(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】リフトピンアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20241015BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20241015BHJP
C23C 14/50 20060101ALI20241015BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20241015BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
C23C14/50 K
C23C16/458
(21)【出願番号】P 2023555160
(86)(22)【出願日】2022-03-08
(86)【国際出願番号】 US2022019253
(87)【国際公開番号】W WO2022192187
(87)【国際公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-11-01
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】スリマン, アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】フセイン, アンワル
(72)【発明者】
【氏名】フランクリン, ティモシー ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ウォン, カーラトン
(72)【発明者】
【氏名】チャン, シュエ ヤン
【審査官】宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-28248(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2007-0048866(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0045509(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0005504(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/3065
C23C 14/50
C23C 16/458
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長いシャフトと、前記シャフトの上部にあるヘッドと、前記シャフトの底部にある結合端部とを備えるリフトピンであって、前記ヘッドが、静電チャックに接して止まるように構成された、リフトピンと、
上端部と、底端部と、前記上端部から前記底端部に延びる第1の開口とを備える上側ガイドであって、前記シャフトが、前記第1の開口を通って配設され、前記第1の開口を通って軸方向に可動である、上側ガイドと、
上端部と、底端部と、前記上端部から前記底端部に延びる第2の開口および第3の開口とを備える下側ガイドであって、前記第3の開口が、前記第2の開口よりも大きく、前記シャフトが、前記第2の開口および前記第3の開口を通って配設され、前記第2の開口および前記第3の開口を通って自由に軸方向に移動することができる、下側ガイドと、
前記シャフトに結合され、前記リフトピンの前記ヘッドから前記リフトピンの前記結合端部に向かって下方向に、前記静電チャックに接するように前記リフトピンをバイアスするように構成された、バイアス機構と
を備える、リフトピンアセンブリ。
【請求項2】
前記バイアス機構は、
上端部および底端部を備えるグリッパであって、前記グリッパの前記上端部において前記リフトピンの前記結合端部に結合され、前記グリッパの前記底端部がフランジを備える、グリッパと、
前記下側ガイドの前記第3の開口中で前記シャフトの周りに位置決めされたばねであって、前記ばねの上端部が、前記下側ガイドの上端部に面し、前記ばねの底端部が、前記グリッパの前記上端部に面する、ばねと
を備え、
前記ばねが、前記下方向に前記グリッパをバイアスするように構成された、
請求項1に記載のリフトピンアセンブリ。
【請求項3】
上方向に前記グリッパを移動させることは、前記ばねが前記下方向に前記リフトピンをバイアスすることを引き起こす、請求項2に記載のリフトピンアセンブリ。
【請求項4】
前記バイアス機構は、
上端部および底端部を備えるグリッパであって、前記グリッパの前記上端部において前記リフトピンの前記結合端部に結合される、グリッパを備え、前記グリッパは、
前記上端部と前記底端部との間で前記グリッパから延びるフランジと、
前記底端部において前記グリッパに結合されたボルトであって、前記下方向に前記リフトピンをバイアスするための追加の重みを含むように構成された、ボルトと
を備える、請求項1に記載のリフトピンアセンブリ。
【請求項5】
前記グリッパが、前記ボルトと前記底端部との間に配設されたワッシャをさらに備える、請求項4に記載のリフトピンアセンブリ。
【請求項6】
前記リフトピンが、前記静電チャック中に形成されたリフトピン孔中に挿入されるように構成され、前記リフトピン孔が、
前記リフトピンの前記シャフトのための開口と、
前記シャフトの前記開口から外側へおよび随意に上方へ延びるレッジと
を備え、
前記ヘッドの基部は、前記リフトピンが後退位置にあるとき、前記レッジと緊密なコンタクトを行うように整形され、
前記ヘッドの上部は、前記リフトピンが前記後退位置にあるとき、前記静電チャックの上面と同一面にあるか、または前記静電チャックの前記上面から凹陥している、
