IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

<>
  • 特許-操作パネル、及び、画像形成装置 図1
  • 特許-操作パネル、及び、画像形成装置 図2
  • 特許-操作パネル、及び、画像形成装置 図3
  • 特許-操作パネル、及び、画像形成装置 図4
  • 特許-操作パネル、及び、画像形成装置 図5
  • 特許-操作パネル、及び、画像形成装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】操作パネル、及び、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20241016BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20241016BHJP
   H05K 5/06 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
G06F3/041 662
B41J29/00 T
H05K5/06 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020133732
(22)【出願日】2020-08-06
(65)【公開番号】P2022030026
(43)【公開日】2022-02-18
【審査請求日】2023-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】石光 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】小田中 聡
(72)【発明者】
【氏名】小島 玲央
(72)【発明者】
【氏名】小川 隆
【審査官】遠藤 孝徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-173955(JP,A)
【文献】特開2012-243261(JP,A)
【文献】特開2000-222128(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0077822(KR,A)
【文献】特開2002-222052(JP,A)
【文献】特許第3844802(JP,B2)
【文献】特許第4412383(JP,B2)
【文献】特開2012-164824(JP,A)
【文献】特許第5374351(JP,B2)
【文献】特許第5719196(JP,B2)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0041073(KR,A)
【文献】特許第5715862(JP,B2)
【文献】特開平9-161602(JP,A)
【文献】特許第5202578(JP,B2)
【文献】特開2019-133051(JP,A)
【文献】特許第5809080(JP,B2)
【文献】特開2014-164674(JP,A)
【文献】特許第6006097(JP,B2)
【文献】特許第6277891(JP,B2)
【文献】特開平8-221197(JP,A)
【文献】特開2000-249596(JP,A)
【文献】特許第4272712(JP,B2)
【文献】特開2011-215867(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041 - 3/047
B41J 29/00 - 29/70
H05K 5/00 - 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作パネルであって、
操作者が操作可能に当該操作パネルの前面に設置されたタッチパネルと、
前記タッチパネルの背面に対向するように設置された液晶パネルと、
前記タッチパネルの前面を除く部分と前記液晶パネルとを覆うように形成されるとともに、前記タッチパネルと前記液晶パネルとを保持する外装カバーと、
粘性と弾性とを有して、前記タッチパネルと前記液晶パネルとの間にも前記タッチパネルと前記外装カバーとの間にも介在されることなく、前記液晶パネルが前記外装カバーに装着された状態で前記液晶パネルの側面と前記外装カバーとの隙間に全周にわたって充填されるシーリング材と、
を備え、
前記外装カバーは、前記タッチパネルの背面における縁部に接触して前記タッチパネルを保持する保持部を具備し、
前記保持部は、前記シーリング材が前記外装カバーに接触する位置よりも前記液晶パネルの側面に近づく方向に突出するように形成された突出部を具備し、
前記突出部と前記液晶パネルの側面との隙間が、前記シーリング材が前記外装カバーに接触する位置と前記液晶パネルの側面との距離に比べて小さいことを特徴とする操作パネル。
【請求項2】
前記タッチパネルは、両面テープを介して前記保持部に保持されたことを特徴とする請求項1に記載の操作パネル。
【請求項3】
前記液晶パネルを支持する支持部材を備え、
前記液晶パネルは、前記支持部材を介して前記外装カバーに保持されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の操作パネル。
【請求項4】
前記外装カバーは、前記タッチパネルの前記前面の全面が露出するように前記タッチパネルを保持することを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の操作パネル。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれかに記載の操作パネルを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、タッチパネルと液晶パネルとを具備した操作パネルと、それを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機や印刷機等の画像形成装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機等の画像形成装置に設置された操作パネルにおいて、前面にタッチパネルが配置されて、タッチパネルの背面に対向するように液晶パネルが内部に配置されたものが広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
