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特許7572545レーザチャンバの封止機構のための電磁シールド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】レーザチャンバの封止機構のための電磁シールド
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/032 20060101AFI20241016BHJP
   H01S 3/038 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
H01S3/032
H01S3/038
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2023513985
(86)(22)【出願日】2021-08-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(86)【国際出願番号】 US2021047881
(87)【国際公開番号】W WO2022072088
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-04-26
(31)【優先権主張番号】63/084,746
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】カーメチ,モハマド,アミン
【審査官】佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-327064(JP,A)
【文献】特開2002-344187(JP,A)
【文献】特開平11-135984(JP,A)
【文献】特開平06-152013(JP,A)
【文献】特開2019-117792(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0196830(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/03-4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電チャンバと、前記放電チャンバ内の電極と、基部及び複数のステム部を有する電気絶縁構造と、複数のガスケットと、シールドと、を備える光源であって、
前記基部は、前記放電チャンバ内にあり、かつ、前記電極と前記放電チャンバの外壁との間に延在し、
前記複数のステム部は、前記基部から前記放電チャンバの前記外壁を通って延在し、
前記複数のステム部の各々は、前記ステム部及び前記基部を貫通するチャネルを有し、
前記チャネルの各々は、前記電極に電気的に接続する電気導体を受容するように構成され、
前記複数のガスケットの各々は、前記ステム部のうち1つを包囲し、
前記ガスケットのうち少なくとも1つは、前記ステム部のそれぞれを包囲する非金属性材料を備え、
前記シールドは、前記少なくとも1つの非金属性ガスケットの各々と前記ステム部の前記それぞれとの間に配設され、
前記複数のガスケットは、少なくとも1つの金属性ガスケットを備え、
前記少なくとも1つの金属性ガスケットの各々は、前記金属性ガスケットと前記ステム部の前記それぞれとの間のシールドなしで前記ステム部のそれぞれを包囲する、光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は2020年9月29日に提出された「ELECTROMAGNETIC SHIELD FOR A SEALING MECHANISM OF A LASER CHAMBER」と題された米国出願第63/084,746号の優先権を主張するものであり、同出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、レーザチャンバの封止機構の電磁シールドに関する。レーザチャンバは、エキシマレーザ、例えば深紫外(DUV)光学システムで使用されるエキシマレーザの一部であり得る。
【背景技術】
【0003】
[0003] フォトリソグラフィとは、半導体回路をシリコンウェーハなどの基板上にパターニングするプロセスである。フォトリソグラフィ光学源(又は光源)が、ウェーハ上のフォトレジストを露光させるために用いられる深紫外(DUV)光を提供する。フォトリソグラフィにおいて用いられるガス放電光源の1つの種類は、エキシマ光源又はレーザとして知られている。エキシマ光源は、典型的には、アルゴン、クリプトン、又はキセノンなど1つ以上の貴ガスとフッ素又は塩素などの反応性との組み合わせを使用する。エキシマ光源は、(供給される)電気刺激(エネルギ)及び高圧(のガス混合物)の適正条件下では、通電状態においてのみ存在し紫外域の増幅光のもとになるエキシマと呼ばれる擬似分子が作り出されるという事実からその名を得ている。エキシマ光源は深紫外(DUV)域に波長を有する光ビームを生成し、この光ビームがフォトリソグラフィ装置内で半導体基板(又はウェーハ)をパターニングするために用いられる。エキシマ光源は、単一のガス放電チャンバを用いて又は複数のガス放電チャンバを用いて構築することができる。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 一態様においては、光源用の装置は、チャネルを画定する電気絶縁体と、電気絶縁体の少なくとも一部を包囲するガスケットと、チャネルとガスケットとの間のシールドと、を含む。チャネルは、電気導体を受容するように構成されている。ガスケットは、非金属性材料を含む。
【0005】
[0005] 実施例は、以下の特徴のうち1つ以上を含み得る。
【0006】
[0006] シールドは、電気導体内の電流によって生成される磁場を低減するように構成され得る。シールドは、ガスケットの近くに実質的に電場が存在しないように、磁場を遮断するように構成され得る。
【0007】
[0007] シールドは、磁性金属を含み得る。
【0008】
[0008] シールドは、ミューメタルを含み得る。
【0009】
[0009] ガスケットは、エラストマ材料を含み得る。
【0010】
[0010] 電気絶縁体は、基部と、基部から延在するステム部と、を含んでいてもよく、チャネルは、ステム部及び基部を貫通し得る。シールドは、ステム部の外側の一部を包囲し得る。ステム部は円筒であり得、チャネルは円筒を貫通していてもよく、基部はステム部から直交方向に延在し得る。チャネルは円筒と同心であってもよく、基部は円筒と同心であってもよい。
【0011】
[0011] 電気絶縁体は実質的に円筒体であり得、シールドは円筒体の外側の一部を包囲し得る。
【0012】
[0012] シールドは、フェライト又は鉄合金を含み得る。
【0013】
[0013] 別の一態様においては、放電チャンバは、ハウジングと、ハウジング内の電極と、ハウジングを貫通する、電極に電気的に接続された電気導体と、電気導体の一部を包囲する電気絶縁体と、電気絶縁体を包囲するガスケットと、電気絶縁体の周囲のシールドと、を含む。シールドは、磁場を遮断するように又は減衰させるように構成されている。
【0014】
[0014] 実施例は、以下の特徴のうち1つ以上を含み得る。
【0015】
[0015] シールドは、電気絶縁体とガスケットとの間に配設され得る。
【0016】
[0016] ガスケットは、電気絶縁材料を含み得る。電気絶縁材料は、エラストマを含み得る。ガスケットは、Oリングを含み得る。
【0017】
[0017] ハウジングは内壁を含んでいてもよく、内壁は導電性材料を含み得る。
【0018】
[0018] 放電チャンバは、ハウジング内に第2の電極を更に含み得る。ハウジングは、ガス状利得媒質を含有するように構成され得る。ガス状利得媒質は、フッ素を含み得る。ガスケットは、フッ素化材料を含み得る。
【0019】
[0019] シールドは、電気導体を流れる時変電流によって生成される過渡磁場を遮断するように又は減衰させるように構成され得る。
【0020】
