(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】分析装置管理システム、管理方法、管理プログラム及び管理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20241016BHJP
G06Q 10/063 20230101ALI20241016BHJP
【FI】
G06Q10/10
G06Q10/063
(21)【出願番号】P 2021565342
(86)(22)【出願日】2020-10-20
(86)【国際出願番号】 JP2020039384
(87)【国際公開番号】W WO2021124670
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2023-09-19
(31)【優先権主張番号】P 2019230527
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000155023
【氏名又は名称】株式会社堀場製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】森長 佳世
(72)【発明者】
【氏名】坂東 篤
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 有里
(72)【発明者】
【氏名】大倉 友里
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-179895(JP,A)
【文献】国際公開第2017/098650(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0225578(US,A1)
【文献】特開2017-90982(JP,A)
【文献】特開2018-109879(JP,A)
【文献】特開2007-148876(JP,A)
【文献】特開2004-271327(JP,A)
【文献】特開2005-265743(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G01N 30/02
G01N 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数の分析装置と、
前記分析装置それぞれから各種データを取得して一元管理する管理装置とを備え、
前記分析装置は、
予め設定された操作種別それぞれのデータを取得する操作種別データ取得部と、
前記操作種別データ取得部により取得された操作種別データを送信する操作種別データ送信部とを備え、
前記管理装置は、
前記操作種別データを受信する操作種別データ受信部と、
前記操作種別データ受信部により受信された操作種別データをデータ種毎に格納する操作種別データ格納部と、
前記操作種別データ格納部に格納された操作種別データを前記分析装置毎に一覧表示する表示制御部とを備え
、
前記分析装置は、各機能に対して権限を定義する権限データを格納する権限データ格納部をさらに備え、
前記管理装置は、ユーザのアカウントデータを取得するアカウントデータ取得部をさらに備え、前記アカウントデータ取得部により取得されたアカウントデータから前記権限データ格納部に格納された権限データに基づいて、前記分析装置における前記ユーザの使用権限を決定する、分析装置管理システム。
【請求項2】
1又は複数の分析装置と、
前記分析装置それぞれから各種データを取得して一元管理する管理装置とを備え、
前記分析装置は、
予め設定された操作種別それぞれのデータをデータ種毎に取得する操作種別データ取得部と、
前記操作種別データ取得部により取得された操作種別データを送信する操作種別データ送信部とを備え、
前記管理装置は、
前記操作種別データを受信する操作種別データ受信部と、
前記操作種別データ受信部により受信された操作種別データを前記分析装置毎に一覧表示する表示制御部とを備え
、
前記分析装置は、各機能に対して権限を定義する権限データを格納する権限データ格納部をさらに備え、
前記管理装置は、ユーザのアカウントデータを取得するアカウントデータ取得部をさらに備え、前記アカウントデータ取得部により取得されたアカウントデータから前記権限データ格納部に格納された権限データに基づいて、前記分析装置における前記ユーザの使用権限を決定する、分析装置管理システム。
【請求項3】
前記表示制御部は、複数の前記分析装置の前記操作種別データを一覧表示する、請求項1又は2記載の分析装置管理システム。
【請求項4】
前記管理装置は、一覧表示された複数の前記分析装置の選択入力を受け付ける入力受付部をさらに備え、
