる(
図8~
図10参照)。第1補償器223_0は、前記逆補償された第1検出信号DS0として遅延された第1検出信号DS0´を第1読み出しライン(以下、「第1後期読み出しライン」と称する)RL0´に出力することができる。
【0063】
第1カウンタ225_0は、第1後期読み出しラインRL0´に接続されることができる。第1カウンタ225_0は、遅延された第1検出信号DS0´をカウントすることにより、第1カウント信号CNT0を出力できる。
【0064】
第2ないし第y+1読み出し回路RD1~RDyは、第1読み出し回路RD0と同様に構成されることができるので、それについての説明は省略する。ただし、第2ないし第y+1補償器223_1~223_yのうち、少なくとも1つに設定された抵抗値は、第1補償器223_0に設定された抵抗値と異なることができる。言い換えれば、複数の読み出し回路RD0~RDyに含まれた複数の補償器223_0~223_yは、複数の読み出しラインRL0~RLyのうち、少なくとも2個の読み出しラインに互いに異なる抵抗値を反映できる。
【0065】
図8A及び
図8Bには、
図7に示された第1補償器223_0の一例を示した図面が図示されている。
【0066】
まず、
図8Aに示すように、第1補償器223_0は、第1負荷loadを備えることができる。前記第1負荷は、非サリサイドポリ抵抗器(non-salicide poly resistor)でありうる。前記非サリサイドポリ抵抗器は、サリサイド領域(salicide region)A、及び非サリサイド領域(non-salicicde region)Bを備えることができる。サリサイド領域Aは、相対的に小さい抵抗値を有することができ、非サリサイド領域Bは、相対的に大きい抵抗値を有することができる。サリサイド領域Aのサイズと非サリサイド領域Bのサイズとを調整することにより、前記非サリサイドポリ抵抗器の抵抗値を設定できる。例えば、非サリサイド領域Bのサイズが大きいほど、前記非サリサイドポリ抵抗器の抵抗値は増加することができ、非サリサイド領域Bのサイズが小さいほど、前記非サリサイドポリ抵抗器の抵抗値は減少することができる。
【0067】
第2ないし第y+1補償器223_1~223_yは、各々第1補償器223_0と同様に、前記非サリサイドポリ抵抗器を備えることができる。ただし、第2ないし第y+1補償器223_1~223_yのうち、少なくとも1つに備えられた非サリサイド領域のサイズは、第1補償器223_0に備えられた非サリサイド領域Bのサイズと異なることができる。
【0068】
次に、
図8Bに示すように、第1補償器223_0は、第2負荷を備えることができる。前記第2負荷は、メタル抵抗器(metal resistor)でありうる。前記メタル抵抗器は、メタルラインを備えることができる。前記メタルラインの長さを調整することにより、前記メタル抵抗器の抵抗値を設定できる。例えば、前記メタルラインの長さが長いほど、前記メタル抵抗器の抵抗値は増加することができ、前記メタルラインの長さが短いほど、前記メタル抵抗器の抵抗値は減少することができる。
【0069】
第2ないし第y+1補償器223_1~223_yは、各々第1補償器223_0と同様に、前記メタル抵抗器を備えることができる。ただし、第2ないし第y+1補償器223_1~223_yのうち、少なくとも1つに備えられたメタルラインの長さは、第1補償器223_0に備えられたメタルラインの長さと異なることができる。
【0070】
以下、上記のような構成を有する本発明の第2実施形態に係るイメージセンシング装置200の動作を
図9、
図10A及び
図10Bを参照して説明する。
【0071】
図9には、
図6に示されたイメージセンシング装置200の動作を説明するためのグラフが図示されている。
【0072】
図9に示すように、複数のピクセル信号PS0~PSy間には読み出し偏差Tが発生しうる。より正確には、複数の検出信号DS0~DSy間に読み出し偏差Tが発生しうる。読み出し偏差Tを表すグラフ曲線がコラムの中央部分で膨らんで示された理由は、複数の読み出し回路RD0~RDyに共通に電源を供給するための電源供給回路230、240が第1読み出し回路RD0及び第y+1読み出し回路RDyに隣接して配置された場合を例に挙げたためである。これにより、複数の検出信号DS0~DSyは、それぞれの読み出し回路と電源供給回路との距離によって互いに異なる読み出し時間遅延を有して出力されることにより、複数の検出信号DS0~DSy間には読み出し偏差Tが発生しうるものである。
【0073】
複数の補償器223_0~223_yには、読み出し偏差Tによって前記逆補償に対応するそれぞれの抵抗値が予め設定されることができる。例えば、複数の補償器223_0~223_yには、前記それぞれの読み出し回路と前記電源供給回路との距離が遠いほど、相対的に大きい抵抗値が設定され得るし、前記それぞれの読み出し回路と前記電源供給回路との距離が近いほど、相対的に小さい抵抗値が設定され得る。複数の補償器223_0~223_yは、複数の読み出しラインRL0~RLyに前記それぞれの抵抗値を反映することにより、複数の検出信号DS0~DSy間の読み出し偏差Tを逆補償することができる。これにより、複数の補償器223_0~223_yから出力される複数の遅延された検出信号DS0´~DSy´間には、読み出し時間遅延の差がさらに増加され得る。すなわち、複数の遅延された検出信号DS0´~DSy´間の読み出し偏差T´は、複数の検出信号DS0~DSy間の読み出し偏差Tより増加されることができる。
