(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】積層型固体撮像装置およびその信号読出し方法
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20241017BHJP
H04N 25/65 20230101ALI20241017BHJP
H04N 25/77 20230101ALI20241017BHJP
H04N 25/78 20230101ALI20241017BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H04N25/65
H04N25/77
H04N25/78
(21)【出願番号】P 2020193716
(22)【出願日】2020-11-20
【審査請求日】2023-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100097984
【氏名又は名称】川野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(72)【発明者】
【氏名】渡部 俊久
(72)【発明者】
【氏名】難波 正和
【審査官】柴山 将隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-147067(JP,A)
【文献】特開2016-063142(JP,A)
【文献】特開2010-283629(JP,A)
【文献】特開2010-016417(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H04N 25/65
H04N 25/77
H04N 25/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元平面上に配列された各画素が、
ソース部に、金属電極を介して光電変換膜が接続されるとともに、ドレイン部に浮遊拡散層が接続された転送トランジスタ
と、
ゲート部に該浮遊拡散層が接続されるとともに、ドレイン部に電源が接続された増幅トランジスタ
と、
ソース部に該浮遊拡散層が接続されたリセットトランジスタ
と、
ドレイン部が前記増幅トランジスタのソース部に接続されるとともに、ソース部が当該画素の信号出力部に接続された行選択トランジスタ
とからなる4個のトランジスタ
、
により構成され
、
前記転送トランジスタのソース部には、n
-拡散層の上部をp
+拡散層で覆った埋込み構造と、該n
-拡散層に隣接するn
+拡散層が配置され、該p
+拡散層と該n
+拡散層の間には所定の間隔が設けられ、該n
+拡散層は
前記金属電極を介して
前記光電変換膜に接続された構造とされ、
前記転送トランジスタは、当該転送トランジスタのゲートに所定の電圧が印加され
たときにO
Nの状
態とさ
れ、
信号電荷の読出しでは、前記転送トランジスタが、当該転送トランジスタのゲートに所定の電圧が印加されてONとされた状態で、
前記リセットトランジスタのゲートに所定のクロックを印加して該リセットトランジスタをONとし、
該リセットトランジスタのドレインに電圧値RTVLであるLレベルのリセット電圧クロックを印加して、前記n
-
拡散層の空乏化電位Vdよりも低くなるように設定し、かつ、該空乏化電位Vdは、前記転送トランジスタのチャネル電位よりも低くなるように設定することで、前記n
+拡散層および前記n
-拡散層に電子が注入
されるようにして、
前記n
+
拡散層から前記n
-
拡散層を挟んで前記浮遊拡散層に至る領域を、前記電圧値RTVLに設定する電子注入動作を行い、
また、前記転送トランジスタが、当該転送トランジスタのゲートに所定の電圧が印加されてONとされた状態で、
該リセットトランジスタのドレインに電圧値RTVHであるHレベルのリセット電圧クロックを印加して、前記n
+
拡散層と前記n
-
拡散層に注入された電子を
前記転送トランジスタのチャネルを介して前記浮遊拡散層に放出するように
して、前記n
+
拡散層を前記n
-
拡散層の空乏化電位Vdに、前記浮遊拡散層を前記電圧値RTVHに各々設定する画素のリセット動作を行い、
この後、前記リセットトランジスタのゲートに所定のクロックを印加して該リセットトランジスタをOFFとし、前記光電変換膜で発生した信号電荷を、前記転送トランジスタのゲートに印加される所定の電圧に応じ、信号電荷蓄積部である、前記浮遊拡散層と該転送トランジスタのチャネル部、または該浮遊拡散層、または前記n
-
拡散層と前記n
+
拡散層に、逐次、転送する信号電荷蓄積動作を行うように制御する制御手段を備えたことを特徴とする積層型固体撮像装置。
【請求項2】
前記転送トランジスタのゲートに電源電圧が印加されて、当該転送トランジスタが常時ONとされ、前記リセットトランジスタおよび前記行選択トランジスタの各々のゲートには、垂直走査回路の構成要素であるAND回路からの出力信号が駆動クロックとして印加されて、前記リセットトランジスタおよび前記行選択トランジスタのON/OFF制御が設定可能とされ、
前記AND回路からの出力信号は、制御部から供給される所定の制御クロックにより駆動される、前記垂直走査回路の構成要素であるシフトレジスタの出力信号と、前記制御部から供給されるタイミングクロックとの乗算結果に基づく信号であることを特徴とする請求項1に記載の積層型固体撮像装置。
【請求項3】
前記転送トランジスタのチャネル電位が、電源電圧の値よりも小さく、埋込み拡散層の空乏化電位よりも大きくなるようなDC電圧値であり、前記転送トランジスタのゲートに印加されて、当該転送トランジスタが常時ONとされ、前記リセットトランジスタおよび前記行選択トランジスタの各々のゲートには、垂直走査回路の構成要素であるAND回路からの出力信号が駆動クロックとして印加されて、前記リセットトランジスタおよび前記行選択トランジスタのON/OFF制御が設定可能とされ、
前記AND回路からの出力信号は、制御部から供給される所定の制御クロックにより駆動される、前記垂直走査回路の構成要素であるシフトレジスタの出力信号と、前記制御部から供給されるタイミングクロックとの乗算結果に基づく信号であることを特徴とする請求項1に記載の積層型固体撮像装置。
【請求項4】
前記転送トランジスタ、前記リセットトランジスタおよび前記行選択トランジスタからなる3個のトランジスタの各々のゲートには、垂直走査回路の構成要素であるAND回路からの出力信号が駆動クロックとして印加されて、前記転送トランジスタ、前記リセットトランジスタおよび前記行選択トランジスタのON/OFF制御が設定可能とされ、少なくとも前記n
-拡散層に電子を注入する段階で、前記転送トランジスタがONとされるように構成され、
前記AND回路からの出力信号は、制御部から供給される所定の制御クロックにより駆動される、前記垂直走査回路の構成要素であるシフトレジスタの出力信号と、前記制御部から供給されるタイミングクロックとの乗算結果に基づく信号であることを特徴とする請求項1に記載の積層型固体撮像装置。
【請求項5】
一列分の前記画素の信号出力部が一の垂直信号線に接続され、各々の該垂直信号線に読出し回路が接続されてなることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の積層型固体撮像装置。
【請求項6】
2次元平面上に配列された各画素が、
ソース部に、金属電極を介して光電変換膜が接続されるとともに、ドレイン部に浮遊拡散層が接続された転送トランジスタ
と、
ゲート部に該浮遊拡散層が接続されるとともに、ドレイン部に電源が接続された増幅トランジスタ
と、
ソース部に該浮遊拡散層が接続されたリセットトランジスタ
と、
ドレイン部が前記増幅トランジスタのソース部に接続されるとともに、ソース部が当該画素の信号出力部に接続された行選択トランジスタ
とからなる4個のトランジスタ
、
により構成され
、
前記転送トランジスタのソース部
には、n
-拡散層の上部をp
+拡散層で覆った埋込み構造
と、該n
-拡散層に隣接
するn
+拡散層が配置され、該p
+拡散層と該n
+拡散層の間には所定の間隔が設けられ、該n
+拡散層は
前記金属電極を介して
前記光電変換膜に接続された構造とされ、
前記転送トランジスタは、当該転送トランジスタのゲートに所定の電圧が印加され
たときにO
Nの状
態とされ
る積層型固体撮像装置の信号読出し方法において、
信号電荷の読出しを行う際には、前記転送トランジスタが、当該転送トランジスタのゲートに所定の電圧が印加されてONとされた状態で、
前記リセットトランジスタのゲートに所定のクロックを印加して該リセットトランジスタをONとし、
該リセットトランジスタのドレインに電圧値RTVLであるLレベルのリセット電圧クロックを印加して、前記n
-
拡散層の空乏化電位Vdよりも低くなるように設定し、かつ、該空乏化電位Vdは、前記転送トランジスタのチャネル電位よりも低くなるように設定することで、前記n
+拡散層および前記n
-拡散層に電子
が注入
されるようにして、
前記n
+
拡散層から前記n
-
拡散層を挟んで前記浮遊拡散層に至る領域を、前記電圧値RTVLに設定する電子注入動作を行い、
また、前記転送トランジスタが、当該転送トランジスタのゲートに所定の電圧が印加されてONとされた状態で、
該リセットトランジスタのドレインに電圧値RTVHであるHレベルのリセット電圧クロックを印加して、前記n
+
拡散層と前記n
-
拡散層に注入された電子を前記転送トランジスタのチャネルを介して前記浮遊拡散層に放出するようにして、前記n
+
拡散層を前記n
-
拡散層の空乏化電位Vdに、前記浮遊拡散層を前記電圧値RTVHに各々設定する画素のリセット動作を行い、
この後、前記リセットトランジスタのゲートに所定のクロックを印加して該リセットトランジスタをOFFとし、前記光電変換膜で発生した信号電荷を、前記転送トランジスタのゲートに印加される所定の電圧に応じ、信号電荷蓄積部である、前記浮遊拡散層と該転送トランジスタのチャネル部、または該浮遊拡散層、または前記n
