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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】光学的な位置測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/347 20060101AFI20241017BHJP
【FI】
G01D5/347 110B
G01D5/347 110U
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020176569
(22)【出願日】2020-10-21
(65)【公開番号】P2021105603
(43)【公開日】2021-07-26
【審査請求日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】10 2019 219 151.7
(32)【優先日】2019-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390014281
【氏名又は名称】ドクトル・ヨハネス・ハイデンハイン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】DR. JOHANNES HEIDENHAIN GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 友子
(72)【発明者】
【氏名】カルステン・ゼンディヒ
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-129021(JP,A)
【文献】特開2015-055625(JP,A)
【文献】特開2007-304097(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/26-5/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射測定標準と、反射測定標準に対して少なくとも1つの測定方向(x)に移動可能な走査ユニットとを有する光学的な位置測定装置であって、
-反射測定標準が、インクリメンタル測定目盛りと、少なくとも1つの基準位置(xREF)において基準マークとを備えており、
-走査ユニットが、インクリメンタル信号生成のための走査手段を含んでおり更に、基準信号生成のために、少なくとも1つの光源と、結像光学機器と、絞り平面内に配置された絞り構造と、複数の検出器要素とを含んでいるとともに、結像光学機器を介して、絞り構造への基準マークの結像が行われる、
光学的な位置測定装置において、
-反射測定標準(10)における基準マーク(13)が、インクリメンタル測定目盛り(12)へ統合して配置されていること、及び
-結像光学機器(25)が、測定方向(x)に対して垂直に向けられた横方向(y)に沿って、変化する物体側の焦点を有していること
を特徴とする光学的な位置測定装置。
【請求項2】
走査ユニット(20)と反射測定標準(10)の間の各走査間隔について、インクリメンタル走査のニュートラル回転点(N)の平面内に物体側の焦点が位置するように、結像光学機器(25)の物体側の焦点が選択されており、インクリメンタル走査のニュートラル回転点(N)が、生成されるインクリメンタル信号(INC,INC)における位置エラーが生じることなく走査ユニット(20)又は反射測定標準(10)の傾斜が可能である点として規定されていることを特徴とする請求項1に記載の光学的な位置測定装置。
【請求項3】
反射測定標準(10)におけるインクリメンタル走査のニュートラル回転点(N)が、インクリメンタル測定目盛りの、走査ユニット(20)とは反対側に位置していることを特徴とする請求項2に記載の光学的な位置測定装置。
【請求項4】
結像光学機器(25)がフレネルレンズとして形成されていることを特徴とする請求項1~3のうち少なくともいずれか1項に記載の光学的な位置測定装置。
【請求項5】
絞り構造(26)が複数の部分範囲(26.1,26.2,26.3)を備えており、部分範囲では、これらに入射するビーム束への異なる偏向作用が生じ、検出器要素(27.1,27.2,27.3)が、生じる各偏向方向において、絞り構造(26)に後続配置されていることを特徴とする請求項1~4のうち少なくともいずれか1項に記載の光学的な位置測定装置。
【請求項6】
絞り構造(26)の複数の部分範囲(26.1,26.2,26.3)が、部分範囲に入射するビーム束を偏向させずに通過させるか、又はその中に配置された格子構造を用いて所定の空間的な偏向を生じさせることを特徴とする請求項5に記載の光学的な位置測定装置。
【請求項7】
走査ユニット(20)が走査プレート(23)を含んでおり、
-走査プレートの、反射測定標準(10)とは反対側には、絞り構造(26)が配置されており、
-走査プレートの、反射測定標準(10)に対向する側には、結像光学機器(25)が配置されている
ことを特徴とする請求項1~6のうち少なくともいずれか1項に記載の光学的な位置測定装置。
【請求項8】
走査プレート(23)の両側には、反射器要素(29.1,29.3)及び格子(24.1~24.4,28)の形態で、インクリメンタル信号生成のための走査手段が配置されていることを特徴とする請求項7に記載の光学的な位置測定装置。
