(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】ガラス基体ユニット、カバーガラス組立体、及び、車載表示装置
(51)【国際特許分類】
C03C 15/00 20060101AFI20241016BHJP
C03C 19/00 20060101ALI20241016BHJP
C03C 21/00 20060101ALI20241016BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20241016BHJP
B60K 35/00 20240101ALI20241016BHJP
【FI】
C03C15/00 D
C03C19/00 Z
C03C21/00 101
G09F9/00 362
G09F9/00 313
G09F9/00 312
G09F9/00 302
G09F9/00 342
B60K35/00
(21)【出願番号】P 2021543700
(86)(22)【出願日】2020-08-21
(86)【国際出願番号】 JP2020031661
(87)【国際公開番号】W WO2021044877
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-02-07
(31)【優先権主張番号】P 2019160236
(32)【優先日】2019-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】AGC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100168985
【氏名又は名称】蜂谷 浩久
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【氏名又は名称】三橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】鹿島 出
(72)【発明者】
【氏名】藤原 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】三代 均
【審査官】有田 恭子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-026519(JP,A)
【文献】特開2017-048090(JP,A)
【文献】特開2001-142194(JP,A)
【文献】国際公開第2018/116981(WO,A1)
【文献】特開2017-001940(JP,A)
【文献】特開2016-145968(JP,A)
【文献】特開2018-097632(JP,A)
【文献】国際公開第2013/128769(WO,A1)
【文献】特開2015-099171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 15/00-23/00
G09F 9/00
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス基体と、前記ガラス基体を変形させるガラス変形機器と、を有し、
前記ガラス基体は、
第1主面、及び、前記第1主面に対向する第2主面を有する薄板部と、
前記薄板部の板厚よりも大きい板厚を有し、且つ、第1主面、及び、前記第1主面に対向する第2主面を有する厚板部と、を備え、
前記ガラス変形機器は、
外力を付与するアクチュエータによって構成されており、前記外力により前記薄板部及び前記厚板部のうちの一方を動かすことにより前記ガラス基体を変形させる、ガラス基体ユニット。
【請求項2】
前記ガラス基体の形状は、前記薄板部が平板状に延びている第1形状と、前記薄板部が弾性変形している第2形状との間で切り替え自在である、請求項1に記載のガラス基体ユニット。
【請求項3】
前記第2形状は、前記薄板部が凹状に弾性変形している形状である、請求項2に記載のガラス基体ユニット。
【請求項4】
前記薄板部の第1主面には表示パネルが取り付けられており、
前記ガラス変形機器は、前記表示パネルとともに前記薄板部を動かす、請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス基体ユニット。
【請求項5】
前記ガラス基体は、前記薄板部の第1主面と前記厚板部の第1主面とを接続する第1接続面、及び、前記薄板部の第2主面と前記厚板部の第2主面とを接続する第2接続面を有する接続部をさらに備え、
前記ガラス基体が変形する際の起点は、前記接続部、又は、前記接続部よりも前記薄板部側にあり、
前記第1接続面は、円弧状の湾曲面であり、
前記第1接続面の曲率半径が、400μm以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載のガラス基体ユニット。
【請求項6】
前記ガラス基体は、前記薄板部の第1主面と前記厚板部の第1主面とを接続する第1接続面、及び、前記薄板部の第2主面と前記厚板部の第2主面とを接続する第2接続面を有する接続部をさらに備え、
前記ガラス基体が変形する際の起点は、前記接続部、又は、前記接続部よりも前記薄板部側にあり、
前記接続部における最も薄い箇所の板厚が、前記薄板部の板厚よりも小さい、請求項1~4のいずれか1項に記載のガラス基体ユニット。
【請求項7】
前記接続部における最も薄い箇所の板厚が、0.5mm以下である、請求項6に記載のガラス基体ユニット。
【請求項8】
前記接続部がオーバーハング部を有する、請求項5~7のいずれか1項に記載のガラス基体ユニット。
【請求項9】
前記ガラス基体は、前記薄板部の第1主面と前記厚板部の第1主面とを接続する第1接続面、及び、前記薄板部の第2主面と前記厚板部の第2主面とを接続する第2接続面を有する接続部をさらに備え、
前記ガラス基体が変形する際の起点は、前記接続部、又は、前記接続部よりも前記薄板部側にあり、
前記第1接続面は、前記薄板部の第1主面と隣接する第1隣接面と、前記厚板部の第1主面と隣接する第2隣接面と、を有し、
前記第1隣接面及び前記第2隣接面は、いずれも円弧状の湾曲面であり、互いに連結してS字状に曲がった前記第1接続面を構成している、請求項1~4のいずれか一項に記載のガラス基体ユニット。
【請求項10】
前記薄板部の板厚が0.05mm以上、且つ、0.8mm以下であり、
前記厚板部の板厚が0.5mm以上、且つ、2.5mm以下である、請求項1~9のいずれか1項に記載のガラス基体ユニット。
【請求項11】
前記ガラス基体は、化学強化ガラスである、請求項1~10のいずれか1項に記載のガラス基体ユニット。
【請求項12】
前記アクチュエータの作動状態を制御するコントローラをさらに有する、請求項
11に記載のガラス基体ユニット。
【請求項13】
請求項1~
12のいずれか1項に記載のガラス基体ユニットからなり、
前記ガラス基体が表示パネル用のカバーガラスとして機能する、カバーガラス組立体。
【請求項14】
運転席の正面に配置されるインストルメントクラスタ、運転席と助手席の間の正面に配置されるセンターインフォメーションディスプレイ、及び、請求項1~
12のいずれか1項に記載のガラス基体ユニットを有する車載表示装置であって、
前記薄板部の第1主面に前記インストルメントクラスタが取り付けられており、
前記厚板部の第1主面に前記センターインフォメーションディスプレイが取り付けられており、