-
拡散層と前記n
+
拡散層に、逐次、転送する信号電荷蓄積動作を行う制御
を実行する、ことを特徴とする積層型固体撮像装置の信号読出し方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型固体撮像装置およびその信号読出し方法に関し、詳しくは、MOSトランジスタで構成した画素回路部上に光電変換部を積層した積層型固体撮像装置およびその信号読出し方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CMOSイメージセンサー等の固体撮像素子の上部に光電変換膜を積層した積層型固体撮像装置では、光電変換膜と固体撮像素子の画素内トランジスタの拡散層を、画素電極を介して接続しているため、信号電荷を完全転送できないので、各画素回路は、一般に、増幅トランジスタ、リセットトランジスタ、行選択トランジスタの3トランジスタ構成のものが使用されている(下記非特許文献1、2参照)。
【0003】
このような構成では、画素信号は電圧として垂直信号線に読み出され、カラムごとに配置されたCDS回路およびAD変換器を介してチップ外部に出力される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ大会 C12-13, 2016
【文献】集積化MEMSシンポジウム 24am2-E-5, 2016
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、画素が3トランジスタ構成とされた場合には、信号電荷が蓄積された浮遊拡散層の容量値は、リセットトランジスタの拡散層の容量と光電変換膜の容量を加算した合計値となり、光電変換膜の容量分だけ容量が増加するので、その分、変換ゲインが低下し、そのため感度が低下したり入力換算ノイズが増大したりする、といった問題が生じている。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高感度とされ、各種ノイズを低減することで高画質な出力が得られる積層型固体撮像装置およびその信号読出し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る第1の積層型固体撮像装置は、
2次元平面上に配列された各画素が、
ソース部に、金属電極を介して光電変換膜が接続されるとともに、ドレイン部に浮遊拡散層が接続された転送トランジスタと、ゲート部に該浮遊拡散層が接続されるとともに、ドレイン部に電源が接続された増幅トランジスタと、ソース部に該浮遊拡散層が接続されたリセットトランジスタと、ドレイン部が前記増幅トランジスタのソース部に接続されるとともに、ソース部が当該画素の信号出力部に接続された行選択トランジスタとからなる4個のトランジスタ、
により構成され、
前記転送トランジスタのソース部には、n-拡散層の上部をp+拡散層で覆った埋込み構造と、該n-拡散層に隣接するn+拡散層が配置され、該p+拡散層と該n+拡散層の間には所定の間隔が設けられ、該n+拡散層は前記金属電極を介して前記光電変換膜に接続された構造とされ、
前記転送トランジスタは、当該転送トランジスタのゲートに所定の電圧が印加されたときにONの状態とされ、
信号電荷の読出しでは、前記転送トランジスタが、当該転送トランジスタのゲートに所定の電圧が印加されてONとされた状態で、
前記リセットトランジスタのゲートに所定のクロックを印加して該リセットトランジスタをONとし、該リセットトランジスタのドレインに電圧値RTVLであるLレベルのリセット電圧クロックを印加して、前記n
-
拡散層の空乏化電位Vdよりも低くなるように設定し、かつ、該空乏化電位Vdは、前記転送トランジスタのチャネル電位よりも低くなるように設定することで、前記n+拡散層および前記n-拡散層に電子が注入されるようにして、前記n
+
拡散層から前記n
-
拡散層を挟んで前記浮遊拡散層に至る領域を、前記電圧値RTVLに設定する電子注入動作を行い、
また、前記転送トランジスタが、当該転送トランジスタのゲートに所定の電圧が印加されてONとされた状態で、
該リセットトランジスタのドレインに電圧値RTVHであるHレベルのリセット電圧クロックを印加して、前記n
+
拡散層と前記n
-
拡散層に注入された電子を前記転送トランジスタのチャネルを介して前記浮遊拡散層に放出するようにして、前記n
+
拡散層を前記n
-
拡散層の空乏化電位Vdに、前記浮遊拡散層を前記電圧値RTVHに各々設定する画素のリセット動作を行い、
この後、前記リセットトランジスタのゲートに所定のクロックを印加して該リセットトランジスタをOFFとし、前記光電変換膜で発生した信号電荷を、前記転送トランジスタのゲートに印加される所定の電圧に応じ、信号電荷蓄積部である、前記浮遊拡散層と該転送トランジスタのチャネル部、または該浮遊拡散層、または前記n
-
拡散層と前記n
+
拡散層に、逐次、転送する信号電荷蓄積動作を行うように制御する制御手段を備えたことを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る第2の積層型固体撮像装置としては、上述した第1の積層型固体撮像装置であって、前記転送トランジスタのゲートに電源電圧が印加されて、当該転送トランジスタが常時ONとされ、前記リセットトランジスタおよび前記行選択トランジスタの各々のゲートには、垂直走査回路の構成要素であるAND回路からの出力信号が駆動クロックとして印加されて、前記リセットトランジスタおよび前記行選択トランジスタのON/OFF制御が設定可能とされ、
前記AND回路からの出力信号は、制御部から供給される所定の制御クロックにより駆動される、前記垂直走査回路の構成要素であるシフトレジスタの出力信号と、前記制御部から供給されるタイミングクロックとの乗算結果に基づく信号であるものとすることができる。
【0009】
また、本発明に係る第3の積層型固体撮像装置としては、上述した第1の積層型固体撮像装置であって、前記転送トランジスタのチャネル電位が、電源電圧の値よりも小さく、埋込み拡散層の空乏化電位よりも大きくなるようなDC電圧値であり、前記転送トランジスタのゲートに印加されて、当該転送トランジスタが常時ONとされ、前記リセットトランジスタ、前記行選択トランジスタの各々のゲートには、垂直走査回路の構成要素であるAND回路からの出力信号が駆動クロックとして印加されて、前記リセットトランジスタおよび前記行選択トランジスタのON/OFF制御が設定可能とされ、
前記AND回路からの出力信号は、制御部から供給される所定の制御クロックにより駆動される、前記垂直走査回路の構成要素であるシフトレジスタの出力信号と、前記制御部から供給されるタイミングクロックとの乗算結果に基づく信号であるものとすることができる。
【0010】
また、本発明に係る第4の積層型固体撮像装置としては、上述した第1の積層型固体撮像装置であって、前記転送トランジスタ、前記リセットトランジスタおよび前記行選択トランジスタからなる3個のトランジスタの各々のゲートには、垂直走査回路の構成要素であるAND回路からの出力信号が駆動クロックとして印加されて、前記転送トランジスタ、前記リセットトランジスタおよび前記行選択トランジスタのON/OFF制御が設定可能とされ、少なくとも前記n-拡散層に電子を注入する段階で、前記転送トランジスタがONとされるように構成され、
前記AND回路からの出力信号は、制御部から供給される所定の制御クロックにより駆動される、前記垂直走査回路の構成要素であるシフトレジスタの出力信号と、前記制御部から供給されるタイミングクロックとの乗算結果に基づく信号であるものとすることができる。
【0012】
上記本発明に係る第1~第4の積層型固体撮像装置のうちのいずれかにおいて、
一列分の前記画素の信号出力部が一の垂直信号線に接続され、各々の該垂直信号線に読出し回路が接続されてなることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る積層型固体撮像装置の信号読出し方法は、
2次元平面上に配列された各画素が、
ソース部に、金属電極を介して光電変換膜が接続されるとともに、ドレイン部に浮遊拡散層が接続された転送トランジスタと、ゲート部に該浮遊拡散層が接続されるとともに、ドレイン部に電源が接続された増幅トランジスタと、ソース部に該浮遊拡散層が接続されたリセットトランジスタと、ドレイン部が前記増幅トランジスタのソース部に接続されるとともに、ソース部が当該画素の信号出力部に接続された行選択トランジスタとからなる4個のトランジスタ、
により構成され、
前記転送トランジスタのソース部には、n-拡散層の上部をp+拡散層で覆った埋込み構造と、該n-拡散層に隣接するn+拡散層が配置され、該p+拡散層と該n+拡散層の間には所定の間隔が設けられ、該n+拡散層は前記金属電極を介して前記光電変換膜に接続された構造とされ、
前記転送トランジスタは、当該転送トランジスタのゲートに所定の電圧が印加されたときにONの状態とされる積層型固体撮像装置の信号読出し方法において、
信号電荷の読出しを行う際には、前記転送トランジスタが、当該転送トランジスタのゲートに所定の電圧が印加されてONとされた状態で、
前記リセットトランジスタのゲートに所定のクロックを印加して該リセットトランジスタをONとし、該リセットトランジスタのドレインに電圧値RTVLであるLレベルのリセット電圧クロックを印加して、前記n
-
拡散層の空乏化電位Vdよりも低くなるように設定し、かつ、該空乏化電位Vdは、前記転送トランジスタのチャネル電位よりも低くなるように設定することで、前記n+拡散層および前記n-拡散層に電子が注入されるようにして、前記n
+
拡散層から前記n
-
拡散層を挟んで前記浮遊拡散層に至る領域を、前記電圧値RTVLに設定する電子注入動作を行い、
また、前記転送トランジスタが、当該転送トランジスタのゲートに所定の電圧が印加されてONとされた状態で、
該リセットトランジスタのドレインに電圧値RTVHであるHレベルのリセット電圧クロックを印加して、前記n
