(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】赤外線検出器及びガス分析計
(51)【国際特許分類】
G01J 1/04 20060101AFI20241015BHJP
G01N 21/3504 20140101ALI20241015BHJP
【FI】
G01J1/04 B
G01J1/04 K
G01N21/3504
(21)【出願番号】P 2021567132
(86)(22)【出願日】2020-12-03
(86)【国際出願番号】 JP2020045030
(87)【国際公開番号】W WO2021131574
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2023-09-14
(31)【優先権主張番号】P 2019237420
(32)【優先日】2019-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000155023
【氏名又は名称】株式会社堀場製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】岡本 一隆
【審査官】蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-128111(JP,A)
【文献】特開2015-227858(JP,A)
【文献】特開2004-257885(JP,A)
【文献】特表2000-503122(JP,A)
【文献】国際公開第2013/099799(WO,A1)
【文献】特表2000-509834(JP,A)
【文献】特開2016-80556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 1/00-1/60、3/00-3/52
G01N 21/25-21/39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
夫々に所定の波長の赤外光を選択的に透過させる複数の光学フィルタと、
前記複数の光学フィルタに一対一で対応しており、赤外光を集光する複数の集光部と、
前記複数の光学フィルタに一対一で対応し、前記複数の集光部に一対一で対応しており、対応する光学フィルタを透過し対応する集光部で集光された赤外光を受光する複数の受光部とを備える赤外線検出器において、
前記複数の集光部の夫々は、赤外光が入射する入射口を有し、
前記複数の集光部の入射口の面積が不均一であ
り、
前記複数の集光部の夫々は、集光した赤外光が出射する出射口を有し、
前記複数の集光部の出射口の面積が同一であること
を特徴とする赤外線検出器。
【請求項2】
前記複数の光学フィルタは、前記複数の集光部へ入射する前の赤外光が通過する位置に配置されており、
前記複数の光学フィルタの赤外光が透過する部分の面積が不均一であること
を特徴とする請求項1に記載の赤外線検出器。
【請求項3】
分析対象物に含まれる複数の成分の内で、濃度の低い成分が吸収する波長の赤外光を選択的に透過させる光学フィルタに対応する集光部の入射口の面積が大きく、濃度の高い成分が吸収する波長の赤外光を選択的に透過させる光学フィルタに対応する集光部の入射口の面積が小さいこと
を特徴とする請求項1又は2に記載の赤外線検出器。
【請求項4】
前記複数の集光部の入射口は、マトリクス状に配置されており、
他の集光部の入射口よりも面積が大きい集光部の入射口と、他の集光部の入射口よりも面積が小さい集光部の入射口とは、対角線上に配置されていること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の赤外線検出器。
【請求項5】
前記複数の光学フィルタの中の第1の光学フィルタは、炭化水素が吸収する波長の赤外光を選択的に透過させる光学フィルタであり、
前記第1の光学フィルタに対応する集光部の入射口の面積は、他の集光部の入射口の面積よりも大きいこと
を特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の赤外線検出器。
【請求項6】
前記複数の光学フィルタの中の第2の光学フィルタは、二酸化炭素が吸収する波長の赤外光を選択的に透過させる光学フィルタであり、
前記第2の光学フィルタに対応する集光部の入射口の面積は、他の集光部の入射口の面積よりも小さいこと
を特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の赤外線検出器。
【請求項7】
分析対象のガスに含まれる特定のガス成分の濃度を分析するためのガス分析計において、
請求項1乃至
6のいずれか一つに記載の赤外線検出器と、
赤外光を発光する光源と、
前記分析対象のガスが通流されるセルとを備え、
前記セルに通流する前記分析対象のガスを前記光源からの赤外光が通過し、前記分析対象のガスを通過した赤外光が前記赤外線検出器へ入射すること