前記車載表示装置を備えた車両が走行している間において、前記ガラス変形機器が前記薄板部を凹状に弾性変形させて前記インストルメントクラスタとともに動かすことで、前記ガラス基体が変形する、車載表示装置。
【請求項15】
運転席の正面に配置されるインストルメントクラスタ、運転席と助手席の間の正面に配置されるセンターインフォメーションディスプレイ、及び、請求項1~
12のいずれか1項に記載のガラス基体ユニットを有する車載表示装置であって、
前記薄板部の第1主面に前記インストルメントクラスタが取り付けられており、
前記厚板部の第1主面に前記センターインフォメーションディスプレイが取り付けられており、
前記車載表示装置を備えた車両が走行している間において、前記ガラス変形機器が前記厚板部を前記センターインフォメーションディスプレイとともに運転席に近付けることで、前記ガラス基体が変形する、車載表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス基体ユニット、カバーガラス組立体、及び、車載表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車載用のディスプレイをはじめ、表示装置の表面をガラス基体によって保護することは既に公知である(例えば、特許文献1参照)。
一方、ディスプレイが可動(変形可能)であり、その表面をガラス基体によって覆うことも知られている。例えば、特許文献2~4には、折り曲げ可能なディスプレイの表面のうち、可動部分(曲げ部)及び非可動部分に板状のガラス基体が貼り付けられている構成が開示されている。このような構成では、ディスプレイとともにガラス基体を動かす(変形させる)ことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2018/129065号
【文献】日本国特開2017-120415号公報
【文献】日本国特許第6198194号
【文献】国際公開第2015/178391号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ディスプレイ等を保護するガラス基体において、ガラス基体がディスプレイとともに動く場合には、耐衝撃性が他の部分よりも高くなっている部分をガラス基体内に設ける必要がある状況が想定され得る。特に、特許文献1のように車載用ディスプレイをガラス基体で保護する場合には、例えば、ガラス基体のうち、車両の乗員(具体的には、助手席側の乗員)と対向する部分については、より高い耐衝撃性(ヘッドインパクト耐性)が求められる。
これに対して、前述した特許文献2~4では、ディスプレイを保護するガラス基体の厚みが一様であり、上記の要望を満たすことが困難であり、特に、車載用ディスプレイの保護ガラスに関して言えば、耐衝撃性(ヘッドインパクト耐性)を必要とする部分に十分な耐衝撃性が確保されていない状況である。
【0005】
そこで、本発明は、ガラス基体が可動である構造においてガラス基体の所定部分の耐衝撃性が確保されたガラス基体ユニット、カバーガラス組立体、及び、車載表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討した結果、下記構成を採用することにより、上記目的が達成されることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[16]に関する。
[1]ガラス基体と、ガラス基体を変形させるガラス変形機器と、を有し、ガラス基体は、第1主面、及び、第1主面に対向する第2主面を有する薄板部と、薄板部の板厚よりも大きい板厚を有し、且つ、第1主面、及び、第1主面に対向する第2主面を有する厚板部と、を備え、ガラス変形機器は、薄板部及び厚板部のうちの一方を動かすことによりガラス基体を変形させる、ガラス基体ユニット。
[2]ガラス基体の形状は、薄板部が平板状に延びている第1形状と、薄板部が弾性変形している第2形状との間で切り替え自在である、上記[1]に記載のガラス基体ユニット。
[3]第2形状は、薄板部が凹状に弾性変形している形状である、[2]に記載のガラス基体ユニット。
[4]薄板部の第1主面には表示パネルが取り付けられており、ガラス変形機器は、表示パネルとともに薄板部を動かす、上記[1]~[3]のいずれかに記載のガラス基体ユニット。
[5]ガラス基体は、薄板部の第1主面と厚板部の第1主面とを接続する第1接続面、及び、薄板部の第2主面と厚板部の第2主面とを接続する第2接続面を有する接続部をさらに備え、ガラス基体が変形する際の起点は、接続部、又は、接続部よりも薄板部側にあり、第1接続面は、円弧状の湾曲面であり、第1接続面の曲率半径が、400μm以上である、上記[1]~[4]のいずれかに記載のガラス基体ユニット。
[6]ガラス基体は、薄板部の第1主面と厚板部の第1主面とを接続する第1接続面、及び、薄板部の第2主面と厚板部の第2主面とを接続する第2接続面を有する接続部をさらに備え、ガラス基体が変形する際の起点は、接続部、又は、接続部よりも薄板部側にあり、接続部における最も薄い箇所の板厚が、薄板部の板厚よりも小さい、上記[1]~[4]のいずれかに記載のガラス基体ユニット。
[7]接続部における最も薄い箇所の板厚が、0.5mm以下である、上記[6]に記載のガラス基体ユニット。
[8]接続部がオーバーハング部を有する、上記[5]~[7]のいずれかに記載のガラス基体ユニット。
[9]ガラス基体は、薄板部の第1主面と厚板部の第1主面とを接続する第1接続面、及び、薄板部の第2主面と厚板部の第2主面とを接続する第2接続面を有する接続部をさらに備え、ガラス基体が変形する際の起点は、接続部、又は、接続部よりも薄板部側にあり、第1接続面は、薄板部の第1主面と隣接する第1隣接面と、厚板部の第1主面と隣接する第2隣接面と、を有し、第1隣接面及び第2隣接面は、いずれも円弧状の湾曲面であり、互いに連結してS字状に曲がった第1接続面を構成している、上記[1]~[4]のいずれかに記載のガラス基体ユニット。
[10]薄板部の板厚が0.05mm以上、且つ、0.8mm以下であり、厚板部の板厚が0.5mm以上、且つ、2.5mm以下である、上記[1]~[9]のいずれかに記載のガラス基体ユニット。
[11]ガラス基体は、化学強化ガラスである、上記[1]~[10]のいずれかに記載のガラス基体ユニット。
[12]ガラス変形機器は、ガラス基体中の薄板部及び厚板部の一方に対して外力を付与するアクチュエータによって構成されている、上記[1]~[11]のいずれかに記載のガラス基体ユニット。
[13]アクチュエータの作動状態を制御するコントローラをさらに有する、上記[12]に記載のガラス基体ユニット。
[14]上記[1]~[13]のいずれかに記載のガラス基体ユニットを含み、ガラス基体が表示パネル用のカバーガラスとして機能する、カバーガラス組立体。
[15]運転席の正面に配置されるインストルメントクラスタ、運転席と助手席の間の正面に配置されるセンターインフォメーションディスプレイ、及び、上記[1]~[13]のいずれかに記載のガラス基体ユニットを有する車載表示装置であって、薄板部の第1主面にインストルメントクラスタが取り付けられており、厚板部の第1主面にセンターインフォメーションディスプレイが取り付けられており、車載表示装置を備えた車両が走行している間において、ガラス変形機器が薄板部を凹状に弾性変形させてインストルメントクラスタとともに動かすことでガラス基体が変形する、車載表示装置。