[0020] 放電チャンバは、N個の電気絶縁体と、N個のガスケットと、N個の電気導体と、を含み得る。ただし、Nは1よりも大きい整数である。N個の電気絶縁体の各々が電気導体のうちの1つを包囲してもよく、N個のガスケットの各々がN個の電気絶縁体のうちの1つを包囲してもよく、N個のガスケットのうち少なくとも1つは全体が金属性であり得る。
【0021】
[0021] 放電チャンバは、深紫外(DUV)光源において使用されるように構成され得る。
【0022】
[0022] いくつかの実施例においては、ガスケットは溝内にあり、シールドは電気絶縁体と溝との間にある。
【0023】
[0023] 別の一態様においては、深紫外(DUV)光源は、第1のパルスDUV光ビームを生成するように構成された第1のチャンバを含む。第1のチャンバは、第1のハウジングと、第1のハウジング内の第1の電極アセンブリと、第1の電気導体を受容するように構成された第1のチャネルを含む第1の絶縁体と、第1の絶縁体の一部を包囲する第1のガスケットと、第1のチャネルの一部を包囲する第1のシールドと、を含む。第1の電気導体は、第1の電極アセンブリに電気的に接続するように構成されている。第1のシールドは、磁場を遮断するように又は減衰させるように構成されている。
【0024】
[0024] 実施例は、以下の特徴のうち1つ以上を含み得る。
【0025】
[0025] DUV光源は、第2のパルスDUV光ビームを生成するように構成された第2のチャンバを更に含み得る。第2のチャンバは、第2のハウジングと、第2のハウジング内の第2の電極アセンブリと、第2の電気導体を受容するように構成された第2のチャネルを含む第2の絶縁体と、第2の絶縁体の一部を包囲する第2のガスケットと、第2のチャネルの一部を包囲する第2のシールドと、を含み得る。第2の電気導体は、第2の電極アセンブリに電気的に接続するように構成され得る。第1のシールドは、磁場を遮断するように又は減衰させるように構成され得る。第1のシールドは第1のガスケットと同心であり得、第2のシールドは第2のガスケットと同心であり得る。第1のパルス光ビームはシード光ビームを含んでいてもよく、第2のチャンバはシード光ビームを受けるように位置決めされてもよく、第2のパルス光ビームはシード光ビームに基づいていてもよい。第1のパルス光ビーム及び第2のパルス光ビームは共通のビームコンバイナに向けて放出され得る。第1のガスケット及び第2のガスケットは、エラストマ材料を含み得る。第1の電極アセンブリは第1のアノード及び第1のカソードを含んでいてもよく、第1の電気導体は第1のカソードに電気的に接続するように構成され得る。第2の電極アセンブリは第2のアノード及び第2のカソードを含んでいてもよく、第2の電気導体は第2のカソードに電気的に接続するように構成され得る。
【0026】
[0026] DUV光源は更に、第1のハウジングの外部に電源を含み得る。電源は、電気導体に電気的に接続するように構成されていてもよく、動作使用時には、電源は、高電圧励起パルスを電気導体に提供し得る。
【0027】
[0027] いくつかの実施例においては、第1のシールドは、第1のガスケットと第1の絶縁体との間に同心に配設され、第2のシールドは、第2のガスケットと第1の絶縁体との間に同心に配設される。
【0028】
[0028] 別の一態様においては、レーザを動作させる方法は、絶縁体と構成要素との間にシールドを提供することであって、絶縁体はレーザの放電チャンバの壁を貫通しチャネルを画定することと、チャネル内に電気導体を設置することと、レーザの放電チャンバ内の電極を充電するために電気導体に時変電流を伝導することと、を含む。シールドは、構成要素の近くに実質的に電場が存在しないように、電気導体の周囲に形成される磁場を遮断する。
【0029】
[0029] 実施例は、以下の特徴のうち1つ以上を含み得る。
【0030】
[0030] 構成要素は、エラストマガスケットを含み得る。
【0031】
[0031] 方法は、ガス状利得媒質を放電チャンバに提供することを更に含み得る。構成要素は、チャンバを封止してガス状利得媒質がチャンバから漏出することを防止するように構成されたガスケットであってもよい。シールドは、構成要素の近くに実質的に電場が存在しないように、及び構成要素において実質的にガス状利得媒質のプラズマが形成されないように、電気導体の周囲に形成される磁場を遮断し得る。
【0032】
[0032] 別の一態様においては、光源は、放電チャンバと、放電チャンバ内の電極と、電気絶縁構造であって、電極と放電チャンバの外壁との間に延在する放電チャンバ内の基部と、基部から放電チャンバの外壁を貫通して延在する複数のステム部と、を含む、電気絶縁構造と、複数のガスケットであって、各ガスケットがステム部のうち1つを包囲し、ガスケットのうち少なくとも1つがステム部のそれぞれを包囲する非金属性材料を含む、複数のガスケットと、少なくとも1つの非金属性ガスケットの各々とステム部のそれぞれとの間に配設されたシールドと、を含む。各ステム部は、ステム部及び基部を貫通するチャネルを含み、各チャネルは、電極に電気的に接続する電気導体を受容するように構成されている。
【0033】
[0033] 実施例は、以下の特徴のうち1つ以上を含み得る。
【0034】
[0034] 複数のガスケットは、少なくとも1つの金属性ガスケットを含んでいてもよく、少なくとも1つの金属性ガスケットの各々は、金属性ガスケットとステム部のそれぞれとの間のシールドなしでステム部のそれぞれを包囲し得る。
【0035】
[0035] 上述した技術のうちいずれの実施例も、システム、方法、プロセス、デバイス、又は装置を含み得る。1つ以上の実施例の詳細を、添付の図面及び以下の説明に記載する。他の特徴は、説明及び図面から、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1A】[0036] シールドを備える装置の一例を含む光源の側部断面ブロック図である。
図1B】[0037] 図1Aの装置の断面上部ブロック図である。
図1C】[0038] 図1Aの光源の電極間の経時的な電位差の一例である。
図1D】[0039] シールドを備える装置の一例を含む光源の別の一例の側部断面ブロック図である。
図2A】[0040] 装置の別の一例の斜視ブロック図である。
図2B】[0041] 図2Aの装置の側部断面ブロック図である。
図2C】[0041] 図2Aの装置の上部断面ブロック図である。
図2D】[0042] 図2Aの装置に含まれるシールドの斜視ブロック図である。
図3A】[0043] 装置の別の一例の側部断面ブロック図である。
図3B】[0044] 図3Aの装置に含まれる絶縁体の上部断面ブロック図である。
図3C】[0045] 図3Aの装置に含まれるシールドの斜視ブロック図である。
図4】[0046] 光源の別の一例の側部断面ブロック図である。
図5A】[0047] リソグラフィシステムの一例のブロック図である。
図5B】[0048] 投影装置の一例のブロック図である。
図6】[0049] リソグラフィシステムの別の一例のブロック図である。
図7】[0050] 光源を動作させるプロセスの一例のフローチャートである。
【0037】
[0051] 以下では様々な実施例が図面を参照して説明される。以下の説明においては、その様々な実施例の理解を促すために、具体的な詳細が記載される。後述の実施例はいずれも、その具体的な詳細なしに実用され得る。
【発明を実施するための形態】
【0038】
[0052] 図1Aは、光源110と、光源110のための装置130とを含むシステム100の側部断面ブロック図である。図1Bは、図1Aの線1B-1B’に沿った装置130の断面図である。装置130は、ガスケット133を劣化から保護するシールド135を含む。
【0039】
[0053] 装置130は、光源110内の電極113aに電流を伝達する導体151を受容する。装置130は、絶縁体131(ドットのシェーディングで示される)と、ガスケット133(交差線のシェーディングで示される)と、シールド135(濃い灰色のシェーディングで示される)と、を含む。シールド135は、電流の伝達から生じる過渡磁場又は時変磁場を遮断するか又は減衰させる。光源110は、ガス混合物119を含有する放電チャンバ115を含む。ガスケット133は、ガス混合物119が放電チャンバ115内に留まるように、放電チャンバ115を封止する。