を特徴とするガス分析計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線検出器及びガス分析計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガスの成分分析を行うために非分散赤外線吸収法が用いられている。一般的に、複数のガス成分は、吸収する赤外光の波長が異なる。ガスを通過した赤外光を、特定のガス成分が吸収する波長の赤外光を透過させる特定の光学フィルタへ通し、特定の光学フィルタを透過した赤外光の強度を検出する。また、特定のガス成分が吸収する波長とは異なる波長の赤外光を透過させる光学フィルタへ通した参照用の赤外光の強度を検出する。特定のガス成分が存在する場合は、特定の光学フィルタを透過した赤外光の強度と、参照用の赤外光の強度とは異なる。赤外光の強度の差から、特定のガス成分の濃度が得られる。例えば、自動車の排ガスに含まれるガス成分の分析に非分散赤外線吸収法が用いられる。
【0003】
特許文献1には、複数種類のガス成分を分析するための赤外線検出器が開示されている。赤外線検出器は、複数種類のガス成分に対応する複数種類の光学フィルタと、複数種類のガス成分が吸収する波長とは異なる波長の赤外光を透過させる参照用の光学フィルタとを備える。夫々の光学フィルタを透過した赤外光は、個別に検出される。このように、赤外線検出器は、複数種類のガス成分が吸収する波長の赤外光の強度を個別に検出し、複数種類のガス成分の濃度が分析される。例えば、排ガスに含まれる二酸化炭素(CO2 )、一酸化炭素(CO)及び炭化水素(HC)の夫々の濃度を分析するために、このような赤外線検出器が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数種類のガス成分を分析するための赤外線検出器を用いた場合、複数種類のガス成分の検出精度に差が生じることがある。例えば、排ガスに含まれるCO2 、CO及びHCの濃度を分析する場合、HCの濃度は他のガス成分に比べて低い。このため、HCに対応する光学フィルタを透過した赤外光の強度と参照用の赤外光の強度との差が小さく、HCの検出精度は低い。複数種類のガス成分のいずれかの検出精度が厳しい基準に達しないことになる。このように、複数種類のガス成分を分析するための赤外線検出器では、検出精度が厳しい基準を設定できない課題がある。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、特定のガス成分の検出精度を向上させることによって、厳しい基準の設定を可能にした赤外線検出器及びガス分析計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る赤外線検出器は、夫々に所定の波長の赤外光を選択的に透過させる複数の光学フィルタと、前記複数の光学フィルタに一対一で対応しており、赤外光を集光する複数の集光部と、前記複数の光学フィルタに一対一で対応し、前記複数の集光部に一対一で対応しており、対応する光学フィルタを透過し対応する集光部で集光された赤外光を受光する複数の受光部とを備える赤外線検出器において、前記複数の集光部の夫々は、赤外光が入射する入射口を有し、前記複数の集光部の入射口の面積が不均一であることを特徴とする。
【0008】
本発明の一形態においては、赤外線検出器は、複数の光学フィルタと、赤外光を集光する複数の集光部と、光学フィルタを透過し集光部で集光された赤外光を受光する複数の受光部とを備える。夫々の光学フィルタは、所定の波長の赤外光を選択的に透過させる。複数の集光部の入射口の面積は、不均一である。複数種類のガス成分の中で検出精度の低い特定のガス成分が吸収する波長の赤外光を集光する集光部の入射口の面積を、他の入射口よりも大きくすることにより、当該赤外光の強度の増幅率が増大する。このため、検出時に、特定のガス成分が吸収する波長の赤外光の強度と参照用の赤外光の強度との差が増大し、特定のガス成分の検出精度が向上する。
【0009】
本発明に係る赤外線検出器は、前記複数の光学フィルタは、前記複数の集光部へ入射する前の赤外光が通過する位置に配置されており、前記複数の光学フィルタの赤外光が透過する部分の面積が不均一であることを特徴とする。
【0010】
本発明の一形態においては、複数の光学フィルタは複数の集光部の前に配置されている。集光部の入射口の面積と同様に、複数の光学フィルタの赤外光が透過する部分の面積は不均一である。光学フィルタを透過した赤外光は、光学フィルタに対応する集光部の入射口へ入射する。夫々の光学フィルタを透過した波長の異なる赤外光が、個別に集光部で集光される。
【0011】
本発明に係る赤外線検出器は、分析対象物に含まれる複数の成分の内で、濃度の低い成分が吸収する波長の赤外光を選択的に透過させる光学フィルタに対応する集光部の入射口の面積が大きく、濃度の高い成分が吸収する波長の赤外光を選択的に透過させる光学フィルタに対応する集光部の入射口の面積が小さいことを特徴とする。
【0012】
