IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

<>
  • 特許-不良ノズル補償メカニズム 図1
  • 特許-不良ノズル補償メカニズム 図2
  • 特許-不良ノズル補償メカニズム 図3
  • 特許-不良ノズル補償メカニズム 図4
  • 特許-不良ノズル補償メカニズム 図5
  • 特許-不良ノズル補償メカニズム 図6
  • 特許-不良ノズル補償メカニズム 図7
  • 特許-不良ノズル補償メカニズム 図8
  • 特許-不良ノズル補償メカニズム 図9
  • 特許-不良ノズル補償メカニズム 図10
  • 特許-不良ノズル補償メカニズム 図11
  • 特許-不良ノズル補償メカニズム 図12
  • 特許-不良ノズル補償メカニズム 図13
  • 特許-不良ノズル補償メカニズム 図14
  • 特許-不良ノズル補償メカニズム 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】不良ノズル補償メカニズム
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
B41J2/01 205
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023553561
(86)(22)【出願日】2022-03-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 JP2022009086
(87)【国際公開番号】W WO2022186325
(87)【国際公開日】2022-09-09
【審査請求日】2023-09-13
(31)【優先権主張番号】17/193,935
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ケイリー ウォルター エフ
(72)【発明者】
【氏名】グルダス ニキータ
(72)【発明者】
【氏名】スタニッチ ミケル
(72)【発明者】
【氏名】マンチェスター ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ズリン
【審査官】小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-138541(JP,A)
【文献】特開2018-136941(JP,A)
【文献】特開2018-133801(JP,A)
【文献】特開2013-233682(JP,A)
【文献】特開2011-126208(JP,A)
【文献】特開2009-241564(JP,A)
【文献】特開2010-188663(JP,A)
【文献】特開2010-083007(JP,A)
【文献】米国特許第10507647(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
較正ロジックを記憶する少なくとも1つの物理メモリデバイスと、
前記少なくとも1つの物理メモリデバイスに接続された1つ以上のプロセッサと、を含み、前記1つ以上のプロセッサは、前記較正ロジックを実行して、
複数の画素形成要素の各々に対する均一性補償ハーフトーン設計を生成することと、
前記画素形成要素の各々に対する欠損近隣補正ハーフトーン設計を生成することと、
前記均一性補償ハーフトーン設計及び前記欠損近隣補正ハーフトーン設計に基づいて、前記画素形成要素の各々に対する欠損近隣閾値低下化関数を生成することと、
前記欠損近隣閾値低下化関数の平均を計算して、平均欠損近隣閾値低下化関数を生成することと、を行う、システム。
【請求項2】
画素形成要素に対する欠損近隣閾値低下化関数を生成することは、前記画素形成要素に対する均一性補償ハーフトーン設計に関連するデータ閾値を、前記画素形成要素に対する欠損近隣補正ハーフトーン設計に関連するデータ閾値にマッピングすることを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記均一性補償ハーフトーン設計は、均一性補償逆伝達関数に基づいて生成され、前記欠損近隣補正ハーフトーン設計は、欠損近隣補正逆伝達関数に基づいて生成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記均一性補償逆伝達関数は、第1のプリント画像測定データに基づいて生成され、前記欠損近隣補正逆伝達関数は、第2のプリント画像測定データに基づいて生成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2のプリント画像測定データは、前記複数の画素形成要素のうちの1つ以上のものなしで生成されたデータに基づく欠損近隣データを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記較正ロジックは、複数のプリントヘッドの各々に対する前記欠損近隣閾値低下化関数の平均を計算して、前記複数のプリントヘッドの各々に対する平均欠損近隣閾値低下化関数を生成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記較正ロジックは、前記平均欠損近隣閾値低下化関数及び前記均一性補償ハーフトーン設計を送信する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記欠損近隣閾値低下化関数及び前記均一性補償ハーフトーン設計を受信するプリントエンジンをさら含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
ノズル分析ロジックを記憶する少なくとも1つの物理メモリデバイスと、
前記少なくとも1つの物理メモリデバイスに接続された1つ以上のプロセッサと、をさらに含み、前記1つ以上のプロセッサは、前記ノズル分析ロジックを実行して、
前記プリントエンジンでのプリントジョブの生成中に画像スキャンデータを受信することと、
前記画像スキャンデータにおける1つ以上の不良画素形成要素を検出することと、を行う、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ノズル分析ロジックは、前記検出された画素形成要素の各々を含むリストを生成し、前記リストを前記プリントエンジンに送信する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
命令が記憶された少なくとも1つのコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、
複数の画素形成要素の各々に対する均一性補償ハーフトーン設計を生成することと、
前記画素形成要素の各々に対する欠損近隣補正ハーフトーン設計を生成することと、
前記均一性補償ハーフトーン設計及び前記欠損近隣補正ハーフトーン設計に基づいて、前記画素形成要素の各々に対する欠損近隣閾値低下化関数を生成することと、
前記欠損近隣閾値低下化関数の平均を計算して、平均欠損近隣閾値低下化関数を生成することと、を行わせる、コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
画素形成要素に対する欠損近隣閾値低下化関数を生成することは、前記画素形成要素に対する均一性補償ハーフトーン設計に関連するデータ閾値を、前記画素形成要素に対する欠損近隣補正ハーフトーン設計に関連するデータ閾値にマッピングすることを含む、請求項11に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記均一性補償ハーフトーン設計は、均一性補償逆伝達関数に基づいて生成され、前記欠損近隣補正ハーフトーン設計は、欠損近隣補正逆伝達関数に基づいて生成される、請求項11に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記均一性補償逆伝達関数は、第1のプリント画像測定データに基づいて生成され、前記欠損近隣補正逆伝達関数は、第2のプリント画像測定データに基づいて生成される、請求項13に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記第2のプリント画像測定データは、前記複数の画素形成要素のうちの1つ以上のものなしで生成されたデータに基づく欠損近隣データを含む、請求項14に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、複数のプリントヘッドの各々に対して前記欠損近隣閾値低下化関数の平均を計算して、前記複数のプリントヘッドの各々に対する平均欠損近隣閾値低下化関数を生成することをさらに行わせる、請求項11に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
方法であって、
複数の画素形成要素の各々に対する均一性補償ハーフトーン設計を生成することと、
前記画素形成要素の各々に対する欠損近隣補正ハーフトーン設計を生成することと、
前記均一性補償ハーフトーン設計及び前記欠損近隣補正ハーフトーン設計に基づいて、前記画素形成要素の各々に対する欠損近隣閾値低下化関数を生成することと、
前記欠損近隣閾値低下化関数の平均を計算して、平均欠損近隣閾値低下化関数を生成することと、を含む、方法。