[16]運転席の正面に配置されるインストルメントクラスタ、運転席と助手席の間の正面に配置されるセンターインフォメーションディスプレイ、及び、上記[1]~[13]のいずれかに記載のガラス基体ユニットを有する車載表示装置であって、薄板部の第1主面にインストルメントクラスタが取り付けられており、厚板部の第1主面にセンターインフォメーションディスプレイが取り付けられており、車載表示装置を備えた車両が走行している間において、ガラス変形機器が厚板部をセンターインフォメーションディスプレイとともに運転席に近付けることでガラス基体が変形する、車載表示装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ガラス基体が変形可能な構造において、ガラス基体のうち、より高い耐衝撃性が必要となる部分を厚板部とすることで、その部分の耐衝撃性を十分に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は第1態様のガラス基体ユニットの模式断面図である。
【
図2】
図2は第1態様のガラス基体の模式断面図である。
【
図3】
図3はエッチング後のガラス板を示す模式断面図である。
【
図4】
図4は第1態様のガラス基体ユニットの制御系統を示すブロック図である。
【
図5】
図5は第1態様のガラス基体ユニットの変形例を示す模式断面図である。
【
図6】
図6は第2態様のガラス基体を示す模式断面図である。
【
図7】
図7は第3態様のガラス基体を示す模式断面図である。
【
図8】
図8は研磨後のガラス板を示す模式断面図である。
【
図9】
図9はエッチング後のガラス板を示す模式断面図である。
【
図10】
図10は第4態様のガラス基体を示す模式断面図である。
【
図11】
図11は第1接続面の曲率半径及びオーバーハング面の曲率半径の求め方を説明するための模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の具体的な実施態様について図面を参照して説明する。ただし、本発明は、以下の実施態様に限定されない。本発明の範囲を逸脱しない範囲で、以下の実施態様に種々の変形および置換を加えることができる。
【0010】
以下の説明において、「~」を用いて表される範囲は、その範囲の両端を含む。例えば、「A~B」と表される範囲は、A及びBを含む。
【0011】
ガラスの板厚(平均板厚)は、マイクロメーターを用いて測定することにより求める。
【0012】
ガラスの曲面の曲率半径の求め方は、後の項において
図11を参照しながら説明する。
【0013】
ガラスの圧縮応力層の圧縮応力値(Compressive Stress;以下、CS)、及び、圧縮応力層の深さ(Depth of Layer;以下、DOL)は、折原製作所社製の表面応力計(FSM-6000)を用いて測定することにより求められる。また、ガラスの内部引張応力(Central Tension;以下、CT)は、CS、DOL及び板厚tから、下記式に基づいて求める。
CT=CS[MPa]×DOL[mm]/(t[mm]-2×DOL[mm])
【0014】
ガラスの限界曲げ半径は、ガラスを湾曲させた際にクラックが発生しない最小の曲げ半径であり、曲げ半径は、次の曲げ試験により求められる。曲げ試験及び曲げ試験に用いる曲げ試験装置は、国際公開第2016/194785号に記載された試験及び装置に準拠する。曲げ試験の手順は、以下の通りである。
(曲げ試験)
第1の支持盤及び第2の支持盤は、第1の支持盤の支持面と第2の支持盤の支持面とが互いに対向するように平行に配置される。第1の支持盤と第2の支持盤とに、それぞれ、ガラスの端部を支持させる。第1の支持盤の支持面と第2の支持盤の支持面との間隔を、下記式(1)で求められる間隔D[mm]に維持した状態にする。この状態で、第1の支持盤に対する第2の支持盤の位置を、第1の支持盤の支持面及び第2の支持盤の支持面に平行、且つ、ガラスの湾曲方向を変えない方向に100mm往復移動させる。第1の支持盤と第2の支持盤との間で湾曲させるガラスにクラックが形成されるか否かを調べる。曲げ半径Rは、下記式(2)により求められる。
D=(A×E×t/σ)+t (1)
R=D/2 (2)
D:第1の支持盤の支持面と第2の支持盤の支持面との間隔[mm]
A=1.198
E:ガラスのヤング率[MPa]
t:ガラスの板厚[mm]
σ:曲げ応力[MPa]
【0015】
ガラス板の面強度は、以下に説明するボールオンリング(BOR)試験により求める。
(ボールオンリング試験)
まず、ガラス板を、ステンレス製のリング上に水平に配置する。リングは、直径が30mmであり、ガラス板との接触部分の曲率半径が2.5mmである。
次に、リング上に配置したガラス板に、直径10mmの鋼からなる球体を、リングの中心位置で接触させる。
この状態で、球体を下降させてガラス板に押し付けることにより(球体の下降速度:1.0mm/min)、ガラス板に静荷重を加え、ガラス板を破壊する。
ガラス板が破壊されたときの荷重を測定し、20回の測定の平均値をガラス板の面強度とする。ただし、ガラス板の破壊起点が球体の押し付け位置から2mm以上離れている場合は、平均値を算出するための測定値から除外する。
【0016】
[第1態様]
図1~
図4に基づいて、第1態様を説明する。
図1は、第1態様のガラス基体ユニット(以下、ガラス基体ユニット10)の模式断面図である。
図2は、第1態様のガラス基体(以下、ガラス基体1)の模式断面図である。
図3は、ガラス基体1の製造過程を示す図であり、具体的には、エッチング後のガラス板41を示す模式断面図である。
図4は、ガラス基体ユニット10の制御系統を示すブロック図である。
【0017】
ガラス基体ユニット10は、
図1に示すように、ガラス基体1と、ガラス基体1を変形させるガラス変形機器6とを有する。
また、ガラス基体ユニット10は、
図4に示すように、ガラス変形機器6を制御するコントローラ7をさらに有する。
以下に、ガラス基体1、ガラス変形機器6、及び、コントローラ7のそれぞれについて個別に説明する。
なお、以下では、説明の便宜上、ガラス基体1の板厚方向を「板厚方向」と呼ぶ。また、ガラス基体1において後述する薄板部2、接続部4、及び、厚板部3が並べられた方向を「並び方向」と呼ぶ。
【0018】
〈ガラス基体〉
ガラス基体1は、
図1に示すように、薄板部2、厚板部3、及び、接続部4を有する。
薄板部2は、第1主面2aと、第1主面2aに対向する第2主面2bとを有する。
厚板部3は、第1主面3aと、第1主面3aに対向する第2主面3bとを有する。
厚板部3の板厚t
3は、薄板部2の板厚t
2よりも大きい。
接続部4は、薄板部2と厚板部3の間に配置されており、第1接続面4a及び第2接続面4bを有する。第1接続面4aは、薄板部2の第1主面2aと、厚板部3の第1主面3aとを接続する。第2接続面4bは、薄板部2の第2主面2bと、厚板部3の第2主面3bとを接続する。
なお、第1態様では、接続部4の板厚が、薄板部2側から厚板部3側に向かって漸次的に厚くなっている。ただし、これに限定されず、接続部4の板厚が薄板部2側から厚板部3側に向かって階段状に厚くなってもよい。
あるいは、接続部4が設けられず、薄板部2と厚板部3との境界位置でガラス基体1の板厚が板厚t
2から板厚t