請求項1に記載のリフトピンアセンブリ。
【請求項7】
前記ヘッドの前記基部が、約4から64マイクロインチの間のRa表面粗さを有する、請求項6に記載のリフトピンアセンブリ。
【請求項8】
前記ヘッドが、前記シャフトから水平方向の外側へ延び、前記ヘッドおよび前記シャフトが、「T」形状を形成する、請求項1から6のいずれか一項に記載のリフトピンアセンブリ。
【請求項9】
リフトピン孔が、レッジから前記静電チャックの上面に向かって垂直方向の上方へ延びる側壁を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のリフトピンアセンブリ。
【請求項10】
前記ヘッドが、前記シャフトから水平方向の外側へおよび上方へ延び、前記ヘッドおよび前記シャフトが、「Y」形状を形成する、請求項1から6のいずれか一項に記載のリフトピンアセンブリ。
【請求項11】
リフトピン孔が、レッジから前記静電チャックの上面に向かって垂直方向の上方へおよび外側へ延びるテーパを付けられた側壁を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のリフトピンアセンブリ。
【請求項12】
基板を支持するように構成された表面を有し、複数のリフトピン孔を有する、静電チャックと、
前記静電チャックの下方のベースプレートと、
前記ベースプレート内に配設され、対応する複数のリフトピンが前記静電チャックの対応するリフトピン孔を通過することを可能にするように構成された、複数のリフトピンアセンブリであって、前記複数のリフトピンアセンブリの各々は、
細長いシャフトと、前記シャフトの上部にあるヘッドと、前記シャフトの底部にある結合端部とを備えるリフトピンであって、前記ヘッドが、静電チャックに接して止まるように構成された、リフトピンと、
上端部と、底端部と、前記上端部から前記底端部に延びる第1の開口とを備える上側ガイドであって、前記シャフトが、前記第1の開口を通って配設され、前記第1の開口を通って軸方向に可動である、上側ガイドと、
上端部と、底端部と、前記上端部から前記底端部に延びる第2の開口および第3の開口とを備える下側ガイドであって、前記第3の開口が、前記第2の開口よりも大きく、前記シャフトが、前記第2の開口および前記第3の開口を通って配設され、前記第2の開口および前記第3の開口を通って自由に軸方向に移動することができる、下側ガイドと、
前記シャフトに結合され、前記リフトピンの前記ヘッドから前記リフトピンの前記結合端部に向かって下方向に、前記静電チャックに接するように前記リフトピンをバイアスするためのバイアス力を印加するように構成された、バイアス機構と
を備える、複数のリフトピンアセンブリと、
前記ベースプレート内に配設され、前記バイアス力に打ち勝つのに十分な、前記リフトピンの底部に対する力を選択的に提供し、前記静電チャックの前記表面より上に前記リフトピンの前記ヘッドを持ち上げるように構成された、リフトプレートと
を備える、基板支持体。
【請求項13】
前記バイアス機構は、
上端部および底端部を備えるグリッパであって、前記グリッパの前記上端部において前記リフトピンの前記結合端部に結合され、前記グリッパの前記底端部がフランジを備える、グリッパと、
前記下側ガイドの前記第3の開口中で前記シャフトの周りに位置決めされたばねであって、前記ばねの上端部が、前記下側ガイドの上端部に面し、前記ばねの底端部が、前記グリッパの前記上端部に面する、ばねと
を備え、
前記ばねが、前記下方向に前記グリッパをバイアスするように構成された、
請求項12に記載の基板支持体。
【請求項14】
上方向に前記グリッパを移動させることは、前記ばねが前記下方向に前記リフトピンをバイアスすることを引き起こす、請求項13に記載の基板支持体。
【請求項15】
前記バイアス機構は、
上端部および底端部を備えるグリッパであって、前記グリッパの前記上端部において前記リフトピンの前記結合端部に結合される、グリッパを備え、前記グリッパは、
前記上端部と前記底端部との間で前記グリッパから延びるフランジと、
前記底端部において前記グリッパに結合されたボルトであって、前記下方向に前記リフトピンをバイアスするための追加の重みを含むように構成された、ボルトと
を備える、請求項12に記載の基板支持体。
【請求項16】
各リフトピン孔が、
対応するリフトピンの前記シャフトのための開口と、
前記シャフトの前記開口から外側へおよび随意に上方へ延びるレッジと
を備え、
前記ヘッドの基部は、前記対応するリフトピンが後退位置にあるとき、前記レッジと緊密なコンタクトを行うように整形され、
前記ヘッドの上部は、前記対応するリフトピンが前記後退位置にあるとき、前記静電チャックの上面と同一面にあるか、または前記静電チャックの前記上面から凹陥している、
請求項12に記載の基板支持体。
【請求項17】
前記ヘッドの前記基部が、約4から64マイクロインチの間のRa表面粗さを有する、請求項16に記載の基板支持体。
【請求項18】
前記ヘッドが、前記シャフトから水平方向の外側へ延び、前記ヘッドおよび前記シャフトが、「T」形状を形成する、請求項12から16のいずれか一項に記載の基板支持体。
【請求項19】
前記ヘッドが、前記シャフトから水平方向の外側へおよび上方へ延び、前記ヘッドおよび前記シャフトが、「Y」形状を形成する、請求項12から16のいずれか一項に記載の基板支持体。
【請求項20】
前記静電チャックの下方の第1のプレートおよび第2のプレートであって、前記第1のプレートが、RF電源に結合するように構成された、第1のプレートおよび第2のプレート
をさらに備え、
前記ベースプレートが、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートの下方に配設され、