【0074】
複数のカウンタ225_0~225_yは、複数の遅延された検出信号DS0´~DSy´に対応する複数のカウント信号CNT0~CNTyを出力できる。仮りに、複数のカウンタ225_0~225_yが同じようなタイミングに動作すれば、複数のカウンタ225_0~225_yによるピークノイズ(peak noise)が発生しうる。しかし、複数の遅延された検出信号DS0´~DSy´間には読み出し偏差T´が存在するので、複数のカウンタ225_0~225_yによる前記ピークノイズは分散されることができる。
【0075】
図10A及び
図10Bには、
図8A及び
図8Bを敷衍説明するための複数の補償器223_0~223_yの一例を示した図面が図示されている。
図10A及び
図10Bには、説明の都合上、複数の補償器223_0~223_yが第1ないし第8補償器(すなわち、y=7)として図示されていることに留意する。
【0076】
図10A及び
図10Bに示すように、前記第1ないし第8補償器のうち、中央に配置された前記第4及び第5補償器は、相対的に最も大きい抵抗値を有するように設定されることができ、前記第1ないし第8補償器のうち、前記第1ないし第3補償器及び前記第6ないし第8補償器は、両端へ行くほど、相対的に小さい抵抗値を有するように設定されることができる。
【0077】
このような本発明の第2実施形態によれば、複数のピクセル信号間の読み出し偏差を逆補償することにより、複数のカウンタにより発生するピークノイズ(peak noise)を分散させることができるという利点がある。
【0078】
図11には、本発明の第3実施形態に係るイメージセンシング装置300がブロック構成図で図示されている。
【0079】
図11に示すように、イメージセンシング装置300は、ピクセル領域310、読み出し領域320、及び電源供給領域330、340を備えることができる。
【0080】
ピクセル領域310は、ピクセルアレイを備えることができる。前記ピクセルアレイは、行(row)と列(column)に沿って配列された複数のピクセルPX00~PXxyを備えることができる(ただし、x、yは、自然数である)。例えば、複数のピクセルPX00~PXxyは、第1ないし第x+1行ROW0~ROWx及び第1ないし第y+1列COL0~COLyに配列されることができる。前記ピクセルアレイは、複数のピクセル信号PS0~PSyを複数のコラムラインCL0~CLyに出力することができる。例えば、第1行ROW0に配列された第1ないし第y+1ピクセルPX00~PX0yは、第1単位行時間(single row time)の間、第1ないし第y+1ピクセル信号PS0~PSyを第1ないし第y+1コラムラインCL0~CLyに出力することができ、第x+1行ROWxに配列された第1ないし第y+1ピクセルPXx0~PXxyは、第x+1単位行時間の間、第1ないし第y+1ピクセル信号PS0~PSyを第1ないし第y+1コラムラインCL0~CLyに出力することができる。
【0081】
読み出し領域320は、複数の読み出し回路RD0~RDyを備えることができる。複数の読み出し回路RD0~RDyは、複数のコラムラインCL0~CLyを媒介としてピクセルアレイPAに接続されることができ、複数のピクセル信号PS0~PSyを読み出すことができる。例えば、第1ないし第y+1読み出し回路RD0~RDyは、第1ないし第y+1コラムラインCL0~CLyに接続されることができ、第1ないし第y+1コラムラインCL0~CLyを介して出力される第1ないし第y+1ピクセル信号PS0~PSyを第1ないし第y+1カウント信号CNT0~CNTyとして読み出すことができる。
【0082】
複数の読み出し回路RD0~RDyは、複数のピクセル信号PS0~PSyを読み出すとき、複数の制御信号CTRL<0:n>に基づいて複数のピクセル信号PS0~PSy間の読み出し偏差を補償できる(ただし、nは、自然数である)。例えば、複数の読み出し回路RD0~RDyは、複数のピクセル信号PS0~PSyが読み出される経路に各々予め設定された複数の抵抗値のうち1つを反映することにより、前記複数のピクセル信号間の読み出し偏差を補償できる。特に、複数の読み出し回路RD0~RDyは、複数の制御信号CTRL<0:n>に基づいて、前記経路に各々反映される抵抗値を調整することにより、前記複数の抵抗値のうち1つを決定できる。さらには、複数の読み出し回路RD0~RDyは、複数の制御信号CTRL<0:n>に基づいて、前記経路に各々反映される抵抗値をPVT(工程、電圧、温度)の変動によって柔軟に調整することができる。
【0083】
一方、前記補償は、正補償と逆補償を含むことができる。前記正補償とは、複数のピクセル信号PS0~PSy間の読み出し偏差を減少させることをいう。このために、前記経路に各々反映される前記抵抗値は、複数のピクセル信号PS0~PSy間の読み出し偏差が減少されるように設定されることができる。前記逆補償とは、複数のピクセル信号PS0~PSy間の読み出し偏差を増加させることをいう。このために、前記経路に各々反映される前記抵抗値は、複数のピクセル信号PS0~PSy間の読み出し偏差が増加されるように設定されることができる。
【0084】