3へ不連続に変化してもよい。
【0019】
薄板部2及び接続部4は、可撓性を有し、弾性変形可能である。つまり、ガラス基体1は、その形状を変えることができる。
具体的には、ガラス基体1の形状は、薄板部2が平板状に延びている第1形状(
図1中、破線にて示す形状)と、薄板部2が板厚方向の奥側に向かって凹状に弾性変形している第2形状(
図1中、実線にて示す形状)との間で切り替え自在である。薄板部2が凹状に弾性変形することで、薄板部2に取り付けられる機器(例えば、後述の表示パネル22、23、24)の見易さが向上する。ただし、これに限定されず、薄板部2が板厚方向の手前側に向かって凸状に弾性変形してもよいし、後述するアクチュエータを複数用いることで薄板部2がS字状に弾性変形してもよい。
また、
図1に示す構成では、ガラス基体1が変形する際の起点(曲げ起点)が、接続部4となっている。この場合には、厚板部3によって保護される機器(例えば、後述のセンターインフォメーションディスプレイ)に薄板部2が掛からず、上記機器のヘッドインパクト耐性が十分に満たされるようになる。ただし、曲げ起点は、接続部4に限定されず、接続部4よりも薄板部2側にあってもよい。
【0020】
また、
図1に示すように薄板部2の第1主面2a及び厚板部3の第1主面3aには、それぞれ表示パネルが取り付けられている。
詳細には、3つの表示パネル22、23、24が、並び方向において互いに離間した状態で薄板部2の第1主面2aに貼合されている。
ここで、薄板部2の第1主面2aと上記3つの表示パネル22、23、24との間には、図示しないフィルム状の光学粘着シート(Optical Clear Adhesive;以下、OCA)が介在している。
また、厚板部3の第1主面3aには、1つの表示パネル25が図示しないOCAを介して貼合されている。
なお、各表示パネル22~25は、例えば、液晶パネルである。各液晶パネルの裏面側には、不図示のバックライトユニットが配置される。各表示パネル22~25は、例えば、有機ELパネル、プラズマディスプレイパネル、若しくは電子インク型パネル等であってもよい。あるいは、各表示パネル22~25がタッチパネル等を有してもよい。
また、変形例として、各表示パネル22~25が液晶パネルを備えた表示装置において、その表示装置が有する筐体部分とガラス基体1とを貼合されている構成も考えられる。
【0021】
上記の表示パネル22~25が取り付けられたガラス基体1は、各表示パネル22~25用のカバーガラスとして機能する。すなわち、第1態様では、ガラス基体1がカバーガラスとして用いられて各表示パネル22~25をカバーする。
カバーガラスとして用いられる場合、ガラス基体1は、化学強化処理が施されたガラス(化学強化ガラス)であることが好ましい。
【0022】
上記の表示パネル22~25が取り付けられたガラス基体1は、凹凸構造21を有するフレーム26に組み付けられている。
フレーム26のうち、凹凸構造21の凸部21aをなす部分は、平坦部分を有する。この平坦部分とガラス基体1の厚板部3との間に表示パネル25を挟み込んだ状態で、厚板部3がフレーム26の凸部21aに対して固定される。
フレーム26のうち、凹凸構造21の凹部21bをなす部分は、等脚台形状の窪み部分を有する。この窪み部分とガラス基体1の薄板部2との間に表示パネル22、23、24が位置した状態で、薄板部2が凹部21bに対して変形自在な状態で配置される。
なお、表示パネル22、23、24は、フレーム26には固定されておらず、薄板部2が変形すると、それに伴って表示パネル22、23、24のそれぞれの配置位置が変化する。
【0023】
ガラス基体1は、薄板部2及び厚板部3がフレーム26に固定された状態のまま変形可能であり、第1形状と第2形状の間で切り替えられる。
具体的に説明すると、ガラス基体1の形状が第1形状であるとき、薄板部2は、フレーム26の凹部21bの前方で並び方向に沿って平板状に延びている。
他方、ガラス基体1の形状が第2形状であるとき、薄板部2は、フレーム26の凹部21bに沿って弾性変形している。詳細には、薄板部2が凹部21b内に入り込むようにガラス基体1が接続部4を起点として折れ曲がり、さらに、薄板部2が表示パネル22、23の間の位置、及び、表示パネル23、24の間の位置でそれぞれ屈曲する。
【0024】
なお、ガラス基体1の形状が第2形状であるとき、表示パネル22、23、24が凹部21bの内壁面と薄板部2との間に挟み込まれている。
すなわち、ガラス基体1からフレーム26を見たときの向きを奥側とし、フレーム26からガラス基体1を見たときの向きを手前側としたとき、ガラス基体1の形状が第1形状になることで、表示パネル22、23、24がより手前側に位置する。
逆に、ガラス基体1の形状が第2形状になることで、表示パネル22、23、24がより奥側に位置する。
【0025】
ところで、ガラス基体1の形状を第1形状から第2形状に切り替える場合には、ガラス基体1を曲げ起点(具体的には、接続部4、又は接続部4よりも薄板部2側の位置)で曲げることを要する。
このとき、曲げ起点でガラス基体1が曲げ難い(曲げが不十分である)と、例えば、薄板部2の第1主面2aから表示パネル24が剥がれ易くなる等の不都合が生じ得る。
【0026】
これに対して、第1態様では、
図2に示すように接続部4が有する第1接続面4aが円弧状の湾曲面であり、第1接続面4aの曲率半径r
1が400μm以上である。
これにより、接続部4が曲がり易くなり、表示パネル24が薄板部2の第1主面2aから剥がれ難くなる。
また、第1接続面4aが円弧状の湾曲面であるので、第1接続面4aにOCA等のフィルム材を密着させた際に、第1接続面4aとフィルム材との間に気泡が入ったとしても、この気泡が抜け易くなるという効果が期待できる。
【0027】
なお、上述した効果がより有効に発揮されるという理由から、第1接続面4aの曲率半径r1は、550μm以上が好ましく、700μm以上がより好ましい。
また、第1接続面4aの曲率半径r1について、上限は特に限定されないが、1300μm以下が好ましく、1100μm以下がより好ましく、900μm以下がさらに好ましい。
【0028】
ここで、
図11に基づいて、第1接続面4aの曲率半径r
1の求め方を説明する。
図11は、第1接続面4aの曲率半径r
1、及び後述するオーバーハング面5aの曲率半径r
2の求め方を説明するための模式断面図である。
なお、
図11は、後の項で参照する
図6を拡大した図である。
【0029】
接続部4の第1接続面4aの曲率半径r1は、次のように求める。
まず、厚板部3の第1主面3aから接続部4の第2接続面4bに向かう方向に傾斜し、且つ、厚板部3の第1主面3aと角度θ1(=45°)で交わる直線L1を考える。
直線L1を厚板部3から接続部4の方向に移動させ、直線L1が第1接続面4aと最初に1点で接するとき、その接点を点S1とする。
次に、点S1から直線L1に沿って長さW1(=10μm)離れ、且つ、第1接続面4a上の点を点S2とする。同様に、点S1から直線L1に沿って点S2とは反対側に長さW1(=10μm)離れ、かつ、第1接続面4a上の点を点S3とする。
点S1、点S2及び点S3を通る真円の半径を、接続部4の第1接続面4aの曲率半径r1とする。
【0030】
ガラス基体1の各部の寸法及び特徴量等について好適な数値を詳述する。