前記表示制御部は、選択された前記分析装置の監査証跡データを表示する、請求項3記載の分析装置管理システム。
【請求項5】
1又は複数の分析装置と、
前記分析装置それぞれから各種データを取得して一元管理する管理装置とを備え、
前記分析装置は、
予め設定された操作種別それぞれのデータを取得する操作種別データ取得部と、
前記操作種別データ取得部により取得された操作種別データを送信する操作種別データ送信部とを備え、
前記管理装置は、
前記操作種別データを受信する操作種別データ受信部と、
前記操作種別データ受信部により受信された操作種別データをデータ種毎に格納する操作種別データ格納部と、
前記操作種別データ格納部に格納された操作種別データを前記分析装置毎に一覧表示する表示制御部とを備え、
前記操作種別は、前記分析装置毎に設定されるものであり、
前記管理装置は、複数の前記分析装置それぞれから送信される操作種別データを認識して、各分析装置毎に管理する
ものであり、
前記操作種別データには、識別子が付されており、
前記操作種別データ受信部は、前記識別子を読み込んで認識することにより、前記操作種別データ格納部における対応する格納領域に前記操作種別データを格納し、読み込んだ前記識別子に対応する格納領域が無い場合には、前記操作種別データ格納部に新たに格納領域を作成して、新たに作成した格納領域に前記操作種別データを格納する、分析装置管理システム。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記操作種別データに基づいて、前記分析装置の稼働状況をマップ形式又はグラフ形式で表示する、請求項1乃至5の何れか一項に記載の分析装置管理システム。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記操作種別データに基づいて、前記分析装置の稼働状況をヒートマップ形式で表示する、請求項6記載の分析装置管理システム。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記分析装置の操作種別データを一覧表示する一覧表示領域と、前記操作種別データに基づいて、前記分析装置の稼働状況をマップ形式又はグラフ形式で表示するグラフィカル表示領域とを表示する、請求項1乃至7の何れか一項に記載の分析装置管理システム。
【請求項9】
1又は複数の分析装置と、前記分析装置それぞれから各種データを取得して一元管理する管理装置と
による管理方法であって、
前記分析装置
の操作種別データ取得部が、予め設定された操作種別それぞれのデータを取得して、
前記分析装置の操作種別データ送信部が、取得した操作種別データを前記管理装置に送信し、
前記管理装置
の操作種別データ受信部が、前記操作種別データを受信し
て前記操作種別データをデータ種ごとに格納し、
前記分析装置の表示制御部が、前記操作種別データを前記分析装置毎に一覧表示
し、
前記分析装置の権限データ格納部は、各機能に対して権限を定義する権限データを格納し、
前記管理装置のアカウントデータ取得部が、ユーザのアカウントデータを取得し、
前記管理装置の使用権限決定部が、取得した前記アカウントデータから前記権限データ格納部に格納された権限データに基づいて、前記分析装置における前記ユーザの使用権限を決定する、管理方法。
【請求項10】
1又は複数の分析装置と、前記分析装置それぞれから各種データを取得して一元管理する管理装置とを備える分析装置管理システムに用いられる管理プログラムであって、
前記分析装置に、予め設定された操作種別それぞれのデータを取得する操作種別データ取得部と、前記操作種別データ取得部により取得された操作種別データを送信する操作種別データ送信部との機能を備えさせ、
前記管理装置に、前記操作種別データを受信する操作種別データ受信部と、前記操作種別データ受信部により受信された操作種別データをデータ種毎に格納する操作種別データ格納部と、前記操作種別データ格納部に格納された操作種別データを前記分析装置毎に一覧表示する表示制御部との機能を備えさせ
、
前記分析装置に、各機能に対して権限を定義する権限データを格納する権限データ格納部の機能をさらに備えさせ、
前記管理装置に、ユーザのアカウントデータを取得するアカウントデータ取得部の機能をさらに備えさせ、前記アカウントデータ取得部により取得されたアカウントデータから前記権限データ格納部に格納された権限データに基づいて、前記分析装置における前記ユーザの使用権限を決定する、管理プログラム。
【請求項11】
1又は複数の分析装置それぞれから各種データを取得して一元管理する管理装置であって、
