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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/08 20060101AFI20241021BHJP
【FI】
H04B7/08 450
H04B7/08 372A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020211830
(22)【出願日】2020-12-21
(65)【公開番号】P2022098343
(43)【公開日】2022-07-01
【審査請求日】2023-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】島▲崎▼ 智拓
(72)【発明者】
【氏名】松▲崎▼ 敬文
(72)【発明者】
【氏名】山岸 史弥
(72)【発明者】
【氏名】中川 孝之
(72)【発明者】
【氏名】居相 直彦
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-233988(JP,A)
【文献】特開2015-029164(JP,A)
【文献】国際公開第2009/069376(WO,A1)
【文献】特開2006-325077(JP,A)
【文献】特開2019-140590(JP,A)
【文献】国際公開第2008/146495(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝送制御情報及びデータを含むブロックの信号を受信する2以上の受信アンテナと、
前記2以上のアンテナのそれぞれで受信された信号を処理する2以上の受信系統と、
前記2以上の受信系統によって処理された信号の合成処理を実行する合成処理部と、
前記合成処理部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記合成処理の実行後において前記伝送制御情報のエラーが生じているか否かに基づいて、前記合成処理部を制御し、
前記制御部は、前記合成処理の実行後において前記伝送制御情報のエラーが生じている場合に、前記合成処理部の動作に関するリセット処理を実行し、
前記制御部は、前記2以上の受信系統に含まれる所定受信系統について前記伝送制御情報のエラーが生じていても、前記合成処理の実行後において前記伝送制御情報のエラーが生じていない場合に、前記リセット処理の実行を制限する、受信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記2以上の受信系統に含まれる所定受信系統について前記伝送制御情報のエラーが生じていても、前記合成処理の対象から前記所定系統を除外せずに、前記合成処理を実行するように前記合成処理部を制御する、請求項に記載の受信装置。
【請求項3】
前記合成処理部は、前記2以上の受信系統によって処理された信号を周波数領域の信号に変換し、変換された周波数領域の信号を等化する等化処理を実行する、請求項1又は請求項2に記載の受信装置。
【請求項4】
前記合成処理の実行後における前記伝送制御情報のエラーは、前記合成処理の実行後において前記伝送制御情報を特定できないエラー、前記合成処理の実行後における前記伝送制御情報に含まれるブロック番号が不連続であるエラー、及び、前記合成処理の実行後における前記伝送制御情報に含まれるフレーム番号が不連続であるエラーの少なくともいずれか1つを含む、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電波伝送で生じるフェージング等に起因する受信品質の劣化を低減するために、SC(Single Carrier)-FDE(Single Carrier-Frequency Domain Equalization)方式を用いた技術が知られている。
【0003】
例えば、SC-FDE方式では、1つの送信アンテナから送信される信号が2以上の受信アンテナによって受信され、最大比合成法などを用いて、2以上の受信アンテナによって受信された信号のダイバーシティ合成が実行される(以下、SIMO(Single-Input Multiple-Output)-SC- FDE方式)。以下において、2以上の受信アンテナによって受信された信号のダイバーシティ合成前において、各受信アンテナによって受信された信号に関する処理又は構成を「系統」と称してもよい。
【0004】
