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特許7572836コンテンツ伝送信号生成装置、OFDMフレーム生成装置、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】コンテンツ伝送信号生成装置、OFDMフレーム生成装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20241017BHJP
   H04N 21/236 20110101ALI20241017BHJP
   H04N 21/242 20110101ALI20241017BHJP
【FI】
H04L27/26 300
H04N21/236
H04N21/242
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020180892
(22)【出願日】2020-10-28
(65)【公開番号】P2022071760
(43)【公開日】2022-05-16
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100161148
【弁理士】
【氏名又は名称】福尾 誠
(72)【発明者】
【氏名】永田 裕靖
(72)【発明者】
【氏名】河村 侑輝
(72)【発明者】
【氏名】山上 悠喜
(72)【発明者】
【氏名】楠 知也
(72)【発明者】
【氏名】今村 浩一郎
【審査官】北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-078560(JP,A)
【文献】特開2018-78556(JP,A)
【文献】特開2018-78561(JP,A)
【文献】特開2018-157467(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0400316(US,A1)
【文献】永田 裕靖 他,高度化STLの多重伝送方式の一検討,映像情報メディア学会技術報告,2021年08月27日,Vol.45, No.24,pp.21-24
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04N 21/236
H04N 21/242
H04H 20/18
IEEE Xplore
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ伝送信号をOFDMフレーム生成装置に送信するコンテンツ伝送信号生成装置であって、
階層別のコンテンツ信号のパケットを、可変長のTLVパケットにカプセル化してTLVパケットを生成するTLV化部と、
前記OFDMフレーム生成装置で構成されるOFDMフレームにおけるFECブロックのOFDMフレーム先頭からのバイトオフセットを示すFECブロックバイトオフセット情報、及び前記FECブロックにおけるTLVパケットの格納場所を示すTLV格納バイトオフセット情報を生成するOFDMフレーム構成情報生成部と、
前記FECブロックバイトオフセット情報を含む同期制御パケットを生成する同期制御パケット構成部と、
前記TLVパケットに対して前記TLV格納バイトオフセット情報を付加するバイトオフセット付加部と、
前記バイトオフセット付加部から入力した各階層のパケットを合成してデータパケットを生成する階層合成部と、
前記データパケット及び前記同期制御パケットに対してシーケンス番号を挿入したコンテンツ伝送信号を生成する挿入部と、
を備える、コンテンツ伝送信号生成装置。
【請求項2】
前記挿入部は、
前記同期制御パケットに対して更に、該同期制御パケットの前記コンテンツ伝送信号生成装置からの送信時刻を示すデリバリタイムスタンプを挿入し、
前記データパケットに対して更に、該データパケットの前記コンテンツ伝送信号生成装置からの送信時刻を示すデリバリタイムスタンプを挿入する、請求項1に記載のコンテンツ伝送信号生成装置。
【請求項3】
前記挿入部は、
前記同期制御パケットに対して更に、該同期制御パケットの前記コンテンツ伝送信号生成装置からの送信時刻を示す第1デリバリタイムスタンプを挿入し、
前記データパケットに対して更に、該データパケットと前記同期制御パケットの前記コンテンツ伝送信号生成装置からの送信時刻の差分を示す第2デリバリタイムスタンプを挿入する、請求項1に記載のコンテンツ伝送信号生成装置。
【請求項4】
前記挿入部は、前記データパケット及び前記同期制御パケットに対して更に、同期制御パケットであるかデータパケットであるかを判別するパケット種別情報を挿入する、請求項1から3のいずれか一項に記載のコンテンツ伝送信号生成装置。
【請求項5】
前記階層別の前記コンテンツ信号のパケットは、MMT形式のパケットであるMMTPパケットをIPパケットに格納したMMTP/IPパケットである、請求項1から4のいずれか一項に記載のコンテンツ伝送信号生成装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のコンテンツ伝送信号生成装置から前記コンテンツ伝送信号を受信するOFDMフレーム生成装置であって、
FECブロック領域を用意し、前記TLV格納バイトオフセット情報に基づいて、該FECブロック領域に前記TLVパケットをマッピングするTLVマッピング部と、
前記FECブロックバイトオフセット情報に基づいて、前記TLVパケットを連結して主信号領域に格納したFECブロックを1OFDMフレーム分形成するFECブロック形成部と、