【請求項18】
前記均一性補償ハーフトーン設計は、均一性補償逆伝達関数に基づいて生成され、前記欠損近隣補正ハーフトーン設計は、欠損近隣補正逆伝達関数に基づいて生成される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
複数のプリントヘッドの各々に対する前記欠損近隣閾値低下化関数の平均を計算して、前記複数のプリントヘッドの各々に対する平均欠損近隣閾値低下化関数を生成する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記平均欠損近隣閾値低下化関数及び前記均一性補償ハーフトーン設計を送信する、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像プロダクションの分野に関し、特に、ジェットアウト補正に関する。
【背景技術】
【0002】
実質的な印刷需要を有するエンティティは、典型的に、ボリューム印刷(例えば、100ページ/分以上)のための高速プロダクションプリンタを実装する。プロダクションプリンタは、大きなロールに格納されたプリント媒体(又は紙)のウェブ上に印刷する連続フォームプリンタを含んでもよい。プロダクションプリンタは、典型的には、印刷システムの全体的な動作を制御する局所化されたプリントコントローラと、1つ以上のプリントヘッドアセンブリを含むプリントエンジンとを含み、各アセンブリは、プリントヘッドコントローラ及びプリントヘッド(又はプリントヘッドのアレイ)を含む。各プリントヘッドは、インク又は媒体上に印刷するのに好適な任意の着色剤の射出のための多くのノズルを含む。
【0003】
印刷動作を開始する前に、ジェッティングしていないプリントヘッドノズルに対する測定された応答差を補償するために、均一性補償が実行されてもよい。しかしながら、プリンタの動作中に様々なノズルが不良となり、不良ノズルにより引き起こされるジェット出力の変化(ジェットアウト状態)をもたらすことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、プリンタは、不良ノズルを考慮するために、その後の均一性補償を実行するためにオフラインにしなければならない。印刷生産を停止すると収益の損失をもたらすため、プリンタをオフラインにすることは望ましくない。したがって、リアルタイムでジェットアウト状態を補正するためのメカニズムが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、印刷システムが開示される。印刷システムは、較正ロジックを記憶する少なくとも1つの物理メモリデバイスと、少なくとも1つの物理メモリデバイスに接続された1つ以上のプロセッサと、を含み、1つ以上のプロセッサは、較正ロジックを実行して、複数の画素形成要素の各々に対する均一性補償ハーフトーン設計を生成することと、画素形成要素の各々に対する欠損近隣補正ハーフトーン設計を生成することと、均一性補償ハーフトーン設計及び欠損近隣補正ハーフトーン設計に基づいて、画素形成要素の各々に対する欠損近隣閾値低下化関数を生成することと、欠損近隣閾値低下化関数の平均を計算して、平均欠損近隣閾値低下化関数を生成することと、を行う。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明のより良い理解は、以下の図面と併せて以下の発明を実施するための形態から取得することができる。
図1】印刷システムの一実施形態のブロック図である。
図2】印刷コントローラの一実施形態のブロック図である。
図3】較正モジュールの一実施形態を示す。
図4】ノズルの逆伝達関数の一実施形態を示す。
図5】印刷システムによって実行される均一性補償プロセスの一実施形態を示すフロー図である。
図6】印刷システムによって実行される均一性補償プロセスの別の実施形態を示すフロー図である。
図7】欠損近隣伝達関数を生成するためのプロセスの一実施形態を示すフロー図である。
図8】欠損閾値低下化関数を生成するためのプロセスの一実施形態を示すフロー図である。
図9】閾値の一実施形態を示す。
図10】欠損近隣プロセスの一実施形態を示すフロー図である。
図11】ノズル補正ロジックの一実施形態を示す。
図12】ノズル補正プロセスの一実施形態を示すフロー図である。
図13】ノズル補正プロセスの別の実施形態を示すフロー図である。
図14】ネットワークにおいて実装される較正モジュールの一実施形態を示す。
図15】コンピュータシステムの一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
リアルタイムでジェットアウト状態を補正するためのメカニズムが説明される。以下の説明では、説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が記載される。しかしながら、当業者には、本発明が、これらの特定の詳細のいくつかなしに実施され得ることは明らかであろう。他の例では、本発明の基礎となる原理を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造及びデバイスがブロック図のフォームで示される。
【0008】
明細書において、「一実施形態」又は「ある実施形態」への参照は、実施形態に関係して説明された特定の特徴、構造、又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。明細書における様々な箇所における「一実施形態では」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているわけではない。
【0009】
図1は、印刷システム130の一実施形態を示すブロック図である。ホストシステム110は、プリンタ160(例えば、プリントエンジン)を介してプリント媒体180上にシート画像120をプリントするために、プリントシステム130と通信している。プリント媒体180は、紙、カードストック、板紙、段ボール、フィルム、プラスチック、合成繊維、繊維、ガラス、複合材料、又は印刷に好適な任意の他の有形媒体を含んでもよい。プリント媒体180のフォーマットは、連続的なフォーム若しくはカットシート、又は印刷に好適な他の任意のフォーマットとしてもよい。プリンタ160は、インクジェット、電子写真式、又は別の好適なプリンタタイプであってもよい。
【0010】
一実施形態では、プリンタ160は、1つ以上のプリントヘッド162を含み、各々、プリント媒体に適用されるマーキング材料を用いてプリント媒体180上にピクチャ要素(画素)の表示を直接的又は間接的に(例えば、中間体を介したマーキング材料の転写によって)形成する1つ以上の画素形成要素165を含む。インクジェットプリンタにおいて、画素形成要素165は、インクをプリント媒体180上に射出する有形のデバイス(例えば、インクジェットノズル)であり、電子写真(EP)プリンタにおいて、画素形成要素は、プリント媒体上に印刷されるトナー粒子の位置を判定する有形のデバイス(例えば、EP露光LED又はEP露光レーザ)であってもよい。
【0011】
レーザ電子写真プリンタの場合、説明された方法を使用して、機能しないレーザ結像要素を補償することができ、複数のビームを使用して光導電体を同時に撮像する。LED電子写真プリンタの場合、説明された方法を使用して、機能しないLED結像要素を補償することができ、LEDのアレイを使用して光導電体を同時に描画する。
【0012】
画素形成要素は、1つ以上のプリントヘッドにグループ化されてもよい。画素形成要素165は、設計上の選択の問題として、固定的(例えば、固定プリントヘッドの一部として)又は移動的(例えば、プリント媒体180を横切って移動するプリントヘッドの一部として)であってもよい。画素形成要素165は、マーキング材料のタイプ(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラック(CMYK))に対応する1つ以上のカラー平面のうちの1つに割り当てられてもよい。
【0013】
さらなる実施形態では、プリンタ160は、マルチパスプリンタ(例えば、デュアルパス、3パス、4パスなど)であり、画素形成要素165の複数のセットは、プリント媒体180上にプリント画像の同じ領域をプリントする。画素形成要素165のセットは、同じ物理的構造(例えば、インクジェットプリントヘッドのノズルのアレイ)又は別個の物理的構造に位置してもよい。得られたプリント媒体180は、カラー及び/又は白黒を含む多数のグレースケールのいずれかで印刷されてもよい(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックK、(CMYK))。ホストシステム110は、パーソナルコンピュータ、サーバ、さらにはデジタル撮像デバイス、例えば、デジタルカメラ又はスキャナなどの任意の計算デバイスを含んでもよい。
【0014】