本発明の一形態においては、成分分析のために用いられる。ガス等の分析対象物に含まれる濃度の低い成分が吸収する波長の赤外光を集光する集光部の入射口の面積は大きく、濃度の高い成分が吸収する波長の赤外光を集光する集光部の入射口の面積は小さい。濃度の低い成分が吸収する波長の赤外光を集光する集光部の入射口の面積が大きいことにより、当該赤外光の強度の増幅率が増大する。このため、濃度の低い成分の検出精度が向上する。濃度の高い成分が吸収する波長の赤外光の強度の増幅率を従来よりも小さくしたとしても、この成分の検出精度は高い精度を保ちうる。濃度の高い成分が吸収する波長の赤外光を集光する集光部の入射口の面積を小さくすることにより、濃度の低い成分が吸収する波長の赤外光を集光する集光部の入射口の面積を大きくすることができる。
【0013】
本発明に係る赤外線検出器は、前記複数の集光部の入射口は、マトリクス状に配置されており、他の集光部の入射口よりも面積が大きい集光部の入射口と、他の集光部の入射口よりも面積が小さい集光部の入射口とは、対角線上に配置されていることを特徴とする。
【0014】
本発明の一形態においては、他よりも面積が大きい集光部の入射口と他よりも面積が小さい集光部の入射口とは、対角線上に配置されている。全体の大きさを変えずに一の集光部の入射口を大きくすると、他の集光部の入射口が小さくなる。二つの集光部の入射口を対角線上に配置することにより、容易に、一方の集光部の入射口の面積を大きくし、他方の集光部の入射口の面積を小さくすることができる。
【0015】
本発明に係る赤外線検出器は、前記複数の光学フィルタの中の第1の光学フィルタは、炭化水素が吸収する波長の赤外光を選択的に透過させる光学フィルタであり、前記第1の光学フィルタに対応する集光部の入射口の面積は、他の集光部の入射口の面積よりも大きいことを特徴とする。
【0016】
本発明の一形態においては、複数の光学フィルタの中の第1の光学フィルタは、炭化水素が吸収する波長の赤外光を選択的に透過させる。第1の光学フィルタに対応する集光部の入射口の面積は、他の集光部の入射口の面積よりも大きい。ガスに含まれる炭化水素の濃度は低く、従来、炭化水素の検出精度は低かった。炭化水素が吸収する波長の赤外光を集光する集光部の入射口の面積が他の入射口よりも大きいことにより、当該赤外光の強度の増幅率が増大する。このため、検出時に、炭化水素が吸収する波長の赤外光の強度と参照用の赤外光の強度との差が増大し、炭化水素の検出精度が向上する。
【0017】
本発明に係る赤外線検出器は、前記複数の光学フィルタの中の第2の光学フィルタは、二酸化炭素が吸収する波長の赤外光を選択的に透過させる光学フィルタであり、前記第2の光学フィルタに対応する集光部の入射口の面積は、他の集光部の入射口の面積よりも小さいことを特徴とする。
【0018】
本発明の一形態においては、複数の光学フィルタの中の第2の光学フィルタは、二酸化炭素が吸収する波長の赤外光を選択的に透過させる。第2の光学フィルタに対応する集光部の入射口の面積は、他の集光部の入射口の面積よりも小さい。ガスに含まれる二酸化炭素の濃度は高いので、二酸化炭素の検出精度は高い。このため、二酸化炭素が吸収する波長の赤外光の強度の増幅率を従来よりも小さくしたとしても、二酸化炭素の検出精度は高い精度を保ちうる。第2の光学フィルタに対応する集光部の入射口の面積を小さくすることにより、他の光学フィルタに対応する集光部の入射口の面積を大きくして、他のガス成分が吸収する波長の赤外光の強度の増幅率を向上させることが可能となる。
【0019】
本発明に係る赤外線検出器は、前記複数の集光部の夫々は、集光した赤外光が出射する出射口を有し、前記複数の集光部の出射口の面積が同一であることを特徴とする。
【0020】
本発明の一形態においては、複数の集光部が集光した赤外光が出射する出射口の面積は、同一である。出射口の面積が同一であるので、複数の集光部の入射口の面積を不均一にすることによって夫々の受光部で受光する赤外光の強度の増幅率を調整することができる。
【0021】
本発明に係るガス分析計は、分析対象のガスに含まれる特定のガス成分の濃度を分析するためのガス分析計において、本発明に係る赤外線検出器と、赤外光を発光する光源と、前記分析対象のガスが通流されるセルとを備え、前記セルに通流する前記分析対象のガスを前記光源からの赤外光が通過し、前記分析対象のガスを通過した赤外光が前記赤外線検出器へ入射することを特徴とする。
【0022】
本発明の一形態においては、本発明に係る赤外線検出器を用いたガス分析計では、濃度の低いガス成分の検出精度が向上する。このため、濃度の低いガス成分についても検出精度の基準を厳しい基準に設定することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明にあっては、複数種類のガス成分の中で検出精度の低い特定のガス成分の検出精度が向上し、厳しい基準が設定できる。従って、赤外線検出器を用いたガス分析計の性能が向上する等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】実施形態1に係る赤外線検出器を模式的に示す斜視図である。
