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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】厚膜フォトレジスト層計測ターゲット
(51)【国際特許分類】
   G03F 9/00 20060101AFI20241018BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20241018BHJP
   G01B 15/00 20060101ALI20241018BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20241018BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
G03F9/00 H
G03F7/20 521
G01B15/00 H
G01B15/00 Z
G01B11/00 H
H01L21/66 J
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2022540412
(86)(22)【出願日】2020-12-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-02
(86)【国際出願番号】 US2020063857
(87)【国際公開番号】W WO2021138005
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】62/955,243
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/996,699
(32)【優先日】2020-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グオ リンイ
(72)【発明者】
【氏名】ペイ ジンチェン
【審査官】右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-534314(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0279841(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20
G03F 9/00
G01B 11/00
G01B 15/00
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測ターゲットであって、
計測レシピに従い形成される第1のターゲット構造体であって、前記第1のターゲット構造体が、サンプルの第1の層の第1の領域および第3の領域のうちの少なくとも1つの中に形成され、前記第1のターゲット構造体が、周期的に配置された2つ以上の第1のセルパターン要素を含む2つ以上の第1のセルを含む、第1のターゲット構造体と、
前記計測レシピに従い形成される第2のターゲット構造体であって、前記第2のターゲット構造体が、前記サンプルの第2の層の第2の領域および第4の領域のうちの少なくとも1つの中に形成され、前記第2のターゲット構造体が、周期的に配置された2つ以上の第2のセルパターン要素を含む2つ以上の第2のセルを含む、第2のターゲット構造体と、
を備え、前記第2のターゲット構造体は、前記計測レシピに従い形成されるときに前記第2のセルパターン要素の少なくともいくつかに非対称性を導入するのに十分な厚さのフォトレジスト材料から構成され、前記第2のセルパターン要素の少なくともサイズまたは数のいずれかは前記計測レシピに従って選択され、光学計測ツールからの1つ以上の画像に基づき、前記第1の層の重心と前記第2の層の重心との差を、前記第1のセルパターン要素と前記第2のセルパターン要素それぞれの重心値の平均に基づいて計算することで前記計測レシピに従うオーバレイ値が決定され、前記計測ターゲットの前記オーバレイ値が前記第2のセルパターン要素の少なくともいくつかの非対称性を低減することを特徴とする測ターゲット。
【請求項2】
請求項1に記載の計測ターゲットであって、前記第1のターゲット構造体が、前記サンプル上の回転対称の共通中心に対して前記第2のターゲット構造体に2回転対称であることを特徴とする計測ターゲット。
【請求項3】
請求項2に記載の計測ターゲットであって、前記複数の第1のセルが、1つ以上の第1の周期的パターングリッドを含み、前記1つ以上の第1の周期的パターングリッドが、前記1つ以上の第1のセルパターン要素を含むことを特徴とする計測ターゲット。
【請求項4】
請求項2に記載の計測ターゲットであって、前記複数の第2のセルが、1つ以上の第2の周期的パターングリッドを含み、前記1つ以上の第2の周期的パターングリッドが、前記1つ以上の第2のセルパターン要素を含むことを特徴とする計測ターゲット。
【請求項5】
請求項1に記載の計測ターゲットであって、前記1つ以上の第1のセルパターン要素が、光学計測モードに対応していることを特徴とする計測ターゲット。
【請求項6】
請求項1に記載の計測ターゲットであって、前記1つ以上の第2のセルパターン要素が、光学計測モードに対応していることを特徴とする計測ターゲット。
【請求項7】
請求項1に記載の計測ターゲットであって、前記フォトレジスト材料の厚さは、2マイクロメートルより厚いことを特徴とする計測ターゲット。
【請求項8】
請求項1に記載の計測ターゲットであって、前記フォトレジスト材料の厚さは、15マイクロメートルより厚いことを特徴とする計測ターゲット。
【請求項9】
システムであって、
1つ以上の計測サブシステムに通信可能に連結可能なコントローラであって、前記コントローラが、1つ以上のプロセッサを含み、前記1つ以上のプロセッサが、計測レシピを実行するときにメモリに維持されるプログラム命令のセットを実行するように構成され、前記プログラム命令のセットが、前記1つ以上のプロセッサに、
前記計測レシピを実行するときに、前記1つ以上の計測サブシステムから、サンプルの1つ以上の計測ターゲットから発出する照明を示す1つ以上の画像を受信させ、前記サンプルの前記1つ以上の計測ターゲットが、
前記計測レシピに従い形成される第1のターゲット構造体であって、前記第1のターゲット構造体が、サンプルの第1の層の第1の領域および第3の領域のうちの少なくとも1つの中に形成され、前記第1のターゲット構造体が、周期的に配置された2つ以上の第1のセルパターン要素を含む2つ以上の第1のセルを含む、第1のターゲット構造体と、
前記計測レシピに従い形成される第2のターゲット構造体であって、前記第2のターゲット構造体が、前記サンプルの第2の層の第2の領域および第4の領域のうちの少なくとも1つの中に形成され、前記第2のターゲット構造体が、周期的に配置された2つ以上の第2のセルパターン要素を含む2つ以上の第2のセルを含む、第2のターゲット構造体と、を含み、前記第2のターゲット構造体は、形成されるときに前記第2のセルパターン要素の少なくともいくつかに非対称性を導入するのに十分な厚さのフォトレジスト材料から構成され、
前記2つ以上の第1のセルのそれぞれの重心を、前記1つ以上の画像から関連する第1のセルパターン要素のそれぞれの重心位置の平均に基づいて決定させ、
前記第1の層の重心を、前記2つ以上の第1のセルの重心の平均に基づいて決定させ、
前記2つ以上の第2のセルのそれぞれの重心を、前記1つ以上の画像から関連する第2のセルパターン要素のそれぞれの重心位置の平均に基づいて決定させ、
前記第2の層の重心を、前記2つ以上の第2のセルの重心の平均に基づいて決定させ、
前記サンプルのオーバレイ値を、前記第1の層の重心と前記第2の層の重心との差に基づき決定させるように構成される、
コントローラを備えることを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムであって、前記第1のターゲット構造体が、前記サンプル上の回転対称の共通中心に対して前記第2のターゲット構造体に2回転対称であることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムであって、前記複数の第1のセルが、1つ以上の第1の周期的パターングリッドを含み、前記1つ以上の第1の周期的パターングリッドが、前記1つ以上の第1のセルパターン要素を含むことを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項10に記載のシステムであって、前記複数の第2のセルが、第2の複数の周期的パターングリッドを含み、前記第2の複数の周期的パターングリッドが、前記1つ以上の第2のセルパターン要素を含むことを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項9に記載のシステムであって、前記1つ以上の第1のセルパターン要素が、光学計測モードに対応していることを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項9に記載のシステムであって、前記1つ以上の第2のセルパターン要素が、光学計測モードに対応していることを特徴とするシステム。
【請求項15】
サンプルのオーバレイを測定する方法であって、
計測レシピを実行するときに1つ以上の計測ターゲットを含むサンプルを照明することであって、前記1つ以上の計測ターゲットが、
前記計測レシピに従い形成される第1のターゲット構造体であって、前記第1のターゲット構造体が、サンプルの第1の層の第1の領域および第3の領域のうちの少なくとも1つの中に形成され、前記第1のターゲット構造体が、周期的に配置された2つ以上の第1のセルパターン要素を含む2つ以上の第1のセルを含む、第1のターゲット構造体と、
前記計測レシピに従い形成される第2のターゲット構造体であって、前記第2のターゲット構造体が、前記サンプルの第2の層の第2の領域および第4の領域のうちの少なくとも1つの中に形成され、前記第2のターゲット構造体が、周期的に配置された2つ以上の第2のセルパターン要素を含む2つ以上の第2のセルを含む、第2のターゲット構造体と、を含み、前記第2のターゲット構造体は、形成されるときに前記第2のセルパターン要素の少なくともいくつかに非対称性を導入するのに十分な厚さのフォトレジスト材料から構成される、照明することと、
前記計測レシピに従い前記サンプルの前記1つ以上の計測ターゲットから発出する照明に基づいて1つ以上の画像を生成することと、
前記2つ以上の第1のセルのそれぞれの重心を、前記1つ以上の画像から関連する第1のセルパターン要素のそれぞれの重心位置の平均に基づいて決定することと、
前記第1の層の重心を、前記2つ以上の第1のセルの重心の平均に基づいて決定することと、
前記2つ以上の第2のセルのそれぞれの重心を、前記1つ以上の画像から関連する第2のセルパターン要素のそれぞれの重心位置の平均に基づいて決定することと、
前記第2の層の重心を、前記2つ以上の第2のセルの重心の平均に基づいて決定することと、
