IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日立化成株式会社の特許一覧

特許7571917配合設計支援装置、プログラム、及び配合設計支援方法
<>
  • 特許-配合設計支援装置、プログラム、及び配合設計支援方法 図1
  • 特許-配合設計支援装置、プログラム、及び配合設計支援方法 図2
  • 特許-配合設計支援装置、プログラム、及び配合設計支援方法 図3
  • 特許-配合設計支援装置、プログラム、及び配合設計支援方法 図4
  • 特許-配合設計支援装置、プログラム、及び配合設計支援方法 図5
  • 特許-配合設計支援装置、プログラム、及び配合設計支援方法 図6
  • 特許-配合設計支援装置、プログラム、及び配合設計支援方法 図7
  • 特許-配合設計支援装置、プログラム、及び配合設計支援方法 図8
  • 特許-配合設計支援装置、プログラム、及び配合設計支援方法 図9
  • 特許-配合設計支援装置、プログラム、及び配合設計支援方法 図10
  • 特許-配合設計支援装置、プログラム、及び配合設計支援方法 図11
  • 特許-配合設計支援装置、プログラム、及び配合設計支援方法 図12
  • 特許-配合設計支援装置、プログラム、及び配合設計支援方法 図13
  • 特許-配合設計支援装置、プログラム、及び配合設計支援方法 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】配合設計支援装置、プログラム、及び配合設計支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04847 20220101AFI20241016BHJP
【FI】
G06F3/04847
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2024523734
(86)(22)【出願日】2023-11-09
(86)【国際出願番号】 JP2023040362
(87)【国際公開番号】W WO2024106299
(87)【国際公開日】2024-05-23
【審査請求日】2024-08-05
(31)【優先権主張番号】P 2022182597
(32)【優先日】2022-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】株式会社レゾナック
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】倉内 裕史
(72)【発明者】
【氏名】八城 愛美
(72)【発明者】
【氏名】竹本 真平
(72)【発明者】
【氏名】奥野 好成
【審査官】井上 香緒梨
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-011797(JP,A)
【文献】登録実用新案第3037829(JP,U)
【文献】特開2018-041491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/01
G06F3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料の配合率の調整を作業者に行わせる配合設計支援装置であって、
前記配合率に応じた面積を有する図形の組み合わせにより表した配合を配合調整画面に表示するように構成された配合表示制御部と、
前記作業者の前記図形の面積に対する可変操作に基づき、前記配合率の調整を受け付けるように構成された配合率調整受付部と、
前記配合の性能予測値を表示するように構成された性能予測値表示制御部と、
を有する配合設計支援装置。
【請求項2】
前記材料の少なくとも一部は、グループが設定されており、
前記配合率調整受付部は、同一の前記グループに設定された複数の前記材料の配合率の和が固定のまま、同一の前記グループに設定された複数の前記材料の配合率の比率の調整を受け付けるように構成されている
請求項1記載の配合設計支援装置。
【請求項3】
前記材料の少なくとも一部は、グループが設定されており、
前記配合率調整受付部は、同一の前記グループに設定された複数の前記材料の配合率の比率が固定のまま、同一の前記グループに設定された複数の前記材料の配合率の和の調整を受け付けるように構成されている
請求項1又は2記載の配合設計支援装置。
【請求項4】
前記配合から性能を予測する機械学習モデルの機械学習に利用したデータから、前記配合率の相関関係を検知するように構成された相関検知部、
を更に有し、
前記配合率調整受付部は、前記相関関係に従っていない前記配合率の調整を受け付けないように構成されている
請求項1記載の配合設計支援装置。
【請求項5】
前記材料の少なくとも一部について、前記相関関係に基づいたグループを設定するように構成されたグループ設定部、
を更に有する請求項4記載の配合設計支援装置。
【請求項6】
前記配合から性能を予測する機械学習モデルの機械学習に利用したデータから、前記配合率の相関関係を検知するように構成された相関検知部、
を更に有し、
前記配合率調整受付部は、前記相関関係に従っていない前記配合率の調整を受け付けないように構成されている
請求項2記載の配合設計支援装置。
【請求項7】