予め設定された操作種別それぞれのデータを前記分析装置から受信する操作種別データ受信部と、
前記操作種別データ受信部により受信された操作種別データをデータ種毎に格納する操作種別データ格納部と、
前記操作種別データ格納部に格納された操作種別データを前記分析装置毎に一覧表示する表示制御部とを備え、
前記分析装置は、各機能に対して権限を定義する権限データを格納する権限データ格納部をさらに備え、
前記管理装置は、ユーザのアカウントデータを取得するアカウントデータ取得部をさらに備え、前記アカウントデータ取得部により取得されたアカウントデータから前記権限データ格納部に格納された権限データに基づいて、前記分析装置における前記ユーザの使用権限を決定する、管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析装置管理システム、管理方法、管理プログラム及び管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の分析装置を管理する分析装置管理システムにおいて、特許文献1に示すように、複数の分析装置の分析データを一元管理するものが考えられている。また、この分析装置管理システムでは、複数の分析装置それぞれの稼働時間を累積できるようにも構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、複数の分析装置を管理する場合に、単に分析データや累積した稼働時間を管理することに留まらず、その他、複数の分析装置の稼働状況のデータを収集して、複数の分析装置を種々の観点から管理することが望まれている。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、複数の分析装置を種々の観点から管理すべく、複数の分析装置の操作種別を一元管理できることを主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明に係る分析装置管理システムは、1又は複数の分析装置と、前記分析装置それぞれから各種データを取得して一元管理する管理装置とを備え、前記分析装置は、予め設定された操作種別それぞれのデータを取得する操作種別データ取得部と、前記操作種別データ取得部により取得された操作種別データを送信する操作種別データ送信部とを備え、前記管理装置は、前記操作種別データを受信する操作種別データ受信部と、前記操作種別データ受信部により受信された操作種別データをデータ種毎に格納する操作種別データ格納部と、前記操作種別データ格納部に格納された操作種別データを前記分析装置毎に一覧表示する表示制御部とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る分析装置管理システムは、1又は複数の分析装置と、前記分析装置それぞれから各種データを取得して一元管理する管理装置とを備え、前記分析装置は、予め設定された操作種別それぞれのデータを取得する操作種別データ取得部と、前記操作種別データ取得部により取得された操作種別データを送信する操作種別データ送信部とを備え、前記管理装置は、前記操作種別データを受信する操作種別データ受信部と、前記操作種別データ受信部により受信された操作種別データを前記分析装置毎に一覧表示する表示制御部とを備えることを特徴とする。
【0008】
このようなものであれば、各分析装置は、設定された操作種別それぞれのデータを予め取得し、管理装置は、各分析装置から操作種別データを取得して分析装置毎に一覧表示しているので、複数の分析装置の操作種別を一元管理することができる。その結果、複数の分析装置を種々の観点から管理できる。例えば、膨大な監査証跡の操作データを種別して一元管理することにより、膨大なデータから必要なデータを見つけやすくする又は見やすくすることができる。
【0009】
ここで、操作種別とは、測定(試料を測定する動作)、エラー、メンテナンス、セキュリティ(ログイン、ユーザ管理などセキュリティに関わる操作)、分析(測定した結果を元に、成分、構成などを明らかにするための操作)、オペレーション(データベースを開く、プロジェクトを開くといった一般的な操作)、レポート報告等の分析装置に対して行われる操作又は分析装置の状況を示すものである。また、操作種別データとしては、例えば、測定回数、エラー回数、メンテナンス回数、セキュリティ回数、分析回数、オペレーション回数、レポート報告回数である。
【0010】
表示制御部は、ディスプレイに一覧表示する操作種別データを分析装置毎に切り替えて表示することも考えられるが、複数の分析装置を一元管理しやすくするためには、前記表示制御部は、複数の前記分析装置の前記操作種別データを一覧表示することが望ましい。