前記サンプルのオーバレイ値を、前記第1の層の重心と前記第2の層の重心との差に基づき決定することと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記第1のターゲット構造体が、前記サンプル上の回転対称の共通中心に対して前記第2のターゲット構造体に2回転対称であることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、前記複数の第1のセルが、1つ以上の第1の周期的パターングリッドを含み、前記1つ以上の第1の周期的パターングリッドが、前記1つ以上の第1のセルパターン要素を含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であって、前記複数の第2のセルが、1つ以上の第2の周期的パターングリッドを含み、前記1つ以上の第2の周期的パターングリッドが、前記1つ以上の第2のセルパターン要素を含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項15に記載の方法であって、前記1つ以上の第1のセルパターン要素が、光学計測モードに対応していることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項15に記載の方法であって、前記1つ以上の第2のセルパターン要素が、光学計測モードに対応していることを特徴とする方法。
【請求項21】
法であって、
計測レシピに従いサンプル上に第1のターゲット構造体を形成することであって、前記第1のターゲット構造体が、前記サンプルの第1の層の第1の領域および第3の領域のうちの少なくとも1つの中に形成され、前記第1のターゲット構造体が、周期的に配置された2つ以上の第1のセルパターン要素を含む2つ以上の第1のセルを含む、前記第1のターゲット構造体を形成することと、
前記計測レシピに従い前記サンプル上に第2のターゲット構造体を形成することであって、前記第2のターゲット構造体が、前記サンプルの第2の層の第2の領域および第4の領域のうちの少なくとも1つの中に形成され、前記第2のターゲット構造体が、周期的に配置された2つ以上の第2のセルパターン要素を含む2つ以上の第2のセルを含む、前記第2のターゲット構造体を形成することと、
を含み、前記第2のターゲット構造体は、形成されるときに前記第2のセルパターン要素の少なくともいくつかに非対称性を導入するのに十分な厚さのフォトレジスト材料から構成され、
光学計測ツールからの前記第1及び第2のターゲット構造体の1つ以上の画像を受信することと、
前記2つ以上の第1のセルのそれぞれの重心を、前記1つ以上の画像から関連する第1のセルパターン要素のそれぞれの重心位置の平均に基づいて決定することと、
前記第1の層の重心を、前記2つ以上の第1のセルの重心の平均に基づいて決定することと、
前記2つ以上の第2のセルのそれぞれの重心を、前記1つ以上の画像から関連する第2のセルパターン要素のそれぞれの重心位置の平均に基づいて決定することと、
前記第2の層の重心を、前記2つ以上の第2のセルの重心の平均に基づいて決定することと、
前記第1のターゲット構造と前記第2のターゲット構造から前記サンプルのオーバレイ値を、前記第1の層の重心と前記第2の層の重心との差に基づき決定することと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、前記第1のターゲット構造体が、前記サンプル上の回転対称の共通中心に対して前記第2のターゲット構造体に2回転対称であることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、前記複数の第1のセルが、1つ以上の第1の周期的パターングリッドを含み、前記1つ以上の第1の周期的パターングリッドが、前記1つ以上の第1のセルパターン要素を含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項22に記載の方法であって、前記複数の第2のセルが、1つ以上の第2の周期的パターングリッドを含み、前記1つ以上の第2の周期的パターングリッドが、前記1つ以上の第2のセルパターン要素を含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項21に記載の方法であって、前記1つ以上の第1のセルパターン要素が、光学計測モードに対応していることを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項21に記載の方法であって、前記1つ以上の第2のセルパターン要素が、光学計測モードに対応していることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、オーバレイ計測に関し、より詳細には、厚膜フォトレジスト層上に形成される計測ターゲットを用いたオーバレイ計測に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年12月30日に出願された、発明者Guo LingyiおよびPei Jincheng名義の米国仮出願第62/955,243号の「TPRIBO (THICK PHOTO RESIST IBO) A NEW IMAGE-BASED OVERLAY METROLOGY FOR THICK PHOTO RESIST LAYER PROCESS」の米国特許法第119条(e)の下での利益を主張し、その全体を本願に引用して援用する。
【0003】
オーバレイ計測ターゲットは、典型的には、対象のサンプル層上に位置するターゲットフィーチャを有するオーバレイターゲットを特性化することによって、サンプルの複数の層のアライメントに関する診断情報を提供するように設計される。さらに、複数の層のオーバレイアライメントは、典型的には、サンプルにわたる様々な位置における複数のオーバレイターゲットのオーバレイ測定値を集めることによって判定される。しかしながら、オーバレイターゲットのオーバレイ測定値の正確性および/または再現性は、サンプル上の特定の位置または測定されるべきターゲットフィーチャの特定の特性の影響を受けやすい場合がある。例えば、厚膜フォトレジスト層を用いた画像ベースのオーバレイターゲットの場合、一般的に、厚膜フォトレジスト材料のある限界寸法の制限に起因して、比較的大きなターゲットパターンのみが実現可能である。加えて、厚膜フォトレジスト層のこの制限によって、ターゲットパターンが計測測定値の正確性を低下させる非対称フィーチャを含むように形成される結果となり得る(例えば、ターゲットパターンの非対称フィーチャによって、サンプルの2層間のオーバレイ測定値の正確性を減少させる1つ以上のオーバレイ測定誤差がもたらされ得る)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2019/0250521号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
小さなサイズの計測ターゲットフィーチャは、より大きな解像度のサンプルターゲットを実現することが可能な計測システムおよびターゲットの使用を必要とすることがある。この点について、チップサイズが継続的に縮小するにつれて、多くのサンプルが、多様な解像度で解像可能な小さなターゲットフィーチャを含む。サンプル上の計測ターゲットの大きなパターンを含むことによって、望ましくない影響がもたらされることがあり、またはオーバレイ測定が実行不可能になることがある。したがって、小さなターゲットフィーチャを有するサンプル(3D NAND計測プロセスにおいて使用されるサンプルなど)のオーバレイ計測において使用するために構成される、厚膜フォトレジスト材料から形成された計測ターゲットを提供することが望ましい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の1つ以上の実施形態による、計測ターゲットが開示される。一実施形態では、計測ターゲットは、フォトレジスト材料から形成される第1のターゲット構造体であって、第1のターゲット構造体が、サンプルの第1の層の第1の領域および第3の領域のうちの少なくとも1つの中に形成され、第1のターゲット構造体が、1つ以上の第1のセルパターン要素を含む複数の第1のセルを含む、第1のターゲット構造体を含む。別の実施形態では、計測ターゲットは、フォトレジスト材料から形成される第2のターゲット構造体であって、第2のターゲット構造体が、サンプルの第2の層の第2の領域および第4の領域のうちの少なくとも1つの中に形成され、第2のターゲット構造体が、1つ以上の第2のセルパターン要素を含む複数の第2のセルを含む、第2のターゲット構造体を含む。
【0007】
本開示の1つ以上の実施形態による、計測システムが開示される。一実施形態では、計測システムは、1つ以上の計測サブシステムに通信可能に連結可能なコントローラであって、コントローラが、1つ以上のプロセッサを含み、1つ以上のプロセッサが、メモリに維持されるプログラム命令のセットを実行するように構成され、プログラム命令のセットが、1つ以上のプロセッサに、1つ以上の計測サブシステムから、サンプルの1つ以上の計測ターゲットから発出する照明を示す1つ以上の信号を受信させ、サンプルの1つ以上の計測ターゲットが、フォトレジスト材料から形成される第1のターゲット構造体であって、第1のターゲット構造体が、サンプルの第1の層の第1の領域および第3の領域のうちの少なくとも1つの中に形成され、第1のターゲット構造体が、1つ以上の第1のセルパターン要素を含む複数の第1のセルを含む、第1のターゲット構造体と、フォトレジスト材料から形成される第2のターゲット構造体であって、第2のターゲット構造体が、サンプルの第2の層の第2の領域および第4の領域のうちの少なくとも1つの中に形成され、第2のターゲット構造体が、1つ以上の第2のセルパターン要素を含む複数の第2のセルを含む、第2のターゲット構造体と、を含み、第1のターゲット構造体の1つ以上の部分から発出する照明を示す1つ以上の信号に基づいて1つ以上の第1のオーバレイ測定値を生成させ、第2のターゲット構造体の1つ以上の部分から発出する照明を示す1つ以上の信号に基づいて1つ以上の第2のオーバレイ測定値を生成させ、1つ以上の第1のオーバレイ測定値および1つ以上の第2のオーバレイ測定値に基づいてサンプルのオーバレイ値を判定させるように構成される、コントローラを含む。
【0008】