電源供給領域330、340は、電源供給回路330、340を備えることができる。電源供給回路330、340は、読み出し領域320に必要な電源を生成し、前記電源を読み出し領域320に供給することができる。例えば、電源供給回路330、340は、読み出し領域320に備えられた複数の読み出し回路RD0~RDyに共通に前記電源を供給できる。電源供給回路330、340のうち1つの電源供給回路330は、複数の読み出し回路RD0~RDyのうち、第1読み出し回路RD0に最も隣接して配置されることができ、電源供給回路330、340のうち、他の電源供給回路340は、複数の読み出し回路RD0~RDyのうち、第y+1読み出し回路RDyに最も隣接して配置されることができる。
【0085】
図12には、
図11に示された複数の読み出し回路RD0~RDyがブロック構成図で図示されている。
【0086】
図12に示すように、第1読み出し回路RD0は、第1検出器321_0、第1補償器323_0、及び第1カウンタ325_0を備えることができる。
【0087】
第1検出器321_0は、第1コラムラインCL0に接続されることができる。第1検出器321_0は、第1コラムラインCL0を介して第1ピクセル信号PS0を受信し、第1ピクセル信号PS0の電圧レベルに対応する第1検出信号DS0を第1読み出しライン(以下、「第1初期読み出しライン」と称する)RL0に出力することができる。
【0088】
第1補償器323_0は、第1初期読み出しラインRL0に接続されることができる。第1補償器323_0は、複数の制御信号CTRL<0:n>に基づいて第1初期読み出しラインRL0に複数の抵抗値のうち、いずれか1つの抵抗値を選択的に反映することができる。本発明の実施形態に係る正補償の場合、第1補償器323_0は、複数の制御信号CTRL<0:n>に基づいて第1検出信号DS0の読み出し時間遅延と第2ないし第y+1検出信号DS1~DSyの読み出し時間遅延との間の差が減少されるように第1検出信号DS0の読み出し時間遅延を調整できる。このとき、第1補償器323_0は、複数の第1抵抗値を有する複数の負荷(load、図示せず)を用いて第1初期読み出しラインRL0に前記複数の第1抵抗値のうち、いずれか1つの抵抗値を反映することにより、第1検出信号DS0の読み出し時間遅延を調整できる(
図13~
図15参照)。本発明の実施形態に係る逆補償の場合、第1補償器323_0は、第1検出信号DS0の読み出し時間遅延と第2ないし第y+1検出信号DS1~DSyの読み出し時間遅延との間の差が増加されるように第1検出信号DS0の読み出し時間遅延を調整できる。このとき、第1補償器323_0は、複数の第2抵抗値を有する複数の負荷(load、図示せず)を用いて第1初期読み出しラインRL0に前記複数の第2抵抗値のうち、いずれか1つの抵抗値を反映することにより、第1検出信号DS0の読み出し時間遅延を調整できる(
図13、14及び16参照)。第1補償器323_0は、前記正補償されるか、または前記逆補償された第1検出信号DS0として遅延された第1検出信号DS0´を第1読み出しライン(以下、「第1後期読み出しライン」と称する)RL0´に出力することができる。
【0089】
第1カウンタ325_0は、第1後期読み出しラインRL0´に接続されることができる。第1カウンタ325_0は、遅延された第1検出信号DS0´をカウントすることにより、第1カウント信号CNT0を出力できる。
【0090】
第2ないし第y+1読み出し回路RD1~RDyは、第1読み出し回路RD0と同様に構成されることができるので、それについての説明は省略する。ただし、第2ないし第y+1補償器323_1~323_yのうち、少なくとも1つに設定された複数の抵抗値は、第1補償器323_0に設定された前記複数の抵抗値と異なることができる。
【0091】
図13には、
図12に示された第1ないし第y+1補償器323_0~323_yが回路図で図示されている。
【0092】
図13に示すように、第1補償器323_0は、複数の第1スイッチSW00~SW0n、及び複数の第1負荷R00~R0nを備えることができる。
【0093】
複数の第1スイッチSW00~SW0nは、第1検出信号DS0が入力される第1初期読み出しラインRL0と複数の第1負荷R00~R0nとの間に並列に接続されることができる。複数の第1スイッチSW00~SW0nは、複数の制御信号CTRL<0:n>に基づいて複数の第1負荷R00~R0nのうち、少なくとも1つの第1負荷と第1初期読み出しラインRL0を接続できる。
【0094】
複数の第1負荷R00~R0nは、第1検出信号DS0´が出力される第1後期読み出しラインRL0´と複数の第1スイッチSW00~SW0nとの間に並列に接続されることができる。複数の第1負荷R00~R0nは、同じ抵抗値を有することができる。
【0095】
このように構成される第1補償器323_0は、複数の第1スイッチSW00~SW0nによる複数の第1負荷R00~R0nの組み合わせによって前記複数の抵抗値のうち、いずれか1つの抵抗値を有することができる。
【0096】
第2ないし第y+1補償器323_0~323_yは、第1補償器323_0と同様に構成されることができるので、それについての説明は省略する。ただし、第2ないし第y+1補償器323_1~323_yのうち、少なくとも1つに設定された複数の抵抗値は、第1補償器323_0に設定された前記複数の抵抗値と異なることができる。例えば、第2補償器323_1に備えられた複数の第2負荷R10~R1nは、同じ抵抗値を有するが、第1補償器323_0に備えられた複数の第1負荷R00~R0nと異なる抵抗値を有することができる。
