(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】送信装置、受信装置、送受信装置、送信プログラム、受信プログラム、送受信プログラム、及び、画像処理装置
(51)【国際特許分類】
H04L 25/493 20060101AFI20241016BHJP
H04L 1/08 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
H04L25/493
H04L1/08
(21)【出願番号】P 2020124004
(22)【出願日】2020-07-20
【審査請求日】2023-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】司 徳永
【審査官】吉江 一明
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-290342(JP,A)
【文献】特開2013-153394(JP,A)
【文献】特開2010-258816(JP,A)
【文献】特開2015-080091(JP,A)
【文献】特開2012-235272(JP,A)
【文献】特開2002-217738(JP,A)
【文献】米国特許第10630314(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 25/493
H04L 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ又は複数の入力信号に基づいて、複数のパケットデータを生成する際に、各パケットデータ間で異なるビット数を、少なくとも4つ以上の異なるビット数とする所定のフォーマットのパケットデータを生成するパケット生成部と、
前記パケット生成部で生成された各パケットデータを、前記入力信号の立ち上がりエッジのタイミング及び立ち下りエッジのタイミングで、それぞれ複数回、シリアル送信するパケット送信部と
、
を有し、
前記パケット生成部は、複数の入力信号に基づいて所定の前記フォーマットのパケットデータを生成する際に、前記入力信号をそれぞれ所定数の信号を備える第1のグループ及び第2のグループに分け、各前記信号のパケットデータのビット位置が同じビットで、前記第1のグループ及び前記第2のグループからそれぞれ一つの信号を選択した選択信号の前記ビット位置が同じビットの組合せを「0」及び「1」の全ての組合せにし、前記選択信号を除く他の信号のビットを「0」又は「1」にしたパケットデータを生成する送信装置。
【請求項2】
一つ又は複数の入力信号に基づいて、複数のパケットデータを生成する際に、各パケットデータ間で異なるビット数を、少なくとも4つ以上の異なるビット数とする所定のフォーマットのパケットデータを生成するパケット生成部と、
前記パケット生成部で生成された各パケットデータを、前記入力信号の立ち上がりエッジのタイミング及び立ち下りエッジのタイミングで、それぞれ複数回、シリアル送信するパケット送信部と、
を有し、
前記パケット生成部は、複数の入力信号に基づいて所定の前記フォーマットのパケットデータを生成する際に、前記入力信号をそれぞれ所定数の信号を備える第1のグループ及び第2のグループに分け、各前記信号のパケットデータのビット位置が同じビットで、前記第1のグループ及び前記第2のグループからそれぞれ一つの信号を選択した選択信号の前記ビット位置が同じビットの組合せを「01」又は「10」にし、前記選択信号を除く他の信号のビットを「0」又は「1」にしたパケットデータを生成する送信装置。
【請求項3】
前記パケット送信部は、複数の前記入力信号のうち、同じタイミングで変化する複数の入力信号が存在する場合、同じタイミングで変化する複数の入力信号のパケットデータの幅を広げることで、同じタイミングで変化する複数の入力信号のパケットデータを一度に送信すること
を特徴とする請求項1
又は2に記載の送信装置。
【請求項4】
前記パケット送信部は、複数の前記入力信号のうち、同じタイミングで変化する複数の入力信号が存在する場合、複数の前記入力信号の所定の順番で、一つの入力信号のパケットデータ毎に送信すること
を特徴とする請求項1
又は2に記載の送信装置。
【請求項5】
請求項1から請求項
4のうち、いずれか一項に記載の送信装置から送信されたパケットデータを受信するパケット受信部と、
受信された各パケットデータを、前記フォーマットの比較用のパケットデータと比較して正誤判定を行うパケット比較部と、
前記パケット比較部で正しいパケットデータとして判定されたパケットデータを用いて、前記入力信号を復元する復元部と
を有することを特徴とする受信装置。
【請求項6】
前記復元部は、複数回送信されたパケットデータのうち、誤ったパケットデータとして判定されたパケットデータは無視し、正しいパケットデータとして判定されたパケットデータを用いて、前記入力信号を復元すること
を特徴とする請求項
5に記載の受信装置。
【請求項7】
請求項1から請求項
4のうち、いずれか一項に記載の送信装置と、
請求項
5又は請求項
6に記載の受信装置と、
を有することを特徴とする送受信装置。
【請求項8】
コンピュータを、
一つ又は複数の入力信号に基づいて、複数のパケットデータを生成する際に、各パケットデータ間で異なるビット数を、少なくとも4つ以上の異なるビット数とする所定のフォーマットのパケットデータを生成するパケット生成部と、
前記パケット生成部で生成された各パケットデータを、前記入力信号の立ち上がりエッジのタイミング及び立ち下りエッジのタイミングで、それぞれ複数回、シリアル送信するパケット送信部として機能させ
、
前記パケット生成部は、複数の入力信号に基づいて所定の前記フォーマットのパケットデータを生成する際に、前記入力信号をそれぞれ所定数の信号を備える第1のグループ及び第2のグループに分け、各前記信号のパケットデータのビット位置が同じビットで、前記第1のグループ及び前記第2のグループからそれぞれ一つの信号を選択した選択信号の前記ビット位置が同じビットの組合せを「0」及び「1」の全ての組合せにし、前記選択信号を除く他の信号のビットを「0」又は「1」にしたパケットデータを生成する、
ことを特徴とする送信プログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
請求項
8に記載の送信プログラムに基づいて送信されたパケットデータを受信するパケット受信部と、
受信された各パケットデータを、前記フォーマットの比較用のパケットデータと比較して正誤判定を行うパケット比較部と、
前記パケット比較部で正しいパケットデータとして判定されたパケットデータを用いて、前記入力信号を復元する復元部として機能させること
を特徴とする受信プログラム。
【請求項10】
請求項
8に記載の送信プログラムの前記パケット生成部、及び、前記パケット送信部として前記パケットデータの送信側のコンピュータを機能させ、
請求項8に記載の送信プログラムに基づいて送信されたパケットデータを受信するパケット受信部、
受信された各パケットデータを、前記フォーマットの比較用のパケットデータと比較して正誤判定を行うパケット比較部及び
前記パケット比較部で正しいパケットデータとして判定されたパケットデータを用いて、前記入力信号を復元する復元部として前記パケットデータの受信側のコンピュータを機能させること
を特徴とする送受信プログラム。
【請求項11】
請求項1から請求項
4のうち、いずれか一項に記載の送信装置、又は、請求項1から請求項
4のうち、いずれか一項に記載の送信装置及び請求項
5又は請求項
6に記載の受信装置と、
所定の画像を形成する画像形成部と、