シート画像120は、プリント媒体180のシート上の画像がどのように印刷されるべきかを記述する任意のファイル又はデータであり得る。例えば、シート画像120は、PostScriptデータ、Printer Command Language (PCL)データ、及び/又は他のプリンタ言語データを含んでもよい。プリントコントローラ140は、シート画像を処理して、送信のためのビットマップ150を生成する。ビットマップ150は、プリント媒体180に印刷するためのハーフトーンビットマップ(例えば、較正されたハーフトーンから生成された較正されたハーフトーンビットマップ、又は較正されていないハーフトーンから生成された較正されていないハーフトーンビットマップ)であってもよい。印刷システム130は、比較的大量(例えば、100ページ/分より大きい)を印刷するように動作可能な高速プリンタであり得る。
【0015】
プリント媒体180は、連続的なフォーム紙、カットシート紙、及び/又は印刷に好適な他の任意の有形の媒体としてもよい。印刷システム130は、一般化された1つのフォームにおいて、シート画像120に基づいてプリント媒体180上にビットマップ150を(例えば、トナー、インクなどを介して)提示するプリンタ160を含む。印刷システム130の構成要素として示されているが、他の実施形態は、プリントコントローラ140に通信可能に接続された独立したデバイスとしてプリンタ160を特徴としてもよい。
【0016】
プリントコントローラ140は、プリント媒体180上への印刷に従ってビットマップ150を生成するためにシート画像120を変換するように動作可能な任意のシステム、デバイス、ソフトウェア、回路、及び/又は他の好適な構成要素であってもよい。これに関して、プリントコントローラ140は、処理及びデータ記憶能力を含んでもよい。一実施形態では、測定モジュール190は、プリント媒体180の測定値を取得するために較正システムの一部として実装される。測定結果は、較正プロセスにおいて使用されるために、プリントコントローラ140に通信される。測定システムは、スタンドアロンプロセスであってもよいし、印刷システム130に一体化されてもよい。
【0017】
一実施形態によれば、測定モジュール190は、プリント媒体180上の印刷された画像の測定を行うセンサであってもよい。測定モジュール190は、測定データ222を生成及び送信してもよい。測定データ222は、OD(例えば、光学濃度)、RGB、又は印刷された画像に対応する他の光学的応答データであってもよい。一実施形態では、測定モジュール190は、1つ以上のセンサを含んでもよく、各々又は全体として、いくつか又は全ての画素形成要素165に対して生成された印刷されたマーキングの光学測定を行う。別の実施形態では、測定モジュール190は、カメラシステム、インラインスキャナ、濃度計又は分光光度計であってもよい。さらなる実施形態において、測定データ222は、測定データ222(例えば、ODデータ)を、測定データ222の部分に寄与した対応する画素形成要素165に相関させるマップ情報を含んでもよい。別の実施形態において、テストパターン(例えば、ステップチャート)のための印刷命令は、測定データ222の部分に寄与した対応する画素形成要素165への測定データ222の部分の相関を提供する。
【0018】
図2は、プリントコントローラ140の一実施形態を示すブロック図である。プリントコントローラ140は、その一般化されたフォームにおいて、インタプリタモジュール212、ハーフトーニングモジュール214、及び較正モジュール216を含む。これらの別個の構成要素は、プリントコントローラ140を実装するために使用されるハードウェアを表してもよい。代替的又は追加的に、別個の構成要素は、プリントコントローラ140のプロセッサ内でソフトウェア命令を実行することによって実装される論理ブロックを表してもよい。
【0019】
インタプリタモジュール212は、印刷ジョブの画像(例えば、シート画像120などの生のシートサイド画像)を解釈、レンダリング、ラスタ化、又は他の方法でシートサイドビットマップに変換するように動作可能である。インタプリタモジュール212によって生成されたシートサイドビットマップは、各々、プリントジョブの画像を表す画素の2次元の画素のアレイ(すなわち、連続トーン画像(CTI))であり、フルシートサイドビットマップとも呼ばれる。2次元の画素アレイは、ビットマップが画像の画素セット全体を含むため、「フル」シートサイドビットマップと見なされる。インタプリタモジュール212は、レンダリング速度が実質的にプロダクションプリントエンジンの画像処理速度と一致するように、複数の生のシートサイドを同時に解釈又はレンダリングするように動作可能である。
【0020】
ハーフトーニングモジュール214は、シートサイドビットマップをハーフトーンパターンのインクとして表現するように動作可能である。例えば、ハーフトーニングモジュール214は、紙に適用するために、画素(ピクセルとしても知られている)をCMYKインクのハーフトーンパターンに変換してもよい。ハーフトーン設計は、画素位置に基づいた入力画素のグレーレベルの出力液滴サイズへの事前定義されたマッピングを含んでもよい。
【0021】
一実施形態では、ハーフトーン設計は、ゼロで始まり最大液滴サイズ(例えば、シングルビット閾値アレイ又はマルチビット閾値アレイなどの閾値アレイ)で終わる、連続的により大きな液滴サイズの有限コレクションの間の有限セットの遷移閾値を含んでもよい。別の実施形態では、ハーフトーン設計は、全てのグレーレベル値を含んだ3次元ルックアップテーブルを含んでもよい。
【0022】
さらなる実施形態において、ハーフトーニングモジュール214は、シートサイドビットマップ内の各画素に対する閾値のセットからなるハーフトーン設計を使用するマルチビットハーフトーニングを実行し、各非ゼロのインク液滴サイズに対して1つの閾値がある。画素は、その画素に対する閾値に対応する液滴サイズでハーフトーニングされる。画素の集合に対するのこの閾値のセットは、マルチビット閾値アレイ(MTA)と呼ばれる。
【0023】
マルチビットハーフトーニングは、最終的な結果が、プリントエンジンが印刷のために用いることが可能な液滴サイズのセット全体から利用可能な特定の液滴サイズの選択であるハーフトーンスクリーニング動作である。単一画素のコントーン値に基づく液滴サイズの選択は、「点演算(Point Operation)」ハーフトーニングと呼ばれる。液滴サイズの選択は、シートサイドビットマップの画素値に基づく。
【0024】
較正モジュール216は、較正されていないハーフトーン218、又は、印刷コントローラ140で受信された、以前に生成された均一性補償ハーフトーンに対して較正プロセスを実行して、1つ以上の較正されたハーフトーン220を生成する。次いで、較正されたハーフトーン220は、シートサイドビットマップと一緒にハーフトーンモジュール214で受信される。一実施形態では、較正されていないハーフトーン218は、較正されたハーフトーンを生成するように修正された基準ハーフトーン設計を表す。このような実施形態において、システム応答の測定値(例えば、測定データ222)は、印刷のために較正されていないハーフトーン218を使用して測定モジュール190を介して受信される。
【0025】
図3は、較正モジュール216の一実施形態を示す。図3に示すように、較正モジュール216は、均一性補償モジュール310を含む。一実施形態によれば、均一性補償モジュール310は、較正されたハーフトーンの均一性補償を達成するために反復プロセスを実行する。本明細書で使用される場合、均一性補償は、画素形成要素165(例えば、プリントヘッドノズル)によって、単一の画素で測定された応答差を補償するための較正として定義される。均一性補償は、場合によっては、単一の反復の後に達成され得る。
【0026】
一実施形態では、均一性補償モジュール310は、較正されていないハーフトーン218に基づいて初期ステップチャートを生成する。このような実施形態において、初期ステップチャートは、較正されていないハーフトーン設計に関連する閾値アレイを使用して、較正ステップチャートを生成する。しかしながら、後続の反復において、ステップチャートは、現在の均一性が補償されたハーフトーンに関連する閾値アレイに基づいて生成される。
【0027】
さらなる実施形態において、較正ステップチャートは、プリンタ160の画素形成要素165によって印刷され、較正ステップチャートの画像は、測定モジュール190によって(例えば、スキャナを介して)測定される。このような実施形態において、測定モジュール190は、各画素形成要素165に対してプリント媒体のウェブを横切る均一なグリッドについて測定されたODデータを含むプリント画像測定データを生成する。
【0028】
較正ステップチャートは、典型的に、均一密度の多数のステップ(例えば、バー又はストライプ)を含み、そこでは、プリンタによって使用されるインクの各色に対する少なくとも1つのハーフトーンパターンがあってもよい。ストライプの濃度は、ペーパーホワイト(インクなし)から各インク色の最大濃度までの範囲である。ステップ又はバーは、プリントヘッドの全てのセグメント又は部分が全ての色及びインクの全ての色の濃淡の度合いの代表的なセットを印刷するように配置される。十分なピクセルがバーの高さに含まれ、ハーフトーン設計におけるランダムな変動が、バーの高さに沿って測定された密度を平均化することによって最小化されるようにする。
【0029】
