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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】極低温静電チャック
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20241016BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022516003
(86)(22)【出願日】2020-08-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(86)【国際出願番号】 US2020047244
(87)【国際公開番号】W WO2021055134
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-05-02
(31)【優先権主張番号】62/900,810
(32)【優先日】2019-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】サロード ヴィシュワナート, ヨガナンダ
(72)【発明者】
【氏名】ババヤン, スティーヴン イー.
(72)【発明者】
【氏名】プローティ, スティーヴン ドナルド
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア デ ゴロルド, アルバロ
(72)【発明者】
【氏名】シュミット, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ヌージャイム, アンドリュー アントワン
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開平4-196528(JP,A)
【文献】特開平6-182645(JP,A)
【文献】特開2017-92267(JP,A)
【文献】特開平10-223621(JP,A)
【文献】特開平9-167794(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0091108(US,A1)
【文献】国際公開第2016/067785(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/221631(WO,A1)
【文献】特表2004-525513(JP,A)
【文献】特開平7-130830(JP,A)
【文献】特開2010-219354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持表面および前記支持表面の反対側の底面を有する静電チャック(ESC)であって、チャック電極と、中に配置された1つまたは複数の抵抗加熱器とを有する、ESCと、
ESCベースアセンブリの温度を維持するためのベース流体を流すように構成されたベースチャネルが中に配置され、前記ESCに結合されたESCベースアセンブリと、
設備プレートの温度を所定の周囲温度に維持するための設備流体を流すように構成された設備チャネルが中に配置された設備プレートであって、プレート部分および壁部分を備え、前記プレート部分が前記ESCベースアセンブリに結合され、前記壁部分の上面がシールアセンブリを使用して前記ESCに結合される、設備プレートと、
前記ESC、前記ESCベースアセンブリ、前記設備プレートの前記プレート部分、前記設備プレートの前記壁部分および前記シールアセンブリによって画定される真空領域と
を備える、極低温温度で動作可能な基板支持アセンブリ。
【請求項2】
前記設備プレートに結合された絶縁体プレートと、前記絶縁体プレートに結合された接地プレートとをさらに備える、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項3】
前記ESCベースアセンブリが結合層を使用して前記ESCに固定される、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項4】
前記ESCがアルミナ(Al)および/または窒化アルミニウム(AlN)含有材料を含む、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項5】
前記ESCベースアセンブリが前記ESCの熱膨張係数と整合する材料を含む、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項6】
入口および出口を有する前記ベースチャネルが、前記ベースチャネルの前記入口に接続されたベース入口コンジット、および前記ベースチャネルの前記出口に接続されたベース出口コンジットを介して前記ベースチャネルと流体連結している極低温冷却装置に接続されるように動作可能である、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項7】
入口および出口を有する前記設備チャネルが、前記設備チャネルの前記入口に接続された設備入口コンジット、および前記設備チャネルの前記出口に接続された設備出口コンジットを介して前記設備チャネルと流体連結している冷却装置に接続されるように動作可能である、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項8】
前記シールアセンブリが、前記真空領域を摂氏-260度から摂氏290度までの間の温度で密閉するために、コイルばねが中に配置されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)本体を備える、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項9】
前記コイルばねが、ステンレス鋼、ニッケル合金、ニッケル-クロム合金およびコバルト-クロム-ニッケル-モリブデン合金含有材料を含む、請求項8に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項10】