前記複数のリフトピンアセンブリが、前記ベースプレート、前記第1のプレート、および前記第2のプレート内に配設された、
請求項12に記載の基板支持体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に半導体処理機器に関し、より詳細には、半導体処理システムにおいて使用するためのリフトピンアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ処理チャンバなど、半導体処理システムは、基板の処理中にそのような基板を支持するための静電チャックを有する基板支持体を含む。リフトピン孔が、基板を持ち上げ、および/または静電チャックの支持面の上に基板を降ろす、リフトピンを収容するために静電チャックを通って形成される。
【0003】
プラズマ処理チャンバ中で、静電チャックは、基板の近傍において高電力高周波(RF)界および高密度プラズマを受ける。本発明者らは、そのようなプラズマ処理チャンバ中で、アーキングが、リフトピン孔中に、およびリフトピン孔にわたって発生し、基板支持構成要素に損傷を与えることがあることを観察した。
【0004】
したがって、本発明者らは、改善されたリフトピンアセンブリの実施形態を提供する。
【発明の概要】
【0005】
基板処理チャンバのためのリフトピンアセンブリのための方法および装置が、本明細書において提供される。いくつかの実施形態では、リフトピンアセンブリは、細長いシャフトと、シャフトの上部にあるヘッドと、シャフトの底部にある結合端部とを備えるリフトピンであって、ヘッドが、静電チャックに接して止まるように構成された、リフトピンと、上端部と、底端部と、上端部から底端部に延びる第1の開口とを備える上側ガイドであって、シャフトが、第1の開口を通って配設され、第1の開口を通って軸方向に可動である、上側ガイドと、上端部と、底端部と、上端部から底端部に延びる第2の開口および第3の開口とを備える下側ガイドであって、第3の開口が、第2の開口よりも大きく、シャフトが、第2の開口および第3の開口を通って配設され、第2の開口および第3の開口を通って自由に軸方向に移動することができる、下側ガイドと、シャフトに結合され、リフトピンのヘッドからリフトピンの結合端部に向かって下方向に静電チャックに接するようにリフトピンをバイアスするように構成された、バイアス機構とを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、基板支持体は、基板を支持するように構成された表面を有し、複数のリフト孔を有する、静電チャックと、静電チャックの下方のベースプレートと、ベースプレート内に配設され、対応する複数のリフトピンが静電チャックの対応するリフトピン孔を通過することを可能にするように構成された、複数のリフトピンアセンブリであって、複数のリフトピンアセンブリが、本明細書で開示される実施形態のうちのいずれかにおいて説明されるようなものである、複数のリフトピンアセンブリと、ベースプレート内に配設され、バイアス力に打ち勝つのに十分な、リフトピンの底部に対する力を選択的に提供し、静電チャックの表面より上にリフトピンのヘッドを持ち上げるように構成された、リフトプレートとを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、基板支持体は、基板を支持するように構成された表面を有し、複数のリフトピン孔を有する、静電チャックと、静電チャックの下方の第1のプレートおよび第2のプレートであって、第1のプレートが、RF電源に結合するように構成された、第1のプレートおよび第2のプレートと、第1のプレートおよび第2のプレートの下方のベースプレートと、ベースプレート、第1のプレート、および第2のプレート内に配設され、対応する複数のリフトピンが静電チャックの対応するリフトピン孔を通過することを可能にするように構成された、複数のリフトピンアセンブリであって、複数のリフトピンアセンブリが、本明細書で説明される実施形態のうちのいずれかにおいて説明されるようなものである、複数のリフトピンアセンブリと、ベースプレート内に配設され、バイアス力に打ち勝つのに十分な、リフトピンの底部に対する力を選択的に提供し、静電チャックの表面より上にリフトピンのヘッドを持ち上げるように構成された、リフトプレートとを含む。
【0008】
本開示の他のおよびさらなる実施形態が、以下で説明される。
【0009】
上記で手短に要約され、以下でより詳細に論じられる、本開示の実施形態は、添付の図面中に描かれている本開示の例示的な実施形態を参照することによって理解され得る。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態を図示しているにすぎず、それゆえ、範囲の限定と見なされるべきではなく、なぜならば、本開示は、他の等しく効果的な実施形態を認め得るからである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の少なくともいくつかの実施形態による、処理チャンバの基板支持体であって、基板支持体がリフトピンアセンブリを含む、基板支持体の部分断面図である。
【
図2】本開示の少なくともいくつかの実施形態による、
図1のリフトピンアセンブリの一部分の断面図である。
【
図3】本開示の少なくともいくつかの実施形態による、リフトピンアセンブリの一部分の断面図である。
【
図4】本開示の少なくともいくつかの実施形態による、リフトピンアセンブリの一部分の断面図である。
【
図5A-5B】本開示の少なくともいくつかの実施形態による、