【0097】
図14A及び
図14Bには、
図13に示された複数の第1負荷R00~R0nのうち、いずれか1つの第1負荷R00の一例を示した図面が図示されている。
【0098】
まず、
図14Aに示すように、第1負荷R00は、非サリサイドポリ抵抗器(non-salicide poly resistor)でありうる。前記非サリサイドポリ抵抗器は、サリサイド領域(salicide region)A、及び非サリサイド領域(non-salicicde region)Bを備えることができる。サリサイド領域Aは、相対的に小さい抵抗値を有することができ、非サリサイド領域Bは、相対的に大きい抵抗値を有することができる。サリサイド領域Aのサイズと非サリサイド領域Bのサイズとを調整することにより、前記非サリサイドポリ抵抗器の抵抗値を設定できる。例えば、非サリサイド領域Bのサイズが大きいほど、前記非サリサイドポリ抵抗器の抵抗値は増加することができ、非サリサイド領域Bのサイズが小さいほど、前記非サリサイドポリ抵抗器の抵抗値は減少することができる。
【0099】
複数の第1負荷R00~R0nのうち、残りの第1負荷R01、R0nは、各々第1負荷R00と同様に、前記非サリサイドポリ抵抗器を備えることができる。複数の第1負荷R00~R0nは、同じ抵抗値を有するので、サリサイド領域Aのサイズと非サリサイド領域Bのサイズとが同一に設計されることができる。
【0100】
一方、第2ないし第y+1補償器323_1~323_yに備えられたそれぞれの負荷は、第1負荷R00と同様に、前記非サリサイドポリ抵抗器を備えることができる。ただし、第2ないし第y+1補償器323_1~323_yのうち、少なくとも1つの補償器に備えられた複数の負荷は、第1負荷R00と異なる抵抗値を有するので、第1負荷R00のサリサイド領域Aのサイズ及び非サリサイド領域Bのサイズと異なるように設計されることができる。例えば、第2補償器323_1に備えられた複数の第2負荷R10~R1nは、第1負荷R00のサリサイド領域Aのサイズ及び非サリサイド領域Bのサイズと異なるように設計されることができる。
【0101】
次に、
図14Bに示すように、第1負荷R00は、メタル抵抗器(metal resistor)でありうる。前記メタル抵抗器は、メタルラインを備えることができる。前記メタルラインの長さを調整することにより、前記メタル抵抗器の抵抗値を設定できる。例えば、前記メタルラインの長さが長いほど、前記メタル抵抗器の抵抗値は増加することができ、前記メタルラインの長さが短いほど、前記メタル抵抗器の抵抗値は減少することができる。
【0102】
複数の第1負荷R00~R0nのうち、残りの第1負荷R01、R0nは、各々第1負荷R00と同様に、前記メタル抵抗器を備えることができる。複数の第1負荷R00~R0nは、同じ抵抗値を有するので、前記メタルラインの長さが同一に設計されることができる。
【0103】
一方、第2ないし第y+1補償器323_1~323_yに含まれたそれぞれの負荷は、第1負荷R00と同様に、前記メタル抵抗器を備えることができる。ただし、第2ないし第y+1補償器323_1~323_yのうち、少なくとも1つの補償器に備えられた複数の負荷は、第1負荷R00と異なる抵抗値を有するので、第1負荷R00のメタルラインの長さと異なるように設計されることができる。例えば、第2補償器323_1に備えられた複数の第2負荷R10~R1nは、第1負荷R00のメタルラインの長さと異なるように設計されることができる。
【0104】
以下、上記のような構成を有する本発明の第3実施形態に係るイメージセンシング装置300の動作を
図15及び
図16を参照して説明する。
【0105】
図15には、
図11に示されたイメージセンシング装置300の動作のうち、前記正補償と関連した動作を説明するためのグラフが図示されている。
【0106】
図15に示すように、複数のピクセル信号PS0~PSy間には読み出し偏差Tが発生しうる。より正確には、複数の検出信号DS0~DSy間に読み出し偏差Tが発生しうる。読み出し偏差Tを表すグラフ曲線がコラムの中央部分で膨らんで示された理由は、複数の読み出し回路RD0~RDyに共通に前記電源を供給するための電源供給回路330、340が第1読み出し回路RD0及び第y+1読み出し回路RDyに隣接して配置された場合を例に挙げたためである。これにより、複数の検出信号DS0~DSyは、それぞれの読み出し回路と電源供給回路との距離によって互いに異なる読み出し時間遅延を有して出力されることにより、複数の検出信号DS0~DSy間には読み出し偏差Tが発生しうるものである。
【0107】
複数の補償器323_0~323_yには、読み出し偏差Tによって前記正補償に対応するそれぞれの抵抗値が予め設定されることができる。例えば、複数の補償器323_0~323_yには、前記それぞれの読み出し回路と前記電源供給回路との距離が近いほど、相対的に大きい抵抗値が設定され得るし、前記それぞれの読み出し回路と前記電源供給回路との距離が遠いほど、相対的に小さい抵抗値が設定され得る。複数の補償器323_0~323_yは、複数の制御信号CTRL<0:n>に基づいて、前記それぞれの抵抗値を微細に調整することができる。複数の補償器323_0~323_yは、前記それぞれの抵抗値を複数の読み出しラインRL0~RLyに反映することにより、複数の検出信号DS0~DSy間の読み出し偏差Tを正補償することができる。例えば、複数の補償器323_0~323_yは、前記正補償するとき、複数の検出信号DS0~DSy間の読み出し偏差Tを減少させることができる。これにより、複数の補償器323_0~323_yから出力される複数の遅延された検出信号DS0´~DSy´は、同じ読み出し時間遅延を有することができる。