前記FECブロックに対して誤り訂正符号化処理及びインターリーブ処理を行うデータ処理部と、
前記データ処理部により処理されたデータにTMCC信号及びパイロット信号を挿入してOFDMフレームを構成するOFDMフレーム構成部と、
を備える、OFDMフレーム生成装置。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンテンツ伝送信号生成装置として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
コンピュータを、請求項6に記載のOFDMフレーム生成装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ伝送信号生成装置、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)フレーム生成装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
次世代の地上デジタル放送(以下、「次世代地デジ」と称する。)では、演奏所から放送所(送信所)までのコンテンツ伝送回線として、IP(Internet Protocol)形式のパケット(以下、「XMIパケット」と称する。)を用いてIP回線により伝送されることが検討されている(例えば、特許文献1参照)。「XMI」はeXtensible Modulator Interfaceの略称である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-78551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
XMIパケットを用いた次世代地デジの実験において、SISO(Single Input Single Output)で30Mbps程度の映像・音声データ(コンテンツデータ)を伝送する際のXMIの伝送レートは約50Mbps程度であり、MIMO(Multiple Input Multiple Output)で60Mbps程度のコンテンツデータを伝送する際には約100Mbpsの伝送帯域が必要である。すなわち、XMIパケットのレートの約40%が放送所で破棄されることになる。また、現行の地上デジタル放送のコンテンツ伝送信号を演奏所から放送所に伝送するためのSTL(Studio to Transmitter Link)/TTL(Transmitter to Transmitter Link)の最大伝送レートは現在のパラメータでは約40Mbpsであるため、次世代地デジのコンテンツデータを既存のSTL送信機を用いてXMIパケットで伝送することは不可能である。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、コンテンツデータの伝送効率を向上させることが可能なコンテンツ伝送信号生成装置、OFDMフレーム生成装置、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係るコンテンツ伝送信号生成装置は、コンテンツ伝送信号をOFDMフレーム生成装置に送信するコンテンツ伝送信号生成装置であって、階層別のコンテンツ信号のパケットを、可変長のTLVパケットにカプセル化してTLVパケットを生成するTLV化部と、前記OFDMフレーム生成装置で構成されるOFDMフレームにおけるFECブロックのOFDMフレーム先頭からのバイトオフセットを示すFECブロックバイトオフセット情報、及び前記FECブロックにおけるTLVパケットの格納場所を示すTLV格納バイトオフセット情報を生成するOFDMフレーム構成情報生成部と、前記FECブロックバイトオフセット情報を含む同期制御パケットを生成する同期制御パケット構成部と、前記TLVパケットに対して前記TLV格納バイトオフセット情報を付加するバイトオフセット付加部と、前記バイトオフセット付加部から入力した各階層のパケットを合成してデータパケットを生成する階層合成部と、前記データパケット及び前記同期制御パケットに対してシーケンス番号を挿入したコンテンツ伝送信号を生成する挿入部と、を備える。
【0007】
さらに、一実施形態において、前記挿入部は、前記同期制御パケットに対して更に、該同期制御パケットの前記コンテンツ伝送信号生成装置からの送信時刻を示すデリバリタイムスタンプを挿入し、前記データパケットに対して更に、該データパケットの前記コンテンツ伝送信号生成装置からの送信時刻を示すデリバリタイムスタンプを挿入してもよい。
【0008】
さらに、一実施形態において、前記挿入部は、前記同期制御パケットに対して更に、該同期制御パケットの前記コンテンツ伝送信号生成装置からの送信時刻を示す第1デリバリタイムスタンプを挿入し、前記データパケットに対して更に、該データパケットと前記同期制御パケットの前記コンテンツ伝送信号生成装置からの送信時刻の差分を示す第2デリバリタイムスタンプを挿入してもよい。
【0009】
さらに、一実施形態において、前記挿入部は、前記データパケット及び前記同期制御パケットに対して更に、同期制御パケットであるかデータパケットであるかを判別するパケット種別情報を挿入してもよい。
【0010】
さらに、一実施形態において、前記階層別の前記コンテンツ信号のパケットは、MMT形式のパケットであるMMTPパケットをIPパケットに格納したMMTP/IPパケットとしてもよい。
【0011】