図1のリフトピンアセンブリの動作の概略表現の図である。
【
図6】本開示の少なくともいくつかの実施形態による、リフトピンアセンブリを含む基板支持体の断面図である。
【
図7A-7B】本開示の少なくともいくつかの実施形態による、
図6のリフトピンアセンブリの動作の概略表現の図である。
【
図8A-8B】各々、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、重み付けされたリフトピンを描く図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
理解を容易にするために、同一の参照番号が、可能な場合、図に共通である同一の要素を指定するために使用されている。図は、一定の縮尺で描画されておらず、明快のために簡略化され得る。一実施形態の要素および特徴は、さらなる具陳なしに他の実施形態に有利に組み込まれ得る。
【0012】
リフトピンアセンブリ、そのようなリフトピンアセンブリを組み込んだ基板支持体、およびそのようなリフトピンアセンブリを組み込んだ基板処理チャンバの実施形態が、本明細書において提供される。本明細書で説明される実施形態は、処理チャンバ内の圧力制御、リフトピンのヘッドと基板処理チャンバの基板支持体との間の間隙制御を向上させ、リフトピンアーキングまたはプラズマライトアップを低減するために、導電性経路へのプラズマの見通し線をブロックする、リフトピンのヘッドの形状寸法を利用する。リフトピンは、低誘電率を有する材料を使用して案内され、これは、アセンブリにおける電界を低減する。ばね、追加の重み、磁石、あるいはフープまたはリフトプレートなど、バイアス機構が、持ち上げられた後の復帰のために、およびリフトピンのヘッドと基板支持体との間のコンタクトを増加させるために、静電チャックのほうへリフトピンをバイアスするために使用される。
【0013】
図1は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、処理チャンバの基板支持体100であって、基板支持体がリフトピンアセンブリ200を含む、基板支持体100の部分断面図である。いくつかの実施形態では、プラズマ処理チャンバは、エッチ処理チャンバであり、基板支持体を備え、基板支持体は、たとえば、クーロンまたはJRチャックなど、静電チャックであり得る。しかしながら、他のタイプの基板支持体、および異なるプロセスのために構成された他のタイプの処理チャンバも、本明細書で説明されるリフトピンアセンブリの実施形態を使用するか、または本明細書で説明されるリフトピンアセンブリの実施形態とともに使用するために修正され得る。本明細書で開示される教示とともに使用するために適応され得る好適なプラズマ処理チャンバが、カリフォルニア州サンタクララのアプライド・マテリアルズ社から入手可能である。他の処理チャンバが、本開示の方法のうちの1つまたは複数から恩恵を受けるように適応され得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、基板支持体100は、静電チャック110、第1のプレート120、第2のプレート130、第3のプレート140およびベースプレート170を備える。基板支持体の他の構成は、様々な数のプレートおよび/またはそのプレートを備える材料を含む異なる構成を有することができる。いくつかの実施形態では、第1のプレート120は、アルミニウムプレートであり、第2のプレート130は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)プレートまたは他の絶縁体材料であり、第3のプレート140は、アルミニウムプレートであり、ベースプレート170は、任意の金属または非金属プレートを備え得る。いくつかの実施形態では、第1のプレート120は、RF電源など、電源に結合され、第3のプレート140は、接地に接続され、したがって、動作中、第1のプレート120は、RFホットであり得、第3のプレート140は、接地電位にあり得る。
【0015】
リフトピンアセンブリ200は、基板支持体100中に配設され、基板支持体100に関して基板を持ち上げるまたは降ろすためにリフトピンを選択的に持ち上げるまたは降ろすように構成される。たとえば、いくつかの実施形態では、
図1において説明されるように、リフトピンアセンブリ200は、基板支持体100中に配設され、静電チャック110およびプレート120、130、140を通ってベースプレート170の中に延びる。リフトピンアセンブリ200は、細長いシャフト212を有するリフトピン210、シャフト212の上部にあるヘッド214、およびシャフト212の底部にある結合端部216を含む。シャフト212は、細長く、線形であり、円形断面を有することができる。いくつかの実施形態では、シャフト212は、矩形断面または、偏菱形など、別の形状の断面を有する。結合端部216は、ヘッド214の反対側のシャフト212の端部であり、結合端部は、他の構成要素との結合のために構成され得る。いくつかの実施形態によれば、結合端部216は、ねじカップリングを受けるためにねじ切りされるか、クリックフィットカップリングを受けるためのノッチを有するか、または当技術分野において知られている他のカップリング機構を有することができる。
【0016】