を有する画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、受信装置、送受信装置、送信プログラム、受信プログラム、送受信プログラム、及び、画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2015-80091号公報)に、シリアル通信装置におけるデータ転送中のビット化けにより、システムエラーを回避可能とした通信装置が開示されている。この通信装置の場合、転送データに誤り訂正符号(CRC:Cyclic Redundancy Check)を付加して受信側に転送する。受信側がCRCで正確なデータの受信を確認できない場合、送信側にデータの再送要求を行う(Feedback)。これに対して、受信側で正確なデータの受信を確認できた場合、次のデータの送信要求を送信側に行う(Feedback)。これにより、送受信するデータの正確性を確保でき、システムエラーを回避できる。
【0003】
しかし、このようなフィードバック方式のシリアル通信装置は、誤り確認結果を受信側から送信側に返信する時間が必要となり、大幅なレイテンシ(通信遅延)が発生する。
【0004】
このため、送信側から受信側に同じ信号を複数回送信するシリアル通信装置が知られている。このシリアル通信装置の場合、同じ信号を複数回送信することで、受信側から送信側への返信(Feedback)を不要とすることができるため、大幅なレイテンシの発生を防止できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、送信側から受信側に同じ信号を複数回送信するシリアル通信装置は、ビットエラーを発生することが多く、受信側でデータが誤検出される不都合を多々生ずる問題があった。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、シリアル通信時のレイテンシを軽減して、データの正確な送受信を可能とする送信装置、受信装置、送受信装置、送信プログラム、受信プログラム、送受信プログラム、及び、画像処理装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、一つ又は複数の入力信号に基づいて、複数のパケットデータを生成する際に、各パケットデータ間で異なるビット数を、少なくとも4つ以上の異なるビット数とする所定のフォーマットのパケットデータを生成するパケット生成部と、パケット生成部で生成された各パケットデータを、入力信号の立ち上がりエッジのタイミング及び立ち下りエッジのタイミングで、それぞれ複数回、シリアル送信するパケット送信部と、を有し、前記パケット生成部は、複数の入力信号に基づいて所定の前記フォーマットのパケットデータを生成する際に、前記入力信号をそれぞれ所定数の信号を備える第1のグループ及び第2のグループに分け、各前記信号のパケットデータのビット位置が同じビットで、前記第1のグループ及び前記第2のグループからそれぞれ一つの信号を選択した選択信号の前記ビット位置が同じビットの組合せを「0」及び「1」の全ての組合せにし、前記選択信号を除く他の信号のビットを「0」又は「1」にしたパケットデータを生成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、シリアル通信時のレイテンシを軽減して、データの正確な送受信を可能とすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態のシリアル送受信装置のブロック図である。
【
図2】
図2は、第1の実施の形態のシリアル送受信装置のシリアル通信送信制御部における、入力信号の変化点の記録動作を説明するためのフローチャートである。
【
図3】
図3は、第1の実施の形態のシリアル送受信装置のシリアル通信送信制御部における、パケットデータの送信動作を説明するためのフローチャートである。
【
図4】
図4は、第1の実施の形態のシリアル送受信装置におけるパケットデータの送受信動作を説明するためのタイミングチャートである。
【
図5】
図5は、第1の実施の形態のシリアル送受信装置において、該当信号情報を記憶することなく特有パケットデータを送信場合の送信動作の流れを示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、第1の実施の形態のシリアル通信受信装置におけるパケットデータの受信動作の流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、多信号同時送信有無切り替え送信動作における、入力信号の変化点の記録動作を説明するためのフローチャートである。
【
図8】
図8は、多信号同時送信有無切り替え送信動作を説明するためのフローチャートである。
【
図9】
図9は、多信号同時送信有無切り替え送信動作を説明するためのタイミングチャートである。
【
図10】
図10は、パケット生成部で用いられる特有パケットフォーマットを示す図である。
【
図11】
図11は、特有パケットフォーマットで形成されたそれぞれ16ビットの8つのパケットデータの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、特有パケットフォーマットでそれぞれ16ビットの8つのパケットデータを形成することで、各パケットデータ間で、少なくとも6つの異なるビット数が実現される様子を示す図である。
【
図13】
図13は、第2の実施の形態のシリアル送受信装置のパケット生成部で用いられる特有パケットフォーマットを示す図である。
【
図14】
図14は、特有パケットフォーマットで形成されたそれぞれ8ビットの8つのパケットデータの一例を示す図である。
【
図15】
図15は、特有パケットフォーマットでそれぞれ8ビットの8つのパケットデータを形成することで、各パケットデータ間で、少なくとも4つの異なるビット数が実現される様子を示す図である。
【
図16】
図16は、第3の実施の形態のシリアル送受信装置のパケット生成部で用いられる特有パケットフォーマットを示す図である。
【
図17】
図17は、第3の実施の形態のシリアル送受信装置の特有パケットフォーマットで形成されたそれぞれ16ビットの8つのパケットデータの一例を示す図である。
【
図18】
図18は、第3の実施の形態のシリアル送受信装置の特有パケットフォーマットでそれぞれ16ビットの8つのパケットデータを形成することで、各パケットデータ間で、少なくとも8つの異なるビット数が実現される様子を示す図である。
【
図19】
図19は、第1の実施の形態~第3の実施の形態のシリアル送受信装置の適用例となるMFPの斜視図である。
【
図20】
図20は、第1の実施の形態~第3の実施の形態のシリアル送受信装置の適用例となるMFPのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、パケットデータのシリアル転送を行う実施の形態のシリアル送受信装置の説明をする。
【0011】
[第1の実施の形態]
(シリアル送受信装置の構成)
図1は、第1の実施の形態となるシリアル送受信装置(送受信装置の一例)のブロック図である。このシリアル送受信装置は、シリアル通信送信装置1及びシリアル通信受信装置2を、シリアル通信ケーブル3で相互に接続することで構成されている。シリアル通信送信装置1は、通信装置の一例であり、シリアル通信受信装置2は、受信装置の一例である。また、シリアル通信送信装置1及びシリアル通信受信装置2は、例えばインターネット又はLAN(Local Area Network)等の所定のネットワークを介して相互に接続されていてもよい。
【0012】
シリアル通信送信装置1は、送信制御部4及びシリアル送信部5を備えている。送信制御部4は、送信判定部11、パケット生成部12及びパケット送信部13を備えている。送信判定部11は、例えば信号A~信号D等の入力信号を監視し、変化した信号を記録し、「該当信号フラグ」及び「送信パルス」を生成する。パケット生成部12は、該当信号フラグに基づいて、該当信号の特有データフォーマットのパケットデータ(DATA)を形成する。
【0013】