本開示の1つ以上の実施形態による、サンプルのオーバレイを測定する方法が開示される。一実施形態では、方法は、1つ以上の計測ターゲットを含むサンプルを照明することであって、1つ以上の計測ターゲットが、フォトレジスト材料から形成される第1のターゲット構造体であって、第1のターゲット構造体が、サンプルの第1の層の第1の領域および第3の領域のうちの少なくとも1つの中に形成され、第1のターゲット構造体が、1つ以上の第1のセルパターン要素を含む複数の第1のセルを含む、第1のターゲット構造体と、フォトレジスト材料から形成される第2のターゲット構造体であって、第2のターゲット構造体が、サンプルの第2の層の第2の領域および第4の領域のうちの少なくとも1つの中に形成され、第2のターゲット構造体が、1つ以上の第2のセルパターン要素を含む複数の第2のセルを含む、第2のターゲット構造体と、を含む、照明することを含む。別の実施形態では、方法は、サンプルの1つ以上の計測ターゲットから発出する照明を検出することを含む。別の実施形態では、方法は、第1のターゲット構造体の1つ以上の部分から発出する照明を示す1つ以上の信号に基づいて1つ以上の第1のオーバレイ測定値を生成することを含む。別の実施形態では、方法は、第2のターゲット構造体の1つ以上の部分から発出する照明を示す1つ以上の信号に基づいて1つ以上の第2のオーバレイ測定値を生成することを含む。別の実施形態では、方法は、1つ以上の第1のオーバレイ測定値および1つ以上の第2のオーバレイ測定値に基づいてサンプルのオーバレイ値を判定することを含む。
【0009】
本開示の1つ以上の実施形態による、オーバレイターゲットを形成する方法が開示される。一実施形態では、方法は、フォトレジスト材料から第1のターゲット構造体を形成することであって、第1のターゲット構造体が、サンプルの第1の層の第1の領域および第3の領域のうちの少なくとも1つの中に形成され、第1のターゲット構造体が、1つ以上の第1のセルパターン要素を含む複数の第1のセルを含む、第1のターゲット構造体を形成することを含む。別の実施形態では、方法は、フォトレジスト材料から第2のターゲット構造体を形成することであって、第2のターゲット構造体が、サンプルの第2の層の第2の領域および第4の領域のうちの少なくとも1つの中に形成され、第2のターゲット構造体が、1つ以上の第2のセルパターン要素を含む複数の第2のセルを含む、第2のターゲット構造体を形成することを含む。
【0010】
本開示の多数の利点は、添付図面を参照することにより、当業者によってより良く理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】本開示の1つ以上の実施形態による、計測ターゲットの上面図である。
図1B】本開示の1つ以上の実施形態による、計測ターゲットの上面図である。
図1C】本開示の1つ以上の実施形態による、計測ターゲットの上面図である。
図1D】本開示の1つ以上の実施形態による、計測ターゲットの上面図である。
図1E】本開示の1つ以上の実施形態による、計測ターゲットの上面図である。
図2】本開示の1つ以上の実施形態による、計測システムの概念図である。
図3A】本開示の1つ以上の実施形態による、計測ターゲット100のオーバレイ値の判定の概念図を示す。
図3B】本開示の1つ以上の実施形態による、計測ターゲット100のオーバレイ値の判定の概念図を示す。
図4】本開示の1つ以上の実施形態による、サンプルのオーバレイを測定する方法のステップを示すプロセスフロー図である。
図5】本開示の1つ以上の実施形態による、計測ターゲットを形成する方法のステップを示すプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、ある実施形態およびその具体的特徴に関して、詳細に示され説明されている。本明細書で明らかにされる実施形態は、限定ではなく例示であると見なされる。形式上かつ詳細に、様々な変更および変形が本開示の思想および範囲から逸脱することなく行われ得ることが、当業者には容易に明らかであるはずである。ここで、開示される主題に対して詳細な参照が行われ、主題は添付図面に示される。
【0013】
本開示の実施形態は、厚膜フォトレジスト層上に形成されるオーバレイ計測ターゲットを対象とする。
【0014】
半導体デバイスは、パターニングされた材料の複数のプリント層として基板上に形成され得る。各プリント層は、1つ以上の材料堆積工程、1つ以上のリソグラフィ工程、または1つ以上のエッチング工程などであるがこれらに限定されない、一連のプロセス工程を通して製造され得る。いくつかの製造プロセスにおいて、プリント層は、1つ以上のフォトレジスト材料を用いて形成され得る。例えば、フォトレジスト材料は、基板上に堆積され得る。次いで、フォトレジスト材料は、照明に暴露され得る。照明によって、フォトレジスト材料上に潜像ターゲットパターンが製作される。潜像ターゲットパターン(または潜像ターゲットパターンから形成された、現像されたターゲットパターン)は、次いで、オーバレイおよび/または計測用途において使用するための最終ターゲットパターンを基板上に形成するように構成された、1つ以上のリソグラフィ工程および/または1つ以上のエッチング工程のためのパターンとして使用され得る。他の製造プロセスにおいて、フォトレジスト材料は、照明に暴露されてフォトレジスト材料上に潜像ターゲットパターンを製作し、潜像ターゲットパターン(または潜像ターゲットパターンから形成された、現像されたターゲットパターン)は、オーバレイおよび/または計測用途において使用される。
【0015】
製造中、各プリント層は、典型的には、最終的なデバイスを適切に構築するために選択された許容誤差の範囲内で製造されなければならない。例えば、各層におけるプリント素子の相対配置(例えば、オーバレイまたはオーバレイパラメータ)は、前に製造された層に対してうまく特性化され、かつ制御されなければならない。したがって、計測ターゲットは、1つ以上のプリント層の上に製造されて、層のオーバレイの効率的な特性化を可能にし得る。プリント層上のオーバレイターゲットフィーチャの偏差が、したがって、その層上のプリントデバイスフィーチャのプリント特性の偏差を表し得る。さらに、1つの製造工程において(例えば、1つ以上のサンプル層の製造後)測定されたオーバレイは、後続の製造工程における追加のサンプル層の製造のためにプロセスツール(例えば、リソグラフィツールなど)を精密にアラインするための補正可能なものを生成するために使用され得る。
【0016】
計測ターゲットは、典型的には、1つ以上のプリント特性の正確な表現をもたらすように設計された明確に区画されたプリント素子を含み得る。この点について、計測ターゲットのプリント素子の(例えば、計測ツールにより)測定された特性は、製造されているデバイスに関連するプリントデバイス素子を表し得る。さらに、計測ターゲットは、典型的には、1つ以上の測定セルを有するとして特性化され、各セルは、サンプル上の1つ以上の層にプリント素子を含む。計測測定は、その際、単一セル内の、または複数セル間のプリント素子のサイズ、向き、または位置(例えばパターン配置)の測定の任意の組み合わせに基づき得る。例えば、オーバレイ計測ターゲットの1つ以上のセルは、各層の要素の相対位置が、特定層におけるオフセット誤差(例えば、パターン配置誤差(PPE))またはサンプル層間のレジストレーション誤差に関連するオーバレイ誤差を示し得るように構成された、2つ以上のサンプル層上にプリント素子を含み得る。別の例として、プロセスの影響を受けやすい計測ターゲットは、単一サンプル層上にプリント素子を含んでもよく、プリント素子の1つ以上の特性(例えば、幅または限界寸法(CD)、側壁角度、位置など)は、リソグラフィ工程中の照明量またはリソグラフィ工程中のリソグラフィツールにおけるサンプルの焦点位置を限定ではなく含む、1つ以上のプロセスメトリックを示す。
【0017】
オーバレイ計測は、典型的には、サンプルにわたる1つ以上のオーバレイターゲットを製造することによって実行され、各オーバレイターゲットは、対象のサンプル層にフィーチャを含み、それらのフィーチャは、製造されているデバイスまたはコンポーネントに関連するフィーチャとして同時に製造される。この点について、オーバレイターゲットの位置において測定されるオーバレイ誤差は、デバイスフィーチャのオーバレイ誤差を表し得る。したがって、オーバレイ測定値は、任意の数の製造ツールをモニタリングおよび/または制御して、指定された許容誤差に従ってデバイスの製作を維持するために使用され得る。例えば、1つのサンプル上の前の層に対する現在の層のオーバレイ測定値が、ロット内の追加サンプル上の現在の層の製造の偏差をモニタリングおよび/または軽減するためのフィードバックデータとして利用されてもよい。別の例として、1つのサンプル上の前の層に対する現在の層のオーバレイ測定値が、既存の層アライメントを考慮するように同一サンプル上に後続層を製造するためのフィードフォワードデータとして利用されてもよい。
【0018】
オーバレイターゲットは、典型的には、対象のサンプル層間のオーバレイ誤差に影響を受けやすいように特に設計されたフィーチャを含む。オーバレイ測定は、その際、オーバレイ計測ツールを用いてオーバレイターゲットを特性化すること、および計測ツールの出力に基づいてサンプル上のオーバレイ誤差を判定するためのアルゴリズムを適用することによって実行され得る。
【0019】
オーバレイ測定技術にかかわらず、オーバレイ計測ツールは、典型的には、オーバレイ信号を生成するために利用される測定パラメータのセットを含むレシピに従って構成可能である。例えば、オーバレイ計測ツールのレシピは、照明波長、サンプルから発出する検出された放射線の波長、サンプル上の照明のスポットサイズ、入射照明の角度、入射照明の偏光、オーバレイターゲット上の入射照明のビーム位置、オーバレイ計測ツールの焦点体積内のオーバレイターゲットの位置などを含み得るが、これらに限定されない。したがって、オーバレイレシピは、2つ以上のサンプル層のオーバレイを判定するのに適当なオーバレイ信号を生成するための測定パラメータのセットを含み得る。
【0020】
オーバレイ計測ツールは、多様な技術を利用してサンプル層のオーバレイを判定し得る。例えば、画像ベースのオーバレイ計測ツールは、オーバレイターゲット(例えば、アドバンスイメージング計測(AIM:advanced imaging metrology)ターゲット、ボックスインボックス(box-in-box)計測ターゲットなど)を照明し、異なるサンプル層上に位置するオーバレイターゲットフィーチャの画像を含むオーバレイ信号をキャプチャし得る。それによって、オーバレイは、オーバレイターゲットフィーチャの相対位置を測定することにより判定され得る。別の例として、光散乱計測に基づくオーバレイ計測ツールは、オーバレイターゲット(例えば、グレーティングオーバーグレーティング(grating-over-grating)計測ターゲットなど)を照明し、照明ビームの回折、散乱、および/または反射に関連するオーバレイターゲットから発出する放射線の角度分布を含むオーバレイ信号をキャプチャし得る。それによって、オーバレイは、照明ビームとオーバレイターゲットとの相互作用のモデルに基づいて判定され得る。
【0021】