【0040】
[0054] ガスケット133は、任意の種類の封止機構であり、例えばOリング又はCリングであってもよい。ガスケット133は非金属性材料を含む。非金属性材料は、金属性でない任意の種類の材料である。例えば、ガスケット133は、例えばデラウェア州ウィルミントンのDuPont Corporationから入手可能なVITON(商標)などのゴム材料又はエラストマ材料で作製され得る。ガスケット133は、製造中にガスケット133を形成する非金属性材料に導入される他の化合物又は材料を含み得る。例えば、ガスケット133は、フッ素ゴムなどのフッ素化材料であってもよい。ガスケット133は非金属性材料を含むが、ガスケット133は金属も含み得る。例えば、ガスケット133は、導電性材料でコーティングされた概ね電気絶縁性の材料であってもよい。これらの実施例では、ガスケット133は、金属の薄層でコーティングされたゴムガスケットであってもよい。ガスケット133の非金属性材料は、ガスケットに典型的に使用される金属よりも機械的に柔軟である。
【0041】
[0055] 非金属性材料の相対的な柔軟性により、ガスケット133は、金属ガスケットと比較して、熱応力に曝されたときに、より堅牢で且つより順応性のあるものになる。しかしながら非磁性材料は、プラズマ損傷をより受けやすくもある。伝達される電流によって生成される過渡磁場は、ガス混合物119からプラズマを形成し得る誘導性電場を作り出す。金属性ガスケットには概してこのプラズマからの腐食に対する耐性があるが、ガスケット133の非金属性材料にはそれほど耐性がなく、プラズマへの曝露によって損傷及び劣化し得る。ガスケット133が故障又は劣化すれば、ガス混合物119は放電チャンバ115から漏出し得る。ガス混合物119は、大気中に通常見られる酸素などのガスの存在下で危険な又はそうでなければ好ましくない条件を生成する成分(例えばフッ素)を含み得る。また、ガス混合物119が大気中に通常見られるガスの存在下で好ましくない条件を引き起こす成分を含まない場合であっても、ガス混合物119の喪失は、光源110の性能を低下させる。
【0042】
[0056] シールド135は、導体151に電流を伝導することから生じる過渡磁場を、遮断するか又は減衰させる。過渡磁場を遮断すること又は減衰させることによって、シールド135はガスケット133を保護し、それによって光源110の安全且つ効率的な動作を保証すると共に、光源110の全体的な性能を改善する。
【0043】
[0057] より詳細には、放電チャンバ115は、電極113aと、電極113bと、ガス混合物119と、を封入する。ガス混合物119は、例えば貴ガスとハロゲンガスとから形成された利得媒質を含む。装置130は、放電チャンバ115の壁114の開口112を貫通する電気絶縁体131を含む。壁114は機械的に堅牢な材料で作製される。例えば、壁は、例えばアルミニウム、ニッケルでコーティングされたアルミニウム、もしくは別の金属性材料でコーティングされたアルミニウムなどの機械的に堅牢な金属材料、高耐久性ポリマ、又は高耐久性ポリマの外部を備える機械的に堅牢な金属材料で作製され得る。開口112は、溝118内に着座したガスケット133で封止される。溝118は、ガスケット133を収容する凹部、スロット、又は他の開口領域である。溝118は任意の手法で形成され得る。例えば、溝118は、壁114の金属性内部分114aに形成され得る。別の一例では、溝118は、内部分114aとは別個の及び壁114とは別個の固体金属性壁から形成され得る。ガスケット133の少なくとも一部は放電チャンバ115の内側にあり、ガスケット133は電気絶縁体131を包囲する。絶縁体131は、任意の種類の電気絶縁材料で作製される。例えば、絶縁体131は、酸化アルミニウム(Al)で作製され得る。
【0044】
[0058] 電気絶縁体131は、電気絶縁体131を貫通し導体151を収容するチャネル132を画定する。導体151は、電源197及び電極113aに電気的に接続されている。電極113a及び113bは、例えば、金属又は金属合金などの導電性材料で作製される。例えば、電極113a及び113bは、銅と亜鉛との合金で作製され得る。電極113a及び電極113bの一方はアノードであり、電極113a及び電極113bの他方はカソードである。図1Aの例では、電極113aがカソードであり、電極113bがアノードである。他の実施例においては、電極113aがアノードであり、電極113bがカソードである。
【0045】
[0059] 光源110の動作使用時には、電源197が、導体151を介して電極113aに時変電流を提供する。電極113bは定電圧に保持される(例えば、電極113bは接地され得る)。よって、電極113aを充電すると、電極113aと113bとの間に電位差及び電場が作り出される。
【0046】
[0060] 図1Cは、パルス出力光ビーム116の光の単一のパルスを生成する充電サイクルにわたる電極113aと113bとの間の電位差の一例のプロットである。時刻t0とt1との間では、電流が電極113aに提供されておらず、電極113aと113bとの間の電圧差は0ボルト(V)である。時刻t1と時刻t2との間では、電源197が大量の電流(例えば、数百又は数千アンペア)を電極113aに供給する。電極113a上の電荷は蓄積し、電極113aと電極113bとの間の電圧差は0VからV1に変化する。時刻t2において電圧差がV1に達すると、電極113aと113bとの間の電場は、ガス混合物119の利得媒質において反転分布を引き起こすのに十分になり、光のパルスが生成される。電源197は電流の供給を停止し、電極113aと113bとの間の電圧差はV1から0Vへ減少し、時刻t3において再び0Vとなる。電極113aと113bとの間の電位差は、時刻t3と時刻t4との間では0Vのままである。充電サイクルを繰り返すと、別の光のパルスが生成される。充電サイクルを多数繰り返すことによって、時間的に互いに分離された光のパルスが形成され、パルス光ビーム116が発生する。
【0047】
[0061] 電極113a上の電荷は、(マクスウェルの式の1つである)式1によって示されるように、電極113aとチャンバ115の壁114の金属性内部分114aとの間に容量性電場を作り出す。
【0048】
【数1】
【0049】
ここで、Eは電場を表し、ρは電極113a上の単位体積あたりの総電荷であり、εは自由空間の誘電率である。容量性電場に加えて、誘導性電場が、導体151を介した電極113aへの電流の伝達から生じる。充電サイクル中、電流は、非常に短い時間だけ導体151を流れる。例えば、図1Cに示される充電サイクルにおいては、電流は、時刻t1とt2との間だけ導体151を流れる。時刻t1とt2との間の時間量は比較的小さい(例えば数ナノ秒又は数十ナノ秒)。充電サイクルの残りの間は、電流は導体151を流れない。よって、電流は、充電サイクル全体を通して一定なのではなく、時変電流である。したがって、電流は時変磁場を生成する。
【0050】
[0062] 時変磁場は、(マクスウェルの式の別の1つである)式2に示されるように、誘導性電場を生成する。
【0051】
【数2】
【0052】
ここで、Eは電場を表し、Bは磁場を表す。また、式(2)に見られる磁場のカールは、(マクスウェルの式の別の1つである)式3に示される電場に関係している。
【0053】
【数3】
【0054】
ここで、μは自由空間の透磁率、cは光の速さ、Jは単位面積あたりの総電流、Eは電場である。例えば、1000アンペア(A)の電流が数ナノ秒にわたって電極113aに提供されるのであれば、生成される電場は1メートル(m)あたり数百から数千ボルト(V)となり、ガスケット133における磁場は約500ガウス(G)となる。(過渡磁場によって引き起こされる)誘導性電場は、ガス混合物119をイオン化させ又はプラズマを形成させ、これがガスケット133を損傷し得る。
【0055】