リフトピンアセンブリ200は、シャフト212の滑らかな軸方向移動を維持するのを支援するための1つまたは複数のガイドをさらに含む。たとえば、いくつかの実施形態では、リフトピンアセンブリは、順々に軸方向に配列された上側ガイド220および下側ガイド280を含む。いくつかの実施形態では、ガイド220、280は、基板支持体100中にしっかりと固定される。いくつかの実施形態では、下側ガイド280は端部ホルダー250に結合され、端部ホルダー250は、第3のプレート140に結合され得る。いくつかの実施形態では、Oリング232が、改善された電気的絶縁性のために下側ガイド280の上面上に提供される。いくつかの実施形態では、下側ガイド280は、セラミックベースの絶縁体材料またはポリマーベースの絶縁体材料(たとえば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))から作られる。いくつかの実施形態では、上側ガイド220および下側ガイド280は、静電チャック110およびプレート120、130、140または170に関して異なる構成を有し、基板支持体100は、
図1に示されているもの以外の追加のプレート、または
図1に示されているものよりも少ないプレートを含み得る。
【0017】
上側ガイド220は、たとえば、レッジ(ledge)118の下の静電チャック110中になど、基板支持体中に位置決めされた上端部221を有する。上端部221は、静電チャック110中の対応する整形されたレッジ119とインターフェースし、レッジ119は、上側ガイド220の上端部221の上方運動を制限する。上側ガイド220は、上側ガイド220を通るシャフト212の軸方向移動を容易にするための開口211を含む。上側ガイドの底端部223は、第2のプレート130中の領域に延びることができる。いくつかの実施形態では、上側ガイド220は、セラミックベースの絶縁体材料またはポリマーベースの絶縁体材料(たとえば、ポリフェニレンサルファイド(PPS))から作られる。
【0018】
下側ガイド280は、上側ガイド220の少なくとも一部分を収容するための上部にある開口233と、シャフト212の軸方向移動を容易にするための開口230と、下側ガイド280から出たシャフト212を収容するための開口240とを含む。開口240は、以下でさらに論じられるように、シャフト212に加えて他の構成要素を収容するために、開口230よりも大きい断面を有する。下側ガイド280は、開口233の基部にあるレッジ234を含み、レッジ234は、上側ガイド220の底端部223と係合し、レッジ234を超えた下方向の上側ガイド220の移動を防止する。レッジ234は、シャフト212がそれを通って開口230の中に出る開口236を備える。下側ガイド280は、それぞれプレート130中に形成された、対応して整形されたレッジ131、132とインターフェースする、下側ガイド280の外面上のショルダー281および第2のショルダー282をさらに含む。レッジ131、132は、上方向の下側ガイド280の移動を制限する。いくつかの実施形態では、レッジ131、132は、Oリング232に損傷を与えることなしに、Oリング232による下側ガイド280の上面の密封を可能にするための動きのみを可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、下側ガイド280は、セラミックベースの絶縁体材料またはポリマーベースの絶縁体材料(たとえば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))から作られる。開口240は、シャフト212がそれを通って開口230から開口240の中に出る開口243を含む上端部242を有する。開口240は底端部244を有し、底端部244は、第3のプレート140中を下方へさらに延びる。完全に後退されたとき、リフトピン210は、開口240を通って第3のプレート140中のキャビティ150の中に出る。
【0019】
リフトピンアセンブリ200は、リフトピン210に結合されたバイアス機構をさらに含む。バイアス機構は軸方向の下方へリフトピン210をバイアスし、したがって、ヘッド214は、静電チャック110のほうへバイアスされる。いくつかの実施形態では、バイアス機構は、軸方向の下方へリフトピン210をバイアスするために、ばね、追加の重み、または磁石を使用する。
図1は、リフトピン210の結合端部216に結合され、そこから軸方向の下方へ延びる、グリッパ260を含むバイアス機構を示す。グリッパ260の上端部261は、限定はしないが、特に、圧縮フィット、ねじフィット、クリックフィット、接着結合を含む、知られている手段を介してリフトピン210の結合端部216に結合される。グリッパ260は、グリッパ260の底端部から水平方向の外側へ延びるフランジ262を備える。グリッパ260の少なくとも一部は、キャビティ150中に配設され、グリッパ260の一部は、ベースプレート170中のキャビティ172中に配設される。
【0020】
1つまたは複数のばね270が、下側ガイド280の上端部242とグリッパ260の上端部261との間で、シャフト212の周りに配設される。複数のばね270が存在するとき、ばねカプラ272が、シャフト212の周りに、および隣接するばね270の間に配設される。ばね270は、軸方向に沿って、すなわち、シャフト212に沿って、圧縮可能である。たとえば、グリッパ260の上方移動が、グリッパ260の上端部261と開口240の上端部242との間でばね270を係合させ、ばね270の圧縮を引き起こし、軸方向の下方向にグリッパ260とグリッパ260に固定されたリフトピン210とをバイアスする。リフトピン210のそのようなバイアスは、ヘッド214が静電チャック110に向かってバイアスされることを生じる。いくつかの実施形態では、ばね270は、ULTEM(登録商標)など、ポリエーテルイミドを備える。
【0021】