前記材料の少なくとも一部について、前記相関関係に基づいたグループを設定するように構成されたグループ設定部、
を更に有する請求項6記載の配合設計支援装置。
【請求項8】
前記材料の少なくとも一部は、グループが設定されており、
前記配合表示制御部は、ツリーマップ形式で前記材料の配合率の調整を受け付ける配合グラフを前記配合調整画面に表示し、前記図形の面積に対する第1方向の可変操作により同一の前記グループに設定された複数の前記材料の配合率の比率が固定のまま、同一の前記グループに設定された複数の前記材料の配合率の和の調整を受け付けると共に、前記図形の面積に対する第2方向の可変操作により、同一の前記グループに設定された複数の前記材料の配合率の和が固定のまま、同一の前記グループに設定された複数の前記材料の配合率の比率の調整を受け付けるように構成されている
請求項1又は2記載の配合設計支援装置。
【請求項9】
前記材料の少なくとも一部は、グループが設定されており、
前記配合表示制御部は、サンバーストチャート形式で前記材料の配合率の調整を受け付ける配合グラフを前記配合調整画面に表示し、第1の円を分割した前記図形の面積に対する可変操作により同一の前記グループに設定された複数の前記材料の配合率の比率が固定のまま、同一の前記グループに設定された複数の前記材料の配合率の和の調整を受け付けると共に、第2の円を分割した前記図形の面積に対する可変操作により、同一の前記グループに設定された複数の前記材料の配合率の和が固定のまま、同一の前記グループに設定された複数の前記材料の配合率の比率の調整を受け付けるように構成されている
請求項1又は2記載の配合設計支援装置。
【請求項10】
材料の配合率の調整を作業者に行わせる配合設計支援装置を、
前記配合率に応じた面積を有する図形の組み合わせにより表した配合を配合調整画面に表示する配合表示制御部、
前記作業者から前記図形の面積に対する可変操作により前記配合率の調整を受け付ける配合率調整受付部、
前記配合の性能予測値を表示する性能予測値表示制御部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
材料の配合率の調整を作業者に行わせる配合設計支援装置が実行する配合設計支援方法であって、
前記配合率に応じた面積を有する図形の組み合わせにより表した配合を配合調整画面に表示する配合表示制御ステップと、
前記作業者から前記図形の面積に対する可変操作により前記配合率の調整を受け付ける配合率調整受付ステップと、
前記配合の性能予測値を表示する性能予測値表示制御ステップと、
を有する配合設計支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配合設計支援装置、プログラム、及び配合設計支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、機械学習又は統計解析を用いて、配合から特性を予測する機械学習モデルを構築することで、配合の変化に応じた特性予測値の変化を表現するグラフを、コンピュータに表示させるようになった。例えば特許文献1には、生成物をカスタム設計するための技術として、材料の特性の予測値のグラフ描写を作り出す方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2020-535566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
材料の配合率の調整を作業者に行わせる配合設計支援装置では、物性などの性能(目的変数)を予測するための材料の配合率(説明変数)の調整を行う必要がある。従来の配合設計支援装置では、配合の全体像を把握しながら材料の配合率の調整を行うことが容易でないという問題があった。なお、特許文献1は、前述の問題を解決するものではない。
【0005】
本開示は、配合の全体像を把握しながら材料の配合率の調整を行うことができる配合設計支援装置、プログラム、及び配合設計支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、以下に示す構成を備える。
【0007】
[1] 材料の配合率の調整を作業者に行わせる配合設計支援装置であって、
前記配合率に応じた面積を有する図形の組み合わせにより表した配合を配合調整画面に表示するように構成された配合表示制御部と、
前記作業者の前記図形の面積に対する可変操作に基づき、前記配合率の調整を受け付けるように構成された配合率調整受付部と、
前記配合の性能予測値を表示するように構成された性能予測値表示制御部と、
を有する配合設計支援装置。
【0008】
[2] 前記材料の少なくとも一部は、グループが設定されており、
前記配合率調整受付部は、同一の前記グループに設定された複数の前記材料の配合率の和が固定のまま、同一の前記グループに設定された複数の前記材料の配合率の比率の調整を受け付けるように構成されている
[1]記載の配合設計支援装置。
【0009】
[3] 前記材料の少なくとも一部は、グループが設定されており、
前記配合率調整受付部は、同一の前記グループに設定された複数の前記材料の配合率の比率が固定のまま、同一の前記グループに設定された複数の前記材料の配合率の和の調整を受け付けるように構成されている