【0108】
複数のカウンタ325_0~325_yは、複数の遅延された検出信号DS0´~DSy´に対応する複数のカウント信号CNT0~CNTyを出力できる。
【0109】
図16には、
図11に示されたイメージセンシング装置300の動作のうち、前記逆補償と関連した動作を説明するためのグラフが図示されている。
【0110】
図16に示すように、複数のピクセル信号PS0~PSy間には読み出し偏差Tが発生しうる。より正確には、複数の検出信号DS0~DSy間に読み出し偏差Tが発生しうる。読み出し偏差Tを表すグラフ曲線がコラムの中央部分で膨らんで示された理由は、複数の読み出し回路RD0~RDyに共通に電源を供給するための電源供給回路330、340が第1読み出し回路RD0及び第y+1読み出し回路RDyに隣接して配置された場合を例に挙げたためである。これにより、複数の検出信号DS0~DSyは、それぞれの読み出し回路と電源供給回路との距離によって互いに異なる読み出し時間遅延を有して出力されることにより、複数の検出信号DS0~DSy間には読み出し偏差Tが発生しうるものである。
【0111】
複数の補償器323_0~323_yには、読み出し偏差Tによって前記逆補償に対応するそれぞれの抵抗値が予め設定されることができる。例えば、複数の補償器323_0~323_yには、前記それぞれの読み出し回路と前記電源供給回路との距離が遠いほど、相対的に大きい抵抗値が設定され得るし、前記それぞれの読み出し回路と前記電源供給回路との距離が近いほど、相対的に小さい抵抗値が設定され得る。複数の補償器323_0~323_yは、複数の制御信号CTRL<0:n>に基づいて、前記それぞれの抵抗値を微細に調整することができる。複数の補償器323_0~323_yは、複数の読み出しラインRL0~RLyに各々予め設定された抵抗値を反映することにより、複数の検出信号DS0~DSy間の読み出し偏差Tを逆補償することができる。これにより、複数の補償器323_0~323_yから出力される複数の遅延された検出信号DS0´~DSy´間には読み出し時間遅延差がさらに増加され得る。すなわち、複数の遅延された検出信号DS0´~DSy´間の読み出し偏差T´は、複数の検出信号DS0~DSy間の読み出し偏差Tより増加されることができる。
【0112】
複数のカウンタ325_0~325_yは、複数の遅延された検出信号DS0´~DSy´に対応する複数のカウント信号CNT0~CNTyを出力できる。仮りに、複数のカウンタ325_0~325_yが同じようなタイミングに動作すれば、複数のカウンタ325_0~325_yによるピークノイズ(peak noise)が発生しうる。しかし、複数の遅延された検出信号DS0´~DSy´間には読み出し偏差T´が存在するので、複数のカウンタ325_0~325_yによる前記ピークノイズは分散されることができる。
【0113】
このような本発明の第3実施形態によれば、複数のピクセル信号間の読み出し偏差を補償するとき、必要な抵抗値を微細に調整することができ、さらには、PVT(工程、電圧、温度)によって前記抵抗値を調整できるという利点があり、複数のピクセル信号間の読み出し偏差を正補償することにより、前記複数のピクセル信号間の読み出し偏差を緩和することができ、または、前記複数のピクセル信号間の前記読み出し偏差を逆補償することにより、複数のカウンタにより発生するピークノイズ(peak noise)を分散させることができるという利点がある。
【0114】
図17には、本発明の第4実施形態に係るイメージセンシング装置400がブロック構成図で図示されている。
【0115】
図17に示すように、イメージセンシング装置400は、ピクセル領域410、読み出し領域420、及び電源供給領域430、440を備えることができる。
【0116】
ピクセル領域410は、ピクセルアレイを備えることができる。前記ピクセルアレイは、行(row)と列(column)に沿って配列された複数のピクセルPX00~PXxyを含むことができる(ただし、x、yは、自然数である)。例えば、複数のピクセルPX00~PXxyは、第1ないし第x+1行ROW0~ROWx及び第1ないし第y+1列COL0~COLyに配列されることができる。前記ピクセルアレイは、複数のピクセル信号PS0~PSyを複数のコラムラインCL0~CLyに出力することができる。例えば、第1行ROW0に配列された第1ないし第y+1ピクセルPX00~PX0yは、第1単位行時間(single row time)の間、第1ないし第y+1ピクセル信号PS0~PSyを第1ないし第y+1コラムラインCL0~CLyに出力することができ、第x+1行ROWxに配列された第1ないし第y+1ピクセルPXx0~PXxyは、第x+1単位行時間の間、第1ないし第y+1ピクセル信号PS0~PSyを第1ないし第y+1コラムラインCL0~CLyに出力することができる。
【0117】