薄板部2の板厚t2は、0.05mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましい。一方、薄板部2の板厚t2は、0.8mm以下が好ましく、0.6mm以下がより好ましい。
薄板部2の圧縮応力層の圧縮応力値(CS)は、500MPa以上が好ましく、650MPa以上がより好ましく、750MPa以上がさらに好ましい。
薄板部2の圧縮応力層の深さ(DOL)は、10μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましく、25μm以上がさらに好ましい。
薄板部2の内部引張応力(CT)は、160MPa以下が好ましく、140MPa以下がより好ましい。一方、薄板部2のCTは、20MPa以上が好ましく、30MPa以上がより好ましい。
薄板部2の限界曲げ半径は、60mm以下が好ましく、50mm以下がより好ましく、40mm以下がさらに好ましい。
【0031】
厚板部3の板厚t3は、0.5mm以上が好ましく、0.7mm以上がより好ましい。一方、厚板部3の板厚t3は、2.5mm以下が好ましく、2.0mm以下がより好ましい。厚板部3の板厚t3が上記の範囲内にあれば、厚板部3が耐衝撃性に優れる。
厚板部3の圧縮応力層の圧縮応力値(CS)は、厚板部3が耐衝撃性に優れるという理由から、500MPa以上が好ましく、650MPa以上がより好ましく、750MPa以上がさらに好ましい。
厚板部3の圧縮応力層の深さ(DOL)は、厚板部3が耐衝撃性に優れるという理由から、10μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましく、25μm以上がさらに好ましい。
厚板部3の内部引張応力(CT)は、厚板部3が耐衝撃性に優れるという理由から、50MPa以下が好ましく、30MPa以下がより好ましい。一方、厚板部3のCTは、1MPa以上が好ましく、5MPa以上がより好ましい。
【0032】
厚板部3の面強度は、厚板部3が耐衝撃性に優れるという理由から、150kgf以上が好ましく、200kgf以上がより好ましく、250kgf以上がさらに好ましい。
【0033】
25mm2以上の面積を有する破砕片(以下、単に「破砕片」ともいう)の個数密度(単位:個/(5cm×5cm))は、薄板部2及び厚板部3の間で互いに異なっていることが好ましく、明確な差があることがより好ましい。
具体的には、薄板部2と厚板部3との間の破砕片の個数密度差は、0.1個/(5cm×5cm)以上が好ましく、1個/(5cm×5cm)以上がより好ましく、5個/(5cm×5cm)以上がさらに好ましく、7個/(5cm×5cm)以上が特に好ましい。
破砕片の個数密度差が上記の範囲内にあれば、薄板部2での破砕と厚板部3での破砕とが不連続なものとなり、仮に薄板部2が破砕したとしても、厚板部3にまで破砕が波及することを低減できる。
【0034】
また、破砕片の個数は、厚板部3よりも薄板部2の方でより多くてもよい。この場合、薄板部2に衝撃が加わり薄板部2が破砕した場合に、薄板部2から厚板部3への割れの進展が低減されるという技術的意義がある。
つまり、厚板部3よりも薄板部2の方で破砕片の個数が多くなると、接続部4において、薄板部2から厚板部3へのクラックの進展が抑制されるため好ましい。具体的には、接続部4の長さ30cm当たり、1本以上のクラックの進展が抑制されることが好ましく、3本以上のクラックの進展が抑制されることがより好ましい。
【0035】
なお、破砕片の個数密度は、以下のようにして求める。
まず、薄板部2及び厚板部3のそれぞれに対して、ヘッドインパクト試験を行う。
より詳細には、日本国特開2019-64874号公報の段落[0081]~[0088]の記載された手順と同様の手順に則って、薄板部2又は厚板部3をカバーガラスとして用いた試験体を作製し、剛体模型を衝突させる。
ただし、剛体模型の衝突位置は、カバーガラスの主面の中心位置とし、且つ、この主面に対して垂直の方向から剛体模型を衝突させる。
剛体模型の衝突によりカバーガラスが割れない場合、剛体模型の高さを5cm上げて、再び剛体模型をカバーガラスに衝突させる。これをカバーガラスが割れるまで繰り返す。
カバーガラスが割れた場合、剛体模型の衝突位置から10cm以上離れている領域における破砕片の個数と面積とを計測し、破砕片の個数密度を求める。
【0036】
破砕片の大きさ及び個数密度の調整は、後述する化学強化処理の条件を調整することにより達成できる。例えば、ガラス板を溶融塩に浸漬させた後に冷却する際に、薄板部2となる部分だけ、または、厚板部3となる部分だけ、冷却を促進する。このような手法によれば、破砕片の大きさ及び個数密度を精密に制御できる。
【0037】
薄板部2のCTと厚板部3のCTとの比(薄板部2のCT/厚板部3のCT)は、厚板部3の割れ強度を維持するという理由から、1.1以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、3.0以上がさらに好ましい。
一方、薄板部2の割れ強度を維持するという理由から、上記の比は、20以下が好ましく、10以下がより好ましく、7以下がさらに好ましい。
【0038】
接続部4が有する第1接続面4aは、前述したように、円弧状の湾曲面である。
他方、接続部4が有する第2接続面4bは、第1接続面4aを板厚方向に平行な方向に射影したときの射影面である。したがって、接続部4の板厚は、並び方向において連続的に変化し、厚板部3に近付くほど厚くなり、薄板部2に近付くほど薄くなる。
【0039】
ここで、接続部4の板厚を調整することにより、薄板部2から厚板部3にわたるクラックの進展を増減できる。具体的には、接続部4の板厚を薄くするほど、接続部4を跨ぐクラックの進展を抑制できる。
上記の理由から、接続部4の板厚は、0.5mm以下が好ましく、0.3mm以下がより好ましく、0.2mm以下がさらに好ましい。
他方、ガラス基体1の輸送時及び取り付け時に割れ難くするという観点では、接続部4の板厚は、0.05mm以上が好ましく、0.07mm以上がより好ましく、0.1mm以上がさらに好ましい。
なお、本明細書では、特に断る場合を除き、接続部4の板厚は、接続部4における最も薄い箇所の板厚のことである。
【0040】
以上までに説明してきた第1態様のガラス基体1の製造方法について、
図3を参照しながら説明する。
まず、第1主面41a及び第2主面41bを有するガラス板41を準備する。
準備したガラス板41の板厚t
1は、完成したガラス基体1の厚板部3の板厚t
3と同じである。
ガラス板41のガラス種としては、例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス(SiO
2-Al
2O
3-Na
2O系ガラス)等が挙げられる。ガラス板41のガラス組成としては、例えば、日本国特開2019-006650号公報の段落[0019]に記載されたガラス組成が挙げられる。後述する化学強化処理を施す場合は、例えば、アルミノシリケートガラスをベースとする化学強化用ガラス(例えば「ドラゴントレイル(登録商標)」)が好適に用いられる。
【0041】
その後、準備したガラス板41をスリミングする。スリミングは、マスキング及びエッチングを含む。
マスキングでは、ガラス板41の第1主面41aのうち、上述した厚板部3の第1主面3aとなる面、及び、ガラス板41の第2主面41bの全面を、それぞれマスク材45で被覆する。