いくつかの実施形態では、(本明細書では「リフトプレート」とも呼ばれる)フープ160が、グリッパ260の直下で、キャビティ172中に位置決めされる。フープ160は、アクチュエータ173によって駆動され、これは、軸方向の上方向にグリッパ260を移動させるための力をグリッパ260に提供する。後退ピン構成において、フープ160は、フランジ262からの間隙264(約0.07インチ)に位置決めされ、ばね270は、軸方向の下方へリフトピン210をバイアスし、したがって、ヘッド214は、静電チャック110に向かってバイアスされ、静電チャック110と係合する。持上ピン構成において、フープ160は、フランジ262の上側係合面263が端部ホルダー250の底部にある係合面252とコンタクトするようにグリッパ260を駆動するために、上方へ移動する。係合面252は、グリッパ260のフランジ262のための剛性止め具として機能する。持上ピン構成において、ばね270は圧縮され、グリッパ260の上端部261は、開口240の上端部242に近接するように移動する。グリッパ260に結合されたリフトピン210は、ヘッド214が静電チャック110より上に持ち上げられるように、上方へ移動する。いくつかの実施形態では、フープ160は、ベースプレート170の下方に配置され、フープ160に結合され得る、アクチュエータ173(たとえば、電気モーターまたは空気圧)によって駆動される。いくつかの実施形態では、電気モーター173は、より正確な位置制御のためのエンコーダフィードバックを有し得るステッパモーターであり得る。いくつかの実施形態では、グリッパ260およびカプラ272は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から作られ、ばね270は、たとえば、ニューヨークのCurbell Plastics,Incから入手可能なULTEM(登録商標)など、高サービス温度環境において動作することができるポリエーテルイミド材料から作られる。いくつかの実施形態では、リフトピンは、酸化アルミニウム(Al2O3)から作られる。
【0022】
図2は、より詳細にリフトピンアセンブリ200の上部部分を示す。ヘッド214は、平坦で、水平な上面217と、上面217のエッジから下方へ延びる垂直側壁215と、水平方向の外側へシャフト212から延び、側壁215において終端する、基部218とを有するネイルヘッドまたは「T」形状を有する。リフトピン210は、基板支持体100中のリフトピン孔111中に配設されるように構成される。リフトピン孔111は、静電チャック110中に軸方向に開口113を含み、レッジ118は、開口113から水平方向の外側へ延び、側壁115は、静電チャック110の上面117に向かってレッジ118から垂直方向の上方へ延びる。レッジ118は、リフトピン210の基部218の形状に適合する。開口113は、間隙226だけシャフト212の直径よりも大きいが、ヘッド214(または側壁215)の直径よりも小さい直径を有する。いくつかの実施形態では、ヘッド214の直径は、約0.16インチである。いくつかの実施形態では、間隙226は、約0.002インチである。
【0023】
リフトピン孔111の側壁115の直径は、間隙224がある状態でリフトピン孔111の中にヘッド214を収容するために、ヘッド214の直径よりも大きい。いくつかの実施形態では、間隙224は、約0.003インチである。リフトピン210が、リフトピン孔111中に挿入されたとき、ヘッド214の基部218は、レッジ118上で止まる。ヘッド214の側壁215の高さは、リフトピン孔111の側壁115の高さに等しいか、またはその側壁115の高さよりも低く、したがって、リフトピン210が、リフトピン孔111中に完全に後退されたとき、ヘッド214の上面217は、静電チャック110の上面117と同一面にあるか、または(たとえば、0.001インチ~0.010インチの範囲内で)静電チャックの上面から凹陥している。いくつかの実施形態では、基部218、またはレッジ118、またはその両方は、基部218とレッジ118との間の緊密なコンタクトを可能にするために、非常に滑らかな、または研磨された面を有する。いくつかの実施形態では、基部218および/またはレッジ118は、約4マイクロインチ~約64マイクロインチの間の表面仕上げ/表面粗さ(Ra)を有する。基部218とレッジ118との間の緊密なコンタクトは、レッジ118上を押すように基部218をバイアスすることによって、たとえば、上記で論じられたように、ばね270を介して軸方向の下方へリフトピン210をバイアスすることによって実現される。基部218とレッジ118との間の緊密なコンタクトは、見通し線をブロックし、リフトピンアーキングを低減または防止する。いくつかの実施形態では、基部218の水平の長さは、約0.028インチである。
【0024】
上側ガイド220は、シャフト212がシャフト212との間に間隙222を維持するための開口225を提供する。いくつかの実施形態では、間隙222は、約0.005インチである。フィラー114が、上側ガイド220の上端部221および側部と静電チャック110との間に提供され、フィラー112が、静電チャック110と第1のプレート120との間に提供される。フィラー112は、漏れに対するさらなる絶縁性を提供し、リフトピンアーキングをさらに低減または防止する。いくつかの実施形態では、フィラー112およびフィラー114は、シリコーンなど、ポッティング材料である。
【0025】
いくつかの実施形態では、シールバンド116が、静電チャック110の上面117上に提供され、静電チャック110上に置かれた基板との密封を提供する。シールバンド116は、リフトピン210を介してアーキングを低減または防止するようにも働く。いくつかの実施形態では、シールバンド116は、約0.02インチ~約0.060インチの間のバンド厚さ、および約0.0005インチの高さを有する。