【
図2】実施形態1に係る赤外線検出器の内部構成を模式的に示す断面図である。
【
図3】実施形態1に係る赤外線検出器の内部構成を模式的に示す分解斜視図である。
【
図4】実施形態1に係る集光ブロックの模式的平面図である。
【
図5】実施形態1に係る集光ブロックの模式的断面図である。
【
図6】赤外線検出器を用いたガス分析計の一例を示す模式図である。
【
図7】ガス分析計を用いたガス分析装置の構成を示すブロック図である。
【
図8】実施形態2に係る赤外線検出器1を模式的に示す斜視図である。
【
図9】実施形態2に係る赤外線検出器1の内部構成を模式的に示す分解斜視図である。
【
図10】実施形態2に係る集光ブロック4の模式的平面図である。
【
図11】実施形態2に係る集光ブロック4の模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る赤外線検出器1を模式的に示す斜視図である。赤外線検出器1は、焦電素子を用いて赤外光を検出する検出器であり、複数種類のガス成分が吸収する波長の赤外光を検出する。本実施形態では、赤外線と赤外光とを同じ意味で用いている。赤外線検出器1は、複数種類のガス成分の濃度を分析するために用いられる。本実施形態では、主に、CO
2 、CO及びHCの夫々が吸収する波長の赤外光と、何れのガス成分とも無関係な参照用の赤外光とを検出する赤外線検出器1を示す。
【0026】
図2は、実施形態1に係る赤外線検出器1の内部構成を模式的に示す断面図である。
図2に示す断面は、
図1中のII-II線で赤外線検出器1を切断した断面である。
図3は、実施形態1に係る赤外線検出器1の内部構成を模式的に示す分解斜視図である。赤外線検出器1は、筒状のパッケージ21と、赤外線透過窓22と、板状のステム24とを備えている。パッケージ21は、赤外光を透過させない材料で形成されており、両端が開口している。赤外線透過窓22は、赤外光を透過させる材料で形成されており、パッケージ21の一端の開口を閉塞している。ステム24にはパッケージ21が被さっており、パッケージ21の他端はステム24に接合している。例えば、パッケージ21の他端はステム24に溶接されている。パッケージ21の他端がステム24に接合していることにより、パッケージ21の他端は閉塞され、パッケージ21の内側は密閉されている。
【0027】
更に、パッケージ21の内側には、フィルタ部3と、集光ブロック4と、焦電素子5と、回路基板23とが配置されている。フィルタ部3は、所定の波長の赤外光を透過させる波長選択性を有する複数の光学フィルタ31、32、33及び34の組み合わせでなる。集光ブロック4は、光学フィルタ31、32、33及び34を透過した赤外光を集光する複数の集光部41、42、43及び44の組み合わせでなる。焦電素子5は、平板状であり、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の焦電材料で形成されている。焦電素子5の表面には、集光部41、42、43及び44で集光された赤外光を受光する受光部51、52、53及び54が設けられている。受光部51、52、53及び54は電極で構成されている。
【0028】
焦電素子5は、回路基板23に固定されている。回路基板23には、受光部51、52、53及び54に接続する回路が設けられている。回路基板23は、ステム24に支持されている。ステム24には、複数のリード端子241が貫装されている。リード端子241は、回路基板23の回路に接続されている。リード端子241を介して、赤外線検出器1の外部との間で信号の入出力が行われる。
【0029】
フィルタ部3を構成する光学フィルタ31、32、33及び34は、互いに異なる波長の赤外光を透過させる。例えば、光学フィルタ31、32、33及び34は、バンドパスフィルタであり、多層膜干渉フィルタである。本実施形態では、光学フィルタ31は、HCが吸収する波長の赤外光を透過させる。光学フィルタ31は、第1の光学フィルタに対応する。光学フィルタ32は、CO2 が吸収する波長の赤外光を透過させる。光学フィルタ32は、第2の光学フィルタに対応する。光学フィルタ33は、COが吸収する波長の赤外光を透過させる。光学フィルタ34は、光学フィルタ31、32及び33の何れとも異なる波長の赤外光を透過させる。光学フィルタ34が透過させる赤外光は参照用の赤外光である。光学フィルタ31、32、33及び34が透過させる赤外光の波長は、一部が重なっていてもよい。
【0030】
光学フィルタ31、32、33及び34は、いずれも矩形平板状の形状を有する。光学フィルタ31、32、33及び34の面積は、不均一になっている。光学フィルタ31、32、33及び34の中で、光学フィルタ31は、辺の長さが最大であり、他の光学フィルタよりも面積が大きい。光学フィルタ32は、辺の長さが最小であり、他の光学フィルタよりも面積が小さい。光学フィルタ33及び34の面積は同一であってもよい。
【0031】