様々なオーバレイ計測ツールがオーバレイを測定するために使用され得ることが、本明細書において認識される。例えば、光学計測ツール(例えば、照明および/または検出用に電磁放射線を用いた光ベース計測ツール)は、画像内の複数層上の空間的に分離されたフィーチャの相対位置を判定すること、複数層上のPPEを直接測定すること、または複数層上の回折格子から散乱および/もしくは回折された光に基づいてオーバレイが判定される光散乱計測などであるがこれらに限定されない多数の技術を用いて、高スループットのオーバレイ測定を提供し得る。本開示の目的上、「光学計測ツール」「光学計測技術」などの用語は、x線波長、極端紫外線(EUV)波長、真空紫外線(VUV)波長、深紫外線(DUV)波長、紫外線(UV)波長、可視波長、または赤外線(IR)波長などであるがこれらに限定されない、任意の波長の電磁放射線を用いた計測ツールおよび技術を示している。オーバレイ測定に関するシステム、方法、および装置は、概して、2012年12月11日に発行された「OVERLAY MARKS, METHODS OF OVERLAY MARK DESIGN AND METHODS OF OVERLAY MEASUREMENTS」と題する米国特許第8,330,281号、2016年10月25日に発行された「PERIODIC PATTERNS AND TECHNIQUE TO CONTROL MISALIGNMENT BETWEEN TWO LAYERS」と題する米国特許第9,476,698号、2009年6月2日に発行された「APPARATUS AND METHODS FOR DETERMINING OVERLAY OF STRUCTURES HAVING ROTATIONAL OR MIRROR SYMMETRY」と題する米国特許第7,541,201号、2013年2月7日に公開された「METHOD AND SYSTEM FOR PROVIDING A QUALITY METRIC FOR IMPROVED PROCESS CONTROL」と題する米国特許出願公開第2013/0035888号、2015年12月15日に発行された「SYSTEM AND METHOD OF SEM OVERLAY METROLOGY」と題する米国特許第9,214,317号、2020年1月7日に発行された「COMPOUND IMAGING METROLOGY TARGETS」と題する米国特許第10,527,951 B2号、2019年1月29日に発行された「METROLOGY IMAGING TARGETS HAVING REFLECTION-SYMMETRIC PAIRS OF REFLECTION-ASYMMETRIC STRUCTURES」と題する米国特許第10,190,979 B2号、および2016年6月27日に出願された「APPARATUS AND METHOD FOR THE MEASUREMENT OF PATTERN PLACEMENT AND SIZE OF PATTERN AND COMPUTER PROGRAM THEREFOR」と題するPCT出願PCT/US2016/039531に記載されており、その全てが全体を本願に引用して援用する。
【0022】
本開示全体を通して用いられる、「サンプル」という用語は、概して、半導体または非半導体材料から形成される基板(例えばウェハなど)を指す。例えば、半導体または非半導体材料は、単結晶シリコン、砒化ガリウム、およびリン化インジウムを含み得るがこれらに限定されない。サンプルは、1つ以上の層を含み得る。例えば、そのような層は、レジスト(フォトレジストを含む)、誘電材料、導電材料、および半導電材料を含み得るがこれらに限定されない。そのような層の多くの異なる種類が、当技術分野において既知であり、本明細書で用いられるサンプルという用語は、そのような層の全ての種類が形成され得るサンプルを包含するように意図される。サンプル上に形成された1つ以上の層は、パターニングされてもよく、またはパターニングされていなくてもよい。例えば、サンプルは、複数のダイを含んでもよく、各ダイが反復可能なパターニングされたフィーチャを有する。材料のそのような層の形成および処理の結果、最終的に完成されたデバイスが得られ得る。多くの異なる種類のデバイスが、サンプル上に形成されてもよく、本明細書で用いられるサンプルという用語は、当技術分野において既知の任意の種類のデバイスが製造されているサンプルを包含するように意図される。さらに、本開示の目的上、サンプルおよびウェハという用語は、交換可能と解釈されるべきである。加えて、本開示の目的上、パターニングデバイス、マスク、およびレチクルという用語は、交換可能と解釈されるべきである。
【0023】
図1Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、計測ターゲット100の上面図である。計測ターゲット100は、サンプルの第1の層の第1の領域120および第3の領域122のうちの少なくとも1つの中に形成された第1のターゲット構造体102と、サンプルの第2の層の第2の領域121および第4の領域123のうちの少なくとも1つの中に形成された第2のターゲット構造体104とを含み得る。第1のターゲット構造体102は、回転対称の共通中心に対して第2のターゲット構造体104に2回転対称であり得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1のターゲット構造体102は、(図1Aにおいて明るいパターンフィーチャによって示され得るように)サンプルの第1の層上に形成された複数の第1のセル106を含み得る。複数の第1のセル106は、1つ以上の第1の周期的パターングリッドとして構成され得る(例えば、複数の第1のセルの第1のセルが立方グリッドとして形成され得る)。複数の第1のセル106は、1つ以上の第1のセルパターン要素108を含み得る。例えば、1つ以上の第1のセルパターン要素108は、アドバンスイメージング計測(AIM)、アドバンスイメージング計測インダイ(AIMid)、およびトリプルアドバンスイメージング計測(トリプルAIM)を限定ではなく含む、本開示によって考慮される目的に適当であるように当技術分野において既知の任意の光学計測モードに対応している任意のパターン要素を含み得る。1つ以上の第1のセルパターン要素108は、1つ以上のセグメント化された部分(例えば、基準フィーチャの反復される周期的セット)を含み得る。
【0025】
1つ以上の第1の周期的パターングリッドは、第1の周期的パターングリッドの複数の第1のセル106のそれぞれが等価な限界寸法を有するように構成され得る。例えば、特定の第1の周期的パターングリッドの第1のセル106のそれぞれが、等価な立方形状であってもよく、その場合に、第1のセル106のそれぞれの長さおよび幅が等価である。別の例として、特定の第1の周期的パターングリッドの第1のセル106のそれぞれが、特定の第1の周期的パターングリッドの1つ以上の他の第1のセル106のそれぞれから等距離であってもよい(例えば、複数の第1のセル106は、第1の周期的パターングリッドのそれぞれが複数の第1のセル106に対して等価な周期ピッチを有するように構成され得る)。いくつかの実施形態では、1つ以上の第1の周期的パターングリッドのそれぞれの第1のセル106のそれぞれの限界寸法が等価であってもよく、1つ以上の第1の周期的パターングリッドのそれぞれの周期ピッチが等価であってもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、第2のターゲット構造体104は、(図1Aにおいて暗いパターンフィーチャによって示され得るように)サンプルの第2の層上に形成された複数の第2のセル110を含み得る。複数の第2のセル110は、1つ以上の第2の周期的パターングリッドとして構成され得る(例えば、複数の第2のセルの第2のセルが立方グリッドとして形成され得る)。複数の第2のセル110は、1つ以上の第2のセルパターン要素112を含み得る。例えば、1つ以上の第2のセルパターン要素112は、アドバンスイメージング計測(AIM)、アドバンスイメージング計測インダイ(AIMid)、およびトリプルアドバンスイメージング計測(トリプルAIM)を限定ではなく含む、本開示によって考慮される目的に適当であるように当技術分野において既知の任意の光学計測モードに対応している任意のパターン要素を含み得る。1つ以上の第2のセルパターン要素112の一部が、計測ターゲット100の複数の層において形成され得る。1つ以上の第2のセルパターン要素112は、1つ以上のセグメント化された部分(例えば、基準フィーチャの反復される周期的セット)を含み得る。
【0027】
1つ以上の第2の周期的パターングリッドは、第2の周期的パターングリッドの複数の第2のセル110のそれぞれが等価な限界寸法を有するように構成され得る。例えば、特定の第2の周期的パターングリッドの第2のセル110のそれぞれが、等価な立方形状であってもよく、その場合に、第2のセル110のそれぞれの長さおよび幅が等価である。別の例として、特定の第1の周期的パターングリッドの第2のセル110のそれぞれが、特定の第2の周期的パターングリッドの1つ以上の他の第2のセル110のそれぞれから等距離であってもよい(例えば、複数の第2のセル110は、第2の周期的パターングリッドのそれぞれが複数の第2のセル110に対して等価な周期ピッチを有するように構成され得る)。いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の周期的パターングリッドのそれぞれの第2のセル110のそれぞれの限界寸法が等価であってもよく、1つ以上の第2の周期的パターングリッドのそれぞれの周期ピッチが等価であってもよい。
【0028】
一実施形態では、図1Aに示されるように、計測ターゲット100は、2つの第1の周期的パターングリッドを含む複数の第1のセル106を有する第1のターゲット構造体102を含み得る。計測ターゲット100は、2つの第2の周期的パターングリッドを含む複数の第2のセル110を有する第2のターゲット構造体104を含み得る。第1の周期的パターングリッドのそれぞれおよび第2の周期的パターングリッドのそれぞれが、3×3(「3×3」)周期グリッドとして構成され得る。この点について、第1の周期的パターングリッドのそれぞれおよび第2の周期的パターングリッドのそれぞれが、9個の第1のセルおよび9個の第2のセルをそれぞれ含み得る。
【0029】
2つの第1の周期的パターングリッドが、サンプルの第1の層の領域の第1象限および第3象限の中に形成され得る。例えば、第1の周期的パターングリッドが、サンプルの第1の層の領域の第1象限の中に形成されてもよく、別の第1の周期的パターングリッドが、サンプルの第1の層の領域の第3象限の中に形成されてもよい。
【0030】
2つの第2の周期的パターングリッドが、サンプルの第2の層の領域の第2象限および第4象限の中に形成され得る。例えば、第2の周期的パターングリッドが、サンプルの第2の層の領域の第2象限の中に形成されてもよく、別の第2の周期的パターングリッドが、サンプルの第2の層の領域の第4象限の中に形成されてもよい。
【0031】