前記真空領域が、前記真空領域の真空圧を処理チャンバの処理領域の圧力とは無関係に維持するために、真空源と流体連結している第1の真空コンジットに接続されるように動作可能である第1の真空チャネル、および前記真空源と流体連結している第2の真空コンジットに接続されるように動作可能である第2の真空チャネルを備える、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項11】
プローブコントローラに結合された1つまたは複数のプローブアセンブリをさらに備え、前記1つまたは複数のプローブアセンブリの各々がプローブチップを備える、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項12】
コントローラを有する前記1つまたは複数の抵抗加熱器のヒータ電源が前記プローブコントローラに接続される、請求項11に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項13】
極低温温度で動作可能な基板支持アセンブリであって、
支持表面および前記支持表面の反対側の底面を有する静電チャック(ESC)であって、チャック電極と、中に配置された1つまたは複数の抵抗加熱器とを有する、ESCと、
ESCベースアセンブリの温度を維持するためのベース流体を流すように構成されたベースチャネルが中に配置された前記ESCに結合されたESCベースアセンブリとを備え、
前記ベースチャネルが、設備プレート、前記設備プレートに結合された絶縁体プレートおよび前記絶縁体プレートに結合された接地プレートを貫通して配置されているジャケットベース入口管と流体連結しているベース入口を有し、前記ベースチャネルが、前記設備プレート、前記絶縁体プレートおよび前記接地プレートを貫通して配置されているジャケットベース出口管と流体連結しているベース出口を有し、
前記設備プレートがプレート部分および壁部分を備え、前記プレート部分が1つまたは複数のねじアセンブリを使用して前記ESCベースアセンブリに結合され、前記壁部分の上面がシールアセンブリを使用して前記ESCに結合され、前記設備プレートは、前記設備プレートの温度を所定の周囲温度に維持するための設備流体を流すように構成された設備チャネルが中に配置され、前記シールアセンブリが、コイルばねが中に配置されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)本体を備え、
基板支持アセンブリがさらに、
前記ESC、前記ESCベースアセンブリ、前記設備プレートの前記プレート部分、前記設備プレートの前記壁部分および前記シールアセンブリによって画定された真空領域
を備える、基板支持アセンブリ。
【請求項14】
前記コイルばねが、ステンレス鋼、ニッケル合金、ニッケル-クロム合金およびコバルト-クロム-ニッケル-モリブデン合金含有材料を含む、請求項13に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項15】
前記1つまたは複数のねじアセンブリの各々が、断熱層、Belleville座金および前記設備プレートを貫通して挿入され、前記ESCベースアセンブリのねじ孔にねじ込まれたボルトを含み、前記Belleville座金および前記ボルトが前記設備プレートを前記ESCベースアセンブリに押し付ける、請求項13に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項16】
ねじカバーが前記設備プレートに結合され、前記ボルトを覆う、請求項15に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項17】
処理領域を画定する壁および蓋を有するチャンバ本体と、
前記処理領域に配置された、極低温温度で動作可能な基板支持アセンブリと
を備える処理チャンバであって、前記基板支持アセンブリが、
支持表面および前記支持表面の反対側の底面を有する静電チャック(ESC)であって、チャック電極と、中に配置された1つまたは複数の抵抗加熱器とを有する、ESCと、
ESCベースアセンブリの温度を維持するためのベース流体を流すように構成されたベースチャネルが中に配置され、前記ESCに結合されたESCベースアセンブリと、
設備プレートの温度を所定の周囲温度に維持するための設備流体を流すように構成された設備チャネルが中に配置された設備プレートであって、プレート部分および壁部分を備え、前記プレート部分が前記ESCベースアセンブリに結合され、前記壁部分の上面がシールアセンブリを使用して前記ESCに結合される、設備プレートと、
前記ESC、前記ESCベースアセンブリ、前記設備プレートの前記プレート部分、前記設備プレートの前記壁部分および前記シールアセンブリによって画定された真空領域と
を備える、処理チャンバ。
【請求項18】
前記基板支持アセンブリが、前記設備プレートに結合された絶縁体プレートと、前記絶縁体プレートに結合された接地プレートとをさらに備える、請求項17に記載の処理チャンバ。
【請求項19】
前記ESCがアルミナ(Al)および/または窒化アルミニウム(AlN)含有材料を含む、請求項17に記載の処理チャンバ。
【請求項20】
前記ESCベースアセンブリがモリブデンまたは炭素繊維含有材料を含む、請求項17に記載の処理チャンバ。
【請求項21】
前記プローブチップが、前記ESCの中、前記ESCの表面に、または前記ESCベースアセンブリの中、の少なくとも1つの位置に配置される、請求項11に記載の処理チャンバ。
【請求項22】
前記真空領域は、前記ESCベースアセンブリと前記設備プレートの前記プレート部分の間の熱分離のために、ESCベースアセンブリと前記設備プレートの前記プレート部分の間にいつもギャップを維持する、請求項1に記載の処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は一般に半導体製造に関し、より詳細には静電チャック(ESC)の極低温温度動作を可能にする基板支持アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