集光ブロック4は、集光部41、42、43及び44の組み合わせでなり、直方体状の形状を有する。集光部41は、光学フィルタ31を透過した赤外光を集光し、集光部42は、光学フィルタ32を透過した赤外光を集光し、集光部43は、光学フィルタ33を透過した赤外光を集光し、集光部44は、光学フィルタ34を透過した赤外光を集光する。受光部51は、集光部41で集光された赤外光を受光し、受光部52は、集光部42で集光された赤外光を受光し、受光部53は、集光部43で集光された赤外光を受光し、受光部54は、集光部44で集光された赤外光を受光する。光学フィルタ31、集光部41及び受光部51が互いに対応し、光学フィルタ32、集光部42及び受光部52が互いに対応し、光学フィルタ33、集光部43及び受光部53が互いに対応し、光学フィルタ34、集光部44及び受光部54が互いに対応する。
【0032】
図4は、実施形態1に係る集光ブロック4の模式的平面図である。
図5は、実施形態1に係る集光ブロック4の模式的断面図である。
図5に示す断面は、
図4中のV-V線で集光ブロック4を切断した断面である。集光部41、42、43及び44は、平面視でマトリクス状に配置され、一体に形成されている。集光部41、42、43及び44は、夫々に、直方体状のブロックに貫通孔が形成された形状をなしている。貫通孔の一端は、赤外光が入射する入射口であり、貫通孔の他端は、赤外光が出射する出射口である。入射口及び出射口の形状は矩形状である。貫通孔の内面は、赤外光を反射する反射面になっている。集光部41は、入射口411、出射口412及び反射面413を有し、集光部42は、入射口421、出射口422及び反射面423を有し、集光部43は、入射口431、出射口432及び反射面433を有し、集光部44は、入射口441、出射口442及び反射面443を有する。
【0033】
入射口411、421、431及び441は、赤外線透過窓22に対向している。赤外線透過窓22と入射口411、421、431及び441との間に、光学フィルタ31、32、33及び34が配置されている。光学フィルタ31は入射口411を塞ぐ位置に配置され、光学フィルタ32は入射口421を塞ぐ位置に配置され、光学フィルタ33は入射口431を塞ぐ位置に配置され、光学フィルタ34は入射口441を塞ぐ位置に配置されている。
【0034】
出射口412、422、432及び442は、焦電素子5の表面に対向している。受光部51は出射口412に対向する位置に配置され、受光部52は出射口422に対向する位置に配置され、受光部53は出射口432に対向する位置に配置され、受光部54は出射口442に対向する位置に配置されている。受光部が、対応する集光部の出射口に対向していることにより、他の集光部で集光された赤外光が受光部で受光されるクロストークが発生し難い。
図4には、光学フィルタ31、32、33及び34の位置と、受光部51、52、53及び54の位置とを破線で示している。
【0035】
出射口412、422、432及び442の面積は、入射口411、421、431及び441の面積よりも小さい。出射口412、422、432及び442の面積は、実質的に同一である。反射面413、423、433及び443は、集光部41、42、43及び44の貫通孔の内面を、赤外光の反射率が良好な材料で被覆して構成されている。例えば、集光ブロック4は樹脂で構成されており、反射面413、423、433及び443は、貫通孔の内面を金等の金属で被覆して構成されている。集光部41、42、43及び44の貫通孔の径は、入射口411、421、431及び441から出射口412、422、432及び442へ向けて連続的に縮小している。このため、反射面413、423、433及び443は、入射口411、421、431及び441から出射口412、422、432及び442へ向けて先細りになった漏斗状の曲面をなす。反射面413、423、433及び443は、入射口411、421、431及び441が含まれる面に対して傾斜している。なお、集光ブロック4は、アルミニウム等の金属で構成されていてもよい。反射面413、423、433及び443は、金属を鏡面に仕上げて構成されていてもよく、赤外光の反射率が良好な金等の他の金属で被覆して構成されていてもよい。
【0036】
入射口411、421、431及び441へ入射した赤外光は、反射面413、423、433及び443で反射し、出射口412、422、432及び442へ集まる。入射口411、421、431及び441よりも面積が小さい出射口412、422、432及び442へ赤外光が集まることで、赤外光が集光される。集光された赤外光は、出射口412、422、432及び442から出射する。
【0037】