均一性補償モジュール310は、全てのノズルに対して、各濃淡レベルでODデータを受信し、画素形成要素165に対するOD変動が、目標の均一性補償仕様に関連する所定の閾値未満であるかどうかを判定する。OD変動は、1つのプリントヘッドノズル(例えば、ピクセル)から得られる印刷の平均測定OD値と、同じカラー値入力が印刷されたことに応答した1つ以上の他のノズルからの測定OD値との差である。一実施形態では、所定の閾値は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)340を介してシステムユーザから均一性補償モジュール310で受信される。
【0030】
変動が所定の閾値未満であると判定すると、均一性補償モジュール310は、均一性補償ハーフトーンが達成されたことを示すメッセージを送信する(例えば、OD変動が所定の閾値未満である)。しかしながら、変動が所定の閾値より大きいと判定すると、画素形成要素165の各々に関連する測定データ(例えば、ノズル測定データ)が生成される。一実施形態では、ノズル測定データは、測定されたODデータの補間を含む。続いて、均一性補償モジュール310は、リバイスされた較正ステップチャートの生成及び印刷を開始してもよい。
【0031】
一実施形態によれば、画素形成要素165の各々に対する逆伝達関数(又はITF)は、ODデータ及び受信された均一性補償ターゲット関数に基づいて、均一性補償モジュール310によって生成されてもよい。別の実施形態によれば、画素形成要素165の各々に対する伝達関数(又はTF)は、ODデータ及び受信された均一性補償ターゲット関数に基づいて、均一性補償モジュール310によって生成されてもよい。本明細書で定義される場合、伝達関数は、入力デジタルカウントのシステムに対する出力デジタルカウントへのマッピングとして定義され、デジタルカウントは、ビットマップ150内の画素を表すグレーレベル又はカラー値である(図1)。伝達関数(又は逆伝達関数)は、受信又は生成されてもよい(例えば、目標OD対入力デジタルカウントデータ及び測定OD対出力デジタルカウントデータに基づいて生成されてもよい)。
【0032】
逆伝達関数は、デジタルカウントデータのリバース(例えば、逆)適用であり、伝達関数の出力デジタルカウント値は、逆転送関数の入力デジタルカウント値を形成し、伝達関数の入力デジタルカウント値は、逆転送関数の出力デジタルカウント値を形成する。
【0033】
図4は、ノズルの逆伝達関数の一実施形態を示す。図4に示すように、画素形成要素(例えば、ノズル)の逆伝達関数は、U(g)=c=TF -1(g)として表される。代替的には、全てのノズル位置kに対する逆伝達関数は、T-1(M(g))を使用して直接計算され得る。ターゲットOD応答T(c)は、現在のハーフトーンに対する全てのノズルに対する均一性目標として使用され、{hklは、反復i、列位置k及び液滴サイズレベルlに対する3次元閾値アレイである。閾値アレイは、全ての液滴サイズに対する閾値を含む。列kに対する閾値は、ノズルkを使用して印刷するためのハーフトーニングプロセスで使用される。したがって、インクジェットアレイからのノズルと閾値アレイの列には1対1の対応関係がある。
【0034】
簡単にするために、閾値アレイの行は含まれていない。中括弧は、閾値のセットを示すために使用される。閾値アレイ全体は、ウェブ移動方向の行、各ノズルに対応する列、及び各非ゼロ液滴サイズに対応する平面を有する3次元であることを理解されたい。一実施形態では、均一な印刷を達成するために、全てのノズルに対して同じターゲットが使用される。Uは、図4の色値gを色値cにマッピングするノズルkに対する逆伝達関数を表す。Uは、示された矢印の反対方向に点線の経路をたどることにより判定されてもよい。
【0035】
一実施形態では、色値は、典型的な8ビット印刷システムに対するデジタルカウント(DC)レベルであり、これは0~255である。このような実施形態では、色値gの逆伝達関数は色値cであり、そのターゲット値T(c)は、色値gが印刷されたときに生じる測定値M(g)である。T(c)は、全てのノズル間の均一性を提供するために全てのノズルに対して同じにセットされてもよい。値M(g)は、ノズルk及び現在のハーフトーン(例えば閾値アレイ)に対応するプリント媒体(例えばウェブ)に交差する位置において測定されたODである。Uは、M(g)から出発してTFの逆関数をとって、T -1(M(g))を求めるのではなく、直接計算されてもよい。ターゲット関数の逆関数T-1は、全てのcとgの値を有する2つの列にターゲット関数を表にし、その後、その列を入れ替えることによって求められてもよい。ノズル位置kにおいて測定された応答M(g)は、隣接する補償されたノズルからの寄与を含むように、印刷に用いられた閾値アレイ全体で測定されてもよい。スキャンされた画像データを用いて、データが補間されて、位置kにおけるノズルに対する測定された応答を取得する。代替的には、測定応答及びターゲット応答は、測定データへの回帰に基づいて取得される連続関数であると仮定され得る。
【0036】
図4に示すように、伝達関数TF(c)=gである。一実施形態では、色値cの伝達関数は、色値gがプリントシステムによって印刷されるときに、色値cにおけるターゲット光学濃度が測定値として取得されるようにする色値gである。TF(c)は、図4に示すように、示された矢印の方向に点線の経路をたどることによって判定されてもよい。これは、cとgの両方が、それらに関連する同じ光学濃度ODを有するためである。ターゲットドメインで発生する色cと、測定ドメインシステムで発生する色gである。TF(c)は、T(c)及びMk(g)から、色c及びgについてここで説明したように、光学濃度について一致する色対を表にすることによって導出されてもよい。Uは、TFの逆関数をとることによって判定されてもよい。
【0037】
一実施形態によれば、均一性補償モジュール310は、各それぞれのノズルに対して生成された逆伝達関数を使用して、現在のハーフトーンに対応する閾値アレイの各列における閾値の全てを修正することによって、更新された均一性補償ハーフトーンを生成する。この実施形態において、各列(又はノズル)(k)に対する逆伝達関数が、各反復において使用されて、前の反復から補償されたハーフトーンの現在の閾値{hkli-1を変換する。これは、補償されたハーフトーンに対する閾値{hklを作成する。このプロセスは、現在の閾値アレイからの対応する閾値に基づいて、補償された閾値アレイにおいて閾値を生成する。
【0038】
一実施形態では、補償された閾値アレイの各閾値は、全ての対応する画素及び液滴サイズに対して各閾値に適用される対応するITFによって定義される変換を使用することによって判定される。ITFを連続関数と仮定する場合、変換後の閾値は整数の閾値に丸められる。作成された閾値アレイにおける閾値の範囲は、イメージングパスにおける画像データのビット深度に一致してもよい。イメージングパスのビット深度よりも高いハーフトーンは、ダウンサンプリングされたハーフトーンを生成することによって、又はハーフトーン閾値に一致するように画像データをビットシフトすることによって用いられてもよい。
【0039】
例えば、マルチレベルのハーフトーンの各レベル(l)は、液滴又はドットサイズを表し、レベルl=0は、ハーフトーンがスモール、ミディアム、及びラージを含む場合の小液滴又はドットを表す。閾値は、ゼロ以外の液滴サイズに対してのみ必要とされる。ウェブワイドハーフトーンにおいて、プリントヘッドの各ノズル/列kは、マルチレベルのハーフトーンの各レベルlに対してハーフトーン閾値のセット{hk,l}を有する。反復(i)の後、均一性補償ハーフトーン閾値アレイは、
{hkl=Uk,i(Uk,i-1(...Uk,1({hkl)...))
であり、式中、Uk,iは、反復iにおけるノズルkに対する逆伝達関数である。較正されていない初期ハーフトーン閾値アレイは、{hklによって与えられる。これは、ハーフトーン画像における均一な応答に向かって収束する。
【0040】
代替的な実施形態では、均一性補償モジュール310は、画像データに直接伝達関数を適用してもよい。この実施形態において、較正されていないハーフトーンは修正されない。その代わりに、画像データはハーフトーニングの前に変換される。このため、逆伝達関数ではなく伝達関数が各ノズルに対して生成されて、現在の累積伝達関数を生成する。以下のように判定された累積伝達関数を区別することが重要である。すなわち、
【0041】
反復iにおける現在の伝達関数TF(c)からの
TFC(c)=TF(TFi-1(...TF(c)...))
である。累積伝達関数は、言い換えれば、各反復iにおける測定によって判定された伝達関数の合成である。追加的に、この実施形態は、ハーフトーン(例えば、閾値アレイ)及び画像データに適用される伝達関数を使用して較正ステップチャートを生成する均一性補償モジュール310を含む。
【0042】
一実施形態では、同じ較正されていないハーフトーンがこの実施形態において印刷のために用いられ、累積伝達関数のみが再計算されて、反復iの後の現在の累積転写関数を取得する。反復i後のノズルkに対する累積伝達関数がTFCk,iであると仮定すると、全てのノズルに対する現在の累積伝達関数は、
【0043】
TFCk,i=TFk,i(TFk,i-1(...(TFk,1)...))