一方、特許文献1には、操作パネルの部品点数や組立工数を削減することを目的として、タッチパネルの前面の縁部を覆う外装カバーと、表示パネルのパネル面の縁部と、の間に、タッチパネルを支持する支持部材として機能する弾性体を設ける技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の操作パネルは、タッチパネルと液晶パネルとの間に塵などの異物が入り込んでしまって、操作パネルを用いた操作に支障が生じてしまうことがあった。
このような不具合を解決するために、タッチパネルと液晶パネルとの隙間を封止するようにスポンジなどからなるシール材を貼着する方策が考えられる。しかし、その場合、タッチパネルが、シール材から弾性力を受けて、操作パネルから浮き上がってしまう不具合などが生じてしまう可能性があった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、タッチパネルの浮き上がりが生じることなく、タッチパネルと液晶パネルとの間に異物が入り込んでしまう不具合が軽減される、操作パネル、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明における操作パネルは、操作パネルであって、操作者が操作可能に当該操作パネルの前面に設置されたタッチパネルと、前記タッチパネルの背面に対向するように設置された液晶パネルと、前記タッチパネルの前面を除く部分と前記液晶パネルとを覆うように形成されるとともに、前記タッチパネルと前記液晶パネルとを保持する外装カバーと、粘性と弾性とを有して、前記タッチパネルと前記液晶パネルとの間にも前記タッチパネルと前記外装カバーとの間にも介在されることなく、前記液晶パネルが前記外装カバーに装着された状態で前記液晶パネルの側面と前記外装カバーとの隙間に全周にわたって充填されるシーリング材と、を備え、前記外装カバーは、前記タッチパネルの背面における縁部に接触して前記タッチパネルを保持する保持部を具備し、前記保持部は、前記シーリング材が前記外装カバーに接触する位置よりも前記液晶パネルの側面に近づく方向に突出するように形成された突出部を具備し、前記突出部と前記液晶パネルの側面との隙間が、前記シーリング材が前記外装カバーに接触する位置と前記液晶パネルの側面との距離に比べて小さいものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、タッチパネルの浮き上がりが生じることなく、タッチパネルと液晶パネルとの間に異物が入り込んでしまう不具合が軽減される、操作パネル、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
図2】画像形成装置の外観を示す斜視図である。
図3】操作パネルの外観を示す斜視図である。
図4】操作パネルを示す分解斜視図である。
図5】操作パネルの要部を示す概略断面図である。
図6】比較例としての、操作パネルの要部を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
まず、画像形成装置における全体の構成・動作について説明する。
図1及び図2において、1は画像形成装置としてのカラー複写機、3は原稿セット部3a(原稿台)にセットされた原稿を画像読取部4に搬送して原稿排出部3bに排出する原稿搬送部、を示す。
また、4は原稿の画像情報を読み取る画像読取部(スキャナ)、5は画像が形成された後のシートPが画像形成装置本体1から排紙されて排紙面5a上に載置(スタック)される胴内排紙部(胴内開放部)、6は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部(露光部)、を示す。
また、7は用紙等のシートPが収納される給紙部(給紙カセット)、10Y、10M、10C、10BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、18は中間転写ベルト17上に形成されたトナー像をシートPに転写する2次転写ローラ、を示す。
また、20はシートP上の未定着画像を定着する定着部、28は各作像部10Y、10M、10C、10BKの現像部に各色のトナーを補給するためのトナー容器、30は印刷動作(画像形成動作)に関わる情報が表示されたり操作をおこなったりするための操作パネル、を示す。
【0011】
図1に示すように、画像形成装置本体1の内部において、4つの作像部10Y、10M、10C、10BKは、中間転写ベルト17に対向するように並設されている。また、中間転写ベルト17は、駆動機構によって、所定方向(図1の矢印方向であって、反時計方向である。)に走行するように構成されている。
また、胴内排紙部5は、画像形成装置本体1において少なくとも前面の一部が開口するように形成されていて、画像形成装置本体1から排紙されたシートPが載置されるものである。胴内排紙部5の下方には、作像部10Y、10M、10C、10BKや、中間転写ベルト17や、書込み部6や、給紙部7や、定着部20、などからなる、公知の画像形成部が設けられている。また、胴内排紙部5の上方には、公知の画像読取部4や原稿搬送部3が設けられている。
【0012】
以下、図1を参照して、画像形成装置1における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿セット部3a(原稿台)にセットされた原稿は、給送ローラによって原稿搬送部3の内部に送入されると、搬送ローラによって搬送されて、画像読取部4のコンタクトガラス上に載置される。そして、画像読取部4で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