さらに、伝送制御情報(以下、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)情報)に含まれるブロック番号の特定精度を向上させる技術も提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-140590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ダイバーシティ合成においては、ダイバーシティ合成に用いる系統の数が多いほど、ダイバーシティ合成後の受信品質(例えば、CN(Carrier to Noise)比)が向上すると考えられる。しかしながら、信号を適切に受信できていないような系統まで、ダイバーシティ合成に用いてしまうと、ダイバーシティ効果が得られない可能性がある。
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ダイバーシティ効果を適切に得ることを可能とする受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示の一態様に係る受信装置は、伝送制御情報及びデータを含むブロックの信号を受信する2以上の受信アンテナと、前記2以上のアンテナのそれぞれで受信された信号を処理する2以上の受信系統と、前記2以上の受信系統によって処理された信号の合成処理を実行する合成処理部と、前記合成処理部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記合成処理の実行後において前記伝送制御情報のエラーが生じているか否かに基づいて、前記合成処理部を制御する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ダイバーシティ効果を適切に得ることを可能とする受信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係るデジタル無線伝送システム10を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る送信装置100を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係るTMCCの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るSC-FDEブロックの一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に受信装置200を示すブロック図である。
図6図6は、実施形態に受信系統210を示すブロック図である。
図7図7は、実施形態に制御動作を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0012】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0013】
[開示の概要]
開示の概要に係る受信装置は、伝送制御情報及びデータを含むブロックの信号を受信する2以上の受信アンテナと、前記2以上のアンテナのそれぞれで受信された信号を処理する2以上の受信系統と、前記2以上の受信系統によって処理された信号の合成処理を実行する合成処理部と、前記合成処理部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記合成処理の実行後において前記伝送制御情報のエラーが生じているか否かに基づいて、前記合成処理部を制御する。
【0014】
開示の概要では、受信装置は、合成処理の実行後において伝送制御情報のエラーが生じているか否かに基づいて、合成処理部を制御する。このような構成によれば、受信装置は、ダイバーシティ効果が得られる状況を適切に判断することができ、合成処理を適切に実行することができる。
【0015】
[実施形態]
(デジタル無線伝送システム)
以下において、実施形態に係るデジタル無線伝送システムについて説明する。図1は、実施形態に係るデジタル無線伝送システム10を示す図である。図1に示すように、デジタル無線伝送システムは、送信装置100及び受信装置200を備える。
【0016】
実施形態において、デジタル無線伝送システム10は、ミリ波ワイヤレスカメラシステムであってもよい。デジタル無線伝送システム10では、SC(Single Carrier)-FDE(Single Carrier-Frequency Domain Equalization)方式が採用されてもよい。デジタル無線伝送システム10では、SIMO(Single-Input Multiple-Output)が採用されてもよい。SC-FDE及びSIMOを有する方式は、SIMO-SC-FDEと称されてもよい。以下においては、SIMO-SC-FDEについて主として説明する。
【0017】
従って、送信装置100は、1の送信アンテナ180を有しており、受信装置200は、2以上の受信アンテナ280を有する。合成処理前において各受信アンテナ280によって受信された信号に関する処理又は構成を「系統」と称してもよい。合成処理は、ダイバーシティ合成と称されてもよい。