[0063] 溝118が形成される材料は、ガスケット133を時変磁場から完全には遮蔽しない、又はガスケット133を時変磁場から全く遮蔽しない、機械的に堅牢な材料(アルミニウムなど)である。一方、装置130は、導体151を包囲すると共に時変磁場を抑えるか又は排除するシールド135を含む。時変磁場を抑えること又は排除することによって、シールド135は、誘導性電場も低減又は排除し、ガスケット133を損傷し得るプラズマの生成も低減又は排除する。
【0056】
[0064] シールド135は、磁気遮蔽を提供することのできる任意の種類の材料で作製される。例えば、シールド135は、高透磁率金属で作製され得る。透磁率(μ)とは、磁場の形成に対する材料の抵抗の尺度又は印加される磁場に応答して材料が得る磁化の程度である。シールド135は、比較的小さな表皮深さを有する金属材料で作製され得る。表皮深さとは、入射電磁波が1/eだけ低減される深さである。透磁率が高い材料には、小さな表皮深さを有する傾向もある。シールド135に小さい表皮深さを有する材料を使用すると、シールドのサイズが縮小される。シールドに使用され得る材料の例は、例えば、(ニッケルと鉄との合金である)ミューメタル、コバルトと鉄とで作製された合金、シリコンと鉄とで作製された合金、純鉄、鋼410、パーマロイ、及びMetglas2714A(焼きなまし済み)を含む。
【0057】
[0065] また、シールド135は、溝118が形成される材料ほど必ずしも機械的に堅牢ではない材料で作製される要素である。高い透磁率を有し最大の磁気遮蔽を提供する多くの材料は、機械的に堅牢ではなく、溝118又は壁114としての使用に適さないであろう。したがって、シールド135は、溝118及び壁114が機械的に堅牢な材料で作製されることを可能にすると同時に、ガスケット133に磁気遮蔽を提供する。
【0058】
[0066] シールド135は、溝118に追加の要素であり、溝118が形成される材料とは異なる材料で作製されるが、シールド135は様々な形態をとり得る。例えば、シールド135は、三次元オブジェクトとして形成され、その後、光源110の組み立ての際に又は光源110アップグレードもしくは追加導入の際に溝118内に着座される、別個の構造であってもよい。図2D及び図3Cは、そのような三次元オブジェクトの例を示す。他の実施例では、シールド135の材料は、ガスケット133と絶縁体131との間にある溝118の一部分にコーティングされる。
【0059】
[0067] また、溝118は他の形態をとり得、シールド135は図1Aに示される以外の構成で設置され得る。例えば、シールド135は、溝118の外側だが依然として導体151とガスケット133との間にあってもよい。図1Dは、そのような構成の一例を示す。さらに、光源110には溝118がなくてもよい。これらの実施例では、ガスケット133は、溝118のような溝内に着座されることなく、内部分114aに直接接合され得る。図4は、そのような実施例の一例である。
【0060】
[0068] 図1Dを参照すると、システム100Dが示されている。システム100Dは、光源110Dを含む。光源110Dは放電チャンバ115Dを含み、これは、放電チャンバ115Dが第1の部分114e及び第2の部分114dを含む点を除いて、放電チャンバ115(図1A)に類似している。電極113a及び113bは、チャンバ115の内側の、第2の部分114dにある。放電チャンバ115Dは、第1の部分114eと第2の部分114dとの間で概ねX-Z平面内に延在する表面114bを含む。第1の部分114eは、例えば、アルミニウムなどの金属の板又はブロックであってもよい。図1Dに示される実施例においては、ガスケット133は溝118D内にある。溝118Dは、表面114bからY方向に延在する壁によって包囲された開口領域である。溝118Dはその開口領域内にガスケット133を収容する。シールド135は溝118Dの開口領域内にはない。しかしながら、シールド135はガスケット133と導体132との間にあり、シールド135はまた絶縁体131を包囲する。よって、溝118Dに対するシールド135の位置にかかわらず、シールド135は、光源110Dの使用中に発生し得る磁場を遮断するか又は減衰させる。
【0061】
[0069] 溝118及び溝118Dは他の実施例が可能であり、図1A図1D、及び図4に示される構成は例として提示されている。例えば、シールド135は溝118D内に設置されてもよく、又は溝118Dはシールド135に使用される材料でコーティングされてもよい。
【0062】
[0070] 図2Aは装置230の斜視図である。装置230は、装置130(図1A及び図1B)の実施例の一例である。装置230は、光源110と共に、又は図5Aもしくは6に示されるようなDUV光源と共に使用され得る。図2Bは、Y-Z平面での装置230の断面図である。図2Cは、図2Bの線2C-2C’に沿った装置230の断面図である。
【0063】
[0071] 装置230は、電気絶縁体231(図2B及び図2Cにおいてドットのシェーディングで示される)と、ガスケット233(図2B及び図2Cにおいて交差線のシェーディングで示される)と、シールド235(図2B及び図2Cにおいてべた塗りの灰色のシェーディングで示される)と、を含む。電気絶縁体231は、基部236aと、基部236aからY方向に延在するステム部236bと、を含む。ステム部236bは形状が実質的に円筒形である。ステム部236bは、外壁237a及び内壁237bを含む。内壁273bは、電気絶縁体231を貫通するチャネル232を画定する。動作使用においては、チャネル232は、電気導体151(図1A)などの電気導体を受容する。図2Aから図2Cの例では、チャネル232は、X-Z平面において円形断面を有する。
【0064】
[0072] 基部236aは、環状であり、概ねX-Z平面内に延在する。基部236aは、第1の面238aと、第1の面238aに対向する第2の面238bと、を含む。シールド235の斜視図である図2Dも参照すると、シールド235は、第1の端部240aから第2の端部240bまでY方向に延在する円筒形状の側壁239を含む。側壁239は、通路243を画定する内壁241を含む。通路243は、Y方向の範囲245を有する。(図2Aから図2Cに示されるように)装置230が組み立てられると、シールド235の内壁241はステム部236bの外壁237aを包囲し、端部240aは基部236aの第1の面238a上に載置される。
【0065】
[0073] シールド235は、磁場を抑制又は遮断する材料で作製される。例えば、シールド235は、ミューメタル、鉄、又は鉄合金などの磁性金属又は鉄金属で作製され得る。シールド235の側壁239は、厚さ244を有する。厚さ244は、内壁241と外壁242との間の半径方向距離である。厚さ244は、少なくともシールド235の材料の表皮深さに等しい。いくつかの実施例においては、シールドの範囲245は、通路243の直径の少なくとも2倍である。
【0066】
[0074] 装置230はガスケット233も含む。ガスケット233は、ゴム材料又はエラストマ材料で作製され得る。ガスケット233は、環状の形状を有しており、例えばOリング又はCリングであってもよい。ガスケット233は、基部236aの第1の面238a上に載置される。シールド235は、ガスケット233とステム部236bとの間にある。ガスケット233は、Y方向の範囲246を有する。図2Cに示される例においては、シールド235は、チャネル232と同心であり、ステム部236bとも同心である。また、ガスケット233は、環状の形状を有しており、チャネル232、ステム部236b、及びシールド235と同心である。
【0067】
[0075] 動作使用においては、装置230は、図1Aに示されるような光源に据え付けられる。ガスケット233はシールとして作用し、シールド235は、光源の動作中に作り出されるプラズマ及び/又は電磁場からガスケット233を保護する。図2Aに示される例においては、ガスケット233の範囲246は、シールドの範囲245よりも小さい。このような構成は、シールド235が磁場をより完全に消滅させるか又は遮断することを可能にする。もっとも、他の実施例が可能である。例えば、シールド235の範囲245は、範囲246と等しくてもよいし、又は範囲246より小さくてもよい。また、より大きな範囲245を有するシールド235は動作使用中に生成される磁場のより多くを排除し得るが、シールド235の範囲245は、シールド235が電流を搬送する金属性オブジェクトと接触しないように又はアーク放電のリスクを呈するほど十分にそのような金属性オブジェクトに接近しないように、制限される。