ナノメートル以下のフィーチャを高い信頼性で製造することは、半導体デバイスの次世代の超大規模集積(VLSI)およびウルトラ大規模集積(ULSI)のための鍵となる技術課題のうちの1つである。しかしながら回路技術の限界が押し上げられるにつれて、VLSIおよびULSI相互接続技術の寸法の縮小は、処理能力にさらなる要求を課している。基板上のゲート構造の信頼性の高い形成は、VLSIおよびULSIが成功するために、また、個々の基板およびダイの回路密度および品質を高くするための努力の継続のために重要である。
【0003】
製造コストを引き下げるために、集積チップ(IC)製造は、処理されるすべてのシリコン基板に、より高いスループットならびにより良好なデバイス歩留りおよび性能を要求している。現在の開発の下で次世代デバイスのために探究されているいくつかの製造技法には極低温温度での処理が必要である。極低温温度に均一に維持された基板をドライ反応性イオンエッチングすることにより、イオンは、少ない自然エッチングで、基板の上に配置された材料の上向きに面している表面に衝撃を加えることができ、それにより滑らかな垂直方向の側壁を有するトレンチが形成される。さらに、極低温温度では、1つの材料を別の材料に対してエッチングする選択性を改善することができる。例えばケイ素(Si)と二酸化ケイ素(SiO)との間の選択性は、温度が低くなるにつれて指数的に高くなる。
【発明の概要】
【0004】
したがって極低温温度で使用するために適した改良型基板支持アセンブリが必要である。
【0005】
一実施形態では基板支持アセンブリが提供される。基板支持アセンブリは、支持表面および支持表面の反対側の底面を有する静電チャック(ESC)を含む。ESCは、チャック電極と、中に配置された1つまたは複数の抵抗加熱器とを有する。ベースチャネルが中に配置されたESCにESCベースアセンブリが結合される。設備プレートは、中に設備チャネルが配置されている。設備プレートはプレート部分および壁部分を含む。プレート部分はESCベースアセンブリに結合され、また、壁部分は、シールアセンブリを使用してESCに結合される。ESC、ESCベースアセンブリ、設備プレートのプレート部分、設備プレートの壁部分およびシールアセンブリによって真空領域が画定される。
【0006】
別の実施形態では基板支持アセンブリが提供される。基板支持アセンブリは、支持表面および支持表面の反対側の底面を有する静電チャック(ESC)を含む。ESCは、チャック電極と、中に配置された1つまたは複数の抵抗加熱器とを有する。ベースチャネルが中に配置されたESCにESCベースアセンブリが結合される。ベースチャネルは、設備プレート、設備プレートに結合された絶縁体プレートおよび絶縁体プレートに結合された接地プレートを貫通して配置されているジャケットベース入口管と流体連結しているベース入口を有する。ベースチャネルは、設備プレート、絶縁体プレートおよび接地プレートを貫通して配置されているジャケットベース出口管と流体連結しているベース出口を有する。設備プレートはプレート部分および壁部分を含む。プレート部分は、1つまたは複数の第1のねじアセンブリを使用してESCベースアセンブリに結合され、また、壁部分は、シールアセンブリを使用してESCに結合される。設備プレートは、中に設備チャネルが配置されている。シールアセンブリは、コイルばねが中に配置されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)本体を含む。ESC、ESCベースアセンブリ、設備プレートのプレート部分、設備プレートの壁部分およびシールアセンブリによって真空領域が画定される。
【0007】
さらに別の実施形態では処理チャンバが提供される。処理チャンバは、処理領域を画定する壁および蓋を有するチャンバ本体を含む。処理領域には基板支持アセンブリが配置される。基板支持アセンブリは、支持表面および支持表面の反対側の底面を有する静電チャック(ESC)を含む。ESCは、チャック電極と、中に配置された1つまたは複数の抵抗加熱器とを有する。ベースチャネルが中に配置されたESCにESCベースアセンブリが結合される。設備プレートは、中に設備チャネルが配置されている。設備プレートはプレート部分および壁部分を含む。プレート部分はESCベースアセンブリに結合され、また、壁部分は、シールアセンブリを使用してESCに結合される。ESC、ESCベースアセンブリ、設備プレートのプレート部分、設備プレートの壁部分およびシールアセンブリによって真空領域が画定される。
【0008】
上で本開示の特徴を説明した方法を詳細に理解することができるように、上で簡単に要約した本開示についてのより詳細な説明を実施形態を参照することによって行うことができ、それらの実施形態のうちのいくつかは添付の図面に示されている。しかしながら添付の図面は例示的実施形態を示したものにすぎず、したがって本開示の範囲を制限するものと見なしてはならず、他の同様に有効な実施形態を許容し得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態による例示的プラズマ処理チャンバの概略断面図である。
図2A-2B】実施形態による例示的基板支持アセンブリの概略断面図である。
図2C】実施形態によるねじアセンブリの概略図である。
図3】実施形態によるシールアセンブリの概略図である。
図4A-4D】実施形態によるESCベースアセンブリの概略断面図である。
図4E】実施形態による例示的基板支持アセンブリの周囲部分の概略断面図である。
図5A-5C】実施形態による例示的基板支持アセンブリの部分概略断面図である。
図5D】実施形態による低温光プローブアセンブリの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
理解を容易にするために、可能である場合、複数の図面に対して共通である同じ要素を指示するために同じ参照符号が使用されている。1つの実施形態の要素および特徴は、それ以上説明することなく、他の実施形態に有利に組み込まれ得ることが企図されている。
【0011】
本明細書に記載の実施形態は基板支持アセンブリを提供し、この基板支持アセンブリによれば、静電チャック(ESC)の上に配置された基板が処理に適した極低温処理温度に維持され、その一方で処理チャンバの他の表面が異なる温度に維持されるように、静電チャック(ESC)を極低温温度で動作させることができる。極低温処理温度(すなわち基板の温度)は、摂氏-20度未満の温度を意味することが意図されている。