[1]又は[2]記載の配合設計支援装置。
【0010】
[4] 前記配合から性能を予測する機械学習モデルの機械学習に利用したデータから、前記配合率の相関関係を検知するように構成された相関検知部、
を更に有し、
前記配合率調整受付部は、前記相関関係に従っていない前記配合率の調整を受け付けないように構成されている
[1]記載の配合設計支援装置。
【0011】
[5] 前記材料の少なくとも一部について、前記相関関係に基づいたグループを設定するように構成されたグループ設定部、
を更に有する[4]記載の配合設計支援装置。
【0012】
[6] 前記配合から性能を予測する機械学習モデルの機械学習に利用したデータから、前記配合率の相関関係を検知するように構成された相関検知部、
を更に有し、
前記配合率調整受付部は、前記相関関係に従っていない前記配合率の調整を受け付けないように構成されている
[2]又は[3]記載の配合設計支援装置。
【0013】
[7] 前記材料の少なくとも一部について、前記相関関係に基づいたグループを設定するように構成されたグループ設定部、
を更に有する[6]記載の配合設計支援装置。
【0014】
[8] 前記材料の少なくとも一部は、グループが設定されており、
前記配合表示制御部は、ツリーマップ形式で前記材料の配合率の調整を受け付ける配合グラフを前記配合調整画面に表示し、前記図形の面積に対する第1方向の可変操作により同一の前記グループに設定された複数の前記材料の配合率の比率が固定のまま、同一の前記グループに設定された複数の前記材料の配合率の和の調整を受け付けると共に、前記図形の面積に対する第2方向の可変操作により、同一の前記グループに設定された複数の前記材料の配合率の和が固定のまま、同一の前記グループに設定された複数の前記材料の配合率の比率の調整を受け付けるように構成されている
[1]乃至[7]の何れか一項に記載の配合設計支援装置。
【0015】
[9] 前記材料の少なくとも一部は、グループが設定されており、
前記配合表示制御部は、サンバーストチャート形式で前記材料の配合率の調整を受け付ける配合グラフを前記配合調整画面に表示し、第1の円を分割した前記図形の面積に対する可変操作により同一の前記グループに設定された複数の前記材料の配合率の比率が固定のまま、同一の前記グループに設定された複数の前記材料の配合率の和の調整を受け付けると共に、第2の円を分割した前記図形の面積に対する可変操作により、同一の前記グループに設定された複数の前記材料の配合率の和が固定のまま、同一の前記グループに設定された複数の前記材料の配合率の比率の調整を受け付けるように構成されている
[1]乃至[7]の何れか一項に記載の配合設計支援装置。
【0016】
[10] 材料の配合率の調整を作業者に行わせる配合設計支援装置を、
前記配合率に応じた面積を有する図形の組み合わせにより表した配合を配合調整画面に表示する配合表示制御部、
前記作業者から前記図形の面積に対する可変操作により前記配合率の調整を受け付ける配合率調整受付部、
前記配合の性能予測値を表示する性能予測値表示制御部、
として機能させるためのプログラム。
【0017】
[11] 材料の配合率の調整を作業者に行わせる配合設計支援装置が実行する配合設計支援方法であって、
前記配合率に応じた面積を有する図形の組み合わせにより表した配合を配合調整画面に表示する配合表示制御ステップと、
前記作業者から前記図形の面積に対する可変操作により前記配合率の調整を受け付ける配合率調整受付ステップと、
前記配合の性能予測値を表示する性能予測値表示制御ステップと、
を有する配合設計支援方法。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、配合の全体像を把握しながら材料の配合率の調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態に係る配合設計支援システムの一例の構成図である。
図2】本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
図3】本実施形態に係る配合設計支援システムの一例の機能構成図である。
図4】本実施形態に係る配合調整画面の一例のイメージ図である。
図5】配合率図形の面積に対する可変操作の一例の説明図である。
図6】定数和の関係の配合率図形の面積に対する可変操作の一例の説明図である。
図7】定数比の関係の配合率図形の面積に対する可変操作の一例の説明図である。
図8】配合率が定数和の関係である場合の配合率の調整の一例について説明する図である。
図9】配合率が定数比の関係である場合の配合率の調整の一例について説明する図である。
図10】本実施形態に係る配合グラフの一例のイメージ図である。
図11】最小絶対値法、RANSAC、又はTheil-Sen回帰等を用いた相関定式化の一例について説明する図である。
図12】本実施形態に係る配合設計支援システムの処理の一例のフローチャートである。
図13】本実施形態に係る配合調整画面の配合調整欄の一例のイメージ図である。
図14】材料の配合率の変化に対する性能予測値の変化をプロットしたプロファイルの一例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。本実施形態において配合率は、材料毎に設定される配合の割合であって、例えば「材料1が30%」等を表している。また、本実施形態において配合は複数の配合率の組であって、合計が100%となり、例えば「材料1が30%、材料2が50%、材料3が20%」等を表している。