【請求項9】
基準マーク(13)が複数の線状の構造要素(13.1,13.2)を含んでおり、構造要素は、測定方向(x)に沿って配置されているとともに、その長手方向が横方向(y)に対して平行に向けられており、構造要素(13.1,13.2)の少なくとも一部が、横方向(y)に沿って横周期(d)を有していることを特徴とする請求項1~8のうち少なくともいずれか1項に記載の光学的な位置測定装置。
【請求項10】
構造要素(13.1,13.2)が、測定方向(x)に沿って、変化する長手周期(d)をもって配置されており、長手周期(d)は、基準マーク(13)の中央の対称線(S)から両側で同一に変化していることを特徴とする請求項9に記載の光学的な位置測定装置。
【請求項11】
基準マークに入射するビーム束が反射において回折される少なくとも2つの部分ビーム束((1,1),(1,-1))に分割されるように基準マーク(13)が形成されており、部分ビーム束は、測定方向(x)に対して同一に横方向に向けられているとともに、測定方向(x)において互いに対して対称に向けられていることを特徴とする請求項9に記載の光学的な位置測定装置。
【請求項12】
結像光学機器を介して、分割された部分ビーム束((1,1),(1,-1))が絞り平面内で再び重ね合わされ、このとき、基準位置(xREF)において、基準マーク(13)の周波数二倍の結像が絞り平面内で生じるように、結像光学機器(25)が形成されていることを特徴とする請求項11に記載の光学的な位置測定装置。
【請求項13】
測定目盛り(12)が、バイナリ反射型位相格子として形成されていることを特徴とする請求項1~12のうち少なくともいずれか1項に記載の光学的な位置測定装置。
【請求項14】
走査ユニット(20)が、それぞれ、インクリメンタル信号生成及び基準信号生成のための光源を備えていることを特徴とする請求項1~13のうち少なくともいずれか1項に記載の光学的な位置測定装置。
【請求項15】
結像光学機器を介して、結像光学機器へ入射する部分ビーム束への測定方向(x)に対して横方向の偏向作用又は検出器要素への焦点合わせが生じるように、結像光学機器(25)が形成されていることを特徴とする請求項1~14のうち少なくともいずれか1項に記載の光学的な位置測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的な位置測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
公知の位置測定装置は、互いに対して可動な2つの物体の相対ずれに関する周期的なインクリメンタル信号のほかにいわゆる基準信号を供給する。互いに対して可動な両物体の位置に関する正確な絶対関係は、基準信号を介して、あらかじめ設定された基準位置において、測定区間に沿って形成されることが可能である。そして、これにつづいて、通常は明らかにより大きな分解能のインクリメンタル測定がこのように特定された絶対位置に関連付けられる。基準信号を生成については、多数の可能性が既に公知となっている。これについて、例えば、請求項1の前提部分の形成の基礎となる、本出願人の特許文献1が参照される。基準信号を生成するために、特許文献1では、測定標準における2つのインクリメンタルトラック間の回折基準マーク構造が基準位置に配置される。基準マークの走査に基づき、各位置において対応する基準信号が得られる。特に、入射光において動作される高分解能の光学的な位置測定装置では、基準信号の生成についての所定の要件が生じる。すなわち、例えば最適でない取付により引き起こされる、場合によってはあり得る走査ユニット及び反射測定標準の傾斜においても、できる限り位置エラーが生じないようにすべきである。これは、インクリメンタル信号の生成についても、また基準信号の生成についても同様である。当該問題を解決するために、走査ユニット及び反射測定標準の傾斜についての同一の挙動が適当な位置測定装置においてインクリメンタル信号の生成のためにも、また基準信号の生成のためにも設けられることが、特許文献1において提案されている。両走査のために、各走査のいわゆるニュートラル回転点が一致することが適当な措置によって確保される。ここで、各走査のニュートラル回転点は、位置エラーが生じることなく、走査ユニット及び反射測定標準の傾斜(傾き)がなされ得る点と理解される。しかし、特に、走査間隔、すなわち走査ユニットと反射測定標準の間の間隔の変化が大きい場合には、両走査のニュートラル回転点の一致が必ずしも信頼性をもって確保され得ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】独国特許出願公開第102007035345号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の基礎となる課題は、走査間隔の変動が大きい場合にも、走査ユニット及び反射測定標準の間の場合によってはあり得る傾斜によって基準信号の生成ができる限りわずかにしか阻害されない、入射光動作のための光学的な位置測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
当該課題は、本発明により、請求項1の特徴を有する光学的な位置測定装置によって解決される。
【0006】