【0018】
(送信装置)
以下において、実施形態に係る送信装置について説明する。図2は、実施形態に係る送信装置100を示すブロック図である。
【0019】
図2に示すように、送信装置100は、符号化部110と、インタリーブ部120と、マッピング部130と、制御情報生成部140と、ブロック構成部150と、直交変調部160と、を有する。図2では、開示と関連が小さい構成が省略されている。
【0020】
符号化部110は、送信対象のデータを構成するビット列の符号化を実行する。例えば、符号化部110は、ビット列に対して誤り訂正符号を付与することによって、誤り訂正ブロックを生成する。誤り訂正符号としては、(Low-Density Parity-check Code)パリティを用いることができる。例えば、符号化率としては、1/2、2/3、3/4、5/6を用いることができる。
【0021】
インタリーブ部120は、符号化部110から出力されるビット列を構成するビットのインタリーブを実行する。例えば、インタリーブ部120は、時間軸方向におけるインタリーブ(以下、時間インタリーブ)を実行してもよい。時間インタリーブは、誤り訂正ブロックを単位として、時間軸方向においてビットを並び換える処理である。
【0022】
マッピング部130は、インタリーブ部120から出力されるビット列を変調方式に基づいてIQ平面上のシンボルにマッピングする。IQ平面は、I(In-phase)成分及びQ(Quadrate)成分によって定義される平面である。例えば、変調方式としては、BPSK(Binary Phase-Shift Keying)、QPSK(Quadrature PSK)、8PSK、16APSK、(16 Amplitude PSK)、32APSK、QAM(Quadrature Amplitude Modulation)などを用いることができる。
【0023】
制御情報生成部140は、伝送制御情報(以下、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)情報)を生成する。TMCC情報は、単にTMCCと称されてもよい。制御情報生成部140は、受信装置200でチャネル推定に用いる既知の信号(以下、UW; Unique Word)を生成してもよい。UWは、パイロット信号と称されてもよい。
【0024】
例えば、TMCCは、図3に示すように、送信対象のデータの変調方式を示すビット(例えば、b0~b2)、送信対象のデータの符号化率を示すビット(例えば、b3~b4)、補助情報のデータの変調方式を示すビット(例えば、b5)、補助情報のデータの符号化率を示すビット(例えば、b6~b7)、フレーム番号(例えば、b8~b10)、ブロック番号(例えば、b11~b18)、リザーブ(例えば、b19~b22)を含んでもよい。
【0025】
補助情報は、AC(Auxiliary Channel)を介して送信される情報である。補助情報は、単にACと称されてもよい。ACは、送信対象のデータに付随する情報であり、ACの内容は特に限定されるものではない。
【0026】
ブロック番号は、送信単位を構成するブロックを識別する番号である。ブロックは、SC-FDEブロックと称されてもよい。ブロック番号は、送信順序に従って連続的に割り当てられる番号であってもよい。フレーム番号は、2以上のSC-FDEブロックによって構成されるフレームを識別する番号である。フレーム番号は、送信順序に従って連続的に割り当てられる番号であってもよい。ブロック番号及びフレーム番号は、sequence numberであると考えてもよい。
【0027】
ブロック構成部150は、マッピング部130から出力される信号及び制御情報生成部140から出力される情報に基づいて、送信単位を構成するブロックを構成する。SC-FDEブロックは、GI(Guard Interval)によって区切られてもよい。GIは、CP(Cyclic Prefix)であってもよい。すなわち、ブロック構成部150は、SC-FDEブロックにGIを付加してもよい。
【0028】
例えば、SC-FDEブロックは、図4に示すように、UW、データ、TMCC及びACを含む。上述したように、UWは、受信装置200によってチャネル推定に用いるパイロット信号である。TMCCは、少なくともブロック識別番号を含む。ACは、送信対象のデータに付随する補助情報である。ここで、データ、TMCC及びACの変調方式は互いに異なっていてもよい。データ、TMCC及びACの符号化率は互いに異なっていてもよい。TMCCの変調方式は、DBPSK(Differential BPSK)、DQPSK(Differential QPSK)などの差動変調方式であってもよい。
【0029】