【0044】
であり、式中TFk,iは、反復i後に測定されたノズルkに対する伝達関数である。初期伝達関数TFk,Oが使用され、これは、典型的には、アイデンティティ伝達関数である。別の実施形態では、エンジン較正に基づいて導出された初期伝達関数が使用されてもよい。これは、均一性が較正されたハーフトーンの代わりにカスケード伝達関数を用いて、均一性が補正されたハーフトーン画像における均一な応答に向かう収束をもたらす。
【0045】
図5は、均一性補償を実行するためのプロセス500の一実施形態を示すフロー図である。プロセス500は、ハードウェア(例えば、回路、専用論理、プログラマブルロジック、マイクロコードなど)、処理デバイス上で動作する命令などのソフトウェア、又はそれらの組み合わせを含み得る処理ロジックによって実行されてもよい。一実施形態では、プロセス500は、均一性補償ロジック310によって実行される。
【0046】
処理ブロック510において、ハーフトーン(例えば、ハーフトーン設計)が受信される。プロセスの最初の反復において、ハーフトーンは、較正されていないハーフトーンである。処理ブロック520において、ハーフトーンを適用することによって、均一性較正ステップチャートが生成される。このチャートは、複数のステップにおいて0%~100%の濃淡レベルの範囲で同じ濃淡レベルを有するクロスウェブストライプを有してもよい。処理ブロック530において、均一性較正チャートが印刷され、OD測定データを含むチャートの測定からのプリント画像測定データが受信される。決定ブロック540において、OD変動が所定の閾値以下であるか等しいかどうかの判定が行われる。もしそうである場合、OD変動が所定の閾値以下であり、処理ブロック580において、均一性補償ハーフトーンが達成されたことを示すメッセージが送信される。上記に論じたように、メッセージは、均一性補償ハーフトーン値を含んでもよい。いくつかの実施形態では、変動が所定の閾値より大きいことを示す(例えば、別の反復が実行されるべきであることを示す)メッセージも送信されてもよい。
【0047】
処理ブロック550において、OD変動が所定の閾値より大きいと判定されると、ノズル測定データが生成される。上記に論じたように、ノズル測定データは、OD測定データを補間することによって生成されてもよい。処理ブロック560において、各ノズルに対して逆伝達関数が生成されて、各ノズルに対するターゲットOD応答を達成する。
【0048】
処理ブロック570において、各ノズルに対する逆伝達関数を使用して、閾値アレイの各列における閾値を修正することによって、均一性補償ハーフトーンが生成される。ノズル毎のベースでこれらのステップを実行することによって、従来の方法よりも改善された均一性補償(例えば、より正確で、より迅速で、オペレータの負担が少ないなど)が達成されてもよい。一実施形態では、均一性補償ハーフトーンがハーフトーン設計の各液滴サイズに対して生成される。これは、均一性較正ステップチャートを印刷するために用いられるか、又は印刷する現在の閾値アレイを生成する。
【0049】
別の実施形態では、処理ブロック570において、画素形成要素の各々に対する均一性補償ハーフトーンが送信される。さらに別の実施形態では、処理ブロック570において、均一性補償ハーフトーンが達成されなかったことを示すメッセージが送信される(例えば、リバイスされた均一性補償ハーフトーンを有するリバイスされた均一性較正ステップチャートを印刷することに対応するリバイスされたプリント画像測定データを要求する)。
【0050】
その後、制御が処理ブロック510に戻され、均一性補償ハーフトーンが更新ハーフトーンとして受信される。このループは、決定ブロック540の条件を満たすために必要な数の反復に対して繰り返される。OD変動基準を満たす閾値アレイが生成されるときに、それはその後の全ての印刷に使用されてもよい。均一性補償された閾値アレイは、用紙タイプなどの現在の条件と共に保存されてもよい。同じ識別された用紙タイプ及び/又はハーフトーンを使用するその後の印刷は、対応する保存された、均一性補償された閾値アレイを用いてもよい。
【0051】
図6は、均一性補償を実行するための別のプロセス600を示すフロー図である。このプロセスでは、カスケードプロセスに基づいた各ノズルに対する伝達関数が用いられる。プロセス600は、ハードウェア(例えば、回路、専用論理、プログラマブルロジック、マイクロコードなど)、処理デバイス上で動作する命令などのソフトウェア、又はそれらの組み合わせを含み得る処理ロジックによって実行されてもよい。一実施形態では、プロセス600は、均一性補償ロジック310によって実行される。
【0052】
処理ブロック610において、伝達関数が受信される。処理ブロック620において、伝達関数を適用することによって、均一性較正ステップチャートが生成される。処理ブロック630において、均一性較正チャートが印刷され、OD測定データを含むチャートの測定からのプリント画像測定データが受信される。決定ブロック640において、OD変動が所定の閾値以下であるか等しいかどうかについての判定が行われる。そうである場合、処理ブロック680において、均一性補償された伝達関数のセットが取得されたことを示すメッセージが送信される。
【0053】
しかしながら、処理ブロック650において、ノズル測定データは、OD変動が所定の閾値より大きいと判定されたときに生成される。処理ブロック660において、伝達関数が、現在の反復に対して各ノズルに対して生成される。処理ブロック670において、ノズルに対する以前の伝達関数セットを修正することによって、洗練された累積伝達関数のセット(カスケードされた伝達関数)が生成される。
【0054】
別の実施形態では、処理ブロック670において、洗練された累積伝達関数のセットが送信される。さらに別の実施形態では、処理ブロック670において、均一性補償ハーフトーンが達成されなかったことを示すメッセージが送信される(例えば、リバイスされた伝達関数が適用されたリバイスされた均一性較正ステップチャートを印刷することに対応するリバイスされたプリント画像測定データを要求する)。続いて、制御は処理ブロック610に戻され、処理が繰り返される。OD変動基準を満たす洗練された累積伝達関数のセットが生成されると、累積伝達関数は、その後の全ての印刷に使用されてもよい。均一性補償累積伝達関数のセットは、用紙タイプやハーフトーンなどの現在の条件と共に保存されてもよい。同じ識別された用紙タイプ及び/又はハーフトーンを使用するその後の印刷は、対応する保存された、洗練された累積伝達関数のセットを利用する。
【0055】
説明されたカスケードされリバイスされた累積伝達関数アプローチは、閾値アレイを使用して、点演算ハーフトーニングを有さない印刷システムにおいて使用され得ることに留意する。カスケードされリバイスされた伝達関数のセットを使用する、説明された均一性システムは、誤差拡散のような近隣ハーフトーニングが実装されたプリンタに用いられてもよい。
【0056】
均一性補償モジュール310は、各一次インク色(例えば、CMYK)について上述の反復均一性補償プロセスを実装して、ノズル相互作用及びプリントヘッドのミスアラインメントにより生じる残留非適合性を最小化する。追加的に、均一性補償モジュール310は、二次色(例えば、赤、緑、及び青(RGB)色)に対する均一性補償を実行してもよい。そのような実施形態では、均一性補償は、各濃淡の一次色値の所定のペアに従ってブレンドされた2つの色で構成されている各二次色に対して実行される。本明細書で使用される場合、色は、一次インク色彩の固有の組み合わせとして定義され、濃淡は、一次インクの面積密度として定義される。
【0057】
図3を参照すると、較正モジュール216は、欠損近隣関数ロジック320も含む。一実施形態によれば、欠損近隣関数ロジック320は、一次及び/又は二次色に対して欠損近隣関数を計算するように実装される。均一性補償伝達関数の実施形態の場合、欠損近隣関数は欠損近隣伝達関数(MNTF、Missing Neighbor Transfer Function)(例えば、1つ以上の平均欠損近隣伝達関数)を含む。均一性補償ハーフトーンの実施形態の場合、欠損近隣関数は、欠損近隣閾値低下化関数(MTLF、Missing Neighbor Threshold Lowering Function)(例えば、1つ以上の平均欠損近隣閾値低下化関数)を含む。この実施形態では、欠損画素形成素子165の近隣に対するハーフトーン設計閾値が低くされる。閾値を下げると、より低いコントーン画像画素値における所与の液滴サイズが生成される。これは、ハーフトーン設計において欠損画素形成要素165の近隣領域を暗くする効果を有する。