図4に示すように、入射口411、421、431及び441は、平面視でマトリクス状に配置されている。入射口411と、入射口421とは、対角線上に配置されている。入射口411、421、431及び441の面積は、不均一になっている。入射口411、421、431及び441の中で、入射口411は、辺の長さが最大であり、他の入射口よりも面積が大きい。入射口421は、辺の長さが最小であり、他の入射口よりも面積が小さい。入射口411と入射口421とが対角線上に配置されている状態では、集光ブロック4の大きさを変えずに入射口411の辺の長さを大きくすると、入射口421の辺の長さが小さくなる。このため、入射口411と入射口421とが対角線上に配置されていることにより、容易に入射口411の面積を大きくし、入射口421の面積を小さくすることができる。入射口431及び441の面積は、入射口411の面積より小さく、入射口421の面積より大きい。入射口431及び441の面積は同一であってもよい。
【0038】
光学フィルタは、対応する集光部の入射口を塞ぐことができる面積を有する。即ち、光学フィルタの赤外光が透過する部分の面積は、対応する集光部の入射口の面積に応じた大きさとなっている。このため、光学フィルタ31、32、33及び34の赤外光が透過する部分の面積は不均一になっている。夫々の光学フィルタを透過した波長の異なる赤外光が、個別に集光部で集光される。
【0039】
入射口421、431及び441の面積が入射口411の面積に対して小さすぎる場合は、反射面423、433及び443の一部の傾きが、入射口421、431及び441の面に対して90度を超えることがある。反射面423、433及び443の傾きが90度を超える場合は、集光ブロック4の製造が困難になる。このため、入射口411の面積に対する入射口421、431及び441の面積は、反射面423、433及び443の傾きが入射口421、431及び441の面に対して90度以下になるような面積であることが望ましい。
【0040】
赤外光は、集光部41、42、43及び44で集光されることによって、光量が増大し、検出される強度が増幅される。入射口411、421、431及び441の面積が不均一であり、出射口412、422、432及び442の面積が同一であるので、入射口411、421、431及び441の面積に応じて赤外光の強度の増幅率が異なる。即ち、受光部51、52、53及び54が受光する赤外光の強度の増幅率は、入射口411、421、431及び441の面積に応じて異なる。
【0041】
赤外線検出器1の外部からの赤外光は、赤外線透過窓22を透過し、光学フィルタ31、32、33及び34のいずれかを透過する。光学フィルタ31を透過した赤外光は、入射口411へ入射し、集光され、出射口412から出射し、受光部51で受光される。光学フィルタ32を透過した赤外光は、入射口421へ入射し、集光され、出射口422から出射し、受光部52で受光される。光学フィルタ33を透過した赤外光は、入射口431へ入射し、集光され、出射口432から出射し、受光部53で受光される。光学フィルタ34を透過した赤外光は、入射口441へ入射し、集光され、出射口442から出射し、受光部54で受光される。互いに対応しない光学フィルタと受光部との間の光路は、集光ブロック4に遮られており、受光部に対応しない光学フィルタを透過した赤外光が受光部で受光されるクロストークは発生し難い。受光部51、52、53及び54の夫々で受光された赤外光の強度に応じた信号が赤外線検出器1から出力される。
【0042】
光学フィルタ31はHCが吸収する波長の赤外光を透過させ、光学フィルタ32はCO2 が吸収する波長の赤外光を透過させ、光学フィルタ33はCOが吸収する波長の赤外光を透過させ、光学フィルタ34は参照用の赤外光を透過させる。このため、受光部51はHCが吸収する波長の赤外光を受光し、受光部52はCO2 が吸収する波長の赤外光を受光し、受光部53はCOが吸収する波長の赤外光を受光し、受光部54は参照用の赤外光を受光する。入射口411の面積が最大であり、入射口421の面積が最小であるので、受光部51が受光する赤外光の強度の増幅率が最大となり、受光部52が受光する赤外光の強度の増幅率が最小となる。従って、HCが吸収する波長の赤外光の強度の増幅率が最大となり、CO2 が吸収する波長の赤外光の強度の増幅率が最小となる。
【0043】
赤外線検出器1は、排ガス等のガスに含まれるCO
2 、CO及びHCの濃度を分析するために用いられる。
図6は、赤外線検出器1を用いたガス分析計6の一例を示す模式図である。ガス分析計6は、赤外光の光源61と、内部に分析対象のガスが通流するセル62と、赤外線検出器1とを備える。分析対象のガスは、例えば、自動車の排ガスである。セル62に通流するガスの流れを破線矢印で示す。セル62の内部にガスが通流している状態で、光源61からの赤外光をセル62へ入射する。赤外光は、セル62内のガスを通過して、赤外線検出器1へ入射する。赤外光を実線矢印で示す。ガスに含まれるCO
2 、CO及びHCが赤外光を吸収し、その後、赤外線検出器1が赤外光を検出する。赤外線検出器1は、CO
2 、CO及びHCの夫々が吸収する波長の赤外光の強度と、参照用の赤外光の強度とに応じた信号を出力する。
【0044】
