(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】再構成可能電圧レギュレータ
(51)【国際特許分類】
H02M 3/07 20060101AFI20241018BHJP
G06F 1/26 20060101ALI20241018BHJP
G11C 5/14 20060101ALI20241018BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20241018BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
H02M3/07
G06F1/26
G11C5/14 400
H01L27/04 F
H01L27/04 G
(21)【出願番号】P 2021545465
(86)(22)【出願日】2019-04-10
(86)【国際出願番号】 CN2019082058
(87)【国際公開番号】W WO2020206633
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2021-09-21
【審判番号】
【審判請求日】2023-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】519237948
【氏名又は名称】長江存儲科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Yangtze Memory Technologies Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Weilai 3rd Road,East Lake High-tech Development Zone,Wuhan,Hubei,China
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】チャオ・リアン
【合議体】
【審判長】須田 勝巳
【審判官】山崎 慎一
【審判官】脇岡 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-23430(JP,A)
【文献】特開2002-32987(JP,A)
【文献】特開2014-187764(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/01685(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M3/07
G06F1/26
G11C/14
H01L21/822
H01L27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電圧ゾーンに対応する複数の電源ドメインを有するシステムで使用するための、再構成可能電圧レギュレータであって、
電源に結合され、また、前記電源の出力範囲を前記システムの前記複数の電源ドメインに対応する複数の電圧ゾーンに分割し、かつ、前記複数の電源ドメインのうちの第1の電源ドメインに関連付けられたポンプイネーブル信号を付与するように構成されている出力検出回路と、
第1番目の行~第M番目の行及び第1番目の列~第N番目の列によって規定される、行列状に配置された複数のポンプ段を含むチャージポンプであって、
各前記ポンプ段が、前記ポンプイネーブル信号の対応するビットに応じて駆動されるか、又は停止され、また、
前記M及び前記Nが1より大きい整数である、チャージポンプと、を備え
、
前記出力検出回路が、
前記電源によって供給されるバイアス電圧と接地電圧との間に直列に結合され、前記複数の電源ドメインに関連付けられる複数のタップ電圧を供給する分圧器と、
前記複数のタップ電圧のうちの対応するタップ電圧に応じて、論理信号を出力するようにそれぞれ構成された複数のコンパレータと、
各前記コンパレータによって出力される前記論理信号を含む、判定信号を受信し、かつ、前記判定信号を、前記第1の電源ドメインに関連付けられたMビットの行イネーブル信号及びNビットの列イネーブル信号へと復号するように構成された、第1のデコーダと、
前記Mビットの行イネーブル信号及び前記Nビットの列イネーブル信号を、MxNビットを有する前記ポンプイネーブル信号へと変換するように構成された、第2のデコーダと、を含み、
前記判定信号は、有効にされる前記ポンプ段の数を示し、
前記Mビットの行イネーブル信号は、前記行列において有効にされる前記ポンプ段の行の数を示し、
前記Nビットの列イネーブル信号は、前記行列において有効にされる前記ポンプ段の列の数を示す、