本発明による光学的な位置測定装置の有利な実施は、従属請求項に記載されている措置から明らかである。
【0007】
本発明による光学的な位置測定装置は、反射測定標準と、これに対して少なくとも1つの測定方向に可動な走査ユニットとを含んでいる。反射測定標準は、インクリメンタル測定目盛りと、少なくとも1つの基準位置において基準マークとを備えている。走査ユニットは、基準信号を生成するインクリメンタル信号生成のための走査手段のほかに、少なくとも1つの光源と、結像光学機器と、絞り平面内に配置された絞り構造と、複数の検出器要素とを含んでおり、結像光学機器を介して、絞り構造への基準マークの結像が行われる。基準マークは、反射測定標準において、インクリメンタル測定目盛りに統合して配置されている。結像光学機器は、測定方向に対して垂直に向けられた横方向に沿って、変化する物体側の焦点を有している。
【0008】
好ましくは、走査ユニットと反射測定標準の間の各走査間隔について、インクリメンタル走査のニュートラル回転点の平面内に物体側の焦点が位置するように、結像光学機器の物体側の焦点が選択されており、インクリメンタル走査のニュートラル回転点が、生成されるインクリメンタル信号における位置エラーが生じることなく走査ユニット又は反射測定標準の傾斜(傾けること)が可能である点として規定されている。
【0009】
インクリメンタル走査のニュートラル回転点は、反射測定標準において、インクリメンタル測定目盛りの、走査ユニットとは反対側に位置し得る。
【0010】
結像光学機器がフレネルレンズとして形成されていることが可能である。
【0011】
また、絞り構造は複数の部分範囲を有することができ、当該部分範囲では、これに入射するビーム束への異なる偏向作用が生じ、検出器要素が、生じる各偏向方向において絞り構造に後続配置されている。
【0012】
ここで、絞り構造の複数の部分範囲は、部分範囲に入射するビーム束を偏向させずに通過させるか、又はその中に配置された格子構造を用いて所定の空間的な偏向を生じさせることが可能である。
【0013】
さらに、走査ユニットは走査プレートを含むことができ、
-走査プレートの、反射測定標準とは反対側には、絞り構造が配置されており、
-走査プレートの、反射測定標準に対向する側には、結像光学機器が配置されている。
【0014】
走査プレートの両側に、反射器要素及び格子の形態で、インクリメンタル信号生成のための走査手段が配置されているように構成することも可能である。
【0015】
また、基準マークが複数の線状の構造要素を含むことも可能であり、構造要素は、測定方向に沿って配置されているとともに、その長手方向が横方向に対して平行に向けられており、構造要素の少なくとも一部が、横方向に沿って横周期(性)を有している。
【0016】
このとき、構造要素は、測定方向に沿って、変化する長手周期(性)をもって配置されることができ、長手周期は、基準マークの中央の対称線から両側で同一に変化している。
【0017】
さらに、基準マークに入射するビーム束が反射において回折される少なくとも2つの部分ビーム束に分割されるように基準マークが形成されることができ、部分ビーム束は、測定方向に対して同一に横方向に向けられているとともに、測定方向において互いに対して対称に向けられている。
【0018】
可能な実施例においては、また、結像光学機器を介して、分割された部分ビーム束が絞り平面内で再び重ね合わされ、このとき、基準位置において、基準マークの周波数二倍の結像が絞り平面内で生じるように、結像光学機器が形成されることが可能である。
【0019】
測定目盛りは、バイナリ反射型位相格子として形成されることが可能である。
【0020】
また、走査ユニットが、それぞれ、インクリメンタル信号生成及び基準信号生成のための光源を備えていることが可能である。
【0021】
さらに、結像光学機器を介して、結像光学機器へ入射する部分ビーム束への測定方向に対して横方向の偏向作用又は検出器要素への焦点合わせが生じるように、結像光学機器が形成されることが可能である。
【発明の効果】
【0022】
本発明による措置により、所望の傾斜の影響のしやすさのほか、走査間隔の変動に対するシステムの大きな許容範囲も確保され得る。誤った基準合わせにより引き起こされる誤った位置測定は、本発明による光学的な位置測定装置によっていまや阻止されることが可能である。場合によっては必要な再起動においても、基準合わせ後、常に正確な絶対位置の値が特定及び出力されることが保証されている。
【0023】
本発明の更なる詳細及び利点を、本発明による装置の図面に関連した実施例に基づいて以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1a】本発明による光学的な位置測定装置の一実施例の第1の断面図である。
図1b】本発明による光学的な位置測定装置の一実施例の第2の断面図である。
図2】本発明による光学的な位置測定装置の一実施例の反射測定標準の部分平面図である。
図3a】本発明による光学的な位置測定装置の一実施例の結像光学機器の部分図である。
図3b】本発明による光学的な位置測定装置の一実施例の絞り構造の部分図である。
図4a】本発明による光学的な位置測定装置の一実施例の走査プレートの下側の図である。
図4b】本発明による光学的な位置測定装置の一実施例の走査プレートの上側の図である。