読み出し領域420は、複数の読み出し回路RD0~RDyを備えることができる。複数の読み出し回路RD0~RDyは、複数のコラムラインCL0~CLyを媒介としてピクセルアレイPAに接続されることができ、複数のピクセル信号PS0~PSyを読み出すことができる。例えば、第1ないし第y+1読み出し回路RD0~RDyは、第1ないし第y+1コラムラインCL0~CLyに接続されることができ、第1ないし第y+1コラムラインCL0~CLyを介して出力される第1ないし第y+1ピクセル信号PS0~PSyを第1ないし第y+1カウント信号CNT0~CNTyとして読み出すことができる。
【0118】
複数の読み出し回路RD0~RDyは、複数のピクセル信号PS0~PSyを読み出すとき、第1及び第2制御信号CTRL<A:B>に基づいて複数のピクセル信号PS0~PSy間の読み出し偏差を補償できる。例えば、複数の読み出し回路RD0~RDyは、複数のピクセル信号PS0~PSyが読み出される経路に各々予め設定された第1及び第2抵抗値のうち、いずれか1つの抵抗値を反映することにより、前記複数のピクセル信号間の読み出し偏差を補償できる。前記補償は、正補償と逆補償を含むことができる。前記正補償とは、複数のピクセル信号PS0~PSy間の読み出し偏差を減少させることをいう。このために、前記経路に各々反映される前記第1抵抗値は、複数のピクセル信号PS0~PSy間の読み出し偏差が減少されるように設定されることができる。前記逆補償とは、複数のピクセル信号PS0~PSy間の読み出し偏差を増加させることをいう。このために、前記経路に各々反映される前記第2抵抗値は、複数のピクセル信号PS0~PSy間の読み出し偏差が増加されるように設定されることができる。
【0119】
電源供給領域430、440は、電源供給回路430、440を備えることができる。電源供給回路430、440は、読み出し領域420に必要な電源を生成し、前記電源を読み出し領域420に供給することができる。例えば、電源供給回路430、440は、読み出し領域420に備えられた複数の読み出し回路RD0~RDyに共通に前記電源を供給できる。電源供給回路430、440のうち1つの電源供給回路430は、複数の読み出し回路RD0~RDyのうち、第1読み出し回路RD0に最も隣接して配置されることができ、電源供給回路430、440のうち、他の電源供給回路440は、複数の読み出し回路RD0~RDyのうち、第y+1読み出し回路RDyに最も隣接して配置されることができる。
【0120】
図18には、
図17に示された複数の読み出し回路RD0~RDyがブロック構成図で図示されている。
【0121】
図18に示すように、第1読み出し回路RD0は、第1検出器421_0、第1補償器423_0、及び第1カウンタ425_0を備えることができる。
【0122】
第1検出器421_0は、第1コラムラインCL0に接続されることができる。第1検出器421_0は、第1コラムラインCL0を介して第1ピクセル信号PS0を受信し、第1ピクセル信号PS0の電圧レベルに対応する第1検出信号DS0を第1読み出しライン(以下、「第1初期読み出しライン」と称する)RL0に出力することができる。
【0123】
第1補償器423_0は、第1初期読み出しラインRL0に接続されることができる。第1補償器423_0は、第1及び第2制御信号CTRL<A:B>に基づいて予め設定された第1及び第2抵抗値のうち1つの抵抗値を第1初期読み出しラインRL0に反映することができる。仮りに、第1及び第2制御信号CTRL<A:B>のうち、第1制御信号CTRL<A>が活性化されたならば、第1補償器423_0は、活性化された第1制御信号CTRL<A>に応じて前記第1及び第2抵抗値のうち、前記正補償に対応する前記第1抵抗値を第1初期読み出しラインRL0に反映することができる。これとは異なり、仮りに、第1及び第2制御信号CTRL<A:B>のうち、第2制御信号CTRL<B>が活性化されたならば、第1補償器423_0は、活性化された第2制御信号CTRL<B>に応じて前記第1及び第2抵抗値のうち、前記逆補償に対応する前記第2抵抗値を第1初期読み出しラインRL0に反映することができる。第1補償器423_0は、前記正補償されるか、または前記逆補償された第1検出信号DS0として遅延された第1検出信号DS0´を第1読み出しライン(以下、「第1後期読み出しライン」と称する)RL0´に出力することができる。
【0124】
第1カウンタ425_0は、第1後期読み出しラインRL0´に接続されることができる。第1カウンタ425_0は、遅延された第1検出信号DS0´をカウントすることにより、第1カウント信号CNT0を出力できる。
【0125】
第2ないし第y+1読み出し回路RD1~RDyは、第1読み出し回路RD0と同様に構成されることができるので、それについての説明は省略する。ただし、第2ないし第y+1補償器423_1~423_yのうち、少なくとも1つに設定された第1及び第2抵抗値は、第1補償器423_0に設定された前記第1及び第2抵抗値と異なることができる。
【0126】
図19には、
図18に示された第1ないし第y+1補償器423_0~423_yが回路図で図示されている。
【0127】
図19に示すように、第1補償器423_0は、第1スイッチSW00、第2スイッチSW01、第1負荷R00、及び第2負荷R01を備えることができる。
【0128】
第1スイッチSW00は、第1検出信号DS0が入力される第1初期読み出しラインRL0と第1負荷R00との間に接続されることができる。第1スイッチSW00は、第1制御信号CTRL<A>に基づいて第1初期読み出しラインRL0と第1負荷R00とを選択的に接続することができる。
【0129】