+
拡散層と前記n
-
拡散層に注入された電子を前記転送トランジスタのチャネルを介して前記浮遊拡散層に放出するようにして、前記n
+
拡散層を前記n
-
拡散層の空乏化電位Vdに、前記浮遊拡散層を前記電圧値RTVHに各々設定する画素のリセット動作を行い、
この後、前記リセットトランジスタのゲートに所定のクロックを印加して該リセットトランジスタをOFFとし、前記光電変換膜で発生した信号電荷を、前記転送トランジスタのゲートに印加される所定の電圧に応じ、信号電荷蓄積部である、前記浮遊拡散層と該転送トランジスタのチャネル部、または該浮遊拡散層、または前記n
-
拡散層と前記n
+
拡散層に、逐次、転送する信号電荷蓄積動作を行う制御を実行する、ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実施形態に係る積層型固体撮像装置およびその信号読出し方法によれば、画素リセット動作を行う前に、転送トランジスタをONに設定しておき、転送トランジスタのソース部に配された、光電変換部のn+拡散層および埋込み拡散層のn-拡散層に、電子を注入することで、これらn+拡散層およびn-拡散層の電位を、このn-拡散層の空乏化電位よりも低い所定値に設定し、これらn+拡散層およびn-拡散層に注入された電子を浮遊拡散層に放出して画素リセット動作が行われるよう制御するように構成されている。
【0015】
すなわち、本発明においては、画素リセット動作を行う前に、転送トランジスタをONに設定し、転送トランジスタのソース部に配された、光電変換部のn+拡散層および埋込み拡散層のn-拡散層に、電子を注入するように構成することで、光照射量に応じて光電変換膜で発生した電子の多少にかかわらず、上記n+拡散層および上記n-拡散層の電位を、上記n-拡散層の空乏化電位よりも低い所定の電位とすることができる。
これにより、高感度とできる上、各種ノイズの発生を阻止して画質の向上を図ることができる、という効果を奏することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施例1~6に係る積層型固体撮像装置の全体構成を示す概念図である。
【
図2】実施例1および実施例3に係る積層型固体撮像装置のうち、1画素、1列分の回路構成を示す概念図である。
【
図3】実施例1および実施例3に係る積層型固体撮像装置の1水平走査期間における駆動クロックパターンである。
【
図4】実施例2および実施例4に係る積層型固体撮像装置のうち、1画素、1列分の回路構成を示す概念図である。
【
図5】実施例2および実施例4に係る積層型固体撮像装置の1水平走査期間における駆動クロックパターンである。
【
図6】実施例1および実施例2に係る積層型固体撮像装置の信号読出しの過程を説明するための電位分布図であり、
図3および
図5に示した過程(1)の段階について示したものである。
【
図7】実施例1および実施例2に係る積層型固体撮像装置の信号読出しの過程を説明するための電位分布図であり、
図3および
図5に示した過程(2)の段階について示したものである。
【
図8】実施例1および実施例2に係る積層型固体撮像装置の信号読出しの過程を説明するための電位分布図であり、
図3および
図5に示した過程(3)の段階について示したものである。
【
図9】実施例1および実施例2に係る積層型固体撮像装置の信号読出しの過程を説明するための電位分布図であり、
図3および
図5に示した過程(4)の段階について示したものである。
【
図10】実施例3および実施例4に係る積層型固体撮像装置の信号読出しの過程を説明するための電位分布図であり、
図3および
図5に示した過程(1)の段階について示したものである。
【
図11】実施例3および実施例4に係る積層型固体撮像装置の信号読出しの過程を説明するための電位分布図であり、
図3および
図5に示した過程(2)の段階について示したものである。
【
図12】実施例3および実施例4に係る積層型固体撮像装置の信号読出しの過程を説明するための電位分布図であり、
図3および
図5に示した過程(3)の段階について示したものである。
【
図13】実施例3および実施例4に係る積層型固体撮像装置の信号読出しの過程を説明するための電位分布図であり、
図3および
図5に示した過程(4)の段階について示したものである。
【
図14】実施例5に係る積層型固体撮像装置のうち、1画素、1列分の回路構成を示す概念図である。
【
図15】実施例5に係る積層型固体撮像装置の1水平走査期間における駆動クロックパターンである。
【
図16】実施例6に係る積層型固体撮像装置のうち、1画素、1列分の回路構成を示す概念図である。
【
図17】実施例6に係る積層型固体撮像装置の1水平走査期間における駆動クロックパターンである。
【
図18】実施例5および実施例6に係る積層型固体撮像装置の信号読出しの過程を説明するための電位分布図であり、
図15および
図17に示した過程(1)の段階について示したものである。
【
図19】実施例5および実施例6に係る積層型固体撮像装置の信号読出しの過程を説明するための電位分布図であり、
図15および
図17に示した過程(2)の段階について示したものである。
【
図20】実施例5および実施例6に係る積層型固体撮像装置の信号読出しの過程を説明するための電位分布図であり、
図15および
図17に示した過程(3)の段階について示したものである。
【
図21】実施例5および実施例6に係る積層型固体撮像装置の信号読出しの過程を説明するための電位分布図であり、
図15および
図17に示した過程(4)の段階について示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係る積層型固体撮像装置およびその信号読出し方法について図面を用いて説明する。
なお、ここでは、光電変換膜で発生する信号電荷は電子とし、また、光電変換膜は横方向の抵抗値が非常に高く、画素間で信号電荷が混合される心配がないため、画素に区切る必要がなく、2次元に配列された画素全面に積層しているとする。
【0018】
以下、本実施形態に係る積層型撮像素子およびその信号読出し方法を、実施例1~6により具体的に説明するが、いずれも、画素のリセット動作を行う前段階で、転送トランジスタのソース部のn+拡散層およびn-拡散層に電子を注入して、その電位をn-拡散層の空乏化電位よりも低い所定値とし、この注入した電子をリセット動作によって浮遊拡散層に放出しており、上記n+拡散層の電位を入射光量によらず所定値にリセットすることで、固定パターン雑音や残像を低減した高画質な画像出力が得られるようにしている。
したがって、以下に説明する各実施例については、上記基本的な発明思想を共通とし、その他の点においては、種々の態様を採用することが可能であることを示す例示となっている。
【0019】
<実施例1>
図1は、本発明の実施例1に係る積層型固体撮像装置の主要構成を示す概念図である(実施例2~6において同じ)。
図1において、制御部(制御クロック発生部)7以外の部材、すなわち、単位画素2が2次元アレイ状に配されてなる画素アレイ1、シフトレジスタ9aおよびAND回路9bを含む垂直走査回路9、水平走査回路8、水平スイッチ8a、ならびに、単位画素2の各列(
図1中の縦方向の列ごと)に設けられた読出し回路20により、積層型撮像素子が構成されている。
なお、制御部7は、通常、積層型撮像素子(以下、チップとも称する)の外部に設けられ、CPUやメモリ等からなるハードとプログラムからなるソフトを備えたコントローラとして機能し、積層型撮像素子の各部材に対して多くの指示信号を出力するように構成されており、この指示信号に基づいて、後述する各部材の動作が行われることになる。なお、制御部7の一部が積層型撮像素子に組み込まれる構成としてもよいことは勿論である。
【0020】
図1に示す積層型固体撮像装置において、制御部7からは、垂直走査開始クロックがシフトレジスタ9aに出力され、タイミングクロックがAND回路9bに出力される。
なお、シフトレジスタ9aからの出力信号は、制御部7からの開始クロックと、所定の動作クロックに応じて発生するように構成されている。
また、AND回路9bには、シフトレジスタ9aからの出力信号と、制御部7からのタイミングクロックが入力され、これら入力された2つの信号のANDをとることにより生成された駆動クロックが、画素アレイ1の各単位画素2に入力される。
【0021】
一方、画素アレイ1の各単位画素2から垂直信号線(
図2中で画素回路と接続されて縦に延びる信号線)21に出力された画素信号は、読出し回路20に入力されて、所定の信号読出し処理を施される。制御部7から水平走査回路8に出力された水平走査開始クロックと、所定の動作クロックに応じて、水平スイッチ8aが順次ONに設定され、それに応じて、対応する読出し回路20に保持された、各列の画素からの画素信号が順次外部に出力される。
なお、制御部7からは、各読出し回路20に対して、動作モードを規定するタイミングクロックが入力される。
【0022】
図2は、実施例1に係る積層型固体撮像装置の1画素、1列分について、A/D変換器35を含む読出し回路20、さらにはチップ外(素子外)のメモリ・演算手段(デジタルCDS回路)30、31、32までを加えた構成を示すものである。
この積層型固体撮像装置においては、撮像素子内(チップ内)に、各画素回路10、各画素列にこれら各画素回路10の出力部が接続される垂直信号線21と、この垂直信号線21に接続されるとともに、各画素列に配置された負荷トランジスタMLと、垂直信号線21からの信号を読み出す読出し回路(A/D変換器35を含む)20が配置されている。
【0023】
また、この積層型固体撮像装置においては、撮像素子外(チップ外)に、デジタルCDS処理を行うための、信号用フレームメモリ30とリセット用フレームメモリ31、および信号用フレームメモリ30とリセット用フレームメモリ31の差分を演算する差分演算処理部32からなる、デジタルCDS回路25が配置されている。リセット用フレームメモリ31は、信号読出し時における現フレームの信号を格納するNフレームメモリ31aと、リセット時における、第Nフレームより1フレーム前の信号を格納するN-1フレームメモリ31bからなる。