【0021】
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る配合設計支援システムの一例の構成図である。図1の配合設計支援システム1は、配合設計支援装置10、及びユーザ端末12を有している。配合設計支援装置10及びユーザ端末12は、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はインターネットなどの通信ネットワーク18を介してデータ通信可能に接続されている。
【0022】
ユーザ端末12は作業者が操作するPC、タブレット端末、スマートフォンなどの情報処理装置である。ユーザ端末12は、配合調整画面を表示し、材料の配合率の調整に必要な操作を作業者から受け付ける。ユーザ端末12は作業者から受け付けた操作の内容を配合設計支援装置10に送信する。また、ユーザ端末12は配合設計支援装置10が配合から予測した特性などの性能予測値を配合調整画面に表示して作業者に確認させる。
【0023】
配合設計支援装置10は、作業者から受け付けた材料の配合率の調整の操作に基づき、配合から生成物の性能を予測して配合調整画面に表示させる処理を実行するPC、ワークステーションなどの情報処理装置である。配合設計支援装置10は、例えば学習データを機械学習した機械学習モデルを用いて、材料の配合率(説明変数)から、その配合により生成される生成物の性能(目的変数)を予測する。以下では、配合により生成される生成物の性能予測値を配合の性能予測値と呼ぶことがある。配合設計支援装置10は、予測した配合の性能予測値をユーザ端末12に送信するなど、予測した配合の性能予測値を配合調整画面に表示させる為の処理を実行する。
【0024】
なお、配合調整画面を表示する為の画像データの生成は、配合設計支援装置10で生成してユーザ端末12に送信してもよいし、配合調整画面を生成する為に必要となるデータを配合設計支援装置10から送信してユーザ端末12で生成してもよい。
【0025】
本実施形態に係る配合設計支援システム1では、作業者による配合設計を支援する後述するような配合調整画面を表示することで、作業者が配合の全体像を把握しながら材料の配合率の調整を容易に行えるように支援する。
【0026】
なお、図1の配合設計支援システム1は一例であって、用途や目的に応じて様々なシステム構成例があることは言うまでもない。例えば配合設計支援装置10は、複数台のコンピュータにより実現してもよいし、クラウドコンピューティングのサービスとして実現するようにしてもよい。また、例えば図1の配合設計支援システム1はスタンドアローンのコンピュータにより実現してもよい。
【0027】
<ハードウェア構成>
図1の配合設計支援装置10及びユーザ端末12は、例えば図2に示すハードウェア構成のコンピュータ500により実現する。
【0028】
図2は、本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。図2のコンピュータ500は、入力装置501、表示装置502、外部I/F503、RAM504、ROM505、CPU506、通信I/F507、及びHDD508などを備えており、それぞれがバスBで相互に接続されている。なお、入力装置501及び表示装置502は接続して利用する形態であってもよい。
【0029】
入力装置501は、作業者が各種信号を入力するのに用いるタッチパネル、操作キーやボタン、キーボードやマウスなどである。表示装置502は、画面を表示する液晶や有機ELなどのディスプレイ、音声や音などの音データを出力するスピーカ等で構成されている。通信I/F507はコンピュータ500がデータ通信を行うためのインタフェースである。
【0030】
また、HDD508は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。格納されるプログラムやデータには、コンピュータ500全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションなどがある。なお、コンピュータ500はHDD508に替えて、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSDなど)を利用するものであってもよい。
【0031】
外部I/F503は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体503aなどがある。これにより、コンピュータ500は外部I/F503を介して記録媒体503aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体503aにはフレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリなどがある。
【0032】