また、一実施形態に係るOFDMフレーム生成装置は、上記コンテンツ伝送信号生成装置から前記コンテンツ伝送信号を受信するOFDMフレーム生成装置であって、FECブロック領域を用意し、前記TLV格納バイトオフセット情報に基づいて、該FECブロック領域に前記TLVパケットをマッピングするTLVマッピング部と、前記FECブロックバイトオフセット情報に基づいて、前記TLVパケットを連結して主信号領域に格納したFECブロックを1OFDMフレーム分形成するFECブロック形成部と、前記FECブロックに対して誤り訂正符号化処理及びインターリーブ処理を行うデータ処理部と、前記データ処理部により処理されたデータにTMCC信号及びパイロット信号を挿入してOFDMフレームを構成するOFDMフレーム構成部と、を備える。
【0012】
また、一実施形態係るプログラムは、コンピュータを、上記コンテンツ伝送信号生成装置として機能させる。
【0013】
また、一実施形態係るプログラムは、コンピュータを、上記OFDMフレーム生成装置として機能させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、コンテンツデータの伝送効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る配信システムの構成例を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係るコンテンツ伝送信号生成装置の構成例を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係るコンテンツ伝送信号生成装置が生成するTLVパケットの構成例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係るコンテンツ伝送信号生成装置の動作例を示すフローチャートである。
図5】従来のXMIパケットのパケット構成を示す図である。
図6】従来のFECブロックとOFDMフレームを示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る伝送信号生成装置が生成するコンテンツ伝送信号のパケット構成例を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係る伝送信号生成装置が生成するコンテンツ伝送信号を固定長とする例を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係るOFDMフレーム生成装置の構成例を示すブロック図である。
図10】本発明の一実施形態に係るOFDMフレーム生成装置が生成するFECブロックの構成例を示す図である。
図11】本発明の一実施形態に係るOFDMフレーム生成装置のOFDMフレーム生成の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
(配信システム)
図1は、本発明の一実施形態に係る配信システム1の構成例を示す図である。図1に示す配信システム1は、演奏所10と、放送所20と、を備える。演奏所10は、多重化装置11(11a~11c)と、再多重化装置12と、STL送信機13と、を備える。放送所20は、STL受信機21と、パケット監視装置22と、トラフィックスムーサー23と、変調装置24と、送信機25と、を備える。演奏所10と放送所20とは、ネットワークとしてのコンテンツ伝送回線30を介して接続される。
【0018】
多重化装置11aは、外部から入力したA階層用のコンテンツ信号(映像・音声信号及び字幕信号)を多重化し、所定の形式のパケットにパケット化して、A階層用パッケージとして再多重化装置12に出力する。本実施形態では、多重化装置11はMMT(MPEG Media Transport)形式のパケットであるMMTP(MMT Protocol)パケットを生成するものとする。
【0019】
同様に、多重化装置11bは、外部から入力したB階層用のコンテンツ信号を多重化し、所定の形式のパケットにパケット化して、B階層用パッケージとして再多重化装置12に出力する。多重化装置11cは、外部から入力したC階層用のコンテンツ信号を多重化し、所定の形式のパケットにパケット化して、C階層用パッケージとして再多重化装置12に出力する。
【0020】
多重化装置11と再多重化装置12との間の伝送路は、IP(Internet Protocol)伝送路であり、例えば多重化装置11はMMTPパケットをIPパケットに格納してMMTP/IPパケットとして再多重化装置12に出力する。
【0021】
再多重化装置12は、多重化装置11a,11b,11cにより多重化された複数の階層用パッケージデータを1系統に再多重化して、STL送信機13に出力する。
【0022】
STL送信機13は、コンテンツ伝送信号を、コンテンツ伝送回線30を介して放送所20に送信する。
【0023】
STL受信機21は、コンテンツ伝送信号を、コンテンツ伝送回線30を介して演奏所10から受信する。
【0024】
パケット監視装置22は、パケットの伝送遅延を監視し、放送の安定化を図る。例えば、パケット監視装置22は、パケットのタイムスタンプを監視する。このタイムスタンプは、トラフィックスムーサー23がパケットを送信すべき時刻の基準となる送信時刻を示すタイムスタンプとして機能する。なお、放送所20は、パケット監視装置22を必ずしも備える必要は無い。
【0025】