【0068】
[0076] 図3Aは、装置330及び電極313aの断面図である。装置330は、装置130(図1A)の実施例の別の一例である。装置330は、光源110(図1A)と共に、又は図5A及び図6に示されるもののような別の光源と共に、使用され得る。
【0069】
[0077] 装置330は、絶縁体331(ドットのシェーディングで示される)と、ガスケット333(交差線のシェーディングで示される)と、絶縁体331とガスケット333との間のシールド335(べた塗りの灰色のシェーディングで示される)と、を含む。絶縁体331は、基部336aと、基部336aからY方向に延在するステム部336bと、基部336aから-Y方向に延在する側部336cと、を含む。図3Bも参照すると、同図はX-Z平面における絶縁体331を示しており、基部336aはX-Z平面において環状の形状を有する。
【0070】
[0078] ステム部336bは、外壁337a及び内壁337bを含む。内壁337bは、チャネル332を画定する。外壁337aは、X-Z平面においてステム部336bを一周するリッジ354を含む。リッジ354は、リッジ354がない実施例と比較して、Y方向のステム部336bの外壁337aの表面距離を増加させる。表面距離又は表面経路の増加は、より良好な電気絶縁を提供すると共に、表面トラッキングを妨げる。表面トラッキングとは、高電圧への曝露に起因して生じ得る表面浸食による、絶縁体331の表面にわたる連続的な導電経路の形成を指す。
【0071】
[0079] 側部336cは、基部336aから-Y方向に延在し、電極313aの端部317a及び317bと、電極313aを封入する放電チャンバ(図1Aのチャンバ115など)の内壁と、の間の絶縁を提供する。側部336cは、X-Z平面においては任意の形状を有し得る。例えば、側部336cは、円形の形状、楕円形の形状、又は矩形の形状を有し得る。電極313a及び側部336cはX-Z平面において同じ形状を有していてもよく、側部336cは電極313aを包囲するのに十分なほど大きい。
【0072】
[0080] 図3Cはシールド335の斜視図である。シールド335は、第1の端部340aから第2の端部340bまでY方向に延在する円筒形状の側壁339と、X-Z平面内で第1の端部340aから半径方向外側に延在するフランジ348と、を含む。側壁339は厚さ344を有する。フランジ348は第1の端部340aを包囲する。図3A及び図3Cの例においては、フランジ348はX-Z平面において円形である。フランジ348はY方向の範囲を有し、その範囲は、シールド335に使用される材料の表皮深さ以上であり得る。シールド335は、磁場を抑えるか又は遮断する任意の種類の材料で作製される。例えば、シールド335は、ミューメタル又は鉄合金で作製され得る。
【0073】
[0081] (図3Aに示されるように)装置330が組み立てられると、フランジ348は、絶縁体331の基部336aの第1の面338aとガスケット333との間にある。シールド335の側壁339は、ステム部336bの外壁337aとガスケット333との間にある。フランジ348は、シールド335が遮断することができる磁場の量を増加させ得る。
【0074】
[0082] 図4は、放電チャンバ415及び装置430の断面図である。放電チャンバ415は、電極413a及び電極413bを封入するハウジング414を含む。ハウジング414は、利得媒質を含むガス混合物419も含有する。電極413aはカソードであり得、電極413bはアノードであり得る。放電チャンバ415は、金属性内壁414aを有するハウジング414を含む。すなわち、壁414aは導電性材料で形成される。
【0075】
[0083] 装置430は、絶縁体431(ドットのシェーディングで示される)を含む。絶縁体431は、電極413aと内壁414aの頂部414bとの間でX-Z平面内に延在する基部436aを含む。絶縁体431は、基部436aからY方向に延在する複数のステム部436b_1,436b_2,436b_3も含む。ステム部436b_1,436b_2,436b_3は、頂部414bのそれぞれの開口412_1,412_2,412_3を貫通する。ガスケット433_1,433_2,433_3は、それぞれのステム部436b_1,436b_2,436b_3を包囲する。ガスケット433_1,433_2,433_3は、それぞれ開口412_1,412_2,412_3を封止する。
【0076】
[0084] ガスケット433_1及び433_3(交差線のシェーディングで示される)は、ゴムなどの一般に導電性でない材料を含む。ガスケット433_2は、金属材料で作製される。ステム部436b_1はシールド435_1によって包囲されており、ステム部436b_3はシールド435_3によって包囲されている。シールド435_1及び435_3は、濃い灰色のシェーディングで示されている。ステム部436b_1から436b_3の各々は、それぞれの電気導体451_1,451_2,451_3を包囲するチャネルを画定する。電気導体451_1,451_2,451_3の各々は、電極413aに電気的に接続される。
【0077】
[0085] 動作使用においては、電気導体451_1,451_2,451_3は、電荷の短パルス(例えば1~100ナノ秒)を電極413aに経時的に繰り返し伝達し、ガス混合物419中の利得媒質を繰り返し励起してパルス光ビームを生成する。電荷の伝達は、ハウジング414、絶縁体431、ガスケット433_1,433_2,433_3、及び電極413a,413bの温度を変化させる。これらの要素は、異なる材料で作製され、異なる熱特性を有しており、異なる熱膨張量を経験する。様々な実施形態において、チャンバ415の中央部分は、最小量の熱膨張を経験する。チャンバ415の中央部分における相対的に少ない量の熱膨張は、ガスケット433_2が金属材料であることを可能にする。
【0078】
[0086] 熱膨張の量はチャンバ415の両端部でより大きくなり得、ガスケット433_1及び433_3は、大きな熱膨張量を経験しない、例えばゴムなどの非金属性材料を含む。しかしながら、ガスケット433_1及び433_3はプラズマによって損傷を受け得るので、ガスケット433_1及び433_3の各々は、それぞれのシールド435_1及び435_3によって保護される。シールド435_1及び435_3は、高誘電率を有する材料で作製される。シールド435_1及び435_3は、形状がシールド235又はシールド335に類似し得る。
【0079】
[0087] 図5A及び図6は深紫外(DUV)光学システムの例を示し、装置130,230,330,又は430はこれらと共に使用され得る。図5A及び図6は装置130と共に図示されているが、装置230,330,及び430のいずれを使用してもよい。図5A及び図5Bを参照すると、システム500は、露光ビーム(又は出力光ビーム)516をスキャナ装置580に提供する光発生モジュール510を含む。制御システム550も、光発生モジュール510と、光発生モジュール510に関連付けられた様々な構成要素と、に結合されている。
【0080】
[0088] 光発生モジュール510は、光発振器512を含む。光発振器512は出力光ビーム516を発生させる。光発振器512は、カソード513-a及びアノード513-bを封入する放電チャンバ515を含む。放電チャンバ515はガス状利得媒質519(図5Aにおいて薄いドットのシェーディングで示される)も含有する。カソード513-aとアノード513-bとの間の電位差がガス状利得媒質519中に電場を形成する。電位差は、カソード513-aに電流を提供するように電源597を制御することによって発生する。電場は、反転分布を引き起こすと共に誘導放出を介して光のパルスの発生を可能にするのに十分なエネルギを利得媒質519に提供する。そのような電位差を繰り返し作り出すことによって、光ビーム516として放出されるパルスの列が形成される。パルス光ビーム516の反復率は、電圧が電極513-a及び513-bに印加される率によって決定される。パルスの反復率は、例えば、約500乃至6,000Hzに及び得る。いくつかの実施例においては、反復率は6,000Hzより大きくてもよく、例えば12,000Hz以上であってもよい。光発振器512から放出される各パルスは、例えば、およそ1ミリジュール(mJ)のパルスエネルギを有し得る。