【0026】
図3は本開示の少なくともいくつかの実施形態による、リフトピンアセンブリ300の一部分の断面図である。リフトピンアセンブリ300は、リフトピン350を備え、リフトピンアセンブリ300は、リフトピンアセンブリ200と同一であるが、異なるタイプの基板支持体302中に配設される。基板支持体302は、静電チャック310と、動作中、RFホットである第1のプレート320とを備える。シリコーン結合層312が、静電チャック310の直ぐ下に配設され、酸化アルミニウムスプレーコート314が、シリコーン結合層312の下側に配設される。第1のプレート320は、酸化アルミニウムスプレーコート314の下側に配設される。上側ガイド220と同様の上側ガイド340が、第1のプレート320中に配設される。ドーナツ330が、第1のプレート320中で、上側ガイド340の上部の近位に配設される。ドーナツ330は、窒化アルミニウムまたは他のセラミック材料から作られる。フィラー313が、上側ガイド340の上面と静電チャック310との間に、上側ガイド340の側面とドーナツ330との間に、および上側ガイド340の側面と第1のプレート320との間に配設される。フィラー313およびドーナツ330は、リフトピンアーキングからの追加の絶縁性を提供するように働く。
【0027】
図4は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、リフトピンアセンブリ400の一部分の断面図である。リフトピンアセンブリ400は、リフトピン410のヘッド414の形状が「Y」形状にあることを除いて、
図1および
図2の基板支持体と同様の基板支持体中に配設された、リフトピン410を備える。ヘッド414は上面417を備え、基部418は、テーパを付けられた様式で、上面417のエッジから下方へ、リフトピン410のシャフト412に向かって内側に延びる。静電チャック110のテーパを付けられたレッジ419は、リフトピン410のヘッド414と静電チャック110のテーパを付けられたレッジ419との間の緊密なコンタクトを可能にするために、ヘッド414の基部418に適合するように対応してテーパを付けられる。いくつかの実施形態では、基部418および/またはテーパを付けられたレッジ419は、約4マイクロインチ~約64マイクロインチの間の表面仕上げ(Ra)を有する。基部418とテーパを付けられたレッジ419との間の緊密なコンタクトは、テーパを付けられたレッジ419上を押すように基部418をバイアスすることによって、たとえば、
図1に関して解説されたリフトピン210のバイアスと同様の様態で、軸方向の下方へリフトピン410をバイアスすることによって実現される。
【0028】
図5Aおよび
図5Bは、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、
図1のリフトピンアセンブリ200の動作の概略表現である。
図5Aは、リフトピン210が静電チャック110のリフトピン孔111中に完全に挿入され、したがって、ヘッド214の基部218がレッジ118上で止まる、リフトピン210の後退構成を描く。ばね270は、グリッパ260とのカップリングを介してリフトピン210上にバイアス下方力Fsを印加するための、あらかじめ負荷が掛けられた構成で取り付けられる。グリッパに作用する力は、約0.34lbfである。フープ160アクチュエータは、間隙264だけグリッパ260から離間して、グリッパ260のフランジ262の下に位置決めされる。
【0029】
図5Bは、リフトピン210の一部分が静電チャック110から外に出ている、リフトピン210の持上構成を描く。
図5Bに示されている持上構成を達成するために、フープ160は、矢印によって示されている方向に上方へ移動し、上方へグリッパ260のフランジ262を押す。フランジ262は、フランジ262の上側係合面263が、端部ホルダー250の係合面252とコンタクトしたとき、止め具に来る。持上構成において、グリッパ260の上端部261は、開口240の内部を移動し、ばね270は、圧縮され、約1.63lbfの力を加え、その力は、ばね270がリフトピン210に対して正味のバイアス力を加えないように、フープ160によって無効にされる。フープ160によって加えられた力は、リフトピンが静電チャック110を超えて約0.84インチの高さに上昇するように、リフトピン210を上に押す。動作中、リフトピン210、または基板支持アセンブリ100中に配設された複数のそのようなリフトピンは、共通フープ160によって持ち上げられ、静電チャック110上に配設された基板を持ち上げるように動作可能である。
【0030】
図6は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、リフトピンアセンブリ600を含む基板支持体100の断面図である。リフトピンアセンブリ600は、リフトピンアセンブリ200と同様であるが、リフトピンアセンブリ600は、ばね(たとえば、