【0011】
前記管理装置は、一覧表示された複数の前記分析装置の選択入力を受け付ける入力受付部をさらに備え、前記表示制御部は、選択された前記分析装置の監査証跡データを表示することが望ましい。
ここで、監査証跡データとは、分析装置の処理内容及びユーザが行なった操作などの履歴を時系列にそのまま記録したデータである。
この構成であれば、複数の分析装置から所望の分析装置の選択を容易にすることができ、監査証跡データを見たい分析装置を検索しやすくできる。
【0012】
前記操作種別は、前記分析装置毎に設定されるものであり、前記管理装置は、複数の前記分析装置それぞれから送信される操作種別データを認識して、各分析装置毎に管理することが望ましい。
この構成であれば、管理装置側で分析装置の操作種別を定義する必要が無いので、管理する分析装置の接続に伴う設定作業を容易にすることができる。
【0013】
前記表示制御部は、前記操作種別データに基づいて、前記分析装置の稼働状況をマップ形式又はグラフ形式で表示することが望ましい。
ここで、稼働状況をマップ形式又はグラフ形式で表示するとは、例えば、各分析装置の稼働状況を時系列で表示することである。
【0014】
ユーザが各分析装置の稼働状況を認識しやすくするためには、前記表示制御部は、前記操作種別データに基づいて、前記分析装置の稼働状況をヒートマップ形式で表示することが望ましい。
【0015】
ユーザが分析装置の操作種別データの一覧と分析装置の稼働状況を認識しやすくするためには、前記表示制御部は、前記分析装置の操作種別データを一覧表示する一覧表示領域と、前記操作種別データに基づいて、前記分析装置の稼働状況をマップ形式又はグラフ形式で表示するグラフィカル表示領域とを表示することが望ましい。
【0016】
分析装置側でのユーザ管理を不要にするためには、前記分析装置は、各機能に対して権限を定義する権限データを格納する権限データ格納部をさらに備え、前記管理装置は、ユーザのアカウントデータを取得するアカウントデータ取得部をさらに備え、前記アカウントデータ取得部により取得されたアカウントデータから前記権限データ格納部に格納された権限データに基づいて、前記分析装置における前記ユーザの使用権限を決定することが望ましい。
【0017】
また、本発明に係る管理方法は、1又は複数の分析装置と、前記分析装置それぞれから各種データを取得して一元管理する管理装置とを用いた管理方法であって、前記分析装置により、予め設定された操作種別それぞれのデータを取得して、取得した操作種別データを前記管理装置に送信し、前記管理装置により、前記操作種別データを受信し、前記操作種別データをデータ種ごとに格納し、前記操作種別データを前記分析装置毎に一覧表示することを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明に係る管理プログラムは、又は複数の分析装置と、前記分析装置それぞれから各種データを取得して一元管理する管理装置とを備える分析装置管理システムに用いられる管理プログラムであって、前記分析装置に、予め設定された操作種別それぞれのデータを取得する操作種別データ取得部と、前記操作種別データ取得部により取得された操作種別データを送信する操作種別データ送信部との機能を備えさせ、前記管理装置に、前記操作種別データを受信する操作種別データ受信部と、前記操作種別データ受信部により受信された操作種別データをデータ種毎に格納する操作種別データ格納部と、前記操作種別データ格納部に格納された操作種別データを前記分析装置毎に一覧表示する表示制御部との機能を備えさせることを特徴とする。
【0019】
その上、本発明に係る管理装置は、1又は複数の分析装置それぞれから各種データを取得して一元管理する管理装置であって、予め設定された操作種別それぞれのデータを前記分析装置から受信する操作種別データ受信部と、前記操作種別データ受信部により受信された操作種別データをデータ種毎に格納する操作種別データ格納部と、前記操作種別データ格納部に格納された操作種別データを前記分析装置毎に一覧表示する表示制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
このように構成した本発明によれば、複数の分析装置の操作種別を一元管理できるので、複数の分析装置を種々の観点から管理できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一本実施形態における分析装置管理システムの全体構成を示す模式図である。
【
図2】同実施形態の分析装置管理システムの操作種別データの収集を示す模式図である。