トラフィックスムーサー23は、正確なタイムスタンプで一定間隔にパケットを出力する。例えば、トラフィックスムーサー23は、外部のGPS(Global Positioning System)サーバ、PTP(Precision Time Protocol)サーバ、又はNTP(Network Time Protocol)サーバ等から取得される時刻情報を用いてパケットのタイムスタンプを補正する。そして、トラフィックスムーサー23は、タイムスタンプが補正されたパケットを、補正されたタイムスタンプが示す送信時刻に変調装置24へ出力する。トラフィックスムーサー23は、専用機器である必要はなく、コンピュータソフトウェアの形態でもよい。また、パケット監視装置22がトラフィックスムーサー23を内蔵していてもよい。なお、放送所20は、トラフィックスムーサー23を必ずしも備える必要は無い。
【0026】
変調装置24は、トラフィックスムーサー23から入力した、タイムスタンプが補正されたパケットを変調し、送信機25に出力する。
【0027】
送信機25は、変調装置24から入力したパケットに応じた放送波を生成し、アンテナを介して放送所20の外部に送信する。
【0028】
(コンテンツ伝送信号生成装置)
次に、本発明の一実施形態に係るコンテンツ伝送信号生成装置100について説明する。コンテンツ伝送信号生成装置100は、再多重化装置12、又は再多重化装置12の機能を付随する設備に組み込まれる。コンテンツ伝送信号生成装置100は専用のハードウェアである必要は無く、コンピュータソフトウェアの形態であってもよい。
【0029】
従来のコンテンツ伝送信号生成装置(再多重化装置)では、TLVパケットを生成し、TLVパケットからFECブロック及びOFDMフレームを構成し、OFDMフレームを分割してXMIパケットとしていた。一方、コンテンツ伝送信号生成装置100では、TLVパケットを生成し、その後FECブロックを生成せずに、コンテンツ伝送信号を生成する。コンテンツ伝送信号生成装置100は、コンテンツ伝送信号を生成し、後述するOFDMフレーム生成装置に送信する。
【0030】
図2は、コンテンツ伝送信号生成装置100の構成例を示すブロック図である。図2に示すコンテンツ伝送信号生成装置100は、フレーム時刻生成部101と、TMCC(Transmission Multiplexing Configuration Control)生成部102と、同期制御パケット構成部103と、階層分離部104と、IPヘッダ圧縮部105と、TLV(Type Length Value)化部106と、OFDMフレーム構成情報生成部107と、バイトオフセット付加部108と、階層合成部109と、挿入部110と、を備える。
【0031】
フレーム時刻生成部101は、外部から入力したPTP(Precision Time Protocol)/NTP(Network Time Protocol)に基づいて、OFDMフレームの周期を示すフレーム周期情報、及び時刻を示す時刻情報を生成する。そして、フレーム時刻生成部101は、フレーム周期情報を同期制御パケット構成部103に出力し、時刻情報を挿入部110に出力する。時刻情報は、例えばNTP(Network Time Protocol)形式で示される。
【0032】
TMCC生成部102は、外部から入力した設定情報(変調装置24のパラメータ、中継局の遅延制御情報など)に基づいてTMCC情報を生成し、同期制御パケット構成部103に出力する。
【0033】
同期制御パケット構成部103は、TMCC生成部102により生成されたTMCC情報と、フレーム時刻生成部101から得られたフレーム周期情報とから、OFDMフレームの開始点を示す情報であるOFDMフレーム開始指示(例えば、1OFDMの周期のフラグ情報)を生成し、OFDMフレーム構成情報生成部107に出力する。
【0034】
また、同期制御パケット構成部103は、OFDMフレームの同期制御情報を格納した同期制御パケットを生成し、挿入部110に出力する。同期制御パケットは、OFDMフレーム構成情報生成部107から得られたFECブロックバイトオフセット情報を含む。同期制御パケットの詳細については後述する。
【0035】
階層分離部104は、演奏所10のマスターなどの送出設備から出力されたコンテンツ信号のMMTP/IPパケットを入力し、パケット種別により階層分離を行い、IPヘッダ圧縮部105に出力する。本実施形態では、階層分離部104は、A階層、B階層、及びC階層の3階層に分離する。
【0036】
IPヘッダ圧縮部105は、階層分離部104から入力したMMTP/IPパケットに対して、必要に応じて、IPヘッダの圧縮を行い、TLV化部106に出力する。
【0037】
TLV化部106は、IPヘッダ圧縮部105から入力したパケットを、可変長のTLV(Type Length Value)パケットにカプセル化してTLVパケットを生成し、バイトオフセット付加部108に出力する。また、TLV化部106は、TLVパケットのパケット長の情報をOFDMフレーム構成情報生成部107に出力する。
【0038】
図3は、TLVパケットの構成例を示す図である。なお、以下では、各フィールドに付された数字は、各フィールドのビット数の一例を示す。
【0039】
図3に示すように、TLVパケットは、予約領域と、パケット種別と、データ長と、データ領域とを含む。パケット種別は、TLVパケットの種別を示す。パケット種別により、A階層、B階層、C階層のいずれの階層のデータであるかを特定することができる。データ長は、データ領域に格納されるデータのサイズを示す。TLV化部106は、IPヘッダ圧縮部105から入力したIPパケットをデータ領域に格納する。なお、予約領域については、例えば全ビットを“1”としてもよい。