詳しくは、画像読取部4は、コンタクトガラス上の原稿の画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿にて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿のカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
その後、画像読取部4の位置で画像情報が読み取られた後の原稿は、搬送ローラによって搬送されて、原稿搬送部3の排出口から排出されて、原稿排出部3bの排出面上に載置(スタック)される。
【0013】
一方、画像読取部4で読み取られたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部6に送信される。そして、書込み部6からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光(露光光)が、それぞれ、対応する作像部10Y、10M、10C、10BKの感光体ドラム11上に向けて照射される。
【0014】
一方、各作像部10Y、10M、10C、10Bの感光体ドラム11は、それぞれ、図1の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム11の表面は、帯電ローラとの対向位置で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム11上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム11の表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する。
書込み部6において、光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応して射出される。レーザ光は、ポリゴンミラーに入射して反射した後に、複数のレンズを透過する。複数のレンズを透過した後のレーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
【0015】
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目の作像部10Yの感光体ドラム11の表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム11の回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電ローラにて帯電された後の感光体ドラム11上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
【0016】
同様に、マゼンタ成分のレーザ光は、紙面左から2番目の作像部10Mの感光体ドラム11の表面に照射されて、マゼンタ成分の静電潜像が形成される。シアンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から3番目の作像部10Cの感光体ドラム11の表面に照射されて、シアン成分に対応した静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目の作像部10BKの感光体ドラム11の表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
【0017】
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11の表面は、それぞれ、現像部との対向位置に達する。そして、各現像部から感光体ドラム11上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11上の潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11の表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように1次転写ローラ14が設置されている。そして、1次転写ローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
【0018】
そして、1次転写工程後の感光体ドラム11の表面は、それぞれ、クリーニング部との対向位置に達する。そして、クリーニング部で、感光体ドラム11上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。
その後、感光体ドラム11の表面は、除電部の位置を通過して、感光体ドラム11における一連の作像プロセスが終了する。
【0019】
他方、感光体ドラム11上の各色の画像が重ねて転写された中間転写ベルト17の表面は、図中の矢印方向に走行して、2次転写ローラ18の位置に達する。そして、2次転写ローラ18の位置で、シートP上に中間転写ベルト17上のフルカラーの画像が2次転写される(2次転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト17の表面は、中間転写ベルトクリーニング部の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上の未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部に回収されて、中間転写ベルト17上の一連の転写プロセスが完了する。
【0020】
ここで、2次転写ローラ18位置に搬送されるシートPは、給紙部7から搬送ガイド、レジストローラ19等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、シートPを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送されたシートPが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ19(タイミングローラ)に導かれる。レジストローラ19に達したシートPは、中間転写ベルト17上のトナー像とタイミングを合わせて、2次転写ローラ18の位置に向けて搬送される。