パケット送信部13は、入力信号の立ち上がりエッジ及び立ち下りエッジのタイミングで送信判定部11から供給される送信パルスに基づいて、同じパケットデータ(DATA)を例えば3回(連続して)シリアル送信部5に転送する。シリアルインタフェースであるシリアル送信部5は、シリアル通信ケーブル3を介して、パケットデータ(DATA)をシリアル通信受信装置2に送信する。
【0014】
シリアル通信受信装置2は、シリアル受信部6及び受信制御部7を備えている。シリアル受信部6は、入力信号の立ち上がりエッジ及び立ち下りエッジのタイミングでシリアル通信送信装置1からの3回、転送される同じパケットデータ(DATA)を受信する。
【0015】
受信制御部7は、パケット受信部14、パケット比較部15及び制御信号復元部16(復元部の一例)を備えている。パケット受信部14は、シリアル受信部6で受信されたパケットデータ(DATA)を記録して、順番にパケット比較部15に供給する。パケット比較部15は、供給されたパケットデータ(DATA)を、特有データフォーマットの「比較用データ」と比較して、受信信号の検出処理を行う。
【0016】
パケット比較部15は、比較結果が一致した場合、該当信号フラグと値を、制御信号復元部16に供給する。制御信号復元部16は、パケット比較部15から供給された該当信号フラグと値により、該当信号の値を更新して保持する。また、比較結果が不一致の場合、パケット比較部15は、受信したパケットデータ(DATA)にビットエラーが発生したものと見なして、受信されたパケットデータ(DATA)を無視して、受信制御部7に受信エラーを通知する。
【0017】
(入力信号の変化点の記録動作)
次に、
図2のフローチャートを用いて、シリアル通信送信制御部1における入力信号の変化点の記録動作を説明する。
【0018】
まず、シリアル通信送信装置1の送信判定部11は、転送する信号値の変化の有無を監視する(ステップS1)。信号が変化すると(ステップS1:Yes)、送信判定部11は、例えば
図4(a)に示す該当信号(信号A)の立ち上りエッジのタイミングで(ステップS2:Yes)、該当信号のH状態フラグ(ハイレベルのフラグ)を生成する(ステップS3)。
【0019】
また、送信判定部11は、
図4(a)に示す該当信号の立ち下りエッジのタイミングで(ステップS2:No)、該当信号のL状態フラグ(ローレベルのフラグ)を生成する(ステップS4)。なお、立ち上がりエッジ及び立ち下りエッジは、入力信号の「変化点」の一例である。
【0020】
送信判定部11は、該当信号の立ち上りエッジを示すH状態フラグ及び立ち下りエッジを示すL状態フラグを、「該当信号フラグ(変化点)」として記憶部に記録する(ステップS5)。
【0021】
(パケットデータの送信動作)
次に、
図3のフローチャートを用いて、シリアル通信送信制御部1におけるパケットデータの送信動作を説明する。この
図3のフローチャートにおいて、パケット生成部12は、記憶部を参照して、上述の「該当信号フラグ(変化点)」の記憶の有無を判別する(ステップS6)。記憶部に、記録情報(該当信号フラグ)が記憶されている場合(ステップS6:Yes)場合、パケット生成部12は、記憶部から「該当信号フラグ」を読み出す(ステップS7)。そして、パケット生成部12は、
図4(b)に示すように該当信号フラグで示される該当信号(信号A)の立ち上りエッジ及び立ち下りエッジのタイミングで、例えば3発の「送信パルス(DE)」をそれぞれ生成する(ステップS8)。
【0022】
また、パケット生成部12は、
図4(c)に示すように、記憶部から読み出した該当信号フラグであるH状態フラグのタイミングでH状態となる3つの同じ特有パケットデータ(DATA)を生成する。また、パケット生成部12は、
図4(c)に示すように、記憶部から読み出したL状態フラグのタイミングでL状態となる3つの同じ特有パケットデータ(DATA)を生成する(ステップS9)。
【0023】
パケット送信部13は、
図4(b)に示す3発の「送信パルス(DE)」をデータイネーブルとして用いて、
図4(a)に示す該当信号の立ち上りエッジのタイミングで、
図4(c)に示すH状態の3つの同じ特有パケットデータ(DATA)を、シリアル送信部5を介してシリアル通信受信装置2に送信する(ステップS10)。同様に、パケット送信部13は、
図4(b)に示す3発の「送信パルス(DE)」をデータイネーブルとして用いて、
図4(a)に示す該当信号の立ち下りエッジのタイミングで、
図4(c)に示すL状態の3つの同じ特有パケットデータ(DATA)を、シリアル送信部5を介してシリアル通信受信装置2に送信する(ステップS10)。
【0024】
なお、
図4の例は、
図1に示す信号Aのみ等の、単一信号のパケットデータの送信動作を示している。信号Aの3つの特有パケットデータを、所定時間間隔で送信するように図示しているが、間隔を空けずに3つの特有パケットデータを送信してもよい。
【0025】
また、立ち上がりエッジ及び立ち下りエッジで同じ状態の特有パケットデータを送信する回数は、シリアル送受信装置の仕様及びビット誤り率に基づいて算出して設定すればよい。一例ではあるが、複数回送信した特有パケットデータが、全てビットエラーとなる確率を、無視できる確率とする回数に設定することができる。
【0026】
(該当信号フラグを記録しない場合のパケットデータの送信動作)
図2及び
図3のフローチャートを用いて説明した特有パケットデータの送信動作は、記憶部に「該当信号フラグ」を記録し、この記録した「該当信号フラグ」を用いて特有パケットデータを送信する送信動作であった。これに対して、
図5のフローチャートに示すように、記憶部に「該当信号フラグ」を記憶することなく特有パケットデータを送信してもよい。
【0027】
この場合、ステップS3及びステップS4において、該当信号の立ち上がりエッジのタイミング及び立ち下りエッジのタイミングでH状態フラグ及びL状態フラグが生成されると、パケット生成部12は、
図4(c)に示すように、H状態フラグのタイミングでH状態となる3つの同じ特有パケットデータ(DATA)、及び、L状態フラグのタイミングでL状態となる3つの同じ特有パケットデータ(DATA)を生成する(ステップS9)。
【0028】
また、パケット生成部12は、
図4(a)に示す該当信号(信号A)の立ち上りエッジ及び立ち下りエッジのタイミングで、
図4(b)に示すように、例えば3発の「送信パルス(DE)」をそれぞれ生成する(ステップS8)。
【0029】
パケット送信部13は、3発の「送信パルス(DE)」をデータイネーブルとして用いて、
図4(a)に示す該当信号の立ち上がりエッジのタイミングで、
図4(c)に示すH状態の3つの同じ特有パケットデータ(DATA)を、シリアル送信部5を介してシリアル通信受信装置2に送信する(ステップS10)。また、パケット送信部13は、3発の「送信パルス(DE)」をデータイネーブルとして用いて、
図4(a)に示す該当信号の立ち下りエッジのタイミングで、
図4(c)に示すL状態の3つの同じ特有パケットデータ(DATA)を、シリアル送信部5を介してシリアル通信受信装置2に送信する(ステップS10)。これにより、記憶部に「該当信号フラグ」を記憶することなく特有パケットデータを送信することができる。
【0030】
(パケットデータの受信動作)
次に、
図6のフローチャートを用いて、シリアル通信受信装置2における特有パケットデータの受信動作を説明する。まず、シリアル通信受信装置2の受信制御部7のパケット受信部14は、シリアル通信送信装置1からの特有パケットデータの受信の有無を監視する(ステップS11)。各信号の特有パケットデータが受信されると(ステップS11:Yes)、パケット比較部15は、受信された特有パケットデータと、各信号のH/L状態の特有データフォーマットのパケットデータ(DATA)とを比較する(ステップS12)。
【0031】