【0012】
以下では、エッチ処理チャンバの中における基板支持アセンブリが説明されているが、基板支持アセンブリは、とりわけ物理的気相堆積チャンバ、化学気相堆積チャンバ、イオン注入チャンバなどの他のタイプのプラズマ処理チャンバの中で利用することができ、また、処理のために基板を極低温処理温度に維持することが必要な他のシステムの中で利用することができる。
【0013】
図1は、例示的プラズマ処理チャンバ100の概略断面図であり、例示的プラズマ処理チャンバ100は、基板支持アセンブリ101を有するエッチチャンバとして構成されるように示されている。基板支持アセンブリ101は、他のタイプのプラズマ処理チャンバ、例えばとりわけプラズマトリートメントチャンバ、アニーリングチャンバ、物理的気相堆積チャンバ、化学気相堆積チャンバおよびイオン注入チャンバの中、ならびに基板124などの表面またはワークピースを極低温処理温度に均一に維持する能力が望ましい他のシステムの中で利用することができる。極低温処理温度に維持された基板124をドライ反応性イオンエッチングすることにより、イオンは、少ない自然エッチングで、基板124の上に配置された材料の上向きに面している表面に衝撃を加えることができ、それにより滑らかな垂直方向の側壁を有するトレンチが形成される。例えば極低温処理温度に均一に維持された基板124の上に配置された低誘電率誘電体材料の穴があいた所へのイオンの拡散が低減され、その一方でイオンは、低誘電率誘電体材料の上向きに面している表面に衝撃を加え続けて、滑らかな垂直方向の側壁を有するトレンチを形成する。さらに、極低温処理温度では、1つの材料を別の材料に対してエッチングする選択性を改善することができる。例えばケイ素(Si)と二酸化ケイ素(SiO)との間の選択性は、温度が低くなるにつれて指数的に高くなる。
【0014】
プラズマ処理チャンバ100は、処理領域110を取り囲んでいる側壁104、底部106および蓋108を有するチャンバ本体102を含む。注入装置112はチャンバ本体102の側壁104および/または蓋108に結合される。ガスパネル114は注入装置112に結合されており、プロセスガスを処理領域110の中に供給することができる。注入装置112は、1つまたは複数のノズルまたは入口ポートであってもよく、あるいは別法としてシャワーヘッドであってもよい。プロセスガスは、あらゆる処理副産物と共に、チャンバ本体102の側壁104または底部106に形成されている排気口116を介して処理領域110から除去される。排気口116は、処理領域110内の真空レベルを制御するために利用されるスロットルバルブおよびポンプを含むポンピングシステム140に結合されている。
【0015】
プロセスガスにエネルギーを供給して処理領域110内にプラズマを形成することができる。プロセスガスは、プロセスガスにRF電力を容量結合または誘導結合することによってエネルギーを供給することができる。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる、図1に示されている実施形態では、プラズマ処理チャンバ100の蓋108の上に複数のコイル118が配置されており、整合回路120を介してRF電源122に結合されている。
【0016】
基板支持アセンブリ101は、処理領域110の中の、注入装置112の下方に配置されている。基板支持アセンブリ101はESC103およびESCベースアセンブリ105を含む。ESCベースアセンブリ105はESC103および設備プレート107に結合されている。接地プレート111によって支持された設備プレート107は、基板支持アセンブリ101との電気的、冷却、加熱およびガス接続を容易にするように構成されている。接地プレート111は処理チャンバの底部106によって支持されている。絶縁体プレート109は設備プレート107を接地プレート111から絶縁している。
【0017】
ESCベースアセンブリ105は、極低温冷却装置117に結合されたベースチャネル416(図4A図4Dに示されている)を含む。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、極低温冷却装置117は、ESCベースアセンブリ105が所定の極低温温度に維持されるように、ベースチャネル416の入口254(図2Aおよび図2Bに示されている)に接続されたベース入口コンジット123を介して、また、ベースチャネル416の出口256(図2Aおよび図2Bに示されている)に接続されたベース出口コンジット125を介してベースチャネル416と流体連結している。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、極低温冷却装置117は、ベース流体の流量を制御するためのインターフェースボックスに結合されている。ベース流体は、摂氏-50度未満の極低温温度を維持することができる材料を含むことができる。極低温冷却装置117は、ESCベースアセンブリ105のベースチャネル416を通って循環するベース流体を供給する。ベースチャネル416を通って流れるベース流体により、ESCベースアセンブリ105を極低温温度に維持することができ、これは、ESC103の上に配置された基板124が極低温処理温度に均一に維持されるように、ESC103の横方向温度プロファイルの制御を補助する。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、極低温冷却装置117は、摂氏約-50度未満の極低温温度を維持するように動作することができる単段冷却装置である。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、極低温冷却装置117は2段冷却装置であり、ベース流体が摂氏-50度未満の極低温温度に維持されるように、2段冷却装置の内部に冷媒を利用している。
【0018】