【0024】
また、上記各画素回路10は、転送トランジスタMT、増幅トランジスタMA、リセットトランジスタMR、および行選択トランジスタMSの4つのトランジスタを備えてなり、構成された画素(回路)が2次元平面上に配置されている。
【0025】
転送トランジスタMTの一方の(ソース側の)n+拡散層13aは金属電極11を介して光電変換膜12と接続されている。この一方の(ソース側の)n+拡散層13aに隣接する、転送トランジスタMTのソース部であるn-拡散層14aを、その上部がp+拡散層15により被覆された埋込み構造とすることで埋込み拡散層14が形成される。また、この一方の(ソース側の)n+拡散層13aは、p+拡散層15と、濃度勾配による内部電界を十分緩和するに足る間隔を空けて配されている。なお、転送トランジスタMTのドレイン側にはn+拡散層13bが配されている(以下の各実施例2~6において同じ)。
【0026】
この転送トランジスタMTのゲート18には、電源電圧VDDが印加されて、転送トランジスタMTがONに維持される状態とされている。なお、この転送トランジスタMTは、p型シリコンに形成されたnMOSトランジスタである。
【0027】
また、転送トランジスタMTのドレイン部と、リセットトランジスタMRのソース部が互いに接続されて、浮遊拡散層FDが形成されており、浮遊拡散層FDが増幅トランジスタMAのゲート部に接続されており、リセットトランジスタMRのドレイン部に、HレベルとLレベルの2値の電圧値を取り得るリセット電圧クロックRTVを印加するためのクロック電源が接続されている。
【0028】
増幅トランジスタMAのソース部は行選択トランジスタMSのドレイン部に接続され、行選択トランジスタMSのソース部は画素回路10の出力部を介して垂直信号線21に接続される。また、この垂直信号線21は、各画素列に1つずつ配置された負荷トランジスタMLのドレイン部に接続されており、負荷トランジスタMLのソース部はアースに接続されている。なお、負荷トランジスタMLに印加するバイアス電圧はVAで表される。
【0029】
画素回路10内の増幅トランジスタMAと、各画素列に1つずつ配置された負荷トランジスタMLとによりソースフォロワが形成されており、増幅トランジスタMAのドレイン部にはソースフォロワの電源VDDが接続されている。垂直信号線(ソースフォロワの出力)21は、読出し回路20の入力部に接続され、この垂直信号線(ソースフォロワの出力)21からの信号は、読出し回路20を介してチップ外に出力される。画素リセット動作が完了した状態から1フレーム期間、光電変換膜12で発生した電荷は逐次、浮遊拡散層FD側に転送され、この浮遊拡散層FDに蓄積された後、1水平走査期間内の1フレーム期間に蓄積された信号電荷量に基づく出力値を読み出すことで、高い変換ゲインによる、高感度で高画質な画像出力を得ることができる。
【0030】
図3は、本実施例に係る1水平走査期間における駆動クロックパターンを示すものである。なお、
図3において、RSは行選択トランジスタMSのゲートに印加するクロックパターンを示し、RTはリセットトランジスタMRのゲートに印加するクロックパターンを示し、RTVはリセットトランジスタMRのドレインに印加するリセット電圧クロックパターンを示す。
以下、
図2、3を用いて、1水平走査期間における信号読出しの動作過程を説明する。なお、実際の1フレーム期間にわたる動作は(4)画素信号読出し、(1)電子注入、(2)画素リセットおよび(3)信号電荷蓄積の順番であるが、ここでは、説明の便宜上、(1)電子注入、(2)画素リセット、(3)信号電荷蓄積および(4)画素信号読出しの動作の順に説明する。また、以下の各番号(1)~(4)は、
図3の駆動クロックパターン図に付した各動作過程の番号(1)~(4)に対応している。
【0031】
(1)電子注入動作
行選択トランジスタMSのゲートに印加するクロックRSをHレベルにしてONとした状態で、リセットトランジスタMRのゲートに印加するクロックRTをHレベルにしてONとし、リセットトランジスタMRのドレインに印加するリセット電圧クロックRTVをLレベルである電圧値RTVLに設定する。
【0032】
また、転送トランジスタMTのゲート18は、電源電圧VDDが印加される状態に保持される。これにより、転送トランジスタMTはONを維持するように構成される。
電圧値RTVLを埋込み拡散層14のn
-拡散層14aの空乏化電位Vdよりも低くなるように設定し、かつ、上記空乏化電位Vdを、転送トランジスタMTのチャネル電位VDD-VTH(転送トランジスタMTのしきい値をVTHとする)よりも低くなるようにn
-拡散層14aのn
-濃度を調整すると、光電変換膜12が接続されたn
+拡散層13aと埋込み拡散層14のn
-拡散層14aに電子が注入され、
図6に示すように、光電変換膜12が接続されたn
+拡散層13a~埋込み拡散層14~浮遊拡散層FDは、すべて電圧値RTVLにリセットされる。
【0033】
(2)画素リセット動作
上記(1)の電子注入動作の終了後、リセット電圧クロックRTVをHレベルである電圧値RTVHに設定する。電圧値RTVHは、高いほど画素リセット動作が高速に行われるため、通常電源電圧VDDとする。
このようにすると、光電変換膜12が接続されたn
+拡散層13aと埋込み拡散層14のn
-拡散層14aに注入された電子は転送トランジスタMTのチャネル16を介して浮遊拡散層FDに放出され、RTVH=VDDとしたときの、光電変換膜12が接続されたn
+拡散層13a~埋込み拡散層14~浮遊拡散層FDの電位分布を表した
図7に示すように、光電変換膜12が接続されたn
+拡散層13a(光電変換部)は上記n
-拡散層14aの空乏化電位Vdに、また、浮遊拡散層FDはリセット電位RTVHに、それぞれリセットされる。
【0034】
その後、リセットトランジスタMRを、ゲートに印加するクロックRTをLレベルにしてOFFとし、このときの出力電圧を前述した読出し回路20で読み出す。所定時間経過後、行選択トランジスタMSを、ゲートに印加するクロックRSをLレベルにしてOFFとし、1水平走査期間におけるリセット動作を終了する。
【0035】
(3)信号電荷蓄積動作
上記(2)の画素リセット動作の過程で、リセットトランジスタMRを、ゲートに印加するクロックRTをLレベルに切替えてOFFとすると、
図8に示す如く、光電変換膜12で発生した信号電荷が、逐次、浮遊拡散層FD側に転送されるように動作する。この結果、信号電荷は、浮遊拡散層FDおよび転送トランジスタMTのチャネル16に蓄積されることになる。
【0036】
(4)信号読出し動作
上記(2)の画素リセット動作が行われた水平走査期間から、1フレーム期間経過すると、浮遊拡散層FDおよび転送トランジスタMTのチャネル16には
図9に示すような信号電荷が蓄積される。1フレーム期間経過後の水平走査期間において、行選択トランジスタMSを、ゲートに印加するクロックRSをHレベルに切り替えてONとすると、
図9に示すように、浮遊拡散層FDおよび転送トランジスタMTのチャネル16に蓄積された電荷量の高さに相当する電圧VBが、増幅トランジスタMAと負荷トランジスタMLで構成されたソースフォロワによって垂直信号線21に読み出され、前述した読出し回路20で読み出される。
ここで、浮遊拡散層FDの容量、増幅トランジスタMAのゲート容量、浮遊拡散層FDや増幅トランジスタMAのゲートに係わる配線などの寄生容量および転送トランジスタMTのチャネル16で構成される容量の合計容量値をCtotalとし、電荷量をQsigとすると、上記電圧VBは、
VB=Qsig/Ctotal (A)
で表される。
【0037】
なお、この信号読出し動作は、各水平走査期間内で画素リセット動作よりも前になされるので、信号内に含まれるリセットノイズは1フレーム前の画素リセット動作に起因するため、スペース的な問題等から、チップ内にアナログCDSを配する手法は適用しにくい。そこで、
図2に示すように、撮像素子外(チップ外)にメモリ(信号用フレームメモリ30、リセット用フレームメモリ31)を配設しておき、リセット用フレームメモリ31のN-1フレームメモリ31bに格納された、N-1フレーム目のリセット時の出力電圧と、信号用フレームメモリ30に格納されたNフレーム目の信号読出し時の出力電圧とを、差分演算処理部32において差分演算を行う、デジタルCDS回路25を設けている(以下の実施例2~4において同じ)。
本実施例によれば、画素をリセットする直前に上記n
+拡散層13a、n
-拡散層14aに電子を注入して、その電位を上記n
-拡散層14aの空乏化電位Vdよりも低い一定値とし、その後リセット動作によって注入した電子を浮遊拡散層FDに放出することで、n
+拡散層14aの電位を入射光量によらず一定値にリセットすることができるので、固定パターン雑音や残像を低減した高画質な画像出力を得ることができる。
【0038】
<実施例2>
図4は、実施例2に係る積層型固体撮像装置の1画素、1列分について、読出し回路120、さらにはチップ外(素子外)のメモリ・演算手段130、131、132(デジタルCDS回路125)までを加えた構成を示すものである。
本実施例は上記実施例1と構成が類似しており、リセットトランジスタMRのドレイン部に接続される構成は異なるが、その余は上記実施例1の積層型固体撮像装置と各部材が略同様に構成されている。したがって、上記実施例1の部材に対応する、
図4に係る本実施例の部材については、上記実施例1の部材に付した符号に100を加えた符号を付し、構成が同様のものはその詳しい説明を省略する。
【0039】
図4に示すように、リセットトランジスタMRのドレイン部には、Hレベル電圧印加用トランジスタMRHおよびLレベル電圧印加用トランジスタMRLが接続されている。電子注入動作時においては、Hレベル電圧印加用トランジスタMRHがOFFとされ、Lレベル電圧印加用トランジスタMRLがONとされる。その一方、画素リセット時においては、Hレベル電圧印加用トランジスタMRHがONとされ、Lレベル電圧印加用トランジスタMRLがOFFとされる。