本明細書で用いられる「象限」という用語は、サンプル層の領域の(例えば表面積による)4等分を含むサンプル層の領域の一部を指し得る。象限の基数記述(例えば、第1、第2、など)は、例示目的のみに用いられ、サンプルの特定の層の個別の部分を識別するように意図される。例えば、サンプル層の領域の4等分を含み、かつサンプル層の領域の右上部分を含む、サンプル層の領域の部分は、「第1」象限と呼ばれ得る。別の例として、サンプル層の領域の4等分を含み、かつサンプル層の領域の左上部分を含む、サンプル層の領域の部分は、「第2」象限と呼ばれ得る。別の例として、サンプル層の領域の4等分を含み、かつサンプル層の領域の左下部分を含む、サンプル層の領域の部分は、「第3」象限と呼ばれ得る。別の例として、サンプル層の領域の4等分を含み、かつサンプル層の領域の右下部分を含む、サンプル層の領域の部分は、「第4」象限と呼ばれ得る。
【0032】
図1Aに示される第1のセルパターン要素108は、第1のセル106のそれぞれの中に形成された1つ以上のパターン要素ラインを含み得る。第2のセルパターン要素112は、1つ以上のパターン要素ラインを含んでもよく、第2のセルパターン要素112の1つ以上のパターン要素ラインは、第1のセルパターン要素108の1つ以上のパターン要素ラインに対して対頂角(例えば、90度回転された合同な角度)を有する。
【0033】
別の実施形態では、図1Bに示されるように、第1のセルパターン要素108が、第1のセル106のそれぞれの中に形成される複数のパターン要素ラインを含み得る。例えば、第1のセルパターン要素108が、第1のセル106のそれぞれの中に形成される複数の平行なパターン要素ラインを含み得る。第2のセルパターン要素112は、第2のセル110のそれぞれの中に形成される複数のパターン要素ラインを含んでもよく、第2のセル110のそれぞれの中に形成される複数のパターン要素ラインは、第1のセルパターン要素108の1つ以上のパターン要素ラインに対して対頂角(例えば、90度回転された合同な角度)を有する。
【0034】
別の実施形態では、図1Cに示されるように、計測ターゲット100は、2つの第1の周期的パターングリッドを含む複数の第1のセル106を有する第1のターゲット構造体102を含み得る。計測ターゲット100は、2つの第2の周期的パターングリッドを含む複数の第2のセル110を有する第2のターゲット構造体104を含み得る。第1の周期的パターングリッドのそれぞれおよび第2の周期的パターングリッドのそれぞれが、2×2(「2×2」)周期グリッドとして構成され得る。この点について、第1の周期的パターングリッドのそれぞれおよび第2の周期的パターングリッドのそれぞれが、4個の第1のセルおよび4個の第2のセルをそれぞれ含み得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、計測ターゲット100は、基板上のより小さな量の表面積を占めるように構成され得る。例えば、図1Dに示されるように、計測ターゲット100は、単一の第1の周期的パターングリッドおよび単一の第2の周期的パターングリッドを含むように構成され得る。この点について、計測ターゲット100は、第1の周期的パターングリッドを含む複数の第1のセル106を有する第1のターゲット構造体102を含み得る。計測ターゲット100は、第2の周期的パターングリッドを含む複数の第2のセル110を有する第2のターゲット構造体104を含み得る。第1の周期的パターングリッドおよび第2の周期的パターングリッドが、それぞれ3×3(「3×3」)周期グリッドとして構成され得る。別の例として、図1Eに示されるように、第1の周期的パターングリッドおよび第2の周期的パターングリッドが、それぞれ2×2(「2×2」)周期グリッドとして構成されてもよい。計測ターゲット100は、サンプルフィーチャに接近して使用されるように構成された様々なサイズのものであってもよいことに留意されたい。例えば、計測ターゲット100は、インダイ(in-die)(例えば、スクライブラインに沿った)計測ターゲットとして製作されてもよい。別の例として、計測ターゲット100は、サンプルの設計制限、間隔、周囲のフィーチャに基づいてインダイ(ダイ内)に形成されてもよい。この点について、計測ターゲット100は、AIMidを限定ではなく含む任意のインダイ計測モードで使用するように構成され得る。
【0036】
計測ターゲット100(および/またはその任意の部分)が、フォトレジストまたは厚膜フォトレジスト材料を限定ではなく含む、本開示によって考慮される目的に適当であるように当技術分野において既知の任意の材料から形成され得る。計測ターゲット100および/またはそのコンポーネント(例えば、第1のセル106、第2のセル110、第1の周期的パターングリッド、および/または第2の周期的パターングリッド)の寸法が、計測ターゲット100の1つ以上の部分の厚さ(例えば、第1の層、第2の層、第1のターゲット構造体および/または1つ以上の第1のセルパターン要素を形成するために使用されるフォトレジスト材料、第2のターゲット構造体および/または1つ以上の第2のセルパターン要素を形成するために使用されるフォトレジスト材料の厚さ)によって変化し得ることに留意されたい。例えば、計測ターゲット100の1つ以上の部分の厚さが増加するにつれて、計測ターゲット100の1つ以上のコンポーネントの1つ以上の他の寸法が増加し得る。一方、計測ターゲット100の1つ以上の部分の厚さが減少するにつれて、計測ターゲット100の1つ以上のコンポーネントの1つ以上の他の寸法が減少し得る。例示的な実施例として、本開示の普遍性を限定することなく、1つ以上の実施形態では、計測ターゲット100の長さおよび/または幅は、約30μm~約34μmに及び得る。ここで、「約」という用語は、前述の値の6μmの範囲内にそれらの値を含むように意図される。第1のセル106および第2のセル110のそれぞれが、3μm以上の長さ、および3μm以上の幅を有し得る。計測ターゲット100は、約10μmの厚さを有してもよく、ここで、「約」という用語は、前述の値の20μmの範囲内にそれらの値を含むように意図される。計測ターゲット100および/またはそのコンポーネントに関連する前述の寸法(または寸法の範囲)が限定であるように意図されないことに特に留意されたい。例えば、計測ターゲット100の長さおよび/または幅は、前述の例の範囲内に入るそれらの値より小さいかまたは大きい値のものであってもよい。別の例として、第1のセル106のそれぞれおよび第2のセル110のそれぞれが、前述の例の範囲内に入るそれらの値よりも小さいかまたは大きい長さおよび/または幅を有し得る。
【0037】
第1のセルパターン要素108および/または第2のセルパターン要素112の1つ以上の部分に向けられた入射放射線が第1のセルパターン要素108および/または第2のセルパターン要素112の1つ以上の部分によって回折され得るように、かつ回折された放射線が(例えば1つ以上の計測システムによって)検出および分析されて、回折された放射線および/または回折された放射線を示す1つ以上の信号に基づいて1つ以上のオーバレイ測定値を判定し得るように、計測ターゲット100のパターン要素(例えば、第1のセルパターン要素108および第2のセルパターン要素112)が構成され得ることに留意されたい。
【0038】
加えて、1つ以上の第1の周期的パターングリッドおよび1つ以上の第2の周期的パターングリッドが等価ピッチを有することに本開示の実施形態が限定されないことに、留意されたい。例えば、1つ以上の第1の周期的パターングリッドは、1つ以上の第2の周期的パターングリッドのピッチと等価でないピッチを有し得ると明確に考えられる。この点について、1つ以上の第1の周期的パターングリッドのそれぞれが、1つ以上の第2の周期的パターングリッドのそれぞれと比較して異なる周期のものであってもよい。さらに、本開示の実施形態が、複数の第1のセル106が複数の第2のセル110の限界寸法に等価な限界寸法を有することに限定されないことに留意されたい。例えば、第1のセル106のそれぞれが、第2のセル110に対して異なる長さおよび/または幅であってもよい。
【0039】
計測ターゲット100が、例としてのターゲットおよびターゲット構造体が2回転対称を示している文脈において説明されているが、このフィーチャは、本開示の範囲に対する限定として解釈されるべきではないと理解されるべきである。むしろ、本明細書において計測ターゲット100ならびに/または第1のターゲット構造体102および第2のターゲット構造体104が4回転対称を示し得ることに留意されたい。
【0040】
計測ターゲット100のコンポーネント(例えば、第1の周期的パターングリッド、第2の周期的パターングリッド、1つ以上の第1のセル106、1つ以上の第2のセル110、1つ以上の第1のセルパターン要素108、および/または1つ以上の第2のセルパターン要素112)を限定ではなく含む本開示の実施形態が、厚膜フォトレジスト層を用いて画像ベースのオーバレイターゲットを形成することの1つ以上の制限から生じ得る1つ以上の望ましくない影響を克服および/または緩和するように構成され得ることに留意されたい。例えば、計測ターゲット100のコンポーネントは、計測ターゲット100上に形成されたターゲットパターンの全体サイズを減少させるように構成され得る。別の例として、第1のターゲット構造体102および/または第2のターゲット構造体104は、1つ以上の望ましくない影響(例えば、厚膜フォトレジストターゲットフィーチャ形成の非対称性)が低減され得るように、形成されたターゲットフィーチャの全体サイズ(例えば、形成されたターゲットフィーチャによって占有されるサンプルの面積)を減少させるように構成され得る。このようにして、計測ターゲット100のコンポーネントは、画像ベースのオーバレイ計測ターゲットにおける厚いフォトレジスト材料の使用から生じる非対称性および他の不要な影響を緩和し、かつ計測ターゲット100を有するサンプルに対して実行されるオーバレイ測定の正確性を上昇させる、計測ターゲットを提供するように構成され得る。
【0041】
図2は、本開示の1つ以上の実施形態による、計測システム200を示す概念図である。一実施形態では、計測システム200は、計測サブシステム201を含み、計測サブシステム201は、任意の数のオーバレイレシピに基づいてオーバレイターゲットからオーバレイ信号を取得するように構成され得る。計測サブシステム201は、イメージングモードで動作し得る。例えば、イメージングモードでは、個々のオーバレイターゲット要素が、サンプル上の照明されたスポットの範囲内で(例えば、明視野像、暗視野像、位相コントラスト画像などの一部として)解像可能であり得る。
【0042】
一実施形態では、計測サブシステム201は、照明をサンプルの方に向け、さらにサンプルから発出する放射線を収集して、2つ以上のサンプル層のオーバレイを判定するのに適当なオーバレイ信号を生成し得る。計測サブシステム201は、オーバレイターゲットのオーバレイを判定するのに適当なオーバレイ信号を取得するための測定パラメータを定義する任意の数のレシピに基づいて、オーバレイ信号を生成するように構成され得る。例えば、計測サブシステム201のレシピは、照明波長、サンプルから発出する検出された放射線の波長、サンプル上の照明のスポットサイズ、入射照明の角度、入射照明の偏光、オーバレイターゲット上の入射照明のビーム位置、オーバレイ計測ツールの焦点体積内のオーバレイターゲットの位置などを含み得るが、これらに限定されない。