直交変調部160は、ブロック構成部150から出力される信号のDA変換を実行した上で、DA変換後の信号の直交変調を実行する(デジタル処理で直交変調を実行した上でDA変換を実行してもよい)。
【0030】
(受信装置)
以下において、実施形態に係る受信装置200について説明する。図5は、実施形態に係る受信装置200を示す図である。
【0031】
図5に示すように、受信装置200は、2以上の受信系統210と、合成処理部220と、IFFT部230と、デマッピング部240と、デインタリーブ部250と、復号部260と、TMCC検出部271と、制御部272と、を有する。
【0032】
2以上の受信系統210は、受信アンテナ280毎に設けられる処理部である。2以上の受信系統210は、2以上の受信アンテナ280のそれぞれによって受信された信号を処理する。各受信系統210の構成は同様であるため、以下においては、1つの受信系統210について着目して説明する。
【0033】
具体的には、受信系統210は、図6に示すように、受信処理部211と、TMCC検出部212と、FFT部213と、チャネル推定部214と、雑音検出部215と、を有する。
【0034】
受信処理部211は、送信装置100から受信する信号の直交復調を実行した上で、AD変換を実行する(AD変換を実行してからデジタル処理で直交復調を実行してもよい)。受信処理部211は、直交復調後の時間領域の信号からGIを除去してもよい。受信処理部211は、直交復調後の時間領域の信号をSC-FDEブロック毎に出力する。
【0035】
TMCC検出部212は、受信処理部211から出力される時間領域の信号からTMCCを検出する。具合的には、TMCC検出部212は、検出されたTMCCを復調することによって、少なくともブロック番号を特定する。TMCC検出部212は、フレーム番号を特定してもよい。TMCC検出部212は、TMCCに含まれる他の情報要素を特定してもよい。TMCC検出部212は、特定されたTMCC(以下、合成前TMCC)を制御部270に出力する。
【0036】
FFT部213は、受信処理部211から出力される時間領域の信号にFFT(Fast Fourier Transform)処理を適用し、時間領域の信号を周波数領域の信号に変換する。FFT部213は、周波数領域の信号を合成処理部220に出力する。
【0037】
チャネル推定部214は、受信処理部211から出力される時間領域の信号からUWを特定し、UWに基づいてチャネル推定を実行する。具体的には、チャネル推定部214は、送信アンテナ180と受信アンテナ280との間の伝搬路特性を推定し、伝搬路特性を示すパラメータを特定する。チャネル推定部214は、特定されたパラメータを合成処理部220に出力する。
【0038】
雑音検出部215は、受信処理部211から出力される時間領域の信号からUWを特定し、UWに基づいて雑音電力を特定する。雑音検出部215は、特定された雑音電力を示すパラメータを合成処理部220に出力する。
【0039】
図5に戻って、合成処理部220は、2以上の受信系統210によって処理された信号を合成する(ダイバーシティ合成)。
【0040】
第1に、合成処理部220は、2以上の受信系統210によって処理された信号の同期処理を実行してもよい。同期処理は、各受信系統210についてSC-FDEブロックの同期を取る処理である。例えば、合成処理部220は、n番目のSC-FDEブロックを処理する場合に、各受信系統210のチャネル情報を用いて、n-1番目のSC-FDEブロックのゴースト(マルチパス)の影響を排除する処理(以下、ゴースト排除処理)を含んでもよい。ゴースト排除処理において受信系統210毎のチャネル情報が用いられる場合には、同期処理は受信系統210毎に実行されてもよい。ゴースト排除処理において受信系統210のチャネル情報の平均値が用いられる場合には、同期処理は受信系統210間で実行されてもよい。同期処理によってSC-FDEブロックの同期が取られた場合には、以降の処理において同期処理は省略される。
【0041】
第2に、合成処理部220は、2以上の受信系統210によって処理された信号を周波数領域の信号に変換し、変換された周波数領域の信号を等化する等化処理を実行してもよい。例えば、合成処理部220は、チャネル推定部214によって推定された伝搬路特性及び雑音検出部215によって特定された雑音電力に基づいて、FFT部213から出力される周波数領域の信号を等化する等化処理を実行する。等化処理において、周波数領域の信号を等化するための等化ウェイトは、平均2乗誤差最小(MMSE; Minimum Mean Squared Error)方式を用いて算出されてもよい。等化処理は、最大比合成処理を含んでもよい。
【0042】
第3に、合成処理部220は、受信系統210毎に等化処理が適用された信号を合成する合成処理を実行してもよい。例えば、合成処理部220は、受信系統210毎に等化ウェイトによって等化された信号を合成する合成処理を実行する。