設備プレート107は、冷却装置119に結合された設備チャネル234(図2Aおよび図2Bに示されている)を含む。冷却装置119は、設備プレート107が所定の周囲温度に維持されるように、設備チャネル234の入口240(図2Aおよび図2Bに示されている)に接続された設備入口コンジット127を介して、また、設備チャネル234の出口242(図2Aおよび図2Bに示されている)に接続された設備出口コンジット129を介して設備チャネル234と流体連結している。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、極低温冷却装置117は、設備流体の流量を制御するためのインターフェースボックスに結合されている。設備流体は、周囲温度を摂氏約-10度から摂氏約60度までの間に維持することができる材料を含むことができる。冷却装置119は、設備プレート107の設備チャネル234を通って循環する設備流体を供給する。設備チャネル234を通って流れる設備流体により、設備プレート107を所定の周囲温度に維持することができ、これは、絶縁体プレート109を所定の周囲温度に維持するのを補助する。
【0019】
ESC103は、支持表面130および支持表面130の反対側の底面132を有している。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、ESC103は、アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)または他の適切な材料などのセラミック材料から製造される。別法としては、ESC103は、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリールエーテルケトンなどの重合体から製造することも可能である。
【0020】
ESC103は、中に配置されたチャック電極126を含む。チャック電極126は、単極電極もしくは双極電極または他の適切な構造として構成することができる。チャック電極126は、RFフィルタおよび設備プレート107を介してチャック電源134に結合されており、チャック電源134は、DC電力を供給して基板124をESC103の支持表面130に静電固定する。RFフィルタは、プラズマ処理チャンバ100内にプラズマ(図示せず)を形成するために利用されるRF電力が電気装置を損傷するのを防止し、またはチャンバの外部に電気的な危険をもたらすのを防止する。
【0021】
ESC103は、中に埋め込まれた1つまたは複数の抵抗加熱器128を含む。抵抗加熱器128は、支持表面130に配置された基板124を処理するのに適した極低温処理温度にESC103の温度を高めるために利用される。抵抗加熱器128は、設備プレート107およびRFフィルタを介してヒータ電源136に結合されている。RFフィルタは、プラズマ処理チャンバ100内にプラズマ(図示せず)を形成するために利用されるRF電力が電気装置を損傷するのを防止し、またはチャンバの外部に電気的な危険をもたらすのを防止する。ヒータ電源136は、500ワットまたはそれ以上の電力を抵抗加熱器128に供給することができる。ヒータ電源136は、ヒータ電源136の動作を制御するために利用されるコントローラ(図示せず)を含み、コントローラは、通常、基板124を所定の極低温温度に加熱するように設定される。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、抵抗加熱器128は、横方向に分割された複数の加熱ゾーンを含み、コントローラは、抵抗加熱器128の少なくとも1つのゾーンを、他のゾーンのうちの1つまたは複数に配置された抵抗加熱器128に対して優先的に加熱することができる。例えば抵抗加熱器128は、分割された複数の加熱ゾーンに同心で配置することができる。抵抗加熱器128は、基板124を処理に適した極低温処理温度に維持する。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、極低温処理温度は摂氏約-20度未満である。例えば極低温処理温度は摂氏約-20度から摂氏約-150度までの間である。
【0022】
基板支持アセンブリ101は、中に配置された1つまたは複数のプローブを含むことができる。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、1つまたは複数の低温光プローブアセンブリ500(図5A図5Dに示されている)はプローブコントローラ138に結合されている。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、低温光プローブ512の各々のプローブチップ516は、ESC103の温度を決定するために、ESC103の中に配置されるか(図5Bに示されているように)、またはESC103の表面に配置される(図5Aに示されているように)。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、低温光プローブ512の各々のプローブチップ516は、ESCベースアセンブリ105の温度に基づいて基板の温度を較正するために、ESCベースアセンブリ105の中に配置される(図5Cに示されているように)。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、低温光プローブアセンブリ500の各々は、抵抗加熱器128の横方向に分割された複数の加熱ゾーンのうちの1つに対応し、低温光プローブはESC103の個々のゾーンの温度を測定する。プローブコントローラ138はヒータ電源136に結合されており、したがってESC103の横方向温度プロファイルが実質的に一様になるように、温度測定値に基づいて抵抗加熱器128の個々のゾーンが独立して加熱され、それによりESC103の上に配置された基板124が極低温処理温度に均一に維持される。
【0023】