図5】異なる走査間隔に関連した、本発明による光学的な位置測定装置の一実施例の別の図である。
図6a】本発明による光学的な位置測定装置の一実施例における基準信号生成のために得られた信号の図である。
図6b図6aによる信号に基づき形成される複数の更に処理された信号の図である。
図7】異なる信号を処理し、図6a、図6bによる基準信号を生成するための適切な回路配置のブロック図である。
図8a】本発明による光学的な位置測定装置の別の実施例の結像光学機器の部分図である。
図8b】本発明による光学的な位置測定装置の別の実施例の結像光学機器の部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明による光学的な位置測定装置の実施例及び特に基準信号RIの生成を図1a~図7に基づいて説明する。
【0026】
図1a及び図1bには、本発明による位置測定装置の第1の実施例における、インクリメンタル信号生成及び基準信号生成のための部分走査ビーム経路が異なる視点で非常に概略的な形態で示されている。図2図3a、図3b、図4a及び図4bには、当該実施例において用いられる、反射測定標準、結像光学機器、絞り構造並びに走査プレートの下側及び上側の図あるいは部分図が図示されている。
【0027】
本発明による光学的な位置測定装置の各図に示された態様は、反射測定標準10と、このために少なくとも1つの測定方向xにおいて可動な走査ユニット20とを含んでいる。反射測定標準10及び走査ユニット20は、互いに対して可動な2つの不図示の物体、例えば機械部分に結合されている。互いに対して可動な両物体の位置についての位置信号が、位置測定装置を介して生成され、同様に不図示の制御ユニットへ供給される。当該制御ユニットは、制御目的のために、公知の態様で位置データを用いる。ここで、本発明による光学的な位置測定装置は、図示の実施例におけるように、線形の変位運動を検出するための線形の測定標準をもって形成されることが可能である。さらに、適当な回転式の位置測定装置を、回転式の相対運動を検出するための円形状の測定標準をもって形成することも当然可能である。
【0028】
本発明による位置測定装置の図示の実施例は、後述するように、周期的なインクリメンタル信号INC,INCのほかに、更に、少なくとも1つの既知の基準位置xREFにおける基準信号RIに対して測定区間に沿って更に処理される複数の信号S-1,S,Sを供給する。つづいて、このように決定される、基準位置xREFにおける絶対位置には、明らかにより高い分解能のインクリメンタル測定が通常の態様で適用される。このとき、高分解能の絶対的な位置信号への基準信号及びインクリメンタル信号の更なる処理は、本発明による位置測定装置においても、また後続配置された後続電子機器あるいは制御ユニットにおいても行われることが可能である。
【0029】
反射測定標準10は、スケール支持部11に配置された、測定方向xへ延在するインクリメンタル測定目盛り12を含んでいる。図2から分かるように、インクリメンタル測定目盛り12における少なくとも1つの所定の基準位置xREFには、基準マーク13が統合して配置されている。基本的には、複数の基準マークを、例えばいわゆるディスタンスコード基準マーク(abstandscodierter Referenzmarkierungen)などの形態で異なる基準位置に配置するように構成することも可能である。
【0030】
本実施例では、インクリメンタル測定目盛り12は、バイナリ反射型位相格子として形成されているとともに、それぞれ、測定方向xにおいて周期的にインクリメンタル目盛り周期dをもって配置された線状の目盛り範囲12.1,12.2で構成されている。異なる目盛り範囲12.1,12.2は、図2において明暗で図示されているとともに、異なる位相ずれ作用を反射されたビーム束へ及ぼす。可能な一実施形態では、d=2μmによるインクリメンタル測定目盛り12のインクリメンタル目盛り周期が選択される。目盛り範囲12.1,12.2は、反射測定標準10の平面内で測定方向xに対して垂直に、すなわち、以下では横方向yとも呼ばれる、指示された方向yに延在している。
【0031】
インクリメンタル測定目盛り12に統合された基準マーク13は、周期的な横構造を有する構造要素13.1,13.2の複数のグループを含んでおり、当該構造要素は、図2においても同様に、明暗で図示されているとともに、反射したビーム束に異なる位相ずれ作用を及ぼす。構造要素13.1,13.2を有するグループ間には、周期的に配置された目盛り範囲12.1,12.2が配置されている。
【0032】
基準マーク13の構造要素13.1,13.2は、測定方向xに沿って連続的に配置されており、構造要素13.1,13.2の長手方向は、測定目盛り平面内で測定方向xに対して垂直に、すなわち同様に横方向yに沿って延在している。ここで、基準マーク13は、いわゆるチャープ基準マーク(gechirpte Referenzmarkierung)として形成されている。これは、変化する基準マーク長手周期dをもった測定方向xに沿った基準マーク13の構造要素13.1,13.2の配置が設けられていることを意味する。具体的な例では、基準マーク-基準マーク長手周期dは、基準マーク13の中央の対称線Sから両側において同一に変化し、すなわち、構造要素13.1,13.2の長手周期dが外方へ向けて増大する。基準マーク長手周期dの非常にわずかのみの変化は、ここでは図2においては認識できない。