【0040】
OFDMフレーム構成情報生成部107は、設定情報から得られた伝送モード、GI(Guard interval)比、TMCC情報等と、同期制御パケット構成部103から入力したOFDMフレーム開始指示とに基づいて、放送所20で構成されるOFDMフレームにおけるFECブロックのOFDMフレーム先頭からのバイトオフセットを示すFECブロックバイトオフセット情報(例えば、3バイトの情報)を生成し、同期制御パケット構成部103に出力する。なお、FECブロックバイトオフセット情報は、OFDMフレームを跨がない場合のFECブロックのOFDMフレーム先頭からのバイトオフセットを示す情報としてもよい。
【0041】
また、OFDMフレーム構成情報生成部107は、設定情報から得られた符号長や符号化率(符号化の設定情報)、及びTLV化部106から得られたTLVパケットのパケット長の情報に基づいて、LDPCパリティ部の長さやFECブロック長の情報を得て、FECブロックにおけるTLVパケットの格納場所を示すTLV格納バイトオフセット情報(例えば、3バイトの情報)を生成し、バイトオフセット付加部108に出力する。
【0042】
バイトオフセット付加部108は、TLV化部106から入力したTLVパケットに対して、OFDMフレーム構成情報生成部107から入力したTLV格納バイトオフセット情報を付加し、階層合成部109に出力する。
【0043】
階層合成部109は、バイトオフセット付加部108から入力した各階層のパケットを合成してデータパケットを生成し、挿入部110に出力する。データパケットの詳細については後述する。
【0044】
挿入部110は、同期制御パケット構成部103から入力した同期制御パケットに対して、シーケンス番号及びパケット種別情報を挿入したコンテンツ伝送信号をコンテンツ伝送信号生成装置100の外部に出力する。パケット種別情報は、同期制御情報が格納された同期制御パケットであるか、データが格納されたデータパケットであるかを判別する情報である。挿入部110は、同期制御パケット構成部103から入力した同期制御パケットに対して更に、同期制御パケットのコンテンツ伝送信号生成装置100からの送信時刻を示すデリバリタイムスタンプ(第1デリバリタイムスタンプ)を挿入してもよい。
【0045】
また、挿入部110は、階層合成部109から入力したデータパケットに対して、シーケンス番号及びパケット種別情報を挿入したコンテンツ伝送信号をコンテンツ伝送信号生成装置100の外部に出力する。挿入部110は、1OFDM時間ごとに、先頭に1個の同期制御パケットを送信し、その後複数個のデータパケットを送信する。挿入部110は、階層合成部109から入力したデータパケットに対して更に、データパケットのコンテンツ伝送信号生成装置100からの送信時刻を示すデリバリタイムスタンプ(第1デリバリタイムスタンプ)を挿入してもよい。あるいは、挿入部110は、階層合成部109から入力したデータパケットに対して更に、同期制御パケットのコンテンツ伝送信号生成装置100からの送信時刻とデータパケットのコンテンツ伝送信号生成装置100からの送信時刻との小数点以下の差分を示すデリバリタイムスタンプ(第2デリバリタイムスタンプ)を挿入してもよい。
【0046】
次に、図4を参照してコンテンツ伝送信号生成装置100の動作を説明する。図4は、コンテンツ伝送信号生成装置100の動作例を示すフローチャートである。
【0047】
ステップS101において、PTP/NTPを入力し、フレーム周期情報及び時刻情報を生成する。
【0048】
ステップS102において、設定情報を入力し、TMCC情報を生成する。
【0049】
ステップS103において、OFDMフレーム開始指示を生成する。
【0050】
ステップS104において、コンテンツ信号のMMTP/IPパケットを入力し、階層分離を行う。
【0051】
ステップS105において、MMTP/IPパケットに対してIPヘッダの圧縮を行う。
【0052】
ステップS106において、TLVパケットを生成する。
【0053】
ステップS107において、ステップS103で生成したOFDMフレーム開始指示、及びステップS106で生成したTLVパケットのパケット長に基づいて、FECブロックバイトオフセット情報を生成する。
【0054】
ステップS108において、同期制御パケットを構成する。
【0055】
ステップS109において、TLVパケットに対してTLV格納バイトオフセット情報を付加し、データパケットを構成する。
【0056】
ステップS110において、ステップS108で構成した同期制御パケット、及びステップS109で構成したデータパケットに対し、それぞれシーケンス番号を挿入して出力する。さらに、同期制御パケット及びデータパケットに対し、それぞれパケット種別情報及びデリバリタイムスタンプを挿入してもよい。
【0057】
図5に、本発明との比較のために、従来のXMIパケットのパケット構成を示す。従来のXMIパケットは、ヘッダとして、IPv4ヘッダ、UDPヘッダ、MMTPパケットのヘッダ(MMTPヘッダ)、及びXMIヘッダを含む。従来のXMIパケットは、図5(a)に示すデータ領域に同期制御情報が含まれたXMIパケットと、図5(b)に示すデータ領域にデータのみが含まれているXMIパケットと、図5(c)に示すデータ領域にデータ及びスタッフビットが含まれているXMIパケットと、図5(d)に示すデータ領域がスタッフビットで構成されるXMIパケットとの4種類が存在する。
【0058】