図2Aおよび図2Bは例示的基板支持アセンブリ101の概略断面図であり、この例示的基板支持アセンブリ101は、ESC103の上に配置された基板124が極低温処理温度に維持されるように、ESC103の極低温温度動作を可能にする。ESC103はESCベースアセンブリ105に結合されている。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、ESC103は、結合層202を使用してESCベースアセンブリ105に固定される。結合層202は有機材料または無機材料を含むことができる。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、結合層202はエポキシ材料または金属材料を含むことができる。チャック電極126は、設備プレート107の下部絶縁体212およびESCベースアセンブリ105の上部絶縁体214中の第1のボア208を貫通して配置されている第1の絶縁線204を介してチャック電源134に結合されている。1つまたは複数の抵抗加熱器128は、設備プレート107の下部絶縁体212およびESCベースアセンブリ105の上部絶縁体214中の第2のボア210を貫通して配置されている第2の絶縁線206を介してヒータ電源136に結合されている。
【0024】
設備プレート107はプレート部分229および壁部分230を含む。ESCベースアセンブリ105のプレート部分229は、ESCベースアセンブリ105と設備プレート107との間に真空領域222が存在するように、1つまたは複数の第1のねじアセンブリ220を使用して設備プレート107に結合されている。1つまたは複数の第1のねじアセンブリ220の各々は、設備プレート107と接触している断熱層227、1つまたは複数のBelleville座金226および設備プレート107を貫通して挿入され、ESCベースアセンブリ105のねじ孔228にねじ込まれたボルト224を含む。断熱層227は設備プレート107と接触して、極低温温度に維持されたESCベースアセンブリ105からの熱分離を提供する。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、断熱層227は、ポリアミド-イミド(PAI)またはポリイミド(PI)含有材料を含む。1つまたは複数のBelleville座金226およびボルト224は、設備プレート107がESCベースアセンブリ105に押し付けられるように、予荷重が掛けられる。いくつかの実施形態では、図2Cに示されているように、ねじカバー261が設備プレート107に結合され、1つまたは複数の第1のねじアセンブリ220の各々の間に真空絶縁領域263が維持されるように、ボルト224を覆っている。ねじカバー261は、真空絶縁領域263の圧力を維持し、かつ、1つまたは複数の第1のねじアセンブリ220の各々を設備プレート107から熱的に絶縁するために、O-リング267によって設備プレート107に結合されている。
【0025】
設備プレート107は、シールアセンブリ232によってESC103に結合された壁部分230を含む。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、設備プレート107の下部絶縁体212は、シールアセンブリ232を介して真空領域222を維持している。シールアセンブリ232によってESCに結合された壁は、プロセスガスとの接触による潜在的なフレークオフからESCベースアセンブリ105の材料を保護する。真空領域222は、ESC103、ESCベースアセンブリ105、設備プレート107およびシールアセンブリ232によって画定される。真空領域222は、冷却プレートの裏側への凝縮を防止し、処理領域110の圧力とは無関係の圧力を有することによってプロセスガスが基板支持アセンブリ101に入るのを防止し、また、ESCベースアセンブリ105と設備プレート107との間の熱分離を提供する。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、設備プレート107はアルミニウム含有材料を含む。
【0026】
設備プレート107の設備チャネル234は設備プレート中に機械加工され、カバー238と溶接されている。設備チャネル234の入口240は、絶縁体プレート109および接地プレート111を貫通して配置されている入口管244と流体連結している。設備チャネル234の出口242は、絶縁体プレート109および接地プレート111を貫通して配置されている出口管246と流体連結している。入口管244および出口管246は、設備入口コンジット127に接続された接続入口250、および設備出口コンジット129に接続された接続出口252を有する接続248に接続されている。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、接続248、入口管244および出口管246は、セラミック含有材料などの絶縁材料を含むことができる。
【0027】
図4A図4Dでより詳細に説明されるESCベースアセンブリ105のベースチャネル416は、設備プレート107、絶縁体プレート109および接地プレート111を貫通して配置されているジャケット入口管258と流体連結しているベースチャネル416の入口254を含む。ベースチャネル416の出口256は、設備プレート107、絶縁体プレート109および接地プレート111を貫通して配置されているジャケット出口管260と流体連結している。ジャケット入口管258およびジャケット出口管260はインターフェースブロック270に接続されている。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、インターフェースブロック270、ジャケット入口管258およびジャケット出口管260は、セラミック含有材料などの絶縁材料を含む。ジャケット入口管258は流体入口チャネル266および真空チャネル262を含む。ジャケット出口管260は流体出口チャネル268および真空チャネル264を含む。インターフェースブロック270は、ベース入口272、真空チャネル276、ベース出口274および真空チャネル278を含む。ベース入口272はベース入口コンジット123に接続され、また、ベース出口274はベース出口コンジット125に接続されている。真空チャネル276は、真空源284と流体連結している真空コンジット280に接続されており、また、真空チャネル278は、真空源284と流体連結している真空コンジット282に接続されている。真空源284を真空領域222に結合することにより、処理領域110の圧力とは無関係の圧力を真空領域222に維持することができる。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、流体入口チャネル266および流体出口チャネル268は、真空領域222の圧力を維持するために、シールアセンブリ232によってESCベースアセンブリ105に結合されている。