【0043】
IFFT部230は、合成処理部220から出力される周波数領域の信号にIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理を適用し、周波数領域の信号を時間領域の信号に戻す。
【0044】
デマッピング部240は、マッピング部130とは逆の手順で、IQ平面上のシンボルをビット列にキャリア毎にデマッピングする。デマッピングの方法としては、硬判定が用いられてもよく、軟判定が用いられてもよい。軟判定が用いられる場合には、LDPC復号を行うためのビット尤度が計算されてもよい。
【0045】
デインタリーブ部250は、インタリーブ部120とは逆の手順で、時間デインタリーブを実行する。
【0046】
復号部260は、符号化部110とは逆の手順で、デインタリーブ部250から出力されるビット列の復号を実行する。すなわち、復号部260は、誤り訂正符号(例えば、LDPCパリティ)に基づいて誤り訂正を実行する。
【0047】
TMCC検出部271は、合成処理部220から出力される信号からTMCCを検出する。具体的には、TMCC検出部271は、合成処理部220から出力される周波数領域の信号にIFFT処理を適用することによってTMCCを検出する。TMCC検出部271は、検出されたTMCCを復調することによって、少なくともブロック番号を特定する。TMCC検出部271は、フレーム番号を特定してもよい。TMCC検出部271は、TMCCに含まれる他の情報要素を特定してもよい。TMCC検出部271は、特定されたTMCC(以下、合成後TMCC)を制御部270に出力する。
【0048】
制御部272は、合成処理部220を制御する。具体的には、制御部272は、合成処理の実行後においてTMCCのエラーが生じているか否かに基づいて、合成処理部220を制御する。言い換えると、制御部272は、合成後TMCCのエラーが生じているか否かに基づいて、合成処理部220を制御する。
【0049】
ここで、合成後TMCCのエラーは、合成後TMCCを特定(又は、復調、受信)できないエラーを含んでもよい。合成後TMCCに含まれるブロック番号が不連続であるエラーを含んでもよい。合成後TMCCのエラーは、合成後TMCCに含まれるフレーム番号が不連続であるエラーを含んでもよい。
【0050】
例えば、制御部272は、合成後TMCCのエラーが生じている場合に、合成処理部220の動作に関するリセット処理を適用してもよい。リセット処理は、上述した同期処理をやり直す処理を含んでもよい。
【0051】
制御部272は、2以上の受信系統210に含まれる所定受信系統について合成前TMCCのエラーが生じていても、合成後TMCCのエラーが生じていない場合に、リセット処理の実行を制限してもよい。言い換えると、制御部272は、合成後TMCCのエラーが生じていない場合には、合成前TMCCの検出結果に依存せずに、リセット処理を実行しない。
【0052】
ここで、合成前TMCCのエラーは、合成前TMCCに含まれるブロック番号が不連続であるエラーを含んでもよい。合成前TMCCのエラーは、合成前TMCCに含まれるフレーム番号が不連続であるエラーを含んでもよい。合成前TMCCのエラーは、合成前TMCCを特定(又は、復調、受信)できないエラーを含んでもよい。
【0053】
制御部272は、2以上の受信系統210に含まれる所定受信系統について合成前TMCCのエラーが生じていても、合成処理の対象から所定系統を除外せずに、合成処理を実行するように合成処理部220を制御してもよい。但し、制御部272は、2以上の受信系統210に含まれる所定受信系統について合成前TMCCのエラーが生じた場合に、合成処理の対象から所定系統を除外して、合成処理を実行するように合成処理部220を制御してもよい。
【0054】
上述した制御部272の制御動作は、図7に示すマトリックスによって表されてもよい。図7に示すように、制御部272の制御動作は、合成前TMCC及び合成後TMCCによって、No.1~No.4の類型に分けることができる。”○”は、TMCCのエラーが生じていないことを示しており、”×”は、TMCCのエラーが生じていることを示している。
【0055】
No.1に示すように、制御部272は、合成前TMCC及び合成後TMCCの双方においてエラーが生じていない場合には、合成処理を継続するように合成処理部220を制御する。
【0056】
No.2に示すように、合成前TMCCにおいてエラーが生じていないが、合成後TMCCにおいてエラーが生じている場合には、リセット処理を実行するように合成処理部220を制御する。このようなケースにおいては、SC-FDEブロックの復号そのものがエラーであると判定されてもよい。或いは、制御部272は、TMCCのエラーが生じていない受信系統から出力される信号を用いて、合成処理を実行するように合成処理部220を制御してもよい。