【0040】
図5は、本実施例に係る1水平走査期間における駆動クロックパターンを示すものである。なお、
図5において、RSは行選択トランジスタMSのゲートに印加するクロックパターンを示し、RTはリセットトランジスタMRのゲートに印加するクロックパターンを示し、RTHはHレベル電圧印加用トランジスタMRHのゲートに印加するクロックパターンを示し、RTLはLレベル電圧印加用トランジスタMRLのドレインに印加するクロックパターンを示す。
【0041】
以下、本実施例における、1水平走査期間における信号読出しの動作過程は、実施例1における、1水平走査期間における信号読出しの動作過程と同様であるので詳しい説明は省略する。
ただし、本実施例においては、実施例1とは異なり、リセットトランジスタMRのドレイン部に、Hレベル電圧印加用トランジスタMRHおよびLレベル電圧印加用トランジスタMRLが接続されていることから、(1)電子注入動作および(2)画素リセット動作において異なるところがあるので、この相違点についてのみ説明する。
【0042】
すなわち、本実施例の電子注入動作(
図6に対応)については、行選択トランジスタMSのゲートに印加するクロックRSをHレベルにしてONとした状態で、リセットトランジスタMRのゲートに印加するクロックRTをHレベルにしてONとし、ドレインにHレベルの電圧値VRHが印加されたHレベル電圧印加用トランジスタMRHのゲートに印加するクロックRTHをLレベルにしてOFFとし、ドレインにLレベルの電圧値VRLが印加されたLレベル電圧印加用トランジスタMRLのゲートに印加するクロックRTLをHレベルにしてONとする。
【0043】
転送トランジスタMTのゲートには電源電圧VDDが印加されており、転送トランジスタMTは常時ONのため、電圧値VRLを埋込み拡散層114のn
-拡散層114aの空乏化電位Vdよりも低くなるように設定し、かつ、上記空乏化電位Vdを、転送トランジスタMTのチャネル電位VDD-VTH(転送トランジスタMTのしきい値をVTHとする)よりも低くなるようにn
-拡散層114aのn
-濃度を調整すると、光電変換膜112が接続されたn
+拡散層113aと埋込み拡散層114のn
-拡散層114aに電子が注入され、
図6に示すように、光電変換膜112が接続されたn
+拡散層113a~埋込み拡散層114~浮遊拡散層FDはすべて電圧値VRLにリセットされる。
【0044】
また、本実施例の画素リセット動作(
図7に対応)については、上記(1)の電子注入動作の終了後、ドレインにHレベルの電圧値VRHが印加されたHレベル電圧印加用トランジスタMRHのゲートに印加するクロックRTHをHレベルにしてONとし、ドレインにLレベルの電圧値VRLが印加されたLレベル電圧印加用トランジスタMRLのゲートに印加するクロックRTLをLレベルにしてOFFとする。
【0045】
電圧値VRHは、高いほど画素リセット動作が高速に行われるため、通常電源電圧VDDとする。そうすると、光電変換膜112が接続されたn
+拡散層113aと埋込み拡散層114のn
-拡散層114aに注入された電子は転送トランジスタMTを通して浮遊拡散層FDに放出され、VRH=VDDとしたときの、光電変換膜112が接続されたn
+拡散層113a~埋込み拡散層114~浮遊拡散層FDの電位分布を表した
図7に示すように、光電変換膜112が接続されたn
+拡散層113aは、上記n
-拡散層114aの空乏化電位Vdに、また、浮遊拡散層FDはリセット電位VRHにそれぞれリセットされる。
【0046】
その後、リセットトランジスタMRのゲートに印加するクロックRTをLレベルにしてOFFとし、所定時間経過後、行選択トランジスタMSを、そのゲートに印加するクロックRSをLレベルにしてOFFとし、1水平走査期間におけるリセット動作を終了する。
【0047】
なお、本実施例においても、チップ外においてデジタルCDS処理を行えばよい。この点については実施例1と同様であるので、説明を省略する。
本実施例によれば、上記実施例1と同様に、画素をリセットする直前に上記n+拡散層113a、n-拡散層114aに電子を注入して、その電位を上記n-拡散層114aの空乏化電位Vdよりも低い一定値とし、その後リセット動作によって注入した電子を浮遊拡散層FDに放出することで、n+拡散層114aの電位を入射光量によらず一定値にリセットすることができるので、固定パターン雑音や残像を低減した高画質な画像出力を得ることができる。
【0048】
また、本実施例の変更態様としては、
図4においてリセットトランジスタMRを除き、Hレベル電圧印加用トランジスタMRHのソース部とLレベル電圧印加用トランジスタMRLのソース部を直接転送トランジスタMTのドレイン部113bと増幅トランジスタMAのゲート部に接続してもよく、このときの画素の動作は本実施例における動作と同様である。ただし、この変更形態における画素では、浮遊拡散層FDの容量が上記実施例1の形態における画素よりも大きくなるため、変換ゲインが低くなる。
さらに、
図4において画素内に配置したHレベル電圧印加用トランジスタMRHおよびLレベル電圧印加用トランジスタMRLを画素外に配置してもよい。すなわち、Hレベル電圧印加用トランジスタMRHおよびLレベル電圧印加用トランジスタMRLを、行ごとに、画素外にそれぞれ1個だけ配置し、各々のソース部を、同一行に配置された各列のリセットトランジスタMRのドレイン部と接続してもよい。この場合は、上記リセットトランジスタMRを除いた構成と異なり、変換ゲインは上記実施例1の形態における画素と同じとなる。
【0049】
<実施例3>
実施例3に係る積層型固体撮像装置の1画素、1列分について、再度、
図2を用いて説明する(ただし、
図2中の実施例1の各部材の符号に200を加えた符号をカッコ内に入れて各部材に付す)。
図2中で、本実施例が上述した実施例1と異なる点は以下の点のみである。すなわち、実施例1の転送トランジスタMTのゲート18には、電源電圧VDDが印加されて、転送トランジスタMTがONに維持される状態とされているのに対し、本実施例の転送トランジスタMTのゲート218には、所定の電圧VTDが印加されて、転送トランジスタMTがONに維持される状態とされている点において異なる。
すなわち、本実施例は上記実施例1とは、転送トランジスタMTのゲート218に印加される電圧においてのみ異なり、その余は上記実施例1の積層型固体撮像装置と各部材が略同様に構成されている。したがって、上記実施例1に対応する
図2をそのまま用いるが、転送トランジスタMTのゲート218に印加される電圧は、電源電圧VDDから所定の電圧VTDに読み替えるものとする。
【0050】
なお、本実施例において転送トランジスタMTのゲート218に印加される所定の電圧VTDは、転送トランジスタMTが常時ONとなるように、そのゲートに印加されるDC電圧である。すなわち、
図10に示すように、埋込み拡散層214のn
-拡散層214aの空乏化電位Vdが、転送トランジスタMTのチャネル電位VTD-VTH(転送トランジスタMTのしきい値をVTHとする)よりもわずかに低くなるように、VTDの電圧値およびn
-拡散層214aのn
-濃度が調整されるように設定される。これにより、上記DC電圧VTDは、通常、電源電圧VDDよりも小さくなる。
【0051】
また、本実施例に係る1水平走査期間における駆動クロックパターンは実施例1と同様に
図3を用いて表される。しかし、本実施例における、1水平走査期間における信号読出しの動作過程の作用は、実施例1における、1水平走査期間における信号読出しの動作過程の作用と若干異なるところがあるので、
図3の駆動クロックパターン図に付した各動作過程を、その番号(1)~(4)に従って説明する。
【0052】
(1)電子注入動作
行選択トランジスタMSのゲートに印加するクロックRSをHレベルにしてONとした状態で、リセットトランジスタMRを、そのゲートに印加するクロックRTをHレベルにしてONとし、リセットトランジスタMRのドレインに印加するリセット電圧クロックRTVをLレベルである電圧値RTVLに設定する。
【0053】
また、前述したように、本実施例の電子注入動作においては、転送トランジスタMTのゲートに、常時ONとなるように、そのゲートにDC電圧値VTDが印加されている(
図10を参照)。上記n
-拡散層214aの空乏化電位Vdが、転送トランジスタMTのチャネル電位VTD-VTH(クロックTXの振幅をVTD、転送トランジスタMTのしきい値をVTHとする)よりもわずかに低くなるように、VTDの電圧値およびn
-拡散層214aのn
-濃度を調整するため、上記DC電圧VTDは、通常、電源電圧VDDよりも小さくなる。
【0054】
電圧値RTVLを、上記n
-拡散層214aの空乏化電位Vdよりも低くなるように設定すると、光電変換膜212が接続されたn
+拡散層213aと埋込み拡散層214のn
-拡散層214aに電子が注入され、
図10に示すように、光電変換膜212が接続されたn
+拡散層213a~埋込み拡散層214~浮遊拡散層FDはすべて電圧値RTVLにリセットされる。
【0055】
(2)画素リセット動作
上記(1)の電子注入動作の終了後、リセットトランジスタMRのドレインに印加されるリセット電圧クロックRTVをHレベルである電圧値RTVHに設定する(
図11を参照)。電圧値RTVHは、高いほど画素リセット動作が高速に行われるため、通常電源電圧VDDとする。そうすると、光電変換膜212が接続されたn
+拡散層213aと埋込み拡散層214のn
-拡散層214aに注入された電子は転送トランジスタMTのチャネル216を通して浮遊拡散層FDに放出され、RTVH=VDDとしたときの、光電変換膜212が接続されたn
+拡散層213a~埋込み拡散層214~浮遊拡散層FDの電位分布は