ROM505は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROM505にはコンピュータ500の起動時に実行されるBIOS、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM504はプログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。
【0033】
CPU506は、ROM505やHDD508などの記憶装置からプログラムやデータをRAM504上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ500全体の制御や機能を実現する演算装置である。本実施形態に係るコンピュータ500は、プログラムを実行することで後述するような配合設計支援装置10及びユーザ端末12の各種機能を実現できる。CPU506は、プログラムが格納された記録媒体503aから外部I/F503を介してプログラムを読み取り、実行してもよい。
【0034】
<機能構成>
本実施形態に係る配合設計支援システム1の構成について説明する。図3は本実施形態に係る配合設計支援システムの一例の機能構成図である。なお、図3の構成図は、本実施形態の説明に不要な部分について適宜省略している。なお、以下の説明では配合調整画面の画像データを配合設計支援装置10で生成する例を説明するが、ユーザ端末12に搭載されたアプリケーションなどのプログラムが生成してもよい。
【0035】
図3に示した配合設計支援システム1の配合設計支援装置10は、要求受信部20、応答送信部22、配合調整画面表示制御部24、配合表示制御部26、性能予測値表示制御部28、配合率調整受付部30、性能予測部32、相関検知部34、グループ設定部36、学習データ記憶部40、機械学習モデル記憶部42、及びグループ記憶部44を有する構成である。また、ユーザ端末12は情報表示部50、操作受付部52、要求送信部54、及び応答受信部56を有する構成である。
【0036】
ユーザ端末12の情報表示部50は、作業者による配合設計を支援する後述の配合調整画面を表示装置502に表示する。操作受付部52は、配合調整画面に対する操作などの各種操作を作業者から受け付ける。要求送信部54は配合調整画面に対する操作などの各種操作に基づき、処理の要求を配合設計支援装置10に送信する。応答受信部56は要求送信部54が送信した処理の要求に対する応答を配合設計支援装置10から受信する。
【0037】
配合設計支援装置10の要求受信部20は、作業者の操作に基づいた処理の要求を受信する。応答送信部22は要求受信部20が受信した処理の要求に対する応答をユーザ端末12に送信する。
【0038】
配合調整画面表示制御部24は後述の配合調整画面の画像データを生成し、ユーザ端末12に表示させる制御を行う。配合表示制御部26は後述の配合グラフを配合調整画面に表示させる制御を行う。性能予測値表示制御部28は配合調整画面において作業者が調整した配合の性能予測値を配合調整画面に表示させる制御を行う。
【0039】
配合率調整受付部30はユーザ端末12において受け付けた配合調整画面に対する作業者の操作に基づき、材料の配合率の調整を作業者から受け付ける。性能予測部32は学習データを機械学習し、配合から生成物の性能を予測する機械学習モデル(以下、単に機械学習モデルと呼ぶ)を用いて、配合の性能予測値を予測する。機械学習は、例えば教師あり学習を利用できる。配合から生成物の性能を予測する機械学習モデルは、配合と、配合により生成させる生成物の性能と、が対応付けられている学習データを用いて、配合と生成物の性能との関係性を学習し、その関係性に従って配合の性能予測値を予測する。
【0040】
相関検知部34は、機械学習モデルの機械学習に利用した学習データから、配合率の相関関係を検知する。配合率の相関関係は、学習データに存在する配合率の定数和又は定数比の関係を含む。配合率の定数和は、後述のように同一のグループに設定された複数の材料の配合率の和が固定の関係を表す。また、配合率の定数比は、同一のグループに設定された複数の材料の配合率の比率が固定の関係を表す。
【0041】
グループ設定部36は、配合率の相関関係に基づいたグループを設定する。グループの設定は、充填材及び固着材などの意図した機能に基づいて操作者が手動で行ってもよいし、相関検知部34が検知した配合率の相関関係に基づいて自動的に行ってもよいし、過去の配合が記録されたレシピ(過去レシピ)を継承するように行ってもよい。
【0042】
学習データ記憶部40は、機械学習に用いた学習データを記憶する。機械学習モデル記憶部42は、機械学習モデルを記憶する。グループ記憶部44は、設定されたグループを記憶する。
【0043】
<配合調整画面>
図4は本実施形態に係る配合調整画面の一例のイメージ図である。図4の配合調整画面1000は配合調整欄1002及び性能予測値表示欄1004を含む。配合調整欄1002は配合グラフ1006を含む。配合グラフ1006はツリーマップ形式で材料の配合率の調整を受け付ける表示の一例である。配合グラフ1006は配合率に応じた面積を有する図形(以下、配合率図形と呼ぶ)の組み合わせにより配合を表している。配合率に応じた面積は、配合率が大きいほど広く、配合率が小さいほど狭くなる。なお、配合グラフ1006により表される材料1,2,4~8の配合率の合計は100%となる。配合グラフ1006は配合の全体像を表している。配合グラフ1006は配合率図形ごとに色分け又はハッチングなどで視覚的に区別して表示してもよい。材料の配合が配合量で表される場合には、配合グラフ1006はマリメッコチャート(モザイクプロットともいう)で表されてもよい。