【0081】
[0089] ガス状利得媒質519は、用途に必要な波長、エネルギ、及び帯域幅の光ビームを生成するのに適当な任意のガスであり得る。ガス状利得媒質519は1つよりも多くの種類のガスを含んでいてもよく、様々なガスがガス成分として参照される。エキシマ光源の場合には、ガス状利得媒質519は、例えばアルゴン又はクリプトンのような貴ガス(希ガス)、あるいは例えばフッ素又は塩素のようなハロゲンを含有し得る。ハロゲンが利得媒質である実施例においては、利得媒質は、ヘリウムなどのバッファガスの他に、微量のキセノンも含む。
【0082】
[0090] ガス状利得媒質519は深紫外(DUV)域の光を放出する利得媒質であり得る。DUV光は、例えば、約100ナノメートル(nm)から約400nmまでの波長を含み得る。ガス状利得媒質519の具体例は、約193nmの波長の光を放出するフッ化アルゴン(ArF)、約248nmの波長の光を放出するフッ化クリプトン(KrF)、又は約351nmの波長の光を放出する塩化キセノン(XeCl)を含む。
【0083】
[0091] 放電チャンバ515の一方の側の分光調整装置595と放電チャンバ515の第2の側の出力カプラ596との間には共振器が形成される。分光調整装置595は、例えば格子及び/又はプリズムなど、放電チャンバ515の分光出力を微調整する回折光学素子を含み得る。回折光学素子は反射型又は屈折型であり得る。いくつかの実施例においては、分光調整装置595は複数の回折光学要素を含む。例えば、分光調整装置595は4つのプリズムを含んでいてもよく、そのうちのいくつかは光ビーム516の中心波長を制御するように構成され、そのうちの他のものは光ビーム516の分光帯域幅を制御するように構成されている。
【0084】
[0092] 光ビーム516の分光特性は他の手法で調整されてもよい。例えば、光ビーム516の分光帯域幅及び中心波長などの分光特性は、チャンバ515のガス状利得媒質の圧力及び/又はガス濃度を制御することによって調整され得る。光発生モジュール510がエキシマ光源である実施例については、光ビーム516の分光特性(例えば分光帯域幅又は中心波長)は、例えば、チャンバ515内のフッ素、塩素、アルゴン、クリプトン、キセノン、及び/又はヘリウムの圧力及び/又は濃度を制御することによって調整され得る。
【0085】
[0093] ガス状利得媒質519の圧力及び/又は濃度はガス供給システム590によって制御可能である。ガス供給システム590は、流体導管589を介して放電チャンバ515の内部に流体結合される。流体導管589は、ガス又は他の流体を、その流体の損失無しに又は最小の損失で輸送することができる、任意の導管である。例えば、流体導管589は、流体導管589で輸送される1つ又は複数の流体と反応しない材料で作製又はコーティングされたパイプであり得る。ガス供給システム590は、利得媒質519において用いられる1つ又は複数のガスを含有する及び/又はその供給を受けるように構成されたチャンバ591を含む。ガス供給システム590は、ガス供給システム590が放電チャンバ515からガスを除去すること又は同チャンバ内にガスを噴射することを可能にするデバイス(ポンプ、バルブ、及び/又は流体スイッチなど)も含む。ガス供給システム590は制御システム250に結合されている。
【0086】
[0094] 光発振器512は分光分析装置598も含む。分光分析装置598は、光ビーム516の波長を測定又は監視するために用いられ得る測定システムである。図5Aに示される例においては、分光分析装置598は出力カプラ596から光を受ける。
【0087】
[0095] 光発生モジュール510は他の構成要素及びシステムを含んでいてもよい。例えば、光発生モジュール510はビーム準備システム599を含み得る。ビーム準備システム599はパルスストレッチャを含んでいてもよく、これは時間的にパルスストレッチャと相互作用する各パルスを拡張する。ビーム準備システムは、例えば反射及び/又は屈折光学要素(例えばレンズ及びミラーなど)、及び/又はフィルタなど、光に対して作用することのできる他の構成要素も含み得る。図示される例においては、ビーム準備システム599は露光ビーム516の経路に位置している。しかしながら、ビーム準備システム599はシステム500内の他の場所に設置されてもよい。
【0088】
[0096] システム500はスキャナ装置580も含む。スキャナ装置580はウェーハ582を整形された露光ビーム516Aで露光する。整形された露光ビーム516Aは、露光ビーム516に投影光学システム581を通過させることによって形成される。スキャナ装置580は液浸システム又は乾式システムであり得る。スキャナ装置580は、ウェーハ582に到達する前に露光ビーム516が通過する投影光学システム581と、センサシステム又はメトロロジシステム570と、を含む。ウェーハ582はウェーハホルダ583上に保持又は受容される。スキャナ装置580は、例えば、(空調デバイス及び/又は加熱デバイスなどの)温度制御デバイス、及び/又は様々な電気部品のための電源も含み得る。
【0089】
[0097] メトロロジシステム570はセンサ571を含む。センサ571は、例えば帯域幅、エネルギ、パルス長、及び/又は波長など、整形された露光ビーム516Aの特性を測定するように構成され得る。センサ571は、例えば、ウェーハ582における整形された露光ビーム516Aの像を捕捉することのできるカメラ又は他のデバイス、あるいは、ウェーハ582におけるx-y平面内の光エネルギの量を記述するデータを捕捉することのできるエネルギ検出器であり得る。
【0090】
[0098] 図5Bも参照すると、投影光学システム581は、スリット584と、マスク585と、レンズシステム586を含む投影対物システムと、を含む。レンズシステム586は1つ以上の光学要素を含む。露光ビーム516はスキャナ装置580に進入してスリット584に衝突し、出力光ビーム516の少なくともいくらかがスリット584を通過して整形された露光ビーム516Aを形成する。図5A及び図5Bの例においては、スリット584は矩形であり、露光ビーム516を細長の矩形形状の光ビームに整形し、これが整形された露光ビーム516Aとなる。マスク585は、整形された光ビームのどの部分がマスク585によって透過されどの部分がマスク585によって遮断されるのかを決定するパターンを含む。ウェーハ582上には、ウェーハ582上の放射感応性フォトレジスト材料の層を露光ビーム516Aで露光することによって、マイクロ電子フィーチャが形成される。マスク上のパターンの設計は、所望される具体的なマイクロ電子回路フィーチャによって決定される。
【0091】
[0099] 図5Aに示される構成は、DUVシステム用の構成の一例である。他の実施例が可能である。例えば、光発生モジュール510は、N個の光発振器512を含み得る。ただし、Nは1よりも大きい整数である。これらの実施例では、各光発振器512は、露光ビーム516を形成するビームコンバイナに向けてそれぞれの光ビームを放出するように構成されている。
【0092】
[0100] 図6は、DUVシステムの別の一構成例を示す。図6は、スキャナ装置580に提供されるパルス光ビーム616を生成する光発生モジュール610を含むフォトリソグラフィシステム600のブロック図である。光発生モジュール610は装置130と共に図示されているが、装置230,330,又は430と共に使用されてもよい。制御システム550は、システム600の様々な動作を制御するために、光発生モジュール610及びスキャナ装置680の様々な構成要素に結合される。
【0093】