再構成可能電圧レギュレータ。
【請求項2】
各前記ポンプ段
が、電圧マルチプライヤである、請求項1に記載の再構成可能電圧レギュレータ。
【請求項3】
複数のスイッチをさらに備え、
前記行列の前記第1番目の列上の各前記ポンプ段が、前記電源によって供給されるバイアス電圧に結合されており、また、
前記行列の前記第2番目の列から前記第N番目の列上の各前記ポンプ段が、前記複数のスイッチのうちの対応するスイッチを介して、前記バイアス電圧に選択的に結合されている、請求項1に記載の再構成可能電圧レギュレータ。
【請求項4】
前記行列の第m番目の行上及び第(n+1)番目の列上のポンプ段を前記バイアス電圧に選択的に結合するスイッチが、前記行列の前記第m番目の行上及び第n番目の列上のポンプ段が停止されるとオンになり、前記行列の前記第m番目の行上及び前記第n番目の列上の前記ポンプ段が駆動されるとオフになり、
前記mが1~Mの整数であり、また、
前記(n+1)が2~Nの整数である、
請求項
3に記載の再構成可能電圧レギュレータ。
【請求項5】
前記ポンプイネーブル信号が、前記複数のポンプ段のうちの1つのポンプ段による電圧増幅を示す場合に、前記行列の前記第1番目の行上及び前記第N番目の列上の第1のポンプ段が駆動される、請求項1に記載の再構成可能電圧レギュレータ。
【請求項6】
前記ポンプイネーブル信号が、前記複数のポンプ段のうちの2つのポンプ段による電圧増幅を示す場合に、前記行列の前記第1番目の行上及び前記第N番目の列上の第1のポンプ段が駆動され、前記行列の前記第1番目の行上及び前記第(N-1)番目の列上の第2のポンプ段が駆動され、そして前記第1のポンプ段及び前記第2のポンプ段を除く、前記複数のポンプ段のうちの他のポンプ段が停止される、請求項1に記載の再構成可能電圧レギュレータ。
【請求項7】
前記ポンプイネーブル信号が、前記複数のポンプ段のうちの2つのポンプ段による電圧増幅を示す場合に、前記行列の前記第1番目の行上及び前記第N番目の列上の第1のポンプ段が駆動され、前記行列の前記第2番目の行上及び前記第N番目の列上の第2のポンプ段が駆動され、そして前記第1のポンプ段及び前記第2のポンプ段を除く、前記複数のポンプ段のうちの他のポンプ段が停止される、請求項1に記載の再構成可能電圧レギュレータ。
【請求項8】
前記ポンプイネーブル信号が、前記複数のポンプ段のうちの4つのポンプ段による電圧増幅を示す場合に、前記行列の前記第1番目の行上及び前記第N番目の列上の第1のポンプ段が駆動され、前記行列の前記第1番目の行上及び前記第(N-1)番目の列上の第2のポンプ段が駆動され、前記行列の前記第2番目の行上及び前記第N番目の列上の第3のポンプ段が駆動され、前記行列の前記第2番目の行上及び前記第(N-1)番目の列上の第4のポンプ段が駆動され、そして前記第1のポンプ段~前記第4のポンプ段を除く、前記複数のポンプ段のうちの他のポンプ段が停止される、請求項1に記載の再構成可能電圧レギュレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再構成可能電圧レギュレータに関し、より詳細には、複数の電源ドメインを有するシステムで使用するための、再構成可能電圧レギュレータに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、ラップトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)などの多くのポータブル製品では、通信プログラムやマルチメディアプログラムなどのプログラムを実行する処理システムを利用している。そのような製品用の処理システムは、例えば単一のチップ上に構成される複数のプロセッサと、命令やデータを記憶するための多層のキャッシュ及びメモリを含む複合メモリシステムと、コントローラと、通信インターフェースなどの周辺デバイスと、固定機能の論理ブロックと、を含み得る。一方で、ポータブル製品では、こうした処理システムによる高性能の動作をサポートするために必要とされることの多いバッテリ形式の、限られたエネルギー源を有し、また、機能性が増すにつれて、そのメモリ容量はますます増大している。そのような懸念は、やはり全体的に削減されるエネルギー消費量で動作するように、効率的な設計によって開発されているパーソナルコンピュータ製品にも及ぶ。
【0003】