【0058】
一実施形態では、欠損近隣関数ロジック320は、均一性補償モジュール310で生成された均一性補償データを受信する。上記に論じたように、均一性補償データは、伝達関数の実施形態に対して、一次色に対するノズルごとの伝達関数及び/又は二次色に対するノズルごとの伝達貫通に関する伝達関数データと、ハーフトーンの実施形態に対して、インクの各一次色に対するノズルごとのハーフトーン閾値アレイに関する均一性補償ハーフトーンデータを含んでもよい。二次色に基づく伝達関数は、一次色に対する伝達関数のセットに縮小される。
【0059】
さらなる実施形態において、欠損近隣関数ロジック320は、元のステップチャートにおいて、各プリントヘッドセグメントの内部から十分に分離されたノズルの除去(例えば、インクをプリント媒体上に射出するためのノズル発射命令を提供しない)を含む欠損近隣ステップチャートを生成する。その後、欠損近隣ステップチャートが印刷され、測定され(例えば、測定モジュール190で)、欠損近隣測定データを生成する。したがって、欠損近隣補正測定データは、既知の位置で複数の画素形成要素のうちの1つ以上を使用せずに生成される。
【0060】
一実施形態では、均一性補償モジュール310は、欠損近隣測定データに基づいて欠損近隣均一性補償データ(又は欠損近隣補正データ)を生成するように実装される。そのような実施形態では、欠損近隣補正データは、図5及び図6を参照して上述した反復均一性プロセスを介して生成される。その結果、欠損近隣補正データは、ノズルごとに、欠損近隣補正伝達関数、又は欠損近隣補正ハーフトーン設計(例えば、欠損近隣補正逆伝達関数に基づく)を含む。
【0061】
一実施形態によれば、欠損近隣関数ロジック320は、欠損近隣関数補正データ及び均一性補償データを使用して、欠損近隣関数を生成する。そのような実施形態において、欠損近隣関数ロジック320は、欠損近隣関数補正データを均一性補償データと比較することによって、MNTF及びMNTLFを導出する。したがって、MNTFは、均一性補正データ値を、伝達関数における各レベルに対して、欠損近隣補正データ値にマッピングするが、MNTLFは、均一性補正データ閾値を、欠損近隣データ閾値にマッピングする。さらなる実施形態において、MNTFマッピングは、均一性補正データ値と欠損近隣補正データ値との間で補間を実行して、完全なMNTFを形成することを含むが、MNTLFマッピングは、均一性補正済みデータ閾値と欠損近隣データ閾値との間で補間を実行して、完全なMNTLFを形成することを含む。
【0062】
図7は、MNTFを生成するためのプロセス700の一実施形態を示すフロー図である。プロセス700は、ハードウェア(例えば、回路、専用論理、プログラマブルロジック、マイクロコードなど)、処理デバイス上で動作する命令などのソフトウェア、又はそれらの組み合わせを含み得る処理ロジックによって実行されてもよい。一実施形態では、プロセス700は、欠損近隣関数ロジック320によって実行される。
【0063】
プロセス700は、欠損近隣を有する列に対する位置値が受信される処理ブロック710において始まる。処理ブロック720において、各レベルに対して伝達関数(例えば、欠損近隣補正データ値及び均一性補正データ値)が読み出される。処理ブロック730において、欠損近隣補正データと均一性補正データ値との間で補間が実行されて、MNTFを生成する。決定ブロック740において、欠損近隣を有するさらに追加の列が利用可能であるかどうかについての判定が行われる。そうである場合、制御は処理ブロック710に戻され、欠損近隣を有する別の列が受信される。そうではない場合、処理ブロック750において、複数のプリントヘッドの各々に対してMNTFの平均が計算されて、複数のプリントヘッドの各々に対する平均MNTFを生成する。さらなる実施形態において、平均MNTFは、さらに、全てのプリントヘッドにわたって平均化されてもよい。
【0064】
図8は、MNTLFを生成するためのプロセス800の一実施形態を示すフロー図である。プロセス800は、ハードウェア(例えば、回路、専用論理、プログラマブルロジック、マイクロコードなど)、処理デバイス上で動作する命令などのソフトウェア、又はそれらの組み合わせを含み得る処理ロジックによって実行されてもよい。一実施形態では、プロセス800は、欠損近隣関数ロジック320によって実行される。
【0065】
プロセス800は、欠損近隣を有する列に対する位置値が受信される処理ブロック810において始まる。処理ブロック820において、各レベル(例えば、均一性補正された閾値)に対して閾値低下化関数(例えば、欠損近隣補正された閾値)が読み出される。図9は、元の近隣閾値及び欠損近隣閾値の一実施形態を示す。処理ブロック830において、欠損近隣補正された閾値と均一性補正された閾値との間で補間が実行されて、MFTLFを生成する。決定ブロック840において、欠損近隣を有するさら追加の列が利用可能かどうかの判定が行われる。そうである場合、制御は処理ブロック810に戻され、欠損近隣を有する別の列が受信される。そうではない場合、処理ブロック850において、各プリントヘッドに対してMNTLFの平均が計算されて、各プリントヘッドに対する平均MNTLFを生成する。さらなる実施形態では、平均MNTLFは、さらに、全てのプリントヘッドにわたって平均化されてもよい。
【0066】
図10は、欠損近隣プロセス1000の一実施形態を示すフロー図である。プロセス1000は、ハードウェア(例えば、回路、専用論理、プログラマブルロジック、マイクロコードなど)、処理デバイス上で動作する命令などのソフトウェア、又はそれらの組み合わせを含み得る処理ロジックによって実行されてもよい。一実施形態では、プロセス1000は、欠損近隣関数ロジック320によって実行される。
【0067】
プロセス1000は、均一性補償データが受信される処理ブロック1010において始まる。処理ブロック1020において、欠損近隣ステップチャートが生成される。処理ブロック1030において、(例えば、欠損近隣ステップチャートの印刷及び測定の後に、)欠損近隣測定データが受信される。処理ブロック1040において、欠損近隣補正データが生成される。
【0068】
処理ブロック1050において、図7及び図8を参照して上記に論じたように、欠損近隣関数が生成される。処理ブロック1060において、欠損近隣関数(例えば、1つ以上の平均欠損近隣伝達関数、1つ以上の平均欠損近隣閾値低下化関数など)が送信される。一実施形態では、欠損近隣関数は、元の均一性補償データ(例えば、伝達関数及びハーフトーン設計)と一緒に、プリンタ160に含まれるノズル補正ロジック168に送信される。
【0069】
図2を参照すると、プリントコントローラ140は、ノズル分析ロジック230を含む。一実施形態では、ノズル分析ロジック230は、プリントジョブ生成中に、プリント媒体180の測定データ(例えば、画像スキャンデータ)を(例えば、測定モジュール190を介して)受信する。このような実施形態では、ノズル分析ロジック230は、プリント生成中に画像スキャンデータを分析して、1つ以上の不良(又は欠損)画素形成要素165に関連するジェットアウトデータを検出する。さらなる実施形態では、ノズル分析ロジック230は、不良があると判定された全ての画素形成要素165を含む不良ノズルリストを生成する。したがって、欠損/不良と判定された各画素形成要素165は、不良ノズルリストに追加される。生成されると、不良ノズルリストは、ノズル補正ロジック168に送信される。一実施形態では、不良ノズルリストは、プリンタ160に送信される各ビットマップ150と共に送信される。
【0070】
図11は、ノズル補正ロジック168の一実施形態を示す。図11に示すように、ノズル補正ロジック168は、欠損近隣分析エンジン1110及び欠損近隣処理ロジック1120を含む。欠損近隣分析エンジン1110は、較正モジュール216から欠損近隣関数及び元の均一性補償データ、ならびにノズル分析ロジック230からの不良ノズルリストを受信する。印刷処理中、欠損近隣分析エンジン1110は、不良ノズルリストを使用して、各列内の画素形成要素165を分析し、画素形成要素165が欠損/不良画素形成要素165の近隣であるかどうかを判定する。
【0071】