【0057】
No.3に示すように、合成前TMCCにおいてエラーが生じているが、合成後TMCCにおいてエラーが生じていない場合には、リセット処理を実行せずに合成処理を継続するように合成処理部220を制御する。このようなケースにおいて、制御部272は、TMCCのエラーが生じている所定受信系統を除外せずに、合成処理を実行するように合成処理部220を制御してもよい。或いは、制御部272は、TMCCのエラーが生じている所定受信系統を除外して、合成処理を実行するように合成処理部220を制御してもよい。
【0058】
No.4に示すように、制御部272は、合成前TMCC及び合成後TMCCの双方においてエラーが生じている場合には、リセット処理を実行するように合成処理部220を制御する。このようなケースにおいては、SC-FDEブロックの復号そのものがエラーであると判定されてもよい。
【0059】
(作用及び効果)
実施形態では、受信装置200は、合成後TMCCのエラーが生じているか否かに基づいて、合成処理部220を制御する。このような構成によれば、受信装置200は、ダイバーシティ効果が得られる状況を適切に判断することができ、合成処理220を適切に実行することができる。
【0060】
例えば、受信装置200は、合成後TMCCのエラーが生じている場合に、合成処理部220の動作に関するリセット処理を適用してもよい。このような構成によれば、ダイバーシティ効果が得られない状況下において、リセット処理を適切に適用することができる。
【0061】
受信装置200は、2以上の受信系統210に含まれる所定受信系統について合成前TMCCのエラーが生じていても、合成後TMCCのエラーが生じていない場合に、リセット処理の実行を制限してもよい。このような構成によれば、合成前TMCCのエラーが一時的に生じている状況下において、合成処理部220の合成処理を継続することによって、非効率的な同期処理のやり直しが実行される可能性を低減することができる。
【0062】
受信装置200は、2以上の受信系統210に含まれる所定受信系統について合成前TMCCのエラーが生じていても、所定受信系統を除外せずに、合成処理を実行するよう合成処理部220を制御してもよい。このような構成によれば、ダイバーシティ効果が少しでも得られる状況下において、合成処理部220の合成処理を継続することによって、ダイバーシティ効果を適切に得ることができる。
【0063】
[その他の実施形態]
本発明は上述した開示によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0064】
上述した開示では特に触れていないが、受信装置200(TMCC検出部212及びTMCC検出部271)は、差動復調によってTMCCを復調してもよい。このようなケースでは、受信装置200は、同期信号などを必要とせずにTMCCを復調することができる。
【0065】
上述した開示では特に触れていないが、SIMO-SC-FDEが用いられるケースについて説明した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。例えば、上述した開示は、MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)に適応されてもよい。上述した開示は、MC(Multiple Carrier)方式に用いられてもよい。これらのケースにおいて、FDEが用いられることが前提であってもよい。
【0066】
上述した開示では特に触れていないが、送信装置100及び受信装置200が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0067】
或いは、送信装置100及び受信装置200が行う各処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップが提供されてもよい。
【符号の説明】
【0068】
10…デジタル無線伝送システム、100…送信装置、110…符号化部、120…インタリーブ部、130…マッピング部、140…制御情報生成部、150…ブロック構成部、160…直交変調部、180…送信アンテナ、200…受信装置、210…受信系統、211…受信処理部、212…TMCC検出部、213…FFT部、214…チャネル推定部、215…雑音検出部、220…合成処理部、230…IFFT部、240…デインタリーブ部、250…復号部、260…TMCC検出部、270…制御部、280…受信アンテナ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7