このようなポータブルシステムでは一般に、1つ又は複数のチップ上の回路の1つ又は複数の電圧を調整する、LDOレギュレータとも呼ばれる1つ又は複数の低ドロップアウト(low-dropout:LDO)電圧レギュレータが、電源管理チップ上に組み込まれている。これら複数のLDOレギュレータの各LDOレギュレータは、特定の電源ドメイン内の回路に対する電圧を調整するために使用されている。例えば、携帯電話には、読出し動作、書込み動作及び消去動作を行うために、様々な高電圧を要するフラッシュメモリを採用することができる。これらの電圧は、LDOレギュレータが作り出す内部電源に基づくチャージポンプによって生成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術によるLDOソリューションで主にマイナスとなるのは、ポータブルシステムの電力効率が低下する点である。また、AC又は過渡性能を補償するために多くの減結合コンデンサを使用する必要が生じると、ダイサイズの増大を招くことになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、複数の電源ドメインを有するシステムで使用するための、再構成可能電圧レギュレータに関する。本再構成可能電圧レギュレータは、出力検出回路と、チャージポンプと、を備える。この出力検出回路は電源に結合され、また、この電源の出力範囲を本システムの複数の電源ドメインに対応する複数の電圧ゾーンに分割し、複数の電源ドメインのうちの第1の電源ドメインに関連付けられたポンプイネーブル信号を付与するように構成されている。このチャージポンプは、第1番目の行~第M番目の行及び第1番目の列~第N番目の列によって規定される、行列状に配置された複数のポンプ段を含み、M及びNは1より大きい整数である。各ポンプ段は、ポンプイネーブル信号の対応するビットに応じて駆動されるか、又は停止される。
【0006】
本発明のこれら及び他の目的は、様々な図及び図面において例示している好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明を読解した後、当業者には間違いなく明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態による、複数の電源ドメインで構成されたシステムで使用するための、再構成可能電圧レギュレータを示す機能図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、複数の電源ドメインで構成されたシステムで使用するための、再構成可能電圧レギュレータの出力検出回路の実装形態を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、再構成可能電圧レギュレータのチャージポンプの実装形態を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態による、再構成可能電圧レギュレータの動作を示す図である。
【
図5】本発明の別の実施形態による、再構成可能電圧レギュレータの動作を示す図である。
【
図6】本発明の別の実施形態による、再構成可能電圧レギュレータの動作を示す図である。
【
図7】本発明の別の実施形態による、再構成可能電圧レギュレータの動作を示す図である。
【
図8】本発明の別の実施形態による、再構成可能電圧レギュレータの動作を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態による、各ポンプ段の実装形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の一実施形態による、複数の電源ドメインで構成されたシステムで使用するための、再構成可能電圧レギュレータ100を示す機能図である。再構成可能電圧レギュレータ100は、外部電源10によってその動作が維持される、出力検出回路20と、チャージポンプ30と、を備える。出力検出回路20は、外部電源10の全出力範囲を、本システムの複数の電源ドメインに対応する複数の電圧ゾーンに分割するように構成されている。チャージポンプ30は、電圧ゾーンごとに再構成可能であり、出力ベースの電圧マルチプライヤのごとく動作するように構成され、それによって本システムの全出力範囲の間で、電力効率の最適化を実現している。
【0009】
図2は、本発明の一実施形態による、L個の(Lは、1より大きい整数である)電源ドメインで構成されたシステムで使用するための、再構成可能電圧レギュレータ100の出力検出回路20の実装形態を示す図である。出力検出回路20は、分圧器22と、コンパレータCP
1~CP
Lと、第1のデコーダ24と、第2のデコーダ26と、を含む。分圧器22は、外部電源10によって供給されるバイアス電圧VCCと接地電圧GNDとの間に直列に結合されている複数の抵抗器を含んでいてもよく、ここで、L個のタップ電圧V