【0043】
例えば、計測サブシステム201は、x線、紫外線(UV)、赤外線(IR)、または可視光線の波長を有する光照射ビームを生成および/または検出するように構成される光学計測ツールを限定ではなく含む、サンプルの計測データを生成するのに適当な当技術分野において既知の任意の種類の光学計測ツールを含み得る。別の例として、計測サブシステム201は、アドバンスイメージング計測(AIM)ツール、アドバンスイメージング計測インダイ(AIMid)ツール、またはトリプルアドバンスイメージング計測(トリプルAIM)ツールを含み得る。
【0044】
別の実施形態では、計測サブシステム201は、光照射ビーム206を生成するように構成される光照射源204を含む。光照射ビーム206は、x線、紫外線(UV)光、可視光、または赤外線(IR)光を含むがこれらに限定されない、1つ以上の選択された波長の放射線を含み得る。光照射源204は、光照射ビーム206を生成するのに適当な、当技術分野において既知の任意の種類の照明源であってもよい。一実施形態では、光照射源204は、レーザ源である。例えば、光照射源204は、1つ以上の狭帯域レーザ光源、広帯域レーザ光源、スーパーコンティニウムレーザ光源、白色光レーザ光源などを含み得るが、これらに限定されない。この点について、光照射源204は、高コヒーレンス(例えば、高空間コヒーレンスおよび/または高時間コヒーレンス)を有する光照射ビーム206を提供し得る。別の実施形態では、光照射源204は、レーザ維持プラズマ(LSP)源を含む。例えば、光照射源204は、レーザ光源によってプラズマ状態に励起されるときに広帯域照明を発光し得る1つ以上の要素を含むのに適当なLSPランプ、LSPバルブ、またはLSPチャンバを含み得るがこれらに限定されない。別の実施形態では、光照射源204は、ランプ源を含む。例えば、光照射源204は、アークランプ、放電ランプ、無電極ランプなどを含み得るが、これらに限定されない。この点について、光照射源204は、低コヒーレンス(例えば、低空間コヒーレンスおよび/または低時間コヒーレンス)を有する光照射ビーム206を提供し得る。
【0045】
光照射源204は、照明経路208を経て光照射ビーム206をサンプル202に向けるように構成され得る。照明経路208は、光照射ビーム206を修正および/または調節するのに適当な1つ以上の照明経路レンズ222または追加の光学コンポーネント224を含み得る。例えば、1つ以上の光学コンポーネント224は、1つ以上の偏光子、1つ以上のフィルタ、1つ以上のビームスプリッタ、1つ以上の拡散器、1つ以上のホモジナイザ、1つ以上のアポタイザ、または1つ以上のビーム整形器を含み得るが、これらに限定されない。照明経路208は、光照射ビーム206をサンプル202に向けるように構成された対物レンズ232をさらに含み得る。
【0046】
別の実施形態では、サンプル202は、サンプルステージ234上に配置される。サンプルステージ234は、計測サブシステム201の中にサンプル202を配置および/またはスキャンするのに適当な任意のデバイスを含み得る。例えば、サンプルステージ234は、直線移動ステージ、回転ステージ、チップ/チルトステージなどの任意の組み合わせを含み得る。
【0047】
別の実施形態では、第2の計測サブシステム201は、収集経路210を通してサンプル202から発出する光をキャプチャするように構成される検出器214を含む。収集経路210は、サンプル202からの光を収集するための1つ以上の収集経路レンズ228を含み得るが、これに限定されない。例えば、検出器214は、1つ以上の収集経路レンズ228を経てサンプル202から(例えば、鏡面反射、拡散反射などによって)反射または散乱された光を受光し得る。別の例として、検出器214は、サンプル202によって生成された光(例えば、光照射ビーム206の吸収に関連する発光など)を受光し得る。別の例として、検出器214は、1以上の回折次数(例えば、0次回折、±1次回折、±2次回折など)の光をサンプル202から受光し得る。
【0048】
検出器214は、サンプル202から受光される照明を測定するのに適当な当技術分野において既知の任意の種類の検出器を含み得る。例えば、検出器214は、CCD検出器、TDI検出器、光電子増倍管(PMT)、アバランシェフォトダイオード(APD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサなどを含み得るが、これらに限定されない。別の実施形態では、検出器214は、サンプル202から発出する光の波長を識別するのに適当な分光検出器を含み得る。
【0049】
一実施形態では、検出器214は、サンプル202の表面に略垂直に配置される。別の実施形態では、計測サブシステム201は、対物レンズ232が同時に光照射ビーム206をサンプル202に向け、かつサンプル202から発出する光を収集し得るように方向付けられたビームスプリッタを含む。さらに、照明経路208および収集経路210は、1つ以上の追加要素(例えば、対物レンズ232、開口、フィルタなど)を共有し得る。
【0050】
別の実施形態では、計測システム200は、計測サブシステム201に通信可能に連結されたコントローラ216を含む。コントローラ216は、1つ以上の選択されたレシピに基づいてオーバレイ信号を生成するように計測サブシステム201に指示するように構成され得る。コントローラ216は、さらに、計測サブシステム201からのオーバレイ信号を含むがこれに限定されないデータを受信するように構成され得る。加えて、コントローラ216は、取得されたオーバレイ信号に基づいて、オーバレイターゲットに関連するオーバレイを判定するように構成され得る。
【0051】
コントローラ216は、サンプルの1つ以上のオーバレイ測定値に基づいて、サンプル202のオーバレイ値を判定するように構成され得る。例えば、コントローラ216は、第1のターゲット構造体102の1つ以上の部分から発出する照明を示す1つ以上の信号に基づいて、サンプル202の1つ以上の第1のオーバレイ測定値を生成するように構成され得る。サンプル202の1つ以上の第1のオーバレイ測定値は、サンプル202の第1の層のオーバレイ位置に対応し得る。別の例として、コントローラ216は、第2のターゲット構造体104の1つ以上の部分から発出する照明を示す1つ以上の信号に基づいて、サンプル202の1つ以上の第2のオーバレイ測定値を生成するように構成され得る。サンプル202の1つ以上の第2のオーバレイ測定値は、サンプル202の第2の層のオーバレイ位置に対応し得る。
【0052】
サンプル202の1つ以上の第1のオーバレイ測定値は、1つ以上の第1の層の重心を示す1つ以上の測定値を含み得る。例えば、サンプル202の1つ以上の第1のオーバレイ測定値は、サンプル202の第1の層上の2点間の1つ以上の位置測定値を含み得る。この点について、計測システム200は、サンプル202の第1の層上の2つ以上の点の相対位置を測定するように構成され得る。コントローラ216は、1つ以上の第1の層の重心を示す1つ以上の測定値に基づいて1つ以上の第1の層の重心を判定するように構成され得る。例えば、コントローラ216は、サンプル202の第1の層の質量が均等に分散され得るサンプル202の第1の層上の点を判定するように構成され得る。この点について、コントローラ216は、1つ以上の第1の層の重心を判定するために、第1の層202の1つ以上の質量(例えば、1つ以上のプリント部分の1つ以上の質量)を1つ以上の第1のオーバレイ測定値と相互に関連付けるように構成され得る。
【0053】
サンプル202の1つ以上の第2のオーバレイ測定値は、1つ以上の第2の層の重心を示す1つ以上の測定値を含み得る。例えば、サンプル202の1つ以上の第2のオーバレイ測定値は、サンプル202の第2の層上の2点間の1つ以上の相対位置測定値を含み得る。この点について、計測システム200は、サンプル202の第2の層上の2点の相対位置を測定するように構成され得る。コントローラ216は、1つ以上の第2の層の重心を示す1つ以上の測定に基づいて1つ以上の第2の層の重心を判定するように構成され得る。例えば、コントローラ216は、サンプル202の第2の層の質量がサンプル202上の2点の相対位置に基づいて均等に分散され得るサンプル202の第2の層上の点を判定するように構成され得る。この点について、コントローラ216は、1つ以上の第2の層の重心を判定するために、第2の層202の1つ以上の質量(例えば、1つ以上のプリント部分の1つ以上の質量)を1つ以上の第1のオーバレイ測定値と相互に関連付けるように構成され得る。
【0054】
サンプル202のオーバレイ値は、1つ以上の第1の層の重心と1つ以上の第2の層の重心との間の差を含み得る。例えば、コントローラ216は、1つ以上の第1の層の重心と1つ以上の第2の層の重心との間の差を計算するように構成され得る。言い換えると、コントローラ216は、サンプル202の第1の層とサンプル202の第2の層との相対重心を判定するように構成され得る。この点について、サンプル202のオーバレイ値は、サンプル202の第1の層とサンプル202の第2の層との相対位置を示し得る。この意味において、コントローラ216は、サンプル202の第1の層と第2の層との間のオフセット(例えばPPE)を判定するように構成され得る。1つ以上の第1の層の重心と1つ以上の第2の層の重心との間の差を計算する際に、コントローラ216は、本明細書において複数の判定された第1の層の重心の平均(例えば、サンプル202の第1の層上の複数の点の対に基づいて判定される複数の第1の層の重心)および複数の判定された第2の層の重心の平均(例えば、サンプル202の第2の層上の複数の点の対に基づいて判定される複数の第2の層の重心)に基づいて、そのような計算を行うように構成され得ることに留意されたい。
【0055】
図3Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、計測ターゲット100のオーバレイ値の判定の概念図を示す。本明細書で前述したように、コントローラ216は、1つ以上の第2の層の重心を示す1つ以上の測定値に基づいて1つ以上の第2の層の重心を判定するように構成され得る。例えば、コントローラ216は、第2のセル110aの位置305aを示す1つ以上の測定値および第2のセル110bの位置305bを示す1つ以上の測定値に基づいて、第2の層の重心307を判定するように構成され得る。
【0056】