【
図3】同実施形態の表示制御部による表示画面(ダッシュボード画面)を示す図である。
【
図4】同実施形態の使用権限の決定プロセスを示す模式図である。
【
図5】同実施形態の権限データを示す模式図である。
【
図6】同実施形態の表示制御部による表示画面(設定画面)を示す図である。
【符号の説明】
【0022】
100・・・分析装置管理システム
10 ・・・分析装置
12 ・・・操作種別データ取得部
13 ・・・操作種別データ送信部
14 ・・・権限データ格納部
20 ・・・管理装置
21 ・・・操作種別データ受信部
22 ・・・操作種別データ格納部
23 ・・・表示制御部
E ・・・ヒートマップ
W2 ・・・一覧表示領域
W3 ・・・グラフィカル表示領域
24 ・・・入力受付部
25 ・・・アカウントデータ取得部
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態に係る分析装置管理システム100について、図面を参照して説明する。
【0024】
<1.分析装置管理システム100の装置構成>
本実施形態の分析装置管理システム100は、
図1に示すように、1又は複数の分析装置10と、それら複数の分析装置10と有線又は無線のネットワークNTを介して通信可能に接続された管理装置20とを備え、当該管理装置20によって1又は複数の分析装置10を一元管理するものである。
【0025】
各分析装置10は、測定試料の測定項目に応じた測定原理を有するものである。各分析装置10としては、例えば、分光分析装置、X線分析装置、元素分析装置、粒径分析装置、水質分析装置等である。
【0026】
各分析装置10は、測定試料を分析する分析機器10aと、当該分析機器10a等を制御する制御機器10bとを有している。この制御機器10bは、CPU、メモリ、入出力インターフェース、AD変換器、通信部、ディスプレイ等を有するコンピュータであり、メモリに格納された分析プログラムに基づいて、CPU及び周辺機器が協働して、分析制御部11の他に、操作種別データ取得部12及び操作種別データ送信部13等としての機能を発揮する。
【0027】
操作種別データ取得部12は、予め設定された操作種別それぞれのデータを取得するものである。
【0028】
ここで、操作種別は、測定(Measurement)、エラー(Error)、メンテナンス(Maintenance)、セキュリティ(Security)、分析(Analysis)、オペレーション(Operation)、レポート報告(Report Operation)等の分析装置10に対して行われる操作又は分析装置10の状況を示すものである。
【0029】
また、操作種別データは、例えば、測定回数、エラー回数、メンテナンス回数、セキュリティ回数、分析回数、オペレーション回数、レポート報告回数等の分析装置に対して行われた操作の回数又は分析装置10の状況の回数である。
【0030】
操作種別データ送信部13は、操作種別データ取得部12により取得された操作種別データを管理装置20に送信するものである。ここで、操作種別データ送信部13は、操作種別データ取得部12により取得された操作種別データを操作種別毎に送信する。
【0031】
管理装置20は、複数の分析装置10を一元管理するものであり、CPU、メモリ、入出力インターフェース、AD変換器、通信部、ディスプレイ、入力手段等を有するコンピュータである。この管理装置20は、メモリに格納された管理プログラムに基づいて、CPU及び周辺機器が協働して、操作種別データ受信部21、操作種別データ格納部22、表示制御部23、入力受付部24等としての機能を発揮する。
【0032】
操作種別データ受信部21は、各分析装置10の操作種別データ送信部12から操作種別データを受信するものである。操作種別データ受信部21により受信された操作種別データは、操作種別データ格納部22に格納される。
【0033】
具体的に操作種別データ受信部21は、
図2に示すように、複数の分析装置10それぞれから送信される操作種別データを認識して、各分析装置10毎に分けて、データ種毎(操作種別毎)に、操作種別データ格納部22に格納する。
【0034】
例えば、各操作種別データには、ヘッダー(識別子)が付されており、操作種別データ受信部21は、そのヘッダーを読み込んで認識することにより、対応する格納領域(logBox)に、その操作種別データを格納する。また、読み込んだヘッダー(識別子)の格納領域(logBox)がない場合には、操作種別データ受信部21は、新たに格納領域を作成して、その操作種別データを格納する。
【0035】