【0044】
配合グラフ1006上に表示されたマーク1010は「材料4」及び「材料5」の配合率が定数和の関係であることを表している。配合グラフ1006上に表示されたマーク1012は「材料6」「材料7」及び「材料8」の配合率が定数比の関係であることを表している。なお、定数和の関係である配合率は、設定されたグループのチェックボックスに自動でチェックが入る。定数比の関係である配合率は、同一のグループに設定された材料のチェックボックスに自動でチェックが入る。
【0045】
なお、定数和又は定数比の関係でない材料の配合率であっても、配合率図形の面積の可変操作を受け付けない材料の配合率を、チェックボックスにチェックを入れることで指定できる。
【0046】
性能予測値表示欄1004は、配合グラフ1006が表す配合(現在の配合)の性能予測値を表示する。図4の性能予測値表示欄1004に表示されている「比較1」及び「比較2」は、配合調整欄1002の「比較対象に加える」ボタン1008の押下により比較例として保存された、現在の配合とは異なる配合の性能予測値である。図4の性能予測値表示欄1004では、現在の配合と「比較1」の配合と「比較2」の配合の性能予測値が性能ごとに棒グラフで表示されている。
【0047】
また、本実施形態に係る配合調整画面1000は図5図7に示すように、配合率図形の面積に対する可変操作を作業者から受け付け、その可変操作に基づいて配合率の調整を行う。
【0048】
図5は、配合率図形の面積に対する可変操作の一例の説明図である。図5では配合グラフ1006の「材料1」及び「材料2」の配合率図形の面積の可変操作に基づいて「材料1」及び「材料2」の配合率の調整を受け付けることができる。作業者は図5の配合グラフ1006の「材料1」及び「材料2」の配合率図形の間にある線をドラッグ操作により左右に移動することにより「材料1」及び「材料2」の配合率図形の面積の可変操作を行うことができる。
【0049】
なお、配合率図形の面積の可変操作は、操作者が面積を拡大する配合率図形と縮小する配合率図形とを指定して行ってもよいし、操作者が面積を拡大する配合率図形を指定して他の配合率図形を等分して縮小してもよい。配合グラフ1006の配合率図形の面積に対する可変操作に基づき、性能予測値表示欄1004に表示された現在の配合の性能予測値は変化する。
【0050】
図6は定数和の関係の配合率図形の面積に対する可変操作の一例の説明図である。図6では配合グラフ1006の「材料4」及び「材料5」の配合率図形の面積の可変操作に基づいて「材料4」及び「材料5」の配合率の調整を受け付けることができる。作業者は図6の同一の「グループ1」に設定された「材料4」及び「材料5」の配合率図形の間にある線をドラッグ操作により上下に移動することにより「材料4」及び「材料5」の配合率図形の面積の可変操作を行うことができる。
【0051】
図6の配合グラフ1006において「材料4」及び「材料5」の配合率図形は定数和の関係を有する。図8は配合率が定数和の関係である場合の配合率の調整の一例について説明する図である。図8は定数和の関係の「材料A」及び「材料B」の例を示す。図8に示したように定数和の関係の「材料A」及び「材料B」は和が「10%」で固定のまま、配合率の比率(バランス)を「材料A:3%」及び「材料B:7%」から「材料A:5%」及び「材料B:5%」に調整できる。
【0052】
図6の配合グラフ1006において、定数和の関係の「材料4」及び「材料5」の配合率図形は横幅がロックされているため、「グループ1」内の「材料4」及び「材料5」の配合率の和が固定のまま、「材料4」及び「材料5」の配合率の比率(バランス)を調整できる。したがって、作業者は意図した機能をもとにグループ分けされた材料をグループ内で配合率の和を変化させず、グループ内で材料の配合率を調整できる。
【0053】
図7は定数比の関係の配合率図形の面積に対する可変操作の一例の説明図である。図7では配合グラフ1006の「材料6」「材料7」及び「材料8」の配合率図形の面積の可変操作に基づいて「材料6」「材料7」及び「材料8」の配合率の調整を受け付けることができる。作業者は、同一の「グループ2」に設定された「材料6」「材料7」及び「材料8」の横幅をドラッグ操作して「材料6」「材料7」及び「材料8」の配合率図形の面積の可変操作を行うことができる。
【0054】
図7の配合グラフ1006において「材料6」「材料7」及び「材料8」の配合率図形は定数比の関係を有する。図9は配合率が定数比の関係である場合の配合率の調整の一例について説明する図である。図9は定数比の関係の「材料A」及び「材料B」の例を示している。図9に示したように定数比の関係の「材料A」及び「材料B」はグループ内の配合率の比率(バランス)が固定のまま、グループ内の「材料A」及び「材料B」の配合率の和を「10%」から「8%」に調整できる。
【0055】
図7の配合グラフ1006において、定数比の関係の「材料6」「材料7」及び「材料8」の配合率図形は「グループ2」内の「材料6」「材料7」及び「材料8」の配合率の比率(バランス)がロックされているため、「グループ2」内の「材料6」「材料7」及び「材料8」の配合率の比率が固定のまま、「材料6」「材料7」及び「材料8」の配合率の和を調整できる。