1~V
Lが、隣り合う2つの抵抗器間に供給される。コンパレータCP
1~CP
Lの各々は、対応するタップ電圧を受け取るように結合されている正入力端子と、対応する基準電圧(V
REF1~V
REFL)に結合されている負入力端子と、出力端子と、を含む。各コンパレータは、その正入力端子で受け取られるタップ電圧が、その負入力端子で受け取られる基準電圧よりも高い場合に、論理1信号を出力するように構成され、また、各コンパレータは、その正入力端子で受け取られるタップ電圧が、その負入力端子で受け取られる基準電圧以下である場合に、論理0信号を出力するように構成されている。コンパレータCP
1~CP
Lの出力信号は、いずれもLビットの判定信号det<L:1>を形成する。第1のデコーダ14は、判定信号det<L:1>を行イネーブル信号en_row<1:M>及び列イネーブル信号en_column<1:N>へと復号するように構成されており、M及びNは1より大きい正の整数である。第2のデコーダ16は、これら行イネーブル信号en_row<1:M>及び列イネーブル信号en_column<1:N>を、本システムの特定の電源ドメインに関連付けられた、ポンプイネーブル信号EN<1:MxN>へと変換するように構成されている。
【0010】
図3は、本発明の一実施形態による、チャージポンプ30の実装形態を示す図である。チャージポンプ30は、M行及びN列によって規定される、行列状に配置され、かつポンプ出力V
OUTを供給するように構成された、複数のポンプ段ST
11~ST
MNを含む。第1番目の列上のポンプ段ST
11~ST
M1は、外部電源10によって供給されるバイアス電圧VCCに結合されている。第2番目の列上のポンプ段ST
12~ST
M2から第N番目の列上のポンプ段ST
1N~ST
MNの各々は、それぞれのスイッチSW
12~SW
M2からST
1N~ST
MNを介して、バイアス電圧VCCに選択的に結合されている。ポンプ段ST
11~ST
MNは、出力検出回路10によって生成されるポンプイネーブル信号EN<1:MxN>の対応するビットen<1,1>~en<M,N>により、有効又は無効にされる。スイッチSWL
12~SW
M2からST
1N~ST
MNは、制御信号S
12~S
M2からS
1N~S
MNにより、それぞれオン又はオフされる。
【0011】
図4~
図8は、本発明の実施形態による、再構成可能電圧レギュレータ100の動作を示す図である。M及びNの数は、本システム内のL個の電源ドメインの各々につき、再構成可能である。例示を目的として、
図4~
図8は、M=2及びN=3の場合の実施形態を示す。ただし、このM及びNの数は、本発明の範囲を限定するものではない。
【0012】
図4~
図8に示す実施形態では、ポンプ段ST
11、ST
12、ST
13、ST
21、ST
22、及びST
23は、出力検出回路10によって生成されるポンプイネーブル信号EN<1:6>の対応するビットen<1,1>、en<1,2>、en<1,3>、en<2,1>、en<2,2>及びen<2,3>により、有効又は無効にされる。当該行列の第1番目の列上のポンプ段ST
11及びST
21は、バイアス電圧VCCに直接結合されている。当該行列の第2番目の列上及び第3番目の列上のポンプ段ST
12、ST
13、ST
22、及びST
23は、制御信号S
12、S
13、S
22、及びS
23によって各々オン又はオフされるそれぞれのスイッチSW
12、SW
13、SW
22、及びSW
23を介して、バイアス電圧VCCに結合されている。本発明において、これらの制御信号S
12、S
13、S
22、及びS
23は、ポンプイネーブル信号EN<1:6>のビットen<1,1>、en<1,2>、en<2,1>及びen<2,2>をそれぞれ反転することによって付与される。より具体的には、当該行列の同じ行上のポンプ段において、当該行列の第(n+1)番目の列上のポンプ段は、当該行列の第n番目の列上のポンプ段が停止されるときに、その対応するスイッチがオンされることによってバイアス電圧VCCに結合され、あるいは当該行列の第n番目の列上のポンプ段が駆動されるときに、その対応するスイッチがオフされることによってバイアス電圧VCCから切り離され、ここで、nは2~Nの整数である。
【0013】
図4に示す実施形態では、バイアス電圧VCCが最大値の3.6Vであると仮定している。このような状況下では、コンパレータCP
1~CP