第2スイッチSW01は、第1検出信号DS0が入力される第1初期読み出しラインRL0と第2負荷R01との間に接続されることができる。第2スイッチSW01は、第2制御信号CTRL<B>に基づいて第1初期読み出しラインRL0と第2負荷R01とを選択的に接続することができる。
【0130】
第1負荷R00は、遅延された第1検出信号DS0´が出力される第1後期読み出しラインRL0´と第1スイッチSW00との間に接続されることができる。第1負荷R00は、前記正補償のための前記第1抵抗値を有することができる。
【0131】
第2負荷R01は、遅延された第1検出信号DS0´が出力される第1後期読み出しラインRL0´と第2スイッチSW01との間に接続されることができる。第2負荷R01は、前記逆補償のための前記第2抵抗値を有することができる。前記第2抵抗値は、前記第1抵抗値と異なることができる。
【0132】
第2ないし第y+1補償器423_0~423_yは、第1補償器423_0と同様に構成されることができるので、それについての説明は省略する。ただし、第2ないし第y+1補償器423_1~423_yのうち、少なくとも1つに設定された第1及び第2抵抗値は、第1補償器423_0に設定された前記第1及び第2抵抗値と異なることができる。
【0133】
【0134】
まず、
図20Aに示すように、第1及び第2負荷R00、R01は、各々非サリサイドポリ抵抗器(non-salicide poly resistor)でありうる。前記非サリサイドポリ抵抗器は、サリサイド領域(salicide region)A、及び非サリサイド領域(non-salicicde region)Bを備えることができる。サリサイド領域Aは、相対的に小さい抵抗値を有することができ、非サリサイド領域Bは、相対的に大きい抵抗値を有することができる。サリサイド領域Aのサイズと非サリサイド領域Bのサイズとを調整することにより、前記非サリサイドポリ抵抗器の抵抗値を設定できる。例えば、非サリサイド領域Bのサイズが大きいほど、前記非サリサイドポリ抵抗器の抵抗値は増加することができ、非サリサイド領域Bのサイズが小さいほど、前記非サリサイドポリ抵抗器の抵抗値は減少することができる。
【0135】
一方、第2ないし第y+1補償器423_1~423_yの各々に備えられた第1及び第2負荷は、第1及び第2負荷R00、R01と同様に、前記非サリサイドポリ抵抗器を備えることができる。ただし、第2ないし第y+1補償器323_1~323_yのうち、少なくとも1つの補償器に備えられた第1及び第2負荷は、各々第1及び第2負荷R00、R01と異なる抵抗値を有するので、第1及び第2負荷R00、R01のサリサイド領域Aのサイズ及び非サリサイド領域Bのサイズと異なるように設計されることができる。例えば、第2補償器423_1に備えられた第1負荷R10は、第1負荷R00のサリサイド領域Aのサイズ及び非サリサイド領域Bのサイズと異なるように設計されることができ、第2補償器423_1に備えられた第2負荷R11は、第2負荷R01のサリサイド領域Aのサイズ及び非サリサイド領域Bのサイズと異なるように設計されることができる。
【0136】
次に、
図20Bに示すように、第1及び第2負荷R00、R01は、各々メタル抵抗器(metal resistor)でありうる。前記メタル抵抗器は、メタルラインを備えることができる。前記メタルラインの長さを調整することにより、前記メタル抵抗器の抵抗値を設定できる。例えば、前記メタルラインの長さが長いほど、前記メタル抵抗器の抵抗値は増加することができ、前記メタルラインの長さが短いほど、前記メタル抵抗器の抵抗値は減少することができる。
【0137】
一方、第2ないし第y+1補償器323_1~323_yの各々に備えられた第1及び第2負荷は、第1及び第2負荷R00、R01と同様に、前記メタル抵抗器を備えることができる。ただし、第2ないし第y+1補償器323_1~323_yのうち、少なくとも1つの補償器に備えられた第1及び第2負荷は、各々第1及び第2負荷R00、R01と異なる抵抗値を有するので、第1及び第2負荷R00、R01のメタルラインの長さと異なるように設計されることができる。例えば、第2補償器423_1に備えられた第1負荷R10は、第1負荷R00のメタルラインの長さと異なるように設計されることができ、第2補償器423_1に備えられた第2負荷R11は、第2負荷R01のメタルラインの長さと異なるように設計されることができる。
【0138】
以下、上記のような構成を有する本発明の第4実施形態に係るイメージセンシング装置400の動作を
図21及び
図22を参照して説明する。
【0139】
図21には、
図17に示されたイメージセンシング装置400の動作のうち、前記正補償と関連した動作を説明するためのグラフが図示されている。
【0140】
図21に示すように、前記正補償と関連した動作は、第1及び第2制御信号CTRL<A:B>のうち、第1制御信号CTRL<A>が活性化された場合に行われることができる。
【0141】
複数のピクセル信号PS0~PSy間には読み出し偏差Tが発生しうる。より正確には、複数の検出信号DS0~DSy間に読み出し偏差Tが発生しうる。読み出し偏差Tを表すグラフ曲線がコラムの中央部分で膨らんで示された理由は、複数の読み出し回路RD0~RDyに共通に前記電源を供給するための電源供給回路430、440が第1読み出し回路RD0及び第y+1読み出し回路RDyに隣接して配置された場合を例に挙げたためである。これにより、複数の検出信号DS0~DSyは、それぞれの読み出し回路と電源供給回路との距離によって互いに異なる読み出し時間遅延を有して出力されることにより、複数の検出信号DS0~DSy間には読み出し偏差Tが発生しうるものである。