マスク材45の材料は、後述するエッチング液に対する耐性を有する材料であれば特に限定されず、従来公知の材料を適宜選択して使用できる。
また、マスク材45として、ガラス板41の第1主面41aの上にレジストパターンを形成してもよい。
【0042】
エッチングでは、マスク材45で被覆されたガラス板41を、公知のエッチング液に浸漬させることで、マスク材45で被覆されていない部分を溶解させる。
なお、エッチングは、エッチング液を用いた湿式方式で行われる場合に限定されず、例えば、フッ化水素ガスを用いた乾式方式で行われてもよい。
エッチングによる溶解は、マスク材45で被覆されていない第1主面41aから、第2主面41bに向けて徐々に進行し、その結果、ガラス板41において薄板部2となる部分が形成される。
エッチングにより、ガラス板41の第1主面41aに滑らかなエッチング面(曲面)が形成される。この曲面が、特定の曲率半径r1を持つ第1接続面4aとなり、その結果、ガラス板41において接続部4となる部分が形成される。
他方、ガラス板41において溶解しないで維持される部分が、厚板部3となる。
エッチング後にはマスク材45が公知の方法によって、適宜除去される。
【0043】
スリミング後のガラス板41に対しては、化学強化処理を施してもよい。
化学強化処理を施す場合、ガラス板41として、化学強化用ガラスを用いる。
化学強化処理では、従来公知の方法を採用でき、典型的には、ガラス板41を、溶融塩に浸漬させる。これにより、ガラス板41の表層に圧縮応力層が形成され、ガラス板41が強化される。
処理中の溶融塩の温度及び浸漬時間等の処理条件は、圧縮応力層の圧縮応力値(CS)及び圧縮応力層の厚さ(DOL)等が所望の値となるように設定すればよい。
溶融塩への浸漬後には、ガラス板41を溶融塩から引き上げて冷却する。このときにガラス板41を工水又はイオン交換水等を用いて洗浄してもよい。
【0044】
また、上述の製造方法では、ガラス基体1をガラス板41のみによって構成するが、これに限定されるものではない。例えば、ガラス板41の第1主面41a側に加飾層を積層して積層体を作製し、この積層体によってガラス基体1を構成してもよい。
加飾層は、例えば、インクジェット方式にて記録された印刷層(インク層)によって構成される。この場合、ガラス板41の各部の場所に応じて印刷層の厚みを制御することで、ガラス基体1の各部の板厚を上述したそれぞれの好適な範囲に調整できる。
【0045】
〈ガラス変形機器〉
ガラス変形機器6は、ガラス基体1中の薄板部2及び厚板部3のうちの一方を動かすことによりガラス基体1を変形させる機器である。
ガラス変形機器6は、例えば、ガラス基体1中の薄板部2及び厚板部3のうちの一方に対して外力を付与するアクチュエータによって構成されている。
具体的には、ガラス変形機器6を構成するアクチュエータは、進退自在な直動型のロッド6aと、不図示のモータと、不図示の電源とを有する電動アクチュエータである。ロッド6aの先端は、表示パネル23を介して薄板部2の第1主面2aに接続されている。
【0046】
第1態様において、ガラス変形機器6は、ガラス基体1の変形に際して薄板部2に外力を付与し、表示パネル22、23、24とともに薄板部2を動かす。
詳細には、電源からの給電によってモータが駆動すると、ロッド6aが動いて第1主面2a側から外力を薄板部2に対して付与する。このとき、ロッド6aが前進すると、薄板部2がロッド6aによって手前側に押される。これにより、薄板部2が表示パネル22、23、24とともに動き、フレーム26の凹凸構造21における凹部21bの前方で並び方向に沿って平板状に延びる。つまり、ガラス基体1の形状が第1形状となる。
反対に、ロッド6aが後退すると、薄板部2がロッド6aによって奥側に引かれる。これにより、薄板部2が表示パネル22、23、24とともに動き、凹部21bに沿って凹状に弾性変形する。つまり、ガラス基体1の形状が第2形状となる。
【0047】
第1態様では、ガラス変形機器6がガラス基体1中の薄板部2に外力を付与して薄板部2を動かすことで、ガラス基体1を変形させるが、これに限定されるものではない。例えば、ガラス変形機器6がガラス基体1中の厚板部3に外力を付与して厚板部3を動かしてもよい。この場合、厚板部3自体は屈曲せず、ガラス基体1が接続部4を起点として折れ曲がるように変形する。
【0048】
なお、ガラス変形機器6を構成するアクチュエータは、直動型のロッドを用いた電動アクチュエータに限定されず、他の方式のアクチュエータでもよい。
他の方式のアクチュエータとしては、例えば、カムリンク機構からなるアクチュエータ、油圧又は空圧によって駆動される動力シリンダからなるアクチュエータ、ピエゾ素子等の圧電素子を利用したアクチュエータ、若しくは電磁ソレノイド式アクチュエータ等が挙げられる。
【0049】
さらに、ガラス変形機器6は、アクチュエータに限定されず、ガラス基体1を変形させるのに十分な外力をガラス基体1中の薄板部2及び厚板部3の一方に付与できる機器であればよい。例えば、形状記憶合金をガラス基体1に沿わせて配置し、温度変化による形状記憶合金の形状変化を利用してガラス基体1を変形させてもよい。
【0050】
〈コントローラ〉
コントローラ7は、ガラス変形機器6を構成するアクチュエータの作動状態を制御する機器である。
コントローラ7は、例えば、不図示の駆動制御回路によって構成されている。駆動制御回路は、メモリと、メモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサからなる。
プロセッサとしては、汎用的なCPU(Central Processing Unit)が利用可能である。
CPU以外にも、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(PLD)も利用可能である。
また、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理をさせるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等も利用可能である。
また、上述した各種プロセッサのうちの一つで制御回路を構成してもよいし、同種または異種の二つ以上のプロセッサの組み合わせ、例えば、複数のFPGAの組み合わせ、またはFPGA及びCPUの組み合わせ等によって構成してもよい。
また、システムオンチップ(System on Chip:SoC)等に代表されるように、複数の制御回路を含むシステム全体の機能を一つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用してもよい。
【0051】
コントローラ7は、所定の条件が成立した場合、アクチュエータの作動状態を自動的に切り替える。
詳細には、コントローラ7は、所定のセンサ8から出力される信号を受信し、その出力信号に基づいてアクチュエータの作動状態を切り替える。
アクチュエータの作動状態は、通常時の状態と、所定の条件が成立したときの状態との間で切り替わり、具体的には、前述のロッド6aが前進している状態と、ロッド6aが後退している状態との間で切り替わる。
そして、アクチュエータの作動状態の切り替えに伴って、ガラス基体1の形状が第1形状から第2形状に切り替わり、若しくは、第2形状から第1形状に切り替わる。
【0052】