一実施形態では、欠損近隣分析エンジン1110は、画素形成要素165が、不良ノズルリストに示されている欠損/不良画素形成要素165に近接している(例えば、画素形成要素x=x´-1、x´=不良画素形成要素の列番号)(例えば、左隣及び/又は右隣)かどうかを判定する。さらなる実施形態では、欠損近隣分析エンジン1110は、画素形成要素165が欠損/不良画素形成要素165の左隣ではないと判定すると、画素形成要素165を介してプリント媒体にビットマップデータをプリントするために、通常のトーン曲線(例えば、均一性補償伝達関数に関連するトーン曲線)及び/又は通常のハーフトーン(例えば、均一性補償伝達関数に関連するハーフトーン)を実行する。しかしながら、欠損近隣処理ロジック1120は、画素形成要素165が欠損/不良画素形成要素165の左隣であると判定すると、欠損近隣関数(例えば、MNTF又はMNTLF)を使用して、欠損近隣近隣処理を実行する。
【0072】
一実施形態によれば、欠損近隣処理ロジック1120は、欠損/不良画素形成要素(x´)の左隣接近隣画素形成要素(x)及び/又は右隣接近隣画素形成要素(x+2)で、x´の処理をバイパスしながら、欠損近隣ハーフトーニング(例えばMNTLFを介して)又は補正(例えばMNTFを介して)を適用することによって、欠損近隣処理を実行する。さらなる実施形態では、欠損ジェットの両側の2つの最も近い近隣が実施形態において補正されてもよく、ドット利得が、最も近い近隣に由来するかなりの量のインク存在するような実施形態で補正されてもよい。続いて、各列、列内の行画素座標(x,y)に対してプロセスが反復される。
【0073】
図12は、MNTFを介して欠損近隣補正を適用するためのノズル補正プロセス1200の一実施形態を示すフロー図である。プロセス1200は、ハードウェア(例えば、回路、専用論理、プログラマブルロジック、マイクロコードなど)、処理デバイス上で動作する命令などのソフトウェア、又はそれらの組み合わせを含み得る処理ロジックによって実行されてもよい。一実施形態では、プロセス1200は、ノズル補正ロジック168によって実行される。
【0074】
プロセス1200は、欠損近隣関数及び元の均一性補償データが受信される処理ブロック1210において始まる。処理ブロック1220において、不良ノズルリストが受信される。処理ブロック1230において、画素形成要素165(例えば、ノズル)が分析される。決定ブロック1240において、ノズルが欠損/不良ノズルに隣接するかどうか(例えば、左隣)であるかどうかの判定が行われる。そうでない場合、処理ブロック120において、ノズルを使用してプリント媒体にビットマップデータをプリントするために通常のトーン曲線が適用される。それ以外の場合、処理ブロック160において、欠損近隣処理が、ノズルに関連するMNTFを使用して実行される。
【0075】
一実施形態では、MNTFが適用されて(又は使用されて)、均一性補正伝達関数でノズルに対するMNTFをカスケードすることによって欠損近隣処理を実行して、データを印刷し(例えば、TMN(T(g)を印刷する)、TMNは、欠損近隣伝達関数であり、Tは、均一性補正伝達関数であり、gは、画素値である。上記に論じたように、不良ノズルによってデータが適用されない一方で、不良ノズルの左隣及び/又は右近隣に対して、欠損近隣処理が実行される。欠損近隣処理が実行されると、決定ブロック1270において、分析するさらなるノズルが存在するかどうかについての判定が行われる。そうである場合、制御は処理ブロック1230に戻され、次のノズルが分析される。それ以外の場合、処理は完了する。
【0076】
図13は、MNTLFを介して欠損近隣補正を適用するためのノズル補正プロセス1300の一実施形態を示すフロー図である。プロセス1300は、ハードウェア(例えば、回路、専用論理、プログラマブルロジック、マイクロコードなど)、処理デバイス上で動作する命令などのソフトウェア、又はそれらの組み合わせを含み得る処理ロジックによって実行されてもよい。一実施形態では、プロセス1300は、ノズル補正ロジック168によって実行される。
【0077】
プロセス1300は、欠損近隣関数及び元の均一性補償データが受信される処理ブロック1310において始まる。処理ブロック1320において、不良ノズルリストが受信される。処理ブロック1330において、ノズルが分析される。決定ブロック1340において、ノズルが欠損/不良ノズルの左隣接近隣であるかどうかについての判定が行われる。そうでない場合、処理ブロック1350において、ノズルを使用してプリント媒体にビットマップデータをプリントするために通常のトーン曲線が適用される。それ以外の場合、処理ブロック1360において、欠損近隣処理が、ノズルに関連するMNTLFを使用して実行される。
【0078】
一実施形態では、MNTLFを使用して、閾値低下化関数を均一性補正ハーフトーン設計に適用して、h´ijk=TLF(hijk)となるように、欠損近隣補正ハーフトーン設計を生成することによって欠損近隣処理を実行し、式中、h´ijkは、欠損近隣補正ハーフトーン設計であり、hijkは、均一性補正ハーフトーン設計である。続いて、欠損近隣補正ハーフトーン設計を使用してハーフトーニングが実行される。上記に論じたように、不良ノズルによってデータが適用されない一方で、不良ノズルの左隣及び/又は右近隣に対して、欠損近隣処理が実行される。
【0079】
決定ブロック1370において、分析する追加のノズルがあるかどうかについての判定が行われる。そうである場合、制御は処理ブロック1330に戻され、次のノズルが分析される。それ以外の場合、処理は完了する。実施形態では、プロセス1200及び1300は、各原色に対して実行される。しかしながら、他の実施形態では、プロセス1200及び1300はまた、二次色に対しても実行されてもよい。
【0080】
プリントコントローラ140の構成要素として示されているが、他の実施形態は、プリントコントローラ140に通信可能に接続された、独立したデバイス又はデバイスの組み合わせに含まれる較正モジュール216を特徴としてもよい。図14は、ネットワークにおいて実装される較正モジュール216の一実施形態を示す。図14に示すように、較正モジュール216は、計算システム1410に含まれ、較正されたハーフトーン220をクラウドネットワーク1450を介して印刷システム130に送信する。
【0081】
図15は、印刷システム130、計算システム1410、ノズル分析ロジック230及び/又は較正モジュール216が実装され得るコンピュータシステム1500を示す。コンピュータシステム1500は、情報を通信するためのシステムバス1520と、情報を処理するための、バス1520に接続されたプロセッサ1510と、を含む。
【0082】
コンピュータシステム1500は、さらに、バス1520に接続された、プロセッサ1510によって実行される情報及び命令を記憶するためにランダムアクセスメモリ(RAM)又は他のダイナミック記憶デバイス1525(本明細書では、メインメモリと呼ぶ)を含む。メインメモリ1525はまた、プロセッサ1510による命令の実行中に、一時変数又は他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。コンピュータシステム1500は、また、バス1520に接続された、プロセッサ1510によって使用される静的情報及び命令を記憶するための読み出し専用メモリ(ROM)及び/又は他の静的記憶デバイス1526を含んでもよい。
【0083】
磁気ディスク又は光ディスク及びその対応するドライブなどのデータ記憶デバイス1527がまた、情報及び命令を記憶するためにコンピュータシステム1500に接続されてもよい。コンピュータシステム1500はまた、I/Oインターフェース1530を介して第2のI/Oバス1550に接続され得る。表示デバイス1524、入力デバイス(例えば、英数字入力デバイス1523及び/又はカーソル制御デバイス1522)を含め、複数のI/Oデバイスは、I/Oバス1550に接続されてもよい。通信デバイス1521は、他のコンピュータ(サーバ又はクライアント)にアクセスするためのものである。通信デバイス1521は、モデム、ネットワークインターフェースカード、又はイーサネット(登録商標)、トークン・リング、又は他のタイプのネットワークに接続するために使用されるものなどの他の周知のインターフェースデバイスを含んでもよい。
【0084】