【0142】
複数の補償器423_0~423_yには、読み出し偏差Tによって前記正補償に対応するそれぞれの第1抵抗値が予め設定されることができる。例えば、複数の補償器423_0~423_yには、前記それぞれの読み出し回路と前記電源供給回路との距離が近いほど、相対的に大きい第1抵抗値が設定され得るし、前記それぞれの読み出し回路と前記電源供給回路との距離が遠いほど、相対的に小さい第1抵抗値が設定され得る。複数の補償器423_0~423_yは、活性化された第1制御信号CTRL<A>に基づいて、前記それぞれの第1抵抗値を複数の読み出しラインRL0~RLyに反映することにより、複数の検出信号DS0~DSy間の読み出し偏差Tを正補償することができる。例えば、複数の補償器423_0~423_yは、前記正補償するとき、複数の検出信号DS0~DSy間の読み出し偏差Tを減少させることができる。これにより、複数の補償器423_0~423_yから出力される複数の遅延された検出信号DS0´~DSy´は、同じ読み出し時間遅延を有することができる。
【0143】
複数のカウンタ425_0~425_yは、複数の遅延された検出信号DS0´~DSy´に対応する複数のカウント信号CNT0~CNTyを出力できる。
【0144】
図22には、
図17に示されたイメージセンシング装置400の動作のうち、前記逆補償と関連した動作を説明するためのグラフが図示されている。
【0145】
図22に示すように、前記逆補償と関連した動作は、第1及び第2制御信号CTRL<A:B>のうち、第2制御信号CTRL<B>が活性化された場合に行われることができる。
【0146】
複数のピクセル信号PS0~PSy間には読み出し偏差Tが発生しうる。より正確には、複数の検出信号DS0~DSy間に読み出し偏差Tが発生しうる。読み出し偏差Tを表すグラフ曲線がコラムの中央部分で膨らんで示された理由は、複数の読み出し回路RD0~RDyに共通に電源を供給するための電源供給回路430、440が第1読み出し回路RD0及び第y+1読み出し回路RDyに隣接して配置された場合を例に挙げたためである。これにより、複数の検出信号DS0~DSyは、それぞれの読み出し回路と電源供給回路との距離によって互いに異なる読み出し時間遅延を有して出力されることにより、複数の検出信号DS0~DSy間には読み出し偏差Tが発生しうるものである。
【0147】
複数の補償器423_0~423_yには、読み出し偏差Tによって前記逆補償に対応するそれぞれの第2抵抗値が予め設定されることができる。例えば、複数の補償器423_0~423_yには、前記それぞれの読み出し回路と前記電源供給回路との距離が遠いほど、相対的に大きい第2抵抗値が設定され得るし、前記それぞれの読み出し回路と前記電源供給回路との距離が近いほど、相対的に小さい第2抵抗値が設定され得る。複数の補償器423_0~423_yは、活性化された第2制御信号CTRL<B>に基づいて複数の読み出しラインRL0~RLyに各々予め設定された第2抵抗値を反映することにより、複数の検出信号DS0~DSy間の読み出し偏差Tを逆補償することができる。これにより、複数の補償器423_0~423_yから出力される複数の遅延された検出信号DS0´~DSy´間には読み出し時間遅延差がさらに増加され得る。すなわち、複数の遅延された検出信号DS0´~DSy´間の読み出し偏差T´は、複数の検出信号DS0~DSy間の読み出し偏差Tより増加されることができる。
【0148】
複数のカウンタ425_0~425_yは、複数の遅延された検出信号DS0´~DSy´に対応する複数のカウント信号CNT0~CNTyを出力できる。仮りに、複数のカウンタ425_0~425_yが同じようなタイミングに動作すれば、複数のカウンタ425_0~425_yによるピークノイズ(peak noise)が発生しうる。しかし、複数の遅延された検出信号DS0´~DSy´間には読み出し偏差T´が存在するので、複数のカウンタ425_0~425_yによる前記ピークノイズは分散されることができる。
【0149】
このような本発明の第4実施形態によれば、複数のピクセル信号間の読み出し偏差を正補償するための第1抵抗値と複数のピクセル信号間の読み出し偏差を逆補償するための第2抵抗値とを共に構成することにより、前記正補償または前記逆補償を柔軟に行うことができるという利点があり、複数のピクセル信号間の読み出し偏差を正補償する場合、前記複数のピクセル信号間の読み出し偏差を緩和することができ、前記複数のピクセル信号間の前記読み出し偏差を逆補償する場合、複数のカウンタにより発生するピークノイズ(peak noise)を分散させることができるという利点がある。
【0150】
本発明の技術思想は、前記実施形態によって具体的に記述されたが、以上で説明した実施形態は、その説明のためのものであり、その制限のためのものではないことに注意すべきである。また、本発明の技術分野の通常の専門家であれば、本発明の技術思想の範囲内で種々の置換、変形、及び変更により様々な実施形態が可能であることが理解できるであろう。
【符号の説明】
【0151】
100 イメージセンシング装置
110 ピクセル領域
120 読み出し領域
130、140 電源供給領域