すなわち、パケット比較部15は、各信号のH/L状態の特有データフォーマットのパケットデータ(DATA)を予め記憶部に記憶している。パケット比較部15は、記憶しているパケットデータ(DATA)と、受信した各パケットデータとを比較することで、記憶しているパケットデータ(DATA)に対する、受信した各パケットデータの一致/不一致(受信した各パケットデータが正しいパケットデータであるか否か)を判別する(ステップS12)。
【0032】
受信したパケットデータのうち、記憶しているパケットデータ(DATA)と一致しないパケットデータは、正しいパケットデータではないため(ステップS12:No)、パケット比較部15は、受信制御部7に対してエラー通知を行う(ステップS14)。
【0033】
これに対して、受信したパケットデータのうち、記憶しているパケットデータ(DATA)と一致するパケットデータは、正しいパケットデータであるため(ステップS12:Yes)、パケット比較部15は、制御信号復元部16に対して「該当信号フラグ(H状態フラグ及びL状態フラグ)」及び「値」を通知する。制御信号復元部16は、「該当信号フラグ」及び「値」に基づいて、受信信号の値を更新して保持する(ステップS13)。
【0034】
次に、ステップS11に戻り、再度、パケットデータの受信の有無が監視される。同じ信号の同じ状態のパケットデータを何回転送しても、受信側が区別しないで、同じ処理を継続しておく。
【0035】
図4(d)は、シリアル通信送信装置1で形成される「受信パルス」であり、
図4(e)は、シリアル通信送信装置1から3つ受信されたH状態の特有パケットデータ及びL状態の特有パケットデータを示している。また、
図4(e)に示す、H状態及びL状態の特有パケットデータのうち、白抜きの特有パケットデータは、正しい特有パケットデータ(予め記憶されている正しい特有パケットデータと一致した特有パケットデータ(DATA))を示している。これに対して、斜線で示すパケットデータは、ビットエラーが発生したパケットデータ(予め記憶されている正しい特有パケットデータとは一致しない特有パケットデータ)を示している。
【0036】
この
図4(e)の例は、先に受信された3つのH状態の特有パケットデータのうち、1番目及び2番目の特有パケットデータは、正しく受信された特有パケットデータを示し、3番目の特有パケットデータは、ビットエラーが発生した特有パケットデータを示している。
【0037】
同様に、
図4(e)の例は、後に受信された3つのL状態の特有パケットデータのうち、1番目及び2番目の特有パケットデータは、ビットエラーが発生した特有パケットデータを示し、3番目の特有パケットデータは、正しく受信された特有パケットデータを示している。
【0038】
このような
図4(e)の例の場合、制御信号復元部16は、
図4(e)及び
図4(f)に示すように、3つのH状態の特有パケットデータのうち、最初に正しく受信されたH状態の特有パケットデータのタイミングでエッジが立ち上がり、最初に正しく受信されたL状態のパケットデータのタイミングでエッジが立ち下がる信号を形成することで、信号Aを復元する。なお、
図4(e)に斜線で示すビットエラーが発生したパケットデータは、無視する。
【0039】
換言すると、
図4(e)に示す1つ目のH状態のパケットデータは、正しい特有パケットデータであるため、制御信号復元部16は、復元するA信号をH状態とする。また、
図4(e)に示す2つ目の特有パケットデータも、正しい特有パケットデータであるため、制御信号復元部16は、復元したA信号のH状態として維持する。これに対して、
図4(e)に示す3つ目の特有パケットデータは、ビットエラーが生じているため、3つ目の特有パケットデータを無視して、2つ目の復元したA信号のH状態を維持する。
【0040】
次に、
図4(e)に示す1つ目のL状態のパケットデータは、ビットエラーが生じているため、1つ目のL状態のパケットデータを無視して、A信号のH状態を維持する。同様に、
図4(e)に示す2つ目のL状態のパケットデータも、ビットエラーを生じているため、2つ目のL状態のパケットデータを無視して、A信号のH状態を維持する。そして、
図4(e)に示す3つ目のL状態のパケットデータは、正しいパケットデータであるため、制御信号復元部16は、A信号をL状態とする。これにより、シリアル通信受信装置2において、シリアル通信送信装置1から送信された信号Aを、
図4(f)に示すように正確に復元できる。
【0041】
このように、第1の実施の形態のシリアル送受信装置は、送信する信号の立ち上がりエッジでH状態の複数のパケットデータを送信し、また、立ち下りエッジでL状態の複数のパケットデータを送信する。これにより、フィードバック方式のように、パケットデータを正確に受信できたか否かを示す情報をフィードバックすることなく、正確なデータの送受信を可能とすることができるため、レイテンシを大幅に短縮化することができる。また、ステップS12の比較処理に用いられるビットエラー判定用のデータは、後に説明する特有データフォーマットで生成されたデータであるため、誤検出も大幅に軽減できる。
【0042】
(多信号同時送信有無切り替えの送信動作)
以上の説明は、送受信する信号が例えば信号A~信号Dの4つの信号を同時に送信しない場合の送受信動作であった。これに対して、以下の説明は、例えば信号A~信号Dの各信号を1つずつ送信する「前後順位転送モード」及び供給順が同時の信号は同時に送信し、時間差で供給された信号は、その時間差の供給順に送信する「同時転送+前後順位転送モード」を切り替えて信号の送受信を行う送受信動作(多信号同時送信有無切り替え送信動作)の説明である。
【0043】
図7は、多信号同時送信有無切り替え送信動作における、入力信号の変化点の記録動作を説明するためのフローチャートである。この
図7のフローチャートにおいて、送信制御部4の送信判定部11は、入力信号の立ち上がりエッジを検出してH状態フラグを形成し、入力信号の立ち下がりエッジを検出してL状態フラグを形成するステップS21~ステップS24の動作(Y処理という)を、入力信号毎に行う。
図7において、複数のY処理が併記されているのは、このためである。この例の場合、送信判定部11は、信号A~信号Dの計4つの入力信号に対して、それぞれステップS21~ステップS24のY処理を施す。
【0044】
具体的には、送信判定部11は、信号A~信号Dのうち、いずれかの入力信号が供給されると、入力信号の値の変化点を検出する(ステップS21、ステップS22)。入力信号の値の変化点が立ち上がりエッジである場合(ステップS22:Yes)、送信判定部11は、H状態フラグを形成する(ステップS23)。また、入力信号の値の変化点が立ち下がりエッジである場合(ステップS22:No)、送信判定部11は、L状態フラグを形成する(ステップS24)。
【0045】
このように、信号A~信号Dの入力信号を並列にY処理することで、Y処理によるH状態フラグ又はL状態フラグが、入力信号の入力順に記憶部に供給される。このため、
図9(a)~
図9(d)の例に示すように、信号A及び信号Dが同時に入力された場合は、この信号A及び信号DのY処理によるH状態フラグ又はL状態フラグが、同時に記憶部(例えばFIFO)に供給されて記憶される。続いて、信号B,信号Cの順に、Y処理によるH状態フラグ又はL状態フラグが記憶部に供給されて記憶される。このような入力信号の変化点の記録動作は、ステップS26で、全信号の変化点の記録が終了したと判別されるまでの間、繰り返し行われる。
【0046】
次に、
図8は、多信号同時送信有無切り替え送信動作の流れを示すフローチャートである。この
図8のフローチャートにおいて、送信判定部11は、記憶部に該当信号情報が記憶されているか否かを判別する(ステップS27)。記憶部に該当信号情報が記憶されている場合(ステップS27:Yes)、送信判定部11は、各該当信号情報の読み出しを行う(ステップS28)。同時に、例えば3発の「送信パルス(DE)」をそれぞれ生成する(ステップS29)。
【0047】