Lが出力する判定信号det<L:1>の各ビットは論理1となる。第1のデコーダ24が判定信号det<L:1>を復号した後、行イネーブル信号en_row<1:2>は、Verilogでは2’b10に等しくなり、列イネーブル信号en_column<1:3>は、Verilogでは3’b100に等しくなる。第2のデコーダ26が行イネーブル信号en_row<1:2>及び列イネーブル信号en_column<1:3>を変換した後、ポンプイネーブル信号EN<1:6>は、Verilogでは6’b001000に等しくなる。
図4に示すように、ポンプ段ST
11、ST
12、ST
13、ST
21、ST
22及びST
23は、ポンプイネーブル信号EN<1:6>のビットen<1,1>、en<1,2>、en<1,3>、en<2,1>、en<2,2>及びen<2,3>によってそれぞれ制御される。したがって、論理1のイネーブルレベルを有するビットen<1,3>によって示すように、ポンプ段ST
13のみが駆動される。また、ビットen<1,1>、en<1,2>、en<2,1>及びen<2,2>が論理0のディセーブルレベルであるため、制御信号S
12、S
13、S
22、及びS
23が論理1のイネーブルレベルである場合、スイッチSW
12、SW
13、SW
22及びSW
23をオンし、それによってポンプ段ST
12、ST
13、ST
22及びST
23がバイアス電圧VCCに結合される。
【0014】
図5に示す実施形態では、バイアス電圧VCCが最小値の1.6Vであると仮定している。このような状況下では、コンパレータCP
1~CP
Lが出力する判定信号det<L:1>の各ビットは論理0となる。第1のデコーダ24が判定信号det<L:1>を復号した後、行イネーブル信号en_row<1:2>は、Verilogでは2’b11に等しくなり、列イネーブル信号en_column<1:3>は、Verilogでは3’b111に等しくなる。第2のデコーダ26が行イネーブル信号en_row<1:2>及び列イネーブル信号en_column<1:3>を変換した後、ポンプイネーブル信号EN<1:6>は、Verilogでは6’b111111に等しくなる。
図5に示すように、ポンプ段ST
11、ST
12、ST
13、ST
21、ST
22及びST
23は、ポンプイネーブル信号EN<1:6>のビットen<1,1>、en<1,2>、en<1,3>、en<2,1>、en<2,2>及びen<2,3>によってそれぞれ制御される。したがって、論理1のイネーブルレベルを有するビットen<1,1>、en<1,2>、en<1,3>、en<2,1>、en<2,2>及びen<2,3>によって示すように、ポンプ段ST
11、ST
12、ST
13、ST
21、ST
22及びST
23がすべて駆動される。また、制御信号S
12、S
13、S
22、及びS
23が論理0のディセーブルレベルである場合、スイッチSW
12、SW
13、SW
22及びSW
23をオフし、それによってポンプ段ST
12、ST
13、ST
22及びST
23がバイアス電圧VCCから切り離される。
【0015】
図6に示す実施形態では、電圧VCCが、2つのポンプ段による電圧増幅を必要とする値であると仮定している。このような状況下では、ポンプイネーブル信号EN<1:6>は、Verilogでは6’b001001に等しくてもよい。
図6に示すように、ポンプ段ST
11、ST
12、ST
13、ST
21、ST
22及びST
23は、ポンプイネーブル信号EN<1:6>のビットen<1,1>、en<1,2>、en<1,3>、en<2,1>、en<2,2>及びen<2,3>によってそれぞれ制御される。したがって、それぞれが論理1のイネーブルレベルを有するビットen<1,3>及びen<2,3>によって示すように、ポンプ段ST
13及びST
23のみが駆動される。また、ビットen<1,1>、en<1,2>、en<2,1>及びen<2,2>がそれぞれ論理0のディセーブルレベルであるため、制御信号S
12、S
13、S
22、及びS
23がそれぞれ論理1のイネーブルレベルである場合、スイッチSW
12、SW
13、SW
22及びSW
23をオンし、それによってポンプ段ST
12、ST
13、ST
22及びST
23がバイアス電圧VCCに結合される。
【0016】
図7に示す実施形態では、電圧VCCが、2つのポンプ段による電圧増幅を必要とする値であると仮定している。このような状況下では、ポンプイネーブル信号EN<1:6>は、Verilogでは6’b011000に等しくてもよい。
図7に示すように、ポンプ段ST
11、ST
12、ST
13、ST
21、ST
22及びST