表示制御部23は、操作種別データ受信部21により受信された操作種別データを分析装置10毎にディスプレイ上に一覧表示するものである。ここでは、表示制御部23は、操作種別データ格納部22に格納された操作種別データを分析装置10毎にディスプレイ上に一覧表示する。
【0036】
具体的に表示制御部23は、
図3に示すように、複数の分析装置10それぞれの操作種別データを一覧表示する。複数の分析装置10それぞれの操作種別データは、分析装置10毎に設定された個別領域W1内に一覧表示される。この個別領域W1が一覧表示されることにより、複数の分析装置10それぞれの操作種別データが一覧表示されることになる。その他、表示制御部23は、システム全体の操作種別データを一覧表示することもできる。
【0037】
各個別領域W1内には、対応する分析装置10の操作種別データの内容が表示される。詳細には、操作種別一覧X、及び、操作種別の回数Aが表示されるとともに、当該回数を示す棒グラフBが表示される。ここで、棒グラフBは、視認性を良くするために、色分けされている。その他、個別領域W1には、分析装置10の装置名Cが表示されており、その操作種別データの最終更新日Dを表示してもよい。
【0038】
また、表示制御部23は、操作種別データに基づいて、各分析装置10の稼働状況を例えば時系列でマップ形式又はグラフ形式でグラフィカルに表示する。ここでは、表示制御部23は、操作種別データに基づいて、各分析装置10の稼働状況を時系列でヒートマップEを表示する例を示している。なお、表示制御部23は、各分析装置10の稼働状況をマップ形式と線グラフ形式とで切り替えて表示するための切り替えボタンFを表示する。
【0039】
本実施形態では、表示制御部23は、分析装置10の操作種別データの一覧表示と、分析装置10の稼働状況のグラフィカルな表示を同一画面で同時に行う。具体的に表示制御部23は、分析装置10の操作種別データを一覧表示する一覧表示領域W2と、分析装置10の稼働状況をマップ形式又はグラフ形式で表示するグラフィカル表示領域W3とを同一画面上に同時に表示する。
【0040】
また、表示制御部23は、操作種別データの集計期間(今日、過去1週間、過去1か月、指定した期間)を切り替えるための期間設定領域W4を表示する。この期間設定領域W4によって設定された集計期間内の操作種別データに基づいて、表示制御部23は、一覧表示領域W2の表示内容とグラフィカル表示領域W3の表示内容を変更する。
【0041】
その他、表示制御部23は、上記の一覧表示を行うダッシュボード画面W10の他に、分析装置10の監査証跡データを表示するための監査証跡画面、分析装置10のレポート報告データを表示又は承認するためのレポート画面、及び、分析装置10の管理における各種設定を行うための設定画面の何れかに切り替えて表示するための表示切替ボタンGを表示する。なお、表示切替ボタンGの具体例としては、ダッシュボード画面W10を表示するための「Home」ボタン、監査証跡画面を表示するための「Audit Trail」ボタン、レポート画面を表示するための「Report」ボタン、設定画面を表示するための「Setting」ボタンである。
【0042】
管理装置20の入力受付部24は、ユーザにより操作された入力手段から入力を受け付けるものである。入力手段から入力されるものとしては、一覧表示された複数の分析装置10の選択入力、操作種別データの集計期間の選択入力、グラフィカル表示領域W3におけるマップ形式又はグラフ形式の選択入力、及び、ダッシュボード画面W10や監査証跡画面等の切り替え入力、レポートの承認操作などである。
【0043】
そして、入力受付部24が受け受け付けた入力内容に基づいて、表示制御部23は、表示内容を変更する。
例えば、入力受付部24が、ダッシュボード画面W10において分析装置10の選択入力を受け付けた場合には、グラフィカル表示領域W3には、選択された分析装置10の稼働状況をマップ形式又はグラフ形式で表示する。ここで、選択された分析装置10において、監査証跡データやレポート報告データが更新されている場合には、更新されていること(さらには更新回数)を示す通知ドット(バッチ)Hを表示切替ボタンGに表示してもよい。また、通知ドットだけではなく、分析装置10ごとに未処理レポートがあるかどうかを表示する。具体的には、各分析装置19の表示部(個別領域W1)に、「Report」ボタンによりレポート画面へのリンクが貼られており、処理/未処理状態によって「Report」ボタンの色が変化する(例えば処理済→白、未処理→青)。その他、通知ドット(バッチ)Hは、選択された分析装置に限らず、システム全体に、新規レポートが送付された際に表示しても良い。