【0056】
本実施形態に係る配合調整画面1000の配合グラフ1006によれば、意図した機能に基づいた材料のグループ分けに即しつつ、配合の全体像を把握しながら材料の配合率の調整を行うことができる。
【0057】
図4等に示した配合グラフ1006は一例であって、図10に示すような配合グラフ1020であってもよい。図10は本実施形態に係る配合グラフの一例のイメージ図である。図10の配合グラフ1020も例えば図4等の配合調整画面1000の配合調整欄1002に表示される。
【0058】
配合グラフ1020はサンバーストチャート形式で材料の配合率の調整を受け付ける表示の一例である。サンバーストチャートとは、階層化された円グラフである。図10の配合グラフ1020は内側の円に「材料1」「材料2」「グループ1」及び「グループ2」の配合率に応じた面積を有する図形の組み合わせにより配合を表している。
【0059】
図10の配合グラフ1020の外側の円に「材料1」「材料2」「材料4」「材料5」「材料6」「材料7」及び「材料8」の配合率に応じた面積を有する図形(以下、配合率図形と呼ぶ)の組み合わせにより配合を表している。配合グラフ1020の外側の円により表される材料1,2,4~8の配合率の合計は100%となる。配合グラフ1020は配合の全体像を表している。
【0060】
配合グラフ1020上に表示されたマーク1022は「材料4」及び「材料5」の配合率が定数和の関係であることを表している。配合グラフ1020上に表示されたマーク1024は「材料6」「材料7」及び「材料8」の配合率が定数比の関係であることを表している。
【0061】
また、配合グラフ1020は図5図7に示した配合グラフ1006と同様に、配合率図形の面積に対する可変操作を作業者から受け付け、その可変操作に基づいて配合率の調整を行う。
【0062】
本実施形態に係る配合調整画面1000の配合グラフ1006によれば、意図した機能に基づいた材料のグループ分けに即しつつ、配合の全体像を把握しながら材料の配合率の調整を行うことができる。
【0063】
<禁則配合回避>
本実施形態に係る配合設計支援装置10は、配合調整画面1000において性能予測部32の性能予測値が不定となる配合(禁則配合)が回避できるように、配合率図形の面積変化を禁止又は自動化できることが望ましい。禁則配合は、過去レシピの継承又は限られた実験数(網羅的な実験が工数的に不可能な実験数)によって生じる性能予測値が不定となる配合である。
【0064】
そこで、本実施形態に係る配合設計支援装置10は、学習データ及び/又は過去レシピから材料の配合率に存在する相関関係を検知し、検知した相関関係を満たさない配合を禁則配合として把握することで、禁則配合を避けながら作業者に材料の配合率の調整を行わせることができる。
【0065】
学習データ及び/又は過去レシピから材料の配合率に存在する相関関係の検知は、例えば分散拡大係数(VIF)を用いて以下のように行うことができる。まず、学習データから材料の配合率に存在する相関関係を検知する場合は、調べたい材料Xtargetを選ぶ。
【0066】
次に、Xtarget以外の材料Xを説明変数として用いたXtargetの再現式(予測式)を、例えば最小絶対値法、RANSAC(Random Sample Consensus)、又はTheil-Sen回帰等を用いることで相関定式化する。
【0067】
図11は最小絶対値法、RANSAC、又はTheil-Sen回帰等を用いた相関定式化の一例について説明する図である。図11に示したように学習データの視察により、材料Aの配合率と材料Bの配合率との間において、材料Aと材料Bの相関関係が「材料A=3×材料B」であったものとする。ただし、例外のデータが含まれている。通常の最小二乗法を用いると、定式化された相関関係は例外のデータの影響により、例えば「材料A=2.9×材料B-0.1」のように乱れる場合がある。一方、最小絶対値法又はRANSACを用いると、ロバスト性により例外のデータの影響を抑えて、材料Aと材料Bの相関関係「材料A=3×材料B」が得られる。このように、本実施形態に係る配合設計支援装置10は、材料の配合率に存在する相関関係を、なるべく簡潔な配合率の定数和及び定数比の形で相関検知する。
【0068】
次に、Xtargetの再現度(R2値)からVIFを計算する。VIFが閾値(例えば10以上)であれば相関成立とみなし、再現式を保持する。保持した再現式は、学習データ及び/又は過去レシピによって生じる配合率の定数和及び定数比などの意図的な配合率の相関関係を表している。
【0069】
そこで、本実施形態に係る配合設計支援装置10は、保持した再現式に従い、禁則配合が回避できるように、図6に示した配合率が定数和の関係である場合の配合率図形の横幅をロックする形式、又は図7に示した配合率が定数比の関係である場合の配合率図形の縦幅をロックする形式で配合グラフ1006を表示する。
【0070】