本発明の実施形態は、上記に記載された様々なステップを含んでもよい。ステップは、機械実行可能命令に具体化されてもよい。命令は、汎用プロセッサ又は専用プロセッサに特定のステップを実行させるために使用され得る。代替的には、これらのステップは、ステップを実行するためのハードワイヤードロジックを含む特定のハードウェアコンポーネントによって、又はプログラムされたコンピュータコンポーネントとカスタムハードウェアコンポーネントの任意の組み合わせによって実行され得る。
【0085】
本発明の要素はまた、機械実行可能命令を記憶するための機械可読媒体として提供されてもよい。機械可読媒体は、フロッピーディスク、光ディスク、CD-ROM、及び光磁気ディスク、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、磁気若しくは光カード、伝搬媒体、又は電子命令を記憶するのに好適な他のタイプの媒体/機械可読媒体を含むが、これらに限定されない。例えば、本発明は、遠隔コンピュータ(例えば、サーバ)から要求コンピュータ(例えば、クライアント)に、通信リンク(例えば、モデム又はネットワーク接続)を介して搬送波又は他の伝搬媒体に具体化されたデータ信号によって転送され得るコンピュータプログラムとしてダウンロードされてもよい。
【0086】
以下の項及び/又は例は、さらなる実施形態又は例に関連する。例における詳細は、1つ以上の実施形態のどこでも使用されてもよい。異なる実施形態又は例の様々な特徴は、様々な異なる用途に適合するように含まれるいくつかの特徴及び除外される他の特徴と様々に組み合わせられてもよい。例は、本明細書で説明される実施形態及び例による、方法、方法の作用を実行するための手段、機械によって実行されたときに、機械に方法の作用を実行させる命令を含む少なくとも1つの機械可読媒体、装置又はシステムなどの主題を含んでもよい。
【0087】
いくつかの実施形態は、印刷システムであって、較正ロジックを記憶する少なくとも1つの物理メモリデバイスと、少なくとも1つの物理メモリデバイスに接続された1つ以上のプロセッサと、を含み、1つ以上のプロセッサは、較正ロジックを実行して、複数の画素形成要素の各々に対する均一性補償ハーフトーン設計を生成することと、画素形成要素の各々に対する欠損近隣補正ハーフトーン設計を生成することと、均一性補償ハーフトーン設計及び欠損近隣補正ハーフトーン設計に基づいて、画素形成要素の各々に対する欠損近隣閾値低下化関数を生成することと、欠損近隣閾値低下化関数の平均を計算して、平均欠損近隣閾値低下化関数を生成することと、を行う、印刷システムを含むシステムを含む例1に関連する。
【0088】
例2は、画素形成要素に対する欠損近隣閾値低下化関数を生成することは、画素形成要素に対する均一性補償ハーフトーン設計に関連するデータ閾値を、画素形成要素に対する欠損近隣補正ハーフトーン設計に関連するデータ閾値にマッピングすることを含む、例1に記載の主題を含む。
【0089】
例3は、均一性補償ハーフトーン設計は、均一性補償逆伝達関数に基づいて生成され、欠損近隣補正ハーフトーン設計は、欠損近隣補正逆伝達関数に基づいて生成される、例1~2に記載の主題を含む。
【0090】
例4は、均一性補償逆伝達関数は、第1のプリント画像測定データに基づいて生成され、欠損近隣補正逆伝達関数は、第2のプリント画像測定データに基づいて生成される、例1~3に記載の主題を含む。
【0091】
例5は、第2のプリント画像測定データは、複数の画素形成要素のうちの1つ以上のものなしで生成されたデータに基づく欠損近隣データを含む、例1~4に記載の主題を含む。
【0092】
例6は、較正ロジックは、複数のプリントヘッドの各々に対する欠損近隣閾値低下化関数の平均を計算して、複数のプリントヘッドの各々に対する平均欠損近隣閾値低下化関数を生成する、例1~5に記載の主題を含む。
【0093】
例7は、較正ロジックは、平均欠損近隣閾値低下化関数及び均一性補償ハーフトーン設計を送信する、例1~6に記載の主題を含む。
【0094】
例8は、欠損近隣閾値低下化関数及び均一性補償ハーフトーン設計を受信するプリントエンジンをさら含む、例1~7に記載の主題を含む。
【0095】
例9は、ノズル分析ロジックを記憶する少なくとも1つの物理メモリデバイスと、少なくとも1つの物理メモリデバイスに接続された1つ以上のプロセッサと、をさらに含み、1つ以上のプロセッサは、ノズル分析ロジックを実行して、プリントエンジンでのプリントジョブの生成中に画像スキャンデータを受信することと、画像スキャンデータにおける1つ以上の不良画素形成要素を検出することと、を行う、例1~7に記載の主題を含む。
【0096】
例10は、ノズル分析ロジックは、検出された画素形成要素の各々を含むリストを生成し、リストをプリントエンジンに送信する、例1~9に記載の主題を含む。
【0097】
いくつかの実施形態は、命令が記憶された少なくとも1つのコンピュータ可読媒体であって、命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、複数の画素形成要素の各々に対する均一性補償ハーフトーン設計を生成することと、画素形成要素の各々に対する欠損近隣補正ハーフトーン設計を生成することと、均一性補償ハーフトーン設計及び欠損近隣補正ハーフトーン設計に基づいて、画素形成要素の各々に対する欠損近隣閾値低下化関数を生成することと、欠損近隣閾値低下化関数の平均を計算して、平均欠損近隣閾値低下化関数を生成することと、を行わせる、コンピュータ可読媒体を含む例11に関連する。
【0098】
例12は、画素形成要素に対する欠損近隣閾値低下化関数を生成することは、画素形成要素に対する均一性補償ハーフトーン設計に関連するデータ閾値を、画素形成要素に対する欠損近隣補正ハーフトーン設計に関連するデータ閾値にマッピングすることを含む、例11に記載の主題を含む。
【0099】
例13は、均一性補償ハーフトーン設計は、均一性補償逆伝達関数に基づいて生成され、欠損近隣補正ハーフトーン設計は、欠損近隣補正逆伝達関数に基づいて生成される、例11~12に記載の主題を含む。
【0100】
例14は、均一性補償逆伝達関数は、第1のプリント画像測定データに基づいて生成され、欠損近隣補正逆伝達関数は、第2のプリント画像測定データに基づいて生成される、例10~13に記載の主題を含む。
【0101】
例15は、第2のプリント画像測定データは、複数の画素形成要素のうちの1つ以上のものなしで生成されたデータに基づく欠損近隣データを含む、例10~14に記載の主題を含む。
【0102】
例16は、命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、複数のプリントヘッドの各々に対して欠損近隣閾値低下化関数の平均を計算して、複数のプリントヘッドの各々に対する平均欠損近隣閾値低下化関数を生成することをさらに行わせる、例10~15に記載の主題を含む。
【0103】
いくつかの実施形態は、方法であって、複数の画素形成要素の各々に対する均一性補償ハーフトーン設計を生成することと、画素形成要素の各々に対する欠損近隣補正ハーフトーン設計を生成することと、均一性補償ハーフトーン設計及び欠損近隣補正ハーフトーン設計に基づいて、画素形成要素の各々に対する欠損近隣閾値低下化関数を生成することと、欠損近隣閾値低下化関数の平均を計算して、平均欠損近隣閾値低下化関数を生成することと、を含む、方法を含む例17に関連する。
【0104】
例18は、均一性補償ハーフトーン設計は、均一性補償逆伝達関数に基づいて生成され、欠損近隣補正ハーフトーン設計は、欠損近隣補正逆伝達関数に基づいて生成される、例17に記載の主題を含む。
【0105】
例19は、較正ロジックは、複数のプリントヘッドの各々に対する欠損近隣閾値低下化関数の平均を計算して、複数のプリントヘッドの各々に対する平均欠損近隣閾値低下化関数を生成する、例17~18に記載の主題を含む。
【0106】
例20は、較正ロジックは、平均欠損近隣閾値低下化関数及び均一性補償ハーフトーン設計を送信する、例17~19に記載の主題を含む。
【0107】
本発明の多くの変更及び修正は、前述の説明を読んだ後の当業者には疑いなく明らかになるであろうが、説明により示され説明された任意の特定の実施形態は、決して限定するものとして見なされることは意図していないと理解されるべきである。したがって、様々な実施形態の詳細を参照することは、それ自体が本発明に不可欠とみなされる特徴のみを規定する特許請求の範囲を限定することを意図していない。
【0108】
本出願は、2021年3月5日に出願された米国特許出願第17/193935号に基づき、その優先権の利益を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15