図7は、ガス分析計6を用いたガス分析装置64の構成を示すブロック図である。ガス分析装置64は、光源61、セル62及び赤外線検出器1を含んだガス分析計6と、濃度算出部63とを備えている。濃度算出部63は、分析対象のガスに含まれるガス成分の濃度を計算する。例えば、濃度算出部63は、プロセッサ及びメモリを用いて構成されている。濃度算出部63は、赤外線検出器1に接続されており、赤外線検出器1が出力した信号を受け付ける。濃度算出部63が受け付けた信号は、赤外線検出器1が検出した赤外線の強度に応じた値となる。分析対象のガスに含まれるCO
2 、CO及びHCの濃度に応じて、赤外線検出器1が検出する赤外光の強度は変化する。濃度算出部63は、検出された、CO
2 、CO及びHCの夫々が吸収する波長の赤外光の強度と、検出された参照用の赤外光の強度との比較に応じて、ガスに含まれるCO
2 、CO及びHCの濃度を計算する。
【0045】
一般的に、排ガス等の分析対象のガスに含まれるHCの濃度は、他のガス成分に比べて低い。このため、従来、ガス中のHCによる赤外光の吸収量が小さく、HCが吸収する波長の赤外光の強度と参照用の赤外光の強度との差が小さくなり、HCの検出精度は低かった。本実施形態では、HCが吸収する波長の赤外光の強度の増幅率は、参照用の赤外光の強度の増幅率よりも大きい。このため、HCが存在する場合、HCが吸収する波長の赤外光の強度と参照用の赤外光の強度との差が増大し、HCの検出精度が向上する。HCの検出精度が向上することにより、HCの検出精度の基準を厳しい基準に設定することが可能となる。このように、濃度の低いガス成分の検出精度が向上し、濃度の低いガス成分についても検出精度の基準を厳しい基準に設定することができる。
【0046】
他方、分析対象のガスに含まれるCO2 の濃度は、他のガス成分に比べて高い。このため、CO2 の検出精度は高い。入射口411の面積を他の入射口よりも大きくすることに伴って、他の入射口の面積を小さくする必要がある。CO2 の検出精度は元々高いので、CO2 が吸収する波長の赤外光の強度の増幅率を従来よりも小さくしたとしても、CO2 の検出精度は基準よりも高い精度を保ちうる。入射口421の面積を小さくし、CO2 が吸収する波長の赤外光の強度の増幅率を減少させることにより、入射口411の面積を大きくしてHCが吸収する波長の赤外光の強度の増幅率を向上させることが可能となる。このように、濃度の高いガス成分の検出精度をある程度保ちながら、濃度の低いガス成分の検出精度が向上する。
【0047】
本実施形態では、出射口412、422、432及び442の面積が同一であるので、入射口411、421、431及び441の面積を不均一にすることによって受光部51、52、53及び54が受光する赤外光の強度の増幅率を調整することができる。また、出射口412、422、432及び442の面積が同一であるので、受光部51、52、53及び54の面積を均一にすることができる。焦電素子5は圧電性を有するので、振動又は衝撃が加わった場合に信号が発生し、ノイズの原因となる。受光部51、52、53及び54の面積が均一になることによって、振動又は衝撃によるノイズが均一となり、容易にノイズの影響を小さくすることができる。
【0048】
<実施形態2>
実施形態1では、赤外線検出器1の外形が平面視で矩形状である形態を示したが、実施形態2では、赤外線検出器1の外形が平面視で円形である形態を示す。
図8は、実施形態2に係る赤外線検出器1を模式的に示す斜視図である。赤外線検出器1の形状は、円柱状であり、平面視で円形である。
図9は、実施形態2に係る赤外線検出器1の内部構成を模式的に示す分解斜視図である。パッケージ21の形状は、円筒状であり、平面視で円形である。赤外線透過窓22の形状は、平面視で円形である。フィルタ部3は、光学フィルタ31、32、33及び34からなり、フィルタ部3の全体の形状は、平面視で円形である。光学フィルタ31、32、33及び34の夫々は、扇形の形状を有する。光学フィルタ31、32、33及び34の面積の大小関係は実施形態1と同様である。
【0049】
集光ブロック4は、集光部41、42、43及び44の組み合わせでなり、円柱状の形状を有する。集光ブロック4の全体の形状は、平面視で円形である。焦電素子5は、円板状である。受光部51、52、53及び54の形状は、矩形状である。回路基板23は、円板状である。ステム24の形状は、平面視で円形である。焦電素子5又は回路基板23の形状は、平面視で、八角形等、四角形よりも角数の多い多角形であってもよい。パッケージ21、赤外線透過窓22、フィルタ部3、集光ブロック4、焦電素子5、回路基板23及びステム24を組み合わせて、赤外線検出器1が構成されている。赤外線検出器1の各部分は、形状以外は実施形態1と同様である。
【0050】
図10は、実施形態2に係る集光ブロック4の模式的平面図である。
図11は、実施形態2に係る集光ブロック4の模式的断面図である。
図11に示す断面は、
図10中のXI-XI線で集光ブロック4を切断した断面である。集光部41、42、43及び44は、平面視でマトリクス状に配置され、一体に形成されている。入射口411、421、431及び441の形状は、いずれも扇形である。入射口の形状が扇形であることによって、開口面積が大きくなる。実施形態1と同様に、入射口411は他の入射口よりも面積が大きく、入射口421は他の入射口よりも面積が小さい。