【0028】
基板支持アセンブリ101は、基板124をESC103の支持表面130の上方に高く持ち上げてロボットによるプラズマ処理チャンバ100内への転送およびプラズマ処理チャンバ100からの転送を容易にするためのリフトピン(図示せず)を収納するための1つまたは複数のリフトピンアセンブリ286をも含む。1つまたは複数のリフトピンアセンブリ286の各々は、ESC103、ESCベースアセンブリ105、設備プレート107、絶縁体プレート109および接地プレート111を貫通して配置されているリフトピンガイド288を含む。ESCベースアセンブリ105を貫通して配置されているリフトピンガイド288の部分290は、リフトピンガイド288を所定の位置に保持する、ねじ山付きブッシング292によって取り囲まれている。リフトピンガイド288は、チャンバ真空および絶縁真空を別に維持するために、シールアセンブリ232によってESC103に結合されている。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、ESC103は、基板124とESC103の支持表面130との間に画定される隙間空間に、ヘリウムなどの裏側伝熱ガスを供給するための1つまたは複数のガス通路を含む。1つまたは複数のガス通路の各々は、ESC103、ESCベースアセンブリ105、設備プレート107、絶縁体プレート109および接地プレート111を貫通して配置されている。1つまたは複数のガス通路の各々は、真空領域222の圧力を維持するためにシールアセンブリ232によってESC103に結合されている。
【0029】
図2Bに示されているように、設備プレート107は、絶縁体プレート109と設備プレート107との間に配置された凹所部分296およびシール294を含む。設備プレート107に結合された絶縁体プレート109の表面205は設備プレート107と共形である。凹所部分296および絶縁体プレート109は、設備プレート107の減少した厚さ201および絶縁体プレート109の増加した厚さ203を提供している。設備プレート107の減少した厚さ201および絶縁体プレート109の増加した厚さ203は、設備プレート107の下部絶縁体212中の第1のボア208を貫通して配置されている第1の絶縁線204の長さ、および絶縁体プレート109を貫通して配置されている線204の長さを短くしている。第1のボア208を貫通して配置される第1の絶縁線204の長さを短くすることにより、チャック電源134によって第1の絶縁線204に供給される電圧によるRF高温設備プレート107の第1のボア208中のアーク電位が低くなる。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、絶縁体プレート109の外部部分269は、絶縁体プレート109の内部部分271の材料とは異なる材料を含む。外部部分269は酸化アルミニウム(AlO)含有材料を含むことができ、また、絶縁体プレート109の内部部分271はポリスチレン含有材料を含むことができる。
【0030】
図3は、実施形態によるシールアセンブリ232の概略図である。図3は面シールとしてのシールアセンブリ232を示しているが、本明細書に記載の実施形態は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)本体を有するピストン(すなわちラジアル)シールまたは金属シールを含むことも可能である。本明細書に記載のシールは、摂氏約-260度から摂氏約290度までの間の温度の真空領域222の密閉を提供する。図3に示されているシールアセンブリ232は、中にばね304が配置されたPTFE本体302を含む。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、ばね304は、ステンレス鋼、ニッケル合金、ニッケル-クロム合金およびコバルト-クロム-ニッケル-モリブデン合金含有材料を含む。シールアセンブリ232は、極低温温度のESC103を密閉することができる。中にばねが配置されたPTFE本体302は、摂氏約-260度から摂氏約290度までの間の温度で動作することができる。
【0031】
図4Aおよび図4Bは、ベースチャネルプレート404に結合されたESCベース402を有するESCベースアセンブリ105の概略断面図である。ESCベース402は、ESC103の熱膨張係数に実質的に整合させるための材料を含む。ESCベース402は、モリブデンまたは炭素繊維含有材料を含むことができる。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、ベースチャネルプレート404はアルミニウム含有材料からなっている。ベースチャネルプレート404はESCベースアセンブリ105のベースチャネル416を含む。ベースチャネル416はベースチャネルプレート404中に機械加工され、カバー420と結合、溶接またはろう付けされている。ベースチャネル416の入口254はジャケット入口管258と流体連結し、また、ベースチャネル416の出口256はジャケット出口管260と流体連結している。ESCベース402は、1つまたは複数の第2のねじアセンブリ408を介してベースチャネルプレート404に結合されている。図4Aに示されている一実施形態では、ESCベース402は、ESCベース402とベースチャネルプレート404との間の定義済み熱伝導率を維持するために、それらの間に熱伝導性ガスケット406を使用してベースチャネルプレート404に結合されている。図4Bに示されている別の実施形態には熱伝導性ガスケット406は含まれていない。1つまたは複数の第2のねじアセンブリ408の各々は、1つまたは複数のBelleville座金412およびESCベース402を貫通して挿入され、ESCベース402のねじ孔414にねじ込まれたボルト410を含む。1つまたは複数のBelleville座金412およびボルト410は、ベースチャネルプレート404がESCベース402に押し付けられるように、予荷重が掛けられる。