[0101] 光発生モジュール610は、シード光ビーム618をパワー増幅器(PA)612_2に提供する主発振器(MO)612_1を含む2ステージレーザシステムである。PA612_2は、MO612_1からシード光ビーム618を受けてそのシード光ビーム618を増幅し、スキャナ装置580で使用される光ビーム616を発生させる。例えば、いくつかの実施例においては、MO612_1は、毎パルスおよそ1ミリジュール(mJ)のシードパルスエネルギを有するパルスシード光ビームを放出し得、これらのシードパルスはPA612_2によって約6から15mJに増幅され得るが、他の例においては他のエネルギが使用されてもよい。
【0094】
[0102] MO612_1は、2つの細長い電極613a_1及び613b_1と、ガス混合物である利得媒質619_1(図6において薄いドットのシェーディングで示される)と、ガス混合物を電極613a_1,613b_1間で循環させるための送風機(図示しない)とを有する放電チャンバ615_1を含む。放電チャンバ615_1の一方の側のライン狭隘化モジュール695と放電チャンバ615_1の第2の側の出力カプラ696との間には共振器が形成される。
【0095】
[0103] 放電チャンバ615_1は、第1のチャンバ窓663_1及び第2のチャンバ窓664_1を含む。第1及び第2のチャンバ窓663_1及び664_1は、放電チャンバ615_1の対向する側部にある。第1及び第2のチャンバ窓663_1及び664_1は、DUV範囲の光を透過させると共に、DUV光が放電チャンバ615_1に出入りすることを可能にする。
【0096】
[0104] ライン狭隘化モジュール695は、放電チャンバ615_1のスペクトル出力を微調整する格子などの回折光学素子を含み得る。光発生モジュール610は、出力カプラ696及びビーム結合光学システム669から出力光ビームを受ける線中心分析モジュール668も含む。線中心分析モジュール668は、シード光ビーム618の波長を測定又は監視するために用いられ得る測定システムである。線中心分析モジュール668は、光発生モジュール610内の他の場所に設置されてもよいし、又は光発生モジュール610の出力に設置されてもよい。
【0097】
[0105] 利得媒質619_1であるガス混合物は、用途に必要とされる波長及び帯域幅の光ビームを生成するのに適当な任意のガスであり得る。エキシマ光源の場合には、ガス混合物は、例えばアルゴン又はクリプトンのような貴ガス(希ガス)、例えばフッ素又は塩素のようなハロゲン、及びヘリウムのようなバッファガスを除く少量のキセノンを含有していてもよい。ガス混合物の具体例は、約193nmの波長の光を放出するフッ化アルゴン(ArF)、約248nmの波長の光を放出するフッ化クリプトン(KrF)、又は約351nmの波長の光を放出する塩化キセノン(XeCl)を含む。よって、光ビーム616及び618は、この実施例ではDUV範囲内の波長を含む。エキシマ利得媒質(ガス混合物)は、細長い電極613a_1,613b_1への電圧の印加によって、高電圧放電における短い(例えばナノ秒)電流パルスでポンピングされる。
【0098】
[0106] PA612_2は、MO612_1からシード光ビーム618を受けそのシード光ビーム618を放電チャンバ615_2を通じてビーム折り返し光学素子692へと誘導するビーム結合光学システム669を含み、ビーム折り返し光学素子は、シード光ビーム618の方向を、放電チャンバ615_2内へと送り返されるように修正又は変更する。ビーム折り返し光学素子692及びビーム結合光学システム669は循環閉ループ光経路を形成し、その経路内ではリング増幅器への入力がビーム結合光学システム669でリング増幅器の出力と交差する。
【0099】
[0107] 放電チャンバ615_2は、1対の細長い電極613a_2及び613b_2と、利得媒質619_2(図6において薄いドットのシェーディングで示される)と、利得媒質619_2を電極613a_2,613b_2間で循環させるための送風機(図示しない)と、を含む。利得媒質619_2を形成するガス混合物は、利得媒質619_1を形成するガス混合物と同一であってもよい。
【0100】
[0108] 放電チャンバ615_2は、第1のチャンバ窓663_2及び第2のチャンバ窓664_2を含む。第1及び第2のチャンバ窓663_2及び664_2は、放電チャンバ615_2の対向する側部にある。第1及び第2のチャンバ窓663_2及び664_2は、DUV範囲の光を透過させると共に、DUV光が放電チャンバ615_2に出入りすることを可能にする。
【0101】
[0109] 利得媒質619_1又は619_2が、電極613a_1,613b_1又は613a_2,613b_2間にそれぞれ電位差を作り出すことによってポンピングされるとき、利得媒質619_1及び/又は619_2は光を放出する。パルスの反復率は、様々な用途に関して約500乃至6,000Hzに及ぶであろう。いくつかの実施例においては、反復率は6,000Hzより大きくてもよく、例えば12,000Hz以上であり得るが、他の実施例においては他の反復率が使用されてもよい。
【0102】
[0110] 出力光ビーム616は、スキャナ装置580に到達する前に、ビーム準備システム699を通って誘導され得る。ビーム準備システム699は、ビーム616の様々なパラメータ(帯域幅又は波長など)を測定する帯域幅分析モジュールを含み得る。ビーム準備システム699は、出力光ビーム616の各パルスを時間的に拡張するパルスストレッチャも含み得る。ビーム準備システム699は、例えば反射及び/又は屈折光学要素(例えばレンズ及びミラーなど)、フィルタ、並びに光学的開口(自動シャッタを含む)など、ビーム616に対して作用することのできる他の構成要素も含み得る。
【0103】
[0111] DUV光発生モジュール610は、DUV光発生モジュール610の内部678と流体連通するガス管理システム690も含む。
【0104】
[0112] 図7はプロセス700のフローチャートである。プロセス700は、光源内の構成要素を保護する方法及び光源を動作させる方法の一例である。プロセス700は、装置130,230,330,及び430のうち1つ以上を含む任意の光源を使用して実施され得る。例えば、プロセス700は、光源110、光発生モジュール510、又は光発生装置610を使って実施され得る。プロセス700について、光源110(図1A)に関して述べる。
【0105】
[0113] シールド135が、絶縁体131と遮蔽されるべき構成要素との間に提供される(710)。例えば、遮蔽されるべき構成要素はガスケット133であり得る。シールド135は、磁場を抑制又は遮断する材料で作製される。絶縁体131は、絶縁体131を貫通するチャネル132を画定する。
【0106】
[0114] 電気導体151がチャネル132内に設置される(720)。電気導体151は、電極113aに及び電源197に電気的に接続されている。電気導体151は、電流を搬送することができる任意の種類のデバイス又は構造である。例えば、電気導体151は、ケーブル又は太い銅線であってもよい。
【0107】
[0115] ガス混合物119がチャンバ115の内部に提供される。例えば、光源110は、ガス供給部(図5Aのガス供給590など)に流体結合され得る。電極113a及び113b、絶縁体131の少なくとも一部、及びガスケット133も、チャンバ115の内部にある。
【0108】
[0116] 電源197が電気導体151に時変電流を提供し、電極113aが充電される(730)。上述のように、時変電流は時変磁場を生成する。しかしながら、シールド135が導体151及び絶縁体131を包囲して、時変磁場を遮断するか又は減衰させる。その結果、ガスケット133並びにガス混合物119及び/又はガス混合物119中の利得媒質の近傍には電場が全く又はほとんど存在せず、ガスケット133はガス混合物119のプラズマ及び/又は利得媒質のプラズマに曝露されない。
【0109】
[0117] 実施例は更に、以下の条項を用いて記載することができる。
1.光源用の装置であって、
チャネルを画定する電気絶縁体であって、チャネルは電気導体を受容するように構成されている、電気絶縁体と、