【0033】
構造要素13.1,13.2は、横方向yに沿って基準マーク横周期dを有しており、特に、このとき、構造要素13.1,13.2は、横方向yに沿って、対応する基準マーク横周期dを有する周期的な輪郭、例えば周期的な境界輪郭を有している。
【0034】
基準マーク13のこのような構成を介して、これに垂直に入射するビーム束は、図では(1,1)あるいは(1,-1)で示される、反射において回折される少なくとも2つの部分ビーム束へ分割される。当該部分ビーム束(1,1)、(1,-1)は、一方では、測定方向xに対して横方向に同一に向けられており、すなわち、yz平面内で同一に傾斜しており、他方では、測定方向xにおいて互いに対して対称に、すなわちxz平面内で入射方向に対して対称に向けられている。これについて、基準信号生成のための部分走査ビーム経路の更なる説明において更に詳細に言及する。
【0035】
本実施例では、走査ユニット20の側には、一方ではインクリメンタル信号INC,INCを生成する走査手段が設けられており、他方では、光源21と,結像光学機器25と、絞り構造26と、基準信号生成のための複数の検出器要素27.1,27.2,27.3とが用いられる。結像光学機器25及び絞り要素26は、走査ユニット20における透明な走査プレート23の反対側に配置されており、走査プレート23は、薄いガラスプレートとして形成されている。以下では、走査プレート23の反射測定標準10に対向する側を下側ともいい、z方向において反対側を上側という。走査プレートの下側及び上側の視点が、図4a及び図4bに示されている。
【0036】
図示の実施例では、光源21としてレーザダイオードが用いられ、当該レーザダイオードの前にはコリメーション光学機器22が配置されている。ここでは、共通に用いられる光源21は、インクリメンタル信号INC,INCの生成のためにも、また信号S-1,S,Sの生成のためにも設けられており、これら信号に基づいて基準信号RIが生成される。
【0037】
インクリメンタル信号生成のための走査手段には、光源21及び複数の検出器要素30.1,30.2のほかに、格子24.1~24.4,28の形態の更に別の光学的な要素と、走査プレート23の上側及び下側に配置された反射要素29.1,29.2とが含まれている。インクリメンタル信号の生成のための部分走査ビーム経路は、本発明には更に関連しないため図において破線で示唆されており、以下ではこれについて短くのみ言及される。そして、光源21から発出されるビーム束は、図1bによれば、走査プレート23を通過後、インクリメンタル測定目盛り12における照射時にxz平面内で、反射される部分ビーム束へ分割され、当該部分ビーム束は、走査プレート23における格子24.1,24.2を通過して反射器要素29.1,29.2へ照射され、そこで更に格子24.3,24.4及びインクリメンタル測定目盛り12の方向へ再び戻るように反射される。部分ビーム束は、そこから2回目の反射をし、走査プレート23における格子28で重ね合わされる。そして、干渉し合う部分ビーム束の対は格子28から検出器要素30.1,30.2の方向へ伝播し、当該検出器要素を介して、位相ずれしたインクリメンタル信号INC,INCが生成される。
【0038】
以下に、基準信号RIを生成するための、本発明について主要な部分走査ビーム経路を説明する。適当な部分走査ビーム経路が図1a、図1bにおいてそれぞれ実線で図示されている。
【0039】
光源21から発出されコリメーション光学機器22を介して平行に向けられたビーム束は、走査プレート23を偏向されずに通過し、基準マーク13の範囲における基準位置xREFにおいて測定標準10に対して垂直に照射される。反射において回折される、上述のように向けられた少なくとも2つの部分ビーム束(1,1)及び(1,-1)への入射するビーム束の分割は、上述のように形成された基準マーク13を介して行われる。ここで、図1aでは、反射する両部分ビーム束(1,1)及び(1,-1)の同一の傾きがyz平面内に見て取れ、図1bでは、xz平面での、測定方向xにおける部分ビーム束(1,1),(1,-1)の対称な向きが見て取れる。そして、分割され、反射する部分ビーム束(1,1),(1,-1)は走査ユニット20において結像光学機器25へ照射され、当該結像光学機器は、走査プレート23における反射測定標準10へ向いた側に配置されているとともに、例えばフレネルレンズとして形成されている。当該走査プレート23の下側に配置された格子24.1~24.4,25、結像光学機器25及び光学的な作用を有さないウィンドウ範囲31.3を有する走査プレート23の下側の視点が図4aに示されている。
【0040】
分割される部分ビーム束(1,1),(1,-1)は、結像光学機器25を用いて、絞り平面内で重ね合わされる。絞り平面内では、走査プレート23における反射測定標準10とは反対側に、複数の絞り開口部を有する絞り構造26が配置されている。絞り構造26、反射器要素29.1,29.2及び光学的な作用を有さないウィンドウ範囲31.1,31.2を有する走査プレートの上側の視点が図4bに図示されている。本発明による位置測定装置の結像光学機器25は、ここでは、基準マーク13の通過時に、周波数二倍の基準マーク13の結像が絞り平面において得られるように形成されており、すなわち、結像光学機器25の像側の焦点面が、走査プレート23の上側あるいはそこに位置する絞り平面と一致する。結像光学機器25及び絞り構造26の形成についての更なる詳細については、以下の説明が参照される。