図11に示すように表される。
すなわち、光電変換膜212が接続されたn
+拡散層213aは、上記n
-拡散層214aの空乏化電位Vdに、また、浮遊拡散層FDはリセット電位RTVHにそれぞれリセットされる。
【0056】
その後、リセットトランジスタMRを、そのゲートに印加されるクロックRTをLレベルにしてOFFとし、所定時間経過後、行選択トランジスタMS(
図2を参照)を、そのゲートに印加されるクロックRSをLレベルにしてOFFとし、1水平走査期間におけるリセット動作を終了する。
【0057】
(3)信号電荷蓄積動作
上記(2)の過程でリセットトランジスタMRのゲートに印加するクロックRTをLレベルにしてOFFとなった時点以降において、
図12(a)に示すように、光電変換膜212で発生した信号電荷は、逐次、浮遊拡散層FD側に転送される。
【0058】
転送トランジスタMTのチャネル電位VTD-VTHが、リセット電位RTVHに近い値に設定されている場合は、
図12(b)に示すように、信号電荷は、浮遊拡散層FDおよび転送トランジスタMTのチャネル216に蓄積されることになるが、本実施例では、VTD-VTHが上記n
-拡散層214aの空乏化電位Vdよりもわずかに大きい値に設定されているため、
図12(a)に示すように、浮遊拡散層FDのみに蓄積される。
【0059】
一例として、0.18μmCMOSイメージセンサープロセスで製造した画素において、
図12(a)に示すようなエネルギー準位となるようにVTDを低く設定した場合と、
図12(b)に示すようなエネルギー準位となるようにVTDを高く設定した場合の各測定値から変換ゲインを算出すると、各々56μV/電子と、46μV/電子となり、VTDを低く設定した場合の方が、浮遊拡散層FDにのみ信号電荷が蓄積するため変換ゲインが高くなることが確認できている。
【0060】
(4)信号読出し動作
上記(2)の画素リセット動作が行われた水平走査期間から、1フレーム期間経過すると、浮遊拡散層FDには
図13に示すような信号電荷が蓄積される。1フレーム期間経過後の水平走査期間において、行選択トランジスタMSを、そのゲートに印加するクロックRSをHレベルに切り替えてONとすると、
図13に示すように、浮遊拡散層FDに蓄積された電荷量の高さに相当する電圧VC(浮遊拡散層FDの容量、増幅トランジスタMAのゲート容量、浮遊拡散層FDや増幅トランジスタMAのゲートに係わる配線などの寄生容量の合計容量値をCtotal、電荷量をQsigとすると、Qsig/Ctotal)が、増幅トランジスタMAと負荷トランジスタMLで構成されたソースフォロワ(
図2を参照)によって垂直信号線221に読み出され、読み出し回路220を経由してチップ外に読み出される。
【0061】
なお、本実施例においても、チップ外においてデジタルCDS処理を行えばよい。この点については実施例1と同様であるので、説明を省略する。
本実施例によれば、上記実施例1,2と同様に、画素をリセットする直前に上記n+拡散層213a、n-拡散層214aに電子を注入して、その電位を上記n-拡散層214aの空乏化電位Vdよりも低い一定値とし、その後リセット動作によって注入した電子を浮遊拡散層FDに放出することで、n+拡散層214aの電位を入射光量によらず一定値にリセットして、固定パターン雑音や残像を低減した高画質な画像出力を得ることができる。
【0062】
<実施例4>
実施例4に係る積層型固体撮像装置の1画素、1列分について、再度、
図4を用いて説明する(ただし、本実施例においては
図4中の実施例2の各部材の符号に200を加えた符号をカッコ内に入れて各部材に付す)。
図4中で、本実施例が上述した実施例2と異なる点は以下の点のみである。すなわち、実施例2の転送トランジスタMTのゲート118には、電源電圧VDDが印加されて、転送トランジスタMTがONに維持される状態とされているのに対し、本実施例の転送トランジスタMTのゲート318には、所定の電圧VTDが印加されて、転送トランジスタMTがONに維持される状態とされている点において異なる。
【0063】
すなわち、本実施例は上記実施例2とは、転送トランジスタMTのゲート318に印加される電圧においてのみ異なり、その余は上記実施例2の積層型固体撮像装置と各部材が略同様に構成されている。したがって、上記実施例2に対応する
図4をそのまま用いるが、転送トランジスタMTのゲート318に印加される電圧は、電源電圧VDDから所定の電圧VTDに読み替えるものとする。
【0064】
なお、本実施例において転送トランジスタMTのゲート318に印加される所定の電圧VTDは、転送トランジスタMTが常時ONとなるように、そのゲートに印加されるDC電圧である。すなわち、
図10に示すように、埋込み拡散層314のn
-拡散層314aの空乏化電位Vdが、転送トランジスタMTのチャネル電位VTD-VTH(転送トランジスタMTのしきい値をVTHとする)よりもわずかに低くなるように、VTDの電圧値およびn
-拡散層314aのn
-濃度が調整されるように設定される。これにより、上記DC電圧VTDは、通常、電源電圧VDDよりも小さくなる。
【0065】
また、本実施例に係る1水平走査期間における駆動クロックパターンは実施例2と同様に
図5を用いて表される。しかし、本実施例における、1水平走査期間における信号読出しの動作過程の作用は、実施例3における、1水平走査期間における信号読出しの動作過程の作用と同様である。ただし、実施例3とは、動作過程の(1)電子注入動作、および(2)画素リセット動作において若干異なるところがあるので、その部分についてのみ説明する。
【0066】
すなわち、本実施例の電子注入動作(
図10に対応)については、行選択トランジスタMSのゲートに印加するクロックRSをHレベルにしてONとした状態で、リセットトランジスタMRのゲートに印加するクロックRTをHレベルにしてONとし、ドレインにHレベルの電圧値VRHが印加されたHレベル電圧印加用トランジスタMRHのゲートに印加するクロックRTHをLレベルにしてOFFとし、ドレインにLレベルの電圧値VRLが印加されたLレベル電圧印加用トランジスタMRLのゲートに印加するクロックRTLをHレベルにしてONとする。
【0067】
転送トランジスタMTのゲートには電源電圧VTDが印加されており、転送トランジスタMTは常時ONとされるため、電圧値VRLを上記n
-拡散層314aの空乏化電位Vdよりも低くなるように設定し、かつ、上記空乏化電位Vdを、転送トランジスタMTのチャネル電位VTD-VTH(転送トランジスタMTのしきい値をVTHとする)よりも低くなるように、VTDの電圧値およびn
-拡散層314aのn
-濃度を調整すると、光電変換膜312が接続されたn
+拡散層313aと、埋込み拡散層314のn
-拡散層314aに電子が注入され、
図10に示すように、光電変換膜312が接続されたn
+拡散層313a~埋込み拡散層314~浮遊拡散層FDはすべて電圧値VRLにリセットされる。
【0068】
また、本実施例の画素リセット動作(
図11に対応)については、上記(1)の処理終了後、ドレインにHレベルの電圧値VRHが印加されたHレベル電圧印加用トランジスタMRHのゲートに印加するクロックRTHをHレベルにしてONとし、ドレインにLレベルの電圧値VRLが印加されたLレベル電圧印加用トランジスタMRLのゲートに印加するクロックRTLをLレベルにしてOFFとする。
【0069】
電圧値VRHは、高いほど画素リセット動作が高速に行われるため、通常電源電圧VDDとする。そうすると、光電変換膜312が接続されたn
+拡散層313aと埋込み拡散層314のn
-拡散層314aに注入された電子は転送トランジスタMTを通して浮遊拡散層FDに放出され、VRH=VDDとしたときの、光電変換膜312が接続されたn
+拡散層313a~埋込み拡散層314~浮遊拡散層FDの電位分布を表した
図11に示すように、光電変換膜312が接続されたn
+拡散層113aは埋込み拡散層314のn
-拡散層314aの空乏化電位Vdに、また、浮遊拡散層FDはリセット電位VRHにそれぞれリセットされる。
【0070】
その後、リセットトランジスタMRのゲートに印加するクロックRTをLレベルにしてOFFとし、所定時間経過後、行選択トランジスタMSのゲートに印加するクロックRSをLレベルにしてOFFとし、1水平走査期間におけるリセット動作を終了する。
【0071】
なお、本実施例においても、チップ外においてデジタルCDS処理を行えばよい。この点については実施例1と同様であるので、説明を省略する。
本実施例によれば、上記実施例1~3と同様に、画素をリセットする直前に上記n+拡散層313a、n-拡散層314aに電子を注入して、その電位を上記n-拡散層314aの空乏化電位Vdよりも低い一定値とし、その後リセット動作によって注入した電子を浮遊拡散層FDに放出することで、n+拡散層314aの電位を入射光量によらず一定値にリセットしているので、固定パターン雑音や残像を低減した高画質な画像出力を得ることができる。
【0072】
また、本実施例の変更態様として、
図4においてリセットトランジスタMRを除き、Hレベル電圧印加用トランジスタMRHのソース部とLレベル電圧印加用トランジスタMRLのソース部を直接転送トランジスタMTのドレイン部313bと増幅トランジスタMAのゲート部に接続する、および、
図4において画素内に配置したHレベル電圧印加用トランジスタMRHおよびLレベル電圧印加用トランジスタMRLを画素外に配置する、といった構成が考えられることは、上記実施例2と同様である。
【0073】
<実施例5>
図14は、実施例5に係る積層型固体撮像装置の1画素、1列分について、画素回路410、およびCDS回路405とA/D変換器435からなる読出し回路420(チップ内に配置)を含む構成を示すものである。
本実施例は上記実施例1と構成が類似しており、転送トランジスタMTのゲート418に印加される信号は異なるが、その余は上記実施例1の積層型固体撮像装置と各部材が略同様に構成されている。したがって、上記実施例1の部材に対応する、