図5に示すように、XMIパケットは固定長を保つために、同期制御情報やパケット長に満たないデータユニットに対してスタッフビットを付加してスタッフィングを行う。また、データが存在しない場合は、図5(d)に示すようにスタッフビットを送ることで一定レートになるようにしている。しかしながら、この構成では、FECブロックのパリティ領域をヌルで埋めているため、無駄なパケットを回線に流すことになり、伝送レートの増加と回線におけるパケット損失などのリスクがある。
【0059】
図6は、従来のFECブロックとOFDMフレームを示す図である。ここでは、符号化率7/16、符号長Middleの例を示している。この場合、FECブロック8640バイトのうち、LDPCパリティが9/16(4860バイト)も占めることとなり、無駄が多い信号となっている。
【0060】
そこで、図7に、本発明の一実施形態に係るコンテンツ伝送信号のパケット構成例を示す。図7(a)はコンテンツ伝送信号の同期制御パケットを示しており、図7(b)はコンテンツ伝送信号のデータパケットの第1の例を示しており、図7(c)はコンテンツ伝送信号のデータパケットの第2の例を示している。
【0061】
同期制御パケット及びデータパケットは、IPv4ヘッダと、UDPヘッダと、パケット種別情報と、予約領域と、シーケンス番号と、デリバリタイムスタンプと、を含む。パケット種別情報、シーケンス番号、及びデリバリタイムスタンプは、挿入部110により挿入される。なお、パケット種別情報及びシーケンス番号は、従来のXMIパケットではXMIヘッダに含まれている。
【0062】
図7(a)に示す同期制御パケットは、同期制御情報を含む。同期制御情報は、OFDMフレーム構成情報生成部107により生成された、FECブロックのOFDMフレーム先頭からのバイトオフセットを示すFECブロックバイトオフセット情報を含む。これにより、コンテンツ伝送信号を受信した放送所20側で、FECブロックを構成することが可能となる。また、同期制御情報は、TMCC情報、次のOFDMフレームを送信すべき時刻を示す時刻情報などを含む。
【0063】
また、図7(b)(c)に示すデータパケットは、バイトオフセット付加部108により生成されたTLV格納バイトオフセット情報と、同期信号と、TLV化部106により生成されたTLVパケット(TLV化したデータ)と、を含む。データパケットはスタッフィングして固定長にすることなく、入力されたIPパケットをTLV形式で伝送することにより、パケットのスリム化を図ることが可能となる。TLVパケットの前にTLV格納バイトオフセット情報を載せ、OFDMフレームの先頭からのバイトオフセット情報を得ることにより、OFDMフレームの先頭を知ることが可能となる。
【0064】
複数の放送所20は、同期制御パケット及びデータパケットを受信することにより、FECブロック及びOFDMフレームを構成することが可能となる。また、SFN(Single Frequency Network)を実現するための、タイミングでの同一波形の生成を担保することが可能となる。
【0065】
図8に示すように、コンテンツ伝送信号はパケットの末尾にスタッフィングして固定長にしてもよい。また、実データが存在しない場合には、TLV格納バイトオフセット以下をスタッフビットで埋めることにより、一定レートになるようにしてもよい。さらに、パケットの何バイト目でTLVが始まるということを変調装置24側に認識させるのであれば、TLVの同期信号(例えば、0x7f)は伝送しなくてもよい。図8に示すバイト数は一例である。例えば、デリバリタイムスタンプは、上述した第1デリバリタイムスタンプの場合には、小数点以上を上位4バイトに格納して小数点以下を下位4バイトに格納してもよく、上述した第2デリバリタイムスタンプの場合には、小数点以下のみを4バイトに格納してもよい。
【0066】
(OFDMフレーム生成装置)
次に、本発明の一実施形態に係るOFDMフレーム生成装置200について説明する。OFDMフレーム生成装置200は、STL受信機21、パケット監視装置22、トラフィックスムーサー23、又は変調装置24に組み込まれる。OFDMフレーム生成装置200は専用のハードウェアである必要は無く、コンピュータソフトウェアの形態であってもよい。
【0067】
OFDMフレーム生成装置200は、コンテンツ伝送信号生成装置100からコンテンツ伝送信号を受信し、OFDMフレームを生成する。
【0068】
図9は、OFDMフレーム生成装置200の構成例を示すブロック図である。図9に示すOFDMフレーム生成装置200は、パケットフィルタ部201と、階層分離部202と、TLVマッピング部203と、FECブロック形成部204と、エネルギー拡散部205と、誤り訂正符号化部206と、ビットインターリーブ部207と、マッピング部208と、階層合成部209と、フレームヘッダ付加部210と、時間・周波数インターリーブ部211と、TMCC解析部212と、LLch変調部213と、パイロット信号生成部214と、OFDMフレーム構成部215と、OFDM送信処理部216と、を備える。
【0069】
パケットフィルタ部201は、コンテンツ伝送信号生成装置100から受信したコンテンツ伝送信号(同期制御パケット及びデータパケット)について、IPv4ヘッダ及びUDPヘッダを除去し、階層分離部202に出力する。
【0070】