ここで、パケット生成部12は、信号A~信号Dの各信号を1つずつ送信する「前後順位転送モード」及び供給順が同時の信号は同時に送信し、時間差で供給された信号は、その時間差の供給順に送信する「同時転送+前後順位転送モード」のうち、ユーザにより予め設定されている転送モードを判別する(ステップS30)。
【0048】
ユーザにより、「前後順位転送モード」が設定されている場合(ステップS30:No)、パケット生成部12は、
図9(e)及び
図9(f)に示すように、信号A、信号D、信号B及び信号Cの順に、立ち上りエッジ及び立ち下りエッジのタイミングで3つの同じ特有パケットデータ(DATA)を生成する(ステップS31)。
【0049】
パケット送信部13は、ステップS29で生成された3発の「送信パルス(DE)」をデータイネーブルとして用いて、信号A、信号D、信号B及び信号Cの順に、3つの同じ特有パケットデータ(DATA)を、シリアル送信部5を介してシリアル通信受信装置2に送信する(ステップS32)。これにより、各信号の特有パケットデータ(DATA)を、シリアル通信受信装置2に対して入力順に送信することができる。
【0050】
一方、
図9(h)に示すように、このような「前後順位転送モード」から、供給順が同時の信号は同時に送信し、時間差で供給された信号は、その時間差の供給順に送信する「同時転送+前後順位転送モード」に、ユーザにより切り替えられた場合(ステップS30:Yes)、処理は、ステップS33に進む。
【0051】
なお、「前後順位転送モード」及び「同時転送+前後順位転送モード」は、いずれか一方のモードに固定されていてもよいし、
図9(h)に示したように、ユーザの切り替え操作等により切り替えてもよい。
【0052】
ステップS33では、パケット生成部12は、
図9(e)及び
図9(f)に示すように、各信号A~Dの立ち上りエッジ及び立ち下りエッジのタイミングで3つの同じ特有パケットデータ(DATA)を生成する。この際、パケット生成部12は、同時刻に入力された信号A及び信号Dパケットデータの幅を、信号A及び信号Dのパケットデータの総和となる幅とする。
【0053】
この例の場合、シリアル通信送信装置4において、信号A及び信号Dを同じタイミングで取得している。このため、パケット送信部13は、
図9(f)及び
図9(g)に示すように、信号A及び信号Dの特有パケットデータを同時にシリアル通信受信装置7に送信する(ステップS34)。この後、パケット送信部13は、信号B、信号Cの順に、各信号の特有パケットデータをシリアル通信受信装置7に送信する(ステップS34)。これにより、上述のように、立ち上がりエッジ及び立ち下りエッジで、それぞれ3つの同じパケットデータが送信される送信形態で、各信号A~Dの特有パケットデータがシリアル通信受信装置7に送信される。
【0054】
シリアル通信受信装置7側では、
図6のフローチャートを用いて説明したように、各信号のH/L状態の特有データフォーマットのパケットデータ(DATA)と、受信した各特有パケットデータとを比較する。そして、両者が不一致の場合(ステップS12:No)、エラー通知を行う(ステップS14)。また、両者が一致する場合(ステップS12:Yes)、パケット比較部15は、制御信号復元部16に対して「該当信号フラグ(H状態フラグ及びL状態フラグ)」及び「値」を通知する。制御信号復元部16は、「該当信号フラグ」及び「値」に基づいて、受信信号の値を更新して保持する(ステップS13)。
【0055】
(特有パケットフォーマットに基づくパケット生成動作)
次に、シリアル通信送信装置4のパケット生成部12は、シリアル通信受信装置7に送信する特有パケットデータを生成する際に、以下に説明する特有パケットフォーマットに基づいて生成する。これにより、パケットデータの正確な送受信を可能としている。
【0056】
図10は、パケット生成部12で用いられる特有パケットフォーマットを示す図である。この例は、信号A、信号B、信号C及び信号Dを、例えば16bitのパケットデータとしてシリアル送信する例である。この場合、パケット生成部12は、
図10に示すように、信号A及び信号BのグループG1、及び、信号C及び信号DのグループG2の2つグループを形成する。
【0057】
次に、パケット生成部12は、各信号のパケットデータの同じビットに、G1及びG2から、それぞれ一つの信号を選択して、「0」と「1」の全ての組み合せを記入して他の信号の同じビットを空欄にする。
【0058】
具体的には、この
図10の例の場合、信号A及び信号Cの15ビット、14ビット、13ビット、12ビットの組み合わせは、それぞれ「00」、「01」、「10」、「11」となっている。また、信号A及び信号Dの11ビット、10ビット、9ビット、8ビットの組み合わせは、それぞれ「00」、「01」、「10」、「11」となっている。また、信号B及び信号Cの7ビット、6ビット、5ビット、4ビットの組み合わせは、それぞれ「00」、「01」、「10」、「11」となっている。また、信号B及び信号Dの3ビット、2ビット、1ビット、0ビットの組み合わせは、それぞれ「00」、「01」、「10」、「11」となっている。
【0059】
また、A信号の0ビット~7ビット、B信号の8ビット~15ビット、C信号の8ビット~11ビット及び0ビット~3ビット、D信号の12ビット~15ビット及び4ビット~7ビットは、それぞれ空欄となっている。
【0060】
次に、パケット生成部12は、
図11に示すように、15ビット~8ビットが「00110011」となっているA信号の全ての空欄(7ビット~0ビット)に対して、「0」を記入した第1のパケットデータ(A=0:A0)を形成する。また、パケット生成部12は、
図11に示すように、15ビット~8ビットが「00110011」となっているA信号の全ての空欄(7ビット~0ビット)に対して、「1」を記入した第1のパケットデータ(A=1:A1)を形成する。
【0061】
同様に、パケット生成部12は、
図11に示すように、7ビット~0ビットが「00110011」となっているB信号の全ての空欄(15ビット~8ビット)に対して、「0」を記入した第3のパケットデータ(B=0:B0)を形成する。また、パケット生成部12は、
図11に示すように、7ビット~0ビットが「00110011」となっているB信号の全ての空欄(15ビット~8ビット)に対して、「1」を記入した第4のパケットデータ(B=1:B1)を形成する。
【0062】
同様に、パケット生成部12は、
図11に示すように、15ビット~12ビット及び4ビット~7ビットが、それぞれ「0101」となっているC信号の全ての空欄(11ビット~8ビット及び3ビット~0ビット)に対して、「0」を記入した第5のパケットデータ(C=0:C0)を形成する。また、パケット生成部12は、
図11に示すように、15ビット~12ビット及び4ビット~7ビットが、それぞれ「0101」となっているC信号の全ての空欄(11ビット~8ビット及び3ビット~0ビット)に対して、「1」を記入した第6のパケットデータ(C=1:C1)を形成する。
【0063】
同様に、パケット生成部12は、
図11に示すように、11ビット~8ビット及び3ビット~0ビットが、それぞれ「0101」となっているD信号の全ての空欄(15ビット~12ビット及び7ビット~4ビット)に対して、「0」を記入した第7のパケットデータ(D=0:D0)を形成する。また、パケット生成部12は、
図11に示すように、11ビット~8ビット及び3ビット~0ビットが、それぞれ「0101」となっているD信号の全ての空欄(15ビット~12ビット及び7ビット~4ビット)に対して、「1」を記入した第8のパケットデータ(D=1:D1)を形成する。
【0064】
このような特有パケットフォーマットで各信号A~Dのパケットデータを形成することで、
図12に示すように、第1のパケットデータ(A0)~第8のパケットデータ(D1)の間で、少なくとも6ビットのデータが異なるように、各パケットデータを形成することができる。
【0065】