図14に係る本実施例の部材については、上記実施例1の部材に付した符号に400を加えた符号を付し、構成が同様のものはその詳しい説明を省略する。
【0074】
この積層型固体撮像装置においては、撮像素子内(チップ内)に、各画素回路410、各画素列にこれら各画素回路410の出力部が接続される垂直信号線421と、この垂直信号線421に接続されるとともに、各画素列に配置された負荷トランジスタMLと、垂直信号線421からの信号を読み出す、アナログCDS回路405およびA/D変換器435からなる読出し回路420が配置されている。
【0075】
CDS回路405は、増幅型カラムノイズ低減回路(コンデンサCc、Cf、正入力側をVCOMに接続されたオペアンプAMPおよびスイッチSRを
図14のように接続してなる)として構成されており、これにより、チップ内でアナログCDS処理を行って、リセットノイズの低減を図るように構成されている。
【0076】
なお、本信号読出しでは、アナログCDS回路405をコンパクトにチップ内に配置する構成が可能である。もちろん、チップ外にアナログCDS回路405を配置してリセットノイズの低減を図ることも可能である。また、アナログCDS回路405の代わりに、浮遊拡散層リセット時の信号出力と、信号読み出し時の信号出力をそれぞれ記憶するフレームメモリ、および差分演算処理部よりなる、
図2、4に示すデジタルCDS回路と類似のデジタルCDS回路をA/D変換器435の後段に配設し、浮遊拡散層リセット時の出力と信号読み出し時の出力をそれぞれ当該フレームメモリに記憶させ、信号読み出し時の出力とリセット時の出力との間で差分演算処理を行う、デジタルCDSによってリセットノイズの低減を図ることも可能である。さらに、アナログCDS回路405、A/D変換器435よりなる読出し回路420の後段に上記デジタルCDS回路を配設し、アナログCDS処理に重畳してデジタルCDS処理を施すことで、更なるリセットノイズの低減を図ることも可能である。
【0077】
また、転送トランジスタMTのゲート418に、クロックTXが印加されることで、転送トランジスタMTのON/OFFの制御がなされている。なお、この転送トランジスタMTは、p型シリコンに形成されたnMOSトランジスタである。
【0078】
図15は、1水平走査期間における駆動クロックパターンを示すものである。なお、
図15において、RSは行選択トランジスタMSのゲートに印加するクロックパターンを示し、RT1はリセットトランジスタMRのゲートに印加するクロックパターンを示し、RT2はCDS回路405のリセットスイッチSRに印加するクロックパターンを示し、TXは、転送トランジスタMTのゲート418に印加するクロックパターンを示し、RTVはリセットトランジスタMRのドレインに印加するリセット電圧クロックパターンを示す。
【0079】
以下、
図14および
図15を用いて、1水平走査期間における信号読出しの動作過程を説明する。なお、実際の1水平走査期間では、(3)浮遊拡散層リセット、(4)画素信号読出し、(1)電子注入、および(2)光電変換部リセットの順で動作するが、ここでは、説明の都合上、(1)電子注入、(2)光電変換部リセット、(3)浮遊拡散層リセット、および(4)画素信号読出しの順に説明する。
また、これらの各番号(1)~(4)は、
図15の駆動クロックパターン図に付した各動作過程の番号(1)~(4)に対応している。
【0080】
(1)電子注入動作
行選択トランジスタMSを、そのゲートに印加するクロックRSをHレベルにしてONとした状態で、リセットトランジスタMRおよび転送トランジスタMTを、そのゲートに印加するクロックRT1およびTXをHレベルにしてONとし、リセットトランジスタMRのドレインに印加するリセット電圧クロックRTVをLレベルである電圧値RTVLに設定する。
【0081】
また、電圧値RTVLを埋込み拡散層414のn
-拡散層414aの空乏化電位Vdよりも低くなるように設定し、かつ、上記空乏化電位Vdを、転送トランジスタMTのチャネル電位VTX-VTH(クロックTXの振幅をVTX、転送トランジスタMTのしきい値をVTHとする)よりも低くなるように、VTXの電圧値およびn
-拡散層414aのn
-濃度を調整すると、光電変換膜412が接続されたn
+拡散層413aと埋込み拡散層414のn
-拡散層414aに電子が注入され、
図18に示すように、光電変換膜412が接続されたn
+拡散層413a~埋込み拡散層414~浮遊拡散層FDはすべて電圧値RTVLにリセットされる。通常は、VTXは電源電圧VDDとする。
【0082】
(2)光電変換部リセット動作
上記(1)の電子注入動作の終了後、リセット電圧クロックRTVをHレベルである電圧値RTVHに設定する。電圧値RTVHは、高いほど画素リセット動作が高速に行われるため、通常電源電圧VDDとする。そうすると、光電変換膜412が接続されたn
+拡散層413aと埋込み拡散層414のn
-拡散層414aに注入された電子は転送トランジスタMTを通して浮遊拡散層FDに放出され、VTX=VDD、RTVH=VDDとしたときの、光電変換膜412が接続されたn
+拡散層413a~埋込み拡散層414~浮遊拡散層FDの電位分布を表した
図19に示すように、光電変換膜412が接続されたn
+拡散層413aは上記n
-拡散層414aの空乏化電位Vdにリセットされ、また、浮遊拡散層FDはリセット電位RTVHに設定される。
【0083】
所定時間経過後、転送トランジスタMTを、そのゲート418に印加するクロックTXをLレベルにしてOFFとし、同時もしくはわずかに遅れてリセットトランジスタMRを、そのゲートに印加するクロックRT1をLレベルにしてOFFとし、最後に行選択トランジスタMSを、そのゲートに印加するクロックRSをLレベルにしてOFFとし、1水平走査期間における光電変換部のリセット動作を終了する。
【0084】
(3)浮遊拡散層リセット動作
上記(2)の光電変換部リセット動作が終了してから1フレーム期間経過後、行選択トランジスタMSを、そのゲートに印加するクロックRSをHレベルにして、また、リセットトランジスタMRを、そのゲートに印加するクロックRT1をHレベルにして、また、CDS回路405のリセットスイッチSRを、印加するクロックRT2をHレベルにして、それぞれONとし、浮遊拡散層FDを電位RTVHにリセットする。
【0085】
所定時間経過後にリセットトランジスタMRを、そのゲートに印加するクロックRT1をLレベルにしてOFFとし、その後アナログCDS回路405のリセットスイッチSRを、印加するクロックRT2をHレベルにしてOFFとして、浮遊拡散層FDのリセットレベルに起因した、ソースフォロワ(増幅トランジスタMAと負荷トランジスタMLにより構成される)から出力された電圧値をアナログCDS回路405のリセットレベルにクランプする。このときの、光電変換膜412が接続されたn
+拡散層413a~埋込み拡散層414~浮遊拡散層FDの電位分布は
図20により表される。
図20に示されるように、1フレーム期間に光電変換膜412で発生した信号電荷が、上記n
+拡散層413aと埋込み拡散層414に蓄積されている。
【0086】
(4)信号読出し動作
上記(3)の浮遊拡散層リセット動作が終了した後、転送トランジスタMTを、そのゲート418に印加するクロックTXをHレベルにしてONとすると、
図21(a)に示すように、上記n
+拡散層413aと埋込み拡散層414のn
-拡散層414aに蓄積された信号電荷が浮遊拡散層FDに転送される。
【0087】
所定時間経過後に、転送トランジスタMTを、そのゲート418に印加するクロックTXをLレベルにしてOFFとすると、
図21(b)に示すように、信号電荷は浮遊拡散層FDに蓄積され、この電荷量に相当する電圧VB(浮遊拡散層FDの容量、増幅トランジスタMAのゲート容量、浮遊拡散層FDや増幅トランジスタMAのゲートに係わる配線などの寄生容量の合計容量値をCtotal、電荷量をQsigとすると、Qsig/Ctotal)が、増幅トランジスタMAと負荷トランジスタMLにより構成されたソースフォロワによって垂直信号線に出力され、この出力された電圧値がアナログCDS回路405にサンプリングされる。
【0088】
この処理により、アナログCDS回路405の出力は、上述した(3)の動作においてクランプされたリセットレベルに、ソースフォロワの出力電圧分だけ加えたものとなる。クランプされたリセットレベルは、オペアンプAMPの正入力電圧VCOMであるため、CDS回路405からの出力は、上記(3)の浮遊拡散層リセット動作において発生したリセットノイズが除去された値となる。なお、アナログCDS回路405からの出力は、A/D変換器435によりデジタル値に変換されて外部に出力される。
【0089】
なお、この信号読出し動作において、上記(2)の光電変換部リセット動作では、光電変換部にリセットノイズは発生せず、浮遊拡散層FDに発生するリセットノイズは、1フレーム期間経過後に行われる上記(3)の浮遊拡散層リセット動作によって初期化される。すなわち、浮遊拡散層FDに発生するリセットノイズは、上記(3)の浮遊拡散層リセット動作により発生したものとなるため、続いて上記(4)の信号読出し動作を行うように構成することにより、アナログCDS回路405によるリセットノイズ低減処理を可能としている。
【0090】
<実施例6>
図16は、実施例6に係る積層型固体撮像装置の1画素、1列分について、画素回路510、およびアナログCDS回路505とA/D変換器535からなる読出し回路520(チップ内に配置)を含む構成を示すものである。
本実施例は上記実施例5と構成が類似しており、リセットトランジスタMRのドレイン部に接続される構成は異なるが、その余は上記実施例5の積層型固体撮像装置と各部材が略同様に構成されている。したがって、上記実施例5の部材に対応する、
図16に係る本実施例の部材については、上記実施例5の部材に付した符号に100を加えた符号を付し、構成が同様のものはその詳しい説明を省略する。