階層分離部202は、各階層に属するパケットを分離し、各階層の処理系に振り分ける。また、各階層と比べて低遅延(Low Latency)で伝送されるチャンネルのデータ(例えば、緊急地震速報)を、LLch変調部213に出力する。また、階層分離部202は、同期制御パケットに含まれる同期制御情報をTMCC解析部212に出力する。
【0071】
TLVマッピング部203は、FECブロック領域を用意し、データパケットに含まれるTLV格納バイトオフセット情報に基づいて、FECブロック領域にTLVパケットをマッピングし、FECブロック形成部204に出力する。
【0072】
FECブロック形成部204は、同期制御パケットに含まれるFECブロックバイトオフセット情報に基づいて、TLVパケットを連結して主信号領域に格納したFECブロックを1OFDMフレーム分形成し、エネルギー拡散部205に出力する。
【0073】
図10は、FECブロックの構成例を示す図である。図10に示すように、FECブロックは、FECブロックヘッダと、主信号領域と、BCHパリティ領域と、LDPCパリティ領域と、を含む。
【0074】
FECブロックヘッダは、FECブロックの主信号領域に格納される最初のTLVパケットの先頭の位置を、FECブロックヘッダを除いたFECブロックの先頭からのバイト数で示す情報である。
【0075】
なお、FECブロックのサイズは、送信機25で行われるLDPC(Low Density Parity Check)符号化の符号長(Short, Middle, Long)に応じて、三種類のサイズが設定される。また、主信号領域、スタッフビット領域、及びLDPCパリティ領域のサイズは、符号化率に応じて定まる。BCHパリティ領域は、符号長に応じて定まる。
【0076】
エネルギー拡散部205は、FECブロック形成部204から入力したFECブロックに対してエネルギー拡散処理を施し、誤り訂正符号化部206に出力する。
【0077】
誤り訂正符号化部206は、受信側で伝送誤りを訂正可能とするために、エネルギー拡散部205から入力した信号を誤り訂正符号化(本実施形態ではLDPC符号化)し、符号化信号を生成する。そして、誤り訂正符号化部206は、生成した符号化信号をビットインターリーブ部207に出力する。
【0078】
ビットインターリーブ部207は、誤り訂正符号の性能を高めるために、誤り訂正符号化部206から入力した符号化信号をビット単位でインターリーブ処理してビットデータを生成する。そして、ビットインターリーブ部207は、生成したビットデータをマッピング部208に出力する。
【0079】
マッピング部208は、ビットインターリーブ部207から入力したビットデータをIQ平面へマッピングし、変調方式に応じたキャリア変調が施されたキャリアシンボルを生成する。そして、マッピング部208は、生成したキャリアシンボルを階層合成部209に出力する。
【0080】
階層合成部209は、各階層のマッピング部208から入力したキャリアシンボルを合成し、フレームヘッダ付加部210に出力する。
【0081】
フレームヘッダ付加部210は、階層合成部209から入力したキャリアシンボルにフレームヘッダを付加し、時間・周波数インターリーブ部211に出力する。
【0082】
時間・周波数インターリーブ部211は、フレームヘッダ付加部210から入力したキャリアシンボルの順序を時間方向及び周波数方向に並べ替えてインターリーブ処理されたインターリーブ信号を生成する。そして、時間・周波数インターリーブ部211は、生成したインターリーブ信号をOFDMフレーム構成部215に出力する。
【0083】
TMCC解析部212は、階層分離部202から入力した同期制御情報からTMCC信号を生成し、OFDMフレーム構成部215に出力する。
【0084】
LLch変調部213は、階層分離部202から入力したデータを所定の変調方式(例えばDBPSK)で変調してシンボルを生成し、OFDMフレーム構成部215に出力する。
【0085】
パイロット信号生成部214は、パイロット信号(SP信号及びCP信号)を生成して、OFDMフレーム構成部215に出力する。
【0086】
OFDMフレーム構成部215は、時間・周波数インターリーブ部211から入力したインターリーブ信号に、TMCC解析部212から入力したTMCC信号、LLch変調部213から入力したシンボル、及びパイロット信号生成部214から入力したパイロット信号を挿入してOFDMフレームを構成する。そして、OFDMフレーム構成部215は、生成したOFDMフレームをOFDM送信処理部216に出力する。
【0087】
OFDM送信処理部216は、OFDMフレーム構成部215から入力したOFDMフレームに対してOFDM変調処理を行ってOFDM信号を生成し、生成したOFDM信号を受信装置に送信する。より詳細には、OFDM送信処理部216は、OFDMフレーム構成部215から入力したOFDMフレームのOFDMシンボルに対して、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)処理を行って時間領域の有効シンボル信号を生成する。そして、OFDM送信処理部216は、有効シンボル信号の先頭にガード区間を挿入した後、直交変調処理及びD/A変換処理を行ってOFDM信号を生成する。
【0088】
次に、図11を参照してOFDMフレーム生成装置200のOFDMフレーム生成の動作を説明する。図11は、OFDMフレーム生成装置200のOFDMフレーム生成の動作例を示すフローチャートである。
【0089】
ステップS201において、TLVパケットを入力し、TMCC情報に基づいてOFDMフレームの生成を開始する。
【0090】