このような特有パケットフォーマットの場合、第1のパケットデータ(A0:A=0)以外の、
図11中、斜線で示す、
第2のパケットデータ(A1:A=1)の第7ビット~第0ボットの「1」、
第3のパケットデータ(B0:B=0)の第13ビット、第12ビット、第9ビット、第8ビットの「0」、第5ビット、第4ビット、第1ビット、第0ビットの「1」、
第4のパケットデータ(B1:B=1)の第15ビット、第14ビット、第11ビット、第10ビットの「1」、第5ビット、第4ビット、第1ビット、第0ビットの「1」、
第5のパケットデータ(C0:C=0)の第14ビット、第6ビット、第4ビットの「1」、第13ビット、第9ビット、第8ビットの「0」、
第6のパケットデータ(C1:C=1)の第14ビット、第11ビット、第10ビット、第6ビット、第3ビット~第0ビットの「1」、第13ビットの「0」、
第7のパケットデータ(D0:D=0)の第13ビット、第12ビット、第9ビットの「0」、第10ビット、第2ビット、第0ビットの「1」、
第8のパケットデータ(D1:D=1)の第15ビット、第10ビット、第7ビット~第4ビット、第2ビット、第0ビットの「1」、第9ビットの「0」、
が全て同時にビット化けを発生しない限り、第1のパケットデータ(A0:A=1)として誤検出されることはない。
【0066】
もし、第1のパケットデータ(A0:A=0)のパケットデータが、「0x0000(16進)」で、第1のパケットデータ(A1:A=1)のパケットデータが「0x0001」であり、第1のパケットデータをシリアル送信したとする。この際、第1のパケットデータの第0ビットにビットエラーを発生した場合、シリアル送受信装置7側で受信されたデータが「0x0001」となり、パケット受信部14は、第1のパケットデータ(A0:A=0)を第2のパケットデータ(A1:A=1)として誤検出する。
【0067】
もし、第1のパケットデータ(A0:A=0)が「0x0000」で、第1のパケットデータ(A1:A=1)が「0x0003」であるとする。この場合、第1のパケットデータ(A0:A=0)をシリアル送信することで第0ビット及び第1ビットに、同時にビットエラーが発生すると、ら、シリアル送受信装置7側で受信されたデータが「0x0003」となり、パケット受信部14は、第1のパケットデータ(A0:A=0)を第2のパケットデータ(A1:A=1)として誤検出する。
【0068】
この例から、各信号A~DのH状態及びL状態のパケットデータにおいて、異なるビット数が多いほど、ビットエラーによるパケットデータの誤検出を大幅に軽減できることが分かる。
【0069】
すなわち、信号A~信号DのH状態及びL状態を区別するには、4つの信号A~Dで8つのパケットデータが必要となる。8つのパケットデータ間で異なるビット数を多くすることで、受信されるパケットデータの誤検出を大幅に軽減できる。
【0070】
今日におけるシリアル通信において、上述の「異なるビット数」が4ビット以上存在すれば、そのパケットデータによるシリアル通信は、安全と言われている。上述のように、実施の形態のシリアル送受信装置は、各信号A~Dの第1のパケットデータ~第8のパケットデータ間で、少なくとも6ビットの「異なるビット数」を有している(
図12参照)。このため、シリアル通信送信装置4及びシリアル通信受信装置7の間で、特有パケットフォーマットに基づいて生成されたパケットデータを送受信することで、パケットデータの正確な送受信を可能とすることができる。
【0071】
(第1の実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、第1の実施の形態のシリアル送受信装置は、送信する信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジのタイミングで、H状態又はL状態の同じパケットデータを、複数(例えば3つ)生成し、受信側に送信する。これにより、フィードバック方式のような情報のフィードバックを不要とすることができ、レイテンシの発生を大幅に軽減できる。
【0072】
また、送信するデータ間で「異なるビット数」を4ビット以上とする特有パケットフォーマットに基づいてパケットデータを生成して送受信することで、パケットデータの正確な送受信を可能とすることができる。
【0073】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態のシリアル送受信装置の説明をする。上述の第1の実施の形態の説明は、パケット生成部12が、信号A~信号Dの4つの信号から、それぞれ16ビットのパケットデータを8つ生成する例であった。これに対して、第2の実施の形態のシリアル送受信装置は、パケット生成部12が、信号A~信号Dの4つの信号から、それぞれ8ビットのパケットデータを8つ生成する例である。なお、上述の第1の実施の形態と以下に説明する第2の実施の形態とでは、この点のみが異なる。このため、以下、両者の差異の説明のみ行い、重複説明は省略する。
【0074】
図13は、第2の実施の形態のシリアル送受信装置のパケット生成部12で特有パケットフォーマットに基づいて生成されるそれぞれ8ビットのパケットデータを示している。
【0075】
この第2の実施の形態の場合、パケット生成部12は、
図13に示すように、信号A及び信号BのグループG1、及び、信号C及び信号DのグループG2の2つグループを形成する。
【0076】
次に、パケット生成部12は、各信号のパケットデータの同じビットに、G1及びG2から、それぞれ一つの信号を選択して、「0」と「1」の相違の組み合せを記入して他の信号の同じビットを空欄にする。なお、「01」、「10」は相違の組み合わせで、「00」、「11」は一致の組み合わせである。
【0077】
具体的には、この
図13の例の場合、信号A及び信号Cの7ビット及び6ビット、の組み合わせは、それぞれ「01」、「10」となっている。また、信号A及び信号Dの5ビット及び4ビットの組み合わせは、それぞれ「01」、「10」となっている。また、信号B及び信号Cの3ビット及び2ビットの組み合わせは、それぞれ「01」、「10」となっている。また、信号B及び信号Dの1ビット及び0ビットの組み合わせは、それぞれ「01」、「10」となっている。
【0078】
また、A信号の0ビット~3ビット、B信号の7ビット~4ビット、C信号の5ビット、4ビット、1ビット及び0ビット、D信号の7ビット、6ビット、3ビット及び2ビットは、それぞれ空欄となっている。
【0079】
次に、パケット生成部12は、
図14に示すように、7ビット~4ビットが「0101」となっているA信号の全ての空欄(3ビット~0ビット)に対して、「0」を記入した第1のパケットデータ(A=0:A0)を形成する。また、パケット生成部12は、
図14に示すように、7ビット~4ビットが「0101」となっているA信号の全ての空欄(3ビット~0ビット)に対して、「1」を記入した第2のパケットデータ(A=1:A1)を形成する。
【0080】
同様に、パケット生成部12は、
図14に示すように、3ビット~0ビットが「0101」となっているB信号の全ての空欄(7ビット~4ビット)に対して、「0」を記入した第3のパケットデータ(B=0:B0)を形成する。また、パケット生成部12は、
図14に示すように、3ビット~0ビットが「0101」となっているB信号の全ての空欄(7ビット~4ビット)に対して、「1」を記入した第4のパケットデータ(B=1:B1)を形成する。
【0081】
同様に、パケット生成部12は、
図14に示すように、7ビット、6ビット、3ビット及び2ビットが、それぞれ「1010」となっているC信号の全ての空欄(5ビット、4ビット、1ビット、0ビット)に対して、「0」を記入した第5のパケットデータ(C=0:C0)を形成する。また、パケット生成部12は、
図14に示すように、7ビット、6ビット、3ビット及び2ビットが、それぞれ「1010」となっているC信号の全ての空欄(5ビット、4ビット、1ビット、0ビット)に対して、「1」を記入した第6のパケットデータ(C=1:C1)を形成する。