また、第1態様において、アクチュエータの作動状態は、コントローラ7によって制御されるが、操作者が手動にてアクチュエータの作動状態を切り替える構成であってもよい。例えば、操作者がハンドルを操作してハンドルから上記のロッド6aへ駆動力が伝達されることでロッド6aを動かすようにしてもよい。
【0053】
〈ガラス基体ユニットの用途〉
上述したガラス基体1、表示パネル22~25、フレーム26、ガラス変形機器6及びコントローラ7がガラス基体ユニット10を構成する。
ガラス基体1は、前述したように、表示パネル22~25用のカバーガラスとして機能する。換言すると、ガラス基体ユニット10は、カバーガラスが組み込まれたカバーガラス組立体をなしている。
ガラス基体ユニット10を含むカバーガラス組立体は、例えば、表示装置として用いられ、その具体例としては、車両に搭載されて使用される車載表示装置が挙げられる。
具体的には、運転席の正面に配置されるインストルメントクラスタ(クラスタ)、及び、運転席と助手席との間の正面に配置されるセンターインフォメーションディスプレイ(CID)を有する車載表示装置としてガラス基体ユニット10が利用される。
【0054】
上記の場合、車載表示装置として組み込まれたガラス基体ユニット10のうち、フレーム26の凹凸構造21における凹部21b側に配置された表示パネル22、23、24がクラスタに相当する。
また、フレーム26の凹凸構造21における凸部21a側に配置された表示パネル25がCIDに相当する。
また、ガラス基体1中の薄板部2がクラスタのカバーガラスとして用いられ、ガラス基体1中の厚板部3がCIDのカバーガラスとして用いられる。つまり、薄板部2の第1主面2aにクラスタが取り付けられており、厚板部3の第1主面3aにCIDが取り付けられている。
【0055】
CIDのカバーガラスは、運転者が操作するハンドルが無いため、車両の衝突事故が発生したときに、乗員の頭部が直接ぶつかりやすい。このため、ガラス基体1のうち、CID側に位置する部分については、より高い耐衝撃性(ヘッドインパクト耐性)が求められるので、その部分を厚板部3とすることで、当該部分の耐衝撃性が十分に確保されている。なお、厚板部3は、車両の衝突事故が発生したときに乗員の頭部がぶつかって割れない程度の耐衝撃性を有することが好ましい。
【0056】
他方、クラスタのカバーガラスとして用いられる薄板部2は、ハンドルよりも奥側に配置されるため、乗員の頭部が直接ぶつかる可能性が低く、厚板部3と同程度の耐衝撃性を要しない。
また、運転者がハンドルを操作して車両を運転する間には、クラスタの視認性を向上させる目的から、薄板部2をフレーム26の凹凸構造21における凹部21bに沿って凹状に弾性変形させて表示パネル22、23、24とともに奥側に動かすことが好ましい。
反対に、ハンドルの非操作時(例えば、車両が一定時間停車している期間)には、クラスタの見えやすさが要求されないので、薄板部2を凹状に弾性変形させる必要がなく、薄板部2が平板状に延びているのが好ましい。
【0057】
また、外光の映り込みによってクラスタ等の視認性が損なわれるのを抑制する目的から、薄板部2を表示パネル22、23、24とともに動かすことも好ましい。例えば、車内に設置された不図示のカメラによって車内空間を撮影し、その撮影映像を解析して外光の位置(照射位置)と運転手の位置とを特定し、それらの位置がクラスタの少なくとも一つの面に対して正反射の位置関係から外れるように、薄板部2及び表示パネル22、23、24を動かすとよい。
【0058】
以上の理由から、ガラス基体ユニット10が組み込まれた車載表示装置では、その車載表示装置を備えた車両が走行している間、より具体的にはハンドル操作運転時において、ガラス変形機器6がガラス基体1中の薄板部2を弾性変形させる。このとき、薄板部2は、凸状、凹状又はS字状等に弾性変形するが、クラスタの見易さを向上する観点では凹状に変形するのが、より好ましい。かかる場合には、薄板部2がクラスタとともに奥側へ動き、ガラス基体1が変形して第1形状から第2形状へと切り替わる。
【0059】
コントローラ7は、センサ8から出力された検出信号を受信すると、ガラス変形機器6を構成するアクチュエータの作動状態を制御する。
なお、コントローラ7は、車載型のコントローラとしてECU(Electric Control Unit)により構成される。この場合において、コントローラ7は、例えば車内LANを通じて、センサ8から上記の検出信号を受信し、ガラス変形機器6を制御する。
ガラス変形機器6は、コントローラ7の制御に従って作動し、薄板部2を手前側に押圧して平板状に延ばす。
これにより、薄板部2がクラスタとともに手前側へ動き、ガラス基体1が変形して第2形状から第1形状へと切り替わる。
【0060】
以上のように、ガラス基体ユニット10が組み込まれた車載表示装置では、クラスタ位置に関するモードの切り替えに伴って、薄板部2を動かしてガラス基体1の形状を変えることができる。
これにより、車載表示装置の利便性が向上し、詳しくは、そのときのモードに応じて、クラスタの位置を運転者にとって好都合な位置に調整できる。
【0061】
なお、ガラス基体ユニット10が組み込まれた車載表示装置において、ガラス基体1中の薄板部2を動かす場合には限定されず、厚板部3を動かしてもよい。
具体的には、例えば、
図5に示すように、ハンドル操作運転時にガラス変形機器6が厚板部3を手前側に押してもよい。これにより、厚板部3が接続部4を起点としてCIDとともに運転席に近付くように動き(厳密には回動し)、ガラス基体1が接続部4を起点として折れ曲がって変形する。
図5は、変形例に係るガラス基体ユニット(以下、ガラス基体ユニット10X)を示す模式断面図である。
【0062】
上述したガラス基体ユニット10Xが組み込まれた車載表示装置では、ハンドル操作運転時に厚板部3をCIDとともに運転席側に近付けることができ、運転者にとっての利便性が向上する。
【0063】
[第2態様]
図6に基づいて、第2態様を説明する。
図6は、第2態様のガラス基体(以下、ガラス基体1X)を示す模式断面図である。
なお、第2態様は、ガラス基体の構造が第1態様とは異なるが、それ以外の点では第1態様と共通している。そのため、
図6では、第1態様と同一の部分が同一の符号で示されており、説明についても省略する。
【0064】
第2態様では、
図6に示すように、ガラス基体1Xが接続部4にオーバーハング部5を有する。
オーバーハング部5は、接続部4の一部であり、厚板部3から薄板部2に向けて突出した部位である。オーバーハング部5は、接続部4の第1接続面4aの一部であるオーバーハング面5aと、厚板部3の第1主面3aと同一平面を形成する面5bとを有する。
オーバーハング部5は、前述した第1態様でのガラス基体の製造方法において、スリミングの際に、エッチングによるガラス板41の溶解が過剰に進行することによって形成される。
【0065】
図6に示すオーバーハング面5aの曲率半径r
2は、ガラス基体1Xを第1主面2a及び第1主面3a側から視認した場合に、薄板部2と厚板部3との境界部分がシャープに見えて外観上好ましいという理由から、150μm以上が好ましく、300μm以上がより好ましい。
一方、ガラス基体1Xを輸送したり加工したりするときに、接続部4を保護して割れ難くするという理由から、オーバーハング面5aの曲率半径r
2は、1100μm以下が好ましく、900μm以下がより好ましい。