【0051】
出射口412、422、432及び442の形状は、矩形状である。実施形態1と同様に、出射口412、422、432及び442の面積は、実質的に同一である。光学フィルタ31、32、33及び34の形状は、いずれも扇形である。光学フィルタ31、32、33及び34は、夫々に、対応する集光部の入射口を塞ぐことができる形状及び面積を有する。
【0052】
入射口411、421、431及び441の形状は、三角形であってもよい。各入射口の形状が三角形である場合は、光学フィルタ31、32、33及び34の形状は、三角形であってもよい。受光部51、52、53及び54の形状は、円形であってもよい。各受光部の形状が円形である場合は、出射口412、422、432及び442の形状は、円形であってもよい。
【0053】
実施形態1と同様に、赤外線検出器1は、
図6に示す如く、ガス分析計6に備えられる。一般的に、ガス分析計6が備える光源61の形状が円筒形であり、ガス分析計6が備えるセル62の形状も円筒形であることが多い。実施形態2では、赤外線検出器1の外形が矩形である実施形態1に比べて、円筒形のセル62と赤外線検出器1との形状及び大きさを合わせやすい。例えば、円筒形のセル62の内径と赤外線透過窓22の開口部分の直径とを一致させることができる。セル62を通過した赤外光が赤外線検出器1へ入射する面積が大きくなり、赤外線検出器1はより大きな強度の赤外光を集光して検出することができる。このため、ガス分析計6を用いたガス分析の精度が向上する。
【0054】
実施形態2においても、入射口411、421、431及び441の面積を不均一にすることによって、濃度の低いガス成分が吸収する波長の赤外光の強度の増幅率を大きくすることができる。また、濃度の高いガス成分が吸収する波長の赤外光の強度の増幅率を減少させることができる。このため、濃度の高いガス成分の検出精度をある程度保ちながら、濃度の低いガス成分の検出精度を向上させることができ、濃度の低いガス成分についても検出精度の基準を厳しい基準に設定することができる。
【0055】
なお、実施形態1及び2においては、光学フィルタを透過した赤外光が集光部へ入射する形態を示したが、赤外線検出器1は、集光部で集光された赤外光が光学フィルタを透過する形態であってもよい。この形態では、複数の光学フィルタの面積は均一であってもよい。実施形態1及び2においては、光学フィルタ、入射口、出射口及び受光部が矩形又は円形である形態を示したが、赤外線検出器1は、光学フィルタ、入射口、出射口又は受光部が矩形又は円形以外の形状を有している形態であってもよい。パッケージ21、赤外線透過窓22、集光ブロック4、焦電素子5、回路基板23、及びステム24も、平面視で矩形又は円形以外の形状を有していてもよい。実施形態1及び2においては、CO2 、CO及びHCの濃度を分析するための赤外線検出器1を示したが、赤外線検出器1は、その他のガス成分の濃度を分析するための形態であってもよい。
【0056】
また、実施形態1及び2においては、四種類の波長の赤外光を検出する形態を示したが、赤外線検出器1は、四種類以外の複数種類の波長の赤外光を検出する形態であってもよい。例えば、赤外線検出器1は、特定のガス成分が吸収する波長の赤外光と、参照用の赤外光との二種類の波長の赤外光を検出する形態であってもよい。例えば、入射口411、421、431及び441の内の二つを遮光することによって、集光ブロック4を利用しながら、二種類の波長の赤外光を検出する赤外線検出器1を実現することができる。実施形態1及び2においては、一つの焦電素子5に複数の受光部を設けた形態を示したが、赤外線検出器1は、夫々に受光部を設けた複数の焦電素子を備えた形態であってもよい。実施形態1及び2においては、赤外光を検出する素子として焦電素子5を用いた形態を示したが、赤外線検出器1は、赤外光を検出する素子として焦電素子5以外の素子を用いた形態であってもよい。例えば、赤外線検出器1は、サーモパイル等、熱起電力を発生させることによって赤外光を検出する素子を用いた形態であってもよい。実施形態1及び2では、分析対象物がガスである例を示したが、分析対象物はガス以外の物質であってもよい。例えば、分析対象物は液体であってもよい。
【0057】
本発明は上述した実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。即ち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
1 赤外線検出器
21 パッケージ
22 赤外線透過窓
23 回路基板
24 ステム
3 フィルタ部
31、32、33、34 光学フィルタ
4 集光ブロック
41、42、43、44 集光部
411、421、431、441 入射口
412、422、432、442 出射口
413、423、433、443 反射面
5 焦電素子
51、52、53、54 受光部
6 ガス分析計
61 光源
62 セル