図1のばね270)の代わりに重みに基づくバイアス機構を使用する。グリッパ660が、リフトピン210の結合端部216に結合される。リフトピン210の後退構成において、グリッパ660は、第3のプレート140のキャビティ150中に部分的に、およびベースプレート170のキャビティ172中に部分的に配設される。いくつかの実施形態では、グリッパ660は、フープ160中の開口161を通過する。グリッパ660は、フープ160の上に位置決めされたフランジ662を含み、グリッパ660は、グリッパ660に固設された追加の重みを含む。いくつかの実施形態では、追加の重みは、グリッパ660の底端部665に対して軸方向に螺進されたボルト666である。いくつかの実施形態では、グリッパ660は、ボルト666のヘッドとグリッパ660の底端部665との間に配設されたワッシャ664をさらに備える。後退リフトピン構成において、フランジ662は、フープ160からの間隙670に位置決めされ、ボルト666は、キャビティ172の基部からの間隙672に位置決めされる。グリッパ660およびリフトピン210の重みとともにボルト666の重みは、たとえば、基板アセンブリ100の動作中に軸方向の下方へリフトピン210をバイアスするのに十分である。いくつかの実施形態では、リフトピン210とボルト666を含むグリッパ660とに対する重力によって可能にされる下向きバイアス力は、約0.022lbfである。いくつかの実施形態では、ボルト666は、酸化アルミニウム(Al
2O
3)から作られ、ワッシャ664およびグリッパ660は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から作られる。いくつかの実施形態では、ワッシャ664は、開口161の直径よりも大きい直径を有し、いくつかの実施形態では、ワッシャ664は、開口161の直径よりも小さい直径を有し、いくつかの実施形態では、ワッシャは使用されず、ボルト666は、中間のワッシャ、たとえば、ワッシャ664なしにグリッパ660に直接的に結合される。
【0031】
図7Aおよび
図7Bは、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、
図6のリフトピンアセンブリ600の動作の概略表現である。
図7Aは、リフトピン210が静電チャック110のリフトピン孔111中に完全に挿入され、したがって、ヘッド214の基部218がレッジ118上で止まる、リフトピン210の後退構成を描く。リフトピン210とボルト666を加えたグリッパ660との重みは、グリッパ660とのカップリングを介してリフトピン210上にバイアス下方力を印加する。フープ160は、グリッパ660のフランジ662の下に位置決めされ、間隙670だけグリッパ660から離間している。グリッパ660の一部は、後退位置にあるフープ160中の開口161を通って延び得る。
【0032】
図7Bは、リフトピン210の一部分が静電チャック110から外に出ている、リフトピン210の持上構成を描く。
図7Bに示されている持上構成を達成するために、フープ160は、矢印によって示されている方向に上方へ移動し、上方へグリッパ660のフランジ662を押す。フランジ662は、フランジ662が、端部ホルダー660の係合面252とコンタクトしたとき、止め具に来る。持上構成において、グリッパ660の上端部661は、開口240の内部を移動し、リフトピン210とボルト666を加えたグリッパ660との重みは、フープ160によって支持される。フープ160によって加えられた力は、リフトピンが静電チャック110を超えて約0.84インチの高さに上昇するように、リフトピン210を上に押す。動作中、リフトピン210、または基板支持アセンブリ100中に配設された複数のそのようなリフトピンは、共通フープ160によって持ち上げられ、静電チャック110上に配設された基板を持ち上げるように動作可能である。
【0033】
図6、
図7A、および
図7Bは、バイアス重みを提供するためのグリッパ660およびボルト666を描いているが、たとえば、
図8Aおよび
図8Bに示されているように、バイアス重みの数個の他の構成が可能である。たとえば、
図8Aは、リフトピン810をバイアスするための重みを吊すためのデテント設計を有するリフトピン810を描く。リフトピン810は、デテントレシーバ812と、リフトピン810を持ち上げるときに押圧されるレッジ813とを備える。さらに、グリッパ814が、グリッパ814を貫く開口を備え、リフトピン810の重みとともに、軸方向の下方向にリフトピン810をバイアスするために必要とされる追加の重みを提供する。グリッパ814は、グリッパ814から半径方向の外側へ延びるフランジ816を含む。リフトピン810は、グリッパ814の開口を通過し、デテントレシーバ812とかみ合うように構成されたデテントロック818を介してグリッパ814と係止する。動作中、グリッパ814はリフトピン810から吊され、フランジ816は、軸方向の上方向にグリッパ814およびデテント結合されたリフトピン810を移動するためにフープ160と係合するように働く。
【0034】
図8Bは、係止ピン834を介してディスク832と結合されたリフトピン830を描く。ディスク832は、リフトピン830に加えて、リフトピン830をバイアスするために必要とされる追加の重みを提供する。いくつかの実施形態では、ディスク832およびリフトピン830は、約0.014lbの重さがある。ディスク832は、フープ160と係合するための幅を有し、したがって、フープ160の上方移動は、ディスク832、およびディスク832に結合されたリフトピン830を係合させ、軸方向の上方向にリフトピン830を移動する。
【0035】
本明細書で開示されるリフトピン機構の様々な構成要素は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)およびベスペル(登録商標)ポリイミドなどの材料をも備え得る。
【0036】
ここまで、静電チャックのためのリフトピンアセンブリの実施形態が、本明細書で提供された。本開示の実施形態は、静電チャックの高電圧印加におけるリフトピンアーキングを有利に低減または排除する。
【0037】
上記は、本開示の実施形態を対象とするが、本開示の他の実施形態およびさらなる実施形態が、それの基本的な範囲から逸脱することなく考案され得る。