電気絶縁体の少なくとも一部を包囲するガスケットであって、非金属性材料を備える、ガスケットと、
チャネルとガスケットとの間のシールドと、
を備える、装置。
2.シールドは、電気導体内の電流によって生成される磁場を低減するように構成されている、条項1の装置。
3.シールドは、ガスケットの近くに実質的に電場が存在しないように、磁場を遮断するように構成されている、条項2の装置。
4.シールドは、磁性金属を備える、条項1の装置。
5.シールドは、ミューメタルを備える、条項1の装置。
6.ガスケットは、エラストマ材料を備える、条項1の装置。
7.電気絶縁体は、基部と、基部から延在するステム部と、を備え、
チャネルは、ステム部及び基部を貫通する、条項1の装置。
8.シールドは、ステム部の外側の一部を包囲する、条項7の装置。
9.ステム部は円筒であり、チャネルは円筒を貫通し、基部はステム部から直交方向に延在する、条項7の装置。
10.チャネルは円筒と同心であり、基部は円筒と同心である、条項9の装置。
11.電気絶縁体は実質的に円筒体であり、シールドは円筒体の外側の一部を包囲する、条項1の装置。
12.シールドは、フェライト又は鉄合金を備える、条項1の装置。
13.ハウジングと、
ハウジング内の電極と、
ハウジングを貫通する、電極に電気的に接続された電気導体と、
電気導体の一部を包囲する電気絶縁体と、
電気絶縁体を包囲するガスケットと、
電気絶縁体の周囲のシールドであって、磁場を遮断するように又は減衰させるように構成されている、シールドと、
を備える、放電チャンバ。
14.シールドは、電気絶縁体とガスケットとの間に配設されている、条項13の放電チャンバ。
15.ガスケットは、電気絶縁材料を備える、条項13の放電チャンバ。
16.電気絶縁材料は、エラストマを備える、条項15の放電チャンバ。
17.ガスケットは、Oリングを備える、条項15の放電チャンバ。
18.ハウジングは内壁を備え、内壁は導電性材料を備える、条項13の放電チャンバ。
19.ハウジング内に第2の電極を更に備える、条項13の放電チャンバ。
20.ハウジングは、ガス状利得媒質を含有する、条項19の放電チャンバ。
21.ガス状利得媒質は、フッ素を備える、条項20の放電チャンバ。
22.ガスケットは、フッ素化材料を備える、条項21の放電チャンバ。
23.シールドは、電気導体を流れる時変電流によって生成される過渡磁場を遮断するように又は減衰させるように構成されている、条項13の放電チャンバ。
24.放電チャンバは、
N個の電気絶縁体と、
N個のガスケットと、
N個の電気導体と、を備えており、
Nは、1よりも大きい整数であり、
N個の電気絶縁体の各々が電気導体のうちの1つを包囲し、N個のガスケットの各々がN個の電気絶縁体のうちの1つを包囲し、
N個のガスケットのうち少なくとも1つは全体が金属性である、条項13の放電チャンバ。
25.放電チャンバは、深紫外(DUV)光源において使用されるように構成されている、条項13の放電チャンバ。
26.ガスケットは溝内にあり、シールドは電気絶縁体と溝との間にある、条項13の放電チャンバ。
27.深紫外(DUV)光源であって、
第1のパルスDUV光ビームを生成するように構成された第1のチャンバを備えており、
第1のチャンバは、
第1のハウジングと、
第1のハウジング内の第1の電極アセンブリと、
第1の電気導体を受容するように構成された第1のチャネルを備える第1の絶縁体であって、第1の電気導体は第1の電極アセンブリに電気的に接続するように構成されている、第1の絶縁体と、
第1の絶縁体の一部を包囲する第1のガスケットと、
第1のチャネルの一部を包囲する第1のシールドであって、磁場を遮断するように又は減衰させるように構成されている第1のシールドと、
を備える、DUV光源。
28.第2のパルスDUV光ビームを生成するように構成された第2のチャンバを更に備え、
第2のチャンバは、
第2のハウジングと、
第2のハウジング内の第2の電極アセンブリと、
第2の電気導体を受容するように構成された第2のチャネルを備える第2の絶縁体であって、第2の電気導体は第2の電極アセンブリに電気的に接続するように構成されている、第2の絶縁体と、
第2の絶縁体の一部を包囲する第2のガスケットと、
第2のチャネルの一部を包囲する第2のシールドであって、第1のシールドは磁場を遮断するように又は減衰させるように構成されている、第2のシールドと、
を備える、条項27のDUV光源。
29.第1のシールドは第1のガスケットと同心であり、第2のシールドは第2のガスケットと同心である、条項28のDUV光源。
30.第1のパルス光ビームはシード光ビームを備え、第2のチャンバはシード光ビームを受けるように位置決めされ、第2のパルス光ビームはシード光ビームに基づいている、条項28のDUV光源。
31.第1のパルス光ビーム及び第2のパルス光ビームは、共通のビームコンバイナに向けて放出される、条項28のDUV光源。
32.第1ガスケット及び第2のガスケットは、エラストマ材料を備える、条項30のDUV光源。
33.第1の電極アセンブリは第1のアノード及び第1のカソードを備え、第1の電気導体は第1のカソードに電気的に接続するように構成されている、条項28のDUV光源。
34.第1の電極アセンブリは第1のアノード及び第1のカソードを備え、第1の電気導体は第1のカソードに電気的に接続するように構成されており、
第2の電極アセンブリは第2のアノード及び第2のカソードを備え、第2の電気導体は第2のカソードに電気的に接続するように構成されている、条項30のDUV光源。
35.第1のハウジングの外部に電源を更に備え、
電源は、電気導体に電気的に接続するように構成されており、動作使用時には、電源は、高電圧励起パルスを電気導体に提供する、条項27のDUV光源。
36.第1のシールドは第1のガスケットと第1の絶縁体との間に同心に配設され、第2のシールドは第2のガスケットと第1の絶縁体との間に同心に配設される、条項28のDUV光源。
37.レーザを動作させる方法であって、
絶縁体と構成要素との間にシールドを提供することであって、絶縁体はレーザの放電チャンバの壁を貫通し、絶縁体はチャネルを画定することと、
チャネル内に電気導体を設置することと、
レーザの放電チャンバ内の電極を充電するために電気導体に時変電流を伝導することと、を含み、
シールドは、構成要素の近くに実質的に電場が存在しないように、電気導体の周囲に形成される磁場を遮断する、方法。
38.構成要素は、エラストマガスケットを備える、条項37の方法。
39.ガス状利得媒質を放電チャンバに提供することを更に備え、
構成要素は、チャンバを封止してガス状利得媒質がチャンバから漏出することを防止するように構成されたガスケットであり、
シールドは、構成要素の近くに実質的に電場が存在しないように、及び構成要素において実質的にガス状利得媒質のプラズマが形成されないように、電気導体の周囲に形成される磁場を遮断する、条項37の方法。
40.放電チャンバと、
放電チャンバ内の電極と、
電気絶縁構造であって、
放電チャンバ内の基部であって、電極と放電チャンバの外壁との間に延在する、基部と、
基部から放電チャンバの外壁を通って延在する複数のステム部であって、各ステム部はステム部及び基部を貫通するチャネルを備え、各チャネルは電極に電気的に接続する電気導体を受容するように構成されている、ステム部と、
を備える、電気絶縁構造と、
複数のガスケットであって、各ガスケットはステム部のうち1つを包囲し、ガスケットのうち少なくとも1つはステム部のそれぞれを包囲する非金属性材料を備える、複数のガスケットと、
少なくとも1つの非金属性ガスケットの各々とステム部のそれぞれとの間に配設されたシールドと、
を備える、光源。
41.複数のガスケットは少なくとも1つの金属性ガスケットを備え、少なくとも1つの金属性ガスケットの各々は、金属性ガスケットとステム部のそれぞれとの間のシールドなしでステム部のそれぞれを包囲する、条項40の光源。
【0110】
[0118] これら及び他の実施例は特許請求の範囲内にある。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図6
図7