【0041】
走査ユニット20には、絞り構造26に後続配置された3つの検出器要素27.1~27.3が設けられており、当該検出器要素は、絞り開口部を通して通過する光の検出ひいては基準信号RIの生成に用いられる。検出器要素27.1~27.3にある、基準位置xREFの範囲における信号S-1,S,S図6aに図示されている。当該信号S-1,S0,S1に基づきどのように最終的に関心のある基準信号RIを生成可能であるかを、以下の説明において更に詳細に説明する。
【0042】
走査ユニット20及び反射測定標準10の傾きに対する本発明による光学的な位置測定装置の所望の不感度を保証するために、走査ユニット及び反射測定標準についての同一の特性がインクリメンタル信号INC,INCの生成のためにも、また基準信号RIの生成のためにも確保されるように構成されている。このために、両走査について、いわゆるニュートラル回転点が一致する。冒頭で既に説明したように、各走査のニュートラル回転点は、位置エラーが生じることなく、走査ユニット20及び反射測定標準10の傾きがなされ得る点と理解される。
【0043】
図示の実施例では、図1a、図1bから分かるように、インクリメンタル走査のニュートラル回転点Nは、インクリメンタル測定目盛り12における走査ユニット20とは反対側、したがってスケール支持部11における測定目盛り平面の下方に位置している。基準信号生成と共通のニュートラル回転点が保証されるように、結像光学機器25は物体(オブジェクト)側の焦点距離を有しており、当該焦点距離は、インクリメンタル走査のニュートラル回転点Nの平面内に位置している。さらに、測定標準10と走査ユニット20の間の走査間隔が変動する場合でも両走査のニュートラル回転点の一致が保証されていることを確保するために、結像光学機器25についての更なる措置が設定されている。すなわち、結像光学機器25は、測定方向xに対して垂直に、したがって上記において既に規定した横方向yに沿って、変化する物体側の焦点距離を有している。
【0044】
当該措置の作用及び更なる説明のために図5が参照され、当該図5には、2つの異なる走査間隔DあるいはDz’の場合における、本発明による光学的な位置測定装置の第1の実施例の基準信号生成のための走査ビーム経路が図示されている。より大きな走査間隔Dがより小さな走査間隔Dz’の方向へ変化すると、図5に示唆されているように、走査プレート23におけるニュートラル回転点Nの位置も変化する。見て取れるように、このとき、ニュートラル回転点N’はやや右方へ変位する。さらに、走査間隔Dz’の場合にもニュートラル回転点N’が結像光学機器25の物体側の焦点距離にあることを確保するために、結像光学機器25は、横方向yに沿って変化する物体側の焦点距離を有している。図示の実施例では、例えば、結像光学機器25の物体側の焦点距離は、入射するビーム束からの間隔D(より大きな走査間隔Dの場合)において、間隔Dy’(より小さな走査間隔Dz’の場合)におけるよりも大きい。これにより、可能な各走査間隔D,Dz’に対して、結像光学機器25の平面内における部分ビーム束メインビームの照射点に関する所定の間隔D,D’が存在する。したがって、間隔Dに依存して、横方向yにおいて変化する結像光学機器25の物体側の焦点が設定されているとともに各間隔Dに属する走査間隔Dに適合されている。
【0045】
フレネルレンズの形態の回折構造として形成され、適当に形成された結像光学機器25の詳細図が図3aに示されている。当該図3aから分かるように、回折構造の隣り合う格子線25.1,25.2の間隔は、横方向yに沿って、線方向yに沿って下方から上方へ向けてわずかに拡大している。このことは、横方向yに沿った結像光学機器25の物体側の焦点の所望の変化をもたらす。
【0046】
基準マーク13の通過時には、説明したように形成された結像光学機器25を介して、基準マーク13の周波数二倍の画像の形態の強度パターンが絞り平面において得られる。そこに配置され、図3bに詳細に図示された絞り構造26は、絞り平面において得られる基準マーク13の画像に適合されているとともに複数の部分範囲26.1,26.2,26.3を備えており、当該部分範囲では、これに入射するビーム束に対する異なる空間的な偏向(回折)作用がもたらされる。これにより、絞り構造26の部分範囲26.1,26.2,26.3ごとに所定の偏向(回折)方向が存在し、各偏向方向では、絞り構造26にはそれぞれ1つの光電的な検出器要素27.1,27.2,27.3が後続配置されている。図示の実施例では、異なって形成された3つの帯状の部分範囲26.1~26.3が設けられており、当該部分範囲は、図3bにおいて異なるハッチング線で図示されている。このとき、異なる部分範囲26.1~26.3は、測定方向xに沿って多重に繰り返して周期的に配置されている。このとき、第1の部分範囲26.1は、完全に透過可能に形成されており、これに入射するビーム束を偏向(回折)することなく通過させ、当該部分範囲26.1から、後続配置された検出器27.1において信号Sが得られる。絞り構造26の第2の範囲26.2は第1の格子を備えており、当該格子は、入射する光を後続配置された検出器27.2の方向へ偏向させ、当該検出器において信号Sが得られる。第3の範囲26.3には第2の格子が配置されており、当該格子は、入射する光を後続配置された検出器27.3の方向へ偏向させ、当該検出器において信号S-1が得られる。これにより、部分範囲26.2,26.3では、図1aの紙面において、当該部分範囲26.2,26.3を通過するビーム束の右方及び左方への偏向作用が存在する。このとき、図では、部分範囲26.2,26.3に設けられた異なる構造は、それぞれそこに配置された格子を示しておらず、異なって形成された部分範囲が絞り構造26に存在することを単に概略的に示すものとなっている。