ステップS202において、FECブロックの生成を開始する。すなわち、FECブロック領域を用意する。
【0091】
ステップS203において、データパケットに含まれるTLV格納バイトオフセット情報に基づいてTLVパケットのマッピングを行う。
【0092】
ステップS204において、FECブロック領域の構成が完了したか否かを判定する。FECブロック領域の構成が完了していない場合には処理をステップS203に戻し、FECブロック領域の構成が完了した場合には処理をステップS205に進める。
【0093】
ステップS205において、OFDMフレームの構成が完了したか否かを判定する。すなわち、1OFDMフレーム容量分のFECブロック領域がTLVパケットで埋まったか否かを判定する。OFDMフレームの構成が完了していない場合には処理をステップS202に戻し、FECブロック領域の構成が完了した場合には処理をステップS201に戻し、新たなOFDMフレームを構成する。
【0094】
(プログラム)
上記のコンテンツ伝送信号生成装置100又はOFDMフレーム生成装置200として機能させるために、プログラム命令を実行可能なコンピュータを用いることも可能である。コンピュータは、コンテンツ伝送信号生成装置100又はOFDMフレーム生成装置200の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを該コンピュータの記憶部に格納しておき、該コンピュータのプロセッサによってこのプログラムを読み出して実行する。これらの処理内容の一部はハードウェアで実現されてもよい。ここで、コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、ワークステーション、PC(Personal Computer)、電子ノートパッドなどであってもよい。プログラム命令は、必要なタスクを実行するためのプログラムコード、コードセグメントなどであってもよい。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などであってもよい。
【0095】
また、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。このような記録媒体を用いれば、プログラムをコンピュータにインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録された記録媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROM、DVD-ROMなどの記録媒体であってもよい。また、このプログラムは、ネットワークを介したダウンロードによって提供することもできる。
【0096】
上述したように、本発明ではスリム化したパケット構成でコンテンツ伝送を行い、放送所20(OFDMフレーム生成装置200)側でFECブロックの生成及びOFDMフレームの生成を行うことから、伝送レートを映像・音声のオリジナルデータのデータ容量に近いレートで伝送することが可能となる。そのため、既存のSTL送信機及びSTL受信機と同じ伝送パラメータを用いて、次世代地デジのコンテンツデータを伝送することが可能である。
【0097】
また、同期制御パケットにデリバリタイムスタンプを載せ、全てのデータパケットに小数点以下の差分時刻を載せて伝送することにより、絶対時刻を参照したクロック生成・同期も可能となる。そして、放送所20(OFDMフレーム生成装置200)においてSFN構築可能な同一波形のOFDMフレームの構成も可能となる。
【0098】
また、コンテンツ伝送信号はパケットのヘッダ部にシーケンス番号を持つことからPro-MPEGなどの従来の誤り訂正技術を適用することも可能である。
【0099】
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形又は変更が可能である。例えば、実施形態の構成図に記載の複数の構成ブロックを統合したり、1つの構成ブロックを分割したりすることが可能である。また、実施形態のフローチャートに記載の複数のステップは、記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行されてもよい。
【符号の説明】
【0100】
1 配信システム
10 演奏所
11 多重化装置
12 再多重化装置
13 STL送信機
20 放送所
21 STL受信機
22 パケット監視装置
23 トラフィックスムーサー
24 変調装置
25 送信機
30 コンテンツ伝送回線
100 コンテンツ伝送信号生成装置
101 フレーム時刻生成部
102 TMCC生成部
103 同期制御パケット構成部
104 階層分離部
105 IPヘッダ圧縮部
106 TLV化部
107 OFDMフレーム構成情報生成部
108 バイトオフセット付加部
109 階層合成部
110 挿入部
200 OFDMフレーム生成装置
201 パケットフィルタ部
202 階層分離部
203 TLVマッピング部
204 FECブロック形成部
205 エネルギー拡散部
206 誤り訂正符号化部
207 ビットインターリーブ部
208 マッピング部
209 階層合成部
210 フレームヘッダ付加部
211 時間・周波数インターリーブ部
212 TMCC解析部
213 LLch変調部
214 パイロット信号生成部
215 OFDMフレーム構成部
216 OFDM送信処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11