【0091】
図16に示すように、リセットトランジスタMRのドレイン部には、Hレベル電圧印加用トランジスタMRHおよびLレベル電圧印加用トランジスタMRLが接続されている。電子注入動作時においては、Hレベル電圧印加用トランジスタMRHがOFFとされ、Lレベル電圧印加用トランジスタMRLがONとされる。その一方、画素リセット時においては、Hレベル電圧印加用トランジスタMRHがONとされ、Lレベル電圧印加用トランジスタMRLがOFFとされる。
なお、アナログCDS回路505については、上記実施例5のアナログCDS回路405と同様であるので、詳しい説明は省略する。また、アナログCDS回路505の代わりにA/D変換器535の後段にデジタルCDS回路を配設し、リセットノイズの低減を図ること、さらにアナログCDS回路505とA/D変換器535よりなる読出し回路520の後段にデジタルCDS回路を配設し、アナログCDS処理に重畳してデジタルCDS処理を施すことで、更なるリセットノイズの低減を図ることについても、上記実施例5と同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0092】
図17は、本実施例に係る1水平走査期間における駆動クロックパターンを示すものである。なお、
図17において、RSは行選択トランジスタMSのゲートに印加するクロックパターンを示し、RT1はリセットトランジスタMRのゲートに印加するクロックパターンを示し、RT2はアナログCDS回路505のリセットスイッチSRに印加するクロックパターンを示し、TXは、転送トランジスタMTのゲート518に印加するクロックパターンを示し、RTHはHレベル電圧印加用トランジスタMRHのゲートに印加するクロックパターンを示し、RTLはLレベル電圧印加用トランジスタMRLのゲートに印加するクロックパターンを示す。
【0093】
以下、本実施例における、1水平走査期間における信号読出しの動作過程は、実施例5における、1水平走査期間における信号読出しの動作過程と同様であるので詳しい説明は省略する。
ただし、本実施例においては、実施例5とは異なり、リセットトランジスタMRのドレイン部に、Hレベル電圧印加用トランジスタMRHおよびLレベル電圧印加用トランジスタMRLが接続されていることから、(1)電子注入動作および(2)光電変換部リセット動作において異なるところがあるので、この相違点についてのみ説明する。
【0094】
すなわち、本実施例に係る(1)の電子注入動作(
図18に対応)については、行選択トランジスタMSをそのゲートに印加するクロックRSをHレベルにしてONとした状態で、リセットトランジスタMRおよび転送トランジスタMTを、そのゲートに印加するクロックRT1およびTXをHレベルにしてONとし、ドレインにHレベルの電圧値VRHが印加されたHレベル電圧印加用トランジスタMRHを、そのゲートに印加するクロックRTHをLレベルにしてOFFとし、ドレインにLレベルの電圧値VRLが印加されたLレベル電圧印加用トランジスタMRLを、そのゲートに印加するクロックRTLをHレベルにしてONとする。
【0095】
また、電圧値VRLを埋込み拡散層514のn-拡散層514aの空乏化電位Vdよりも低くなるように設定し、かつ、上記空乏化電位Vdを、転送トランジスタMTのチャネル電位VTX-VTH(クロックTXの振幅をVTX、転送トランジスタMTのしきい値をVTHとする)よりも低くなるように、VTXの電圧値およびn
-拡散層514aのn
-濃度を調整すると、光電変換膜512が接続されたn
+拡散層513aと上記n-拡散層514aに電子が注入され、
図18に示すように、上記n
+拡散層513a~埋込み拡散層514~浮遊拡散層FDはすべて電圧値VRLにリセットされる。通常は、VTXは電源電圧VDDとする。
【0096】
また、本実施例に係る(2)の光電変換部リセット動作(
図19に対応)については、上記(1)の電子注入動作の終了後、ドレインにHレベルの電圧値VRHが印加されたHレベル電圧印加用トランジスタMRHのゲートに印加するクロックRTHをHレベルにしてONとし、ドレインにLレベルの電圧値VRLが印加されたLレベル電圧印加用トランジスタMRLのゲートに印加するクロックRTLをLレベルにしてOFFとする。
【0097】
電圧値VRHは、高いほど画素リセット動作が高速に行われるため、通常電源電圧VDDとする。そうすると、上記n
+拡散層513aと埋込み拡散層514に注入された電子は転送トランジスタMTを通して浮遊拡散層FDに放出され、VTX=VDD、VRH=VDDとしたときの、上記n
+拡散層513a~埋込み拡散層514~浮遊拡散層FDの電位分布を表した
図19に示すように、上記n
+拡散層513aは埋込み拡散層514のn
-拡散層514aの空乏化電位Vdにリセットされ、また、浮遊拡散層FDはリセット電位VRHに設定される。
【0098】
所定時間経過後、転送トランジスタMTを、そのゲート418に印加するクロックTXをLレベルにしてOFFとし、同時もしくはわずかに遅れてリセットトランジスタMRを、そのゲートに印加するクロックRT1をLレベルにしてOFFとし、最後に行選択トランジスタMSを、そのゲートに印加するクロックRSをLレベルにしてOFFとし、1水平走査期間における光電変換部のリセット動作を終了する。
【0099】
また、本実施例の変更態様として、
図16においてリセットトランジスタMRを除き、Hレベル電圧印加用トランジスタMRHのソース部とLレベル電圧印加用トランジスタMRLのソース部を直接転送トランジスタMTのドレイン部513bと増幅トランジスタMAのゲート部に接続する、および、
図16において画素内に配置したHレベル電圧印加用トランジスタMRHおよびLレベル電圧印加用トランジスタMRLを画素外に配置する、といった構成が考えられることは、上記実施例2、4と同様である。
【0100】
本発明の積層型固体撮像装置としては、上述した実施形態のものに限られるものではなく、その他の種々の態様の変更が可能である。
例えば、上記実施例のものではいずれも光電変換膜で発生する信号電荷は電子とされているが、光電変換膜で発生する信号電荷を正孔とし、下記変更点1~6を満足する構成とすることにより、上述した実施例のものと同様の作用効果を奏し得る。
変更点1.画素を構成するトランジスタのnとpの極性を逆にする。
変更点2.駆動クロックパターンRS、RT、RT1、TXは負論理、すなわちHが低い電圧値、Lが高い電圧値とする。
変更点3.RTVも負論理、すなわちHレベルとLレベルが逆転したパターン(RTVHが低い電圧値、RTVLが高い電圧値)とする。
変更点4.RTHとRTLも負論理、すなわちHレベルとLレベルが逆転したパターンとする。
変更点5.VDDはVSSに、VSSはVDDに、互いに入れ替える。
変更点6.VTDは、VTD-VTHが空乏化電位Vdよりもわずかに低くなるように設定する。
また、全体の回路構成も、適用する撮像方式に応じて変更したものを適宜採用し得る。
【0101】
また、CDS回路について、上記実施例1~4においては、チップ外にデジタルCDS回路を、また、上記実施例5、6においては、チップ内にアナログCDS回路を設けているが、いずれの実施例においても、チップ外/チップ内のいずれに設けることも可能である。ただし、チップ内に設ける場合、特にデジタルCDS回路をチップ内に設ける場合には、スペース的な問題が生じるので、各メモリを積層構造により構成する等の工夫を施すことが肝要である。
【符号の説明】
【0102】
1 画素アレイ
2 単位画素
7 制御部(制御クロック発生部)
8 水平走査回路
8a 水平スイッチ
9 垂直走査回路
9a シフトレジスタ
9b AND回路
10、110、410、510 画素回路
11、111、211、411、511 金属電極
12、112、212、412、512 光電変換膜
13a、13b、113a、113b、213a、213b、413a、413b、513a、513b n+拡散層
14、114、214、414、514 埋込み拡散層
14a、114a、214a、414a、514a n-拡散層
15、115、215、415、515 p+拡散層
16、116、216、416、516 チャネル
18、118、218、418、518 ゲート
20、120、420、520 読出し回路
21、121、421、521 垂直信号線
25、125 デジタルCDS回路
30、130 信号用フレームメモリ
31、131 リセット用フレームメモリ
31a、131a Nフレームメモリ
31b、131b N-1フレームメモリ
32、132 差分演算処理部
35、135、435、535 A/D変換器
405、505 アナログCDS回路
MR リセットトランジスタ
MA 増幅トランジスタ
MS 行選択トランジスタ
MT 転送トランジスタ
ML 負荷トランジスタ
FD 浮遊拡散層
VTX 転送トランジスタMTのゲートに印加するDC電圧
RT リセットトランジスタMRのゲートに印加するクロック
RT1 リセットトランジスタMRのゲートに印加するクロック
RT2 リセットスイッチSRに印加するクロック
RTH Hレベル電圧印加用トランジスタのゲートに印加するクロック
RTL Lレベル電圧印加用トランジスタのゲートに印加するクロック
RTV リセットトランジスタMRのドレインに印加するリセット電圧クロック
RS 行選択トランジスタMSのゲートに印加するクロック
SR リセットスイッチ
TX 転送トランジスタMTのゲートに印加するクロック
VA 負荷トランジスタMLのゲートに印加するバイアス電圧
VRH Hレベル電圧印加用トランジスタのドレインに印加するDC電圧
VRL Lレベル電圧印加用トランジスタのドレインに印加するDC電圧
VTD 転送トランジスタMTに印加するDC電圧
VDD 電源電圧
Vd 埋込み拡散層の空乏化電位
VB、VC 信号電圧
VCOM アナログCDS回路を構成するオペアンプの正入力電圧
AMP アナログCDS回路を構成するオペアンプ
Cc クランプ容量
Cf 帰還容量