【0047】
そして、基準マーク13の通過時には、異なる偏向方向において配置された検出器要素27.1~27.3において信号S-1,S,Sが得られ、当該信号に基づき、基準信号RIが得られる。このとき絞り平面において移動する、基準マーク13の周波数二倍の画像は、部分範囲26.1,26.2,26.3との画像強度パターンの一致に基づき、正確に基準位置xREFにおいて、信号Sの最大値及び信号S,S-1の最小値を供給する。基準位置xREFの範囲における、変動(振動)し、位相ずれした信号S,S-1,Sの適当な経過が図6aに示されている。
【0048】
このようにして得られた信号S0,S-1,S1の基準信号RIへの更なる処理は、図7に図示された回路装置を用いて行われる。調整可能な増幅率(ゲイン)を有する増幅器50~52,55、加算器54及び2つの減算器53,56の形態の電子要素のそこに図示された配線及び配置を介して、以下の操作規定に従って、信号S,S-1,Sからまずはゲート信号S及びエッジ信号Sが生成される:
【0049】
【数1】
【0050】
基準信号xREFの範囲における、このようにして生成される信号S,Sの経過が図6bに図示されている。
【0051】
そして、ゲート信号Sは比較器58へ供給され、その第2の入力部にはトリガ閾値Tがあり、ゲート信号Sがトリガ閾値Tよりも大きい場合にのみ出力信号が生成される。エッジ信号Sは別の比較器59へ供給され、当該比較器では、2つのトリガ閾値T,Tが用いられ、その結果、エッジ信号Sが両トリガ閾値T,Tの間にある場合にのみ出力信号が得られる。そして、両比較器58,59の対応する出力信号は、アンド結合要素59に供給され、当該アンド結合要素は、論理アンド結合から所望の矩形の基準信号RIを生成する。
【0052】
具体的に説明した実施例のほか、本発明の範囲では、当然別の構成可能性も存在する。
【0053】
すなわち、光学的な機能を追加的に結像光学機器へ統合することが可能である。例えば、当該結像光学機器は、これを介して、基準マークから当該基準マークに入射するビーム束へ横方向の偏向作用をもたらすように構成されることが可能である。さらに、例えば、対応する部分ビーム束の伝播方向を測定方向xに対して垂直に変更することが可能である。このことは、図1aの図示では、yz平面において、結像光学機器への垂線の方向に左方への、結像光学機器に入射する部分ビーム束の偏向を意味する。対応して形成された結像光学機器25の平面図が図8aに図示されている。当該図から分かるように、横方向yに沿って格子125.1,125.2の横周期が一定となっている。
【0054】
さらに、結像光学機器を介して、後続配置された検出器要素への、当該結像光学機器へ入射する部分ビーム束の焦点合わせが行われるように構成することが可能であり、このような結像光学機器225が図8bに示されている。この場合、結像光学機器225は、横方向yに沿って変化する格子225.1,225.2の横周期を有している。
【0055】
さらに、本発明による光学的な位置測定装置におけるインクリメンタル信号生成及び基準信号生成のための光源の上述の共通した使用に代えて、走査ユニットがインクリメンタル信号生成のために、及び基準信号生成のために、それぞれ1つの光源を備えるようにすることが可能である。
【0056】
基準信号生成に用いられる絞り構造の形成に関して、絞り構造の全ての部分範囲が、それぞれ所定の空間方向への偏向を生じさせるそれぞれ偏向する格子を含むことが可能である。
【0057】
ここで、異なる部分範囲に配置された格子構造は、1つの所定の空間的な偏向作用のみをもたらすだけではなく、さらに、割り当てられた検出器要素の各検出平面への焦点合わせが行われるように更に形成されることができ、このようにして、絞り構造と検出器要素の間の追加的な焦点合わせ光学機器を省略することが可能である。この目的のために、絞り構造の部分範囲は、例えば対応する回折円柱レンズを備えることが可能である。
【0058】
さらに、インクリメンタル走査のニュートラル回転点が上述の実施例のように測定目盛り平面の下方ではなく測定目盛り平面の上方に位置することも可能である。結像光学機器の物体側の焦点の適切な選択によって、基準信号生成のニュートラル回転点が同様に当該平面内に位置することとなることなどが同様に確保されることとなる。
なお、本発明は、以下の態様も包含し得る:
1.反射測定標準と、反射測定標準に対して少なくとも1つの測定方向(x)に移動可能な走査ユニットとを有する光学的な位置測定装置であって、
-反射測定標準が、インクリメンタル測定目盛りと、少なくとも1つの基準位置(x REF )において基準マークとを備えており、