23は、ポンプイネーブル信号EN<1:6>のビットen<1,1>、en<1,2>、en<1,3>、en<2,1>、en<2,2>及びen<2,3>によってそれぞれ制御される。したがって、それぞれが論理1のイネーブルレベルを有するビットen<1,2>及びen<1,3>によって示すように、ポンプ段ST
12及びST
13のみが駆動される。また、ビットen<1,1>、en<2,1>及びen<2,2>がそれぞれ論理0のディセーブルレベルであるため、制御信号S
12、S
22、及びS
23がそれぞれ論理1のイネーブルレベルである場合、スイッチSW
12、SW
22及びSW
23をオンし、それによってポンプ段ST
12、ST
22及びST
23がバイアス電圧VCCに結合される。ビットen<1,2>が論理1のイネーブルレベルであるため、制御信号S
13が論理0のディセーブルレベルである場合、スイッチSW
13をオフし、それによってポンプ段ST
13がバイアス電圧VCCから切り離される。
【0017】
図8に示す実施形態では、電圧VCCが、4つのポンプ段による電圧増幅を必要とする値であると仮定している。このような状況下では、ポンプイネーブル信号EN<1:6>は、Verilogでは6’b011011に等しくてもよい。
図8に示すように、ポンプ段ST
11、ST
12、ST
13、ST
21、ST
22及びST
23は、ポンプイネーブル信号EN<1:6>のビットen<1,1>、en<1,2>、en<1,3>、en<2,1>、en<2,2>及びen<2,3>によってそれぞれ制御される。したがって、それぞれが論理1のイネーブルレベルを有するビットen<1,2>、en<1,3>、en<2,2>及びen<2,3>によって示すように、ポンプ段ST
12、ST
13、ST
22及びST
23が駆動される。また、ビットen<1,1>及びen<2,1>がそれぞれ論理0のディセーブルレベルであるため、制御信号S
12及びS
22がそれぞれ論理1のイネーブルレベルである場合、スイッチSW
12及びSW
22をオンし、それによってポンプ段ST
12及びST
22がバイアス電圧VCCに結合される。ビットen<1,2>及びen<2,2>がそれぞれ論理1のイネーブルレベルであるため、制御信号S
13及びS
23がそれぞれ論理0のディセーブルレベルである場合、スイッチSW
13及びSW
23をオフし、それによってポンプ段ST
13及びST
23がバイアス電圧VCCから切り離される。
【0018】
本発明において、ポンプ段ST
11~ST
MNの各々は電圧マルチプライヤであってもよい。
図9は、本発明の一実施形態による、各ポンプ段の実装形態を示す図である。
図9に示す実施形態では、各ポンプ段は、入力電圧V
INを2倍に増幅することによって出力電圧V
OUTを供給するように構成された、Pelliconi電圧ダブラとして実装されてもよい。ただし、ポンプ段ST
11~ST
MNのこのような実装形態は、本発明の範囲を限定するものではない。
【0019】
本発明による再構成可能電圧レギュレータ100では、出力検出回路20は、外部電源10の電流レベルをリアルタイムで検出することができる。本再構成可能電圧レギュレータ100によって実装されるチップが複数の電源ドメインを有するシステムに適用される場合、チャージポンプ30は、現在の電源ドメインに関連付けられた、対応する出力電圧VOUTを供給するように、自発的に再構成されてもよい。本再構成可能電圧レギュレータ100によって実装されるシステムの電源が変化するときで、例えばリチウムベースのバッテリが供給するエネルギーが経時的に少なくなっていくような場合、チャージポンプ30は、現在の電源ドメインに関連付けられた、対応する出力電圧VOUTを供給するように、自発的に再構成されてもよい。
【0020】
本発明による再構成可能電圧レギュレータでは、外部電源の全出力範囲は、システムの複数の電源ドメインに対応する複数の電圧ゾーンに分割されてもよい。再構成可能電圧レギュレータ内の各チャージポンプは、電圧ゾーンごとに再構成されてもよく、各電源ドメインに対して必要となる電圧を供給するように、出力ベースの電圧マルチプライヤのごとく動作するように構成されている。本発明による再構成可能電圧レギュレータは、出力範囲の広いフラッシュメモリの動作を維持するために適用されてもよく、それによって、本システムの全出力範囲の間で、電力効率の最適化を実現することができる。
【0021】
当業者であれば、本発明の開示内容を保持しながら、本装置並びに本方法に関する多くの修正及び変更をなすことが可能であることに容易に気付くであろう。よって、上記の開示が、添付の特許請求の範囲の境界及び範囲によってのみ限定されると解釈すべきである。