【0032】
図4Cは、ベースチャネル416を備えたESCベース402を有するESCベースアセンブリ105の概略断面図である。ESCベース402は、ESC103の熱膨張係数に実質的に整合させるためのモリブデンまたは炭素繊維含有材料を含む。ベースチャネル416はESCベース402中に機械加工され、カバー420と結合、溶接またはろう付けされている。ベースチャネル416の入口254はジャケット入口管258と流体連結し、また、ベースチャネル416の出口256はジャケット出口管260と流体連結している。
【0033】
図4Dは、ベースチャネル416を備えたESCベース402を有するESCベースアセンブリ105の概略断面図である。ESCベース402は、ESC103の熱膨張係数に実質的に整合させるためのモリブデンまたは炭素繊維含有材料を含む。ベースチャネル416は、ESCベース402中に機械加工された空間424に配置されたコイルである。ベースチャネル416の入口254はジャケット入口管258と流体連結し、また、ベースチャネル416の出口256はジャケット出口管260と流体連結している。
【0034】
図4Eは、図2Bの基板支持アセンブリ101の周囲部分の概略断面図である。ESCベース402は真空領域222に露出した溝426を含む。溝426は、中に配置されたRFガスケット428を含む。設備プレート107のプレート部分229は、RFガスケット432が中に配置された溝430を含む。ESCベース402およびベースチャネルプレート404は設備プレート107から熱的に分離されているが、RFガスケット432は、ベースチャネルプレート404と設備プレート107との間のRF接続性を維持する。同様に、ESCベース402およびベースチャネルプレート404は、図4Aおよび図4Eに示されている実施形態では熱インターフェース406によって熱伝導し得るが、RFガスケット428は、ベースチャネルプレート404とESCベース402との間の電気的RF接続性を維持する。
【0035】
図5A図5Cは、1つまたは複数の低温光プローブアセンブリ500(図5Dに示されている)のうちの1つを有する例示的基板支持アセンブリ101の概略断面図である。低温光プローブアセンブリ500の各々は、プローブコントローラ138に接続された光ファイバ510を含む。低温光プローブアセンブリ500の各々は、絶縁体プレート109の中に配置されたマウントハウジング502を含み、また、絶縁体プレート109および設備プレート107の中に配置されたプローブハウジング504を含む。マウントハウジング502は、プローブアセンブリ500が設備プレート107に押し付けられるように、マウントハウジング502を貫通して挿入され、絶縁体プレート109のねじ孔508にねじ込まれたプローブ取付けボルト506を使用してプローブハウジング504に結合されている。光ファイバ510は、プローブハウジング504の中に配置された低温光プローブ512に接続されている。プローブハウジング504は、低温光プローブ512のプローブチップ516がESC103に接触するように構成されるように、低温光プローブ512の垂直方向の運動を提供するばね514を含む。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、プローブチップ516は、表面を貫通することなくESC103と接触する。図5Bに示されている、本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、プローブチップ516はESC103内に配置されている。設備プレート107の中では、ねじ山付きキャップ518がプローブハウジング504を取り囲んでいる。ねじ山付きキャップ518の内側部分520は、内側シール522を使用してプローブハウジング504に結合されている。この内側シール522により、プローブチップ516をESC103に接触した状態で維持することができる。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、内側シール522はシールアセンブリ232である。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、内側シール522はエラストマシールである。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるさらに別の実施形態では、内側シール522はO-リングである。ねじ山付きキャップ518の外側部分524は、外側シール526を使用して設備プレート107に結合されている。外側シール526は、プローブハウジング504を真空領域222から密閉している。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、外側シール526はO-リングである。
【0036】
要約すると、ESCの上に配置された基板が極低温処理温度に維持され、その一方で処理チャンバの他の表面が異なる温度に維持されるように、ESCを極低温温度で動作させることができる、基板支持アセンブリが提供される。基板支持アセンブリは、ESC103と、このESC103および設備プレート107に結合されたESCベースアセンブリ105と、接地プレート111に結合された絶縁体プレート109とを含む処理チャンバの中に配置される。ESC103に結合されたESCベースアセンブリ105のベースチャネルを通って流れるベース流体と、抵抗加熱器128とにより、ESCベースアセンブリ105を所定の極低温温度に維持することができ、これは、ESC103の上に配置された基板124が極低温処理温度に均一に維持されるように、ESC103の横方向温度プロファイルの制御を補助する。設備プレート107の設備チャネル234を通って流れる設備流体により、設備プレート107を周囲温度に維持することができ、これは、絶縁体プレート109および接地プレート111を周囲温度に維持するのを補助する。
【0037】
以上の説明は本開示の例を対象としているが、本開示の基本範囲を逸脱することなく、本開示の他のさらなる例を工夫することが可能であり、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図5D