【0021】
その後、フルカラー画像が転写されたシートPは、定着部20に導かれる。定着部20では、定着ローラと加圧ローラとのニップにて、カラー画像がシートP上に定着される。
そして、定着工程後のシートPは、排紙ローラ29によって装置外に出力画像として排出された後に、胴内排紙部5の排紙面5a上にスタックされて、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0022】
以下、本実施の形態における画像形成装置1に設置された操作パネル30の、特徴的な構成・動作について詳述する。
図1図2に示すように、画像形成装置1の前面(操作者が通常の操作をおこなうときの正面である。)には、ユーザーなどの操作者が印刷動作(画像形成動作)に関わる種々の操作をおこなったり、印刷動作に関わる情報が表示されたりするための操作パネル30が設置されている。
詳しくは、操作パネル30は、操作者がタッチパネル32(操作面32b)を任意の角度で視認できるように(操作パネル30の角度を可変できるように)、チルト機構によって画像形成装置1に設置されている。本実施の形態において、操作パネル30は、画像形成装置1の上部(胴内排紙部5の上方の画像読取部4の前面である。)に設置されている。
【0023】
また、図3を参照して、本実施の形態における操作パネル30は、タッチパネル32の前面の縁部をカバーで覆わない「フルフラット構造」のものとなっている。
具体的に、操作パネル30は、近年のスマートフォンなどに代表されるように、タッチパネル32の表示エリアの端部も、ユーザー(操作者)が容易に操作できるように、タッチパネル32の操作面32bの領域外である額縁面32aにもプリントが施されている。このようなフルフラット構造の操作パネル30では、タッチパネル32の前面における全面(操作面32b及び額縁面32a)が外部に露出している。そのため、タッチパネル32は、後述するように、その背面が両面テープ40(図5参照)を介して操作パネル30(ブラケット35)に保持されている。
【0024】
ここで、図4に示すように、操作パネル30は、タッチパネル32、外装カバーとしての前カバー31、液晶パネル33(液晶パネルユニット)、PCB34(基板)、支持部材としてのブラケット35、後カバー36、ヒンジ37、背面カバー38などが、積層されるように組付けられて構成されたものである。
【0025】
詳しくは、タッチパネル32は、ユーザーなどの操作者が操作可能に操作パネル30の前面(最前面)に設置されている。
タッチパネル32は、外装カバーとしての前カバー31に、両面テープ40(図5参照)を介して貼着(固定)されている。
【0026】
液晶パネル33は、タッチパネル32の背面に対向するように設置されている。
具体的に、液晶パネル33は、薄型・軽量化されていて単体では取り付けが困難なLCD(液晶パネル本体)を固定フレームに嵌め込んでユニット化したものである。液晶パネル33の背面には、電気信号のやり取りなどをおこなうためのPCB34が設置されている。そして、液晶パネル33は、PCB34とともに、支持部材としてのブラケット35に支持されている。そして、液晶パネル33(及び、PCB34)は、ブラケット35を介して、前カバー31(外装カバー)に保持されている。なお、ブラケット35は、固定ネジ39(図5参照)によって前カバー31にネジ締結されている。
【0027】
支持部材としてのブラケット35は、上述したチルト機構を可能とするためのヒンジ37が取り付けられる。
そして、タッチパネル32、液晶パネル33、PCB34、ブラケット35(ヒンジ37が設置されている。)を覆うように保持した前カバー31の後方に後カバー36が嵌合されて、その背面を覆うように背面カバー38が嵌合される。こうして、図3に示すような操作パネル30が組付けられることになる。
なお、本実施の形態において、前カバー31、後カバー36、背面カバー38は、いずれも樹脂材料で形成されていて、これらの部材によってタッチパネル32の前面とヒンジ37とを除く部分が覆われることになる。さらに換言すると、前カバー31と後カバー36と背面カバー38とが、操作パネル30の外装カバーとして機能していることになる。
【0028】
ここで、先に図4を用いて説明したように、外装カバーとしての前カバー31は、タッチパネル32と液晶パネル33とを保持するように構成されている。また、前カバー31(外装カバー)は、タッチパネル32の前面を除く部分と液晶パネル33とを覆うように形成されている。
特に、本実施の形態において、液晶パネル33は、図5に示すように、ブラケット35(液晶パネル33を支持する支持部材である。)を介して前カバー31(外装カバー)に保持されている。
【0029】
また、本実施の形態において、前カバー31(外装カバー)は、タッチパネル32の前面の全面が露出するように、タッチパネル32を保持している。
具体的に、前カバー31(外装カバー)は、図5に示すように、タッチパネル32の背面における縁部に接触(面接触)してタッチパネル32を保持する保持部31aが設けられている。そして、タッチパネル32は、両面テープ40を介して保持部31aに保持されている。
【0030】
ここで、図5に示すように、本実施の形態における操作パネル30には、液晶パネル33の側面と前カバー31(外装カバー)との隙間を封止する封止部材としてのシーリング材41が設けられている。
詳しくは、封止部材としてのシーリング材41は、操作パネル30の組付け工程において、液晶パネル33の側面と前カバー31との隙間に充填されるものである。具体的に、液晶パネル33が設置されたブラケット35が前カバー31に装着された状態(タッチパネル32が装着される前の状態である。)で、液晶パネル33の側面と前カバー31との隙間にシーリング材41が充填される。このようなシーリング材41としては、防塵性、防水性に優れるシリコンシーラントなどを用いることができる。
【0031】