【0044】
また、入力受付部24が、ダッシュボード画面W10において分析装置10の選択入力を受け付け、且つ、監査証跡画面への切り替え入力を受け付けた場合には、監査証跡画面に、選択された分析装置10の監査証跡データを表示する。
【0045】
さらに、入力受付部24が、ダッシュボード画面W10において分析装置10の選択入力を受け付け、且つ、レポート画面への切り替え入力を受け付けた場合には、レポート画面に、選択された分析装置10のレポート報告データを表示する。
【0046】
その他、本実施形態の分析装置管理システム100は、
図4に示すように、複数の権限管理を管理装置20側で一括して行うように構成されている。
【0047】
分析装置10は、各機能に対して権限を定義する権限データを格納する権限データ格納部14をさらに備えている(
図1参照)。ここで、権限データは、
図5に示すように、分析装置10毎に設定されており、役職(AdministratorやOperator等)に応じた各機能に対する権限を示すものである。
【0048】
また、管理装置20は、ユーザのアカウントデータを取得するアカウントデータ取得部25と、分析装置10におけるユーザの使用権限を決定する使用権限決定部26とを備えている(
図1参照)。
【0049】
アカウントデータ取得部25は、各分析装置10にログインしたユーザのアカウントデータを、各分析装置10から取得する。ここで、アカウントデータは、
図5に示すように、ユーザID、パスワード、及び各装置10におけるユーザの役割(AdministratorやOperator等)を示すものである。
【0050】
使用権限決定部26は、アカウントデータ取得部25により取得されたアカウントデータと権限データ格納部14に格納された権限データとに基づいて、各分析装置10におけるユーザの使用権限を決定する。そして、使用権限決定部26は、決定した使用権限を示すデータを各分析装置10に送信する。これにより、各分析装置10において、ログインしたユーザに与えられた使用権限に基づく操作のみが可能となる。
【0051】
入力受付部24が、表示切替ボタンGにおいて、「Setting」ボタンの選択入力を受け付けた場合には、
図6に示すように、各種設定を行うための設定画面W20を表示する。この設定画面W20には、各ユーザが権限を有する分析装置10及び操作種別が表示されるとともに、それらの設定及び変更をすることができる。また、この設定画面W20により、各ユーザの役割(AdministratorやOperator等)の設定及び変更が可能である。さらに、各役割について権限を持たせる分析装置10及び操作種別の設定及び変更が可能である。そして、各役割に対して権限を持たせる分析装置10及び操作種別を設定しておき、当該役割をユーザに割り当てることで、当該ユーザに対して権限を持たせる分析装置10及び操作種別を一括して割り当てることができる(ユーザ管理機能)。なお、
図6には、役割(Group ID)が「123」及び「Admin_group」について、権限が与えられている分析装置及び操作種別の一覧が表示された例を示している。
【0052】
その他、設定画面W20には、各分析装置10に対してどのユーザに管理や操作を許可しているか、又は、ユーザの権限の有効期限はいつまでか等が表示されるとともに、それらの設定及び変更が可能である(装置管理機能)。また、設定画面W20により、各ユーザのパスワードを何文字にするか等の条件設定も可能である。
【0053】
<2.本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態の分析装置管理システム100によれば、各分析装置10は、設定された操作種別それぞれのデータを予め取得し、管理装置20は、各分析装置10から操作種別データを取得して分析装置10毎に一覧表示しているので、複数の分析装置10の操作種別を一元管理することができる。その結果、複数の分析装置10を種々の観点から管理できる。
【0054】
表示制御部23は、複数の分析装置10それぞれの操作種別データを複数の個別領域W1により一覧表示するので、複数の分析装置10の操作種別を一元管理しやすくできる。ここで、一覧表示された複数の分析装置10を選択できるように構成され、表示制御部23は、選択された分析装置10の監査証跡データを表示するので、複数の分析装置10から所望の分析装置10の監査証跡データに容易にアクセスすることができる。
【0055】
操作種別データ受信部21が、複数の分析装置10それぞれから送信される操作種別データを認識して、各分析装置10毎に分けて、操作種別データ格納部22に格納するので、管理装置20側で分析装置10の操作種別を定義する必要が無く、管理する分析装置10の接続に伴う設定作業を容易にすることができる。