なお、配合調整画面1000に表示される材料のグループのうち、検知した配合率の相関関係に基づいて自動設定されたグループは、作業者による解除不可としてもよい。配合率の定数和及び定数比のような簡潔な式で表せない配合率の相関関係は、配合調整画面1000においてグループ表記せずに、禁則配合が回避できるように、配合率図形の面積変化を禁止又は自動化できるようにしてもよい。
【0071】
<処理>
以下、本実施形態に係る配合設計支援システム1が、作業者に配合率の調整を行わせる処理について説明する。図12は、本実施形態に係る配合設計支援システムの処理の一例のフローチャートである。
【0072】
ステップS10において、配合設計支援装置10は学習データ、過去レシピ等から材料の配合率に存在する相関関係を検知し、検知した相関関係を満たさない配合を禁則配合として把握する。
【0073】
ステップS12において、配合設計支援装置10は図4図7に示したような、禁則配合を回避する配合調整画面1000を表示する。ステップS14において、配合設計支援装置10は配合調整画面1000に対する作業者の操作を受け付ける。
【0074】
ステップS16において、配合設計支援装置10は作業者による配合率図形の面積の可変操作があったか否かを判定する。配合率図形の面積の可変操作が無ければ、配合設計支援装置10はステップS20の処理を行う。配合率図形の面積の可変操作があれば、配合設計支援装置10はステップS18の処理を行う。
【0075】
ステップS18において、配合設計支援装置10はステップS14の作業者による操作により調整された配合グラフ1006が表す配合の性能予測値を予測し、配合調整画面1000の性能予測値表示欄1004の現在の配合の性能予測値を更新する。ステップS18の処理のあと、配合設計支援装置10はステップS20の処理を行う。
【0076】
ステップS20において、配合設計支援装置10は配合調整画面1000の表示が終了であるか否かを判定する。配合調整画面1000の表示が終了でなければ、配合設計支援装置10はステップS14の処理に戻る。配合調整画面1000の表示が終了であれば、配合設計支援装置10は図12のフローチャートの処理を終了する。
【0077】
[他の実施形態]
本実施形態では、性能予測部32の性能予測値が不定となる配合(禁則配合)が回避できるように、配合率図形の面積変化を禁止又は自動化する例を説明した。例えば逆問題解析の処理において、ランダム又は所定の刻み幅で網羅探索点を生成し、各網羅探索点に対応する生成物の性能を、学習済みの機械学習モデルを用いて予測する場合であれば、検知した相関関係を満たさない網羅探索点に対応する性能予測値を、不定となる性能予測値として視覚的に異なる表示としてもよい。
【0078】
図4図7に示した配合調整画面1000は、図13の配合調整欄1002に記載したように、スライダー1014及びテキストボックス1016の少なくとも一方を配置することで作業者からの配合率の入力を受け付けてもよい。図13は本実施形態に係る配合調整画面の配合調整欄の一例のイメージ図である。なお、定数和の関係である配合率又は定数比の関係である配合率などの固定されている或いは他の配合率と連動する配合率は、スライダー1014及びテキストボックス1016をグレーアウトするなどして、作業者からの入力を受け付けないようにしてもよい。
【0079】
また、図4図7に示した配合調整画面1000は、作業者が目標としている性能を効率よく得られるように、例えば図14に示すようなプロファイルを表示するようにしてもよい。図14は材料の配合率の変化に対する性能予測値の変化をプロットしたプロファイルの一例の図である。図14のプロファイルを参照することで、作業者は材料の配合率を変化させたときの性能予測値の変化を知ることができる。例えば図14のプロファイルを参照した作業者は「材料2」の配合率を増加させたときの「性能1」の性能予測値が減少であること及び「性能2」の性能予測値が増加であることを知ることができる。
【0080】
以上、本実施形態に係る配合設計支援システム1によれば、作業者が、配合の全体像を把握しながら材料の配合率の調整を行うことができるように支援できる。また、本実施形態に係る配合設計支援システム1によれば、性能予測値が不定となる配合が作業者により調整されないように、一部の配合率図形の面積変化を禁止又は自動化できる。
【0081】
本実施形態に係る配合設計支援システム1によって調整された配合の情報は、例えば配合の情報に従い生成物を生成する製造装置への入力情報として利用してもよい。製造装置は配合の情報に従って複数の材料を配合し、生成物を生成できる。
【0082】
以上、本実施形態について説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で様々な変形が可能である。本願は、日本特許庁に2022年11月15日に出願された基礎出願2022―182597号の優先権を主張するものであり、その全内容を参照によりここに援用する。
【符号の説明】
【0083】
1 配合設計支援システム
10 配合設計支援装置
12 ユーザ端末
18 通信ネットワーク
26 配合表示制御部
28 性能予測値表示制御部
30 配合率調整受付部
34 相関検知部
36 グループ設定部
1000 配合調整画面
1002 配合調整欄
1004 性能予測値表示欄
1006 配合グラフ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14