図3Aに示される実施形態は、第2の層の重心の判定を示しているが、この図は、例示であるように意図されないことに留意されたい。例えば、前述の通り、コントローラ216が第2の層の重心を判定し得るのと同じやり方で1つ以上の第1のオーバレイ測定値に基づいて、コントローラ216が第1の層の重心を判定するように構成され得ると、特に考えられる。この点について、コントローラ216は、1つ以上の第1の層の重心を示す1つ以上の測定値(例えば、第1の層の2点に対応する1つ以上の相対位置測定値)に基づいて、1つ以上の第1の層の重心を判定するように構成され得る。
【0057】
図3Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、計測ターゲット100のオーバレイ値の判定の概念図を示す。コントローラ216は、1つ以上の設計ファイルへの参照により、サンプル202のオーバレイ値を判定するように構成され得る。例えば、コントローラ216は、計測ターゲット100の重心を全体として生成するように構成され得る。この点について、コントローラ216は、計測ターゲット100の任意の点に対応する1つ以上のオーバレイ測定値に基づいて、計測ターゲット100の重心を計算し得る。例えば、コントローラ216は、サンプル202(例えば、第1のセル106)の第1の層の1つ以上の点に対応する1つ以上のオーバレイ測定値およびサンプル202(例えば、第2のセル110)の第2の層の1つ以上の点に対応する1つ以上のオーバレイ測定値を生成してもよく、コントローラ216は、そのようなオーバレイ測定値に基づいて計測ターゲット100の1つ以上の重心を判定してもよい。コントローラ216は、計測ターゲット100の1つ以上の重心と、計測ターゲット100に対応する1つ以上の設計ファイルに基づいて予期される重心との間の差を計算し得る。この意味において、コントローラ216は、計測ターゲット100の一部と設計ファイルに基づく計測ターゲット100のその部分の予想される配置とのオフセット(例えば、PPE)を判定するように構成され得る。本明細書において計測ターゲット100の1つ以上の重心と予期される重心との間の差を計算する際に、コントローラ216は、計測ターゲットの複数の判定された重心の平均に基づいてそのような計算を行うように構成され得ることに留意されたい。
【0058】
1つ以上のプロセッサ218は、メモリデバイス220またはメモリに維持されるプログラム命令のセットを実行するように構成され得る。1つ以上のプロセッサ218は、当技術分野において既知の任意の処理要素を含み得る。この意味において、1つ以上のプロセッサ218は、アルゴリズムおよび/または命令を実行するように構成される任意のマイクロプロセッサ型デバイスを含み得る。さらに、メモリデバイス220は、関連する1つ以上のプロセッサ218によって実行可能なプログラム命令を記憶するのに適当な、当技術分野において既知の任意の記憶媒体を含み得る。例えば、メモリデバイス220は、非一時的メモリ媒体を含み得る。追加の例として、メモリデバイス220は、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気または光学メモリデバイス(例えば、ディスク)、磁気テープ、ソリッドステートドライブなどを含み得るが、これらに限定されない。メモリデバイス220が、1つ以上のプロセッサ218を有する共通コントローラハウジング内に収容され得ることに、さらに留意されたい。
【0059】
コントローラ216の1つ以上のプロセッサ218は、当技術分野において既知の任意のプロセッサまたは処理要素を含み得る。本開示の目的上、「プロセッサ」または「処理要素」という用語は、1つ以上の処理または論理要素(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサデバイス、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)デバイス、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP))を有する任意のデバイスを包含するように広く定義され得る。この意味において、1つ以上のプロセッサ218は、アルゴリズムおよび/または命令(例えば、メモリ内に記憶されたプログラム命令)を実行するように構成される任意のデバイスを含み得る。一実施形態では、1つ以上のプロセッサ218は、デスクトップコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、イメージコンピュータ、並列プロセッサ、ネットワーク化コンピュータ、または本開示全体を通して説明されるように、動作または計測システム200と合わせて動作するように構成されたプログラムを実行するように構成された任意の他のコンピュータシステムとして具現化され得る。さらに、本開示全体を通して説明されるステップは、単一コントローラ216、または代替として複数のコントローラによって、実行され得る。追加として、コントローラ216は、共通ハウジング内、または複数のハウジング内に収容された1つ以上のコントローラを含み得る。このようにして、任意のコントローラまたはコントローラの組み合わせが、計測システム200への統合に適当なモジュールとして、分離してパッケージ化されてもよい。さらに、コントローラ216は、検出器214から受信されるデータを分析し、データを計測システム200の中の追加コンポーネントまたは計測システム200の外部の追加コンポーネントに供給し得る。
【0060】
メモリ媒体220は、関連する1つ以上のプロセッサ218によって実行可能なプログラム命令を記憶するのに適当な、当技術分野において既知の任意の記憶媒体を含み得る。例えば、メモリ媒体220は、非一時的メモリ媒体を含み得る。別の例として、メモリ媒体220は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気または光学メモリデバイス(例えば、ディスク)、磁気テープ、ソリッドステートドライブなどを含み得るが、これらに限定されない。メモリ媒体220が、1つ以上のプロセッサ218を有する共通コントローラハウジング内に収容され得ることに、さらに留意されたい。一実施形態では、メモリ媒体220は、1つ以上のプロセッサ218およびコントローラ216の物理的位置を基準としてリモートに位置してもよい。例えば、コントローラ216の1つ以上のプロセッサ218は、ネットワーク(例えば、インターネット、イントラネットなど)を通してアクセス可能なリモートメモリ(例えばサーバ)にアクセスし得る。
【0061】
一実施形態では、ユーザインターフェース(図示せず)は、コントローラ216に通信可能に連結される。ユーザインターフェースは、1つ以上のデスクトップ、ラップトップ、タブレットなどを含み得るが、これらに限定されない。別の実施形態では、ユーザインターフェースは、計測システム200のデータをユーザに表示するために使用されるディスプレイを含む。ユーザインターフェースのディスプレイは、当技術分野において既知の任意のディスプレイを含み得る。例えば、ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ベースのディスプレイ、またはCRTディスプレイを含み得るが、これらに限定されない。ユーザインターフェースと統合可能な任意のディスプレイデバイスが、本開示における実施に適当であることを当業者は認識すべきである。別の実施形態では、ユーザは、ユーザインターフェースのユーザ入力デバイスによってユーザに表示されるデータに応答する選択および/または命令を入力し得る。
【0062】
別の実施形態では、コントローラ216は、計測システム200の1つ以上の要素に通信可能に連結される。この点について、コントローラ216は、計測システム200の任意のコンポーネントからデータを送信および/または受信し得る。例えば、コントローラ216は、検出器214に通信可能に連結されて、検出器214から1つ以上の画像を受信し得る。さらに、コントローラ216は、関連コンポーネントのための1つ以上の制御信号を生成することによって、計測システム200の任意のコンポーネントに指示または制御し得る。
【0063】
図4は、本開示の1つ以上の実施形態による、サンプルのオーバレイを測定する方法400のステップを示すプロセスフロー図を示す。
【0064】
ステップ402において、1つ以上の計測ターゲット100を含むサンプルが照明される。例えば、計測システム200は、サンプル202上に照明ビームを向けてもよい。本明細書で用いられる「照明ビーム」という用語は、光照射ビーム206を限定ではなく含む、任意の放射ビームを指し得る。
【0065】
ステップ404において、計測システム100の第1のターゲット構造体102および第2のターゲット構造体104から発出する照明が検出される。例えば、光照射ビーム206が、検出器214によって検出されてもよい。
【0066】
ステップ406において、1つ以上の第1のオーバレイ測定値が生成される。例えば、コントローラ216は、第1のターゲット構造体102の1つ以上の部分から発出する照明を示す1つ以上の信号に基づいて、サンプル202の1つ以上の第1のオーバレイ測定値を生成するように構成され得る。サンプル202の1つ以上の第1のオーバレイ測定値は、1つ以上の第1の層の重心を示す1つ以上の測定値を含み得る。例えば、サンプル202の1つ以上の第1のオーバレイ測定値は、サンプル202の第1の層上の2点間の1つ以上の位置測定値を含み得る。
【0067】
ステップ408において、1つ以上の第2のオーバレイ測定値が生成される。例えば、コントローラ216は、第2のターゲット構造体104の1つ以上の部分から発出する照明を示す1つ以上の信号に基づいて、サンプル202の1つ以上の第2のオーバレイ測定値を生成するように構成され得る。サンプル202の1つ以上の第2のオーバレイ測定値は、1つ以上の第2の層の重心を示す1つ以上の測定値を含み得る。例えば、サンプル202の1つ以上の第2のオーバレイ測定値は、サンプル202の第2の層上の2点間の1つ以上の位置測定値を含み得る。
【0068】
ステップ410において、オーバレイ値は、1つ以上の第1のオーバレイ測定値および1つ以上の第2のオーバレイ測定値に基づいて判定される。例えば、サンプル202のオーバレイ値は、1つ以上の第1の層の重心と1つ以上の第2の層の重心との間の差を含み得る。別の例として、コントローラ216は、1つ以上の第1の層の重心と1つ以上の第2の層の重心との間の差を計算するように構成され得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、方法400は、1つ以上のオーバレイ修正可能物が、少なくともステップ410において判定される1つ以上のオーバレイ値に基づいて提供される、1つ以上の追加のステップを含み得る。例えば、1つ以上の追加のステップは、コントローラ216が1つ以上のプロセスツール(例えば、リソグラフィツール)の1つ以上のパラメータ(例えば、製造設定、構成など)を調整するための1つ以上の制御信号(または制御信号への補正)を生成することを含み得る。制御信号(または制御信号への補正)は、フィードバックおよび/またはフィードフォワード制御ループの一部として、コントローラ216によって提供され得る。コントローラ216は、1つ以上のプロセスツールに、1つ以上の制御信号(または制御信号への補正)に基づいて1つ以上のプロセスツールの1つ以上のパラメータに対する1つ以上の調整を実行させ得る。いくつかの実施形態では、コントローラ216は、1つ以上の調整を行うことをユーザに警告し得る。この意味において、1つ以上の制御信号は、1つ以上のプロセスツールの1つ以上の製造プロセスの誤差を補償してもよく、したがって、1つ以上のプロセスツールが、同一のまたは異なるロットの後続サンプルに対する複数の露出にわたって選択された許容誤差の範囲内にオーバレイを維持することを可能にし得る。