【0056】
表示制御部23が、操作種別データに基づいて、分析装置10の稼働状況をマップ形式又はグラフ形式で表示するので、ユーザが分析装置10の稼働状況を認識しやすくできる。
【0057】
また、表示制御部23は、分析装置10の操作種別データを一覧表示する一覧表示領域W2と、操作種別データに基づいて、分析装置10の稼働状況をマップ形式又はグラフ形式で表示するグラフィカル表示領域W3とを表示するので、ユーザが分析装置10の操作種別データの一覧と分析装置19の稼働状況を認識しやすくできる。
【0058】
<3.変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0059】
前記実施形態の分析装置管理システムにおいて、レポート報告に電子署名を付けるように構成しても良い。これならば、データ改ざんを防止することができる。
【0060】
また、表示制御部23は、
図7に示すように、操作種別データの項目(データ名、ユーザー名、操作種別詳細など)の一覧表示とともに、各操作種別の系列(測定プロジェクト、測定ステップ及び操作種別からなるツリー構造)をツリー表示しても良い。ここで、測定ステップは、校正ステップ、分析ステップ、編集ステップなどを含む概念である。
【0061】
そして、操作種別データのログの一覧表示の中から1つを選択できるように構成されており、表示制御部23は、ツリー表示において、選択された項目に対応する経路を、例えば太く表示したり、色を変えたりして強調して表示する。
【0062】
また、以後の操作において、データが削除又は編集されると、その削除又は編集操作も項目として一覧表示される(
図8の「delete_analyze2」)。また、削除又は編集される前データ(
図8の「analyze2_2nd」)を示す経路の表示態様も変化する(例えば丸表示(○)→バツ表示(×))。さらに、削除又は編集されたデータに対応する項目を選択した場合には、選択した項目に関連する項目を、選択した項目とは別の表示態様(例えば色を変える等)で強調する。
【0063】
さらに、表示制御部23は、レポートに関するログのみをログテーブルとして
図7に示す表示態様で表示してもよい。このとき、表示制御部23は、レポートに関するログについてツリー表示することになる。
【0064】
また、管理装置20は、各分析装置10から、電圧、温度又は消耗度等の時系列データを取得し、当該時系列データを表示するとともに、必要に応じてアラームを出すようなモニタリング機能を有してもよい。
【0065】
その上、
図9に示すように、表示切替ボタンGに、メンテナンス情報だけを表示するためのボタン(「Maintenance」ボタン)を表示してもよい。なお、
図3及び
図6に「Maintenance」ボタンを設けているが、前記実施形態では「Maintenance」ボタンが無くても良い。この「Maintenance」ボタンを選択することによって、表示制御部23は、メンテナンス情報を表示するためのメンテナンス画面を表示する。ここで、メンテナンス画面には、ログイン時の入力ユーザIDに対応して、そのユーザが権限を持つメンテナンス情報だけが一覧表示される。例えばサービスマンのメンテナンス情報は、そのサービスマンがログインした時に「Maintenance」ボタンを押すことでメンテナンス画面に一覧表示される。サービスマン以外のユーザがログインした場合には、メンテナンス情報は表示されない。なお、メンテナンス情報には、分析装置の調整作業などの作業内容を記録しておくことができ、引継ぎ後のサービスマンもその作業内容を含むメンテナンス情報を参照することができる。
【0066】
さらに管理装置20は、分析用ソフトウエアなどの実行ファイルの改ざんを防止する機能を有してもよい。具体的には、分析装置10の実行ファイルのチェックサムなどの誤り検出符号を管理装置20に登録する。そして、分析装置10は、起動毎に毎回チェックサムなどの誤り検出符号を計算して、その計算結果を管理装置20に送信する。管理装置20は、最初に登録したチェックサムなどの誤り検出符号と、分析装置10から送信された誤り検出符号とが異なる場合には、監査証跡に警告を表示する。また、分析用ソフトウエアなどの実行ファイルをバージョンアップする場合には、チェックサムなどの誤り検出符号を更新する。
【0067】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明によれば、複数の分析装置の操作種別を一元管理することができる。