【0082】
同様に、パケット生成部12は、
図14に示すように、5ビット、4ビット、1ビット及び0ビットが、それぞれ「1010」となっているD信号の全ての空欄(7ビット、6ビット、3ビット、2ビット)に対して、「0」を記入した第6のパケットデータ(D=0:D0)を形成する。また、パケット生成部12は、
図14に示すように、5ビット、4ビット、1ビット及び0ビットが、それぞれ「1010」となっているD信号の全ての空欄(7ビット、6ビット、3ビット、2ビット)に対して、「1」を記入した第6のパケットデータ(D=1:D1)を形成する。
【0083】
このような特有パケットフォーマットで各信号A~Dのパケットデータを形成することで、
図15に示すように、第1のパケットデータ(A0)~第8のパケットデータ(D1)の間で、少なくとも4ビットのデータが異なるように、各パケットデータを形成することができる。
【0084】
このような第2の実施の形態のシリアル送受信装置は、それぞれ8ビットの8つのパケットデータを、各パケットデータ間で「異なるビット数」が4ビット以上となるように形成できる。このため、パケットデータを正確に送受信できる等、上述の第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0085】
この第2の実施の形態の場合、各信号のパケットデータのビット数が、上述の第1の実施の形態で説明した16ビットのパケットデータに対して1/2のビット数で形成できるため、パケットデータのデータ幅が短い時に使用して好適である。また、この第2の実施の形態のように、4つの信号A~Dのパケットデータをそれぞれ8ビットとするフォーマットを基本フォーマットとし、送信するパケットデータのデータ幅が8ビット未満の場合は、基本フォーマットで形成したパケットデータの一部のみ送受信してもよい。
【0086】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態のシリアル送受信装置の説明をする。この第3の実施の形態のシリアル送受信装置は、特有パケットフォーマットでそれぞれ16ビットの8つのパケットデータを生成することで、各パケットデータ間で、さらに多くの異なるビット数を実現可能とした例である。なお、上述の各実施の形態と以下に説明する第3の実施の形態とでは、この点のみが異なる。このため、以下、両者の差異の説明のみ行い、重複説明は省略する。
【0087】
図16は、パケット生成部12で用いられる特有パケットフォーマットを示す図である。この例は、信号A、信号B、信号C及び信号Dを、例えば16bitのパケットデータとしてシリアル送信する例である。この場合、パケット生成部12は、
図16に示すように、信号A及び信号BのグループG1、及び、信号C及び信号DのグループG2の2つグループを形成する。
【0088】
次に、パケット生成部12は、各信号のパケットデータの同じビットに、G1及びG2から、それぞれ一つの信号を選択して、「0」と「1」の相違の組み合せを2セットで記入して他の信号の同じビットを空欄にする。すなわち、
図13に示したデータフォーマットを2セット用いて、
図16のデータフォーマットを形成している。
【0089】
具体的には、この
図16の例の場合、信号A及び信号Cの15ビット、14ビット、13ビット、12ビットの組み合わせは、それぞれ「01」、「01」、「10」、「10」となっている。また、信号A及び信号Dの11ビット、10ビット、9ビット、8ビットの組み合わせは、それぞれ「01」、「01」、「10」、「10」となっている。また、信号B及び信号Cの7ビット、6ビット、5ビット、4ビットの組み合わせは、それぞれ「01」、「01」、「10」、「10」となっている。また、信号B及び信号Dの3ビット、2ビット、1ビット、0ビットの組み合わせは、それぞれ「01」、「01」、「10」、「10」となっている。
【0090】
また、A信号の0ビット~7ビット、B信号の8ビット~15ビット、C信号の8ビット~11ビット及び0ビット~3ビット、D信号の12ビット~15ビット及び4ビット~7ビットは、それぞれ空欄となっている。
【0091】
次に、パケット生成部12は、
図17に示すように、15ビット~8ビットが「00110011」となっているA信号の全ての空欄(7ビット~0ビット)に対して、「0」を記入した第1のパケットデータ(A=0:A0)を形成する。また、パケット生成部12は、
図17に示すように、15ビット~8ビットが「00110011」となっているA信号の全ての空欄(7ビット~0ビット)に対して、「1」を記入した第1のパケットデータ(A=1:A1)を形成する。
【0092】
同様に、パケット生成部12は、
図17に示すように、7ビット~0ビットが「00110011」となっているB信号の全ての空欄(15ビット~8ビット)に対して、「0」を記入した第3のパケットデータ(B=0:B0)を形成する。また、パケット生成部12は、
図17に示すように、7ビット~0ビットが「00110011」となっているB信号の全ての空欄(15ビット~8ビット)に対して、「1」を記入した第4のパケットデータ(B=1:B1)を形成する。
【0093】
同様に、パケット生成部12は、
図17示すように、15ビット~12ビット及び4ビット~7ビットが、それぞれ「1100」となっているC信号の全ての空欄(11ビット~8ビット及び3ビット~0ビット)に対して、「0」を記入した第5のパケットデータ(C=0:C0)を形成する。また、パケット生成部12は、
図17に示すように、15ビット~12ビット及び4ビット~7ビットが、それぞれ「1100」となっているC信号の全ての空欄(11ビット~8ビット及び3ビット~0ビット)に対して、「1」を記入した第6のパケットデータ(C=1:C1)を形成する。
【0094】
同様に、パケット生成部12は、
図17に示すように、11ビット~8ビット及び3ビット~0ビットが、それぞれ「1100」となっているD信号の全ての空欄(15ビット~12ビット及び7ビット~4ビット)に対して、「0」を記入した第7のパケットデータ(D=0:D0)を形成する。また、パケット生成部12は、
図17に示すように、11ビット~8ビット及び3ビット~0ビットが、それぞれ「1100」となっているD信号の全ての空欄(15ビット~12ビット及び7ビット~4ビット)に対して、「1」を記入した第8のパケットデータ(D=1:D1)を形成する。
【0095】
このような特有パケットフォーマットで各信号A~Dのパケットデータを形成することで、
図18に示すように、第1のパケットデータ(A0)~第8のパケットデータ(D1)の間で、少なくとも8ビットのデータが異なるように、各パケットデータを形成することができる。
【0096】
各パケットデータ間で異なるビット数は、第1の実施の形態の場合が少なくとも「6つ」であるのに対し、この第3の実施の形態の場合、少なくとも「8つ」となる。このため、第3の実施の形態の場合、第1の実施の形態に比べて、より正確にパケットデータの送受信を可能とすることができる他、上述の各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0097】
(機器への適用例)
次に、このような第1~第3の実施の形態のシリアル送受信装置の機器に対する適用例を説明する。第1~第3の実施の形態のシリアル送受信装置は、一つの機器内の各部間のシリアル通信に適用できる他、ケーブル又はネットワークを介して行われる各機器間のシリアル通信にも適用できる。
【0098】
(MFPの外観構成)
一例であるが、
図19は、第1~第3の実施の形態のシリアル送受信装置を適用した複合機(MFP:Multi-Function Peripheral)9の斜視図である。この