-走査ユニットが、基準信号を生成するインクリメンタル信号生成のための走査手段のほかに、光源と、結像光学機器と、絞り平面内に配置された絞り構造と、複数の検出器要素とを含んでいるとともに、結像光学機器を介して、絞り構造への基準マークの結像が行われる、
光学的な位置測定装置において、
-反射測定標準(10)における基準マーク(13)が、インクリメンタル測定目盛り(12)へ統合して配置されていること、及び
-結像光学機器(25)が、測定方向(x)に対して垂直に向けられた横方向(y)に沿って、変化する物体側の焦点を有していること
を特徴とする光学的な位置測定装置。
2.走査ユニット(20)と反射測定標準(10)の間の各走査間隔について、インクリメンタル走査のニュートラル回転点(N)の平面内に物体側の焦点が位置するように、結像光学機器(25)の物体側の焦点が選択されており、インクリメンタル走査のニュートラル回転点(N)が、生成されるインクリメンタル信号(INC ,INC )における位置エラーが生じることなく走査ユニット(20)又は反射測定標準(10)の傾斜が可能である点として規定されていることを特徴とする上記1.に記載の光学的な位置測定装置。
3.反射測定標準(10)におけるインクリメンタル走査のニュートラル回転点(N)が、インクリメンタル測定目盛りの、走査ユニット(20)とは反対側に位置していることを特徴とする上記2.に記載の光学的な位置測定装置。
4.結像光学機器(25)がフレネルレンズとして形成されていることを特徴とする上記1.~3.のうち少なくともいずれか1つに記載の光学的な位置測定装置。
5.絞り構造(26)が複数の部分範囲(26.1,26.2,26.3)を備えており、部分範囲では、これらに入射するビーム束への異なる偏向作用が生じ、検出器要素(27.1,27.2,27.3)が、生じる各偏向方向において、絞り構造(26)に後続配置されていることを特徴とする上記1.~4.のうち少なくともいずれか1つに記載の光学的な位置測定装置。
6.絞り構造(26)の複数の部分範囲(26.1,26.2,26.3)が、部分範囲に入射するビーム束を偏向させずに通過させるか、又はその中に配置された格子構造を用いて所定の空間的な偏向を生じさせることを特徴とする上記5.に記載の光学的な位置測定装置。
7.走査ユニット(20)が走査プレート(23)を含んでおり、
-走査プレートの、反射測定標準(10)とは反対側には、絞り構造(26)が配置されており、
-走査プレートの、反射測定標準(10)に対向する側には、結像光学機器(25)が配置されている
ことを特徴とする上記1.~6.のうち少なくともいずれか1つに記載の光学的な位置測定装置。
8.走査プレート(23)の両側には、反射器要素(29.1,29.3)及び格子(24.1~24.4,28)の形態で、インクリメンタル信号生成のための走査手段が配置されていることを特徴とする上記7.に記載の光学的な位置測定装置。
9.基準マーク(13)が複数の線状の構造要素(13.1,13.2)を含んでおり、構造要素は、測定方向(x)に沿って配置されているとともに、その長手方向が横方向(y)に対して平行に向けられており、構造要素(13.1,13.2)の少なくとも一部が、横方向(y)に沿って横周期(d )を有していることを特徴とする上記1.~8.のうち少なくともいずれか1つに記載の光学的な位置測定装置。
10.構造要素(13.1,13.2)が、測定方向(x)に沿って、変化する長手周期(d )をもって配置されており、長手周期(d )は、基準マーク(13)の中央の対称線(S)から両側で同一に変化していることを特徴とする上記9.に記載の光学的な位置測定装置。
11.基準マークに入射するビーム束が反射において回折される少なくとも2つの部分ビーム束((1,1),(1,-1))に分割されるように基準マーク(13)が形成されており、部分ビーム束は、測定方向(x)に対して同一に横方向に向けられているとともに、測定方向(x)において互いに対して対称に向けられていることを特徴とする上記9.に記載の光学的な位置測定装置。
12.結像光学機器を介して、分割された部分ビーム束((1,1),(1,-1))が絞り平面内で再び重ね合わされ、このとき、基準位置(x REF )において、基準マーク(13)の周波数二倍の結像が絞り平面内で生じるように、結像光学機器(25)が形成されていることを特徴とする上記11.に記載の光学的な位置測定装置。
13.測定目盛り(12)が、バイナリ反射型位相格子として形成されていることを特徴とする上記1.~12.のうち少なくともいずれか1つに記載の光学的な位置測定装置。
14.走査ユニット(20)が、それぞれ、インクリメンタル信号生成及び基準信号生成のための光源を備えていることを特徴とする上記1.~13.のうち少なくともいずれか1つに記載の光学的な位置測定装置。
15.結像光学機器を介して、結像光学機器へ入射する部分ビーム束への測定方向(x)に対して横方向の偏向作用又は検出器要素への焦点合わせが生じるように、結像光学機器(25)が形成されていることを特徴とする上記1.~14.のうち少なくともいずれか1つに記載の光学的な位置測定装置。
図1a
図1b
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5
図6a
図6b
図7
図8a
図8b