【0066】
ここで、
図11に基づいて、オーバーハング面5aの曲率半径r
2の求め方を説明する。オーバーハング面5aの曲率半径r
2は、次のように求める。
まず、上述した直線L
1と直交する直線L
2を考える。
直線L
2を厚板部3からオーバーハング部5の方向に移動させ、直線L
2がオーバーハング面5aと最初に1点で接するとき、その接点を点S
4とする。
次に、点S
4から直線L
2に沿って厚板部3側に長さW
2(=10μm)離れ、且つ、オーバーハング面5a上の点を点S
5とする。点S
4から直線L
2に沿って点S
5とは反対側に長さW
2(=10μm)離れ、且つ、点S
5とは線対称となる位置の点を点S
6とする。点S
6は、オーバーハング面5a上の点であってもよく、その点でなくてもよい。
点S
4、点S
5及び点S
6を通る真円の半径を、オーバーハング面5aの曲率半径r
2とする。
【0067】
[第3態様]
次に、
図7~
図9に基づいて、第3態様を説明する。
図7は、第3態様のガラス基体(以下、ガラス基体1Y)を示す模式断面図である。
図8及び
図9は、ガラス基体1Yの製造過程を示す図である。
図8は、研磨後のガラス板41を示す模式断面図である。
図9は、エッチング後のガラス板41を示す模式断面図である。
なお、第3態様は、ガラス基体の構造が第1態様とは異なるが、それ以外の点では第1態様と共通している。そのため、
図7~
図9では、第1態様と同一の部分が同一の符号で示されており、説明についても省略する。
【0068】
第3態様において、ガラス基体1Y中の接続部4における最も薄い箇所の板厚を、接続部4の板厚t4とする。
ガラス基体1Yでは、接続部4の板厚t4が、薄板部2の板厚t2よりも小さい。これにより、接続部4がより曲がり易くなる。
上記の効果がより有効に発揮されるという理由、及び、上述したように接続部4を跨ぐクラックの進展を抑制できるという理由から、接続部4の板厚t4は、0.5mm以下が好ましく、0.3mm以下がより好ましく、0.2mm以下がさらに好ましい。
一方、接続部4の板厚t4の下限は、特に限定されないが、0.05mm以上が好ましく、0.1mm以上がより好ましい。
【0069】
次に、
図8及び
図9に基づいて、ガラス基体1Yの製造方法について説明する。
ガラス基体1Yの製造方法のうち、スリミング以外の工程は、第1態様と同じであるため説明を省略し、以下では、スリミングのみを説明する。
ガラス基体1Yの製造方法におけるスリミングは、研磨、マスキング及びエッチングを含む。
【0070】
研磨では、
図8に示すように、ガラス板41のうち、薄板部2及び接続部4となる部分を、その板厚t
1が薄くなるように、第1主面41aから第2主面41bに向けて研磨する。厚板部3となる部分は研磨せずに残す。
研磨により、ガラス板41には、第1主面41aよりも低い位置に、研磨面41cが形成される。
第1主面41aと研磨面41cとの境界位置には、両面の間の段差となす研磨端面41dが形成される。
なお、研磨の方法は、特に限定されず、従来公知の研磨パッドなどが適宜用いられる。
【0071】
研磨後のマスキングでは、
図9に示すように、ガラス板41の第1主面41a、第2主面41bの全面及び研磨面41cをマスク材45で被覆する。
このとき、研磨面41cのうち、薄板部2の第1主面2aとなる面のみをマスク材45で被覆する。また、第1主面41aについては、研磨端面41dの端部の面を露出させて、マスク材45で被覆するとよい。
【0072】
マスキング後のエッチングでは、マスク材45で被覆されたガラス板41を、エッチング液を用いてエッチングする。これにより、マスク材45で被覆されていない部分、具体的には研磨面41cの一部、研磨端面41d、及び、第1主面41aの一部において、エッチング液による溶解がガラス板41の内部に向けて徐々に進行する。
エッチングにより、ガラス板41において、研磨面41cのうちのマスク材45で被覆された部分と第1主面41aとの間には、接続部4となる部分が形成される。また、接続部4となる部分には、滑らかなエッチング面(曲面)が形成される。
なお、ガラス板41において溶解しないで維持される部分が、薄板部2及び厚板部3となる。
エッチング後にはマスク材45が公知の方法によって、適宜除去される。
【0073】
[第4態様]
次に、
図10に基づいて、第4態様を説明する。
図10は、第4態様のガラス基体(以下、ガラス基体1Z)を示す模式断面図である。
なお、第4態様は、ガラス基体の構造が第1態様とは異なるが、それ以外の点では第1態様と共通している。そのため、
図10では、第1態様と同一の部分が同一の符号で示されており、説明についても省略する。
【0074】
第4態様では、
図10に示すように、ガラス基体1Z中の接続部4の第1接続面4aが、薄板部2の第1主面2aと隣接する第1隣接面4cと、厚板部3の第1主面3aと隣接する第2隣接面4dとを有する。
第1隣接面4cは、接続部4の第2接続面4bに向かって凸となった円弧状の湾曲面である。
第2隣接面4dは、第2接続面4bとは反対側に向かって凸となった円弧状の湾曲面である。
そして、第1隣接面4c及び第2隣接面4dは、
図10に示すように、互いに接続してS字状に曲がった第1接続面4aを構成している。
S字状に曲がった第1接続面4aは、前述した第3態様でのガラス基体の製造方法において、エッチング時にマスク材45で被覆されていた第1主面41aのうち、研磨面41cに近い側の端部を、エッチング後に研磨して円弧状に削ることで形成される。
【0075】
ガラス基体1Zでは、接続部4の第1接続面4aがなだらかにS字状に曲がっていることで、第1接続面4aにOCA等のフィルム材を密着させた際に、第1接続面4aとフィルム材との間に気泡が入った場合、その気泡がより抜け易くなる。
なお、第4態様では、第1隣接面4cの曲率半径が接続部4の第1接続面4aの曲率半径r1に相当する。
【0076】
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
本出願は、2019年9月3日出願の日本特許出願2019-160236に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【符号の説明】
【0077】
1:ガラス基体
1X:ガラス基体
1Y:ガラス基体
1Z:ガラス基体
2:薄板部
2a:第1主面
2b:第2主面
3:厚板部
3a:第1主面
3b:第2主面
4:接続部
4a:第1接続面
4b:第2接続面
4c:第1隣接面
4d:第2隣接面
5:オーバーハング部
5a:オーバーハング面
5b:面
6:ガラス変形機器
6a:ロッド
7:コントローラ
8:センサ
10:ガラス基体ユニット(カバーガラス組立体)
10X:ガラス基体ユニット
21:凹凸構造
21a:凸部
21b:凹部
22:表示パネル
23:表示パネル
24:表示パネル
25:表示パネル
26:フレーム
41:ガラス板
41a:第1主面
41b:第2主面
41c:研磨面
41d:研磨端面
45:マスク材
r1:第1接続面の曲率半径
r2:オーバーハング面の曲率半径
t1:ガラス板の板厚
t2:薄板部の板厚
t3:厚板部の板厚
t4:接続部の板厚
L1、L2:直線
W1、W2:長さ
θ1:角度
S1、S2、S3、S4、S5、S6:点
P1:位置
D1、D2:距離