図19に示すように、MFP9は、原稿をスキャナ部に自動搬送する自動搬送装置(ADF)101、入力操作を行うための操作部102、コピーする原稿の読み取りを行うスキャナ103及びコピーした画像を印刷して出力するプリンタ105を有している。また、このMFP9は、用紙を収納する用紙トレイ106、MFP9全体の動作を制御する第1の制御部107、及び、ユーザが一定以上MFP9に接近した際に感知する人感センサ108を有している。
【0099】
また、この
図19の例の場合、MFP9は、例えばインターネット又はLAN(Local Area Network)等のネットワーク200を介してパーソナルコンピュータ装置(PC)300等の外部機器に接続されている。第1~第3の実施の形態のシリアル送受信装置は、MFP9及びパーソナルコンピュータ装置300間のシリアル通信に適用することができる。なお、パーソナルコンピュータ装置以外であっても、シリアル通信可能な機器であれば、どのような機器でもよい。
【0100】
(MFPのハードウェア構成)
図20は、MFP9のハードウェア構成を示す図である。この
図20に示すように、MFP9は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作部940、ネットワークI/F950を備えている。
【0101】
一例ではあるが、第1~第3の実施の形態のシリアル送受信装置は、コントローラ910及びエンジン制御部930の間等のシリアル通信に用いることができる。
【0102】
コントローラ910は、CPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、ローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、HDD909を有している。NB903とASIC906との間は、AGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続されている。
【0103】
CPU901は、MFP9の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジである。NB903は、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0104】
MEM-P902は、メモリコントローラの各機能を実現させるプログラム又はデータの格納用メモリであるROM902a、プログラム又はデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリ等に用いられるRAM902bを有する。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。
【0105】
ROM902aには、上述の第1~第3の実施の形態のシリアル送受信装置を実現するための通信プログラムが記憶されている。CPU901は、この通信プログラムに基づいて、
図1に示す送信判定部11~パケット送信部13として機能し、上述のように特有パケットフォーマットでパケットデータを生成し、シリアル通信を行う。
【0106】
また、このパケットデータを受信する機器のCPU、又は、MFP9内の受信部は、
図1に示すパケット受信部14~制御信号復元部16として機能し、予め記憶されている特有パケットフォーマットで形成された正しいパケットデータと、受信したパケットデータとを比較する。そして、受信されたパケットデータのうち、正しいパケットデータを用いて、信号の復元を行う。
【0107】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス922、HDDコントローラ908及びMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。
【0108】
このASIC906は、PCIターゲット及びAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)及びMEM-C907を制御するメモリコントローラを有する。また、ASIC906は、ハードウェアロジック等により画像の回転等を行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットを有する。なお、ASIC906には、USBインタフェース又はIEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインタフェースを接続してもよい。
【0109】
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HDD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HDD909は、CPU901の制御にしたがってHDD909に対するデータの書き込み及び読み出しを制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースである。AGPバス921は、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることで。グラフィックスアクセラレータカードを高速化できる。
【0110】
近距離通信回路920には、近距離通信回路920を有している。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。更に、エンジン制御部930は、画像形成部の一例となるスキャナ部931及びプリンタ部932を有している。
【0111】
操作部940は、現在の設定値又は選択画面等を表示し、操作者からの接触入力を受け付ける抵抗膜方式の操作画面を備えたタッチパネル装置940aを有している。また、操作部940は、濃度の設定条件等の画像形成に関する条件の設定値の入力を行うためのテンキー及びコピー開始を指示するためのスタートキー等のハードウェアキー940bを有している。
【0112】
コントローラ910は、MFP9全体の制御を行い、例えば描画制御、通信制御、操作部940からの入力処理等を行う。スキャナ部931又はプリンタ部932は、誤差拡散処理及びガンマ変換処理等の画像処理機能を有している。
【0113】
なお、MFP9は、操作部940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、及びファクシミリ機能を順次に切り替えて実行可能となっている。MFP9は、ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなる。また、MFP9は、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0114】
ネットワークI/F950は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0115】
最後に、上述の各実施の形態は、一例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な各実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことも可能である。このような各実施の形態及び各実施の形態の変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0116】
1 シリアル通信送信装置
2 シリアル通信受信装置
3 シリアル通信ケーブル
4 送信制御部
5 シリアル送信部
6 シリアル受信部
7 受信制御部
9 MFP
11 送信判定部
12 パケット生成部
13 パケット送信部
14 パケット受信部
15 パケット比較部
16 制御信号復元部
901 CPU
902 MEM-P
902a ROM
930 エンジン制御部
932 プリンタ部
931 スキャナ部
940 操作部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0117】