【0070】
図5は、本開示の1つ以上の実施形態による、計測ターゲット100を形成する方法500のステップを示すプロセスフロー図を示す。
【0071】
ステップ502において、第1のターゲット構造体102は、サンプル202の第1の層の第1の領域120および第3の領域122のうちの少なくとも1つの中に形成される。例えば、第1のターゲット構造体102の複数の第1のセル106(第1のセルパターン要素108を含む)は、1つ以上の堆積工程、リソグラフィ工程、またはエッチング工程などであるがこれらに限定されない、1つ以上のプロセス工程を通して製造されてもよく、複数の第1のセル106(第1のセルパターン要素108を含む)は、計測ターゲット100の第1の層上に形成され得る。第1のターゲット構造体102は、1つ以上のプロセスツール(例えば、リソグラフィツール)を用いて形成され得る。
【0072】
ステップ504において、第2のターゲット構造体104は、サンプル202の第2の層の第2の領域121および第4の領域123のうちの少なくとも1つの中に形成される。例えば、第2のターゲット構造体104の複数の第2のセル110(第2のセルパターン要素112を含む)は、1つ以上の堆積工程、リソグラフィ工程、またはエッチング工程などであるがこれらに限定されない、1つ以上のプロセス工程を通して製造されてもよく、複数の第2のセル110(第2のセルパターン要素112を含む)は、計測ターゲット100の第2の層上に形成され得る。第2のターゲット構造体104は、1つ以上のプロセスツール(例えば、リソグラフィツール)を用いて形成され得る。
【0073】
本明細書に記載される方法の全てが、方法の実施形態の1つ以上のステップの結果をメモリに記憶することを含み得る。結果は、本明細書に記載される結果のいずれかを含んでもよく、当技術分野において既知の任意の方式で記憶されてもよい。メモリは、本明細書に記載される任意のメモリまたは当技術分野において既知の任意の他の適当な記憶媒体を含み得る。結果が記憶された後、結果は、メモリにおいてアクセスされてもよく、本明細書に記載される方法またはシステムの実施形態のいずれかによって使用され、ユーザへの表示のためにフォーマットされ、別のソフトウェアモジュール、方法、またはシステムなどによって使用されてもよい。さらに、結果は、「永続的に」、「半永続的に」、「一時的に」、または何らかの期間の間、記憶され得る。例えば、メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)であってもよく、結果は、必ずしもメモリ内に無期限に持続しなくてもよい。
【0074】
上述した方法の実施形態のそれぞれが、本明細書に記載される任意の他の方法の任意の他のステップを含み得ると、さらに考えられる。加えて、上述した方法の実施形態のそれぞれが、本明細書に記載されるシステムのいずれかによって実行され得る。
【0075】
当業者は、本明細書に記載されるコンポーネント、動作、デバイス、対象物、およびそれらに付随する議論が、概念の明確性のために例として使用されるということ、ならびに様々な構成変形が考えられることを認識するであろう。その結果、本明細書で使用される、特定の見本が明記され、付随する議論は、それらのより汎用的なクラスを表すように意図される。概して、任意の特定の見本の使用は、そのクラスを表すように意図され、特定のコンポーネント、動作、デバイス、および対象物を含まないことが、限定と解釈されるべきではない。
【0076】
本明細書で用いられる、「上部」、「下部」、「上」、「下」、「上方」、「上向き」、「下方」、「下へ」、および「下向き」などの方向の用語が、説明の目的で相対位置を提供するように意図され、基準の絶対的枠組みを指定するように意図されない。記載された実施形態に対する様々な変形は当業者に明らかとなり、本明細書で定義される一般原理は、他の実施形態に適用されてもよい。
【0077】
本明細書の実質的な任意の複数形および/または単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈および/または適用に適当であるように、複数形から単数形へ、および/または単数形から複数形へ変換し得る。様々な単数形/複数形の交換が、明確性のために本明細書に明確に記載されない。
【0078】
本明細書に記載される主題は、時には、他のコンポーネント内に含まれる、または他のコンポーネントに接続される、異なるコンポーネントを示す。そのような図示されるアーキテクチャは単なる例示であり、実際には同一の機能性を実現する多くの他のアーキテクチャが実施され得ると理解されるべきである。概念的な意味において、同一の機能性を実現するためのコンポーネントの任意の配置が、所望の機能性が実現されるように効果的に「関連する」。したがって、特定の機能性を実現するために結合される本明細書中の任意の2つのコンポーネントが、アーキテクチャまたは中間コンポーネントにかかわらず、所望の機能性が実現されるように、互いに「関連付けられる」と見られ得る。同様に、そのように関連する任意の2つのコンポーネントは、また、所望の機能性を実現するために互いに「接続される」、または「連結される」と見られ得る。そのように関連することが可能な任意の2つのコンポーネントは、また、所望の機能性を実現するために互いに「連結可能」であると見られ得る。連結可能な特定の例は、物理的に接続可能な、および/もしくは物理的に対話するコンポーネント、ならびに/または無線で対話可能な、および/もしくは無線で対話するコンポーネント、ならびに/または論理的に対話する、および/もしくは論理的に対話可能なコンポーネントを含むが、これらに限定されない。
【0079】
さらに、本発明が添付の特許請求の範囲によって定義されると理解されるべきである。概して、本明細書、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲のボディ部)において使用される用語が、一般に「オープン」用語として意図される(例えば、「含む(including)」という用語が「含むが限定されない」と解釈されるべきであり、「有する」という用語が「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語が「含むが限定されない」などと解釈されるべきである)ことが、当業者により理解されるであろう。特定の数の導入された請求項の列挙が意図される場合、そのような意図が請求項に明示的に列挙され、そのような列挙がないときはそのような意図が存在しないことが当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、理解への補助として、以下の添付された特許請求の範囲は、請求項の列挙を導入するために「少なくとも1つの」および「1つ以上の」という導入句の使用を含み得る。しかしながら、同じ請求項が「1つ以上の」または「少なくとも1つの」という導入句および「a」または「an」などの不定冠詞(例えば、「a」および/または「an」は典型的には「少なくとも1つの」または「1つ以上の」を意味するように解釈されるべきである)を含むときでさえ、そのような句の使用は、不定冠詞「a」または「an」による請求項の列挙の導入が、そのような列挙を1つだけ含む発明に対するそのような導入された請求項の列挙を含む任意の特定の請求項を限定することを示唆するように解釈されるべきではない。同じことが、請求項の列挙を導入するために用いられる定冠詞の使用に当てはまる。加えて、特定の数の導入された請求項の列挙が、明示的に列挙されるとしても、そのような列挙は、典型的には少なくとも列挙された数を意味する(例えば、他の修飾語句のない「2つの列挙」のそのままの列挙は、典型的には、少なくとも2つの列挙、または2つ以上の列挙を意味する)ように解釈されるべきであると当業者は認識するであろう。さらに、「A、B、およびCなどのうちの少なくとも1つ」に類似の規定が用いられるそれらの事例において、概してそのような解釈は、当業者がその規定を理解する意味で意図される(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみを有するシステム、Bのみを有するシステム、Cのみを有するシステム、AおよびBを共に有するシステム、AおよびCを共に有するシステム、BおよびCを共に有するシステム、ならびに/またはA、B、およびCを共に有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)。「A、B、またはCなどのうちの少なくとも1つ」に類似の規定が用いられるそれらの事例において、概してそのような解釈は、当業者がその規定を理解する意味で意図される(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみを有するシステム、Bのみを有するシステム、Cのみを有するシステム、AおよびBを共に有するシステム、AおよびCを共に有するシステム、BおよびCを共に有するシステム、ならびに/またはA、B、およびCを共に有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)。事実上2つ以上の代替語を提示する任意の離接語および/または句は、説明、特許請求の範囲、または図面のいずれかにおいて、用語の1つ、用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を考慮するように理解されるべきであることが、当業者によりさらに理解されるであろう。例えば、「AまたはB」という句は、「A」もしくは「B」または「AおよびB」の可能性を含むように理解されるであろう。
【0080】
本開示およびその付随する利点の多くが、前述の説明によって理解されると信じられ、開示された主題から逸脱することなく、またはその具体的利点の全てを犠牲にすることなく、コンポーネントの形式、構造、および構成において、様々な変更が行われ得ることは明らかである。説明された形式は、単なる説明的なものに過ぎず、そのような変更を包含し含むことが、下記の特許請求の範囲の意図することである。さらに、本発明が添付の特許請求の範囲によって定義されると理解されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3A
図3B
図4
図5