このように、本実施の形態では、液晶パネル33の側面と前カバー31との隙間をシーリング材41(封止部材)で埋めているため、タッチパネル32と液晶パネル33との間に塵などの異物が入り込んでしまって、操作パネル30を用いた操作に支障が生じてしまう不具合が生じにくくなる。
また、シーリング材41は、液晶パネル33の側面と前カバー31との隙間に設けられているため、図6に示す操作パネル130のようにタッチパネル32と液晶パネル33との隙間を封止するようにスポンジなどからなるシール材132を貼着する場合に比べて、タッチパネル32が操作パネル30から浮き上がってしまう不具合が生じにくくなる。すなわち、図6に比較例として示す操作パネル130は、タッチパネル32が、シール材132から弾性力(シール性を確保するために弾性変形した状態で組付けられることによる反発力である。)を受けて、上方に浮き上がってしまう不具合や、変形してしまう不具合などが生じやすい。特に、「フルフラット構造」の操作パネルは、前カバー31によってタッチパネル32の前面を覆うように(保持するように)構成されていないため、このようなタッチパネル32の浮き上がりが生じやすい。
これに対して、本実施の形態では、シーリング材41が液晶パネル33の側面と前カバー31との隙間に設けられているため、そのような不具合が生じにくくなる。
【0032】
また、本実施の形態では、液晶パネル33の側面と前カバー31との隙間とを封止する封止部材として、発泡ポリウレタンなどのスポンジ材(両面テープなどで貼着するもの。)ではなくて、隙間に充填可能なシーリング材41を用いている。
これは、本実施の形態における操作パネル30は、小型化・省サイズ化のため、液晶パネル33の側面と前カバー31との隙間が狭くて、スポンジ材のようにある程度厚みのある部材を貼着することが困難であるためである。
また、シーリング材41は、ロボットによって操作パネル30を自動組付けする場合であっても、予め設定した充填量を一定のスピードで隙間に充填することができる。そのため、隙間が狭くても、液晶パネル33の側面と前カバー31との隙間を全周にわたって均一に充填することができる。
【0033】
ここで、図5を参照して、本実施の形態における操作パネル30は、前カバー31の保持部31aが、シーリング材41(封止部材)が前カバー31に接触する位置よりも液晶パネル33の側面に近づく方向(図5の左方である。)に突出するように形成されている。
換言すると、シーリング材41とタッチパネル32との間には、図5の左方に壁のように突出する突出部31bが形成されている。
このように前カバー31に突出部31b(壁部)を設けることで、シーリング材41がタッチパネル32の側に流れ込む不具合を軽減することができる。タッチパネル32と液晶パネル33との隙間(1mm程度である。)は狭いため、同じように機能する壁部を単独で設けることは難しいが、保持部31aの一部を突出部31b(壁部)として機能させることで、操作パネル30を大型化することなく上述した不具合を軽減することができる。
なお、突出部31bと液晶パネル33の側面とには僅かな隙間が存在するが、その隙間は、シーリング材41が前カバー31に接触する位置と液晶パネル33の側面との距離に比べて非常に小さく、シーリング材41は粘性や弾性を有するため、その非常に小さな隙間からシーリング材41が漏れ出ることはない。
【0034】
以上説明したように、本実施の形態における操作パネル30は、操作者が操作可能に操作パネル30の前面に設置されたタッチパネル32と、タッチパネル32の背面に対向するように設置された液晶パネルと33と、が設けられている。また、タッチパネル32の前面を除く部分と液晶パネル33とを覆うように形成されるとともに、タッチパネル32と液晶パネル33とを保持する前カバー31(外装カバー)が設けられている。さらに、液晶パネル33の側面と前カバー31との隙間を封止するシーリング材41(封止部材)が設けられている。
これにより、タッチパネル32の浮き上がりが生じることなく、タッチパネル32と液晶パネル33との間に異物が入り込んでしまう不具合が軽減される。
【0035】
なお、本実施の形態では、カラーの画像形成装置1に設置される操作パネル30に対して本発明を適用したが、カラーの画像形成装置に設置される操作パネルに対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、電子写真方式の画像形成装置1に設置される操作パネル30に対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、その他の方式の画像形成装置(例えば、インクジェット方式の画像形成装置や、孔版印刷機などである。)に設置される操作パネルに対しても当然に本発明を適用することができる。
さらには、画像形成装置1に設置される操作パネル30ではなく、画像形成装置1とは異なる機器に設置される操作パネルや、単独の装置としての操作パネル(例えば、スマートフォンやタブレット端末などである。)に対しても、本発明を適用することができる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0036】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0037】
1 画像形成装置(画像形成装置本体)、
30 操作パネル、
31 前カバー(外装カバー)、
31a 保持部、
31b 突出部、
32 タッチパネル、
32a 額縁面、 32b 操作面、
33 液晶パネル、
34 PCB(基板)、
35 ブラケット(支持部材)、
36 後カバー、
37 ヒンジ、
38 背面カバー、
39 固定ネジ、
40 両面テープ、
41 シーリング材(封止部材)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0038】
【文献】特開2014-164674号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6